説明

参照位置に対する位置の対応を決定するための装置および方法

参照位置(24)に対する位置(21)の対応を決定するための装置(30)であって、固定の無線送信機(22)の無線信号をその位置で受信できることを特徴とし、特定の無線送信機(22e)の識別子を決定するための、そして、第1の時刻(t1)にその特定の無線送信機の無線信号の信号特性を決定するための手段(32)であって、特定の無線送信機の識別子および無線信号の信号特性が、位置(21)のための測定パケット(MP)の少なくとも一部を示すことを特徴とする手段(32)と、位置(21)のための後処理された測定パケット(MP’)を得るために、測定パケット(MP)を後処理するための手段(36)であって、後処理するための手段は、第1の時刻(t1)が、特定の無線送信機(22e)の識別子が決定できた第2の時刻(t2)の前の最後の時間であって、そして、0.5秒以上の第1の時間(Δt)が、第1の時刻と第2の時刻の間にあり、その間特定の無線送信機(22e)の識別子を決定できない、第1の時刻(t1)から第1の時刻(t1)の後の第2の時刻(t2)までの間、特定の無線送信機(22e)の信号特性を少なくとも一時的に合成するために実行されることを特徴とする手段(36)と、対応を決定するために、参照位置(24)のための少なくとも1つの前に決定された参照測定パケット(RP)と、後処理された測定パケット(MP’)を比較するための手段(38)とを含むことを特徴とする装置(30)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、ワイヤレス通信ネットワークの移動端末装置を位置推定するまたはナビゲートするために使用できるような参照位置に対する位置の対応を決定する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動端末装置を位置推定するために、様々な位置推定技術が利用できる。おそらく最もよく知られている屋外の位置推定またはナビゲーションのためのシステムは、衛星援助されたグローバル・ポジショニング・システム(GPS)である。建物内または屋内の位置推定またはナビゲーションに関しては、例えば、赤外線システム、RFIDシステムまたはさらにIEE802.11のWLANネットワーク(WLAN=ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク)の場の強さ評価など、様々なアプローチが知られている。現在では、GPSシステムは、屋外に関してのみ確実に利用できる。最新の拡張、例えば非常に感度の良いレシーバまたはいわゆるA―GPS(アシスト型GPS)などは、その技術を建物内で使うことができるようにする試みを示す。A―GPSは、携帯移動無線ネットワークから衛星ベースのGPSシステムの使用法を、いわゆるアシスト情報の受信と組み合わせる。しかし、現在、これらの技術は、所望の平均精度をまだ有していない。赤外線システムおよびRFIDシステムは、通常、完全な有効範囲について利用できず、特定の要件に拘束されている。
【0003】
例えば、WLAN標準に基づくワイヤレス無線ネットワークの分布の増加によって、これらのワイヤレスネットワークは、新規な位置推定方法のための基礎をそれら自体に提供する。
【0004】
以前使用された一般の位置推定方法は、例えば三角測量、相隣関係、時間測定によるラテレーション(lateration)、または場の強さ評価によるラテレーションに基づく。これらの方法は、基地局の固定の無線送信機の位置が知られている必要がある、または、位置推定方法によってカバーされる環境においてトレーニングが前もって参照地点で実行される必要がある位置推定方法である。
【0005】
WLANベースの位置決システムにおいて、しばしば、いわゆる受信信号強度(RSS)指紋法は、基本的方法として使用される。この方法は、現在位置で受信されたまたは受信できるいくつかの無線局の無線信号の信号強度が、一意的に現在位置または現在地点を特徴づけるという仮定に基づく。いくつかの参照位置または参照地点のために、参照時刻にそこで受信したまたは受信できる無線局の送信器識別子、ならびに、対応している無線信号の信号強度を含む参照データベースが存在する場合、現在測定された測定値とそのデータベースの参照値との間でマッチングさせることによって、現在位置を現在の測定値(送信器識別子および関連した信号強度値)のセットから割り出すことができる。このマッチングは、参照点ごとに、それの前に記録された測定値または参照値が現在地点の現在の測定値とどのくらい類似しているかを評価する。それから、最も類似している参照点が、移動端末装置の現在位置のための推定値のための基準として使用される。
【0006】
参照測定時刻における参照地点で受信できる無線送信機の信号強度は、参照測定によって参照データベースのために実験的に決定される。これは、それぞれの関連した受信した場の強さおよび質を含んでいる無線送信機(アクセスポイント)のリストを、参照測定が実行された参照地点ごとに、含んでいるデータベースとなる。このリストは、参照パケットと呼ぶこともできる。WLAN実施態様に関して、この種の参照データベースは、例えば、以下のパラメータを含むことができる。
【0007】

【0008】

【0009】

【0010】
表は、以下の情報を含む。

−参照地点識別子(RID)

−受信された局のMACアドレス

−無線送信機の受信された場の強さRSSI(受信信号強度インジケータ(received signal strength indicator))、46560は、−46.560dBmを意味する)

