説明

半導体発光装置

【課題】1チップで小型パッケージに組み込まれ、高輝度、多色発光可能な半導体発光装置を提供する。
【解決手段】基板10と、基板10上に配置された第1の半導体発光素子12と、第1の半導体発光素子12上に配置された貼り付け電極14と、貼り付け電極14上に配置された第2の半導体発光素子16とを備え、基板10は発光波長に対して透明であることを特徴とする半導体発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光装置に関し、特に、多色発光可能な半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の異なる色の光を発光することのできる発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などの多波長半導体発光素子が開発されている。
【0003】
例えば、1つの半導体基板上に異なる半導体材料により発光層形成部が少なくとも2個形成される1チップ型の半導体発光素子の製法に関しては、既に開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の半導体発光素子においては、少なくとも2個形成される発光層形成部の一方は、AlGaInPの4元系化合物半導体層で形成され、他方はGaPからなる化合物半導体層で形成されている。
【0004】
一方、例えば、一つの基板上に2波長の発光素子を実現して、白色または多様な混合色を形成できかつ、簡単な工程で製作することのできる白色発光ダイオード及びその製造方法についても、既に開示されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2の白色発光ダイオードにおいては、第1の発光部を構成する活性層は、AlGaInPの4元系化合物半導体層で形成され、第2の発光部を構成する活性層は、II―VI族の化合物半導体層で形成されている。結果として、基板上に635〜780nmの波長領域を有するIII−V族の化合物半導体と、450〜550nmの波長領域を有するII―VI族の化合物半導体とを成長させることで、白色及び多様な可視光領域の波長帯を実現している。
【0005】
さらに、例えば、InAlGaNが積層されてなる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、特に1チップで多色発光可能にできる発光素子についても、既に開示されている(例えば、特許文献3参照。)。特許文献3の発光素子においては、InAlGaNからなる活性層にドーピングを実施することによって、多色発光を実現している。
【0006】
従来は2色以上の発光には、エピタキシャル成長を2回行うか、1度のエピタキシャル成長で発光波長の違う活性層を作りこむ必要があった。
【0007】
図16(a)は、第1の半導体発光素子12と第2の半導体発光素子16を形成する際、エピタキシャル成長を2回行うことによって、発光波長の違う活性層を作りこむ従来構造例を模式的に示し、図16(b)は、第1の半導体発光素子12と第2の半導体発光素子16を形成する際、連続したエピタキシャル成長を行い、1度のエピタキシャル成長で発光波長の違う活性層を作りこむ従来構造例を模式的に示す。
【0008】
しかしながら、青色〜緑色発光のLEDは窒化ガリウム系半導体材料で形成し、黄緑色〜赤色発光のLEDはInGaAlP系半導体材料で形成する必要があり、材料系が違うため、高効率なエピタキシャル成長層を使うことが難しかった。
【特許文献1】特許第3817323号
【特許文献2】特開2002−43624号公報
【特許文献3】特許番号第2910023号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、1チップで小型パッケージに組み込まれ、高輝度、多色発光可能な半導体発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、基板と、前記基板上に配置された第1の半導体発光素子と、前記第1の半導体発光素子上に配置された貼り付け電極と、前記貼り付け電極上に配置された第2の半導体発光素子とを備え、前記基板は発光波長に対して透明であることを特徴とする半導体発光装置が提供される。
【0011】
本発明の他の態様によれば、基板と、前記基板上に配置された第1の半導体発光素子と、前記基板上に、前記第1の半導体発光素子に隣接して配置された貼り付け電極と、前記貼り付け
電極上に配置された第2の半導体発光素子とを備えることを特徴とする半導体発光装置が提供される。
【0012】
本発明の他の態様によれば、基板と、前記基板上に配置された第1の半導体発光素子と、前記基板上に、前記第1の半導体発光素子に隣接して配置された第2の半導体発光素子と、前記第1の半導体発光素子上に配置された第1の貼り付け電極と、前記第2の半導体発光素子上に配置された第2の貼り付け電極と、前記第1および第2の貼り付け電極上に配置された第3の貼り付け電極と、前記第3の貼り付け電極上に配置された第3の半導体発光素子とを備え、前記基板は発光波長に対して透明であることを特徴とする半導体発光装置が提供される。
【0013】
本発明の他の態様によれば、基板と、前記基板上に配置された第1の半導体発光素子と、前記第1の半導体発光素子上に配置された貼り付け電極と、前記貼り付け電極上に配置された第2の半導体発光素子と、前記貼り付け電極上に、前記第2の半導体発光素子に隣接して配置された第3の半導体発光素子とを備え、前記基板は発光波長に対して透明であることを特徴とする半導体発光装置が提供される。
【0014】
本発明の実施の形態に係る半導体発光装置においては、窒化ガリウム系のLEDとInGaAlP系のLEDを貼り合わせて、2色以上のLEDを実現することができる。
【0015】
下側のLEDは貼り付けをした貼り付け電極部で光がさえぎられるため、横方向から光を取り出す必要があるため下側は透明な基板にすることで、基板の横方向から光を取り出すことができる。なお、貼り付け電極部分を減らすことによって、下側のLED(例えば青色LED)の光を上側に取り出すことも可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、1チップで小型パッケージに組み込まれ、高効率のLEDを使うことで輝度が向上し、多色発光可能な半導体発光装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0018】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0019】
