説明

可変容量型過給機の可変ノズル装置

【課題】 ノズル開閉時におけるタービン回転速度のヒステリシスと可変ノズル翼の摺動抵抗を大幅に低減でき、これによりタービン回転速度の自動制御を容易にし、かつノズル取付面や隙間調整プレートの傷や摩耗を低減することができる可変容量型過給機の可変ノズル装置を提供する。
【解決手段】 各可変ノズル翼4が、ノズル取付面2aを貫通するノズル駆動軸3と隙間調整プレート6を貫通するノズル支持軸25とで両端支持される。また、リンク室24と隙間調整プレート6の中空室6aの圧力が、ノズル駆動軸3とノズル支持軸25に作用するガス圧による軸力がほぼバランスするように調整されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変容量型過給機に係わり、更に詳しくは、可変容量型過給機の可変ノズル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可変容量型過給機とは、圧縮機のディフューザまたはタービンの排ガス流入部のベーンを可動にして流路面積を可変にしたものである。従来の可変容量過給機の可変ノズル装置は、摺動抵抗や作動部の「がた」による過度の摩耗や作動不良が生じやすい問題点があった。
そこで、これらの問題点を解決するため、特許文献1〜3が既に出願されている。
【0003】
特許文献1のアクチュエータ装置は、アクチュエータロッド及びこれの連結部材の作動時における摩擦抵抗を抑制するとともに遊びの形成を回避するために、アクチュエータロッドとレバー組立品との間に球状の連結部を備えたボールジョイント機構、あるいはL形状リンクを備えたL−ジョイント機構を介装するものである。
【0004】
特許文献2、3の表面処理手段は、可変ノズル組立品の摺動部の潤滑性を向上するために、可変ノズル機構を構成する部材のうち相手部材に摺接する摺動部材の表面及び微小間隙部を形成する隣り合う2部材の何れか一方または双方に、炭素を主成分とする炭素超微粒体を溶媒に溶融させて生成した炭素系乾性膜を形成するものである。
【0005】
【特許文献1】特開2003−148155号公報、「可変容量タービンのアクチュエータ装置」
【特許文献2】特開2004−138005号公報、「可変容量型過給機の表面処理構造及び表面処理方法」
【特許文献3】特開2004−138006号公報、「可変容量型過給機の表面処理構造及び表面処理方法」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図9は従来の可変ノズル装置を備えた可変容量過給機の断面図である。この図において、可変容量過給機10は、中央の軸受ユニット12を挟んで右側の圧縮機14と、左側のタービン16とからなる。圧縮機14はコンプレッサインペラ15を、タービン16はタービンインペラ8をそれぞれ内蔵する。コンプレッサインペラ15とタービンインペラ8は、軸受ユニット12で支持された連結軸13で互いに連結されており、図示しないエンジンの排ガスでタービンインペラ8を回転駆動し、この回転力を連結軸13を介してコンプレッサインペラ15に伝達し、コンプレッサインペラ15で空気を圧縮して図示しないエンジンに過給するようになっている。
【0007】
また、可変容量過給機10の可変ノズル装置18は、この図に示すように、ノズルを取り付けるノズル取付面2aと、ノズル取付面2aを貫通する複数のノズル軸3と、ノズル軸3の軸心を中心可能に揺動可能な複数の可変ノズル翼4と、ノズル取付面2aから一定の間隔を隔てその間に可変ノズル翼を挟持する隙間調整プレート6とを備えている。
【0008】
図10は、図9の部分矢視図であり、(A)はA矢視図、(B)はB矢視図である。この図に示すように、可変ノズル装置18は、矩形の揺動ピン18a、揺動ピン18aが外周部に取付けられた連動板18b、及び連動板18bとノズル軸3を連結する連結板18cとを備える。この構成により、外部から揺動ピン18aをタービンインペラ8の軸心を中心に揺動させると、連動板18bが同軸に揺動し、これに取り付けられた複数のピン19が揺動し、各可変ノズル翼4をノズル軸3を中心に揺動する。従って、揺動ピン18aの揺動により可変ノズル翼4を軸3を中心に揺動させ、その間に形成される流路面積を変化させることができる。
【0009】
