説明

可逆熱変色性組成物

【課題】可逆熱変色性組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、少なくとも1種の酸性水素及び塩基を有するβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトンを含む可逆熱変色性系及び可逆熱変色性系と1種のキャリア材料を含む可逆熱変色性組成物及び少なくとも1種の酸性水素を有する新規な置換されたβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトンに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の酸性水素及び塩基を有するβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトンを含む可逆熱変色性系、及び可逆熱変色性系とキャリア材料を含む可逆熱変色性組成物、及び少なくとも1種の酸性水素を有する新規な置換されたβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、可逆熱変色組成物及び同様のものを使用した目のくらみ(eye−dazzling)が起こらないような鏡を記載する。特許文献2は、可逆熱変色性組成物を開示する。G.Began等は、非特許文献1においてクルクミンとホスファチジルコリンの相互作用を記載する。熱変色性物質はまた特許文献3においても開示される。S.N.Guha等は、非特許文献2においてクルクミノイド抗酸化剤を記載する。ジフェニルメタン結合を持つ2つのクルクミノイド分子の合成及び錯化形成性は、A.Sundaryono等により非特許文献3において開示される。
【特許文献1】韓国特許出願公開第2003−016,589号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1,179,435号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第4,028,118号明細書
【非特許文献1】J.Agric.FoodChem.1999,47,4992−4997
【非特許文献2】Radiat.Phys.Chem.1997,49,43−44
【非特許文献3】Journal of Molecular Structure 2003,649,177−190
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既知の可逆有機熱変色性系は、ロイコ染料のような塩基性発色剤及びフェノール系化合物のような酸性顕色剤から成る。冷所において、これらの成分は暗色塩であり、及び加熱すると一定の温度より上で分離する。冷却すると暗色塩が再び形成する。主な欠点は塩基性発色剤及び酸性顕色剤の乏しい光安定性であり、そして変色を遅らせ得、そしてそのような系は押出し成形によって製造されるプラスチック製品において不都合である熱安定性の低下を有する。
【0004】
本発明に記載されている系は、使用された化合物がより高い光安定性を持ち得、さらに変色の遅延を少なくする、もしくは全くなくならせ得るので、不都合な点を持たない。例えば、変色は完全に可逆であり、及び本質的に多くの温冷周期後であっても疲労がない。本発明記載の系及び化合物は加熱することにより色が変化し、そして冷却することによりもとの色に戻る。涼しい環境において、色は例えば赤色又はオレンジ色であり、加熱すると例えばオレンジ色又は黄色に変わる。低温で前記系又は化合物は1つの化学形態であり、そして加熱すると系又は化合物が変色し、そして別の化学形態になる。即時に分かる場合として、1つの形態が少なくとも1種の酸性水素及び塩基を有するβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトン(例えば下記に定義される式(I)で表される化合物)であり得、及び他の形態が式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれら互変異性体の1種であり得る。少なくとも1種の酸性水素を有するβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトンは熱的に非常に安定であり、それゆえにそれらは慣用の熱可塑性ポリマーに組み込むために要求される高温で押出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
(a)少なくとも1種の酸性水素を含有するβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトン及び
(b)塩基を含み、
但し系は本質的にチモールブルー(チモールスルホンフタレイン)を含まず、特に本質的にフタレン誘導体を含まない可逆熱変色性系に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
β−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトンは、未置換であるか又は置換し得る。
【0007】
興味深いのは、成分(a)が式(I)
【化1】

(式中、
Xは、
【化2】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、それらの各々は未置換であるか又は置換され、
nは1ないし10の整数を表し、
R及びR’は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、ハロゲン原子、NO2、CN、NR910、OR11、SR11、S(=O)R11、 S(=O)211、CO−R11、CO−O−R11、O
−CO−R11、CO−NR910又はNR9−CO−R11を表し、 該アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
7、R9及びR10は独立して、H又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし3
0のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、NO2、CN、CO
−R12、COO−R12、CONR1314、OCO−R12、NR13CO−R12、NR1314、O−R12、S−R12、S(=O)−R12及び/又はS(=O)2−R12によって置換さ
れ、又は該置換されたアリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基によって置換され、
12は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、
13及びR14は独立してH又はR12に対して定義される通りであり、
但し、R1、R3、R3’、R4、R6及びR6’のうち少なくとも1つがヒドロキシ基を表すか、又はXがCHR7−CO−R8を表すか;或いはR1、R3、R3’、R4、R6及びR6’のうち少なくとも1つがヒドロキシ基を表すか及びXがCHR7−CO−R8を表す。)で表される化合物である、可逆熱変色性系である。
【0008】
特に興味深いのは、前記式中、
Xは、
【化3】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、それらの各々は未置換であるか又は置換され、
nは1ないし2の整数を表し、
R及びR’は独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし30のアルキル基を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、ハロゲン原子、NO2、NR910、OR11、CO−R11、CO−O−R11、O−CO−R11、CO−NR910又はNR9−CO−R11を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
7、R9及びR10は独立して、H又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし3
0のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10の
アリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、NO2、CO−R12
、COO−R12、CONR1314、OCO−R12、NR13CO−R12、NR1314及び/又はO−R12によって置換され、又は置換された該アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基によって置換され、
12は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、
13及びR14は、独立してH又はR12に対して定義される通りである、可逆熱変色性系である。
【0009】
特に興味深いのは、前記式中、
Xは、
【化4】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数7ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、それらの各々は未置換であるか又は置換され、
nは1を表し、
R及びR’は水素原子を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、ハロゲン原子、NO2、NR910、OR11、CO−R11、CO−O−R11、O−CO−R11を表し、該アルキル基、アルケニル基、アラルキル基及びアラルケニル基は置換されるか又は未置換であり、
7はHを表し、
9及びR10は、独立してH又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし3
0のアルケニル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基を表し、前記アルキル基、アルケニル基、アラルキル基及びアラルケニルは置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基及びアラルケニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、NO2、CO−R12、COO−R12、OCO−R12
NR1314及び/又はO−R12によって置換され、又は該置換されたアリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭
素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基によって置換され、
12は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基を表し、
13及びR14は、独立してH又はR12に対して定義される通りである、可逆熱変色性系である。
【0010】
さらに特に興味深いのは、前記式中、
Xは、
【化5】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアリール基又は炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、それらの各々は未置換であるか又は置換され、
nは1を表し、
R及びR’は水素原子を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、NO2、NR910、OR11又はCO−R11を表し、
7はHを表し、
9及びR10は独立して、H又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基又は炭素原子数8ないし
12のアラルケニル基を表し、該アルキル基及びアラルケニル基は置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アリール基及びアラルケニル基は、NO2及び/又はO−R12
によって置換され、
12は、炭素原子数1ないし30のアルキル基を表す、
可逆熱変色性系である。
【0011】
さらにとりわけ興味深いのは、前記式中、
Xは、
【化6】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし10のアルキル基、炭素原子数12のアリール基又は炭素原子数8ないし10のアラルケニル基、それらの各々は未置換であるか又は置換され、
nは1を表し、
R及びR’は水素原子を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、NO2、NR910、OR11又はCO−R11を表し、
7はHを表し、
9及びR10は独立してH又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし10のアルキル基又は炭素原子数8ないし
10のアラルケニル基を表し、該アルキル基及びアラルケニル基は置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アリール基及びアラルケニル基は、ヒドロキシ基、NO2及び
/又はO−R12によって置換され、
12は、炭素原子数1ないし10のアルキル基を表す、
可逆熱変色性系である。
【0012】
最も特に興味深いのは、前記式中、
Xは、
【化7】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし5のアルキル基又はナフチル基を表し、又はXは置換された炭素原子数8のアラルケニル基を表し、
nは1を表し、
R及びR’は水素原子を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、NO2、NR910、OR11又はCO−R11を表し、
7はHを表し、
9及びR10は独立してH又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし5のアルキル基又は炭素原子数8のアラル
ケニル基を表し、該アルキル基及びアラルケニル基は置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アリール基及びアラルケニル基は、ヒドロキシ基、NO2及び
/又はO−R12によって置換され、
12は、炭素原子数1ないし5のアルキル基を表す、
可逆熱変色性系である。
【0013】
極めて興味深いのは、前記式中、
Xは、
【化8】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXはメチル基又はナフチル基を表し、又はXは置換された炭素原子数8のアラルケニル基を表し、
nは1を表し、
R及びR’は水素原子を表し、
1、R2、R2’、R4、R5及びR5’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、塩素原子、NO2、NR910、OR11又はCO−R11を表し、
3、R3’、R6及びR6’は、水素原子を表し、
7はHを表し、
9及びR10は独立してR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、メチル基又は置換された炭素原子数8のアラルケニル基を表し

