半導体冷却装置
【課題】 互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する受熱ブロックと、この受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置において、一方の電力変換回路を構成する半導体素子が物理的に破損した場合に、破損した半導体素子の残骸が他方の電力変換回路を構成する半導体素子に接触して他方の電力変換回路に悪影響を及ぼすことがある。
【解決手段】 板状に形成された一つの受熱ブロック12の一方の面に、第1の半導体素子群G1の半導体素子1が取り付けられる第1の素子面12aと、第2の半導体素子群G2の半導体素子1が取り付けられる第2の素子取付面12bとを設ける。
【解決手段】 板状に形成された一つの受熱ブロック12の一方の面に、第1の半導体素子群G1の半導体素子1が取り付けられる第1の素子面12aと、第2の半導体素子群G2の半導体素子1が取り付けられる第2の素子取付面12bとを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の床下等に設置され、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群を冷却する半導体冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の床下には、直流から交流あるいは交流から直流への変換を行う半導体電力変換装置が設置されている。図21乃至図23はこの種の半導体電力変換装置の一例を示しており、図21は電力変換回路の構成図、図22は半導体電力変換装置の側面断面図、図23は図22のA−A線断面図である。
【0003】
この半導体電力変換装置は、互いに独立した二つのインバータ回路(電力変換回路)を備えており、各インバータ回路は、図21に示すように、三相ブリッジ接続された六個の半導体素子1と、正極端子及び負極端子間に接続されたフィルタコンデンサ2とを有している。
【0004】
この電力変換装置は、図示しない鉄道架線から直流側の端子P、N間に直流電力が入力されると、半導体素子1を所定の順序でオン・オフ制御することにより交流電力に変換し、交流側の端子U、V、Wから出力して電動機3へ供給する。
【0005】
この電力変換装置では、半導体素子1から発生する熱を効率良く除去するための半導体冷却装置を設けている。
【0006】
図22、図23に示すように、この半導体冷却装置4は、車体5の底部の側端に取り付けられた箱体6内に一部が収納されており、額縁状の境界板7に形成された開口(図示せず)に固定されている。
【0007】
半導体冷却装置4は、境界板7の一方の側に設けられ半導体素子1及びゲートアンプ9を内部に収容するとともに前記開口を封閉する密閉部10と、境界板7の他方の側に設けられ熱放散させるための開放部11とを備えている。
【0008】
密閉部10では、例えば山形鋼で形成された枠体の底部に板が取り付けられ、その上に二群のフィルタコンデンサ2がそれぞれ装着され、箱体6内に導入された図示しない導体がフィルタコンデンサ2に接続されている。
【0009】
半導体素子1は、密閉部10内に各相毎に設けられた三個の板状の受熱ブロック12に取り付けられている。各受熱ブロック12の一方の面には一方のインバータ回路を構成する半導体素子1が取り付けられ、各受熱ブロック12の他方の面には他方のインバータ回路を構成する半導体素子1が取り付けられる。半導体素子1の取り付けは三相共同様である。このような構造では、中央の受熱ブロック12上の半導体素子1が両側の受熱ブロック12上の半導体素子1と対向して近接した状態となる。
【0010】
各受熱ブロック12にはヒートパイプ放熱器13が取り付けられている。このヒートパイプ放熱器13は、一端が受熱ブロック12の一側面に接続され、開放部11に向けて突出したヒートパイプ14と、このヒートパイプ14上に長手方向に間隔をおいて取り付けられた複数枚の板状の放熱フィン15とを有している。ヒートパイプ14は各放熱フィン15を貫通しており、各放熱フィン15はヒートパイプ14の外周面に嵌着された状態で固定されている。
【0011】
ヒートパイプ放熱器13は、受熱ブロック12側が下方となるように傾けて取り付けられ、ヒートパイプ14内に封入された冷媒は、半導体素子1で発生して受熱ブロック12に伝導した熱により蒸発し、放熱フィン15側で大気へ熱放散して凝縮する。凝縮した冷媒は重力によりヒートパイプ14内を下方に流れて受熱ブロック12側へ戻る。なお、放熱フィン15は自然冷却により大気へ熱放散を行うため、地面に対してほぼ垂直に設置され、放熱フィン15間に上昇気流を生じさせるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上のような構成の半導体冷却装置においては、一方のインバータ回路を構成する半導体素子1が物理的に破損した場合に、破損した半導体素子1の残骸が他方のインバータ回路を構成する半導体素子1に接触するなどして、他方のインバータ回路に悪影響を及ぼす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、第1の発明は、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する一つの受熱ブロックと、前記受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記第1及び第2の素子取付面が同一面内に設けられたことを特徴としている。
【0014】
また、第2の発明は、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する一つの受熱ブロックと、前記受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記第1及び第2の素子取付面が表裏の関係となるように設けられたことを特徴としている。
【0015】
また、第3の発明は、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する複数の受熱ブロックと、前記各受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記複数の受熱ブロックは、前記第1の素子取付面同士あるいは前記第2の素子取付面同士が対向するように配置されたことを特徴としている。
【0016】
