説明

半導体記憶装置

【課題】製造ばらつきにより生じる不良ブロックを判定可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】メモリセルと、複数の前記メモリセルを含むページ、複数の前記ページを含むブロックを有するメモリセルアレイと、前記ページのうち、第1カラムに対応する第1メモリセルにデータを書き込むとき、プログラム動作を繰り返した第1回数を保持する第1記憶部63と、前記ページのうち、前記第1カラムとは異なる第2カラムに対応する第2メモリセルにデータを書き込むとき、プログラム動作を繰り返した第2回数を保持する第2記憶部64と、第1回数と第2回数の差が規定値を超えたとき、前記第1メモリセルと前記第2メモリセルとを含むブロックを不良ブロックとして登録する制御部6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリセルの良または不良を外部から知るために、例えば不良アドレス検出回路に不良
メモリセルのアドレスを書込み、アクセスするアドレスが不良メモリセルに書込んだアド
レスと一致すると,不良アドレス検出回路から不良アドレス出力端子に不良アドレスを出
力するようにする方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−249735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、信頼性を向上可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の半導体記憶装置によれば、メモリセルと、複数の前記メモリセルを含むペ
ージ、複数の前記ページを含むブロックを有するメモリセルアレイと、前記ページのうち
、第1カラムに対応する第1メモリセルにデータを書き込むとき、プログラム動作を繰り
返した第1回数を保持する第1記憶部と、前記ページのうち、前記第1カラムとは異なる
第2カラムに対応する第2メモリセルにデータを書き込むとき、プログラム動作を繰り返
した第2回数を保持する第2記憶部と、第1回数と第2回数の差が規定値を超えたとき、
前記第1メモリセルと前記第2メモリセルと含むブロックを不良ブロックと登録する制御
部と
を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1実施形態の半導体記憶装置を示すブロック図。
【図2】第1実施形態のメモリセルの閾値分布を示す図。
【図3】第1実施形態の制御部内を示すブロック図。
【図4】第1実施形態のテスト動作を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
次に、第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。この説明に際し、全図に
わたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。また、図面の寸法比率は、図示の比
率に限定されるものではない。
【0008】
[半導体記憶装置の構成]
第1の実施形態に係る半導体記憶装置について、図1のブロック図を用いて説明する。
【0009】
1.全体構成
図1に示すように本実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイ1、ロウデー
タ2、ドライバ回路3、電圧発生回路4、データ入出力回路5、制御部6、ソース線ドラ
イバ回路7、センスアンプ8を有する。
【0010】
1−1.メモリセルアレイ1の構成例について
メモリセルアレイ1は、複数の不揮発性のメモリセルMTを含んだブロックBLK0乃
至BLKsを備える(sは自然数)。ブロックBLK0乃至BLKsの各々は、不揮発性
のメモリセルMTが直列接続された複数のNANDストリング11を備えている。NAN
Dストリング11の各々は、例えば64個のメモリセルMTと、選択トランジスタST1
、ST2とを含んでいる。
【0011】
メモリセルMTは、2値以上のデータを保持可能とする。このメモリセルMTの構造は
、p型半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された浮遊ゲート(電荷導電層)と、
浮遊ゲート上にゲート間絶縁膜を介在して形成された制御ゲートとを含んだFG構造であ
る。なお、メモリセルMTの構造は、MONOS型であっても良い。MONOS型とは、
半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された電荷蓄積層(例えば絶縁膜)と、電荷
