説明

半導体装置の製造方法

【課題】耐熱性や絶縁性の劣化などの不良の発生が抑えられた絶縁膜と、金属配線とを備えた半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に吸湿性を有する絶縁膜102を形成し、絶縁膜にダミーコンタクトホールとコンタクトホールとを形成する。基板を熱処理して絶縁膜に含まれる水分を脱離させた後、金属膜で構成されるコンタクト103およびダミーコンタクト110をそれぞれ形成する。熱処理により、コンタクトホールおよびダミーコンタクトホールを通して絶縁膜中の水分を脱離させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、特に配線層間に絶縁膜を設けた多層配線における配線形成技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路の微細化、高集積化が著しく進んでいる。回路の集積度が上がるにつれ遅延時間の短縮が期待されるところ、実際には、トランジスタの遅延時間は短縮できるものの、配線抵抗と寄生容量が増加するため、配線遅延時間の短縮は困難になっている。そこで、配線抵抗を低減させるために、配線材料として従来のアルミニウムに代わってより抵抗率の低い銅が使用される。また、寄生容量を低減するために、絶縁膜として低誘電率の絶縁膜を使用している。銅はエッチングによるパターニングが困難であるため、銅配線を形成するに当たっては、トレンチパターンを形成した後に銅を溝に埋め込み、次いで化学的機械研磨法により銅膜の上面を平坦化して配線を形成するというダマシンプロセスを一般的に使用している。
【0003】
図1は従来の半導体装置を示す断面図である。同図に示すように、従来の半導体装置では、シリコン基板上に形成された第1の絶縁膜1の上に吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜2が形成されている。また、第2の絶縁膜2には、チタン/チタンナイトライドあるいはタンタルナイトライド/タンタルで構成されたバリアメタル膜3aと、銅あるいはタングステンで構成された金属膜3bとで構成され、第2の絶縁膜2を貫通するコンタクト3が形成されている。また、第2の絶縁膜2の上には、シリコン窒化炭化膜からなる第3の絶縁膜4が形成されている。また、第3の絶縁膜4の上には第4の絶縁膜5が形成されている。また、第3の絶縁膜4及び第4の絶縁膜5には、タンタルナイトライド/タンタルで構成されたバリアメタル膜6aと銅などの金属膜6bとで構成された金属配線6が形成されている。
【0004】
図2(a)〜(d)は、従来の半導体装置の製造工程を示す断面図である。以下で、従来の半導体装置の製造方法について詳細に述べる。
【0005】
まず、図2(a)に示すように、バリアメタル膜3aと銅またはタングステンからなる金属膜3bとで構成されるコンタクト3を形成する。具体的には、最初にシリコン基板上に第1の絶縁膜1を形成する。次に、第1の絶縁膜1の上に吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜2を形成する。次に、第2の絶縁膜2の上にフォトレジストからなるコンタクトホールパターンをフォトリソグラフィー法により形成し、当該コンタクトホールパターンを用いたドライエッチングによりコンタクトホールを形成する。次に、コンタクトホールの底部及び側壁から第2の絶縁膜2の上面に亘ってタンタルナイトライド/タンタルあるいはチタン/チタンナイトライドからなるバリアメタル膜3aを堆積する。次に、バリアメタル膜3a上にコンタクトホールを埋め込むように銅あるいはタングステンからなる金属膜3bを堆積する。次に、化学的機械研磨法によりバリアメタル膜3aおよび金属膜3bのうち、コンタクトホールの外部に形成された部分を除去する。その結果、バリアメタル膜3aと、銅あるいはタングステンで構成された金属膜3bとを有するコンタクト3が形成される。
【0006】
次に、図2(b)に示すように、シリコン基板の上方に配線溝パターン7を形成する。具体的には、第2の絶縁膜2及びコンタクト3上にシリコン窒化炭化膜からなる第3の絶縁膜4を堆積する。次に、第3の絶縁膜4の上に炭素含有シリコン酸化膜からなる第4の絶縁膜5を堆積する。次に、第4の絶縁膜5の上に反射防止膜6を堆積する。次に、前記反射防止膜6の上に、フォトレジストからなる配線溝パターン7をフォトリソグラフィーにより形成する。
【0007】
次に、図2(c)に示すように、第4の絶縁膜5に配線溝8を形成する。具体的には、ドライエッチングにより、配線溝パターン7にしたがって反射防止膜6及び第4の絶縁膜5を除去し、配線溝8を形成する。次いで、アッシングにより配線溝パターン7と反射防止膜6とを除去する。
【0008】
次に、図2(d)に示すように、コンタクト3に接続される金属配線9を形成する。具体的には、第3の絶縁膜4のうち、配線溝8の底部に位置する部分をエッチングにより除去し、コンタクト3を露出させる。続いて、配線溝8の底部及び側壁と第4の絶縁膜5上にタンタルナイトライド/タンタルからなるバリアメタル膜9aを堆積する。次に、バリアメタル膜9a上に配線溝8を埋め込むように銅などからなる金属膜9bを堆積する。次いで、化学的機械研磨法によりバリアメタル膜9aおよび金属膜9bのうち配線溝8の外部に形成された部分を除去する。その結果、バリアメタル膜9aと金属膜9bとを有する金属配線9が形成される。