以下の本発明の実施の形態に係る半導体発光装置において、「透明」とは、透過率が約50%以上であるものと定義する。「透明」とは、本発明の実施の形態に係る半導体発光装置において、可視光線に対して、無色透明という意味で使用する。可視光線は波長約360nm〜830nm程度、エネルギー約3.4eV〜1.5eV程度に相当し、この領域で吸収および反射,散乱を起こさなければ、透明である。
【0020】
透明性はバンドギャップEgとプラズマ周波数ωpによって決定される。バンドギャップEgが約3.4eV以上である場合、可視光線では電子のバンド間遷移が起こらないため、可視光線を吸収せずに透過する。一方、プラズマ周波数ωpよりも低エネルギーの光は、プラズマ内部に進入できないため、プラズマとみなせるキャリアによって、反射される。プラズマ周波数ωpは、キャリア密度をn、電荷をq、誘電率をε、有効質量をm*とすると、ωp=(nq2/εm*1/2で表され、キャリア密度の関数である。
【0021】
[第1の実施の形態]
(素子構造)
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置は、図1(a)に示すように、基板10と、基板10上に配置された第1の半導体発光素子12と、第1の半導体発光素子12上に配置された貼り付け電極14と、貼り付け電極14上に配置された第2の半導体発光素子16とを備える。基板10は発光波長に対して透明である。ここで、基板10は、例えばサファイア、GaPなどで構成することができる。
【0022】
図1(a)に示すように、第1の半導体発光素子12上に、貼り付け電極14に隣接して配置された電極18をさらに備え、第1の半導体発光素子12上に、電極4を備えていても良い。
【0023】
貼り付け電極14と電極18が、第1の半導体発光素子12のアノード若しくはカソード電極を構成し、電極4と貼り付け電極14が、第2の半導体発光素子16のアノード若しくはカソード電極を構成する。貼り付け電極14が共通アノード電極若しくはカソード電極となる。
【0024】
また、第1の半導体発光素子12および第2の半導体発光素子16は、発光ピークの波長が1波長、若しくは2波長の半導体発光素子であっても良い。
【0025】
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置においては、例えば第1の半導体発光素子12として、窒化ガリウム系のLEDを適用し、第2の半導体発光素子16として、InGaAlP系のLEDを適用し、貼り付け電極14で互いに貼り合わせて、2色以上のLEDを実現することができる。下側のLED1は貼り付けをした貼り付け電極14の部分で光がさえぎられるため、横方向から光を取り出す必要がある。このため下側は透明な基板10にすることで、基板10の横方向から光を取り出すことができる。
【0026】
なお、後述する図1(b)と同様に、基板10上に配置された透明電極8をさらに備えていても良い。透明電極8の材料としては、ZnO、ITOなどを適用することができる。
【0027】
なお、貼り付け電極14の部分を減らすことによって、下側のLED1(例えば青色LED)の光を上側に取り出すことも可能である。
【0028】
(変形例1)
本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置は、図1(b)に示すように、基板10と、基板10上に配置された第1の半導体発光素子12と、第1の半導体発光素子12上に配置された貼り付け電極14と、貼り付け電極14上に配置された第2の半導体発光素子16とを備える。基板10は発光波長に対して透明である。基板10は、例えばサファイア、GaPなどで構成することができる。
【0029】
第2の半導体発光素子16上に、電極4を備え、基板10上に配置された透明電極8をさらに備えていても良い。
【0030】
本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置においては、例えば第1の半導体発光素子12として、窒化ガリウム系のLEDを適用し、第2の半導体発光素子16として、InGaAlP系のLEDを適用し、貼り付け電極14で互いに貼り合わせて、2色以上のLEDを実現することができる。下側のLED1は貼り付けをした貼り付け電極14の部分で光がさえぎられるため、横方向から光を取り出す必要があるため下側は透明な基板10にすることで、基板10の横方向から光を取り出すことができる。
【0031】
貼り付け電極14と透明電極8が、第1の半導体発光素子12のアノード若しくはカソード電極を構成し、電極4と貼り付け電極14が、第2の半導体発光素子16のアノード若しくはカソード電極を構成する。貼り付け電極14が共通アノード電極若しくはカソード電極となる。
【0032】
また、第1の半導体発光素子12および第2の半導体発光素子16は、発光ピークの波長が1波長、若しくは2波長の半導体発光素子であっても良い。
【0033】
(変形例2)
本発明の第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置は、図1(c)に示すように、基板10と、基板10上に配置された第1の半導体発光素子12と、基板10上に、第1の半導体発光素子12に隣接して配置された貼り付け電極14と、貼り付け電極14上に配置された第2の半導体発光素子16とを備える。ここで、基板10は、例えばサファイア、GaP、GaAs、SiCなどで構成することができる。
【0034】
基板10は発光波長に対して透明であっても良い。この場合、基板10は、例えばサファイア、GaPなどで構成することができる。
【0035】
図1(c)に示すように、第1の半導体発光素子12上に配置された電極18と、第2の半導体発光素子16上に配置された電極4と、基板10上に配置された電極2をさらに備えていても良い。
【0036】
貼り付け電極14と電極4が、第2の半導体発光素子16のアノード若しくはカソード電極を構成し、電極18と電極2が、第1の半導体発光素子12のアノード若しくはカソード電極を構成する。貼り付け電極14が共通アノード電極若しくはカソード電極となる。
【0037】
また、第1の半導体発光素子12および第2の半導体発光素子16は、発光ピークの波長が1波長、若しくは2波長の半導体発光素子であっても良い。
【0038】
