単一マスクを用いた少なくとも1つのマイクロコンポーネントの製造方法
【課題】高速かつ簡単で、精度の良いマスクの位置合わせが可能なマイクロコンポーネントの製造方法を提供する。
【解決手段】例えばマイクロバッテリであるマイクロコンポーネントは、基板上に少なくとも2つの重ねられた層を持つ積層体を有し、温度の影響下で拡張可能な単一のスチールマスク6を用いて形成される。マスク6は、少なくとも1つの中心から外れた開口7を有する。マスクが第1の温度(T1)の時、マスク6aの開口7aを介して第1の層が堆積される。マスクが、前記第1の温度(T1)より高い第2の温度(T2)の時、マスク6bの開口7bを介して第2の層が堆積される。最後に、マスクが前記第2の温度(T2)より高い第3の温度(T3)の時、マスク6cの開口7cを介して第3の層が堆積される。
【解決手段】例えばマイクロバッテリであるマイクロコンポーネントは、基板上に少なくとも2つの重ねられた層を持つ積層体を有し、温度の影響下で拡張可能な単一のスチールマスク6を用いて形成される。マスク6は、少なくとも1つの中心から外れた開口7を有する。マスクが第1の温度(T1)の時、マスク6aの開口7aを介して第1の層が堆積される。マスクが、前記第1の温度(T1)より高い第2の温度(T2)の時、マスク6bの開口7bを介して第2の層が堆積される。最後に、マスクが前記第2の温度(T2)より高い第3の温度(T3)の時、マスク6cの開口7cを介して第3の層が堆積される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に少なくとも1つの積層体(stack of layers)を備える少なくとも1つのマイクロコンポーネント(microcomponent)を製造する方法に関し、各積層体は少なくとも2つの層を有し、第1の層は第1のパターンで堆積され、第2の層は、前記第1のパターンとは異なり少なくとも一部が前記第1のパターンを覆う第2のパターンで堆積される。
【背景技術】
【0002】
通常、マイクロコンポーネントは、基板上に連続的な積層体を形成することで製造されている。層の数は、2以上である。図1は、基板2上に3つの層(3,4,5)が均一に堆積された理想的な積層体1を示す。これらの積層体1を製造するために用いられる技術はたくさんある。特に、ステンシル(stencil)技術が一般的に用いられる。この技術は、マスクを介して、例えば物理的気相成長(PVD)などの真空蒸着技術によりマイクロコンポーネントの活性層(3,4,5)を連続的に堆積することからなる。この方法は、小型電子技術で用いられていたフォトリソグラフィ及びエッチングのような従来の微細加工方法と比較して有利である。実際に、この方法は、実施しやすく、安価である。しかし、堆積(蒸着)のためのマスクの使用は、特にマスクの厚みに起因して、堆積層(3、4及び5)の厚みの不均一性を引き起こす。一般に、これらの厚みの不均一性は、エッジ効果(edge effect)を構成し、導電層の場合にマイクロコンポーネントの短絡をもたらす。図2は、このようなエッジ効果を持つ積層体を示す。この例では、(図の左側で)層5が層3に接触し、これら2つの層に導電性がある場合、短絡を引き起こす。
【0003】
例えば、これらのマイクロコンポーネントは薄膜マイクロバッテリ(microbattery)である。マイクロバッテリは、電気化学的エネルギー貯蔵素子であり、その厚さは一般に15μm未満である。マイクロバッテリは、基板2上の少なくとも3つの層を有する少なくとも1つの積層体1を備え、層3はカソードを形成し、層4は電解質で形成され、層5はアノードを形成する。
【0004】
米国特許5,561,004はカソードとアノードとの間の短絡を防止するために、層3と層5との間のあらゆる接触を避ける構造を提案している。図3は、米国特許5,561,004によるマイクロバッテリの構造を示す。電解質層4は、カソード層3を完全に覆うために、カソード層3よりサイズが大きい。電解質層4は電気的に絶縁されており、短絡が防止される。
【0005】
それでもなお、この構造は複数のマスクの使用を必要とする。機械加工の不完全性及びマスクの連続的な再配置に関連した位置合わせの不確実性のために、大きな隙間(clearance)を考慮しなければならない。層3の周囲における層4の横方向の厚さに対応するこれらの隙間は、電極を構成する層3と層5との間のあらゆる直接接触を防止し、約100μm以下の幅を持つことができる。これらの隙間は素子の活性面(active surface)、すなわちアノード材料とカソード材料との間のイオン交換面を低減させ、その結果、そのエネルギー貯蔵容量を低減させる。このような構成は、単純化した(すなわち、基板2又はコレクタ又は外部保護層がない)上面が図4に示される。カソード層3、電解質層4、及びアノード層5をそれぞれ形成するために使用されるマスク間の100μmの最大位置合わせ誤差dのために、100μmの隙間gを考慮に入れると、0.25cm2の面を有するマイクロバッテリにとって、活性面(層3〜5に共通する面)の損失が最大約12%になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の欠点を改善する、少なくとも1つのマイクロコンポーネントを製造する方法を提供することである。特に、本発明の目的は、高速かつ簡単に実施でき、マスクの位置合わせに起因する問題を克服できる製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、積層体のうちの1つの、異なる層の連続的な堆積が、同じマスクの同じ開口を介して行われ、前記マスクが第1のパターンを形成するために第1の温度に加熱され、第2のパターンを形成するために、前記第1の温度とは異なる第2の温度に加熱されるという事実により達成される。
