説明

吐出装置及び吐出方法

【課題】二本のレールに沿って基板を移動する基板移動部の水平面上での回転方向の傾きを検出し補正できるように構成された吐出装置及び吐出方法を提供する。
【解決手段】本発明の吐出装置10は、第一、第二の主干渉装置62a、62bと、第一、第二の主鏡装置61a、61bを有し、基板移動部20の水平面上での回転方向の傾きを測定可能に構成されている。基板移動部20の移動中、その測定結果から二本のレール上の移動量をそれぞれ制御して、前記傾きを移動開始前と同じにする。吐出装置10は、第一、第二の副干渉装置62c、62dと、副鏡装置61cを有し、基板移動部20のx軸方向の位置を測定可能に構成されている。基板移動部20の移動中、その測定結果からヘッド32の移動を制御して、ヘッド32と基板移動部20とのx軸方向の相対位置関係を、移動開始前と同じにすることにより、吐出口35から吐出する吐出液を基板50上の各着弾位置に着弾させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出装置及び吐出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報化社会の伸展に伴い、より大型の液晶表示装置の需要が高まり、その生産性の向上が望まれている。カラー液晶表示装置では、表示画像をカラー化するためにカラーフィルターを用いている。カラーフィルターは、基板上の所定の領域に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のインクを所定のパターンで配置することにより作成される。インクの吐出にはインクジェット方式が多く採用されている。
【0003】
従来、多くの吐出装置は、基準面に対して静止された台座と、台座上を第一の方向に移動可能な基板移動部と、前記第一の方向に垂直で基準面に平行な第二の方向に移動可能なヘッド保持部を有している。
【0004】
特許文献1記載の装置では、ヘッド保持部を基板上を走査するように往復移動させてインクを吐出するヘッド移動方式を採用している。ヘッド移動方式では、基板の大型化に比例してインクの吐出に長い時間がかかり、また、ムラなく所定の間隔でインクを着弾させるにはヘッドの制御が難しいという課題があった。
ヘッド移動方式に対し、台座に対して静止したヘッド保持部が複数の吐出口を有し、その下を通過する基板にインクを吐出するヘッド据え置き方式は、上記の課題を解決している。
【0005】
ただし、ヘッド据え置き方式では、基板上の各着弾位置に吐出口からインクを吐出させるには、基板とヘッドを正確に位置合わせする作業が必要である。
基板の大型化に伴って基板移動部の移動の制御が難しくなり、基板をヘッドの下方に進入させる前に基板とヘッドの位置合わせをしても、位置合わせ位置から吐出位置まで前記第一の方向に移動させる間に、基板移動部の向きに各レール上での移動量の差による基準面に平行な回転方向の傾き(基準面に平行な面上での第一の方向又は第二の方向に対する傾き)が生じる恐れがある。
つまり、各着弾位置に吐出口からインクを吐出させるには、ヘッドの下を通過させる間に生じる基板移動部の前記傾きを検出し、補正しながら吐出する作業が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−248925号公報
【特許文献2】特開2008−238143号公報
【特許文献3】特開2008−145203号公報
【特許文献4】特開2006−245174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、ヘッドの下方を通過する基板へ吐出液を吐出中に、移動に伴って生じる基板移動部の基準面に平行な回転方向の傾きをレーザーを用いて検出し補正できるように構成された吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は吐出装置であって、基準面に対して静止された台座と、前記台座上に第一の方向に沿って配置された二本のレールと、前記台座に固定され、それぞれ複数の吐出口が設けられたヘッドを保持するヘッド保持部と、前記二本のレールに載せられ、基板が配置可能な基板移動部と、前記基板移動部を前記二本のレールに