−デカルト距離座標の参照地点(x、y、z;24583は、245.83mを意味する)、ならびに、

−測定値を記録する時間。
【0011】
列PGS(「Percentage Seen」)は、測定値を記録するときに、この局がパーセント基準で何回見つかったかについて指し示す(すなわち、PGS=90は、局が、平均して10測定中9回測定されたことを意味する)。
【0012】
上で示された表において、参照地点識別子(RID)と関連した全ての情報は、参照測定パケットに対応する。これは、例示的な上記表が、3つの異なる地理的参照地点に対応する3つの参照測定パケットを含んでいることを意味する。
【0013】
位置推定のために、それらのそれぞれの関連した受信した場の強さ(測定パケット)を有する現在受信した無線送信機は、マッチングフェーズにおいて、参照データベースからの参照パケットと比較される。現在の測定パケット、すなわち、多くの共通の無線送信機まで小距離およびほとんど異なっていない受信された場の強さを有している参照パケットは、現在の測定パケット値によくマッチする。よくマッチングしている参照パケットに属している参照地点は、非常に適しており、位置計算フェーズに入れられる。現在位置のための推定値は、例えば、現在の測定パケットと最も類似した参照パケットと関連した参照地点から、または、類似した参照パケットと関連したいくつかの参照地点の補間から生じる。
【0014】