該置換されたアラルケニル基はヒドロキシ基、NO2及び/又はO−R12によって置換さ
れ、
12は、メチル基を表す、
可逆熱変色性系である。
【0014】
例えば、R3、R3’、R6及びR6’は、Hである。
例えば、R2又はR2’のどちらか一方が、Hである。
例えば、R5又はR5’のどちらか一方が、Hである。
好ましくは、R及びR’が水素原子である。
nは1であることが好ましい。
1及び/又はR4は、好ましくはヒドロキシ基である。
【0015】
塩基(b)が1モルにつき少なくとも150gのモル質量、とりわけ1モルにつき少なくとも300g、特に1モルにつき少なくとも350gを有する、可逆熱変色性系が好ましい。
【0016】
また、塩基(b)が第二級もしくは第三級アミン又は第二級もしくは第三級ホスフィンであり、前記アミン及び前記ホスフィンが芳香族でなく、及び前記アミン又は前記ホスフィンに直接結合する芳香族置換基を有さない可逆熱変色性系が特に好ましい。
【0017】
第二級もしくは第三級アミン又は第二級もしくは第三級ホスフィンは、2つ又は3つの有機置換基を有する。
【0018】
例えば、前記アミン又はホスフィンは、一官能価(すなわち、1分子につき1つのアミン又はホスフィン基を含有する)又は多官能価(すなわち、1分子につき少なくとも2つのアミン又はホスフィン基を含有する)であり、特に多官能価である。
【0019】
例えば、第二級アミンはNHR2627であり、第三級アミンはNR262728であり、第二級ホスフィンはPHR2627であり及び第三級ホスフィンはPR262728であり、ここでR26、R27及びR28は独立して、1ないし500個の炭素原子を含有する有機残基又は1ないし500個の炭素原子及び1ないし200個のヘテロ原子を含有する有機残基、特にN、P、O、S、Se、Cl、Br及び/又はIを表し;又はR26及びR27は、それらが結合する前記Nと一緒になって、未置換の又は置換された5−又は6−員環式環構造、好ましくは未置換の又は置換された6−員環式環構造を形成し、例えば、未置換の又は置換された環式環構造が立体障害性アミンである。
興味深いのは、COOH及びSO2OHのような酸性基を含有しない第二級もしくは第
三級アミン又は第二級もしくは第三級ホスフィンである。
【0020】
例えば、R26、R27及びR28は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基であり、前記基が未置換又は1つ以上のCOO−R13、CONR1314、OCO−R12、NR13CO−R12、NR1213、O−R12、S−R12、SO−R12及び/又はS(=O)2−R12によって置換され;又はアラルキル基、アラル
ケニル基及びアラルキニル基は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基によって置換さ
れ;又は前記アミンは立体障害性アミンであり;R12、R13及びR14は上記に定義される通りである。
【0021】
塩基bが第二級又は第三級アミン、例えば第二級アミン、例えば第二級立体障害性アミンのような第二級又は第三級立体障害性アミンが、最も特に好ましい。
【0022】
第二級又は第三級立体障害性アミンは、好ましくは式(Z)
【化9】

(式中、
4、G5、G6及びG7は独立して、メチル基又はエチル基、例えばメチル基を表し、
Eは水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基又は炭素原子数3ないし18のアルケニル基、例えば炭素原子数1ないし18のアルキル基又は水素原子、特に水素原子を表し、
10は、未置換であるか、又はOH、=Oによって、もしくは合計で1ないし500個の炭素原子又は1ないし500個の炭素原子及び1ないし200個のヘテロ原子、特にN、P、O、S、Se、Cl、Br及び/又はIを含有する1つ又は2つの有機残基によって置換された炭素原子を表す。)
で表される化合物である。
【0023】
第二級又は第三級立体障害性アミンは、好ましく式(A)ないし(M)で表されるうちの1つである。
【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

(式中、
E、G4、G5、G6及びG7は上記で定義される通りであり、
mは0又は1を表し、
29は水素原子、ヒドロキシル基又はヒドロキシメチル基を表し、
30は水素原子、1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基又は2ないし12個の炭素原子を有するアルケニル基を表し、

aは1ないし4を表し、

aが1を表す場合、
31は水素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基、4ないし18個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルアルキレンカルボニル基、2ないし18個の炭素原子を有するアルケニル基、グリシジル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ又は2−(ヒドロキシメチル)で置換されたアルキル基が酸素原子によって中断される3ないし12個の炭素原子を有するアルキル基、2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族もしくは不飽和脂肪族カルボン酸又はカルバミン酸を有するアシル基、7ないし12個の炭素原子を含有する脂環式カルボン酸又はカルバミン酸を有するアシル基、又は7ないし15個の炭素原子を含有する芳香族酸を有するアシル基を表し、

aが2を表す場合、
31は、2ないし18個の炭素原子を有するアルキレン基、2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸又はジカルバミン酸を有する二価のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含有する脂環式ジカルボン酸又はジカルバミン酸を有する二価のアシル基、又は8ないし15個の炭素原子を含有する芳香族ジカルボン酸を有する二価のアシル基を表し、

aが3を表す場合、
31は、6ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族又は不飽和脂肪族トリカルボン酸を有する三価のアシル基、又は9ないし15個の炭素原子を含有する芳香族トリカルボン酸を有する三価のアシル基を表し、

aが4を表す場合、
31は、脂肪族又は不飽和脂肪族テトラカルボン酸を有する四価のアシル基、とりわけ1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブテ−2−エンテトラカルボン酸、1,2,3,5−ペンタンテトラカルボン酸及び1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸を表し、又はR31は、10ないし18個の炭素原子を含有する芳香族テトラカルボン酸を有する四価のアシル基を表し、

pは1ないし3を表し、
32は、水素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基又は2ないし6個の炭素原子もしくはフェニル基を有するアシル基を表し、

pが1を表す場合、
33は、フェニル基、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基、2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族もしくは不飽和脂肪族カルボン酸又はカルバミン酸を有するアシル基、7ないし12個の炭素原子を含有する脂環式カルボン酸又はカルバミン酸を有するアシル基、7ないし15個の炭素原子を含有する芳香族カルボン酸を有するアシル基を表し、又はR32及びR33は一緒になって、−(CH25CO−、フタロイル基又はマレイン酸を有する二価のアシル基を表し、

pが2を表す場合、
33は、2ないし12個の炭素原子を有するアルキレン基、2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸又はジカルバミン酸を有する二価のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含有する脂環式ジカルボン酸又はジカルバミン酸を有する二価のアシル基、又は8ないし15個の炭素原子を含有する芳香族ジカルボン酸を有する二価のアシル基を表し、

pが3を表す場合、
33は、6ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族又は不飽和脂肪族トリカルボン酸を有する三価のアシル基、又は9ないし15個の炭素原子を含有する芳香族トリカルボン酸を有する三価のアシル基を表し、

bは1ないし4を表し、
bが1を表す場合、
34は、1ないし18個の炭素原子を有するアルコキシ基、2ないし18個の炭素原子を有するアルケニルオキシ基、1ないし18個の炭素原子を有する−NHアルキル基又は2ないし36個の炭素原子を有する−N(アルキル)2を表し、

bが2を表す場合、
34は、2ないし18個の炭素原子を有するアルキレンジオキシ基、2ないし18個の炭素原子を有するアルケニルジオキシ基、2ないし18個の炭素原子を有する−NH−アルキレン−NH−又は2ないし18個の炭素原子を有する−N(アルキル)−アルキレン−N(アルキル)−を表し、又はR34は4−メチル−1,3−フェニレンジアミノ基を表し、

bが3を表す場合、
34は、3ないし18個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和脂肪族トリオールを有する三価のアルコキシ基を表し、

bが4を表す場合、
34は、4ないし18個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和脂肪族テトラオールを有する四価のアルコキシ基を表し、

35及びR36 は、独立して、塩素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルコキシ基、−O−T1、2−ヒドロキシエチル基によって置換されたアミノ基、1ないし18個
の炭素原子を有する−NH(アルキル)、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基を有する−N(アルキル)T1、又は2ないし36個の炭素原子を有する−N(アルキル
2を表し、

37は、酸素原子を表すか、又はR37は水素原子、1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基又はT1のいずれかによって置換された窒素原子を表し、
1は、
【化14】

を表し、
38は、水素原子又はメチル基を表し、

cは2ないし8を表し、

39及びR40は独立して、水素原子又は基T2を表し、
2は、
【化15】

を表し、
eは1ないし10、例えば2ないし10を表し、

dは、化合物が分子量1000ないし4000原子質量単位(amu)を有するような整数を表し、例えばdは3ないし10の範囲内であり得、

41は、モルホリノ基、ピペリジノ基、1−ピペリジニル基、1ないし10個の炭素原子を有するアルキルアミノ基、とりわけ第三−オクチルアミノ基のような3ないし8個の炭素原子を有する枝分かれしたアルキルアミノ基、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基を有する−N(アルキル)T1、又は2ないし16個の炭素原子を有する−N(アル
キル)2を表し、

42は、水素原子、2ないし4個の炭素原子を有するアシル基、1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されたカルバモイル基、塩素原子によって1回及びR41によって1回置換されたs−トリアジニル基、又は2つのR41置換基が異なり得るという条件でR41によって2回置換されたs−トリアジニル基を表し、

43は、塩素原子、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基によって又はT1によっ
て置換されたアミノ基、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基を有する−N(アルキル)T1、2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2、又は基T3を表し、

3は、
【化16】

を表し、

45は、水素原子、2ないし4個の炭素原子を有するアシル基、1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されたカルバモイル基、2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2によって2回置換されたs−トリアジニル基又は1ないし8個の
炭素原子を有するアルキル基を有する−N(アルキル)T1によって2回置換されたs−
トリアジニル基を表し、

