説明

半導体装置の製造方法

【課題】 センサ素子におけるセンサの誤認識の発生を低減する。
【解決手段】 封止用樹脂18などの樹脂を印刷する際に、センサIC1のセンサ面1gとこれに対向する封止用マスク16の下面16aとの間に空洞17を形成した状態で、スキージ12によって封止用樹脂18を印刷することにより、印刷時の封止用マスク16とセンサIC1のセンサ面1gとの接触を避けることができ、これにより、印刷時にセンサIC1のセンサ面1gにダメージが与えられることを防止できるため、センサIC1におけるセンサの誤認識の発生を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、印刷時のセンサ素子へのダメージの低減化に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の製造方法では、孔版はダムを形成するための孔が設けられ、上記孔版の下面を基板又は基板回路に接触させて液状樹脂を印刷によって孔内に充填し、孔版と基板とを離すことによって孔内に充填された液状樹脂を基板上に転写してダムを形成する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、指紋照合装置は、被検体が接触する測定電極対と、測定電極対に被検体が接触された場合、被検体の静電容量に応じた周波数の被検体信号を生成する被検体信号生成部と、被検体信号生成部によって生成された被検体信号に基づいて、被検体が生体であるかどうかを判定する判定部とを備えている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、指紋センサ装置は、センサ部が表面に形成された半導体チップと、半導体チップを封止する封止樹脂部とを有し、封止樹脂部に形成された開口部の底部においてセンサ部が露出している(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−144707号公報(図1)
【特許文献2】特開2004−234245号公報(図12)
【特許文献3】特開2003−235830号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、指紋認識センサなどのセンサ素子であるセンサIC(Integrated Circuit)のみを有する半導体装置は、主にトランスファーモールドで樹脂封止する構造であるが、近年、センサICだけでなく、制御ICやメモリICなどの周辺回路も組み込んだ半導体装置の要求が増えつつある。
【0006】
このようなセンサICと周辺回路を有する半導体装置では、顧客要求により周辺回路の配置が変更される場合が多く、この半導体装置の樹脂封止にトランスファーモールドを適用すると、周辺回路の配置が変更された場合に、樹脂封止用の成形金型の変更に伴って金型製作が必要となるため、コストが高くなる。
【0007】
一方、センサICと周辺回路を有する半導体装置に対して印刷による樹脂封止を適用すると、周辺回路の配置が変更された場合でも印刷用のマスクを交換するだけで済む。印刷用のマスクは、樹脂封止用の成形金型に比較して安価であるため、コストが高くなることを抑制できる。
【0008】
そこで、本発明者は、センサICを有する半導体装置の組み立てにおける樹脂封止として、印刷方法について検討した結果、以下のような課題を見出した。
【0009】
印刷方法で封止を行う場合、印刷用のマスクとセンサICのセンサ面とが接触すると、センサ面にダメージが与えられてセンサ面に傷が形成され、その結果、センサの誤認識につながることが問題となる。
【0010】
また、センサ面とマスクとの間に異物が入ると、マスクとセンサICのセンサ面とが接触した際にセンサ面にさらに大きな傷が形成され、センサの誤認識の割合がさらに高まることが問題となる。
【0011】
したがって、センサICを有する半導体装置を印刷方法で樹脂封止する際には、センサICのセンサ面にダメージを付与しないことが重要であることを本発明者は見出した。
【0012】
なお、前記特許文献1には、センサICについての開示は全くない。
【0013】
また、前記特許文献2および3には、センサの表面に付与するダメージを緩和するという開示は全くない。
【0014】
本発明の目的は、センサ素子におけるセンサの誤認識の発生を低減することができる技術を提供することにある。
【0015】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0017】
すなわち、本発明は、配線基板を準備する工程と、前記配線基板の主面上にセンサ素子を搭載する工程と、前記センサ素子のセンサ面をマスクで覆った状態で印刷方法により樹脂封止する工程とを有し、前記樹脂封止する工程において、前記センサ素子のセンサ面とこれに対向する前記マスクの下面との間に空洞を形成して、前記印刷方法により樹脂封止するものである。
【0018】
また、本発明は、配線基板を準備する工程と、前記配線基板の主面上に静電容量、圧力または光を認識するセンサ素子を搭載する工程と、前記センサ素子のセンサ面の周囲に樹脂からなる突起部を印刷方法により形成する工程と、前記センサ素子のセンサ面を第1のマスクで覆い、前記突起部と前記第1のマスクとを密着させた状態で印刷方法により樹脂封止する工程とを有し、前記樹脂封止する工程において、前記センサ素子のセンサ面とこれに対向する前記第1のマスクの下面との間に空洞を形成して、前記印刷方法により樹脂封止するものである。
【0019】
また、本発明は、主面と前記主面に対向する裏面とを有する配線基板を準備する工程と、前記配線基板の主面上に静電容量、圧力または光を認識するセンサ素子を搭載する工程と、前記センサ素子のセンサ面の周囲に樹脂からなる突起部を印刷方法により形成する工程と、前記センサ素子のセンサ面を第1のマスクで覆い、前記突起部と前記第1のマスクとを密着させた状態で印刷方法により樹脂封止する工程と、前記樹脂封止する工程の後、前記樹脂封止に用いた封止用樹脂を熱硬化させる工程とを有し、前記樹脂封止する工程において、前記センサ素子のセンサ面とこれに対向する前記第1のマスクの下面との間に空洞を形成して、前記印刷方法により樹脂封止するものである。
