半導体発光素子および、該半導体発光素子による波長可変光源装置、SD−OCT装置、SS−OCT装置
【課題】簡単な構造によって、局在プラズモン共鳴現象により所望のスペクトル特性を得ることが可能となる半導体発光素子等を提供する。
【解決手段】基板上に、電流注入により発光する活性層を含む複数の半導体層が積層された半導体発光素子であって、
前記活性層の近傍に、金属ドット層を備え、
前記金属ドット層は、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドットが、前記基板と平行に配列されて構成されている。
【解決手段】基板上に、電流注入により発光する活性層を含む複数の半導体層が積層された半導体発光素子であって、
前記活性層の近傍に、金属ドット層を備え、
前記金属ドット層は、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドットが、前記基板と平行に配列されて構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子および、該半導体発光素子による波長可変光源装置、SD−OCT装置、SS−OCT装置に関し、特に金属ドット層による局在プラズモン共鳴効果を利用して所望のスペクトル特性を得られる半導体発光素子の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SLD(Super Luminescent Diode)や、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)などの、半導体発光素子の利用が高まってきている。
特にOCT(Optical Coherence Tomography)をはじめとする各種医療用測定機器の分野では、光源として活発に利用されている。
このような分野の光源に適応される際には、各測定装置に応じて所望のスペクトル形状が求められる。
例えば、SD−OCT(Spectral Domain−Optical Coherence Tomography)装置では、信号のSN比の向上および分解能の向上の観点から、発光スペクトルの形状がガウシアンであり、かつ広帯域であることが望まれていることから、SLDが光源として主に用いられている。
また、SS−OCT(Swept Source−Optical Coherence Tomography)装置では、広いゲイン帯域を持つSOAが波長掃引光源の利得媒体として用いられている。
【0003】
このような所望の発光またはゲインのスペクトル形状を達成するために、活性層の組成や各種パラメータを最適なものに設計し、製造されている。
これらの技術に対して、従来においては特許文献1に記載されているように、発光層である活性層の近傍に金属層を配置し、光と金属の相互作用であるプラズモン共鳴を用いて、光子寿命を短くし、発光効率を高める技術も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−80741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、上記した半導体発光素子において、発光またはゲインのスペクトル形状を所望のものに設計することは計算が複雑であり難しいという課題を有していた。
さらに、作製の際には各種プロセス条件を最適なものに設定しなければならず、設計通りのスペクトル形状を達成するのが難しかった。
また、前記特許文献1のように金属によるプラズモン共鳴を用いて活性層からの発光を制御する技術も開発されてきている。
しかしながら、これは金属材料によって決まるプラズモン周波数に応じた共鳴波長を用いたものであり、これによる場合には自由に所望の波長を選択しスペクトル形状を制御することは難しい。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑み、簡単な構造によって、局在プラズモン共鳴現象により所望のスペクトル特性を得ることが可能となる半導体発光素子および、該半導体発光素子による波長可変光源装置、SD−OCT装置、SS−OCT装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体発光素子は、基板上に、電流注入により発光する活性層を含む複数の半導体層が積層された半導体発光素子であって、
前記活性層の近傍に、金属ドット層を備え、
前記金属ドット層は、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドットが、前記基板と平行に配列されて構成されていることを特徴とする。
また、本発明の波長可変光源装置は、上記半導体発光素子が、利得媒体として共振器内に含み構成されていることを特徴とする。
また、本発明のSD−OCT装置は、上記半導体発光素子が発するASE光を用い、白色光源が構成されていることを特徴とする。
また、本発明のSS−OCT装置は、上記波長可変光源装置を用い、波長掃引光源が構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構造によって、局在プラズモン共鳴現象により所望のスペクトル特性を得ることが可能となる半導体発光素子および、該半導体発光素子による波長可変光源装置、SD−OCT装置、SS−OCT装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態における半導体発光素子を光の進行方向に対して垂直な方向から見た断面図。
【図2】本発明の実施形態における半導体発光素子を光の進行方向から見た断面図。
【図3】本発明の実施形態における金属ドット層を配置した際にスペクトル形状をシェイピングできることについて説明する図。
【図4】本発明の実施形態における金属ドット層を活性層近傍に配置したとき、スペクトル形状を変える様子を説明する図。
【図5】本発明の実施例1における半導体発光素子を光の進行方向に対して垂直な方向から見た断面図。
【図6】本発明の実施例1における半導体発光素子を光の進行方向から見た断面図。
【図7】本発明の実施例1におけるASEスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)する構成例について説明する図。
【図8】本発明の実施例2における半導体発光素子を光の進行方向に対して垂直な方向から見た断面図。
【図9】本発明の実施例2における半導体発光素子を光の進行方向から見た断面図。
【図10】本発明の実施例2におけるゲインスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)する構成例について説明する図。
【図11】本発明の実施例3における半導体発光素子を光の進行方向に対して垂直な方向から見た断面図。
【図12】本発明の実施例3を説明する図11を上面から見た図。
【図13】本発明の実施例4における半導体発光素子であるSOAを適用して利得媒体として用いた波長可変光源装置について説明する図。
【図14】本発明の実施例5におけるSD−OCT装置の構成例について説明する図。
【図15】本発明の実施例6におけるSS−OCT装置の構成例について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、発明者らの検討の結果、つぎのような知見に基づいて見出されたものである。
すなわち、活性層近傍に、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドットが配列された金属ドット層を設けることによって、スペクトル形状を変えることができるという知見に基づいて見出されたものである。