44は独立して、水素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基、4ないし18個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルアルキレンカルボニル基、2ないし18個の炭素原子を有するアルケニル基、グリシジル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、アルキル基が酸素原子によって中断された3ないし12個の炭素原子を有する2−ヒドロキシ基又は2−(ヒドロキシメチル)置換されたアルキル基、2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族もしくは不飽和脂肪族カルボン酸又はカルバミン酸を有するアシル基、7ないし12個の炭素原子を含有する脂環式カルボン酸又はカルバミン酸を有するアシル基、又は7ないし15個の炭素原子を含有する芳香族酸を有するアシル基を表す。)
【0024】
第二級又は第三級立体障害性アミンは、より好ましくは式(C)、(D)又は(L)、特に式(C)又は(L)、とりわけ式(L)で表されるものである。
【0025】
式(C)において、好ましいのは下記である:
aは1ないし2、好ましくは2を表し、
aが1を表す場合、
31は、水素原子、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基、4ないし18個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルアルキレンカルボニル基、2ないし18個の炭素原子を有するアルケニル基、グリシジル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ基又は2−(ヒドロキシメチル)で置換された酸素原子によって中断された3ないし12個の炭素原子を有するアルキル基、2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族又は不飽和脂肪族カルボン酸を有するアシル基を表し、
aが2を表す場合、
31は、2ないし18個の炭素原子を有するアルキレン基、2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族又は不飽和脂肪族ジカルボン酸を有する二価のアシル基、好ましくは2ないし18個の炭素原子を含有する、とりわけ6ないし12個の炭素原子を含有する脂肪族ジカルボン酸を有する二価のアシル基を表す。
【0026】
式(D)において、好ましいのは下記である:
pは1又は2、好ましくは2を表し、
32は、水素原子又は1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは水素原子を表し、
pが1を表す場合、
33は、1ないし18個の炭素原子を有するアルキル基又は2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族もしくは不飽和脂肪族カルボン酸又はカルバミン酸を有するアシル基を表し、例えばR33はアルキル基又は2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族カルボン酸を有するアシル基を表し、
pが2を表す場合、
33は、2ないし12個の炭素原子を有するアルキレン基又は2ないし18個の炭素原子を含有する脂肪族もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸又はジカルバミン酸を有する二価のアシル基を表し、例えばR33は、2ないし12個の炭素原子を有するアルキレン基を表す。
【0027】
式(L)において、好ましいのは下記である:
cは4ないし8を表し、
41は、1ないし10個の炭素原子を有するアルキルアミノ基、とりわけ第三−オクチルアミノ基のような3ないし8個の炭素原子を有する枝分かれしたアルキルアミノ基、1ないし8個の炭素原子のアルキル基を有する−N(アルキル)T1、又は2ないし16個の
炭素原子を有する−N(アルキル)2、特に1ないし10個の炭素原子を有するアルキル
アミノ基を表し、
42は、水素原子、塩素原子によって1回及びR41によって1回置換されたs−トリアジニル基、又は2つのR41置換基が異なり得るという条件でR41によって2回置換されたs−トリアジニル基、例えばR42は、水素原子又はR41によって2回置換されたs−トリアジニル基を表し、とりわけR42は水素原子を表し、
43は上記した通りであり、例えばR43は基T3を表し
基T3のR45は水素原子、2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2によって2回置換されたs−トリアジニル基又は1ないし8個の炭素原子のアルキル基を有する−N(アルキル)T1によって2回置換されたs−トリアジニル基を表し、例えば基T3のR45は水素原子又は2ないし16個の炭素原子を有する−N(アルキル)2によって2回置
換されたs−トリアジニル基を表し、とりわけ基T3のR45は水素原子を表す。
【0028】
下記の商品が立体障害性アミンとして適している:
チヌビン(登録商標:TINUVIN)622(CAS 65447−77−0)、ホシュタビン(登録商標:HOSTAVIN)N30(CAS 202483−55−4)、フェロ(登録商標:FERRO)AM806(CAS 70800−09−8)、ダスチブ(登録商標:DASTIB)845(CAS 24860−22−8)、チヌビン(登録商標:TINUVIN)770(CAS 58829−07−9)、チヌビン(登録商標:TINUVIN)765(CAS 82919−37−7及び41556−26−7)、チヌビン(登録商標:TINUVIN)144(CAS 63843−89−0)、ADK STAB(登録商標)LA52(CAS 91788−83−9)、ADK STAB(登録商標)LA 57(CAS 64022−61−3)、ADK STAB(登録商標)LA 62(CAS 107119−91−5)、ADK STAB(登録商標)LA 67(CAS 100631−43−4)、ホシュタビン(登録商標:HOSTAVIN)N20(CAS 64338−16−5)、ホシュタビン(登録商標:HOSTAVIN)N24(CAS 85099−51−0及び85099−50−9)、サンデュボア(登録商標:SANDUVOR)3050(CAS 85099−51−0及び85099−50−9)、ダイアセタム(登録商標:DIACETAM)5(CAS
76505−58−3)、スミソルブ(登録商標:SUMISORB)TM61(CAS 84214−94−2)、ウビヌル(登録商標:UVINUL)4049(CAS 109423−00−9)、サンデュボア(登録商標:SANDUVOR)PR31(CAS 147783−69−5)、グッドライト(登録商標:GOODRITE)UV3034(CAS 71029−16−8)、グッドライト(登録商標:GOODRITE)UV3150(CAS 96204−36−3)、グッドライト(登録商標:GOODRITE)UV3159(CAS 130277−45−1)、グッドライト(登録商標:GOODRITE)3110x128、ウビヌル(登録商標:UVINUL)4050H(CAS 124172−53−8)、チマソルブ(登録商標:CHIMASSORB)944(CAS 71878−19−8)、チマソルブ(登録商標:CHIMASSORB)2020(CAS 192268−64−7)、シアソルブ(登録商標:CYASORB)UV3346(CAS 82451−48−7)、シアソルブ(登録商標:CYASORB)UV3529(CAS 193098−40−7)、ダスチブ(登録商標:DASTIB)1082(CAS 113169−96−3)、チマソルブ(登録商標:CHIMASSORB)119(CAS 106990−43−6)、ウバシル(登録商標:UVASIL)299(CAS 164648−93−5)、ウバシル(登録商標:UVASIL)125(CAS 164648−93−5)、ウバシル(登録商標:UVASIL)2000(CAS 164648−93−5)、ウビヌル(登録商標:UVINUL)5050H(CAS 152261−33−1及び199237−39−3)、リヒトシュッツストッフ(登録商標:LICHTSCHUTZSTOFF)UV31、ルヘム(登録商標:LUCHEM)HA B 18、ADK STAB(登録商標)LA
63(CAS 115055−30−6)、ADK STAB(登録商標)LA 68(CAS 100631−44−5)又はウバソルブ(登録商標:UVASORB)HA 88(CAS 136504−96−6)。
グッドライト(登録商標:GOODRITE)3110x128は、式
【化17】

で表される。
リヒトシュッツストッフ(登録商標:Lichtschutzstoff)UV31は、式
【化18】

で表される。
【0029】
特に興味深いのは、チマソルブ(登録商標:Chimassorb)944(CAS 71878−19−8)、チマソルブ(登録商標:Chimassorb)2020(CAS 192268−64−7)又はチヌビン(登録商標:Tinuvin)770(CAS 58829−07−9)、特にチマソルブ(登録商標:Chimassorb)944又はチヌビン(登録商標:Tinuvin)770である市販の第二級立体障害性アミンである。
【0030】
成分(a)と成分(c)の比は、好ましくは質量で2:1ないし1:100、より好ましくは質量で1:1ないし1:20、最も好ましくは質量で1:2ないし1:16、例えば質量で1:3ないし1:6である。
【0031】
本発明は、式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれらの互変異性体の1種にも関する
【化19】

(式中、
R、R’、R1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6、R6’、R7、 R8、X及びnは、上記で定義される通りであり、及び
+は、アンモニウムカチオン又はホスホニウムカチオンを表し、
但し、
(1)前記アンモニウムカチオン又は前記ホスホニウムカチオンは、芳香族ではなく、及び前記アンモニウムカチオン又は前記ホスホニウムカチオンに直接結合する芳香族置換基を有さず、及び
(2)M+は、ホスファチジルコリン+、特に卵及び大豆ホスファチジルコリン+、より好
ましくはホスホリピド+、最も好ましくはテンシッド+(tensid)と異なる。)。
【0032】
式(II)ないし(VI)で表される化合物は、互変異性体を形成し得る。例えば、これらの互変異性体は式(IIa)ないし(VIa)で表される化合物であり得る
【化20】

