説明

半導体装置の製造方法、実装方法、及び製造装置

【課題】 格子状に配置された突起電極を用いた実装において、実装プロセスを複雑化することなく、フラックスの揮発及び/又はパッケージ反り等に起因する突起電極の接続不良の発生を抑制する。
【解決手段】 半導体部品110の突起電極面110aを凹状に変形させて半導体部品110を吸着し、凹状に変形された突起電極面110aの突起電極113をフラックス又は半田ペースト171内に浸漬させて、突起電極113にフラックス又は半田ペースト172を転写する。その後、突起電極113を基板120上の電極パッド122に位置合わせして半導体部品110を基板120上にマウントし、吸着を解除した後、突起電極113と電極パッド122とを半田接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子状に配置された突起電極を用いて半導体装置を実装することを含む半導体装置の製造方法、半導体装置の実装方法、及び半導体装置の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の高機能化・小型化に伴い、それに搭載される半導体チップや半導体パッケージの外部接続電極の多数化・高密度化が進められている。そのため、フリップチップ実装用の多数の半田バンプを有する半導体チップ(以下、フリップチップとも称する)や、多数の半田ボールを有するボールグリッドアレイ(BGA)型の半導体パッケージが広く使用されるに至っている。半田バンプ又は半田ボール等の突起状の外部接続電極は、半導体チップ又は半導体パッケージの一主面上に格子状に配置される。フリップチップをパッケージ基板に実装するとき、又はBGAパッケージをマザーボード等の配線基板に実装するとき、格子状の多数の突起電極は、基板表面に同様の配置で形成された多数の電極パッドに位置合わせされ、半田リフローによって接続される。
【0003】
しかしながら、従来の実装技術においては図1−3に示すような問題があった。
【0004】
図1及び2は、典型的なフリップチップ実装における問題を示している。先ず、図1を参照するに、フリップチップ10をパッケージ基板20に接続するリフロー工程が、(a)昇温過程、(b)終了時について示されている。
【0005】
フリップチップ10は、シリコン(Si)等を有する半導体基板11と、その表面に形成されたポリイミド等の保護膜12と、半田バンプ13とを有する。保護膜12には、半導体基板11上の電極パッドの位置に対応して開口部が設けられ、半田パンプ13は、該開口部にて、バリアメタルとなるアンダーバンプメタル(UBM)14を介して電極パッドに接続されている。パッケージ基板20は、絶縁体を有する基板21と、その表面に形成された電極パッド22と、電極パッド22の位置に開口部を有するソルダーレジスト23と、該開口部にて電極パッドに接続された予備半田24とを有する。また、半田バンプ13には、リフロー工程に先立って、転写プロセスによってフラックス72が付着される。故に、リフロー時、半田バンプ13及びパッケージ基板側の予備半田24は、それらの表面の酸化膜がフラックス72によって除去されて溶融接合される。
【0006】
昇温過程(図1(a))において、外部雰囲気に直接曝されるチップ外周部の半田バンプのフラックス72は、その他のフラックス72より揮発しやすく、安定した半田接合が得られる温度(例えば、220℃−240℃)に達する前に相当量が揮発する。故に、チップ外周部の半田バンプ13とそれに対応するパッケージ基板側の予備半田24との間で、半田表面の酸化膜を除去するのに必要なフラックス量を維持することができなくなり得る。その結果、チップ中央部で良好な半田接合30が得られたとしても、チップ外周部では、酸化膜を介して接触しただけの所謂コールドジョイント31が発生し得る(図1(b))。コールドジョイント31は、物理的には接触しているが、電気的に断線している接続不良である。なお、このフラックス量不足問題は、リフロー後の洗浄を容易化あるいは排除するために用いられる低残渣性のフラックスにおいて顕著である。
【0007】
続いて図2を参照するに、図1の問題の対策として、全ての半田バンプ13に対して、増量されたフラックス72’を転写した場合が示されている。図2(a)は、図1(a)と同様にリフロー工程における昇温過程、図2(b)は、リフロー終了後に更にアンダーフィル樹脂80の充填を行った後の様子を示している。チップ外周部においても必要量のフラックスが残存するように転写量を増加させること(図2(a))により、コールドジョイントの発生を回避し、良好な半田接合を得ることができる(図2(b))。しかしながら、対照的に、フラックスが揮発しにくいチップ中央部において、固化した多量のフラックス残渣物73がリフロー後に残存し得る。特にチップ中央部のフラックス残渣物73は、洗浄によって除去することが難しく、アンダーフィル充填時に樹脂の流動を阻害し、ボイド81等の充填不良を発生させる。フラックス残渣物73及びボイド81は、フリップチップ10とパッケージ基板20との接続信頼性を低下させる要因となる。
【0008】
続いて、典型的なBGAパッケージ実装における問題を説明する。図3を参照するに、BGAパッケージ40をマザーボード等の配線基板50に接続するリフロー工程が、(a)開始前、(b)昇温過程、(c)終了時について示されている。
【0009】
