説明

合成樹脂製枠体の成形方法

【課題】内側に開口部がある合成樹脂製枠体の優れた成形方法。
【解決手段】キャビティ22に連通し、合成樹脂製枠体の開口部の周縁に対応する位置の全体に亘って溶融樹脂原料を注入できる注入ゲート23と、これに連通する供給口241を有する溶融樹脂原料の貯留部24と、供給口、注入ゲートの連通を遮断する移動可能な閉鎖部25とを有する、移動型211と固定型212からなる金型21を用いて、溶融樹脂原料を貯留部に一旦貯留し、その後、前記貯留部に貯留された溶融樹脂原料の圧力により、閉鎖部がスライド移動し、該溶融樹脂原料がキャビティ内に注入され(選択図の様態)、その後、移動型が移動し、注入ゲートと供給口との連通を封鎖するともに、キャビティの幅方向が狭くなり、溶融樹脂原料がキャビティ全体に充填されて成形がなされ、その後、金型を開いて成形された合成樹脂製枠体を取り出すことによって成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製枠体の成形方法に関し、より詳しくは、内側に開口部を有する合成樹脂製枠体の成形に適した合成樹脂製枠体の成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1(a)や図1(b)に示したような内側が開口している合成樹脂製の枠体は、額縁などの枠体、コンピューターのディスプレーの枠体や、液晶テレビ或いはプラズマテレビ等のディスプレー用の枠体などに広く使用されている。このような内側に開口部を有する合成樹脂製枠体の成形は、従来、予め内側が開口している枠体の形状に対応したキャビティ形状を金型によって形成しておき、該金型側面の1点若しくは複数点をゲートノズルとして、該ゲートノズルから該キャビティ中に溶融樹脂原料の射出によって該キャビティ中に溶融樹脂原料を充填して成形を行うものであった。
【0003】
しかしながら、かかる方法で成形すると、成形された枠体には外観上ゲートノズル跡が残るだけでなく、キャビティがいわば溶融樹脂原料の湯の流路として用いられるため、その流れに応じた成形品が成形され、またゲートノズル付近と、当該ゲートノズルより最も遠い部分の溶融樹脂原料の性状は相違し、性状的には一定品質の合成樹脂成形品を成形し難い問題があった。特に、キャビティの途中で一方側から流れてきた溶融樹脂原料と他方側から流れてきた溶融樹脂原料とがぶつかり合う部位ではその傾向が大きい。このことは外観的には、ウエルドラインの発生という問題として表れる。
【0004】
特に合成樹脂成形体の色調をメタリックにしたい場合、樹脂原料にメタリック色素を添加して成形すると、成形体のウエルドラインが外観上明確になる。そこでメタリック光沢を有する合成樹脂品とする場合には、一般的に成形後にメタリック色素を塗布するという方法が採られるが、塗装の場合、工程の増加によってコストアップになるだけでなく、使用により塗装が剥げ落ちる問題がある。また透明又は半透明の樹脂成形体を得ようとした場合でも上記同様ウエルドラインが外観上明確になるという問題が生じている。
【0005】
そこで、これまで内側に開口部を有する合成樹脂製枠体の成形においてもウエルドラインの発生を抑えた成形方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1では、管接続口(内側の開口部)を有するキャップの成形方法として、盤状に広がる部分を有するランナーを通し、更に該ランナーの前記盤状部分の周縁に設けたゲートを通して、前記樹脂製枠体形成用のキャビティの全周から同時に樹脂を射出する成形方法が提案されている。確かにかかる技術によれば、ゲートノズル跡の問題が解消し、また円盤形状の枠体においては、ウエルドラインの発生も、従来の成形法に比べてかなり抑えられるものである。
【特許文献1】特開2002−234057号公報
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ランナーに残っている樹脂成分も固化されるので、成形品からランナーに残った不要部分をカットする必要があった。更に、特許文献1の技術では、特に角を有する円盤状以外の形状で、かつ図1(b)のような折り曲げ部位を有する成形体の場合、上記特許文献1の技術によっても角の部分で樹脂流れの乱れが生じ、ウエルドラインの発生を完全に抑えることはできなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、額縁などの枠体、コンピューターのディスプレーの枠体や、液晶テレビ或いはプラズマテレビ等のディスプレー用の枠体など、内側に開口部を有する合成樹脂製枠体を、ウエルドラインの発生がなく、かつ性状的にも安定した品質の合成樹脂成形品として成形することができる成形方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、上記課題を解決するために、
