説明

反応種生成方法、および反応種生成装置、並びに反応種による処理方法、および反応種による処理装置

【課題】イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種生成方法、および反応種生成装置、並びに反応種による処理方法、および反応種による処理装置を提供する。
【解決手段】希ガス1を励起種に励起させるための第1の反応容器11と、第1の反応容器11内でプラズマを生成させるための電源12及び電極13と、第1の反応容器11にて希ガス1を励起させるときに生成された荷電粒子が、第1の反応容器11外に漏れるのを抑制する接地されたメッシュ14と、第1の反応容器11にて励起された希ガス1を移送させる流路と、励起された希ガス1とプロセスガス3とが混合される第2の反応容器16と、プロセスガス3をプロセス領域4に導入するプロセスガス供給流路15とを備える。プロセス領域4にて、励起された希ガス1によってプロセスガス3から励起された希ガス1に比べて短寿命である反応種を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプラズマによって活性化されたプロセスガスから生成したラジカル等の反応種における反応種生成方法、および反応種生成装置、並びに反応種による処理方法、および反応種による処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、不活性ガスをプラズマ化つまり励起し、発生した不活性ガスの励起種によってプロセスガスをプラズマ化し、このプラズマ化されたプロセスガスから生成したプロセスガスのラジカル等の反応種を用いて、被処理物を処理する技術が知られている。
【0003】
このような反応種生成方法は、被処理物の加工や薄膜剥離、薄膜形成、洗浄、表面改質等の工業分野、又は殺菌、洗浄等の医療、健康分野等様々な分野に用いられている。
【0004】
大気圧下又は大気圧近傍下でのプラズマを用いた反応種の生成方法としては、プラズマ領域に反応種不活性ガスおよびプロセスガスを所定の割合で供給し、プラズマ領域内でプロセスガスをプラズマ化して、反応種を生成する方法が用いられていた。
【0005】
ところで、プラズマ内でプロセスガスをプラズマ化した場合、被処理物は、反応種だけではなく、イオン種や電子、熱等によってもプラズマの影響を多く受けるため、反応種の使用条件に関して多くの制約があった。
【0006】
そこで、このようなイオン種や電子、熱等によるプラズマの影響を緩和する技術として例えば特許文献1が開示されている。特許文献1には、図11に示すように、反応容器101から吹き出している不活性ガスプラズマ流102に隣接して反応性ガス流103を供給し、この反応性ガス流103をプラズマ化する大気圧プラズマ発生方法及び装置100に関する技術が開示されている。
【0007】
これにより、不活性ガスプラズマ流102と反応性ガス流103との境界部の大きさに応じて、プラズマ化した反応性ガスの照射領域が設定され、また、プラズマ化した反応性ガスが直ちに被処理物104に照射されるので、高いプラズマ処理効率が得られる。したがって、プラズマ処理領域を微小な範囲を含めて所望の範囲に設定できかつ高い処理効率を確保することができるとしている。すなわち、反応性ガス流103の照射領域が狭いので、反応性ガス流103からの余分なイオン種や電子、熱等によるプラズマの影響因子の発生を小さく抑えることができるものとなっている。
【0008】
また、特許文献2には、図12に示すように、同軸に配置された2つの電極201・202間の円環状空間203において、大気圧下で、ヘリウム(He)と酸素(O)との混合ガス204によるプラズマジェット205が生成され、このプラズマジェット205の先端に例えばテトラエトキシシラン(TEOS:Tetra Ethoxy Silane)等のプロセスガス206を導入することによって反応種を生成し、被処理物であるシリコン基板207にイオン種を殆ど曝すことなく二酸化ケイ素(SiO)の薄膜堆積を行うことを特徴とするプラズマ気相成長法の技術が開示されている。
【0009】
すなわち、特許文献2に開示のプラズマ気相成長法では、プラズマジェット205の内部でイオン種や原子種が生成されるが、これらのイオン種や原子種は、電極201・202間の円環状空間203を出る前に衝突によって急速に消滅してしまう。このため、プラズマジェット噴出口208付近ではイオン種は殆どなくなっていることによって、薄膜堆積の際にシリコン基板207の下層にダメージを与える可能性は除かれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−305309号公報(2007年11月22日公開)
【特許文献2】特表2001−520320号公報(2001年10月30日公表)
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Journal of Plasma and Fusion Research Vol.83, No.7 July 2007
【非特許文献2】軽金属 第56巻第9号(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示された反応種生成方法では、反応性ガス流103を、吹き出している不活性ガスプラズマ流102と混合させ、プラズマ化させて被処理物104に照射しているため、被処理物104がプラズマの影響を受ける。このため被処理物104は、チャージアップする等するため、イオン種等の荷電粒子の影響なしに用いることが難しい。また、OHラジカル等の超短寿命反応種を用いる場合、被処理物104の直前で反応種を生成しなければならないため、プラズマの影響なしに用いることが難しく、同様に、反応種以外のイオン種等の荷電粒子の影響なしに用いることが難しい。
【0013】
また、特許文献2では、被処理物であるシリコン基板207をイオン種等に殆ど曝すことなく処理を行うことができると記載されている。
【0014】
しかし、特許文献2で紹介される装置200では、プラズマジェット噴出口208から吹き出しているプラズマジェット205は、プラズマを遮蔽していないためイオン種等の荷電粒子が存在している可能性がある。したがって、この荷電粒子が存在するプラズマジェット205をシリコン基板207に照射しているため、シリコン基板207がプラズマの影響を受け、チャージアップする等、反応種以外のイオン種等の荷電粒子の影響を受ける可能性がある。
【0015】
また、特許文献1と同様に、OHラジカル等の超短寿命反応種を用いる場合、シリコン基板207の直前で反応種を生成しなければならないため、プラズマの影響なしに用いることが難しい。
【0016】
すなわち、特許文献2では、イオン種は殆どなくなっていると記載しているが、装置構成からすると、イオン種等の荷電粒子の除去が不十分であると考えられる。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種生成方法、および反応種生成装置、並びに反応種による処理方法、および反応種による処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の反応種生成方法は、上記課題を解決するために、長寿命励起種生成用ガスを励起することによりプロセスガスを励起し、励起されたプロセスガスにて反応種を生成する反応種生成方法であって、励起された長寿命励起種生成用ガスを、該長寿命励起種生成用ガスを励起させる励起領域とは別のプロセス領域に移送し、上記プロセス領域にて、プロセスガスを導入かつ励起し、励起されたプロセスガスから、上記励起された長寿命励起種生成用ガスに比べて短寿命である反応種を生成すると共に、上記励起領域にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子を遮蔽して、該荷電粒子が励起領域外に漏れるのを抑制することを特徴としている。
【0019】
