説明

半導体材料の薄層の形成

GaAs、またはSiGeのようなゲルマニウム材料のいずれかの層を形成する方法を開示する。例えばゲルマニウム材料は、GaAs面上にエピタキシャル成長することができる。ゲルマニウム材料を一部の残留GaAsと共にレシーバ基板に転写するために、層転写が使用される。次いで残留GaAsは、GaAsとゲルマニウム材料との間の境界がエッチストップとなり、選択的エッチングによって除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体材料の薄層を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Geの相対的希少性のため、Geベースの技術に対する将来の需要がバルクGe半導体基板を用いて容易に満たされることはなさそうである。これは、適切な機械的強度をもたらすために単位面積当たりにより厚いGeが要求される、大きい基板ウェハ直径に特に関係する。ゲルマニウム・オン絶縁体(GeOI)ウェハは、実現可能な代替物になる。はるかに少量(典型的には0.001から1%の間)のGeが、同等のウェハ直径を製造するために要求されるだけであり、シリコン・オン絶縁体(SOI)と同等の静電気学および電子工学上の利点がもたらされる。薄いゲルマニウム表面層と基板のバルクとの間の酸素エッチストップ層の存在もまた、集光型太陽光発電のような他の技術の特徴を可能にする鍵である。
【0003】
望ましいGeOI基板は、酸化シリコンウェハに強力に結合された無欠陥Geの薄い均一厚さの層から成る。しかし、GeOIウェハを製造するためには、高コストおよび低い材料品質につながる未解決の幾つかの重要な課題が存在する。GeOI基板を製造するための3つの公知の方法を下に記載する。
【0004】
第1の公知の方法は、ドナーGeウェハからの層転写を使用するものである。層転写技術として、ドナーGeウェハの頂面の真下に劈開面を形成する目的でイオンを注入する周知のスマートカット(登録商標)がある。シリコンレシーバウェハの酸化された表面は、ドナーウェハの頂面に結合される。ドナーウェハおよびレシーバウェハは次いで、Geの薄層が酸化シリコン上に残るように劈開面に沿って分離される。転写されたGe層の表面粗さは、SOIウェハを製造するための同様の技術で得られるより高く、かつ結果的にGe層の厚さの不均一性をもたらすこの追加的粗さを除去するために、追加研磨が必要である。これは、例えば部分的にまたは完全に空乏化したデバイスが望まれる高度Ge CMOS分野に必須の厚さの均一性を持つ超薄Ge層を生成することを困難にする。さらに、Geドナーウェハのコストは高く、Geドナーウェハの表面の品質を再使用できるレベルまで回復することは困難である。
【0005】
第2の公知の方法は、シリコンドナーウェハ上にSiGeグレードをエピタキシャル成長させ、かつSiGeグレード上にGeをエピタキシャル成長させるものである。次いでGeの層が、酸化シリコンレシーバウェハに転写される。これは、直径が最高で300mmまでの大径のGeOIおよびSiGeOIウェハを製造するために一般的に使用される別の方法である。しかし、SiGeグレード上に成長される純粋Ge膜の貫通転位密度(TDD)は106ないし108cm-2程度である。このレベルの欠陥は、Ge層内およびその上に成長する任意の後続層内の両方の性能を著しく低下させる。層転写後にドナーウェハに残るエピタキシャル層の表面粗さは、新たに成長するGe層の自然結合を可能にするために、使用後に研磨によって回復しなければならない。中間CMP(化学機械研磨)工程を伴うフルSi‐Geグレード上のGe膜の成長は遅速かつ高価である。レシーバウェハに転写された純粋Ge膜から、高いGe含有量を有するSiGeグレードの転写された上部層を選択的にエッチングすることは困難である。
【0006】
第3の公知の方法は、SiGeオン絶縁体(SiGeOI)ウェハから出発し、Ge濃縮法を使用してGeOIウェハに到達するというものである。SiGeの薄層は、酸化フロントに沿ってGeが形成されるように酸化され、その結果、埋込み絶縁酸化物層との境界に純粋Geが生じる。次いで上にある材料は除去される。しかし、この方法を用いて製造されたGeOIウェハについては高レベルの転位欠陥が報告されている。原SiGeOI界面の格子定数は転写されたSiGeと等しいため、該欠陥はプロセス中に歪み緩和によって促進される。疑わしい品質にもかかわらず、150mmを超す直径を持つほとんどのGeOIウェハは、現在この方法によって製造されている。
【0007】
本発明は、関連技術分野のこれらおよび他の問題に取り組もうとするものである。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、後でレシーバ基板に転写されるGaAsまたはゲルマニウム材料の層の形成に関する。ゲルマニウム材料は、例えばシリコンの比率が低くGaAsに対し実質的に格子整合したSiGe材料とすることができる。
【0009】
本発明は、ゲルマニウム材料またはGaAsの薄膜または層を形成する方法を提供する。これらの材料のうちの一方の層は、例えばイオン注入/劈開、またはスマートカット(登録商標)のような同様の技術を使用して、別の基板に転写される。転写層または残存材料のいずれかに付着した他方の材料の残留物は、GaAs/ゲルマニウム材料界面をエッチストップとして使用して、選択的エッチングによって露出される原表面を残すように除去することができる。
【0010】
