説明

半導体装置

【課題】多層配線構造において、測定パッドとバンプ等形成用の外部接続パッドの構造をそれぞれの用途に合わせて最適化する。
【解決手段】半導体装置100は、測定パッド2と外部接続パッド3を有している。測定パッド2は、その周端部に沿って20個のビアコンタクトが配置され、当該ビアコンタクトが形成されていない平坦な中央部を有し、当該中央部は、測定用のプローブ針が接触されるプローブ針接触領域2Aになっている。外部接続パッド3は、9個のビアコンタクトが配置され、当該ビアコンタクトが配置されることにより凹凸のある領域を有し、当該領域は、外部接続媒体が形成される外部接続媒体形成領域3Aになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に測定パッドと外部接続パッドを備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IC等の半導体装置において、その内部回路に接続されたパッド(電極)が設けられている。多層配線においては、パッドは複数の金属層を積層し、積層された金属層の間をビアコンタクトで接続した構造が採用されることが多い。
【0003】
一般に、パッドは、先ずウエハ完成時の内部回路の動作チェック(以下、ウエハチェックという)のための測定パッドとして利用される。この場合、パッド(最上層の金属層)上に測定器のプローブ針が接触される。そして、ウエハチェック後に、当該パッド上にバンプを形成するか、ワイヤーボンディングを行っていた。
【0004】
また、バンプ等形成用の外部接続パッドに測定パッドを連結して形成する場合もあった。そして、ウエハチェック時は測定パッドを用い、バンプ形成時は外部接続パッドを用いていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−235786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のパッド構造においては、測定パッドと外部接続パッドは同じ構造を有していることが多く、それぞれの用途に合ったパッド構造は実現されていなかった。
【0007】
そこで、本発明は多層配線構造において、測定パッドと外部接続パッドの構造を最適化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体装置は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、周端部に沿って複数のビアコンタクトが配置され、当該複数のビアコンタクトが形成されていない平坦な中央部を有し、当該中央部に測定用のプローブ針が接触される測定パッドと、複数のビアコンタクトが配置され、当該複数のビアコンタクトが配置されることにより凹凸のある領域を有し、当該領域に外部接続媒体が形成される外部接続パッドと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、多層配線構造において、測定パッドと外部接続パッドの構造をそれぞれの用途に合わせて最適化することができる。
【0010】
即ち、測定パッドについては、ビアコンタクトが配置されていない平坦な中央部にプローブ針を接触させることにより、その電気的接触を良好にすることができる。一方、外部接続パッドについては、ビアコンタクトが配置されて凹凸のある領域にバンプ等を形成することにより、アンカー効果によりバンプ等とパッドの密着性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態の半導体装置の概略の平面図である。
【図2】本発明の実施形態の測定パッドの平面図及び断面図である。
【図3】本発明の実施形態の外部接続パッドの平面図及び断面図である。
【図4】本発明の実施形態の測定パッドにプローブ針が接触された状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態の外部接続パッドにバンプが形成された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態の半導体装置を図面に基づいて説明する。図1は、半導体装置100の概略のパターン図である。半導体装置100は、1つの半導体チップ上に、内部回路1A,1Bと、内部回路1A,1Bと配線を介して接続された測定パッド2、及び外部接続パッド3を含んで構成される。
【0013】
この場合、半導体装置100は、3層配線を用いて形成されている。測定パッド2は、ウエハチェックで用いられるパッドであり、プローブ針が接触されるパッドである。一方、外部接続パッド3は、ウエハチェック後、バンプが形成されるか、ワイヤーボンディング工程によりボンディングワイヤーが接続されるパッドである。
【0014】
以下、測定パッド2と外部接続パッド3の構造を説明する。先ず、測定パッド2の構造について説明する。図2(a)は、測定パッド2の平面図であり、図2(b)は、図2(a)のX−X線における断面図である。図2(a)に示すように、平面で見ると測定パッド2は正方形であり、測定パッド2の周端部に沿って20個の同じ大きさのビアコンタクトが一定間隔で配置され、当該ビアコンタクトが形成されていない平坦な中央部が、測定用のプローブ針が接触するプローブ針接触領域2Aになっている。
【0015】
測定パッド2の断面構造を図2(b)に基づいて詳しく説明すると、半導体基板10上に第1の層間絶縁膜11が形成され、第1の層間絶縁膜11上に第1の金属層13Aが形成される。また、第1の金属層13Aを覆って第2の層間絶縁膜14が形成されている。第2の層間絶縁膜14上に、第1の金属層13Aに重畳して第2の金属層15Aが形成されている。
【0016】
第2の金属層15Aを覆って第3の層間絶縁膜16が形成されている。第3の層間絶縁膜16上に、第2の金属層15Aに重畳して、第3層(最上層)の第3の金属層17Aが形成されている。そして、測定パッド2の周端部、つまり、第2の金属層15A及び第3の金属層17Aの周端部において、第3の層間絶縁膜16に20個のビアコンタクトホールTH1が形成されており、第2の金属層15Aと第3の金属層17AとはビアコンタクトホールTH1を介して電気的に接続されている。半導体装置100の最表面は保護膜18により被覆されるが、第3の金属層17Aはその周端部を除き、露出されている。第2の金属層15Aは、不図示の配線を介して内部回路1A又は内部回路1Bに接続される。
