説明

半導体装置

【課題】 スクライブTEGの電極端子によるLSIチップのウエハ上での取れ数削減を抑制して、低コスト化を実現する。
【解決手段】 半導体素子からなる内部回路が集積して形成されたLSIチップ1と、LSIチップ周辺のスクライブ領域4上に形成され、評価素子5と電極端子6が形成されたスクライブTEGとを備え、スクライブTEGの評価素子5の少なくとも一つとスクライブTEGの電極端子6とが、それぞれスクライブ領域4内の異なる領域に分離して形成され、互いに電気的に接続されている。これにより、スクライブTEGの電極端子と評価素子の接続の制約が緩和され、結果的にスクライブ領域面積の縮小ができ、LSIチップの低コスト化を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、特に、LSIチップおよびスクライブTEG(Test Element Group)の電極端子の配置についての半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIチップの微細化と低コスト化が進んでいるが、LSIチップにある電極端子やLSIチップの周辺に形成されたスクライブ領域上に形成されたスクライブTEGにある電極端子の占有面積が大きいことにより、LSIチップの微細化と低コスト化が難しくなっている。
【0003】
図7は、従来のウエハ上に形成されたLSIチップとスクライブ領域の一部を拡大して模式的に示す平面図である。図8は、図7のスクライブ領域上に形成されたスクライブTEGとLSIチップの一部を拡大して模式的に示す平面図である。
【0004】
図7に示すように、60はLSIチップ、61はLSIチップの電極端子、62はLSIチップ1の外周に沿って形成されたシールリング、63はスクライブ領域、64はスクライブTEG、65はスクライブTEGの電極端子である。
【0005】
LSIチップ60はウエハ面上に格子状に形成され、LSIチップ60の周辺にはチップを切断するためのスクライブ領域63が形成されている。LSIチップ60には、図示は省略するがトランジスタなどの回路素子とその回路素子に接続された電極端子61もしくは回路素子と接続されていない電極端子61が形成されている。
【0006】
LSIチップ60の外周に沿って決められた拡散層とその上層にはCu配線層と最上層にはアルミ配線層からなるシールリング62が形成されている。シールリング62はLSIチップ60を囲むように形成されているもので、その外側のスクライブ領域63にはスクライブTEG64が形成されており、スクライブTEG64には評価素子と電極端子65が形成されている。
【0007】
図8に示すように、66はLSIチップ、67はLSIチップの電極端子、68はLSIチップ1の外周に沿って形成されたシールリング、69はスクライブTEG、70はスクライブTEGの電極端子、71はLSIチップの回路素子と電極端子を接続する配線、72はスクライブTEGの評価素子、73はスクライブTEGの電極端子と評価素子を接続する配線である。従来、スクライブTEGの評価素子72と電極端子70は一体ものとして同じ領域で形成されるのが通常であった。
【0008】
他方、LSIチップのウエハ上での取れ数を増大させるには、LSIチップの面積を縮小する必要があるが、LSIチップ外部との電気的な接続を行う際の制約からLSIチップの電極端子の占める面積を縮小することは容易ではなく、従ってLSIチップの面積縮小を実現するのは困難であり、またスクライブ領域に形成されたスクライブTEGにおいても、スクライブTEGの電極端子の占める面積を縮小する必要があるが、TEG評価時の外部との電気的な接続を行う際の制約からスクライブTEGの電極端子の占める面積を縮小することは容易ではなく、従ってスクライブ領域の面積縮小を実現するのは困難であるという短所を有していた。
【0009】
この課題に対して、最近、これまでスクライブ上の同じ領域に形成されていたスクライブTEGの評価素子と電極端子に関し、スクライブTEGの評価素子をLSIチップ内の電極端子の下方に形成することでチップ全体の面積縮小を実現する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−313864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、LSIチップの微細化と低コスト化が進んでいく中、LSIチップの電極端子とスクライブTEGの電極端子のウエハ上で占める面積比率の増大傾向は収まらず、LSIチップの回路素子とスクライブTEGの評価素子が縮小されても、また、上記の従来例のようにスクライブTEGの評価素子をLSIチップ内の電極端子の下方に形成しても、LSIチップの電極端子とスクライブTEGの電極端子の大きさがネックとなって、LSIチップのウエハ上での取れ数は増加する事はなく、低コスト化が困難であるという問題は依然として大きな課題となっている。
