半導体装置及びその製造方法
【課題】絶縁膜中の水分による配線メタルの腐食を防止することができ、配線の信頼性向上をはる。
【解決手段】埋め込み配線を有する半導体装置であって、一部に配線用溝113が形成された配線間絶縁膜111,112と、配線間絶縁膜111,112の配線用溝113内に埋め込み形成され、且つ配線用溝113の側壁面との間にギャップを有する金属配線層115と、配線層115の側壁面と上面を覆うように形成された耐水性バリア層118とを備えた。
【解決手段】埋め込み配線を有する半導体装置であって、一部に配線用溝113が形成された配線間絶縁膜111,112と、配線間絶縁膜111,112の配線用溝113内に埋め込み形成され、且つ配線用溝113の側壁面との間にギャップを有する金属配線層115と、配線層115の側壁面と上面を覆うように形成された耐水性バリア層118とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のLSI配線のプロセスシーケンスでは、まずSi基板上に層間絶縁膜を成膜し、更に配線間絶縁膜としてバルク絶縁膜とキャップ絶縁膜を堆積させ、これらに配線形成用の溝を形成する。次いで、バリアメタルと配線材料を配線用溝に充填し、続いてCMP処理し、最後にCu拡散防止膜を成膜して単層のCu配線が形成される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この構造では、配線材料が配線間絶縁膜に直接接触することになり、絶縁膜中の水分による配線メタルの腐食が生じるおそれがある。特に、配線間絶縁膜に溝形成のためのエッチングによるダメージがあると、配線メタルの腐食がより顕著となる。また、Cu配線上にCuSiNキャップ膜を形成した構造も提案されている(特許文献2参照)。しかし、この構造の場合においても、配線間絶縁膜中の水分による配線メタルの腐食を抑制することはできない。
【0004】
このように従来、RC遅延の抑制のために低誘電率絶縁膜を用いると、絶縁膜中の水分による配線メタルの腐食が発生し、これが配線の信頼性を大きく低下させる要因となっていた。
【特許文献1】特開平11−204523号公報
【特許文献2】特開平2007−27769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、絶縁膜中の水分による配線メタルの腐食を防止することができ、配線の信頼性向上をはかり得る半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係わる半導体装置は、配線用溝が形成された配線間絶縁膜と、前記配線間絶縁膜の配線用溝内に形成された金属配線層と、前記配線層の側壁面と上面の上に形成された耐水性バリア層と、前記配線層の側壁面と前記配線用溝の側壁面との間であって、前記耐水性バリア層と前記配線層との間に形成されたギャップと、を具備してなることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の別の一態様に係わる半導体装置は、配線用溝が形成された配線間絶縁膜と、前記配線間絶縁膜の配線用溝内に形成された金属配線層と、前記配線用溝の側壁面に形成された、前記配線層を構成する金属とは異なる金属の酸化膜からなる第1のバリア層と、前記配線層の側壁面と上面の上に形成された、前記配線を構成する金属のシリサイドからなる第2のバリア層と、前記配線層の側壁面と前記配線用溝の側壁面との間であって、前記第1のバリア層と前記第2のバリア層との間に形成されたギャップと、を具備してなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の一態様に係わる半導体装置の製造方法は、配線用溝を有する配線間絶縁膜を形成する工程と、前記配線間絶縁膜の配線用溝内に金属からなる配線層を埋め込み形成する工程と、前記配線層と前記配線用溝の側壁面との間に、前記配線層中の金属元素を有する金属酸化膜を形成する工程と、前記金属酸化膜を除去することにより、前記配線層と前記配線用溝の側壁面との間にギャップを形成する工程と、前記ギャップの形成により露出した前記配線層の側壁面及び上面に耐水性バリア層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の一態様に係わる半導体装置の製造方法は、配線用溝を有する配線間絶縁膜を形成する工程と、前記配線間絶縁膜の配線用溝内に、メインの構成材料である金属M1とその他の金属M2からなる配線層を埋め込み形成する工程と、前記配線用溝の側壁部にM2の酸化膜からなる第1のバリア層を形成すると共に、前記配線層と前記第1のバリア層との界面にM1の酸化膜を形成する工程と、前記M1の酸化膜を除去することにより、前記配線用溝の側壁面に形成された第1のバリア層と前記配線層との間にギャップを形成する工程と、前記ギャップの形成により露出した前記配線層の側壁面及び上面にM1のシリサイドからなる第2のバリア層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、絶縁膜中の水分による配線金属の腐食を抑制することができ、これにより配線の信頼性向上をはかることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図である。
【0013】
Si基板上100上に、SiOCやSiO2 からなる第1の層間絶縁膜(ILD膜)110が形成されている。ILD膜110上には、第1の配線間絶縁膜として、バルク絶縁膜111とキャップ絶縁膜112が堆積されている。バルク絶縁膜111は低誘電率の絶縁膜であり、例えばポーラスな有機膜である。キャップ絶縁膜112は、バルク絶縁膜111を保護するためものであり、例えばSiO2 膜である。
【0014】
配線間絶縁膜111,112に配線用溝113が形成され、この溝113内にCu配線115が形成されている。Cu配線115と配線用溝113の側壁との間にはギャップ20が設けられている。Cu配線115とILD膜110との界面、及び配線用溝113の側壁面には、MnOx 膜又はMnSix Oy 膜からなる第1のバリア層116が形成され、Cu配線115の上面及び側壁面にはCuSiNからなる第2のバリア層118が形成されている。そして、第1層目の配線層を形成した基板上には、SiOC等からなる拡散防止膜119が形成されている。
【0015】
拡散防止膜119上には第2のILD膜120が堆積され、その上に、第2の配線間絶縁膜としてバルク絶縁膜121とキャップ絶縁膜122が堆積されている。配線間絶縁膜121,122には配線用溝123が形成され、ILD膜120にコンタクトホールが形成されている。配線用溝123及びコンタクトホール内にはCu配線125が形成されている。Cu配線125と配線用溝123の側壁との間にはギャップ22が設けられている。Cu配線125とILD膜120との界面、及び配線用溝123の側壁面には、MnOx 膜又はMnSix Oy 膜からなる第1のバリア層126が形成され、Cu配線125の上面及び側壁面にはCuSiNからなる第2のバリア層128が形成されている。また、ILD膜120のコンタクトホールにおいて、Cu配線125とバリア層126との間にCuOx 膜127が形成されている。そして、第2層目の配線層を形成した基板上には、SiOC等の拡散防止膜129が形成されている。
【0016】
次に、本実施形態に係わる半導体装置の製造方法について、図2〜図5を参照して説明する。
【0017】
まず、図2(a)に示すように、Si基板100上にSiOCやSiO2 からなる厚さ100nmの第1の層間絶縁膜(ILD膜)110を成膜する。続いて、埋め込み配線を作製するための配線間絶縁膜として、有機系材料からなる厚さ100nmのバルク絶縁膜111とSiOCからなる厚さ50nmのキャップ絶縁膜112を成膜する。
【0018】
次いで、図2(b)に示すように、レジストパターニングを行い、リアクティブイオンエッチングにより配線用溝113を形成する。
【0019】
次いで、図2(c)に示すように、配線用溝113内にバリアメタルと配線材料を充填する。配線材料は一般的なCuであるが、バリアメタルとしては、従来一般的なTaやTiに代えてMnを用いる。具体的には、例えばMnを含有するCuMn膜114をスパッタにより薄く(例えば50nm)形成した後、これをシードとして配線材料となるCuをメッキすることにより厚さ1000nmのCu膜115’を形成する。
【0020】
