説明

原稿送り装置、画像読取装置及び画像形成装置

【課題】原稿サイズの不整合の種別(原稿幅の不整合、原稿長の不整合)に合わせて使用者に表示する操作案内の内容を変えることができる技術を提供する。
【解決手段】本発明の原稿送り装置は、原稿トレイ11上で原稿の原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段と、搬送路31上で原稿の原稿幅を検知する第2原稿幅検知手段と、原稿トレイ11上で原稿の原稿長を検知する第1原稿長検知手段と、搬送路31上で原稿の原稿長を検知する第2原稿長検知手段と、使用者に対して操作案内を表示する表示手段と、第1原稿幅検知手段が検知した原稿幅と第2原稿幅検知手段が検知した原稿幅とに不整合が生じた場合には、表示手段に第1の内容で操作案内を表示し、第1原稿長検知手段が検知した原稿長と第2原稿長検知手段が検知した原稿長とに不整合が生じた場合には、表示手段に第1の内容と異なる第2の内容で操作案内を表示するように制御する制御部90とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿送り装置、画像読取装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿載置台上の原稿サイズセンサで検知された原稿サイズと、原稿主走査方向幅検知及び副走査方向幅検知から得られた原稿サイズとの間に相違があった場合に、原稿読取部における原稿画像の読み取りを禁止する画像形成装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、原稿載置台に載置された原稿束の最大原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段と、搬送部により原稿載置台から1枚ずつ分離された原稿の原稿幅を検知する第2原稿幅検知手段とが、それぞれ検知した原稿幅が相違したときに、搬送部に原稿の搬送を再開可能に中断させる原稿送り装置とこれを備える画像形成装置が開示されている。また、引用文献2には、原稿載置台に載置された原稿束の最大原稿長を検知する第1原稿長検知手段と、搬送部により原稿載置台から1枚ずつ分離された原稿の原稿長を検知する第2原稿幅検知手段とが、それぞれ検知した原稿長が相違したときに、搬送部に原稿の搬送を再開可能に中断させる原稿送り装置とこれを備える画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−134309号公報
【特許文献2】特開2009−67559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、原稿サイズの不整合の種別(原稿幅の不整合、原稿長の不整合)に合わせて使用者に表示する操作案内の内容を変えることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
原稿が置かれる原稿台と、
前記原稿台に置かれた原稿を1枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿幅を検知する第2原稿幅検知手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿長を検知する第1原稿長検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿長を検知する第2原稿長検知手段と、
使用者に対して操作案内を表示する表示手段と、
前記第1原稿幅検知手段が検知した原稿幅と前記第2原稿幅検知手段が検知した原稿幅とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に第1の内容で操作案内を表示し、前記第1原稿長検知手段が検知した原稿長と前記第2原稿長検知手段が検知した原稿長とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に前記第1の内容と異なる第2の内容で操作案内を表示するように制御する制御手段と
を有する原稿送り装置
に係るものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
前記原稿台に置かれた原稿を原稿幅方向で位置決めする位置決め部材を有し、
前記制御手段は、前記第1原稿幅検知手段が検知した原稿幅と前記第2原稿幅検知手段が検知した原稿幅とに不整合が生じた場合に、前記位置決め部材の位置を原稿の幅に合わせるように指示する内容の操作案内を前記表示手段に表示するように制御する
請求項1記載の原稿送り装置
に係るものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、
前記制御手段は、前記第1原稿長検知手段が検知した原稿長と前記第2原稿長検知手段が検知した原稿長とに不整合が生じた場合に、前記原稿台に置かれた原稿以外のものを取り除くように指示する内容の操作案内を前記表示手段に表示するように制御する
請求項1又は2記載の原稿送り装置
に係るものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
原稿送り装置と、
前記原稿送り装置で送られた原稿の画像を読み取る読取手段とを備え、
前記原稿送り装置は、
原稿が置かれる原稿台と、
前記原稿台に置かれた原稿を1枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿幅を検知する第2原稿幅検知手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿長を検知する第1原稿長検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿長を検知する第2原稿長検知手段と、
使用者に対して操作案内を表示する表示手段と、
前記第1原稿幅検知手段が検知した原稿幅と前記第2原稿幅検知手段が検知した原稿幅とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に第1の内容で操作案内を表示し、前記第1原稿長検知手段が検知した原稿長と前記第2原稿長検知手段が検知した原稿長とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に前記第1の内容と異なる第2の内容で操作案内を表示するように制御する制御手段と
を有する画像読取装置
に係るものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
原稿送り装置および当該原稿送り装置で送られた原稿の画像を読み取る読取手段を有する画像読取装置と、