上記の発明によれば、励起領域にて励起された長寿命励起種生成用ガスの長寿命励起種は、別のプロセス領域に移送され、このプロセス領域に導入されるプロセスガスを励起して反応種を生成する。このとき、励起領域にて励起された長寿命励起種生成用ガスからは、荷電粒子が発生する。
【0020】
しかし、本発明では、励起領域にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子を遮蔽して、該荷電粒子が励起領域外に漏れるのを抑制する。このため、荷電粒子はプロセス領域には移送されず、長寿命励起種のみがプロセス領域に移送されることになる。そして、この長寿命励起種にて、励起されたプロセスガスから、上記励起された長寿命励起種生成用ガスに比べて短寿命である反応種が生成されるので、被処理物に悪影響を及ぼすイオン種等の荷電粒子が、吹き出されることはない。
【0021】
すなわち、プラズマの影響がない状態で短寿命の反応種を生成させることができる。
【0022】
また、励起領域にプロセスガスを通さないことによって、生成効率の高い長寿命励起種を生成させることができ、励起領域への負担を軽減させることが可能となる。
【0023】
したがって、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種生成方法を提供することができる。
【0024】
本発明の反応種生成方法では、前記遮蔽を、電界により行うことが好ましい。
【0025】
これにより、イオン種等の荷電粒子は電荷を有しているので、電界を用いることにより、簡単な構成にて、励起領域にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子を遮蔽して、該荷電粒子が励起領域外に漏れるのを抑制することができる。
【0026】
本発明の反応種生成方法では、前記遮蔽を、前記励起領域とプロセス領域との間に設けた接地された格子状導電部材により行うことが好ましい。
【0027】
これにより、励起領域とプロセス領域との境界に設けた設置された格子状導電部材により、荷電粒子をトラップすることができるので、荷電粒子が励起領域外であるプロセス領域に漏れるのを抑制することができる。
【0028】
すなわち、励起領域では、一般に、電極間にて高周波電力が印加されることにより、プラズマが発生する。しかしながら、高周波電力は、一般的には、電極と被処理物との間においても印加されてしまうので、励起領域がプロセス領域にまで侵入することになる。この結果、従来では、例えば、図11に示す特許文献1に開示の大気圧プラズマ発生方法及び装置100のように、プロセス領域中の励起領域にて発生した荷電粒子が被処理物に悪影響を及ぼすことになっていた。また、図12に示す特許文献2に開示された装置200では、一方の電極202が接地されている。しかし、電極201とシリコン基板207との間には電荷を遮蔽するものがないので、電極201とシリコン基板207との間でプラズマが発生し、その結果、荷電粒子がシリコン基板207に悪影響を及ぼすことが明らかである。
【0029】
この点、本発明では、上述したように、励起領域とプロセス領域との境界に設けた設置された格子状導電部材により、格子状導電部材の電位は0であり、被処理物の電位も0であり、両者間に電圧が印加されることはない。この結果、プラズマ発生領域は励起領域に止まり、荷電粒子の発生も励起領域に止まり、長寿命励起種のみがプロセス領域に移送されることになる。
【0030】
本発明の反応種生成方法では、前記遮蔽を、前記プロセス領域の接地により行うことが好ましい。
【0031】
これにより、プロセス領域を接地することによっても、上述した作用効果と同様の作用効果となり、励起領域にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子を遮蔽して、該荷電粒子が励起領域外に漏れるのを抑制することができる。
【0032】
本発明の反応種生成方法では、前記励起された長寿命励起種生成用ガスの移送方向とプロセスガスの導入方向との交差角を変化させることにより反応種の生成量を変化させることが好ましい。
【0033】
これにより、容易に、反応種の生成量を変化させることができる。
【0034】
本発明の反応種生成方法では、前記励起された長寿命励起種生成用ガスと前記プロセスガスとを混合させるプロセス領域での位置を変化させることにより反応種の生成量を変化させることが好ましい。
【0035】
これによっても、容易に、反応種の生成量を変化させることができる。
【0036】
本発明の反応種生成方法では、前記長寿命励起種生成用ガスは、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン、又はこれらの混合ガスであることが好ましい。
【0037】
これにより、これらの希ガスにより、反応種を発生することができる。
【0038】
本発明の反応種生成方法では、前記プロセスガスは、エッチング又は表面処理、剥離用ガスとすることができる。
【0039】
これにより、プロセスガスから生成した反応種によって、被処理物をエッチング又は表面処理、剥離することができる。
【0040】
本発明の反応種生成方法では、前記プロセスガスは、成膜用ガスとすることができる。
【0041】
これにより、プロセスガスから生成した反応種によって、被処理物を成膜することができる。
【0042】
本発明の反応種生成方法では、前記プロセスガスは、水分を含むガスとすることができる。
【0043】
これにより、プロセスガスから超短寿命の反応種であるOHラジカルを生成することができる。
【0044】
本発明の反応種生成方法では、前記プロセス領域が、長寿命励起種生成用ガスを供給させる長寿命励起種生成用ガス供給用開口部と、プロセスガスを供給させるプロセスガス供給用開口部と、反応種を吹き出させる反応種を吹き出し用開口部とを有する反応容器とすることができる。
【0045】
これにより、反応容器にて、反応種を生成し、被処理物に反応種を吹き出すことができる。
【0046】
本発明の反応種生成方法では、前記プロセス領域が、開放空間にてなっているとすることができる。すなわち、プロセス領域は、反応容器で覆われていない。
【0047】
これにより、プロセス領域を反応容器で覆うのに比較して、広範囲で反応種を発生させることができる。また、被処理物の設置場所の自由度を大きくすることができる。
【0048】
本発明の反応種生成方法では、大気圧下又は大気圧近傍下にて、長寿命励起種生成用ガスを励起することによりプロセスガスを励起し、励起されたプロセスガスにて反応種を生成することが好ましい。
【0049】
これにより、大気圧下又は大気圧近傍下にて、反応種を生成することができるので、真空装置のような煩雑な装置を使用しなくても、反応種を容易に生成することができる。
【0050】
本発明の反応種生成装置は、上記課題を解決するために、上記記載の反応種生成方法を用いる反応種生成装置であって、長寿命励起種生成用ガスを励起種に励起させるための第1の反応容器と、上記第1の反応容器内でプラズマを生成させるためのプラズマ生成手段と、上記第1の反応容器にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子が、該第1の反応容器外に漏れるのを抑制する遮蔽手段と、上記第1の反応容器にて励起された上記長寿命励起種生成用ガスを移送させる流路と、励起された上記長寿命励起種生成用ガスとプロセスガスとが混合される第2の反応容器と、上記プロセスガスを第2の反応容器に導入するプロセスガス導入手段とを備え、上記第2の反応容器にて、上記励起された長寿命励起種生成用ガスによって上記プロセスガスから該励起された長寿命励起種生成用ガスに比べて短寿命である反応種を生成することを特徴としている。
【0051】
上記の発明によれば、遮蔽手段は、第1の反応容器にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子が、該第1の反応容器外に漏れるのを抑制する。