移動型と固定型とからなり、該移動型と固定型の空隙にてキャビティを形成する金型であり、かつ
前記キャビティに連通し、前記合成樹脂製枠体の開口部の周縁に対応する位置の全体に亘って溶融樹脂原料を注入できる注入ゲートと、
前記注入ゲートに連通する供給口を有する溶融樹脂原料の貯留部と、
前記注入ゲートと前記供給口との連通を遮断する、移動型とは独立してスライド移動可能な閉鎖部
とを有する金型を用い、
溶融樹脂原料を前記貯留部に一旦貯留する貯留工程と、
前記貯留工程後、前記貯留部に貯留された溶融樹脂原料の充填圧により、前記閉鎖部がスライド移動し、該溶融樹脂原料が前記キャビティ内に注入される樹脂注入工程と、
前記樹脂注入工程後、前記移動型が移動し、前記注入ゲートと前記供給口との連通を封鎖するともに、前記キャビティの少なくとも一部の幅方向が狭くなることにより、溶融樹脂原料が前記キャビティ全体に充填されて成形がなされるゲートカット工程と
前記ゲートカット工程後、前記金型を開いて、成形された合成樹脂製枠体を取り出す型開き工程と有することを最も主要な手段とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の成形方法によれば、樹脂注入工程において、溶融樹脂原料は、貯留部に貯留されることで充填圧を持ち、該充填圧によって注入ゲートを塞いでいた閉鎖部をスライド移動させ、合成樹脂製枠体の開口部の周縁に対応する位置の全体を注入ゲートとして、一気にキャビティ内に流れ込むため、開口部の周縁のいずれの位置においても均一に樹脂が流れ、樹脂流れの乱れが生じることがない。加えて、溶融樹脂原料のキャビティ全体への充填は、キャビティの少なくとも一部の幅方向が狭くなることによる圧力を用いて行うので、注入ゲートから最も遠い位置のキャビティ端の充填も樹脂流れの乱れなく行うことができる。
【0010】
更に前記注入ゲートと前記供給口との連通を遮断する閉鎖部は、貯留した溶融樹脂原料の充填圧によってスライド移動するので、一旦ゲートノズルからランナーに溶融樹脂原料が射出された後は、閉鎖部を移動させるためのシリンダなどの動力を必要とせず、余分なランニングコストを抑えることができる。
【0011】
また、本発明の成形方法では、キャビティに溶融樹脂原料が流入した後、金型(移動型)が移動して、注入ゲートと貯留部の供給口との連通を封鎖することで、ゲートカットがなされるため、成形された枠体には不要な固化部分が付着することなく、不要部を切り離す工程を必要としない。また一連の工程は、連続して繰り返し行うことができるので、効率的な製造方法でもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明を詳述する。ただし、本発明は、図面に示された態様に限られるものではない。
【0013】
(内側に開口部を有する合成樹脂製枠体)
本発明で成形されるのは、図1(a)や図1(b)のような内側に開口部11を有する合成樹脂製枠体10である。図1(a),(b)では枠体10形状及び開口部11形状は長方形のものを示したが、本発明の成形方法では、枠体10形状及び開口部11形状を限定することなく使用できる。ただし本発明では、枠体10形状及び開口部11形状が円形状のような角がないような形状の成形であっても、ウエルドラインが発生しないという有利な特徴がある。
【0014】
また本発明の成形方法による効果を十分発揮させるためには、図1(a)や図1(b)のように、内側に開口部11を有する合成樹脂製枠体10の枠体10の外側形状と開口部11形状とが相似形状であるほうが好ましい。例えば枠体10外側形状が長方形であり、開口部11形状が円形状のような枠体においても、もちろん本発明の成形方法による成形も可能である。ただしウエルドラインの発生抑制効果は、相似形状の枠体の場合よりも若干劣る。前記例示形状において、もし完全にウエルドラインの発生を完全に抑えたいならば、本発明の成形方法で、一旦開口部形状を長方形で成形し、その後円形状など所望の開口部切断する方法を採ることもできる。
【0015】