また、第4の発明は、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する複数の受熱ブロックと、前記各受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記複数の受熱ブロックは、前記第1及び第2の素子取付面が表裏の関係となるように設けられるとともに前記第1の素子取付面と前記第2の素子取付面が互いに対向するように間隔をおいて配置され、隣接する二つの前記受熱ブロック間に前記第1の素子取付面の半導体素子と前記第2の素子取付面の半導体素子とが衝突するのを防ぐ衝突防止部材が設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一つの電力変換回路を構成する半導体素子が物理的に破損した場合に、破損した半導体素子の残骸が他の電力変換回路を構成する半導体素子に接触することがないため、他の電力変換回路に悪影響を及ぼすことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態において、上記従来例と同一又は類似の部分には同一の符号を用いており、重複する説明は省略してある。
【0019】
図1は本発明の第1の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図2は図1の半導体冷却装置の平面図、図3は図1の半導体冷却装置の右側面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して略垂直に配置された一つの受熱ブロック12の一方の面が二つのインバータ回路の素子取付面とされている。すなわち、受熱ブロックの一方の面を縦断する中心線C.Lを境に左側が第1の素子取付面12a、右側が第2の素子取付面12bとなっている。
【0021】
第1の素子取付面12aには、一方のインバータ回路のU、V、W相に対応した六個の半導体素子1から成る第1の半導体素子群G1が取り付けられ、第2の素子取付面12bには、他方のインバータ回路のU、V、W相に対応した六個の半導体素子1から成る第2の半導体素子群G2が取り付けられている。
【0022】
また、受熱ブロック12の他方の面には、多数の板状の放熱フィン15が横方向に一定間隔をおいて垂直に取り付けられている。
【0023】
このように、二つのインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を同一面内に取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図4は本発明の第2の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図5は図4の半導体冷却装置の平面図、図6は図4の半導体冷却装置の右側面図である。
【0025】
図4に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して略垂直に配置された一つの受熱ブロック12の一方の面が二つのインバータ回路の素子取付面とされている。すなわち、受熱ブロック12の一方の面を横断する中心線C.Lを境に上側が第1の素子取付面12a、下側が第2の素子取付面12bとなっている。
【0026】
第1の素子取付面12aには、一方のインバータ回路のU、V、W相に対応した六個の半導体素子1から成る第1の半導体素子群G1が取り付けられ、第2の素子取付面12bには、他方のインバータ回路のU、V、W相に対応した六個の半導体素子1から成る第2の半導体素子群G2が取り付けられている。
【0027】
また、受熱ブロック12の他方の面には、多数の板状の放熱フィン15が横方向に一定間隔をおいて垂直に取り付けられている。
【0028】
このように、二つのインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を同一面内に取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0029】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。図7は本発明の第3の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図8は図7の半導体冷却装置の左側面図である。
【0030】
図7に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して略垂直に配置された一つの受熱ブロック12の一方の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1を構成する六個の半導体素子1が取り付けられ、受熱ブロック12の他方の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2を構成する六個の半導体素子1が取り付けられている。
【0031】
また、略L字形に形成されたヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられ、このヒートパイプ14の他端側に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0032】
このように、一方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を受熱ブロック12の一方の面に取り付け、その裏側となる他方の面に他方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0033】
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図9は本発明の第4の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図10は図9の半導体冷却装置の左側面図である。
【0034】
図9に示すように、本実施形態では、角筒状に形成された一つの受熱ブロック12の一方の側壁の外面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1を構成する六個の半導体素子1が取り付けられ、その裏側となる他方の側壁の外面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2を構成する六個の半導体素子1が取り付けられている。
【0035】