【発明の効果】
【0020】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0021】
樹脂を印刷する際に、センサ素子のセンサ面とこれに対向するマスクの下面との間に空洞を形成して印刷することにより、印刷時のマスクとセンサ面の接触を避けることができる。これにより、印刷時にセンサ素子のセンサ面にダメージが与えられることを防止でき、その結果、センサ素子におけるセンサの誤認識の発生を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0023】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0024】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す平面図、図2は図1に示す半導体装置の構造を示す側面図、図3は図1に示す半導体装置の構造を示す裏面図、図4は図1に示すA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図5は図1に示す半導体装置の回路ブロックの一例を示すブロック図、図6は図1に示す半導体装置に組み込まれるセンサICの構造の一例を示す断面図、図7は図6に示すセンサICの矩形波発振回路の一例を示す回路図、図8は図6に示すセンサICにおける端子電極の配置の一例を示す部分平面図、図9は図6に示すセンサICにおける端子電極の構造の一例を示す拡大部分断面図、図10は図6に示すセンサICの指紋検知の原理の一例を示す断面図、図11は図6に示すセンサICの指紋検知における電荷分布の一例を示す電荷分布図、図12は本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立てにおける封止用樹脂の印刷時の構造の一例を示す断面図、図13は本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立て手順の一例を示す製造プロセスフロー図である。
【0027】
図1〜図4に示す本実施の形態1の半導体装置は、センサ素子であるセンサIC1を有する樹脂封止型のモジュール製品であり、本実施の形態1では、複数の半導体チップ(IC)が配線基板上に搭載された半導体モジュールの場合を説明する。
【0028】
前記半導体装置は、図2に示す複数の配線層を有する多層配線基板(配線基板)2と、多層配線基板2の主面2a上に搭載された3つの半導体チップと、前記3つの半導体チップを封止する封止部3とからなり、図3に示すように多層配線基板2の裏面2bにその周縁部に沿って複数の外部端子であるランド2cが配置されたLGA(Land Grid Array)5である。
【0029】
本実施の形態1のLGA5に組み込まれている3つの半導体チップは、図5に示すようにセンサ素子であるセンサIC1と、その周辺回路11に相当するコントローラIC(電子部品)8およびメモリIC(電子部品)9であり、これら3つの半導体チップが多層配線基板2の配線によって電気的に接続されている。さらに、3つの半導体チップのうちのセンサIC1の表面であるセンサ面1gが、図1および図4に示すように、封止用樹脂(図12参照)18からなる封止部3の開口部3aに露出している。
【0030】
ここで、センサIC1は、例えば、静電容量、圧力または光を認識するセンサ素子であり、したがって、センサ面1gを露出させてこのセンサ面1gによって静電容量(電荷量)、圧力または光を認識する。センサ面1gの露出は、印刷方法による樹脂封止の際に、図12に示すようにセンサIC1のセンサ面1gを封止用マスク16で覆ってセンサ面1gの外側周囲と封止用マスク16の下面16aを密着させた状態で印刷による樹脂封止を行うことにより、前記封止用樹脂18がセンサ面1g上に入り込まないようにすることで実現可能である。
【0031】
なお、センサIC1は、導電性ワイヤである金線4によって多層配線基板2と電気的に接続されている。また、多層配線基板2は、例えば、セラミック基板やガラスエポキシ樹脂製のプリント基板配線基板などからなり、内部に複数の配線が形成され、複数の配線層を有しているものである。
【0032】
センサIC1、コントローラIC8およびメモリIC9は、例えば、エポキシ系やシリコーン系の接着剤によって多層配線基板2の主面2a上に固着されている。さらに、封止部3は、例えば、エポキシ系やシリコーン系の前記封止用樹脂18によって形成されたものである。
【0033】
次に、LGA5に組み込まれている3つの半導体チップのそれぞれの機能について説明する。センサIC1は、静電容量の大小を認識してこれを電圧に変換したり、または、圧電素子によって圧力の大小を認識してこれを電圧に変換したり、あるいは、フォトダイオードによって光の強度を認識してこれを電圧に変換するものであるが、本実施の形態1では、センサIC1が、静電容量の大小を認識してこれを電圧に変換する指紋認識センサの場合を取り上げて説明する。
【0034】
したがって、本実施の形態1のセンサIC1は、図6に示すように指紋認識センサ用の複数の端子電極1eを有しており、これらの端子電極1eには図7に示すような矩形波発振回路1kが接続されている。
【0035】
また、コントローラIC8は、センサIC1を制御する制御回路を有しており、センサIC1、外部インターフェース10およびメモリIC9などとそれぞれ電気的に接続されている。例えば、外部インターフェース10を介して外部システムからの読み取り信号をセンサIC1に送信したり、センサIC1から送信される信号を外部インターフェース10を介して外部システムに送信したりする。さらに、センサIC1の制御や、センサIC1から送信された信号を一時的に保管するためのメモリIC9へのデータ送信なども行う。
【0036】