【化21】

【0033】
好ましくは、M+は1モルにつき少なくとも150g、より好ましくは1モルにつき少
なくとも300g、最も好ましくは1モルにつき少なくとも350gの分子量を有する。
【0034】
例えば、M+は第二級もしくは第三級アンモニウムカチオン又は第二級もしくは第三級
ホスホニウムカチオンである。
【0035】
+は、第二級又は第三級アンモニウムカチオン、例えば第二級アンモニウムカチオン
、特に第二級又は第三級立体障害性アンモニウムカチオン、例えば第二級立体障害性アンモニウムカチオンであることが好ましい。
【0036】
例えば、これらの第二級もしくは第三級アンモニウムカチオン又は第二級もしくは第三級ホスホニウムカチオン又は第二級もしくは第三級立体障害性アンモニウムカチオンは、第二級もしくは第三級アミン又は第二級もしくは第三級ホスフィン、又はアミン又はホスフィン官能基に追加のH+を有する上記に定義された通りの第二級もしくは第三級立体障
害性アミンに相当する。
【0037】
本発明の別の態様は、
(i)上記で定義された通りの可逆熱変色性系又は式(II)ないし(VI)で表される
化合物又は上記で定義されたこれらの互変異性体の1種及び
(ii)キャリア材料
を含む可逆熱変色性組成物である。
【0038】
成分(i)と成分(ii)の質量比は、好ましくは1:10000ないし1:1、より好ましくは1:5000ないし1:2、最も好ましくは1:1000ないし1:5である。
【0039】
例えば、キャリア材料(ii)は、ポリマー、溶媒及び/又はワックス、特にポリマーである。
【0040】
例えば、キャリア材料(ii)は、プラスチック製品、フィルム、紙、繊維、溶媒、ワックス、コーティング及び/又はインク、とりわけプラスチック製品及び/又はコーティング、特にプラスチック製品である。
【0041】
キャリア材料(ii)として適切なポリマーの例は以下である:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン (HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(
MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法により、そして特に以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下及び上昇した温度において)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は更なる活性化剤、典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンであって、前記金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素であるものが使用され得る。該活性化剤は、更なるエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は、通常、フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ、チグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0042】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0043】
3.モノオレフィン及びジオレフィンと互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれの低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチ
レン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネン様COC)、1−オレフィンがその場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互の又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0044】
4.炭化水素樹脂の水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
【0045】
1.)ないし4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むどの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも同様に含まれる。
【0046】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0047】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むどの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも同様に含まれる。

6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、ビニルアセテート及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びその混合物から選択される上述された芳香族ビニルモノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。

6b.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、特にアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。

6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。

ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むどの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも同様に含まれる。
【0048】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0049】
8.ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化又はスルホ塩化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ボリフッ化ビニリデン並びに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルのようなそれらのコボリマーのようなハロゲン含有ポリマー。
【0050】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなそれらの誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃性改質されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0051】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0052】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上記の1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0053】
12.ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0054】
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタール及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含有するそれらのポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで変性されたポリアセタール。
【0055】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0056】
15.一方はヒドロキシル基末端ポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0057】
16.ジアミンとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレン、ジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び同じように上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合された又はグラフトされたエラストマーとの;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及びプロセスの間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0058】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0059】
18.ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。
【0060】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0061】
20.ポリケトン。
【0062】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0063】
22.フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂のような一方はアルデヒド、及び他方はフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー。
【0064】
23.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0065】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコール及びビニル化合物とのコポリエステルから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、及びまた低易燃性のこれらのハロゲン含有変性体。
【0066】
25.置換されたアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0067】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0068】
27.酸無水物又はアミンのような慣用の硬化剤により、又は促進剤を伴って又は伴わずに架橋された、脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族グリシジル化合物、例えばビスフェノールAとビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物から誘導される架橋されたエポキシ樹脂。
【0069】
28.セルロース、ゴム、ゼラチンのような天然ポリマー、並びに化学的に変性されたそれらの同族誘導体、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル;並びにロジン及びその誘導体。
【0070】
29.前述されたポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0071】
好ましくは、キャリア(ii)は、上記項目1ないし3及び5ないし6aに記載されるポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチロール、とりわけポリプロピレン、及びアクリロニトリル(acrylontirle)−ブタジエン−スチレンコポリマーのようなこれらのポリマーを含有するコポリマーである。
【0072】
有機ポリマーへの配合は、β−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトンと少なくとも1種の酸性水素及び塩基を混合又は適用することによって、又は式(II)ないし(VI)で表される化合物もしくはそれらの互変異性体の1種及び、必要に応じて、技術的に慣用である方法によって更なる添加剤を混合又は適用することによって達成し得る。前記配合は、成形作業の前に又は間に、又は次の溶媒の蒸発を伴い又は伴わないでポリマーに溶解した又は分散した化合物を適用することによって行われ得る。エラストマーの場合、それらはまた結晶格子として安定化し得る。
【0073】
ポリマーに上記の化合物を配合するための更なる可能性は、それらを対応するモノマーの重合前、間又は直後、又は架橋より前に加えることである。これに関して、上記の化合物はそのまま或いはカプセル化形態(例えば、ワックス、オイル又はポリマー)で加えられ得る。
【0074】
ここに記載される化合物は、同様に例えばキャリア材料(ii)に2.5ないし25質量%の濃度で前記化合物含有マスターバッチの形態で加えられ得る。
【0075】
ここに記載される化合物は、下記の方法によって慎重に配合し得る:
−エマルジョン又は分散液として(例えば結晶格子又はエマルジョンポリマーに)
−付加的な成分又はポリマー混合物の混合中の乾燥混合物として
−処理装置への直接導入によって(例えば、押出し機、密閉混合機等)
−溶液又は溶融物として
【0076】
少なくとも1種の酸性水素及び塩基を有するβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトン、又は式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれらの互変異性体は、添加剤を伴い又は伴わないで、またプラスチック製品、繊維、フィルム
、紙又はコーティングのようなキャリア材料(ii)上に噴霧し得る。他の添加剤(例えば上に示した慣用の添加剤)又はそれらの溶融物は希釈することができるので、それらをこれらの添加剤とともに該キャリア材料(ii)に噴霧することもできる。
【0077】
興味深いのは、更なる添加剤を含む、上記に定義された可逆熱変色性組成物である。
【0078】
好ましくは、更なる添加剤は、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、金属奪活剤、加工安定剤、チオ相乗剤、過酸化物捕捉剤、酸素捕捉剤、塩基性補助安定剤、核剤、充填材、強化剤、防炎加工剤(flameproofing agent)、蛍光増白剤及び/又は付加的な着色剤(例えば、染料及び/又は顔料)であり、但し、該付加的な着色剤はサーモクロミック効果を抑制せず及び遮へいしない。
【0079】
最も好ましくは、更なる添加剤はフェノール系抗酸化剤、アミン系抗酸化剤、ホスフィット、ホスホナイト、ヒドロキシルアミン、ニトロン、ベンゾフラノン、インドリノン、2−(2−ヒドロキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、オキサミド、立体障害性アミン、顔料及び/又は染料である。
【0080】
更なる添加剤の例は以下である:
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
例えば2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状又は側鎖において枝分かれしたノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ―1’―イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0081】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0082】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
例えば、2,6−ジ−第三−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0083】
1.4.トコフェロール、
例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0084】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
例えば、2,2’−チオビス(6−第三−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0085】
1.6.アルキリデンビスフェノール、
例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0086】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物
例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0087】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート
例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0088】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0089】
1.10.トリアジン化合物
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0090】
1.11.ベンジルホスホネート
例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0091】
1.12.アシルアミノフェノール
例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0092】
1.13.β−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0093】
1.14.β−(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビ
ス[2−{3−(3−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとのエステル。
【0094】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0095】
1.16.3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0096】
1.17.β−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル(Uniroyal)によって供給されるナウガードXL−1;登録商標:Naugard)。
【0097】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0098】
1.19.アミン酸化防止剤
例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三−オクチルジフ
ェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三−ブチル/第三−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三−ブチル/第三−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン。
【0099】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第二−ブチル−5’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾレ−2−イルフェノール];2−[3’−第三−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2−、Rが3’−第三−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾリ−2
−イルフェニル基を表す、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’− (1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(
α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0100】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0101】
2.3.置換された及び未置換の安息香酸のエステル
例えば、4−第三−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三−ブチルフェニル3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三−ブチルフェニル3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0102】
2.4.アクリレート
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート。
【0103】
2.5.ニッケル化合物
例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような付加的な配位子を伴うか又は伴わない1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステル、ケトキシムのニッケル錯体、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル−ウンデシルケトキシムのニッケル錯体、付加的な配位子を伴うか又は伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0104】
2.6.立体障害アミン
例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルベ
ンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[192268−64−7])の縮合物;N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、サンデュボア(Sanduvor)(クラリアント社製;CAS登録番号106917−31−1]、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)の反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロへキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
【0105】
2.7.オキサミド、
例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三−ブチル−2’−エトキサニリド及びそれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0106】
2.8. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0107】
3.金属奪活剤
例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0108】
4.ホスフィット及びホスホニット、
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、
トリス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0109】
以下のホスフィットがとりわけ好ましい:
トリス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ホスフィット(イルガフォス(登録商標:Irgafos)168、チバスペシャルティケミカルズ社)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化22】

