半導体装置の製造方法及び半導体製造装置
【課題】アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制してサイドエッチ量のバラツキを低減する半導体装置の製造方法及び半導体製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定ステップと、前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入するダミーウエハ投入ステップと、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する半導体ウエハ投入ステップと、を有する半導体装置の製造方法とした。
【解決手段】本発明は、半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定ステップと、前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入するダミーウエハ投入ステップと、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する半導体ウエハ投入ステップと、を有する半導体装置の製造方法とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体ウエハ上に形成された複数の半導体チップにバンプを形成するにあたり、次のようにアンダーバンプを形成していた。
【0003】
まず、半導体ウエハ上に形成された各半導体チップのバンプ形成領域に、例えば下地としてのTiを蒸着し、このTi膜の上にアンダーバンプメタルとしてのCuを蒸着する(例えば、特許文献1参照)。さらに、Cu膜上にマスク膜としての例えばSn−Ag/Ni等を順に成膜している。
【0004】
そして、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術により、マスク膜に開口が形成され、この開口を介しアンダーバンプメタルのCu膜がウエットエッチング液でエッチング除去される。
【特許文献1】特開2007−317979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したCu膜は、マスク膜を介して、ウエットエッチング液により等方性エッチングされるためにサイドエッチが生じることとなる。そして、このサイドエッチ量は、微細なバンプを形成するマスクパターンになればなるほど大きくなり、それを原因とした接続不良を発生させる虞があった。このサイドエッチ量を制御するには、蒸着するCuの膜質を向上させる必要があることが分かってきた。
【0006】
一般的に、ロットごとに管理された半導体ウエハにCu膜を蒸着する場合には、収納部よりスパッタ装置のチャンバー内に搬送し、温度管理されたステージ上に載置する。
【0007】
その後、スパッタ装置のチャンバー内において、半導体ウエハにターゲットとしてのCuが蒸着される。このとき、チャンバー内には、室温を調整する機構が備えられておらず、ステージにヒータが設けられているだけであった。
【0008】
そのため、スパッタ装置は、蒸着処理する前ロットと後ロットとの間が一定期間ないようなアイドリング状態の際、チャンバー内の温度が低下してしまい、この冷えた室温状態でCuの蒸着を行っていた。他方、スパッタ装置は、1ロット内の複数の半導体ウエハを連続的に蒸着する際、チャンバー内の温度が上昇し、この所定の室温においてCuの蒸着を行っていた。結果的に、冷えた室温状態でCu膜の蒸着する際とこの所定の室温でCuの蒸着する際とでは、チャンバー内の温度変化によりCu膜質が変動してしまっていた。
【0009】
このように、スパッタ装置は、温度管理されていないために各半導体ウエハのロット毎に異なる温度環境でCu膜を蒸着していた。
【0010】
このスパッタ装置内の温度変化により、各半導体ウエハのCu膜は、グレインサイズが異なってしまい、例えば、グレインサイズが小さいCu膜が形成された半導体ウエハをエッチング処理した場合に上述したサイドエッチ量が大きくなる虞があった。
【0011】
そこで、本発明は、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制してサイドエッチ量のバラツキを低減する半導体装置の製造方法及び半導体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、かかる目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定ステップと、前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入するダミーウエハ投入ステップと、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する半導体ウエハ投入ステップと、を有する半導体装置の製造方法とした。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、前記判定ステップは、前記スパッタ装置に前記半導体ウエハ又は前記ダミーウエハを投入し蒸着処理が終了してから次の前記半導体ウエハ又は前記ダミーウエハが投入されるまでの経過時間をタイマーで測定するステップと、前記経過時間が所定時間に達したときに前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上でないと判定するステップと、を有することとした。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、前記判定ステップは、前記スパッタ装置内に設けられた温度計測部による計測結果に基づいて、前記スパッタ装置内の温度を判定することとした。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、前記スパッタ装置に投入する前の前記半導体ウエハをプリヒートチャンバー装置に投入して、前記半導体ウエハを特定温度になるように加温する加熱ステップと、を有することとした。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、前記アンダーバンプメタルを前記投入した半導体ウエハに前記スパッタ装置により前記半導体チップに蒸着するステップと、前記アンダーバンプメタル上にマスク膜を成膜するステップと、前記マスク膜の所定箇所を開口して、当該開口を介してアンダーバンプメタルをエッチングするステップと、を有することとした。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定手段と、前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと前記判定手段により判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入する第1投入手段と、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと前記判定手段が判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する第2投入手段と、を備えた半導体製造装置とした。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ロット間及びロット内の半導体ウエハにおいて、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制して半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を成膜することができる。この所定範囲の温度で成膜されたCu膜では、サイドエッチ量のバラツキを低減する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本実施形態に係る半導体製造装置の概略を説明する構成図である。図2はスパッタ装置の温度管理を示すフローチャート図である。以下に説明する半導体装置は、半導体ウエハに形成した複数の半導体チップからダイシングして製品化したものである。半導体ウエハは製品となるもので、ダミーウエハはスパッタ装置内の温度調整のために用いるものである。
【0020】
本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の特徴は、Cu膜を蒸着するスパッタ装置の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定範囲の温度でない場合にダミーウエハに蒸着処理を施し、スパッタ装置内の温度を所定温度以上とするようにしたことである。
【0021】
本実施形態に係る半導体製造装置Kは、図1に示すように、半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置10と、ダミーウエハを収容するダミーウエハ収容装置11と、を有する。さらに、半導体ウエハやダミーウエハを特定温度になるように加温するプリヒートチャンバー装置13と、蒸着処理を施す半導体ウエハを格納する製品収容装置12と、各装置の中央に設けた搬送部14と、各装置を集中的に制御する制御装置15とを有する。
【0022】
スパッタ装置10には、同スパッタ装置10の温度を測定する温度計測部23を備えている。さらに、スパッタ装置10には、同スパッタ装置10に半導体ウエハ又はダミーウエハを投入し蒸着処理が終了してから次の半導体ウエハ又はダミーウエハが投入されるまでの経過時間を測定するタイマー24を備えている。さらにまた、スパッタ装置10には、チャンバー21とチャンバー21内に半導体ウエハを載置するステージ22とを備えており、ステージ22には半導体ウエハを加温するヒータが設けられる。
【0023】
