説明

反応容器および使用方法

本発明は硫黄および水素から硫化水素を製造するための反応容器に関し、その際、該反応容器は、部分的または完全に、その化合物もしくは元素の反応混合物に対して耐久性のある材料からなり、高い温度でも耐久性を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高められた温度および高められた圧力での、液状の反応物とガス状の反応物との、ガス状の反応生成物への発熱性の変換の実施に適した反応容器であって、圧力を保持しない内部構造物によって反応容器内でのガス状反応物の滞留時間を増加させる、反応容器に関する。
【0002】
かかる反応容器内で、好ましくは硫化水素が、硫黄および水素から製造される。該反応容器は、液状の硫黄中での水素の滞留時間を増加させる内部構造物を含み、その際、ガスが分けられてその内部構造物に集められ、且つ引き続き、再度液状の硫黄中で分散される。
【0003】
殊に、硫化水素は、例えばメチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、スルホン酸、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンの合成のための、並びに多数の硫化反応のための、工業的に重要な中間生成物である。それは、現在、主に石油および天然ガスの調製から、並びに硫黄と水素との反応によって取得される。
【0004】
元素の水素および硫黄からの硫化水素の合成は、通常、水素を液状の硫黄中に導入することにより、後ろに接続されている反応室内にて気相中で行われる。その際、触媒を用いる方法も、触媒を用いない方法も公知である。硫化水素の合成は、通常、気相中、300〜600℃の温度で、且つ、1〜30barの圧力で行なわれる。前記の元素からの硫化水素の工業生産は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Wiley−VCH、2002によれば、温度450℃、圧力7barで行われる。
【0005】
GB1193040号内に、400〜600℃の比較的高い温度で、且つ4〜15barの圧力での、触媒を用いない硫化水素の合成が記載されている。そこでは、必要な温度は、合成が行われる圧力で決定されると述べられている。それによれば、9バールの圧力の際、約500℃が必要である。
【0006】
硫黄および水素からの硫化水素の製造の際の主要な点は、とりわけ温度の管理である。気相中で水素:硫黄のモル比 約1:1が生じる平衡状態を達成するためには、高い温度が必要である。これにより始めて、純粋な硫化水素の合成が可能になる。圧力が高められると、硫黄の蒸気圧曲線に相応して温度が非常に高められ、気相中で1:1の目標のモル比が達成される。その際、例えば1バールおよびそれより小さい僅かな圧力差でも、大きな意義がある。
【0007】
CSSR190792号は、硫化水素の製造のための変法を記載しており、その際、高い反応温度が、複数の反応器の比較的費用がかかる直列接続によって回避されている。高い温度は、そこで特に、腐蝕の問題に基づいて回避される。CSSR190793号内に、温度400℃からの、装置の強い腐蝕について報告されている。
【0008】
US4094961号内にも、硫化水素の合成の際の440〜540℃の温度での重大な腐蝕について報告されている。従って、そこでの該合成は、440℃未満の温度でのみ実施される。
【0009】
B. Glaser, M. Schuetze, F. Vollhardtの"Auswertung von Daten zum H2S−Angriff auf Stahle bei verschiedenen Temperaturen und Konzentrationen", Werkstoff und Korrosion 42, 374−376, 1991の論文は、温度が高められた際にH2Sによる腐蝕性の攻撃が懸念されている装置にとって、このことがかかる装置のさらなる開発を主に妨げることを記載している。殊に、今まで、より高められた温度への移行、およびそれによる相応する方法の経済的な改良は閉ざされたままであり、なぜなら、この場合、短時間後に既に、大きな腐蝕損傷、およびそれによる装置の破壊が生じるからである。腐蝕についての主な影響要因として、温度およびH2S濃度が挙げられる。
【0010】
硫化水素のさらなる用途によっては、硫化水素をより高い圧力で供給すること、および、別個には圧縮しなくてよいことが大いに有利であり得る。
【0011】