また、メモリIC9は、メモリ回路を有しており、コントローラIC8を動作させるためのプログラムの格納や、センサIC1から送信された認識データの一時的な保管などを行うものである。
【0037】
次に、指紋認識センサを有するセンサIC1の構造と、このセンサIC1による指紋認識方法の原理の一例について説明する。
【0038】
センサIC1は、図6に示すように、シリコン基板1a上に絶縁性の層間膜1cが形成され、その主面1b上に指紋認識センサ用の複数の端子電極1eが形成されており、さらにこれら端子電極1eを覆うように絶縁膜1fが配置されている。また、主面1bの周縁部には、導電性ワイヤである金線4と接続するボンディング用電極1dが露出した状態で配置されている。したがって、センサIC1では最上部に配置された絶縁膜1fの表面がセンサ面1gとなる。
【0039】
図8および図9に示すように、シリコン基板1aの主面1b上に配置された指紋認識センサ用の複数の端子電極1eは、格子状に配置されており、主面1b上に、例えば、90000個配置されている。
【0040】
なお、端子電極1e上に配置された絶縁膜1fは、例えば、SiO2 膜などの酸化膜である。また、絶縁膜1fの代わりに、端子電極1e上に空隙部を介して硬質ガラス膜などを配置してもよい。
【0041】
静電容量の大小を認識する指紋認識センサでは、図10に示すような指6と指紋認識センサである各端子電極1eとの間に溜まる電荷を認識し、この電荷を図7に示すような矩形波発振回路1kにより電圧に変換し、さらに、図11に示すような画像に変換する。すなわち、図10に示すように、指6には指紋によってその表面に凹凸が形成されているため、指6と各端子電極1eとの間に溜まる電荷を認識し、この電荷の量を電圧に変換した後に所定の電圧以上の電圧値の場合を "1”、それ以下の電圧値の場合を "0”として図11に示すような画像に変換する。
【0042】
指6の表面の指紋から形成される凹凸により、図7に示すコンデンサ(C)1jの役目をする端子電極1eに蓄積される電荷の容量が異なる。図10に示すように、センサ面1gから指6の表面までの距離が遠い場合(P:指紋の凹部)、電荷が溜まりにくく図11に示す白円Sとなり、一方、センサ面1gから指6の表面までの距離が近い場合(Q:指紋の凸部)、電荷が溜まりやすく図11に示す黒円Tとなる。
【0043】
また、図7に示すように矩形波発振回路1kにはインバータ1hであるI1,I2と、抵抗1iであるR1,R2と、コンデンサ(C)1jの役目をする端子電極1eとが接続されており、認識した電荷の量を "1”または "0”に変換し、さらに図11に示すような画像に変換する。矩形波発振回路1kは、各端子電極1eごとに形成されており、したがって、端子電極1eと同様にそれぞれの端子電極1eに対応して格子状に配置されている。
【0044】
なお、図11に示す画像は、認識した電荷の量による画像表示を行ったものであり、蓄積された電荷の少ない端子電極1eが白円Sで表示されており、一方、蓄積された電荷の多い端子電極1eが黒円Tで表示されている。図11に示す画像における白円Sと黒円Tの分布が指紋を表しており、これによって、指6の指紋を認識することができる。
【0045】
次に、本実施の形態1の半導体装置の製造方法を、図13に示す製造プロセスフローを用いて説明する。ここでは、図12に示すように、下面16aに凹部である空洞部16cが設けられた封止用マスク16を用い、この封止用マスク16をセンサIC1上に配置して、封止用マスク16とセンサIC1のセンサ面1gとの間に空洞17を形成し、センサIC1のセンサ面1g上に空洞17を配置した状態で樹脂による印刷を行う場合を一例として説明する。
【0046】
まず、図12に示す主面2aと主面2aに対向する裏面2bとを有する配線基板である多層配線基板2を準備する。
【0047】
その後、図13のステップS1に示すように、指紋認識センサ用のセンサ素子であるセンサIC1、さらに、周辺回路11用の電子部品であるベアチップのコントローラIC8およびメモリIC9を搭載するための接着剤を多層配線基板2の主面2aに塗布する。なお、前記接着剤は、例えば、エポキシ系やシリコーン系の接着剤である。
【0048】
その後、多層配線基板2の主面2a上にセンサIC1を搭載するとともに、センサIC1の周辺にコントローラIC8およびメモリIC9を搭載する(ステップS2)。
【0049】
その後、ステップS3に示すように、前記接着剤を多層配線基板2を介して加熱して熱硬化させる。
【0050】
これにより、センサIC1、コントローラIC8およびメモリIC9は、それぞれ前記接着剤によって多層配線基板2の主面2a上に固着される。
【0051】
その後、ステップS4に示すワイヤボンディングを行う。すなわち、図12に示すように、センサIC1のボンディング用電極1d(図28参照)とこれに対応する多層配線基板2のボンディング用端子2d(図28参照)とを導電性ワイヤである金線4によって電気的に接続し、さらに、コントローラIC8およびメモリIC9もそれぞれ金線4によって多層配線基板2のボンディング用端子2dと電気的に接続する。
【0052】
これにより、周辺回路11であるコントローラIC8やメモリIC9は、それぞれに複数の金線4を介してセンサIC1と電気的に接続される。
【0053】
その後、ステップS5に示すように液状樹脂を用いて封止用液状樹脂の印刷を行って樹脂封止する。すなわち、図12に示すように、下面16aに凹部である空洞部16cが設けられた封止用マスク16を用い、この封止用マスク16をセンサIC1上に配置することにより、封止用マスク16とセンサIC1のセンサ面1gとの間に空洞17を形成し、かつセンサIC1のセンサ面1g上に空洞17を配置するとともに、封止用マスク16の下面16aをセンサIC1のセンサ面1gの外側周囲に密着させた状態で樹脂による印刷を行い、これによって、図2に示すように多層配線基板2上に封止部3を形成する。
【0054】
その際、まず、センサIC1のセンサ面1gが封止用マスク16によって覆われ、かつコントローラIC8やメモリIC9の上方に封止用マスク16の開口部16bが配置されるように封止用マスク16を配置する。さらに、封止用マスク16の下面16aがセンサIC1のセンサ面1gの外側周囲に密着するように封止用マスク16を配置する。