つまり、上記金属ドット層を、活性層近傍に配置した際に、金属ドットのドット径の大きさに対応した波長λにおいて局在プラズモン共鳴が生じる。この局在プラズモン共鳴を用いて、半導体発光素子のASEスペクトルまたはゲインスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)するようにしたものである。
【0011】
以下に、本発明の実施形態における半導体発光素子について説明する。
本実施形態の半導体発光素子は、基板上に、電流注入により発光する活性層を含む複数の半導体層が積層された構成を備えている。
具体的には、図1に示すように、下から順にn側電極101、基板102、nクラッド層103、活性層104、pクラッド層105、誘電体層108、金属ドット109、pコンタクト層106、p側電極107を備える。
この半導体発光素子では、電流注入によって光を発する活性層104の近傍に金属ドット109か配置されている。
この金属ドット層は、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドット109が、前記基板と平行に配列して構成されている。
また、金属ドット109が配置されている活性層104の近傍とは、具体的には活性層で発生した光の強度分布が染み出す領域内を指している。
つまり、光の強度が1/e2まで落ちる領域より内側か、もしくは光が伝播光として活性層の外へ漏れ出したときに他の層の吸収や散乱によって光強度が全て失われない領域である。
このとき、金属ドット109は誘電体層108に覆われていることが好ましい。これは、金属原子と半導体結晶が直接触れ合っていると、金属原子の拡散が起こり、活性層へコンタミを起こすなど、望ましくない現象を防ぐためである。
また、金属ドット層の局在プラズモン共鳴の波長が周囲の屈折率に敏感であるため、金属ドット層の周囲を誘電体層で覆い、屈折率を所望の値に保つためにも好適である。
【0012】
図2を用いて本発明に係る構造をさらに説明する。
図2は、本実施形態の半導体発光素子の中心部を光の進行方向から見た断面図である。
下から順にn側電極101から、p側電極107まで図1と同じ構成をしている。
上記複数の金属ドットは、活性層の直上にあるpクラッド層の内部領域に設けられた誘電体層中に配列されている。
具体的には、誘電体層108に囲まれた金属ドット109はpクラッド層105の中心部に配置され、側部にはpクラッド層105が残されている。
これは上部のp側電極107から電流注入された際に電子がpクラッド層105の側部を通って活性層104へ注入され、キャリアを励起させるためである。
このような構成を取ったときに、活性層104で発生した光と金属ドット109間で金属ドット109の大きさに対応した光に対して局在プラズモン共鳴が起こり、光が反射される。
なお、このように金属ドット間で金属ドットの大きさに対応した光に対して局在プラズモン共鳴現象が生じることについての詳細は、特許文献2(特開2010−8990号公報)に記載されている。
これにより、半導体発光素子のASE(Amplified Spontaneous Emission)光スペクトルや、ゲインスペクトルを所望の形状にシェイピングできる。
【0013】
つぎに、図3を用いて金属ドット層を配置した際にスペクトル形状をシェイピングできることについて説明する。
図3(a)は金属ドット層が配置されていない、通常の半導体発光素子のASE光スペクトル304を表す。
この素子に対し波長λ301に共鳴するサイズの金属ドット層を活性層近傍に配置したとき、金属ドットのドット径の大きさに対応した波長λ301において局在プラズモン共鳴および反射が起こり、波長λ301の光は活性層へ戻される。一方、波長λ301以外の波長λ302や波長λ303の光は、局在プラズモン共鳴を起こさず金属ドット層を透過する。
この結果、図3(b)に示すようにスペクトルの中心部である波長λ301の強度が上昇し、周囲の波長であるλ302およびλ303の強度は下がり、図3(c)のASE光スペクトル305になり、スペクトル形状を変えることができる。
【0014】
この様子を図4を用いて説明する。
活性層104で発生したASE光401は波長λ301、302、303を含む。
このとき、活性層から染み出した光の中で、波長λ301の光のみ金属ドット109と局在プラズモン共鳴を起こし、反射されて活性層104へと戻される。
一方、波長λ302および波長λ303の光は金属ドット109と局在プラズモン共鳴を起さず、損失してしまう。
よって、このような構成のもとで活性層104を伝播した光402は、図3を用いて説明したようなスペクトル形状の変化を起こす。
このようにして簡便な手法で、スペクトル形状を変えることができる。
つまり、スペクトル強度を上げたい波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさの金属ドットを配置すれば、所望のASE光スペクトル形状にシェイピングできる。
また、半導体発光素子を入射してきた光を増幅する利得媒体として用いた場合、ゲインスペクトルの形状が重要となるが、一般にASE光スペクトルとゲインスペクトルは似た傾向の形状を取る。
これを詳細に述べると、活性層中で入射光の吸収が起こるため、ゲインスペクトルはASE光スペクトルに対し、短波長側が下がり、長波長が上がる傾向がある。
このように正確なスペクトル形状は異なるが、ゲインスペクトルの形状はASE光スペクトルを反映した形となる。
したがって、前記の金属ドットを配置したことによる局在プラズモン共鳴を用いたスペクトルシェイピングの効果は、ゲインスペクトルにも同様に作用する。
以下において、本発明を適用した半導体発光素子のASE光を光源として用いる場合にはSLDと記し、入射光を増幅する利得媒体として用いる場合にはSOAと記す。
活性層近傍に配置する金属ドットの形状は正方形や長方形、三角形や円形など、様々なものが考えられるが、本発明はこのようなドットの形状に限定されるものではない。
また、金属ドットを周期的に配列させる際の配列形状も、正方格子状や三角格子状、六方格子状など様々な配列形状が取り得るが、これらに限定されるものではない。
ただし、正方形や円形のドット、または正方格子状や六方格子状は対称性を持つため、局在プラズモン共鳴の偏光依存性を低減できる点で好適である。
逆に、長方形や三角形のドット、または三角格子状は非対称な軸を持つため、偏光依存性を強調する際には好適である。
金属ドットを構成する金属はアルミニウム、金、銀、白金などを用いることができる。
これらのなかでアルミニウムは、プラズマ周波数が高く(〜15ev)、各種波長帯での局在プラズモン共鳴に用いることが容易である。
また、アルミニウムは他の材料と比べ酸化されにくいので長期に渡り光学特性を発現でき、化学的に不活性なことに起因する半導体プロセスでの加工困難性も少ないため好適である。
また、誘電体層としては、可視光領域から近赤外領域の波長に対して透明な石英(二酸化ケイ素)などを用いることができる。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明の半導体発光素子を適用した、広帯域かつガウシアンな形状のASE光スペクトルを持つSLDについて、図5、図6を用いて説明する。
図5、図6において、下から順にn側電極501、基板502、nクラッド層503、活性層504、pクラッド層505、誘電体層508、金属ドット509、pコンタクト層506、p側電極507である。
活性層504やクラッド層503、505は所望の波長帯に応じた材料で構成されるのが好適であり、本実施例では中心波長1.06μm帯として、活性層にInGaAsP、クラッド層および基板にInPを用いた。
誘電体層には二酸化ケイ素を用いた。金属ドットの材料にはアルミニウムを用いた。
【0016】
このような構成は半導体プロセスを用いて作製した。
具体的には、エピタキシャル成長およびドーピングを用いて基板上にnクラッド層503、活性層504、pクラッド層505を作製する。
