説明

半導体装置

【課題】パッシブ型RFタグは、小型軽量化が可能であるという利点を有している。しかし、駆動電力には限りがある。最大通信距離や同時認識数を増やすためには、半導体装置内での消費電力の効率化、低消費電力化が求められる。
【解決手段】本発明の一態様の半導体装置は、アンテナ回路と、前記アンテナ回路と電気的に接続されている変調回路と、前記変調回路と電気的に接続されているフィルタ回路と、前記フィルタ回路と電気的に接続されている論理回路とを有し、前記変調回路は第1の抵抗とトランジスタを有し、前記フィルタ回路は容量を有し、前記第1の抵抗の一方の端子は、前記トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続し、前記第1の抵抗の他方の端子は、前記アンテナ回路と電気的に接続し、前記トランジスタのゲートは、前記容量の一方の端子及び論理回路と電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信によりデータの送受信を行う半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線でデータの送受信が可能な半導体装置の開発が進められ、大きな注目を浴びている。このような半導体装置の例としては、RFID(Radio Frequency Identification)、RFチップ、RFタグ、ICチップ、ICタグ、無線チップ、無線タグ、電子チップ、電子タグ、無線プロセッサ、無線メモリと呼ばれるものがあり、一部の市場では導入が始められている。なかでも物品を管理するために無線でデータの送受信が可能な半導体装置は、小型で軽量、使い勝手がよく、セキュリティが高くかつ安価なものの開発が進められている。また、無線でデータの送受信が可能な半導体装置は、例えばカード等に搭載されることもあり、最近では様々な分野への応用が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−260580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、無線でデータの送受信が可能な半導体装置には、リーダ/ライタ(R/W)等の送受信機(質問器)から発せられる搬送波、又は搬送波に変調波を重畳して生成された振幅変調波から、半導体装置内部で駆動用の直流電圧を生成することによって、半導体装置内部の回路の駆動電力を賄うものがあり、このような半導体装置は内部にバッテリーを持たない。これは一般にパッシブ型RFタグなどと呼ばれている。一方、半導体装置の動作に必要な電力を、半導体装置自身に内蔵されたバッテリーから賄うものは、パッシブ型RFタグに対してアクティブ型RFタグと呼ばれている。
【0005】
パッシブ型RFタグは、小型軽量化が可能であるという利点を有している。そのため、パッシブ型RFタグの利点から製造、流通の分野の個体識別技術として、従来のバーコード管理に代わり、多数多量の物品の管理等に役立てられ始めており、個人認証への応用も進められている。このような現状からパッシブ型RFタグの最大通信距離や同時認識数を増やすことで、さらに様々な分野への応用が期待できる。
【0006】
パッシブ型RFタグは、R/Wから発せられる搬送波を受信することで駆動電力を生成するため、最大通信距離や同時認識数を増やすためには、半導体装置内での消費電力の効率化、低消費電力化が求められている。
【0007】
図2、3は、変調回路に負荷変調方式を採用した一般的なパッシブ型RFタグのアンテナ周辺の回路を示す。アンテナ回路102、変調回路105、及び応答信号233を出力する論理回路の一部回路201(論理回路の出力部の回路)、論理回路から出力される応答信号233を変調してR/Wに送信する信号232を示す。
【0008】
図2は、トランジスタ212がオン時を示し、図3は、トランジスタ212がオフ時を示す。
【0009】
無線信号を受信したアンテナ回路102から出力された信号231の周波数と、論理回路が出力する応答信号233の周波数を比較すると大きく異なっており、周波数は、信号231の方が応答信号233よりもはるかに高いのが一般的である。なお、図2、3において、信号231、信号232、応答信号233を示したが、後述の図面では省略する。
【0010】
このような条件下においては、アンテナ回路などの交流回路から論理回路などの直流回路(又は直流回路とみなせる交流回路)への交流のリーク(交流リーク234)が生じる。
【0011】
この交流リーク234は、トランジスタ212のゲートとドレイン間、及びゲートとソース間により形成される寄生容量を介して信号231の電圧振幅がトランジスタ212のゲートに伝搬することで生じる。さらに、交流リーク234は、トランジスタ212がオンまたはオフ時に関わらずトランジスタ212のゲートから常に生じている。
【0012】
搬送波から駆動電力を賄うパッシブ型RFタグにおいて、交流リーク234は、信号231の電圧振幅の振幅は内部生成される直流電圧の大きさと同程度の大きさであり、トランジスタ212の寄生容量が小さくても回路動作上無視できないほどの大きさのノイズになっている。
【0013】
図2、3において、交流リーク234は、論理回路101の一部回路201のトランジスタや抵抗等の素子に流れ込み、半導体装置の駆動等に関与しない電力として消費される。そのため、交流リーク234は、半導体装置の駆動等に関与しない電力として消費され、半導体装置の消費電力を増大させる大きな要因になっている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
交流リーク234のような交流電流の場合、消費電力は、瞬時電圧と瞬時電流の積を交流電流の一周期の時間の範囲で積分し、その積分値を一周期の時間で割った平均電力とみなせる。
【0015】
