説明

半導体素子、有機トランジスタ、発光装置及び電気機器

【課題】駆動電圧が低い有機トランジスタを提供することを課題とする。また、簡便に作製することができ、発光を得ることができる有機トランジスタを提供することを課題とする。
【解決手段】ソース電極及びドレイン電極のうち、正孔を注入する方の電極の一部として正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とからなる複合層を用い、電子を注入する方の電極の一部として電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属からなる複合層とを用い、前記複合層がどちらも有機半導体層と接する構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング素子や増幅素子として利用できる半導体素子(例えば、有機トランジスタ)に関するものである。また、それらを用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の電極間に挟まれた有機化合物を含む積層体に、一方の電極から電子を、もう一方の電極から正孔を注入し、積層体中で電子と正孔が再結合することによって積層体中の発光材料が励起されて発光を得ることができる発光素子の開発が進められている。
【0003】
当該発光素子は自発光型であることから視野角依存性が小さく視認性に優れ、薄型軽量化も容易であることから次世代のフラットパネルディスプレイへの使用に注目が集まっている。また、プラスチック等の可撓性を有するフィルムに素子を作製することもでき、モバイルディスプレイとしての用途も見込まれている。
【0004】
この発光素子を用いた発光装置の種類としては大きく分けてパッシブマトリクス型とアクティブマトリクス型の2種類がある。アクティブマトリクス型の発光装置は画素毎にトランジスタが電気的に接続され、発光素子の発光を制御している。
【0005】
これまでアクティブマトリクス型の発光装置のトランジスタには、シリコンに代表される無機半導体材料が広く用いられてきた。しかし、シリコンに代表される無機半導体材料を半導体層として成膜するためには高温で処理する必要があるため、基板にプラスチックやフィルム等の可撓性を有する材料を用いることが難しい。
【0006】
これに対し、有機半導体材料を半導体層として用いるトランジスタは、比較的低温度でも成膜が可能であるため、ガラス基板のみならずプラスチックなどの熱耐久性の小さい基板上にも原理的にトランジスタを作製が可能となる。
【0007】
このように、有機半導体材料を半導体層とした電界効果トランジスタ(以下、「有機トランジスタ」と記す)の例として、二酸化ケイ素(SiO)をゲート絶縁層とし、ペンタセンを半導体層としたもの(下記非特許文献1参照)が挙げられる。この報告では電界効果移動度が1cm/Vsと報告されており、有機半導体材料を半導体層としても、アモルファスシリコンに匹敵するトランジスタ性能が得られることが報告されている。
【0008】
この有機トランジスタを用いて発光素子を駆動するアクティブマトリクス型発光装置についても提案がなされている。さらに、有機トランジスタの有機半導体層にソース電極から正孔を、ドレイン電極から電子を注入し半導体層中で再結合させ、有機半導体層自体から発光を得る有機トランジスタ(以下、有機発光トランジスタと称する)に関する報告もいくつかなされている(例えば非特許文献2、非特許文献3参照)。
【0009】
これらの有機発光トランジスタは、トランジスタの機能と発光素子との機能を同時に併せ持つ素子であるため、発光素子を駆動するトランジスタと発光素子とを別々に作製するよりも開口率の面で有利であるとされている。また、トランジスタと発光素子と両方を作製する場合と比較して作製する要素が少なくなることから製品の歩留まりや製造コストの面でも有利と考えられる。
【0010】
ところで、有機発光トランジスタでは発光を得る為にソース電極及びドレイン電極から正孔及び電子をそれぞれ半導体層中に注入しなければいけないが、その界面にエネルギー障壁が存在すると、発光がうまく起こらない、キャリア移動度などのトランジスタ特性が低下する、駆動電圧が上昇する、などの問題が起こる。
【0011】
半導体層に正孔や電子を注入する際のエネルギー障壁は、電極に用いる材料と有機半導体材料との関係で決まっており、電極に用いる材料の仕事関数に大きく影響する。そのため、効率よく半導体層に正孔や電子を注入することができ、駆動電圧を小さくすることが可能な電極材料はその選択の幅が非常に小さい。
【0012】
さらに、金属電極を形成する場合、電極を形成する際のエッチングによって仕事関数が変化してしまったり、下部層が劣化してしまったりする場合もあり、駆動電圧が小さく簡便に作製することができる有機発光トランジスタを得ることは容易ではない。
【非特許文献1】Y.Y.Lin,D.J.Gundlach,S.F.Nelson,T.N.Jackson, IEEE Electron Device Letters,Vol.18,606−608(1997)
【非特許文献2】M.Ahles,A.Hepp,R.Schmechel,F.v.Seggern、 APPLIED PHYSICS LETTERS,Vol.84,No.3,428−430(2004)
【非特許文献3】T.Sakanoue,E.Fujiwara,R.Yamada,H.Tada, Chemistry Letters,Vol.34,No.4,494−495(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで本発明では、駆動電圧が低い半導体素子を提供することを課題とする。また、発光を得ることができ、当該発光の制御をそれ自身で行うことが可能で且つ簡便に作製することができる半導体素子を提供することを課題とする。
【0014】
また、本発明では、駆動電圧が低い有機トランジスタを提供することを課題とする。また、発光を得ることができ、当該発光の制御をゲート電極の電圧を変化させることによって行うことが可能で且つ簡便に作製することができる有機トランジスタを提供することを課題とする。
【0015】
また、本発明では開口率が高く、歩留まりが高い発光装置を提供することを課題とする。また本発明ではさらに簡便に作製することが可能な発光装置を提供することを課題とする。また、本発明では、駆動電圧が低く消費電力の小さい発光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、ソース電極及びドレイン電極のうち、正孔を注入する方の電極の一部として正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む複合層を用い、電子を注入する方の電極の一部として電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む複合層とを用い、前記複合層がどちらも有機半導体層と接する構成を有する有機発光トランジスタが上記課題を解決できることを見いだした。
【0017】
本発明の半導体素子は、第1の電極と、有機化合物を含む半導体層と、第1の電極と半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と半導体層に電子を注入する第2の電極と、半導体層に正孔を注入する第3の電極とを有し、第3の電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、第2の電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、第1の複合材料よりなる層及び第2の複合材料よりなる層は半導体層に接することを特徴とする。
【0018】
本発明の半導体素子は、上記構成において、第2の電極は前記第1の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成されていることを特徴とする。導電層が半導体層に接しない場合、導電層のチャネル長方向の長さが第1の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短くてもよく、また、導電層が第1の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。導電層が半導体層に接する場合、導電層が第1の複合材料よりなる層に覆われる構成としてもよい。
【0019】
本発明の半導体素子は、上記構成において、第3の電極は前記第2の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成されていることを特徴とする。導電層が半導体層に接しない場合、導電層のチャネル長方向の長さが第2の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短くてもよく、また、導電層が第2の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。導電層が半導体層に接する場合、導電層が第2の複合材料よりなる層に覆われる構成としてもよい。
【0020】
本発明の半導体素子は、上記構成において、第2の電極は、さらに第2の複合材料よりなる層を有し、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする。また、第2の電極は、第1の複合材料よりなる層、第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明の半導体素子は、上記構成において、第3の電極は、さらに第1の複合材料よりなる層を有し、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする。また、第3の電極は、第1の複合材料よりなる層、第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成されていることを特徴とする。
【0022】
本発明の有機トランジスタは、ゲート電極と、有機化合物を含む半導体層と、ゲート電極と半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、ソース電極と、ドレイン電極とを有し、ソース電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、ドレイン電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、第1の複合材料よりなる層及び第2の複合材料よりなる層は半導体層に接することを特徴とする。
【0023】
本発明の有機トランジスタは、上記構成において、ソース電極は、第1の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成されていることを特徴とする。導電層が半導体層に接しない場合、導電層のチャネル長方向の長さが、第1の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短くてもよく、また、導電層が第1の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。導電層が半導体層に接する場合、導電層が第1の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。
【0024】
本発明の有機トランジスタは、上記構成において、ドレイン電極は、第2の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成されていることを特徴とする。導電層が半導体層に接しない場合、導電層のチャネル長方向の長さが第2の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短くてもよく、また、導電層が第2の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。導電層が半導体層に接する場合、導電層が第2の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。
【0025】
本発明の有機トランジスタは、上記構成において、ソース電極は、さらに第2の複合材料よりなる層を有し、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする。また、ソース電極は、第1の複合材料よりなる層、第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成されていることを特徴とする。
【0026】
本発明の有機トランジスタは、上記構成において、ドレイン電極は、さらに第1の複合材料よりなる層を有し、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする。また、ドレイン電極は、第1の複合材料よりなる層、第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明の有機トランジスタは、ゲート電極と、有機化合物を含む半導体層と、ゲート電極と半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、ソース電極と、ドレイン電極とを有し、ソース電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、ドレイン電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、第1の複合材料よりなる層及び第2の複合材料よりなる層は半導体層に接することを特徴とする。
【0028】
本発明の有機トランジスタは、上記構成において、ソース電極は、第2の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成されていることを特徴とする。導電層が半導体層に接しない場合、導電層のチャネル長方向の長さが第2の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短くてもよく、また、導電層が第2の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。導電層が半導体層に接する場合、導電層が第2の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。
【0029】
本発明の有機トランジスタは、上記構成において、ドレイン電極は、第1の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成されていることを特徴とする。導電層が半導体層に接しない場合、導電層のチャネル長方向の長さが第1の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短くてもよく、また、導電層が第1の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。導電層が半導体層に接する場合、導電層が第1の複合材料よりなる層に覆われていてもよい。
【0030】
本発明の有機トランジスタは、上記構成において、ソース電極は、さらに第1の複合材料よりなる層を有し、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする。また、ソース電極は、第1の複合材料よりなる層、第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成されていることを特徴とする。
【0031】
本発明の有機トランジスタは、上記構成において、ドレイン電極は、さらに第2の複合材料よりなる層を有し、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする。また、ドレイン電極は、第1の複合材料よりなる層、第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成されていることを特徴とする。
【0032】