方法の経済性のために、可能な限り低い投資および運転費用が必要となる。しかし、ここで殊に、装置および機器のための費用だけでなく、出発物質ガス混合物の合成もしくは調製のためのエネルギー費用も、高いコストの要因である。例えば、圧縮機の運転、および加熱回路および冷却回路の運転のために、大きな電力が必要とされる。
【0012】
本発明の課題は、圧力>5barでの硫黄および水素からの硫化水素の製造のための、高温によって圧力保持部の強い腐食が生じない、反応容器および方法を提供することである。
【0013】
本発明は、高められた温度および高められた圧力での、液状の反応物と、1つまたはそれより多くの、殊に1つのガス状の反応物との、ガス状の反応生成物への発熱性の変換の実施に適した反応容器であって、圧力を保持しない内部構造物によって反応容器内でのガス状の反応物の滞留時間を増加させる、反応容器に関する。
【0014】
その際、当業者には、液状の反応物は一般に、変換の前にガス状の状態に変わることが明らかである。圧力を保持しない内部構造物は、液状の反応物で取り囲まれている。
【0015】
硫化水素の製造に関して、内部構造物は、殊に液状の硫黄中での水素の滞留時間を増加させる。ガス状の反応物は、少なくとも部分的にこの内部構造物中に集められ、且つ、引き続き、硫化水素へと変換されていない限り、再度、液状の硫黄中で分散する。
【0016】
液状の硫黄中への水素のバブリングの間、水素がガス状の硫黄で飽和され、且つ、気相中での強い発熱反応で硫化水素へと変換される。これを触媒によって加速するか、または触媒を用いないで明らかにより高い温度で行ってもよい。高圧の際でも充分である硫黄を気相中に移相し、且つ水素の完全な変換を達成するために、好ましくは400℃を超える高温が必要である。しかしながら、反応の発熱によって、非常に多くの熱が発生するので、液状の硫黄の温度が約400℃の際、従来技術によれば、液状の硫黄より上方の反応領域では局所的に明らかに>450℃の温度が生じる。これは、材料の強い負荷および腐食をみちびき、且つ、技術的に煩雑な冷却が必要となる。
【0017】
ここで、より高い圧力の際、圧力保持部での高い超過温度を回避するために役立つ、かかる発熱性合成のための反応器案が見出された。同時に、内部構造物の領域内での局所的な超過温度が、狙い通りに、高い空時収率での水素の素早く且つ完全な変換を可能にするために利用される。この反応器案では、さらにまた、出発物質、ここでは硫黄の加熱および蒸発のために反応熱を利用できる。熱の統合のために、そのように出発物質自体を利用できる。
【0018】
本発明による、圧力を保持しない内部構造物の配置によって、硫黄で飽和された、液状の硫黄相中にわずかに分散している水素が再度、連続した気相としてそこに集められる。このガス収集領域もしくはガス捕捉構造内でのガス状の反応物の滞留時間は、内部構造物のない反応器内で上昇する気泡の滞留時間と比べて明らかに、即ち、約3ないし20、殊に5ないし15倍増加されている。液状の硫黄中での水素の滞留時間が短すぎると、ガス状の硫黄で濃縮された水素が反応器内の液状の硫黄より上方の領域で集まり、そして硫化水素へと変換される。従って、本発明による内部構造物のない反応容器は、液状の硫黄より上方で放たれた熱量によって強く熱を帯び、なぜなら、そのエネルギーは充分に除去されないことがあるからである。本発明によれば、液状の硫黄で満たされた反応器の領域内での増加された滞留時間に基づき、液状の硫黄より上方の空間へ反応混合物が入らない。従って、本発明によれば、生じる熱量がガス収集領域もしくはガス捕捉構造内部のみで温度を450℃より上に上昇させ、その温度が、その場所で反応の進行および硫黄の蒸発を促進する。変換の局所的な制限、それによる内部構造物の領域で生じる超過温度によって、圧力保持反応容器全体および特に液状の硫黄より上方の領域は、>450℃の温度に加熱されず、そのようにして、この高められた温度によって引き起こされる材料の損傷が回避される。本発明によれば、反応容器内での気相の収集および分散を、内部構造物の配置によって、1または好ましくは複数回、行う。殊に、3ないし100、好ましくは3ないし50のガス収集領域が、重なり合って並べられる。その間に、ガス分散器を取り付けてよい。
【0019】
ガス収集領域またはガス捕捉領域としてはたらく内部構造物中での、ガス状の反応物である水素および硫黄の、殊に水素の滞在時間は、好ましくは0.5ないし60秒、特に好ましくは2〜60秒、殊に3〜30秒である。ガス収集領域もしくは内部構造物における温度は、550℃よりも高くてよい。それらの温度は、腐食および安全性の理由から、圧力保持外装について許容されないことがある。いくつかのガス捕捉構造を1つの反応容器内で並べる場合、それを好ましくは上昇する水素の流れの方向にする。その際、個々の内部構造物のガス収集またはガス捕捉容積の大きさは、増えても減っても、または一定であってもよい。好ましくは、流れの方向に収集容積を増加させ、例えば水素と硫黄とのガス混合物中での水素濃度の減少によって遅くなった反応時間を、より高い滞留時間によって補償する。