【0052】
したがって、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種生成装置を提供することができる。
【0053】
本発明の反応種生成装置では、前記プラズマ生成手段は、10kHz以上の周波数を有する交流電圧又は直流電圧を出力する電源と、上記交流電圧又は直流電圧が印加される一対の電極と、大気圧又はその近傍の圧力下において放電を発生させる放電生成部とを備えているとすることができる。
【0054】
これにより、10kHz以上の周波数を有する交流電圧又は直流電圧を出力する電源によるプラズマ生成手段によって、プラズマを発生する最低限の高周波出力にて、反応種生成用ガスを励起させることができる。
【0055】
本発明の反応種生成装置では、前記プラズマ生成手段は、1MHz以上の周波数を有する交流電圧を出力する電源と、上記交流電圧が印加される一対の絶縁体で被覆された電極と、大気圧又はその近傍の圧力下において放電を発生させる放電生成部とを備えているとすることができる。
【0056】
これにより、1MHz以上の周波数を有する交流電圧又は直流電圧を出力する電源によるプラズマ生成手段によって、プラズマを発生する比較的高い高周波出力にて、例えば、て、反応種生成用ガスとしてヘリウムガスを励起させることができる。
【0057】
本発明の反応種生成装置では、前記プラズマ生成手段は、10kHz以上の周波数を有する交流パルス電圧又は直流パルス電圧を出力する電源と、上記交流パルス電圧又は直流パルス電圧が印加される一対の電極と、大気圧又はその近傍の圧力下において放電を発生させる放電生成部と備えているとすることができる。
【0058】
これにより、10kHz以上の周波数を有する交流パルス電圧又は直流パルス電圧を出力する電源によるプラズマ生成手段によって、プラズマを発生する最低限の高周波出力にて、反応種生成用ガスを励起させることができる。
【0059】
また、パルス出力により、プラズマの発生を断続的に行うので、低温にて反応種生成用ガスを励起させ、これにより、低温にて反応種を発生することができる。
【0060】
本発明の反応種生成装置では、前記電極は、冷却手段を備えていることが好ましい。
【0061】
これにより、電極を冷却し、電極が高温になることを防止することによって、電極に高出力のプラズマ発生電力を印加することができる。
【0062】
本発明の反応種生成装置では、前記第2の反応容器は、長寿命励起種生成用ガスを供給させる長寿命励起種生成用ガス供給用開口部と、プロセスガスを供給させるプロセスガス供給用開口部と、反応種を吹き出させる反応種吹き出し用開口部を有する流路とを備えているとすることができる。
【0063】
これにより、第2の反応容器にて、反応種を生成し、被処理物に反応種を吹き出すことができる。また、第2の反応容器を設けることにより、第2の反応容器を設けない場合に比較して、高密度の反応種を生成することができる。
【0064】
本発明の反応種生成装置では、前記第2の反応容器における反応種吹き出し用開口部は、長寿命励起種生成用ガス供給用開口部よりも面積の小さい開口となっていることが好ましい。
【0065】
これにより、反応種吹き出し用開口部を絞ることになるので、被処理物に対して局所的に反応種を吹き出すことができる。
【0066】
本発明の反応種生成装置では、前記第2の反応容器は、前記長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間においてパイプ状流路となっていることが好ましい。
【0067】
これにより、パイプ状流路に沿って、励起した長寿命励起種生成用ガスおよび反応種を被処理物に向けて案内することができる。
【0068】
本発明の反応種生成装置では、前記パイプ状流路は、前記長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間において直線状の流路となっているとすることができる。
【0069】
これにより、励起領域にて発生した励起された長寿命励起種生成用ガスおよび反応種を直線的に被処理物に向けて吹き出すことができる。
【0070】
本発明の反応種生成装置では、前記パイプ状流路は、前記長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間において非直線状の流路となっているとすることができる。すなわち、第2の反応容器の形状は、長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間において一直線状の流路ではない。
【0071】
これにより、励起領域から離れた場所において、反応種を発生することができる。
【0072】
本発明の反応種生成装置では、前記第2の反応容器は、前記長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間においては開放空間の流路となっているとすることができる。すなわち、第2の反応容器は、長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間に壁面を有する流路を持たない。
【0073】
これにより、プロセス領域を反応容器で覆うのに比較して、広範囲で反応種を発生させることができる。また、被処理物の設置場所の自由度を大きくすることができる。
【0074】
本発明の反応種による処理方法は、上記課題を解決するために、上記記載の反応種生成方法を用いる反応種による処理方法であって、生成された反応種によって被処理物の分解、又は除去加工の処理を行うことを特徴としている。
【0075】
上記の発明によれば、本発明の反応種生成方法を用いて、生成された反応種によって被処理物の分解、又は除去加工の処理を行うことができる。
【0076】
したがって、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種による処理方法を提供することができる。
【0077】
本発明の反応種による処理方法は、上記課題を解決するために、上記記載の反応種生成方法を用いる反応種による処理方法であって、生成された反応種によって金属基板表面の酸化の処理を行うことを特徴としている。
【0078】
上記の発明によれば、本発明の反応種生成方法を用いて、生成された反応種によって金属基板表面の酸化の処理を行うことができる。
【0079】
したがって、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種による処理方法を提供することができる。
【0080】
本発明の反応種による処理方法では、前記被処理物に、生成された反応種と粒子とを供給することによって、前記処理を行うとすることができる。
【0081】
これにより、被処理物に粒子を衝突させることによって、被処理物の除去加工、エッチング、表面の平滑化等を容易に行うことができる。すなわち、粒子形状が平滑であり、かつ衝突のランダム性が存在すれば、被処理物における平滑な表面の作製が可能になる。
【0082】
本発明の反応種による処理方法では、前記粒子は、10nm以上かつ100μm以下であることが好ましい。
【0083】
これにより、被処理物の除去加工、エッチング、表面の平滑化等を容易に行うことができる。尚、10nm未満では、除去速度、エッチング速度が遅くなる。また、100μmを越える場合には、平滑化が困難となる。
【0084】
本発明の反応種による処理方法では、前記粒子は、少なくとも一部に酸素元素を含有しているとすることができる。
【0085】
これにより、被処理物を酸化処理することができる。
【0086】
本発明の反応種による処理方法は、上記課題を解決するために、上記記載の反応種生成方法を用いる反応種による処理方法であって、生成された反応種によって被処理物への薄膜形成を行うことを特徴としている。
【0087】