【0055】
これにより、センサIC1のセンサ面1gとこれに対向する封止用マスク16との間に空洞17を形成した状態で印刷を行うことができる。
【0056】
なお、センサIC1のセンサ面1gは、封止用マスク16によって覆われるものの、図28に示すように、センサIC1の主面1bの周縁部に配置されたボンディング用電極1dや金線4、および基板側のボンディング用端子2dは封止用マスク16の開口部16bによって露出しているため、印刷により、ボンディング用電極1d、金線4およびボンディング用端子2dも封止用樹脂18によって覆われる。
【0057】
印刷時には、図12に示すようにスキージ12を所定の移動方向15に移動させて、封止用樹脂18を封止用マスク16の開口部16bに埋め込んで図2に示すような封止部3を形成する。
【0058】
これにより、コントローラIC8やメモリIC9、および複数の金線4を封止用樹脂18からなる図1に示す封止部3によって覆い、かつセンサIC1のセンサ面1gは封止部3の開口部3aに露出させることができる。
【0059】
なお、封止用樹脂18は、例えば、エポキシ系やシリコーン系の樹脂である。
【0060】
封止用の印刷の際には、図12に示すようにセンサIC1上に、空洞部16cが形成された封止用マスク16を配置することにより、封止用マスク16とセンサIC1のセンサ面1gとの間に空洞17を形成し、センサIC1のセンサ面1g上に空洞17を配置した状態で印刷を行うため、センサ面1gに対して封止用マスク16を接触させることなく印刷を行うことができ、センサ面1gに対してダメージを与えずに印刷することが可能である。
【0061】
さらに、封止用マスク16の下面16aとセンサIC1のセンサ面1gの外側周囲とを密着させて印刷を行うため、印刷時の封止用樹脂18のセンサ面1g上への浸入を防ぐことができ、センサ面1gに封止用樹脂18が付着することを防止できる。
【0062】
その後、ステップS6に示すように、封止部3(封止用樹脂18)を所定の硬化条件で加熱して熱硬化させる封止用液状樹脂硬化を行う。なお、封止用樹脂18を熱硬化させる際には、一次ベークと二次ベークの2回に分けてベーク処理を行うことが好ましい。例えば、一次ベークを100℃、1時間の条件でベーク処理し、その後、二次ベークを一次ベークより高温の150℃、3時間の条件でベーク処理する。
【0063】
このようにベーク処理を2回に分けて行い、かつ二次ベークを一次ベークより高温で行うことにより、封止用樹脂18の硬化だけでなく、封止部3の内部の水分も蒸発させることができ、出荷後のパッケージクラックの発生を防止することができる。
【0064】
本実施の形態1の半導体装置の製造方法によれば、封止時に樹脂を印刷する際に、センサIC1のセンサ面1gとこれに対向する封止用マスク16との間に空洞17を形成して印刷することにより、印刷時のマスクとセンサ面1gとの接触を避けることができる。
【0065】
これにより、センサIC1のセンサ面1gに樹脂が付着することを防止できるとともに、印刷時にセンサIC1のセンサ面1gにダメージが与えられることを防止でき、その結果、センサ面1gに傷や打痕が形成されることを防げる。したがって、センサIC1におけるセンサの誤認識の発生を低減することができる。
【0066】
また、封止用マスク16の下方においてセンサIC1のセンサ面1g上に空洞17を形成して印刷することにより、封止用マスク16とセンサ面1gの間に異物が入った際にもセンサ面1gにダメージが与えられることを防止でき、センサIC1におけるセンサの誤認識の発生を低減することができる。
【0067】
また、印刷によって封止を行うため、センサIC1、コントローラIC8およびメモリIC9などの複数の半導体チップや周辺回路11用の電子部品などが搭載されている構造であっても封止可能である。
【0068】
さらに、印刷による封止では、着工初期に新たにかかるコストは、印刷用のマスクなどであり、樹脂成形金型の場合に比較して1/10程度に前記コストを抑えることができる。なお、樹脂成形金型の金型作製期間に比較して、封止用マスク16の作製期間は短いため、製品の開発期間を短縮することができる。
【0069】
また、基板上にセンサIC1、コントローラIC8およびメモリIC9などの複数の半導体チップや周辺回路11用の電子部品などを搭載可能であるため、カスタム化されたモジュール製品に対してもマスク開口部を変更するだけで対応することが可能になる。
【0070】
(実施の形態2)
図14は本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立て手順の一例を示す製造プロセスフロー図、図15は図14に示す組み立てにおけるチップ搭載後の構造の一例を示す平面図、図16は図15に示すチップ搭載後の構造を示す断面図、図17および図18はそれぞれ図14に示す組み立てにおけるダム用樹脂印刷の方法の一例を示す断面図、図19は図17に示すダム用樹脂印刷時の構造を示す平面図、図20は図19に示すマスクのA部の下面側の構造の一例を示す部分裏面図、図21は図20に示すA−A線で切断した構造の一例を示す部分断面図、図22は図14に示す組み立てにおけるダム用樹脂印刷後の構造の一例を示す平面図、図23は図22に示すダム用樹脂印刷後の構造を示す断面図、図24は図14に示す組み立てにおけるワイヤボンディング後の構造の一例を示す断面図、図25および図26はそれぞれ図14に示す組み立てにおける封止用樹脂印刷の方法の一例を示す断面図、図27は図25に示す封止用樹脂印刷時の構造を示す平面図、図28は図27に示すA部の構造を示す拡大部分平面図、図29は図28に示すA−A線で切断した構造の一例を示す部分断面図、図30は図14に示す製造プロセスによって組み立てられた半導体装置の構造の一例を示す平面図、図31は図30に示す半導体装置の構造を示す断面図、図32は本発明の実施の形態2の変形例のマスクの構造を示す断面図、図33は本発明の実施の形態の変形例の半導体装置の構造を示す平面図、図34は図33に示す変形例の半導体装置の構造を示す側面図、図35は図33に示す変形例の半導体装置の構造を示す裏面図、図36は図33に示すA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【0071】