また、本発明の成形方法は、図1(a)に示したような平面形状のみならず、図1(b)に示したような途中で折れ曲がり部位が存在するような形状の成形も可能である。むしろ本発明の成形方法によれば、図1(b)のような折れ曲がり部位を有する形状の成形であってもウエルドラインが発生しないという有利な特徴がある。
【0016】
本発明に用いられる原料は、熱可塑性樹脂原料であれば特に制限なく使用できる。また着色剤等通常の射出成形で用いられる添加剤を原料に添加することもできる。なかでもアルミニウム粉末などメタリック用着色剤を添加した樹脂原料を用いた場合、従来の射出成形による成形では、ウエルドラインが明確に現れるので添加を控えていたものであるが、本発明の成形法では、かかるメタリック用着色剤を添加して成形した場合でも外観上ウエルドラインが表れないという有利な特徴がある。また透明又は半透明の熱可塑性樹脂原料を用いて本発明の成形方法で成形すれば、上記同様外観上ウエルドラインが現れないという有利な特徴がある。
【0017】
(金型)
図2(a)(b)(c)(d)は、本発明の成形方法で用いる金型21の概要を工程ごとに示した概略半断面図である。図3(a)(b)(c)は、それぞれ図2(a)(b)(c)の要部拡大図である。図2(a)(b)(c)(d)および図3(a)(b)(c)は、図1(b)に示した枠体10の製造例を示したものであり、図1(b)の枠体上部14部分だけを図示したものである。図2(a)〜(d)中の記号CLは中心軸を現す仮想線であり、中心軸よりも下部は図示を省略している。なお図示しなかった枠体10の左側部、右側部、下部のそれぞれの部位についても、枠体上部14と同様に成形される。また、図3(b)(c)中の矢印は、それぞれ図3(a)(b)の位置からどのように移動したかを示すものである。及び図3(c)中の点線は、図3(b)における金型の位置を示すものである。また各図面において、溶融樹脂原料の存在する位置は、太線‐細線が交互に繰り返されるハッチングにて示した。
【0018】
内側に開口部11を有する合成樹脂製枠体10を成型するために、本発明で用いる金型21は、移動型211と固定型212とからなり、該移動型211と固定型212の空隙にてキャビティ22を形成する金型であり、かつ以下の(1)〜(3)を備えたものである。
(1)前記キャビティ22に連通し、前記合成樹脂製枠体10の開口部の周縁12に対応する位置の全体に亘って溶融樹脂原料を注入できる注入ゲート23
(2)前記注入ゲート23に連通する供給口241を有する溶融樹脂原料の貯留部24
(3)前記注入ゲート23と前記供給口241との連通を遮断する、移動型211とは独立してスライド移動可能な閉鎖部25
【0019】
本発明の成形方法に用いる金型21は、通常の射出成形と同じく、移動型211と固定型212からなり、該移動型211と固定型212の空隙によってキャビティ22が形成され、該キャビティ22に溶融樹脂原料が注入されて成形が行われ、成型後移動型211が固定型212から離れることにより型開きが行われ、成形品を取り出せるものである。本発明では、後述のゲートカット工程において、キャビティ幅が狭くなるものであるため、該ゲートカット工程より前の工程では、キャビティ22の少なくとも一部の幅が、成形される枠体10の幅よりも広くなっている。なお、移動型211から固定型212(或いはその逆)への熱伝達を遮断するため、移動型211及び/または固定型212の両者が接触する側の外側面などに、図2(a)〜(d)に示したような断熱材27を設けてもよい。
【0020】
本発明の成形方法に用いる金型21の注入ゲート23は、前記のキャビティ22に連通し、前記の合成樹脂製枠体10の開口部の周縁12に対応する位置の全体に亘って溶融樹脂原料を注入できるものである。すなわち、通常の射出成形のゲートノズルのように特定の一点に存在するゲートではなく、成形される枠体10の開口部の周縁12に相当する部分に線状に一周して存在するゲートである。注入ゲート23をこのようにすることにより、内側に開口部11を有する合成樹脂製枠体10の成形においては、原料樹脂注入後、樹脂流れの乱れを抑制することができる。
【0021】
発明の成形方法に用いる金型21は貯留部24を有するものである。該貯留部24は、前記注入ゲート23に連通する供給口を有している。ゲートノズルから射出された溶融樹脂原料は、注入ゲート23を通じてキャビティ22内に注入される前に、この貯留部24で一旦溶融状態のまま貯留される。すなわち貯留部24はランナーの一部分として配されるものである。貯留部24は、溶融樹脂原料が大気圧以上の圧力で貯留できるものであることが好ましい。貯留部24が耐圧性を有することで、該溶融樹脂原料の更なる注入によって、貯留している溶融樹脂原料に一定以上の充填圧を安全に蓄えさせることができるようになるからである。また貯留部24内部に存在する溶融樹脂原料の温度低下を防止し、原料の溶融状態を維持するため、貯留部24の外側にはヒーターなどを配することが好ましい。