次いで、図2(d)に示すように、アニールを行い、Cu膜115’とILD膜110との界面及び配線溝113の側壁面に第1のバリア層116を形成する。続いて、CPMでCu配線115を研磨することにより、配線用溝113内のみにCu配線115を形成すると共に、Cu配線115と配線用溝113との間にギャップ20を形成する。
【0021】
ここで、図2(c)から(d)に示す工程を、図5を参照して更に詳しく説明する。図5(a)は、図2(c)と同様に配線間絶縁膜111,112の配線用溝113内にCu膜115’を埋め込んだ状態である。
【0022】
図5(b)に示すように、この状態でアニールを行うことでCuMn合金114中のMnが絶縁膜中のO,Siと結合しMnSix Oy 若しくはMnOx がバリア層116として形成され、且つ絶縁膜中の水分によるOがCu膜115’方向に拡散することでバリア層116とCu膜115’との界面にCuOx 膜117も形成される。MnSix Oy ,MnOx の形成に寄与しなかった余剰Mnは、Cu膜115’内に拡散する。これにより、配線側壁の膜構成は、Cu/CuOx /MnSix Oy(MnOx )という膜構成をとる。
【0023】
そして、図5(c)に示すように、配線溝上部の余剰なバリア層及び配線材料のCuをCMPで除去することにより、配線用溝113内のみにCu配線115を形成する。このCMPの際に酸系のスラリーを用いることにより、Cu側壁のCuOx 膜117が溶出し、Cu/MnSix Oy(MnOx )界面に約10nmのギャップ20が形成される。ここで、CMPの際にCuOx 膜117を除去せず、CMP後にCuOx 膜117を除去しても良い。
【0024】
次いで、図2(e)に示すように、Cuの露出表面を保護するために、第2のバリア層118としてのCuSiN膜を成膜する。具体的には、SiH4 処理によるCu配線115のシリサイド化後にNH3 処理による窒化を行うことにより、極めて薄い(2〜3nm)CuSiN膜118を形成する。本構造における特徴は、Cu配線がCu/CuSiN/ギャップ/MnSix Oy(MnOx )構造をとり、CuSiN,MnSix Oy(MnOx )の二重の絶縁膜バリアに覆われていることであり、非常に耐水性の高い配線であることが利点である。
【0025】
次いで、図3(f)に示すように、第1層目の配線層が作製された基板上に、エッチングストッパとして機能するSiN若しくはSiCからなる拡散防止膜119を30nmの厚さに成膜する。続いて、拡散防止膜119上に、第2の層間絶縁膜(ILD膜)120を形成し、更に第1層目の配線間絶縁膜111,112と同様に、配線間絶縁膜としてのバルク絶縁膜121及びキャップ絶縁膜122を成膜する。
【0026】
次いで、図3(g)に示すように、第1層目と同様に、レジストパターニングを行い、リアクティブイオンエッチング処理を行い配線用溝123を形成する。このとき、ILD膜120にも配線用溝123と繋がるコンタクトホールを形成する。
【0027】
次いで、図3(h)に示すように、第1層目と同様に、配線用溝123内にCuMn膜124とCu膜125’を形成する。
【0028】
次いで、図4(i)に示すように、アニールを行うことにより、第1層目と同様に、第1のバリア層126とCuOx 膜127を形成する。
【0029】
次いで、図4(j)に示すように、CPMでCu膜125’を研磨することにより、第1層目と同様に、配線用溝123内にCu配線125を埋め込み形成すると共に、Cu配線125と配線溝123との間にギャップ22を形成する。
【0030】
次いで、図4(k)に示すように、Cuの露出表面を保護するために、第1層目と同様に、第2のバリア層128としてのCuSiN膜を成膜する。
【0031】
これ以降は、SiOC等の拡散防止膜129を形成することにより、前記図1に示す構造を有する半導体装置が作製される。
【0032】
このように本実施形態によれば、Cu配線115と配線用溝113の側壁面との間にギャップ20を設けているので、配線容量の低下をはかると共に、絶縁膜111,112中の水分によるCu配線115の腐食を防止することができる。同様に、Cu配線125と配線用溝123の側壁面との間にギャップ22を設けているので、配線容量の低下をはかると共に、絶縁膜121,122中の水分によるCu配線125の腐食を防止することができる。
【0033】
しかも、Cu配線115の上面及び側壁面にCuSiNからなるバリア層118を形成し、Cu配線125の上面及び側壁面にも同様のバリア層128を形成しているので、絶縁膜111,112,121,122中の水分による配線腐食を更に抑制することができる。また、配線用溝113,123の側壁面にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層116,126を形成しているので、絶縁膜111,112からCu配線115への水分の浸透を防止することができ、配線腐食をより確実に抑制することができる。さらに、Cu配線115とILD膜110との境界にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層116を形成し、更にはCu配線125とILD膜120との境界にも同様のバリア層126を形成しているので、配線層115,125とILD膜110,120との反応を防止することもできる。従って、埋め込み配線としての高い信頼が得られる。
【0034】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0035】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1層目の配線層の下層に拡散防止膜219を設けると共に、バリア層116を省略したことにある。
【0036】
即ち、第1の層間絶縁膜(ILD膜)110上に拡散防止膜219が形成され、その上に第1の実施形態と同様に、第1の配線間絶縁膜としてのバルク絶縁膜111及びキャップ絶縁膜112が堆積されている。さらに第1の実施形態と同様に、配線間絶縁膜111,112には配線用溝113が形成され、この溝113内にCu配線115が形成されている。Cu配線115と配線用溝113の側壁との間にはギャップ20が設けられ、Cu配線115の上面及び側壁面にはCuSiNからなるバリア層118が形成されている。但し、第1の実施形態で形成したバリア層116は形成されていない。そして、第1層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜119が形成されている。
【0037】
2層目は第1の実施形態と同様である。即ち、拡散防止膜119上に第2のILD膜120及び第2の配線間絶縁膜121,122が堆積され、配線間絶縁膜121,122には配線用溝123が形成され、ILD膜120にコンタクトホールが形成されている。配線用溝123及びコンタクトホール内にはCu配線125が形成され、Cu配線125と配線用溝123の側壁との間にはギャップ22が設けられている。
【0038】
Cu配線125とILD膜120との界面、及び配線用溝123の側壁面にはMnOx 膜又はMnSix Oy 膜からなる第1のバリア層126が形成され、Cu配線125の上面及び側壁面にはCuSiNからなる第2のバリア層128が形成されている。また、ILD膜120のコンタクトホールにおいて、Cu配線125とバリア層126との間にCuOx 膜127が形成されている。そして、第2層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜129が形成されている。
【0039】
次に、本実施形態に係わる半導体装置の製造方法について、図7及び図8を参照して説明する。
【0040】
まず、図7(a)に示すように、Si基板100上に第1の層間絶縁膜(ILD膜)110を成膜し、その上にSiN若しくはSiCからなる拡散防止膜219を形成する。この拡散防止膜219上に、埋め込み配線を作製するための配線間絶縁膜として、有機系材料からなるバルク絶縁膜111とSiOCからなるキャップ絶縁膜112を成膜する。なお、各部の膜厚は基本的に第1の実施形態と同じである。
【0041】
次いで、図7(b)に示すように、レジストパターニングを行い、リアクティブイオンエッチング処理を行うことで配線用溝113を形成する。
【0042】
次いで、図7(c)に示すように、配線用溝113内に配線材料を充填する。配線材料はCuであり、メッキにより形成する。具体的には、シードとなるCuをスパッタした後に、配線材料となるCuメッキを行うことによりCu膜115’を形成する。
【0043】