【0015】

【0016】
ここで、EQWは、測定値の距離または信号強度値ΔRSSInの距離が、現在地点で過度に(Nhtm)またはごくわずか受信された無線送信機(Nnh)と比較して、どれだけ重く評価されるかを示している0と1との間の重みを意味する。参照値においては見つからないが現在測定された測定値においては含まれる無線送信機ごとに、ペナルティ値Mhtm,r()(r=1,…,Nhtm)は、定義されうる。また、参照値においては含まれるが現在測定された測定値においては見つからない無線送信機ごとに、ペナルティ値Mnh,m()(m=1,…,Nnh)は、定義されうる。
【0017】
参照パケットおよび現在の測定パケット間の異なる無線送信機の処理は、位置推定精度に重く影響しうる。参照測定パケットでは見つからないが現在の測定パケットには現れている無線送信機は、新しく建てられたか、この指紋がマッチしないことの強い指標である。
【0018】
移動測定の間、または、移動端末装置に関する測定パケットの連続検出の間、例えばノイズまたは遮る(shading)効果によって、少なくともいくつかのセクションにおいて、現在位置で受信できるか不確かである無線送信機の信号が測定できないことが起こりうる。ここで、移動測定は、移動端末装置が測定目的のために連続的に移動し、(参照測定のように)測定目的のために特定の位置に留まらせないことを意味する。マッチングフェーズに関して、これは、受信できるか不確かである無線送信機に関して、無線送信機が、例えば、まだそのすぐ前に受信可能であったにもかかわらず、それが現在は受信できない測定時刻の対応の基準を決定するために、ペナルティ値が、誤って計算されるという影響を及ぼしうる。ペナルティ値は、結果として、現在の測定パケットと参照パケットの間の対応のより劣った基準を生じさせ、そして、それ故に、マッチングフェーズにおいて現在の測定時刻に受信できるか不確かである無線送信機の場の強さの考慮と比較して、より劣った位置推定になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、現在の測定パケットと参照パケットの間の距離または対応計算が、より確実に実行できるように、マッチングフェーズのための現在の測定パケットを処理することが、本発明の目的ということになる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置および請求項13の方法によって解決される。
【0021】
本発明の知識は、その測定を記録する間、無線送信機から最後に受信した信号特性が、最後に受信された信号特性の測定時刻から始まる所定の時間の間、決定された無線送信機のどの最新の信号も、この所定の時間内に現在地点において受信されなければ、特定の無線送信機に割り当てられて、その結果、特定の無線送信機またはその信号特性が、その所定の時間内に現在の測定パケットと参照測定パケットの間の対応の決定において考慮できるとき、現在の測定時刻における測定パケットと参照パケットの間の対応計算の結果が、マッチングフェーズにおいて改善できることである。この場合、ペナルティ値が、特定の無線送信機のために誤って決定されずに済む。より最新の信号特性を有するより最新の無線信号が所定の時間内に現在地点の特定の無線送信機から受信できる場合、より最新の信号特性は、特定の無線送信機に割り当てられる。本発明の実施形態によれば、その所定の時間は、0.5秒以上の範囲にある。
【0022】
従って、本発明の実施形態は、参照位置に対する位置の対応を決定するための装置であって、固定の無線送信機の無線信号をその位置で受信できることを特徴とし、特定の無線送信機の識別子を決定するための、そして、第1の時刻に特定の無線送信機の無線信号の信号特性を決定するための手段であって、特定の無線送信機の識別子および無線信号の信号特性が、その位置のための測定パケットの少なくとも一部を示すことを特徴とする手段と、その位置のための後処理された測定パケットを得るために、測定パケットを後処理するための手段であって、後処理するためのその手段は、第1の時刻が、特定の無線送信機の識別子が決定できた第2の時刻の前の最後の時間であって、そして、0.5秒以上の第1の時間が、第1の時刻と第2の時刻の間にあり、その間特定の無線送信機の識別子を決定できない、第1の時刻から第1の時刻の後の第2の時刻までの間、特定の無線送信機の信号特性を少なくとも一時的に合成するために実行されることを特徴とする手段と、対応を決定するために、参照位置のための少なくとも1つの前に決定された参照測定パケットと、後処理された測定パケットを比較するための手段とを有する装置を提供する。
【0023】
後処理するための手段は、第1の時刻後の第1の時間内に、特定の無線送信機に第1の時刻に受信された特定の無線送信機の信号特性を割り当てるように適用される。
【0024】