【0020】
反応の発熱による、圧力保持容器壁での450℃より高い温度を回避するために、内部構造物を液状の硫黄で取り囲む。ガス収集領域および属する内部構造物は、取り囲む液状の硫黄によって冷却される。
【0021】
本発明の好ましい実施態様において、液状の反応物、殊に硫黄の流れの分散を実現し、そのことが硫黄の循環、従って良好な熱の分散を可能にする。殊に、内部構造物と圧力保持外装との間の、液体で満たされた空間において、硫黄の循環が重要視される。新たな硫黄の供給位置によって、および/または変換されなかった硫黄の返送によって、反応器内での循環および熱の収支を狙い通りに調節することができる。好ましくは、硫黄および返送流を、圧力保持外装の内側の冷却のために、および生成物ガスの冷却のために使用する。
【0022】
ガス収集領域またはガス捕捉領域および属する内部構造物は好ましくは1つまたはそれより多くの内部の管によって固定され、且つ圧力容器内で静止している。反応容器の製造および組み立てのために、当業者に公知の方法、例えば溶接が使用される。
【0023】
これに関連して、同様に、表面処理のために、または構造部分の結合のために適した添加材料、例えば溶接添加材料が使用されてよい。ここで、特殊材料またはセラミックスの使用も、高温に基づき、有利である。ガス捕捉構造のために一般に使われているステンレス鋼を使用する場合、そこで好ましくは、1mmより多くの腐食の上乗せを用いてそれを仕上げる。
【0024】
本発明の好ましい実施態様において、内部構造物は、例えばクレーンを利用して、それを上から反応器外に引き出されるように取り付けられている。
【0025】
本発明の対象は、反応容器内での高められた温度および高められた圧力での、液状の反応物と1つまたはそれより多くのガス状の反応物との、ガス状の反応生成物への発熱性の変換のための方法であって、圧力を保持しない内部構造物によって、ガス状の反応物の反応容器内での滞留時間を増加させ、且つ、圧力を保持しない内部構造物が液状の反応物で取り囲まれている、発熱性の変換のための方法である。
【0026】
本発明の対象は同様に、高められた圧力および高温で、本発明による反応容器の使用下での水素および硫黄からの硫化水素の製造である。
【0027】
硫化水素を合成する際の温度は、300〜600℃、殊に約400〜600℃の範囲である。反応容器の圧力保持部分では、温度は内部構造物で生じる温度より低く、好ましくは450℃以下、特に好ましくは450℃未満である。ガス収集領域またはガス捕捉領域もしくは内部構造物において、好ましくは、温度は450℃より高く、殊に600℃までである。
【0028】
液状の硫黄で覆われていない反応器の平面は、好ましくは液状の硫黄より上方にあり、且つ、450℃より高い温度には加熱されない。
【0029】
反応容器および内部構造物の形に関して、特に制限はない。該容器は好ましくは円筒の形態を有している。ガス収集領域またはガス捕捉領域としてはたらく、圧力を保持しない内部構造物は、例えば、裏返されたカップまたは洞穴、ガス収集器およびガス分散器を有する棚構造、中実体または中空体の充填物、詰め物、モノリス、織物またはそれらの組み合わせの形態であってよい。
【0030】
図1は実施態様のための例を図示する。
【0031】
当業者は、硫化水素の製造のために組み合わせられる方法工程の選択において自由であり、その際、本発明による反応容器、および副生成物もしくは未消費の装入物の分離のために別の装置のいくつかを組み合わせてもよい。
【0032】
一般に、5〜20barの圧力で該方法を実施し、且つ、その圧力で、本発明による反応容器内の液状の硫黄中へと水素をみちびく。
【0033】
さらに、本発明による殊に硫化水素への変換を、本発明によって、自体公知の不均一触媒の存在下で行うこともできる。その際、それは好ましくは担体、例えばケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物またはチタン酸化物からなり、並びに、活性元素のモリブデン、ニッケル、タングステン、鉄、バナジウム、コバルト、硫黄、セレン、リン、ヒ素、アンチモンおよびビスマスの1つまたはそれより多くを含有する、硫黄耐性のある水素化触媒である。該触媒を、気相中でも、同様に液相中でも使用することができる。該触媒はペレット充填物の形態、液状の硫黄中で懸濁された粉末として、中実体の層、モノリスまたは織物として存在してよい。触媒は、反応容器の1つまたはそれより多くの場所に施与されていてもよい。好ましくは、該触媒をガス収集領域としてはたらく内部構造物内に施与する。完全な水素の変換を確実にするために、本発明によるさらなる実施態様において、液状の硫黄および全てのガス捕捉構造より上方で、触媒充填物を施与する。液状の硫黄によって取り囲まれている触媒充填物も可能である。