BGAパッケージ40は、パッケージ基板41と、半導体チップ42と、半田ボール43と、モールド樹脂44とを有する。パッケージ基板41は、絶縁基板45をベースに製造されており、半田ボール43が溶融接合されるボールパッド46を有する。パッケージ基板41はまた、ボールパッド46を露出させる開口部を有するソルダーレジスト47を有する。パッケージ基板41は更に、モールド樹脂44によって封止されるチップ搭載面にボンディングパッドを有し、対応し合うボンディングパッドとボールパッド46とが、絶縁基板の表面及び内部に形成された配線層及びビアによって電気的に接続されている。そして、半導体チップ42上の電極パッドが、パッケージ基板の対応するボンディングパッドに金属ワイヤ48によって電気的に接続されている。
【0010】
配線基板50は、絶縁体を有する基板51と、その表面に形成された電極パッド52と、電極パッド52の位置に開口部を有するソルダーレジスト53と、該開口部内にスクリーン印刷によって塗布され、電極パッド52に接触する半田ペースト54とを有する。BGAパッケージ40は、典型的に常温にて、その半田ボール43を配線基板50の半田ペースト54に接触させて、配線基板50上に搭載(マウント)される。そして、リフローによって半田ボール43と半田ペースト54とが溶融接合し、BGAパッケージ40が配線基板50上に固定される。
【0011】
リフロー前(図3(a))において、常温ではBGAパッケージ40及び配線基板50は有意な反りを有さず、全ての半田ボール43は対応する半田ペースト54と接触している。しかしながら、リフロー時の昇温過程(図3(b))において、BGAパッケージ40は、モールド樹脂44及び半導体チップ42と比較してパッケージ基板41の線膨張係数が大きいという構造上の特性により凹状に反る。その結果、パッケージ外周部の半田ボール43が浮き上がり、配線基板50側の半田ペースト54との間に隙間32が生じる。すなわち、パッケージ外周部において、半田ボール43と配線基板の電極パッド52との間隙を埋めるのに必要な量の半田ペーストが存在せず、半田ボール43と半田ペースト54とが分離し、溶融温度に達した時に互いに接合することができない。そして、降温過程を経てリフロー工程が終了した時(図3(c))、BGAパッケージ40の反りが消滅しても、パッケージ外周部の半田ボールと半田ペーストは、上述のコールドジョイントと同様に、単に物理的に接触しただけの接続不良33を形成する。なお、BGAパッケージ40のサイズが大きくなるほど、反り量の絶対値が大きくなるため、接続不良33の発生率も高くなる。
【0012】
接続不良33の対策として、リフロー時に隙間32が形成されないよう、パッケージ外周部の半田ボール43と配線基板パッド52との間隙を充填するのに十分の量まで半田ペースト54の印刷量を増加させることが考えられる。しかしながら、対照的に、隙間32が元々生じないパッケージ中央部において、半田ペースト量が過大となり、半田ブリッジ等の別の問題が発生する。また、半田ペースト54の塗布に使用する印刷マスクの開口径を、外周部で相対的に大きくすることで、外周部と中央部とで半田ペースト印刷量を異ならせることや、印刷マスクの開口径及び厚さの双方によって半田ペースト印刷量を増加させることも考えられる。しかしながら、開口径の増大は隣接ボール間でのショートを発生しやすくさせ、また、スクリーン印刷法では印刷性の観点から半田ペーストのアスペクト比に限界があり、これらの手法で隙間32の発生を回避するのに十分な半田ペースト量を得ることは困難である。
【0013】
このような状況に鑑み、BGAパッケージ実装に関し、半田ボールに半田ペーストを転写するプロセスを用い、転写ステージ上に配設される半田ペーストの膜厚を、パッケージ外周部に対応した位置で相対的に厚くする技術が提案されている。それらの技術は、凸状の3次元形状を有する変形可能な底板を転写ステージ上に配置することにより、あるいは平坦な底面を有する転写ステージ上で3次元動作可能なスキージを用いることにより、半田ペーストに凹状の膜厚分布を持たせようとするものである。これらは、パッケージ反りに対応した膜厚分布を有する半田ペーストを転写ステージ上で作り出し、それを半田ボールに転写することによって、リフロー時に半田ボールと半田ペーストとの間に隙間が形成されることを抑制し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2007−287778号公報
【特許文献2】特開2008−66624号公報
【特許文献3】特開2008−66625号公報
【特許文献4】特開2008−72036号公報
【特許文献5】特開2008−72037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
転写ステージで半田ペーストに膜厚分布を持たせる既知の技術は、しかしながら、一般的な半田ペースト転写プロセスに対して追加の部材及び制御を必要とする。例えば、変形可能な底板を転写ステージ上に配置する技術は、この底板という追加の消耗材とともに、転写ステージ上で該底板の位置を維持するための手段を必要とすると考えられる。また、3次元動作可能なスキージを用いる技術は、該スキージという特殊な部材とともに、その3次元動作を制御するための高度な手段を必要とする。このような追加の部材や制御は、半田ペーストの転写プロセスを複雑化し、スループットの低下及びコストの上昇をもたらし得るものである。
【0016】
