説明

反射型液晶プロジェクター

【課題】反射型液晶と、液晶レンズを用いた投射用オートフォーカス機能を有し、携帯電話等に組み込み可能な反射型液晶プロジェクターを提供する。
【解決手段】緑色、青色および赤色LED10,11,12から出る光線はイルミネーションレンズ群9で集束され、PBSプリズム6で反射されて反射型液晶パネル7に投射され、再び反射されて半透過ミラー部、投射モジュール内の投射レンズ群5および液晶レンズ4を通過してスクリーン34に画像が投射されるように構成し、自動焦点調整装置3によって可変焦点液晶レンズとスクリーンとの距離が測定された結果に基づき液晶レンズが電気的に制御されて焦点の合った画像がスクリーンに投射されるように構成し、投射レンズ群の先端部に液晶レンズが配置されていることを特徴とし、且つ、本モジュールユニットが、携帯電話機等の小型電子機器の筐体内に一体的に配置されることを特徴とする反射型液晶プロジェクター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反射型液晶プロジェクターに関し、特に反射型液晶と液晶レンズを用いた簡単な構造で多色画像をスクリーンに投射でき、投射用オートフォーカス機能を有するものであり、携帯電話等の電子機器に組み込むことのできる反射型液晶プロジェクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の小型の電子機器にプロジェクターを搭載した機器であって、例えば下記の先行技術文献等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2006−115486
【特許文献2】 特開2006−145812
【0004】
前記せる特開2006−115486号公報の名称は電子機器であるが、その内容は主にプロジェクター付き携帯電話機の載置位置を変えても投射画像が遮られないように、投射光束の向きが定められることが開示されている。
【0005】
また、前記せる特開2006−145812号公報では、携帯電話機のプロジェクター装置が開示されており、投射レンズの焦点位置および撮影レンズの焦点位置の両方を変化させるためのレンズ駆動モーターを備えたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記せる公報はいずれも投射する画像の位置を調整しているものであるが、自動焦点調整装置の制御部を介して可変焦点液晶レンズを電気的に調整するものではなかった。
本発明は、自動焦点調整装置によってスクリーンとの距離が測定された結果に基づき可変焦点液晶レンズを電気的に制御して焦点の合った画像をスクリーンに投射する反射型液晶プロジェクターを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
緑色LED、青色LEDおよび赤色LEDからなる多色光源から出る光線はイルミネーションモジュール内のイルミネーションレンズ群で集束され、PBSプリズムの半透過ミラー部で反射されて反射型液晶パネルに投射され、再び反射されて半透過ミラー部、投射モジュール内の投射レンズ群および液晶レンズを通過してスクリーンに画像が投射されるように構成したことを特徴とし、自動焦点調整装置によって可変焦点液晶レンズとスクリーンとの距離が測定された結果に基づき液晶レンズが電気的に制御されて焦点の合った画像がスクリーンに投射されるように構成したことを特徴とし、投射レンズ群の先端部に液晶レンズが配置されていることを特徴とし、且つ、イルミネーションモジュール、投射モジュールおよび自動焦点調整装置等のモジュールユニットが、携帯電話機等の小型電子機器の筐体内に一体的に配置されることを特徴とする反射型液晶プロジェクターを提供する。
【発明の効果】
【0008】
従来の携帯電話機のカメラモジュールや小型のデジタルカメラ等では撮像用のオートフォーカスはあっても、本発明では投射用のオートフォーカスに可変焦点液晶レンズを電気的に調整する機能を組み込んだものになるので、容易に拡大画像をスクリーンや手近の壁等に投射することができるので見易いばかりでなく、数人で見ても見易い画像を投射できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る反射型液晶プロジェクターの構造概念図である。
【図2】本発明に係る反射型液晶プロジェクターの全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0010】
以下、本発明の反射型液晶プロジェクターの実施例について図面に基づいて説明する。図面において、図1は本発明に係る反射型液晶プロジェクターの構造概念図である。図2は本発明に係る反射型液晶プロジェクターの全体斜視図である。
【0011】