蓄積層上に形成され、電荷蓄積層より誘電率の高い絶縁膜(以下、ブロック層と呼ぶ)と
、更にブロック層上に形成された制御ゲートとを有した構造である。
【0012】
メモリセルMTの制御ゲートはワード線WLに電気的に接続され、ドレインはビット線
BLに電気的に接続され、ソースはソース線SLに電気的に接続されている。またメモリ
セルMTは、nチャネルMOSトランジスタである。なお、メモリセルMTの個数は64
個に限られず、128個や256個、512個等であってもよく、その数は限定されるも
のではない。
【0013】
またメモリセルMTは、隣接するもの同士でソース、ドレインを共有している。そして
、それらは、選択トランジスタST1、ST2間に、その電流経路が直列接続されるよう
にして配置されている。直列接続されたメモリセルMTの一端側のドレイン領域は選択ト
ランジスタST1のソース領域に接続され、他端側のソース領域は選択トランジスタST
2のドレイン領域に接続されている。
【0014】
同一行にあるメモリセルMTの制御ゲートはワード線WL0〜WL63のいずれかに共
通接続され、同一行にあるメモリセルMTの選択トランジスタST1、ST2のゲート電
極は、それぞれセレクトゲート線SGD1、SGS1に共通接続されている。なお説明の
簡単化のため、以下ではワード線WL0〜WL63を区別しない場合には、単にワード線
WLと呼ぶことがある。また、メモリセルアレイ1において同一列にある選択トランジス
タST1のドレインは、いずれかのビット線BL1〜BL(n+1)に共通接続される。
以下、ビット線BL1〜BL(n+1)についても、これらを区別しない場合には一括し
てビット線BLと呼ぶ(n:自然数)。選択トランジスタST2のソースはソース線SL
に共通接続される。
【0015】
また、同一のワード線WLに接続された複数のメモリセルMTには一括してデータが書
き込まれ、この単位をページと呼ぶ。更に、複数のメモリセルMTはブロックBLK単位
で一括してデータが消去される。
【0016】
説明の便宜上、同一のワード線WLに接続された1ページの複数のメモリセルMTにつ
いて、ロウデコーダ2(詳細は後述する)からの距離が近くに位置するメモリセルを第1
メモリセルと呼び、ロウデコーダ2から距離が離れて位置するメモリセルを第2メモリセ
ルと呼ぶ。図1を例とすると、第1メモリセルとしてビット線BL0にドレインが電気的
に接続されたメモリセル、第2メモリセルとしてビット線BL(n+1)にドレインが電
気的に接続されたメモリセルが挙げられる。
【0017】
同様に、ロウデコーダ2からの距離が近くに位置するメモリセル群を第1メモリセル群
と呼び、ロウデコーダ2から距離が離れて位置するメモリセル群を第2メモリセル群と呼
ぶ。図1を例とすると、第1メモリセル群としてビット線BL0〜BL3にドレインが電
気的に接続されたメモリセル、第2メモリセルとしてビット線BL(n−1)〜BL(n
+1)にドレインが電気的に接続されたメモリセルが挙げられる。
【0018】
1−2.メモリセルMTの閾値分布について
図2を用いて上記メモリセルMTの閾値分布について説明する。図2は、横軸に閾値分
布(電圧)をとり、縦軸にメモリセルMTの数を示したグラフである。
【0019】
図示するように、各々のメモリセルMTは、例えば2値(2-levels)のデータ(1ビッ
トデータ)を保持できる。すなわち、メモリセルMTは、閾値電圧Vthの低い順に“1
”、及び“0”の2種のデータを保持できる。
【0020】
メモリセルMTにおける“1” データの閾値電圧Vth0は、Vth0<V01であ
る。“0”データの閾値電圧Vth1は、V01<Vth1である。このようにメモリセ
ルMTは、閾値に応じて“0”データ、及び“1”データの1ビットデータを保持可能と
されている。メモリセルMTは、消去状態において、“1”データ(例えば負電圧)に設
定され、データを書き込み、電荷蓄積層に電荷を注入することによって正の閾値電圧に設
定される。
【0021】
1−3.ロウデコーダ2について
図1に戻ってロウデコーダ2について説明する。ロウデコーダ2は、ブロックデコーダ
20、及び転送トランジスタ(NチャネルMOSトランジスタ)21乃至23を備える。
ブロックデコーダ20は、データの書き込み動作時、読み出し動作時、及び消去時におい
て、制御部6から与えられたブロックアドレスをデコードし、その結果に基づいてブロッ
クBLKを選択する。このブロックデコーダ20は、ブロックBLKごとに設けられる。
図3に示すように、ブロックデコーダ20それぞれは、ラッチ回路を有する。このラッチ