例えば、本発明は、ゲルマニウム材料をGaAsドナー基板上にエピタキシャル成長させ、かつ一部の残留GaAsと共にゲルマニウム材料のレシーバ基板への層転写を実行することによるゲルマニウム・オン絶縁体型基板の形成に適用することができる。次いで残留GaAsは、GaAs/ゲルマニウム材料境界が選択的ウェットエッチング等に対するエッチストップとして働く状態で、除去することができる。同等のプロセスを使用して、GaAs材料をGeドナー基板上に成長させ、同等のステップに従うことによって、GaAsオン絶縁体型基板を形成することができる。
【0011】
転写層のゲルマニウム材料と残留GaAsとの間(またはその逆)のヘテロ界面は、GaAsに対して選択的なエッチング液を使用して、レシーバ基板上にゲルマニウム材料だけを残して残留GaAsを除去することを可能にする、エッチストップを提供する。ゲルマニウム材料はゲルマニウム、またはシリコン成分が微小でありかつGaAsドナー基板に対するSiGeの適切な格子整合と一致するSiGeとすることができる。本書では、より一般的に、ゲルマニウム材料は、ゲルマニウムのモル分率が少なくとも0.5、少なくとも0.7、または任意選択的に少なくとも0.9である材料とすることができる。ゲルマニウム材料は、GaAsに対して実質的に格子整合することができる。ゲルマニウム材料およびGaAsは、互いに一体的に形成すること、すなわち単結晶とすることが好ましい。ゲルマニウム材料は、例えば2つの異なるSiGe組成の間のグレードを含む、ある範囲の組成を示すことができる。
【0012】
該技術は、無欠陥ゲルマニウムまたはSiGeの薄い均一な層を代替的基板に転写することを可能にする。劈開/注入損傷を除去し、かつ転写層の表面におけるその後のエピタキシャル成長のために微細な粗さを回復するために一般的に使用されるCMP工程は、残留GaAsを除去するために選択的エッチングに置き換えられる。このエッチングはゲルマニウム材料で停止し、転写ゲルマニウム材料の非常に均一な薄層を達成することを可能にする。格子整合されたGaAs上の緩和ゲルマニウム材料の成長は、SiGeグレード上に成長するゲルマニウム材料と比較して、非常に低い欠陥レベルを導く。GaAsドナーウェハは同等のGeウェハより一般的に安価であり、ドナー基板をほとんど無傷で残す層転写技術を使用した場合、GaAsドナーウェハは再使用することができる。
【0013】
GaAsおよびゲルマニウム材料の複数の繰返しは、層転写を繰り返して複数のゲルマニウム・オン絶縁体型基板を形成することによって、その後に除去される前に、GaAsドナー基板上にエピタキシャル成長させることができる。
【0014】
薄い均一なゲルマニウム・オン絶縁体材料を製造する能力は、部分的におよび完全に空乏化したアーキテクチャを使用するGeOIベースのCMOSにとって特に重要であるが、該技術は、光起電力技術、光電子工学、およびIII/V族とシリコンとの集積化(III/V integration with silicon)のような広範囲の他の用途にも適用可能である。
【0015】
特に、本発明は、GaAsまたはゲルマニウム材料のいずれかである第1材料の層転写を実行する方法において、GaAsまたはゲルマニウム材料の他方である第2材料の表面であってドナー基板によって担持された表面に、前記第1材料をエピタキシャル成長させるステップと、前記表面に隣接する残留第2材料が前記転写第1材料に付着したまま、および前記表面に隣接する残留第1材料が前記第2材料に付着したままのいずれか一方の状態で、ドナー基板からレシーバ基板への第1材料の層転写を実行するステップと、残留材料を除去し、それによって下にある第1または第2材料(どちらが残留材料によって被覆されていたかによって決まる)を露出させるステップとを含む方法を提供する。
【0016】
残留材料が転写された第1材料に付着しているか、それとも残留第2材料に付着しているかは、第1および第2材料がそれに沿って分離される面(例えば劈開面または層)によって決まり、特にこの面が前記表面の上にあるかそれとも下にあるかによって決まる。
【0017】
ゲルマニウム材料は、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウムSixGe1-x、もしくは別のゲルマニウム材料、例えばSiGeC、またはそのような組成の何らかの組合せとすることができる。GaAsに対するSiGeの容認可能な格子整合のために、xの値は0.06未満とすることが好ましく、0.04未満とすることがより好ましく、0.01から0.03の範囲とすることがさらに好ましい。例えばゲルマニウム材料の格子定数がGaAsの格子定数の±0.08%以内であることを要求することによって、欠陥が容認可能な低レベルとなるように、ゲルマニウム材料をGaAsに対し実質的に格子整合させることができるが、他の適切な基準は以下で述べる。本発明はまた、ゲルマニウム材料の少なくとも一部のモル分率が著しく低く、例えば0.5ないし1.0または0.7ないし1.0の範囲である、SiGeのようなゲルマニウム材料の薄層を形成するためにも使用することができる。これは、ゲルマニウム材料グレードを低ゲルマニウムモル分率材料に成長させ、かつグレードの一部または全部を含むゲルマニウム材料の層転写を実行することによって、達成することができる。
【0018】
本書に記載した材料は、CVDまたは同様の技術によって成長させることができ、かつpn接合の形成を促進するためにドープしてもしなくてもよい。
【0019】
レシーバ基板は絶縁体層を含むことができ、次いで第1材料の転写層の層転写を絶縁体層上に行なって、第1材料・オン絶縁体基板を形成することができる。例えば、レシーバ基板はシリコン基板とすることができ、かつ絶縁体層はシリコンの酸化物を含むことができる。希望に応じて半導体材料、絶縁体、ガラス、金属等を含む様々な種類の他のレシーバ基板を使用することができる。
【0020】