【0011】
したがって、本発明の目的は、上記課題に鑑みて、スクライブTEGの電極端子によるLSIチップのウエハ上での取れ数削減を抑制し、LSIチップのウエハ上での取れ数を増大させ、低コスト化を実現する半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1記載の半導体装置は、半導体素子からなる内部回路が集積して形成されたLSIチップと、前記LSIチップ周辺のスクライブ領域上に形成され、評価素子と電極端子が形成されたスクライブTEGとを備え、前記スクライブTEGの評価素子の少なくとも一つと前記スクライブTEGの電極端子とが、それぞれスクライブ領域内の異なる領域に分離して形成され、互いに電気的に接続されている。
【0013】
請求項2記載の半導体装置は、請求項1記載の半導体装置において、前記スクライブTEGの電極端子は、前記スクライブ領域における縦方向に延伸する領域内、もしくは前記スクライブ領域における横方向に延伸する領域内のうちのいずれか一方に形成されている。
【0014】
請求項3記載の半導体装置は、請求項1記載の半導体装置において、前記スクライブTEGの評価素子は、前記スクライブ領域における縦方向に延伸する領域内、および前記スクライブ領域における横方向に延伸する領域の両方に形成されている。
【0015】
請求項4記載の半導体装置は、半導体素子からなる回路が集積して形成されたLSIチップと、LSIチップ周辺のスクライブ領域上に形成され、電極端子が形成されたスクライブTEGとを備え、LSIチップ内の空き領域に、スクライブTEGの評価素子を形成し、スクライブTEGの電極端子とスクライブTEGの評価素子とは、互いに電気的に接続されている。
【0016】
請求項5記載の半導体装置は、請求項4記載の半導体装置において、前記スクライブTEGの電極端子は、前記スクライブ領域における縦方向に延伸する領域内、もしくは前記スクライブ領域における横方向に延伸する領域内のうちのいずれか一方に形成されている。
【0017】
請求項6記載の半導体装置は、請求項4記載の半導体装置において、前記スクライブTEGの評価素子は、前記LSIチップ内の縦方向に延伸する空き領域、および前記LSIチップ内の横方向に延伸する空き領域の両方に形成されている。
【0018】
請求項7記載の半導体装置は、半導体素子からなる回路が集積して形成されたLSIチップと、前記LSIチップ周辺のスクライブ領域上に形成され、評価素子が形成されたスクライブTEGとを備え、前記LSIチップ内の空き領域に、前記スクライブTEGの電極端子を形成し、前記スクライブTEGの評価素子と前記スクライブTEGの電極端子とは、互いに電気的に接続されている。
【0019】
請求項8記載の半導体装置は、請求項7記載の半導体装置において、前記スクライブTEGの電極端子は、前記LSIチップ内の縦方向に延伸する空き領域、もしくは前記LSIチップ内の横方向に延伸する空き領域のうちいずれか一方に形成されている。
【0020】
請求項9記載の半導体装置は、請求項7記載の半導体装置において、前記スクライブTEGの評価素子は、前記スクライブ領域における縦方向に延伸するスクライブ領域内、および前記スクライブ領域における横方向に延伸するスクライブ領域内の両方に形成されている。
【0021】
請求項10記載の半導体装置は、請求項4または7記載の半導体装置において、前記スクライブTEGの電極端子と前記スクライブTEGの評価素子とは、前記LSIチップの最上層配線を用いて、前記LSIチップの外周に沿って形成されたシールリングの最上層配線を部分的に切断した箇所を通して電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1記載の半導体装置によれば、スクライブTEGの評価素子の少なくとも一つとスクライブTEGの電極端子とが、それぞれスクライブ領域内の異なる領域に分離して形成され、互いに電気的に接続されているので、スクライブ領域において大きな面積を占めるスクライブTEGの電極端子の存在によるLSIチップのウエハ上での取れ数削減を抑制し、LSIチップのウエハ上での取れ数を増大させ、低コスト化を実現することが可能となる。また、スクライブTEGの評価素子と比較的大面積を必要とするスクライブTEGの電極端子をスクライブ領域の別領域に形成することにより、スクライブ領域中にスクライブTEGを高密度に配置できるため、スクライブ領域面積を増大させることなくスクライブTEGの評価素子形成面積を拡大できる。