前記読取手段で読み取られた画像に基づいて、記録媒体に画像を記録する画像記録装置とを備え、
前記原稿送り装置は、
原稿が置かれる原稿台と、
前記原稿台に置かれた原稿を1枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿幅を検知する第2原稿幅検知手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿長を検知する第1原稿長検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿長を検知する第2原稿長検知手段と、
使用者に対して操作案内を表示する表示手段と、
前記第1原稿幅検知手段が検知した原稿幅と前記第2原稿幅検知手段が検知した原稿幅とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に第1の内容で操作案内を表示し、前記第1原稿長検知手段が検知した原稿長と前記第2原稿長検知手段が検知した原稿長とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に前記第1の内容と異なる第2の内容で操作案内を表示するように制御する制御手段と
を有する画像形成装置
に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、原稿サイズの不整合の種別(原稿幅の不整合、原稿長の不整合)に合わせて使用者に表示する操作案内の内容を変えることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、原稿幅に関して不整合が生じた場合に、その不整合を解消するための作業を使用者に促すことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、原稿長に関して不整合が生じた場合に、その不整合を解消するための作業を使用者に促すことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、原稿サイズの不整合の種別(原稿幅の不整合、原稿長の不整合)に合わせて使用者に表示する操作案内の内容を変更可能な原稿送り装置を備えた画像読取装置を提供することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、原稿サイズの不整合の種別(原稿幅の不整合、原稿長の不整合)に合わせて使用者に表示する操作案内の内容を変更可能な原稿送り装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像読取装置が備える原稿送り装置の構成の一部を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像読取装置が備える原稿送り装置の構成の一部を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像読取装置の全体構成を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像読取装置の外観を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像読取装置で行なわれる処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像読取装置で行なわれる処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【図8】原稿幅に不整合が生じた場合に表示される操作案内の一例を示す図である。
【図9】原稿長に不整合が生じた場合に表示される操作案内の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下に記述する実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
【0018】
(本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【0019】
本実施の形態に係る画像形成装置100は、用紙等の記録媒体Pに画像を記録する画像記録装置110と、原稿を搬送する原稿送り装置の一例として、原稿を搬送すると共にその原稿の画像を読み取る画像読取装置10とを備えている。
【0020】
画像読取装置10は、画像形成装置100の上部に配置され、画像記録装置110は、画像形成装置100の下部に配置されている。
【0021】
画像読取装置10は、原稿の画像を読み取り、その読み取った画像を画像信号に変換するようになっている。画像記録装置110は、画像読取装置10が変換した画像信号に基づいて記録媒体Pへ画像を記録するようになっている。
【0022】
ここで、本実施の形態に係る画像記録装置110の構成について説明する。
【0023】
本実施の形態に係る画像記録装置110は、図1に示すように、その下部に複数の記録媒体収容部120、121を備えている。
【0024】
記録媒体収容部120、121には、それぞれ、サイズの異なる記録媒体Pが収容されている。例えば、記録媒体収容部120には、B5サイズの記録媒体Pが収容され、記録媒体収容部121には、B4サイズの記録媒体Pが収容される。
【0025】
記録媒体収容部120、121の先端側(図1において右端側)の直上には、記録媒体Pの上面の先端側に接触して回転し、記録媒体収容部120、121から記録媒体Pを送り出す送出しロール126が配置されている。
【0026】
画像記録装置110内には、記録媒体収容部120、121の先端部から延出して、S字状に湾曲し、画像記録装置110の上部へ向かって延びる搬送路122が形成されている。
【0027】
この搬送路122に沿って、記録媒体の搬送方向の上流側から順に、記録媒体Pを挟持搬送する複数(例えば、6つ)の搬送ロール対164と、レジストロール168とが配置されている。
【0028】
記録媒体収容部121の上方には、記録媒体Pへ画像を記録する画像記録部130が配置されている。
【0029】
記録媒体収容部120、121に収容された記録媒体Pは、送出しロール126により送り出され、搬送ロール対164及びレジストロール168によって搬送路122を搬送されて画像記録部130へ送られる。
【0030】
画像記録部130は、記録媒体収容部120、121から送られてきた記録媒体Pに、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色トナーを用いて記録媒体Pにカラー画像を形成するようになっている。
【0031】