本発明の有機トランジスタは、上記構成において、ソース電極とドレイン電極の間に電圧をかけた際、半導体層が発光することを特徴とする。また、ゲート電極にかける電圧を変化させることで発光輝度が変化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明の半導体素子は、駆動電圧が低い半導体素子である。また、発光を得ることができ、当該発光の制御をそれ自身で行うことが可能で且つ簡便に作製することができる半導体素子である。
【0034】
また、本発明の有機トランジスタは、駆動電圧が低い有機トランジスタである。また、発光を得ることができ、当該発光の制御をゲート電極の電圧を変化させることによって行うことが可能で且つ簡便に作製することができる有機トランジスタである。
【0035】
また、本発明の発光装置は開口率が高く、歩留まりが高い発光装置である。また本発明の発光装置は、さらに、簡便に作製することが可能な発光装置である。また、本発明の発光装置は、駆動電圧が小さい発光装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0037】
(実施の形態1)
本発明の実施の態様である半導体素子について図1乃至図8に記載の図面を例に挙げながら説明する。
【0038】
図1(A)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0039】
第1の電極100は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102と第1の電極100を電気的に絶縁している。また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bは半導体層102に接していなくとも良い。
【0040】
図示していないが、第1の電極100を形成することができる絶縁体のうち、基板としてはガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの絶縁性基板や、セラミック基板、ステンレス基板、金属基板(タンタル、タングステン、モリブデン等)、半導体基板、プラスチック基板(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン等)等を用いることができる。また、これらの基板上に酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒素を含む酸化ケイ素及び酸素を含む窒化ケイ素などの無機絶縁材料や、アクリルやポリイミドなどの有機絶縁材料、珪素と酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基として少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)、フルオロ基、又は少なくとも水素を含む有機基及びフルオロ基を有する材料、いわゆるシロキサン系の材料による絶縁膜を形成してもよい。これら絶縁膜はCVD法、スパッタ法、蒸着法、湿式法などの方法によって形成されていても良い。
【0041】
第1の電極100、導電層105a及び導電層105bの材料としては特に限定されるものではないが、白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム、タングステンなどの金属及びそれらを含む合金、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレンなどの導電性高分子化合物、シリコン、ドープドシリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素などの無機半導体、さらにこれらに酸(ルイス酸も含む)、ハロゲン原子、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの金属原子などがドーピングされているものも挙げられる。一般にはソース電極及びドレイン電極に用いる導電性材料としては、金属を用いることが多い。これらは、CVD法、スパッタ法、蒸着法、湿式法などの方法によって形成されていても良い。
【0042】
絶縁膜101の材料も特に限定されるものではないが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒素を含む酸化ケイ素及び酸素を含む窒化ケイ素などの無機絶縁材料や、アクリルやポリイミドなどの有機絶縁材料、珪素と酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基として少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)、フルオロ基、又は少なくとも水素を含む有機基及びフルオロ基を有する材料、いわゆるシロキサン系の材料による絶縁膜により形成することができる。
【0043】
半導体層102の材料は低分子、中分子、高分子のいずれも用いることができ、その種類は特に限定されるものではないが、多環芳香族化合物、共役二重結合化合物、マクロ環化合物、金属フタロシアニン錯体、電荷移動錯体、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、オリゴチオフェン類、フラーレン類、カーボンナノチューブ、などが挙げられる。例えばポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリチエニレンビニレン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリアズレン、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリセレノフェン、ポリフラン、ポリ(p−フェニレン)、ポリインドール、ポリビリダジン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィド、ポリビニルピリジン、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、アントラセンテトラカルボン酸ジイミド、C60、C70、C76、C78、C84及びこれらの誘導体を用いることができる。また、これらの具体例としては、一般的にp型半導体とされるペンタセン、セクシチオフェン(6T)、銅フタロシアニン、ビス−(1,2,5−チアジアゾロ)−p−キノビス(1,3−ジチオール)、ルブレン、一般的にn型半導体とされる7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物(略称:PTCDA)、1,4,5,8,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(略称:NTCDA)、N,N’−ジオクチルー3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(略称:PTCDI−C8H)、銅ヘキサデカフルオロフタロシアニン(略称:F16CuPc)、3’,4’−ジブチル−5,5”−ビス(ジシアノメチレン)−5,5”−ジヒドロ−2,2’:5’,2”−テルチオフェン)(略称:DCMT)等がある。なお、有機半導体においてp型やn型の特性はその物質固有のものでは無く、キャリアを注入する電極との関係や注入の際の電界の強度に依存し、どちらになりやすいという傾向はあるもののp型にもn型にも、バイポーラ型にもなりうる可能性がある。本発明では少なくとも第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104などの一部が半導体層102に接して設けられることによって、正孔、電子とも注入障壁が減少し、過大な電界をかけずとも容易に正孔や電子を注入することが出来るようになるため、一般にp型もしくはn型と言われている材料であっても、正孔、電子両方のキャリアを注入することが出来るようになり、再結合の結果として発光を得ることができる。このように、本発明において半導体層102の材料としては、一般にp型もしくはn型と言われている材料を用いても駆動電圧の上昇などを低減することができる。なお、バイポーラ性の高い材料を用いるとさらに駆動電圧を低減させることができるため、なお好ましい構成である。
【0044】
その他、本発明の半導体素子における半導体層102の材料として用いることが可能な化合物としては4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等を用いることができる。
【0045】
また、ホスト材料として正孔又は電子もしくはその両方に対して輸送性を有する材料(例えば、正孔輸送性の材料として、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)、電子輸送性の材料として、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−ビフェニリル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ))等のトリアゾール誘導体、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、4,4−ビス(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)、バイポーラ性を有する材料として、ポリ(2、5−チエニレンビニレン)(略称:PTV)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2、5−ジイル)(略称:P3HT)、ポリ(9,9’−ジオクチルーフルオレン−co−ビチオフェン)(略称:F8T2)、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体等)に、ゲスト材料として発光中心となる材料(例えば、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、クマリン30、クマリン6、クマリン545、クマリン545T、ペリレン、ルブレン、ペリフランテン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、5,12−ジフェニルテトラセン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−4H−ピラン(略称:DCM1)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−[2−(ジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCM2)、4−(ジシアノメチレン)−2,6−ビス[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−4H−ピラン(略称:BisDCM)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’](ピコリナト)イリジウム(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}(ピコリナト)イリジウム(略称:Ir(CFppy)(pic))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy))、(アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2−(2’−チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(略称:Ir(thp)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(pq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(略称:Ir(btp)(acac)))を分散させたホスト−ゲスト型の混合材料でもよい。ホスト材料中のゲスト材料の濃度に制限は無いが、5wt%〜8wt%程度が好ましい。
【0046】
これら材料よりなる半導体層102はCVD法、スパッタ法、蒸着法、湿式法など、どの方法によって形成されていても良い。
【0047】
第2の複合材料よりなる層103を形成する第2の複合材料は、無機化合物と電子輸送性を有する有機化合物とを複合した材料である。無機化合物としてはアルカリ金属及びアルカリ土類金属、もしくはそれらを含む酸化物や窒化物が望ましく、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、リチウム酸化物、マグネシウム窒化物、カルシウム窒化物であることが好ましい。また、電子輸送性を有する有機化合物としては、ペリレンテトラカルボン酸無水物及びその誘導体、ペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体、ナフタレンテトラカルボン酸無水物及びその誘導体、ナフタレンテトラカルボキシジイミド誘導体、金属フタロシアニン誘導体、フラーレン類の他、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料を用いることができる。また、この他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。第2の複合材料よりなる層103はアルカリ金属及びアルカリ土類金属、もしくはそれらを含む酸化物や窒化物と電子輸送性を有する有機化合物との共蒸着法によって作製することができるが、湿式法やその他の方法によって形成されていても良い。
【0048】
第1の複合材料よりなる層104を形成する第1の複合材料は、無機化合物と正孔輸送性を有する有機化合物とを複合した材料である。無機化合物としては、遷移金属の酸化物や窒化物が望ましく、具体的には、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化マンガン、酸化レニウムが好適であり、正孔輸送性を有する有機化合物としては4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)等のアリールアミノ基を有する有機材料や、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等も用いることができる。
【0049】
また、下記一般式(1)で表されるような有機材料も好適に用いることができ、その具体例としては3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)等を挙げることができる。この構造を有する有機化合物を用いた第1の複合材料は熱的安定性に優れ、信頼性が良い。
【0050】
【化1】

(式中、RおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基、炭素数5〜9のヘテロアリール基、アリールアルキル基、炭素数1〜7のアシル基のいずれかを表し、Arは、炭素数6〜25のアリール基、炭素数5〜9のヘテロアリール基のいずれかを表し、Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基のいずれかを表し、Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、一般式(2)で示される置換基のいずれかを表し、一般式(2)で示される置換基において、Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基、炭素数5〜9のヘテロアリール基、アリールアルキル基、炭素数1〜7のアシル基のいずれかを表し、Arは、炭素数6〜25のアリール基、炭素数5〜9のヘテロアリール基のいずれかを表し、Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基のいずれかを表す。)
【0051】
【化2】

【0052】
また、下記一般式(3)乃至(6)のいずれかで示されるような有機材料も好適に用いることができる。下記一般式(3)乃至(6)のいずれかで表される有機化合物の具体例としては、N−(2−ナフチル)カルバゾール(略称:NCz)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、9,10−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]アントラセン(略称:BCPA)、3,5−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ビフェニル(略称:BCPBi)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)等を挙げることができる。