【0034】
純粋な水素の代わりに、不純物を含む水素を、液状の硫黄を通じてみちびいてもよい。該不純物は、例えば二酸化炭素、硫化水素、水、メタノール、メタン、エタン、プロパンまたは他の易揮発性の炭化水素であってよい。好ましくは、65容積%より高く、100容積%までの純度を有する水素が使用され、そこから、好ましくは使用された水素の好ましくは98容積%より多く、100容積%までが硫化水素に変換される。水素中の不純物またはその反応生成物は、好ましくはメチルメルカプタンの合成前に分離されるのではなく、出発物質混合物中に残る。使用される硫黄もまた、様々な不純物を含有し得る。
【0035】
総じて、本発明によって、一方では、特に圧力>5barでの硫化水素のための製造装置の経済的な運転が可能になり、なぜなら、該反応容器は、数年または数十年の長期の運転の際でも、ほとんど手入れ、修復をしなくてもよく、且つ、部分的にあるいは完全に交換しなくてもよいからである。本発明による反応容器によって、圧力保持部分での超過温度の発生が回避され、且つ、それによって、装置の安全性が高められ、なぜなら、該領域内で減少された腐食は、材料の損傷の危険、および危険物質の離脱による事故の可能性が最小化するからである。これは、非常に有毒な物質、例えば硫化水素の際に、特に意義がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施態様のための例を示す図である。
【0037】
比較例1:
高さ1mまで液状の硫黄で満たされた、内径5cmを有する管内へ、連続的に1000Nl/時間の水素を、フリットを介して底部で供給した。硫黄の消費を、液状の硫黄を後で計量供給することによって補償し、その際、充填水準を一定に保った。生成物のガス流から凝縮によって分離された硫黄を、管の上方の領域へ液体で返送した。液状の硫黄より上方では、温度測定のために10cmの間隔で外装の熱電対が取り付けられていた。外壁を介して反応器が電気的に400℃に加熱される一方で、硫黄の内部は約397℃の一定の温度であった。しかしながら、硫黄より上方の熱電対は、520℃の最高温度を示した。さらに、液状の硫黄より上方で、最高温度の場所で一般に使用されている特殊鋼(1.4571)からの新規の材料サンプルを取り付けた。約400時間の運転時間後、材料サンプルを取り出し、そして、剥離の形態での強い腐食現象および質量減少が示された。
【0038】
比較例2:
比較例1を繰り返し、その際、液状の硫黄の高さを4mに高めた。液状の硫黄より上方の最高温度値はそのままであった。材料サンプルでは、同様に強い腐食現象が生じた。
【0039】
比較例3:
比較例2を繰り返し、その際、液状の硫黄中で粉末形態のCo34MoO3/Al23触媒を15質量%、懸濁させた。液状の硫黄より上方の最高温度値はそのままであった。材料サンプルでは、同様に強い腐食現象が生じた。
【0040】
実施例1:
比較例2を繰り返し、その際、液状の硫黄の領域に、裏返されたカップの形態の3つのガス収集領域を取り付けた。そこで、上昇するガスを10〜50秒の範囲の滞留時間で収集した。液状の硫黄より上方で、液状の硫黄と同一の温度が測定された。過熱は観察されなかった。さらに、液状の硫黄より上方の材料サンプルでは、腐食現象は識別されなかった。GC−分析を用いて、水素についての変換度が、生成物ガス中で>60%(400℃の硫黄温度の際、比較例と類似)、420℃の際、>90%、および440℃の際、>96%であると測定された。
【0041】
実施例2:
比較例2を繰り返し、その際、液状の硫黄の領域で、外径5mmおよびペレットの間隙容量70%を有するセラミックの中実体からの充填物を組み入れた。液状の硫黄より上方の最高温度値は、設定された硫黄温度の397℃よりも5℃高いだけであることを示した。さらに、硫黄より上方の材料サンプルでは、腐食現象は識別されなかった。GC−分析を用いて、水素の変換の程度が、生成物ガス中で>99%であると測定された。
【0042】
これらの実施例は、本発明によって、強い発熱反応が、液体硫黄で満たされた内部構造物の領域もしくはガス収集領域内部で既に終了しており、且つ、液状の硫黄より上方のガス領域では生じないことを示す。それによって、そこで高い超過温度によって引き起こされる腐食は生じない。生じる硫化水素は、高い純度である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高められた温度および高められた圧力での、液状の反応物と1つまたはそれより多くのガス状の反応物との、ガス状の反応生成物への発熱性の変換の実施に適した反応容器であって、圧力を保持しない内部構造物によって、ガス状の反応物の反応容器内での滞留時間を増加させ、且つ、圧力を保持しない内部構造物が液状の反応物で取り囲まれている、反応容器。