【特許文献1】特開2003−31652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の製造方法により製造された半導体装置では、吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜2から水分が抜けるという水の脱ガス現象が生じることがある。第2の絶縁膜2の水分が抜けると、絶縁膜の耐熱性の劣化及び耐絶縁性の劣化が生じる。さらに、水の脱ガス現象により吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜2と、第2の絶縁膜2よりも吸湿性が低い第3の絶縁膜4との界面の密着性が低下し、界面近傍に存在する原子が動きやすくなることによってコンタクト間のショートや配線間のショートが発生するということもある。また、第2の絶縁膜2からの水の脱ガスにより、コンタクト3のバリアメタル膜3aや金属配線9のバリアメタル膜9aが酸化することにより、絶縁膜や金属との密着性が悪くなり、オープン不良が発生するという不具合もある。
【0010】
本発明は、耐熱性や絶縁性の劣化などの不良の発生が抑えられた絶縁膜と、金属配線とを備えた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の第1の半導体装置の製造方法は、基板上に吸湿性を有する第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、前記第1の絶縁膜に、ダミーコンタクトホールと、前記第1の絶縁膜を貫通するコンタクトホールとを形成する工程(b)と、前記基板を熱処理して前記第1の絶縁膜に含まれる水分を脱離させる工程(c)と、前記コンタクトホールおよび前記ダミーコンタクトホールに導電体を埋め込むことにより、コンタクトおよびダミーコンタクトをそれぞれ形成する工程(d)とを備えている。
【0012】
この方法によれば、工程(c)において吸湿性を有する第1の絶縁膜から水分を抜いているので、製造工程の完了後に第1の絶縁膜から水分が脱離するのを防ぐことができる。そのため、第1の絶縁膜の耐熱性および耐絶縁性の劣化を抑制することができるとともに、第1の絶縁膜とその上に形成される絶縁膜等との密着性の低下を防ぐことができる。また、第1の製造方法においては、ダミーコンタクトを設けていることにより、工程(c)でより効率よく水分を脱離させることが可能となっている。
【0013】
あるいは、コンタクトおよびダミーコンタクトにバリアメタル膜を用いる場合、このバリアメタル膜を酸化性金属で構成すれば、熱処理時に第1の絶縁膜から脱離する水分によってバリアメタル膜が酸化されるため、水の脱離による不具合の発生を抑えることができる。
【0014】
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、コンタクトホールが形成され、吸湿性を有する第1の絶縁膜を基板上に形成する工程(a)と、前記コンタクトホールに導電体を埋め込むことにより、前記第1の絶縁膜を貫通するコンタクトを形成する工程(b)と、前記コンタクトの上の位置に配線溝が形成され、前記第1の絶縁膜の上の位置にダミー配線溝が形成された第2の絶縁膜を前記第1の絶縁膜上に形成する工程(c)と、前記工程(c)の後に、前記基板を熱処理して前記第1の絶縁膜に含まれる水分を脱離させる工程(d)と、前記配線溝および前記ダミー配線溝に導電体を埋め込むことにより、配線およびダミー配線をそれぞれ形成する工程(e)とを備えている。
【0015】
この方法によれば、工程(d)において吸湿性を有する第1の絶縁膜から水分を抜いているので、製造工程の完了後に第1の絶縁膜から水分が脱離するのを防ぐことができる。
【0016】
また、ダミー配線溝を設けた後に熱処理を行うことで、ダミー配線溝を設けない場合に比べてより効果的に水分を抜くことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、コンタクトホール及びダミーコンタクトホール又は配線溝及びダミー配線溝から効率よく第1の絶縁膜に含まれる水の脱ガスを行うことができ、信頼性の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図3(a)〜(d)を用いて説明する。
【0019】
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)上に、バリアメタル膜103aと金属膜103bとで構成されるコンタクト103と、バリアメタル膜110aと金属膜110bとで構成されるダミーコンタクト110とをそれぞれ形成する。具体的には、シリコン基板の上に第1の絶縁膜101をCVD法などの公知の方法により形成する。次に、第1の絶縁膜101の上に吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜102を形成する。次いで、第2の絶縁膜102の上にフォトレジストからなるコンタクトホールパターンをフォトリソグラフィー法により形成し、このコンタクトホールパターンを用いたドライエッチングによりコンタクトホール及びダミーコンタクトホールを形成する。このダミーコンタクトホールは第2の絶縁膜102を貫通する場合もあるが、貫通しない場合もある。次に、200℃以上かつ800℃以下の温度で熱処理を行い、吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜102から水分を脱離(脱ガス)させる。ここで、200℃以上且つ800℃以下の温度で熱処理を行う理由について説明する。