また、受熱ブロック12の内部には、長手方向に延びる複数枚の板状の放熱フィン15が水平かつ上下に間隔をおいて設けられ、各放熱フィン15は受熱ブロック12の両側壁の内面間に接続されている。なお、16は冷却ファンであり、受熱ブロック12の内部に向けて冷却風を送風し、放熱フィン15による放熱を促進する。
【0036】
このように、一方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を受熱ブロック12の一方の側壁の外面に取り付け、その裏側となる他方の側壁の外面に他方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。また、放熱フィン15に対して両側から熱が伝わるので、効率良く放熱することができる。
【0037】
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。図11は本発明の第5の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図12は図10の半導体冷却装置の右側面図である。
【0038】
図11、図12に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して傾斜した状態で配置された上下一対の受熱ブロック12を備えており、上側の受熱ブロック12の下側の面及び下側の受熱ブロック12の上側の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1が取り付けられるとともに互いに対向するように配置されている。また、上側の受熱ブロック12の上側の面及び下側の受熱ブロック12の下側の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2が取り付けられている。
【0039】
また、直軸状のヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられて斜め上方に向かって突出し、このヒートパイプ14に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0040】
このように、一方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を一対の受熱ブロック12の互いに対向する面に取り付け、その裏側の面に他方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0041】
なお、受熱ブロック12及び放熱フィン15から成る冷却器をU、V、W相の各相毎に分離して設けるようにしてもよく、この場合、扱う冷却器が小型となるため、組立作業性が向上するという利点が有る。
【0042】
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。図13は本発明の第6の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図14は図13の半導体冷却装置の右側面図である。
【0043】
図13、図14に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して傾斜した状態で配置された一つの受熱ブロック12の上側の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1が取り付けられ、受熱ブロック12の下側の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2が取り付けられている。
【0044】
また、直軸状のヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられて斜め上方に向かって突出し、このヒートパイプ14に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0045】
このように、一方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を一つの受熱ブロック12の一方の面に取り付け、その裏側の面に他方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0046】
次に、本発明の第7の実施形態を説明する。図15は本発明の第7の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図16は図15の半導体冷却装置の右側面図、図17は図15の半導体冷却装置の平面図である。
【0047】
これらの図に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して垂直に置された複数の受熱ブロック12を備えている。各受熱ブロック12は、一方の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1を構成する半導体素子1が二個取り付けられ、他方の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2を構成する半導体素子1が二個取り付けられている。
【0048】
各受熱ブロック12は、第1の素子取付面12aと第2の素子取付面12bとが互いに対向するように間隔をおいて平行に配置されている。そして、各半導体素子1の表面には、それぞれ断面コの字形の金属製の導体17が接着等により固定され、さらに隣接する二個の半導体素子1の表面には、これらの間に跨るように断面コの字形の導体18が接着等により固定されている。これらの導体17、18は電源変換回路に電圧を供給するためのもので、金属板を折曲したり厚みを大きくすることにより剛性を高めている。
【0049】
また、直軸状のヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられて斜め上方に向かって突出し、このヒートパイプ14に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0050】
このように、各受熱ブロック12の両面の二個の半導体素子1上に導体17、18を取り付けたことにより、第1の素子取付面12aの半導体素子1と第2の素子取付面12bの半導体素子1とが衝突するのを防ぐことができるため、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0051】