回路は、ブロックデコーダ20それぞれに対応するブロックBLKが不良ブロックである
か否かを示すデータを保持する。ブロックデコーダ20からブロック選択信号が転送トラ
ンジスタ21乃至23に転送される。これにより、転送トランジスタ21乃至23はオン
状態となる。これにより、ブロックデコーダ20から与えられるブロック選択信号に基づ
いて、ロウデコーダ2はセレクトゲート線SGD1、SGS1、及びワード線WL0〜W
L63に対し、ドライバ回路3から与えられた電圧をそれぞれ転送する。
【0022】
また、ロウデコーダ2は、制御部6から与えられたロウアドレスをデコードして、その
結果に基づいて、選択されたブロック内の複数のワード線WLのうち所望のワード線WL
を選択する。
【0023】
1−4.ドライバ回路3について
ドライバ回路3は、セレクトゲート線SGD1、SGS1毎に設けられたセレクトゲー
ト線ドライバ31、32、及びワード線WL毎に設けられたワード線ドライバ33を備え
る。本実施形態では、ワード線ドライバ33、セレクトゲート線ドライバ31、32は、
ブロックBLK0乃至ブロックBLKsに設けられる。
【0024】
セレクトゲート線ドライバ31は、データの書き込み時、読み出し時、消去時、更には
データのベリファイ時に、セレクトゲート線SGD1を介して、例えば信号sgdを選択
トランジスタST1のゲートに転送する。なお、信号sgdは、その信号が“L”レベル
であった場合、0[V]とされ、“H”レベルであった場合電圧VDD(例えば、1.8[
V])する。
【0025】
また、セレクトゲート線ドライバ31と同様にセレクトゲート線ドライバ32は、選択
ブロックBLKのセレクトゲート線SGS1を介し、データの書き込み時、読み
出し時、データのベリファイ時に、セレクトゲート線SGS1を介して、例えば信号sg
sを選択トランジスタST2のゲートに転送する。なお、信号sgsは、その信号が“L
”レベルであった場合0[V]とされ、“H”レベルであった場合電圧VDDとする。
【0026】
1−4.電圧発生回路4について
電圧発生回路4は、外部から与えられる電圧を昇圧または降圧することにより、データ
のプログラム、読み出し、及び消去に必要な電圧を発生する。そして発生した電圧を、ド
ライバ回路3に供給する。
【0027】
1−5.データ入出力回路5について
データ入出力回路5は、図示せぬI/O端子を介して外部のホストから供給されたアド
レス(ロウアドレス、カラムアドレス、ブロックアドレス;ロウアドレスとカラムアドレ
スを合わせてページアドレスとも呼ぶ)及びコマンドを制御部6に出力する。また、デー
タ入出力回路5は、書き込みデータを、データ線Dlineを介してセンスアンプ8に出
力する。
【0028】
また、メモリセルアレイ1から読み出されたデータをホストに出力する際、データ入出
力回路5は、制御部6の制御に基づき、センスアンプ8によって増幅されたデータを、デ
ータ線Dlineを介して受け取った後、I/O端子を介してホストに出力する。
【0029】
1−6.制御部6について
制御部6は、NAND型フラッシュメモリ全体の動作を制御する。すなわち、データ入
出力回路5を介して、ホストから与えられた上記アドレス、及びコマンドに基づいて、デ
ータの書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作における動作シーケンスを実行する。
制御部6はアドレス、及び動作シーケンスに基づき、ブロック選択信号、カラム選択信号
、及びロウ選択信号を生成する。
【0030】
制御部6は、前述したブロック選択信号、ロウ選択信号をロウデコーダ2に出力する。
また、制御部6はカラム選択信号をカラムデコーダ(図示略)に出力する。カラム選択信
号とは、センスアンプ8のカラム方向を選択する信号である。
【0031】
また、制御部6には、半導体記憶装置に接続されたメモリコントローラから供給された
制御信号が与えられる。制御部6は供給された制御信号により、I/O端子を介してホス
トからデータ入出力回路5に供給された信号がアドレスであるのか、データであるのかを
区別する。
【0032】
図3に示すように、制御部6は、一時記憶装置(Temp)61と、RAM62と、第
1記憶部63と、第2記憶部64、カウンタ65を有する。
【0033】
一時記憶装置(Temp)61は、テスト動作時に規定値Sを保持する。この規定値S
は、製造ばらつきに対して、同一ページ内で書き込み動作の特性を許容範囲に揃えるため
の指標である。すなわち、規定値Sによって、同一のワード線WLに接続されたメモリセ
ルの書き込み特性のばらつきを許容範囲内にする。この規定値Sは、後述するテスト動作