【0020】
図4は、吸湿性の相対的に高いシリコン酸化膜を水素雰囲気下で熱処理した時のシリコン酸化膜に含まれる水の脱離量の温度依存性を表した図である。横軸は温度を表し、縦軸は水の脱離量を表している。
【0021】
図4から分かるように、水の脱離量は200℃以上になると多くなる。従って、十分に水分を脱離するためには200℃以上で熱処理を行う必要がある。また、吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜102を熱処理するときの温度の上限は、現実的に考えて800℃以下であることが望ましい。また、本工程は水素雰囲気下で熱処理を行ったが、窒素、酸素、希ガスのいずれかの雰囲気下において熱処理を行ってもよい。このように、熱処理によって第2の絶縁膜102に含まれる水分を脱離させることが、本実施形態の製造方法の特徴である。
【0022】
次に、コンタクトホールの底部、側壁、ダミーコンタクトホールの底部、側壁及び第2の絶縁膜102の上面にタンタルナイトライド/タンタルあるいはチタン/チタンナイトライドからなる積層膜を堆積する。次に、この積層膜上にコンタクトホール及びダミーコンタクトホールを埋め込むように銅あるいはタングステンからなる金属膜を堆積する。次に、化学的機械研磨法により、積層膜および金属膜のうちコンタクトホールおよびダミーコンタクトホールの外部に設けられた部分を除去する。その結果、バリアメタル膜103aと金属膜103bとで構成されたコンタクト103と、バリアメタル膜110aと金属膜110bとで構成されたダミーコンタクト110とが形成される。なお、本願明細書において、ダミーコンタクトとは、回路として実際に使用することのないダミーのコンタクトのことをいうものとする。また、本工程で形成した第2の絶縁膜102は、例えば吸湿性が相対的に高いシリコン酸化膜で構成され、第1の絶縁膜101は、第2の絶縁膜102よりも吸湿性の低いシリコン窒化膜などで構成される。なお、シリコン酸化膜は成膜方法によって吸湿性が変わる。吸湿性の高い酸化膜は例えば圧力10Torr(1.33×10Pa)以上、温度400℃以下の条件で成膜することができるが、この条件に限定されることはない。吸湿性が相対的に高ければ特に製法は問題としない。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、コンタクト103の上方に配線溝パターン107を形成する。具体的には、第2の絶縁膜102及びコンタクト103上にシリコン窒化炭化膜からなり、配線材料(銅など)の拡散を抑える第3の絶縁膜104をCVD法などにより堆積する。次に、第3の絶縁膜104の上に炭素含有シリコン酸化膜からなる第4の絶縁膜105をCVD法などにより堆積する。次に、第4の絶縁膜105の上に反射防止膜106をCVD法などにより堆積する。次いで、反射防止膜106の上に、フォトレジストからなる配線溝パターン107をフォトリソグラフィーにより形成する。なお、第3の絶縁膜104および第4の絶縁膜105は、第2の絶縁膜102に比べて吸湿性は低い。
【0024】
次に、図3(c)に示すように、コンタクト103の上方に配線溝108を形成する。具体的には、ドライエッチングにより、配線溝パターン107にしたがって反射防止膜106及び第4の絶縁膜105をエッチング除去し、配線溝108を形成する。次に、アッシングにより配線溝パターン107と反射防止膜106とを除去する。
【0025】
次に、図3(d)に示すように、金属配線109を形成する。具体的には、シリコン窒化炭化膜からなる第3の絶縁膜104のうち、配線溝108の底部に設けられた部分をエッチングにより除去し、コンタクト103の上面および第2の絶縁膜102の上面を露出させる。次に、配線溝108の底部及び側壁(に位置する第2の絶縁膜102上)と第4の絶縁膜105の上面上とにタンタルナイトライド/タンタルからなるバリアメタル膜を堆積する。次に、バリアメタル膜上に配線溝108を埋め込むように銅などからなる金属膜を堆積する。次に、化学的機械研磨法により、バリアメタル膜および金属膜のうち配線溝108の外部に形成された部分を除去する。その結果、バリアメタル膜109aと金属膜109bとで構成された金属配線109が形成される。
【0026】