画像記録部130には、4つの感光体ドラム112が並んで回転可能に配設されている。各感光体ドラム112は、図示しない駆動部により、矢印Kの方向に回転する。
【0032】
各感光体ドラム112の左斜め下部には、帯電ローラ114が感光体ドラム112に接触するように配設されている。帯電ローラ114は、感光体ドラム112の表面を所定の電位に帯電する。
【0033】
帯電後、各感光体ドラム112の下方に配置された各露光ヘッド116から出射された光によって露光が行われ、画像読取装置10が変換した画像信号に応じた潜像が感光体ドラム112の表面に形成される。
【0034】
各色の現像器118の現像ローラ119には、所定の極性に帯電した各色トナーが保持されている。各感光体ドラム112の表面に形成された潜像は、現像ローラ119に現像バイアスを印加することで現像され各色のトナー像となる。
【0035】
4個の各感光体ドラム112にそれぞれ形成された各色のトナー像は、各感光体ドラム112の上方に配置された中間転写ベルト113上に第1転写ローラ115で転写され、中間転写ベルト113上に重畳されてフルカラーのトナー像となる。
【0036】
記録媒体収容部120、121から送り出されると共に搬送ロール対164で搬送された記録媒体Pは、レジストローラ168により所定のタイミングで第2転写ローラ132と中間転写ローラ134とのニップ部に送られ、フルカラーのトナー像が記録媒体Pに転写される。このとき、トナー像は中間転写ローラ134側の記録媒体Pの面に転写される。
【0037】
フルカラーのトナー像が転写された記録媒体Pは、定着器136に送られる。定着器136は熱と圧力とで記録媒体Pにトナー像を定着する。トナー像が定着した記録媒体Pは、排出ローラ142によって排紙トレイ140へ排出される。
【0038】
なお、中間転写ベルト113と記録媒体Pとにトナー像は全て転写されずに、一部は感光体ドラム112及び中間転写ベルト113に残留トナーとして残る。感光体ドラム112上の残留トナーはクリーニングロール144により除去され、中間転写ベルト113上の残留トナーはクリーニング装置138によって除去される。
【0039】
(本発明の実施の形態に係る画像読取装置の構成)
次に、本発明の実施の形態に係る画像読取装置の構成について、上記図1とあわせて図2〜図4を用いて説明する。
【0040】
本実施の形態に係る画像読取装置10は、原稿が置かれる原稿台の一例として設けられた原稿トレイ11と、原稿トレイ11を上昇および下降させるトレイリフタ12とを備えている。原稿トレイ11には、原稿が1枚だけ置かれる場合と、複数枚の原稿をひとまとめに重ね合わせた原稿束が置かれる場合がある。また、原稿トレイ11には、同一サイズの原稿だけでなく、異なるサイズの原稿を重ねて置けるようになっている。
【0041】
原稿トレイ11には、異なるサイズの原稿、すなわち原稿送り方向Aに沿った距離である原稿長と、原稿送り方向Aと直交する方向に沿った距離である原稿幅との少なくとも一方が異なる原稿を載置可能となっている。
【0042】
また、画像読取装置10は、原稿トレイ11に置かれた原稿を1枚ずつ分離して搬送する搬送手段として設けられた搬送部37と、搬送部37によって搬送された原稿の画像を読み取る読取手段として設けられた読取部70と、読取部70によって読み取られた原稿の画像に基づく画像信号を処理する処理装置80とを備えている。
【0043】
搬送部37は、トレイリフタ12により上昇された原稿トレイ11から原稿を送り出す送出しロール13、送出しロール13により送り出された原稿を更に下流側まで搬送するフィードロール14、送出しロール13により送り出された原稿を1枚ずつに分離する分離ロール15を備えている。
【0044】
また、搬送部37は、原稿トレイ11から送り出された原稿が最初に搬送される第1搬送路31を備えている。この第1搬送路31には、一枚ずつに分離された原稿を下流側のロールまで搬送するテイクアウェイロール16、原稿を更に下流側のロールまで搬送すると共にループ作成を行うプレレジロール17、一旦、停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、読取部70に対してレジストレーション調整を施しながら原稿を供給するレジロール18、読み込み中の原稿搬送をアシストするプラテンロール19、読み込まれた原稿を更に下流に搬送するアウトロール20を備えている。
【0045】
また、第1搬送路31には、搬送される原稿のループ状態に応じて支点を中心として回動するバッフル41が設けられている。
【0046】
アウトロール20の下流側には、第2搬送路32および第3搬送路33が設けられている。第2搬送路32および第3搬送路33との分岐には、この第2搬送路32および第3搬送路33を切り替える搬送路切替ゲート42が設けられている。
【0047】
第2搬送路32の下流側には、読み取りが終了した原稿が排出される排出部の一例としての排出トレイ40が設けられている。この排出トレイ40へ原稿を排出させる第1排出ロール21が、第2搬送路32に設けられている。
【0048】
また、第3搬送路33の下流側には、第3搬送路33を経由した原稿をスイッチバックさせるための第4搬送路34が形成されている。
【0049】
第4搬送路34には、原稿のスイッチバックを行うインバータロール22およびインバータピンチロール23が設けられている。
【0050】
第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を再度、第1搬送路31に導く第5搬送路35が、第4搬送路34と第1搬送路31とを通じている。
【0051】
第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を排出トレイ40に排出する第6搬送路36が、第4搬送路34と通じている。第6搬送路36には、反転排出される原稿を第1排出ロール21まで搬送する第2排出ロール24、第5搬送路35および第6搬送路36の搬送経路を切り替える出口切替ゲート43が設けられている。
【0052】
送出しロール13は、待機時にはリフトアップされて退避位置に保持され、原稿搬送時にニップ位置(原稿搬送位置)へ降下して原稿トレイ11上の最上位の原稿を搬送する。
【0053】
送出しロール13およびフィードロール14は、フィードクラッチ(図示せず)の連結によって原稿の搬送を行う。プレレジロール17は、停止しているレジロール18に原稿先端を突き当ててループを作成する。レジロール18では、ループ作成時に、レジロール18に噛み込んだ原稿先端をニップ位置まで戻している。このループが形成されると、バッフル41は支点を中心として開き、原稿のループを妨げることのないように機能している。