上述した従来の可変容量過給機の可変ノズル装置18では、隙間調整ピン9を用いて、ノズル取付面2aと隙間調整プレート6の間隔を制御し、その間に配置される各可変ノズル翼4の壁面(2a,6)との隙間を適正範囲に保持していた。
【0010】
しかし上述した従来の可変容量過給機の可変ノズル装置には、以下の問題点があった。
(1)可変ノズル翼の開閉を図示しない制御用アクチュエータで制御する場合に、アクチュエータの位置が同一であっても、可変ノズル翼を開から閉にする場合と、閉から開にする場合とで、ヒステリシスがありタービン回転速度に大きな差が発生する。このヒステリシスのため、タービン回転速度の自動制御が困難であった。
(2)可変ノズル翼の摺動抵抗が大きく、ノズル取付面や隙間調整プレート6に傷や摩耗が短時間で発生する傾向がある。また、この傷や摩耗により、作動不良や隙間の拡大による性能低下が生じやすい。
【0011】
本発明はかかる問題点を同時に解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ノズル開閉時におけるタービン回転速度のヒステリシスと可変ノズル翼の摺動抵抗を大幅に低減でき、これによりタービン回転速度の自動制御を容易にし、かつノズル取付面や隙間調整プレートの傷や摩耗を低減することができる可変容量型過給機の可変ノズル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、排ガスでタービンインペラを回転駆動する可変容量型過給機の可変ノズル装置であって、
タービンインペラを半径方向に間隔を隔てて囲み内部に外部から排ガスが導入されるスクロール室と、
該スクロール室からタービンインペラまで排ガスを案内する一定間隔の円筒形流路と、
該円筒形流路の一方を構成しノズルを取り付けるノズル取付面を有し、内部にノズル駆動リンクが内蔵されたリンク室と、
円筒形流路の他方を構成しノズル取付面から軸方向に一定の間隔を隔てて位置し、反流路側に中空室を構成する隙間調整プレートと、
ノズル取付面と隙間調整プレートの間に周方向に間隔を隔てて配置された複数の可変ノズル翼と、を備え、
前記各可変ノズル翼は、ノズル取付面を貫通するノズル駆動軸と隙間調整プレートを貫通するノズル支持軸とで両端支持され、
リンク室と隙間調整プレートの中空室の圧力は、ノズル駆動軸とノズル支持軸に作用するガス圧による軸力がほぼバランスするように、それぞれ調整されている、ことを特徴とする可変容量型過給機の可変ノズル装置が提供される。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記リンク室は、スクロール室と連通する隙間を有する密閉室であり、
前記隙間調整プレートの中空室は、外周部がスクロール室と連通する密閉室である。
【0014】
また、前記隙間調整プレートは、半径方向内端部に反流路側に突出するL字部を有し、該L字部の外周面とタービンインペラを囲むタービンハウジングとの間に、ガスの流れを封止するシールリングを有する。
【発明の効果】
【0015】
上記本発明の構成によれば、各可変ノズル翼が、ノズル取付面を貫通するノズル駆動軸と隙間調整プレートを貫通するノズル支持軸とで両端支持され、かつ、リンク室と隙間調整プレートの中空室の圧力は、ノズル駆動軸とノズル支持軸に作用するガス圧による軸力がほぼバランスするように、それぞれ調整されているので、各可変ノズル翼に作用する軸力が大幅に低減し、軸力に起因するヒステリシスと摺動抵抗を大幅に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
[比較例1]
【0017】
図1は、従来の可変ノズル装置を備えた可変容量過給機の構成図である。この装置は、 排ガスでタービンインペラ8を回転駆動する可変容量型過給機の可変ノズル装置であり、スクロール室20、円筒形流路22、リンク室24、隙間調整プレート6、及び複数の可変ノズル翼4を備える。
【0018】
スクロール室20は、タービンインペラ8を半径方向に間隔を隔てて囲み、内部に外部から排ガスが導入されるようになっている。
円筒形流路22は、スクロール室20からタービンインペラ8まで排ガスを案内する一定間隔のガス流路である。
【0019】
リンク室24は、円筒形流路22の一方(図で左側の壁)を構成し、ノズル(可変ノズル翼4)を取り付けるノズル取付面2aを有する。またこのリンク室24の内部にノズル駆動リンクが内蔵されている。