本発明の第1の実施形態に係る製造方法によれば、図3(a)に示す工程において、コンタクトホール及びダミーコンタクトホールを形成後、コンタクト103及びダミーコンタクト110を形成する前に、熱処理を行っている。この熱処理により、コンタクトホール及びダミーコンタクトホールを通して、吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜102から水を効率良く抜いている。その結果、本実施形態の方法によれば、第2の絶縁膜102の耐熱性および耐絶縁性の劣化、第2の絶縁膜102と第3の絶縁膜104との界面の密着性の劣化を抑制することができる。さらに、バリアメタル膜の酸化を抑制することができ、配線の信頼性が低下するのを防ぐことができる。なお、本実施形態の方法では、ダミーコンタクトホールを形成することにより、第2の絶縁膜102の内部に含まれる水分をより効果的に脱離させることが可能となっている。また、ダミーコンタクトには、研磨時のディッシングの発生を抑制する効果もある。
【0027】
また、コンタクトホールの径及びダミーコンタクトホールの径は相対的に大きいほどよい。これは、コンタクトホール及びダミーコンタクトホールの開口面積を大きくすることによって、水の脱ガス量を多くすることができるからである。また、ダミーコンタクトホールの径を、コンタクトホール径最小寸法(デザインルールにより決定される))の0.5倍から10倍までの大きさにすることにより水の脱ガス効率を高くすることができる。この径の大きさは、コンタクトホール及びダミーコンタクトホールを正常に形成することができる大きさを示している。さらに、コンタクトホールの径をコンタクトホール径の最小寸法の1倍から10倍までの大きさにすることにより水の脱ガス効率を高くすることができるので、より好ましい。
【0028】
また、コンタクトホール及びダミーコンタクトホールの数は相対的に多いほどよい。これは、コンタクトホール及びダミーコンタクトホールの数を多くすることによって、水の脱ガス量を多くすることができるからである。
【0029】
また、全てのコンタクトホール及びダミーコンタクトホールの開口面積の合計値の、開口部以外も含めた(基板の)全面積に対する割合を0.1%以上且つ50%以下にすることによって脱ガスの効率を高くすることができる。この割合は、コンタクトホール及びダミーコンタクトホールを正常に形成することができる数及び開口部の大きさから決められたものである。
【0030】
また、ダミーコンタクトホールを形成する際には、ダミーコンタクトホールが基板上面に到達しなくてもよい。吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜102の途中までしかダミーコンタクトホールが形成されていなくても、ダミーコンタクトホールの側壁及び底面から効率よく脱ガスを行うことができる。
【0031】
また、本発明の第1の実施形態に係る発明おいては、図3(a)に示す工程において、コンタクトホール及びダミーコンタクトホールを形成後、コンタクト103及びダミーコンタクト110を形成する前に熱処理を行っているが、この工程の代わりに、またはこの工程と併せて、コンタクト103及びダミーコンタクト110を形成する際の化学的機械研磨後に熱処理を行ってもよい。この工程によると、以下のような効果が生じる。
【0032】
化学的機械研磨法により第2の絶縁膜102上のバリアメタル膜および金属膜を除去する際に、吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜102も一部研磨される。第2の絶縁膜102に含まれる水分は、表面から抜けやすく、絶縁膜内部に含まれている水分は抜けにくいという性質がある。従って、第2の絶縁膜102の上面を研磨する前に、第2の絶縁膜102の上面付近は水分が抜けているが、第2の絶縁膜102内部にある場所の水分は十分には抜け切っていない。このような状況下において第2の絶縁膜102上面を研磨すると、研磨前は絶縁膜内部であった場所が、研磨後に露出する。ここで、水分が抜けきっていない研磨後の第2の絶縁膜102上面上に上層配線を形成してしまうと、第2の絶縁膜102の上層配線との接触部分から水分を脱離させることができなくなる。これに対し、研磨後に熱処理を行う場合には、上層配線への脱ガスの影響を抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態の方法においては、図3(a)に示す断面図を形成する工程において、コンタクトホール及びダミーコンタクトホールを形成後に熱処理を行っているが、この工程の代わりに、またはこの工程と併せて、モリブデンなどの酸化性金属からなるバリアメタルを、コンタクトホール及びダミーコンタクトホール内に埋め込んだ後に熱処理を行ってもよい。この工程によると以下のような効果を生じる。
【0034】
図5は、各種酸化物の生成エネルギーを示した図である。横軸は、酸素分圧を表しており、縦軸は生成自由エネルギーを表している。図5から分かるように、モリブデンは酸化物生成エネルギーが低いため、水(HO)と反応して酸化物となりやすいという特徴がある。そのため、モリブデンなどの酸化性金属またはモリブデン窒化物で構成したバリアメタル膜を、コンタクトホールおよびダミーコンタクトホール内および第2の絶縁膜の上面上に形成した後に熱処理を行うと、吸湿性が相対的に高い絶縁膜からの水分がバリアメタル膜と優先的に反応する。そのため、他の絶縁膜の劣化を抑制することができるという効果がある。なお、モリブデン酸化物は導電性を有しているので、バリアメタル膜が酸化されてもコンタクトや配線の導電性は維持できる。なお、バリアメタル膜として、モリブデン及びその窒化物を使用する例を説明したが、同様の酸化性金属であるクロム、コバルト、白金、タングステン及びこれらの窒化物をバリアメタル膜として使用しても同様の効果を得ることができる。
