説明

印刷物欠陥表示方法および印刷物欠陥表示装置

【課題】 印刷物の欠陥を検出した後に欠陥の内容を表示することが可能な印刷物欠陥表示方法および印刷物欠陥表示装置を提供すること。
【解決手段】 印刷が終了した印刷物を順次撮像して得た画像データに基づいて印刷物の欠陥を表示する印刷物欠陥表示方法であって、印刷が終了した第1の印刷物を撮像することにより第1の解像度を有する第1の画像データを得る第1撮像工程と、第1撮像工程で得た画像データと基準となる画像データとを比較することにより印刷物の欠陥を検出する欠陥検出工程と、第1の印刷物の後に印刷が終了した第2の印刷物における欠陥検出工程で欠陥が検出された領域を撮像することにより第1の解像度よりも解像度が高い第2の解像度を有する第2の画像データを得る第2撮像工程と、第2の画像データに基づいて欠陥が検出された領域を拡大表示する拡大画像表示工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷物欠陥表示方法および印刷物欠陥表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機において適正な印刷を実行するためには、インキの供給量を適正に制御する必要がある。このインキの供給量の制御時には、従来、コントロールストリップの濃度を濃度計により測定し、その濃度データに基づいてインキの過不足を判定するようにしている。しかしながら、コントロールストリップにおける濃度データのみでは、絵柄領域において必ずしも適正な色調等を得ることができるとは限らない。
【0003】
このため、基準紙の画像等の基準となる画像と実際に印刷が行われた印刷物の画像とを比較することにより、印刷機のインキ供給量を制御するための制御データを作成する色調制御方法が使用されている。
【0004】
ここで、基準紙とは、校正紙とも呼称され、印刷の仕上がりの色調を指示することにより適正な印刷物の基準となるものである。この基準紙の画像を撮像手段により撮像することにより、基準紙の画像データを得ることができる。なお、基準紙の画像を撮像して画像データを得るかわりに、印刷版の製版時に使用された画像データや、この画像データを加工して得た画像データを使用してもよい。
【0005】
実際に印刷が行われた印刷物としては、抜き取り紙とも呼称される印刷の実行中に印刷機の排紙部から一定間隔でオペレータにより抜き取られる印刷用紙を使用することができる。この印刷用紙を撮像手段により撮像することで、実際に印刷が行われた印刷物の画像データを得ることができる。また、印刷機の排紙部付近に配設された撮像部により、印刷直後の印刷用紙を撮像して、実際に印刷が行われた印刷物の画像データを得ることもできる。
【0006】
一方、上述した色調制御とは別に、基準となる画像と印刷機において実際に印刷が行われた印刷物の画像とを比較することにより、印刷物の欠陥を検出してこれを表示し、これにより適切な印刷が実行されているか否かを確認する印刷物欠陥表示方法も実行されている。
【0007】
例えば、特許文献1には、検査基準となる印刷物を撮像して得た基準画像と、検査対象となる印刷物を撮像して得た検査対象画像とを比較して印刷物における欠陥検出を行なう印刷物検査装置であって、欠陥が検出された検査対象画像である不良画像における欠陥の検出箇所を明示して不良画像を表示するとともに、基準画像を並べて表示する印刷物検査装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−36513号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
印刷物の欠陥を検出する際の画像の撮像時には、画像データを記憶する画像メモリの容量やデータの転送速度等の制限から、印刷物の全領域を高い解像度で撮像した画像データを利用することは困難である。このため、印刷物の欠陥検査時には、印刷物の画像全体を比較的低い解像度で撮影するようにしている。しかしながら、印刷物を比較的低い解像度で撮影した場合には、印刷物の欠陥は検出することができるが、その欠陥の内容を詳細に確認することは困難であった。
【0009】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、印刷物の欠陥を検出した後、その欠陥の内容を表示することが可能な印刷物欠陥表示方法および印刷物欠陥表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、印刷が終了した印刷物を順次撮像して得た画像データに基づいて、印刷物の欠陥を表示する印刷物欠陥表示方法において、印刷が終了した第1の印刷物を撮像することにより、第1の解像度を有する第1の画像データを得る第1撮像工程と、前記第1撮像工程で得た画像データと基準となる画像データとを比較することにより、印刷物の欠陥を検出する欠陥検出工程と、前記第1の印刷物の後に印刷が終了した第2の印刷物上において、前記欠陥検出工程で欠陥が検出された領域を撮像することにより、前記第1の解像度よりも解像度が高い第2の解像度を有する第2の画像データを得る第2撮像工程と、前記第2の画像データに基づいて、前記欠陥が検出された領域を拡大表示する拡大画像表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、印刷が終了した印刷物を順