次に、本発明の第8の実施形態を説明する。図18は本発明の第8の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図19は図18の半導体冷却装置の右側面図、図20は図18の半導体冷却装置の平面図である。
【0052】
これらの図に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して垂直に置された複数の受熱ブロック12を備えている。各受熱ブロック12は、一方の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1を構成する半導体素子1が二個取り付けられ、他方の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2を構成する半導体素子1が二個取り付けられている。
【0053】
各受熱ブロック12は、第1の素子取付面12aと第2の素子取付面12bが互いに対向するように間隔をおいて平行に配置されている。そして、隣接する二個の受熱ブロック12間には隔壁19が設置されている。
【0054】
また、直軸状のヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられて斜め上方に向かって突出し、このヒートパイプ14に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0055】
このように、隣接する二個の受熱ブロック12間に隔壁19を設けたことにより、第1の素子取付面12aの半導体素子1と第2の素子取付面12bの半導体素子1とが衝突するのを防ぐことができるため、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0056】
以上、具体例をあげて本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の改変を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図2】図1の半導体冷却装置の平面図である。
【図3】図1の半導体冷却装置の右側面である。
【図4】本発明の第2の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図5】図4の半導体冷却装置の平面図である。
【図6】図4の半導体冷却装置の右側面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図8】図7の半導体冷却装置の左側面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図10】図9の半導体冷却装置の左側面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図12】図10の半導体冷却装置の右側面図である。
【図13】本発明の第6の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図14】図13の半導体冷却装置の右側面図である。
【図15】本発明の第7の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図16】図15の半導体冷却装置の右側面図である。
【図17】図15の半導体冷却装置の平面図である。
【図18】本発明の第8の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図19】図18の半導体冷却装置の右側面図である。
【図20】図18の半導体冷却装置の平面図である。
【図21】従来の半導体冷却装置の電力変換回路の構成図である。
【図22】従来の半導体電力変換装置の側面断面図である。
【図23】図22のA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 半導体素子
12 受熱ブロック
12a 第1の素子取付面
12b 第2の素子取付面
14 ヒートパイプ(放熱部)
15 放熱フィン(放熱部)
17 導体(衝突防止部材)
18 導体(衝突防止部材)
19 隔壁(衝突防止部材)
G1 第1の半導体素子群
G2 第2の半導体素子群
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の床下等に設置され、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群を冷却する半導体冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の床下には、直流から交流あるいは交流から直流への変換を行う半導体電力変換装置が設置されている。図21乃至図23はこの種の半導体電力変換装置の一例を示しており、図21は電力変換回路の構成図、図22は半導体電力変換装置の側面断面図、図23は図22のA−A線断面図である。
【0003】
この半導体電力変換装置は、互いに独立した二つのインバータ回路(電力変換回路)を備えており、各インバータ回路は、図21に示すように、三相ブリッジ接続された六個の半導体素子1と、正極端子及び負極端子間に接続されたフィルタコンデンサ2とを有している。
【0004】
この電力変換装置は、図示しない鉄道架線から直流側の端子P、N間に直流電力が入力されると、半導体素子1を所定の順序でオン・オフ制御することにより交流電力に変換し、交流側の端子U、V、Wから出力して電動機3へ供給する。
【0005】
この電力変換装置では、半導体素子1から発生する熱を効率良く除去するための半導体冷却装置を設けている。
【0006】
図22、図23に示すように、この半導体冷却装置4は、車体5の底部の側端に取り付けられた箱体6内に一部が収納されており、額縁状の境界板7に形成された開口(図示せず)に固定されている。
【0007】
半導体冷却装置4は、境界板7の一方の側に設けられ半導体素子1及びゲートアンプ9を内部に収容するとともに前記開口を封閉する密閉部10と、境界板7の他方の側に設けられ熱放散させるための開放部11とを備えている。
【0008】
密閉部10では、例えば山形鋼で形成された枠体の底部に板が取り付けられ、その上に二群のフィルタコンデンサ2がそれぞれ装着され、箱体6内に導入された図示しない導体がフィルタコンデンサ2に接続されている。
【0009】