実施形態によれば、後処理のための手段は、更に、第1の時刻から始まって第2の時間内に決定された特定の無線送信機の識別子の数に基づいて、その時間内のいくつの受信測定において特定の無線送信機の無線信号が受信できたかを示している受信された頻度値(例えばPGS値)を決定するように実行される。第1の時刻から始まっている第2の時間は、第1の時間に関する上限を示す。特定の無線送信機の識別子および無線信号の信号特性と共に、決定された受信された頻度値は、例えば、参照データベースに入れることができるその位置のための参照パケットの少なくとも一部として、役立ちうる。
【0025】
第1のおよび/または第2の時間は、例えば、移動速度および/または移動端末装置の環境に依存する。移動端末装置が、例えば、建物内の歩行者によって使用される場合、移動速度は、比較的低いが、受信された測定パケットの信号特性は、それにもかかわらず、移動の間、比較的速く、変化する。この場合、第1のおよび/または第2の時間は、例えば、1秒〜1分の範囲、好ましくは3秒の範囲でありえた。移動端末装置が屋外の歩行者によって使用される場合、移動速度は、比較的低く、そして、受信された測定パケットの信号特性は、移動の間、比較的ゆっくり変化する。この場合、第1のおよび/または第2時間は、例えば、5秒〜2分の範囲で、好ましくは10秒の範囲でありえる。より高速な移動を有するアプリケーション(例えば自転車、車、など)のために、第1のおよび/または第2の時間は、対応してより短く選択されなければならない。第1のおよび/または第2の時間は、例えば、それらが、移動の推定された速度に例えば反比例するように、直接、移動速度のための推定値を条件にすることができる。
【0026】
その環境内の無線送信機の信号特性が、比較的高い周波数(例えば20msごと)で決定される連続的な位置推定を改善するために、実施形態によれば、後処理するための手段は、決定された信号特性の波形を平滑化するために、決定された無線送信機の無線信号の決定された信号特性をローパスフィルタにかけるための手段を含む。
【0027】
好ましい実施形態によれば、特定の無線送信機の無線信号の信号特性は、例えばその位置での無線信号のRSSI値、受信されたパワースペクトルまたは信号対雑音出力比などの無線信号の受信された場の強さに関連した信号特性である。
【0028】
更に、好ましい実施形態によれば、決定された無線送信機は、WLAN基地局である。参照位置に対する位置の対応を決定するための装置は、モバイルWLAN対応(WLAN−enabled)端末装置(例えば携帯電話、PDA、ラップトップなど)において、好ましくは実行される。
【0029】
更なる好ましい実施形態および実施態様は、従属クレームの内容である。
【0030】
信号特性を更新せずに、特定の時間後にだけ測定パケットから無線送信機を取り除くことによって、マッチングフェーズは、そうでなければ受信可能な無線送信機の信号の単に短時間の欠如に対して、よりロバストにされることができる。現在位置で不変に受信できない無線送信機は、それ故、マッチングフェーズの間により良いとみなされることができる。そして、それは、現在測定され、参照データベースに保存される無線指紋(radio fingerprint)に基づいた、移動端末装置の改善された自己位置推定結果になる。
【0031】
本発明の好ましい実施形態は、添付図面を参照して後述する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、従来技術による端末装置を位置推定する装置の実施形態を示す。
【図2】図2は、端末装置を位置推定する方法のアプリケーション例を示す。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による参照位置に対する現在位置の対応を決定する装置のブロック略図を示す。
【図4】図4Aは、現在位置における特定の無線送信機の無線信号の後処理されていない波形を示し、図4Bは、本発明の一実施形態による図4Aの後処理されていない波形の後処理された波形を示す。
【図5】図5は、測定パケットおよび後処理するための手段によって後処理された測定パケットの略図を示す。
【図6】図6は、本発明の一実施形態による後処理するための手段の略図を示す。
【図7A】図7Aは、移動測定の受信された信号強度値の波形を示す。
【図7B】図7Bは、非移動の参照測定の受信された信号強度値の波形を示す。
【図8】図8は、典型的なローパスフィルタを示す。
【図9】図9は、本発明の一実施形態によるデジタルローパスフィルタとMaxAge制御の組み合わせを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明に関して、様々な実施形態において、同一または同等の機能素子が、同じ参照番号を有し、そして、それ故、これらの機能素子の説明は、様々な以下に示された実施形態において交換可能である点に留意する必要がある。
【0034】
図3〜図8に基づいて述べられる本発明概念の動機を与えるために、下記の図1および図2に基づいて、指紋法(fingerprinting method)による位置推定は、簡潔に説明される。
【0035】