層転写は当業者に公知の種々の方法で実行することができる。例えば層転写を実行するステップは、イオンを注入して前記表面の下の第2材料に劈開層を誘発させるサブステップと、第1材料を(第1材料の上に追加された任意のさらなる層と共に)レシーバ基板に結合するサブステップと、前記表面に隣接する残留第2材料を前記転写される第1材料に付着させたままで劈開層に沿ってレシーバ基板をドナー基板から分離するサブステップとを含むことができる。劈開層が表面の上の第1材料内にある場合には、前記表面に隣接した残留第1材料は、残存する第2材料に付着されている。層転写はまた、ドナー基板のバルクを研磨することによって達成することもできる。
【0021】
付着した残留材料は、研削、研磨、エッチング等を含め、1つまたは幾つかの方法で除去することができる。しかし除去は、残留材料の少なくとも一部を、第1および第2材料の他方がそれに反応しない選択的エッチングによって除去し、それによって残存材料をその原成長面ごと残すことを含むことが好ましい。特に、選択的ウェットエッチングは、下にある第1または第2材料が露出するように、付着した残留材料の最終部分を除去するために使用することができる。
【0022】
好都合にも、ドナー基板はGaAs基板とすることができる。この場合、第2材料の表面は、GaAs基板のGaAs表面とすることができる。しかし、第2材料の表面は代わりに、第2材料のエピタキシャル成長層の表面とすることもでき、それはGaAs基板のGaAs表面上に、または第1材料のエピタキシャル成長層のような異なる下位表面上に成長することができる。
【0023】
同様に、ドナー基板はGe基板とすることができる。この場合、第2材料の表面はGe基板のGe表面とすることができる。しかし、第2材料の表面は代わりに、第2材料のエピタキシャル成長層の表面とすることもでき、それはGe基板のGe表面上に、または第1材料のエピタキシャル成長層のような異なる下位表面上に成長することができる。
【0024】
本発明の関連態様は、第1および第2材料の繰返し交互層を成長させて、各々別個のレシーバ基板への繰返し層転写を、付着した残留材料を除去する対応する複数のステップと共に、使用することができるようにする。
【0025】
基板のバルクまたは大部分を研磨することなく、ドナー基板からの層転写を実行するために上記方法を使用する場合には、ドナー基板は同じプロセスの繰返しを1回もしくは複数回実行するために、または他のプロセスもしくは用途のために再使用することができる。残留材料がドナー基板上の第1材料に付着したまま残る第2材料となるように上記方法を使用することにより、転写されるゲルマニウム層がその上に形成された原GaAs表面は、既述の選択的エッチング技術を使用して正確に復元することが可能になる。層転写後にドナー基板上に残存する表面が劈開第2材料である場合には、当業者が精通している研磨および同様のステップを使用して、ドナー基板をさらなる使用または再使用のために回復することができる。
【0026】
上記の方法は、その上に他の構造が形成される表面を提供するために使用することができる。1実施例では、そのようなさらなる構造は、転写された第1材料上に一体的に形成することのできる、1つ以上の光起電力接合を含む。
【0027】
一部の他の態様では、本発明は、ゲルマニウム材料の薄膜を作製する方法であって、GaAsドナー基板上にゲルマニウム材料の層をエピタキシャル成長させるステップと、残留GaAs付きでゲルマニウム材料の層のドナー基板からレシーバ基板への層転写を実行するステップと、残留GaAs材料を除去して、ゲルマニウム材料の層を露出させるステップとを含む方法を提供する。本発明はまた、GaAs材料の薄膜を作製する対応する方法であって、GaAs材料の層をGeドナー基板上にエピタキシャル成長させるステップと、残留ゲルマニウム材料付きのGaAs材料の層のドナー基板からレシーバ基板への層転写を実行するステップと、残留ゲルマニウム材料を除去して、GaAs材料の層を露出させるステップとを含む方法を提供する。基板、残留材料の除去、および他の態様については、本書のどこか他の箇所に記載する。
【0028】
ゲルマニウム材料は均質な組成とすることができ、あるいは例えば層成長中に組成を変えることによって、組成は材料中で変動することができる。これの応用は、GaAsに対して格子整合したゲルマニウム材料の薄層を形成する方法を提供することである。SiGeグレードはドナー基板上に成長し、ゲルマニウム材料の最上層(それは事実上グレードの最上部または追加層とすることができる)はグレード上に成長する。次いで最上層は、好ましくはSiGeグレードの一部またはSiGeグレードの全部、およびSiGeグレードがその上に成長したGaAs材料の残留物と供に、レシーバ基板に層転写され、層の下からの残留材料は必要に応じて除去され、レシーバ基板上のゲルマニウム材料の残存表面は、さらなる使用のために必要に応じて処理される。ゲルマニウム材料はグレードの最上部に対して格子整合することができる。代替的に、ゲルマニウム材料は、レシーバ基板上に歪みゲルマニウム材料層を生成するために、意図的に格子整合されないことがある。
【0029】
本発明はまた、上記の方法ステップを含む、デバイスを形成する方法をも提供し、そのようなデバイスとして光電子デバイス、完全に空乏化したGeベースCMOSデバイス、またはIII/Vオン・シリコンデバイスがある。
【0030】
本発明はまた、記載した方法のいずれかに従って形成された前記第1材料の層を担持する基板を含め、記載した方法の産物をも提供する。そのようにして形成された特定の最終的産物として、先行技術の方法に従って形成された同様のサイズの基板に対して欠陥密度が低減されたGeOIまたはSiGeOI基板がある。そのようなゲルマニウムまたはSiGeオン絶縁体基板は、シリコン基板上に形成することのできる酸化シリコンのような絶縁体の上にあるゲルマニウム材料を含むことができる。