【0008】
その他の利点及び特徴は、以下の本発明を限定しない例だけのための特定の実施形態の説明及び添付した図面からさらに明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】理想的な積層体の概略図である。
【図2】従来技術による積層体の概略図である。
【図3】従来技術によるマイクロバッテリの断面の概略図である。
【図4】図3のマイクロバッテリを構成する積層体の一部の簡略化した上面図である。
【図5】本発明による方法で使用できるマスクの特定の実施形態を示す図である。
【図6】本発明による方法で使用できるマスクの好ましい実施形態を示す図である。
【図7】図6のマスクを用いて得られる積層体の上面の概略図である。
【図8】図6のマスクを用いて得られる積層体の断面の概略図である。
【図9】本発明による方法で使用できるマスクの他の特定の実施形態を示す図である。
【図10】本発明による方法で使用できるマスクの他の特定の実施形態を示す図である。
【図11】本発明による方法で使用できるマスクの代替実施形態のA−A線に沿った断面を示す図である。
【図12】本発明による方法で使用できるマスクの代替実施形態のA−A線に沿った断面を示す図である。
【図13】本発明による方法で使用できるマスクの他の特定の実施形態を示す図である。
【図14】図13のマスクの開口の代替実施形態を示す図である。
【図15】図14によるマスクを用いたマイクロコンポーネントの特定の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
マイクロコンポーネントの各積層体は少なくとも2つの層を有する。第1の層は第1のパターンで堆積され、第2の層は、第1のパターンとは異なる、すなわち形状又はサイズが異なる、第2のパターンで堆積される。第2のパターンは第1のパターンの少なくとも一部を覆う。このようなマイクロコンポーネントを得るために、マスクは基板の上方に配置され、パターンの堆積工程はマスクの開口(opening)を介して連続して行われる。シリコン基板に対して、マスクはスチール(steel)で作られることが好ましい。マスクは、使用される基板に応じて、例えばモリブデン、アルミニウム、銅、又はインバール(Imphy Alloysの36%鉄−ニッケル合金:登録商標)で作ることができる。
【0011】
図5の実施形態では、温度が上昇又は低下した場合、マスク6はそれぞれ拡張又は収縮する。マスク6は中央開口部7を有する。まず温度T1まで加熱されると、マスク6は実線(6a)で示され、対応する開口部7も実線(7a)で示される。温度T1より高い温度T2まで加熱されたとき、マスク6は拡張し(破線6b)、開口部7も同様である(破線7b)。同様に、温度T2より高い温度T3では、マスク6及び開口部7はさらに大きくなる(2点鎖線6c及び7c)。従って、参照符号6a、6b、及び6cは異なる温度における同じマスク6を示す。同様に、参照符号7a、7b、及び7cはこれらの異なる温度における同じ開口部7を示す。
【0012】
図6の好適な実施形態では、温度T1において、マスク6aは中心を外れた開口部7aを有する。すでに述べたように、マスクは温度変化によって拡張又は収縮する(温度T1より高い温度T2では6b及び7bであり、温度T2より高い温度T3では6c及び7c)。
【0013】
マスク6における開口部(開口)7は、積層体の異なる層の連続堆積に使用される。マスク6の温度を変えることにより、開口部7のサイズが実際に変わる。従って、マスクは、第1の層を堆積し、第1のパターンを形成するために第1の温度(T1)まで加熱され、第2の層を形成して第2のパターンを形成するために第1の温度とは異なる第2の温度(T2)まで加熱される。
【0014】
図7及び図8の実施形態では、パターンの異なる層3、4、及び5の堆積は、同じマスク6の同じ開口部7を介して連続して行われ、好ましくは図6のマスクを使用する。従って、マスク6が温度T1となり、マスク6aの開口部7aを介して層3が堆積される。そして、マスク6が温度T1より高い温度T2となり、マスク6bの開口部7bを介して層4が堆積される。最後に、マスク6が温度T2より高い温度T3となり、マスク6cの開口部7cを介して層5が堆積される。図8は、基板2に平行な方向における積層体1のパターン間のオフセットを示す。実際に、図7に示されるように、(マスクが)拡張すると、中心から外れた開口部はシフトする。
【0015】
上述した方法は、連続堆積のための単一マスクを使用する。従って、マスクの取り扱い(handling)が不要になり、マスクのずれに関連した問題を避けられる。さらに、重ねられた2つのパターン間のシフトは、従来技術では100μm止まりであるのに対して、マスクの熱拡張によりパターンの配置を制御することで、約10μmを達成することができる。特に、上述の方法は、マイクロコンポーネントの活性面の損失を低減できる。上述のように、1つの層の堆積から次の層の堆積までの手順の際に、マスクの温度が常に同じ方向(上昇又は低下)に変わるように変調される場合、層3と層5のあらゆる直接的な接触が避けられる。マイクロバッテリの場合、電極層3と電極層5の短絡が防止される。例えば、シリコン基板の端から5cmの距離に位置している表面が25mm2のマイクロバッテリでは、シリコン基板に対するスチールのマスクの拡張は、20℃の温度変化で10μmである。従来技術によって製造されたマイクロバッテリでは活性面の損失が12%であるのに対して、20℃の温度上昇ステップで形成される3つの層からなるバッテリの活性面の損失は約0.4%である。この方法の使用は、マイクロバッテリの活性面の最大化と、アノードとカソードの短絡の防止とを可能にする。
【0016】