半導体素子1は、密閉部10内に各相毎に設けられた三個の板状の受熱ブロック12に取り付けられている。各受熱ブロック12の一方の面には一方のインバータ回路を構成する半導体素子1が取り付けられ、各受熱ブロック12の他方の面には他方のインバータ回路を構成する半導体素子1が取り付けられる。半導体素子1の取り付けは三相共同様である。このような構造では、中央の受熱ブロック12上の半導体素子1が両側の受熱ブロック12上の半導体素子1と対向して近接した状態となる。
【0010】
各受熱ブロック12にはヒートパイプ放熱器13が取り付けられている。このヒートパイプ放熱器13は、一端が受熱ブロック12の一側面に接続され、開放部11に向けて突出したヒートパイプ14と、このヒートパイプ14上に長手方向に間隔をおいて取り付けられた複数枚の板状の放熱フィン15とを有している。ヒートパイプ14は各放熱フィン15を貫通しており、各放熱フィン15はヒートパイプ14の外周面に嵌着された状態で固定されている。
【0011】
ヒートパイプ放熱器13は、受熱ブロック12側が下方となるように傾けて取り付けられ、ヒートパイプ14内に封入された冷媒は、半導体素子1で発生して受熱ブロック12に伝導した熱により蒸発し、放熱フィン15側で大気へ熱放散して凝縮する。凝縮した冷媒は重力によりヒートパイプ14内を下方に流れて受熱ブロック12側へ戻る。なお、放熱フィン15は自然冷却により大気へ熱放散を行うため、地面に対してほぼ垂直に設置され、放熱フィン15間に上昇気流を生じさせるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上のような構成の半導体冷却装置においては、一方のインバータ回路を構成する半導体素子1が物理的に破損した場合に、破損した半導体素子1の残骸が他方のインバータ回路を構成する半導体素子1に接触するなどして、他方のインバータ回路に悪影響を及ぼす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、第1の発明は、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する一つの受熱ブロックと、前記受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記第1及び第2の素子取付面が同一面内に設けられたことを特徴としている。
【0014】
また、第2の発明は、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する一つの受熱ブロックと、前記受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記第1及び第2の素子取付面が表裏の関係となるように設けられたことを特徴としている。
【0015】
また、第3の発明は、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する複数の受熱ブロックと、前記各受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記複数の受熱ブロックは、前記第1の素子取付面同士あるいは前記第2の素子取付面同士が対向するように配置されたことを特徴としている。
【0016】
また、第4の発明は、互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する複数の受熱ブロックと、前記各受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記複数の受熱ブロックは、前記第1及び第2の素子取付面が表裏の関係となるように設けられるとともに前記第1の素子取付面と前記第2の素子取付面が互いに対向するように間隔をおいて配置され、隣接する二つの前記受熱ブロック間に前記第1の素子取付面の半導体素子と前記第2の素子取付面の半導体素子とが衝突するのを防ぐ衝突防止部材が設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一つの電力変換回路を構成する半導体素子が物理的に破損した場合に、破損した半導体素子の残骸が他の電力変換回路を構成する半導体素子に接触することがないため、他の電力変換回路に悪影響を及ぼすことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態において、上記従来例と同一又は類似の部分には同一の符号を用いており、重複する説明は省略してある。
【0019】
図1は本発明の第1の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図2は図1の半導体冷却装置の平面図、図3は図1の半導体冷却装置の右側面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して略垂直に配置された一つの受熱ブロック12の一方の面が二つのインバータ回路の素子取付面とされている。すなわち、受熱ブロックの一方の面を縦断する中心線C.Lを境に左側が第1の素子取付面12a、右側が第2の素子取付面12bとなっている。
【0021】
第1の素子取付面12aには、一方のインバータ回路のU、V、W相に対応した六個の半導体素子1から成る第1の半導体素子群G1が取り付けられ、第2の素子取付面12bには、他方のインバータ回路のU、V、W相に対応した六個の半導体素子1から成る第2の半導体素子群G2が取り付けられている。
【0022】
また、受熱ブロック12の他方の面には、多数の板状の放熱フィン15が横方向に一定間隔をおいて垂直に取り付けられている。
【0023】
このように、二つのインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を同一面内に取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図4は本発明の第2の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図5は図4の半導体冷却装置の平面図、図6は図4の半導体冷却装置の右側面図である。
【0025】
図4に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して略垂直に配置された一つの受熱ブロック12の一方の面が二つのインバータ回路の素子取付面とされている。すなわち、受熱ブロック12の一方の面を横断する中心線C.Lを境に上側が第1の素子取付面12a、下側が第2の素子取付面12bとなっている。
【0026】
第1の素子取付面12aには、一方のインバータ回路のU、V、W相に対応した六個の半導体素子1から成る第1の半導体素子群G1が取り付けられ、第2の素子取付面12bには、他方のインバータ回路のU、V、W相に対応した六個の半導体素子1から成る第2の半導体素子群G2が取り付けられている。