本実施の形態2では、図14に示す製造プロセスフローを用いて、チップ上に液状樹脂の流れ止め用の突起部(ダム状突起部)を形成し、この突起部上にマスクを配置して印刷による樹脂封止を行う場合の半導体装置の製造方法の一例を説明する。
【0072】
まず、図16に示す主面2aと主面2aに対向する裏面2bとを有する配線基板である多層配線基板2を準備する。
【0073】
その後、図14のステップS1に示すように、指紋認識センサ用のセンサ素子であるセンサIC1、さらに、周辺回路11用の電子部品であるベアチップのコントローラIC8およびメモリIC9を搭載するための接着剤を多層配線基板2の主面2aに塗布する。なお、前記接着剤は、例えば、エポキシ系やシリコーン系の接着剤である。
【0074】
その後、図15および図16に示すように、多層配線基板2の主面2a上にセンサIC1を搭載するとともに、センサIC1の周辺にコントローラIC8およびメモリIC9を搭載する(ステップS2)。
【0075】
その後、ステップS3に示すように、前記接着剤を多層配線基板2を介して加熱して熱硬化させる。
【0076】
これにより、センサIC1、コントローラIC8およびメモリIC9は、それぞれ前記接着剤によって多層配線基板2の主面2a上に固着される。
【0077】
その後、ステップS4に示すように、液状樹脂Aを用いて突起部用液状樹脂の印刷を行う。すなわち、図22に示すように、センサIC1のセンサ面1gの周囲に、液状樹脂Aであるダム用樹脂14からなるダム状突起部を印刷方法により形成する。ダム状突起部は、封止時の液状樹脂B(封止用樹脂18)の流れを塞き止めるものであり、液状樹脂Bのセンサ面1gへの浸入を阻止する。ここでは、まず、図17および図19に示すように、センサIC1、コントローラIC8およびメモリIC9の上に第2のマスクであるダム用マスク13を配置し、センサIC1のセンサ面1g、およびコントローラIC8とメモリIC9をダム用マスク13で覆う。
【0078】
ただし、ダム用マスク13におけるセンサIC1のセンサ面1gの僅か外側に対応した箇所には開口部13cがセンサIC1の外周に沿うように形成されており、したがって、この開口部13cがセンサIC1のセンサ面1gの外側に配置されるようにダム用マスク13を配置する。
【0079】
さらに、ダム用マスク13の下面13aにおけるセンサIC1のセンサ面1gと対向する箇所には、凹部である空洞部13bが形成されており、図17に示すように、下面13aの空洞部13bがセンサIC1のセンサ面1g上に配置されるようにダム用マスク13を配置する。
【0080】
この状態で図17および図18に示すようにスキージ12を所定の移動方向15に移動させて、ダム用樹脂14を開口部13cに埋め込んでダム状突起部である図22に示すダム7を印刷方法により形成する。なお、スキージ12の移動は、一方向のみの移動であってもよいし、あるいは往復で移動させて印刷を行ってもよい。
【0081】
また、図20および図21に示すように、ダム用マスク13の開口部13cと開口部13cとの間には吊り部13dが形成されており、この吊り部13dの下面13a(裏面)側には、凹部である空洞部13eが形成されている。これにより、開口部13cから充填されたダム用樹脂14は、図21に示すように吊り部13dの下部において空洞部13eを通ることが可能なため、図22に示すようにダム7をセンサIC1のセンサ面1gの周囲に切れ目なく繋がった状態に形成することができる。
【0082】
さらに、ダム用樹脂14は、図25に示す樹脂封止時に封止用マスク16をダム7上に配置した際に、封止用マスク16の上面16dが金線4によるワイヤループの最上部の位置より高くなるようなダム高さとなるように塗布する。
【0083】
なお、ダム用樹脂14は、印刷時に、センサ面1gの周囲に対してほぼ均一にムラなく塗布することが好ましいため、流動性の良い樹脂を採用することが望ましい。さらに、センサIC1の周縁部におけるダム形成領域のためのスペースは非常に狭く、かつダム用樹脂14がセンサ面1gに流れることは阻止しないといけないため、ダム7の幅を可能な限り狭く形成する必要がある。そこで、ダム用樹脂14は、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂を採用し、その特性は、例えば、粘度が、60〜70Pa・s、チキソ比が、1.2〜1.8であり、硬化条件は、例えば、120℃で30秒加熱することが好ましい。
【0084】
ただし、ダム用樹脂14の前記特性や前記硬化条件は一例であり、他の特性や硬化条件であってもよいことは言うまでもない。
【0085】
その後、ステップS5に示すように、ダム用樹脂14を多層配線基板2やセンサIC1を介して前記硬化条件で加熱して熱硬化させるダム用液状樹脂硬化を行う。
【0086】
これにより、図22および図23に示すように、センサIC1の周縁部上に、そのセンサ面1gの周りを囲むように、かつ繋がった状態の樹脂からなるダム7を形成することができる。
【0087】
また、ダム7を印刷によって形成する際には、ダム用マスク13の下面13a側の空洞部13bがセンサIC1のセンサ面1g上に配置された状態で印刷を行うため、センサ面1gに対してダム用マスク13を接触させることなく印刷を行うことができ、センサ面1gに対してダメージを与えずに印刷することが可能である。
【0088】
その後、ステップS6に示すワイヤボンディングを行う。すなわち、図24に示すように、センサIC1のボンディング用電極1d(図28参照)とこれに対応する多層配線基板2のボンディング用端子2d(図28参照)とを導電性ワイヤである金線4によって電気的に接続し、さらに、コントローラIC8およびメモリIC9もそれぞれ金線4によって多層配線基板2のボンディング用端子2dと電気的に接続する。