その後、EB描画を用いてパターンを描画し、ドライエッチングにてpクラッド層505を適当な幅および厚みだけ削る。
そこにスパッタリングによる製膜を用いて二酸化ケイ素を埋め込む。
さらに、同様な手法でパターン描画を施し、ドライエッチングにて削られた構造に、真空蒸着を用いてアルミニウムを製膜し、その上に二酸化ケイ素を製膜することで誘電体層508中に金属ドット509を作製する。
その後、コンタクト層506、電極507を作製する。このとき、描画パターンの大きさに応じてフォトリソグラフィーを用いることも好適である。
また、製膜の材料によって、スパッタリングや真空蒸着を使い分けることも好適である。
【0017】
図7を用いて、ASEスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)する構成例について説明する。
図7(a)は金属ドットを埋め込んでいないSLDのASE光スペクトル704である。
広帯域な発光波長を得ようとすると、図7(a)のようにショルダーピーク705が現れる。
しかしながら、測定用光源としてのSLDは実施例5で記載するように広帯域かつガウシアンなASE光スペクトルの形状が望まれる。
このとき、図7の波長λ701に対して局在プラズモン共鳴を起こす大きさの金属ドットによって構成された金属ドット層を活性層近傍に配置することによって、本発明の実施形態で説明したスペクトルシェイピングの効果が図7(b)のように得られる。
したがって、図7(c)のASE光スペクトル705のようになり、広帯域であり、なおかつガウシアンな形状を得ることができる。
本実施例では、半導体発光素子の構成として図6に示すようなダブルへテロ構造を用いたが、このような構造に限定されることなく、リッジウェイブ型など他の半導体発光素子の構造を採用しても同様な効果が得られる。
【0018】
[実施例2]
実施例2として、本発明の半導体発光素子を適用した、広帯域かつフラットなゲインスペクトルを持つSOAについて、図8、図9を用いて説明する。
図8、図9において、下から順にn側電極801、基板802、nクラッド層803、活性層804、pクラッド層805、誘電体層808、金属ドット809および810、pコンタクト層806、p側電極807である。
実施例1と異なるのは、ドット径大きさが異なる2種類の金属ドット809、810によって構成された金属ドット層を誘電体層808に配置した点である。
各々の金属ドットは異なる波長の光と局在プラズモン共鳴を起こし、金属ドット809は波長λ1002と、金属ドット810は波長λ1003と局在プラズモン共鳴を起こす。
【0019】
図10を用いて、ゲインスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)する構成例について説明する。
図10(a)は、金属ドット層が配置されていないときの一般的な単峰性のピークを持つゲインスペクトル1004を表す。
このとき、波長λ1002と波長λ1003の光は、金属ドット809と810が存在することで局在プラズモン共鳴を起こし反射されて活性層804へ戻ることにより、ゲインの強度が増強される。
逆に、2種類の金属ドット809および810に共鳴しない波長λ1001の光は金属ドット層を透過し、ゲインの強度が下がる。この様子、つまりゲインスペクトルの裾である波長λ1002と波長λ1003のゲイン強度が上がり、ゲインスペクトルの中心である波長λ1001のゲイン強度が下がることを図10(b)に示す。
その結果、図10(c)のように広い波長帯域に渡ってほぼフラットな特性を持ったゲインスペクトル1005が得られる。
後述する実施例4に示すように、波長可変光源を広い波長帯域で発振させたいときに、広い波長帯域でゲインがフラットな利得媒質は非常に好適である。
本実施例では金属ドットの大きさを2種類としたが、所望のスペクトル形状を達成するために3種類以上の大きさを持った金属ドットを配置しても良い。
【0020】
[実施例3]
実施例3として、活性層で発生した光の進行路の延長上に導波路として金属ドットを含んだ誘電帯層を配置し、プロセスとしては簡便な手法で作製できる構成例を、図11、図12を用いて説明いする。
図11、図12において、下から順にn側電極1101、基板1102、nクラッド層1103、活性層1104、pクラッド層1105、pコンタクト層1106、p側電極1107として半導体発光素子が形成されている。
その半導体発光素子を作製した同じ基板1102上に発光層である活性層1104から延びた導波路を誘電体層1108で形成し、その内部に金属ドット1109によって構成された金属ドット層を配置する。
【0021】
金属ドット1109は前記実施例1や実施例2で示したように、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴を起こす1種類または2種類以上の大きさの金属ドットである。
このような金属ドットを含んだ導波路を光が透過する際、金属ドットの大きさに対応した波長は局在プラズモン共鳴を起こし、反射することにより損失を与えられ、透過光のスペクトルで強度が減少する。
このようにして、透過光を考えるとASE光もしくはゲインスペクトルのシェイピングが達成される。
また、作製プロセスは半導体発光素子を半導体プロセスにて作製したのち、光の進行方向の同一基板上に製膜やパターン描画、エッチングによって誘電体層の導波路および金属ドットを作製すれば良い。
これは実施例1や実施例2と比較して非常に簡便な作製プロセスである。また、活性層の周囲をドライエッチングなどで削らないため、ダメージにより半導体結晶品質が悪化する問題も低減できる。
本実施例では光の進行方向に対し、金属ドットの厚み方向を持つよう実施例1や2とは90度傾け、垂直に配置している。
さらに、導波路内に金属ドットを1列配置しただけでは局在プラズモン共鳴の効果が弱いときには、図11や図12に示すように金属ドットを導波路の幅方向、奥行き方向に複数列並べることも好適である。
導波路の幅や厚みは所望の伝播モードが立つように設計することが好適である。
【0022】
[実施例4]
実施例4として、本発明の半導体発光素子であるSOAを適用し、利得媒体として用いた波長可変光源装置について説明する。
一般的に波長可変光源は、利得媒体を含む共振器と、波長選択手段を伴って構成される。波長選択手段には回折格子と反射鏡を組み合わせたものや、エタロンの間隔を可変にできるFP(Fabry−Perot)フィルターなど様々なものが存在する。
なかでも、高速かつ広帯域に波長を掃引できる可能性を持った手段のひとつとして分散チューニングの手法が挙げられる。
山下氏の報告(S.Yamashita,et al.Opt.Exp. Vol.14,pp9299 2006)では、SOAを利得媒体としてリング共振器を組み、共振器内の光強度変調器の周波数を変調する。これにより、分散チューニングの手法により波長掃引光源を提案している。
【0023】
図13を用いて、本実施例の具体的な構成例について説明する。
利得媒質として本発明に係るSOA1301、アイソレータ1302、出力用カプラ1303、分散付与ファイバー1304、変調器1305が光ファイバーを通じて光学的に結合されリング共振器を形成している。
このとき、各種電流源やドライバーの描写は省略している。
変調器1305はEOM(Electrical Optical Modulator)に代表される高速駆動が可能な変調器であることが望ましい。
また、変調器を用いず、SOAへ印加するDC電流にAC成分を重畳させることで、周期的な強度変調を達成することも、低コスト化の観点から好ましい。
このようなリングレーザの系において、共振器長によって決まるFSR(Free Spectral Range)の整数倍に等しい周波数で変調器1305を駆動することで強度変調を行い、能動モード同期動作となる。