【0053】
【化3】

(式中Arは炭素数6〜42の芳香族炭化水素基を表し、nは1〜3の自然数を表し、R、Rは水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を表す。)
【0054】
【化4】

(式中Arは炭素数6〜42の1価の芳香族炭化水素基を表し、R、Rは水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を表す。)
【0055】
【化5】

(式中Arは炭素数6〜42の2価の芳香族炭化水素基を表し、R〜Rは水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を表す。)
【0056】
【化6】

(ただし、式中Arは炭素数6〜42の3価の芳香族炭化水素基を表し、R〜Rは水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を表す。)
【0057】
さらに、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、テトラセン、ルブレン、ペンタセン等の芳香族炭化水素も用いることができる。
【0058】
第1の複合材料よりなる層104は上述した無機化合物と正孔輸送性を有する有機化合物との共蒸着法によって作製することができるが、湿式法やその他のどの方法によって形成されていても良い。なお、第1の複合材料よりなる層104において有機化合物と無機化合物とは重量比で95:5〜20:80、より好ましくは90:10〜50:50であることが望ましい。
【0059】
このような構成を有する本発明の半導体素子は第2の電極107の半導体層102と接する部分に第2の複合材料よりなる層103を有している為、第2の電極107から半導体層102に電子を注入する為のエネルギー障壁が小さい。また、第3の電極108の半導体層102と接する部分に第1の複合材料よりなる層104を有する為、第3の電極108から半導体層102に正孔を注入する為のエネルギー障壁が小さい。これらのことより、本発明の半導体素子は駆動電圧が低い半導体素子とすることができる。また、第2の電極107及び第3の電極108に第1の複合材料及び第2の複合材料でなくその他の材料を用いる従来の構成では、第2の電極107と第3の電極108を形成する導電層を選択する際に仕事関数による制約を受け、導電性や安定性などのその他の特性をも考慮するとその選択の幅が非常に小さい。一方、本発明の半導体素子における第2の電極107及び第3の電極108はそれぞれに第2の複合材料よりなる層103、第1の複合材料よりなる層104を半導体層102に接するように設けるだけで、導電層105a及び導電層105bはある程度の導電性を有していれば良く、先に述べた材料はどれも好適に用いることができ、非常に選択の幅を広げることができる。
【0060】
さらに、第1の複合材料よりなる層104、第2の複合材料よりなる層103のどちらも蒸着や湿式法により形成することも可能であり、本発明の半導体素子は簡便に作製することができる。
【0061】
さらに、本発明の半導体素子は、第2の電極107と第3の電極108との間に第3の電極側の電圧を第2の電極側の電圧より高くなるように、ある一定以上の電圧をかけることによって発生した電界によって、第2の電極107から電子が半導体層102中に注入され、第3の電極108から半導体層102中に正孔が注入されて注入された正孔と電子が半導体層102中で再結合することによって半導体層102の分子が励起され、励起された分子が基底状態に戻る際に半導体層102から発光を得ることができる。このとき、第1の電極100に電圧をかけ、その電圧を変化させることによって、第2の電極107と第3の電極108との間にかける電流や電圧を変化させることなく電子または正孔の注入量を変えることが出来、発光の制御を行うことが可能となる。
【0062】
また、駆動用のトランジスタと発光素子とを別々に設けずとも、発光の制御が可能となることから開口率が向上し、高精細化に有利である。また、作製プロセスも少ないことから本発明の半導体素子または有機トランジスタもしくは有機発光トランジスタを用い、それらを制御する機能を備えた本発明の発光装置は不良の発生率が小さく、歩留まりの良い発光装置とすることができる。
【0063】
図1(B)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図1(B)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0064】
第1の電極100は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102と第1の電極100を電気的に絶縁している。また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されている。すなわち、図1(B)の半導体素子は、図1(A)と異なり、第2の複合材料よりなる層103、第1の複合材料よりなる層104、導電層105a、及び導電層105bがそれぞれ半導体層102と接するよう形成されている。そのため、導電層105a及び導電層105bの表面を覆うように、第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104が形成されている。
【0065】
なお、図1(B)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明は省略する。
【0066】
図1(C)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図1(C)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0067】
第1の電極100は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102と第1の電極100を電気的に絶縁している。また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されており、半導体層102に接していない。すなわち、図1(C)の半導体素子は、図1(A)と同様、導電層105a及び導電層105bは半導体層102に接していない。図1(A)と異なり、導電層105aは、幅(チャネル長方向109の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103の幅(チャネル長方向109の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長方向109の長さ)が、第1の複合材料よりなる層104の幅(チャネル長方向109の長さ)よりも短く形成されている。
【0068】
図1に記載したような、半導体層102上に電極が配置されるような素子である場合、電極を形成する際に半導体層102の表面にダメージが入り、半導体素子としての性能が低下する場合がある。しかし、図1(C)のような構成であれば、導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されており、半導体層102に接していないため、半導体層102にダメージを与えずに金属導電層を形成することが出来るようになる。具体的にはマスクを用いて複合材料よりなる層の上のみに導電層を形成すればよい。
【0069】
図1(C)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずる。
【0070】
図2(A)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図2(A)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0071】
第1の電極100は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107及び第3の電極108から第1の電極100を電気的に絶縁している。第2の電極107及び第3の電極108は絶縁膜101に接して形成され、半導体層102は絶縁膜101、第2の電極107、第3の電極108を覆って形成される。
【0072】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されていてもよい。すなわち、導電層105a及び導電層105bは絶縁膜101に接しておらず、導電層105aは、幅(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103の幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長方向の長さ)が、第1の複合材料よりなる層104の幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されていてもよい。
【0073】
図2(A)では第2の電極107及び第3の電極108はより第1の電極100に近い方に各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104が形成され、導電層105a及び導電層105bは絶縁膜101から離れて形成されているが、図2(C)のように導電層105a及び導電層105bをより第1の電極100に近い方に形成し、第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104を絶縁膜101から離れて形成しても良い。図2(C)のような構成は、半導体層102と第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104と半導体層102とが接触する面積が広くなるので、正孔及び電子の注入に関し有利な構成である。図2(C)の構造は電極の積層順以外は図2(A)と同じである。
【0074】
図2(A)及び図2(C)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0075】
図2(B)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図2(B)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0076】
第1の電極100は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107及び第3の電極108から第1の電極100を電気的に絶縁している。第2の電極107及び第3の電極108は絶縁膜101に接して形成され、半導体層102は絶縁膜101、第2の電極107、第3の電極108を覆って形成される。
【0077】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されている。すなわち、図2(B)の半導体素子は、図2(A)及び(C)と異なり、第2の複合材料よりなる層103、第1の複合材料よりなる層104、導電層105a、及び導電層105bがそれぞれ絶縁膜101と接するよう形成されている。そのため、導電層105a及び導電層105bの表面を覆うように、第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104が形成されており、導電層105a及び導電層105bは半導体層102と接しない構成となっている。
【0078】
図2(B)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0079】
図3(A)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図3(A)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0080】
第1の電極100は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107及び第3の電極108から第1の電極100を電気的に絶縁している。第2の電極107及び第3の電極108は絶縁膜101に接して形成され、半導体層102は絶縁膜101、第2の電極107、第3の電極108を覆って形成される。
【0081】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103a、第1の複合材料よりなる層104aの3層、第3の電極108は導電層105bと第2の複合材料よりなる層103b、第1の複合材料よりなる層104bとの3層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103aと、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bとは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。また、第2の電極107における第1の複合材料よりなる層104aと第2の複合材料よりなる層103aはその少なくとも一部が接して設けられており、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bと第2の複合材料よりなる層103bはその少なくとも一部が接して設けられる。導電層105a及び導電層105bの周辺部はこれら複合材料よりなる層の周辺部に至らない内側に形成されていても良い。すなわち、導電層105a及び導電層105bは絶縁膜101に接しておらず、導電層105aは、幅(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103aの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長方向の長さ)が、第1の複合材料よりなる層104bの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されていてもよい。
【0082】
なお、第2の複合材料よりなる層103a、103bは図1(A)の説明における第2の複合材料よりなる層103の材料で形成することができ、第1の複合材料よりなる層104a、104bは図1(A)の説明における第1の複合材料よりなる層104の材料で形成することが出来る。
【0083】
図3(A)に記載の本発明の半導体素子は、第2の電極107及び第3の電極108が、第2の複合材料よりなる層、第1の複合材料よりなる層の両方の層を有し、さらに第2の複合材料よりなる層と第1の複合材料よりなる層が接していることから、電子または正孔の注入性が向上し、より駆動電圧を低下させることが出来るようになる。
【0084】
また、図3(A)に記載の構成は同じマスクで三度成膜を繰り返すのみで第2の電極107及び第3の電極108を作製することが可能である為、さらに簡便に作製することができる半導体素子とすることができる。なお、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層の積層順はこの逆であっても良い。
【0085】
図3(A)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0086】
図3(B)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図3(B)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0087】
第1の電極100は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107及び第3の電極108から第1の電極100を電気的に絶縁している。第2の電極107及び第3の電極108は絶縁膜101に接して形成され、半導体層102は絶縁膜101、第2の電極107、第3の電極108を覆って形成される。