さらに、大型のBGAパッケージ等において一層大きな反りが発生するような場合、それに対応した量の半田ペーストを半田ボールに転写するには、より大きい粘性を有する半田ペーストを使用する等、転写プロセスに新たな制約が付加され得る。また、これらの技術は、半田バンプへのフラックス転写への適用に適しておらず、転写されたフラックスが揮発することに起因する半田バンプの接続不良の発生を効果的に抑制し得るものではない。例えば、フラックスは半田ペーストより粘性が低いため、スキージを用いて膜厚分布を形成することは困難である。また、変形可能な底板を用いた場合も、変形時にフラックス膜厚が変化し、フラックス転写量を高精度に制御することは困難である。仮に剛体の底板を用いたとすると、チップ外周部の半田バンプのフラックス浸漬深さも同一となり、転写量に十分な差を設けることができない。
【0017】
故に、格子状に配置された突起電極を用いた実装において、実装プロセスを複雑化することなく、フラックスの揮発及び/又はパッケージ反り等に起因する突起電極の接続不良の発生及び接続信頼性の低下を抑制し得る技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一観点によれば、半田突起電極を有する半導体チップを吸着する工程と、突起電極をフラックス内に浸漬させる工程とを含む半導体装置の製造方法が提供される。半導体チップは、その突起電極面に格子状に配置された半田突起電極を有し、突起電極面が凹状に変形するようにして吸着される。そして、凹状に変形された状態で突起電極へのフラックス転写が行われる。当該方法は更に、半導体チップを基板上に搭載する工程と、吸着の解除後、突起電極と基板上の電極パッドとを半田接合する工程とを含む。
【0019】
他の一観点によれば、半田突起電極を有する半導体パッケージを吸着する工程と、突起電極を半田ペースト内に浸漬させる工程とを含む半導体装置の実装方法が提供される。半導体パッケージは、その突起電極面に格子状に配置された半田突起電極を有し、突起電極面が凹状に変形するようにして吸着される。そして、凹状に変形された状態で突起電極への半田ペースト転写が行われる。当該方法は更に、半導体パッケージを基板上に搭載する工程と、吸着の解除後、突起電極と基板上の電極パッドとを半田接合する工程とを含む。
【0020】
更なる他の一観点によれば、半導体部品を吸着する吸着ツールと、フラックス又は半田ペーストが塗布される転写ステージとを含む装置が提供される。吸着ツールは、半導体部品の電極面を凹状に変形させるように半導体部品を吸着する。当該装置は更に、凹状に変形された電極面の突起電極をフラックス又は半田ペーストに浸漬させるように吸着ツールを移動させる手段を含む。
【発明の効果】
【0021】
半導体チップ又はパッケージの突起電極面が吸着ツール形状に応じて凹状に変形されることにより、該チップ又はパッケージの外周部の突起電極へのフラックス又は半田ペーストの転写量を、中央部の突起電極に対して増加させることができる。故に、既存の吸着ツールの形状を変更することで、外周部での転写量不足による接続不良の発生などを抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来のフリップチップ実装における問題を示す断面図である。
【図2】従来のフリップチップ実装における問題を示す断面図である。
【図3】従来のBGAパッケージ実装における問題を示す断面図である。
【図4】一実施形態に係る半導体装置の製造方法又は実装方法を示す断面図である。
【図5】一実施形態に係る半導体装置の製造方法又は実装方法を示す断面図である。
【図6】突起電極面内でのフラックス又は半田ペーストの転写量分布を示す図である。
【図7】吸着ツールの吸着面形状の変形例を示す断面図である。
【図8】半導体装置の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図9】半導体装置の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図10】半導体装置の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図11】半導体チップの曲げ加重と変位量との関係を例示するグラフである。
【図12】半導体装置の実装方法の一実施例を示す断面図である。
【図13】半導体装置の実装方法の一実施例を示す断面図である。
【図14】BGAパッケージの曲げ加重と変位量との関係を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。なお、図面において、種々の構成要素は必ずしも同一の尺度で描かれていない。また、図面全体を通して、同一あるいは対応する構成要素には同一あるいは類似の参照符号を付する。
【0024】
図4及び5を参照して、一実施形態に係る半導体装置の製造方法又は実装方法が有する主な工程を説明する。
【0025】
先ず、図4(a)に示すように、半導体部品110上に吸着ツール160を移動させる。半導体部品110は、格子状に配置された複数の突起電極113を有し、突起電極113が形成された突起電極面110aを下にして置かれている。ここで、半導体部品110は、一例において、半田バンプ113を有する半導体素子(フリップチップ)であり、他の一例において、半田ボール113を有するBGAパッケージである。吸着ツール160は、半導体部品110と接触する吸着面160a側で凹曲面を有し、少なくとも半導体部品110の中央部において、吸着面160aと半導体部品の上面110bとの間に空隙165が形成される。そして、吸着ツール160には、空隙165と連通する位置に吸気口161が設けられている。