次いで、図7(d)に示すように、アニール処理を行った後、CPMでCu膜115’を研磨することにより、配線用溝113内のみにCu配線115を形成すると共に、Cu配線115と配線用溝113との間にギャップ20を形成する。
【0044】
ここで、図7(c)から(d)に示す工程を、図8を参照して更に詳しく説明する。図8(a)は、図7(c)と同様に配線間絶縁膜111,112の配線用溝113内にCu膜115’を埋め込んだ状態である。
【0045】
図8(b)に示すように、この状態でアニールを行うことで、絶縁膜中の多量の水分がCu膜115’の方向に拡散し、絶縁膜111,112とCu膜115’との界面にCuOx 膜117が形成される。これにより、配線側壁の膜構成は、Cu/CuOx となる。
【0046】
そして、図8(c)に示すように、配線溝上部の余剰なCuをCMPで除去することにより、配線用溝113内のみにCu配線115を形成する。このCMPの際に酸系のスラリーを用いることにより、Cu側壁のCuOx が溶出し、Cu配線115と配線用溝113の側壁面との間に約10nmのギャップ20が形成される。なお、CuOx 膜117はCMP後に除去しても良い。
【0047】
次いで、図7(e)に示すように、第1の実施形態と同様に、Cuの露出表面を保護するために、第2のバリア層118としてのCuSiN膜を成膜する。本構造における特徴は、Cu配線がCu/CuSiN/ギャップ/絶縁膜の構造をとり、配線上部及び側壁がCuSiNの絶縁膜バリアに覆われていることであり、非常に耐水性の高い配線であることが利点である。
【0048】
これ以降は、図には示さないが、第1層目の配線層の形成と同様に、拡散防止膜119の形成、第2の層間絶縁膜(ILD膜)120の成膜、第2の配線間絶縁膜121,122の成膜、配線用溝123の形成、Cu配線125の形成を行う。ここで、第2層目においては第1層目と異なり、第1の実施形態と同様に、CuMn膜124をシードとしてCu膜115’を形成し、配線用溝123の側壁面にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層126を形成する。その後、CuSiNバリア層128の形成、更にはSiOC等の拡散防止膜129の形成を行うことにより、第2層目の配線層が形成され、前記図6に示す構造の半導体装置が作製される。
【0049】
このように本実施形態によれば、Cu配線115と配線用溝113の側壁面との間にギャップ20を設け、更にCu配線125と配線用溝123の側壁面との間にギャップ22を設けているので、配線容量の低下をはかると共に、絶縁膜111,112,121,122中の水分によるCu配線115,125の腐食を防止することができる。
【0050】
しかも、Cu配線115,125の上面及び側壁面にCuSiNからなるバリア層118,128を形成しているので、絶縁膜111,112,121,122中の水分によるメタル腐食を更に抑制することができる。また、Cu配線115の下地として拡散防止膜219を形成しているので、バリア層116を設けなくてもCu配線115とILD膜110との反応が生じることはない。さらに、配線用溝123の側壁面にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層126を形成しているので、メタルの腐食をより確実に抑制することができる。従って、配線としての高い信頼性が得られる。
【0051】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図である。なお、図6と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0052】
本実施形態が第2の実施形態と異なる点は、Cu配線を保護するためのバリア層としてCuSiNの代わりにAlOを用いたことにある。
【0053】
即ち、第1の層間絶縁膜(ILD膜)110上に拡散防止膜219が形成され、その上に第1の配線間絶縁膜としてのバルク絶縁膜111及びキャップ絶縁膜112が堆積されている。第1の実施形態と同様に、配線間絶縁膜111,112には配線用溝113が形成され、この溝113内にCu配線115が形成されている。Cu配線115と配線用溝113の側壁との間にはギャップ20が設けられ、Cu配線115の上面及び側壁面、更には配線用溝113の側壁面にはAlOからなるバリア層318が形成されている。
【0054】
第2の実施形態では、シリサイドによるバリア層118はCu配線115の露出表面しか形成されていないが、本実施形態ではAlOバリア層318が露出面全体に形成されている。即ち、Cu配線115の上面及び側壁面、配線用溝113の上面及び側壁面、更には拡散防止膜129の露出面にAlOバリア層318が形成されている。そして、第1層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜119が形成されている。2層目の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0055】
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について、図10を参照して説明する。
【0056】
図10(a)〜(d)に示す工程までは、前記図7(a)〜(d)に示す工程と同様である。次いで、図10(e)に示すように、Cuの露出表面を保護するために、薄膜Alを成膜した後、アニールすることで、アルミナ膜(AlO)からなるバリア層318を形成する。このとき、バリア層318はCu配線115の上面及び側壁面のみではなく、配線用溝113の上面及び側壁面にも形成される。なお、Alの成膜には例えばALD法を用い、その膜厚は2nmである。
【0057】
本構造の特徴は、配線がCu/AlOx /ギャップ/AlOx /絶縁膜の構造をとることであり、配線上部及び側壁がAlOx の絶縁膜バリアに覆われ、非常に耐水性の高い配線である点である。
【0058】
これ以降は、図には示さないが、第1及び第2の実施形態と同様にして、前記図9に示す構造の半導体装置が作製される。
【0059】
このように本実施形態によれば、Cu配線115と配線用溝113の側壁面との間にギャップ20を設け、更にCu配線125と配線用溝123の側壁面との間にギャップ22を設けているので、配線容量の低下をはかると共に、絶縁膜111,112,121,122中の水分によるCu配線115,125の腐食を防止することができる。
【0060】
しかも、Cu配線115の上面及び側面、更には配線用溝113の側壁面にAlOからなるバリア層318を形成しているので、絶縁膜111,112中の水分によるメタル腐食を更に抑制することができる。また、Cu配線125の上面及び側面にCuSiNからなるバリア層128を形成し、配線用溝123の側壁面にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層126を形成しているので、メタルの腐食をより確実に抑制することができる。さらに、Cu配線115の下地として拡散防止膜219を形成しているので、バリア層116を設けなくてもCu配線とILD膜110との反応が生じることはない。従って、配線としての高い信頼性が得られる。
【0061】
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0062】
本実施形態が先に説明した第1の実施形態と異なる点は、第2層目の配線層においても、Cu配線115と層間絶縁膜120との接触を避けるようにしたことである。
【0063】
即ち、Cu配線115と配線用溝113の側壁との間にはギャップ20が設けられている。Cu配線115の上面及び側面にはCuSiNからなる第2のバリア層118が形成されている。そして、第1層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜119が形成されている。
【0064】
拡散防止膜119上には第2のILD膜120と第2の配線間絶縁膜121,122が堆積されている。配線間絶縁膜121,122には配線用溝123が形成され、ILD膜120にコンタクトホールが形成されている。ここで、配線用溝123の幅はコンタクトホールの径と同じに設定され、配線用溝123及びコンタクトホールが連続するようになっている。
【0065】