【化23】

【0110】
5.ヒドロキシルアミン、
例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0111】
6.ニトロン、
例えば、N−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0112】
7.チオ相乗剤、
例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミストリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート又はジステアリルジスルフィド。
【0113】
8.過酸化物捕捉剤、
例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0114】
9.ポリアミド安定剤
例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マグネシウムの塩。
【0115】
10.塩基性補助安定剤
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート及びカリウムパルミテート、アンチモニーピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0116】
11.核剤
例えば、タルクのような無機物質、二酸化チタン、酸化マグネシウムのような金属酸化物、ホスフェート、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)のようなポリマー化合物。とりわけ好ましくは1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
【0117】
12.充填材及び強化剤、
例えば炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、陶土、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、木粉及び他の天然産品の細粉又は繊維、合成繊維。
【0118】
13.その他の添加剤
例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤 、触媒、流れ調整剤、蛍光増
白剤、防炎加工剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0119】
14.ベンゾフラノン及びインドリノン
例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書、欧州特許出願公開第0591102号明細書;欧州特許出願公開1291384号明細書に開示されるもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三−ブチル−3−(4−
[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三−ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラノ−2−オン。
【0120】
更なる添加剤は、キャリア材料(ii)に基づき、0.1ないし10質量%、例えば0.2ないし5質量%の量で慎重に用いられる。
【0121】
本発明の別の局面は、少なくとも1種の酸性水素を有するβ−フェニルビニルケトンと塩基との組み合わせ又は少なくとも1種の酸性水素を有するω−フェニルポリアセチレニルケトンと塩基との組み合わせ、又は上記に定義された式(II)ないし(VI)で表される化合物、もしくはその互変異性体の1種の、可逆熱変色性着色剤としての使用であって、例えば可逆熱変色性系における、例えばキャリア(ii)のようなキャリアにおけるものである。
【0122】
少なくとも1種の酸性水素を有するβ−フェニルビニルケトン又は少なくとも1種の酸性水素を有するω−フェニルポリアセチレニルケトンと上記で定義される塩基との組み合わせが好ましい。
【0123】
本発明の他の局面は、少なくとも1種の酸性水素を有するβ−フェニルビニルケトンと塩基との組み合わせ又は少なくとも1種の酸性水素を有するω−フェニルポリアセチレニルケトンと塩基との組み合わせ又は上記で定義される式(II)ないし(VI)で表される化合物もしくはそれらの互変異性体の1種を適用/配合することによる、可逆熱変色性的にキャリア(ii)のようなキャリアを着色するための方法である。
【0124】
塩基が上記で定義されたところの、少なくとも1種の酸性水素を有するβ−フェニルビニルケトンと塩基との組み合わせ又は少なくとも1種の酸性水素を有するω−フェニルポリアセチレニルケトンと塩基との組み合わせを適用/配合することにより、キャリアを可逆熱変色性的に着色するための方法が好ましい。
【0125】
本発明の態様は、上記で定義される式(I)で表される化合物であり、但し、該化合物は
【化24】

ではない。
【0126】
好ましくは、少なくとも1つの置換基が、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、NO2、CN、SR11、S(=O)R11、S(=O)211、CO−O−R11、O−CO−R11、CO−NR910又はNR9−CO−R11であるか又はそれらからなる群から選択される基を含有する。
【0127】
より好ましくは、少なくとも1つの置換基がNO2であるか又はそれを含有する。
【0128】
最も好ましくは、Xは
【化25】