【0031】
本発明は、例えば「Photovoltaic Cell」と称する同時係属出願に記載されるように、その上に光起電力デバイスが形成される構造を提供するために使用することができ、その内容を全ての目的のために参照によって本書に援用する。
【0032】
本発明はまた、そのように構築された、太陽電池のような光起電力デバイスをも提供する。
【0033】
本発明はまた、記載した方法を用いて形成された光電子デバイス、完全または部分的に空乏化したGeベースCMOSデバイス、およびIll/Vオン・シリコンデバイスの1つ以上をも提供する。
【0034】
本発明は、半導体ウェハ全体に、例えばドナー基板およびレシーバ基板がドナーウェハおよびレシーバウェハである場合に、適用することができる。
【0035】
以下で本発明の実施形態について、単なる例示として、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】転写層が一部の残留GaAsを担持する場合のGaAsドナー基板からレシーバ基板へのSiGe層の層転写の第1段階を概略的に示す略図である。
【図1B】図1Aの層転写の次の段階を概略的に示す略図である。
【図1C】図1Aの層転写のさらなる段階を概略的に示す略図である。
【図1D】図1Aの層転写のさらなる段階を概略的に示す略図である。
【図1E】図1Aの層転写の最終段階を概略的に示す略図である。
【図2A】レシーバ基板が絶縁体層を担持する場合の図1Cの段階を示す略図である。
【図2B】レシーバ基板が絶縁体層を担持する場合の図1Eの段階を示す略図である。
【図3】複数の交互層を成長させ、次いで連続的層転写ステップを使用して複数のレシーバ基板に除去する技術を示す略図である。
【図4】エピタキシャル成長したGaAs層上のSiGe層に適用される技術の略図である。
【図5A】転写層が多少の残留SiGeを残す場合のGaAsドナー基板からのSiGe層の層転写を概略的に示す略図である。
【図5B】転写層が多少の残留SiGeを残す場合のGaAsドナー基板からのSiGe層の層転写を概略的に示す略図である。
【図5C】転写層が多少の残留SiGeを残す場合のGaAsドナー基板からのSiGe層の層転写を概略的に示す略図である。
【図6A】GaAsの層が下位のGe層またはSiGe層またはGe基板から転写される場合の図1Bと同様のプロセスを示す略図である。
【図6B】GaAsの層が下位のGe層またはSiGe層またはGe基板から転写される場合の図1Cと同様のプロセスを示す略図である。
【図6C】GaAsの層が下位のGe層またはSiGe層またはGe基板から転写される場合の図1Dと同様のプロセスを示す略図である。
【図6D】GaAsの層が下位のGe層またはSiGe層またはGe基板から転写される場合の図1Eと同様のプロセスを示す略図である。
【図7】前図に示す通り転写層上に形成または成長した接合を含む、単接合または多接合太陽電池または光電池の略図である。
【図8A】適切なSiGeグレード上に成長した、GaAsに対して格子整合しない組成を有するSiGeまたは他のゲルマニウム材料層の転写に適用される本発明を示す略図である。
【図8B】適切なSiGeグレード上に成長した後、レシーバ基板に転写された、GaAsに対して格子整合しない組成を有するSiGeまたは他のゲルマニウム材料層の転写に適用される本発明を示す略図である。
【図9A】図8Aと同様の図であるが、ゲルマニウム材料の層が意図的に歪められ、SiGeグレードの頂部に対して格子不整合である場合の略図である。
【図9B】図8Bと同様の図であるが、ゲルマニウム材料の層が意図的に歪められ、SiGeグレードの頂部に対して格子不整合である場合の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ここで図1Aないし1Eを参照すると、基板上にゲルマニウム材料の薄層を形成する際の一連の工程が示されている。図1Aでは、GaAsドナー基板10が用意され、ゲルマニウム材料の層12がドナー基板上にエピタキシャル成長されている。この場合、ゲルマニウム材料はシリコンゲルマニウム材料(SiGe)である。
【0038】
図1Bでは、例えばイオンビームプロセスを使用して層12にイオンを注入することによって、シリコンゲルマニウムの層12の下のドナー基板のGaAs材料に劈開面14が誘発されている。
【0039】
図1Cでは、レシーバ基板がSiGe層12に結合されている。レシーバ基板とSiGe層との間の結合を改善するために、かつスマートカット(登録商標)技術から当業者には公知の方法で、劈開面を脆弱化するためにも、アニーリングステップを使用することができる。
【0040】
ドナーおよびレシーバ基板は次いで、図1Dに示す通り、レシーバ基板がSiGeの層12および原ドナー基板からの残留GaAs材料の層を担持するように分離される。
【0041】
残留GaAs材料の層は、研削、研磨、およびエッチングのような種々の技術によって除去し、図1Eに示す通り、ゲルマニウム材料のエピタキシャル成長層をレシーバ基板上に露出させることができる。残留GaAs材料の少なくとも最終部分を、ゲルマニウム材料が反応しないウェットエッチングプロセスのようなエッチングプロセスによって除去することが好ましい。
【0042】
残存GaAsドナーウェハ10は、必要な再研磨または他の表面処理技術後に再使用することができる。
【0043】