【0035】
また、バリアメタル膜としてモリブデンなどの酸化性金属を用いた場合、バリアメタル膜の形成後で金属膜の形成前に熱処理を行うだけでなく、金属膜で配線溝を埋め込んだ後にも熱処理を行うことで、酸化性金属からなるバリアメタル膜が水分と優先的に反応を起こすので、絶縁膜の劣化をさらに抑制することができる。なお、図5は、1979年に日本金属学会から出版された「金属製錬」から抜粋したものである。
【0036】
また、本実施形態の方法では、第2の絶縁膜102として吸湿性の相対的に高いシリコン酸化膜を使用したが、O−TEOS(Tetraetylorthosilicate)膜若しくはSOD(Spin on Dielectric)膜などの狭ピッチのゲート間のギャップをボイドなく埋め込むことができる埋め込み特性に優れた材料、又は、OSG(orga no-ilicates)膜、メチルシルセスシオキサン(MSQ:methyl-silsesquioxane)膜、若しくは炭素含有シリコン酸化膜(SiOCH)膜などの低誘電率絶縁膜材料を用いても構わない。
【0037】
また、ダミーコンタクトホールの開口部の形状は、正方形、長方形又は円形のいずれであってもよい。
【0038】
なお、本実施形態では、コンタクトと金属配線とを別工程で形成する際に水分を脱離させるための熱処理を行う方法を説明したが、コンタクトホールと配線溝とを同一工程で埋め込み、コンタクトと金属配線とを同時に形成するいわゆるデュアルダマシン工法においても第2の絶縁膜102中の水分を脱離させるための熱処理を行うことは有効である。
【0039】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図6(a)〜(d)を用いて説明する。図6(a)〜(d)は、本実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0040】
まず、図6(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)上に、バリアメタル膜103aと金属膜103bとで構成されるコンタクト103を形成する。具体的には、シリコン基板の上に第1の絶縁膜101をCVD法などの公知の方法により形成する。次に、第1の絶縁膜101の上に吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜102を形成する。次いで、第2の絶縁膜102の上にフォトレジストからなるコンタクトホールパターンをフォトリソグラフィー法により形成し、このコンタクトホールパターンを用いたドライエッチングによりコンタクトホールを形成する。次に、コンタクトホールの底部、側壁及び第2の絶縁膜102の上面にタンタルナイトライド/タンタルあるいはチタン/チタンナイトライドからなる積層膜を堆積する。次に、この積層膜上にコンタクトホールを埋め込むように銅あるいはタングステンからなる金属膜を堆積する。次に、化学的機械研磨法により、積層膜および金属膜のうちコンタクトホールの外部に設けられた部分を除去する。その結果、バリアメタル膜103aと金属膜103bとで構成されたコンタクト103が形成される。
【0041】
次に、図6(b)に示すように、コンタクト103の上方に配線溝パターン107を形成する。具体的には、第2の絶縁膜102及びコンタクト103上にシリコン窒化炭化膜からなり、配線材料(銅など)の拡散を抑える第3の絶縁膜104をCVD法などにより堆積する。次に、第3の絶縁膜104の上に炭素含有シリコン酸化膜からなる第4の絶縁膜105をCVD法などにより堆積する。次に、第4の絶縁膜105の上に反射防止膜106をCVD法などにより堆積する。次いで、反射防止膜106の上に、フォトレジストからなる配線溝パターン107をフォトリソグラフィーにより形成する。
【0042】
次に、図6(c)に示すように、コンタクト103および第2の絶縁膜102の上方に配線溝108およびダミー配線溝111を形成する。具体的には、ドライエッチングにより、配線溝パターン107にしたがって反射防止膜106及び第4の絶縁膜105をエッチング除去し、配線溝108およびダミー配線溝111を形成する。次に、アッシングにより配線溝パターン107と反射防止膜106とを除去する。なお、本明細書においてダミー配線とは回路として実際に使用することのないダミーの配線のことを言い、ダミー配線溝とは、ダミー配線を形成するための溝のことを言う。
【0043】
次に、図6(d)に示すように、コンタクト103上に金属配線109を形成するとともに、第2の絶縁膜102上にダミー配線112を形成する。具体的には、まず、シリコン窒化炭化膜からなる第3の絶縁膜104のうち、配線溝108およびダミー配線溝111の底部に設けられた部分をエッチングにより除去することにより、コンタクト103の上面および第2の絶縁膜102の上面を露出させる。
【0044】
次いで、200℃以上且つ800℃以下の温度で熱処理を行い、吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜102から水分を脱離させる。ここで、200℃以上且つ800℃以下の温度で熱処理を行う理由は、第1の実施形態で説明した通りである。すなわち、図4に示す実験結果から、絶縁膜中からの水の脱離量は200℃以上になると多くなり、また800℃以下であることが現実の半導体プロセス上好ましいためである。