本発明の第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置においては、例えば第1の半導体発光素子12として、窒化ガリウム系のLEDを適用し、第2の半導体発光素子16として、InGaAlP系のLEDを適用し、貼り付け電極14で互いに貼り合わせて、2色以上のLEDを実現することができる。第1の半導体発光素子12および第2の半導体発光素子16は、いずれも上側から光をとりだすことができる。尚、第1の半導体発光素子12は、透明な基板10を用いることで、光を下側から取り出すこともできる。
【0039】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される第1の半導体発光素子12の構成例であって、サファイア基板10上に青色LEDを形成した模式的断面構造図を示す。図3に示すように、第1の半導体発光素子12上には、例えば金(Au)層からなる貼り付け電極14が配置されている。
【0040】
また、図4は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される第2の半導体発光素子16の例であって、GaAs基板上に赤色LEDを形成した模式的断面構造図を示す。すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される第2の半導体発光素子16は、図4に示すように、GaAs基板22と、GaAs基板22上に配置されたGaP層24と、GaP層24上に配置されたAlInPからなるn型クラッド層26と、n型クラッド層26上に配置された活性層28と、活性層28上に配置されたAlInPからなるp型クラッド層30と、p型クラッド層30上に配置されたGaP層32と、GaP層32上に配置され, 例えば金(Au)層からなる貼り付け電極34とを備える。
【0041】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置であって、図3に示した青色LEDと図4に示した赤色LEDを貼り付け技術によって、貼り付けた構成の模式的断面構造図を示す。
【0042】
貼り付け電極14と34の貼り付けの条件は、例えば、約150℃〜700℃、望ましくは200℃〜400℃であり、熱圧着の圧力は、例えば、約0.1Pa〜10Pa程度であり、望ましくは、約0.1Pa〜1.0Pa程度である。上記の例では、Au層―Au層間を張り合わせる例を示したが、Au層―Sn層間を張り合わせても良い。結果として、図5に示すように、貼り付け電極14と34が熱圧着によって貼り付けられて、共通のアノード電極48が形成される。
【0043】
図6は、図5において、貼り付け技術によって接続された部分の詳細な拡大された模式的断面構造図を示す。図6に示すように、第1の半導体発光素子12のアノード側近傍は、GaN層からなるp型半導体層44と、p型半導体層44上に配置された透明電極38と、透明電極38上に配置された反射層36と、反射層36上に配置された貼り付け電極14を備える。
【0044】
透明電極38は、例えば厚さ約0.1μm〜10μm程度のZnO膜で形成する。さらに、望ましくは、透明電極3は、約1μm程度のZnO膜で形成すると良い。
【0045】
反射層36はλ/4n1とλ/4n2の積層構造(n1,n2は積層する層の屈折率)を有する反射積層膜(DBR:Distributed Bragg Reflector)で構成することができる。積層構造に用いる材料としては、例えばλ=450nmの青色光に対して、ZrO2(n=2.12)とSiO2(n=1.46)からなる積層構造を用いることができる。この場合の各層の厚さは、ZrO2を、例えば約53nm、SiO2を、例えば約77nmとしている。積層構造を形成するための他の材料としては、TiO2,Al23などを用いることもできる。さらにまた、積層構造を形成するための他の材料としては、アルミニウム(Al)、銀(Ag)を用いることができる。
【0046】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置の具体的な構成例であって、青色LEDと赤色LEDを貼り付けて、2色発光の半導体発光素子を形成した模式的断面構造図を示す。
【0047】
図5の貼り付け構造において、さらにGaAs基板22を除去後、図7(a)に示すように、カソード電極50、46形成して、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置を完成する。
【0048】
図7(b)は、図7(a)の回路構成を示しており、共通アノードAに対して、カソードK1、K2が分離され、アノードコモン構成の半導体発光装置が構成されている。
【0049】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置の具体的な別の構成例であって、青色LEDと赤色LEDを貼り付けて、2色発光の半導体発光装置を形成した模式的断面構造図を示す。図4の構成において、GaP層32を省略した構造を貼り合せた構造に対応し、図7の構成に比べ、積層構造を簡略化している。その他の構成部分は図7と重複するため、説明は省略する。
【0050】
(具体的構成例)
―赤色LED―
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な赤色LEDは、図9に示すように、GaAs基板100と、GaAs基板100上に配置されたGaAsバッファ層120と、GaAsバッファ層120上に配置されたAlInP/(AlGa)InPの積層構造からなる反射積層膜(DBR)140と、反射積層膜140上に配置され,例えばAlInPからなるn型クラッド層160と、n型クラッド層160上に配置され,例えば(AlxGa1-x)0.5In0.5Pウェル層と(AlyGa1-y)0.5In0.5Pバリア層(0≦x<y<1)の多重量子井戸構造の活性層180と、活性層180上に配置され,例えばAlInPからなるp型クラッド層200と、p型クラッド層200上に配置されたInGaAlP層220と、InGaAlP層220上に配置されたGaPウィンドウ層240と、GaPウィンドウ層240上に配置され,エッチングストップ層となる(AlGa)InP層260と、(AlGa)InP層260上に配置されたGaAs層280とを備える。第1のエピタキシャル成長層300は、連続した結晶成長によって形成される。
【0051】
―黄緑色LED―