この能動モード同期状態において変調周波数をFM変調することで発振波長が掃引され、分散チューニングを動作原理とする波長掃引光源が達成される。
【0024】
本発明に係るSOAを利得媒体として用いることで、ゲインスペクトルがフラットな共振器を構成できる。
これは、所望の波長を発振させたいときにそれ以外の波長も同時に発振してしまう、寄生発振を抑えることに有効である。以下、これらについて説明する。
波長に依存したFSRを利用して、モード同期周波数の違いにより発振波長を選択する分散チューニング方式は、波長選択性、つまり波長確定性が弱い。
従って、ゲインの強度に波長分布があると、ゲインの低い領域の波長を分散チューニングの方式で選択しても、ゲインの高い領域でCW(Continuous Wave)発振してしまう。
これが寄生発振であり、ゲインスペクトルの形状が波長依存の勾配を持っていることが原因である。
よって、ゲインフラットなSOAを分散チューニング方式の波長可変光源の利得媒体に用いることは、寄生発振を抑え、シングルピークで広い波長帯域を掃引する点で好適である。
また、掃引する周波数を高くするのに比例してシングルピークの波長選択性が弱くなるので、高速に波長を掃引する観点からも好適である。
【0025】
本実施例では分散チューニングの方式を用いたが、波長可変手段はこれに限定されるものではない。
全ての波長可変手段に対して、本発明に係る半導体発光素子を利得媒体として用いた際には、ゲインフラットニングの効果により寄生発振を抑えることができる。
以上より、本発明に係るSOAを波長可変(もしくは掃引)光源の利得媒体に用いた際、広い波長帯域を高速に掃引できる利点が得られる。
【0026】
[実施例5]
本発明に係る半導体発光素子をSLDとして適用し、広帯域白色光源に用いたSD−OCT装置の構成例について、図14を用いて説明する。
図14に示すSD−OCT装置において、広帯域白色光源であるSLD1401から出た光をカプラ1402を通じて被検体1403へと導かれるサンプル光1404と、固定ミラー1405へと導かれる参照光1406とに分割する。
分割されたあと、サンプル光1404はコリメータレンズ1407と走査鏡1408および対物レンズ1409を経て、被検体1403へと導かれる。
被検体1403の深さ情報を持って反射された光はもと来た光路を戻り、再びカプラ1402に戻る。
一方、参照光1406はコリメータレンズ1410、対物レンズ1411を通過したのち固定ミラー1405にて反射され、もと来た光路を戻り再びカプラ1402へと戻りサンプル光と合波され干渉信号を生成する。
干渉信号はラインセンサ型光電変換素子と回折格子から成る分光器1412にて波長毎の信号に分離され、計算処理機1413においてフーリエ変換を中心とした信号処理をすることで深さ方向断層画像となる。
【0027】
本実施例に係るSLDをSD−OCT装置の白色光源として用いた場合、以下に述べる利点が得られる。
SD−OCT装置において、被検体の奥行き方向分解能Δzは次の式(1)で表されるように光源のスペクトル帯域の広さに反比例して良くなる。
【0028】
ここで、Δλはスペクトル帯域幅、λ0は中心波長を表す。
また、信号処理においてフーリエ変換を行うため、光源のパワースペクトル形状はガウシアンであることが、信号のSN比向上の観点からも望ましい。
従って、広帯域かつガウシアンの形状を持つ光源がSD−OCT装置には好適である。このような光源の特性を達成するために、本発明に係るスペクトルシェイピング機能を利用した半導体発光素子を利用することは好適である。
【0029】
[実施例6]
本発明に係る半導体発光素子をSOAとして適用し、波長掃引光源の利得媒体に用いたSS−OCT装置の構成例について、図15を用いて説明する。
図15に示すSS−OCT装置において、光源1501は実施例4に記載した特徴を持つ、本発明に係る波長掃引光源である。
また、光電変換部1512は単一のフォトダイオードもしくはバランスドディテクターで構成される。
光源自体の揺らぎに起因するノイズをキャンセルでき、画質のSN比を向上できる観点からはバランスドディテクターであることが好ましい。コストや装置の簡便さの観点からは単一のフォトダイオードが望ましい。
その他の構成要素は実施例5に記載のSD−OCT装置と同様である。
【0030】
SS−OCT装置の奥行き分解能も前記実施例5に記載したSD−OCTと同様に発振波長帯域幅に反比例して高まり、波長帯域は広いほうが望ましい。
実施例4に記載したように、本発明に係るSOAを利得媒体に用いるとゲイン特性がフラットであるため寄生発振が抑制でき、発振波長帯域を広く取れるため、奥行き分解能の向上につながる。
また、SS−OCT装置では光源の波長掃引速度が画像取得速度に直結し、固視微動の影響を排除しSN比の良い画像を取得するためにも高速な画像取得が求められることから、高速な波長掃引光源が望まれる。
このとき、ゲイン特性がフラットなSOAを利得媒体に用いると、前記のように波長掃引速度の向上が見込め、SS−OCT装置に適応した際も好適である。
【符号の説明】
【0031】
101:n側電極
102:基板
103:nクラッド層
104:活性層
105:pクラッド層
106:pコンタクト層
107:p側電極
108:誘電体層
109:金属ドット
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子および、該半導体発光素子による波長可変光源装置、SD−OCT装置、SS−OCT装置に関し、特に金属ドット層による局在プラズモン共鳴効果を利用して所望のスペクトル特性を得られる半導体発光素子の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SLD(Super Luminescent Diode)や、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)などの、半導体発光素子の利用が高まってきている。
特にOCT(Optical Coherence Tomography)をはじめとする各種医療用測定機器の分野では、光源として活発に利用されている。
このような分野の光源に適応される際には、各測定装置に応じて所望のスペクトル形状が求められる。
例えば、SD−OCT(Spectral Domain−Optical Coherence Tomography)装置では、信号のSN比の向上および分解能の向上の観点から、発光スペクトルの形状がガウシアンであり、かつ広帯域であることが望まれていることから、SLDが光源として主に用いられている。
また、SS−OCT(Swept Source−Optical Coherence Tomography)装置では、広いゲイン帯域を持つSOAが波長掃引光源の利得媒体として用いられている。
【0003】
このような所望の発光またはゲインのスペクトル形状を達成するために、活性層の組成や各種パラメータを最適なものに設計し、製造されている。
これらの技術に対して、従来においては特許文献1に記載されているように、発光層である活性層の近傍に金属層を配置し、光と金属の相互作用であるプラズモン共鳴を用いて、光子寿命を短くし、発光効率を高める技術も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−80741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、上記した半導体発光素子において、発光またはゲインのスペクトル形状を所望のものに設計することは計算が複雑であり難しいという課題を有していた。
さらに、作製の際には各種プロセス条件を最適なものに設定しなければならず、設計通りのスペクトル形状を達成するのが難しかった。
また、前記特許文献1のように金属によるプラズモン共鳴を用いて活性層からの発光を制御する技術も開発されてきている。