【0088】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103a、第1の複合材料よりなる層104aの3層、第3の電極108は導電層105bと第2の複合材料よりなる層103b、第1の複合材料よりなる層104bとの3層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103aと、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bとは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。また、第2の電極107における第1の複合材料よりなる層104aと第2の複合材料よりなる層103aはその少なくとも一部が接して設けられており、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bと第2の複合材料よりなる層103bはその少なくとも一部が接して設けられる。導電層105a及び導電層105bの周辺部はこれら複合材料よりなる層の周辺部に至らない内側に形成されていても良い。すなわち、導電層105a及び導電層105bは絶縁膜101に接しておらず、導電層105aは、幅(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103aの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長方向の長さ)が、第1の複合材料よりなる層104bの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されていてもよい。
【0089】
なお、第2の複合材料よりなる層103a、103bは図1(A)の説明における第2の複合材料よりなる層103の材料で形成することができ、第1の複合材料よりなる層104a、104bは図1(A)の説明における第1の複合材料よりなる層104の材料で形成することが出来る。
【0090】
図3(B)に記載の本発明の半導体素子は、第2の電極107及び第3の電極108が、第2の複合材料よりなる層、第1の複合材料よりなる層の両方の層を有し、さらに第2の複合材料よりなる層と第1の複合材料よりなる層が接していることから、電子または正孔の注入性が向上し、より駆動電圧を低下させることが出来るようになる。なお、図3(B)に示した本発明の半導体素子では、電子を注入する側の第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103aの半導体層102と接する部分が第1の複合材料よりなる層104aより第3の電極108側に位置し、正孔を注入する側の第3の電極108においては、第1の複合材料よりなる層104bの半導体層102と接する部分が第2の複合材料よりなる層103bより第2の電極107側に位置していることから、電子及び正孔の再結合確率や注入効率が向上すると考えられ、好ましい構成である。
【0091】
また、図3(B)に記載の構成は第2の電極107及び第3の電極108の3層のうち、1層目を成膜した後同じマスクを少しずらして2層目、3層目の成膜を行うのみで第2の電極107及び第3の電極108を作製することが可能である為、非常に簡便に作製することができる半導体素子とすることができる。なお、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層の積層順はこの逆であっても良いが、電子を注入する側の第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103aの半導体層102と接する部分が第1の複合材料よりなる層104aより第3の電極108側に位置し、正孔を注入する側の第3の電極108においては、第1の複合材料よりなる層104bの半導体層102と接する部分が第2の複合材料よりなる層103bより第2の電極107側に位置するように、第2の電極107の形状と第3の電極108の形状も逆にする。
【0092】
図3(B)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0093】
図3(C)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図3(C)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0094】
第1の電極100は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107及び第3の電極108から第1の電極100を電気的に絶縁している。第2の電極107及び第3の電極108は絶縁膜101に接して形成され、半導体層102は絶縁膜101、第2の電極107、第3の電極108を覆って形成される。
【0095】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103a、第1の複合材料よりなる層104aの3層、第3の電極108は導電層105bと第2の複合材料よりなる層103b、第1の複合材料よりなる層104bとの3層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103aと、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bとは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。また、第2の電極107における第1の複合材料よりなる層104aと第2の複合材料よりなる層103aその少なくとも一部が接して設けられており、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bと第2の複合材料よりなる層103bはその少なくとも一部が接して設けられる。導電層105a及び導電層105bの周辺部はこれら複合材料よりなる層の周辺部に至らない内側に形成されていても良い。すなわち、導電層105a及び導電層105bは絶縁膜101に接しておらず、導電層105aは、幅(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103aの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長方向の長さ)が、第1の複合材料よりなる層104bの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されていてもよい。
【0096】
なお、第2の複合材料よりなる層103a、103bは図1(A)の説明における第2の複合材料よりなる層103の材料で形成することができ、第1の複合材料よりなる層104a、104bは図1(A)の説明における第1の複合材料よりなる層104の材料で形成することが出来る。
【0097】
図3(C)に記載の本発明の半導体素子は、第2の電極107及び第3の電極108が、第2の複合材料よりなる層、第1の複合材料よりなる層の両方の層を有し、さらに第2の複合材料よりなる層と第1の複合材料よりなる層が接していることから、電子または正孔の注入性が向上し、より駆動電圧を低下させることが出来るようになる。なお、図3(B)に示した本発明の半導体素子では、電子を注入する側の第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103aの半導体層102と接する部分が第1の複合材料よりなる層104aより第3の電極108側に位置し、正孔を注入する側の第3の電極108においては、第1の複合材料よりなる層104bの半導体層102と接する部分が第2の複合材料よりなる層103bより第2の電極107側に位置していることから、電子及び正孔の再結合確率や注入効率が向上すると考えられ、好ましい構成である。なお、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層の積層順はこの逆であっても良いが、電子を注入する側の第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103aの半導体層102と接する部分が第1の複合材料よりなる層104aより第3の電極108側に位置し、正孔を注入する側の第3の電極108においては、第1の複合材料よりなる層104bの半導体層102と接する部分が第2の複合材料よりなる層103bより第2の電極107側に位置するように、第2の電極107の形状と第3の電極108の形状も逆にする。
【0098】
図3(D)は図3(C)の応用例であり、図4に示したような櫛形の電極を有し、いくつもの半導体素子が繋がっている構成の場合に図3(C)の形状の半導体素子を適用した例であり、図3(D)は図4におけるα―βの断面図に相当する。この構成は第2の電極107の両側に第3の電極108が存在し、そのどちら側の半導体層102からも発光を得ることができる。また、第1の電極100を別にすれば別々に発光を制御することができる。もちろん第1の電極100は同一としても良い。また、図示はされていないが、第2の電極107の両側にも第3の電極108が設けられ、このような構造が繰り返し設けられた構造である。
【0099】
図3(C)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0100】
図5(A)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図5(A)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0101】
半導体層102は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107及び第3の電極108から第1の電極100を電気的に絶縁している。第2の電極107及び第3の電極108は半導体層102上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107、第3の電極108を覆って形成される。
【0102】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されていてもよい。すなわち、導電層105a及び導電層105bは半導体層102に接しておらず、導電層105aは、幅(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103の幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長方向の長さ)が、第1の複合材料よりなる層104の幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されていてもよい。
【0103】
図5(A)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0104】
図5(B)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図5(B)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0105】
半導体層102は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107及び第3の電極108から第1の電極100を電気的に絶縁している。第2の電極107及び第3の電極108は半導体層102上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107、第3の電極108を覆って形成される。
【0106】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されている。すなわち、図5(B)の半導体素子は、図5(A)と異なり、第2の複合材料よりなる層103、第1の複合材料よりなる層104、導電層105a、及び導電層105bがそれぞれ半導体層102と接するよう形成されている。そのため、導電層105a及び導電層105bの表面を覆うように、第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104が形成されており、導電層105a及び導電層105bは絶縁膜101と接しない構成となっている。
【0107】
図5(B)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0108】
図5(C)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図5(C)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0109】
半導体層102は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107及び第3の電極108から第1の電極100を電気的に絶縁している。第2の電極107及び第3の電極108は半導体層102上に形成され、絶縁膜101は半導体層102、第2の電極107、第3の電極108を覆って形成される。
【0110】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されており、半導体層102に接していない。すなわち、導電層105a及び導電層105bは半導体層102に接しておらず、導電層105aは、幅(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103の幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長方向の長さ)が、第1の複合材料よりなる層104の幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されている。
【0111】
図5に記載したような、半導体層102上に電極が配置されるような素子である場合、電極を形成する際のスパッタリングによって半導体層102の表面にダメージが入り、半導体素子としての性能が低下する場合がある。しかし、図5(C)のような構成であれば、導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されており、半導体層102に接していないため、半導体層102にダメージを与えずに金属導電層を形成することが出来るようになる。具体的にはマスクを用いて複合材料よりなる層の上のみに導電層を形成すればよい。
【0112】
図5(C)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0113】
図6(B)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図6(B)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0114】
第2の電極107及び第3の電極108は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成される。半導体層102は第2の電極107、第3の電極108を覆って形成され、絶縁膜101は半導体層102から第1の電極100を電気的に絶縁している。
【0115】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されていてもよい。すなわち、導電層105aは、幅(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103の幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長方向の長さ)が、第1の複合材料よりなる層104の幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されていてもよい。
【0116】