配線用溝123及びコンタクトホール内にはCu配線125が埋め込み形成され、Cu配線125と配線用溝123の側壁及びコンタクトホールの側壁との間にはギャップ24が設けられている。配線用溝123の側壁面及びコンタクトホールの側壁面には、MnOx 膜又はMnSix Oy 膜からなる第1のバリア層126が形成され、Cu配線125の上面及び側面にはCuSiNからなる第2のバリア層128が形成されている。ここで、本実施形態においては、ILD膜120のコンタクトホールにおいても、Cu配線125とバリア層126との間のCuOx 膜127が除去されてギャップ24となっている。そして、第2層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜129が形成されている。
【0066】
次に、本実施形態に係わる半導体装置の製造方法について、図12及び図13を参照して説明する。
【0067】
図12(a)は前記図3(f)と同様であり、本実施形態でも図3(f)に示す工程までは第1の実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態ではこれに続き、図12(b)に示すように、第1層目と同様に、レジストパターニングを行い、リアクティブイオンエッチング処理を行い、配線溝123及びILD膜120に配線溝123と繋がるコンタクトホールを形成する。ここで、配線用溝123の幅をコンタクトホールの径と同じにし、配線用溝123及びコンタクトホールが連続するようにする。
【0069】
次いで、図12(c)に示すように、第1層目と同様に、配線溝123内にCuMn膜124とCu膜125’を形成する。
【0070】
次いで、図13(d)に示すように、アニールを行うことにより、バリア層126とCuOx 膜127を形成する。
【0071】
次いで、図13(e)に示すように、CMPでCu膜125’を研磨することにより、配線用溝123及びコンタクトホール内にCu配線125を埋め込み形成すると共に、Cu配線125と配線溝123及びコンタクトホールとの間にギャップ24を形成する。このとき、配線溝123の側壁面とコンタクトホールの側壁面が連続しているため、コンタクトホールにおいてもCuOx 膜127を確実に除去することができ、連続するギャップが形成される。
【0072】
次いで、図13(f)に示すように、Cuの露出表面を保護するために、第2のバリア層128としてのCuSiN膜を成膜する。配線溝123とコンタクトホール部分で連続したギャップが形成されているため、第2層目の配線層としてのCu配線膜125が絶縁膜120,121,122に接触することはない。
【0073】
これ以降は、第1の実施形態と同様に、SiOC等の拡散防止膜129を形成することにより、前記図11に示す構造の半導体装置が作製される。
【0074】
このように本実施形態では、先の第1の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、ビア部分においてもCu配線125とILD膜120との接触を防止することができ、この部分のメタルの腐食を抑制することができる。従って、2層目の配線においても、より確実に腐食を抑制することができ、配線の更なる信頼性向上をはかることができる。
【0075】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。第1の実施形態では、シード層としてCuMn合金を用いたが、Mnの代わりに他の金属、例えばMgを用いることも可能である。この場合、アニール処理によりMgOが第1のバリア層として形成されることになる。
【0076】
第3の実施形態では、バリア層としてAl酸化膜を形成したが、他の金属の酸化膜を形成することも可能である。具体的には、薄膜で成膜することができ、酸化により確実に絶縁膜となり、耐湿性が十分に高いものであればよく、Ti酸化膜を用いることも可能である。
【0077】
また、配線は必ずしもCuに限るものではなく、Alその他の金属材料を用いることも可能である。さらに、実施形態では第1層目と第2層目で同じ構造を採用したが、各実施形態を適宜組み合わせて異なる層で異なる構造を採用してもよい。
【0078】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図。
【図2】第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図3】第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図4】第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図5】第1の実施形態におけるバリア層及びギャップ形成のメカニズムを説明するための模式図。
【図6】第2の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図。
【図7】第2の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図8】第2の実施形態におけるギャップ形成のメカニズムを説明するための模式図。
【図9】第3の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図。
【図10】第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図11】第4の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図。
【図12】第4の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図13】第4の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
【0080】
20,22,24…ギャップ、100…Si基板、110,120…第1の層間絶縁膜(ILD膜)、111,121…バルク絶縁膜、112,122…キャップ絶縁膜、113,123…配線用溝、114…CuMn膜、115,125…Cu配線、115’,125’…Cu膜、116,126…MnSix Oy 又はMnOx バリア層(第1のバリア層)、117,127…CuOx 膜、118,128…CuSiNバリア層(第2のバリア層)、119,129,219…拡散防止膜、120…第2の層間絶縁膜(ILD膜)、124…コンタクトホール、318…AlOバリア層
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のLSI配線のプロセスシーケンスでは、まずSi基板上に層間絶縁膜を成膜し、更に配線間絶縁膜としてバルク絶縁膜とキャップ絶縁膜を堆積させ、これらに配線形成用の溝を形成する。次いで、バリアメタルと配線材料を配線用溝に充填し、続いてCMP処理し、最後にCu拡散防止膜を成膜して単層のCu配線が形成される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この構造では、配線材料が配線間絶縁膜に直接接触することになり、絶縁膜中の水分による配線メタルの腐食が生じるおそれがある。特に、配線間絶縁膜に溝形成のためのエッチングによるダメージがあると、配線メタルの腐食がより顕著となる。また、Cu配線上にCuSiNキャップ膜を形成した構造も提案されている(特許文献2参照)。しかし、この構造の場合においても、配線間絶縁膜中の水分による配線メタルの腐食を抑制することはできない。
【0004】
このように従来、RC遅延の抑制のために低誘電率絶縁膜を用いると、絶縁膜中の水分による配線メタルの腐食が発生し、これが配線の信頼性を大きく低下させる要因となっていた。
【特許文献1】特開平11−204523号公報