【請求項2】
生じる反応熱が、循環する液状の反応物を介して導き出される、請求項1に記載の反応容器。
【請求項3】
圧力を保持しない内部構造物として、ガス収集領域およびガス捕捉領域を使用する、請求項1に記載の反応容器。
【請求項4】
圧力を保持しない領域として、中実または中空体の充填物を使用する、請求項1に記載の反応容器。
【請求項5】
ガス状の反応物の滞留時間を適した触媒の充填物によって増加させる、請求項1に記載の反応容器。
【請求項6】
触媒がガス収集領域の内側にある、請求項1、3および5のいずれか1項に記載の反応容器。
【請求項7】
3ないし100の、圧力を保持しない内部構造物を含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の反応容器。
【請求項8】
ガス収集領域またはガス捕捉領域内でのガス状の反応物の滞留時間が、0.5秒より長く60秒までである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の反応容器。
【請求項9】
ガス状の反応物の滞留時間が、内部構造物のない反応容器に対して3ないし20倍、増加されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の反応容器。
【請求項10】
内部構造物が、液体の反応物で取り囲まれ、且つ、壁によって反応容器の壁から分けられて、前記の壁の間の間隙からもたらされる空間によって、ガス状の反応物の上昇方向に対向して液状の反応物が循環する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の反応容器。
【請求項11】
液状の硫黄とガス状の水素との、硫化水素への変換のために使用する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の反応容器。
【請求項12】
容器内で高められた温度および高められた圧力での、液状の反応物と1つまたはそれより多くのガス状の反応物との、ガス状の反応生成物への発熱性の変換のための方法であって、圧力を保持しない内部構造物によって、ガス状の反応物の反応容器内での滞留時間を増加させ、且つ、圧力を保持しない内部構造物が液体の反応物で取り囲まれている、発熱性の変換のための方法。
【請求項13】
高められた圧力下での硫黄および水素からの硫化水素の製造方法であって、請求項1から11までのいずれか1項に記載の反応容器内でのガス状の水素と液状の硫黄との変換を300〜600℃の温度で実施し、その際、圧力を保持しない内部構造物の温度が、圧力を保持する容器壁の温度より高い、製造方法。
【請求項14】
圧力を保持しない内部構造物の温度が>450℃であり、且つ、圧力を保持する容器壁の温度が<450℃である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
8〜20barの圧力で作業する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
触媒の存在下で変換を実施する、請求項13から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
好ましくは担体、例えばケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物またはチタン酸化物からなり、並びに、活性元素のモリブデン、ニッケル、タングステン、鉄、バナジウム、コバルト、硫黄、セレン、リン、ヒ素、アンチモンおよびビスマスの1つまたはそれより多くを含有する、硫黄耐性のある水素化触媒を使用する、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−528277(P2011−528277A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517849(P2011−517849)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058388
【国際公開番号】WO2010/006932
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】