次印刷中に撮像して得た画像データに基づいて、印刷物の欠陥を表示する印刷物欠陥表示方法において、印刷物を所定の解像度D0で撮像可能な撮像手段を用いて、印刷が終了した第1の印刷物の画像を撮像することにより第1の画像データを得る第1の撮像工程と、前記第1の撮像工程で得た第1の画像データを間引きまたは平均化して前記解像度D0よりも低い解像度D1で画像データを得て、この解像度D1の画像データに基づいて印刷物上の欠陥を検出する欠陥検出工程と、前記第1の印刷物の後に印刷された第2の印刷物を撮像し、前記欠陥検出工程で欠陥が検出された領域を含む一部の領域について、前記解像度D1よりも高い解像度D2を有する第2の画像データを得る第2の撮像工程と、前記第2の撮像工程で得た第2の画像データに基づいて、前記欠陥が検出された領域を拡大表示す拡大画像表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記拡大画像表示工程においては、予め設定した枚数の印刷物に対して前記第2撮像工程と前記拡大表示工程を実行した後、再度、前記第1撮像工程に戻って処理を繰り返す。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記拡大画像表示工程においては、オペレータの入力があるまで前記第2撮像工程と前記拡大表示工程を実行した後、再度、前記第1撮像工程に戻って処理を繰り返す。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、前記拡大表示工程において、前記第1の画像データに基づいて第1の印刷物全体の画像を、前記欠陥が検出された領域の画像とともに表示する。
【0015】
請求項6に記載の発明は、印刷が終了した印刷物を順次撮像して得た画像データに基づいて、印刷物の欠陥を表示する印刷物欠陥表示装置において、印刷が終了した印刷物の画像を撮像可能な撮像部と、基準となる画像データを記憶する画像メモリと、前記撮像部により印刷が終了した第1の印刷物を前記撮像部により撮像して得た、第1の解像度を有する第1の画像データと、前記画像メモリに記憶された基準となる画像データとを比較することにより、印刷物の欠陥を検出する欠陥検出手段と、前記撮像部により前記第1の印刷物の後に印刷が終了した第2の印刷物における前記欠陥検出手段で欠陥が検出された領域を前記撮像部により撮像して得た、前記第1の解像度よりも解像度が高い第2の解像度を有する第2の画像データに基づいて、前記欠陥が検出された領域を拡大表示する画像表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、印刷が終了した印刷物を順次印刷中に撮像して得た画像データに基づいて、印刷物の欠陥を表示する印刷物欠陥表示装置において、印刷が終了した印刷物の画像を撮像可能な撮像部と、基準となる画像データを記憶する画像メモリと、前記撮像部により印刷が終了した第1の印刷物を撮像して得た第1の画像データを間引きまたは平均化して低解像度D1の第1の画像データを得るとともに、この第1の画像データを前記画像メモリに記憶された基準となる画像データとを比較することにより、印刷物の欠陥を検出する欠陥検出手段と、前記撮像部により前記第1の印刷物の後に印刷が終了した第2の印刷物上において、前記欠陥検出手段で欠陥が検出された領域を含む一部の領域について、前記第1の解像度D1よりも解像度が高い第2の解像度D2で撮像することにより得た第2の画像データに基づいて、前記欠陥が検出された領域を拡大表示する画像表示手段と を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載の発明において、前記画像表示手段は、前記第1の画像データに基づいて第1の印刷物全体の画像を、前記欠陥が検出された領域の画像とともに表示する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1、請求項2、請求項6および請求項7に記載の発明によれば、印刷物の欠陥を検出した後、その欠陥の内容を表示することが可能となる。
【0019】
請求項3および請求項4に記載の発明によれば、印刷物の欠陥を確認した後、引き続き印刷された印刷物の欠陥を検出することが可能となる。
【0020】
請求項5および請求項7に記載の発明によれば、印刷物全体の画像と欠陥が検出された領域の画像とを同時に確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。最初に、この発明を適用する印刷機の構成について説明する。図1は、この発明を適用する印刷機の概要図である。
【0022】
この印刷機は、第1、第2の版胴11、12に保持された画像が記録されていない印刷版に画像を記録して製版した後、この印刷版に供給されたインキを第1、第2のブランケット胴13、14を介して第1、第2の圧胴15、16に保持された印刷用紙に転写することにより4色の印刷を行うものである。
【0023】