【0054】
また、テイクアウェイロール16およびプレレジロール17は、読み込み中におけるループを保持している。このループ形成によって、読み込みタイミングの調整が図られ、また、読み込み時における原稿搬送に伴うスキューを抑制して、位置合わせの調整機能を高めている。読み込みの開始タイミングに合わせて、停止されていたレジロール18が回転を開始し、プラテンロール19によって、第2プラテンガラス72Bに押圧されて、下面方向から画像データが読み込まれる。
【0055】
搬送路切替ゲート42は、片面原稿の読み取り終了時、および両面原稿の両面同時読み取りの終了時に、アウトロール20を経由した原稿を第2搬送路32に導き、排出トレイ40に排出するように切り替えられる。一方、この搬送路切替ゲート42は、両面原稿の順次読み取り時には、原稿を反転させるために、第3搬送路33に原稿を導くように切り替えられる。インバータピンチロール23は、両面原稿の順次読み取り時に、フィードクラッチ(図示せず)がオフの状態でリトラクトされてニップが開放され、原稿を第4搬送路34へ導いている。その後、このインバータピンチロール23はニップされ、インバータロール22によってインバートする原稿をプレレジロール17へ導き、また、反転排出する原稿を第6搬送路36の第2排出ロール24まで搬送している。
【0056】
読取部70は、画像読取装置10の下部に設けられている。読取部70は、搬送部37によって搬送された原稿の画像を光学的に読み取る。読取部70の筐体を形成する装置フレーム71には、画像を読み込むべき原稿を静止させた状態で載置する第1プラテンガラス72A、搬送中の原稿を読み取るための光の開口部を形成する第2プラテンガラス72Bが設けられている。
【0057】
また、読取部70は、第2プラテンガラス72Bの下に静止し、第1プラテンガラス72Aの全体に亘ってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ73、フルレートキャリッジ73から得られた光を像結合部へ提供するハーフレートキャリッジ75を備えている。フルレートキャリッジ73には、原稿に光を照射する照明ランプ74、原稿から得られた反射光を受光する第1ミラー76Aが備えられている。更に、ハーフレートキャリッジ75には、第1ミラー76Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー76Bおよび第3ミラー76Cが備えられている。
【0058】
更に、読取部70は、第3ミラー76Cから得られた光学像を光学的に縮小する結像用レンズ77、結像用レンズ77によって結像された光学像を光電変換するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ78、CCDイメージセンサ78を備える駆動基板79を備えている。CCDイメージセンサ78によって得られた画像信号は駆動基板79を介して処理装置80に送られる。処理装置80は、画像信号を露光ヘッド116へ送るようになっている。
【0059】
ここで、まず、第1プラテンガラス72Aに載置された原稿の画像を読み取る場合には、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とが、2:1の割合でスキャン方向(矢印方向)に移動する。このとき、フルレートキャリッジ73の照明ランプ74の光が原稿の被読み取り面に照射されると共に、その原稿からの反射光が第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cの順に反射されて結像用レンズ77に導かれる。結像用レンズ77に導かれた光は、CCDイメージセンサ78の受光面に結像される。CCDイメージセンサ78は1次元のセンサであり、1ライン分を同時に処理している。このライン方向(スキャンの主走査方向)の1ラインの読み取りが終了すると、主走査方向とは直交する方向(副走査方向)にフルレートキャリッジ73を移動させ、原稿の次のラインを読み取る。これを原稿サイズ全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
【0060】
一方、第2プラテンガラス72Bは、例えば長尺の板状構造をなす透明なガラスプレートで構成される。搬送部37によって搬送される原稿がこの第2プラテンガラス72Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とは、図1に示す実線の位置(左端)に停止した状態にある。まず、搬送部37のプラテンロール19を経た原稿の1ライン目の反射光が、第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cを経て結像用レンズ77にて結像され、CCDイメージセンサ78によって画像が読み込まれる。即ち、1次元のセンサであるCCDイメージセンサ78によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、搬送部37によって搬送される原稿の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。原稿の先端が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置に到達した後、原稿が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの読み取りが完了する。
【0061】
本実施の形態に係る画像読取装置10では、原稿送り方向Aに直交する方向(主走査方向)の中央位置(原稿における主走査方向の中央位置)を基準として原稿を搬送し、この搬送された原稿を読み取るセンターレジストレーションが採用されている。このセンターレジストレーションを実現するにあたっては、主走査方向で原稿をセンター振り分けとして、一対の原稿ガイド61,62を原稿トレイ11の原稿載置面に設けている。
【0062】
一対の原稿ガイド61,62は、原稿トレイ11に置かれた原稿を原稿幅方向で位置決めする位置決め部材の一例として設けられたものである。一対の原稿ガイド61,62のうち、一方の原稿ガイド61は、画像形成装置100を使用(操作)する使用者の立ち位置から見て奥側に配置され、他方の原稿ガイド62は、当該使用者の立ち位置から見て手前側に配置されている。このため、以降の説明では、一方の原稿ガイド61を奥側ガイド61とも呼び、他方の原稿ガイド62を手前側ガイド62とも呼ぶこととする。
【0063】
奥側ガイド61および手前側ガイド62は、原稿トレイ11に形成されたスライド溝65により、原稿送り方向Aに直交する方向(奥行き方向、原稿の幅方向)に移動可能に構成されている。