抵抗のようなレジスタンス素子に電流が流れると電気エネルギーは、熱エネルギー等の他のエネルギーに変換される性質がある。そのため、常に電力を消費する。レジスタンス素子としては抵抗のほかにMOSトランジスタのソース−ドレイン間やダイオード等が挙げられる。
【0016】
一方、計算上では、交流回路における容量の消費電力は瞬時において電力を消費しているものの、一周期ごとの平均電力はゼロとなる。これは、容量のようなリアクタンス素子は、エネルギーを蓄え、そして蓄えた電気エネルギーを放出する性質があるためである。したがって、交流回路において容量などのリアクタンス素子は電力を消費しない。つまり、半導体装置等の回路に含まれているリアクタンス素子は、その回路の駆動等に関与しない電力を消費しない素子とみなせる。
【0017】
したがって、上記課題を解決するために、交流リーク234が論理回路101のようなトランジスタ等の素子に流れ込むのを防ぎ、容量のようなリアクタンス素子に流れ込ませる構成にすることが好ましい。
【0018】
また、図4は、BC間に容量402を電気的に接続させ、さらにBD間に抵抗401を電気的に接続させている回路図を示す。ここでは、AE間に入力電圧を印加して、交流電流Iを流した際の交流電流の流れ方を説明する。
【0019】
入力電圧、及び図4で示される2つの素子のそれぞれのインピーダンスを用いてオームの法則から見積もることが可能である。例えば、抵抗401のインピーダンスを100kΩ、容量402のインピーダンスを1kΩ、入力電圧を1Vとした場合、抵抗401に流れる交流電流は、1×10−5Aとなり、また容量402に流れる交流電流は1×10−3Aとなり、インピーダンスの低い方に多くの電流が流れることになる。この場合、抵抗401と容量402のインピーダンスに大きな差があるので、抵抗401には、交流電流がほとんど流れていないことになる。つまり、分岐する際インピーダンスの低い方に優先的に交流電流が流れる性質を持っている。図4の場合、BC間に優先的に交流電流が流れる。
【0020】
したがって、図2、3においては、交流リーク234が回路201のようなトランジスタ等の素子に流れ込みを防ぐようにするためには、トランジスタ212のゲートと回路201のSEND端子間に分岐する別ルートを設けることで、回路201のSEND端子に交流リーク234が流れ込まない構成とすることが望ましい。さらに望ましい構成として、設けた別ルートの方に交流リークが流れやすいように、設けた別ルートにインピーダンスの低い素子を設ける構成とすることが望ましい。特に、別ルートに設ける低インピーダンスの素子としては、容量などのリアクタンス素子が望ましい。
【0021】
交流リーク234が回路201のようなトランジスタ等の素子に流れ込みを防ぐようにする構成の一態様として、図5の構成を検討した。図5において、フィルタ回路506はトランジスタ212のゲートが容量514の一方の端子及び回路201のSEND端子と電気的に接続されている。つまり、図5において、回路201へ交流リーク234が流れ込まないように、トランジスタ212と回路201のSEND端子間に分岐する別ルートを設ける構成になっている。なお、回路201のSEND端子は論理回路101の出力端子に相当する。
【0022】
図5で示した構成において、交流リーク234がどのように流れるかを、図6を用いて説明する。図6は、別ルートであるBC間のインピーダンスがBD間を介した回路201のSEND端子のインピーダンスより低くなるように設けることで、BC間の方に交流リークが良く流れることを示している。BC間には、容量514が設けられている。そのため、BC間の方に流れ込む交流リーク518は、電力として消費されない。したがって、半導体装置の駆動等に関与しない電力の消費が軽減される。
【0023】
このような回路構成にすることで、半導体装置の駆動等に関与しない電力の消費が軽減され、半導体装置内で生成された電力が効率よく論理回路等の半導体装置を駆動に寄与する回路へ電力が供給される。よって、従来よりも低電力で半導体装置の動作が可能となる。
【0024】
本発明の一態様の半導体装置は、アンテナ回路と、第1の抵抗と、トランジスタと、容量と、論理回路と、第1の定電圧電源線と、第2の定電圧電源線とを有し、前記第1の抵抗の一方の端子は、前記トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、前記第1の抵抗の他方の端子は、前記アンテナ回路と電気的に接続され、前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の定電圧電源線と電気的に接続され、前記トランジスタのゲートは、前記容量の一方の端子及び論理回路と電気的に接続され、前記容量の他方は、前記第2の定電圧電源線と電気的に接続されている。
【0025】
本発明の一態様の半導体装置は、アンテナ回路と、第1の抵抗と、第2の抵抗と、トランジスタと、容量と、論理回路と、第1の定電圧電源線と、第2の定電圧電源線とを有し、前記第1の抵抗の一方の端子は、前記トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、前記第1の抵抗の他方の端子は、前記アンテナ回路と電気的に接続され、前記トランジスタのゲートは、前記容量の一方の端子及び前記第2の抵抗の一方の端子と電気的に接続され、前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の定電圧電源線と電気的に接続され、前記第2の抵抗の他方の端子は、前記論理回路と電気的に接続され、前記容量の他方は、前記第2の定電圧電源線と電気的に接続されている。
【0026】
上述の本発明の一態様の半導体装置において、前記容量のインピーダンスが少なくとも前記第2の抵抗と論理回路との合成インピーダンスよりも低いインピーダンスである半導体装置である。
【0027】