このリンク室24を構成するハウジングは、タービンインペラ8及びスクロール室20を囲むタービンハウジング1にわずかな隙間を介して嵌合している。この隙間は、可変容量型過給機の使用状態における熱膨張差を吸収し、各ハウジングに過大な応力が発生しないように設定されている。
従ってこの隙間を介してリンク室24はスクロール室20と連通している。
【0020】
ノズル駆動リンクは、上述した揺動ピン18a、連動板18b、及び連結板18cである。なお本発明はこの構成に限定されず、異なる駆動機構であってもよい。
ノズル駆動リンクの一部(この例では、連動板18b)は、リンク室24の外部に設けられたアクチュエータ26(例えばパルスモータ)で駆動されるようになっている。
アクチュエータ26の駆動力は、回転軸27を介してリンク室24内に伝達される。また、この回転軸27は、図示しないシールによりガスが漏れないようになっている。
従って、リンク室24は、スクロール室20と連通する隙間を有する密閉室であり、リンク室24の圧力は、スクロール室20のガス圧と常にほぼ一致して変動する。
【0021】
隙間調整プレート6は、円筒形流路22の他方(図で右側の壁)を構成し、ノズル取付面2aから軸方向に一定の間隔を隔てて位置する。またこの隙間調整プレート6は、反流路側(図で右側)に中空室6aを構成する。
この例において、隙間調整プレート6の外周部とタービンハウジング1との間にはシール7aが設けられ、スクロール室20からのガスの流入を防止している。また、隙間調整プレート6の内周部とタービンインペラ8の周囲との間には隙間が設けられている。
従って、隙間調整プレート6の中空室6aは、この例では内周部がタービンインペラ8の周囲と連通する密閉室であり、隙間調整プレート6の中空室6aの圧力は、タービンインペラ8の周囲のガス圧と常にほぼ一致して変動する。
【0022】
複数の可変ノズル翼4は、ノズル取付面2aと隙間調整プレート6の間(すなわち円筒形流路22)に周方向に間隔を隔てて配置されている。円筒形流路22の間隔は、隙間調整ピン9により、各可変ノズル翼4が壁面(2a,6)とわずかな隙間を保持し、漏れが少なく、かつ円滑に作動できるように設定されている。
【0023】
この例において、各可変ノズル翼14は、ノズル取付面2aを貫通するノズル駆動軸3により片持支持され、可変ノズル翼の右端面は、支持部はなく、隙間調整プレート6の表面に沿って摺動するようになっている。
その他の構成は、図9の従来例と同様である。
【0024】
図2は、図1の可変容量過給機の性能特性図である。この図において、(A)はノズル開度とタービン回転速度と関係図、(B)はノズル開度とタービン回転数のヒステリシスとの関係図である。
図2(A)において、横軸はノズル開度であり、縦軸はタービン回転速度である。
図2(A)は、可変ノズル翼を全開から全閉にし、次いで、全閉から全開にした場合を図中の矢印で示している。この図から、この可変容量過給機は、ヒステリシスがありタービン回転速度に大きな差が発生することがわかる。
【0025】
図2(B)において、横軸はノズル開度であり、縦軸はタービン回転速度差、すなわちヒステリシスである。
この図から、この可変容量過給機は、全開から全閉の場合と全閉から全開の場合とで最大約5000rpmの速度差があり、このヒステリシスのため、タービン回転速度の自動制御が困難であることがわかる。
[比較例2]
【0026】
図3は、改良した可変ノズル装置を備えた可変容量過給機の構成図である。この装置も、排ガスでタービンインペラ8を回転駆動する可変容量型過給機の可変ノズル装置であり、図1と同様にスクロール室20、円筒形流路22、リンク室24、隙間調整プレート6、及び複数の可変ノズル翼4を備える。
【0027】
この例において、隙間調整プレート6の外周部とタービンハウジング1との間にはシール7aが設けられ、スクロール室20からのガスの流入を防止している。また、隙間調整プレート6の内周部とタービンインペラ8の周囲との間には隙間が設けられている。
従って、隙間調整プレート6の中空室6aは、この例では内周部がタービンインペラ8の周囲と連通する密閉室であり、隙間調整プレート6の中空室6aの圧力は、タービンインペラ8の周囲のガス圧と常にほぼ一致して変動する。
【0028】