沿って前記第一の方向に移動させ、前記ヘッド保持部の下を通過可能にしたレール上移動機構と、を有し、前記吐出口から前記基板移動部上に配置された基板に向かって吐出液を吐出し、前記吐出液の液滴を前記基板に着弾させる吐出装置であって、前記第一の方向に第一、第二の主測定光をそれぞれ送光する第一、第二の主送光装置と、前記第一の方向に垂直で前記基準面に平行な第二の方向に離間して設置され、前記第一、第二の主測定光が照射されると、反射して第一、第二の主反射光を返光する第一、第二の主鏡装置と、前記第一の主測定光と前記第一の主反射光を受光し、前記第一の主測定光と前記第一の主反射光の第一の主干渉結果を検出する第一の主干渉装置と、前記第二の主測定光と前記第二の主反射光を受光し、前記第二の主測定光と前記第二の主反射光の第二の主干渉結果を検出する第二の主干渉装置と、前記第一、第二の主干渉結果から、前記第一の主干渉装置と前記第一の主鏡装置との間の第一の主距離と、前記第二の主干渉装置と前記第二の主鏡装置との間の第二の主距離とをそれぞれ求める測定装置と、前記測定装置の測定結果が伝送される制御装置と、を有し、前記第一、第二の主干渉装置と、前記第一、第二の主鏡装置のうちいずれか一方の装置は前記基板移動部に配置され、他方の装置は前記台座に対して静止され、前記第一、第二の主干渉装置は、前記第一、第二の主鏡装置と前記第一、第二の主送光装置との間に配置され、前記レール上移動機構は、前記基板移動部に前記第一のレールに対する第一の移動力を印加する第一の移動機構と、前記基板移動部に前記第二のレールに対する第二の移動力を印加する第二の移動機構を有し、前記制御装置は、前記第一、第二の主距離から前記第一、第二の移動力の大きさを決定するように構成された吐出装置である。
本発明は吐出装置であって、前記制御装置は、前記第一、第二の主距離の差の設定された値に基づいて、前記第一、第二の移動機構を制御して、前記基板移動部を前記二本のレールに沿って移動させるように構成された吐出装置である。
本発明は吐出装置であって、前記ヘッドを前記第二の方向に移動可能にしたヘッド移動機構と、前記第二の方向に第一の副測定光を送光する第一の副送光装置と、前記第一の副測定光が照射されると、反射して第一の副反射光を返光する副鏡装置と、前記第一の副測定光と前記第一の副反射光を受光し、前記第一の副測定光と前記第一の副反射光の干渉結果を検出する第一の副干渉装置と、前記第一の副干渉結果から、前記副鏡装置と前記第一の副干渉装置との間の距離を求める測定装置と、を有し、前記第一の副干渉装置と、前記副鏡装置のうちいずれか一方の装置は前記基板移動部の移動方向(前記第一の方向)に平行な側面に配置され、他方の装置は前記台座に対して静止され、前記制御装置は、前記副鏡装置と前記第一の副干渉装置との間の距離から前記基板移動部の前記第二の方向の位置を求め、前記基板移動部の前記第二の方向の位置と前記ヘッドの前記第二の方向の位置との差から、前記ヘッド移動機構が前記ヘッドを移動する移動量を決定するように構成された吐出装置である。
本発明は吐出装置であって、前記ヘッドを前記第二の方向に移動可能にしたヘッド移動機構と、第一、第二の副測定光を送光する第一、第二の副送光装置と、前記第一、第二の副測定光が照射されると、反射して第一、第二の副反射光を返光する副鏡装置と、前記第一、第二の副測定光と前記第一、第二の副反射光を受光し、前記第一、第二の副測定光と前記第一、第二の副反射光の干渉結果を検出する第一、第二の副干渉装置と、前記第一、第二の副干渉結果から、前記副鏡装置と前記第一、第二の副干渉装置との間の距離を求める測定装置と、を有し、前記第一、第二の副干渉装置と、前記副鏡装置のうちいずれか一方の装置は前記基板移動部に配置され、他方の装置は前記台座に対して静止され、前記制御装置は、前記副鏡装置と前記第一の副干渉装置との間の距離と、前記副鏡装置と前記第二の副干渉装置との間の距離のいずれか一方又は両方から前記基板移動部の前記第二の方向の位置を求め、前記基板移動部の前記第二の方向の位置と前記ヘッドの前記第二の方向の位置との差から、前記ヘッド移動機構が前記ヘッドを移動する移動量を決定するように構成された吐出装置である。