【0089】
これにより、周辺回路11であるコントローラIC8やメモリIC9は、それぞれに複数の金線4を介してセンサIC1と電気的に接続される。
【0090】
なお、センサIC1の主面1b上にダム7を形成した後にワイヤボンディングを行うことにより、ダム7の印刷時に金線4を倒してしまうという問題の発生を防ぐことができる。
【0091】
その後、ステップS7に示すように液状樹脂Bを用いて封止用液状樹脂の印刷を行って樹脂封止する。すなわち、図25に示すように、センサIC1のセンサ面1gを封止用マスク(第1のマスク)16で覆い、ダム7と封止用マスク16の下面16aとを密着させた状態で印刷方法により樹脂封止して図31に示すように多層配線基板2上に封止部3を形成する。
【0092】
その際、まず、図25および図27に示すように、センサIC1のセンサ面1gが封止用マスク16によって覆われ、かつコントローラIC8やメモリIC9の上方に封止用マスク16の開口部16bが配置されるように封止用マスク16を配置する。さらに、封止用マスク16の下面16aがダム7に密着するように封止用マスク16を配置する。
【0093】
これにより、センサIC1のセンサ面1gとこれに対向する封止用マスク16の下面16aとの間に空洞17を形成した状態で印刷を行うことができる。
【0094】
なお、図28および図29に示すように、センサIC1のセンサ面1gは、封止用マスク16によって覆われるものの、センサIC1の主面1bの周縁部に配置されたボンディング用電極1dや金線4、および基板側のボンディング用端子2dは封止用マスク16の開口部16bによって露出しているため、印刷により、ボンディング用電極1d、金線4およびボンディング用端子2dも図27に示す封止用樹脂18によって覆われる。
【0095】
また、封止用マスク16を配置した際には、ダム7が、図25に示すように封止用マスク16の上面16dが金線4によるワイヤループの最上部の位置より高くなるようなダム高さで形成されているため、封止用マスク16の上面16dをワイヤループの最上部より高い位置に配置できる。これにより、印刷後、封止用樹脂18(封止部3)によって金線4を確実に覆うことができる。
【0096】
なお、印刷時には、図25および図26に示すようにスキージ12を所定の移動方向15に移動させて、封止用樹脂18を封止用マスク16の開口部16bに埋め込んで図31に示すような封止部3を形成する。その際、スキージ12の移動は、一方向のみの移動であってもよいし、あるいは往復で移動させて印刷を行ってもよい。
【0097】
これにより、図30および図31に示すように、コントローラIC8やメモリIC9、および複数の金線4を図26に示す封止用樹脂18からなる封止部3によって覆い、かつセンサIC1のセンサ面1gは封止部3の開口部3aに露出させることができる。
【0098】
なお、封止用樹脂18は、例えば、エポキシ系やシリコーン系の樹脂である。
【0099】
封止用の印刷の際には、図25に示すようにダム7上に封止用マスク16を配置することにより、封止用マスク16の下面16aとセンサIC1のセンサ面1gとの間に空洞17を形成し、センサIC1のセンサ面1g上に空洞17を配置した状態で印刷を行うため、センサ面1gに対して封止用マスク16を接触させることなく印刷を行うことができ、センサ面1gに対してダメージを与えずに印刷することが可能である。
【0100】
さらに、ダム7と封止用マスク16とを密着させて印刷を行うため、印刷時の封止用樹脂18のダム7の内側への浸入を防ぐことができ、センサ面1gに封止用樹脂18が付着することを防止できる。
【0101】
その後、ステップS8に示すように、封止部3(封止用樹脂18)を所定の硬化条件で加熱して熱硬化させる封止用液状樹脂硬化を行う。なお、封止用樹脂18を熱硬化させる際には、一次ベークと二次ベークの2回に分けてベーク処理を行うことが好ましい。例えば、一次ベークを100℃、1時間の条件でベーク処理し、その後、二次ベークを一次ベークより高温の150℃、3時間の条件でベーク処理する。
【0102】
このようにベーク処理を2回に分けて行い、かつ二次ベークを一次ベークより高温で行うことにより、封止用樹脂18の硬化だけでなく、封止部3の内部の水分も蒸発させることができ、出荷後のパッケージクラックの発生を防止することができる。
【0103】
本実施の形態2の半導体装置の製造方法によれば、ダム形成時や封止時に樹脂を印刷する際に、センサIC1のセンサ面1gとこれに対向するマスクの下面13a,16aとの間に空洞17(空洞部13b)を形成して印刷することにより、印刷時のマスクとセンサ面1gとの接触を避けることができる。
【0104】
これにより、センサIC1のセンサ面1gに樹脂が付着することを防止できるとともに、印刷時にセンサIC1のセンサ面1gにダメージが与えられることを防止でき、その結果、センサ面1gに傷や打痕が形成されることを防げる。したがって、センサIC1におけるセンサの誤認識の発生を低減することができる。
【0105】
また、マスクの下方においてセンサIC1のセンサ面1g上に空洞17(空洞部13b)を形成して印刷することにより、マスクとセンサ面1gの間に異物が入った際にもセンサ面1gにダメージが与えられることを防止でき、センサIC1におけるセンサの誤認識の発生を低減することができる。
【0106】
また、印刷によって封止を行うため、センサIC1、コントローラIC8およびメモリIC9などの複数の半導体チップや周辺回路11用の電子部品などが搭載されている構造であっても封止可能である。
【0107】
本実施の形態2の半導体装置の製造方法によって得られるその他の効果については、実施の形態1と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0108】