この印刷機は、第1の版胴11と、第2の版胴12と、第1の版胴11と当接可能に設けられた第1のブランケット胴13と、第2の版胴12と当接可能に設けられた第2のブランケット胴14と、第1のブランケット胴13に対して当接可能に設けられた第1の圧胴15と、第2のブランケット胴14に対して当接可能に設けられた第2の圧胴16と、給紙部31から供給された印刷用紙を第1の圧胴15に渡すための給紙胴17と、第1の圧胴15から受け取った印刷用紙を第2の圧胴16に渡すための渡し胴18と、第2の圧胴16から受け取った印刷用紙を排紙部32に排出するためのチェーン23をスプロケット22との間で巻回した排紙胴19と、印刷用紙に印刷された画像を撮像するとともに検出パッチの濃度を測定するための撮像部60と、タッチパネル方式のコントロールパネル100とを有する。
【0024】
第1の版胴11および第2の版胴12は、その外周部に各々異なる2色分の印刷版を保持する所謂2倍胴となっている。また、第1のブランケット胴13および第2のブランケット胴14は、第1の版胴11および第2の版胴12と同径であり、各々2色分の画像を転写し得るブランケット面を有する。
【0025】
第1のブランケット胴13および第2のブランケット胴14と各々当接可能に設けられた第1の圧胴15および第2の圧胴16は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の1/2の直径を有する。また、これら第1、第2の圧胴15、16は、印刷用紙の先端を保持して搬送するための図示しないグリッパを有する。
【0026】
圧胴15に隣接して配設された給紙胴17は、第1、第2の圧胴15、16と同一の直径を有する。この給紙胴17は、その隔回転毎に、給紙部31から1枚ずつ供給された印刷用紙の先端部を図示しないグリッパにより保持して搬送する。グリッパにより保持された印刷用紙の先端部は、給紙胴17から第1の圧胴15への印刷用紙の受け渡し時に、第1の圧胴15のグリッパにより保持される。
【0027】
第1の圧胴15と第2の圧胴16との間に配設された渡し胴18は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径と同一の直径を有する。この渡し胴18は、第1の圧胴15から受け取った印刷用紙の先端を図示しないグリッパにより保持して搬送し、この印刷用紙の先端を第2の圧胴16のグリッパに受け渡す。
【0028】
第2の圧胴16に隣接して配設された排紙胴19は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径と同一の直径を有する。この排紙胴19は、その両端部に一対のチェーン23を巻回した構造を有し、この一対のチェーン23を連結する図示しない連結部材上に、グリッパ30(図2参照)が配設されている。第2の圧胴16のグリッパにより保持された印刷用紙の先端部は、第2の圧胴16から排紙胴19への印刷用紙の受け渡し時に、排紙胴19のいずれかのグリッパ30により保持される。そして、この印刷用紙は、チェーン23の移動に伴って、排紙部32上に排出される。
【0029】
前記給紙胴17の端部に付設されたギヤは、従動プーリ25と同芯状に配設されたギヤ26と連結している。そして、モータ27の駆動により回転する駆動プーリ28と従動プーリ25との間には、ベルト29が巻回されている。このため、給紙胴17は駆動モータ27の駆動により回転する。一方、第1、第2の版胴11、12、第1、第2のブランケット胴13、14、第1、第2の圧胴15、16、給紙胴17、渡し胴18および排紙胴19は、各々その端部に付設されたギヤにより連結されている。このため、駆動モータ27の駆動により、これらの給紙胴17、第1、第2の圧胴15、16、排紙胴19、第1、第2のブランケット胴13、14、第1、第2の版胴11、12および渡し胴18は、互いに同期して回転する。
【0030】
第1の版胴11の周囲には、印刷版に例えばブラック(K)のインキを供給するためのインキ供給装置20aと、印刷版に例えばシアン(C)のインキを供給するためのインキ供給装置20bと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21a、21bとが配置されている。また、第2の版胴12の周囲には、印刷版に例えばマゼンタ(M)のインキを供給するためのインキ供給装置20cと、印刷版に例えばイエロー(Y)のインキを供給するためのインキ供給装置20dと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21c、21dとが配置されている。
【0031】
さらに、第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、それぞれ、第1の版胴11の外周部に印刷版を供給するための給版部33と、第2の版胴の外周部に印刷版を供給するための給版部34と、第1の版胴11の外周部に装着された印刷版に画像を記録するための画像記録装置35と、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版に画像を記録するための画像記録装置36とが配置されている。
【0032】
図2は、印刷用紙に印刷された画像を撮像するとともに画像上の任意の位置の濃度や検出パッチの濃度等を測定するための上述した撮像部60を排紙胴19等の排紙機構とともに示す側面概要図である。
【0033】
一対のチェーン23は、排紙胴19の両端部と一対のスプロケット22との間に無端状に掛け渡されている。そして、上述したように、一対のチェーン23を連結する図示しない連結部材上には、各々、印刷用紙の先端部を咥えて搬送するためのグリッパ30が配設されている。なお、図2においてはグリッパ30を2個のみ図示し、他のグリッパ30の図示を省略している。