温度計測部23はスパッタ装置内10に設けるようにしてもよいし、また、本実施形態のようにスパッタ装置10の外側壁に設けるようにしてもよい。温度計測部23で測定した温度の信号及びタイマー24で測定した時間の信号は、各出力信号線33,34を介して制御装置15へ送信される。
【0024】
制御装置15は、各制御線40〜43を介して各装置10〜13を集中的に制御して、判定手段として機能する。
【0025】
搬送部14には、半導体ウエハ又はダミーウエハを各装置に搬送する搬送機構(図示しない)を備えている。この搬送機構は、第1投入手段及び第2投入手段として機能する。
【0026】
ここで、上記各装置を用いて、半導体ウエハにアンダーバンプメタルとしてのCuを蒸着し、さらに、Cu膜からなるアンダーバンプの形成する手順について説明する。
【0027】
まず、製品収容装置12から半導体ウエハを搬送部14の搬送機構で取り出して、プリヒートチャンバー装置13へ搬送する。
【0028】
プリヒートチャンバー装置13では、スパッタ装置に投入する前の半導体ウエハを特定温度になるように加温する(加熱ステップに相当する)。
【0029】
次に、プリヒートチャンバー装置13から半導体ウエハを搬送部14の搬送機構で取り出して、この半導体ウエハをスパッタ装置10へ搬送してステージ22上に載置する。
【0030】
スパッタ装置10では、半導体ウエハにアンダーバンプメタルとしてのCuを蒸着する。
【0031】
そして、スパッタ装置10から半導体ウエハをエッチング装置(図示しない)へ搬送して、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により、Cu膜からアンダーバンプを形成する。
【0032】
このスパッタ装置10は、プラズマによる蒸着処理により装置内の温度が上昇する機構であり、スパッタ装置10が連続稼働している期間中はCu膜の蒸着に適した所定温度以上を維持することができる。
【0033】
そこで、スパッタ装置10の温度をCu膜の蒸着に適した所定温度以上とするために、蒸着する半導体ウエハの次のロットがない場合には、ダミーウエハをダミーウエハ収容装置11からスパッタ装置10に搬送して、蒸着処理するようにしている。なお、ロットとは、スパッタ装置において、連続してスパッタ装置に投入できる半導体ウエハの所定枚数である。
【0034】
ここで、スパッタ装置10において、続けて蒸着する半導体ウエハの次のロットがない場合に、ダミーウエハを投入する図2(a),(b)に示す各処理フローを実行することにより、スパッタ装置10の温度を所定温度以上に維持できるようにしている。
【0035】
図2(a)に示すように、ステップS1において、制御装置15は、スパッタ装置10に蒸着処理する次のロットが準備されている場合には、本フロー処理を終了し、上述したように半導体ウエハをスパッタ装置10内に投入してCu膜の蒸着処理を実行する。
【0036】
一方、ステップS1において、制御装置15は、スパッタ装置10に次に蒸着処理する半導体ウエハの次のロットが準備されてない場合には、ステップS2に処理を移す。
【0037】
ステップS2において、制御装置15は、スパッタ装置に設けた温度計測部23による計測結果に基いて、スパッタ装置内10の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でない場合には、ステップS4に処理を移す(判定ステップに相当する)。そして、スパッタ装置内10の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上の場合には、本フローの処理が終了する。
【0038】
ステップS4において、制御装置15は、ダミーウエハ収容装置11にダミーウエハがある場合には、ステップS5へ処理を移す。そして、ダミーウエハがない場合には、本フローの処理が終了する。
【0039】
ステップS5において、制御装置15は、ダミーウエハ収容装置11より搬送部14を介してプリヒートチャンバー装置内にダミーウエハを搬送する。そして、特定温度(例えば200℃)に加温したダミーウエハ(加熱ステップに相当する)をスパッタ装置内10に搬送し、スパッタ装置10のステージ22上にダミーウエハを載置する(ダミーウエハ投入ステップに相当する)。次に、このダミーウエハにCu膜の蒸着処理を行う。プラズマによる蒸着処理によりスパッタ装置内10の温度は、上昇してCu膜の蒸着に適した所定温度以上となる。すなわち、グレインサイズの大きなCu膜の蒸着に適した所定温度以上とすることが可能となる。
【0040】
さらに、Cu膜の蒸着時に使用するスパッタ装置10へのプロセスガスをCu膜の蒸着に適した所定温度以上に加温し、Cu膜を蒸着するようにしてもよい。さらに、スパッタ装置10は蒸着処理時において、Cu膜の蒸着に適した所定温度以上となるため、半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を形成することができる。
【0041】
図2(a)に示した処理終了後、スパッタ装置で蒸着する次のロットの半導体ウエハがある場合には、製品収容装置12からプリヒートチャンバー装置13に半導体ウエハを投入する。プリヒートチャンバー装置13で半導体ウエハを特定温度になるまで加温した(加温ステップに相当する)のち、スパッタ装置10に半導体ウエハを投入して、ステージ22上に載置する(半導体ウエハ投入ステップに相当する)。Cu膜の蒸着に適した所定温度以上で半導体ウエハ上の半導体チップにアンダーバンプメタルとしてのCu膜を蒸着する。
【0042】
そして、半導体ウエハ上の半導体チップにアンダーバンプメタルとしてのCu膜を蒸着した後、Cu膜上に、さらに、マスク膜としての、例えばメッキ法によりSn−Ag/Ni膜を順次成膜する。
【0043】
次に、蒸着処理によりアンダーバンプメタルを蒸着した半導体ウエハをエッチング装置に搬送する。エッチング装置内における半導体ウエハのエッチング処理について説明する。
【0044】
Ti膜,Cu膜,Sn−Ag/Ni膜を順次成膜した半導体ウエハをエッチング装置へ搬送してエッチング装置内のステージ上に載置する。
【0045】
次に、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により、パターニングを行いマスクとしてのSn−Ag/Ni膜の所定箇所を開口する。
【0046】
次に、エッチング技術により、ウエットエッチング液によりSn−Ag/Ni膜の開口を介してCu膜を等方性エッチングし、Cu膜よりなるアンダーバンプを形成する。このとき、スパッタ装置において、上記所定温度以上で成膜されたCu膜は、グレインサイズが大きく形成されているため、サイドエッチ量が少なくなる。
【0047】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、ロット間及びロット内の半導体ウエハにおいて、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制しつつ半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を成膜することができる。この所定温度以上で成膜されたCu膜では、サイドエッチ量のバラツキを低減して安定したアンダーバンプを形成することができる。
【0048】
上述したプリヒートチャンバー装置13で、半導体ウエハを特定温度まで加温することによりスパッタ装置のステージ上に半導体ウエハを載置した際に、急激な温度変化による半導体ウエハの特性の劣化を減少させることができる。
【0049】
本実施形態に係る半導体製造装置によれば、ロット間及びロット内の半導体ウエハにおいて、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制しつつ半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を成膜することができる。
【0050】
[他の形態]
上述した図2(a)に示したフローチャートの処理に変えて、図2(b)に示すフローチャートの処理を行うようにしても良い。図2(b)は、図2(a)処理のステップS2の処理をステップS3に変更した点が異なる。以下の説明において、変更点のステップS3の処理について説明し、図2(a)と同様のステップS1、ステップS4〜S5の処理について説明を省略する。
【0051】
図2(b)に示すように、ステップS3において、制御装置15は、スパッタ装置に前回ロットの半導体ウエハやダミーウエハを投入し蒸着処理が終了してから次のロットの半導体ウエハ又はダミーウエハが投入されるまでの経過時間をタイマー24で測定する。そして、経過時間が所定時間に達したときにスパッタ装置内10の温度が所定温度以上でないと判定する場合には、ステップS4に処理を移す(判定ステップに相当する)。そして、前回ロットの半導体ウエハ又はダミーウエハの蒸着処理が終了してから経過時間が所定時間に達したときにスパッタ装置内10の温度が所定温度以上である場合には、本フローの処理が終了する。
【0052】
図2(b)に示した処理終了後、スパッタ装置で蒸着する次のロットの半導体ウエハがある場合には、製品収容装置12からスパッタ装置10に半導体ウエハを投入して、ステージ22上に載置する。Cu膜の蒸着に適した所定温度以上で半導体ウエハ上の半導体チップにアンダーバンプメタルとしてのCu膜が蒸着される。
【0053】
そして、半導体ウエハ上の半導体チップにアンダーバンプメタルとしてのCu膜を蒸着した後、Cu膜上に、さらに、マスク膜としての、例えばメッキ法によりSn−Ag/Ni膜が順次成膜される。
【0054】
次に、蒸着処理によりアンダーバンプメタルを蒸着した半導体ウエハをエッチング装置に搬送する。エッチング装置内で半導体ウエハをエッチング処理して形成することによりCu膜からなるアンダーバンプを形成する。
【0055】