ここで、特に、非公共のWLAN局の増加する分布が、多くの都市において有意な過剰有効範囲につながったということが考慮される。しばしば、8〜12個の無線送信機(アクセスポイント)は、単一の地理的位置で受信できる。ここで、更に多くの30個の受信可能な無線送信機でさえ、都心部の領域(活発な街区のピークまたは高い人口密度の領域)においては超えているかもしれない。
【0036】
安定で正確な位置推定のためには、3〜4つの無線送信機で、通常充分である。
【0037】
図1は、移動端末装置の位置推定が、個々の移動端末装置ごとの自己位置推定として、公共区域において指紋法手段(WLAN、GSM(登録商標)、ブルートゥース、WMAXなど)によってどのように実現できるかを示す。それにより、無線送信機と端末装置間のデータ伝送は必要でない。その結果、他の通信パートナーを用いた移動端末装置の接続性は、基本的に省略できる。これが可能なのは、移動端末装置が、連続的に(例えば200msごとに)その環境の現在の信号特性(受信された測定パケット)を測定し、(同様に参照測定パケットを用いて)ローカル参照データベースにそれらをマッチングすることによって、それ自体の位置を計算するためである。
【0038】
その方法を示すために、図1は、例として、自己位置推定ができる移動端末装置の略図を示す。受信手段10は、範囲内のいくつかの無線送信機およびそれらのそれぞれ受信された場の強さを有する測定パケットを決定する。これらの測定パケットは、それから、参照データベース14に保存できる以前の参照時刻に記録された参照測定パケットに更にアクセスできる位置決定装置12に送られる。
【0039】
そのことにより、参照データベース14は、移動端末装置内のローカルにも、外部のメモリ位置またはデバイスのローカル以外にも格納できる。後者の場合、移動端末装置は、明らかに、参照データにアクセスできることを必要とし、そのために、少なくとも参照データベース14への通信接続が存在しなければならない。位置決定装置12は、現在の測定パケットおよび参照測定パケットに基づいて、端末装置の現在位置を決定するために、位置推定アルゴリズムを使用する。従って、まず、マッチングフェーズにおいて、現在の測定パケットと最もよくマッチングしている、すなわち、その類似性が最も高いそれらの参照測定パケットが決定される。それから、位置計算フェーズにおいて、決定された類似の参照測定パケットおよびそれらの関連した地理的参照地点に基づいて、端末装置の現在の地上位置は、決定される。現在位置が決定されるときに、それは、例えば、デジタル・シティマップにおける位置を示すために、または、決定された位置との直接の因果関係を有するサービス(いわゆる位置ベースのサービス)を提供するために、任意選択で、応用モジュール16に、送られうる。
【0040】
図2は、例として、現在位置21にある移動端末装置20および移動端末装置20の環境にある複数の通信パートナーまたは無線送信機22a〜22eを有するアプリケーションシナリオを示す。環境情報として、移動端末装置20は、例えば、無線送信機22a〜22eの一意な識別子番号および現在位置21での各無線送信機と関連した受信された場の強さを含んでいる測定パケットを決定することができる。特定の無線送信機22eは、それが、特定の時間には、現在位置21の移動端末装置20によって受信されることができ、他の時間には受信できないように、移動端末装置20まで最大の距離にある。市街地において、例えば、歩行者または車による短時間の遮り(shading)が、起こりうる。加えて、空気質の変化、特に空気の湿度は、特定の無線送信機22eが時には受信され、他の時には受信されないという影響がありうる。
【0041】
現在位置21で受信できるか不確かである無線送信機22eが、現在位置21に近いが無線送信機22aにも近い参照地点24に対応している参照パケットにリストされる、または、それはより長い測定時間(例えば6秒)にわたって決定される可能性は高い。それ故、ひどいマッチングとして、現在位置21に近い参照地点24による実際に類似した参照測定パケットを誤って拒絶して、間違った位置推定結果に達しないために、無線送信機22eが無線送信機をマッチングフェーズにおける移動端末装置20の現在位置21で受信できるか不確かであることを考慮することは、有利である。
【0042】
この問題について説明することが、以下で更に詳細に述べられる本発明の実施形態の目的である。
【0043】
図3は、図式的に、本発明の一実施形態による、参照地点24に対する現在位置21の対応を決定する装置30を示す。
【0044】
装置30は、特定の無線送信機22eの識別子を決定するための、そして、第1の時刻t1に特定の無線送信機22eの無線信号の信号特性を決定するための手段32を含む。そのために、決定するための手段32は、例えば、無線信号を受信するためのアンテナ34と結合される。特定の無線送信機22eの無線信号の識別子および信号特性は、第1の時刻t1に、現在位置21のための測定パケットMP(t1)の少なくとも一部を示す。
【0045】