【0022】
本発明の成形方法に用いる金型21は、前記注入ゲート23と前記供給口との連通を遮断する、移動型211とは独立してスライド移動可能な閉鎖部25を有する。この閉鎖部25は、注入ゲート23と前記供給口との連通を遮断する遮断するものであるが、溶融樹脂原料が貯留部24に貯留され、溶融樹脂原料に一定以上の充填圧が蓄えられると、該充填圧によってスライド移動するものである。また貯留部24の溶融樹脂原料が一定以上の充填圧を蓄えるまで、閉鎖部25をスライド移動させないために、更にスライド移動した閉鎖部25を元の位置まで戻すために、該閉鎖部25(の外側)に連結するスプリングのような付勢手段26を設けることができる。
【0023】
(製造工程)
本発明の成形方法では、上記成形記を用いて、少なくとも
(1)溶融樹脂原料を貯留部24に一旦貯留する貯留工程
(2)前記貯留工程後、前記貯留部24に貯留された溶融樹脂原料の充填圧により、閉鎖部25がスライド移動し、該溶融樹脂原料がキャビティ22内に注入される樹脂注入工程
(3)前記樹脂注入工程後、移動型211が移動し、注入ゲート23と貯留部供給口241との連通を封鎖するともに、前記キャビティ22の少なくとも一部の幅方向が狭くなることにより、溶融樹脂原料が前記キャビティ22全体に充填されて成形がなされるゲートカット工程
(4)前記ゲートカット工程後、前記金型21を開いて、成形された合成樹脂製枠体10を取り出す型開き工程
を経るものである。
【0024】
(貯留工程)
溶融樹脂原料は、ゲートノズルから射出された後、ランナーを通って、前記貯留部24に一旦貯留される。貯留部24に完全に溶融樹脂原料が貯留され、更に樹脂注入がなされると、貯留部24の溶融樹脂原料は充填圧を持つことになる。図2(a)、図3(a)には、該貯留工程の様子を示した。
【0025】
(樹脂注入工程)
前記貯留工程で溶融樹脂原料が貯留部24に一旦貯留されて、該溶融樹脂原料に一定以上の充填圧が蓄えられると、注入ゲート23と前記貯留部の供給口241との連通を遮断していた閉鎖部25が該充填圧よってスライド移動させられ、供給口241と注入ゲート23が連通し、貯留部24に貯留された溶融樹脂原料が、キャビティ22内に一気に注入される。このときキャビティ22の幅は成形体の幅よりも広いため、溶融樹脂原料は、キャビティ22の途中まで注入される。なお、図1(b)に示したような内側に開口部11を有する合成樹脂製枠体10途中で折れ曲がり部位が存在するような形状を成形する場合は、当該折れ曲がり部位を越える程度まで充填すれば、ウエルドラインの発生が更に抑制されるのでより好ましい。図2(b)、図3(b)には、該樹脂注入工程の様子を示した。
【0026】
充填圧としては、貯留部の供給口241が開口した際に、成形すべき合成樹脂製枠体10の開口部の周縁に対応する位置の全体に亘って存在する注入ゲート23から、樹脂流れを生じさせることなく一気にキャビティ22内に注入できる初速度を溶融樹脂原料に与えられる程度の圧力が必要になる。ただし、具体的にどの程度の充填圧のときに供給口241と注入ゲート23を連通させるのが良いかは、原料樹脂の種類、成形すべき成形体の大きさ、形状などによって適当な充填圧が変化するので、一概には規定できない。充填圧を調製する方法としては、例えば閉鎖部25に付勢手段26としてスプリングを設けた場合であれば、該スプリングの強さを変化させる方法などがある。この他の手段として、閉鎖部25の重量やスライド摩擦抵抗を変化させる方法なども例示することができる。
【0027】
(ゲートカット工程)
前記樹脂注入工程後、移動型211が固定型212側に移動することによって、前記注入ゲート23と前記供給口241との連通が封鎖される。また同時に、前記キャビティ22は、移動型211が移動した分だけ、幅方向が狭くなる。これら2つの動作は同時に行われるので、キャビティ22の途中まで注入されていた溶融樹脂原料が前記キャビティ22全体に充填されて、内側に開口部11を有する合成樹脂製枠体10の成形がなされる。このようなゲートカット工程においては、樹脂流れの乱れがない状態でキャビティ途中まで注入された溶融樹脂原料が、狭くなるキャビティ幅から圧力を受けることで、キャビティ22全体に充填されるので、樹脂流れの乱れがほとんど無いままで注入ゲート23から最も遠い位置のキャビティ端まで溶融樹脂原料が到達する。これにより内側に開口部11を有する合成樹脂製枠体10の外側縁部までウエルドラインの発生が抑えられる。図2(c)、図3(c)には、該ゲートカット工程の様子を示した。