ゲルマニウム材料のエピタキシャル層をドナー基板からレシーバ基板に転写するプロセスは、層転写プロセスと呼ばれる。この効果を達成するために複数の異なる技術を使用することができ、そのような技術を実行するために複数のステップが必要とされ、これらのステップはゲルマニウム材料の層12のエピタキシャル成長の前、後、または前後両方に実行される。例えば代替的層転写技術は、劈開面技術を使用する代わりに、ドナーウェハのバルクを研磨することを含む。その場合、エッチングプロセスは依然として、GaAsの残留層を除去するために使用することができる。
【0044】
金属、半導体、絶縁体、ガラス、およびそのような材料の組合せのようなゲルマニウム材料層12を受け入れるために、種々の材料および構造のレシーバ基板を使用することができる。ゲルマニウム材料オン絶縁体基板を形成するために、絶縁体層を持つレシーバ基板がレシーバ基板20に使用される。この変形例を図2Aに示す。それは図1Cと比較することができる。図2Aでは、レシーバ基板は絶縁体層22を担持し、ゲルマニウム材料の層12に結合されるのはこの絶縁体層であり、結果的に図2Bに示す最終的構造が得られる。
【0045】
ゲルマニウム材料は例えばゲルマニウムまたはSiGeとすることができる。別の可能なゲルマニウム材料としてSiGeCがある。材料がSiGeである場合には、SixGe1-xのxで表わされる組成は、材料がドナー基板のGaAs材料との実質的格子整合を維持している限り、変動することができる。理想的な格子整合はx=0.018付近で発生し、xは約0.01から0.03の値を取ることが好ましいが、x=0(ゲルマニウム)からx=0.04まで、またはさらにx=0.06までの値で、多くの目的に対し適正な材料品質のゲルマニウム材料を提供することができる。シリコンの比率が増大するにつれて、GaAsとの格子不整合は、xが0.01変化するたびに約0.04%増大し、その結果生じるゲルマニウム材料の結晶構造の欠陥の数も増加する。
【0046】
ゲルマニウム材料がGaAsとの適切な格子整合を維持するための格子パラメータの適切な範囲はしたがって、GaAs格子パラメータからのずれが最高±0.16%までであり、最高±0.08%であることがより好ましく、±0.04%の範囲内であることがいっそう好ましい。ゲルマニウム材料はドーパントおよび低レベルの他の不純物を含むことができる。
【0047】
図1Aないし1Eに示すプロセスは、典型的には従来型の半導体ウェハを使用して実行することができる。GaAsドナーウェハは典型的には約100μmから1000μmの間の厚さとすることができ、より大きいウェハの場合は典型的にはより大きい厚さになる。レシーバウェハは、上に絶縁体層22を設けるように酸化物の層が成長したシリコンウェハとすることができる。エピタキシャルゲルマニウム材料の層12は典型的には、最終用途によって約1nmから2μmの間の厚さとすることができる。一部のCMOS回路構成用途は、典型的には、一部の光学および光起電力用途の場合より薄い層の方が有利である。劈開面は典型的には、GaAsの表面から約0.1ないし2μm下に形成され、または層12の表面の下に、ただし劈開面が少なくともわずかにGaAs材料内に位置するよう形成される。
【0048】
上述した方法は、図3に示すように、ドナー基板上のゲルマニウム材料の2つ以上のエピタキシャル層、および次いで複数の層転写ステップを実行して各層12を逆順で取り除くことによって、拡張することができる。各対のゲルマニウム材料層12は、同じくエピタキシャル成長されたGaAsの層26によって分離される。必要な劈開層は、GaAs基板およびGaAs層の一部または全部の内部で成長ステップの間に誘発することができるが、適切な反応チャンバから構造を取り出すことなくエピタキシャル層を全部形成し、エピタキシャル層が完全に形成された後で必要なイオン注入または他のそのような劈開面誘発ステップを実行することが有利である。
【0049】
より一般的に、図4に示す通り、該技術は、エピタキシャルGaAs材料30の上にあるゲルマニウム材料のエピタキシャル層に適用することができ、GaAs材料30とGaAs基板との間に1つ以上のさらなる層28があってもよい。このより一般的な事例では、上述した技術は依然として、例えば劈開面14を形成し、レシーバ基板への層転写を完了し、かつレシーバ基板上のゲルマニウム材料層12から残留GaAsを選択的にエッチングすることを含め、ゲルマニウム材料層12の層転写を実行するために使用することができる。
【0050】
図5Aでは、GaAs材料30は、例えば図4に関連して上述した通り、ゲルマニウム材料のエピタキシャル層32の下に位置する。GaAs材料30はGaAs基板の最上部とすることができ、あるいはエピタキシャル成長層とすることができる。上述した技術の変形例では、劈開面34はゲルマニウム材料層32に形成される。ゲルマニウム材料層の上方部分は次いで、例えば上で使用した層転写技術を完了することによって、レシーバ基板20に転写される。レシーバ基板に転写されたゲルマニウム材料は次いで、使用のために研磨または他の方法で処理することができ、かつGaAs上に残存するゲルマニウム材料層の下方部分は、好ましくはGaAsが反応しない選択的エッチングを使用してこの材料の少なくとも最終部分を除去することを含め、種々の技術によって除去することができる。結果的に得られる構造を図5Cに示す。この変形例は、GaAs材料30のエッチング面を必要な任意の方法でさらなる使用のために利用可能にする。
【0051】
図5の技術は、図4の構造の繰返し層の1つ以上に適用することができる。
【0052】