【0023】
請求項2,3では、スクライブTEGの電極端子は、スクライブ領域における縦方向に延伸する領域内、もしくはスクライブ領域における横方向に延伸する領域内のうちのいずれか一方に形成され、スクライブTEGの評価素子は、スクライブ領域における縦方向に延伸する領域内、およびスクライブ領域における横方向に延伸する領域の両方に形成されているので、スクライブTEGの電極端子と評価素子の接続の制約が緩和され、スクライブTEGの電極端子面積を縮小させることなくスクライブ領域面積を縮小できる。
【0024】
本発明の請求項4記載の半導体装置によれば、LSIチップ内の空き領域に、スクライブTEGの評価素子を形成し、スクライブTEGの電極端子とスクライブTEGの評価素子とは、互いに電気的に接続されているので、スクライブTEGの評価素子をLSIチップ内に形成することにより、チップ切断されるスクライブ領域に形成されるスクライブTEGの評価素子がなくなる。このため、請求項1と同様にLSIチップのウエハ上での取れ数削減を抑制し、LSIチップのウエハ上での取れ数を増大させ、低コスト化を実現することが可能となる。
【0025】
請求項5,6では、スクライブTEGの電極端子は、スクライブ領域における縦方向に延伸する領域内、もしくはスクライブ領域における横方向に延伸する領域内のうちのいずれか一方に形成され、スクライブTEGの評価素子は、LSIチップ内の縦方向に延伸する空き領域、およびLSIチップ内の横方向に延伸する空き領域の両方に形成されているので、スクライブTEGの電極端子と評価素子の接続の制約が緩和され、スクライブTEGの電極端子面積を縮小させることなくスクライブ領域面積を縮小できる。
【0026】
本発明の請求項7記載の半導体装置によれば、LSIチップ内の空き領域に、スクライブTEGの電極端子を形成し、スクライブTEGの評価素子とスクライブTEGの電極端子とは、互いに電気的に接続されているので、スクライブTEGの電極端子をLSIチップ内に形成することにより、チップ切断されるスクライブ領域に形成されるスクライブTEGの電極端子がなくなる。このため、請求項1と同様にLSIチップのウエハ上での取れ数削減を抑制し、LSIチップのウエハ上での取れ数を増大させ、低コスト化を実現することが可能となる。また、チップ切断されるスクライブ領域に形成されるスクライブTEGにある金属材料が大面積を占める電極端子がなくなり、ダイシング加工の際にスクライブ領域切断による金属膜からのチップ汚染防止の向上となる。
【0027】
請求項8,9では、スクライブTEGの電極端子は、LSIチップ内の縦方向に延伸する空き領域、もしくはLSIチップ内の横方向に延伸する空き領域のうちいずれか一方に形成され、スクライブTEGの評価素子は、スクライブ領域における縦方向に延伸するスクライブ領域内、およびスクライブ領域における横方向に延伸するスクライブ領域内の両方に形成されているので、スクライブTEGの電極端子面積を縮小させることなく、スクライブTEGの電極端子により縮小できなかったスクライブTEG形成面積を縮小することができる。
【0028】
請求項10では、スクライブTEGの電極端子とスクライブTEGの評価素子とは、LSIチップの最上層配線を用いて、LSIチップの外周に沿って形成されたシールリングの最上層配線を部分的に切断した箇所を通して電気的に接続されているので、スクライブTEGの電極端子と評価素子を接続する配線が、シールリングの最上層配線を跨ぐレイアウトに対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について、図1および図2に基づいて説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係るLSIチップとスクライブ領域の一部を拡大して模式的に示す平面図である。図2は、図1のスクライブTEGの評価素子と電極端子がスクライブ領域で別領域に形成され電気的に接続されている一部を拡大して模式的に示す平面図である。