【0034】
一対のチェーン23の長さは、第1、第2の圧胴15、16の周長の整数倍の長さとなっており、チェーン23上におけるグリッパ30の配置間隔は、第1、第2の圧胴15、16の周長と等しくなるように設定されている。そして、各グリッパ30は、図示しないカム機構によって、排紙胴19に設けられたグリッパと同期して開閉するように構成されており、排紙胴19から印刷用紙を受け取り、チェーン23の回転に伴って印刷用紙を搬送した後、図示しないカム機構により開放されて印刷用紙を排紙部32上に排出する。
【0035】
この印刷用紙の搬送時には、印刷用紙の先端部のみをグリッパ30により咥えて搬送するため、印刷用紙の後端は固定されていない状態で搬送されることになる。このため、この搬送時には、印刷用紙のばたつきが発生し、後述する撮像部60による画像の撮像や検出パッチの濃度等の測定動作に支障を来すことになる。これを防止するため、この印刷機においては、排紙部32の前方側において印刷用紙の搬送状態を安定させる吸着ローラ70が設けられている。
【0036】
この吸着ローラ70は、その表面に微細な吸着孔を多数備えた中空状のローラから構成されており、その中空部は図示しない真空ポンプと接続されている。この吸着ローラ70の端部にはギヤ71が付設されている。このギヤ71は、アイドラギヤ72、73を介して排紙胴19の端部に付設されたギヤと連結されている。これにより、吸着ローラ70は、グリッパ30の通過速度に合わせて回転駆動される。このため、印刷用紙は、吸着ローラ70上を通過する際には吸着ローラ70の表面に吸着された状態となって搬送されることになり、吸着ローラ70上では印刷用紙のばたつきは発生しない。なお、吸着ローラ43に代えて、印刷用紙を平面的に吸着するような吸着板部材を使用してもよい。
【0037】
上記撮像部60は、吸着ローラ70と平行に配設され吸着ローラ70上の印刷用紙を照明する一対の線状光源61と、一対の集光板62と、折り返しミラー63、64と、集光レンズ65と、CCDラインセンサ66とを備える。排紙胴19やチェーン23等からなる排紙機構により搬送された印刷用紙は、一対の線状光源61により照明され、CCDラインセンサ66により撮影される。そして、印刷用紙の画像や濃度のデータは、タッチパネル方式のコントロールパネル100に表示される。
【0038】
図3は、この印刷機の主要な電気的構成を示すブロック図である。この印刷機は、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM141と、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM142と、論理演算を実行するCPU143とからなる制御部140を備える。この制御部は140は、インタフェース144を介して、インキ供給装置20、湿し水供給装置21、画像記録装置35、36、第1、第2のブランケット胴13、14の胴入れ機構等における駆動部等の駆動信号を発生させる駆動回路145と接続されている。印刷機はこの制御部140により制御され、後述する製版動作および印刷動作を実行する。
【0039】
制御部140は、後述する第1、第2の画像メモリ151、152を備える。また、この制御部140は、インタフェース144を介して、上述した撮像部60およびコントロールパネル100と接続されている。さらに、この制御部140は、後述する画像データ供給部153、例えばこの印刷機の前工程にある画像処理装置など、とも接続されている。
【0040】
上述した構成を有する印刷機においては、給版部33における供給カセット41から引き出された印刷版はカッター42により所定のサイズに切断される。そして、切断されたシート状の印刷版の先端部は、図示しないガイドローラおよびガイド部材により案内され、第1の版胴11のくわえ爪にくわえられる。そして、第1の版胴11が図示しないモータの駆動により低速で回転し、印刷版が第1の版胴11の外周部に巻き付けられ、印刷版の後端部は他方のくわえ爪によりくわえられる。この状態において、第1の版胴11を低速で回転させながら、画像記録装置35により第1の版胴11の外周部に保持された印刷版の表面に変調されたレーザビームを照射し、画像を記録する。
【0041】
同様に、給版部34における供給カセット43から引き出された印刷版はカッター44により所定のサイズに切断される。そして、切断されたシート状の印刷版の先端部は、図示しないガイドローラおよびガイド部材により案内され、第2の版胴12のくわえ爪にくわえられる。そして、第2の版胴12が図示しないモータの駆動により低速で回転し、印刷版が第2の版胴12の外周部に巻き付けられ、印刷版の後端部は他方のくわえ爪によりくわえられる。この状態において、第2の版胴12を低速で回転させながら、画像記録装置36により第2の版胴12の外周部に保持された印刷版の表面に変調されたレーザビームを照射し、画像を記録する。
【0042】
なお、第1の版胴11の外周部には、ブラックのインキで印刷を行うための印刷版と、シアンのインキで印刷を行うための印刷版とが装着される。これら2枚の印刷版は、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位置に配置され、画像記録装置35はこれらの印刷版に画像を記録する。同様に、第2の版胴12の外周部には、マゼンタのインキで印刷を行うための印刷版と、イエローのインキで印刷を行うための印刷版と装着される。これら2枚の印刷版も、均等に振り分けられた状態となる位置に配置され、画像記録装置36はこれらの印刷版に画像を記録して、製版工程が終了する。