本発明は吐出装置であって、前記制御装置は、前記基板移動部の前記第二の方向の位置と前記ヘッドの前記第二の方向の位置の差の設定された値に基づいて、前記ヘッド移動機構を制御して、前記基板移動部を前記二本のレールに沿って移動させるように構成された吐出装置である。
本発明は、水平な台座上のヘッドを間に挟んで互いに逆側に位置する始点と終点の間を、前記始点から前記終点へ二本のレールに沿って第一の方向に移動する基板移動部上に基板を載置し、前記基板移動部を前記終点に向かって移動させ、前記基板が前記ヘッドの下方を通過する間に、吐出口から前記基板へ吐出液を吐出し、前記基板移動部が前記終点に到着した後、前記基板を乾燥させ、前記基板移動部上から前記基板を取り外す吐出方法であって、前記基板移動部の移動前に、前記基板移動部の基準面に平行な面上での前記第一の方向又は前記第二の方向に対する傾きを測定しておき、前記基板移動部の移動中に、前記基板移動部の前記傾きを測定し、前記基板移動部の前記傾きの移動中に生じた誤差をゼロにするように前記二本のレール上の各移動量をそれぞれ変え、前記基板移動部の前記傾きを移動前の前記傾きと同じにしながら前記基板を前記ヘッドの下方を通過させる吐出方法である。
本発明は吐出方法であって、前記基板移動部の移動前に、前記基板移動部の前記第二の方向の位置を測定しておき、前記基板移動部の移動中に、前記基板移動部の前記傾きを移動開始前の前記傾きと同じにしてから、前記基板移動部の前記第二の方向の位置を測定し、前記基板移動部の前記第二の方向の位置と前記ヘッドの前記第二の方向の位置の差が移動開始前と同じになるように前記ヘッドを移動して、前記基板移動部と前記ヘッドとの間の前記第二の方向の相対位置関係を移動前の相対位置関係と同じにしながら前記基板を前記ヘッドの下方を通過させる吐出方法である。
本発明は吐出方法であって、前記基板移動部上に前記基板を載置してから前記基板移動部を移動させ、前記基板が前記ヘッドの下方に進入する前に、前記ヘッドの手前の位置で一端静止させ、前記基板上の各着弾位置が前記ヘッドに設けられた吐出口の真下を通過するように位置合わせする吐出方法である。
本発明は吐出方法であって、前記基板移動部と、前記台座のうちいずれか一方に、第一、第二の主測定光が照射されると反射して、第一、第二の主反射光を返光する第一、第二の主鏡装置が配置され、他方に前記第一の主測定光と前記第一の主反射光を受光し、前記第一の主測定光と前記第一の主反射光の第一の主干渉結果を検出する第一の主干渉装置と、前記第二の主測定光と前記第二の主反射光を受光し、前記第二の主測定光と前記第二の主反射光の第二の主干渉結果を検出する第二の主干渉装置が配置され、前記第一、第二の主干渉結果から前記第一、第二の主干渉装置と前記第一、第二の主鏡装置の間の第一、第二の主距離が求められ、前記第一、第二の主距離から前記基板移動部の前記傾きを測定し、前記基板移動部と、前記台座のうちいずれか一方に、第一、第二の副測定光が照射されると反射して、第一、第二の副反射光を返光する副鏡装置が配置され、他方に前記第一の副測定光と前記第一の副反射光を受光し、前記第一の副測定光と前記第一の副反射光の前記第一の副干渉結果を検出する第一の副干渉装置と、前記第二の副測定光と第二の副反射光を受光し、前記第二の副測定光と前記第二の副反射光の第二の副干渉結果を検出する第二の副干渉装置が配置され、前記第一、第二の副干渉結果から前記第一、第二の副干渉装置と前記副鏡装置の間の第一、第二の副距離が求められ、前記第一、第二の副距離のいずれか一方又は両方から前記基板移動部の前記第二の方向の位置を測定する吐出方法である。
【発明の効果】
【0009】
二本のレールに沿って基板を移動する基板移動部の各レール上での移動量の差による基準面に平行な回転方向の傾きを検出し、補正できるので、基板へインクを正確に吐出でき、基板製造の歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の吐出装置の一例の側面図
【図2】本発明の吐出装置の一例の平面図
【図3】(a):第一、第二の固定カメラの画像を一つの平面座標に載せたときの固定カメラの画像の模式図 (b):第三、第四の固定カメラの画像を一つの平面座標に載せたときの固定カメラの画像の模式図
【図4】ヘッドと吐出口の配置を説明する図
【図5】複数の吐出口が千鳥配列に並んで一つの吐出口列を形成している場合のヘッドと吐出口の配置を説明する図