上述の本発明の一態様の半導体装置において、前記アンテナ回路及び前記論理回路を前記第1の定電圧電源線に電気的に接続される配線を有する半導体装置である。
【0028】
上述の本発明の一態様の半導体装置において、前記第1の定電圧電源線と前記第2の定電圧電源線とが電気的に接続されている半導体装置である。なお、定電圧電源線とは、一定の電圧を印加されている配線や接地されている配線をさす。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一態様の半導体装置を用いることで変調回路105から論理回路101の一部回路201への交流リークが軽減され、半導体装置の駆動等に関与しない電力として消費されなくなり、半導体装置の消費電力の効率化と低消費電力化がなされる。その結果、低電力で半導体装置が動作可能となり通信距離や同時認識数といった半導体装置の性能を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一態様に係る半導体装置のブロック図。
【図2】従来の半導体装置のアンテナ周辺の回路図。
【図3】従来の半導体装置のアンテナ周辺の回路図。
【図4】交流回路を説明する図。
【図5】本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路図。
【図6】本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路を説明する図。
【図7】本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路図。
【図8】本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路を説明する図。
【図9】本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路図。
【図10】本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路を説明する図。
【図11】本発明の一態様に係る半導体装置を用いたRFタグの応用例を示す図。
【図12】本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路の概略図。
【図13】本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路の概略図。
【図14】本発明の一態様に係る半導体装置の論理回路と比較例の論理回路の消費電力の比較図。
【図15】本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の一態様の構成の半導体装置は、例えば、アンテナ回路、電源回路、復調回路、変調回路、フィルタ回路、論理回路等の様々な回路を有しているが、以下の説明では、アンテナ回路、変調回路、フィルタ回路、及び論理回路の関係についてのみ説明する。
【0032】
以下、実施の形態及び実施例について、図面を用いて詳細に説明する。但し、発明は以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定されず、明細書等において開示する発明の趣旨から逸脱することなく形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、異なる実施の形態に係る構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。また、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指すものとする。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一態様に係る半導体装置を示す。半導体装置100は、受信されたデータに基づいた応答信号を生成するなどといった処理を行う論理回路101と、R/Wと信号の送受信を行うアンテナ回路102と、アンテナ回路102において受信された搬送波、又は被変調波から直流電圧を生成するための電源回路103と、アンテナ回路102において受信された被変調波を復調してR/Wからのベースバンド信号を取り出す復調回路104と、論理回路101から出力される応答信号を変調してR/Wに送信する信号へと変換する変調回路105と、変調回路105から論理回路101へと流れる交流リークを遮断するフィルタ回路106と、を有している。
【0034】
アンテナ回路102は、アンテナ111及び共振容量112を有している。アンテナ111については、その形状や、電磁誘導方式や電波方式といった伝送方式や、搬送波の周波数帯によってR/Wからの搬送波の受信能力が異なるが、特にここでは限定されない。共振容量112は、アンテナ111との組み合わせによって、アンテナ回路102の共振周波数を、R/Wからの搬送波の周波数付近に最適化するために設けられる容量である。
【0035】
電源回路103は、アンテナ回路102で受信した搬送波、又は被変調波を整流し、直流電圧であるエンベロープ電圧Venvを生成するための整流回路を有する。整流回路の構成として半波整流回路、半波倍電圧整流回路、両波整流回路、両波倍電圧整流回路、ブリッジ整流回路などが挙げられるが、ここでは特に限定されない。
【0036】
また、電源回路103は定電圧回路を有していてもよく、定電圧回路はVenvが所望の電圧を大きく上回らないように調整し、一定の電圧を論理回路101や復調回路104へ駆動電圧(VDD)として供給する。定電圧回路を有しない場合、電源回路はエンベロープ電圧Venvを駆動電圧(VDD)として供給する。
【0037】
また、図5は、図1で示した本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路図である。アンテナ回路102と、変調回路105と、フィルタ回路506と、回路201とが示されている。なお、回路201は論理回路の出力部の回路を示している。