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な黄緑色LEDは、図10に示すように、GaAs基板100と、GaAs基板100上に配置されたGaAsバッファ層120と、GaAsバッファ層120上に配置されたAlInP/(AlGa)InPの積層構造からなる反射積層膜150と、反射積層膜150上に配置され,例えばAlInPからなるn型クラッド層170と、n型クラッド層170上に配置され,例えば(AlxGa1-x)0.5In0.5Pウェル層と(AlyGa1-y)0.5In0.5Pバリア層(0≦x<y<1)の多重量子井戸構造の活性層190と、活性層190上に配置され,例えばAlInPからなるp型クラッド層210と、p型クラッド層210上に配置されたInGaAlP層230と、InGaAlP層230上に配置されたGaPウィンドウ層250と、GaPウィンドウ層250上に配置され,エッチングストップ層となる(AlGa)InP層270と、(AlGa)InP層270上に配置されたGaAs層290とを備える。第2のエピタキシャル成長層320も、連続した結晶成長によって形成される。
【0052】
―青色LED―
本発明の本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な青色LEDは、図11(a)に示すように、基板10と、基板10上に配置されたバッファ層39と、バッファ層39配置され、n型不純物が不純物添加されたn型半導体層40と、n型半導体層40上に配置され、n型半導体層40より低い濃度でn型不純物が不純物添加されたブロック層41と、ブロック層41上に配置された活性層42と、活性層42上に配置されたp型半導体層44と、p型半導体層44上に配置された酸化物電極45とを備える。
【0053】
活性層42は、図11(b)に示すように、バリア層311〜31n、310とそのバリア層311〜31n、310よりバンドギャップが小さい井戸層321〜32nが交互に配置された積層構造を有する。以下において、活性層42に含まれる第1バリア層311〜第nバリア層31nを総称して「バリア層」という。また、活性層42に含まれるすべての井戸層321〜32nを総称して「井戸層」という。
【0054】
上記の積層構造の最上層の最終バリア層310の膜厚は、その最終バリア層310以外の積層構造に含まれる他のバリア層(第1バリア層311〜第nバリア層31n)の厚さより厚く形成されていてもよい。
【0055】
図11に示した半導体発光素子では、最終バリア層310のp型ドーパンドの濃度が、p型半導体層44に接する最終バリア層310の第1主面から最終バリア層310の膜厚方向に沿って漸減し、第1主面に対向する第2主面においてp型ドーパンドが存在しない。
【0056】
基板10には、例えば、c面(0001),0.25°オフのサファイア基板などが採用可能である。n型半導体層40、活性層42及びp型半導体層44はそれぞれIII族窒化物系半導体からなり、基板10上にバッファ層39、n型半導体層40、ブロック層41、活性層42及びp型半導体層44が順次積層される。
【0057】
p型半導体層44は、図11(a)に示すように、活性層42の上部に配置され,p型不純物を含む第1窒化物系半導体層411と、第1窒化物系半導体層411上に配置され,第1窒化物系半導体層411のp型不純物よりも低濃度のp型不純物を含む第2窒化物系半導体層412と、第2窒化物系半導体層412上に配置され,第2窒化物系半導体層412のp型不純物よりも高濃度のp型不純物を含む第3窒化物系半導体層413と、第3窒化物系半導体層413上に配置され,第3窒化物系半導体層413のp型不純物よりも低濃度のp型不純物を含む第4窒化物系半導体層414とを備える。
【0058】
第2窒化物系半導体層412の厚さは、第1窒化物系半導体層411、或いは第3窒化物系半導体層413乃至第4窒化物系半導体層414の厚さよりも厚く形成される。
【0059】
活性層42は、図11(b)に示すように、第1バリア層311〜第nバリア層31n及び最終バリア層310でそれぞれ挟まれた第1井戸層321〜第n井戸層32nを有する多重量子井戸(MQW)構造である(n:自然数)。つまり、活性層42は、井戸層を井戸層よりもバンドギャップの大きなバリア層でサンドイッチ状に挟んだ量子井戸構造を単位ペア構造とし、この単位ペア構造をn回積層したnペア構造を有する。
【0060】
具体的には、第1井戸層321は第1バリア層311と第2バリア層312の間に配置され、第2井戸層322は第2バリア層312と第3バリア層313の間に配置される。そして、第n井戸層32nは第nバリア層31nと最終バリア層310の間に配置される。活性層42の第1バリア層311は、n型半導体層40上にブロック層41を介して配置され、活性層42の最終バリア層310上にはp型半導体層44(411〜414)が配置される。
【0061】
井戸層321〜32nは、例えばInxGa1-xN(0<x<1)層によって形成され、バリア層311〜31n,310は、例えばGaN層によって形成される。
【0062】
図12(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な別の青色LEDの模式的断面構造図あって、半導体発光素子部分の模式的断面構造図、図12(b)は、活性層部分の拡大された模式的断面構造図を示す。
【0063】
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な別の青色LEDは、図12(a)に示すように、基板10と、基板10上に配置されたバッファ層39と、バッファ層39上に配置され、n型不純物が不純物添加されたn型半導体層40と、n型半導体層40上に配置され、n型半導体層40より低い濃度でn型不純物が不純物添加されたブロック層41と、ブロック層41上に配置された活性層42と、活性層42上に配置されたp型半導体層44と、p型半導体層44上に配置された酸化物電極45とを備える。
【0064】
本発明の第1乃至第2の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な別の青色LEDは、図12(a)に示すように、活性層42の上部に配置されたp型不純物を含む第3窒化物系半導体層413と、第3窒化物系半導体層413上に配置され、第3窒化物系半導体層413のp型不純物よりも低濃度のp型不純物を含む第4窒化物系半導体層414と、第4窒化物系半導体層414上に配置され、酸化物電極45からなる透明電極とを備えることを特徴とする。
【0065】