【0031】
図1に示すように、1はLSIチップ、2はLSIチップの電極端子、3はLSIチップの外周に沿って形成されたシールリング、4はスクライブ領域、5はスクライブTEGの評価素子、6はスクライブTEGの電極端子、7はスクライブTEGの評価素子とスクライブTEGの電極端子を接続する配線である。
【0032】
LSIチップ1はウエハ面上に格子状に形成され、LSIチップ1の周辺にはチップを切断するためのスクライブ領域4が形成されている。LSIチップ1には、図示は省略するがトランジスタなどの回路素子とその回路素子に接続された電極端子2もしくは回路素子と接続されていない電極端子2とが形成されている。
【0033】
LSIチップ1の外周に沿って決められた拡散層とその上層にはCu配線層と最上層にはアルミ配線層からなるシールリング3が形成されている。シールリング3はLSIチップ1を囲むように形成されているもので、その外側のスクライブ領域4にはスクライブTEGの評価素子5とスクライブTEGの電極端子6が形成されている。スクライブTEGの評価素子5の少なくとも一つと電極端子6はスクライブ領域の別領域に形成され電気的に接続されている。
【0034】
図2に示すように、8はLSIチップの回路素子、9はLSIチップの電極端子、10はLSIチップの外周に沿って形成されたシールリング、11はLSIチップの回路素子と電極端子を接続する配線、12はスクライブTEGの電極端子、13はスクライブTEGの評価素子とスクライブTEGの電極端子を接続する配線、14はスクライブTEGの評価素子、15はスクライブ領域における縦方向に延伸する縦スクライブ領域、16はスクライブ領域における横方向に延伸する横スクライブ領域である。
【0035】
スクライブTEGの評価素子14は、スクライブ領域の縦スクライブ領域15と横スクライブ領域16のどちらにも形成されており、スクライブTEGの電極端子12はスクライブ領域の縦スクライブ領域15または横スクライブ領域16のいずれか一方に形成されている。スクライブTEGの電極端子12とスクライブTEGの評価素子14は、スクライブ領域で電気的に接続されている。
【0036】
なお、スクライブTEGの評価素子14は、スクライブ領域の縦スクライブ領域15と横スクライブ領域16のどちらか一方に形成されていても構わない。
【0037】
本実施形態によると、スクライブTEGの評価素子と比較的大面積を必要とするスクライブTEGの電極端子をスクライブ領域の別領域に形成することにより、スクライブ領域中にスクライブTEGを高密度に配置できるため、スクライブ領域面積を増大させることなくスクライブTEGの評価素子形成面積を拡大できる。
【0038】
また、スクライブTEGの電極端子どうしの間に形成されていたスクライブTEGの評価素子がなくなることにより、スクライブTEGの評価素子とスクライブTEGの電極端子を接続するためにスクライブTEGの電極端子両側に形成されていた配線を、スクライブ領域の下方の層に配置し、スクライブTEGの電極端子の下を通して所定のスクライブTEGの評価素子に接続することが可能となる。
【0039】
このため、スクライブTEGの電極端子両側の配線をなくすことができ、かつスクライブTEGの評価素子とスクライブTEGの電極端子を接続する配線形成領域が拡大され、言い換えれば、スクライブTEGの評価素子とスクライブTEGの電極端子の接続に関する制約が緩和され、スクライブTEGの電極端子面積を縮小させることなくスクライブ領域面積の縮小ができることになり、ウエハ上でのLSIチップの取れ数が増大し低コスト化が実現することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について、図3および図4に基づいて説明する。
【0040】
図3は、本実施形態に係るLSIチップとスクライブ領域の一部を拡大して模式的に示す平面図である。図4は、図3のLSIチップにあるスクライブTEGの評価素子とスクライブ領域にあるスクライブTEGの電極端子が電気的に接続されているチップの一部を拡大して模式的に示す平面図である。
【0041】
図3に示すように、21はLSIチップ、22はLSIチップの電極端子、23はLSIチップの外周に沿って形成されたシールリング、24はスクライブ領域、25はLSIチップにあるスクライブTEGの評価素子、26はスクライブ領域にあるスクライブTEGの電極端子、27はLSIチップにあるスクライブTEGの評価素子とスクライブ領域にあるスクライブTEGの電極端子を接続する配線である。