【0026】
次いで、図4(b)に示すように、吸着ツール160を用いて半導体部品110をピックアップする。このとき、吸着ツール160による真空吸着により、半導体部品110は吸着面160aの凹曲面に沿って湾曲する。すなわち、半導体部品110は、その突起電極面110aが凹状になるように変形し、空隙165が消滅する。
【0027】
次いで、図4(c)に示すように、吸着ツール160を転写ステージ170上に移動し、該ステージ上の塗膜171に半導体部品の突起電極を浸漬する。なお、塗膜171は、半導体部品110がフリップチップである場合にはフラックス、半導体部品110がBGAパッケージである場合には半田ペーストとし得る。また、転写ステージ170は、フラックス又は半田ペースト171が塗布される上面において実質的に平坦であり、塗布されるフラックス又は半田ペースト171の膜厚は実質的に均一である。このとき、突起電極面110aが凹状に変形されているため、半導体部品110の外周部に行くほど、突起電極113がフラックス又は半田ペースト171に浸漬される深さが増大する。
【0028】
次いで、図4(d)に示すように、吸着ツール160及び半導体部品110を転写ステージ170から引き上げる。このとき、各突起電極113に、その浸漬深さに応じた量のフラックス又は半田ペースト172が付着する。すなわち、深く浸漬された外周部の突起電極113の方が、浅く浸漬された中央部の突起電極113より、多くのフラックス又は半田ペースト172が転写される。
【0029】
半導体部品の突起電極面110a内での転写量分布の一例を図6に示す。この図は、転写量を4つの範囲に分類して模式的に示している。吸着ツールの吸着面160a、及びそれに応じて半導体部品の突起電極面110aが、半導体部品110の中心軸を回転軸とする例えば放物面又は二葉双曲面等の曲面を有する場合、該中心軸の周りに同心円状の転写量分布が形成される。
【0030】
続いて、図5(a)に示すように、吸着ツール160を基板120上に移動し、突起電極113を基板140上の電極パッド122に位置合わせして、半導体部品110を基板120にマウントする。次いで、図5(b)に示すように、吸着ツール160の吸着を解除して真空を開放すると、半導体部品110の湾曲は元に戻る。
【0031】
次いで、図5(c)に示すように、リフローにより突起電極113と基板の電極パッド122とを溶融接合するために加熱する。
【0032】
フリップチップ110をパッケージ基板又はその他の基板120に実装する場合、このリフロー加熱により、半田バンプ113に転写されたフラックス172は、チップ外周部においてチップ中央部においてより揮発しやすい。しかしながら、突起電極面110aを凹状に変形させた状態でフラックス転写を行ったことにより、チップ外周部の半田バンプにはチップ中央部の半田バンプより多くのフラックス172が転写されている。故に、半田溶融温度に達する前にフラックス172が揮発してチップ外周部でフラックス不足が生じることを回避し得る。また、チップ中央部の半田バンプ113へのフラックス転写量は、フラックス過多による残渣物の発生及びフラックス不足によるコールドジョイントの発生を生じない適切な量に維持することができる。
【0033】
チップの外周部と中央部との間での好適なフラックス転写量の差は、図4(c)における浸漬深さで見て、チップ最外周の半田バンプでチップ中央の半田バンプの1.5倍から3倍の範囲内にし得る。使用するフラックスの揮発しやすさ等に依存するが、1.5倍より小さいと、外周部でのフラックス不足が解消されない可能性がある。3倍より大きいと、外周部でのフラックス残渣物の発生、及び、必要となる大きいチップ湾曲度に起因するチップへのダメージ及び/又はチップ外縁へのフラックス171の付着の発生の危険性が高まり得る。もっとも、チップ外周部でのフラックス残渣物は、図2(b)に示したようなチップ中央部での残渣物と比較して、リフロー後の洗浄により除去することが容易である。
【0034】
BGAパッケージ110を配線基板120に実装する場合、リフロー加熱により、図3に示したように、パッケージ110は凹状に反る傾向にある。しかしながら、突起電極面110aを凹状に変形させた状態で半田ペースト転写を行ったことにより、チップ外周部の半田ボールにはチップ中央部の半田ボールより多くの半田ペースト172が転写されている。故に、パッケージ外周部で半田ペースト量が、半田ボール113と基板電極パッド122との間隙を埋めるのに十分でない状況が生じることを回避し得る。また、パッケージ中央部の半田ボール113への半田ペースト転写量は、半田ペースト過多による端子間ブリッジを生じない適切な量に維持することができる。
【0035】
パッケージの外周部と中央部との間での好適な半田ペースト転写量の差は、パッケージ110の反り量に基づいて決定し得る。例えば、図4(c)における浸漬深さで見て、パッケージ最外周の半田ボールは、チップ中央の半田ボールを基準にして、該反り量に相当する深さだけ余分に半田ペースト171内に浸漬される。外周部での浸漬深さの追加量がパッケージ反り量より過小であると、外周部での半田ペースト不足が解消されない可能性がある。逆に、追加量が該反り量より過大であると、外周部での半田量が過多となって端子間ブリッジを生じさせたり、大きいパッケージ湾曲度に起因してパッケージへのダメージ及び/又はパッケージ外縁への半田ペースト171の付着を生じさせたりする危険性が高まる。