上記の発明によれば、本発明の反応種生成方法を用いて、生成された反応種によって被処理物への薄膜形成を行うことができる。すなわち、プロセス領域で生成された短寿命の反応種を被処理物に吹き付けることによって、荷電粒子や熱等の影響を受けることなく、被処理物への薄膜形成を行うことができる。
【0088】
したがって、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種による処理方法を提供することができる。
【0089】
本発明の反応種による処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の反応種生成装置を用いる反応種による処理装置であって、生成された反応種によって被処理物の分解又は除去加工の処理を行うことを特徴としている。
【0090】
上記の発明によれば、本発明の反応種生成方法を用いて、生成された反応種によって被処理物の分解又は除去加工の処理を行うことができる。
【0091】
したがって、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種による処理装置を提供することができる。
【0092】
本発明の反応種による処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の反応種生成装置を用いる反応種による処理装置であって、上記生成された反応種によって金属の被処理物表面における酸化の処理を行うことを特徴としている。
【0093】
上記の発明によれば、本発明の反応種生成方法を用いて、生成された反応種によって金属の被処理物表面における酸化の処理を行うことができる。
【0094】
したがって、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種による処理装置を提供することができる。
【0095】
本発明の反応種による処理装置では、被処理物に、生成された反応種と粒子とを供給することによって被処理物の処理を行うとすることができる。
【0096】
これにより、被処理物に粒子を衝突させることによって、被処理物の除去加工、エッチング、表面の平滑化等を容易に行うことができる。すなわち、粒子形状が平滑であり、かつ衝突のランダム性が存在すれば、被処理物における平滑な表面の作製が可能になる。
【0097】
本発明の反応種による処理装置では、前記粒子は、10nm以上かつ100μm以下であることが好ましい。
【0098】
これにより、被処理物の除去加工、エッチング、表面の平滑化等を容易に行うことができる。尚、10nm未満では、除去速度、エッチング速度が遅くなる。また、100μmを越える場合には、平滑化が困難となる。
【0099】
本発明の反応種による処理装置では、前記粒子は、少なくとも一部に酸素元素を含有していることが好ましい。
【0100】
これにより、被処理物を酸化処理することができる。
【0101】
本発明の反応種による処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の反応種生成装置を用いる反応種による処理装置であって、生成された反応種によって被処理物への薄膜形成を行うことを特徴としている。
【0102】
上記の発明によれば、本発明の反応種生成装置を用いて、生成された反応種によって被処理物への薄膜形成を行うことができる。すなわち、プロセス領域で生成された短寿命の反応種を被処理物に吹き付けることによって、荷電粒子や熱等の影響を受けることなく、被処理物への薄膜形成を行うことができる。
【0103】
したがって、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種による処理装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0104】
本発明の反応種生成方法は、以上のように、励起された長寿命励起種生成用ガスを、該長寿命励起種生成用ガスを励起させる励起領域とは別のプロセス領域に移送し、上記プロセス領域にて、プロセスガスを導入かつ励起し、励起されたプロセスガスから、上記励起された長寿命励起種生成用ガスに比べて短寿命である反応種を生成すると共に、上記励起領域にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子を遮蔽して、該荷電粒子が励起領域外に漏れるのを抑制する方法である。
【0105】
本発明の反応種生成装置は、以上のように、上記記載の反応種生成方法を用いる反応種生成装置であって、長寿命励起種生成用ガスを励起種に励起させるための第1の反応容器と、上記第1の反応容器内でプラズマを生成させるためのプラズマ生成手段と、上記第1の反応容器にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子が、該第1の反応容器外に漏れるのを抑制する遮蔽手段と、上記第1の反応容器にて励起された上記長寿命励起種生成用ガスを移送させる流路と、励起された上記長寿命励起種生成用ガスとプロセスガスとが混合される第2の反応容器と、上記プロセスガスを第2の反応容器に導入する手段とを備え、上記第2の反応容器にて、上記励起された長寿命励起種生成用ガスによって上記プロセスガスから該励起された長寿命励起種生成用ガスに比べて短寿命である反応種を生成するものである。
【0106】
本発明の反応種による処理方法は、以上のように、上記記載の反応種生成方法を用いる反応種による処理方法であって、生成された反応種によって被処理物の分解、又は除去加工の処理を行う方法である。
【0107】
本発明の反応種による処理方法は、以上のように、上記記載の反応種生成方法を用いる反応種による処理方法であって、生成された反応種によって金属基板表面の酸化の処理を行う方法である。
【0108】
本発明の反応種による処理方法は、以上のように、上記記載の反応種生成方法を用いる反応種による処理方法であって、生成された反応種によって被処理物への薄膜形成を行う方法である。
【0109】
本発明の反応種による処理装置は、以上のように、上記記載の反応種生成装置を用いる反応種による処理装置であって、生成された反応種によって被処理物の分解又は除去加工の処理を行うものである。
【0110】
本発明の反応種による処理装置は、以上のように、上記記載の反応種生成装置を用いる反応種による処理装置であって、生成された反応種によって金属の被処理物表面における酸化の処理を行うものである。
【0111】
本発明の反応種による処理装置は、以上のように、生成された反応種によって被処理物への薄膜形成を行うものである。
【0112】
それゆえ、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種生成方法、および反応種生成装置、並びに反応種による処理方法、および反応種による処理装置を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明における反応種生成装置の実施の形態を示すものであり、反応種生成装置を示す構成図である。
【図2】上記反応種生成装置における変形例を示すものであり、電極を第1の反応容器の外側に設置して、誘電体バリア放電方式としたプラズマ生成手段を示す構成図である。
【図3】上記反応種生成装置における変形例を示すものであり、プロセス領域を覆う第2の反応容器を設けた反応種生成装置を示す構成図である。
【図4】上記反応種生成装置における他の変形例を示すものであり、プラズマ生成手段の電極を第1の反応容器の外側に設置して、誘電体バリア放電方式とし、かつプロセス領域を覆う第2の反応容器を設けた反応種生成装置を示す構成図である。
【図5】上記反応種生成装置におけるOH*の生成量を確認するための、レーザ誘起蛍光法による計測をするための装置の一例を示す構成図である。
【図6】上記レーザ誘起蛍光法による計測結果を示すグラフである。
【図7】上記反応種生成装置におけるOH*の生成量を確認するための、電子スピン共鳴法による計測結果を示すグラフである。