上述した技術は、GaAsの薄膜を形成するためにも使用することができる。図6Aを参照すると、GaAsの層36はゲルマニウム材料38の上にエピタキシャル成長される。劈開面34はゲルマニウム材料に誘発することができる。レシーバ基板20は、図6Bに示す通りGaAs層36に結合され、レシーバ基板はゲルマニウム材料38から分離され、それによってGaAs層36のレシーバ基板への層転写が達成される。ゲルマニウム材料の残留量も図6Cに示す通り転写され、これは除去することができる。特に、残留ゲルマニウム材料の少なくとも最終部分は、GaAsが反応しない選択的エッチングを使用して除去することができ、その結果、薄い露出GaAs層がレシーバ基板に結合された図6Dの構造が得られる。GaAs上に成長したゲルマニウム材料に関して既に提示したこれに対する一部の変形例は、ゲルマニウム材料の代わりにGaAsに劈開面を形成し、かつ研磨を使用して、ゲルマニウム材料表面を担持するドナーウェハの全部またはバルクを除去することを含む。
【0053】
図6A〜6Dに示す技術は、図4に示したものと同様の、ゲルマニウム材料およびGaAsの交互エピタキシャル層のスタックに適用して、単一ドナー基板からの連続GaAs層の層転写を実行することができる。該技術はまた、ゲルマニウム基板上に形成されたGaAs層にも適用することができる。
【0054】
本発明に従って形成されたGaAsまたはゲルマニウム材料の層は、光電池の一部として使用することができる。図7はそのような電池を示しており、そこでは、金属層であるかまたは金属層を含むレシーバ基板がゲルマニウム材料の層を担持し、その上にゲルマニウム光起電力接合40が形成され、またはその一部が存在する。ゲルマニウム接合の上にさらなる光起電力接合、例えばGaAs接合42に続くInGaP接合44を一体的に形成して、トリプル接合太陽電池を形成することができる。典型的には、各上位光起電力接合は各下位接合より高いバンドギャップエネルギを有するので、より長い波長の光が、より最適なバンドギャップで吸収しかつ電力に変換するために、下位接合に伝搬される。電気接点、接合層、ウィンドウ層等は簡素化のために図7に示されていないが、当業者の慣用手段および知識に従って適切に含めることができることは明らかである。
【0055】
図8Aおよび8Bを参照すると、GaAsに対して格子整合しないゲルマニウム材料の層を形成し、すでに上述した技術および材料を使用して、代替基板に転写することを可能にする技術が示されている。GaAsまたはGeに対して実質的に格子整合されたSiGeのようなゲルマニウム材料52の第1層は、典型的にはGaAsまたはGe基板とすることのできるドナー基板50上にエピタキシャル成長する。GaAsに対して実質的に格子整合してSiGeの欠陥を最小化するには、約0.02の、またはより一般的には零から約0.04の範囲のシリコン分率を有するべきであるが、本書のどこか別の場所に記載する他の基準も適用することができる。グレードが上方に成長するにつれてシリコン分率が上昇するSiGeグレード54が次いで形成されるので、シリコン分率は第1層52よりグレードの頂部の方が高くなる。次いで、グレード52の頂部と一致するシリコン分率を有するSiGeの第2層56が成長する。
【0056】
次いで層転写技術は、第2SiGe層56の材料をレシーバ基板60に転写するために使用される。これは、多少の残留GaAs材料を含めてゲルマニウム材料構造全体をレシーバ基板に転写すること、またはSiGeの第2層56を多少の残留SiGe材料と共にグレード52から転写することを含むことができる。層転写技術は劈開面を使用して材料のバルクを除去することができ、または研磨技術をこの目的のために使用することができ、または他の層転写技術を使用することができる。最後に、層転写プロセスに持ち込まれるドナー基板またはグレードの残留材料は除去することができ、転写されたSiGe層の露出面は、将来の使用のために研磨または他の方法で必要に応じて処理することができる。レシーバ基板は、上記の他の実施例に明示された種々の形をとることができる。ドナー基板は様々な組成および格子定数とすることができるが、一般的にSiGeグレードの底部は基板と一致する格子定数にすべきである。
【0057】
図8Aおよび8Bに示した技術の変形例では、格子整合したゲルマニウム材料56の代わりに、図9Aおよび9Bに示す通り、歪みゲルマニウム材料62の層を成長させることができる。図9Bに示す通り、歪みゲルマニウム材料62の層はそれによってレシーバ基板に転写される。特に、層62は圧縮歪みを受けることがある。歪みゲルマニウム材料は例えば歪みSiGeまたは歪みGeとすることができる。
【0058】
圧縮歪みゲルマニウム材料層は、無歪みの同等物と比較したときに、向上したキャリア移動度の点から有利である。
【0059】
GaAsまたはGe上のSiGeグレードの上のSiGeの層転写は、シリコン基板から出発してGe分率を徐々に要求レベルまで高める従来の手法より低いグレーディングで高Ge分率材料を生成することを可能にする。その結果として、例えば0.7を超える高いGe分率を少ない転位欠陥で達成することができ、しかもパイルアップ欠陥を低減しかつ表面平坦性を回復するために、中間CMP工程を必要としない。
【0060】
種々の実施例について説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施例に対し変形および変化を施すことができることを当業者は認識されるであろう。
【図1A−1E】

【図2A−2B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルマニウム材料の薄膜を形成する方法であって、
ドナー基板によって担持されているGaAsの表面上に前記ゲルマニウム材料をエピタキシャル成長させるステップと、