図6(B)では第2の電極107及び第3の電極108はより第1の電極100に近い方に各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104が形成され、導電層105a及び導電層105bは絶縁膜101から離れて形成されているが、図6(A)のように導電層105a及び導電層105bをより第1の電極100に近い方に形成し、第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104を絶縁膜101から離れて形成しても良い。図6(B)のような構成は、半導体層102と第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104と半導体層102とが接触する面積が広くなるので、正孔及び電子の注入に関し有利な構成である。図6(B)の構造は電極の積層順以外は図6(A)と同じである。
【0117】
図6(A)及び図6(B)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0118】
図6(C)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図6(C)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0119】
第2の電極107及び第3の電極108は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成される。半導体層102は第2の電極107、第3の電極108を覆って形成され、絶縁膜101は半導体層102から第1の電極100を電気的に絶縁している。
【0120】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103の2層、第3の電極108は導電層105bと第1の複合材料よりなる層104との2層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103と、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104とは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。導電層105a及び導電層105bの周辺部は各々第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104の周辺部に至らない内側に形成されている。すなわち、図6(C)の半導体素子は、導電層105a及び導電層105bの表面を覆うように、第2の複合材料よりなる層103及び第1の複合材料よりなる層104が形成されており、導電層105a及び導電層105bは半導体層102と接しない構成となっている。
【0121】
図6(C)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0122】
図7(A)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図7(A)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0123】
第2の電極107及び第3の電極108は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成される。半導体層102は第2の電極107、第3の電極108を覆って形成され、絶縁膜101は半導体層102から第1の電極100を電気的に絶縁している。
【0124】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103a、第1の複合材料よりなる層104aの3層、第3の電極108は導電層105bと第2の複合材料よりなる層103b、第1の複合材料よりなる層104bとの3層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103aと、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bとは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。また、第2の電極107における第1の複合材料よりなる層104aと第2の複合材料よりなる層103aはその少なくとも一部が接して設けられており、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bと第2の複合材料よりなる層103bはその少なくとも一部が接して設けられる。導電層105a及び導電層105bの周辺部はこれら複合材料よりなる層の周辺部に至らない内側に形成されていても良い。すなわち、導電層105aは、幅が(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103a及び第1の複合材料よりなる層104aの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長h横行の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103b及び第1の複合材料よりなる層104bの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されていても良い。
【0125】
なお、第2の複合材料よりなる層103a、103bは図1(A)の説明における第2の複合材料よりなる層103の材料で形成することができ、第1の複合材料よりなる層104a、104bは図1(A)の説明における第1の複合材料よりなる層104の材料で形成することが出来る。
【0126】
図7(A)に記載の本発明の半導体素子は、第2の電極107及び第3の電極108が、第2の複合材料よりなる層、第1の複合材料よりなる層の両方の層を有し、さらに第2の複合材料よりなる層と第1の複合材料よりなる層が接していることから、電子または正孔の注入性が向上し、より駆動電圧を低下させることが出来るようになる。
【0127】
また、図7(A)に記載の構成は同じマスクで三度成膜を繰り返すのみで第2の電極107及び第3の電極108を作製することが可能である為、さらに簡便に作製することができる半導体素子とすることができる。なお、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層の積層順はこの逆であっても良い。
【0128】
図7(A)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0129】
図7(B)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図7(B)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0130】
第2の電極107及び第3の電極108は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成される。半導体層102は第2の電極107、第3の電極108を覆って形成され、絶縁膜101は半導体層102から第1の電極100を電気的に絶縁している。
【0131】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103a、第1の複合材料よりなる層104aの3層、第3の電極108は導電層105bと第2の複合材料よりなる層103b、第1の複合材料よりなる層104bとの3層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103aと、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bとは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。また、第2の電極107における第1の複合材料よりなる層104aと第2の複合材料よりなる層103aその少なくとも一部が接して設けられており、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bと第2の複合材料よりなる層103bはその少なくとも一部が接して設けられる。導電層105a及び導電層105bの周辺部はこれら複合材料よりなる層の周辺部に至らない内側に形成されていても良い。すなわち、導電層105aは、幅が(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103aの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103bの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されていても良い。
【0132】
なお、第2の複合材料よりなる層103a、103bは図1(A)の説明における第2の複合材料よりなる層103の材料で形成することができ、第1の複合材料よりなる層104a、104bは図1(A)の説明における第1の複合材料よりなる層104の材料で形成することが出来る。
【0133】
図7(B)に記載の本発明の半導体素子は、第2の電極107及び第3の電極108が、第2の複合材料よりなる層、第1の複合材料よりなる層の両方の層を有し、さらに第2の複合材料よりなる層と第1の複合材料よりなる層が接していることから、電子または正孔の注入性が向上し、より駆動電圧を低下させることが出来るようになる。なお、図7(B)に示した本発明の半導体素子では、電子を注入する側の第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103aの半導体層102と接する部分が第1の複合材料よりなる層104aより第3の電極108側に位置し、正孔を注入する側の第3の電極108においては、第1の複合材料よりなる層104bの半導体層102と接する部分が第2の複合材料よりなる層103bより第2の電極107側に位置していることから、電子及び正孔の再結合確率や注入効率が向上すると考えられ、好ましい構成である。
【0134】
また、図7(B)に記載の構成は第2の電極107及び第3の電極108の3層のうち、1層目を成膜した後同じマスクを少しずらして2層目、3層目の成膜を行うのみで第2の電極107及び第3の電極108を作製することが可能である為、非常に簡便に作製することができる半導体素子である。なお、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層の積層順はこの逆であっても良いが、電子を注入する側の第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103aの半導体層102と接する部分が第1の複合材料よりなる層104aより第3の電極108側に位置し、正孔を注入する側の第3の電極108においては、第1の複合材料よりなる層104bの半導体層102と接する部分が第2の複合材料よりなる層103bより第2の電極107側に位置するように、第2の電極107の形状と第3の電極108の形状も逆にする。
【0135】
図7(B)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0136】
図7(C)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図7(C)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0137】
第2の電極107及び第3の電極108は図示しない絶縁性の基板や絶縁膜など任意の絶縁体上に形成される。半導体層102は第2の電極107、第3の電極108を覆って形成され、絶縁膜101は半導体層102から第1の電極100を電気的に絶縁している。
【0138】
また、第2の電極107は導電層105aと第2の複合材料よりなる層103a、第1の複合材料よりなる層104aの3層、第3の電極108は導電層105bと第2の複合材料よりなる層103b、第1の複合材料よりなる層104bとの3層でそれぞれ形成されている。第2の電極107における第2の複合材料よりなる層103aと、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bとは半導体層102に少なくとも一部が接触するように設けられている。また、第2の電極107における第1の複合材料よりなる層104aと第2の複合材料よりなる層103aその少なくとも一部が接して設けられており、第3の電極108における第1の複合材料よりなる層104bと第2の複合材料よりなる層103bはその少なくとも一部が接して設けられる。導電層105a及び導電層105bの周辺部はこれら複合材料よりなる層の周辺部に至らない内側に形成されていても良い。すなわち、導電層105aは、幅が(チャネル長方向の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103aの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成され、導電層105bも、幅(チャネル長h横行の長さ)が、第2の複合材料よりなる層103bの幅(チャネル長方向の長さ)よりも短く形成されていても良い。
【0139】
なお、第2の複合材料よりなる層103a、103bは図1(A)の説明における第2の複合材料よりなる層103の材料で形成することができ、第1の複合材料よりなる層104a、104bは図1(A)の説明における第1の複合材料よりなる層104の材料で形成することが出来る。
【0140】
図7(C)に記載の本発明の半導体素子は、第2の電極107及び第3の電極108が、第2の複合材料よりなる層、第1の複合材料よりなる層の両方の層を有し、さらに第2の複合材料よりなる層と第1の複合材料よりなる層が接していることから、電子または正孔の注入性が向上し、より駆動電圧を低下させることが出来るようになる。なお、図7(B)に示した本発明の半導体素子では、電子を注入する側の第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103aの半導体層102と接する部分が第1の複合材料よりなる層104aより第3の電極108側に位置し、正孔を注入する側の第3の電極108においては、第1の複合材料よりなる層104bの半導体層102と接する部分が第2の複合材料よりなる層103bより第2の電極107側に位置していることから、電子及び正孔の再結合確率や注入効率が向上すると考えられ、好ましい構成である。なお、第1の複合材料よりなる層と第2の複合材料よりなる層の積層順はこの逆であっても良いが、電子を注入する側の第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103aの半導体層102と接する部分が第1の複合材料よりなる層104aより第3の電極108側に位置し、正孔を注入する側の第3の電極108においては、第1の複合材料よりなる層104bの半導体層102と接する部分が第2の複合材料よりなる層103bより第2の電極107側に位置するように、第2の電極107の形状と第3の電極108の形状も逆にする。
【0141】
図7(D)は図7(C)の応用例であり、図4に示したような櫛形の電極を有し、いくつもの半導体素子が繋がっている構成の場合に図7(C)の形状の半導体素子を適用した例であり、図7(D)は図4におけるα―βの断面図に相当する。この構成は第2の電極107の両側に第3の電極108が存在し、そのどちら側の半導体層102からも発光を得ることができる。また、第1の電極100を別にすれば別々に発光を制御することができる。もちろん第1の電極100は同一としても良い。また、図示はされていないが、第2の電極107の両側にも第3の電極108が設けられ、このような構造が繰り返し設けられた構造である。
【0142】
図7(C)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0143】
図8(A)〜(D)に異なる構成を有する本発明の半導体素子を示す。図8(A)〜(D)に記載の本発明の半導体素子は第1の電極100、絶縁膜101、半導体層102、第2の電極107、第3の電極108よりなっている。