に外部のホストから供給される。規定値Sは、例えば製品ごとに異なるため、最適な規定
値Sを外部のホストから供給される。
【0034】
第1メモリセルのプログラム回数をL1とし、第2メモリセルのプログラム回数をL2
とすると、このL1とL2が式(1)を満たすとき、第1メモリセル及び第2メモリセル
を含むブロックは、不良ブロックとして登録される。規定値Sは、不良ブロックであるか
否かを判定する値でもある。
【0035】
|L1−L2|>S …(1)
RAM62は作業エリアである。RAM62のエリアは、例えば一時記憶装置61、第
1記憶部63、及び第2記憶部64に保持されたデータを用いて例えば上記の式(1)を
演算する際に用いる。
【0036】
第1記憶部63は、第1メモリセルのプログラム回数(L1)を保持する。第1メモリ
セルに対してデータを書き込むとき、プログラム動作、ベリファイ動作の繰り返した回数
を保持する。
【0037】
第2記憶部64は、第2メモリセルのプログラム回数(L2)を保持する。第2メモリ
セルに対してデータを書き込むとき、プログラム動作、ベリファイ動作の繰り返した回数
を保持する。
【0038】
カウンタ65は、第1メモリセル及び第2メモリセルに対してデータを書き込むとき、
プログラム動作、ベリファイ動作の繰り返した回数を数える機能を有する。例えば、初期
状態では、カウンタ65に回数“1”を示す回数データが保持される。カウンタ65は、
ベリファイフェイルのたびに回数データを歩進する。ベリファイパスしたときに、カウン
タ65の回数データを第1記憶部63または第2記憶部64に転送する。
【0039】
1−7.センスアンプ8について
センスアンプ8は、データの読み出し時にメモリセルMTからビット線BLに読み出さ
れたデータをセンスして増幅する。具体的には、ビット線BLを所定の電圧にプリチャー
ジした後、ロウデコーダ2により選択されたNANDストリング11によってビット線B
Lを放電させ、そのビット線BLの放電状態をセンスする。つまり、センスアンプ8でビ
ット線BLの電圧を増幅してメモリセルMTの有するデータをセンスする。
【0040】
また、データの書き込み時には、対応するビット線BLに書き込みデータを転送する。
【0041】
1−8.カラムデコーダついて
カラムデコーダ(図示略)は、制御部6から与えられたカラムアドレスをデコードして
、カラム選択信号をセンスアンプ8に出力する。このカラム選択信号に基づいて、センス
アンプ8内の所望のラッチ回路を選択する。
【0042】
1−9.アドレスバッファについて
アドレスバッファ(図示略)は、制御部6に入力されたアドレスを保持する機能を有す
る。なお、本実施形態の半導体記憶装置では、アドレスバッファは制御部6を介してアド
レスが供給されるが、これに限定されず、データ入出力回路5から直接アドレスが供給さ
れるようにしてもよい。
【0043】
[半導体記憶装置の動作方法]
次に、本実施形態の半導体記憶装置のテスト動作について、図4を用いて説明する。こ
のテスト動作は、例えばダイソートテストのときに実行する。本実施形態のテスト動作は
、上記の式(1)を満たすページを含むブロックBLKに対して、不良ブロックとして登
録するものである。
【0044】
まず、ステップS1で、第1メモリセルに対して、プログラムを実行する。選択された
ページの第1メモリセルに“0”データをプログラムして、残りのメモリセルに“1”デ
ータをプログラムする。外部のホストから入力されたデータ、アドレス、プログラムコマ
ンドに基づいて、制御部6は、センスアンプ8にデータ、所望のカラムアドレスを設定す
る。制御部6は、ロウデコーダ2に所望のロウアドレスを設定する。そののち、プログラ
ムコマンドに基づいて、制御部6はプログラムを実行する。
【0045】
ステップS2で、第1メモリセルに対して、“0”データのベリファイ動作を実行する
。例えば第1メモリセルに接続されたビット線BLをプリチャージする。そののち、ビッ
ト線BLとセンスアンプ8内のテンポラリデータキャッシュ(TDC)と導通させて、チ
ャージトランスファを生じさせる。テンポラリデータキャッシュ(TDC)の電位に基づ
いて、ベリファイパスまたはベリファイフェイルを判定する。ベリファイ動作の一例を示
したが、これに限定されず、他のベリファイ動作でもよい。
【0046】
ベリファイフェイルと判定された場合には、ステップS1に戻る。このとき、カウンタ
65の回数データも同時に歩進される。ベリファイパスと判定されるまで(ステップS2
、Yes)、繰り返す。
【0047】
ステップS3で、ベリファイパス(ステップS2、Yes)した際の、第1メモリセル