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な青色LEDは、図13に示すように、n型半導体層40に電圧を印加するn側電極510と、p型半導体層44に電圧を印加するp側電極110を更に備える。図13に示すように、p型半導体層44、活性層42、ブロック層41、及びn型半導体層40の一部領域をメサエッチングして露出させたn型半導体層40の表面に、n側電極510が配置される。
【0066】
p側電極110は、p型半導体層44上に酸化物電極45を介して配置される。或いはまた、p側電極110は、p型半導体層44上に直接配置されていても良い。第4窒化物系半導体層414上に配置される酸化物電極45からなる透明電極は、例えば、ZnO、ITO若しくはインジウムを含有するZnOのいずれかを含む。
【0067】
n側電極510は、例えばアルミニウム(Al)膜、Ti/Ni/AuまたはAl/Ti/Au,Al/Ni/Au,Al/Ti/Ni/Auの多層膜、或いは上層からAu-Sn/Ti/Au/Ni/Alの多層膜からなり、p側電極110は、例えばAl膜、パラジウム(Pd)−金(Au)合金膜、Ni/Ti/Auの多層膜、或いは上層からAu-Sn/Ti/Auの多層膜からなる。そして、n側電極510はn型半導体層40に、p側電極110は、酸化物電極45を介してp型半導体層44に、それぞれオーミック接続される。
【0068】
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な青色LEDをフリップチップ構造に実装するために、p側電極110の表面とn側電極330の表面を、基板10から測った高さが同じ高さとなるように形成している。n側電極330は、n側電極510と同様に、例えばアルミニウム(Al)膜、Ti/Ni/Auの多層膜、或いは上層からAu-Sn/Ti/Au/Ni/Alの多層膜からなる。
【0069】
図14の構造は、酸化物電極45として透明導電膜ZnOを形成し、このZnOを、発光する光の波長λに対して反射する反射積層膜58で覆う構造を備える。反射積層膜58はλ/4n1とλ/4n2の積層構造(n1,n2は積層する層の屈折率)を有する。積層構造に用いる材料としては、例えばλ=450nmの青色光に対して、ZrO2(n=2.12)とSiO2(n=1.46)からなる積層構造を用いることができる。この場合の各層の厚さは、ZrO2を、例えば約53nm、SiO2を、例えば約77nmとしている。積層構造を形成するための他の材料としては、TiO2,Al23などを用いることもできる。
【0070】
図14に示す青色LEDによれば、反射積層膜58により活性層42内で発光した光を、p側電極110で吸収されることなく、基板10側から外部に取り出すことができるため、外部発光効率を向上することができる。
【0071】
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置は、200μm×300μmの寸法を有する。このような微細パターンを有する多色発光の半導体発光装置によって、赤色、黄緑色、青色の2色発光、3色発光などの多色発光が可能となった。
【0072】
赤色、黄緑色、青色の素子を個別に小さく形成しても、それを搭載するパッケージ台座の分、パッケージ全体の大きさが小さくならない。しかし、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置を用いることで、例えば約1.5mm×1.3mm角程度のパッケージを、例えば約1.0mm×1.0mm角程度まで小さくすることが可能となった。
【0073】
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置においては、第1の半導体発光素子12の活性層を、例えばInxGa1-xN(0<x<1)/GaNのMQW構造によって形成し、第2の半導体発光素子16の活性層を、(AlxGay)0.5In0.5P(0≦x≦0.85、0≦y≦1)4元系化合物半導体で形成することによって、青色LEDと赤色若しくは黄緑色LEDを貼り付け技術によって、実装化することができる。
【0074】
例えば第2の半導体発光素子16の活性層を、(AlxGa1-x)0.5In0.5Pウェル層と(AlyGa1-y)0.5In0.5Pバリア層(0≦x<y<1) の多重量子井戸構造で形成し、組成比を調整することによって、黄緑色LED若しくは赤色LEDを実装化可能となる。
【0075】
組成比などを調整することによって、波長範囲約450nm〜700nm程度において、所望の発光波長ピークを有する2色発光、3色発光、多色発光の半導体発光装置を得ることができる。
【0076】
(平面パターン構成例)
図15は、図7に対応する本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置の平面パターン構成例であって、図15(a)は平面パターン例1の構成図、図15(b)は平面パターン例2の構成図、図15(c)は平面パターン例3の構成図をそれぞれ示す。
【0077】
多色発光の半導体発光装置を別々、または同時に発光させるためには、カソード電極を共通とし、アノード電極パッドを別々に構成するカソードコモン構成と、アノード電極を共通とし、カソード電極パッドを別々に構成するアノードコモン構成がある。図7に対応する本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置は、図7(b)の回路構成からも明らかなように、アノードコモン構成に対応する。
【0078】
機械で認識する際は、電極パッドの反射率で認識するので、形状、もしくは反射率を変える必要がある。この機械認識によって、量産が可能となる。
【0079】
図15(a)乃至(c)のパターン例1〜3においては、赤色LEDのGaP層24上にカソード電極50が配置され、青色LEDのn型半導体層40上にカソード電極46が配置され、青色LEDのp型半導体層44上に共通のアノード電極48が配置されている。
【0080】
青色LEDのp型半導体層44の平面パターン形状を変化させることによって、図15(a)乃至(c)のパターン例1〜3のように変化した構成が可能である。特に、図15(c)の平面パターン例3においては、青色LEDのp型半導体層44は基板10の形状と略同等であるため、図示を省略している。
【0081】
本発明の第1の実施の形態およびその変形例1、2によれば、1チップで小型パッケージに組み込まれ、高効率のLEDを使うことで輝度が向上し、多色発光可能な半導体発光装置を提供することができる。
【0082】
[第2の実施の形態]