【0038】
また、半導体装置100が外部に応答信号などのデータを送信する場合、論理回路101は変調回路105へ応答信号233を入力する。半導体装置100が採用する変調方式によっては、この応答信号233の代わりに、副搬送波に応答信号233を重畳した変調副搬送波を変調回路105へ入力する場合もあるが、この実施の形態では同じものとして扱う。図5では論理回路101のSEND端子からフィルタ回路506を介して変調回路105へ応答信号233を入力する。
【0039】
変調回路105は、アンテナ回路102に接続された負荷変調回路であり、入力された信号レベルに応じてアンテナ111の両端にかかるインピーダンスを変化させる。これにより、例えば電磁誘導方式を使用する無線通信システムは、アンテナ111と電磁結合している外部デバイスのアンテナの搬送波の電圧レベルが変化し、また電波方式を使用する無線通信システムは、アンテナ111から反射される搬送波の電力レベルが変化する。R/Wはこの搬送波の変化した電圧レベルや電力レベルを検知し解析することで論理回路101が送信したデータを認識する。
【0040】
変調回路105は、図5で示すように、抵抗211及びトランジスタ212を有する。変調回路105は、アンテナ回路102と抵抗211の一方の端子が接続され、抵抗211の他方の端子とトランジスタ212のソース又はドレインの一方が接続されている構成とする。
【0041】
フィルタ回路506は、容量514を有し、トランジスタ212のゲートが容量514の一方の端子及び回路201のSEND端子と電気的に接続され、容量514の他方の端子は配線242に接続されている。つまり、トランジスタ212のゲートと回路201のSEND端子間において、論理回路の一部回路201に交流リーク234が流れ込まないように、トランジスタ212と回路201のSEND端子間に分岐する別ルートを設ける。
【0042】
図5で示した構成において、交流リーク234がどのように流れるか図6を用いて説明する。交流リーク234は、新たに設けたルートであるBC間とBD間のどちらにも流れることが可能である。しかし、新たに設けたルートであるBC間においては、インピーダンスを回路201のインピーダンスよりも低くなるように設けることで、BC間の方に交流リーク234が流れ込みやすくすることができる。そこで、フィルタ回路506においては、BC間に容量514を設けることで、BD間を通って回路201に流れ込む交流リーク517よりもBC間に流れ込む交流リーク518の方が多く流れるようにする。
【0043】
また、BC間に容量514のようなリアクタンス素子を設けることでBC間の方に流れ込む交流リーク518は、半導体装置の駆動等に関与しない電力として消費されない。
【0044】
以上のように、BD間よりも別ルートであるBC間に交流リーク234が流れるようにすることで、半導体装置の駆動等に関与しない電力の消費が軽減されるため、効率化、低消費電力化された電力(リーク電流として消費されるはずである電力)は、通信のための駆動電力として用いられ、最大通信距離や同時認識数を増やすことができる。
【0045】
なお、配線241は、第1の定電圧電源線である。配線242は、第2の定電圧電源線である。また、図示しないが第1の定電圧電源線と第2の定電圧電源線とが電気的に接続していてもよい。
【0046】
(実施の形態2)
図7は、本発明の一態様に係る半導体装置のアンテナ周辺の回路図である。アンテナ回路102と、変調回路105と、フィルタ回路706と、回路301とを示している。なお、回路301は論理回路の出力部の回路を示している。
【0047】
また、本実施の形態に係る半導体装置では、回路301のインピーダンス(回路301のSEND端子のインピーダンス)が低い場合に特に望ましい構成である。但し、回路301のインピーダンスが低い場合のみに本実施の形態に係る半導体装置を用いる必要はなく、どのような場合においても本実施の形態に係る半導体装置を用いることができる。
【0048】
なお、一般的に論理回路において、出力端子のインピーダンスが低くなるような回路構成をしている場合が多い。本発明の一態様では、回路301もCMOSインバータのような回路構成に限らず、上述の論理回路の構成を満たせばどのような回路構成を用いてもよい。
【0049】
本実施の形態では、回路301のインピーダンスが低い場合の一例として、回路301は二つのCMOSインバータが2段接続されているバッファ部分の構成とした。
【0050】
この場合、回路301の最終段のインバータ(直接フィルタ回路と接続しているインバータ)のPチャネルトランジスタ715もしくはNチャネルトランジスタ716のどちらか一方は常にオンになっているためCMOSインバータの出力端子のインピーダンスは常に低くなっている。そのため、CMOSインバータの出力端子に交流リーク234が流れ込みやすくなり、CMOSインバータのオンになっているトランジスタに交流リークが流れ込むと無駄な電力が消費される。
【0051】
なお、論理回路の出力端子のインピーダンスとは、回路301の最終段のインバータ(直接フィルタ回路706と接続しているインバータ)のPチャネルトランジスタ715もしくはNチャネルトランジスタ716のいずれかオンになっているトランジスタのインピーダンスのことを示す。Pチャネルトランジスタ715もしくはNチャネルトランジスタ716のいずれかオフになっているトランジスタのインピーダンスは、オンになっているトランジスタのインピーダンスに比べて非常に高い値になっているため、交流電流はほとんど流れないため考慮に入れる必要はない。
【0052】