【0017】
第1乃至第3の層間絶縁膜11,14,16は例えば、シリコン酸化膜で形成され、保護膜18は例えば、シリコン窒化膜で形成される。また、第1乃至第3の金属層13A,15A,17Aは例えば、Cu、Al等で形成される。
【0018】
この場合、第2の金属層15Aと第3の金属層17Aとを接続するビアコンタクトは、ビアコンタクトホールTH1の中に第3の金属層17Aが埋め込まれ、ビアコンタクトホールTH1の底部から露出した第2の金属層15Aに接触した構造になっている。前記ビアコンタクトの形成方法は、先ず、エッチングにより第3の層間絶縁膜16にビアコンタクトホールTH1が形成される。その後、ビアコンタクトホールTH1の内部と第3の層間絶縁膜16の上面に金属(例えば、CuやAl)をスパッタすることにより、第3の金属層17Aが形成される。
【0019】
この時、ビアコンタクトホールTH1上の第3の金属層17Aの部分に凹部が形成されるが、ビアコンタクトホールTH1が形成されていない第3の金属層17Aの中央部は平坦であるので、ウエハチェック用のプローブ針20を接触させ、第3の金属層17Aとの電気的接続を得るのに適している。そこで、この平坦な中央部をウエハチェック用のプローブ針接触領域2Aとしている。(図4参照)
【0020】
なお、図2、図4の構造では、第1の金属層13Aは第2の金属層15Aと接続されていないが、同様にビアコンタクトにより接続しても良い。この場合、ビアコンタクトの配置は、第1の金属層13A及び第2の金属層15Aの周端部に形成することがプローブ針接触領域2Aを平坦化する上で好ましい。
【0021】
次に、外部接続パッド3の構造を説明する。図3(a)は、外部接続パッド3の平面図であり、図3(b)は、図3(a)のY−Y線における断面図である。図3(a)に示すように、平面で見ると外部接続パッド3は正方形であり、外部接続パッド3の全体にわたって9個の同じ大きさのビアコンタクトが一定の間隔で配置され、当該ビアコンタクトが配置されることにより凹凸のある領域(この場合、外部接続パッド3のほぼ全体)を外部接続媒体形成領域3Aとしたものである。この場合、外部接続パッド3は測定パッド2により小さく形成される。また、測定パッド2と外部接続パッド3とは配線により互いに接続されていても良い。
【0022】
外部接続パッド3の断面構造を図3(b)に基づいて詳しく説明すると、第1の金属層13B、第2の金属層15B及び第3の金属層17Bが積層され、ビアコンタクトホールTH2を介して第2の金属層15Bと第3の金属層17Bが電気的に接続される点は、測定パッド2と同じであるが、ビアコンタクトホールTH2が第3の金属層17Bの全体にわたって形成されている点が異なっている。ビアコンタクトホールTH2の形成部が凹部になるため、第3の金属層17Bのほぼ全体にわたって凹凸が形成される。
【0023】
第3の金属層17Bの凹凸のある領域にバンプ30を形成すると、アンカー効果によりバンプ30と外部接続パッド3の密着性を良好にして、両者の電気的接続を確実に得ることができる。(図5参照)そこで、第3の金属層17Bの凹凸のある領域を外部接続媒体形成部3Aとしている。
【0024】
また、第3の金属層17Bの凹凸のある領域にボンディングワイヤーを形成した場合にも、同様の理由でボンディングワイヤーと外部接続パッド3の密着性を良好にして、両者の電気的接続を確実に得ることができる。
【0025】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で変更が可能なことは言うまでもない。例えば、半導体装置100に設けられる測定パッド2と外部接続パッド3の個数、大きさ、ビアコンタクトの数、大きさ、間隔等は適宜変更することができる。また、測定パッド2と外部接続パッド3の形状は、パターン面積の縮小化の上で正方形であることが好ましいが、長方形や円形等、他の形状を有していても良い。
【0026】
さらに、測定パッド2と外部接続パッド3は3層配線構造に限らず、一般の多層配線構造を有していても良い。
【符号の説明】
【0027】
1A、1B 内部回路
2 測定パッド
2A プローブ針接触領域
3 外部接続パッド
3A 外部接続媒体形成領域
TH1、TH2 ビアコンタクトホール
10 半導体基板
11 第1層間絶縁膜
13A、13B 第1の金属層
14 第2の層間絶縁膜
15A、15B 第2の金属層
16 第3の層間絶縁膜
17A、17B 第3の金属層
18 保護膜
100 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周端部に沿って複数のビアコンタクトが配置され、当該複数のビアコンタクトが形成されていない平坦な中央部を有し、当該中央部に測定用のプローブ針が接触される測定パッドと、
複数のビアコンタクトが配置され、当該複数のビアコンタクトが配置されることにより凹凸のある領域を有し、当該領域に外部接続媒体が形成される外部接続パッドと、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記外部接続パッドの凹凸のある領域にバンプが形成され又はボンディングワイヤーが接続されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ビアコンタクトは、層間絶縁膜に形成されたビアコンタクトホールを通して上層の金属層が下層の金属層に電気的に接続された構造を有し、当該ビアコンタクト部の上層の金属層に凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記測定パッド及び外部接続パッドは平面的に見て正方形であり、前記外部接続パッドは前記測定パッドより小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−146521(P2011−146521A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5968(P2010−5968)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】