【0036】
斯くして、図5(d)に示すように、半導体部品110と基板120とが半田接合130によって接続される。
【0037】
本実施形態によれば、半導体部品外周部において突起電極113へのフラックス又は半田ペースト172の転写量を中央部に対して増加させ、フラックスの揮発及び/又はパッケージ反り等に起因する接続不良の発生及び接続信頼性の低下を抑制することができる。また、これは吸着ツールの吸着面160aの形状を変更することにより行い得るため、半導体部品の実装プロセスを複雑化したり、そのコストを上昇させたりすることがない。さらに、実質的に均一な膜厚を有するフラックス又は半田ペースト171への浸漬深さによって転写量が決定されるため、高い精度で転写量を制御することができる。
【0038】
なお、図4及び5においては、吸着ツールの吸着面160aが凹曲面を呈し、該曲面に沿って半導体部品110を所望形状に湾曲させるものとした。このように、転写プロセスにおいて半導体部品110に所望される形状を吸着面160aが予め有することにより、半導体部品にダメージを与えることなく、半導体部品を該形状に変形させるのに必要な力以上の任意の力で半導体部品を吸着することができる。しかしながら、吸着面160aの形状はこれに限定されず、図7に例示するような様々な形状を有し得る。
【0039】
図7(a)において、吸着面160aは概して平面を形成し、その外縁部にリング状の突起部162を有している。突起部162は、転写プロセスにおいて半導体部品の突起電極113に所望される高低差に対応した高さを有する。図7(b)において、吸着面160aは円錐形状を有している。これらの形状は、曲面と比較して容易に形成し得る。これらの形状を用いた場合、吸着面160aと半導体部品110との間に空隙165を残存させながら、半導体部品の突起電極面110aを凹状に湾曲させることができる。
【0040】
吸着面160aはまた、以上で図示した例においては半導体部品110の大きさと同等以上の大きさを有していたが、そのように限定されるものではない。凹状の吸着面を半導体部品110の中央付近の一部のみに当接させて半導体部品を吸着することによっても、外周部を含む突起電極面110aに傾斜を生じさせることができる。
【0041】
次に、図8−11を参照して、半導体装置の製造方法の一実施例を説明する。
【0042】
先ず、半田バンプを下にして置かれた半導体素子(フリップチップ)210の上に吸着ツール260を移動させる(図8(a))。
【0043】
フリップチップ210は、Si等を有する半導体基板211と、その表面に形成されたポリイミド等の保護膜212と、格子状に配置された半田バンプ213とを有する。保護膜212には、半導体基板211上の電極パッドの位置に対応して開口部が設けられており、半田パンプ213は、該開口部にて、バリアメタルとなるアンダーバンプメタル(UBM)214を介して該電極パッドに接続されている。UBM214は、例えば、ニッケル(Ni)メッキ等によって形成されている。フリップチップ210の各部の寸法は、例えば、チップサイズ15mm□、チップ厚0.3mm、半田バンプピッチ180μm、バンプ高さ80μmとし得る。
【0044】
フリップチップ210をピックアップする吸着ツール260は、例えば深さ20μmの凹形状を呈する吸着面260aを有している。吸着ツール260はまた、吸着するフリップチップ210の中央部付近に対応した位置に吸気口261を有している。
【0045】
フリップチップ210を吸着ツール260で真空吸着すると、チップ上面と吸着ツールの吸着面260aとで閉鎖された空間内が負圧になり、大気圧との差圧により、吸着面260aの形状に沿ってフリップチップ210が湾曲する(図8(b))。その結果、最外周の半田バンプとチップ中央部の半田バンプとの間に20μm程度の高低差が生じる。なお、15mm□×0.3mm厚のSiチップを20μm湾曲させるのに必要な力は、図11に示すように0.1kgf以下である。一方、マウント時に使用される典型的な吸着ツールにおいて、差圧によって15mm□の半導体素子が受ける力はおよそ2.3kgfであり、フリップチップ210は吸着面260aの形状に沿って容易に弾性変形し得る。
【0046】
次いで、吸着ツール260をフラックス転写ステージ270上に移動し、フリップチップ210が湾曲した状態でフラックス転写を行う(図8(c))。転写ステージ270上には、予め、フラックス271が例えば40μmの厚さで塗布されている。最外周の半田バンプが転写ステージ270の上面に接触するまでフリップチップ210を降下させたとき、最外周の半田バンプはフラックス中に40μm浸漬されるが、中央のバンプは20μmしか浸漬されない。なお、この例において半田バンプ高さは上述のように80μmであり、フリップチップ210の外縁部がフラックス271に接触しないことが確保される。
【0047】