また、この例において、各可変ノズル翼4は、ノズル取付面2aを貫通するノズル駆動軸3と隙間調整プレート6を貫通するノズル支持軸25とで両端支持されている。ノズル駆動軸3とノズル支持軸25は同軸上に位置し、それぞれの直径は等しく設定されている。
その他の構成は、図1の従来例と同様である。
【0029】
図4は、図3の可変容量過給機の性能特性図であり、(A)はノズル開度とタービン回転速度と関係図、(B)はノズル開度とタービン回転数のヒステリシスとの関係図である。
【0030】
図4(A)から、この可変容量過給機も、図1の従来例よりは小さいがヒステリシスがありタービン回転速度に差が発生することがわかる。
図4(B)から、この可変容量過給機は、全開から全閉の場合と全閉から全開の場合とで最大約3000rpmの速度差があり、このヒステリシスのため、タービン回転速度の自動制御が困難となることがわかる。
【0031】
図5は、図3の可変容量過給機の別の性能特性図であり、(A)はノズル開度と各部の圧力、(B)はノズル開度とリンク室と隙間調整プレートの中空室の圧力差の関係図である。
図5(A)から、タービン入口とリンク室の圧力は、常にほぼ一致して変動することがわかる。また、隙間調整プレートの中空室(プレート背面)の圧力は、タービン入口とリンク室の圧力に比較して常に低いことが明かとなった。
また、図5(B)から、リンク室とプレート背面(隙間調整プレートの中空室)の圧力差は、最大約600mmHgに達し、この差圧による軸力で、可変ノズル翼の摺動抵抗が大きくなり、ノズル取付面や隙間調整プレートに傷や摩耗が短時間で発生していることが明かとなった。
【実施例1】
【0032】
図6は、本発明の可変ノズル装置の構成図である。この装置も、排ガスでタービンインペラ8を回転駆動する可変容量型過給機の可変ノズル装置であり、図1と同様にスクロール室20、円筒形流路22、リンク室24、隙間調整プレート6、及び複数の可変ノズル翼4を備える。
【0033】
この例において、隙間調整プレート6は、半径方向内端部に反流路側に突出するL字部6bを有する。またこのL字部6bの外周面とタービンインペラを囲むタービンハウジング1との間に、ガスの流れを封止するシールリング7bを有する。
また、隙間調整プレート6の外周部とタービンハウジング1との間にはシールがなく、スクロール室20からガスが流入できるようになっている。
従って、隙間調整プレート6の中空室6aは、この例では外周部がスクロール室20と連通する密閉室であり、隙間調整プレート6の中空室6aの圧力は、スクロール室20のガス圧と常にほぼ一致して変動する。
【0034】
また、この例において、各可変ノズル翼4は、ノズル取付面2aを貫通するノズル駆動軸3と隙間調整プレート6を貫通するノズル支持軸25とで両端支持されている。ノズル駆動軸3とノズル支持軸25は同軸上に位置し、それぞれの直径は等しく設定されている。
従って、この例において、リンク室と隙間調整プレートの中空室の圧力は、ノズル駆動軸とノズル支持軸に作用するガス圧による軸力がほぼバランスするように、それぞれ調整されている。
その他の構成は、図1の従来例と同様である。
【0035】
図7は、図6の可変容量過給機の性能特性図であり、(A)はノズル開度とタービン回転速度と関係図、(B)はノズル開度とタービン回転数のヒステリシスとの関係図である。
【0036】
図7(A)から、この可変容量過給機では、ヒステリシスがほとんどなく、タービン回転速度に差がほとんど発生しないことがわかる。
図7(B)から、この可変容量過給機は、全開から全閉の場合と全閉から全開の場合とで最大約500rpmしか速度差がなく、この小さいヒステリシスのため、タービン回転速度の自動制御が従来に比べて容易であることがわかる。
【0037】
図8は、図6の可変容量過給機の別の性能特性図であり、(A)はノズル開度と各部の圧力、(B)はノズル開度とリンク室と隙間調整プレートの中空室の圧力差の関係図である。
図8(A)から、タービン入口、リンク室及ぶ隙間調整プレートの中空室(プレート背面)の圧力が、常にほぼ一致して変動することがわかる。
また、図8(B)から、リンク室とプレート背面(隙間調整プレートの中空室)の圧力差は、常にほとんど皆無(0)であり、差圧による軸力は発生せず、可変ノズル翼の摺動抵抗を大幅に低減し、ノズル取付面や隙間調整プレートに傷や摩耗が発生しないことがわかる。
【0038】