【0144】
図8の構成において、図8(A)は図1(A)、図8(B)は図2(A)、図8(C)は図5(A)、図8(D)は図6(A)の構成とほぼ同じであるが、第2の電極107が第2の複合材料よりなる層103、第1の複合材料よりなる層104a、導電層105aからなる3層構造であり、第2の複合材料よりなる層103と第1の複合材料よりなる層104aが接していることが各々異なる点である。
【0145】
第2の電極107において、第2の電極107に第2の複合材料よりなる層103と第1の複合材料よりなる層104aの積層構造が含まれることによって、第2の複合材料よりなる層103から半導体層102により電子が注入されやすくなり、駆動電圧がより低下した半導体素子とすることができる。
【0146】
なお、図8では図1(A)、図2(A)、図5(A)及び図6(A)に対応する図面のみ示したが、もちろん図8の構成は図1、図2、図5及び図6に記載の本発明の半導体素子に適宜適用することが可能である。
【0147】
図8(A)〜(D)に記載の本発明の半導体素子におけるその他の構成、材料及び効果については図1(A)と同じであるため、図1(A)の記載に準ずることとし、繰り返しの説明を省略する。
【0148】
図1〜図8の半導体素子は第1の電極100をゲート電極、第2の電極107及び第3の電極108のどちらかがソース電極、他方がドレイン電極である有機トランジスタである。また、半導体層102より発光を得ることができることから有機発光トランジスタと言うこともできる。
【0149】
この有機トランジスタもしくは有機発光トランジスタは半導体層102が、電子と正孔、どちらが主要キャリアであるかによってp型トランジスタとn型トランジスタとに分かれる。そのため、p型の本発明の有機トランジスタもしくは有機発光トランジスタの場合は、それらを駆動する際に第2の電極107と第3の電極108のうち、高い電圧をかける方の電極をソース電極、低い電圧をかける方の電極をドレイン電極と呼び、n型の本発明の有機トランジスタもしくは有機発光トランジスタの場合は、それらを駆動する際に第2の電極107と第3の電極108のうち、低い電圧をかける方の電極をソース電極、高い電圧をかける方の電極をドレイン電極と呼ぶ。
【0150】
p型の本発明の有機トランジスタもしくは有機発光トランジスタにおいてはソース電極に少なくとも第1の複合材料よりなる層を含み、ソース電極における当該第1の複合材料よりなる層が半導体層102に接しており、ドレイン電極に少なくとも第2の複合材料よりなる層を含み、ドレイン電極における当該第2の複合材料よりなる層が半導体層102に接している構成となっている。また、n型の本発明の有機トランジスタもしくは有機発光トランジスタにおいてはソース電極に少なくとも第2の複合材料よりなる層を含み、ソース電極における当該第2の複合材料よりなる層が半導体層102に接しており、ドレイン電極に少なくとも第1の複合材料よりなる層を含み、ドレイン電極における当該第1の複合材料よりなる層が半導体層102に接している構成となっている。
【0151】
(実施の形態2)
本実施の形態では図1〜図8とは異なる構成を有する本発明の半導体素子を図9〜図12を参照しながら説明する。
【0152】
図9(A)〜(C)に示す本発明の半導体素子は、第1の電極100、絶縁膜101、電子輸送性を有する層106e、第2の電極107、第3の電極108、半導体層102よりなっており、基本的な構成において図9(A)は図2(A)、図9(B)は図3(B)、図9(C)は図8(B)に各々対応する。それぞれ対応する構成において異なる部分は絶縁膜101と第2の電極107、第3の電極108、半導体層102との間に電子輸送性を有する層106eが形成されていることである。
【0153】
図9(A)〜(C)いずれの構成も第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103もしくは103aが少なくとも電子輸送性を有する層106eに接するように形成し、第3の電極108においては第1の複合材料よりなる層104もしくは104bが少なくとも半導体層102に接するように形成する。
【0154】
このような構成を有する本発明の半導体素子では、第2の電極107と第3の電極108との間に第3の電極108の方が電圧が高くなるように一定以上の電圧をかけると第2の電極107から電子輸送性を有する層106eに対して電子が注入され、第3の電極108から半導体層102に対して正孔が注入される。このような構成とすることによって、半導体層102の電子輸送性が小さい場合にも電子が電子輸送性を有する層106eの方に注入されるため、さらに、正孔及び電子の注入性や輸送性も向上させることができ、駆動電圧を低下させることが可能となる。注入された電子と正孔が再結合することによって半導体層102の分子が結果として励起され、励起された分子が基底状態に戻る際に発光を得ることができる。
【0155】
電子輸送性を有する層106eの材料としてはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−ビフェニリル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ))等のトリアゾール誘導体、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、4,4−ビス(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等、電子輸送性の比較的高い材料を用いる。図9の構成においては、半導体層102の材料としては実施の形態1で述べた材料を用いることができるが、図9の構成は特に、一般的にp型半導体と言われている材料もしくはホスト材料として正孔輸送性の材料を用いた場合に効果的な構成である。なお、正孔と電子の再結合をしやすくする為、電子輸送性を有する層106eと半導体層102とのエネルギー障壁はなるべく小さくなるような組み合わせを選択することが望ましい。
【0156】
その他の構成及びその効果については、図9(A)は図2(A)、図9(B)は図3(B)、図9(C)は図8(B)と同じであるため、繰り返しの説明を省略する。各々対応する図の説明を参照されたい。なお、図2については図2(A)のみ、図3については図3(B)のみ例を挙げて説明したたが、図2(B)、図3(C)、図3(D)についても図9の構成を適用することが可能である。
【0157】
図10(A)〜(C)に示す本発明の半導体素子は、第1の電極100、絶縁膜101、正孔輸送性を有する層106h、第2の電極107、第3の電極108、半導体層102よりなっており、基本的な構成は図10(A)は図2(A)、図10(B)は図3(B)、図10(C)は図8(B)に各々対応する。それぞれ対応する構成において異なる部分は絶縁膜101と第2の電極107、第3の電極108、半導体層102との間に正孔輸送性を有する層106hが形成されていることである。
【0158】
図10(A)〜(C)いずれの構成も第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103もしくは103aが少なくとも半導体層102に接するように形成し、第3の電極108においては第1の複合材料よりなる層104もしくは104bが少なくとも正孔輸送性を有する層106hに接するように形成する。
【0159】
このような構成を有する本発明の半導体素子では、第2の電極107と第3の電極108との間に第3の電極108の方が電圧が高くなるように一定以上の電圧をかけると第2の電極107から半導体層102に対して電子が注入され、第3の電極108から正孔輸送性を有する層106hに対して正孔が注入される。このような構成にすることによって、半導体層102の正孔輸送性が小さい場合にも大きな電界をかけることなく発光を得ることができる。また、正孔及び電子の注入性や輸送性も向上させることができることから、駆動電圧を低下させることも可能となる。注入された電子と正孔が再結合することによって半導体層102の分子が結果として励起され、励起された分子が基底状態に戻る際に発光を得ることができる。
【0160】
正孔輸送性を有する層106hの材料としては4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等正孔輸送性の比較的高い材料を用いる。図10の構成においては、半導体層102の材料としては実施の形態1で述べた材料を用いることができるが、図10の構成は特に、一般的にn型半導体と言われている材料もしくはホスト材料として電子輸送性の材料を用いた場合に効果的な構成である。なお、正孔と電子の再結合をしやすくする為、正孔輸送性を有する層106hと半導体層102とのエネルギー障壁はなるべく小さくなるような組み合わせを選択することが望ましい。
【0161】
その他の構成及びその効果については、図10(A)は図2(A)、図10(B)は図3(B)、図10(C)は図8(B)と同じであるため、繰り返しの説明を省略する。各々対応する図の説明を参照されたい。なお、図2については図2(A)のみ、図3については図3(B)のみ例を挙げて説明したたが、図2(B)、図3(C)、図3(D)についても図10の構成を適用することが可能である。
【0162】
図11(A)〜(C)に示す本発明の半導体素子は、第1の電極100、絶縁膜101、電子輸送性を有する層106e、第2の電極107、第3の電極108、半導体層102よりなっており、基本的な構成は図11(A)は図6(A)、図11(B)は図7(B)、図11(C)は図8(D)に各々対応する。それぞれ対応する構成において異なる部分は第2の電極107、第3の電極108及び半導体層102に接して電子輸送性を有する層106eが形成されていることである。
【0163】
図11(A)〜(C)いずれの構成も第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103もしくは103aが少なくとも電子輸送性を有する層106eに接するように形成し、第3の電極108においては第1の複合材料よりなる層104もしくは104bが少なくとも半導体層102に接するように形成する。
【0164】
このような構成を有する本発明の半導体素子では、第2の電極107と第3の電極108との間に第3の電極108の方が電圧が高くなるように一定以上の電圧をかけると第2の電極107から電子輸送性を有する層106eに対して電子が注入され、第3の電極108から半導体層102に対して正孔が注入される。このような構成とすることによって、正孔及び電子の注入性や輸送性も向上させることができることから、駆動電圧を低下させることが可能となる。また、注入された電子と正孔が再結合することによって半導体層102の分子が結果として励起され、励起された分子が基底状態に戻る際に発光を得ることができる。このような構成では、半導体層102の電子輸送性が小さい場合にも大きな電界をかけることなく発光を得ることができる。
【0165】
電子輸送性を有する層106eの材料としてはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))等の金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−ビフェニリル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ))等のトリアゾール誘導体、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、4,4−ビス(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等電子輸送性の比較的高い材料を用いる。図11の構成においては、半導体層102の材料としては実施の形態1で述べた材料を用いることができるが、図11の構成は特に、一般的にp型半導体と言われている材料もしくはホストとして正孔輸送性の材料を用いた場合に効果的な構成である。なお、正孔と電子の再結合をしやすくする為、電子輸送生成を有する層106eと半導体層102とのエネルギー障壁はなるべく小さくなるような組み合わせを選択することが望ましい。
【0166】
その他の構成及びその効果については、図11(A)は図6(A)、図11(B)は図7(B)、図11(C)は図8(D)と同じであるため、繰り返しの説明を省略する。各々対応する図の説明を参照されたい。なお、図6については図6(A)のみ、図7については図7(B)のみ例を挙げて説明したたが、図6(B)、図7(C)、図7(D)についても図11の構成を適用することが可能である。
【0167】
図12(A)〜(C)に示す本発明の半導体素子は、第1の電極100、絶縁膜101、正孔輸送性を有する層106h、第2の電極107、第3の電極108、半導体層102よりなっており、基本的な構成は図12(A)は図6(A)、図12(B)は図7(B)、図12(C)は図8(D)に各々対応する。それぞれ対応する構成において異なる部分は第2の電極107、第3の電極108及び半導体層102に接して正孔輸送性を有する層106hが形成されていることである。
【0168】
図12(A)〜(C)いずれの構成も第2の電極107においては第2の複合材料よりなる層103もしくは103aが少なくとも半導体層102に接するように形成し、第3の電極108においては第1の複合材料よりなる層104もしくは104bが少なくとも正孔輸送性を有する層106hに接するように形成する。
【0169】
このような構成を有する本発明の半導体素子では、第2の電極107と第3の電極108との間に第3の電極108の方が電圧が高くなるように一定以上の電圧をかけると第2の電極107から半導体層102に対して電子が注入され、第3の電極108から正孔輸送性を有する層106hに対して正孔が注入される。このような構成とすることによって、正孔及び電子の注入性や輸送性も向上させることができることから、駆動電圧を低下させることが可能となる。そして、注入された電子と正孔が再結合することによって半導体層102の分子が結果として励起され、励起された分子が基底状態に戻る際に発光を得ることができる。このような構成では、半導体層102の正孔輸送性が小さい場合にも大きな電界をかけることなく発光を得ることができる。
【0170】
正孔輸送性を有する層106hの材料としては4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等正孔輸送性の比較的高い材料を用いる。図12の構成においては、半導体層102の材料としては実施の形態1で述べた材料を用いることができるが、図12の構成は特に、一般的にn型半導体と言われている材料、もしくはホスト材料として電子輸送性の材料を用いた場合に効果的な構成である。なお、正孔と電子の再結合をしやすくする為、正孔輸送生成を有する層106hと半導体層102とのエネルギー障壁はなるべく小さくなるような組み合わせを選択することが望ましい。
【0171】
その他の構成及びその効果については、図12(A)は図6(A)、図12(B)は図7(B)、図12(C)は図8(D)と同じであるため、繰り返しの説明を省略する。各々対応する図の説明を参照されたい。なお、図6については図6(A)のみ、図7については図7(B)のみ例を挙げて説明したたが、図6(B)、図7(C)、図7(D)についても図12の構成を適用することが可能である。
【0172】
(実施の形態3)
本発明の半導体素子の作製方法について図2(C)を例に挙げて図13を参照しながら説明する。
【0173】
まず、石英基板16上にタングステンからなる第1の電極15を100nm成膜し、第1の電極上15に二酸化ケイ素(SiO)からなる絶縁膜12を100nm成膜し、絶縁膜12上にタングステンからなる導電層17a、17bを100nm成膜する。第1の電極15はタングステンをスパッタ法などにより基板全面に成膜した後、フォトリソグラフィーによってマスクを形成し、エッチングを行い所望の形状とすればよい。エッチングはウエットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いてもよい。絶縁膜12はCVD法により、形成する。また、導電層17a、17bは第1の電極15と同様に形成すればよい。そして、導電層17aの上に第2の複合材料よりなる層13aとしてAlqとリチウムを重量比で1:0.01になるように抵抗加熱による真空蒸着でマスクを用いて共蒸着して、10nm成膜し、導電層17bの上に第1の複合材料よりなる層13bとして酸化モリブデンとNPBをモル比で1:1になるように抵抗加熱による真空蒸着でマスクを用いて共蒸着して、10nm成膜した。これにより導電層17aと第2の複合材料よりなる層13aからなる第2の電極と導電層17bと第1の複合材料よりなる層13bからなる第3の電極を形成する。その後、半導体層11としてペンタセンを第2の電極と第3の電極の間に蒸着にて成膜し、本発明の半導体素子を作成することができる。半導体層11はマスクを用いて蒸着すると良い。