【図8】上記反応種生成装置におけるさらに他の変形例を示すものであり、プロセス領域を覆う第2の反応容器を直線状ではない構成とした反応種生成装置を示す構成図である。
【図9】上記反応種生成装置におけるさらに他の変形例を示すものであり、プロセス領域を覆う第2の反応容器を直線状ではない構成とした反応種生成装置を示す構成図である。
【図10】本発明における反応種生成装置の実施の形態における他の実施例を示すものであり、反応種による加工方法を実施するための装置の一例を示す構成図である。
【図11】従来の反応種による処理装置を示す構成図である。
【図12】従来の他の反応種による処理装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0114】
本発明の一実施形態について図1〜図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0115】
本実施の形態の反応種生成方法、および反応種生成装置、並びに反応種による処理方法、および反応種による処理装置について具体的に説明する。
【0116】
本実施の形態の反応種生成方法および反応種生成装置、並びに反応種による処理方法、および反応種による処理装置は、例えば、図1に示すように、長寿命励起種生成用ガスとしての希ガス1を励起することによりプロセスガス3を励起し、励起されたプロセスガス3にて反応種を生成する。そして、特徴的には、励起された希ガス1を、該希ガス1を励起させる励起領域5とは別のプロセス領域4に移送し、プロセス領域4にて、プロセスガス3を導入かつ励起し、励起されたプロセスガス3から、励起された希ガス1に比べて短寿命である反応種を生成する。このときに、本実施の形態では、励起領域5にて希ガス1を励起させるときに生成された荷電粒子を遮蔽して、該荷電粒子が励起領域5外に漏れるのを抑制する。
【0117】
すなわち、本実施の形態では、励起領域5にて励起された希ガス1の長寿命励起種は、別のプロセス領域4に移送され、このプロセス領域4に導入されるプロセスガス3を励起して反応種を生成する。このとき、励起領域5にて励起された希ガス1からは、荷電粒子が発生する。
【0118】
しかし、本実施の形態では、励起領域5にて希ガス1を励起させるときに生成された荷電粒子を遮蔽して、該荷電粒子が励起領域5外に漏れるのを抑制する。このため、荷電粒子はプロセス領域4には移送されず、長寿命励起種のみがプロセス領域4に移送されることになる。そして、この長寿命励起種にて、励起されたプロセスガス3から、励起された希ガス1に比べて短寿命である反応種が生成されるので、被処理物30に悪影響を及ぼすイオン種等の荷電粒子が、吹き出されることはない。
【0119】
すなわち、プラズマの影響がない状態で短寿命の反応種を生成させることができる。
【0120】
また、励起領域5にプロセスガス3を通さないことによって、生成効率の高い長寿命励起種を生成させることができ、励起領域5への負担を軽減させることが可能となる。
【0121】
したがって、イオン種等の荷電粒子の影響を回避し得る反応種生成方法、および反応種生成装置、並びに反応種による処理方法、および反応種による処理装置を提供することができる。
【0122】
尚、以下に各実施例について説明するが、本発明は、各実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例1】
【0123】
本発明の反応種生成方法、および反応種生成装置の第1の実施例について、図1〜図9を参照しながら説明する。
【0124】
図1は、本発明における一実施例の反応種生成装置10の概略を示した図である。反応種生成装置10は、図1に示すように、長寿命励起種生成用ガスとしての希ガス1を長寿命の励起種に励起させるための第1の反応容器11と、この第1の反応容器11内でプラズマを生成させるためのプラズマ生成手段としての電源12及び電極13と、第1の反応容器11において希ガス1を励起させる際に生成された荷電粒子の殆ど全てが第1の反応容器11外に漏れないようにする遮蔽手段としての接地14aされたメッシュ14と、第1の反応容器11において励起された希ガスである励起希ガス2とプロセスガス供給流路15から導入されるプロセスガス3とを混合させるプロセス領域4とを備えている。
【0125】
上記希ガス1は、本実施例では、ヘリウムガスを用いているが、希ガス1であれば、これに限定されるものではない。また、ヘリウムとアルゴンとの混合ガス等の異なる希ガスを混合させて用いてもよい。また、ヘリウムガスの流量は、例えば0.5slmから10slmを用いているが、これに限定されるものではない。
【0126】
上記希ガス1は、内径4mmの石英からなる第1の反応容器11に供給され、この第1の反応容器11の中での励起領域5にて励起された後、メッシュ14を通過し、プロセス領域4へ励起希ガス2となって供給される。
【0127】
上記メッシュ14は、金属、又は誘電体で被覆された金属を用いているが、これに限定されるものではない。
【0128】
上記プロセスガス3は、例えば、水分を含むヘリウムガスを用いているが、これに限定されるものではない。水分を含むヘリウムガスは、ヘリウムにて超純水の中をバブリングすることによって水分を含ましているが、これに限定されるものではない。また、水分を含むヘリウムガスの、バブリングさせるヘリウムガスの流量は例えば0.05slmから2slmを用いているが、これに限定されるものではない。尚、1slm(Standard Liter per Minute)は、0℃1気圧状態におけるL/minに換算した値をいう。
【0129】
また、プロセスガス3の種類は、特に制限されないが、例えば、NF、SF、CF、HF、NHF等のハロゲン化合物に代表されるエッチングガス、又はNH、SiH等の成膜ガス、さらにはCl、F、O、H、N等のガスが挙げられ、また、これらの混合ガスであってもよい。
【0130】
さらに、上記プロセスガス3を供給させるために、キャリアガスとして希ガス等の不活性ガスを用いてもよい。
【0131】
上記プロセスガス3は、例えば内径4mmのプロセスガス供給流路15を通り、プロセス領域4へ供給される。プロセスガス供給流路15は、励起希ガス2の流れに対して45度の角度をもって交差しているが、上記角度はこれに限定されるものではない。
【0132】
また、プロセスガス供給流路15は、メッシュ14から例えば85mm離れたところに位置しているが、上記位置はこれに限定されるものではない。
【0133】
尚、上記プロセス領域4については、後述する図3及び図4に示すように、このプロセス領域4を覆う第2の反応容器16を設けても良い。
【0134】
上記電極13には冷却水流路17が設けられ、冷却水18が矢印の方向に流れている。電極13に冷却水18を流すことによって、電極13の冷却、および、生成されるヘリウムプラズマを冷却することができ、冷却された励起希ガス2をプロセス領域4へ供給することができる。
【0135】
ここで、電極13は、例えば直径4mmの銅電極を用いているが、導体であれば、これに限定されるものではない。
【0136】
尚、図2に示すように、電極13を第1の反応容器11の外側に設置して、誘電体バリア放電方式としてもよい。
【0137】
上記図1および図2に示す電源12は、例えば、高周波(RF:Radio Frequency)の周波数13.56MHzの交流電源(ノダRF社製)を用いているが、その倍波の27.12MHz、その4倍波の40.68MHz、150MHz、又はマイクロ波の2.45GHzとすることが好ましい。さらに言えば、周波数が10kHz以上の交流電源又は周波数が10kHz以上の直流電源であれば、これに限定されるものではない。この高周波電源の電力は5W以上であることが好ましい。
【0138】
また、繰り返し周波数が10kHz以上の交流パルス電源(栗田製作所製)、又は繰り返し周波数が10kHz以上の直流パルス電源であってもよい。このパルスの幅は1msec以下であり、印加電圧は0.1kV以上であることが好ましい。