かかる製造方法によれば、ロット間及びロット内の半導体ウエハにおいて、スパッタ装置内の温度を所定温度以上に維持することができる。その結果、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制しつつ半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を成膜することができる。この所定温度以上で成膜されたCu膜では、サイドエッチ量のバラツキを低減して安定したアンダーバンプを形成することができる。
【0056】
本実施形態の半導体ウエハの製造方法を実証するため、以下のような実験を行った。
【0057】
[実施結果]
図3は、連続ロット処理でのCu用のスパッタ装置、Ti用のスパッタ装置及びプリヒートチャンバー装置の温度変化を示すグラフである。横軸は各装置で連続ロット処理した半導体ウエハの連続枚数、縦軸(左側)はCu用のスパッタ装置及びTi用のスパッタ装置の温度(℃)、縦軸(右側)はプリヒートチャンバー装置の温度(℃)である。三角プロットはCuを蒸着した際のスパッタ装置内の温度、四角プロットはTiを蒸着した際のスパッタ装置内の温度、ひし形プロットはプリヒートチャンバー装置内の温度を示す。
【0058】
Cu用のスパッタ装置では、前回ロットのCu膜の蒸着処理を施した後、3時間経過すると同スパッタ装置内の温度は所定温度未満の27度まで低下する。次に、第1ロットのダミーウエハ25枚を連続してCu膜の蒸着処理を施し、25枚目のダミーウエハの蒸着処理終了後、同スパッタ装置内の温度は所定温度の35度まで上昇する。そして、スパッタ装置は、第2ロットのダミーウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理するまで31分待機状態となる。
【0059】
次に、第2ロットのダミーウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理を行うにあたり、同スパッタ装置内の温度は所定温度未満の32度まで低下する。第2ロットのダミーウエハ25枚を連続してCu膜の蒸着処理を施す。このとき25枚目のダミーウエハの蒸着処理終了後、スパッタ装置内の温度は所定温度以上の38度まで上昇する。さらに、スパッタ装置は、次の第3ロットのダミーウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理するまで15分待機状態とする。
【0060】
次に、第3ロットのダミーウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理を行うにあたり、同スパッタ装置内の温度は所定温度未満の32度まで低下する。第3ロット分のダミーウエハ25枚を連続してCu膜の蒸着処理を施す。このとき25枚目のダミーウエハの蒸着処理後、同スパッタ装置内の温度は所定温度以上の39度まで上昇する。さらに、スパッタ装置は、次の第4ロットの半導体ウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理するまで25分待機状態とする。
【0061】
そして、第4ロットの半導体ウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理を行うにあたり、同スパッタ装置内の温度は、Cu膜の蒸着に適した所定温度の35度となる。1ロット分の半導体ウエハ25枚を連続してCu膜の蒸着処理を施し、25枚目の半導体ウエハの蒸着処理終了後、同スパッタ装置内の温度は所定温度以上の43度まで上昇する。
【0062】
結果としては、Cu用のスパッタ装置は、前回ロットのCu膜の蒸着処理終了後(スタンバイ状態)、3ロット分のダミーウエハを蒸着処理する。このとき、同スパッタ装置内の温度をCu膜の蒸着に適した所定温度以上(例えば39度:第3ロットの25枚目の温度)に加温し、25分待機後、所定温度(例えば、35度)を維持することができる。各ロット間の空き時間が長くなることにより、スパッタ装置内の温度の低下も大きくなる。各ロット間の空き時間を短くすることにより、スパッタ装置内の温度の低下も小さくでき、ダミーウエハを投入するロット数を減らすこともできる。
【0063】
また、Ti用のスパッタ装置は、第1ロットから第4ロットまで連続して蒸着することにより、スパッタ装置内の温度が所定温度以上に上昇する。プリヒートチャンバー装置は、ヒータを加温して、ステージ上の半導体ウエハを加温する。また、プリヒートチャンバー装置内の温度は、Cu用のスパッタ装置と同様に、各ロット間に空き時間が生じると低下する。すなわち、各装置は、各ロット間に空き時間が生じると装置内の温度は低下することとなる。
【0064】
図4は、所定膜厚のCuを蒸着したロットとスパッタ装置内の温度との関係において良品・不良品を示すグラフである。縦軸はCuを蒸着した際のスパッタ装置内の温度、横軸は所定膜厚の各ロットの処理NOを示す。三角プロットはCuの膜厚15000Å、四角プロットはCuの膜厚6000Å、ひし形プロットはCuの膜厚3000Åである。なお、良品品とは、半導体ウエハを図4に示すスパッタ装置内の温度でアンダーバンプメタルとしてのCuを蒸着処理した後、エッチング処理を行い、Cu膜からなるアンダーバンプを形成し、このCu膜のアンダーバンプの接続状態が良好なものをいう。一方、不良品とは、このCu膜のアンダーバンプの接続状態が不良なものをいう。
【0065】
横軸のロット処理NOが例えばG023(ひし形プロット)において、スパッタ装置内の温度が35度でない状態でCuを蒸着した半導体ウエハは不良品となる。一方、スパッタ装置内の温度が所定温度の35度以上の状態でCuを蒸着した半導体ウエハは良品となることが判明した。
【0066】
そして、ロット処理NOがD1(図中の点線四角内のひし形プロット)において、4ロット分の半導体ウエハにCu膜の蒸着処理を行っている。3ロット目にCu膜の蒸着処理を行うと、4ロット目の開始時のスパッタ装置内の温度は、Cu膜の蒸着に適した所定温度以上、例えば35度以上となる。スパッタ装置内の温度が所定温度の35℃以上でCu膜を蒸着した場合には、全て良品となる。
【0067】
また、Cu膜の膜厚6000Åのロット処理NOがS004(四角形プロット)においても、スパッタ装置内の温度が所定温度の35度を境として良品、不良品となる。
【0068】
さらに、Cu膜の膜厚15000Åのロット処理NOがS104(三角形プロット)においても、スパッタ装置内の温度が所定温度の35度を境として良品、不良品となる。
【0069】
結果としては、Cuの膜厚に関係なく、スパッタ装置内の温度が所定温度の35度を境に良品となり、所定温度の35℃未満となると不良品となることが分かる。
【0070】
また、Cu膜の膜厚15000Åの場合は、膜厚が厚いため、スパッタ装置内の最高温度も例えば、約73度と高くなる傾向がある。一方、Cu膜の膜厚3000Åの場合は、スパッタ装置内の最高温度、例えば、約62度ほどである。なお、上記スパッタ装置内の温度がCu膜の蒸着に適した所定温度の35℃以上とは、例えば、Cu膜の膜厚3000Åの場合に35℃以上62℃以下となる。また、Cu膜の膜厚15000Åの場合に35℃以上73℃以下である。
【0071】
図5は、各スパッタ装置内の温度、プリヒートチャンバー装置内の温度及び半導体ウエハの温度と各装置で処理した各半導体ウエハとの関係を示すグラフである。横軸はスパッタ装置内で連続して処理した半導体ウエハの枚数、縦軸(左側)をプリヒートチャンバー装置内の半導体ウエハの温度(℃)及びスパッタ装置内の半導体ウエハの温度(℃)、縦軸(右側)はCu用及びTi用の各スパッタ装置内の温度(℃)である。
【0072】
三角プロットの折れ線グラフは、Tiを蒸着した際、スパッタ装置内の温度と連続して蒸着処理した各半導体ウエハとの関係を示している。また、四角プロットの折れ線グラフは、プリヒートチャンバー装置内の温度と連続して処理した各半導体ウエハとの関係を示している。また、ひし形プロットの折れ線グラフは、スパッタ装置で蒸着処理した場合の半導体ウエハの温度と各半導体ウエハとの関係を示している。この半導体ウエハの温度は、半導体ウエハに温度で変化するヒートラベルを添付し測定している。また、バツ形プロットの折れ線グラフは、Cuを蒸着した際、スパッタ装置内の温度と連続して蒸着処理した各半導体ウエハとの関係を示している。
【0073】
Cu用のスパッタ装置において、1枚目の半導体ウエハにCu膜の蒸着処理する際、スパッタ装置内の温度は所定温度未満の約23度となる。25枚の半導体ウエハに連続してCu膜の蒸着処理を施した後のスパッタ装置の温度は所定温度の約35度に上昇する。また、スパッタ装置において、半導体ウエハにヒートラベルを貼付して測定した1枚目の半導体ウエハの温度は約182度となり、25枚目の半導体ウエハの温度は約189度となる。
【0074】
結果として、Cu用のスパッタ装置内の温度は、25枚の半導体ウエハを連続してCuを蒸着することで、Cu膜の蒸着処理の温度を成膜に適した所定温度以上に加温することができる。また、スパッタ装置内の温度とヒートラベルを用いて測定した半導体ウエハの温度の変化が一致していることがわかる。
【0075】
図6は、連続ロット処理での各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度変化を示すグラフである。横軸は各装置で連続して処理した半導体ウエハの枚数、縦軸(左側)はプリヒートチャンバー装置内の温度(℃)、縦軸(右側)はCu用及びTi用のスパッタ装置内の温度(℃)である。
【0076】
三角プロットの折れ線グラフは、Cuを蒸着した際、スパッタ装置内の温度と各半導体ウエハとの関係を示している。また、四角プロットの折れ線グラフは、Tiを蒸着した際、スパッタ装置内の温度と各半導体ウエハとの関係を示している。また、ひし形プロットの折れ線グラフは、プリヒートチャンバー装置内の温度と各半導体ウエハとの関係を示している。
【0077】
結果として、各スパッタ装置において連続して蒸着処理を行うと同各スパッタ装置内の温度が上昇することが再現される。そして、プリヒートチャンバー装置において、各ロットの1枚目の半導体ウエハは、ロット内においても温度が低い(200℃前後の温度)状態であることが分かる。