のプログラム回数(L1)を第1記憶部63に転送する。その結果、第1記憶部63は、
第1メモリセルのプログラム回数L1を保持する。
【0048】
ステップS4からステップS6は、第2メモリセルに対して、ステップS1からステッ
プS3までの動作を行う。
【0049】
具体的には、ステップS4で、第1メモリセルと同一ページの第2メモリセルに対して
、プログラムを実行する。選択されたページの第2メモリセルに“0”データをプログラ
ムして、残りのメモリセルに“1”データをプログラムする。ステップS5で、第2メモ
リセルに対して、“0”データのベリファイ動作を実行する。ベリファイフェイルと判定
された場合には、ステップS4に戻る。このとき、カウンタ65の回数データも同時に歩
進される。ベリファイパスと判定されるまで(ステップS5、Yes)、繰り返す。ステ
ップS6で、ベリファイパス(ステップS5、Yes)した際の、第2メモリセルのプロ
グラム回数(L2)を第2記憶部64に転送する。その結果、第2記憶部64は、第2メ
モリセルのプログラム回数L2を保持する。
【0050】
ステップS7で、制御部6は、規定値Sを保持する。すなわち、制御部6は、データ入
出力回路5を介して入力された規定値Sを、一時記憶装置61に保持する。
【0051】
ステップS8で、制御部6は、内部の一時記憶装置61に保持された規定値Sと、内部
の第1記憶部63に保持されたL1、内部の第2記憶部に保持されたL2をRAM62に
読み出す。そして、式(1)を満たすかどうか判定する。
【0052】
あるページにおいて、第1メモリセルのプログラム回数L1、第2メモリセルのプログ
ラム回数L2、規定値Sの関係が、式(1)を満たすとき(ステップS8、Yes)、制
御部6は、そのページを含むブロックを不良ブロックと判定する。
【0053】
制御部6は、そのページを含むブロックを不良ブロックと認識されるよう、そのページ
を含むブロックに対応するラッチ回路(ブロックデコーダ20内に設けられる)に、不良
ブロックであることを示すデータ(例えば、“0”データ)を保持し(ステップS9)、
終了する。
【0054】
他方、あるページにおいて、第1メモリセルのプログラム回数L1、第2メモリセルの
プログラム回数L2、規定値Sの関係が、式(1)を満たさないとき(ステップS8、N
o)、制御部6は、そのまま終了する。
【0055】
[第1実施形態の効果]
信頼性を向上可能な半導体記憶装置を提供できる。
【0056】
NAND型フラッシュメモリが微細化されるにつれて、製造ばらつきが製品の性能、特
性に対する影響が顕著となる。その結果、NAND型フラッシュメモリ内のメモリセル特
性を均一にすることが難しく、メモリセルの信頼性が低下する可能性がある。
【0057】
本実施形態の半導体記憶装置では、第1メモリセルのプログラム回数L1、第2メモリ
セルのプログラム回数L2、規定値Sの関係が、式(1)を満たすとき(ステップS8、
Yes)、制御部6は、そのページを含むブロックを不良ブロックと判定する。したがっ
て、同一ワード線WLに接続されたメモリセル間(同一ページ内のカラム間)の製造ばら
つきを検知することができる。その結果、規定値Sが所望の式(1)を満たすページを含
むブロックを不良ブロックとすることで、同一ワード線WLに接続されたメモリセル間(
同一ページ内のカラム間)の製造ばらつきが小さいブロックのみを例えばユーザ領域(通
常データを保持する領域)として利用できる。したがって、本実施形態の半導体記憶装置
は、かかる判定をせず、不良ブロックとしない場合と比較して、メモリセルの信頼性を向
上できる。
【0058】
(変形例1)
本変形例1は、第1実施形態の半導体記憶装置に対して、第1メモリセルと第2メモリ
セルの選択が相違する。
【0059】
変形例1では、同一ワード線WLに接続された1ページのメモリセルMTにおいて、ペ
ージのうち、一方の端に位置するメモリセル(図1であれば、ビット線BL0にドレイン
が接続されたメモリセル)を第1メモリセルとして、ページのうち、他方の端に位置する
メモリセル(図1であれば、ビット線BL(n+1)にドレインが接続されたメモリセル
)を第2メモリセルとすることがより好ましい。ページのうち、端同士のメモリセルのプ
ログラム回数を比較することで、ページのうち、端でないメモリセル同士のプログラム回
数を比較する場合に比べて、ページ全体の製造ばらつきを検知できる。その結果、よりメ
モリセルの信頼性を向上できる。
【0060】
(変形例2)
本変形例2は、第1実施形態の半導体記憶装置に対して、第1メモリセル群、第2メモ
リセル群で、製造ばらつきを検知する点で相違する。