(素子構造)
本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置は、図2(a)に示すように、基板10と、基板10上に配置された第1の半導体発光素子12と、基板10上に、第1の半導体発光素子12に隣接して配置された第2の半導体発光素子16と、第1の半導体発光素子12上に配置された第1の貼り付け電極14aと、第2の半導体発光素子16上に配置された第2の貼り付け電極14cと、第1の貼り付け電極14aおよび第2の貼り付け電極14c上に配置された第3の貼り付け電極14bと、第3の貼り付け電極14b上に配置された第3の半導体発光素子20とを備える。基板は発光波長に対して透明である。
【0083】
ここで、基板10は、例えばサファイア、GaPなどで構成することができる。
【0084】
図2(a)に示すように、第3の半導体発光素子20上に配置された電極6と、基板10上に配置された透明電極8をさらに備えていても良い。
【0085】
貼り付け電極14aと透明電極8が、第1の半導体発光素子12のアノード若しくはカソード電極を構成し、貼り付け電極14cと透明電極8が、第2の半導体発光素子16のアノード若しくはカソード電極を構成する。貼り付け電極14bと電極6が、第3の半導体発光素子20のアノード若しくはカソード電極を構成する。
【0086】
貼り付け電極14a,14b,14cが共通アノード電極若しくはカソード電極となる。
【0087】
また、第1の半導体発光素子12、第2の半導体発光素子16および第3の半導体発光素子20は、発光ピークの波長が1波長、若しくは2波長の半導体発光素子であっても良い。
【0088】
本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置においては、例えば第1の半導体発光素子12として、窒化ガリウム系のLEDを適用し、第2の半導体発光素子16として、InGaAlP系のLEDを適用し、第3の半導体発光素子20として、InGaAlP系のLEDを適用し、貼り付け電極14a,14b,14cで互いに貼り合わせて、3色以上のLEDを実現することができる。
【0089】
下側のLED1およびLED2は貼り付けをした貼り付け電極14a或いは14cの部分で光がさえぎられるため、横方向から光を取り出す必要があるため下側は透明な基板10にすることで、基板10の横方向から光を取り出すことができる。
【0090】
なお、基板10上に配置された透明電極8の材料としては、ZnO、ITOなどを適用することができる。
【0091】
なお、貼り付け電極14aあるいは14cの部分を減らすことによって、下側のLED1(例えば青色LED)或いはLED2の光を上側に取り出すことも可能である。
【0092】
(変形例)
本発明の第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置は、図2(b)に示すように、基板10と、基板10上に配置された第1の半導体発光素子12と、第1の半導体発光素子12上に配置された貼り付け電極14と、貼り付け電極14上に配置された第2の半導体発光素子16と、貼り付け電極14上に、第2の半導体発光素子16に隣接して配置された第3の半導体発光素子20とを備える。基板10は発光波長に対して透明である。ここで、基板10は、例えばサファイア、GaPなどで構成することができる。
【0093】
図2(b)に示すように、第1の半導体発光素子12上に、貼り付け電極14に隣接して配置された電極18をさらに備え、第2の半導体発光素子16上に電極4を備え、第3の半導体発光素子20上に電極6を備えていても良い。
【0094】
貼り付け電極14と電極18が、第1の半導体発光素子12のアノード若しくはカソード電極を構成し、電極4と貼り付け電極14が、第2の半導体発光素子16のアノード若しくはカソード電極を構成し、電極6と貼り付け電極14が、第3の半導体発光素子20のアノード若しくはカソード電極を構成する。貼り付け電極14が共通アノード電極若しくはカソード電極となる。
【0095】
また、第1の半導体発光素子12、第2の半導体発光素子16および第3の半導体発光素子20は、発光ピークの波長が1波長、若しくは2波長の半導体発光素子であっても良い。
【0096】
本発明の第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置においては、例えば第1の半導体発光素子12として、窒化ガリウム系のLEDを適用し、第2の半導体発光素子16として、InGaAlP系のLEDを適用し、第3の半導体発光素子20として、InGaAlP系のLEDを適用し、貼り付け電極14で互いに貼り合わせて、3色以上のLEDを実現することができる。下側のLED1は貼り付けをした貼り付け電極14の部分で光がさえぎられるため、横方向から光を取り出す必要があるため下側は透明な基板10にすることで、基板10の横方向から光を取り出すことができる。
【0097】
なお、図1(b)と同様に、基板10上に配置された透明電極8をさらに備えていても良い。透明電極8の材料としては、ZnO、ITOなどを適用することができる。
【0098】
なお、貼り付け電極14の部分を減らすことによって、下側のLED1(例えば青色LED)の光を上側に取り出すことも可能である。
【0099】
(具体的構成例)
本発明の第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置においても、第1乃至第3の半導体発光素子の具体的構造は、図9乃至図14に示した構造例を適用することができる。
【0100】
本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置においても、図9に示した赤色LEDを適用可能である。
【0101】
本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置においても、図10に示した黄緑色LEDを適用可能である。
【0102】
本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置においても、図11〜図14に示した青色LEDを適用可能である。
【0103】
本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置においても、第1の半導体発光素子12の活性層を、例えばInxGa1-xN(0<x<1)/GaNのMQW構造によって形成し、第2の半導体発光素子16の活性層および第3の半導体発光素子16の活性層を、(AlxGay)0.5In0.5P(0≦x≦0.85、0≦y≦1)4元系化合物半導体で形成することによって、青色LED、赤色および黄緑色LEDを貼り付け技術によって、実装化することができる。