しかしながら、これは金属材料によって決まるプラズモン周波数に応じた共鳴波長を用いたものであり、これによる場合には自由に所望の波長を選択しスペクトル形状を制御することは難しい。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑み、簡単な構造によって、局在プラズモン共鳴現象により所望のスペクトル特性を得ることが可能となる半導体発光素子および、該半導体発光素子による波長可変光源装置、SD−OCT装置、SS−OCT装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体発光素子は、基板上に、電流注入により発光する活性層を含む複数の半導体層が積層された半導体発光素子であって、
前記活性層の近傍に、金属ドット層を備え、
前記金属ドット層は、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドットが、前記基板と平行に配列されて構成されていることを特徴とする。
また、本発明の波長可変光源装置は、上記半導体発光素子が、利得媒体として共振器内に含み構成されていることを特徴とする。
また、本発明のSD−OCT装置は、上記半導体発光素子が発するASE光を用い、白色光源が構成されていることを特徴とする。
また、本発明のSS−OCT装置は、上記波長可変光源装置を用い、波長掃引光源が構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構造によって、局在プラズモン共鳴現象により所望のスペクトル特性を得ることが可能となる半導体発光素子および、該半導体発光素子による波長可変光源装置、SD−OCT装置、SS−OCT装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態における半導体発光素子を光の進行方向に対して垂直な方向から見た断面図。
【図2】本発明の実施形態における半導体発光素子を光の進行方向から見た断面図。
【図3】本発明の実施形態における金属ドット層を配置した際にスペクトル形状をシェイピングできることについて説明する図。
【図4】本発明の実施形態における金属ドット層を活性層近傍に配置したとき、スペクトル形状を変える様子を説明する図。
【図5】本発明の実施例1における半導体発光素子を光の進行方向に対して垂直な方向から見た断面図。
【図6】本発明の実施例1における半導体発光素子を光の進行方向から見た断面図。
【図7】本発明の実施例1におけるASEスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)する構成例について説明する図。
【図8】本発明の実施例2における半導体発光素子を光の進行方向に対して垂直な方向から見た断面図。
【図9】本発明の実施例2における半導体発光素子を光の進行方向から見た断面図。
【図10】本発明の実施例2におけるゲインスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)する構成例について説明する図。
【図11】本発明の実施例3における半導体発光素子を光の進行方向に対して垂直な方向から見た断面図。
【図12】本発明の実施例3を説明する図11を上面から見た図。
【図13】本発明の実施例4における半導体発光素子であるSOAを適用して利得媒体として用いた波長可変光源装置について説明する図。
【図14】本発明の実施例5におけるSD−OCT装置の構成例について説明する図。
【図15】本発明の実施例6におけるSS−OCT装置の構成例について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、発明者らの検討の結果、つぎのような知見に基づいて見出されたものである。
すなわち、活性層近傍に、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドットが配列された金属ドット層を設けることによって、スペクトル形状を変えることができるという知見に基づいて見出されたものである。
つまり、上記金属ドット層を、活性層近傍に配置した際に、金属ドットのドット径の大きさに対応した波長λにおいて局在プラズモン共鳴が生じる。この局在プラズモン共鳴を用いて、半導体発光素子のASEスペクトルまたはゲインスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)するようにしたものである。
【0011】
以下に、本発明の実施形態における半導体発光素子について説明する。
本実施形態の半導体発光素子は、基板上に、電流注入により発光する活性層を含む複数の半導体層が積層された構成を備えている。
具体的には、図1に示すように、下から順にn側電極101、基板102、nクラッド層103、活性層104、pクラッド層105、誘電体層108、金属ドット109、pコンタクト層106、p側電極107を備える。
この半導体発光素子では、電流注入によって光を発する活性層104の近傍に金属ドット109か配置されている。
この金属ドット層は、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドット109が、前記基板と平行に配列して構成されている。
また、金属ドット109が配置されている活性層104の近傍とは、具体的には活性層で発生した光の強度分布が染み出す領域内を指している。
つまり、光の強度が1/e2まで落ちる領域より内側か、もしくは光が伝播光として活性層の外へ漏れ出したときに他の層の吸収や散乱によって光強度が全て失われない領域である。
このとき、金属ドット109は誘電体層108に覆われていることが好ましい。これは、金属原子と半導体結晶が直接触れ合っていると、金属原子の拡散が起こり、活性層へコンタミを起こすなど、望ましくない現象を防ぐためである。
また、金属ドット層の局在プラズモン共鳴の波長が周囲の屈折率に敏感であるため、金属ドット層の周囲を誘電体層で覆い、屈折率を所望の値に保つためにも好適である。
【0012】
図2を用いて本発明に係る構造をさらに説明する。
図2は、本実施形態の半導体発光素子の中心部を光の進行方向から見た断面図である。
下から順にn側電極101から、p側電極107まで図1と同じ構成をしている。
上記複数の金属ドットは、活性層の直上にあるpクラッド層の内部領域に設けられた誘電体層中に配列されている。
具体的には、誘電体層108に囲まれた金属ドット109はpクラッド層105の中心部に配置され、側部にはpクラッド層105が残されている。
これは上部のp側電極107から電流注入された際に電子がpクラッド層105の側部を通って活性層104へ注入され、キャリアを励起させるためである。
このような構成を取ったときに、活性層104で発生した光と金属ドット109間で金属ドット109の大きさに対応した光に対して局在プラズモン共鳴が起こり、光が反射される。
なお、このように金属ドット間で金属ドットの大きさに対応した光に対して局在プラズモン共鳴現象が生じることについての詳細は、特許文献2(特開2010−8990号公報)に記載されている。
これにより、半導体発光素子のASE(Amplified Spontaneous Emission)光スペクトルや、ゲインスペクトルを所望の形状にシェイピングできる。
【0013】
つぎに、図3を用いて金属ドット層を配置した際にスペクトル形状をシェイピングできることについて説明する。
図3(a)は金属ドット層が配置されていない、通常の半導体発光素子のASE光スペクトル304を表す。
この素子に対し波長λ301に共鳴するサイズの金属ドット層を活性層近傍に配置したとき、金属ドットのドット径の大きさに対応した波長λ301において局在プラズモン共鳴および反射が起こり、波長λ301の光は活性層へ戻される。一方、波長λ301以外の波長λ302や波長λ303の光は、局在プラズモン共鳴を起こさず金属ドット層を透過する。