【0078】
図7は、各ロットの処理間隔と各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度低下を示すグラフである。横軸を各ロット間の処理までの時間(hr)、縦軸(左側)を各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度低下(℃)である。
【0079】
三角プロットは、Cuを蒸着した際、スパッタ装置内の温度低下と各ロット処理間の時間との関係を示している。また、四角プロットは、Tiを蒸着した際、スパッタ装置内の温度低下度とロット処理間の時間との関係を示している。また、ひし形プロットは、プリヒートチャンバー装置内の温度低下とロット処理間の時間との関係を示している。
【0080】
結果としては、各ロット間の蒸着処理までの間隔が最短時間、約28分のとき、各スパッタ装置内の温度が5度低下して、各スパッタ装置内が冷却していることがわかる。また、プリヒートチャンバー装置内の温度が30度低下して、プリヒートチャンバー装置内が冷却していることがわかる。すなわち、上記図2(b)に示すフロー処理を行うことで、スパッタ装置内の温度を所定温度以上とすることに有効である。
【0081】
なお、各ロットの処理間隔とは、第1ロットの最終の半導体ウエハに処理を施してから第2ロットの最初の半導体ウエハに処理を施すまでの期間である。
【0082】
[スパッタ装置内の温度変化による影響について]
スパッタ装置内の温度変化によってCu膜の膜質が変化することについて、次のように確認実験を行ったので、以下にその結果を述べる。
【0083】
なお、実験の条件として、プリヒートチャンバー装置内の温度(200℃)、半導体ウエハ表面をRFエッチング(200Å エッチング)、Ti膜厚(1800Å)、Cu膜厚(3000Å)とする。Cuのプラズマ処理時間を41secとする。Cu用のスパッタ装置において、ステージのヒータで半導体ウエハを加温した際、そのステージの設定温度を(1)0℃(ヒータ稼働なし)、(2)100℃、(3)150℃、(4)200℃として加温処理を行った。なお、(1)の蒸着処理は、蒸着前10sec待機、(2)から(4)の加温処理は、ヒータを加温するため50sec待機している。
【0084】
図8は、スパッタ装置で蒸着した膜厚結果を示す一覧である。一覧の各項目は、Slot:ロット番号、Cu temp[℃]:ステージの温度、処理温度[℃]:スパッタ装置内の温度、Cu膜厚[Å]、Ti膜厚[Å]、Cu膜厚+Ti膜厚[Å]、シート抵抗Rs[ohm/sq]、比抵抗[ohm・cm]及びスパッタレート[Å/sec]である。図9は、図8に示す一覧を基に各ロットとCu膜厚との関係を示したグラフである。図10は、図8に示す一覧を基にスパッタレートとCu成膜温度との関係を示したグラフである。
【0085】
図9に示すように、Cu膜厚は成膜するときスパッタ装置内の処理温度に依存しないことがわかる。
【0086】
図10に示すように、スパッタレートは成膜するときスパッタ装置内の処理温度に依存してないことがわかる。
【0087】
結果としては、Cu膜厚及びスパッタレートは、成膜するときスパッタ装置内の処理温度に依存していないことが確認できる。
【0088】
図11は、スパッタ装置内の処理温度とシート抵抗を示す一覧である。一覧の項目は、Slot:ロット番号、Cu temp[℃]:ステージの温度、処理温度[℃]:スパッタ装置内の温度、シート抵抗Rs[ohm/sq]、sig:シート抵抗バラツキ、sig%:シート抵抗バラツキ率である。図12は、図11の一覧を基に各ロットのシート抵抗及びシート抵抗バラツキ率を示すグラフである。図13は、図11の一覧を基にスパッタ装置内のCu膜の処理温度とシート抵抗の関係を示すグラフである。
【0089】
図12に示すように、Cu膜を成膜する処理温度により、シート抵抗は低下し、面内のバラツキは一定であることが確認できる。
【0090】
図13に示すように、Cu膜を成膜する処理温度とシート抵抗とは、リニアリティな関係であることが確認できる。
【0091】
結果として、各シート抵抗はCu膜を成膜する処理温度に依存性があることが確認できる。
【0092】
図14は、スパッタ装置内の各処理温度と熱的ストレス定数を示す一覧である。一覧の項目は、Slot:ロット番号、Cu temp[℃]:ステージの温度、処理温度[℃]:スパッタ装置内の温度、before[μm]:加温前の半導体ウエハの反り値、after[μm]:加温後の半導体ウエハの反り値、Δ[μm]:反り量、Stress[x10e9dyne/cm^2]:熱的ストレス定数である(なお、Ti膜厚1800Å及びCu膜厚3000Åを1層として算出する)。図15は、図14の一覧を基に各ロットの熱的ストレス定数を示すグラフである。図16は、図14の一覧を基にスパッタ装置内のCu膜の処理温度と熱的ストレス定数を示すグラフである。
【0093】
図16に示すように、Cu膜を成膜する処理温度と熱的ストレス定数は、リニアリティな関係となることが確認できる。
【0094】
結果として、各熱的ストレス定数はCu膜を成膜する処理温度に依存性があることが確認できる。
【0095】
上記実験の結果として、スパッタ装置において、Cu膜を成膜する処理温度はシート抵抗及び熱的ストレス定数が変化することにより、Cu膜のグレインサイズ(結晶の大きさ)に変化を及ぼしている可能性がある。
【0096】
このため過去の運用の仕方にて、スパッタ装置内の処理温度が不安定な領域で蒸着処理した半導体ウエハでは、ロット間での膜質の差が発生していたことと一致する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本実施形態に係る半導体製造装置の概略を説明する構成図である。
【図2】スパッタ装置の温度管理を示すフローチャート図である。
【図3】連続ロット処理でのCu用のスパッタ装置、Ti用のスパッタ装置及びプリヒートチャンバー装置の温度変化を示すグラフである。
【図4】所定膜厚のCuを蒸着したロットとスパッタ装置内の温度との関係において良品・不良品を示すグラフである。
【図5】各スパッタ装置内の温度、プリヒートチャンバー装置内の温度及び半導体ウエハの温度と各装置で処理した各半導体ウエハとの関係を示すグラフである。
【図6】連続ロット処理での各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度変化を示すグラフである。
【図7】各ロットの処理間隔と各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度低下を示すグラフである。
【図8】スパッタ装置で蒸着した膜厚結果を示す一覧である。
【図9】図8に示す一覧を基に各ロットとCu膜厚との関係を示したグラフである。
【図10】図8に示す一覧を基にスパッタレートとCu成膜温度との関係を示したグラフである。
【図11】スパッタ装置内の処理温度とシート抵抗を示す一覧である。
【図12】図11の一覧を基に各ロットのシート抵抗及びシート抵抗バラツキ率を示すグラフである。
【図13】図11の一覧を基にスパッタ装置内のCu膜の処理温度とシート抵抗の関係を示すグラフである。
【図14】スパッタ装置内の各処理温度と熱的ストレス定数を示す一覧である。
【図15】図14の一覧を基に各ロットの熱的ストレス定数を示すグラフである。
【図16】図14の一覧を基にスパッタ装置内のCu膜の処理温度と熱的ストレス定数を示すグラフである。
【符号の説明】
【0098】
10 スパッタ装置
11 ダミーウエハ収容装置
12 製品収容装置
13 プリヒートチャンバー装置
14 搬送部
15 制御装置
21 チャンバー
22 ステージ
23 温度計測部
24 タイマー
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体ウエハ上に形成された複数の半導体チップにバンプを形成するにあたり、次のようにアンダーバンプを形成していた。
【0003】
まず、半導体ウエハ上に形成された各半導体チップのバンプ形成領域に、例えば下地としてのTiを蒸着し、このTi膜の上にアンダーバンプメタルとしてのCuを蒸着する(例えば、特許文献1参照)。さらに、Cu膜上にマスク膜としての例えばSn−Ag/Ni等を順に成膜している。
【0004】
そして、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術により、マスク膜に開口が形成され、この開口を介しアンダーバンプメタルのCu膜がウエットエッチング液でエッチング除去される。
【特許文献1】特開2007−317979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したCu膜は、マスク膜を介して、ウエットエッチング液により等方性エッチングされるためにサイドエッチが生じることとなる。そして、このサイドエッチ量は、微細なバンプを形成するマスクパターンになればなるほど大きくなり、それを原因とした接続不良を発生させる虞があった。このサイドエッチ量を制御するには、蒸着するCuの膜質を向上させる必要があることが分かってきた。
【0006】
一般的に、ロットごとに管理された半導体ウエハにCu膜を蒸着する場合には、収納部よりスパッタ装置のチャンバー内に搬送し、温度管理されたステージ上に載置する。
【0007】
その後、スパッタ装置のチャンバー内において、半導体ウエハにターゲットとしてのCuが蒸着される。このとき、チャンバー内には、室温を調整する機構が備えられておらず、ステージにヒータが設けられているだけであった。
【0008】
そのため、スパッタ装置は、蒸着処理する前ロットと後ロットとの間が一定期間ないようなアイドリング状態の際、チャンバー内の温度が低下してしまい、この冷えた室温状態でCuの蒸着を行っていた。他方、スパッタ装置は、1ロット内の複数の半導体ウエハを連続的に蒸着する際、チャンバー内の温度が上昇し、この所定の室温においてCuの蒸着を行っていた。結果的に、冷えた室温状態でCu膜の蒸着する際とこの所定の室温でCuの蒸着する際とでは、チャンバー内の温度変化によりCu膜質が変動してしまっていた。