であり、又はXは未置換の又は置換された炭素原子数8ないし12のアラルケニル基を表し、
nは1を表し、
R及びR’は水素原子を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は、独立して水素原子、ヒドロキシ基、NO2又はOR11を表し、
11は、独立して炭素原子数1ないし30のアルキル基を表し、
置換されたアラルケニル基はNO2によって置換される。
好ましくは、R11は、炭素原子数1ないし5のアルキル基、特にメチル基である。
好ましくは、Xは、未置換の炭素原子数8ないし12のアラルケニル基でない。
【0129】
上記で概説した可逆熱変色性系の式(I)で表される化合物に対する選好傾向は、同様に本態様にも適している。
【0130】
以下の定義及び実施例は、ここでの用語全てに適用される。
9ないしR14の少なくとも1つの中で、置換基を1つより多く含有する化合物におい
て、R9ないしR14各々はここで定義されるように独立である。
【0131】
ポリアセチレニル基は、例えば、1,3−ブタジエニル基、1,3,5−ヘキサトリエ
ニル基、1,3,5,7−オクタテトラエニル基、1,3,5,7,9−デカペンタエニル基又は1,3,5,7,9,11−ドデカヘキサエニル基のようなポリアセチレンの一価の基である。
【0132】
ここでの定義において、用語アルキル基は、所与の炭素原子の範囲内、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二−ブチル基、イソブチル基、第三−ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基及びドデシル基を含む。
【0133】
例えば、用語アルキル基は、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基及びメチルシクロヘキシル基のようなシクロアルキル基を含む。好ましくは、用語アルキル基はシクロアルキル基を含まない。
【0134】
アルケニル基の例は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基及びドデセニル基である。用語アルケニル基は、また共役又は非共役であり得る1つより多くの二重結合を有する残基をも含む。
【0135】
例えば、用語アルケニル基は、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、メチルシクロペンテニル基、ジメチルシクロペンテニル基及びメチルシクロヘキセニル基のようなシクロアルケニル基を含む。好ましくは、用語アルケニル基はシクロアルケニル基を含まない。
【0136】
アルキニル基の例は、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基及びドデシニル基である。用語アルキニル基は、不飽和結合が共役又は非共役であり得る所望により1つ以上の二重結合を有する1つ以上の三重結合を有する残基を含む。
【0137】
例えば、用語アルキニル基は、シクロペンチニル基、シクロヘキシニル基、メチルシクロペンチニル基、ジメチルシクロペンチニル基及びメチルシクロシクロヘキシニル基のようなシクロアルキニル基を含む。好ましくは、用語アルキニル基はシクロアルキニル基を
含まない。
【0138】
アリール基が、例えばフェニル基又はナフチル基である一方、アラルキル基は例えばベンジル基である。
【0139】
アラルケニル基の例は、2−フェニルエテニル基であり、アラルキニル基の例は2−フェニルエチニル基である。
【0140】
ハロゲン原子の例は、F、Cl、Br及びI、とりわけCl及びBr、特にClである。
【0141】
アルキレン基の例は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、第二−ブチレン基、イソブチレン基、第三−ブチレン基、2−エチルブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、1−メチルペンチレン基、1,3−ジメチルブチレン基、n−ヘキシレン基、1−メチルヘキシレン基、n−ヘプチレン基、2−メチルへプチレン基、1,1,3,3−テトラメチルブチレン基、1−メチルヘプチレン基、3−メチルへプチレン基、n−オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、1,1,3−トリメチルヘキシレン基、1,1,3,3−テトラメチルペンチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、1−メチルウンデシレン基及びドデシレン基である。
【0142】
アルケニレン基の例は、所与の炭素原子の範囲内、ビニレン基、アリレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基、ノネニレン基、デセニレン基、ウンデセニレン基及びドデセニレン基である。用語アルケニレン基はまた、共役又は非共役であり得る1つより多くの2重結合を有する残基をも含む。
【0143】
例えば、アルコキシ基は、炭素原子の適当な数を有する上記で定義されるアルキル基がOと結合することを意味する。
例えば、アルケニルオキシ基は、炭素原子の適当な数を有する上記で定義されるアルケニルオキシ基がOと結合することを意味する。
【0144】
アルキレンジオキシ基は、O−アルキレン−Oとして定義し得る。アルケニレンジオキシ基はO−アルケニレン−Oとして定義し得る。
【0145】
例えば、アシル基はアセチル基、プロピオニル基又はブチリル基である。
【0146】
脂肪族カルボン酸のいくつかの例は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸である。脂環式カルボン酸の例は、シクロヘキサノン酸である。芳香族カルボン酸の例は、安息香酸である。脂肪族ジカルボン酸の例は、マロニル酸、マレオイル酸、スクシニル酸、アジピン酸又はセバシン酸である。芳香族ジカルボン酸の残基の例はフタロイル基である。
【0147】
モノカルボン酸のアシル基は、定義の範囲内で、式−CO−R”(式中、R”はとりわけ定義されるようなアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し得る。)で表される残基である。好ましいアシル基は、アセチル基、ベンゾイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレロイル基(valeroyl)、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ペンタデカノイル基、ステアロイル基である。多価酸のポリアシル基は、式(−CO)n1−R”(式中、n1は原子価、例えば2、3、4、5又は6を表す。)で表される。
【0148】
ここで記載される化合物は、既知の出発物質から技術的に既知である方法に従い合成し
得る。ここに記載されるいくつかの前記化合物は、市販されている。
【0149】
少なくとも1種の酸性水素を有するβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトンは、ケトン(成分1)と、少なくとも1種の酸性水素を有するフェニルケトン、β−フェニルビニルケトン、ω−フェニルポリアセチレニルケトン、ベンズアルデヒド、β−フェニルビニルアルデヒド又はω−フェニルポリアセチレニルアルデヒド(成分2)とを反応させることによって得られ得る。例えば、成分1と成分2の比は1:10ないし10:1、好ましくは1:2ないし2:1、より好ましくは1.5:1ないし1:1.5、最も好ましくは約1:1である。通常、酸又は塩基は触媒として存在する。触媒として適する酸は、H2SO4、HBrのようなハロゲン化水素、p−トルエンスルホン酸もしくはメタンスルホン酸のようなスルホン酸、ホウ酸、o−リン酸又はトリフルオロ酢酸もしくはトリクロロ酢酸のような酢酸である。触媒として適する塩基は、KOH、NaOHもしくはLiOHのようなアルカリ金属水酸化物又はMg(OH)2又はCa(O
H)2のようなアルカリ土類金属水酸化物である。触媒の量は、通常、成分2の1モルに
つき0.001ないし0.5モルである。反応は、一般的に窒素又はアルゴンのような不活性雰囲気において行われる。本発明の方法は大気圧下(好ましくは)並びに減圧又は高圧下で行われ得る。該反応は、通常50ないし150℃のような高温で行われる。反応は一般的に溶媒、例えばエーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジメトキシエチルエーテル)、アルコール(例えば、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール又は第三アミルアルコール)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン異性体混合物、メシチレン又はエチルベンゼン)、ハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、クロロベンゼン)又はジメチルアセトアミドのような有機溶媒において行われる。得られた生成物は、技術的に既知である方法によって単離し得る。前記得られた生成物は、クロマトグラフィ又は結晶化のような技術的に既知な方法によって精製し得る。
【0150】
式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれらの互変異性体の1種は、a1)式(I)で表される化合物とb1)ホスフィン又はアミンを混合することによって及びそれらを一緒に反応することによって製造し得る:
A)成分の融点又は軟化点より上の温度で混合物を融解し、そして結果として生じた塩を外界温度まで冷却することによって、又は
B)都合の良い溶媒において成分a1)及びb1)を溶解すること、加熱又は真空で溶媒を蒸発すること、及び残留物を外界温度まで冷却することによって。溶媒は両方の成分を溶解することができ(しかしそれらと反応しない)、かつ後で蒸発し得るのであれば、ほとんどの溶媒はこの目的のために使用し得る。溶媒のいくつかの例は、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリル、エチルアセテート及びブチルアセテート並びにそれらの混合物である。
【0151】
上記立体障害性アミンは、本質的に既知であり及び市販されている。それらは既知の方法によって製造し得る。
【0152】
第二級又は第三級立体障害性アミンの製造は、例えば米国特許出願公開第4,233,412号明細書、米国特許第4,340,534号明細書、国際公開第98/51,690号パンフレット、米国特許出願公開第5,679,733号明細書、米国特許出願公開第3,640,928号明細書、米国特許出願公開第4,198,334号明細書、米国特許出願公開第5,204,473号明細書、米国特許出願公開第4,619,958号明細書、米国特許出願公開第4,110,306号明細書、米国特許出願公開第4,110,334号明細書、米国特許出願公開第4,689,416号明細書、米国特許出願公開第4,408,051号明細書、SU−A−768,175(ダーウェント(Derwent)88−138,751/20)、米国特許出願公開第5,049,604号明細
書、米国特許出願公開第4,769,457号明細書、米国特許出願公開第4,356,307号明細書、米国特許出願公開第4,619,956号明細書、米国特許出願公開第5,182,390号明細書、英国特許出願公開第2,269,819号明細書、米国特許出願公開第4,292,240号明細書、米国特許出願公開第5,026,849号明細書、米国特許出願公開第5,071,981号明細書、米国特許出願公開第4,547,538号明細書及び米国特許出願公開第4,976,889号明細書、米国特許出願公開第4,086,204号明細書、米国特許出願公開第6,046,304号明細書、米国特許出願公開第4,331,586号明細書、米国特許出願公開第4,108,829号明細書、米国特許出願公開第5,051,458、国際公開第94/12,544号パンフレット(ダーウェント 94−177,274/22)、DD−A−262,439(ダーウェント 89−122,983/17)、米国特許出願公開第4,857,595号明細書、米国特許出願公開第4,529,760号明細書、米国特許出願公開第4,477,615号明細書及びCAS136,504−96−6に記載されている。
【0153】
上記に記載されるような可逆熱変色性系もしくは組成物又は式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれら互変異性体の1種は、電化製品又は機器において温度変化を示すために使用し得る。温度変化は、ヒトの眼によって又は光学機器によって評価され得る変色をもたらし、効果的な信号に到る。
【0154】
上記に記載されるような可逆熱変色性系もしくは組成物又は式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれらの互変異性体の1種の適用は、家庭用電化製品の市場にある。安全上の理由で、特定の機器の加熱された部分が、異なる及び明らかに識別可能な色の外観により証明される必要性がしばしばある。
【0155】
例えば、小さい電化製品において、高温が製品そのものの一部分もしくはラベルの違う色によって示されるような、やかん、パーコレータ、トースター、室内用グリル、スロークッカー、フードスチーマ、ワッフルメーカー、真空包装システム、揚げ鍋、天ぷら鍋、アイロン及び炊飯器にこのことは多くの場合望ましい。前記部分又はラベルは取り替えることができるので、変色の効果がもはや目に見えないときには、オリジナルのパッケージの中又は販売業者で入手可能な新しいものに交換することがきる。
【0156】
これらの熱変色性系もしくは組成物又は式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれら互変異性体の1種は、高温が製品そのものの一部分もしくはラベルの違う色によって示されるような、レンジ上面、乾燥機、オーブン、スペースヒータ、蒸気清浄機、食器洗浄機、冷蔵庫、冷凍庫及び洗濯機のような大きい電化製品において使用し得る。
【0157】
可逆熱変色性系もしくは組成物又は式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれら互変異性体の1種の適用は、家庭用電化製品のプラスチック部分への組み込みに限られるものでなく、同じように多くの他の状況において適用されることが見出され得る:例えば
・作物の生長及び収穫に積極的に効果を及ぼすための、光調節用目的農業カバー 、
・印刷システムにおいて又は色変化積層材、所望によりマイクロカプセル化組成 物として使用される、一般的なインク、
・装飾的な及び流行性を有する服飾品用の及びブランド保護を含む、機能特性を 有する服飾品及び非服飾品用の、一般的な繊維及び布(織布及び不織布の両方 )、
・製品から魅力及び楽しさを増すための衣服及び成形品用の布を含む、玩具
・温度指示器(“熱過ぎる”:製品は冷やされなければならない、又は、“ちょ うどいい温度”:製品は消費のために最高の状態である)としての、食品及び 非食品包装
・タグ、カード又はラベルに隠されたメッセージのような販売促進アイテム;温 冷飲料用スプーン、ストロー又は攪拌棒。
【実施例】
【0158】
特に指定の無い限り、全ての%、部及び比は、質量%、質量部及び質量比である。
r.t. 室温(20ないし25℃)
g グラム
【0159】
化合物実施例
実施例1
【化26】

2,4−ペンタンジオン(0.1mol)10g、トリブチルボラート(0.2mol)46g、三酸化ホウ素(0.14mol)10.0g及び4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(0.2mol)を、ジメチルアセトアミド50mLと混合した。該混合物を、80℃に1時間温めた。30℃に冷却後、n−ブチルアミン3.0gを反応混合物に添加した。30℃で5時間後、反応物を水600mL、酢酸60mL及びキシレン60mLの混合物に注いだ。沈殿物を得て、固体をろ過し、洗浄しそして乾燥した。生成物29.3gを回収した;収率80%。
【化27】

【0160】
実施例2
【化28】

水酸化カリウム(0.82mol)55gを、メタノール300mLに溶解し、THF120mLを添加した。4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(0.66mol)100g及びアセトン(1.7mol)100gを前の溶液に添加した。該混合物を熱し、窒素下で16時間還流した。その後、酢酸56gを、20℃で反応混合物に添加した。該混合物を回転蒸発器で濃縮し、そして残留物をジクロロメタンで回収し、そして水で洗浄した。有機層を濃縮し、そして粗生成物をジクロロベンゼンから結晶化した。固体95gを得た、収率75%。
【化29】

【0161】
実施例3
【化30】

水酸化カリウム(0.20mol)14gを、メタノール75mLに溶解し、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(0.16mol)25gを添加した。アセトフェノン(0.25mol)30g及びTHF75mLを添加し、混合物を加熱し、20時間還流した。室温まで冷却後、酢酸15gを反応混合物に添加した。該混合物を回転蒸発器で濃縮し、ジクロロメタンで回収し、そして炭酸カリウム及び水の溶液で洗浄した。有機層を回転蒸発器で濃縮し、そして固体をイソプロピルエーテルで洗浄した。固体19gを得た、収率46%。
【化31】

【0162】
実施例4
【化32】

水酸化カリウム(0.20mol)14gを、メタノール75mL中で溶解し、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(0.16mol)25gを添加した。2−アセチルナフタレン(0.21mol)36g及びTHF75mLを添加した、該混合物を加熱し、20時間還流した。実施例3のように行い、生成物20gを得た、収率44%。
【化33】

【0163】
実施例5
【化34】

1,4−ジアセチルベンゼン(0.074mol)12g、バニリン(0.23mol)35g、メタノール100mL及び硫酸0.15mLを、フラスコに入れた。混合物を加熱し、窒素下で40時間還流した。冷却後得られた沈殿物をろ過した。生成物20gを得た:収率63%。
【化35】