この結果、図3(b)に示すようにスペクトルの中心部である波長λ301の強度が上昇し、周囲の波長であるλ302およびλ303の強度は下がり、図3(c)のASE光スペクトル305になり、スペクトル形状を変えることができる。
【0014】
この様子を図4を用いて説明する。
活性層104で発生したASE光401は波長λ301、302、303を含む。
このとき、活性層から染み出した光の中で、波長λ301の光のみ金属ドット109と局在プラズモン共鳴を起こし、反射されて活性層104へと戻される。
一方、波長λ302および波長λ303の光は金属ドット109と局在プラズモン共鳴を起さず、損失してしまう。
よって、このような構成のもとで活性層104を伝播した光402は、図3を用いて説明したようなスペクトル形状の変化を起こす。
このようにして簡便な手法で、スペクトル形状を変えることができる。
つまり、スペクトル強度を上げたい波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさの金属ドットを配置すれば、所望のASE光スペクトル形状にシェイピングできる。
また、半導体発光素子を入射してきた光を増幅する利得媒体として用いた場合、ゲインスペクトルの形状が重要となるが、一般にASE光スペクトルとゲインスペクトルは似た傾向の形状を取る。
これを詳細に述べると、活性層中で入射光の吸収が起こるため、ゲインスペクトルはASE光スペクトルに対し、短波長側が下がり、長波長が上がる傾向がある。
このように正確なスペクトル形状は異なるが、ゲインスペクトルの形状はASE光スペクトルを反映した形となる。
したがって、前記の金属ドットを配置したことによる局在プラズモン共鳴を用いたスペクトルシェイピングの効果は、ゲインスペクトルにも同様に作用する。
以下において、本発明を適用した半導体発光素子のASE光を光源として用いる場合にはSLDと記し、入射光を増幅する利得媒体として用いる場合にはSOAと記す。
活性層近傍に配置する金属ドットの形状は正方形や長方形、三角形や円形など、様々なものが考えられるが、本発明はこのようなドットの形状に限定されるものではない。
また、金属ドットを周期的に配列させる際の配列形状も、正方格子状や三角格子状、六方格子状など様々な配列形状が取り得るが、これらに限定されるものではない。
ただし、正方形や円形のドット、または正方格子状や六方格子状は対称性を持つため、局在プラズモン共鳴の偏光依存性を低減できる点で好適である。
逆に、長方形や三角形のドット、または三角格子状は非対称な軸を持つため、偏光依存性を強調する際には好適である。
金属ドットを構成する金属はアルミニウム、金、銀、白金などを用いることができる。
これらのなかでアルミニウムは、プラズマ周波数が高く(〜15ev)、各種波長帯での局在プラズモン共鳴に用いることが容易である。
また、アルミニウムは他の材料と比べ酸化されにくいので長期に渡り光学特性を発現でき、化学的に不活性なことに起因する半導体プロセスでの加工困難性も少ないため好適である。
また、誘電体層としては、可視光領域から近赤外領域の波長に対して透明な石英(二酸化ケイ素)などを用いることができる。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明の半導体発光素子を適用した、広帯域かつガウシアンな形状のASE光スペクトルを持つSLDについて、図5、図6を用いて説明する。
図5、図6において、下から順にn側電極501、基板502、nクラッド層503、活性層504、pクラッド層505、誘電体層508、金属ドット509、pコンタクト層506、p側電極507である。
活性層504やクラッド層503、505は所望の波長帯に応じた材料で構成されるのが好適であり、本実施例では中心波長1.06μm帯として、活性層にInGaAsP、クラッド層および基板にInPを用いた。
誘電体層には二酸化ケイ素を用いた。金属ドットの材料にはアルミニウムを用いた。
【0016】
このような構成は半導体プロセスを用いて作製した。
具体的には、エピタキシャル成長およびドーピングを用いて基板上にnクラッド層503、活性層504、pクラッド層505を作製する。
その後、EB描画を用いてパターンを描画し、ドライエッチングにてpクラッド層505を適当な幅および厚みだけ削る。
そこにスパッタリングによる製膜を用いて二酸化ケイ素を埋め込む。
さらに、同様な手法でパターン描画を施し、ドライエッチングにて削られた構造に、真空蒸着を用いてアルミニウムを製膜し、その上に二酸化ケイ素を製膜することで誘電体層508中に金属ドット509を作製する。
その後、コンタクト層506、電極507を作製する。このとき、描画パターンの大きさに応じてフォトリソグラフィーを用いることも好適である。
また、製膜の材料によって、スパッタリングや真空蒸着を使い分けることも好適である。
【0017】
図7を用いて、ASEスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)する構成例について説明する。
図7(a)は金属ドットを埋め込んでいないSLDのASE光スペクトル704である。
広帯域な発光波長を得ようとすると、図7(a)のようにショルダーピーク705が現れる。
しかしながら、測定用光源としてのSLDは実施例5で記載するように広帯域かつガウシアンなASE光スペクトルの形状が望まれる。
このとき、図7の波長λ701に対して局在プラズモン共鳴を起こす大きさの金属ドットによって構成された金属ドット層を活性層近傍に配置することによって、本発明の実施形態で説明したスペクトルシェイピングの効果が図7(b)のように得られる。
したがって、図7(c)のASE光スペクトル705のようになり、広帯域であり、なおかつガウシアンな形状を得ることができる。
本実施例では、半導体発光素子の構成として図6に示すようなダブルへテロ構造を用いたが、このような構造に限定されることなく、リッジウェイブ型など他の半導体発光素子の構造を採用しても同様な効果が得られる。
【0018】
[実施例2]
実施例2として、本発明の半導体発光素子を適用した、広帯域かつフラットなゲインスペクトルを持つSOAについて、図8、図9を用いて説明する。
図8、図9において、下から順にn側電極801、基板802、nクラッド層803、活性層804、pクラッド層805、誘電体層808、金属ドット809および810、pコンタクト層806、p側電極807である。
実施例1と異なるのは、ドット径大きさが異なる2種類の金属ドット809、810によって構成された金属ドット層を誘電体層808に配置した点である。
各々の金属ドットは異なる波長の光と局在プラズモン共鳴を起こし、金属ドット809は波長λ1002と、金属ドット810は波長λ1003と局在プラズモン共鳴を起こす。
【0019】
図10を用いて、ゲインスペクトルを所望の形状にシェイピング(整形)する構成例について説明する。
図10(a)は、金属ドット層が配置されていないときの一般的な単峰性のピークを持つゲインスペクトル1004を表す。
このとき、波長λ1002と波長λ1003の光は、金属ドット809と810が存在することで局在プラズモン共鳴を起こし反射されて活性層804へ戻ることにより、ゲインの強度が増強される。
逆に、2種類の金属ドット809および810に共鳴しない波長λ1001の光は金属ドット層を透過し、ゲインの強度が下がる。この様子、つまりゲインスペクトルの裾である波長λ1002と波長λ1003のゲイン強度が上がり、ゲインスペクトルの中心である波長λ1001のゲイン強度が下がることを図10(b)に示す。
その結果、図10(c)のように広い波長帯域に渡ってほぼフラットな特性を持ったゲインスペクトル1005が得られる。