【0009】
このように、スパッタ装置は、温度管理されていないために各半導体ウエハのロット毎に異なる温度環境でCu膜を蒸着していた。
【0010】
このスパッタ装置内の温度変化により、各半導体ウエハのCu膜は、グレインサイズが異なってしまい、例えば、グレインサイズが小さいCu膜が形成された半導体ウエハをエッチング処理した場合に上述したサイドエッチ量が大きくなる虞があった。
【0011】
そこで、本発明は、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制してサイドエッチ量のバラツキを低減する半導体装置の製造方法及び半導体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、かかる目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定ステップと、前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入するダミーウエハ投入ステップと、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する半導体ウエハ投入ステップと、を有する半導体装置の製造方法とした。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、前記判定ステップは、前記スパッタ装置に前記半導体ウエハ又は前記ダミーウエハを投入し蒸着処理が終了してから次の前記半導体ウエハ又は前記ダミーウエハが投入されるまでの経過時間をタイマーで測定するステップと、前記経過時間が所定時間に達したときに前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上でないと判定するステップと、を有することとした。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、前記判定ステップは、前記スパッタ装置内に設けられた温度計測部による計測結果に基づいて、前記スパッタ装置内の温度を判定することとした。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、前記スパッタ装置に投入する前の前記半導体ウエハをプリヒートチャンバー装置に投入して、前記半導体ウエハを特定温度になるように加温する加熱ステップと、を有することとした。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、前記アンダーバンプメタルを前記投入した半導体ウエハに前記スパッタ装置により前記半導体チップに蒸着するステップと、前記アンダーバンプメタル上にマスク膜を成膜するステップと、前記マスク膜の所定箇所を開口して、当該開口を介してアンダーバンプメタルをエッチングするステップと、を有することとした。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定手段と、前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと前記判定手段により判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入する第1投入手段と、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと前記判定手段が判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する第2投入手段と、を備えた半導体製造装置とした。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ロット間及びロット内の半導体ウエハにおいて、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制して半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を成膜することができる。この所定範囲の温度で成膜されたCu膜では、サイドエッチ量のバラツキを低減する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本実施形態に係る半導体製造装置の概略を説明する構成図である。図2はスパッタ装置の温度管理を示すフローチャート図である。以下に説明する半導体装置は、半導体ウエハに形成した複数の半導体チップからダイシングして製品化したものである。半導体ウエハは製品となるもので、ダミーウエハはスパッタ装置内の温度調整のために用いるものである。
【0020】
本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の特徴は、Cu膜を蒸着するスパッタ装置の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定範囲の温度でない場合にダミーウエハに蒸着処理を施し、スパッタ装置内の温度を所定温度以上とするようにしたことである。
【0021】
本実施形態に係る半導体製造装置Kは、図1に示すように、半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置10と、ダミーウエハを収容するダミーウエハ収容装置11と、を有する。さらに、半導体ウエハやダミーウエハを特定温度になるように加温するプリヒートチャンバー装置13と、蒸着処理を施す半導体ウエハを格納する製品収容装置12と、各装置の中央に設けた搬送部14と、各装置を集中的に制御する制御装置15とを有する。
【0022】
スパッタ装置10には、同スパッタ装置10の温度を測定する温度計測部23を備えている。さらに、スパッタ装置10には、同スパッタ装置10に半導体ウエハ又はダミーウエハを投入し蒸着処理が終了してから次の半導体ウエハ又はダミーウエハが投入されるまでの経過時間を測定するタイマー24を備えている。さらにまた、スパッタ装置10には、チャンバー21とチャンバー21内に半導体ウエハを載置するステージ22とを備えており、ステージ22には半導体ウエハを加温するヒータが設けられる。
【0023】
温度計測部23はスパッタ装置内10に設けるようにしてもよいし、また、本実施形態のようにスパッタ装置10の外側壁に設けるようにしてもよい。温度計測部23で測定した温度の信号及びタイマー24で測定した時間の信号は、各出力信号線33,34を介して制御装置15へ送信される。
【0024】
制御装置15は、各制御線40〜43を介して各装置10〜13を集中的に制御して、判定手段として機能する。
【0025】
搬送部14には、半導体ウエハ又はダミーウエハを各装置に搬送する搬送機構(図示しない)を備えている。この搬送機構は、第1投入手段及び第2投入手段として機能する。
【0026】
ここで、上記各装置を用いて、半導体ウエハにアンダーバンプメタルとしてのCuを蒸着し、さらに、Cu膜からなるアンダーバンプの形成する手順について説明する。
【0027】
まず、製品収容装置12から半導体ウエハを搬送部14の搬送機構で取り出して、プリヒートチャンバー装置13へ搬送する。
【0028】
プリヒートチャンバー装置13では、スパッタ装置に投入する前の半導体ウエハを特定温度になるように加温する(加熱ステップに相当する)。
【0029】
次に、プリヒートチャンバー装置13から半導体ウエハを搬送部14の搬送機構で取り出して、この半導体ウエハをスパッタ装置10へ搬送してステージ22上に載置する。
【0030】
スパッタ装置10では、半導体ウエハにアンダーバンプメタルとしてのCuを蒸着する。
【0031】
そして、スパッタ装置10から半導体ウエハをエッチング装置(図示しない)へ搬送して、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により、Cu膜からアンダーバンプを形成する。
【0032】
このスパッタ装置10は、プラズマによる蒸着処理により装置内の温度が上昇する機構であり、スパッタ装置10が連続稼働している期間中はCu膜の蒸着に適した所定温度以上を維持することができる。
【0033】
そこで、スパッタ装置10の温度をCu膜の蒸着に適した所定温度以上とするために、蒸着する半導体ウエハの次のロットがない場合には、ダミーウエハをダミーウエハ収容装置11からスパッタ装置10に搬送して、蒸着処理するようにしている。なお、ロットとは、スパッタ装置において、連続してスパッタ装置に投入できる半導体ウエハの所定枚数である。
【0034】
ここで、スパッタ装置10において、続けて蒸着する半導体ウエハの次のロットがない場合に、ダミーウエハを投入する図2(a),(b)に示す各処理フローを実行することにより、スパッタ装置10の温度を所定温度以上に維持できるようにしている。
【0035】
図2(a)に示すように、ステップS1において、制御装置15は、スパッタ装置10に蒸着処理する次のロットが準備されている場合には、本フロー処理を終了し、上述したように半導体ウエハをスパッタ装置10内に投入してCu膜の蒸着処理を実行する。
【0036】
一方、ステップS1において、制御装置15は、スパッタ装置10に次に蒸着処理する半導体ウエハの次のロットが準備されてない場合には、ステップS2に処理を移す。
【0037】
ステップS2において、制御装置15は、スパッタ装置に設けた温度計測部23による計測結果に基いて、スパッタ装置内10の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でない場合には、ステップS4に処理を移す(判定ステップに相当する)。そして、スパッタ装置内10の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上の場合には、本フローの処理が終了する。