【特許文献2】特開平2007−27769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、絶縁膜中の水分による配線メタルの腐食を防止することができ、配線の信頼性向上をはかり得る半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係わる半導体装置は、配線用溝が形成された配線間絶縁膜と、前記配線間絶縁膜の配線用溝内に形成された金属配線層と、前記配線層の側壁面と上面の上に形成された耐水性バリア層と、前記配線層の側壁面と前記配線用溝の側壁面との間であって、前記耐水性バリア層と前記配線層との間に形成されたギャップと、を具備してなることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の別の一態様に係わる半導体装置は、配線用溝が形成された配線間絶縁膜と、前記配線間絶縁膜の配線用溝内に形成された金属配線層と、前記配線用溝の側壁面に形成された、前記配線層を構成する金属とは異なる金属の酸化膜からなる第1のバリア層と、前記配線層の側壁面と上面の上に形成された、前記配線を構成する金属のシリサイドからなる第2のバリア層と、前記配線層の側壁面と前記配線用溝の側壁面との間であって、前記第1のバリア層と前記第2のバリア層との間に形成されたギャップと、を具備してなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の一態様に係わる半導体装置の製造方法は、配線用溝を有する配線間絶縁膜を形成する工程と、前記配線間絶縁膜の配線用溝内に金属からなる配線層を埋め込み形成する工程と、前記配線層と前記配線用溝の側壁面との間に、前記配線層中の金属元素を有する金属酸化膜を形成する工程と、前記金属酸化膜を除去することにより、前記配線層と前記配線用溝の側壁面との間にギャップを形成する工程と、前記ギャップの形成により露出した前記配線層の側壁面及び上面に耐水性バリア層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の一態様に係わる半導体装置の製造方法は、配線用溝を有する配線間絶縁膜を形成する工程と、前記配線間絶縁膜の配線用溝内に、メインの構成材料である金属M1とその他の金属M2からなる配線層を埋め込み形成する工程と、前記配線用溝の側壁部にM2の酸化膜からなる第1のバリア層を形成すると共に、前記配線層と前記第1のバリア層との界面にM1の酸化膜を形成する工程と、前記M1の酸化膜を除去することにより、前記配線用溝の側壁面に形成された第1のバリア層と前記配線層との間にギャップを形成する工程と、前記ギャップの形成により露出した前記配線層の側壁面及び上面にM1のシリサイドからなる第2のバリア層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、絶縁膜中の水分による配線金属の腐食を抑制することができ、これにより配線の信頼性向上をはかることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図である。
【0013】
Si基板上100上に、SiOCやSiO2 からなる第1の層間絶縁膜(ILD膜)110が形成されている。ILD膜110上には、第1の配線間絶縁膜として、バルク絶縁膜111とキャップ絶縁膜112が堆積されている。バルク絶縁膜111は低誘電率の絶縁膜であり、例えばポーラスな有機膜である。キャップ絶縁膜112は、バルク絶縁膜111を保護するためものであり、例えばSiO2 膜である。
【0014】
配線間絶縁膜111,112に配線用溝113が形成され、この溝113内にCu配線115が形成されている。Cu配線115と配線用溝113の側壁との間にはギャップ20が設けられている。Cu配線115とILD膜110との界面、及び配線用溝113の側壁面には、MnOx 膜又はMnSix Oy 膜からなる第1のバリア層116が形成され、Cu配線115の上面及び側壁面にはCuSiNからなる第2のバリア層118が形成されている。そして、第1層目の配線層を形成した基板上には、SiOC等からなる拡散防止膜119が形成されている。
【0015】
拡散防止膜119上には第2のILD膜120が堆積され、その上に、第2の配線間絶縁膜としてバルク絶縁膜121とキャップ絶縁膜122が堆積されている。配線間絶縁膜121,122には配線用溝123が形成され、ILD膜120にコンタクトホールが形成されている。配線用溝123及びコンタクトホール内にはCu配線125が形成されている。Cu配線125と配線用溝123の側壁との間にはギャップ22が設けられている。Cu配線125とILD膜120との界面、及び配線用溝123の側壁面には、MnOx 膜又はMnSix Oy 膜からなる第1のバリア層126が形成され、Cu配線125の上面及び側壁面にはCuSiNからなる第2のバリア層128が形成されている。また、ILD膜120のコンタクトホールにおいて、Cu配線125とバリア層126との間にCuOx 膜127が形成されている。そして、第2層目の配線層を形成した基板上には、SiOC等の拡散防止膜129が形成されている。
【0016】
次に、本実施形態に係わる半導体装置の製造方法について、図2〜図5を参照して説明する。
【0017】
まず、図2(a)に示すように、Si基板100上にSiOCやSiO2 からなる厚さ100nmの第1の層間絶縁膜(ILD膜)110を成膜する。続いて、埋め込み配線を作製するための配線間絶縁膜として、有機系材料からなる厚さ100nmのバルク絶縁膜111とSiOCからなる厚さ50nmのキャップ絶縁膜112を成膜する。
【0018】
次いで、図2(b)に示すように、レジストパターニングを行い、リアクティブイオンエッチングにより配線用溝113を形成する。
【0019】
次いで、図2(c)に示すように、配線用溝113内にバリアメタルと配線材料を充填する。配線材料は一般的なCuであるが、バリアメタルとしては、従来一般的なTaやTiに代えてMnを用いる。具体的には、例えばMnを含有するCuMn膜114をスパッタにより薄く(例えば50nm)形成した後、これをシードとして配線材料となるCuをメッキすることにより厚さ1000nmのCu膜115’を形成する。
【0020】
次いで、図2(d)に示すように、アニールを行い、Cu膜115’とILD膜110との界面及び配線溝113の側壁面に第1のバリア層116を形成する。続いて、CPMでCu配線115を研磨することにより、配線用溝113内のみにCu配線115を形成すると共に、Cu配線115と配線用溝113との間にギャップ20を形成する。
【0021】
ここで、図2(c)から(d)に示す工程を、図5を参照して更に詳しく説明する。図5(a)は、図2(c)と同様に配線間絶縁膜111,112の配線用溝113内にCu膜115’を埋め込んだ状態である。
【0022】
図5(b)に示すように、この状態でアニールを行うことでCuMn合金114中のMnが絶縁膜中のO,Siと結合しMnSix Oy 若しくはMnOx がバリア層116として形成され、且つ絶縁膜中の水分によるOがCu膜115’方向に拡散することでバリア層116とCu膜115’との界面にCuOx 膜117も形成される。MnSix Oy ,MnOx の形成に寄与しなかった余剰Mnは、Cu膜115’内に拡散する。これにより、配線側壁の膜構成は、Cu/CuOx /MnSix Oy(MnOx )という膜構成をとる。
【0023】
そして、図5(c)に示すように、配線溝上部の余剰なバリア層及び配線材料のCuをCMPで除去することにより、配線用溝113内のみにCu配線115を形成する。このCMPの際に酸系のスラリーを用いることにより、Cu側壁のCuOx 膜117が溶出し、Cu/MnSix Oy(MnOx )界面に約10nmのギャップ20が形成される。ここで、CMPの際にCuOx 膜117を除去せず、CMP後にCuOx 膜117を除去しても良い。
【0024】
次いで、図2(e)に示すように、Cuの露出表面を保護するために、第2のバリア層118としてのCuSiN膜を成膜する。具体的には、SiH4 処理によるCu配線115のシリサイド化後にNH3 処理による窒化を行うことにより、極めて薄い(2〜3nm)CuSiN膜118を形成する。本構造における特徴は、Cu配線がCu/CuSiN/ギャップ/MnSix Oy(MnOx )構造をとり、CuSiN,MnSix Oy(MnOx )の二重の絶縁膜バリアに覆われていることであり、非常に耐水性の高い配線であることが利点である。
【0025】
次いで、図3(f)に示すように、第1層目の配線層が作製された基板上に、エッチングストッパとして機能するSiN若しくはSiCからなる拡散防止膜119を30nmの厚さに成膜する。続いて、拡散防止膜119上に、第2の層間絶縁膜(ILD膜)120を形成し、更に第1層目の配線間絶縁膜111,112と同様に、配線間絶縁膜としてのバルク絶縁膜121及びキャップ絶縁膜122を成膜する。
【0026】
次いで、図3(g)に示すように、第1層目と同様に、レジストパターニングを行い、リアクティブイオンエッチング処理を行い配線用溝123を形成する。このとき、ILD膜120にも配線用溝123と繋がるコンタクトホールを形成する。
【0027】
次いで、図3(h)に示すように、第1層目と同様に、配線用溝123内にCuMn膜124とCu膜125’を形成する。
【0028】
次いで、図4(i)に示すように、アニールを行うことにより、第1層目と同様に、第1のバリア層126とCuOx 膜127を形成する。
【0029】