【図6】吐出装置のA−A線切断断面図
【図7】吐出装置のB−B線切断断面図
【図8】第一、第二の基板を載置したときの吐出装置の平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
吐出装置をRGB(レッド・グリーン・ブルー)カラーフィルターの製造で使用する場合を一例として以下で説明する。
本発明はRGBカラーフィルターの製造に限定されるものではなく、例えばEL(エレクトロルミネッセンス)表示素子や液晶表示装置の製造も含まれる。
【0012】
<吐出装置の構造>
図1は本発明で用いる吐出装置10の側面図を示しており、図2は平面図を示している。
吐出装置10は、水平な基準面に対して静止された台座70と、長い第一、第二のレール71a、71bと、基板移動部20と、ヘッド保持部30を有している。第一、第二のレール71a、71bは台座70上に、それぞれの長手方向が互いに平行に固定されている。基板移動部20は第一、第二のレール71a、71b上に配置されている。ヘッド保持部30は、台座70に固定された支柱72に支えられて、第一、第二のレール71a、71b上の基板移動部20の高さより高い位置に固定されている。
【0013】
基板移動部20はレール上移動機構41を有している。レール上移動機構41は第一、第二のレール71a、71bと基板移動部20との間に配置される。
レール上移動機構41は第一、第二のレール71a、71b上にそれぞれ第一、第二の移動機構48a、48bを有している。第一、第二の移動機構48a、48bはそれぞれ制御装置92から伝送される信号を受けると、基板移動部20に第一、第二のレール71a、71bに対する第一、第二の移動力をそれぞれ印加し、基板移動部20を第一、第二のレール71a、71bに沿って移動させる。
【0014】
第一、第二の移動機構48a、48bには例えばリニアモーターが使用される。図6はレール上移動機構41の構造の一例を説明する吐出装置10のA−A線切断断面図を示している。第一、第二の移動機構48a、48bはそれぞれ、第一、第二の可動電磁石45a、45bと複数の第一、第二の固定電磁石46a、46bを有している。第一、第二の可動電磁石45a、45bは基板移動部20下に固定されている。複数の第一、第二の固定電磁石46a、46bは、第一、第二のレール71a、71bのそれぞれの長手方向にわたって、各レール内で等間隔に並べられ、固定されている。
【0015】
基板移動部20の下を向いた面には空気噴出口47が設けられており、空気噴出口47から空気を噴出することにより、基板移動部20と第一、第二のレール71a、71bとの間には空気層が介され、接触しないようにされている。
第一、第二の移動機構48a、48bは、それぞれ別々に制御装置92から伝送される信号を受けると、それぞれ複数の第一、第二の固定電磁石46a、46bの磁極を各レールの長手方向にわたって変化させ、それぞれ第一、第二の可動電磁石45a、45bが取り付けられた基板移動部20に、第一、第二のレール71a、71bに対する第一、第二の移動力を印加することができる。第一、第二のレール71a、71bは台座70上に固定されているので、基板移動部20は第一、第二の移動力が印加されると、第一、第二のレール71a、71b上を移動することになる。
【0016】
基板移動部20は、第一、第二のレール71a、71bに沿って移動することにより、ヘッド保持部30の下を往復移動することができるように構成されている。
本発明の吐出装置10は、2本のレール(第一、第二のレール71a、71b)上で基板移動部20を移動させることにより、1本のレール上で基板移動部20を移動させる場合に比べて、基板移動部が大型化しても安定して移動可能にされている。
以後、第一、第二のレール71a、71bに沿って移動する基板移動部20の移動方向(第一の方向)をy軸方向、それと垂直で基準面に平行な方向(第二の方向)をx軸方向と呼ぶ。
【0017】
ヘッド保持部30は、取付板33と、取付板33に取り付けられた複数のヘッド32を有している。
図4はヘッド32と吐出口35の配置を説明する模式図である。