【0042】
LSIチップ21はウエハ面上に格子状に形成され、LSIチップ21の周辺にはチップを切断するためのスクライブ領域24が形成されている。LSIチップ21には、図示は省略するがトランジスタなどの回路素子とその回路素子に接続された電極端子22もしくは回路素子と接続されていない電極端子22が形成されている。
【0043】
LSIチップの外周に沿ってシールリング23が形成され、その外側のスクライブ領域にはスクライブTEGの電極端子26は形成されているが、スクライブTEGの評価素子25はスクライブ領域には形成されていない。スクライブTEGの評価素子25は、LSIチップに形成されている。
【0044】
図4に示すように、28はLSIチップの回路素子、29はLSIチップの電極端子、30はLSIチップの外周に沿って形成されたシールリング、31はLSIチップの回路素子と電極端子を接続する配線、32はスクライブTEGの電極端子、33はLSIチップにあるスクライブTEGの評価素子とスクライブ領域にあるスクライブTEGの電極端子を接続する配線、34はLSIチップにあるスクライブTEGの評価素子、35はスクライブ領域における縦方向に延伸する縦スクライブ領域、36はスクライブ領域における横方向に延伸する横スクライブ領域、37はLSIチップの縦余り領域、38はLSIチップの横余り領域である。
【0045】
LSIチップの回路素子28とLSIチップにある電極端子29の間にある縦余り領域37と横余り領域38にスクライブTEGの評価素子34を形成し、LSIチップの回路素子と電極端子を接続する配線31は、スクライブTEGの評価素子34と評価素子34の間を通して接続され、もしくはスクライブTEGの評価素子34の形成に使用されていない配線でかつ電気特性上問題の出ない配線でスクライブTEGの評価素子34を跨いで接続されている。スクライブTEGの電極端子32はスクライブ領域の縦スクライブ領域35または横スクライブ領域36のいずれか一方に形成されている。
【0046】
また、LSIチップにあるスクライブTEGの評価素子34とスクライブ領域にあるスクライブTEGの電極端子32を接続する配線33はアルミ配線で形成されており、LSIチップの外周に沿って形成されたシールリング30の最上層にあるアルミ配線を跨ぐレイアウトになるため、シールリング30の最上層にあるアルミ配線層は接続配線33がシールリング30を跨ぐ近接付近で切断されて形成されている。これにより、スクライブTEGの電極端子32と評価素子34とは、LSIチップの最上層配線を用いて、シールリング30の最上層配線を部分的に切断した箇所を通して電気的に接続されている。
【0047】
本実施形態によると、スクライブTEGの評価素子をLSIチップ内に形成することにより、チップ切断されるスクライブ領域に形成されるスクライブTEGの評価素子がなくなるため、スクライブTEGの評価素子とスクライブTEGの電極端子を接続するためにスクライブTEGの電極端子両側に形成されていた配線がなくなり、スクライブTEGの電極端子面積を縮小させることなくスクライブ領域面積を縮小できるため、ウエハ上でのLSIチップの取れ数が増大し低コスト化が実現することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について、図5および図6に基づいて説明する。
【0048】
図5は、本実施形態に係るLSIチップとスクライブ領域の一部を拡大して模式的に示す平面図である。図6は、図5のLSIチップにあるスクライブTEGの電極端子とスクライブ領域にあるスクライブTEGの評価素子が電気的に接続されているチップの一部を拡大して模式的に示す平面図である。
【0049】
図5に示すように、41はLSIチップ、42はLSIチップの電極端子、43はLSIチップの外周に沿って形成されたシールリング、44はスクライブ領域、45はスクライブ領域にあるスクライブTEGの評価素子、46はLSIチップにあるスクライブTEGの電極端子、47はスクライブ領域にあるスクライブTEGの評価素子とLSIチップにあるスクライブTEGの電極端子を接続する配線である。
【0050】
LSIチップ41はウエハ面上に格子状に形成され、LSIチップ41の周辺にはチップを切断するためのスクライブ領域44が形成されている。LSIチップ41には、図示は省略するがトランジスタなどの回路素子とその回路素子に接続された電極端子42もしくは回路素子と接続されていない電極端子42が形成されている。