次いで、図4(j)に示すように、CPMでCu膜125’を研磨することにより、第1層目と同様に、配線用溝123内にCu配線125を埋め込み形成すると共に、Cu配線125と配線溝123との間にギャップ22を形成する。
【0030】
次いで、図4(k)に示すように、Cuの露出表面を保護するために、第1層目と同様に、第2のバリア層128としてのCuSiN膜を成膜する。
【0031】
これ以降は、SiOC等の拡散防止膜129を形成することにより、前記図1に示す構造を有する半導体装置が作製される。
【0032】
このように本実施形態によれば、Cu配線115と配線用溝113の側壁面との間にギャップ20を設けているので、配線容量の低下をはかると共に、絶縁膜111,112中の水分によるCu配線115の腐食を防止することができる。同様に、Cu配線125と配線用溝123の側壁面との間にギャップ22を設けているので、配線容量の低下をはかると共に、絶縁膜121,122中の水分によるCu配線125の腐食を防止することができる。
【0033】
しかも、Cu配線115の上面及び側壁面にCuSiNからなるバリア層118を形成し、Cu配線125の上面及び側壁面にも同様のバリア層128を形成しているので、絶縁膜111,112,121,122中の水分による配線腐食を更に抑制することができる。また、配線用溝113,123の側壁面にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層116,126を形成しているので、絶縁膜111,112からCu配線115への水分の浸透を防止することができ、配線腐食をより確実に抑制することができる。さらに、Cu配線115とILD膜110との境界にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層116を形成し、更にはCu配線125とILD膜120との境界にも同様のバリア層126を形成しているので、配線層115,125とILD膜110,120との反応を防止することもできる。従って、埋め込み配線としての高い信頼が得られる。
【0034】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0035】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1層目の配線層の下層に拡散防止膜219を設けると共に、バリア層116を省略したことにある。
【0036】
即ち、第1の層間絶縁膜(ILD膜)110上に拡散防止膜219が形成され、その上に第1の実施形態と同様に、第1の配線間絶縁膜としてのバルク絶縁膜111及びキャップ絶縁膜112が堆積されている。さらに第1の実施形態と同様に、配線間絶縁膜111,112には配線用溝113が形成され、この溝113内にCu配線115が形成されている。Cu配線115と配線用溝113の側壁との間にはギャップ20が設けられ、Cu配線115の上面及び側壁面にはCuSiNからなるバリア層118が形成されている。但し、第1の実施形態で形成したバリア層116は形成されていない。そして、第1層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜119が形成されている。
【0037】
2層目は第1の実施形態と同様である。即ち、拡散防止膜119上に第2のILD膜120及び第2の配線間絶縁膜121,122が堆積され、配線間絶縁膜121,122には配線用溝123が形成され、ILD膜120にコンタクトホールが形成されている。配線用溝123及びコンタクトホール内にはCu配線125が形成され、Cu配線125と配線用溝123の側壁との間にはギャップ22が設けられている。
【0038】
Cu配線125とILD膜120との界面、及び配線用溝123の側壁面にはMnOx 膜又はMnSix Oy 膜からなる第1のバリア層126が形成され、Cu配線125の上面及び側壁面にはCuSiNからなる第2のバリア層128が形成されている。また、ILD膜120のコンタクトホールにおいて、Cu配線125とバリア層126との間にCuOx 膜127が形成されている。そして、第2層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜129が形成されている。
【0039】
次に、本実施形態に係わる半導体装置の製造方法について、図7及び図8を参照して説明する。
【0040】
まず、図7(a)に示すように、Si基板100上に第1の層間絶縁膜(ILD膜)110を成膜し、その上にSiN若しくはSiCからなる拡散防止膜219を形成する。この拡散防止膜219上に、埋め込み配線を作製するための配線間絶縁膜として、有機系材料からなるバルク絶縁膜111とSiOCからなるキャップ絶縁膜112を成膜する。なお、各部の膜厚は基本的に第1の実施形態と同じである。
【0041】
次いで、図7(b)に示すように、レジストパターニングを行い、リアクティブイオンエッチング処理を行うことで配線用溝113を形成する。
【0042】
次いで、図7(c)に示すように、配線用溝113内に配線材料を充填する。配線材料はCuであり、メッキにより形成する。具体的には、シードとなるCuをスパッタした後に、配線材料となるCuメッキを行うことによりCu膜115’を形成する。
【0043】
次いで、図7(d)に示すように、アニール処理を行った後、CPMでCu膜115’を研磨することにより、配線用溝113内のみにCu配線115を形成すると共に、Cu配線115と配線用溝113との間にギャップ20を形成する。
【0044】
ここで、図7(c)から(d)に示す工程を、図8を参照して更に詳しく説明する。図8(a)は、図7(c)と同様に配線間絶縁膜111,112の配線用溝113内にCu膜115’を埋め込んだ状態である。
【0045】
図8(b)に示すように、この状態でアニールを行うことで、絶縁膜中の多量の水分がCu膜115’の方向に拡散し、絶縁膜111,112とCu膜115’との界面にCuOx 膜117が形成される。これにより、配線側壁の膜構成は、Cu/CuOx となる。
【0046】
そして、図8(c)に示すように、配線溝上部の余剰なCuをCMPで除去することにより、配線用溝113内のみにCu配線115を形成する。このCMPの際に酸系のスラリーを用いることにより、Cu側壁のCuOx が溶出し、Cu配線115と配線用溝113の側壁面との間に約10nmのギャップ20が形成される。なお、CuOx 膜117はCMP後に除去しても良い。
【0047】
次いで、図7(e)に示すように、第1の実施形態と同様に、Cuの露出表面を保護するために、第2のバリア層118としてのCuSiN膜を成膜する。本構造における特徴は、Cu配線がCu/CuSiN/ギャップ/絶縁膜の構造をとり、配線上部及び側壁がCuSiNの絶縁膜バリアに覆われていることであり、非常に耐水性の高い配線であることが利点である。
【0048】
これ以降は、図には示さないが、第1層目の配線層の形成と同様に、拡散防止膜119の形成、第2の層間絶縁膜(ILD膜)120の成膜、第2の配線間絶縁膜121,122の成膜、配線用溝123の形成、Cu配線125の形成を行う。ここで、第2層目においては第1層目と異なり、第1の実施形態と同様に、CuMn膜124をシードとしてCu膜115’を形成し、配線用溝123の側壁面にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層126を形成する。その後、CuSiNバリア層128の形成、更にはSiOC等の拡散防止膜129の形成を行うことにより、第2層目の配線層が形成され、前記図6に示す構造の半導体装置が作製される。
【0049】
このように本実施形態によれば、Cu配線115と配線用溝113の側壁面との間にギャップ20を設け、更にCu配線125と配線用溝123の側壁面との間にギャップ22を設けているので、配線容量の低下をはかると共に、絶縁膜111,112,121,122中の水分によるCu配線115,125の腐食を防止することができる。
【0050】
しかも、Cu配線115,125の上面及び側壁面にCuSiNからなるバリア層118,128を形成しているので、絶縁膜111,112,121,122中の水分によるメタル腐食を更に抑制することができる。また、Cu配線115の下地として拡散防止膜219を形成しているので、バリア層116を設けなくてもCu配線115とILD膜110との反応が生じることはない。さらに、配線用溝123の側壁面にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層126を形成しているので、メタルの腐食をより確実に抑制することができる。従って、配線としての高い信頼性が得られる。