【0027】
また、受熱ブロック12の他方の面には、多数の板状の放熱フィン15が横方向に一定間隔をおいて垂直に取り付けられている。
【0028】
このように、二つのインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を同一面内に取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0029】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。図7は本発明の第3の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図8は図7の半導体冷却装置の左側面図である。
【0030】
図7に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して略垂直に配置された一つの受熱ブロック12の一方の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1を構成する六個の半導体素子1が取り付けられ、受熱ブロック12の他方の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2を構成する六個の半導体素子1が取り付けられている。
【0031】
また、略L字形に形成されたヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられ、このヒートパイプ14の他端側に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0032】
このように、一方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を受熱ブロック12の一方の面に取り付け、その裏側となる他方の面に他方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0033】
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図9は本発明の第4の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図10は図9の半導体冷却装置の左側面図である。
【0034】
図9に示すように、本実施形態では、角筒状に形成された一つの受熱ブロック12の一方の側壁の外面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1を構成する六個の半導体素子1が取り付けられ、その裏側となる他方の側壁の外面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2を構成する六個の半導体素子1が取り付けられている。
【0035】
また、受熱ブロック12の内部には、長手方向に延びる複数枚の板状の放熱フィン15が水平かつ上下に間隔をおいて設けられ、各放熱フィン15は受熱ブロック12の両側壁の内面間に接続されている。なお、16は冷却ファンであり、受熱ブロック12の内部に向けて冷却風を送風し、放熱フィン15による放熱を促進する。
【0036】
このように、一方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を受熱ブロック12の一方の側壁の外面に取り付け、その裏側となる他方の側壁の外面に他方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。また、放熱フィン15に対して両側から熱が伝わるので、効率良く放熱することができる。
【0037】
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。図11は本発明の第5の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図12は図10の半導体冷却装置の右側面図である。
【0038】
図11、図12に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して傾斜した状態で配置された上下一対の受熱ブロック12を備えており、上側の受熱ブロック12の下側の面及び下側の受熱ブロック12の上側の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1が取り付けられるとともに互いに対向するように配置されている。また、上側の受熱ブロック12の上側の面及び下側の受熱ブロック12の下側の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2が取り付けられている。
【0039】
また、直軸状のヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられて斜め上方に向かって突出し、このヒートパイプ14に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0040】
このように、一方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を一対の受熱ブロック12の互いに対向する面に取り付け、その裏側の面に他方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0041】
なお、受熱ブロック12及び放熱フィン15から成る冷却器をU、V、W相の各相毎に分離して設けるようにしてもよく、この場合、扱う冷却器が小型となるため、組立作業性が向上するという利点が有る。
【0042】
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。図13は本発明の第6の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図14は図13の半導体冷却装置の右側面図である。
【0043】
図13、図14に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して傾斜した状態で配置された一つの受熱ブロック12の上側の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1が取り付けられ、受熱ブロック12の下側の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2が取り付けられている。