つまり、回路301のSEND端子のインピーダンスは、Pチャネルトランジスタ715もしくはNチャネルトランジスタ716のいずれかオンになっているトランジスタに支配されている。すなわち、Pチャネルトランジスタ715もしくはNチャネルトランジスタ716のいずれかオンになっているトランジスタのインピーダンスが回路301のSEND端子のインピーダンスとなる。
【0053】
したがって、回路301のSEND端子のインピーダンスがこのような低いインピーダンスの場合、本実施の形態の構成を用いることが望ましい。
【0054】
半導体装置100が外部に応答信号などのデータを送信する場合、論理回路101は変調回路105へ応答信号233を入力する。半導体装置100が採用する変調方式によっては、この応答信号233の代わりに、副搬送波に応答信号233を重畳した変調副搬送波を変調回路105へ入力する場合もある。しかし、この実施の形態では同じものとして扱う。図7では論理回路の一部回路301のSEND端子からフィルタ回路706を介して変調回路105へ応答信号233を入力する。
【0055】
変調回路105はアンテナ回路102に接続された負荷変調回路であり、入力された信号レベルに応じてアンテナ111の両端にかかるインピーダンスが変化する。これにより、例えば電磁誘導方式を使用する無線通信システムではアンテナ111と電磁結合している外部デバイスのアンテナの搬送波の電圧レベルが変化し、また電波方式を使用する無線通信システムではアンテナ111から反射される搬送波の電力レベルが変化する。R/Wはこの搬送波の変化した電圧レベルや電力レベルを検知し解析することで論理回路101が送信したデータを認識する。
【0056】
図7で示すように、変調回路105は、抵抗211及びトランジスタ212を有する。変調回路105は、アンテナ回路102と抵抗211の一方の端子が接続され、変調回路105に含まれる抵抗211の他方の端子とトランジスタ212のソース又はドレインの一方が接続されている。
【0057】
フィルタ回路706は、抵抗713と容量714とを有する。トランジスタ212のゲートが容量714の一方の端子及び抵抗713の一方と電気的に接続されている構成のフィルタ回路706である。また、抵抗713の他方の端子は回路301のSEND端子に接続されている。また、容量714の他方の端子は配線242に接続されている。つまり、トランジスタ212のゲートと回路301のSEND端子間において、回路301に交流リーク234が流れ込まないように、図5の構成でフィルタ回路506内に設けられた容量に加えて、さらに抵抗も加えた構成とする。
【0058】
また、抵抗713のインピーダンスは、論理回路101が出力する応答信号233が流れるため、抵抗713のインピーダンスは応答信号233の信号に影響を与えない程度の高さのインピーダンスとすることが望ましい。
【0059】
特に、応答信号233の信号に影響を与えない程度のインピーダンスを有する抵抗713であるならばインピーダンスの値に制限はない。
【0060】
また、容量714は、どのようなインピーダンスを有する素子を用いても良いが、好ましくは容量714のインピーダンスが少なくとも抵抗713と回路301のSEND端子の合成インピーダンスよりも低い素子を用いる。さらに好ましくは、容量714のインピーダンスが抵抗713のインピーダンスよりも低いものであるならば特に制限はない。
【0061】
さらに、実施の形態1で示した抵抗を有さないフィルタ回路506に対して、本実施の形態で示したフィルタ回路706は容量の容量値を小さくすることができる。したがって、容量714のインピーダンスが高いほど面積が小さな容量を用いることができ、フィルタ回路の小型化が可能となり半導体装置100の高集積化を図ることができる。
【0062】
また、図7で示した構成において、交流リーク234がどのように流れるか図8を用いて説明する。図7、図8では、フィルタ回路706に抵抗713を設けることで、さらに交流リーク234は、別ルートであるBC間の方に流れ込みやすくなる。発生した交流リークはそのほとんどがBC間に流れるため、交流リーク234がBD間を通って回路301へ流れることはほとんどなく、半導体装置の駆動等に関与しない電力として消費されなくなる。なお、BC間に流れ込む交流リークを交流リーク718とする。
【0063】
特に回路301のSEND端子のインピーダンスが低いインピーダンスであっても、BC間のインピーダンスとBD間を介した回路301のSEND端子のインピーダンスを比べると、BD間に抵抗713を設けることでインピーダンスに大きな差が生じ、交流リーク234のほとんどをBC間の方に流すことができる。
【0064】
なお、抵抗素子を用いることでインピーダンスを容易に変更することが可能である。また抵抗素子は、インピーダンスが高いものでも小型であるため、BD間に用いることは有用である。
【0065】
また、BC間に容量714のようなリアクタンス素子を設けることでBC間に流れ込む交流リーク718は、半導体装置の駆動等に関与しない電力として消費されなくなる。つまり、交流リーク234のほとんどが半導体装置の駆動等に関与しない電力として消費されない。
【0066】
また、容量714は、抵抗713と回路301のSEND端子の合成インピーダンスよりも低いインピーダンス、より好ましくは抵抗713のインピーダンスよりも低いインピーダンスを有していても良い。
【0067】
したがって、BD間を介して回路301のSEND端子に流れるルートに比べて、別ルートであるBC間に交流リーク234は交流リークが多く流れるようになり、さらにBC間には交流リークが流れても電力を消費しない容量714に流れるようになる。そのため、半導体装置の駆動等に関与しない電力の消費が軽減され、効率化、低消費電力化された電力(交流リークとして消費されるはずであった電力)は、駆動電力として用いられ、最大通信距離や同時認識数を増やすことができる。
【0068】