【0038】
ステップS4において、制御装置15は、ダミーウエハ収容装置11にダミーウエハがある場合には、ステップS5へ処理を移す。そして、ダミーウエハがない場合には、本フローの処理が終了する。
【0039】
ステップS5において、制御装置15は、ダミーウエハ収容装置11より搬送部14を介してプリヒートチャンバー装置内にダミーウエハを搬送する。そして、特定温度(例えば200℃)に加温したダミーウエハ(加熱ステップに相当する)をスパッタ装置内10に搬送し、スパッタ装置10のステージ22上にダミーウエハを載置する(ダミーウエハ投入ステップに相当する)。次に、このダミーウエハにCu膜の蒸着処理を行う。プラズマによる蒸着処理によりスパッタ装置内10の温度は、上昇してCu膜の蒸着に適した所定温度以上となる。すなわち、グレインサイズの大きなCu膜の蒸着に適した所定温度以上とすることが可能となる。
【0040】
さらに、Cu膜の蒸着時に使用するスパッタ装置10へのプロセスガスをCu膜の蒸着に適した所定温度以上に加温し、Cu膜を蒸着するようにしてもよい。さらに、スパッタ装置10は蒸着処理時において、Cu膜の蒸着に適した所定温度以上となるため、半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を形成することができる。
【0041】
図2(a)に示した処理終了後、スパッタ装置で蒸着する次のロットの半導体ウエハがある場合には、製品収容装置12からプリヒートチャンバー装置13に半導体ウエハを投入する。プリヒートチャンバー装置13で半導体ウエハを特定温度になるまで加温した(加温ステップに相当する)のち、スパッタ装置10に半導体ウエハを投入して、ステージ22上に載置する(半導体ウエハ投入ステップに相当する)。Cu膜の蒸着に適した所定温度以上で半導体ウエハ上の半導体チップにアンダーバンプメタルとしてのCu膜を蒸着する。
【0042】
そして、半導体ウエハ上の半導体チップにアンダーバンプメタルとしてのCu膜を蒸着した後、Cu膜上に、さらに、マスク膜としての、例えばメッキ法によりSn−Ag/Ni膜を順次成膜する。
【0043】
次に、蒸着処理によりアンダーバンプメタルを蒸着した半導体ウエハをエッチング装置に搬送する。エッチング装置内における半導体ウエハのエッチング処理について説明する。
【0044】
Ti膜,Cu膜,Sn−Ag/Ni膜を順次成膜した半導体ウエハをエッチング装置へ搬送してエッチング装置内のステージ上に載置する。
【0045】
次に、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により、パターニングを行いマスクとしてのSn−Ag/Ni膜の所定箇所を開口する。
【0046】
次に、エッチング技術により、ウエットエッチング液によりSn−Ag/Ni膜の開口を介してCu膜を等方性エッチングし、Cu膜よりなるアンダーバンプを形成する。このとき、スパッタ装置において、上記所定温度以上で成膜されたCu膜は、グレインサイズが大きく形成されているため、サイドエッチ量が少なくなる。
【0047】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、ロット間及びロット内の半導体ウエハにおいて、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制しつつ半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を成膜することができる。この所定温度以上で成膜されたCu膜では、サイドエッチ量のバラツキを低減して安定したアンダーバンプを形成することができる。
【0048】
上述したプリヒートチャンバー装置13で、半導体ウエハを特定温度まで加温することによりスパッタ装置のステージ上に半導体ウエハを載置した際に、急激な温度変化による半導体ウエハの特性の劣化を減少させることができる。
【0049】
本実施形態に係る半導体製造装置によれば、ロット間及びロット内の半導体ウエハにおいて、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制しつつ半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を成膜することができる。
【0050】
[他の形態]
上述した図2(a)に示したフローチャートの処理に変えて、図2(b)に示すフローチャートの処理を行うようにしても良い。図2(b)は、図2(a)処理のステップS2の処理をステップS3に変更した点が異なる。以下の説明において、変更点のステップS3の処理について説明し、図2(a)と同様のステップS1、ステップS4〜S5の処理について説明を省略する。
【0051】
図2(b)に示すように、ステップS3において、制御装置15は、スパッタ装置に前回ロットの半導体ウエハやダミーウエハを投入し蒸着処理が終了してから次のロットの半導体ウエハ又はダミーウエハが投入されるまでの経過時間をタイマー24で測定する。そして、経過時間が所定時間に達したときにスパッタ装置内10の温度が所定温度以上でないと判定する場合には、ステップS4に処理を移す(判定ステップに相当する)。そして、前回ロットの半導体ウエハ又はダミーウエハの蒸着処理が終了してから経過時間が所定時間に達したときにスパッタ装置内10の温度が所定温度以上である場合には、本フローの処理が終了する。
【0052】
図2(b)に示した処理終了後、スパッタ装置で蒸着する次のロットの半導体ウエハがある場合には、製品収容装置12からスパッタ装置10に半導体ウエハを投入して、ステージ22上に載置する。Cu膜の蒸着に適した所定温度以上で半導体ウエハ上の半導体チップにアンダーバンプメタルとしてのCu膜が蒸着される。
【0053】
そして、半導体ウエハ上の半導体チップにアンダーバンプメタルとしてのCu膜を蒸着した後、Cu膜上に、さらに、マスク膜としての、例えばメッキ法によりSn−Ag/Ni膜が順次成膜される。
【0054】
次に、蒸着処理によりアンダーバンプメタルを蒸着した半導体ウエハをエッチング装置に搬送する。エッチング装置内で半導体ウエハをエッチング処理して形成することによりCu膜からなるアンダーバンプを形成する。
【0055】
かかる製造方法によれば、ロット間及びロット内の半導体ウエハにおいて、スパッタ装置内の温度を所定温度以上に維持することができる。その結果、アンダーバンプメタルのCuの膜質のバラツキを抑制しつつ半導体ウエハ上にグレインサイズの大きなCu膜を成膜することができる。この所定温度以上で成膜されたCu膜では、サイドエッチ量のバラツキを低減して安定したアンダーバンプを形成することができる。
【0056】
本実施形態の半導体ウエハの製造方法を実証するため、以下のような実験を行った。
【0057】
[実施結果]
図3は、連続ロット処理でのCu用のスパッタ装置、Ti用のスパッタ装置及びプリヒートチャンバー装置の温度変化を示すグラフである。横軸は各装置で連続ロット処理した半導体ウエハの連続枚数、縦軸(左側)はCu用のスパッタ装置及びTi用のスパッタ装置の温度(℃)、縦軸(右側)はプリヒートチャンバー装置の温度(℃)である。三角プロットはCuを蒸着した際のスパッタ装置内の温度、四角プロットはTiを蒸着した際のスパッタ装置内の温度、ひし形プロットはプリヒートチャンバー装置内の温度を示す。
【0058】
Cu用のスパッタ装置では、前回ロットのCu膜の蒸着処理を施した後、3時間経過すると同スパッタ装置内の温度は所定温度未満の27度まで低下する。次に、第1ロットのダミーウエハ25枚を連続してCu膜の蒸着処理を施し、25枚目のダミーウエハの蒸着処理終了後、同スパッタ装置内の温度は所定温度の35度まで上昇する。そして、スパッタ装置は、第2ロットのダミーウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理するまで31分待機状態となる。
【0059】
次に、第2ロットのダミーウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理を行うにあたり、同スパッタ装置内の温度は所定温度未満の32度まで低下する。第2ロットのダミーウエハ25枚を連続してCu膜の蒸着処理を施す。このとき25枚目のダミーウエハの蒸着処理終了後、スパッタ装置内の温度は所定温度以上の38度まで上昇する。さらに、スパッタ装置は、次の第3ロットのダミーウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理するまで15分待機状態とする。
【0060】
次に、第3ロットのダミーウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理を行うにあたり、同スパッタ装置内の温度は所定温度未満の32度まで低下する。第3ロット分のダミーウエハ25枚を連続してCu膜の蒸着処理を施す。このとき25枚目のダミーウエハの蒸着処理後、同スパッタ装置内の温度は所定温度以上の39度まで上昇する。さらに、スパッタ装置は、次の第4ロットの半導体ウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理するまで25分待機状態とする。
【0061】
そして、第4ロットの半導体ウエハの1枚目をCu膜の蒸着処理を行うにあたり、同スパッタ装置内の温度は、Cu膜の蒸着に適した所定温度の35度となる。1ロット分の半導体ウエハ25枚を連続してCu膜の蒸着処理を施し、25枚目の半導体ウエハの蒸着処理終了後、同スパッタ装置内の温度は所定温度以上の43度まで上昇する。
【0062】
結果としては、Cu用のスパッタ装置は、前回ロットのCu膜の蒸着処理終了後(スタンバイ状態)、3ロット分のダミーウエハを蒸着処理する。このとき、同スパッタ装置内の温度をCu膜の蒸着に適した所定温度以上(例えば39度:第3ロットの25枚目の温度)に加温し、25分待機後、所定温度(例えば、35度)を維持することができる。各ロット間の空き時間が長くなることにより、スパッタ装置内の温度の低下も大きくなる。各ロット間の空き時間を短くすることにより、スパッタ装置内の温度の低下も小さくでき、ダミーウエハを投入するロット数を減らすこともできる。