前記表面に隣接する残留GaAsが転写ゲルマニウム材料に付着した状態、および前記表面に隣接する残留ゲルマニウム材料が前記GaAsに付着した状態のいずれか一方で、前記ドナー基板からレシーバ基板にゲルマニウム材料の層転写を実行するステップと、
前記付着した残留材料を除去するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記ゲルマニウム材料がゲルマニウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゲルマニウム材料がシリコンゲルマニウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
SixGe1-xで表わされるシリコンゲルマニウムのxが0.01から0.03の範囲である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ゲルマニウム材料が第1組成を有するSiGeから第2組成を有するSiGeまでのSiGeグレードを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
付着した残留材料を除去した後で、SiGeグレードの少なくとも一部を除去するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1組成がGaAsに対して実質的に格子整合され、かつ前記第2組成が第1材料より高いシリコン分率を有する、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記ゲルマニウム材料がさらに、第2組成を有するSiGeと格子不整合の1層の歪みゲルマニウム成長層を含む、請求項5ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ゲルマニウム材料におけるゲルマニウムのモル分率が少なくとも0.5または少なくとも0.7である、請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ゲルマニウム材料およびGaAsが実質的に格子整合する、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記レシーバ基板が絶縁体層を含み、ゲルマニウム材料の転写層の層転写が絶縁体層上に行なわれてゲルマニウム材料オン絶縁体基板が形成される、請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記レシーバ基板がシリコン基板であり、絶縁体層がシリコン酸化物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
層転写を実行するステップが、ドナー基板の少なくとも一部を研磨して、前記表面に隣接する残留GaAsを前記転送ゲルマニウム材料に付着させておくことを含む、請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
層転写を実行するステップが、イオンを注入して前記表面の下のGaAsに劈開層を誘発するサブステップと、ゲルマニウム材料をレシーバ基板に結合するサブステップと、前記劈開層に沿ってレシーバ基板をドナー基板から分離して、前記表面に隣接する残留GaAsを前記転写ゲルマニウム材料に付着させておくサブステップとを含む、請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
層転写を実行するステップが、イオンを注入して前記表面の上のゲルマニウム材料に劈開層を誘発するサブステップと、ゲルマニウム材料をレシーバ基板に結合するステップと、前記劈開層に沿ってレシーバ基板をドナー基板から分離して、前記表面に隣接する残留ゲルマニウム材料を前記GaAsに付着させておくサブステップとを含む、請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
付着した残留材料を除去するステップが、残留材料の少なくとも一部を、ゲルマニウム材料が反応しない選択的エッチングによって除去することを含む、請求項1ないし15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
選択的ウェットエッチングを使用して、付着した残留材料の最終部分を除去し、下にあるゲルマニウム材料を露出させる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ドナー基板がGaAs基板である、請求項1ないし17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
GaAsの表面がGaAs基板のGaAs面である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
GaAsの表面がGaAsのエピタキシャル成長層の表面である、請求項1ないし18のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
ゲルマニウム材料のエピタキシャル成長層がGaAsのエピタキシャル成長層上に形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記GaAsおよびゲルマニウム材料の複数の交互層をエピタキシャル成長させるステップと、前記層を全部成長させた後、各々別個のレシーバ基板に層転写する複数回の前記ステップ、および付着した残留材料を除去する対応する複数回の前記ステップを実行するステップとを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ドナー基板上に第1SiGe組成から第2SiGe組成までのSiGeグレードを成長させるステップと、