緑色LED10、青色LED11および赤色LED12からなる三原色光源から出る光線は順次点滅されながらイルミネーションモジュール2内のイルミネーションレンズ群9で集束され、PBSプリズム6の半透過ミラー部61で反射されて反射型液晶パネル7に投射される。
【0012】
反射型液晶パネル7は強誘電液晶を使用した反射型液晶FLCOS(Ferroelectric Liquid Crystal on Silicon)であって、反射層を有するものである。
【0013】
したがって、この反射層で反射されて半透過ミラー部61、投射モジュール1内の投射レンズ群5および可変焦点液晶レンズ4を通過してスクリーン34に画像が投射されるように構成されており、3色の画像光は合成されて、投射レンズ群、可変焦点液晶レンズを経てスクリーン34に投射される。
【0014】
また、自動焦点調整装置3によって可変焦点液晶レンズ4とスクリーン34との距離が測定され、その結果に基づき可変焦点液晶レンズが制御部33を介して制御され、焦点の合った画像がスクリーン34上に投射されるように構成されている。
【0015】
自動焦点調整装置には種々の方式を採用することができるが、本件実施例では赤外線による方式を一実施例として説明する。
【0016】
自動焦点調整装置3の透光部31から投光された赤外線はスクリーン34で反射され、受光部32で受けられ、その角度θから可変焦点液晶レンズ4とスクリーン34との距離が測定され、その結果に基づき可変焦点液晶レンズが制御部33を介して電気的に制御され、焦点の合った画像がスクリーン34上に投射されるように構成されている。
【0017】
可変焦点液晶レンズ4は投射レンズ群5の先端部に配置されており、イルミネーションモジュール2、投射モジュール1および自動焦点調整装置3等のモジュールユニットが、携帯電話機等の小型電子機器の筐体内に一体的に配置されることが可能である。
【0018】
なお、可変焦点液晶レンズ4への電圧を変更する制御部33により屈折率を変更することができ、ズーム、オートフォーカス、又はズーム及びオートフォーカスの特徴を組み合わせることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は以上説明したように、自動焦点調整装置によって可変焦点液晶レンズとスクリーンとの距離が測定された結果に基づき液晶レンズが電気的に制御されて焦点の合った画像がスクリーンに投射されるように構成されているので、容易に拡大画像をスクリーンや手近の壁等に投射することができるので見易いばかりでなく、数人で見ても見易い画像を投射できるものであるので、実用的価値が大きく産業上の利用可能性も高い。
【符号の説明】
【0020】
1.投射モジュール
2.イルミネーションモジュール
3.自動焦点調整装置
31.投光部
32.受光部
33.制御部
34.スクリーン
4.可変焦点液晶レンズ
5.投射レンズ群
6.PBSプリズム
61.半透過ミラー部
7.反射型液晶パネル
8.液晶制御部
9.イルミネーションレンズ群
10.緑色LED
11.青色LED
12.赤色LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑色LED、青色LEDおよび赤色LEDからなる多色光源から出る光線はイルミネーションモジュール内のイルミネーションレンズ群で集束され、PBSプリズムの半透過ミラー部で反射されて反射型液晶パネルに投射され、再び反射されて半透過ミラー部、投射モジュール内の投射レンズ群および液晶レンズを通過してスクリーンに画像が投射されるように構成したことを特徴とする反射型液晶プロジェクター。
【請求項2】
自動焦点調整装置によって可変焦点液晶レンズとスクリーンとの距離が測定された結果に基づき可変焦点液晶レンズが制御されて焦点の合った画像がスクリーンに投射されるように構成したことを特徴とする請求項1記載の反射型液晶プロジェクター。
【請求項3】
投射レンズ群の先端部に可変焦点液晶レンズを配置したことを特徴とする請求項1記載の反射型液晶プロジェクター。
【請求項4】
イルミネーションモジュール、投射モジュールおよび自動焦点調整装置等のモジュールユニットが、携帯電話機等の小型電子機器の筐体内に一体的に配置されることを特徴とする請求項1記載の反射型液晶プロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−48314(P2011−48314A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213716(P2009−213716)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(591038152)進展産業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】