各ヘッド32は、吐出口35を複数有している。一個のヘッド32の複数の吐出口35は、そのヘッド32の一面に、一列に並んで吐出口列を形成し、又は、互いに平行な複数列に並んで、互いに平行な複数の吐出口列を形成している。
一個のヘッド32中の吐出口35は一の方向に等間隔で配置されており、その間隔を吐出口間隔(吐出口の中心間距離)Dとすると、各ヘッド32の吐出口間隔D同士も同じ値にされている。
【0018】
本発明では、一個のヘッド32の複数の吐出口35が、一の方向に等間隔で配置されている限りでは、必ずしも一直線上に並ぶ必要はなく、例えば図5に示すように千鳥配列に並んで、一吐出口列を形成してもよい。
ここでは、各ヘッド32は、前記一の方向がx軸方向と平行になるような向きで取付板33に取り付けられている。
【0019】
各ヘッド32は、ヘッドの前記一の方向の長さが、吐出口列の長さ(端部の吐出口の中心間の前記一の方向の距離)に吐出口間隔Dを加算した長さよりも大きく形成されており、従って、複数のヘッド32をx軸と平行な一列に並べ、y軸上の位置を同一にすると、一のヘッドの吐出口列端部に位置する吐出口と、隣接するヘッドの吐出口列端部に位置する吐出口の間のx軸方向の距離は、吐出口間隔Dよりも大きな距離で離間してしまう。
【0020】
本発明では、x軸方向に沿って並ぶ複数のヘッド32が、異なるヘッドの端部の吐出口間でもx軸方向の距離が吐出口間隔Dになるように、隣接するヘッドの吐出口35はy軸上では異なる位置に配置されており、隣接するヘッドの端部がx軸上で重なって、異なるヘッドの吐出口間を含めて、各吐出口35がx軸上で吐出口間隔Dで並ぶように配置されている。
【0021】
この場合、x軸に沿って並ぶ複数のヘッドの吐出口35は、y軸上で二種類の位置に配置することができ、隣接するヘッドの吐出口列が、二種類の位置に交互に配置されると、そのように配置された一組の複数のヘッド32は、千鳥配列され、1つのヘッド組38を構成する。
【0022】
ヘッド組38は、複数の組が取付板33に配置されている。
所定の数nのヘッド組38はヘッドグループを構成し、1個のヘッドグループ中では、1つのヘッド組中の隣接する2個の吐出口35の間に、他のヘッド組の吐出口35が、x軸方向に等間隔D/nになるように1個ずつ配置されている。
【0023】
ヘッド保持部30は不図示のインクタンクを有し、インクタンクにはR、G、Bの3色のうちの一色のインクが貯蔵されている。各ヘッド32はインクタンクに接続されている。
各吐出口35はそれぞれ内部にインク(吐出液)の詰まったインク室を有し、各インク室には圧力発生装置がそれぞれ配置される。各圧力発生装置は外部の制御装置92から電送される信号を受けて、インク室に所定の圧力を発生させ、吐出口35から所定の量のインクを吐出させる。
【0024】
ヘッド保持部30が3個以上のヘッドグループを有する場合は、各ヘッド32がヘッドグループ毎に異なる色のインクタンクに接続されることにより、1つのヘッド保持部30は3色のインクを吐出できる。
【0025】
図7は吐出装置10のB−B線切断断面図である。
基板移動部20は第一、第二の載置台24a、24bを有している。第一の載置台24aは第二の載置台24bより大きく、第一の載置台24aは基板移動部20上に配置され、第二の載置台24bは第一の載置台24a上に配置される。
第二の載置台24bの上方を向いた面は、第一の載置台24aの上方を向いた面と同じ高さになるように形成されている。
【0026】
第一、第二の載置台24a、24bの上方を向いた面はどちらも不図示の吸引口を有し、吸引口は不図示の真空ポンプに接続されている。基板50を第一、第二の載置台24a、24b上に両載置台に係るように配置したのち、真空ポンプで排気を行うと、基板50は第一、第二の載置台24a、24b上に真空吸着されて保持される。
【0027】
本発明の吐出装置10は、図8に示すように、第一、第二の基板50a、50bを第一、第二の載置台24a、24b上にそれぞれ配置してもよい。第一、第二の基板50a、50bを配置したのち、不図示の真空ポンプで排気を行うと、第一、第二の基板50a、50bは第一、第二の載置台24a、24b上にそれぞれ真空吸着されて保持される。