【0063】
また、Ti用のスパッタ装置は、第1ロットから第4ロットまで連続して蒸着することにより、スパッタ装置内の温度が所定温度以上に上昇する。プリヒートチャンバー装置は、ヒータを加温して、ステージ上の半導体ウエハを加温する。また、プリヒートチャンバー装置内の温度は、Cu用のスパッタ装置と同様に、各ロット間に空き時間が生じると低下する。すなわち、各装置は、各ロット間に空き時間が生じると装置内の温度は低下することとなる。
【0064】
図4は、所定膜厚のCuを蒸着したロットとスパッタ装置内の温度との関係において良品・不良品を示すグラフである。縦軸はCuを蒸着した際のスパッタ装置内の温度、横軸は所定膜厚の各ロットの処理NOを示す。三角プロットはCuの膜厚15000Å、四角プロットはCuの膜厚6000Å、ひし形プロットはCuの膜厚3000Åである。なお、良品品とは、半導体ウエハを図4に示すスパッタ装置内の温度でアンダーバンプメタルとしてのCuを蒸着処理した後、エッチング処理を行い、Cu膜からなるアンダーバンプを形成し、このCu膜のアンダーバンプの接続状態が良好なものをいう。一方、不良品とは、このCu膜のアンダーバンプの接続状態が不良なものをいう。
【0065】
横軸のロット処理NOが例えばG023(ひし形プロット)において、スパッタ装置内の温度が35度でない状態でCuを蒸着した半導体ウエハは不良品となる。一方、スパッタ装置内の温度が所定温度の35度以上の状態でCuを蒸着した半導体ウエハは良品となることが判明した。
【0066】
そして、ロット処理NOがD1(図中の点線四角内のひし形プロット)において、4ロット分の半導体ウエハにCu膜の蒸着処理を行っている。3ロット目にCu膜の蒸着処理を行うと、4ロット目の開始時のスパッタ装置内の温度は、Cu膜の蒸着に適した所定温度以上、例えば35度以上となる。スパッタ装置内の温度が所定温度の35℃以上でCu膜を蒸着した場合には、全て良品となる。
【0067】
また、Cu膜の膜厚6000Åのロット処理NOがS004(四角形プロット)においても、スパッタ装置内の温度が所定温度の35度を境として良品、不良品となる。
【0068】
さらに、Cu膜の膜厚15000Åのロット処理NOがS104(三角形プロット)においても、スパッタ装置内の温度が所定温度の35度を境として良品、不良品となる。
【0069】
結果としては、Cuの膜厚に関係なく、スパッタ装置内の温度が所定温度の35度を境に良品となり、所定温度の35℃未満となると不良品となることが分かる。
【0070】
また、Cu膜の膜厚15000Åの場合は、膜厚が厚いため、スパッタ装置内の最高温度も例えば、約73度と高くなる傾向がある。一方、Cu膜の膜厚3000Åの場合は、スパッタ装置内の最高温度、例えば、約62度ほどである。なお、上記スパッタ装置内の温度がCu膜の蒸着に適した所定温度の35℃以上とは、例えば、Cu膜の膜厚3000Åの場合に35℃以上62℃以下となる。また、Cu膜の膜厚15000Åの場合に35℃以上73℃以下である。
【0071】
図5は、各スパッタ装置内の温度、プリヒートチャンバー装置内の温度及び半導体ウエハの温度と各装置で処理した各半導体ウエハとの関係を示すグラフである。横軸はスパッタ装置内で連続して処理した半導体ウエハの枚数、縦軸(左側)をプリヒートチャンバー装置内の半導体ウエハの温度(℃)及びスパッタ装置内の半導体ウエハの温度(℃)、縦軸(右側)はCu用及びTi用の各スパッタ装置内の温度(℃)である。
【0072】
三角プロットの折れ線グラフは、Tiを蒸着した際、スパッタ装置内の温度と連続して蒸着処理した各半導体ウエハとの関係を示している。また、四角プロットの折れ線グラフは、プリヒートチャンバー装置内の温度と連続して処理した各半導体ウエハとの関係を示している。また、ひし形プロットの折れ線グラフは、スパッタ装置で蒸着処理した場合の半導体ウエハの温度と各半導体ウエハとの関係を示している。この半導体ウエハの温度は、半導体ウエハに温度で変化するヒートラベルを添付し測定している。また、バツ形プロットの折れ線グラフは、Cuを蒸着した際、スパッタ装置内の温度と連続して蒸着処理した各半導体ウエハとの関係を示している。
【0073】
Cu用のスパッタ装置において、1枚目の半導体ウエハにCu膜の蒸着処理する際、スパッタ装置内の温度は所定温度未満の約23度となる。25枚の半導体ウエハに連続してCu膜の蒸着処理を施した後のスパッタ装置の温度は所定温度の約35度に上昇する。また、スパッタ装置において、半導体ウエハにヒートラベルを貼付して測定した1枚目の半導体ウエハの温度は約182度となり、25枚目の半導体ウエハの温度は約189度となる。
【0074】
結果として、Cu用のスパッタ装置内の温度は、25枚の半導体ウエハを連続してCuを蒸着することで、Cu膜の蒸着処理の温度を成膜に適した所定温度以上に加温することができる。また、スパッタ装置内の温度とヒートラベルを用いて測定した半導体ウエハの温度の変化が一致していることがわかる。
【0075】
図6は、連続ロット処理での各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度変化を示すグラフである。横軸は各装置で連続して処理した半導体ウエハの枚数、縦軸(左側)はプリヒートチャンバー装置内の温度(℃)、縦軸(右側)はCu用及びTi用のスパッタ装置内の温度(℃)である。
【0076】
三角プロットの折れ線グラフは、Cuを蒸着した際、スパッタ装置内の温度と各半導体ウエハとの関係を示している。また、四角プロットの折れ線グラフは、Tiを蒸着した際、スパッタ装置内の温度と各半導体ウエハとの関係を示している。また、ひし形プロットの折れ線グラフは、プリヒートチャンバー装置内の温度と各半導体ウエハとの関係を示している。
【0077】
結果として、各スパッタ装置において連続して蒸着処理を行うと同各スパッタ装置内の温度が上昇することが再現される。そして、プリヒートチャンバー装置において、各ロットの1枚目の半導体ウエハは、ロット内においても温度が低い(200℃前後の温度)状態であることが分かる。
【0078】
図7は、各ロットの処理間隔と各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度低下を示すグラフである。横軸を各ロット間の処理までの時間(hr)、縦軸(左側)を各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度低下(℃)である。
【0079】
三角プロットは、Cuを蒸着した際、スパッタ装置内の温度低下と各ロット処理間の時間との関係を示している。また、四角プロットは、Tiを蒸着した際、スパッタ装置内の温度低下度とロット処理間の時間との関係を示している。また、ひし形プロットは、プリヒートチャンバー装置内の温度低下とロット処理間の時間との関係を示している。
【0080】
結果としては、各ロット間の蒸着処理までの間隔が最短時間、約28分のとき、各スパッタ装置内の温度が5度低下して、各スパッタ装置内が冷却していることがわかる。また、プリヒートチャンバー装置内の温度が30度低下して、プリヒートチャンバー装置内が冷却していることがわかる。すなわち、上記図2(b)に示すフロー処理を行うことで、スパッタ装置内の温度を所定温度以上とすることに有効である。
【0081】
なお、各ロットの処理間隔とは、第1ロットの最終の半導体ウエハに処理を施してから第2ロットの最初の半導体ウエハに処理を施すまでの期間である。
【0082】
[スパッタ装置内の温度変化による影響について]
スパッタ装置内の温度変化によってCu膜の膜質が変化することについて、次のように確認実験を行ったので、以下にその結果を述べる。
【0083】
なお、実験の条件として、プリヒートチャンバー装置内の温度(200℃)、半導体ウエハ表面をRFエッチング(200Å エッチング)、Ti膜厚(1800Å)、Cu膜厚(3000Å)とする。Cuのプラズマ処理時間を41secとする。Cu用のスパッタ装置において、ステージのヒータで半導体ウエハを加温した際、そのステージの設定温度を(1)0℃(ヒータ稼働なし)、(2)100℃、(3)150℃、(4)200℃として加温処理を行った。なお、(1)の蒸着処理は、蒸着前10sec待機、(2)から(4)の加温処理は、ヒータを加温するため50sec待機している。
【0084】
図8は、スパッタ装置で蒸着した膜厚結果を示す一覧である。一覧の各項目は、Slot:ロット番号、Cu temp[℃]:ステージの温度、処理温度[℃]:スパッタ装置内の温度、Cu膜厚[Å]、Ti膜厚[Å]、Cu膜厚+Ti膜厚[Å]、シート抵抗Rs[ohm/sq]、比抵抗[ohm・cm]及びスパッタレート[Å/sec]である。図9は、図8に示す一覧を基に各ロットとCu膜厚との関係を示したグラフである。図10は、図8に示す一覧を基にスパッタレートとCu成膜温度との関係を示したグラフである。
【0085】
図9に示すように、Cu膜厚は成膜するときスパッタ装置内の処理温度に依存しないことがわかる。
【0086】
図10に示すように、スパッタレートは成膜するときスパッタ装置内の処理温度に依存してないことがわかる。
【0087】
結果としては、Cu膜厚及びスパッタレートは、成膜するときスパッタ装置内の処理温度に依存していないことが確認できる。
【0088】
図11は、スパッタ装置内の処理温度とシート抵抗を示す一覧である。一覧の項目は、Slot:ロット番号、Cu temp[℃]:ステージの温度、処理温度[℃]:スパッタ装置内の温度、シート抵抗Rs[ohm/sq]、sig:シート抵抗バラツキ、sig%:シート抵抗バラツキ率である。図12は、図11の一覧を基に各ロットのシート抵抗及びシート抵抗バラツキ率を示すグラフである。図13は、図11の一覧を基にスパッタ装置内のCu膜の処理温度とシート抵抗の関係を示すグラフである。