マスク6は、複数の積層体1を同時に形成して、この方法の収率を上げるために、均一かつ規則的(regular and ordered manner)に配置された(図9、図10、図13)複数の開口7を有することが好ましい。各開口7は、異なる積層体1に関連する。しかし、多くの開口を有する大規模なマスク6の拡張の制御は困難である。実際、マスク6の拡張は、マスク6の中央(中心)に対する距離で変わる。このことは、4つの開口7をもつマスク6の一部の場合について、図9に示される。同じ温度上昇で、マスク6の中央に近い開口7(7a1、7b1)は、マスク6の端部の開口7(7a2、7b2)より拡張が小さい。さらに、この実施形態では、異なる積層体の異なる層を覆うことを防止するために、好適には、各開口7の寸法は、最大拡張寸法とも称される拡張後の開口7の最大寸法を考慮すべきである。
【0017】
大規模(大寸法)マスクでは、開口7の最大拡張寸法は100μmに達し、マイクロコンポーネントの活性面を低減する。さらにこの場合、マスク6の集積密度を低いままにして基板上の集積密度を低いままにする。最大拡張寸法を低減するために、マスク6は拡張接合部(joint)8によって分けられる少なくとも2つの要素部分に分割することが有利である。図10では、例えば、マスク6が4つの接合部8により9つのサブ要素(sub-part)に分けられる。これらの拡張接合部は、例えば、ゴム、ポリウレタン、又はポリプロピレン等のポリマー材料から作られる。
【0018】
上述の実施形態において、一般にマスクは、それ自身の重さにより基板に押し付けられる。温度の作用によりマスクが変形したとき、マスクは、既に堆積されている層を、例えばこすることで、傷付け得る。この問題を解決するために、マスク6は、基板に対してマスク6を上昇させるために、底部にシム(shim)を有することが有利である(図11)。マスク6は、基板が位置する側の底面の各開口7の周囲に凹部(recess)10を有することもできる。他の実施形態では、凹部は全ての開口に共通であり、マスク表面に連続的なシムを形成する。
【0019】
上述の好適な実施形態では、マスクは複数の中心から外れた開口を有する。図13の例では、マスク6は、120個の開口7を有する。各開口7は、平行四辺形の形状であり、一般的には正方形である。形成されるパターンの形状に応じて、開口には他の形状も存在する。各開口は異なる積層体の形成を可能にする。例えばマイクロバッテリタイプが異なるような、それぞれ単一のパターン積層体を有する、異なるマイクロコンポーネントを形成するために、マスク6の隣接する開口7の間の距離と異なる温度とを選択できる。実際、異なる積層体の最初の層を同時に形成するために用いられるマスクの温度と、異なる積層体の最後の層を同時に形成するために用いられるマスクの温度との差分は、最初のパターンと最後のパターンとの間の最大オフセットを決定(fix)する。このオフセットが隣接する開口の間の距離より小さい場合、独立した積層体が得られる。
【0020】
例えば、図13のマスクは、直径200mm、厚さ約500μmのシリコンウェーハ上に、それぞれ積層体で形成されるマイクロバッテリを製造するために使用できる。基板は、化学気相成長により、厚さ約100nmのシリコン窒化層に覆われる。直径200mm、厚さ約300μmのスチールマスクが、それ自体の重みにより、この基板に押し付けられる。このマスクには、一辺10mmの正方形の開口が形成される。それらは互いに約2.5mmの距離を離されている。拡張が起きた時に層のこすり現象(scratching phenomena)を防止するために、各開口の表面(periphery)には、深さ0.15mm、幅0.15mmの凹部が形成される。最大拡張寸法は、ウェーハの中心から最も離れているバッテリの位置から計算される。この寸法は、0.75μm/℃で推定される。
【0021】
アセンブリ(assembly)は、アプライドマテリアルズ社(Applied Materials company)のEndura(登録商標)型の産業用真空蒸着装置に置かれる。このタイプの装置では、5つの蒸着チャンバが、マニュアル操作無しに、同じ装置で、バッテリの異なる活性層を連続して形成することを可能にする。厚さ約300nmのタングステンの第1の層(カソードコレクタ)が堆積され、基板及びマスクは共に、温度制御された基板保持部(substrate holder)により40℃に保たれる。そして、基板/マスクのアセンブリは第2のチャンバへロードされ、60℃に加熱され、厚さ約1.5μmのチタン硫酸化物(TiOS)(カソード)の堆積が行われる。そして、アセンブリは第3のチャンバへロードされ、80℃に加熱される。そして、厚さ約1μmのLiPON(電解質)の堆積が行われる。アセンブリは第4のチャンバへロードされ、100℃に加熱される。そして、厚さ約1μmのリチウム(アノード)の堆積が行われる。最後に、基板/マスクのアセンブリが最後の第5のチャンバにロードされ、120℃に加熱される。そして、厚さ約250nmのチタン(アノードコレクタ)の堆積が行われる。
【0022】
これらの堆積工程における合計温度勾配(total temperature gradient)は80℃である。従って、最大拡張寸法は60μmである。隣接する開口は2.5mm離されており、最初の層と最後の層との間のオフセットを考慮に入れて、1つの積層体から他の積層体への重なりが無い。最大活性面損失は1.6%である。
【0023】