また、フィルタ回路706の構成に変えて図9のように、トランジスタ212のゲートが抵抗913の一方と電気的に接続され、抵抗913の他方の端子は回路301のSEND端子及び容量914の一方と電気的に接続され、容量914の他方の端子は配線242に接続されている構成のフィルタ回路906とする。
【0069】
図9で示した構成において、交流リーク934(交流リーク234)がどのように流れるか図10を用いて説明する。フィルタ回路906において、別ルートであるBC間のインピーダンスは、BD間を介した回路201のSEND端子のインピーダンスよりも低くなるように設けられる。よって、フィルタ回路906は、交流リーク934がBC間に流れ込みやすいように、BC間に容量914のようなリアクタンス素子を設けている。なお、抵抗913を通過した交流リーク234を交流リーク934とする。また、BC間に流れ込む交流リーク934を交流リーク935とする。
【0070】
交流リーク234は、抵抗913を通過して交流リーク934となる。そして、別ルートであるBC間に流れ込む。つまり、交流リーク234は、抵抗913で半導体装置の駆動等に関与しない電力として消費されて交流リーク934となる。さらに、交流リーク934は、別ルートであるBC間とBD間に流れる。
【0071】
図9のフィルタ回路の構成においても、BC間に流れ込む交流リーク935は容量914に流れ込む。よって、交流リーク935は、半導体装置の駆動等に関与しない電力として消費されない。半導体装置の駆動等に関与しない電力の消費は、軽減される。
【0072】
なお、配線241は、第1の定電圧電源線ある。配線242は、第2の定電圧電源線である。また、図示しないが第1の定電圧電源線と第2の定電圧電源線とが電気的に接続していてもよい。
【0073】
なお、一例として、本実施の形態では、容量914の他方の端子が配線242に電気的に接続されている回路図を用いて説明した。しかし、特にこれに限定されない。容量914の他方の端子は、常に一定の電圧が供給されている配線242以外の配線に接続されていればよい。
【0074】
なお、本発明の一態様であるフィルタ回路706を複数段の縦続接続させてもよい。例えば、図15は、本発明の一態様であるフィルタ回路706、フィルタ回路727の2個のフィルタ回路が直列に接続された回路図である。直列にフィルタ回路を接続することで、より交流リーク234が論理回路101の一部回路301のようなトランジスタ等の素子に流れ込みを防ぐことができる。
【0075】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態、他の全ての実施例と組み合わせることが可能である。
【0076】
(実施の形態3)
ここで、上述した半導体装置に用いられるトランジスタの構成について説明する。
【0077】
上述した半導体装置に含まれるトランジスタには、様々な形態のトランジスタを適用させることができる。よって、適用可能なトランジスタの種類に限定されない。したがって、シリコンに代表される半導体層を用いた薄膜トランジスタ、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるトランジスタ、MOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。なお、半導体層には水素又はハロゲンが含まれていても良い。
【0078】
また、上述した半導体装置に含まれるトランジスタを薄膜トランジスタに適応した場合においても、様々な形態が適用できる。例えば、トップゲート型TFTを用いた例としてプレーナ型TFTの構造、ボトムゲート型TFT(典型的には逆スタガ型TFT)など適用できる。これらに限定されない。
【0079】
さらに、上述した半導体装置に含まれるトランジスタを作製する場合、シリコンウェハやSOI基板から作製することもできるが、特にこれに限定されない。
【0080】
また、SOI基板は、水素イオン、ヘリウムイオンのようなハロゲンイオンをイオン注入法等で単結晶シリコン基板へ注入することで脆化層を単結晶シリコン基板に形成し、ガラスや石英等の絶縁基板と脆化層を形成した単結晶シリコン基板を重ね合わせ、重ね合わせた絶縁基板と単結晶シリコン基板とを加熱して、絶縁基板と重ね合わせている単結晶シリコン基板の一部を脆化層に沿って分離することで、作製することができる。このSOI基板を用いて半導体装置に含まれるトランジスタを形成しても良いが、これに限定されない。
【0081】
また、上述した半導体装置を可撓性基板に形成することで、フレキシブルな半導体装置に、適用することも可能である。
【0082】
プラスチックや樹脂等からなる可撓性を有する基板上に、剥離層を形成して、剥離層上にトランジスタ及び表示素子を含む素子形成層を形成し、素子形成層上に可撓性を有する基板又は膜を設け、基板及び剥離層から素子形成層を分離することでフレキシブルな半導体装置を作製しても良いが、作製方法はこれに限定されない。
【0083】
なお、本発明に係る半導体装置のトランジスタには、上述した半導体層を用いたトランジスタを用いても良い。
【0084】
さらに、本発明に係る半導体装置のトランジスタがすべて同じ半導体層であっても異なる半導体層であってもよい。
【0085】
本実施の形態は、他の全ての実施の形態、他の全ての実施例と組み合わせることが可能である。
【0086】
(実施の形態4)
本発明の一態様によりRFタグ(以下、無線タグ、無線チップ、無線プロセッサ、無線メモリとも呼ぶ)として機能する半導体装置を形成することができる。本発明の一態様に係る半導体装置の用途は広範にわたり、非接触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのようなものにも適用することができる。
【0087】
例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関して図11を用いて説明する。
【0088】