基板50と第一、第二の基板50a、50b上には、R、G、Bの各色が着弾されるべき領域(着弾位置)がそれぞれ定められている。基板50と第一、第二の基板50a、50bは一の方向に対して平行な方向と垂直な方向に格子状をしたブラックマトリクスをそれぞれ有し、各着弾位置はブラックマトリクスで区画された領域に配置されている。
【0028】
基板50と第一、第二の基板50a、50bの各基板上の一の方向に隣り合う着弾位置の間隔は、1個のヘッドグループ中のx軸方向に隣接する吐出口間隔D/nと同じ、又はx軸方向に隣接する吐出口間隔D/nの整数倍の長さに形成されている。
【0029】
吐出装置10はy軸方向に第一、第二の主測定光65a、65bをそれぞれ送光する第一、第二の主送光装置と、x軸方向に離間して設置され、第一、第二の主測定光65a、65bが照射されると、反射して第一、第二の主反射光66a、66bを返光する第一、第二の主鏡装置61a、61bと、第一の主測定光65aと第一の主反射光66aを受光し、第一の主測定光65aと第一の主反射光66aの第一の干渉結果を検出する第一の主干渉装置62aと、第二の主測定光65bと第二の主反射光66bを受光し、第二の主測定光65bと第二の主反射光66bの第二の主干渉結果を検出する第二の主干渉装置62bを有している。
第一、第二の主干渉装置62a、62bと、第一、第二の主鏡装置61a、61bのうちいずれか一方の装置は基板移動部20に配置され、他方の装置は基準面に対して静止した台座70上に固定されている。
【0030】
ここでは、吐出装置10は少なくとも一つの光源75と、第一、第二のビームスプリッター63a、63bを有している。光源75と第一のビームスプリッター63aとで第一の主送光装置が構成され、光源75と第二のビームスプリッター63bとで第二の主送光装置が構成されている。第一、第二の主送光装置からそれぞれ第一、第二の主測定光65a、65bが送光されることになる。
【0031】
第一、第二の主干渉装置62a、62bは、第一、第二の主鏡装置61a、61bの鏡面と第一、第二の主送光装置との間に配置されている。
第一、第二の主干渉結果は第二の測定装置93bに伝送され、第一、第二の主干渉装置62a、62bと第一、第二の主鏡装置61a、61bとの間の第一、第二の主距離が求められる。
【0032】
制御装置92は、第一、第二の主距離の測定結果が伝送されると、その差から第一、第二の移動力の大きさを決定するように構成されている。
制御装置92には第一、第二の主距離の差ΔLを設定することができる。
【0033】
例えば、基板移動部20のy軸方向の移動開始前に、吐出口35のx軸方向の並びと基板50上の着弾位置のx軸方向の並びを平行にしたときの第一、第二の主距離の差ΔLを制御装置92に設定すると、基板移動部20を移動中に伝送される第一、第二の主距離L1、L2の差が、設定した値ΔLより大きくなると(L1−L2>ΔL)、制御装置92は第一の移動機構48aを制御して第一の移動力を小さくし、又は第二の移動機構48bを制御して第二の移動力を大きくして、第二のレール71b上の移動量を第一のレール上71aの移動量より大きくし、第一、第二の主距離L1、L2の差を設定された値ΔLと同じにする。第一、第二の主距離L1、L2の差が、設定された値ΔLより小さくなると(L1−L2<ΔL)、制御装置92は第一の移動機構48aを制御して第一の移動力を大きくし、又は第二の移動機構48bを制御して第二の移動力を小さくして、第二のレール71b上の移動量を第一のレール上71aの移動量より小さくし、第一、第二の主距離L1、L2の差を設定された値ΔLと同じにするように制御装置92は構成されている。
【0034】
従って、移動中の基板移動部20の進行方向に対する向きは、移動開始前の向きと同じに維持することができる。
さらに、基板移動部20の正確な移動量が検出できるので、正確な移動制御が可能である。
【0035】
以下の吐出装置10の説明では基板50を基板移動部20上に載置した場合で説明するが、第一、第二の基板50a、50bを基板移動部20上に載置した場合も同様である。
基板移動部20の移動開始直前には、後述するように、基板移動部20上に載置された基板50が回転され、基板50上の着弾位置のx軸方向の並びが吐出口35のx軸方向の並びと平行になるように角度の位置合わせがされており、基板移動部20の進行方向に対する向きが、基板50と吐出口35の角度の位置合わせ時と同じ向きを維持すると、基板移動部20は、基板50が吐出口35に対して角度の位置合わせをされた状態で、y軸方向に移動されることになる。