【0139】
上記電源12を用いることによって、第1の反応容器11内においてヘリウムプラズマを生成することができる。第1の反応容器11内において生成されたヘリウムプラズマによって、イオン種を含む荷電粒子、及び、準安定状態の励起種が生成される。
【0140】
第1の反応容器11内において生成されたヘリウムプラズマは、第1の反応容器11とプロセス領域4との間に設置されている接地14aされたメッシュ14によって電気的に遮蔽されているため、イオン種を含む荷電粒子がプロセス領域4へ漏れ出すことはない。このため、中性励起種である準安定状態の励起希ガス2であるヘリウムをプロセス領域4へ供給することができる。そして、プロセスガス供給流路15からプロセス領域4へ供給されている水分を含むプロセスガス3であるヘリウムガスと混合させ、
He* + HO → He + OH* + H
の反応により超短寿命の反応種であるOHラジカルを生成することができる。ここで、He*は準安定状態のヘリウム、OH*はOHラジカルを示す。
【0141】
このとき、ヘリウムガスは励起種の原料であるだけでなく、生成された励起種および反応種の緩衝剤としての役割も有し、準安定状態のヘリウムの長距離移送および超短寿命であるOHラジカル寿命の延命を可能にする。
【0142】
OHラジカル生成の評価は、レーザ誘起蛍光法(以下、「LIF(Laser Induced Fluorescence)」という。)および電子スピン共鳴方法(以下、「ESR(Electron Spin Resonance)」という。)を用いて行った。
【0143】
図5にLIFの実験系の図を示すと共に、図6に励起希ガス2流の横から水分を含んだプロセスガス3を噴射した場合のLIF測定結果のグラフを示す。また、図7に励起希ガス2の直下に水を含んだ検出試薬(商品名:CYPMPO、ラジカルリサーチ社製)を設置した場合のESR測定結果のグラフを示す。
【0144】
図5に示すように、反応種が生成されるプロセス領域4を通過するように、レーザ発振器20(Precision PL901;Continuu社製)からレーザ21(波長282nm)が発振される。このレーザ21によって励起するOHラジカルの蛍光22(波長312nm)を検出器系23(分光器、gated image intensifier unit、冷却CCDカメラ)にて検出し、OH*の生成量を確認することができる。
【0145】
図6に示すように、横から水分を含んだプロセスガス3であるヘリウムガスを供給した場合、OHラジカル生成量の最適点が存在することがわかる。
【0146】
また、図7に示すように、図5に示すメッシュ−レーザ間距離Lが90mmの場合においてもOHラジカルが検出されていることから、流路がある場合、90mm先まで準安定状態のヘリウムガスが供給されていることがわかる。
【0147】
このような構成を備える反応種生成装置10によれば、プラズマの影響がない状態で短寿命の反応種を生成させることができ、さらに被処理物の設置場所の自由度が大きくなるといった効果を奏する。また、プラズマ生成部にプロセスガスを通さないことによって、生成効率の高いプラズマを生成させることができ、プラズマ生成部への負担を軽減させることが可能となる。
【0148】
さらに、電源12を繰り返し周波数が10kHz以上の交流パルス電源、又は繰り返し周波数が10kHz以上の直流パルス電源にした場合、低温でのOHラジカル生成が可能となる。
【0149】
また、図2に示す誘電体バリア放電方式の場合、低温度かつ高効率でのOHラジカル生成が可能となる。さらに、図1に示す金属電極間放電に比べプラズマ生成による第1の反応容器11、および電極13へのダメージが少ないためメンテナンス負荷を軽減することができ、長時間稼動が可能となる。
【0150】
さらに、電極13には、冷却水18を流しており、冷却水18にて電極13を冷却させることによって、プラズマへの高電力の投入が可能となる。
【0151】
また、図1および図2に示すように、プロセス領域4を覆う第2の反応容器16がない場合、第1の反応容器11の開口部に比べ広範囲でOHラジカルを生成することができる。
【0152】
尚、本実施例では、図3および図4に示すように、プロセス領域4を覆う第2の反応容器16を設けることことができる。これにより、第2の反応容器16がない場合に比べて高密度のOHラジカルを生成することができる。
【0153】
また、第2の反応容器16の開口部が微細な構造を有することによって、局所的にOHラジカルを供給することができる。
【0154】
上記第2の反応容器16は、図8に示すように、直線状のものでなくてもよく、また、流路の形状に寄らず、プラズマ生成部から離れたところにおいても、OHラジカルを生成することができる。さらに、第2の反応容器16を冷却水18によって冷却することによって、低温度でのOHラジカル生成が可能となる。
【0155】
また、プロセスガス供給流路15のプロセス領域4への流入角度を変えることによって、OHラジカルの生成量を最適化させることができる。
【0156】
さらに、プロセスガス供給流路15のプロセス領域4への流入の位置を変えることによって、OHラジカルの生成量を最適化させることができる。
【0157】
また、本実施例では、図9に示すように、第2の反応容器16が直線状でない場合であり、かつ導体である場合には、第2の反応容器16を接地16aしておくことが可能である。これにより、第2の反応容器16の電位が0となり、第2の反応容器16によって、イオン種を含む荷電粒子がプロセス領域4へ漏れ出すことを防ぎ、中性励起種である準安定状態のヘリウムをプロセス領域4へ供給することができる。
【実施例2】
【0158】
本発明における第2の実施例の反応種による処理方法および処理装置について、図1を参照しながら説明する。
【0159】
本実施例では、前記実施例1の反応種生成方法、および反応種生成装置10で生成したOHラジカルを被処理物30に吹き付けることにより被処理物30の処理を行う。
【0160】
OHラジカルは、フッ素の次に強い酸化力を有する非常に反応性の高い反応種であり、オゾンや酸素原子では加工できないような、例えばPイオンを高濃度ドープしたハイドープレジスト(シャープ社製)等の被処理物30の加工を行うことができる。
【0161】
電源12の電力は、20W以上が望ましいが、これに限定されるものではない。また、電力を40W以上にする場合、電極13を、冷却水18を流すことによって冷却させることが好ましい。
【0162】
第2の反応容器16は流路長さが10mmであり、メッシュ14からの距離が6mmの点において、水分を含むプロセスガス3であるヘリウムガスが供給され、OHラジカルが生成される。
【0163】
第2の反応容器16の下端から1mm離れた点に被処理物30を設置し、処理を行うことによって膜厚4μmのイオンハイドープレジストの加工を行うことができる。
【0164】
また、被処理物30が銅である場合、この表面の酸化を行うことができる。
【実施例3】
【0165】
本発明の第3の実施例について、図10を参照しながら説明する。
【0166】
実施例1で生成したOHラジカルを被処理物30に吹き付けることにより被処理物30の処理を行う。被処理物30が、例えば銅、鉄、アルミニウム、チタン、タングステン、モリブデン等の金属、又はSiN、AlN、TiN、TaN等の窒化物、さらにはSiC等の炭化物、樹脂等の高分子材料等、反応種による酸化は可能ではあるが、エッチングが難しいような材料の場合、反応種と共に粒子を衝突させることによって、被処理物30の除去加工を行う。
【0167】
すなわち、反応種により、被処理物30表面を酸化させ、酸化することによって周囲の被処理物に比べ、脆くなった被処理物30表面に粒子供給流路19から粒子6を供給し、この粒子6を衝突させることによって除去加工を行うことができる。また、エッチングが可能な材料においても、加工速度を向上させることができる。
【0168】