【0051】
LSIチップの外周に沿ってシールリング43が形成され、その外側のスクライブ領域にはスクライブTEGの評価素子45が形成されており、スクライブ領域にはスクライブTEGの電極端子46が形成されていない。スクライブTEGの電極端子46は、LSIチップに形成されている。
【0052】
図6に示すように、48はLSIチップの回路素子、49はLSIチップの電極端子、50はLSIチップの外周に沿って形成されたシールリング、51はLSIチップの回路素子と電極端子を接続する配線、52はスクライブTEGの評価素子、53はLSIチップにあるスクライブTEGの電極端子とスクライブ領域にあるスクライブTEGの評価素子を接続する配線、54はLSIチップにあるスクライブTEGの電極端子、55はスクライブ領域における縦方向に延伸する縦スクライブ領域、56はスクライブ領域における横方向に延伸する横スクライブ領域、57はLSIチップの縦方向に延伸する縦余り領域、58はLSIチップの横方向に延伸する横余り領域である。
【0053】
LSIチップにある回路素子48とLSIチップにある電極端子49の間にある縦余り領域57または横余り領域58の一方にスクライブTEGの電極端子54を形成し、LSIチップの回路素子と電極端子を接続する配線51は、スクライブTEGの電極端子54と電極端子54の間を通して接続され、もしくはスクライブTEGの電極端子54の形成に使用されていない配線を使用してかつ電気特性上問題の出ない配線でスクライブTEGの電極端子54を跨いで接続されている。スクライブTEGの評価素子52はスクライブ領域の縦スクライブ領域55と横スクライブ領域56に形成されている。また、LSIチップにあるスクライブTEGの電極端子54とスクライブ領域にあるスクライブTEGの評価素子52を接続する配線53はアルミ配線で形成されており、LSIチップの外周に沿って形成されたシールリング50の最上層にあるアルミ配線を跨ぐレイアウトになるため、シールリング50の最上層にあるアルミ配線層は接続配線53がシールリング50を跨ぐ近接付近で切断する。これにより、スクライブTEGの電極端子54と評価素子52とは、LSIチップの最上層配線を用いて、シールリング50の最上層配線を部分的に切断した箇所を通して電気的に接続されている。
【0054】
本実施形態によると、スクライブTEGの電極端子をLSIチップ内に形成することにより、チップ切断されるスクライブ領域に形成されるスクライブTEGの電極端子がなくなるため、スクライブ領域面積を増大することなくスクライブTEGの評価素子形成面積を増大でき、あるいは、スクライブTEGの電極端子により縮小できなかったスクライブTEG形成面積を縮小することができるため、スクライブ領域面積も縮小でき、ウエハ上でのLSIチップの取れ数が増大し低コスト化が実現することができる。
【0055】
また、チップ切断されるスクライブ領域に形成されるスクライブTEGにある金属材料が大面積を占める電極端子がなくなり、ダイシング加工の際にスクライブ領域切断による金属膜からのチップ汚染防止の向上となる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の半導体装置は、スクライブ領域の面積縮小を実現するものであり、LSIチップの低コスト化等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置のLSIチップとスクライブTEGの要部拡大平面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置のSIチップとスクライブTEGの要部拡大平面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置のSIチップとスクライブTEGの要部拡大平面図である。
【図7】従来の半導体装置の平面図である。
【図8】従来の半導体装置のSIチップとスクライブTEGの要部拡大平面図である。
【符号の説明】
【0058】
1,21,41,60,66 LSIチップ
2,9,22,29,42,49,61,67 LSIチップの電極端子
3,10,23,30,43,50,62,68 LSIチップの外周に沿って形成されたシールリング
4,24,44,63 スクライブ領域
5,14,25,34,45,52,72 スクライブTEGの評価素子
6,12,26,32,46,54,65,70 スクライブTEGの電極端子