【0036】
従って、基板移動部20を上記のように向きを維持して移動させると、基板50上の各着弾位置と、その着弾位置に吐出液を吐出する吐出口35との間のy軸方向の距離は、移動開始前の値から、基板移動部20の移動量だけ減じた値になり、吐出口35から吐出液を吐出させる時刻に誤差は生じない。
【0037】
吐出装置10はx軸方向に第一、第二の副測定光65c、65dをそれぞれ送光する第一、第二の副送光装置と、第一、第二の副測定光65c、65dが照射されると、反射して第一、第二の副反射光を返光する副鏡装置61cと、第一の副測定光65cと第一の副反射光を受光し、第一の副測定光65cと第一の副反射光の第一の副干渉結果を検出する第一の副干渉装置62cと、第二の副測定光65dと第二の副反射光を受光し、第二の副測定光65dと第二の副反射光の第二の副干渉結果を検出する第二の副干渉装置62dを有している。
【0038】
ここでは、吐出装置10は第三、第四のビームスプリッター63c、63dを有している。光源75と第三のビームスプリッター63cとで第一の副送光装置が構成され、光源75と第四のビームスプリッター63dとで第二の副送光装置が構成されている。第一、第二の副送光装置からそれぞれ第一、第二の副測定光65c、65dが送光されることになる。
【0039】
第一の副干渉装置62cと副鏡装置61cのうちいずれか一方の装置は基板移動部20の移動方向(y軸方向)に平行な側面に配置され(第一の副干渉装置62cの場合はその受光面が前記側面に配置され、副鏡装置61cの場合はその反射面が前記側面に配置される)、他方の装置は基準面に対して静止した台座70上に固定されている。
【0040】
ここでは、第一の副干渉装置62cは、基準面に対して静止された台座70の、基板移動部20の移動範囲と離間した側方位置であって、ヘッド保持部30の横方向の位置に設けられており、副鏡装置61cは、基板移動部20の側面であって、鏡面が第一の副干渉装置62cと対面できる位置に設けられている。
ここでは、基板移動部20は、基板移動部20上に基板50を載置する位置である始点から移動を開始し、ヘッド保持部30の下方を通過した後、インクが吐出された基板50を基板移動部20上から取り外す位置である終点に到達して移動を終了するものとする。
【0041】
第一の副干渉装置62cは、ヘッド保持部30中の吐出口35のうち、最も始点に近い吐出口35よりも始点に近い位置に配置されており、副鏡装置61cの鏡面の終点側の端部は、基板移動部20上の基板50の終点に最も近い着弾位置よりも終点に近い位置まで延ばされている。
【0042】
従って、基板50の最も終点に近い着弾位置が、最も始点に近い吐出口35よりも終点に近い位置に到達する前に、第一の副干渉装置62cと副鏡装置61cの鏡面との対面が開始されることになる。
第一の副干渉結果は第二の測定装置93bに伝送され、第一の副干渉装置62cと副鏡装置61cとの間の第一の副距離が求められる。
【0043】
制御装置92には、台座70上に静止した第一の副干渉装置62cの基準面に対するx座標が記憶されている。従って、制御装置92は第一の副距離の測定結果から基板移動部20の基準面に対するx座標(x軸方向の位置)を求めることができる。
【0044】
後述するように、ヘッド保持部30は、複数のヘッド32を一体として基準面に対してx軸方向に移動可能なヘッド移動機構49を有している。ヘッド移動機構49のx軸方向の移動量は±符号付きで第一の測定装置93aで測定され、制御装置92に伝送されている。例えば、ヘッド32の移動開始前に第一の測定装置93aの値をゼロにして、その状態からヘッド32を移動させると、移動開始前の位置に対する移動後のヘッド32のx軸方向の位置が分かることになる。
【0045】
制御装置92は、第一の副距離の測定結果が伝送されると、第一の副距離の測定結果から基板移動部20のx軸方向の位置を求め、基板移動部20のx軸方向の位置とヘッド32のx軸方向の位置との差から、ヘッド移動機構49がヘッド32を移動する移動量を決定するように構成されている。
【0046】