上記粒子6は、直径2μmのSiO(商品名ハイプレシカ;宇部日東化成社製)を用いるが、これに限定されるものではない。
【0169】
また、粒子6は、酸素元素を含有する物質であることが好ましい。反応種の発生している領域においては、酸化性物質が多数存在している場合が多く、酸素を含有する粒子であれば物性が変化せず、繰り返し利用することが可能になるため、廃棄物を出さず、低環境負荷な加工法となる。
【0170】
粒子6を構成する元素の種類としては特に制限されず、酸素元素とそれ以外の1元素との合計2種類の元素からなる粒子であってもよいし、又は酸素元素とそれ以外の2元素以上との合計3種類の元素以上からなる粒子であってもよい。
【0171】
粒子6の粒径は、特に制限されない。具体例として、粒径の下限は、特に制限されないが、例えば、10nm以上であり、好ましくは100nm以上である。また、粒径の上限も特に制限されないが、例えば100μm以下であり、より好ましくは10μm以下であることが好ましい。
【0172】
プロセスガス3に水分を含むガスを用いる場合、粒子6は光触媒機能を有していることが好ましい。照射する光は限定されない。具体例として、光の波長の下限は10nm以上、上限は800nm以下であることが好ましい。このような粒子6として、例えば、二酸化チタン(TiO;テイカ社製)が挙げられる。例えば、光触媒機能を有する二酸化チタン(TiO)に光を照射すると、下記化学式に示すように、OHラジカルと水素イオン(H)とを生成する。
【0173】
O+h→H+OH*
ここでhは正孔を示す。
【0174】
このように光触媒機能を有している微粒子が存在することによって、活性種を基板表面まで輸送することが可能になり、高速で基材表面を酸化することが可能になる。
【0175】
被処理物30を酸化、又は加工したときに、被加工物表面では酸化物の堆積物が存在するが、粒子6を衝突させることにより、被加工物表面の酸化物の堆積物を物理的化学的に除去することが可能になる。
【0176】
粒子6の種類は、特に制限されないが、例えば、TiO、SiO、Ta、Al、ZrO、CeO、ゼオライト等が挙げられる。TiO、Ta等の光触媒機能を有する粒子を含む粒子を用いればプラズマから発生する紫外線を吸収し、微粒子表面でOHラジカル、オゾン、過酸化水素、又はOラジカル等の活性種を生成することができるようになる。さらには、プロセス領域で発生した活性種を基板表面まで輸送することが可能になり、高速で除去加工することが可能になる。
【0177】
さらに、SiO、又はAlのうちいずれか1種類の粒子を含有していることが望ましく、さらにTiOの粒子を併せて含有し、2種類の粒子からなることが好ましい。
【0178】
すなわち、それぞれの粒子6の粒径については、特に制限されないが、SiO、Alは1μm以上であることが望ましく、TiOは1μm以下であることが好ましい。TiOは従来の粒子が存在しない場合と比較して高速に酸化膜を表面に作製する効果を有している。このため、粒径が1μm以上になると、1μm以下の場合と比較して同一密度内の粒子数に対する総表面積が小さくなるので、表面酸化能力の高いTiOとしては同一密度内の粒子数に対する総表面積を大きくするように粒径が小さい方がよい。酸化膜を効率的に除去するためには、粒子の物理エネルギーが必要であり、粒径が1μm以上の微粒子が必要である。
【実施例4】
【0179】
本発明の第4の実施例について説明する。
【0180】
非特許文献1および非特許文献2に、OHラジカルによる殺菌の技術が示されており、本実施例では、第1の実施例で生成したOHラジカルにより殺菌処理を行う。
【0181】
菌やウイルス等が存在する空間において、実施例1で生成されたOHラジカルを被処理物30に対して、すなわち菌等に対して吹き出すことにより殺菌を行うことができる。
【0182】
本実施例によると、OHラジカルによる殺菌方法は、プラズマの影響を受けないため、低温度にて、医療・健康分野での殺菌・滅菌・洗浄・消毒・消臭等に応用でき、さらに農業・食品加工においても殺菌・滅菌・洗浄・消毒等による応用が可能である。
【0183】
また、上記応用は、反応種としてのOHラジカルに限定されるものではなく、Oラジカル、Nラジカル、NHラジカル等のラジカル、又はオゾン、過酸化水素等の活性酸素種によるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明は、プラズマの影響なしに反応腫の生成およびその反応種による処理ができるため、従来プラズマの影響を受けるため処理が困難であった被処理物の加工や薄膜剥離、薄膜形成、洗浄、表面改質等の工業分野、また殺菌、洗浄等の医療、健康分野等、様々な分野に用いることができる。
【符号の説明】
【0185】
1 希ガス(長寿命励起種生成用ガス)
2 励起希ガス(励起された長寿命励起種生成用ガス)
3 プロセスガス
4 プロセス領域
5 励起領域
6 粒子
10 反応種生成装置
11 第1の反応容器
12 電源(プラズマ生成手段)
13 電極(プラズマ生成手段)
14 メッシュ(遮蔽手段)
15 プロセスガス供給流路
16 第2の反応容器
17 冷却水流路
18 冷却水
20 レーザ発振器
21 レーザ
22 蛍光
23 検出器系
30 被処理物
L メッシュ−レーザ間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長寿命励起種生成用ガスを励起することによりプロセスガスを励起し、励起されたプロセスガスにて反応種を生成する反応種生成方法であって、
励起された長寿命励起種生成用ガスを、該長寿命励起種生成用ガスを励起させる励起領域とは別のプロセス領域に移送し、
上記プロセス領域にて、プロセスガスを導入かつ励起し、励起されたプロセスガスから、上記励起された長寿命励起種生成用ガスに比べて短寿命である反応種を生成すると共に、
上記励起領域にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子を遮蔽して、該荷電粒子が励起領域外に漏れるのを抑制することを特徴とする反応種生成方法。
【請求項2】
前記遮蔽を、電界により行うことを特徴とする請求項1記載の反応種生成方法。
【請求項3】
前記遮蔽を、前記励起領域とプロセス領域との間に設けた接地された格子状導電部材により行うことを特徴とする請求項2記載の反応種生成方法。
【請求項4】
前記遮蔽を、前記プロセス領域の接地により行うことを特徴とする請求項2記載の反応種生成方法。
【請求項5】
前記励起された長寿命励起種生成用ガスの移送方向とプロセスガスの導入方向との交差角を変化させることにより反応種の生成量を変化させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応種生成方法。
【請求項6】
前記励起された長寿命励起種生成用ガスと前記プロセスガスとを混合させるプロセス領域での位置を変化させることにより反応種の生成量を変化させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の反応種生成方法。
【請求項7】
前記長寿命励起種生成用ガスは、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン、又はこれらの混合ガスであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反応種生成方法。
【請求項8】
前記プロセスガスは、エッチング又は表面処理、剥離用ガスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の反応種生成方法。
【請求項9】
前記プロセスガスは、成膜用ガスであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の反応種生成方法。
【請求項10】
前記プロセスガスは、水分を含むガスであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の反応種生成方法。