【0051】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図である。なお、図6と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0052】
本実施形態が第2の実施形態と異なる点は、Cu配線を保護するためのバリア層としてCuSiNの代わりにAlOを用いたことにある。
【0053】
即ち、第1の層間絶縁膜(ILD膜)110上に拡散防止膜219が形成され、その上に第1の配線間絶縁膜としてのバルク絶縁膜111及びキャップ絶縁膜112が堆積されている。第1の実施形態と同様に、配線間絶縁膜111,112には配線用溝113が形成され、この溝113内にCu配線115が形成されている。Cu配線115と配線用溝113の側壁との間にはギャップ20が設けられ、Cu配線115の上面及び側壁面、更には配線用溝113の側壁面にはAlOからなるバリア層318が形成されている。
【0054】
第2の実施形態では、シリサイドによるバリア層118はCu配線115の露出表面しか形成されていないが、本実施形態ではAlOバリア層318が露出面全体に形成されている。即ち、Cu配線115の上面及び側壁面、配線用溝113の上面及び側壁面、更には拡散防止膜129の露出面にAlOバリア層318が形成されている。そして、第1層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜119が形成されている。2層目の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0055】
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について、図10を参照して説明する。
【0056】
図10(a)〜(d)に示す工程までは、前記図7(a)〜(d)に示す工程と同様である。次いで、図10(e)に示すように、Cuの露出表面を保護するために、薄膜Alを成膜した後、アニールすることで、アルミナ膜(AlO)からなるバリア層318を形成する。このとき、バリア層318はCu配線115の上面及び側壁面のみではなく、配線用溝113の上面及び側壁面にも形成される。なお、Alの成膜には例えばALD法を用い、その膜厚は2nmである。
【0057】
本構造の特徴は、配線がCu/AlOx /ギャップ/AlOx /絶縁膜の構造をとることであり、配線上部及び側壁がAlOx の絶縁膜バリアに覆われ、非常に耐水性の高い配線である点である。
【0058】
これ以降は、図には示さないが、第1及び第2の実施形態と同様にして、前記図9に示す構造の半導体装置が作製される。
【0059】
このように本実施形態によれば、Cu配線115と配線用溝113の側壁面との間にギャップ20を設け、更にCu配線125と配線用溝123の側壁面との間にギャップ22を設けているので、配線容量の低下をはかると共に、絶縁膜111,112,121,122中の水分によるCu配線115,125の腐食を防止することができる。
【0060】
しかも、Cu配線115の上面及び側面、更には配線用溝113の側壁面にAlOからなるバリア層318を形成しているので、絶縁膜111,112中の水分によるメタル腐食を更に抑制することができる。また、Cu配線125の上面及び側面にCuSiNからなるバリア層128を形成し、配線用溝123の側壁面にMnSix Oy 又はMnOx からなるバリア層126を形成しているので、メタルの腐食をより確実に抑制することができる。さらに、Cu配線115の下地として拡散防止膜219を形成しているので、バリア層116を設けなくてもCu配線とILD膜110との反応が生じることはない。従って、配線としての高い信頼性が得られる。
【0061】
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0062】
本実施形態が先に説明した第1の実施形態と異なる点は、第2層目の配線層においても、Cu配線115と層間絶縁膜120との接触を避けるようにしたことである。
【0063】
即ち、Cu配線115と配線用溝113の側壁との間にはギャップ20が設けられている。Cu配線115の上面及び側面にはCuSiNからなる第2のバリア層118が形成されている。そして、第1層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜119が形成されている。
【0064】
拡散防止膜119上には第2のILD膜120と第2の配線間絶縁膜121,122が堆積されている。配線間絶縁膜121,122には配線用溝123が形成され、ILD膜120にコンタクトホールが形成されている。ここで、配線用溝123の幅はコンタクトホールの径と同じに設定され、配線用溝123及びコンタクトホールが連続するようになっている。
【0065】
配線用溝123及びコンタクトホール内にはCu配線125が埋め込み形成され、Cu配線125と配線用溝123の側壁及びコンタクトホールの側壁との間にはギャップ24が設けられている。配線用溝123の側壁面及びコンタクトホールの側壁面には、MnOx 膜又はMnSix Oy 膜からなる第1のバリア層126が形成され、Cu配線125の上面及び側面にはCuSiNからなる第2のバリア層128が形成されている。ここで、本実施形態においては、ILD膜120のコンタクトホールにおいても、Cu配線125とバリア層126との間のCuOx 膜127が除去されてギャップ24となっている。そして、第2層目の配線層を形成した基板上には、拡散防止膜129が形成されている。
【0066】
次に、本実施形態に係わる半導体装置の製造方法について、図12及び図13を参照して説明する。
【0067】
図12(a)は前記図3(f)と同様であり、本実施形態でも図3(f)に示す工程までは第1の実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態ではこれに続き、図12(b)に示すように、第1層目と同様に、レジストパターニングを行い、リアクティブイオンエッチング処理を行い、配線溝123及びILD膜120に配線溝123と繋がるコンタクトホールを形成する。ここで、配線用溝123の幅をコンタクトホールの径と同じにし、配線用溝123及びコンタクトホールが連続するようにする。
【0069】
次いで、図12(c)に示すように、第1層目と同様に、配線溝123内にCuMn膜124とCu膜125’を形成する。
【0070】
次いで、図13(d)に示すように、アニールを行うことにより、バリア層126とCuOx 膜127を形成する。
【0071】
次いで、図13(e)に示すように、CMPでCu膜125’を研磨することにより、配線用溝123及びコンタクトホール内にCu配線125を埋め込み形成すると共に、Cu配線125と配線溝123及びコンタクトホールとの間にギャップ24を形成する。このとき、配線溝123の側壁面とコンタクトホールの側壁面が連続しているため、コンタクトホールにおいてもCuOx 膜127を確実に除去することができ、連続するギャップが形成される。
【0072】
次いで、図13(f)に示すように、Cuの露出表面を保護するために、第2のバリア層128としてのCuSiN膜を成膜する。配線溝123とコンタクトホール部分で連続したギャップが形成されているため、第2層目の配線層としてのCu配線膜125が絶縁膜120,121,122に接触することはない。
【0073】
これ以降は、第1の実施形態と同様に、SiOC等の拡散防止膜129を形成することにより、前記図11に示す構造の半導体装置が作製される。
【0074】
このように本実施形態では、先の第1の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、ビア部分においてもCu配線125とILD膜120との接触を防止することができ、この部分のメタルの腐食を抑制することができる。従って、2層目の配線においても、より確実に腐食を抑制することができ、配線の更なる信頼性向上をはかることができる。
【0075】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。第1の実施形態では、シード層としてCuMn合金を用いたが、Mnの代わりに他の金属、例えばMgを用いることも可能である。この場合、アニール処理によりMgOが第1のバリア層として形成されることになる。
【0076】