【0104】
本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置においても、第1の半導体発光素子12の活性層を、例えばInxGa1-xN(0<x<1)/GaNのMQW構造によって形成し、第2の半導体発光素子16の活性層を、例えば(AlxGa1-x)0.5In0.5Pウェル層と(AlyGa1-y)0.5In0.5Pバリア層(0≦x<y<1) の多重量子井戸構造で形成し、第3の半導体発光素子20の活性層も、(AlxGa1-x)0.5In0.5Pウェル層と(AlyGa1-y)0.5In0.5Pバリア層(0≦x<y<1) の多重量子井戸構造で形成することによって、青色LED、黄緑色LED、および赤色LEDを共に実装化可能となる。
【0105】
組成比などを調整することによって、波長範囲約450nm〜700nm程度において、所望の発光波長ピークを有する2色発光、3色発光、多色発光の半導体発光装置を得ることができる。
【0106】
本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置においても、第1の実施の形態に係る半導体発光装置の平面パターン構成の図15を拡張し、同様に構成することができる。
【0107】
本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置においても、3個の半導体発光素子におおいて、カソード電極を共通とし、アノード電極パッドを別々に構成するカソードコモン構成と、アノード電極を共通とし、カソード電極パッドを別々に構成するアノードコモン構成が可能である。或いはまた、3個の半導体発光素子のうち、2個を並列構成として、使用することも可能である。
【0108】
本発明の第2の実施の形態およびその変形例によれば、1チップで小型パッケージに組み込まれ、高効率のLEDを使うことで輝度が向上し、多色発光可能な半導体発光装置を提供することができる。
【0109】
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は第1乃至第2の実施の形態およびそれぞれの変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0110】
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子として、主としてLEDを例に説明したが、レーザダイオード(LD:Laser Diode)を構成してもよく、その場合には、分布帰還型(DFB:Distributed Feedback)LD、分布ブラッグ反射型(DBR)LD、面発光LDなどを構成しても良い。
【0111】
既に述べた実施の形態の説明においては、活性層が、それぞれバリア層で挟まれた複数の井戸層を有するMQW構造である場合を示したが、活性層が1つの井戸層を含み、この井戸層とp型半導体層間に配置された最終バリア層の膜厚を、Mgの拡散距離より厚くした構造であってもよい。
【0112】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の実施の形態に係る半導体発光装置は、半導体発光素子を2色、3色のパッケージなどの小型パッケージに組み込み、携帯電話などに組み込む半導体発光装置全般に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】(a)本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置であって、貼り付け技術によって、2色発光の半導体発光装置を形成した模式的断面構造図、(b)本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光装置であって、貼り付け技術によって、別の2色発光の半導体発光装置を形成した模式的断面構造図、(c)本発明の第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光装置であって、貼り付け技術によって、更に別の2色発光の半導体発光装置を形成した模式的断面構造図。
【図2】(a)本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光装置であって、貼り付け技術によって、3色発光の半導体発光装置を形成した模式的断面構造図、(b)本発明の第2の実施の形態の変形例に係る半導体発光装置であって、貼り付け技術によって、別の3色発光の半導体発光装置を形成した模式的断面構造図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される第1の半導体発光素子の例であって、サファイア基板上に青色LEDを形成した模式的断面構造図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置に適用される第2の半導体発光素子の例であって、GaAs基板上に赤色LEDを形成した模式的断面構造図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置であって、図3に示した青色LEDと図4に示した赤色LEDを貼り付け技術によって、2色発光の半導体発光装置を形成した模式的断面構造図。
【図6】図5において、貼り付け技術によって接続された部分の拡大された模式的断面構造図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置の具体的な構成例であって、(a)青色LEDと赤色LEDを貼り付けて、2色発光の半導体発光素子を形成した模式的断面構造図、(b)(a)に対応する回路構成図。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置の具体的な別の構成例であって、青色LEDと赤色LEDを貼り付けて、2色発光の半導体発光素子を形成した模式的断面構造図。
【図9】本発明の第1乃至第2の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な赤色LEDの模式的断面構造図。
【図10】本発明の第1乃至第2の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な黄緑色LEDの模式的断面構造図。