後述する実施例4に示すように、波長可変光源を広い波長帯域で発振させたいときに、広い波長帯域でゲインがフラットな利得媒質は非常に好適である。
本実施例では金属ドットの大きさを2種類としたが、所望のスペクトル形状を達成するために3種類以上の大きさを持った金属ドットを配置しても良い。
【0020】
[実施例3]
実施例3として、活性層で発生した光の進行路の延長上に導波路として金属ドットを含んだ誘電帯層を配置し、プロセスとしては簡便な手法で作製できる構成例を、図11、図12を用いて説明いする。
図11、図12において、下から順にn側電極1101、基板1102、nクラッド層1103、活性層1104、pクラッド層1105、pコンタクト層1106、p側電極1107として半導体発光素子が形成されている。
その半導体発光素子を作製した同じ基板1102上に発光層である活性層1104から延びた導波路を誘電体層1108で形成し、その内部に金属ドット1109によって構成された金属ドット層を配置する。
【0021】
金属ドット1109は前記実施例1や実施例2で示したように、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴を起こす1種類または2種類以上の大きさの金属ドットである。
このような金属ドットを含んだ導波路を光が透過する際、金属ドットの大きさに対応した波長は局在プラズモン共鳴を起こし、反射することにより損失を与えられ、透過光のスペクトルで強度が減少する。
このようにして、透過光を考えるとASE光もしくはゲインスペクトルのシェイピングが達成される。
また、作製プロセスは半導体発光素子を半導体プロセスにて作製したのち、光の進行方向の同一基板上に製膜やパターン描画、エッチングによって誘電体層の導波路および金属ドットを作製すれば良い。
これは実施例1や実施例2と比較して非常に簡便な作製プロセスである。また、活性層の周囲をドライエッチングなどで削らないため、ダメージにより半導体結晶品質が悪化する問題も低減できる。
本実施例では光の進行方向に対し、金属ドットの厚み方向を持つよう実施例1や2とは90度傾け、垂直に配置している。
さらに、導波路内に金属ドットを1列配置しただけでは局在プラズモン共鳴の効果が弱いときには、図11や図12に示すように金属ドットを導波路の幅方向、奥行き方向に複数列並べることも好適である。
導波路の幅や厚みは所望の伝播モードが立つように設計することが好適である。
【0022】
[実施例4]
実施例4として、本発明の半導体発光素子であるSOAを適用し、利得媒体として用いた波長可変光源装置について説明する。
一般的に波長可変光源は、利得媒体を含む共振器と、波長選択手段を伴って構成される。波長選択手段には回折格子と反射鏡を組み合わせたものや、エタロンの間隔を可変にできるFP(Fabry−Perot)フィルターなど様々なものが存在する。
なかでも、高速かつ広帯域に波長を掃引できる可能性を持った手段のひとつとして分散チューニングの手法が挙げられる。
山下氏の報告(S.Yamashita,et al.Opt.Exp. Vol.14,pp9299 2006)では、SOAを利得媒体としてリング共振器を組み、共振器内の光強度変調器の周波数を変調する。これにより、分散チューニングの手法により波長掃引光源を提案している。
【0023】
図13を用いて、本実施例の具体的な構成例について説明する。
利得媒質として本発明に係るSOA1301、アイソレータ1302、出力用カプラ1303、分散付与ファイバー1304、変調器1305が光ファイバーを通じて光学的に結合されリング共振器を形成している。
このとき、各種電流源やドライバーの描写は省略している。
変調器1305はEOM(Electrical Optical Modulator)に代表される高速駆動が可能な変調器であることが望ましい。
また、変調器を用いず、SOAへ印加するDC電流にAC成分を重畳させることで、周期的な強度変調を達成することも、低コスト化の観点から好ましい。
このようなリングレーザの系において、共振器長によって決まるFSR(Free Spectral Range)の整数倍に等しい周波数で変調器1305を駆動することで強度変調を行い、能動モード同期動作となる。
この能動モード同期状態において変調周波数をFM変調することで発振波長が掃引され、分散チューニングを動作原理とする波長掃引光源が達成される。
【0024】
本発明に係るSOAを利得媒体として用いることで、ゲインスペクトルがフラットな共振器を構成できる。
これは、所望の波長を発振させたいときにそれ以外の波長も同時に発振してしまう、寄生発振を抑えることに有効である。以下、これらについて説明する。
波長に依存したFSRを利用して、モード同期周波数の違いにより発振波長を選択する分散チューニング方式は、波長選択性、つまり波長確定性が弱い。
従って、ゲインの強度に波長分布があると、ゲインの低い領域の波長を分散チューニングの方式で選択しても、ゲインの高い領域でCW(Continuous Wave)発振してしまう。
これが寄生発振であり、ゲインスペクトルの形状が波長依存の勾配を持っていることが原因である。
よって、ゲインフラットなSOAを分散チューニング方式の波長可変光源の利得媒体に用いることは、寄生発振を抑え、シングルピークで広い波長帯域を掃引する点で好適である。
また、掃引する周波数を高くするのに比例してシングルピークの波長選択性が弱くなるので、高速に波長を掃引する観点からも好適である。
【0025】
本実施例では分散チューニングの方式を用いたが、波長可変手段はこれに限定されるものではない。
全ての波長可変手段に対して、本発明に係る半導体発光素子を利得媒体として用いた際には、ゲインフラットニングの効果により寄生発振を抑えることができる。
以上より、本発明に係るSOAを波長可変(もしくは掃引)光源の利得媒体に用いた際、広い波長帯域を高速に掃引できる利点が得られる。
【0026】
[実施例5]
本発明に係る半導体発光素子をSLDとして適用し、広帯域白色光源に用いたSD−OCT装置の構成例について、図14を用いて説明する。
図14に示すSD−OCT装置において、広帯域白色光源であるSLD1401から出た光をカプラ1402を通じて被検体1403へと導かれるサンプル光1404と、固定ミラー1405へと導かれる参照光1406とに分割する。
分割されたあと、サンプル光1404はコリメータレンズ1407と走査鏡1408および対物レンズ1409を経て、被検体1403へと導かれる。
被検体1403の深さ情報を持って反射された光はもと来た光路を戻り、再びカプラ1402に戻る。
一方、参照光1406はコリメータレンズ1410、対物レンズ1411を通過したのち固定ミラー1405にて反射され、もと来た光路を戻り再びカプラ1402へと戻りサンプル光と合波され干渉信号を生成する。
干渉信号はラインセンサ型光電変換素子と回折格子から成る分光器1412にて波長毎の信号に分離され、計算処理機1413においてフーリエ変換を中心とした信号処理をすることで深さ方向断層画像となる。
【0027】
本実施例に係るSLDをSD−OCT装置の白色光源として用いた場合、以下に述べる利点が得られる。
SD−OCT装置において、被検体の奥行き方向分解能Δzは次の式(1)で表されるように光源のスペクトル帯域の広さに反比例して良くなる。
【0028】
ここで、Δλはスペクトル帯域幅、λ0は中心波長を表す。
また、信号処理においてフーリエ変換を行うため、光源のパワースペクトル形状はガウシアンであることが、信号のSN比向上の観点からも望ましい。
従って、広帯域かつガウシアンの形状を持つ光源がSD−OCT装置には好適である。このような光源の特性を達成するために、本発明に係るスペクトルシェイピング機能を利用した半導体発光素子を利用することは好適である。
【0029】
[実施例6]