【0174】
図1、図2(A)、(B)、図3、図5、図6、図7及び図8に記載の本発明の半導体素子の作製方法については基本的に上記した作製順とマスクの形状を変更するのみであって大きな違いは無く、同様に作製することができ、当業者が適宜なし得ることである。なお、図1(B)、図5(B)に記載の構成のように半導体層11上に導電層を形成する場合はマスクを用いた真空蒸着によって金を蒸着することによって形成すれば半導体層11のダメージが少なくて済む。
【0175】
なお、図9〜図12に記載の本発明の半導体素子については各々所定の位置に正孔輸送性を有する層106hもしくは電子輸送性を有する層106eを真空蒸着法などによって成膜することによって作製でき、当業者が適宜なし得ることである。正孔輸送性を有する層106hもしくは電子輸送性を有する層106eの膜厚は10〜100nmが好ましいがこの限りではない。
【0176】
(実施の形態4)
本実施の形態では実施の形態1または2に記載の半導体素子を用いた本発明の発光装置について説明する。なお、本発明の発光装置は発光素子を有する画素部が形成されたパネル、該パネルにICなどの半導体素子を制御する手段が実装されたモジュール、外部にICなどの半導体素子を制御する手段を備えるモジュールとをその範疇に含む。
【0177】
図14に本発明の発光装置の断面図(A)と上面図(B)の例を示した。図14に示した発光装置は本発明の発光装置の極単純な一例であり、もちろん本発明の発光装置はこれ以外の構造を有していても構わず、本発明の発光装置は少なくとも実施の形態1または2に記載の半導体素子と当該半導体素子を制御する手段とを備えるものである。
【0178】
図14(A)は基板200上に下地絶縁膜201が設けられ、下地絶縁膜201上に第1の電極202及び外部接続部203が形成されている。第1の電極202を覆って第1の絶縁膜204が形成され、その上に第2の複合材料よりなる層205、導電層207aからなる第2の電極、第1の複合材料よりなる層206、導電層207bからなる第3の電極が設けられている。さらに、第2の電極、第3の電極及びその間を覆って半導体層208が形成され、半導体素子214が形成される。
【0179】
半導体素子214は第2の絶縁膜209によって保護されていても良い。このような半導体素子214を複数形成し、発光装置の表示部を形成する。半導体素子214が形成された画素部はシール材210を用いて封止基板211などによって封止し、外部環境から保護すると良い。封止基板211と第2の絶縁膜209との間にできた空間には不活性気体を充填したり、乾燥材を設置したりしても良い。
【0180】
外部接続部203は異方性導電膜212を介してフレキシブルプリント基板(FPC)213などと電気的に接続される。半導体素子214を制御する手段(図示せず)からの信号はこのFPC213を介して画素部に入力される。
【0181】
図14(B)は発光装置の上面から見た模式図である。本実施の形態における発光装置は、半導体素子が形成された素子基板501と封止基板502とが張り合わされ、素子基板501に形成された画素部503は封止基板502とシール材により封止されている。画素部503の周辺に設けられた外部接続部504にはフレキシブルプリント配線(FPC)が接続され、外部からの信号が入力される。なお、本実施の形態のように、駆動回路とフレキシブルプリント配線とは独立して設けられていてもよいし、または配線パターンが形成されたFPC上にICチップが実装されたTCP等の様に複合して設けられていてもよい。
【0182】
なお、発光装置の封止構造やモジュールの形態については、もちろんこれに限らず、有機ELパネルに関する技術を踏襲して公知の技術により作製することができる。
【0183】
本発明の発光装置は基板をプラスチックのような軽いが熱的に弱い基板を用いて作製することができるため、非常に軽量な発光装置とすることができる。また、プラスチックなどはまた可撓性を有することから可撓性を有する発光装置とすることができる。また、作製する要素が少ないため、歩留まりが高く、コストダウンに有利なため、安価に作製することができる発光装置である。
【0184】
(実施の形態5)
実施の形態4に示したような発光装置は、図15(A)、(B)、(C)に示すように、電話機や、テレビ受像機等に実装することができる。また、IDカードの様な個人情報を管理する機能を有するカード等に実装してもよい。
【0185】
図15(A)は本発明の携帯電話機の図であり、本体5552には表示部5551と、音声出力部5554、音声入力部5555、操作スイッチ5556、5557、アンテナ5553等によって構成されており、表示部5551に実施の形態4に記載の発光装置が用いられている。この携帯電話機は、表示部5551が非常に軽量であるため軽量な携帯電話機とすることができる。また、表示部5551が安価に作製できるため、コストパフォーマンスに優れた携帯電話機とすることができる。
【0186】
図15(B)は、本発明のテレビ受像機であり、表示部5531、筐体5532、スピーカー5533などによって構成されており、表示部5531に実施の形態4に記載の発光装置が用いられている。このテレビ受像機は、表示部5531が非常に軽量であるため軽量なテレビ受像器とすることができる。また、表示部5531が安価に作製できるため、コストパフォーマンスに優れたテレビ受像器とすることができる。
【0187】
図15(C)は、本発明のIDカードであり、支持体5541、表示部5542、支持体5541内に組み込まれた集積回路チップ5543等によって構成されおり、表示部5542に実施の形態4に記載の発光装置が用いられている。なお、表示部5542を駆動するための集積回路5544、5545についても支持体5541内に組み込まれている。このIDカードは、表示部5542を有しながら非常に軽量で薄い形状を保っている。また、表示部5542が安価に作製できるため、表示部5542を有しながら安価に作製できるIDカードである。また、例えば、表示部5542において、集積回路チップ5543において入出力された情報を表示し、どのような情報が入出力されたかを確認することができる。
【0188】
(実施の形態6)
本発明の他の実施の形態として実施の形態1又は2に記載の半導体素子を可撓性を有する発光装置に適用した例について図16を参照しながら示す。
【0189】
図16に示す本発明の発光装置は筐体に入っていても良く、本体610、画像を表示する画素部611、ドライバIC612、受信装置613、フィルムバッテリー614などを含んでいる。ドライバICや受信装置などは半導体部品を用い実装しても良い。本発明の発光装置は本体610を構成する材料をプラスチックやフィルムなど可撓性を有する材料で形成する。これらの様な材料は熱的に脆弱なものが多いが、実施の形態1又は2に記載の半導体素子を用いて画素部を形成することによってこのような熱に弱い材料を用いて発光装置を作製することができるようになる。
【0190】
このような発光装置は非常に軽く、可撓性を有していることから筒状に丸めることも可能であり、持ち運びに非常に有利な発光装置である。本発明の発光装置により大画面の表示媒体を自由に持ち運びすることができる。
【0191】
また、このような本発明の発光装置は開口率が高い発光装置である。また、有機EL素子を用いた発光装置と比較して作製するべき要素が少ないため、歩留まりが高い発光装置である。また本発明の発光装置は簡便に作製することが可能な発光装置でもある。さらに、本発明の発光装置は、駆動電圧が小さく消費電力の小さい発光装置である。
【0192】
尚、図16に示した発光装置は、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)に加え、冷蔵庫装置、洗濯機、炊飯器、固定電話装置、真空掃除機、体温計など家庭電化製品から、電車内の吊し広告、鉄道駅や空港の発着案内版など大面積のインフォメーションディスプレイまで、主に静止画像を表示する手段として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図2】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図3】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図4】本発明の有機発光トランジスタの上面模式図。
【図5】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図6】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図7】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図8】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図9】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図10】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図11】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図12】本発明の有機発光トランジスタの断面模式図。
【図13】本発明の有機発光トランジスタの作製方法を示す図。
【図14】本発明の発光装置の断面及び上面模式図。
【図15】本発明の電子機器を表す図。
【図16】本発明の電子機器を表す図。
【符号の説明】
【0194】
11 半導体層
12 絶縁膜
13a 第2の複合材料よりなる層
13b 第1の複合材料よりなる層
15 第1の電極
16 石英基板
17a 導電層
17b 導電層
100 第1の電極
101 絶縁膜
102 半導体層
103 第2の複合材料よりなる層
103a 第2の複合材料よりなる層
103b 第2の複合材料よりなる層
103c 第2の複合材料よりなる層
103d 第2の複合材料よりなる層
103e 第2の複合材料よりなる層
104 第1の複合材料よりなる層
104a 第1の複合材料よりなる層
104b 第1の複合材料よりなる層
104c 第1の複合材料よりなる層
104d 第1の複合材料よりなる層
104e 第1の複合材料よりなる層
105a 導電層
105b 導電層
105c 導電層
105d 導電層
105e 導電層
106e 電子輸送性を有する層
106h 正孔輸送性を有する層
107 第2の電極
108 第3の電極
109 チャネル長方向
200 基板
201 下地絶縁膜
202 第1の電極
203 外部接続部
204 絶縁膜
205 第2の複合材料よりなる層
206 第1の複合材料よりなる層
207a 導電層
207b 導電層
208 半導体層
209 絶縁膜
210 シール材
211 封止基板
212 異方性導電膜
213 フレキシブルプリント基板(FPC)
214 半導体素子
501 素子基板
502 封止基板
503 画素部
504 外部接続部
610 本体
611 画素部
612 ドライバIC
613 受信装置
614 フィルムバッテリー
5531 表示部
5532 筐体
5533 スピーカー
5541 支持体
5542 表示部
5543 集積回路チップ
5544 集積回路
5551 表示部
5552 本体
5553 アンテナ
5554 音声出力部
5555 音声入力部
5556 操作スイッチ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記第1の電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
前記半導体層に電子を注入する第2の電極と、
前記半導体層に正孔を注入する第3の電極とを有し、
前記第3の電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第2の電極は少なくとも一部に、電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接することを特徴とする半導体素子。
【請求項2】
第1の電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記第1の電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
前記半導体層に電子を注入する第2の電極と、
前記半導体層に正孔を注入する第3の電極とを有し、
前記第3の電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第2の電極は少なくとも一部に、電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記第3の電極は前記第1の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接しないことを特徴とする半導体素子。
【請求項3】
請求項2において、
前記導電層のチャネル長方向の長さは、前記第1の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短いことを特徴とする半導体素子。
【請求項4】
請求項2において、
前記導電層は、前記第1の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする半導体素子。
【請求項5】
第1の電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記第1の電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
前記半導体層に電子を注入する第2の電極と、
前記半導体層に正孔を注入する第3の電極とを有し、
前記第3の電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第2の電極は少なくとも一部に、電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記第3の電極は前記第1の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接することを特徴とする半導体素子。
【請求項6】
請求項5において、
前記導電層は、前記第1の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする半導体素子。
【請求項7】
第1の電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記第1の電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
前記半導体層に電子を注入する第2の電極と、
前記半導体層に正孔を注入する第3の電極とを有し、
前記第3の電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第2の電極は少なくとも一部に、電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記第2の電極は前記第2の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接しないことを特徴とする半導体素子。
【請求項8】
請求項7において、
前記導電層のチャネル長方向の長さは、前記第2の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短いことを特徴とする半導体素子。
【請求項9】