【0028】
(型開き工程)
最後に、移動型211が固定型212から離れることで、金型21を開き、成形された合成樹脂製枠体10が取り出されるのは通常の成形方法と同様である。図2(d)には、該型開き工程の様子を示した。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、額縁などの枠体、コンピューターのディスプレーの枠体や、液晶テレビ或いはプラズマテレビ等のディスプレー用の合成樹脂製枠体の成形方法として好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1(a)】内側に開口部を有する合成樹脂製枠体の一例を示した平面図である。
【図1(b)】内側に開口部を有し、折り曲げ部位を有する合成樹脂製枠体の一例を示した斜視図である。
【図2(a)】貯留工程における金型の概要を示した概略半断面図である。
【図2(b)】樹脂注入工程における金型の概要を示した概略半断面図である。
【図2(c)】ゲートカット工程における金型の概要を示した概略半断面図である。
【図2(d)】型開き工程における金型の概要を示した概略半断面図である。
【図3(a)】図2(a)の要部拡大図である。
【図3(b)】図2(b)の要部拡大図である。
【図3(c)】図2(c)の要部拡大図である。
【符号の説明】
【0031】
10 枠体
11 開口部
12 開口部の周縁
13 折り曲げ部位
14 枠体上部
21 金型
211 移動型
212 固定型
22 キャビティ
23 注入ゲート
24 貯留部
241 貯留部供給口
25 閉鎖部
26 付勢手段
27 断熱材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に開口部を有する合成樹脂製枠体の成形方法であって、
移動型と固定型とからなり、該移動型と固定型の空隙にてキャビティを形成する金型であり、かつ
前記キャビティに連通し、前記合成樹脂製枠体の開口部の周縁に対応する位置の全体に亘って溶融樹脂原料を注入できる注入ゲートと、
前記注入ゲートに連通する供給口を有する溶融樹脂原料の貯留部と、
前記注入ゲートと前記供給口との連通を遮断する、移動型とは独立してスライド移動可能な閉鎖部
とを有する金型を用い、
溶融樹脂原料を前記貯留部に一旦貯留する貯留工程と、
前記貯留工程後、前記貯留部に貯留された溶融樹脂原料の充填圧により、前記閉鎖部がスライド移動し、該溶融樹脂原料が前記キャビティ内に注入される樹脂注入工程と、
前記樹脂注入工程後、前記移動型が移動し、前記注入ゲートと前記供給口との連通を封鎖するともに、前記キャビティの少なくとも一部の幅方向が狭くなることにより、溶融樹脂原料が前記キャビティ全体に充填されて成形がなされるゲートカット工程と
前記ゲートカット工程後、前記金型を開いて、成形された合成樹脂製枠体を取り出す型開き工程とを少なくとも有する合成樹脂製枠体の成形方法。
【請求項2】
前記内側に開口部を有する合成樹脂製枠体が、該開口部形状と該枠体の外側形状が相似形状である請求項1記載の合成樹脂製枠体の成形方法。
【請求項3】
前記溶融樹脂原料の充填圧による前記閉鎖部のスライド移動を調整するために、前記成型機の閉鎖部に、付勢手段としてスプリングを設けた請求項1または2記載の合成樹脂製枠体の成形方法。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図2(d)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図3(c)】
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【公開番号】特開2007−276170(P2007−276170A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102323(P2006−102323)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(398075851)株式会社ホシプラ (10)
【Fターム(参考)】