上述したように、本発明によれば、各可変ノズル翼をノズル駆動軸とノズル支持軸とで両端支持し、隙間調整プレートの半径方向内端部とタービンハウジングとの間に、ガスの流れを封止するシールリングを有する構造により、ノズル両側の圧力を均等に保ち、ノズルに作用する力をバランスさせることにより、ノズル作動時の摺動抵抗を低減することができる。
従って、可変ノズル翼を開から閉にする場合と、閉から開にする場合とで、発生するヒステリシスを大幅に低減することができ、可変ノズル翼の摺動抵抗を低減して、傷や摩耗を防ぎ、傷や摩耗による作動不良や隙間の拡大による性能低下を防止することができる。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来の可変ノズル装置を備えた可変容量過給機の構成図である。
【図2】図1の可変容量過給機の性能特性図である。
【図3】改良した可変ノズル装置を備えた可変容量過給機の構成図である。
【図4】図3の可変容量過給機の性能特性図である。
【図5】図3の可変容量過給機の別の性能特性図である。
【図6】本発明の可変ノズル装置の構成図である。
【図7】図6の可変容量過給機の性能特性図である。
【図8】図6の可変容量過給機の別の性能特性図である。
【図9】従来の可変ノズル装置を備えた可変容量過給機の断面図である。
【図10】図9の部分矢視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 タービンハウジング、2a ノズル取付面、3 ノズル軸、
4 可変ノズル翼、6 隙間調整プレート、6a 中空室、6b L字部、
7a シール、7b シールリング、8 タービンインペラ、9 隙間調整ピン、
10 可変容量過給機、12 軸受ユニット、13 連結軸、14 圧縮機、
15 コンプレッサインペラ、16 タービン、
18 可変ノズル装置、18a 揺動ピン、18b 連動板、18c 連結板、
20 スクロール室、22 円筒形流路、24 リンク室、
25 ノズル支持軸、26 アクチュエータ、27 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスでタービンインペラを回転駆動する可変容量型過給機の可変ノズル装置であって、
タービンインペラを半径方向に間隔を隔てて囲み内部に外部から排ガスが導入されるスクロール室と、
該スクロール室からタービンインペラまで排ガスを案内する一定間隔の円筒形流路と、
該円筒形流路の一方を構成しノズルを取り付けるノズル取付面を有し、内部にノズル駆動リンクが内蔵されたリンク室と、
円筒形流路の他方を構成しノズル取付面から軸方向に一定の間隔を隔てて位置し、反流路側に中空室を構成する隙間調整プレートと、
ノズル取付面と隙間調整プレートの間に周方向に間隔を隔てて配置された複数の可変ノズル翼と、を備え、
前記各可変ノズル翼は、ノズル取付面を貫通するノズル駆動軸と隙間調整プレートを貫通するノズル支持軸とで両端支持され、
リンク室と隙間調整プレートの中空室の圧力は、ノズル駆動軸とノズル支持軸に作用するガス圧による軸力がほぼバランスするように、それぞれ調整されている、ことを特徴とする可変容量型過給機の可変ノズル装置。
【請求項2】
前記リンク室は、スクロール室と連通する隙間を有する密閉室であり、
前記隙間調整プレートの中空室は、外周部がスクロール室と連通する密閉室である、ことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型過給機の可変ノズル装置。
【請求項3】
前記隙間調整プレートは、半径方向内端部に反流路側に突出するL字部を有し、該L字部の外周面とタービンインペラを囲むタービンハウジングとの間に、ガスの流れを封止するシールリングを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型過給機の可変ノズル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−40251(P2007−40251A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227359(P2005−227359)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】