前記SiGeグレード上にゲルマニウム材料のさらなる層をエピタキシャル成長させるステップと、
前記ゲルマニウム材料の少なくとも一部のレシーバ基板への層転写を実行するステップと、を含む方法。
【請求項24】
前記ゲルマニウム材料のさらなる層が第2組成と一致する組成を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ゲルマニウム材料のさらなる層が、前記第2組成と格子整合しない歪みゲルマニウム材料である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記歪みゲルマニウム材料が圧縮歪みを受ける、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
歪みゲルマニウム材料が歪みゲルマニウムである、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1SiGe組成がドナー基板に対し実質的に格子整合し、かつ前記第2SiGe組成が前記第1SiGe組成より高いシリコン分率を有する、請求項23ないし27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記層転写が、前記SiGeグレードおよび残留材料のドナー基板からの層転写を含む、請求項23ないし28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記ゲルマニウム材料のさらなる層が、x=0.05より大きいシリコン分率を有するSixGe1-xである、請求項23ないし29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記ゲルマニウム材料のさらなる層が、0.5より大きい、または0.7より大きいゲルマニウムモル分率を有する、請求項23ないし30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記ドナー基板がGaAs基板である、請求項23ないし31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
請求項1ないし32のいずれかに記載のステップを実行するステップと、前記転写ゲルマニウム材料の少なくとも一部の上に1つ以上の光起電力接合を一体的に形成するステップとを含む、光電池を形成する方法。
【請求項34】
請求項1ないし33のいずれかに記載のステップを含む、光電子デバイス、完全にまたは部分的に空乏化したGeベースCMOSデバイス、およびIII/Vオン・シリコンデバイスの1つを形成する方法。
【請求項35】
請求項1ないし32のいずれかに記載の方法に従って形成された前記ゲルマニウム材料の少なくとも一部の層を担持する基板。
【請求項36】
請求項1ないし32のいずれかに記載の方法に従って形成されたゲルマニウム材料オン絶縁体基板。
【請求項37】
前記ゲルマニウム材料がシリコン上の酸化シリコン上に位置する、請求項36に記載の基板。
【請求項38】
前記ゲルマニウム材料が、ゲルマニウム、xが0.05未満でありSixGe1-xと表わされるシリコンゲルマニウム、およびGaAsの格子定数の±0.16%以内の格子定数を有するゲルマニウム材料の少なくとも1つである、請求項36または37に記載の基板。
【請求項39】
請求項35ないし38のいずれかに記載の基板を含む太陽電池。
【請求項40】
請求項35ないし38のいずれかに記載の基板を含む、光電子デバイス、完全にまたは部分的に空乏化したGeベースCMOSデバイス、またはIII/Vオン・シリコンデバイス。

【図3】
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【図4】
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【図5A−5C】
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【図6A−6D】
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【図7】
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【図8A−8B】
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【図9A−9B】
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【公表番号】特表2012−518290(P2012−518290A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550643(P2011−550643)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000287
【国際公開番号】WO2010/094920
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511202263)アイキューイー シリコン コンパウンズ リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】IQE Silicon Compounds Limited
【住所又は居所原語表記】Beech House, Pascal Close, St Mellons, Cardiff, South Glamorgan, Wales CF3 0LW, United Kingdom
【Fターム(参考)】