【0089】
図12に示すように、Cu膜を成膜する処理温度により、シート抵抗は低下し、面内のバラツキは一定であることが確認できる。
【0090】
図13に示すように、Cu膜を成膜する処理温度とシート抵抗とは、リニアリティな関係であることが確認できる。
【0091】
結果として、各シート抵抗はCu膜を成膜する処理温度に依存性があることが確認できる。
【0092】
図14は、スパッタ装置内の各処理温度と熱的ストレス定数を示す一覧である。一覧の項目は、Slot:ロット番号、Cu temp[℃]:ステージの温度、処理温度[℃]:スパッタ装置内の温度、before[μm]:加温前の半導体ウエハの反り値、after[μm]:加温後の半導体ウエハの反り値、Δ[μm]:反り量、Stress[x10e9dyne/cm^2]:熱的ストレス定数である(なお、Ti膜厚1800Å及びCu膜厚3000Åを1層として算出する)。図15は、図14の一覧を基に各ロットの熱的ストレス定数を示すグラフである。図16は、図14の一覧を基にスパッタ装置内のCu膜の処理温度と熱的ストレス定数を示すグラフである。
【0093】
図16に示すように、Cu膜を成膜する処理温度と熱的ストレス定数は、リニアリティな関係となることが確認できる。
【0094】
結果として、各熱的ストレス定数はCu膜を成膜する処理温度に依存性があることが確認できる。
【0095】
上記実験の結果として、スパッタ装置において、Cu膜を成膜する処理温度はシート抵抗及び熱的ストレス定数が変化することにより、Cu膜のグレインサイズ(結晶の大きさ)に変化を及ぼしている可能性がある。
【0096】
このため過去の運用の仕方にて、スパッタ装置内の処理温度が不安定な領域で蒸着処理した半導体ウエハでは、ロット間での膜質の差が発生していたことと一致する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本実施形態に係る半導体製造装置の概略を説明する構成図である。
【図2】スパッタ装置の温度管理を示すフローチャート図である。
【図3】連続ロット処理でのCu用のスパッタ装置、Ti用のスパッタ装置及びプリヒートチャンバー装置の温度変化を示すグラフである。
【図4】所定膜厚のCuを蒸着したロットとスパッタ装置内の温度との関係において良品・不良品を示すグラフである。
【図5】各スパッタ装置内の温度、プリヒートチャンバー装置内の温度及び半導体ウエハの温度と各装置で処理した各半導体ウエハとの関係を示すグラフである。
【図6】連続ロット処理での各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度変化を示すグラフである。
【図7】各ロットの処理間隔と各スパッタ装置内及びプリヒートチャンバー装置内の温度低下を示すグラフである。
【図8】スパッタ装置で蒸着した膜厚結果を示す一覧である。
【図9】図8に示す一覧を基に各ロットとCu膜厚との関係を示したグラフである。
【図10】図8に示す一覧を基にスパッタレートとCu成膜温度との関係を示したグラフである。
【図11】スパッタ装置内の処理温度とシート抵抗を示す一覧である。
【図12】図11の一覧を基に各ロットのシート抵抗及びシート抵抗バラツキ率を示すグラフである。
【図13】図11の一覧を基にスパッタ装置内のCu膜の処理温度とシート抵抗の関係を示すグラフである。
【図14】スパッタ装置内の各処理温度と熱的ストレス定数を示す一覧である。
【図15】図14の一覧を基に各ロットの熱的ストレス定数を示すグラフである。
【図16】図14の一覧を基にスパッタ装置内のCu膜の処理温度と熱的ストレス定数を示すグラフである。
【符号の説明】
【0098】
10 スパッタ装置
11 ダミーウエハ収容装置
12 製品収容装置
13 プリヒートチャンバー装置
14 搬送部
15 制御装置
21 チャンバー
22 ステージ
23 温度計測部
24 タイマー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定ステップと、
前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入するダミーウエハ投入ステップと、
前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する半導体ウエハ投入ステップと、を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記判定ステップは、
前記スパッタ装置に前記半導体ウエハ又は前記ダミーウエハを投入し蒸着処理が終了してから次の前記半導体ウエハ又は前記ダミーウエハが投入されるまでの経過時間をタイマーで測定するステップと、
前記経過時間が所定時間に達したときに前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上でないと判定するステップと、を有する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記判定ステップは、
前記スパッタ装置内に設けられた温度計測部による計測結果に基づいて、前記スパッタ装置内の温度を判定する請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記スパッタ装置に投入する前の前記半導体ウエハをプリヒートチャンバー装置に投入して、前記半導体ウエハを特定温度になるように加温する加熱ステップと、を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記アンダーバンプメタルを前記投入した半導体ウエハに前記スパッタ装置により前記半導体チップに蒸着するステップと、
前記アンダーバンプメタル上にマスク膜を成膜するステップと、
前記マスク膜の所定箇所を開口して、当該開口を介してアンダーバンプメタルをエッチングするステップと、を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定手段と、
前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと前記判定手段により判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入する第1投入手段と、
前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと前記判定手段が判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する第2投入手段と、を備えた半導体製造装置。
【請求項1】
半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定ステップと、
前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入するダミーウエハ投入ステップと、
前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する半導体ウエハ投入ステップと、を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記判定ステップは、
前記スパッタ装置に前記半導体ウエハ又は前記ダミーウエハを投入し蒸着処理が終了してから次の前記半導体ウエハ又は前記ダミーウエハが投入されるまでの経過時間をタイマーで測定するステップと、
前記経過時間が所定時間に達したときに前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上でないと判定するステップと、を有する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記判定ステップは、
前記スパッタ装置内に設けられた温度計測部による計測結果に基づいて、前記スパッタ装置内の温度を判定する請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記スパッタ装置に投入する前の前記半導体ウエハをプリヒートチャンバー装置に投入して、前記半導体ウエハを特定温度になるように加温する加熱ステップと、を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記アンダーバンプメタルを前記投入した半導体ウエハに前記スパッタ装置により前記半導体チップに蒸着するステップと、
前記アンダーバンプメタル上にマスク膜を成膜するステップと、
前記マスク膜の所定箇所を開口して、当該開口を介してアンダーバンプメタルをエッチングするステップと、を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
半導体ウエハに形成された半導体チップにアンダーバンプメタルを蒸着するスパッタ装置内の温度を判定する判定手段と、
前記スパッタ装置内の温度がアンダーバンプメタルの蒸着に適した所定温度以上でないと前記判定手段により判定したときに、前記スパッタ装置にダミーウエハを投入する第1投入手段と、
前記スパッタ装置にダミーウエハを投入して前記スパッタ装置内の温度が前記所定温度以上となったと前記判定手段が判定したときに、前記半導体ウエハを前記スパッタ装置に投入する第2投入手段と、を備えた半導体製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−103230(P2010−103230A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271940(P2008−271940)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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