【0043】
製版工程が完了すれば、第1、第2の版胴11、12上の印刷版を用いて印刷用紙に印刷を行う印刷工程を実行する。この印刷工程は、次のようにして実行される。
【0044】
すなわち、先ず、各湿し水供給装置21および各インキ供給装置20を第1、第2の版胴11、12上に保持された印刷版のうちの対応する印刷版とのみ当接させる。これにより、各印刷版には対応する各湿し水供給装置21および各インキ供給装置20から湿し水とインキとが供給される。そして、印刷版に供給されたインキは、第1、第2のブランケット胴13、14の対応する領域に転写される。
【0045】
そして、印刷用紙を給紙胴17に供給する。この印刷用紙は、給紙胴17から第1の圧胴15に渡される。印刷用紙を受け取った第1の圧胴15が回転を続けると、第1の圧胴15は、第1の版胴11および第1のブランケット胴13の1/2の直径を有することから、第1の圧胴15の外周部に保持された印刷用紙には、その1回転目においてブラックのインキが、また、その2回転目においてシアンのインキが転写される。
【0046】
第1の圧胴15が2回転すれば、印刷用紙は第1の圧胴15から渡し胴18を介して第2の圧胴に渡される。印刷用紙を受け取った第2の圧胴16が回転を続けると、第2の圧胴16は、第2の版胴12および第2のブランケット胴14の1/2の直径を有することから、第2の圧胴16の外周部に保持された印刷用紙には、その1回転目においてマゼンタのインキが、また、その2回転目においてイエローのインキが転写される。
【0047】
このようにして、4色の印刷が終了した印刷用紙の先端部は、第2の圧胴16から排紙胴19に渡される。そして、4色の印刷が終了した印刷用紙は、一対のチェーン23の駆動により、排紙部28に向けて搬送されて排出される。このとき、搬送中の印刷用紙は、撮像部60における一対の線状光源61により照明されるとともに、CCDラインセンサ66により撮影され、その画像はコントロールパネル100に表示される。
【0048】
なお、この実施形態の印刷装置では、撮像した画像データはインキ・湿し水の供給量制御用にも利用される。すなわち印刷物の画像自身や検出パッチを撮像し、得られた画像データから該当箇所のYMCK各色の色濃度や色値を演算する。そして得られた色濃度や色値を所定の値、例えば、予め準備されている基準の色濃度や色値と比較することでインキ量や湿し水量の供給量を調整するものである。このインキや湿し水供給量の調整方法については、例えば、特開2001−253054号や特開2002−355950号などの公開公報に開示されているため、ここでは詳細は省略する。
【0049】
印刷工程が終了すれば、印刷に使用した印刷版を排出する。そして、図示しないブランケット胴洗浄装置により第1、第2のブランケット胴13、14を洗浄して印刷工程を終了する。
【0050】
次に、上述した印刷装置において、印刷物の欠陥を検出して表示する欠陥表示方法について説明する。図4は、欠陥表示動作を示すフローチャートである。
【0051】
最初に、実際に印刷が行われた第1の印刷物を撮像部60で撮像し、その画像データを取り組む(ステップS1)。この実際に印刷が行われた印刷物を撮像部60で撮像して得た画像データは、第1の画像データとして、図3に示す第2画像メモリ152に記憶される。
【0052】
実際に印刷が行われた印刷物の画像全体を撮像部60で撮像するときには、第2画像メモリ152の容量やデータの転送速度等の制限から、印刷物の全領域を高い解像度で撮像することは困難である。特に、印刷物の画像全体を印刷中にリアルタイムで欠陥検出する場合、高解像度データでは処理時間が間に合わない場合がある。このため、印刷物の画像全体を、解像度が比較的低い第1の解像度D1で撮像するようにしている。このように印刷物の画像を解像度が比較的低い第1の解像度D1で撮像するためには、例えば、CCDラインセンサ66における各CCD素子のうち、数個毎のCCD素子のみを使用して撮像動作を実行するようにすればよい。
【0053】
例えば、本実施の形態では、CCDラインセンサ66は、印刷幅方向に解像度D0=400dpiで撮像するように光学系が設定されている。このCCDラインセンサを用いて撮像を行う場合に、4個おきのCCD素子から画像データを得れば、解像度D1=100dpiの低解像度で画像データが得られる。このようなCCD画素の間引きは、CCD素子から画像データを得るときに行ってもよいし、得られた400dpiの画像データを間引いて100dpiの画像データを作成するようにしてもよい。また4画素毎に間引く代わりに4画素毎の平均値を取るようにしてもよい。また、処理速度に問題がなければ、その他の公知の解像度変換アルゴリズムを利用してもよい。一方、印刷方向の解像度は、CCDの読取りサンプリングを印刷測度(印刷物の搬送速度)に応じて設定することで変更することができる。但し、特に印刷方向の解像度を印刷幅方向の解像度に合わせる必要はない。なお、上記数値は一例であるため、解像度D0、D1については、印刷速度や制御装置の処理能力に応じて適宜定めればよい。
【0054】