【0164】
実施例6
【化36】

酢酸(33%)中、4−ヒドロキシアセトフェノン(0.13mol)18g、バニリン(0.2mol)30g、メタノール150mL及び臭化水素5mLを、フラスコに入れた。混合物を加熱し、8時間還流した。その後、トリ−n−ブチルボラート(0.15mol)35gを反応混合物に添加し、そして該反応物を12時間還流で保持した。冷却後、生じた沈殿物をろ過し、そしてジイソプロピレンから結晶化した。生成物26gを得た、収率73%。
【化37】

【0165】
実施例7
【化38】

酢酸(33%)中、4−クロロアセトフェノン(0.2mol)31g、バニリン(0.1mol)15.2g及び臭化水素5mLを混合し、そして3時間、25℃まで温めた。その後、トリ−n−ブチルボラート(0.15mol)35gを添加し、反応物を、45℃まで2時間温めた。20℃まで冷却後、炭酸水素カリウムを、酸性触媒を中和するために添加し、そして水及びトルエンを添加した。有機層を単離し、そして水酸化カリウム8gで洗浄した、水性相を分離し、酸性にして、そしてジクロロメタンで洗浄した。有機相を単離し、そして回転蒸発器で濃縮し、粗生成物をジイソプロピルエーテルから結晶化した。生成物18.6gを得た、収率64%。
【化39】

【0166】
実施例8
【化40】

酢酸中、4−ヒドロキシアセトフェノン(0.096mol)13.0g、N,N−ジメチル−p−アミノベンズアルデヒド(0.19mol)28.0g及び臭化水素の33%溶液60gを、フラスコに入れ、そして50℃まで20時間温めた。生じた沈殿物をろ過し、そして水及びジクロロメタン中で懸濁し、炭酸カリウムをpHが塩基性になるまで添加した。有機層を水で洗浄し、そして濃縮し、得られた粗生成物をキシレンから結晶化した。生成物14.3gを得た、収率56%。
【化41】

【0167】
実施例9
【化42】

水酸化カリウム(0.11mol)7.7gをメタノール100mLに溶解し、4−ヒドロキシアセトフェノン(0.1mol)13.6g及びp−ニトロベンズアルデヒド22.6gを添加した。混合物を加熱し、20時間還流した。20℃に冷却後、反応物を酢酸で中和し、そして沈殿物を得た。この固体をろ過し、メタノールで洗浄し、そして乾燥した。生成物11.2gを得た;収率43%。
【化43】

【0168】
実施例10
【化44】

水酸化カリウム(0.03mol)1.9gを、メタノール150mL中で溶解し、実施例2の化合物(0.03mol)5.0g及び3−ニトロベンズアルデヒド(0.03mol)3.9gを添加した。混合物を、窒素下で60℃に温めた。10時間後、反応物を冷却し、そして酢酸で中和した。混合物を回転蒸発器で濃縮し、そして残留物をジクロロメタンで回収した。溶液を水で洗浄し、そして有機層を分離及び濃縮した。得られた固体を、メタノールから結晶化した。生成物6.2gを得た;収率73%。
【化45】

【0169】
応用例
実施例11
配合物1:該配合物の総量の0.1%に相当する、実施例1の化合物0.3g、及び0.5%に相当する、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]](塩基1)1.5gを、メルトインデックス1.8(230℃及び2.16Kgで測定した)を有するポリプロピレン粉末(バセル(Basell)社製モプレン(Moplen)HP500H)298.8gとともにターボミキサー中で混合した。
混合物を、次に2mm厚のプラークに転換されるポリマー顆粒を与えるために実験室規模の二軸スクリュー押出機(OMC、直径19mm、L/D=25)を使用して、190ないし230℃で押出し、プレス成形機(パサデナ(Pasadena)P210C)を使用して、240℃の最高温度及び圧力323バールで操作した。
同じ手順を、配合物1と下記の違いを有する、配合物2ないし6に適用した:
配合物2:実施例1の代わりに実施例5の化合物
配合物3:実施例1の代わりに実施例3の化合物
配合物4:実施例1の代わりに実施例4の化合物
配合物5:塩基1の代わりに、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(塩基2)
配合物6:実施例1の化合物及び塩基1に加えて二酸化チタン(Kronos Titan);配合物の荷重量は、実施例1の化合物、塩基1、二酸化チタン及びポリプロピレン粉末それぞれに対して0.3、1.5、0.3及び297.9gであった;二酸化チタンの量は配合物の総量の0.1%に相当した。
このように製造したプラークは変色を誘導するために、色の変わる温度より高い100℃で、シリコン油浴に浸した。色の変化を視覚的に評価し、そして以下の表に記録した。
【表1】

対照配合物のいくつかを、配合物1ないし6と同じ方法で製造した:
配合物1b:塩基1が無い以外は配合物1と同じ。
配合物2b:塩基1が無い以外は配合物2と同じ。
室温で配合物1b及び2bは、視覚的に100℃における配合物1及び2と同じ色をそれぞれ有し、このように4つの配合物の比色データは熱変色性作用に起因する変色を定量化するために比較し得る。その値を、CIEL***比色空間を考慮しながらミノルタ
色彩計CM−508dを使用して測定した。関連する値を、以下の表に記録した。
【表2】

配合物1及び1b並びに2及び2bの間の比色値の大きな変化は、それぞれ温度とともにプラークの色がどれほど効率的に変わるかを示す。室内の周辺光の下に置いた全ての配合物は、何ヶ月ももとの色を保った。
【0170】
実施例12
配合物1及び2に、繰り返される加熱−冷却サイクル(疲労)の下で、熱変色性作用維持を試験するために下記の実験をした。自動化システムを用いて、式1及び2のプラークを95℃に保たれたシリコン油浴に30分間浸し、次に引き上げそして室温でさらに30分間冷まし、この後、プラークを再び浸し、そして前記サイクルを100回以上繰り返した。熱変色性変化は100サイクル以上後もあらわれた。
【0171】
実施例13
配合物7:配合物の総量0.1%に相当する、実施例9の化合物1.2g、及び0.5%に相当する、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]](塩基1)6.0gを、メルトインデックス1.8(230℃及び2.16Kgで測定した)を有するポリプロピレン粉末(バセル(Basell)社製モプレン(Moplen)HP500H)1192.8gとともにターボミキサー中で混合した。
配合物8:対照配合物を上記と同じ方法により製造し、該配合物は塩基1が無い以外は配合物7と同じである。
混合物を、次に2mm厚のプラークに転換されるポリマー顆粒を与えるために実験室規模の二軸スクリュー押出機(OMC、直径19mm、L/D=25)を使用して、190ないし230℃で押出し、注入成形機(ネグリボッシ(Negri Bossi)、直径28mm、L/D=22)を使用して、230℃の最高温度で操作した。
変色を誘導するためにこのように製造されたプラークは、色の変わる温度より高い140℃で、シリコン油浴に浸した。色の変化を視覚的に評価し、そして以下の表に記録した。
【表3】

配合物8は、視覚的に140℃における配合物7と同じ色を有し、このように2つの配合物の測色データは熱変色性作用に起因する変色を定量化するために比較し得る。その値を、CIEL***比色空間を考慮しながらミノルタ色彩計CM−508dを使用して
測定した。関連する値を、以下の表に記録した。
【表4】

配合物7及び8の間の比色値の大きな差異は、温度とともにいかに効果的にプラークの色が変色するかを示す。
最後に配合物7及び8に、実験2に記載された実験で120℃に保たれたシリコン油浴をするという点が相違する実験を行った。この方法で、数サイクル後にプラークが変色を示すことで、全ての熱変色性サイクルを達成した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種の酸性水素を含有するβ−フェニルビニルケトン又はω−フェニルポリアセチレニルケトン及び
(b)塩基
を含む可逆熱変色性系であって、但し該系は本質的にチモールブルーを含まない可逆熱変色性系。
【請求項2】
但し前記系が本質的にフタレイン誘導体を含まない、請求項1記載の可逆熱変色性系。
【請求項3】
前記成分(a)が式(I)
【化1】