【0046】
出力側で、後処理する手段36は、現在地点と参照地点の間の対応を決定するために、後処理された測定パケットMP’(t1)を、参照地点のための少なくとも1つの前に決定された参照測定パケットRPと比較するための手段38で結合される。このため、少なくとも1つの前に決定された参照測定パケットRPは、例えば、参照データベース14からとられる。対応または対応の基準は、後処理された測定パケットMP’の無線送信機の信号特性と参照測定パケットRPの無線送信機の信号特性の間の距離関数に対応する。
【0047】
換言すれば、手段32は、時刻t1で現在位置21において決定された無線送信機22eの現在の無線信号を決定する働きをする。ここで、特定の無線送信機22eの送信器識別子は、受信された無線信号から抽出可能である。決定された無線送信機22eの無線信号が、現在位置21で受信できるために、それは、時刻t1において、0より物理的に大きくて、決定するための手段32の感度レベルより上である信号レベルを有する。
【0048】

【0049】
より最新の無線信号が、時刻t1+MaxAgeの範囲内で、特定の無線送信機22eの識別子によって、現在位置21で受信される場合、後処理する手段36は、特定の無線送信機22eに、例えばより最新の受信された信号レベルなど、より最新の無線信号のより最新の信号特性を割り当てる。
【0050】
実施形態によれば、装置30は、移動端末装置20、例えばモバイルWLAN対応(WLAN−capable)クライアントの中にある。固定の無線送信機22a〜eは、例えば、WLAN対応クライアント20の現在位置21の少なくともセクションで受信可能なWLAN基地局である。この場合、WLAN基地局22a〜eの識別子は、それぞれ各WLAN基地局のMACアドレスから成る。
【0051】
上ですでに説明されたように、WLAN対応クライアント20の現在位置21で記録された測定パケットMPは、一般に、複数のWLAN基地局のMACアドレスおよび関連したRSSI値を含む。WLAN対応クライアント20が環境内で移動する連続の位置推定において、クライアント20のその環境内のWLAN基地局22eからのRSSI値、すなわち測定パケットは、比較的高い周波数、例えば毎秒5回で決定される。これは、固定の無線送信機のMACアドレスを意味し、ならびに、クライアント20により受信されたそれらのRSSI値が、例えば200msごとに、測定パケットMP(t)において結合される。ここで、tは、測定時刻を示す。
【0052】
連続の位置推定が測定ごとに比較的小さい時間窓によって機能するので、現在位置21に関して不確かである無線送信機22eの測定信号が、この種の短い時間窓内に現れないことも起こりうる。ここで、各無線送信機22eは、この時間間隔においてだけでなく、おそらく前の測定時間間隔においても、位置21で受信できていない。測定パケットMP(t)を後処理しなければ、これは、例えば、この特定の無線送信機22eの信号がすぐ前に受信できたにもかかわらず、この不確かな無線送信機22eがブロック38によって現在の測定時刻tにおいて、全く考慮されない、または、誤って考慮されるという影響がある。
【0053】
言ってみれば、後処理する手段36は、0.5秒以上の範囲内にある最大所定時間MaxAgeだけ、(後処理された)測定パケットの無線送信機の出現を延長する。特定の無線送信機22eの信号が、時刻t1に中断されるとすれば、すなわち、そのときから現在位置21で受信できない。次に、実施形態によれば、時刻t1に特定の無線送信機22eに割り当てられた受信信号レベルは、時刻t1から始まっている特定の無線送信機22eのための最大所定時間MaxAgeの間、合成され、または、一定に維持される。それによって、現在位置21の特定の無線送信機22eのあり得る一時的なドロップアウトは埋められることができる。この状況は、例として、図4に示される。
【0054】
図4Aは、現在位置21で特定の無線送信機22eの無線信号の後処理されていない波形40を示す。すでに説明されたように、特定の無線送信機22eは、受信された波形200が途切れ途切れであるように、現在位置21で受信できるか不確かである無線送信機である。第1の時刻t1で、位置21において端末装置20によって受信された特定の無線送信機22eの信号は、中断されている。これは、時刻t1まで、送信器識別子、例えば、無線送信機22eのMACアドレスを決定できるが、時刻t1から先はできないことを意味する。後処理する手段36は、特定の無線送信機22eに、最大時間MaxAgeの間、その最後に受信できた信号レベルを割り当てるように適合される。このことにより、時刻t1における図4Aで示された信号中断は、図4Bにて示したように、実際に、時刻t2までの時間MaxAgeだけ、比較する手段38のために遅らせることができる。そのとき初めて、特定の無線送信機22eおよびその最後に受信できた信号レベルも、後処理された測定パケットから取り除かれる。
【0055】
時刻t3において、特定の無線送信機22eは、再度、一時的に時刻t4まで、移動端末装置20によって受信でき、その後に、特定の無線送信機22eと移動端末装置20の間の通信は、再度、中断される。ちょうど今説明されたように、後処理する手段36はまた、特定の無線送信機22eに、ドロップアウト後の時刻t4で受信された最新の信号レベルを割り当てる。時刻t5で、特定の無線送信機22eおよび移動端末装置20間の通信は、再度、始まる。その結果、時刻t5から先、実際に受信された信号レベル値は、再度、通信が再度中断される時刻t6まで、無線送信機22eに割り当てられることができる。その時から、時刻t6の最新の受信信号レベルは、再度、最大時間MaxAge(例えば3秒)の間、特定の無線送信機22eが、最大時間の終結t6+MaxAge後、(後処理された)測定パケットから最終的に取り除かれるまで、無線送信機に割り当てられる。そして、そこから、無線送信機22eの信号レベル値は、比較する手段38に利用できなくなる。
【0056】
したがって、例として図5に示されるように、後処理する手段36は、時刻tに後処理された測定パケットMP’(t)が、時刻tにその手段32によって実際に決定された測定パケットMP(t)より多くのエントリ(すなわち、MACアドレスおよび関連したRSSI値)をもつという効果を有することができる。
【0057】
後処理する手段36の考えられる構造は、図6に基づいて、下で更に詳細に説明される。
【0058】