次に、図32に示す本実施の形態2の変形例について説明する。図32は、封止用マスク16の変形例を示すものであり、封止用マスク16の下面16a側に凹部である空洞部16cがダム7の外側に亘る範囲まで形成されているものである。すなわち、封止用マスク16の基本肉厚は変えることなく、センサIC1のセンサ面1gとダム7とに亘る領域に空洞部16cを形成して封止用マスク16を薄くしたものである。
【0109】
これにより、封止用樹脂18(図25参照)の充填時の高さを低くすることができるため、ダム7を超えてセンサ面1gに封止用樹脂18が流れ込むことを防止できるとともに、ダム7上の封止用マスク16の厚さが薄くなるため、封止部3(図31参照)の高さを低く形成することができる。
【0110】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0111】
例えば、前記実施の形態1,2では、半導体装置がLGA5の場合を一例として説明したが、前記半導体装置は、図33〜図36に示すように、多層配線基板2の裏面2bに外部端子として複数のボール電極20が格子状に配置されたBGA(Ball Grid Array)19などであってもよい。
【0112】
また、前記実施の形態1,2では、LGA5において多層配線基板2上にセンサIC1の他に、コントローラIC8とメモリIC9が搭載されている場合を一例として説明したが、例えば、コントローラIC8は外付けであってもよい。すなわち、本実施の形態1,2の半導体装置は、センサ面1gを露出させるセンサIC1が少なくとも搭載されていればよく、周辺回路11用の電子部品などの搭載数や種類は、特に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、印刷方法による封止技術および半導体製造技術に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す半導体装置の構造を示す側面図である。
【図3】図1に示す半導体装置の構造を示す裏面図である。
【図4】図1に示すA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図5】図1に示す半導体装置の回路ブロックの一例を示すブロック図である。
【図6】図1に示す半導体装置に組み込まれるセンサICの構造の一例を示す断面図である。
【図7】図6に示すセンサICの矩形波発振回路の一例を示す回路図である。
【図8】図6に示すセンサICにおける端子電極の配置の一例を示す部分平面図である。
【図9】図6に示すセンサICにおける端子電極の構造の一例を示す拡大部分断面図である。
【図10】図6に示すセンサICの指紋検知の原理の一例を示す断面図である。
【図11】図6に示すセンサICの指紋検知における電荷分布の一例を示す電荷分布図である。
【図12】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立てにおける封止用樹脂の印刷時の構造の一例を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立て手順の一例を示す製造プロセスフロー図である。
【図14】本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立て手順の一例を示す製造プロセスフロー図である。
【図15】図14に示す組み立てにおけるチップ搭載後の構造の一例を示す平面図である。
【図16】図15に示すチップ搭載後の構造を示す断面図である。
【図17】図14に示す組み立てにおけるダム用樹脂印刷の方法の一例を示す断面図である。
【図18】図14に示す組み立てにおけるダム用樹脂印刷の方法の一例を示す断面図である。
【図19】図17に示すダム用樹脂印刷時の構造を示す平面図である。
【図20】図19に示すマスクのA部の下面側の構造の一例を示す部分裏面図である。
【図21】図20に示すA−A線で切断した構造の一例を示す部分断面図である。
【図22】図14に示す組み立てにおけるダム用樹脂印刷後の構造の一例を示す平面図である。
【図23】図22に示すダム用樹脂印刷後の構造を示す断面図である。
【図24】図14に示す組み立てにおけるワイヤボンディング後の構造の一例を示す断面図である。
【図25】図14に示す組み立てにおける封止用樹脂印刷の方法の一例を示す断面図である。
【図26】図14に示す組み立てにおける封止用樹脂印刷の方法の一例を示す断面図である。
【図27】図25に示す封止用樹脂印刷時の構造を示す平面図である。
【図28】図27に示すA部の構造を示す拡大部分平面図である。
【図29】図28に示すA−A線で切断した構造の一例を示す部分断面図である。
【図30】図14に示す製造プロセスによって組み立てられた半導体装置の構造の一例を示す平面図である。
【図31】図30に示す半導体装置の構造を示す断面図である。
【図32】本発明の実施の形態2の変形例のマスクの構造を示す断面図である。
【図33】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置の構造を示す平面図である。
【図34】図33に示す変形例の半導体装置の構造を示す側面図である。
【図35】図33に示す変形例の半導体装置の構造を示す裏面図である。
【図36】図33に示すA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0115】
1 センサIC(センサ素子)
1a シリコン基板
1b 主面
1c 層間膜
1d ボンディング用電極
1e 端子電極
1f 絶縁膜
1g センサ面
1h インバータ
1i 抵抗
1j コンデンサ
1k 矩形波発振回路
2 多層配線基板(配線基板)
2a 主面
2b 裏面
2c ランド
2d ボンディング用端子
3 封止部
3a 開口部
4 金線(導電性ワイヤ)
5 LGA(半導体装置)
6 指
7 ダム(突起部)
8 コントローラIC(電子部品)
9 メモリIC(電子部品)
10 外部インターフェース
11 周辺回路
12 スキージ
13 ダム用マスク(第2のマスク)
13a 下面
13b 空洞部
13c 開口部