【0064】
また、奥側ガイド61および手前側ガイド62は、奥側ガイド61および手前側ガイド62を原稿の幅方向端部に当てて原稿の幅方向端部が揃えられることで、原稿を主走査方向で位置決めする。
【0065】
さらに、奥側ガイド61および手前側ガイド62は、原稿トレイ11の原稿載置面の裏側(原稿トレイの内側)に設けられるラック63とそれぞれ連結され、奥側ガイド61から延びるラック63と手前側ガイド62から延びるラック63とは、ピニオン64に連結されている。このラック63とピニオン64とによって、奥側ガイド61および手前側ガイド62は、一方のガイドのスライド動作に連動してスライドし、その両者のスライド量は、同等に制御される。奥側ガイド61および手前側ガイド62が奥行き方向のセンター(中心位置)から均等となる位置に配置されていれば(センター振り分けがなされていれば)、奥側ガイド61および手前側ガイド62によって形成される奥行き方向長さのセンター(中心位置)は、これらのガイドがスライドした後であっても維持される。
【0066】
画像読取装置10は、図3に示すように、原稿トレイ11に載置された原稿の原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段の一例としての第1原稿幅検知センサ50を備えている。第1原稿幅検知センサ50は、原稿トレイ11に異なるサイズの原稿が複数枚、原稿束として置かれた場合は、当該原稿束の最大原稿幅を検知することになる。
【0067】
第1原稿幅検知センサ50は、奥側ガイド61のスライド移動に伴って、奥側ガイド61と一体に移動する移動体52を備えている。
【0068】
移動体52は、断面L字状に屈曲された板体で構成され、奥側ガイド61のラック63と一体に構成されている。移動体52には、複数の開口53が設けられている。各々の開口53は、移動体52の移動方向(長手方向)において、互いに異なる位置に設けられている。
【0069】
第1原稿幅検知センサ50は、移動体52に沿って配置された複数の光センサ54を備えている。光センサ54の発光部54Aと受光部54Bとの間を、開口53が形成された移動体52を移動するようになっており、発光部54Aと受光部54Bとの間に開口53が位置すると、光センサ54の発光部54Aから照射された光を受光部54Bが受光し、発光部54Aと受光部54Bとの間に開口53が位置しなければ、光センサ54の発光部54Aから照射された光を受光部54Bが受光しない。
【0070】
このように、奥側ガイド61と一体に移動する移動体52の開口53の位置により、原稿トレイ11に載置された原稿束の原稿幅を検知するようになっており、奥側ガイド61の位置を基準に原稿トレイ11に載置された原稿束の原稿幅が検知される。
【0071】
ここで、奥側ガイド61及び手前側ガイド62は、異なる原稿幅の原稿が原稿トレイ11に載置された場合には、異なる原稿幅の原稿のうち、最大幅の原稿の端部に当たって、原稿を位置決めすることになる。このため、奥側ガイド61の位置により検知される原稿の原稿幅は、原稿トレイ11に載置された原稿束の最大原稿幅となる。
【0072】
なお、本実施の形態では、光センサ54を3つ設けた構成で、8つの原稿幅を検知可能となっている。
【0073】
また、原稿トレイ11に置かれた原稿の原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段としては、ピニオン64の回転量に基づき、奥側ガイド61及び手前側ガイド62の位置を認識して、奥側ガイド61及び手前側ガイド62に位置決めされた原稿の原稿幅を検知する原稿幅検知センサであってもよい。
【0074】
また、奥側ガイド61及び手前側ガイド62に位置決めされた原稿の原稿幅を、反射型のセンサ等により直接検知することで、原稿トレイ11に載置された原稿束の最大原稿幅を検知する構成であってもよい。
【0075】
本実施の形態では、図2に示すように、第1搬送路31におけるフィードロール14の下流側近傍に、搬送部37により原稿トレイ11から1枚ずつ分離して搬送された原稿の原稿幅を検知する第2原稿幅検知手段の一例としての第2原稿幅検知センサ66が設けられている。
【0076】
この第2原稿幅検知センサ66は、例えば反射型センサが用いられ、載置されると予想される原稿幅(A4縦、A4横、A5横、B4横、B5縦、等のA/B系列や、インチ系のサイズ等)の検知を考慮して、その配置間隔が決定されている。
【0077】
例えば、1つのセンサがONとなった場合はB5サイズと検知し、2つのセンサがONとなった場合はA4サイズと検知し、3つのセンサがONとなった場合はB4サイズと検知し、4つのセンサがONとなった場合はA3サイズと検知する構成としてもよい。
【0078】
なお、第2原稿幅検知センサ66は、図3に示す例では、原稿束が原稿の奥側と送り方向先端側とが揃えられて載置されることを前提に手前側ガイド62側に設けられているが、原稿束が手前側又は幅方向中央部に載置された場合においても検知できるように、第2原稿幅検知センサ66を配置してもよい。
【0079】
また、本実施の形態では、図4に示すように、原稿トレイ11には、原稿トレイ11に置かれた原稿の原稿長を検知する第1原稿長検知手段の一例としての第1原稿長検知センサ56が設けられている。
【0080】
第1原稿長検知センサ56は、複数のセンサ(例えば、反射型センサ)を用いて構成されている。第1原稿長検知センサ56は、原稿トレイ11に載置されると予想される原稿長(A4縦、A4横、A5横、B4横、B5縦、等のA/B系列や、インチ系のサイズ等)の検知を考慮して、センサの配置間隔が決定されている。
【0081】
例えば、1つのセンサがONとなった場合はB5サイズと検知し、2つのセンサがONとなった場合はA4サイズと検知し、3つのセンサがONとなった場合はB4サイズと検知し、4つのセンサがONとなった場合はA3サイズと検知する構成としてもよい。
【0082】
また、搬送路31には、搬送部37により原稿トレイ11から1枚ずつ分離して搬送された原稿の原稿長を検知する第2原稿長検知手段の一例としての第2原稿長検知センサ68、69が設けられている。
【0083】
第2原稿長検知センサ68、69は、例えば反射型センサを用いて構成されている。第2原稿長検知センサ68、69は、原稿トレイ11に載置されると予想される原稿長(A4縦、A4横、A5横、B4横、B5縦、等のA/B系列や、インチ系のサイズ等)の検知を考慮して、センサの配置間隔が決定されている。
【0084】
第2原稿長検知センサ69が原稿の先端を検知し、そのときに第2原稿長検知センサ68が原稿を検知するか否かによって、原稿の原稿長を検知するようになっている。
