説明

反射防止能付き偏光板、その製造方法、及びそれを用いた画像表示装置

【課題】
反射防止膜と偏光膜を一体化した、耐湿性、耐候性に優れた長尺の偏光板であって、面内の色味が均質でニュートラル性が良好で、耐久性にすぐれ、外光の写り込みのない偏光板及びその製造方法、並びにそのような偏光板を用いた画像表示装置の提供。
【解決手段】
ポリビニルアルコール系フィルムから形成された偏光膜の両側に、保護フィルムとしてセルロースアシレートフィルムが設けられ、且つ偏光膜の一方の側のセルロースアシレートフィルム上に、多層構造の反射防止膜が塗設されてなる長尺の偏光板であって、該セルロースアシレートフィルムの偏光膜側表面にアルカリ鹸化処理が施され、且つアルカリ鹸化処理後の偏光膜側表面の凹凸が特定の形状を有することを特徴とする偏光板。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性樹脂系フィルムから形成された偏光膜の両側に、保護フィルムとしてセルロースアシレートフィルムが設けられ、且つ偏光膜の一方の側のセルロースアシレートフィルム上に、多層構造の反射防止膜が塗設されてなる長尺の偏光板において、該セルロースアシレートフィルムの偏光膜側表面にアルカリ鹸化処理が施され、且つ該偏光膜側表面の凹凸の、JIS B−0601−1994に基づく算術平均粗さ(Ra)が0.0002μm〜0.3μm、十点平均粗さ(Rz)が0.0002μm〜0.5μm、最大高さ(Ry)が、0.002μm〜1.0μm、及び表面凹凸の平均間隔(Sm)が0.001μm〜5μmであることを特徴とする偏光板。
【請求項2】
視覚的直径100μm以上の点欠陥の数が1m2当たり1個以下である請求項1に記載
の偏光板。
【請求項3】
偏光膜の膜厚が5〜22μmで有り、且つ該偏光膜がクロスニコル時の700nmの透過率が0.001%〜0.3%で、410nmの透過率が0.001%〜0.3%である請求項1又は2に記載の偏光板。
【請求項4】
偏光板を60℃、90%RHの雰囲気に500時間放置した場合の、その前後における光透過率及び偏光度の変化率が、絶対値に基づいて3%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
【請求項5】
反射防止膜の最上層が、平均粒径が該低屈折率層の厚みの30%〜100%であり、且つ屈折率が1.17〜1.40である中空構造の無機微粒子を少なくとも1種含有してなる、屈折率が1.35〜1.49の低屈折率層である請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板。
【請求項6】
前記低屈折率層が、下記一般式(1)で表されるオルガノシランの加水分解物、およびその部分縮合物の少なくとも何れか一つを含有する硬化性組成物を塗布し硬化して形成される硬化膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏光板。
一般式(1)
(R10Si(X)4-n
(式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。nは0〜2の整数を表す。)
【請求項7】
CIE標準光源D65の、波長380nmから780nmの領域における入射角5゜の入射光に対して、正反射光のCIE1976L***色空間のL*,a*,b*値それぞれの値の、面内における変化率が20%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
【請求項8】
反射防止膜が、セルロースアシレートフィルムと、該セルロースアシレートフィルムより屈折率が低い低屈折率層との間に、該セルロースアシレートフィルムよりも屈折率が高く、且つ屈折率の相異なる少なくとも2層の高屈折率層を有する多層構造を有しており、これら高屈折率層のうち少なくとも屈折率の高い方の層が、平均粒径3〜80nmのコバルト、アルミニウム、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する二酸化チタンを主成分とする無機超微粒子を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の偏光板。
【請求項9】
反射防止膜が、セルロースアシレートフィルムと、該セルロースアシレートフィルムより屈折率が低い低屈折率層との間に防眩層を有する多層構造を有しており、該低屈折率層
を形成した後の偏光膜と接する面の反対側の表面ヘイズが2%〜7%、且つ、フィルム全体の内部ヘイズが0〜50%であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の偏光板。
【請求項10】
反射防止膜が、セルロースアシレートフィルムと、該セルロースアシレートフィルムより屈折率が低い低屈折率層との間に、ハードコート層を有する多層構造を有しており、該ハードコート層が前記一般式(1)に記載のオルガノシランの加水分解物、およびその部分縮合物の少なくとも何れか一つを含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の偏光板。
【請求項11】
反射防止膜が、セルロースアシレートフィルムと、該セルロースアシレートフィルムより屈折率が低い低屈折率層との間に、更に帯電防止層を有する多層構造を有していることを特徴とする、請求1〜10のいずれかに記載の偏光板。
【請求項12】
偏光板の耐候性試験前後の、波長380nm〜680nmにおける平均反射率の変化が0.5%以下であり、且つ反射光の色味変化ΔEwが、L***色度図上で15以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載の偏光板。
【請求項13】
保護フィルムであるセルロースアシレートフィルムの延伸軸と、偏光膜の延伸軸との角度が10°以上90°未満である請求項1〜12のいずれかに記載の偏光板。
【請求項14】
偏光膜の他方の側のセルロースアシレートフィルム上に光学異方性層を有する光学補償フィルムを設けた請求項1〜13のいずれかに記載の偏光板。
【請求項15】
反射防止膜が塗設されてなるセルロースアシレートフィルムの反対面をアルカリ鹸化処理してから偏光膜と貼り合せることによる請求項1に記載の偏光板の製造方法において、該アルカリ鹸化処理が、少なくともアルカリ剤、水、無機性/有機性値(I/O値)が0.5以上で且つ溶解度パラメーターが16〜40[mJ/m31/2である水溶性有機溶媒、並びに界面活性剤及び相溶化剤の少なくともいずれかを含有するアルカリ溶液を用いて実施される工程を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項16】
アルカリ鹸化処理が、少なくとも、(イ)表面温度が室温〜100℃の範囲のセルロースアシレートフィルムにアルカリ溶液を塗布する工程、(ロ)セルロースアシレートフィルムの温度を室温〜100℃の範囲に維持する工程、及び、(ハ)アルカリ溶液をセルロースアシレートフィルムから洗い落とす工程からなる請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
アルカリ溶液を塗布する工程が、アルカリ溶液をダイコーター方式により塗布する工程である請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
連続的に供給される偏光膜用親水性樹脂系フィルムの両端を保持手段により保持し、該保持手段をフィルムの長手方向に進行させつつ張力を付与して延伸することにより偏光膜を製造する請求項1に記載の偏光板の製造方法において、該親水性樹脂系フィルムの一方端の実質的な保持開始点から実質的な保持解除点までの保持手段の軌跡L1、及び親水性樹脂系フィルムの他方端の実質的な保持開始点から保持解除点までの保持手段の軌跡L2と、両保持手段の実質的な保持解除点の距離Wが下記数式(1)を満たし、且つ両保持手段の長手方向の搬送速度の差が1%未満である延伸方法により製造することを特徴とする製造方法。
数式(1):|L2−L1|>0.4W
【請求項19】
画像表示面に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の偏光板が配置されてなることを特徴とする画像表示装置。
【請求項20】
画像表示装置が、TN、STN、IPS、VA及びOCBのいずれかのモードの透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする請求項19に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−72315(P2006−72315A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146730(P2005−146730)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】