図3に示す第1画像メモリ151には、欠陥の検出に使用される基準となる画像データが記憶されている。この基準となる画像データは、例えば、PPFデータであり、図3に示す画像データ供給部153から供給されたデータである。または、この基準となる画像データは、例えば、基準紙の画像を撮影して得た画像データである。ここで、基準紙とは、校正紙とも呼称され、印刷の仕上がりの色調を指示することにより適正な印刷物の基準となるものである。但し、基準となる画像データとして、製版時に使用された製版データや、この製版データを加工して得た画像データを使用してもよい。
【0055】
次に、印刷物全体の画像をコントロールパネル100上に表示する(ステップS2)。
【0056】
図5は、コントロールパネル100による表示画面200を模式的に示す説明図である。
【0057】
この表示画面200には、メイン表示部201と、サブ表示部202、203から構成される。印刷物全体の画像は、メイン表示部201に表示される。なお、後述する欠陥検出工程において欠陥が検出されたときには、その欠陥位置205が、メイン表示部201に合わせて表示される。
【0058】
次に、印刷物全体の画像中に欠陥があるか否かを検出する(ステップS3)。この欠陥検出動作は、図6に示すサブルーチンにより実行される。
【0059】
欠陥を検出するためには、最初に、第1画像メモリ151に記憶された基準となる画像データを取り込む(ステップS31)。また、第2画像メモリ152に記憶された第1の画像データを取り込む(ステップS32)。
【0060】
次に、基準となる画像データと印刷物を撮像部60で撮像して得た第1の画像データとのサイズを合わせる(ステップS33)。すなわち、これらの画像データ間で、解像度や画素数等のサイズが相違する場合、これらが同一のサイズとなるように調整する。このサイズを合わせる技術については、例えば、特願2002−205117に記載されている。
【0061】
次に、各々の画素について、各画素間の差分を演算する(ステップS34)。この場合においては、レジスターマークや特定画素等を基準として基準となる画像データと第1の画像データとを位置決めした後、各画素間の差分の演算を実行する。なお、画像データの位置決めを行う技術については、例えば、特願2002−205117や特願2003−166335に記載されている。
【0062】
次に、上述した差分演算に基づき、欠陥画素を特定する(ステップS35)。この場合には、例えば、RGBやYMCKの各色成分の差の絶対値の合計や所定の表色系における色差等が既定値以上になる画素を欠陥画素として特定する。
【0063】
以上の動作を全画素について繰り返す(ステップS36)。なお、上述したように、第1の画像データは、その解像度が比較的低い第1の解像度D1となっていることから、全画素について上記の動作を繰り返した場合においても、その処理時間を比較的短いものとすることが可能となる。
【0064】
以上の動作が全ての画素について終了すれば、欠陥箇所を特定する(ステップS37)。この場合には、例えば、欠陥画素が所定数以上連続している箇所を欠陥箇所として特定する。そして、特定された欠陥箇所の位置である欠陥位置205を示すデータを取得して(ステップS38)、欠陥検出動作を終了する。
【0065】
再度図4を参照して、ステップS3において欠陥が発見されなかった場合には(ステップS4)、印刷を継続するか否かを判断する(ステップS8)。さらに印刷を継続する場合には、ステップS1に戻って処理を継続する。印刷を継続しない場合には、処理を終了する。
【0066】
一方、ステップS3において欠陥が発見された場合には、第1の印刷物の後に印刷が終了した第2の印刷物における欠陥位置付近を撮像部60で撮像し、その画像データを第2の画像データとして取り組む(ステップS5)。この第2の画像データは、図3に示す第2の画像メモリ152に記憶される。
【0067】
この場合においては、印刷物における欠陥位置205付近を、解像度が比較的低い第1の解像度D1よりも解像度が高い第2の解像度D2で撮像するようにしている。このように、印刷物の画像を解像度が比較的高い第2の解像度D2で撮像するためには、例えば、CCDラインセンサ66における各CCD素子の全てを使用して撮像動作を実行するようにすればよい。
【0068】
すなわち、この実施の形態では、第2の解像度D2による撮像はCCD素子本来の解像度D0=400dpiで行うことになるが、印刷物上の欠陥が検出された領域を含む一部分だけで画像データを得るようにする。これにより、高解像度ではあるが画像データ容量を低く押さえることができ、画像データの転送時間や画像処理時間が間に合わないという問題を防ぐことができる。なお、この例ではD2=D0としているが、D2>D1となる範囲で適宜必要な解像度を設定してもよい。
【0069】
なお、撮像部60による撮像間隔を所定枚(例えば数枚〜十数枚)とすれば、第1の印刷物が印刷された後第2の印刷物が印刷されるまでの間には、通常、数枚乃至十数枚の印刷物の印刷が行われている。しかしながら、第1の印刷物で発生した欠陥はその後続いて同一の場所で発生することが多い。このため、この発明においては、第1、第2の印刷物の画像を利用して、欠陥の検出とその拡大表示を行うようにしている。
【0070】
次に、第2の解像度D2で撮像された第2の画像データを利用して、欠陥画像を拡大表示する(ステップS6)。この場合においては、図6に示す欠陥位置205を含む欠陥が検出された領域204が拡大表示される。