吸着ツール260をフラックス転写ステージ270から引き上げるとフラックス271に深く浸漬された半田バンプほど、より多くのフラックス272が付着し、チップ外周部の半田バンプに対し選択的にフラックス転写量を増加させることができる(図8(d))。逆に言えば、この選択的な転写量増加を実現するために、チップ中央部及び外周部の半田バンプ213の浸漬深さ、故に、吸着面260aの凹形状の深さ及びフラックス271の塗布厚さを決定することができる。例えば、中央部及び外周部に適した浸漬深さが、それぞれ、20μm及び40μmである場合、この例においてのように、吸着面260aの凹形状の深さ及びフラックス271の塗布厚さは、それぞれ、20μm及び40μmに決定し得る。好適な浸漬深さは、使用するフラックスの揮発しやすさ等に応じて異なり得るが、上述のように中央部を基準にして外周部で1.5倍から3倍程度であり、多くの例において2倍とし得る。
【0048】
次いで、吸着ツール260をパッケージ基板220上に移動し、半田バンプ213と基板の電極パッド222とを位置合わせして、フリップチップ210を基板220にマウントする(図9(a))。この例において、基板220は、絶縁基板221と、その表面に形成された電極パッド222と、電極パッド222の位置に対応して開口部を有するソルダーレジスト223と、該開口部を介して電極パッド222に接続された予備半田224とを有している。その後、吸着ツール260をフリップチップ210から取り外すと、湾曲されていたフリップチップ210は吸着前の形状へと戻る(図9(b))。
【0049】
リフロー時、半田溶融温度に達する前に転写フラックス272の一部は揮発するが(図9(c))、より揮発しやすいチップ外周部においても十分な量が残存し、酸化膜が介在しない良好な半田接合230を得ることができる(図9(d))。また、チップ中央部においても適量のフラックス272が転写されているため、フラックス残渣物の発生を抑制することができる。
【0050】
その後、必要に応じて、フラックス洗浄を行い、フリップチップ210とパッケージ基板220との間の隙間にアンダーフィル樹脂280を充填する(図10(a))。典型的に、ディスペンサの塗布ノズル282を用いて、フリップチップ210の一辺側からアンダーフィル樹脂280を供給する。アンダーフィル樹脂280は、フラックス残渣物などによって流動を阻害されることなく、毛細管現象によってフリップチップ210と基板220との間の隙間を充填する。その後、アンダーフィル樹脂280を硬化させて封止を完了するが、ボイドのないアンダーフィルを形成し得る(図10(b))。それにより、フリップチップ210とパッケージ基板220との間の接続信頼性が高められた半導体装置を製造することができる。
【0051】
次に、図12−14を参照して、半導体装置の実装方法の一実施例を説明する。
【0052】
先ず、半田ボールを下にして置かれたBGAパッケージ310の上に吸着ツール360を移動させる(図12(a))。
【0053】
BGAパッケージ310は、パッケージ基板341と、半導体チップ342と、半田ボール313と、モールド樹脂344とを有する。パッケージ基板341は、絶縁基板345をベースに製造されており、半田ボール313が溶融接合されるボールパッド346を有する。パッケージ基板341はまた、ボールパッド346を露出させる開口部を有するソルダーレジスト347を有する。パッケージ基板341は更に、モールド樹脂344によって封止されるチップ搭載面にボンディングパッドを有し、対応し合うボンディングパッドとボールパッド346とが、絶縁基板345の表面及び内部に形成された配線層及びビアによって電気的に接続されている。そして、半導体チップ342上の電極パッドが、パッケージ基板341の対応するボンディングパッドに金属ワイヤ348によって電気的に接続されている。なお、他の例においては、BGAパッケージ310はフリップチップを含んだ構成を有していてもよい。BGAパッケージ310の各部の寸法は、例えば、パッケージサイズ20mm□、パッケージ厚0.8mm、半田ボールピッチ0.8mm、半田ボール高さ0.3mmとし得る。
【0054】
BGAパッケージ310をピックアップする吸着ツール360は、例えば深さ100μmの凹形状を呈する吸着面360aを有している。吸着ツール360はまた、吸着するパッケージ310の中央部付近に対応した位置に吸気口361を有している。
【0055】
BGAパッケージ310を吸着ツール360で真空吸着すると、パッケージ上面と吸着ツールの吸着面360aとで閉鎖された空間内が負圧になり、大気圧との差圧により、吸着面360aの形状に沿ってパッケージ310が湾曲する(図12(b))。その結果、最外周の半田ボールと中央の半田ボールとの間に100μm程度の高低差が生じる。なお、20mm□×0.9mm厚の典型的なファインピッチBGA(FBGA)パッケージを100μm湾曲させるのに必要な力は、図14に示すように1.3kgf程度である。一方、マウント時に使用される典型的な吸着ツールにおいて、差圧によって20mm□のパッケージが受ける力はおよそ4kgfであり、BGAパッケージ310は吸着面360aの形状に沿って容易に弾性変形し得る。また、100μmの湾曲量は、パッケージサイズ20mmに対して0.5%であり、パッケージ310及びその内部の半導体チップ342にダメージを与えることもない。
【0056】
次いで、吸着ツール360を半田ペースト転写ステージ370上に移動し、BGAパッケージ310が湾曲した状態で半田ペースト転写を行う(図12(c))。転写ステージ370上には、予め、半田ペースト371が例えば200μmの厚さで塗布されている。最外周の半田ボールが転写ステージ370の上面に接触するまでBGAパッケージ310を降下させたとき、最外周の半田ボールは半田ペースト中に200μm浸漬されるが、中央部の半田ボールは100μmしか浸漬されない。なお、この例において半田ボール高さは上述のように300μmであり、パッケージ310の外縁部が半田ペースト371に接触しないことが確保される。