【0085】
なお、第2原稿長検知センサ69が原稿の先端を検知し、第2原稿長検知センサ68が原稿の後端を検知し、原稿の先端を検知してから原稿の後端を検知するまでの時間、第2原稿長検知センサ68と第2原稿長検知センサ69との距離、搬送速度に基づき、原稿の長さを検知する構成としてもよい。
【0086】
第1原稿幅検知センサ50、第2原稿幅検知センサ66、第1原稿長検知センサ56及び第2原稿長検知センサ68、69には、制御部90が接続されている。そして、第1原稿幅検知センサ50、第2原稿幅検知センサ66、第1原稿長検知センサ56及び第2原稿長検知センサ68、69の検知信号、すなわち原稿の原稿幅情報及び原稿長情報は、制御部90に送られるようになっている。
【0087】
制御部90は、搬送部37の駆動を制御する。このため、各種ロールの動作やゲートの切り替え動作等は、制御部90によって制御される。
【0088】
また、図5に示すように、画像読取装置10の筐体表面には、画像形成装置100を使用(操作)する使用者が操作可能な操作部の一例としての操作パネル58が設けられている。この操作パネル58は、使用者へ報知する情報が表示される表示部の一例としての表示パネル59を備えている。
【0089】
ここで、本実施の形態に係る画像読取装置10は、異なるサイズの原稿の搬送を許容する混載原稿モードと、異なるサイズの原稿の搬送を許容しない通常モードを有している。通常モードでは、同じサイズの原稿のみの搬送を許容するようになっている。
【0090】
本実施の形態では、混載原稿モードにおいて、異なるサイズの原稿を同時に束ねて原稿トレイ11上に載置し、その原稿束から異なるサイズの原稿を順次搬送し、その原稿の画像を読み取るようになっている。
【0091】
混載原稿モードは、操作パネル58を通じて使用者が選択することで設定される。混載原稿モードが選択されると、制御部90が混載原稿モードの処理を行う。
【0092】
混載原稿モードでは、第2原稿幅検知センサ66及び第2原稿長検知センサ68、69により、搬送される原稿の一枚一枚のサイズを検知すると共に、原稿の画像を読み取る。
【0093】
この原稿の原稿幅情報及び原稿長情報は、制御部90を介して画像記録装置110に送られ、例えば、B5サイズの原稿の画像は、B5サイズの記録媒体Pにコピーし、B4サイズの原稿の画像は、B4サイズの記録媒体Pにコピーする。
【0094】
(本発明の実施の形態に係る画像読取装置の処理手順)
図6および図7は本発明の実施の形態に係る画像読取装置で行なわれる処理手順を示すフローチャートである。
【0095】
まず、制御部90は、原稿トレイ11に原稿が存在するかどうかを確認する(ステップS1)。原稿トレイ11上での原稿の有無は、例えば、図示はしないが、使用者が原稿トレイ11に原稿をセットしたときに、当該原稿の先端が突き当たることで位置や姿勢が変化するアクチュエータと、当該アクチュエータの動きに連動してオンオフ状態が切り替わるセンサ(以下、「原稿有無センサ」と記す)とを用いて検知する。制御部90は、原稿有無センサから出力される検知信号に基づいて、原稿トレイ11に原稿が置かれたかどうかを判断する。
【0096】
次に、制御部90は、操作パネル58に設けられたスタートボタンが押下されたかどうかを判断する(ステップS2)。そして、スタートボタンが押下されたと判断すると、制御部90は、原稿トレイ11に置かれた原稿の原稿幅W1を、第1原稿幅検知センサ50を用いて検知するとともに、原稿トレイ11に置かれた原稿の原稿長L1を、第1原稿長検知センサ56を用いて検知する(ステップS3)。
【0097】
次に、制御部90は、搬送部37を駆動して原稿をプリフィードする(ステップS4)。原稿のプリフィードは、次のような手順で行なわれる。まず、原稿トレイ11に置かれた原稿を第1搬送路31に向けて送出しロール13により送り出すとともに、当該原稿をフィードロール14と分離ロール15で1枚ずつ分離して第1搬送路31に送り出す。これにより、原稿トレイ11に置かれた原稿のうち、最上位に配置された原稿が第1搬送路31に送り出される。次に、第1搬送路31に沿って原稿をテイクアウェイロール16とプレレジロール17の回転により搬送することにより、原稿の先端をレジロール18のニップ部に突き当てた状態で原稿をループ状に撓ませる。以上が原稿のプリフィード動作である。プリフィードを終えた原稿は、レジロール18が回転を開始するまで、第1搬送路31上に一時停止した状態となる。
【0098】
次に、制御部90は、上記プリフィードによって搬送された原稿の原稿幅W2を、第2原稿幅検知センサ66を用いて検知するとともに、上記プリフィードによって搬送された原稿の原稿長L2を、第2原稿長検知センサ68、69を用いて検知する(ステップS5)。原稿幅W2および原稿長L2の検知は、プリフィード中に行なわれる。また、原稿幅W2の検知は、原稿長L2の検知よりも前に行なわれる。
【0099】
次に、制御部90は、上記ステップS3で検知した原稿幅W1とステップS5で検知した原稿幅W2とが相違しているかどうかを確認する(ステップS6)。原稿幅W1,W2が相違する場合とは、上記ステップS3で第1原稿幅検知センサ50が検知した原稿の原稿幅と上記ステップS5で第2原稿幅検知センサ66が検知した原稿の原稿幅とに不整合(ミスマッチ)が生じた場合に相当する。また、原稿幅W1,W2が相違しない(換言すると、原稿幅W1,W2が一致する)場合とは、上記ステップS3で第1原稿幅検知センサ50が検知した原稿の原稿幅と上記ステップS5で第2原稿幅検知センサ66が検知した原稿の原稿幅とに不整合が生じなかった場合、つまり双方の原稿幅が整合する場合に相当する。
【0100】
ここで、制御部90は、原稿幅W1,W2が相違しないと判断すると(W1=W2の場合)、上記ステップS3で検知した原稿長L1とステップS5で検知した原稿長L2とが相違しているかどうかを確認する(ステップS7)。原稿長L1,L2が相違する場合とは、上記ステップS3で第1原稿長検知センサ56が検知した原稿の原稿長と上記ステップS5で第2原稿長検知センサ68、69検知した原稿の原稿長とに不整合(ミスマッチ)が生じた場合に相当する。また、原稿長L1,L2が相違しない(換言すると、原稿長L1,L2が一致する)場合とは、上記ステップS3で第1原稿長検知センサ56が検知した原稿の原稿長と上記ステップS5で第2原稿長検知センサ68、69検知した原稿の原稿長とに不整合が生じなかった場合、つまり双方の原稿長が整合する場合に相当する。
【0101】
(原稿サイズに不整合が生じなかった場合)