他の実施形態では、それぞれが複数の積層体1を有するマイクロコンポーネントが得られる。従って、同じマイクロコンポーネントの積層体1に関連する開口7は、図14に示すように、開口のグループ(group)11を形成する。この場合、同一のグループ11の、温度が異なる、隣接する2つの開口の間の距離の選択が、同じマイクロコンポーネントの2つの隣接する積層体を直列に接続することを可能にする。この特定の実施形態は図15に示される。最初のパターン12と最後のパターン13との間の最大オフセットより小さい2つの開口の間の距離を選択することにより、合計温度勾配により決定され、実際に、積層体1の最後の層は、隣接する積層体1の最初の層に重なる。この構造は、特に、マイクロバッテリの場合に関心を引く。
【0024】
最終的に、開口7の2つのグループ11間の距離は、それぞれ直列に接続された複数の積層体1を有する分離されたマイクロコンポーネントを形成するために十分大きく選択される。
【0025】
例えば、図14の開口のグループ11は、マスクに周期的に再現(reproduce)される。同じグループ11内の2つの開口の間の距離は約80μmである。マスクの他のパラメータは、先行例に対して変わっていない。基板も同一である。5つの層の厚さ及び性質は変わっておらず、堆積温度のみ変わる。
【0026】
タングステンの堆積はマスク温度40℃で行われる。TiOSの堆積は、マスク温度70℃で行われる。LiPONの堆積は、マスク温度100℃で行われる。リチウムの堆積はマスク温度130℃で行われる。チタンの堆積はマスク温度160℃で行われる。
【0027】
これらの堆積工程における合計温度勾配は120℃である。従って、最大拡張寸法は90μmである。隣接する開口の2つのグループは2.5mm離されており、1つのマイクロコンポーネントから他のマイクロコンポーネントへの重なりは無い。しかし、1つの開口のグループでは、温度勾配による開口の連続的なオフセット(合計90μm)は、このグループの2つの隣接する開口に対応する2つの隣接する積層体のアノードコレクタ層とカソードコレクタ層との重なりをもたらす。そして、これらの積層体は、直列に接続される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に少なくとも1つの積層体(stack of layers)を備える少なくとも1つのマイクロコンポーネント(microcomponent)を製造する方法に関し、各積層体は少なくとも2つの層を有し、第1の層は第1のパターンで堆積され、第2の層は、前記第1のパターンとは異なり少なくとも一部が前記第1のパターンを覆う第2のパターンで堆積される。
【背景技術】
【0002】
通常、マイクロコンポーネントは、基板上に連続的な積層体を形成することで製造されている。層の数は、2以上である。図1は、基板2上に3つの層(3,4,5)が均一に堆積された理想的な積層体1を示す。これらの積層体1を製造するために用いられる技術はたくさんある。特に、ステンシル(stencil)技術が一般的に用いられる。この技術は、マスクを介して、例えば物理的気相成長(PVD)などの真空蒸着技術によりマイクロコンポーネントの活性層(3,4,5)を連続的に堆積することからなる。この方法は、小型電子技術で用いられていたフォトリソグラフィ及びエッチングのような従来の微細加工方法と比較して有利である。実際に、この方法は、実施しやすく、安価である。しかし、堆積(蒸着)のためのマスクの使用は、特にマスクの厚みに起因して、堆積層(3、4及び5)の厚みの不均一性を引き起こす。一般に、これらの厚みの不均一性は、エッジ効果(edge effect)を構成し、導電層の場合にマイクロコンポーネントの短絡をもたらす。図2は、このようなエッジ効果を持つ積層体を示す。この例では、(図の左側で)層5が層3に接触し、これら2つの層に導電性がある場合、短絡を引き起こす。
【0003】
例えば、これらのマイクロコンポーネントは薄膜マイクロバッテリ(microbattery)である。マイクロバッテリは、電気化学的エネルギー貯蔵素子であり、その厚さは一般に15μm未満である。マイクロバッテリは、基板2上の少なくとも3つの層を有する少なくとも1つの積層体1を備え、層3はカソードを形成し、層4は電解質で形成され、層5はアノードを形成する。
【0004】
米国特許5,561,004はカソードとアノードとの間の短絡を防止するために、層3と層5との間のあらゆる接触を避ける構造を提案している。図3は、米国特許5,561,004によるマイクロバッテリの構造を示す。電解質層4は、カソード層3を完全に覆うために、カソード層3よりサイズが大きい。電解質層4は電気的に絶縁されており、短絡が防止される。
【0005】
それでもなお、この構造は複数のマスクの使用を必要とする。機械加工の不完全性及びマスクの連続的な再配置に関連した位置合わせの不確実性のために、大きな隙間(clearance)を考慮しなければならない。層3の周囲における層4の横方向の厚さに対応するこれらの隙間は、電極を構成する層3と層5との間のあらゆる直接接触を防止し、約100μm以下の幅を持つことができる。これらの隙間は素子の活性面(active surface)、すなわちアノード材料とカソード材料との間のイオン交換面を低減させ、その結果、そのエネルギー貯蔵容量を低減させる。このような構成は、単純化した(すなわち、基板2又はコレクタ又は外部保護層がない)上面が図4に示される。カソード層3、電解質層4、及びアノード層5をそれぞれ形成するために使用されるマスク間の100μmの最大位置合わせ誤差dのために、100μmの隙間gを考慮に入れると、0.25cm2の面を有するマイクロバッテリにとって、活性面(層3〜5に共通する面)の損失が最大約12%になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の欠点を改善する、少なくとも1つのマイクロコンポーネントを製造する方法を提供することである。特に、本発明の目的は、高速かつ簡単に実施でき、マスクの位置合わせに起因する問題を克服できる製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、積層体のうちの1つの、異なる層の連続的な堆積が、同じマスクの同じ開口を介して行われ、前記マスクが第1のパターンを形成するために第1の温度に加熱され、第2のパターンを形成するために、前記第1の温度とは異なる第2の温度に加熱されるという事実により達成される。