【0045】
なお、本実施形態の方法においては、水素雰囲気下で熱処理を行ったが、窒素、酸素、希ガスのいずれかの雰囲気下において上述の熱処理を行ってもよい。
【0046】
次に、配線溝108およびダミー配線溝111のそれぞれの底部及び側壁(に位置する第2の絶縁膜102上)と第4の絶縁膜105の上面上とにタンタルナイトライド/タンタルからなるバリアメタル膜を堆積する。次に、バリアメタル膜上に配線溝108およびダミー配線溝111を埋め込むように銅などからなる金属膜を堆積する。次に、化学的機械研磨法により、バリアメタル膜および金属膜のうち配線溝108およびダミー配線溝111の外部に形成された部分を除去する。その結果、バリアメタル膜109aと金属膜109bとで構成された金属配線109と、バリアメタル膜112aと金属膜112bとで構成されたダミー配線112とが形成される。
【0047】
本発明の第2の実施形態に係る製造方法によれば、図6(d)に示す工程において、配線溝108及びダミー配線溝111を形成後、金属配線109及びダミー配線112を形成する前に、熱処理を行っている。この熱処理により、配線溝108及びダミー配線溝111を通して、吸湿性が相対的に高い第2の絶縁膜102から水を効率良く抜いている。その結果、本実施形態の方法によれば、第2の絶縁膜102の耐熱性および耐絶縁性の劣化、第2の絶縁膜102と第3の絶縁膜104との界面の密着性の劣化を抑制することができる。さらに、バリアメタル膜の酸化を抑制することができ、配線信頼性が低下するのを防ぐことができる。
【0048】
また、配線溝108の幅及びダミー配線溝111の幅は相対的に大きいほどよい。これは、配線溝108及びダミー配線溝111の開口面積を大きくすることによって、水の脱ガス量を多くすることができるからである。また、ダミー配線溝の幅を配線溝の幅の最小の寸法を基準として、配線溝の幅の最小寸法の0.5倍から100倍までの大きさにすることにより水の脱ガス効率を高くすることができる。この幅の大きさは、配線溝108及びダミー配線溝111を正常に形成することができる大きさを示している。さらに、配線溝108の幅を、配線溝108の幅の最小寸法の1倍から100倍までの大きさにすることにより水の脱ガス効率を高くすることができるので、より好ましい。
【0049】
また、配線溝108及びダミー配線溝111の数は相対的に多いほどよい。これは、配線溝108及びダミー配線溝111の数を多くすることによって、水の脱ガス量を多くすることができるからである。
【0050】
また、全ての配線溝108及びダミー配線溝111の開口面積の合計値の、開口部以外を含めた(基板の)全面積に対する割合を0.1%以上且つ80%以下にすることによって脱ガスの効率を高くすることができる。この割合は、配線溝及びダミー配線溝を正常に形成することができる数及び開口部の大きさから決められたものである。
【0051】
また、配線溝108及びダミー配線溝111を形成後に熱処理を行う工程と併せて、コンタクトホールを形成した後で且つコンタクト103の形成前に熱処理を行ってもよい。また、配線溝及びダミー配線溝を形成後に熱処理を行う工程と併せて、コンタクト103を形成した後に、熱処理を行ってもよい。ここで生じる効果は、第1の実施形態で述べたとおりである。
【0052】
また、本実施形態の方法では、図6(d)に示す工程において、配線溝108及びダミー配線溝111を形成後に熱処理を行っているが、この工程の代わりに、またはこの工程と併せて、モリブデンなどの酸化性金属からなるバリアメタル膜と、銅などからなる金属膜とを、配線溝108及びダミー配線溝111内に埋め込んだ後に熱処理を行ってもよい。この工程によると以下のような効果を生じる。
【0053】
図5から分かるように、モリブデンは酸化物生成エネルギーが低いため、水(HO)と反応して酸化物となりやすいという特徴がある。そのため、バリアメタル膜としてモリブデンなどの酸化性金属またはその窒化物を用いて配線及びダミー配線形成後に熱処理を行うと、吸湿性が相対的に高い絶縁膜からの水分がバリアメタル膜と優先的に反応する。そのため、他の絶縁膜の劣化を抑制することができるという効果がある。なお、バリアメタル膜として、モリブデン及びその窒化物を使用する例を示したが、同様の酸化性金属であるクロム、コバルト、白金、タングステン及びこれらの窒化物をバリアメタル膜として使用してもモリブデンを使用した場合と同様の効果を得ることができる。また、モリブデンなどの酸化性金属からなるバリアメタル膜を配線溝108及びダミー配線溝111内に形成した後に熱処理を行うだけでなく、バリアメタル膜としてモリブデンなどの酸化性金属を用いて、コンタクトホールを埋め込んだ後に熱処理を行うことで、酸化性金属からなるバリアメタル膜が水分と優先的に反応を起こし、第2の絶縁膜102や他の絶縁膜の劣化をさらに抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態の方法では、第2の絶縁膜102として吸湿性の相対的に高いシリコン酸化膜を使用したが、O−TEOS(Tetraetylorthosilicate)膜若しくはSOD(Spin on Dielectric)膜などの狭ピッチのゲート間のギャップをボイドなく埋め込むことができる埋め込み特性に優れた材料、又は、OSG(orga no-ilicates)膜、メチルシルセスシオキサン(MSQ:methyl-silsesquioxane)膜、若しくは炭素含有シリコン酸化膜(SiOCH)膜などの低誘電率絶縁膜材料を用いても構わない。