ここで、制御部90は、上記ステップS6で原稿幅W1,W2が相違せず、上記ステップS7で原稿長L1,L2も相違しないと判断した場合は、ステップS12に移行して、原稿画像の読み取りを実行する。原稿画像の読み取りは、レジロール18の回転によって読取位置(第2プラテンガラス72B上)に送り込んだ原稿の画像を読取部7で読み取ることにより行なう。
【0102】
(原稿幅に不整合が生じた場合)
これに対して、制御部90は、上記ステップS6で原稿幅W1,W2が相違すると判断すると、画像記録装置110の動作を制御する主制御部に対して、原稿サイズ(原稿幅および原稿長)を通知済みであるかどうかを確認する(ステップS8)。主制御部に原稿サイズを通知すると、主制御部では、通知を受けた原稿サイズに基づいて、記録媒体に記録するページの割り当てを行なう。このため、原稿サイズの通知を行なう前であれば、画像形成条件(例えば、コピー倍率など)などの設定をやり直さなくても済むが、原稿サイズの通知を行なった後では、主制御部でのページの割り当てをキャンセルするために、そうした設定をやり直す必要がある。
【0103】
原稿サイズを通知済みでない場合は、制御部90は、表示パネル59に図8(A)のような操作案内Aを含む画面を表示させる(ステップS9)。操作案内Aは、原稿ガイド61,62の位置を原稿の幅に合わせるように指示する操作案内の一例として、表示パネル59に表示されるものである。操作案内Aの画面には、原稿トレイ11に置かれた原稿の位置を整え、かつ原稿の幅に合わせて原稿ガイド61,62の位置を合わせる作業のイメージ画像が含まれている。さらに、操作案内Aの画面には、「原稿ガイドの位置が、検知した原稿サイズと異なります。」というメッセージや、「すべての原稿をセットしなおして、ガイドの位置を原稿の幅に合わせ、[スタート]ボタンを押してください。」というメッセージや、「異なるサイズが混在した原稿の場合は、[クリア(C)]ボタンを押して読み込みを中止し、[ミックスサイズ原稿送り]を設定してください。」というメッセージが含まれている。
【0104】
次に、制御部90は、搬送部37を駆動することにより、搬送路に残っている原稿を排出トレイ40に排出させる(ステップS10)。
【0105】
次に、制御部90は、操作パネル58に設けられたスタートボタンが押下されたかどうかを判断する(ステップS11)。そして、スタートボタンが押下されたと判断すると、制御部90は、原稿画像の読み取りを実行させる(ステップS12)。また、制御部90は、スタートボタンの押下に続いて、クリアボタンの押下を確認する(ステップS13)。そして、スターボタンが押下されないまま、クリアボタンが押下されると、その段階で一連の処理を終える。クリアボタンは、スタートボタンとともに操作パネル58に設けられるものである。
【0106】
一方、原稿サイズを検知済みであった場合は、制御部90は、表示パネル59に図8(B)のような操作案内Bを含む画面を表示させる(ステップS14)。操作案内Bは、原稿ガイド61,62の位置を原稿の幅に合わせるように指示する操作案内の一例として、表示パネル59に表示されるものである。操作案内Bの画面には、原稿トレイ11に置かれた原稿の位置を整え、かつ原稿の幅に合わせて原稿ガイド61,62の位置を合わせる作業のイメージ画像が含まれている。さらに、操作案内Bの画面には、「原稿ガイドの位置が、検知した原稿サイズと異なります。」というメッセージや、「ガイドの位置を原稿の幅にあわせてください。異なるサイズが混在した原稿の場合は、[ミックスサイズ原稿送り]の設定が必要です。」というメッセージや、「[クリア(C)]ボタンで読み込みを中止して、もう一度すべての原稿をセットしなおしてください。」というメッセージが含まれている。
【0107】
次に、制御部90は、搬送部37を駆動することにより、搬送路に残っている原稿を排出トレイ40に排出させる(ステップS15)。
【0108】
次に、制御部90は、クリアボタンが押下されたかどうかを判断し(ステップS16)、クリアボタンが押下されると、その段階で一連の処理を終える。
【0109】
(原稿長に不整合が生じた場合)
また、制御部90は、上記ステップS7で原稿長L1,L2が相違すると判断すると、画像記録装置110の動作を制御する主制御部に対して、原稿サイズ(原稿幅および原稿長)を通知済みであるかどうかを確認する(ステップS17)。原稿サイズを通知済みでない場合は、制御部90は、表示パネル59に図9(A)のような操作案内Cを含む画面を表示させる(ステップS18)。操作案内Cは、原稿トレイ11に置かれた原稿以外のものを取り除くように指示する操作案内の一例として、表示パネル59に表示されるものである。操作案内Cの画面には、原稿トレイ11に置かれた原稿の位置を整え、かつ原稿以外のものを原稿トレイ11上から取り除く作業のイメージ画像が含まれている。さらに、操作案内Cの画面には、「原稿サイズが正しく検知できませんでした。」というメッセージや、「原稿送りトレイに原稿以外のものが置いてある場合は取り除き、もう一度すべての原稿をセットしなおして[スタート]ボタンを押してください。」というメッセージや、「異なるサイズが混在した原稿の場合は、[クリア(C)]ボタンを押して読み込みを中止し、[ミックスサイズ原稿送り]を設定してください。」というメッセージが含まれている。
【0110】
次に、制御部90は、搬送部37を駆動することにより、搬送路に残っている原稿を排出トレイ40に排出させる(ステップS19)。
【0111】
次に、制御部90は、操作パネル58に設けられたスタートボタンが押下されたかどうかを判断する(ステップS20)。そして、スタートボタンが押下されたと判断すると、制御部90は、上記ステップS12に移行して原稿画像の読み取りを実行させる。また、制御部90は、スタートボタンの押下に続いて、クリアボタンの押下を確認する(ステップS21)。そして、スターボタンが押下されないまま、クリアボタンが押下されると、その段階で一連の処理を終える。
【0112】
一方、原稿サイズを検知済みであった場合は、制御部90は、表示パネル59に図9(B)のような操作案内Dを含む画面を表示させる(ステップS22)。操作案内Dは、原稿トレイ11に置かれた原稿以外のものを取り除くように指示する操作案内の一例として、表示パネル59に表示されるものである。操作案内Dの画面には、原稿トレイ11に置かれた原稿の位置を整え、かつ原稿以外のものを原稿トレイ11上から取り除く作業のイメージ画像が含まれている。さらに、操作案内Dの画面には、「原稿サイズが正しく検知できませんでした。」というメッセージや、「原稿送りトレイに原稿以外のものが置いてある場合は取り除いてください。異なるサイズが混在した原稿の場合は、[ミックスサイズ原稿送り]の設定が必要です。」というメッセージや、「[クリア(C)]ボタンで読み込みを中止して、もう一度すべての原稿をセットしなおしてください。」というメッセージが含まれている。