【0071】
図7は、ステップS6において、コントロールパネル100による表示画面200を模式的に示す説明図である。
【0072】
この表示画面200におけるメイン表示部201には、図6に示す欠陥が検出された領域204が拡大表示される。拡大表示された欠陥が検出された領域204においては、欠陥位置205も拡大表示される。このとき、上述したように印刷物における欠陥位置205付近は、比較的解像度が高い第2の解像度D2で撮像されている。このため、欠陥位置205も高精度に拡大表示され、その欠陥の状態を確実に認識することが可能となる。
【0073】
なお、このときには、表示画面200におけるサブ表示部202に、印刷物全体の画像を縮小表示してもよい。この場合は、印刷物全体の画像と欠陥が検出された領域の画像とを同時に確認することが可能となる。また、このときには、表示画面200におけるサブ表示部203は、欠陥画像表示を終了させるためのタッチ入力用のキー領域として機能している。
【0074】
再度図4を参照して、引き続き欠陥画像表示を継続させる必要があるか否かを判断する(ステップS7)。この判断は、次のいずれかに基づいて行われる。
【0075】
すなわち、第1実施形態においては、予め設定した枚数の印刷物に対して、欠陥位置撮像工程(ステップS5)と欠陥画像拡大表示工程とを繰り返し実行したときに、それ以上の欠陥画像表示は不要であると判断して、欠陥画像の拡大表示を終了してステップS8に進む。
【0076】
また、第2実施形態においては、オペレータの入力があるまで欠陥位置撮像工程(ステップS5)と欠陥画像拡大表示工程とを繰り返し実行する。そして、オペレータが欠陥の内容を確認して、それ以上の欠陥画像表示は不要であると判断したときに、表示画面200におけるキー領域として機能するサブ表示部203を押圧することにより、欠陥画像の拡大表示を終了してステップS8に進む。
【0077】
そして、上述したように、印刷を継続するか否かを判断する(ステップS8)。さらに印刷を継続する場合には、ステップS1に戻って処理を継続する。印刷を継続しない場合には、処理を終了する。
【0078】
なお、上述した実施形態においては、印刷物の画像を解像度が比較的低い第1の解像度D1で撮像するために、CCDラインセンサ66における各CCD素子のうち、数個毎のCCD素子のみを使用して撮像動作を実行するようにしている。しかしながら、この発明はこのような形態に限定されるものではない。
【0079】
例えば、印刷物全体の画像を撮像するときと欠陥位置205を撮像するときとで光学系の倍率を変更することにより、解像度の異なる画像データを得るようにしてもよい。
【0080】
この場合は、例えばCCDラインセンサ66を欠陥位置に合わせて印刷幅方向に移動するように構成し、かつ、光学系の倍率をズーム可変して読取領域を限定して拡大読取りできるようにすることができる。
【0081】
その他の実施形態の変形例を一例として記載する。例えば上記実施の形態では、表示画面200に印刷物全体の画像と欠陥が拡大された画像とを切り替えて表示するようにしているが、ハード構成を拡大することで別の表示手段や別の表示ウィンドーに並列して表示するようにしてもよい。また欠陥が拡大された画像データをハードディスクなどに記憶しておいて適宜確認できるようにしたり、インクジェットプリンターなどで印刷出力するようにしてもよい。さらに、ハード構成を拡大してもよければ、撮像部60を2個以上設けることで、全体撮像と拡大撮像を同時に行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明を適用する印刷機の概要図である。
【図2】撮像部60を排紙胴19等の排紙機構とともに示す側面概要図である。
【図3】この印刷機の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【図4】欠陥表示動作を示すフローチャートである。
【図5】欠陥検出動作を示すフローチャートである。
【図6】コントロールパネル100による表示画面200を模式的に示す説明図である。
【図7】コントロールパネル100による表示画面200を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0083】
11 第1の版胴
12 第2の版胴
13 第1のブランケット胴
14 第2のブランケット胴
15 第1の圧胴
16 第2の圧胴
17 給紙胴
18 渡し胴
19 排紙胴
20 インキ供給装置
21 湿し水供給装置
23 チェーン
23 スプロケット
30 グリッパ
31 給紙部
32 排紙部
33 給版部
34 給版部
35 画像記録装置
36 画像記録装置
60 撮像部
100 コントロールパネル
140 制御部
143 CPU
151 第1の画像メモリ
152 第2の画像メモリ
153 画像データ供給部
200 表示画面
201 メイン表示部
202 サブ表示部
203 サブ表示部
204 欠陥位置が検出された領域
205 欠陥位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷が終了した印刷物を順次撮像して得た画像データに基づいて、印刷物の欠陥を表示する印刷物欠陥表示方法において、