【0061】
具体的には、ロウデコーダ2からの距離が近くに位置するメモリセル群を第1メモリセ
ル群と呼び、ロウデコーダ2から距離が離れて位置するメモリセル群を第2メモリセル群
と呼ぶ。図1を例とすると、第1メモリセル群としてビット線BL0〜BL3にドレイン
が電気的に接続されたメモリセル、第2メモリセルとしてビット線BL(n−1)〜BL
(n+1)にドレインが電気的に接続されたメモリセルが挙げられる。
【0062】
第1実施形態または変形例1では、第1メモリセル、第2メモリセルのプログラム回数
を検知する。変形例2の半導体記憶装置は、第1メモリセル群、第2メモリセル群のプロ
グラム回数で検知するため、第1実施形態、変形例1の場合と比べて、より高い精度で信
頼性を向上できる。
【0063】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸
脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の
発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の
発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が
削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の
欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明とし
て抽出されうる。
【符号の説明】
【0064】
1…メモリセルアレイ
2…ロウデコーダ
3…ドライバ回路
4…電圧発生回路
5…データ入出力回路
6…制御部
7…ソース線ドライバ回路
8…センスアンプ
MT…メモリセル
ST1,ST2…選択トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルと、
複数の前記メモリセルを含むページ、複数の前記ページを含むブロックを有するメモリセ
ルアレイと、
前記ページのうち、第1カラムに対応する第1メモリセルにデータを書き込むとき、プロ
グラム動作を繰り返した第1回数を保持する第1記憶部と、
前記ページのうち、前記第1カラムとは異なる第2カラムに対応する第2メモリセルにデ
ータを書き込むとき、プログラム動作を繰り返した第2回数を保持する第2記憶部と、
第1回数と第2回数の差が規定値を超えたとき、前記第1メモリセルと前記第2メモリセ
ルと含むブロックを不良ブロックと登録する制御部と
を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記ページのうち、一方の端に位置するメモリセルを前記第1メモリセルとすることを特
徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記ページのうち、他方の端に位置するメモリセルと前記第2メモリセルとすることを特
徴とする請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
メモリセルと、
複数の前記メモリセルを含むページ、複数の前記ページを含むブロックを有するメモリセ
ルアレイと、
前記ページのうち、第1カラム群に対応する第1メモリセル群にデータを書き込むとき、
それぞれのメモリセルに対してプログラム動作を繰り返した回数の第1回数を保持する第
1記憶部と、
前記ページのうち、第2カラム群に対応する第2メモリセル群にデータを書き込むとき、
それぞれのメモリセルに対してプログラム動作を繰り返した回数の第2回数を保持する第
2記憶部と、
前記第1回数と前記第2回数の差が規定値を超えたとき、前記第1メモリセルと前記第2
メモリセルと含むブロックを不良ブロックと登録する制御部と
を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項5】
前記ページのうち、一方の端部に位置するメモリセル群を前記第1メモリセル群とし、
前記ページのうち、他方の端部に位置するメモリセル群と前記第2メモリセル群とするこ
とを特徴とする請求項4記載の半導体記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−25826(P2013−25826A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156163(P2011−156163)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】