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指し、プロセッサ回路を有するチップ1001を設けることができる(図11(A)参照)。
【0089】
証書類とは、運転免許証、住民票等を指し、プロセッサ回路を有するチップ1002を設けることができる(図11(B)参照)。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指し、プロセッサ回路を有するチップ1003を設けることができる(図11(C)参照)。
【0090】
無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す。包装用容器類とは、お弁当等の包装材、ペットボトル等を指し、プロセッサ回路を有するチップ1004を設けることができる(図11(D)参照)。書籍類とは、書物、本等を指し、プロセッサ回路を有するチップ1005を設けることができる(図11(E)参照)。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指し、プロセッサ回路を有するチップ1006を設けることができる(図11(F)参照)。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指し、プロセッサ回路を有するチップ1007を設けることができる(図11(G)参照)。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。
【0091】
生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶半導体装置、EL半導体装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話等を指す。
【0092】
このような半導体装置の設け方としては、物品の表面に貼る、或いは物品に埋め込んで設けることが可能である。例えば、本の場合は紙に埋め込めばよく、有機樹脂からなるパッケージであれば有機樹脂に埋め込めばよい。
【0093】
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサーを備えた半導体装置を埋め込む又は取り付けることによって、生まれた年や性別又は種類等はもちろん体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
【0094】
なお、本実施の形態は、他の全ての実施の形態、他の全ての実施例と組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0095】
本実施例では、本発明の一態様に係る半導体装置の消費電力を計算した。
【0096】
本発明の一態様に係る半導体装置としては、図7に示したフィルタ回路706を有するアンテナ周辺の回路構成を有する半導体装置を用いた。また、比較例として、図2に示したフィルタ回路がないアンテナ周辺の回路構成を有する半導体装置を用いた。
【0097】
次に、RFタグにおける消費電力の計算方法について説明する。R/Wからの搬送波に相当する電力をRFタグのアンテナ結合を介して投入し、RFタグで消費される電流(消費電力)を過渡解析による回路シミュレーションにより計算した。なお、変調回路のトランジスタ212は、常に非導通(オフ)状態とした。RFタグに用いられる交流の周波数を13.56MHzとした。
【0098】
図12、図13は、図7、図2にそれぞれ対応する等価回路表現であり、回路301の最終段のインバータのトランジスタを抵抗とみなしている。これらの等価回路は交流リークが流れる経路を解析する上で役立つ。本実施例における回路シミュレーションの条件は、抵抗1115は約1GΩ、抵抗1116は約600Ωに相当する抵抗と見積もられた。
【0099】
なお、容量714の静電容量を12pFとした。RFタグに用いられる交流の周波数を13.56MHzとすると容量714のインピーダンスの絶対値は約1kΩに相当した。また、抵抗713のインピーダンス値を50kΩとした。また上記計算条件によって、図14を算出した。
【0100】
図14に、本発明の一態様に係るRFタグの消費電力に対し、本発明の一態様に係るRFタグにおけるアンテナ周辺の回路(図7、図12:フィルタ回路あり)の論理回路内の最終段のインバータ(抵抗1115、1116)の消費電力を計算した結果と、比較例のRFタグの消費電力に対し、比較例のRFタグにおけるアンテナ周辺の回路(図2、図13:フィルタ回路無し)の論理回路内の最終段のインバータ(抵抗1215、1216)の消費電力を計算した結果を示す。計算条件として、RFタグ全体の消費電力に相当するパラメータを変化させた。なお、図14の縦軸は対数表示となっている。また、横軸の単位であるdBmとは、1mWに対する電力の比をとり、それをデシベルで表した単位ある。
【0101】
図14に示すように、本発明の一態様の論理回路内のインバータ最終段(抵抗1115、1116)と比較例の論理回路内のインバータ最終段(抵抗1215、1216)の消費電力を比較すると、本発明の一態様の論理回路内のインバータ最終段(抵抗1115、1116)の消費電力の方が比較例の論理回路内のインバータ最終段(抵抗1215、1216)の消費電力より低くなっている。本発明の一態様の論理回路内のインバータ最終段(抵抗1115、1116)の消費電力が比較例の論理回路内のインバータ最終段(抵抗1215、1216)の消費電力のおよそ10分の1以下であった。
【0102】
よって、本発明の一態様に係るRFタグのフィルタ回路706により、交流リーク234が論理回路内のインバータ最終段で消費されることを大幅に防いでいることが確認できた。フィルタ回路706は、交流リーク234を容量714に流し、論理回路101の一部回路301に交流リーク234を流れ込むことを防いだ結果となった。