【0008】
その他の利点及び特徴は、以下の本発明を限定しない例だけのための特定の実施形態の説明及び添付した図面からさらに明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】理想的な積層体の概略図である。
【図2】従来技術による積層体の概略図である。
【図3】従来技術によるマイクロバッテリの断面の概略図である。
【図4】図3のマイクロバッテリを構成する積層体の一部の簡略化した上面図である。
【図5】本発明による方法で使用できるマスクの特定の実施形態を示す図である。
【図6】本発明による方法で使用できるマスクの好ましい実施形態を示す図である。
【図7】図6のマスクを用いて得られる積層体の上面の概略図である。
【図8】図6のマスクを用いて得られる積層体の断面の概略図である。
【図9】本発明による方法で使用できるマスクの他の特定の実施形態を示す図である。
【図10】本発明による方法で使用できるマスクの他の特定の実施形態を示す図である。
【図11】本発明による方法で使用できるマスクの代替実施形態のA−A線に沿った断面を示す図である。
【図12】本発明による方法で使用できるマスクの代替実施形態のA−A線に沿った断面を示す図である。
【図13】本発明による方法で使用できるマスクの他の特定の実施形態を示す図である。
【図14】図13のマスクの開口の代替実施形態を示す図である。
【図15】図14によるマスクを用いたマイクロコンポーネントの特定の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
マイクロコンポーネントの各積層体は少なくとも2つの層を有する。第1の層は第1のパターンで堆積され、第2の層は、第1のパターンとは異なる、すなわち形状又はサイズが異なる、第2のパターンで堆積される。第2のパターンは第1のパターンの少なくとも一部を覆う。このようなマイクロコンポーネントを得るために、マスクは基板の上方に配置され、パターンの堆積工程はマスクの開口(opening)を介して連続して行われる。シリコン基板に対して、マスクはスチール(steel)で作られることが好ましい。マスクは、使用される基板に応じて、例えばモリブデン、アルミニウム、銅、又はインバール(Imphy Alloysの36%鉄−ニッケル合金:登録商標)で作ることができる。
【0011】
図5の実施形態では、温度が上昇又は低下した場合、マスク6はそれぞれ拡張又は収縮する。マスク6は中央開口部7を有する。まず温度T1まで加熱されると、マスク6は実線(6a)で示され、対応する開口部7も実線(7a)で示される。温度T1より高い温度T2まで加熱されたとき、マスク6は拡張し(破線6b)、開口部7も同様である(破線7b)。同様に、温度T2より高い温度T3では、マスク6及び開口部7はさらに大きくなる(2点鎖線6c及び7c)。従って、参照符号6a、6b、及び6cは異なる温度における同じマスク6を示す。同様に、参照符号7a、7b、及び7cはこれらの異なる温度における同じ開口部7を示す。
【0012】
図6の好適な実施形態では、温度T1において、マスク6aは中心を外れた開口部7aを有する。すでに述べたように、マスクは温度変化によって拡張又は収縮する(温度T1より高い温度T2では6b及び7bであり、温度T2より高い温度T3では6c及び7c)。
【0013】
マスク6における開口部(開口)7は、積層体の異なる層の連続堆積に使用される。マスク6の温度を変えることにより、開口部7のサイズが実際に変わる。従って、マスクは、第1の層を堆積し、第1のパターンを形成するために第1の温度(T1)まで加熱され、第2の層を形成して第2のパターンを形成するために第1の温度とは異なる第2の温度(T2)まで加熱される。
【0014】
図7及び図8の実施形態では、パターンの異なる層3、4、及び5の堆積は、同じマスク6の同じ開口部7を介して連続して行われ、好ましくは図6のマスクを使用する。従って、マスク6が温度T1となり、マスク6aの開口部7aを介して層3が堆積される。そして、マスク6が温度T1より高い温度T2となり、マスク6bの開口部7bを介して層4が堆積される。最後に、マスク6が温度T2より高い温度T3となり、マスク6cの開口部7cを介して層5が堆積される。図8は、基板2に平行な方向における積層体1のパターン間のオフセットを示す。実際に、図7に示されるように、(マスクが)拡張すると、中心から外れた開口部はシフトする。
【0015】
上述した方法は、連続堆積のための単一マスクを使用する。従って、マスクの取り扱い(handling)が不要になり、マスクのずれに関連した問題を避けられる。さらに、重ねられた2つのパターン間のシフトは、従来技術では100μm止まりであるのに対して、マスクの熱拡張によりパターンの配置を制御することで、約10μmを達成することができる。特に、上述の方法は、マイクロコンポーネントの活性面の損失を低減できる。上述のように、1つの層の堆積から次の層の堆積までの手順の際に、マスクの温度が常に同じ方向(上昇又は低下)に変わるように変調される場合、層3と層5のあらゆる直接的な接触が避けられる。マイクロバッテリの場合、電極層3と電極層5の短絡が防止される。例えば、シリコン基板の端から5cmの距離に位置している表面が25mm2のマイクロバッテリでは、シリコン基板に対するスチールのマスクの拡張は、20℃の温度変化で10μmである。従来技術によって製造されたマイクロバッテリでは活性面の損失が12%であるのに対して、20℃の温度上昇ステップで形成される3つの層からなるバッテリの活性面の損失は約0.4%である。この方法の使用は、マイクロバッテリの活性面の最大化と、アノードとカソードの短絡の防止とを可能にする。