【図11】本発明の第1乃至第2の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な青色LEDの模式的断面構造図であって、(a) 半導体発光素子部分の模式的断面構造図、(b)活性層部分の拡大された模式的断面構造図。
【図12】本発明の第1乃至第2の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な別の青色LEDの模式的断面構造図あって、(a) 半導体発光素子部分の模式的断面構造図、(b)活性層部分の拡大された模式的断面構造図。
【図13】本発明の第1乃至第2の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な青色LEDのp側電極およびn側電極まで形成した模式的断面構造図。
【図14】本発明の第1乃至第2の実施の形態に係る半導体発光装置に適用可能な青色LEDにおいて、最終電極形成工程後の模式的断面構造図。
【図15】図7に対応する本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置の平面パターン構成例であって、(a)平面パターン例1の構成図、(b)平面パターン例2の構成図、(c)平面パターン例3の構成図。
【図16】従来例に係る半導体発光素子の模式的断面構造図であって、(a)エピタキシャル成長を2回行うことによって、発光波長の違う活性層を作りこむ例、(b)連続したエピタキシャル成長を行い、1度のエピタキシャル成長で発光波長の違う活性層を作りこむ例。
【符号の説明】
【0115】
2、4、6、18…電極
8、38…透明電極
10…基板
12…第1の半導体発光素子(LED1)
14,14a、14b,14c、34…貼り付け電極
16…第2の半導体発光素子(LED2)
20…第3の半導体発光素子(LED3)
22、100…GaAs基板
24、32…GaP層
26、160、170…n型クラッド層
28、42、180、190…活性層
30、200、210…p型クラッド層
36…反射層
39…バッファ層
40…n型半導体層
41…ブロック層
44…p型半導体層
45…酸化物電極
46、50…カソード電極
48…アノード電極
58…反射積層膜
100…GaAs基板
110…p側電極
120…GsAsバッファ層
140、150…反射積層膜(DBR)
220、230…InGaAlP層
240、250…GaPウィンドウ層
260、270…AlGaInP層
280、290…GaAs層(エッチングストップ層)
300…第1のエピタキシャル成長層
310…最終バリア層
311〜31n…バリア層
320…第2のエピタキシャル成長層
321〜32n…井戸層
330,510…n側電極
411…第1窒化物系半導体層
412…第2窒化物系半導体層
413…第3窒化物系半導体層
414…第4窒化物系半導体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された第1の半導体発光素子と、
前記第1の半導体発光素子上に配置された貼り付け電極と、
前記貼り付け電極上に配置された第2の半導体発光素子と
を備え、前記基板は発光波長に対して透明であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記第1の半導体発光素子上に、前記貼り付け電極に隣接して配置された電極をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記基板上に配置された透明電極をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記第1の半導体発光素子および前記第2の半導体発光素子は、発光ピークの波長が1波長、若しくは2波長の半導体発光素子であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
基板と、
前記基板上に配置された第1の半導体発光素子と、
前記基板上に、前記第1の半導体発光素子に隣接して配置された貼り付け電極と、
前記貼り付け電極上に配置された第2の半導体発光素子と
を備えることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項6】
前記第1の半導体発光素子および前記第2の半導体発光素子は、発光ピークの波長が1波長、若しくは2波長の半導体発光素子であることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
基板と、
前記基板上に配置された第1の半導体発光素子と、
前記基板上に、前記第1の半導体発光素子に隣接して配置された第2の半導体発光素子と、
前記第1の半導体発光素子上に配置された第1の貼り付け電極と、
前記第2の半導体発光素子上に配置された第2の貼り付け電極と、
前記第1および第2の貼り付け電極上に配置された第3の貼り付け電極と、
前記第3の貼り付け電極上に配置された第3の半導体発光素子と
を備え、前記基板は発光波長に対して透明であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項8】
前記基板上に配置された透明電極をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
基板と、
前記基板上に配置された第1の半導体発光素子と、
前記第1の半導体発光素子上に配置された貼り付け電極と、
前記貼り付け電極上に配置された第2の半導体発光素子と、
前記貼り付け電極上に、前記第2の半導体発光素子に隣接して配置された第3の半導体発光素子と
を備え、前記基板は発光波長に対して透明であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項10】
前記第1の半導体発光素子上に、前記貼り付け電極に隣接して配置された電極をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の半導体発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−152297(P2009−152297A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327424(P2007−327424)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】