【0044】
また、直軸状のヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられて斜め上方に向かって突出し、このヒートパイプ14に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0045】
このように、一方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を一つの受熱ブロック12の一方の面に取り付け、その裏側の面に他方のインバータ回路を構成する全ての半導体素子1を取り付けたことにより、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0046】
次に、本発明の第7の実施形態を説明する。図15は本発明の第7の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図16は図15の半導体冷却装置の右側面図、図17は図15の半導体冷却装置の平面図である。
【0047】
これらの図に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して垂直に置された複数の受熱ブロック12を備えている。各受熱ブロック12は、一方の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1を構成する半導体素子1が二個取り付けられ、他方の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2を構成する半導体素子1が二個取り付けられている。
【0048】
各受熱ブロック12は、第1の素子取付面12aと第2の素子取付面12bとが互いに対向するように間隔をおいて平行に配置されている。そして、各半導体素子1の表面には、それぞれ断面コの字形の金属製の導体17が接着等により固定され、さらに隣接する二個の半導体素子1の表面には、これらの間に跨るように断面コの字形の導体18が接着等により固定されている。これらの導体17、18は電源変換回路に電圧を供給するためのもので、金属板を折曲したり厚みを大きくすることにより剛性を高めている。
【0049】
また、直軸状のヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられて斜め上方に向かって突出し、このヒートパイプ14に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0050】
このように、各受熱ブロック12の両面の二個の半導体素子1上に導体17、18を取り付けたことにより、第1の素子取付面12aの半導体素子1と第2の素子取付面12bの半導体素子1とが衝突するのを防ぐことができるため、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0051】
次に、本発明の第8の実施形態を説明する。図18は本発明の第8の実施形態の半導体冷却装置の正面図、図19は図18の半導体冷却装置の右側面図、図20は図18の半導体冷却装置の平面図である。
【0052】
これらの図に示すように、本実施形態では、板状に形成されるとともに地面に対して垂直に置された複数の受熱ブロック12を備えている。各受熱ブロック12は、一方の面が第1の素子取付面12aとされて第1の半導体素子群G1を構成する半導体素子1が二個取り付けられ、他方の面が第2の素子取付面12bとされて第2の半導体素子群G2を構成する半導体素子1が二個取り付けられている。
【0053】
各受熱ブロック12は、第1の素子取付面12aと第2の素子取付面12bが互いに対向するように間隔をおいて平行に配置されている。そして、隣接する二個の受熱ブロック12間には隔壁19が設置されている。
【0054】
また、直軸状のヒートパイプ14の一端が受熱ブロック12の一つの側面に取り付けられて斜め上方に向かって突出し、このヒートパイプ14に複数枚の板状の放熱フィン15が軸方向に間隔をおいて取り付けられている。
【0055】
このように、隣接する二個の受熱ブロック12間に隔壁19を設けたことにより、第1の素子取付面12aの半導体素子1と第2の素子取付面12bの半導体素子1とが衝突するのを防ぐことができるため、一方のインバータ回路の半導体素子1が物理的に破損した場合でも、他方のインバータ回路の半導体素子1に影響を及ぼすことがない。
【0056】
以上、具体例をあげて本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の改変を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図2】図1の半導体冷却装置の平面図である。
【図3】図1の半導体冷却装置の右側面である。
【図4】本発明の第2の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図5】図4の半導体冷却装置の平面図である。
【図6】図4の半導体冷却装置の右側面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図8】図7の半導体冷却装置の左側面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図10】図9の半導体冷却装置の左側面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図12】図10の半導体冷却装置の右側面図である。
【図13】本発明の第6の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図14】図13の半導体冷却装置の右側面図である。
【図15】本発明の第7の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図16】図15の半導体冷却装置の右側面図である。
【図17】図15の半導体冷却装置の平面図である。
【図18】本発明の第8の実施形態の半導体冷却装置の正面図である。
【図19】図18の半導体冷却装置の右側面図である。
【図20】図18の半導体冷却装置の平面図である。
【図21】従来の半導体冷却装置の電力変換回路の構成図である。
【図22】従来の半導体電力変換装置の側面断面図である。