【0057】
吸着ツール360を半田ペースト転写ステージ370から引き上げると半田ペースト371に深く浸漬された半田ボールほど、より多くの半田ペースト372が付着し、外周部の半田ボールに対し選択的に半田ペースト転写量を増加させることができる(図12(d))。逆に言えば、この選択的な転写量増加を実現するために、パッケージ中央部及び外周部の半田ボール313の浸漬深さ、故に、吸着面360aの凹形状の深さ及び半田ペースト371の塗布厚さを決定することができる。例えば、後のリフロー時にBGAパッケージ310の外縁部が100μm反り上がる場合、中央部及び外周部に適した浸漬深さを、それぞれ、100μm及び200μmとし得る。その場合、この例においてのように、吸着面360aの凹形状の深さ及び半田ペースト371の塗布厚さは、それぞれ、100μm及び200μmに決定し得る。このように、パッケージ外周部における好適な浸漬深さは、リフロー工程において想定されるBGAパッケージ310の反り量と同程度の値を、中央部での好適浸漬深さに足し合わせた値としてもよい。
【0058】
次いで、吸着ツール360をマザーボード等の配線基板320上に移動させ、半田ボール313と基板の電極パッド322とを位置合わせして、BGAパッケージ310を基板320にマウントする(図13(a))。この例において、基板320は、絶縁基板321と、その表面に形成された電極パッド322と、電極パッド322の位置に対応して開口部を有するソルダーレジスト323とを有している。その後、吸着ツール360をBGAパッケージ310から取り外すと、湾曲されていたパッケージ310は吸着前の形状へと戻る(図13(b))。
【0059】
リフロー時、半田溶融温度に達する以前からBGAパッケージ310は凹状に反り得る。しかしながら、想定される反り量に応じて増量された半田ペースト372がパッケージ外周部の半田ボールに転写されていることにより、半田ボール313と基板側電極パッド322とが半田ペースト372で接続された状態が維持される(図13(c))。冷却後、BGAパッケージ310の反りが解消されたとき、BGAパッケージのボールパッド346と基板電極パッド322との間に、良好な半田接合330を得ることができる(図13(d))。それにより、BGAパッケージ310と配線基板320との間の接続信頼性を高めることができる。
【0060】
この実施例の一変形例として、BGAパッケージ310のマウント(図13(a))に先立って、配線基板の電極パッド322上に、例えば100μmといった均一厚さの半田ペーストをスクリーン印刷してもよい。このBGAパッケージ310に接続される電極パッド322上への半田ペーストの印刷は、配線基板320上に実装される他の部品に接続される電極パッドへのそれと同時に行い得る。
【0061】
その場合、半田ペーストの転写プロセス(図12(c)及び(d))において、パッケージ中央部の半田ボールに半田ペースト372を転写すると、該部分で半田ペースト量が過多になり得る。故に、パッケージ中央部の半田ボールには半田ペースト372が転写されないように転写プロセスを変更することが好ましい。これは、吸着ツールの吸着面360aの凹形状の深さを、転写ステージ370上の半田ペースト371の厚さ以上にすることによって行い得る。例えば、想定されるパッケージ反り量が100μmであるとした上述の例において、吸着面360aの凹形状の深さを100μmとしたままで、転写ステージ370上の半田ペーストの厚さを100μmにすることで行い得る。あるいは、さらに吸着面360aの凹形状の深さを100μmより大きくしてもよい。
【0062】
斯くして、パッケージ中央部ではスクリーン印刷された半田ペーストのみを用い、外周部ではスクリーン印刷されたものと半田ボールに転写されたもの(372)とを足し合わせた半田ペーストを用いることにより、図13及び14の方法と同様の効果を得ることができる。
【0063】
以上、実施形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0064】
以上の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
格子状に配置された半田突起電極を有する半導体チップを、該半導体チップの突起電極面を凹状に変形させて吸着する工程と、
凹状に変形された前記突起電極面の前記突起電極をフラックス内に浸漬させて、前記突起電極にフラックスを転写する工程と、
前記半導体チップを基板上に、前記突起電極を該基板上の電極パッドに位置合わせして搭載する工程と、
前記吸着を解除した後に、前記突起電極と前記電極パッドとを半田接合する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記突起電極面は、格子状に配置された前記突起電極のうち、最外周の突起電極が中央部の突起電極より1.5倍から3倍の深さで前記フラックス内に浸漬されるように凹状に変形されることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記最外周の突起電極は前記中央部の突起電極より2倍の深さで前記フラックス内に浸漬されることを特徴とする付記2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