【0103】
本発明の一態様に係るフィルタ回路706を設けることにより、本発明の一態様に係る論理回路へ交流リークの流入を防ぐことで無駄な電力消費がなくなり、RFタグ(半導体装置)の消費電力の効率化と低消費電力化する。よって、最大通信距離や同時認識数が増加する。
【0104】
なお、本実施例は、他の全ての実施の形態、他の全ての実施例と組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0105】
101 論理回路
102 アンテナ回路
103 電源回路
104 復調回路
105 変調回路
106 フィルタ回路
111 アンテナ
112 共振容量
301 回路
211 抵抗
212 トランジスタ
231 信号
232 信号
233 応答信号
234 交流リーク
242 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ回路と、第1の抵抗と、トランジスタと、容量と、論理回路と、第1の定電圧電源線と、第2の定電圧電源線とを有し、
前記第1の抵抗の一方の端子は、前記トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1の抵抗の他方の端子は、前記アンテナ回路と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の定電圧電源線と電気的に接続され、
前記トランジスタのゲートは、前記容量の一方の端子及び論理回路と電気的に接続され、
前記容量の他方の端子は、前記第2の定電圧電源線と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
アンテナ回路と、第1の抵抗と、第2の抵抗と、トランジスタと、容量と、論理回路と、第1の定電圧電源線と、第2の定電圧電源線とを有し、
前記第1の抵抗の一方の端子は、前記トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1の抵抗の他方の端子は、前記アンテナ回路と電気的に接続され、
前記トランジスタのゲートは、前記容量の一方の端子及び前記第2の抵抗の一方の端子と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の定電圧電源線と電気的に接続され、
前記第2の抵抗の他方の端子は、前記論理回路と電気的に接続され、
前記容量の他方の端子は、前記第2の定電圧電源線と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
アンテナ回路と、第1の抵抗と、第2の抵抗と、トランジスタと、容量と、論理回路と、第1の定電圧電源線と、第2の定電圧電源線とを有し、
前記第1の抵抗の一方の端子は、前記トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1の抵抗の他方の端子は、前記アンテナ回路と電気的に接続され、
前記トランジスタのゲートは、前記第2の抵抗の一方の端子と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の定電圧電源線と電気的に接続され、
前記第2の抵抗の他方の端子は、前記容量の一方の端子及び前記論理回路と電気的に接続され、
前記容量の他方の端子は、前記第2の定電圧電源線と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
アンテナ回路と、第1乃至第3の抵抗と、トランジスタと、第1の容量と、第2の容量と、論理回路と、第1の定電圧電源線と、第2の定電圧電源線とを有し、
前記第1の抵抗の一方の端子は、前記トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1の抵抗の他方の端子は、前記アンテナ回路と電気的に接続され、
前記トランジスタのゲートは、前記第1の容量の一方の端子及び前記第2の抵抗の一方の端子と電気的に接続され、
前記トランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第1の定電圧電源線と電気的に接続され、
前記第2の抵抗の他方の端子は、前記第2の容量の一方の端子及び前記第3の抵抗の一方の端子と電気的に接続され、
前記第3の抵抗の他方の端子は、前記論理回路と電気的に接続され、
前記第1の容量の他方は、前記第2の定電圧電源線と電気的に接続され、
前記第2の容量の他方は、前記第2の定電圧電源線と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項2において、
前記容量のインピーダンスが前記第2の抵抗のインピーダンスよりも低いインピーダンスであることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項2において、
前記容量のインピーダンスが少なくとも前記第2の抵抗と論理回路との合成インピーダンスよりも低いインピーダンスであることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
前記アンテナ回路、及び前記論理回路は前記第1の定電圧電源線に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1の定電圧電源線と前記第2の定電圧電源線とが電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−221998(P2011−221998A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60663(P2011−60663)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】