第3の実施形態では、バリア層としてAl酸化膜を形成したが、他の金属の酸化膜を形成することも可能である。具体的には、薄膜で成膜することができ、酸化により確実に絶縁膜となり、耐湿性が十分に高いものであればよく、Ti酸化膜を用いることも可能である。
【0077】
また、配線は必ずしもCuに限るものではなく、Alその他の金属材料を用いることも可能である。さらに、実施形態では第1層目と第2層目で同じ構造を採用したが、各実施形態を適宜組み合わせて異なる層で異なる構造を採用してもよい。
【0078】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図。
【図2】第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図3】第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図4】第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図5】第1の実施形態におけるバリア層及びギャップ形成のメカニズムを説明するための模式図。
【図6】第2の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図。
【図7】第2の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図8】第2の実施形態におけるギャップ形成のメカニズムを説明するための模式図。
【図9】第3の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図。
【図10】第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図11】第4の実施形態に係わる半導体装置の素子構造、特に配線構造を示す断面図。
【図12】第4の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図13】第4の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
【0080】
20,22,24…ギャップ、100…Si基板、110,120…第1の層間絶縁膜(ILD膜)、111,121…バルク絶縁膜、112,122…キャップ絶縁膜、113,123…配線用溝、114…CuMn膜、115,125…Cu配線、115’,125’…Cu膜、116,126…MnSix Oy 又はMnOx バリア層(第1のバリア層)、117,127…CuOx 膜、118,128…CuSiNバリア層(第2のバリア層)、119,129,219…拡散防止膜、120…第2の層間絶縁膜(ILD膜)、124…コンタクトホール、318…AlOバリア層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線用溝が形成された配線間絶縁膜と、
前記配線間絶縁膜の配線用溝内に形成された金属配線層と、
前記配線層の側壁面と上面の上に形成された耐水性バリア層と、
前記配線層の側壁面と前記配線用溝の側壁面との間であって、前記耐水性バリア層と前記配線層との間に形成されたギャップと、
を具備してなることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
配線用溝が形成された配線間絶縁膜と、
前記配線間絶縁膜の配線用溝内に形成された金属配線層と、
前記配線用溝の側壁面に形成された、前記配線層を構成する金属とは異なる金属の酸化膜からなる第1のバリア層と、
前記配線層の側壁面と上面の上に形成された、前記配線を構成する金属のシリサイドからなる第2のバリア層と、
前記配線層の側壁面と前記配線用溝の側壁面との間であって、前記第1のバリア層と前記第2のバリア層との間に形成されたギャップと、
を具備してなることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記配線層はCu、前記第1のバリア層はMnOx 又はMnSix Oy であり、前記第2のバリア層はCuSiNであることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
配線用溝を有する配線間絶縁膜を形成する工程と、
前記配線間絶縁膜の配線用溝内に金属からなる配線層を埋め込み形成する工程と、
前記配線層と前記配線用溝の側壁面との間に、前記配線層中の金属元素を有する金属酸化膜を形成する工程と、
前記金属酸化膜を除去することにより、前記配線層と前記配線用溝の側壁面との間にギャップを形成する工程と、
前記ギャップの形成により露出した前記配線層の側壁面及び上面に耐水性バリア層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
配線用溝を有する配線間絶縁膜を形成する工程と、
前記配線間絶縁膜の配線用溝内に、メインの構成材料である金属M1とその他の金属M2からなる配線層を埋め込み形成する工程と、
前記配線用溝の側壁部にM2の酸化膜からなる第1のバリア層を形成すると共に、前記配線層と前記第1のバリア層との界面にM1の酸化膜を形成する工程と、
前記M1の酸化膜を除去することにより、前記配線用溝の側壁面に形成された第1のバリア層と前記配線層との間にギャップを形成する工程と、
前記ギャップの形成により露出した前記配線層の側壁面及び上面にM1のシリサイドからなる第2のバリア層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
配線用溝が形成された配線間絶縁膜と、
前記配線間絶縁膜の配線用溝内に形成された金属配線層と、
前記配線層の側壁面と上面の上に形成された耐水性バリア層と、
前記配線層の側壁面と前記配線用溝の側壁面との間であって、前記耐水性バリア層と前記配線層との間に形成されたギャップと、
を具備してなることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
配線用溝が形成された配線間絶縁膜と、
前記配線間絶縁膜の配線用溝内に形成された金属配線層と、
前記配線用溝の側壁面に形成された、前記配線層を構成する金属とは異なる金属の酸化膜からなる第1のバリア層と、
前記配線層の側壁面と上面の上に形成された、前記配線を構成する金属のシリサイドからなる第2のバリア層と、
前記配線層の側壁面と前記配線用溝の側壁面との間であって、前記第1のバリア層と前記第2のバリア層との間に形成されたギャップと、
を具備してなることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記配線層はCu、前記第1のバリア層はMnOx 又はMnSix Oy であり、前記第2のバリア層はCuSiNであることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
配線用溝を有する配線間絶縁膜を形成する工程と、
前記配線間絶縁膜の配線用溝内に金属からなる配線層を埋め込み形成する工程と、
前記配線層と前記配線用溝の側壁面との間に、前記配線層中の金属元素を有する金属酸化膜を形成する工程と、
前記金属酸化膜を除去することにより、前記配線層と前記配線用溝の側壁面との間にギャップを形成する工程と、
前記ギャップの形成により露出した前記配線層の側壁面及び上面に耐水性バリア層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
配線用溝を有する配線間絶縁膜を形成する工程と、
前記配線間絶縁膜の配線用溝内に、メインの構成材料である金属M1とその他の金属M2からなる配線層を埋め込み形成する工程と、
前記配線用溝の側壁部にM2の酸化膜からなる第1のバリア層を形成すると共に、前記配線層と前記第1のバリア層との界面にM1の酸化膜を形成する工程と、
前記M1の酸化膜を除去することにより、前記配線用溝の側壁面に形成された第1のバリア層と前記配線層との間にギャップを形成する工程と、
前記ギャップの形成により露出した前記配線層の側壁面及び上面にM1のシリサイドからなる第2のバリア層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−272563(P2009−272563A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123903(P2008−123903)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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