【図23】図22のA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 半導体素子
12 受熱ブロック
12a 第1の素子取付面
12b 第2の素子取付面
14 ヒートパイプ(放熱部)
15 放熱フィン(放熱部)
17 導体(衝突防止部材)
18 導体(衝突防止部材)
19 隔壁(衝突防止部材)
G1 第1の半導体素子群
G2 第2の半導体素子群
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する一つの受熱ブロックと、前記受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記第1及び第2の素子取付面が同一面内に設けられたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項2】
互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する一つの受熱ブロックと、前記受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記第1及び第2の素子取付面が表裏の関係となるように設けられたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項3】
前記受熱ブロックが角筒状に形成されるとともにその一つの側壁の外面が前記第1の素子取付面、前記側壁に対向する側壁の外面が前記第2の素子取付面とされ、前記放熱部は、前記両側壁の内面間に接続されたフィンから成ることを特徴とする請求項2記載の半導体冷却装置。
【請求項4】
互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する複数の受熱ブロックと、前記各受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記複数の受熱ブロックは、前記第1の素子取付面同士あるいは前記第2の素子取付面同士が対向するように配置されたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項5】
前記受熱ブロック及び前記放熱部から成る冷却器が各相毎に設けられたことを特徴とする請求項4記載の半導体冷却装置。
【請求項6】
互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する複数の受熱ブロックと、前記各受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記複数の受熱ブロックは、前記第1及び第2の素子取付面が表裏の関係となるように設けられるとともに前記第1の素子取付面と前記第2の素子取付面が互いに対向するように間隔をおいて配置され、隣接する二つの前記受熱ブロック間に前記第1の素子取付面の半導体素子と前記第2の素子取付面の半導体素子とが衝突するのを防ぐ衝突防止部材が設けられたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項7】
前記衝突防止部材は、前記電力変換回路に電圧を供給する導体を兼ねることを特徴する請求項6記載の半導体冷却装置。
【請求項1】
互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する一つの受熱ブロックと、前記受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記第1及び第2の素子取付面が同一面内に設けられたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項2】
互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する一つの受熱ブロックと、前記受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記第1及び第2の素子取付面が表裏の関係となるように設けられたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項3】
前記受熱ブロックが角筒状に形成されるとともにその一つの側壁の外面が前記第1の素子取付面、前記側壁に対向する側壁の外面が前記第2の素子取付面とされ、前記放熱部は、前記両側壁の内面間に接続されたフィンから成ることを特徴とする請求項2記載の半導体冷却装置。
【請求項4】
互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する複数の受熱ブロックと、前記各受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記複数の受熱ブロックは、前記第1の素子取付面同士あるいは前記第2の素子取付面同士が対向するように配置されたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項5】
前記受熱ブロック及び前記放熱部から成る冷却器が各相毎に設けられたことを特徴とする請求項4記載の半導体冷却装置。
【請求項6】
互いに独立した二つの電力変換回路を構成する第1及び第2の半導体素子群が取り付けられる第1及び第2の素子取付面を有する複数の受熱ブロックと、前記各受熱ブロックに接続された放熱部とを備えた半導体冷却装置であって、前記複数の受熱ブロックは、前記第1及び第2の素子取付面が表裏の関係となるように設けられるとともに前記第1の素子取付面と前記第2の素子取付面が互いに対向するように間隔をおいて配置され、隣接する二つの前記受熱ブロック間に前記第1の素子取付面の半導体素子と前記第2の素子取付面の半導体素子とが衝突するのを防ぐ衝突防止部材が設けられたことを特徴とする半導体冷却装置。
【請求項7】
前記衝突防止部材は、前記電力変換回路に電圧を供給する導体を兼ねることを特徴する請求項6記載の半導体冷却装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2006−121847(P2006−121847A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308429(P2004−308429)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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