【0113】
次に、制御部90は、搬送部37を駆動することにより、搬送路に残っている原稿を排出トレイ40に排出させる(ステップS23)。
【0114】
次に、制御部90は、クリアボタンが押下されたかどうかを判断し(ステップS24)、クリアボタンが押下されると、その段階で一連の処理を終える。
【0115】
以上の処理手順の中で、制御部90は、第1原稿幅検知センサ50が検知した原稿幅W1と第2原稿幅検知センサ66が検知した原稿幅W2とに不整合が生じた場合には、表示パネル59に第1の内容、すなわち原稿ガイド61,62の位置を原稿の幅に合わせるように指示する内容の操作案内A,Bを表示するように制御する。また、制御部90は、第1原稿長検知センサ56が検知した原稿長L1と第2原稿長検知センサ68、69が検知した原稿長L2とに不整合が生じた場合には、表示パネル59に第1の内容と異なる第2の内容、すなわち原稿トレイ11に置かれた原稿以外のものを取り除くように指示する内容の操作案内C,Dを表示するように制御する。
【符号の説明】
【0116】
10…画像読取装置、11…原稿トレイ、37…搬送部、50…第1原稿幅検知センサ、56…第1原稿長検知センサ、59…表示パネル、61…原稿ガイド(奥側ガイド)、62…原稿ガイド(手前側ガイド)、66…第2原稿幅検知センサ、68,69…第2原稿長検知センサ、70…読取部、90…制御部、100…画像形成装置、110…画像記録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が置かれる原稿台と、
前記原稿台に置かれた原稿を1枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿幅を検知する第2原稿幅検知手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿長を検知する第1原稿長検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿長を検知する第2原稿長検知手段と、
使用者に対して操作案内を表示する表示手段と、
前記第1原稿幅検知手段が検知した原稿幅と前記第2原稿幅検知手段が検知した原稿幅とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に第1の内容で操作案内を表示し、前記第1原稿長検知手段が検知した原稿長と前記第2原稿長検知手段が検知した原稿長とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に前記第1の内容と異なる第2の内容で操作案内を表示するように制御する制御手段と
を有する原稿送り装置。
【請求項2】
前記原稿台に置かれた原稿を原稿幅方向で位置決めする位置決め部材を有し、
前記制御手段は、前記第1原稿幅検知手段が検知した原稿幅と前記第2原稿幅検知手段が検知した原稿幅とに不整合が生じた場合に、前記位置決め部材の位置を原稿の幅に合わせるように指示する内容の操作案内を前記表示手段に表示するように制御する
請求項1記載の原稿送り装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1原稿長検知手段が検知した原稿長と前記第2原稿長検知手段が検知した原稿長とに不整合が生じた場合に、前記原稿台に置かれた原稿以外のものを取り除くように指示する内容の操作案内を前記表示手段に表示するように制御する
請求項1又は2記載の原稿送り装置。
【請求項4】
原稿送り装置と、
前記原稿送り装置によって搬送された原稿の画像を読み取る読取手段とを備え、
前記原稿送り装置は、
原稿が置かれる原稿台と、
前記原稿台に置かれた原稿を1枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿幅を検知する第2原稿幅検知手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿長を検知する第1原稿長検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿長を検知する第2原稿長検知手段と、
使用者に対して操作案内を表示する表示手段と、
前記第1原稿幅検知手段が検知した原稿幅と前記第2原稿幅検知手段が検知した原稿幅とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に第1の内容で操作案内を表示し、前記第1原稿長検知手段が検知した原稿長と前記第2原稿長検知手段が検知した原稿長とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に前記第1の内容と異なる第2の内容で操作案内を表示するように制御する制御手段と
を有する画像読取装置。
【請求項5】
原稿送り装置および当該原稿送り装置によって搬送された原稿の画像を読み取る読取手段を有する画像読取装置と、
前記読取手段で読み取られた画像に基づいて、記録媒体に画像を記録する画像記録装置とを備え、
前記原稿送り装置は、
原稿が置かれる原稿台と、
前記原稿台に置かれた原稿を1枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿幅を検知する第1原稿幅検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿幅を検知する第2原稿幅検知手段と、
前記原稿台に置かれた原稿の原稿長を検知する第1原稿長検知手段と、
前記搬送手段によって搬送された原稿の原稿長を検知する第2原稿長検知手段と、
使用者に対して操作案内を表示する表示手段と、
前記第1原稿幅検知手段が検知した原稿幅と前記第2原稿幅検知手段が検知した原稿幅とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に第1の内容で操作案内を表示し、前記第1原稿長検知手段が検知した原稿長と前記第2原稿長検知手段が検知した原稿長とに不整合が生じた場合には、前記表示手段に前記第1の内容と異なる第2の内容で操作案内を表示するように制御する制御手段と
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−22455(P2011−22455A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168761(P2009−168761)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】