【0055】
また、ダミー配線溝の開口部の形状は、正方形、長方形又は円形のいずれであってもよい。
【0056】
また、図6(a)に示す工程において、ダミーコンタクトホールを形成し、第1の実施形態と同様の方法により、ダミーコンタクトを形成してもよい。この場合、ダミーコンタクトホール形成後、又はダミーコンタクト形成後に熱処理を行うことにより、第2の絶縁膜102中から脱離させる水分量をさらに増やすことができ、半導体装置の信頼性を増すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上説明したように、本発明の方法は、多層配線を有する半導体装置の信頼性向上に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来の半導体装置を示す断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、従来の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】温度を変化させた場合に、吸湿性が相対的に高い絶縁膜からのHOの脱ガス量を示す図である。
【図5】各種酸化物の生成エネルギーを示した図である。
【図6】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0059】
101 第1の絶縁膜
102 第2の絶縁膜
103 コンタクト
103a、109a、110a、112a バリアメタル膜
103b、109b、110b、112b 金属膜
104 第3の絶縁膜
105 第4の絶縁膜
106 反射防止膜
107 配線溝パターン
108 配線溝
109 金属配線
110 ダミーコンタクト
111 ダミー配線溝
112 ダミー配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に吸湿性を有する第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記第1の絶縁膜に、ダミーコンタクトホールと、前記第1の絶縁膜を貫通するコンタクトホールとを形成する工程(b)と、
前記基板を熱処理して前記第1の絶縁膜に含まれる水分を脱離させる工程(c)と、
前記コンタクトホールおよび前記ダミーコンタクトホールに導電体を埋め込むことにより、コンタクトおよびダミーコンタクトをそれぞれ形成する工程(d)とを備えている半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記工程(c)は、少なくとも前記工程(b)の後で且つ前記工程(d)の前に行われることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記工程(c)は、少なくとも前記工程(d)の後に行われることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記コンタクトおよび前記ダミーコンタクトは、前記コンタクトホールまたは前記ダミーコンタクトホールの内面に沿って形成され、酸化性金属からなる第1のバリアメタル膜と、前記第1のバリアメタル膜上に形成され、前記コンタクトホールまたは前記ダミーコンタクトホールを埋める第1の金属膜とを有していることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1のバリアメタル膜は、モリブデン、クロム、コバルト、白金、およびタングステンから選ばれた1つ以上の元素からなることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記工程(d)の後に、前記第1の絶縁膜および前記コンタクトの上の位置に配線溝が形成された第2の絶縁膜を前記第1の絶縁膜上に形成する工程(e)と、
前記配線溝を導電体で埋めることにより、前記コンタクト上に配線を形成する工程(f)とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記工程(c)を、前記工程(e)の後で且つ前記工程(f)の前にも行うことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2の絶縁膜にはダミー配線溝がさらに形成されており、
前記工程(f)では、前記ダミー配線溝を導電体で埋めることによりダミー配線が形成されることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記配線および前記ダミー配線は、前記配線溝または前記ダミー配線溝の内面に沿って形成され、酸化性金属からなる第2のバリアメタル膜と、前記第2のバリアメタル膜上に形成され、前記配線溝または前記ダミー配線溝を埋める第2の金属膜とを有しており、