請求項7において、
前記導電層は、前記第2の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする半導体素子。
【請求項10】
第1の電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記第1の電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
前記半導体層に電子を注入する第2の電極と、
前記半導体層に正孔を注入する第3の電極とを有し、
前記第3の電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第2の電極は少なくとも一部に、電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記第2の電極は前記第2の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接することを特徴とする半導体素子。
【請求項11】
請求項10において、
前記導電層は、前記第2の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする半導体素子。
【請求項12】
第1の電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記第1の電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
前記半導体層に電子を注入する第2の電極と、
前記半導体層に正孔を注入する第3の電極とを有し、
前記第2の電極は少なくとも一部に、電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第2の電極において、前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接して形成され、
前記第3の電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層と前記第2の複合材料よりなる層とを有し、
前記第3の電極は、前記第1の複合材料よりなる層、前記第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成され、
前記第3の電極において、前記第1の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、前記第1の複合材料よりなる層と前記第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする半導体素子。
【請求項13】
第1の電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記第1の電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
前記半導体層に電子を注入する第2の電極と、
前記半導体層に正孔を注入する第3の電極とを有し、
前記第3の電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第3の電極において、前記第1の複合材料よりなる層は前記半導体層に接して形成され、
前記第2の電極は少なくとも一部に、電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層と前記第1の複合材料よりなる層とを有し、
前記第2の電極は、前記第1の複合材料よりなる層、前記第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成され、
前記第2の電極において、前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、前記第1の複合材料よりなる層と前記第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする半導体素子。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか一項において、
前記第2の電極と前記第3の電極との間に電圧をかけた際、前記半導体層が発光することを特徴とする半導体素子。
【請求項15】
請求項1乃至請求項13のいずれか一項において、
前記第2の電極と前記第3の電極との間に電圧をかけた際、前記半導体層が発光し、
前記第1の電極にかける電圧を変化させることで発光輝度が変化することを特徴とする半導体素子。
【請求項16】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項17】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記ソース電極は、前記第1の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接しないことを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項18】
請求項17において、
前記導電層のチャネル長方向の長さは、前記第1の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短いことを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項19】
請求項17において、
前記導電層は、前記第1の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項20】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記ソース電極は、前記第1の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項21】
請求項20において、
前記導電層は、前記第1の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項22】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記ドレイン電極は、前記第2の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接しないことを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項23】
請求項22において、
前記導電層のチャネル長方向の長さは、前記第2の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短いことを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項24】
請求項22において、
前記導電層は、前記第2の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項25】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記ドレイン電極は、前記第2の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項26】
請求項25において、
前記導電層は、前記第2の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項27】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極において、前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接して形成され、
前記ソース電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層と前記第2の複合材料よりなる層とを有し、
前記ソース電極は、前記第1の複合材料よりなる層、前記第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成され、
前記ソース電極において、前記第1の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、前記第1の複合材料よりなる層と前記第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項28】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記ソース電極において、前記第1の複合材料よりなる層は前記半導体層に接して形成され、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層と前記第1の複合材料よりなる層とを有し、
前記ドレイン電極は、前記第1の複合材料よりなる層、前記第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成され、
前記ドレイン電極において、前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、前記第1の複合材料よりなる層と前記第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項29】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項30】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記ソース電極は、前記第2の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接しないことを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項31】
請求項30において、
前記導電層のチャネル長方向の長さは、前記第2の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短いことを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項32】
請求項30において、
前記導電層は、前記第2の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項33】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記ソース電極は、前記第2の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項34】
請求項33において、
前記導電層は、前記第2の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項35】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記ドレイン電極は、前記第1の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接しないことを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項36】
請求項35において、
前記導電層のチャネル長方向の長さは、前記第1の複合材料よりなる層のチャネル長方向の長さよりも短いことを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項37】
請求項35において、
前記導電層は、前記第1の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項38】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記第1の複合材料よりなる層及び第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、
前記ドレイン電極は、前記第1の複合材料よりなる層と導電層との2層で形成され、前記導電層は、前記半導体層に接することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項39】
請求項38において、
前記導電層は、前記第1の複合材料よりなる層に覆われていることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項40】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層を有し、
前記ドレイン電極において、前記第1の複合材料よりなる層は前記半導体層に接して形成され、
前記ソース電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層と前記第1の複合材料よりなる層とを有し、
前記ソース電極は、前記第1の複合材料よりなる層、前記第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成され、
前記ソース電極において、前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、前記第1の複合材料よりなる層と前記第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項41】
ゲート電極と、
有機化合物を含む半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層を電気的に絶縁する絶縁膜と、
ソース電極と、
ドレイン電極とを有し、
前記ソース電極は少なくとも一部に電子輸送性を有する有機化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含む第2の複合材料よりなる層を有し、
前記ソース電極において、前記第2の複合材料よりなる層は前記半導体層に接して形成され、
前記ドレイン電極は少なくとも一部に正孔輸送性を有する有機化合物と金属酸化物とを含む第1の複合材料よりなる層と前記第2の複合材料よりなる層とを有し、
前記ドレイン電極は、前記第1の複合材料よりなる層、前記第2の複合材料よりなる層、及び導電層の3層で形成され、
前記ドレイン電極において、前記第1の複合材料よりなる層は前記半導体層に接しており、前記第1の複合材料よりなる層と前記第2の複合材料よりなる層は、少なくとも一部において接していることを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項42】
請求項16乃至請求項41のいずれか一項において、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間に電圧をかけた際、前記半導体層が発光することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項43】
請求項16乃至請求項41のいずれか一項において、
前記ソース電極と前記ドレイン電極の間に電圧をかけた際、前記半導体層が発光し、
前記ゲート電極にかける電圧を変化させることで発光輝度が変化することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項44】
請求項16乃至請求項43のいずれか一項に記載の有機トランジスタを画素部に備え、
前記有機トランジスタを制御する手段を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項45】
請求項16乃至請求項43のいずれか一項に記載の有機トランジスタを画素部に備え、
前記有機トランジスタを制御する手段を備えた表示部を有することを特徴とする電気機器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−324655(P2006−324655A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−117011(P2006−117011)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】