格子状に配置された半田突起電極を有する半導体パッケージを、該半導体パッケージの突起電極面を凹状に変形させて吸着する工程と、
凹状に変形された前記突起電極面の前記突起電極を半田ペースト内に浸漬させて、前記突起電極に半田ペーストを転写する工程と、
前記半導体パッケージを基板上に、前記突起電極を該基板上の電極パッドに位置合わせして搭載する工程と、
前記吸着を解除した後に、前記突起電極と前記電極パッドとを半田接合する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の実装方法。
(付記5)
前記突起電極面は、格子状に配置された前記突起電極のうち、最外周の突起電極が中央部の突起電極より、前記半田接合時の前記半導体パッケージに発生する反り量に相当する深さだけ深く前記半田ペースト内に浸漬されるように凹状に変形されることを特徴とする付記4に記載の半導体装置の実装方法。
(付記6)
半導体部品を吸着する吸着ツールであり、該半導体部品の電極面を凹状に変形させる吸着ツールと、
フラックス又は半田ペーストが塗布される転写ステージと、
凹状に変形された前記電極面の突起電極を前記フラックス又は半田ペーストに浸漬させるように前記吸着ツールを移動させる手段と
を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
(付記7)
前記半導体部品を吸着する前記吸着ツールの吸着面は曲面を有し、前記吸着ツールは、前記半導体部品が前記曲面に沿って変形するように前記半導体部品を吸着することを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造装置。
(付記8)
前記半導体部品を吸着する前記吸着ツールの吸着面は、その外縁部にリング状の突起部を有することを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造装置。
【符号の説明】
【0065】
110、210、310 半導体部品(半導体チップ又はパッケージ)
110a 突起電極面
113、213、313 突起電極(半田バンプ又は半田ボール)
120、220、320 基板
122、222、322 電極パッド
130、230、330 半田接合
160、260、360 吸着ツール
160a、260a、360a 吸着面
161、261、361 吸気口
162 突起部
165 空隙
170、270、370 転写ステージ
171、271、371 塗膜(フラックス又は半田ペースト)
172、272、372 転写されたフラックス又は半田ペースト
214 アンダーバンプメタル
280 アンダーフィル樹脂
346 ボールパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に配置された半田突起電極を有する半導体チップを、該半導体チップの突起電極面を凹状に変形させて吸着する工程と、
凹状に変形された前記突起電極面の前記突起電極をフラックス内に浸漬させて、前記突起電極にフラックスを転写する工程と、
前記半導体チップを基板上に、前記突起電極を該基板上の電極パッドに位置合わせして搭載する工程と、
前記吸着を解除した後に、前記突起電極と前記電極パッドとを半田接合する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記突起電極面は、格子状に配置された前記突起電極のうち、最外周の突起電極が中央部の突起電極より1.5倍から3倍の深さで前記フラックス内に浸漬されるように凹状に変形されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
格子状に配置された半田突起電極を有する半導体パッケージを、該半導体パッケージの突起電極面を凹状に変形させて吸着する工程と、
凹状に変形された前記突起電極面の前記突起電極を半田ペースト内に浸漬させて、前記突起電極に半田ペーストを転写する工程と、
前記半導体パッケージを基板上に、前記突起電極を該基板上の電極パッドに位置合わせして搭載する工程と、
前記吸着を解除した後に、前記突起電極と前記電極パッドとを半田接合する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項4】
半導体部品を吸着する吸着ツールであり、該半導体部品の電極面を凹状に変形させる吸着ツールと、
フラックス又は半田ペーストが塗布される転写ステージと、
凹状に変形された前記電極面の突起電極を前記フラックス又は半田ペーストに浸漬させるように前記吸着ツールを移動させる手段と
を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項5】
前記半導体部品を吸着する前記吸着ツールの吸着面は曲面を有し、前記吸着ツールは、前記半導体部品が前記曲面に沿って変形するように前記半導体部品を吸着することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−187682(P2011−187682A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51434(P2010−51434)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】