【0016】
マスク6は、複数の積層体1を同時に形成して、この方法の収率を上げるために、均一かつ規則的(regular and ordered manner)に配置された(図9、図10、図13)複数の開口7を有することが好ましい。各開口7は、異なる積層体1に関連する。しかし、多くの開口を有する大規模なマスク6の拡張の制御は困難である。実際、マスク6の拡張は、マスク6の中央(中心)に対する距離で変わる。このことは、4つの開口7をもつマスク6の一部の場合について、図9に示される。同じ温度上昇で、マスク6の中央に近い開口7(7a1、7b1)は、マスク6の端部の開口7(7a2、7b2)より拡張が小さい。さらに、この実施形態では、異なる積層体の異なる層を覆うことを防止するために、好適には、各開口7の寸法は、最大拡張寸法とも称される拡張後の開口7の最大寸法を考慮すべきである。
【0017】
大規模(大寸法)マスクでは、開口7の最大拡張寸法は100μmに達し、マイクロコンポーネントの活性面を低減する。さらにこの場合、マスク6の集積密度を低いままにして基板上の集積密度を低いままにする。最大拡張寸法を低減するために、マスク6は拡張接合部(joint)8によって分けられる少なくとも2つの要素部分に分割することが有利である。図10では、例えば、マスク6が4つの接合部8により9つのサブ要素(sub-part)に分けられる。これらの拡張接合部は、例えば、ゴム、ポリウレタン、又はポリプロピレン等のポリマー材料から作られる。
【0018】
上述の実施形態において、一般にマスクは、それ自身の重さにより基板に押し付けられる。温度の作用によりマスクが変形したとき、マスクは、既に堆積されている層を、例えばこすることで、傷付け得る。この問題を解決するために、マスク6は、基板に対してマスク6を上昇させるために、底部にシム(shim)を有することが有利である(図11)。マスク6は、基板が位置する側の底面の各開口7の周囲に凹部(recess)10を有することもできる。他の実施形態では、凹部は全ての開口に共通であり、マスク表面に連続的なシムを形成する。
【0019】
上述の好適な実施形態では、マスクは複数の中心から外れた開口を有する。図13の例では、マスク6は、120個の開口7を有する。各開口7は、平行四辺形の形状であり、一般的には正方形である。形成されるパターンの形状に応じて、開口には他の形状も存在する。各開口は異なる積層体の形成を可能にする。例えばマイクロバッテリタイプが異なるような、それぞれ単一のパターン積層体を有する、異なるマイクロコンポーネントを形成するために、マスク6の隣接する開口7の間の距離と異なる温度とを選択できる。実際、異なる積層体の最初の層を同時に形成するために用いられるマスクの温度と、異なる積層体の最後の層を同時に形成するために用いられるマスクの温度との差分は、最初のパターンと最後のパターンとの間の最大オフセットを決定(fix)する。このオフセットが隣接する開口の間の距離より小さい場合、独立した積層体が得られる。
【0020】
例えば、図13のマスクは、直径200mm、厚さ約500μmのシリコンウェーハ上に、それぞれ積層体で形成されるマイクロバッテリを製造するために使用できる。基板は、化学気相成長により、厚さ約100nmのシリコン窒化層に覆われる。直径200mm、厚さ約300μmのスチールマスクが、それ自体の重みにより、この基板に押し付けられる。このマスクには、一辺10mmの正方形の開口が形成される。それらは互いに約2.5mmの距離を離されている。拡張が起きた時に層のこすり現象(scratching phenomena)を防止するために、各開口の表面(periphery)には、深さ0.15mm、幅0.15mmの凹部が形成される。最大拡張寸法は、ウェーハの中心から最も離れているバッテリの位置から計算される。この寸法は、0.75μm/℃で推定される。
【0021】
アセンブリ(assembly)は、アプライドマテリアルズ社(Applied Materials company)のEndura(登録商標)型の産業用真空蒸着装置に置かれる。このタイプの装置では、5つの蒸着チャンバが、マニュアル操作無しに、同じ装置で、バッテリの異なる活性層を連続して形成することを可能にする。厚さ約300nmのタングステンの第1の層(カソードコレクタ)が堆積され、基板及びマスクは共に、温度制御された基板保持部(substrate holder)により40℃に保たれる。そして、基板/マスクのアセンブリは第2のチャンバへロードされ、60℃に加熱され、厚さ約1.5μmのチタン硫酸化物(TiOS)(カソード)の堆積が行われる。そして、アセンブリは第3のチャンバへロードされ、80℃に加熱される。そして、厚さ約1μmのLiPON(電解質)の堆積が行われる。アセンブリは第4のチャンバへロードされ、100℃に加熱される。そして、厚さ約1μmのリチウム(アノード)の堆積が行われる。最後に、基板/マスクのアセンブリが最後の第5のチャンバにロードされ、120℃に加熱される。そして、厚さ約250nmのチタン(アノードコレクタ)の堆積が行われる。
【0022】
これらの堆積工程における合計温度勾配(total temperature gradient)は80℃である。従って、最大拡張寸法は60μmである。隣接する開口は2.5mm離されており、最初の層と最後の層との間のオフセットを考慮に入れて、1つの積層体から他の積層体への重なりが無い。最大活性面損失は1.6%である。