7,13,27,33,47,53,73 スクライブTEGの電極端子とスクライブTEGの評価素子を接続する配線
8,28,48 LSIチップの回路素子
11,31,51,71 LSIチップの回路素子と電極端子を接続する配線
15,35,55 縦スクライブ領域
16,36,56 横スクライブ領域
37,57 LSIチップの縦余り領域
38,58 LSIチップの横余り領域
64,69 スクライブTEG

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子からなる内部回路が集積して形成されたLSIチップと、
前記LSIチップ周辺のスクライブ領域上に形成され、評価素子と電極端子が形成されたスクライブTEGとを備え、
前記スクライブTEGの評価素子の少なくとも一つと前記スクライブTEGの電極端子とが、それぞれスクライブ領域内の異なる領域に分離して形成され、互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記スクライブTEGの電極端子は、前記スクライブ領域における縦方向に延伸する領域内、もしくは前記スクライブ領域における横方向に延伸する領域内のうちのいずれか一方に形成されている請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記スクライブTEGの評価素子は、前記スクライブ領域における縦方向に延伸する領域内、および前記スクライブ領域における横方向に延伸する領域の両方に形成されている請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体素子からなる回路が集積して形成されたLSIチップと、
前記LSIチップ周辺のスクライブ領域上に形成され、電極端子が形成されたスクライブTEGとを備え、
前記LSIチップ内の空き領域に、前記スクライブTEGの評価素子を形成し、
前記スクライブTEGの電極端子と前記スクライブTEGの評価素子とは、互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
前記スクライブTEGの電極端子は、前記スクライブ領域における縦方向に延伸する領域内、もしくは前記スクライブ領域における横方向に延伸する領域内のうちのいずれか一方に形成されている請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記スクライブTEGの評価素子は、前記LSIチップ内の縦方向に延伸する空き領域、および前記LSIチップ内の横方向に延伸する空き領域の両方に形成されている請求項4記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体素子からなる回路が集積して形成されたLSIチップと、
前記LSIチップ周辺のスクライブ領域上に形成され、評価素子が形成されたスクライブTEGとを備え、
前記LSIチップ内の空き領域に、前記スクライブTEGの電極端子を形成し、前記スクライブTEGの評価素子と前記スクライブTEGの電極端子とは、互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
前記スクライブTEGの電極端子は、前記LSIチップ内の縦方向に延伸する空き領域、もしくは前記LSIチップ内の横方向に延伸する空き領域のうちいずれか一方に形成されている請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記スクライブTEGの評価素子は、前記スクライブ領域における縦方向に延伸するスクライブ領域内、および前記スクライブ領域における横方向に延伸するスクライブ領域内の両方に形成されている請求項7記載の半導体装置。
【請求項10】
前記スクライブTEGの電極端子と前記スクライブTEGの評価素子とは、前記LSIチップの最上層配線を用いて、前記LSIチップの外周に沿って形成されたシールリングの最上層配線を部分的に切断した箇所を通して電気的に接続されている請求項4または7記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−339548(P2006−339548A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164988(P2005−164988)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】