【0059】
ブロック66が、例えば、k番目の無線送信機のMACアドレスが、(例えば時刻tにおいてあまりにも低い受信信号レベルに基づいて、)時刻t−1と比較して、時刻tに、もはや決定できないことを決定する場合、スイッチ64は、k番目の入力にブロック62のk番目の出力を結合するために、そして、それによって最大所定時間MaxAgeの間、RSSI値RSSIkを一定に保つために、閉じる。時刻tにおいて、他の無線送信機が、時刻t−1におけるものとして受信される場合、もはや受信できない無線送信機のRSSI値に戻って結合することによる入力側よりも、多くのRSSI値は、出力側に送られうる。
【0060】
ブロック62は、さまざまな方法で実行できる。ブロック62は、例えば、単に、入力から出力への進行中に、1クロック周期だけRSSI値を遅延させるための1つの遅延素子を有することができる。他の実施形態によれば、後で詳しく述べるように、ブロック62は、より複雑なフィルタ、例えばデジタルローパスフィルタなどを含むこともできる。
【0061】
部分的に、WLAN信号は、それらの波形において非常に強いノイズ挙動を示す。この理由は、例えば、測定誤差、2.4GHzおよび2.483GHz間の周波数領域の他の無線技術のスプリアス影響、またはWLAN信号の多重伝搬である。多重伝搬の影響は、固定位置での測定と比較して、移動測定において著しく高い。理論的に比較的低い場の強さによってのみ測定されるべきであるWLAN信号は、「測定可能」または「測定不可能」に関する比較的不確かな挙動を示す。これは、マッチングフェーズに悪影響を与える。ここで、ペナルティ値が、参照地点と比較して、ほとんど受信できない基地局のために計算されうる。
【0062】
連続的な、すなわち移動中の位置推定において、信号場の強さ値は、比較的高い周波数(例えば毎秒5回)でその環境のすべての基地局から測定され、それは、図によって図7Aに示されるように、結果として基地局の信号強度値の波形を生じさせる。測定された信号の変動は最高15dBでありえる。
【0063】
比較として、図7Bは、一方で、より少ないノイズ挙動を示しており、そして、他方で、基地局の測定可能な信号値全体の単純な加算平均が、実際のRSSI値のための比較的安定した結果につながることができること(例えば50の個々の測定値全体の加算平均)を示している非移動(non−moving)測定の波形を示す。非移動測定は、例えば、参照データベース14を生成するためのトレーニングフェーズの間に行なわれる。ここで、参照地点で参照パケットを決定するために、この参照地点で停止がなされる。
【0064】
連続測定の雑音成分を削減するために、現在の測定パケットのK RSSI値を平滑化するためのデジタルローパスフィルタは、ブロック62において使用できる。例として、発明のローパスフィルタの実施態様は、図8に示される。
【0065】
デジタルローパスフィルタ82は、一次IIRフィルタ(IIR=無限インパルス応答形)でありえる。これにより、入力信号RSSIk(t)は、係数1/(a+1)によって重み付けされる。出力信号は、現在の出力信号RSSI’k(t)を得るために、遅延部によって1クロック周期だけ遅延され、係数a/(a+1)により重み付けされて、重み付けされた入力が加算される。図8に示されるデジタルローパスフィルタの伝達関数は、H(z)=1/(a+1−az-1)である。パラメータa/(a+1)は、現在値RSSIk(t)と比較すると、最後に計算された値RSSI’k(t−1)を重み付けするいわゆる履歴重み係数とみなされうる。この値は、おそらく、使用されたサンプル間隔に適合される必要がある。実施形態によれば、a=3である。図9に模式的に示すように、デジタルローパスフィルタ82は、MaxAge制御ブロック62と結合されうる。この場合、それぞれの割り当てられた無線送信機kの識別子が、連続した受信測定においてそれぞれ決定できるとき、入って来るRSSI値RSSIkは平滑化される。そうでない場合、ローパスフィルタ82の前のRSSI出力値は、最大時間MaxAgeの間、現在受信できない特定の無線送信機のために手段36の出力信号として使用される。このことにより、ローパスフィルタ82の前のRSSI出力値は、各特定の無線送信機の識別子の最後に受信した時刻におけるローパスフィルタ処理したRSSI出力値に対応する。
【0066】
キャリブレーションの間、参照測定パケットを生成するときに、アクセスポイントまたは基地局のための平均RSSI値は、特定の時間窓(例えば6秒)内で測定された個々の値から形成される。ここで、この基地局からの受信できた値がどれくらい不確かであったかについては重要でない。
【0067】
しかし、連続した位置推定は、参照パケットを生成する際のような比較的大きなサイズの時間窓によっては作動しない。これは、マッチングの間、現在地点に関して不確かであるアクセスポイント22eの測定可能な信号が現れないときに、ペナルティ値が、誤って計算されるという影響を及ぼしうる。すでにこれを測定値の記録の間に打ち消すために、アクセスポイント22eは、RSSI値のいかなる更新もなく、特定の時間MaxAgeの終結後に、後処理する手段36によって処理される測定パケットから取り除かれるだけである。このことにより、連続した位置推定のチャネルまたは信号コヒーレンス時間は、キャリブレーションのチャネルまたは信号コヒーレンス時間に実際に意図的に適合される。換言すれば、例えばMaxAge=3秒のMaxAge値は、基地局が、最後のRSSI値のいかなる更新もなく、3秒の終結後に、処理される測定パケットから取り除かれることを意味する。換言すれば、特定の無線送信機の現在の信号がこの間に受信されない限り、特定の無線送信機の信号がもはや受信できないときでも、更に最高3秒間の間、その最後のRSSI値によって特定の無線送信機は、(後処理された)測定パケットMPにおいて認識できる状態を維持する。
【0068】
要約すると、本発明は、参照測定パケットRPとのその後のマッチングフェーズのための測定パケットの信号処理を可能にし、その結果、移動端末装置の無線指紋に基づいた連続した自己位置推定が、可能となりえる、または改善されうる。これは、より長い時間窓(例えば6〜10秒)にわたったアイドル状態においてキャリブレーションボックスを用いて決定された参照測定パケットが、例えば移動端末装置の移動測定と比較されうる。ここで、各測定が移動端末装置の移動によって、わずかに異なる位置で実行されたと推定されなければならない。
【0069】
本発明の実施形態は、MaxAge値によって制限された時間窓Δt内で、特定の無線送信機のためのPGS値を決定することを可能にする。従って、一実施形態によれば、装置30は、時間MaxAge内で決定された特定の無線送信機22eの識別子の数に基づいて受信された頻度値を決定する手段を含み、そして、それは、特定の無線送信機の無線信号が時間MaxAge内にいくつの受信測定において受信できたかについて示す。
【0070】
更に、一実施形態によれば、本装置は、現在位置21のための参照パケットの少なくとも一部として、特定の無線送信機の無線信号の識別子および信号特性と、決定された受信された頻度値を結合して、おそらく参照データベース最新版にそれを供給するために実行される。比較的短い時間窓MaxAgeだけが考慮されるPGS値のこの種の決定においても、より長い時間窓MaxAgeにおいても、現在位置21が、測定の間、あまりに大きく変化しうる危険があるが、それは、移動測定からも潜在的に参照データベース14のための参照点を生成することが可能であることが有利であることを示した。このようにして決定されたPSG値を推定することは、参照データベース14から参照点のPGS値を用いて、マッチングフェーズにおいて、都合よく使用できる。
【0071】