【0023】
他の実施形態では、それぞれが複数の積層体1を有するマイクロコンポーネントが得られる。従って、同じマイクロコンポーネントの積層体1に関連する開口7は、図14に示すように、開口のグループ(group)11を形成する。この場合、同一のグループ11の、温度が異なる、隣接する2つの開口の間の距離の選択が、同じマイクロコンポーネントの2つの隣接する積層体を直列に接続することを可能にする。この特定の実施形態は図15に示される。最初のパターン12と最後のパターン13との間の最大オフセットより小さい2つの開口の間の距離を選択することにより、合計温度勾配により決定され、実際に、積層体1の最後の層は、隣接する積層体1の最初の層に重なる。この構造は、特に、マイクロバッテリの場合に関心を引く。
【0024】
最終的に、開口7の2つのグループ11間の距離は、それぞれ直列に接続された複数の積層体1を有する分離されたマイクロコンポーネントを形成するために十分大きく選択される。
【0025】
例えば、図14の開口のグループ11は、マスクに周期的に再現(reproduce)される。同じグループ11内の2つの開口の間の距離は約80μmである。マスクの他のパラメータは、先行例に対して変わっていない。基板も同一である。5つの層の厚さ及び性質は変わっておらず、堆積温度のみ変わる。
【0026】
タングステンの堆積はマスク温度40℃で行われる。TiOSの堆積は、マスク温度70℃で行われる。LiPONの堆積は、マスク温度100℃で行われる。リチウムの堆積はマスク温度130℃で行われる。チタンの堆積はマスク温度160℃で行われる。
【0027】
これらの堆積工程における合計温度勾配は120℃である。従って、最大拡張寸法は90μmである。隣接する開口の2つのグループは2.5mm離されており、1つのマイクロコンポーネントから他のマイクロコンポーネントへの重なりは無い。しかし、1つの開口のグループでは、温度勾配による開口の連続的なオフセット(合計90μm)は、このグループの2つの隣接する開口に対応する2つの隣接する積層体のアノードコレクタ層とカソードコレクタ層との重なりをもたらす。そして、これらの積層体は、直列に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの積層体(1)を含む少なくとも1つのマイクロコンポーネントを基板(2)上に製造する方法であって、各積層体は少なくとも2つの層を有し、第1の層は第1のパターンで堆積され、第2の層は、前記第1のパターンとは異なり、少なくとも一部が前記第1のパターンを覆う第2のパターンで堆積されるものであり、前記積層体(1)のうちの1つの異なる層の連続した堆積が同じマスク(6)の同じ開口(7)を介して行われ、前記マスクは前記第1のパターンを形成するために第1の温度(T1)に加熱され、前記第2のパターンを形成するために前記第1の温度とは異なる第2の温度(T2)に加熱されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記マスク(6)はスチールで作られていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マスク(6)の前記開口(7)は、前記第1のパターンと前記第2のパターンを互いにオフセットするために、前記基板(2)に対して平行な方向に沿って、中心から外れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
各開口(7)は、平行四辺形の形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記マスク(6)は、複数の開口(7)を有し、各開口は異なる積層体(1)に関連し、均一かつ規則的に配置され、異なる積層体は同時に製造されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
隣接する2つの開口(7)の間の距離と、異なる積層体(1)の最初の層を同時に形成するために用いられるマスク(6)の温度と各積層体の最後の層を同時に形成するために用いられる前記マスクの温度との差分とが、異なるマイクロコンポーネントに属する互いに離されて独立した積層体を形成するために選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
隣接する2つの開口(7)の間の距離と、異なる積層体(1)の最初の層を同時に形成するために用いられるマスク(6)の温度と各積層体の最後の層を同時に形成するために用いられる前記マスクの温度との差分とが、同じマイクロコンポーネントの2つの隣接した積層体を直列に接続するために、1つの積層体の前記最後の層が隣接する積層体の前記最初の層に重なるように選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記同じマイクロコンポーネントの前記積層体(1)に関連する前記マスク(6)の前記開口(7)は、開口のグループ(11)を形成し、隣接する開口の2つのグループの間の距離は、互いに離された2つのマイクロコンポーネントを形成するために選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記マイクロコンポーネントはマイクロバッテリであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記マスク(6)は、拡張接合部(8)により分けられる少なくとも2つの要素部分に分割されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記マスク(6)は、前記基板(2)が位置する側の裏面の各開口(7)の周囲に凹部(10)を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記マスク(6)は、シム(9)により前記基板に対して持ち上げられることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項1】