印刷が終了した第1の印刷物を撮像することにより、第1の解像度を有する第1の画像データを得る第1撮像工程と、
前記第1撮像工程で得た画像データと基準となる画像データとを比較することにより、印刷物の欠陥を検出する欠陥検出工程と、
前記第1の印刷物の後に印刷が終了した第2の印刷物上において、前記欠陥検出工程で欠陥が検出された領域を撮像することにより、前記第1の解像度よりも解像度が高い第2の解像度を有する第2の画像データを得る第2撮像工程と、
前記第2の画像データに基づいて、前記欠陥が検出された領域を拡大表示する拡大画像表示工程と、
を備えたことを特徴とする印刷物欠陥表示方法。
【請求項2】
印刷が終了した印刷物を順次印刷中に撮像して得た画像データに基づいて、印刷物の欠陥を表示する印刷物欠陥表示方法において、
印刷物を所定の解像度D0で撮像可能な撮像手段を用いて、印刷が終了した第1の印刷物の画像を撮像することにより第1の画像データを得る第1の撮像工程と、
前記第1の撮像工程で得た第1の画像データを間引きまたは平均化して前記解像度D0よりも低い解像度D1で画像データを得て、この解像度D1の画像データに基づいて印刷物上の欠陥を検出する欠陥検出工程と、
前記第1の印刷物の後に印刷された第2の印刷物を撮像し、前記欠陥検出工程で欠陥が検出された領域を含む一部の領域について、前記解像度D1よりも高い解像度D2を有する第2の画像データを得る第2の撮像工程と、
前記第2の撮像工程で得た第2の画像データに基づいて、前記欠陥が検出された領域を拡大表示す拡大画像表示工程と、
を備えたことを特徴とする印刷物欠陥表示方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の印刷物欠陥表示方法において、
前記拡大画像表示工程においては、予め設定した枚数の印刷物に対して前記第2撮像工程と前記拡大表示工程を実行した後、再度、前記第1撮像工程に戻って処理を繰り返す印刷物欠陥表示方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の印刷物欠陥表示方法において、
前記拡大画像表示工程においては、オペレータの入力があるまで前記第2撮像工程と前記拡大表示工程を実行した後、再度、前記第1撮像工程に戻って処理を繰り返す印刷物欠陥表示方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の印刷物欠陥表示方法において、
前記拡大表示工程において、前記第1の画像データに基づいて第1の印刷物全体の画像を、前記欠陥が検出された領域の画像とともに表示する印刷物欠陥表示方法。
【請求項6】
印刷が終了した印刷物を順次撮像して得た画像データに基づいて、印刷物の欠陥を表示する印刷物欠陥表示装置において、
印刷が終了した印刷物の画像を撮像可能な撮像部と、
基準となる画像データを記憶する画像メモリと、
前記撮像部により印刷が終了した第1の印刷物を前記撮像部により撮像して得た、第1の解像度を有する第1の画像データと、前記画像メモリに記憶された基準となる画像データとを比較することにより、印刷物の欠陥を検出する欠陥検出手段と、
前記撮像部により前記第1の印刷物の後に印刷が終了した第2の印刷物における前記欠陥検出手段で欠陥が検出された領域を前記撮像部により撮像して得た、前記第1の解像度よりも解像度が高い第2の解像度を有する第2の画像データに基づいて、前記欠陥が検出された領域を拡大表示する画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする印刷物欠陥表示装置。
【請求項7】
印刷が終了した印刷物を順次印刷中に撮像して得た画像データに基づいて、印刷物の欠陥を表示する印刷物欠陥表示装置において、
印刷が終了した印刷物の画像を撮像可能な撮像部と、
基準となる画像データを記憶する画像メモリと、
前記撮像部により印刷が終了した第1の印刷物を撮像して得た第1の画像データを間引きまたは平均化して低解像度D1の第1の画像データを得るとともに、この第1の画像データを前記画像メモリに記憶された基準となる画像データとを比較することにより、印刷物の欠陥を検出する欠陥検出手段と、
前記撮像部により前記第1の印刷物の後に印刷が終了した第2の印刷物上において、前記欠陥検出手段で欠陥が検出された領域を含む一部の領域について、前記第1の解像度D1よりも解像度が高い第2の解像度D2で撮像することにより得た第2の画像データに基づいて、前記欠陥が検出された領域を拡大表示する画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする印刷物欠陥表示装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の印刷物欠陥表示装置において、
前記画像表示手段は、前記第1の画像データに基づいて第1の印刷物全体の画像を、前記欠陥が検出された領域の画像とともに表示する印刷物欠陥表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−7659(P2006−7659A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190041(P2004−190041)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】