13d 吊り部
13e 空洞部
14 ダム用樹脂
15 移動方向
16 封止用マスク(第1のマスク)
16a 下面
16b 開口部
16c 空洞部
16d 上面
17 空洞
18 封止用樹脂
19 BGA(半導体装置)
20 ボール電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子を含む半導体装置の製造方法であって、
(a)配線基板を準備する工程と、
(b)前記配線基板の主面上に前記センサ素子を搭載する工程と、
(c)前記センサ素子のセンサ面をマスクで覆った状態で印刷方法により樹脂封止する工程とを有し、
前記(c)工程において、前記センサ素子のセンサ面とこれに対向する前記マスクの下面との間に空洞を形成して、前記印刷方法により樹脂封止することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(b)工程で前記センサ素子の周辺に電子部品を搭載することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、前記電子部品は封止用樹脂で覆い、前記センサ素子のセンサ面は前記封止用樹脂の開口部に露出させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置の製造方法において、前記電子部品はメモリ回路を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項3記載の半導体装置の製造方法において、前記電子部品は前記センサ素子を制御する制御回路を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(b)工程と前記(c)工程の間に、前記センサ素子と前記配線基板とを導電性ワイヤで電気的に接続するワイヤボンディング工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置の製造方法において、前記導電性ワイヤは封止用樹脂で覆い、前記センサ素子のセンサ面は前記封止用樹脂の開口部に露出させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記センサ素子は、指紋認識センサであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
静電容量、圧力または光を認識するセンサ素子を含む半導体装置の製造方法であって、
(a)配線基板を準備する工程と、
(b)前記配線基板の主面上に前記センサ素子を搭載する工程と、
(c)前記センサ素子のセンサ面の周囲に、樹脂からなる突起部を印刷方法により形成する工程と、
(d)前記センサ素子のセンサ面を第1のマスクで覆い、前記突起部と前記第1のマスクとを密着させた状態で印刷方法により樹脂封止する工程とを有し、
前記(d)工程において、前記センサ素子のセンサ面とこれに対向する前記第1のマスクの下面との間に空洞を形成して、前記印刷方法により樹脂封止することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記(c)工程において、前記センサ素子のセンサ面を第2のマスクで覆った状態で、前記センサ素子のセンサ面と対向する前記第2のマスクの下面に形成された空洞部を前記センサ面上に配置して、前記印刷方法により前記突起部を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記突起部を、前記センサ素子のセンサ面の周囲に切れ目なく繋がった状態に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記(c)工程の後に、前記センサ素子と前記配線基板とを導電性ワイヤで電気的に接続するワイヤボンディング工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の半導体装置の製造方法において、前記第1のマスクを前記突起部上に配置した際に、前記第1のマスクの上面が前記導電性ワイヤによるワイヤループの最上部の位置より高くなるように前記突起部を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記(b)工程で前記センサ素子の周辺に電子部品を搭載することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記センサ素子は、指紋認識センサであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
静電容量、圧力または光を認識するセンサ素子を含む半導体装置の製造方法であって、
(a)主面と前記主面に対向する裏面とを有する配線基板を準備する工程と、
(b)前記配線基板の主面上に前記センサ素子を搭載する工程と、
(c)前記センサ素子のセンサ面の周囲に、樹脂からなる突起部を印刷方法により形成する工程と、
(d)前記センサ素子のセンサ面を第1のマスクで覆い、前記突起部と前記第1のマスクとを密着させた状態で印刷方法により樹脂封止する工程と、
(e)前記(d)工程の後、前記樹脂封止に用いた封止用樹脂を熱硬化させる工程とを有し、
前記(d)工程において、前記センサ素子のセンサ面とこれに対向する前記第1のマスクの下面との間に空洞を形成して、前記印刷方法により樹脂封止することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、前記突起部は、前記封止用樹脂を熱硬化させる工程の前に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate


【公開番号】特開2006−229056(P2006−229056A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42546(P2005−42546)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】