前記工程(c)を、前記工程(e)の後にも行うことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2のバリアメタル膜は、モリブデン、クロム、コバルト、白金、およびタングステンから選ばれた1つ以上の元素からなることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記工程(c)での熱処理は、窒素、酸素、水素、および希ガスのうち少なくとも1つを含む雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記工程(c)での熱処理は、200℃以上且つ800℃以下で行われることを特徴とする請求項1〜11のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ダミーコンタクトホールの開口部径は、前記コンタクトホールの開口部径の最小寸法の0.5倍から10倍までの範囲にあることを特徴とする請求項1〜12のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
全ての前記コンタクトホールおよび前記ダミーコンタクトホールの開口面積の合計値の、基板全体の面積に対する割合は、0.1%以上且つ50%以下であることを特徴とする請求項1〜13のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記ダミーコンタクトホールの開口部の形状は正方形、長方形、または円形であることを特徴とする請求項1〜14のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記ダミーコンタクトホールは、前記第1の絶縁膜を貫通していないことを特徴とする請求項1〜15のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
コンタクトホールが形成され、吸湿性を有する第1の絶縁膜を基板上に形成する工程(a)と、
前記コンタクトホールに導電体を埋め込むことにより、前記第1の絶縁膜を貫通するコンタクトを形成する工程(b)と、
前記コンタクトの上の位置に配線溝が形成され、前記第1の絶縁膜の上の位置にダミー配線溝が形成された第2の絶縁膜を前記第1の絶縁膜上に形成する工程(c)と、
前記工程(c)の後に、前記基板を熱処理して前記第1の絶縁膜に含まれる水分を脱離させる工程(d)と、
前記配線溝および前記ダミー配線溝に導電体を埋め込むことにより、配線およびダミー配線をそれぞれ形成する工程(e)とを備えている半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記工程(d)は、少なくとも前記工程(e)の前に行われることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記配線および前記ダミー配線は、前記配線溝または前記ダミー配線溝の内面に沿って形成され、酸化性金属からなるバリアメタル膜と、前記バリアメタル膜上に形成され、前記配線溝または前記ダミー配線溝を埋める金属膜とを有しており、
前記工程(d)は、少なくとも前記工程(e)の後に行われることを特徴とする請求項17または18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記バリアメタル膜は、モリブデン、クロム、コバルト、白金、およびタングステンから選ばれた1つ以上の元素からなることを特徴とする請求項19に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記工程(d)での熱処理は、窒素、酸素、水素、および希ガスのうち少なくとも1つを含む雰囲気下で行われることを特徴とする請求項17〜20のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記工程(d)での熱処理は、200℃以上且つ800℃以下で行われることを特徴とする請求項17〜21のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記ダミー配線溝の開口部の形状は正方形、長方形、または円形であることを特徴とする請求項17〜22のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記ダミー配線溝の幅は、前記配線溝の幅の最小寸法の0.5倍から100倍までの範囲にあることを特徴とする請求項17〜23のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
全ての前記配線溝および前記ダミー配線溝の開口面積の合計値の、基板全体の面積に対する割合は、0.1%以上且つ80%以下であることを特徴とする請求項17〜24のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−76615(P2009−76615A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243326(P2007−243326)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】