少なくとも1つの積層体(1)を含む少なくとも1つのマイクロコンポーネントを基板(2)上に製造する方法であって、各積層体は少なくとも2つの層を有し、第1の層は第1のパターンで堆積され、第2の層は、前記第1のパターンとは異なり、少なくとも一部が前記第1のパターンを覆う第2のパターンで堆積されるものであり、前記積層体(1)のうちの1つの異なる層の連続した堆積が同じマスク(6)の同じ開口(7)を介して行われ、前記マスクは前記第1のパターンを形成するために第1の温度(T1)に加熱され、前記第2のパターンを形成するために前記第1の温度とは異なる第2の温度(T2)に加熱されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記マスク(6)はスチールで作られていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マスク(6)の前記開口(7)は、前記第1のパターンと前記第2のパターンを互いにオフセットするために、前記基板(2)に対して平行な方向に沿って、中心から外れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
各開口(7)は、平行四辺形の形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記マスク(6)は、複数の開口(7)を有し、各開口は異なる積層体(1)に関連し、均一かつ規則的に配置され、異なる積層体は同時に製造されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
隣接する2つの開口(7)の間の距離と、異なる積層体(1)の最初の層を同時に形成するために用いられるマスク(6)の温度と各積層体の最後の層を同時に形成するために用いられる前記マスクの温度との差分とが、異なるマイクロコンポーネントに属する互いに離されて独立した積層体を形成するために選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
隣接する2つの開口(7)の間の距離と、異なる積層体(1)の最初の層を同時に形成するために用いられるマスク(6)の温度と各積層体の最後の層を同時に形成するために用いられる前記マスクの温度との差分とが、同じマイクロコンポーネントの2つの隣接した積層体を直列に接続するために、1つの積層体の前記最後の層が隣接する積層体の前記最初の層に重なるように選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記同じマイクロコンポーネントの前記積層体(1)に関連する前記マスク(6)の前記開口(7)は、開口のグループ(11)を形成し、隣接する開口の2つのグループの間の距離は、互いに離された2つのマイクロコンポーネントを形成するために選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記マイクロコンポーネントはマイクロバッテリであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記マスク(6)は、拡張接合部(8)により分けられる少なくとも2つの要素部分に分割されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記マスク(6)は、前記基板(2)が位置する側の裏面の各開口(7)の周囲に凹部(10)を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記マスク(6)は、シム(9)により前記基板に対して持ち上げられることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−287571(P2010−287571A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−130662(P2010−130662)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(510225292)コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ (97)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【住所又は居所原語表記】Batiment Le Ponant D,25 rue Leblanc,F−75015 Paris, FRANCE
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130662(P2010−130662)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(510225292)コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ (97)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【住所又は居所原語表記】Batiment Le Ponant D,25 rue Leblanc,F−75015 Paris, FRANCE
【Fターム(参考)】
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