本発明に係る半導体発光素子をSOAとして適用し、波長掃引光源の利得媒体に用いたSS−OCT装置の構成例について、図15を用いて説明する。
図15に示すSS−OCT装置において、光源1501は実施例4に記載した特徴を持つ、本発明に係る波長掃引光源である。
また、光電変換部1512は単一のフォトダイオードもしくはバランスドディテクターで構成される。
光源自体の揺らぎに起因するノイズをキャンセルでき、画質のSN比を向上できる観点からはバランスドディテクターであることが好ましい。コストや装置の簡便さの観点からは単一のフォトダイオードが望ましい。
その他の構成要素は実施例5に記載のSD−OCT装置と同様である。
【0030】
SS−OCT装置の奥行き分解能も前記実施例5に記載したSD−OCTと同様に発振波長帯域幅に反比例して高まり、波長帯域は広いほうが望ましい。
実施例4に記載したように、本発明に係るSOAを利得媒体に用いるとゲイン特性がフラットであるため寄生発振が抑制でき、発振波長帯域を広く取れるため、奥行き分解能の向上につながる。
また、SS−OCT装置では光源の波長掃引速度が画像取得速度に直結し、固視微動の影響を排除しSN比の良い画像を取得するためにも高速な画像取得が求められることから、高速な波長掃引光源が望まれる。
このとき、ゲイン特性がフラットなSOAを利得媒体に用いると、前記のように波長掃引速度の向上が見込め、SS−OCT装置に適応した際も好適である。
【符号の説明】
【0031】
101:n側電極
102:基板
103:nクラッド層
104:活性層
105:pクラッド層
106:pコンタクト層
107:p側電極
108:誘電体層
109:金属ドット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、電流注入により発光する活性層を含む複数の半導体層が積層された半導体発光素子であって、
前記活性層の近傍に、金属ドット層を備え、
前記金属ドット層は、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドットが、前記基板と平行に配列されて構成されていることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
前記金属ドット層は、前記複数の金属ドットが、前記活性層の直上のクラッド層の内部領域に設けられた誘電体層中における、前記活性層で発生した光の強度分布が染み出す領域内に配列されて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記金属ドットを含む前記誘電体層が、前記活性層で発生した光の進行路の延長上に導波路として配置されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記金属ドットは、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する1種類または2種類以上の大きさのドット径を有する金属ドットであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記金属ドットは、該金属ドットの形状が正方形であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記金属ドットは、該金属ドットの配列形状が正方格子状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
前記金属ドットは、該金属ドットの材料がアルミニウムであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項8】
前記金属ドットは、該金属ドットの材料が二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体発光素子が、利得媒体として共振器内に含み構成されていることを特徴とする波長可変光源装置。
【請求項10】
前記共振器内に光強度変調器を含み、該光強度変調器の変調周波数を変化させることにより発振波長を可変とすることが可能に構成されていることを特徴とする請求項9に記載の波長可変光源装置。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体発光素子が発するASE光を用い、白色光源が構成されていることを特徴とするSD−OCT装置。
【請求項12】
請求項9または請求項10に記載の波長可変光源装置を用い、波長掃引光源が構成されていることを特徴とするSS−OCT装置。
【請求項1】
基板上に、電流注入により発光する活性層を含む複数の半導体層が積層された半導体発光素子であって、
前記活性層の近傍に、金属ドット層を備え、
前記金属ドット層は、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する大きさのドット径を有する複数の金属ドットが、前記基板と平行に配列されて構成されていることを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
前記金属ドット層は、前記複数の金属ドットが、前記活性層の直上のクラッド層の内部領域に設けられた誘電体層中における、前記活性層で発生した光の強度分布が染み出す領域内に配列されて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記金属ドットを含む前記誘電体層が、前記活性層で発生した光の進行路の延長上に導波路として配置されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記金属ドットは、所定の波長に対して局在プラズモン共鳴する1種類または2種類以上の大きさのドット径を有する金属ドットであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記金属ドットは、該金属ドットの形状が正方形であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記金属ドットは、該金属ドットの配列形状が正方格子状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
前記金属ドットは、該金属ドットの材料がアルミニウムであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項8】
前記金属ドットは、該金属ドットの材料が二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体発光素子が、利得媒体として共振器内に含み構成されていることを特徴とする波長可変光源装置。
【請求項10】
前記共振器内に光強度変調器を含み、該光強度変調器の変調周波数を変化させることにより発振波長を可変とすることが可能に構成されていることを特徴とする請求項9に記載の波長可変光源装置。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体発光素子が発するASE光を用い、白色光源が構成されていることを特徴とするSD−OCT装置。
【請求項12】
請求項9または請求項10に記載の波長可変光源装置を用い、波長掃引光源が構成されていることを特徴とするSS−OCT装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−69770(P2012−69770A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213824(P2010−213824)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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