(式中、
Xは、
【化2】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、それらの各々は未置換であるか又は置換され、
nは1ないし10の整数を表し、
R及びR’は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、ハロゲン原子、NO2、CN、NR910、OR11、SR11、S(=O)R11、 S(=O)211、CO−R11、CO−O−R11、O
−CO−R11、CO−NR910又はNR9−CO−R11を表し、 該アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
7、R9及びR10は独立して、H又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし3
0のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10の
アリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、NO2、CN、CO
−R12、COO−R12、CONR1314、OCO−R12、NR13CO−R12、NR1314、O−R12、S−R12、S(=O)−R12及び/又はS(=O)2−R12によって置換さ
れ、又は該置換されたアリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基によって置換され、
12は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、
13及びR14は独立してH又はR12に対して定義される通りであり、
但し、R1、R3、R3’、R4、R6及びR6’のうち少なくとも1つがヒドロキシ基を表すか、又はXがCHR7−CO−R8を表すか;或いはR1、R3、R3’、R4、R6及びR6’のうち少なくとも1つがヒドロキシ基を表すか及びXがCHR7−CO−R8を表す。)で表される化合物である、請求項1記載の可逆熱変色性系。
【請求項4】
前記R1及び/又はR4がヒドロキシ基である、請求項3記載の可逆熱変色性系。
【請求項5】
前記式中、
Xは、
【化3】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、それらの各々は未置換であるか又は置換され、
nは1ないし2の整数を表し、
R及びR’は独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし30のアルキル基を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、ハロゲン原子、NO2、NR910、OR11、CO−R11、CO−O−R11、O−CO−R11、CO−NR910又はNR9−CO−R11を表し、 該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、ア
ラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
7、R9及びR10は独立して、H又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし3
0のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10の
アリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、NO2、CO−R12
、COO−R12、CONR1314、OCO−R12、NR13CO−R12、NR1314及び/又はO−R12によって置換され、又は該置換されたアリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基によって置換され、
12は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、
13及びR14は、独立してH又はR12に対して定義される通りである、請求項3記載の可逆熱変色性系。
【請求項6】
前記式中、
Xは、
【化4】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし5のアルキル基又はナフチル基を表し、又はXは置換された炭素原子数8のアラルケニル基を表し、
nは1を表し、
R及びR’は水素原子を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、NO2、NR910、OR11又はCO−R11を表し、
7はHを表し、
9及びR10は独立してH又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし5のアルキル基又は炭素原子数8のアラル
ケニル基を表し、該アルキル基及びアラルケニル基は置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アリール基及びアラルケニル基は、ヒドロキシ基、NO2及び
/又はO−R12によって置換され、
12は、炭素原子数1ないし5のアルキル基を表す、
請求項3記載の可逆熱変色性系。
【請求項7】
前記式中、
Xは、
【化5】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXはメチル基又はナフチル基を表し、又はXは置換された炭素原子数8のアラルケニル基を表し、
nは1を表し、
R及びR’は水素原子を表し、
1、R2、R2’、R4、R5及びR5’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、塩素原子、NO2、NR910、OR11又はCO−R11を表し、
3、R3’、R6及びR6’は、水素原子を表し、
7はHを表し、
9及びR10は独立してR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、メチル基又は置換された炭素原子数8のアラルケニル基を表し

該置換されたアラルケニル基は、ヒドロキシ基、NO2及び/又はO−R12によって置換
され、
12は、メチル基を表す、
請求項3記載の可逆熱変色性系。
【請求項8】
前記塩基(b)が1モルにつき少なくとも150gのモル質量を有する、請求項1記載の可逆熱変色性系。
【請求項9】
前記塩基(b)が、第二級もしくは第三級アミン又は第二級もしくは第三級ホスフィンであり、前記アミン及び前記ホスフィンは芳香族でなく、及び前記アミン又は前記ホスフィンに直接結合する芳香族置換基を有さない、請求項1記載の可逆熱変色性系。
【請求項10】
前記塩基(b)が第二級立体障害性アミンである、請求項1記載の可逆熱変色性系。
【請求項11】
前記成分(a)と(b)の比が、質量で2:1ないし1:100である、請求項1記載の可逆熱変色性系。
【請求項12】
前記成分(a)と(b)の比が、質量で1:3ないし1:6である、請求項1記載の可逆熱変色性系。
【請求項13】
付加的に(ii)キャリア材料を含有する、請求項1記載の可逆熱変色性系。
【請求項14】
付加的に(ii)キャリア材料を含有し、成分(a)及び(b)の合計と成分(ii)の比が質量で1:1000ないし1:5である、請求項1記載の可逆熱変色性系。
【請求項15】
式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれらの互変異性体の1種
【化6】

【化7】

(式中、
R、R’、R1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6、R6’、R7、 R8、X及びnは、請求項3において定義される通りであり、及び
+は、アンモニウムカチオン又はホスホニウムカチオンを表し、
但し、
(1)前記アンモニウムカチオン又は前記ホスホニウムカチオンは、芳香族ではなく、及び前記アンモニウムカチオン又は前記ホスホニウムカチオンに直接結合する芳香族置換基を有さず、及び
(2)M+は、ホスファチジルコリン+とは異なる。)。
【請求項16】
前記M+が、1モルにつき少なくとも150gの分子量を有する、請求項15記載の化合
物。
【請求項17】
前記M+が、第二級もしくは第三級アンモニウムカチオン又は第二級もしくは第三級ホス
ホニウムカチオンである、請求項15記載の化合物。
【請求項18】
(i)請求項15において定義される式(II)ないし(VI)で表される化合物又はそれらの互変異性体の1種、及び
(ii)キャリア材料
を含む可逆熱変色性組成物。
【請求項19】
成分(i)と成分(ii)の比が、質量で1:1000ないし1:5である、請求項18記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項20】
前記キャリア材料(ii)としてポリマー、溶媒及び/又はワックスを含む、請求項18記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項21】
キャリア材料(ii)として、プラスチック製品、フィルム、紙、繊維、溶媒、ワックス、コーティング及び/又はインクを含む、請求項18記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項22】
更なる添加剤を含む、請求項18記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項23】
更なる添加剤として、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、金属奪活剤、加工安定剤、チオ相乗剤、過酸化物捕捉剤、酸素捕捉剤、塩基性補助安定剤、核剤、充填材、強化剤、防炎加工剤、蛍光増白剤及び/又は付加的な着色剤を含み、
但し、前記付加的な着色剤は熱変色性効果を抑制せず及び遮へいしない請求項22記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項24】
更なる添加剤として、フェノール系抗酸化剤、アミン系抗酸化剤、ホスフィット、ホスホナイト、ヒドロキシルアミン、ニトロン、ベンゾフラノン、インドリノン、2−(2−ヒドロキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、オキサミド、立体障害性アミン、顔料及び/又は染料を含む、請求項22記載の可逆熱変色性組成物。
【請求項25】
少なくとも1種の酸性水素を含有するβ−フェニルビニルケトンと塩基の組み合わせ又は少なくとも1種の酸性水素を含有するω−フェニルポリアセチレニルケトンと塩基の組み合わせ又は請求項15において定義される式(II)ないし(VI)で表される化合物もしくはその互変異性体の1種の、可逆熱変色性着色剤としての使用。
【請求項26】
少なくとも1種の酸性水素を含有するβ−フェニルビニルケトンと塩基の組み合わせ又は少なくとも1種の酸性水素を含有するω−フェニルポリアセチレニルケトンと塩基の組み合わせ又は請求項15において定義される式(II)ないし(VI)で表される化合物もしくはその互変異性体の1種をキャリアに適用すること/配合することによってキャリアを可逆熱変色性的に着色するための方法。
【請求項27】
式(I)
【化8】

(式中、
Xは、
【化9】

又はCHR7−CO−R8を表し、又はXは炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、それらの各々は未置換であるか又は置換され、
nは1ないし10の整数を表し、
R及びR’は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、ハロゲン原子、NO2、CN、NR910、OR11、SR11、S(=O)R11、 S(=O)211、CO−R11、CO−O−R11、O
−CO−R11、CO−NR910又はNR9−CO−R11を表し、 該アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
7、R9及びR10は独立して、H又はR8に対して定義される通りであり、
8及びR11は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし3
0のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は置換されるか又は未置換であり、
該置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、NO2、CN、CO
−R12、COO−R12、CONR1314、OCO−R12、NR13CO−R12、NR1314、O−R12、S−R12、S(=O)−R12及び/又はS(=O)2−R12によって置換さ
れ、又は該置換されたアリール基、アラルキル基、アラルケニル基及びアラルキニル基は炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基及び/又は炭素原子数2ないし30のアルキニル基によって置換され、
12は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数2ないし30のアルケニル基、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし12のアラルキニル基を表し、
13及びR14は独立してH又はR12に対して定義される通りであり、
但し、R1、R3、R3’、R4、R6及びR6’のうち少なくとも1つがヒドロキシ基を表すか、又はXがCHR7−CO−R8を表すか;或いはR1、R3、R3’、R4、R6及びR6’のうち少なくとも1つがヒドロキシ基を表すか及びXがCHR7−CO−R8を表す。)で表される化合物(但し、下記の化合物
【化10】

は除く。)。
【請求項28】
前記式中、置換基R1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’のうち少なくとも1つが、炭素原子数2ないし30のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数8ないし12のアラルキニル基、NO2、CN、SR11、S(
=O)R11、S(=O)211、CO−O−R11、O−CO−R11、CO−NR910又はNR9−CO−R11であり又はそれらの基からなる群から選択される基を含有する、請求
項27記載の化合物。
【請求項29】
前記置換基R1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’のうち少なくとも1つが、NO2であるか又はNO2を含有する、請求項27記載の化合物。
【請求項30】
前記式中、
Xは、
【化11】

を表し、又はXは未置換の又は置換された炭素原子数8ないし12のアラルケニル基を表し、
nは1を表し、
R及びR’は水素原子を表し、
1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、R5’、R6及びR6’は独立して、水素原子、ヒドロキシ基、NO2又はOR11を表し、
11は独立して、炭素原子数1ないし30のアルキル基を表し、
置換されたアルケニル基は、NO2によって置換される、請求項27記載の化合物。
【請求項31】
式(I)で表される化合物が、
【化12】

で表される化合物である、請求項27記載の化合物。


【公表番号】特表2009−525357(P2009−525357A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551789(P2008−551789)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際出願番号】PCT/EP2007/050744
【国際公開番号】WO2007/085636
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】