要約すると、状況に応じて、本発明概念は、ソフトウェアにおいても実行できることに留意されたい。本実施態様は、各方法が実行されるように、プログラミング可能な計算機システムおよび/またはマイクロコントローラと協動することができる電子的に読み込み可能な制御信号を有するデジタルメモリ媒体、特にディスク、CDまたはDVDにおいてなされることができる。従って、通常、本発明はまた、コンピュータプログラム製品がコンピュータおよび/またはマイクロコントローラ上で動作するときに、本発明の方法を実行している機械で読み取り可能なキャリアに格納されたプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品から成る。換言すれば、コンピュータプログラムがコンピュータおよび/またはマイクロコントローラ上で動作するときに、本発明は、本方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムとして実現できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照位置(24)に対する位置(21)の対応を決定するための装置(30)であって、固定の無線送信機(22)の無線信号を前記位置で受信できることを特徴とし、
特定の無線送信機(22e)の識別子を決定するための、そして、第1の時刻(t1)に前記特定の無線送信機の無線信号の信号特性を決定するための手段(32)であって、前記特定の無線送信機の前記識別子および前記無線信号の前記信号特性が、前記位置(21)のための測定パケット(MP)の少なくとも一部を示すことを特徴とする前記手段(32)と、
前記位置(21)のための後処理された測定パケット(MP’)を得るために、前記測定パケット(MP)を後処理するための手段(36)であって、後処理するための前記手段は、前記第1の時刻(t1)が、前記特定の無線送信機(22e)の前記識別子が決定できた第2の時刻(t2)の前の最後の時間であって、そして、0.5秒以上の第1の時間(Δt)が、前記第1の時刻と前記第2の時刻の間にあり、その間前記特定の無線送信機(22e)の前記識別子を決定できない、前記第1の時刻(t1)から前記第1の時刻(t1)の後の前記第2の時刻(t2)までの間、前記特定の無線送信機(22e)の前記信号特性を少なくとも一時的に合成するために実行されることを特徴とする手段(36)と、
前記対応を決定するために、前記参照位置(24)のための少なくとも1つの前に決定された参照測定パケット(RP)と、前記後処理された測定パケット(MP’)を比較するための手段(38)とを含むことを特徴とする、装置(30)。
【請求項2】
後処理するための前記手段(36)は、第1の時刻(t1)の後の前記第1の時間(Δt)内に、前記特定の無線送信機(22e)に、前記第1の時刻(t1)に受信された前記特定の無線送信機(22e)の前記信号特性を割り当てるように適用されることを特徴する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第2の時間(MaxAge)内のいくつの受信測定において前記特定の無線送信機(2e)の無線信号が受信できたかを示している、前記第1の時間(Δt)の上限である前記第2の時間(MaxAge)内に決定された前記特定の無線送信機(22e)の識別子の数に基づいた、受信された頻度値を決定するための手段を更に含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記位置(21)のための参照パケットの少なくとも一部として、前記特定の無線送信機(22e)の前記識別子および前記無線信号の前記信号特性と、前記決定された受信された頻度値を組み合わせるように実行されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
後処理するための前記手段(36)は、前記決定された信号特性の波形を平滑化するために、前記特定の無線送信機(22e)の前記無線信号の前記決定された信号特性にデジタルローパスフィルタをかけるための手段を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
デジタルローパスフィルタをかけるための前記手段は、一次IIRフィルタを含むことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記特定の無線送信機(22e)の前記無線信号の前記信号特性は、前記無線信号の電磁的信号特性を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
決定するための前記手段(32)は、受信された場の強さに関連がある前記位置(21)における前記無線信号の信号特性を供給するために実行されることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
決定するための前記手段(32)は、前記位置(21)における前記特定の無線送信機(22e)の前記無線信号のRSSI値、受信されたパワースペクトルまたは信号対雑音比を供給するために実行されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記特定の無線送信機(22e)は、WLAN基地局であることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記特定の無線送信機(22e)の前記識別子は、前記特定の無線送信機のMACアドレスであることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
モバイルWLAN対応端末装置において実行されることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
参照位置(24)に対する位置(21)の対応を決定するための方法であって、固定の無線送信機(22)の無線信号を前記位置で受信できることを特徴とし、
特定の無線送信機(22e)の識別子を決定して、第1の時刻(t1)に前記特定の無線送信機の無線信号の信号特性を決定するステップであって、前記特定の無線送信機の前記識別子および前記無線信号の前記信号特性が、前記位置(21)のための測定パケット(MP)の少なくとも一部を示すステップと、
前記位置(21)のための後処理された測定パケット(MP’)を得るために、前記測定パケット(MP)を後処理するステップであって、後処理する前記ステップは、前記第1の時刻(t1)が、前記特定の無線送信機(22e)の前記識別子が決定できた第2の時刻(t2)の前の最後の時間であって、そして、0.5秒以上の第1の時間(Δt)が、前記第1の時刻と前記第2の時刻の間にあり、その間前記特定の無線送信機(22e)の前記識別子を決定できない、前記第1の時刻(t1)から前記第1の時刻(t1)の後の前記第2の時刻(t2)までの間、前記特定の無線送信機(22e)の前記信号特性を少なくとも一時的に合成するために実行されることを特徴とするステップと、
前記対応を決定するために、前記参照位置(24)のための少なくとも1つの前に決定された参照測定パケット(RP)と、前記後処理された測定パケット(MP’)を比較するステップとを含んでいることを特徴とする、方法。
【請求項14】
コンピュータプログラムがコンピュータ上で動作するときに、請求項13に記載の対応を決定するための前記方法を実行するためのプログラムコードを含んでいる前記コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−512423(P2013−512423A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540430(P2012−540430)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068228
【国際公開番号】WO2011/064302
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(591037214)フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ (259)
【Fターム(参考)】