【請求項11】
前記プロセス領域が、長寿命励起種生成用ガスを供給させる長寿命励起種生成用ガス供給用開口部と、プロセスガスを供給させるプロセスガス供給用開口部と、反応種を吹き出させる反応種を吹き出し用開口部とを有する反応容器であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の反応種生成方法。
【請求項12】
前記プロセス領域が、開放空間にてなっていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の反応種生成方法。
【請求項13】
大気圧下又は大気圧近傍下にて、長寿命励起種生成用ガスを励起することによりプロセスガスを励起し、励起されたプロセスガスにて反応種を生成することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の反応種生成方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の反応種生成方法を用いる反応種生成装置であって、
長寿命励起種生成用ガスを励起種に励起させるための第1の反応容器と、
上記第1の反応容器内でプラズマを生成させるためのプラズマ生成手段と、
上記第1の反応容器にて長寿命励起種生成用ガスを励起させるときに生成された荷電粒子が、該第1の反応容器外に漏れるのを抑制する遮蔽手段と、
上記第1の反応容器にて励起された上記長寿命励起種生成用ガスを移送させる流路と、
励起された上記長寿命励起種生成用ガスとプロセスガスとが混合される第2の反応容器と、
上記プロセスガスを第2の反応容器に導入するプロセスガス導入手段とを備え、
上記第2の反応容器にて、上記励起された長寿命励起種生成用ガスによって上記プロセスガスから該励起された長寿命励起種生成用ガスに比べて短寿命である反応種を生成することを特徴とする反応種生成装置。
【請求項15】
前記プラズマ生成手段は、
10kHz以上の周波数を有する交流電圧又は直流電圧を出力する電源と、上記交流電圧又は直流電圧が印加される一対の電極と、
大気圧又はその近傍の圧力下において放電を発生させる放電生成部とを備えていることを特徴とする請求項14記載の反応種生成装置。
【請求項16】
前記プラズマ生成手段は、
1MHz以上の周波数を有する交流電圧を出力する電源と、
上記交流電圧が印加される一対の絶縁体で被覆された電極と、
大気圧又はその近傍の圧力下において放電を発生させる放電生成部とを備えていることを特徴とする請求項14記載の反応種生成装置。
【請求項17】
前記プラズマ生成手段は、
10kHz以上の周波数を有する交流パルス電圧又は直流パルス電圧を出力する電源と、
上記交流パルス電圧又は直流パルス電圧が印加される一対の電極と、
大気圧又はその近傍の圧力下において放電を発生させる放電生成部と備えていることを特徴とする請求項14記載の反応種生成装置。
【請求項18】
前記電極は、冷却手段を備えていることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の反応種生成装置。
【請求項19】
前記第2の反応容器は、
長寿命励起種生成用ガスを供給させる長寿命励起種生成用ガス供給用開口部と、
プロセスガスを供給させるプロセスガス供給用開口部と、
反応種を吹き出させる反応種吹き出し用開口部を有する流路とを備えていることを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の反応種生成装置。
【請求項20】
前記第2の反応容器における反応種吹き出し用開口部は、長寿命励起種生成用ガス供給用開口部よりも面積の小さい開口となっていることを特徴とする請求項14〜19のいずれか1項に記載の反応種生成装置。
【請求項21】
前記第2の反応容器は、前記長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間においてパイプ状流路となっていることを特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の反応種生成装置。
【請求項22】
前記パイプ状流路は、前記長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間において直線状の流路となっていることを特徴とする請求項21記載の反応種生成装置。
【請求項23】
前記パイプ状流路は、前記長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間において非直線状の流路となっていることを特徴とする請求項21記載の反応種生成装置。
【請求項24】
前記第2の反応容器は、前記長寿命励起種生成用ガス供給用開口部から被処理物との間においては開放空間の流路となっていることを特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の反応種生成装置。
【請求項25】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の反応種生成方法を用いる反応種による処理方法であって、
生成された反応種によって被処理物の分解、又は除去加工の処理を行うことを特徴とする反応種による処理方法。
【請求項26】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の反応種生成方法を用いる反応種による処理方法であって、
生成された反応種によって金属基板表面の酸化の処理を行うことを特徴とする反応種による処理方法。
【請求項27】
前記被処理物に、生成された反応種と粒子とを供給することによって、前記処理を行うことを特徴とする請求項25又は26記載の反応種による処理方法。
【請求項28】
前記粒子は、10nm以上かつ100μm以下であることを特徴とする請求項27記載の反応種による処理方法。
【請求項29】
前記粒子は、少なくとも一部に酸素元素を含有していることを特徴とする請求項27又は28記載の反応種による処理方法。
【請求項30】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の反応種生成方法を用いる反応種による処理方法であって
生成された反応種によって被処理物への薄膜形成を行うことを特徴とする反応種による処理方法。
【請求項31】
請求項14〜24のいずれか1項に記載の反応種生成装置を用いる反応種による処理装置であって、
生成された反応種によって被処理物の分解又は除去加工の処理を行うことを特徴とする反応種による処理装置。
【請求項32】
請求項14〜24のいずれか1項に記載の反応種生成装置を用いる反応種による処理装置であって、
生成された反応種によって金属の被処理物表面における酸化の処理を行うことを特徴とする反応種による処理装置。
【請求項33】
被処理物に、生成された反応種と粒子とを供給することによって被処理物の処理を行うことを特徴とする請求項31又は32記載の反応種による処理装置。
【請求項34】
前記粒子は、10nm以上かつ100μm以下であることを特徴とする請求項33記載の反応種による処理装置。
【請求項35】
前記粒子は、少なくとも一部に酸素元素を含有していることを特徴とする請求項31又32記載の反応種による処理装置。
【請求項36】
請求項14〜24のいずれか1項に記載の反応種生成装置を用いる反応種による処理装置であって、
生成された反応種によって被処理物への薄膜形成を行うことを特徴とする反応種による処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−247126(P2010−247126A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102061(P2009−102061)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】