例えば、基板移動部20の移動開始前に、基板50上の着弾位置が吐出口35の真下を通過するように位置合わせしたときにヘッド32の移動量の第一の測定装置93aの値をゼロにし、かつ基板移動部20のx軸方向の位置を制御装置92に設定すると、基板移動部20を移動中に伝送される第一の副距離の値が増減すると、その増減に応じて制御装置92はヘッド移動機構49を制御してヘッド32を移動させ、基板移動部20のx軸方向の位置とヘッド32のx軸方向の位置との差を設定された値と同じにするように制御装置92は構成されている。
従って、移動中の基板移動部20とヘッド32との間のx軸方向の相対位置関係は、移動開始前と同じに維持することができる。
【0047】
基板移動部20の移動開始直前には、後述するように、基板50と吐出口35の角度の位置合わせがされた後、複数のヘッド35が一体となってx軸方向に移動され、各着弾位置が所定の吐出口35の真下を通過するようにx軸方向の位置合わせがされており、基板移動部20の向きを前述のように位置合わせ時と同じ向きに維持し、かつ基板移動部20とヘッド32との間のx軸方向の相対位置関係をx軸方向の位置合わせ時と同じに維持すると、基板移動部20は、基板50上の各着弾位置が所定の吐出口35の真下を通過するような状態で、y軸方向に移動されることになる。
【0048】
従って、基板移動部20が上記のような向きと位置関係を維持して移動すると、吐出口35から吐出液を吐出させる時刻に誤差は生じず、かつ基板50上の所定の着弾位置と吐出液が実際に着弾する位置とに誤差は生じない。
【0049】
台座70上には、第一の副干渉装置62cよりも終点側の位置に、第二の副干渉装置62dが設けられている。
基板移動部20が移動すると、第一の副干渉装置62cが副鏡装置61cの鏡面と対面している間に、第二の副干渉装置62dが副鏡装置61cとの対面を開始し、基板移動部20が移動して副鏡装置61cの鏡面の始点側の端部が第一の副干渉装置62cよりも終点側に移動して、第一の副干渉装置62cと副鏡装置61cの鏡面との対面による第一の副距離の測定が終了したとき、第二の副干渉装置62dと副鏡装置61cの鏡面との対面により、第二の副干渉装置62dと副鏡装置61cとの間の第二の副距離の測定が開始されることになる。
【0050】
制御装置92には、台座70上に静止した第二の副干渉装置62dの基準面に対するx座標が記憶されている。従って、制御装置92は第二の副距離の測定結果から基板移動部20の基準面に対するx座標(x軸方向の位置)を求めることができる。
【0051】
本発明は、第一の副干渉装置62cと副鏡装置61cの鏡面との対面が終了したときに第二の副距離の測定が開始される場合に限定されず、第二の副干渉装置62dと副鏡装置61cの鏡面との対面が開始したときに第二の副距離の測定を開始し、第一の副干渉装置62cと副鏡装置61cの鏡面との対面が終了するまでは、第二の副距離の測定結果から基板移動部20のx軸方向の位置を求めてよいし、第一、第二の副距離の両方の測定結果から基板移動部20のx軸方向の位置を求めてもよい。
【0052】
ここでは、第二の副干渉装置62dは、最も終点に近い吐出口35の位置よりも、終点に近い位置に配置されており、副鏡装置61cの鏡面の始点側の端部は、基板移動部20上の基板50の始点に最も近い着弾位置よりも始点側まで延ばされている。
従って、第一の副干渉装置62cと副鏡装置61cの鏡面との対面が開始された後、基板50の最も始点に近い着弾位置が最も終点に近い吐出口35よりも終点に近い位置に到達するまでは、第一、第二の副干渉装置62c、62dのいずれか一方又は両方と副鏡装置61cの鏡面との対面が継続して行われ、基板移動部20とヘッド32との間のx軸方向の相対位置関係を、x軸方向の位置合わせをしたときの状態で維持することができる。
【0053】
本発明は、副鏡装置61cの鏡面が基板50の着弾位置のy軸方向の並びの長さと吐出口35のy軸方向の並びの長さの和より長く形成され、基板50の最も終点に近い着弾位置が最も始点に近い吐出口35よりも終点に近い位置に到達するときから、基板50の最も始点に近い着弾位置が最も終点に近い吐出口35よりも終点に近い位置に到達するまで、第一の副干渉装置62cと副鏡装置61cの鏡面との対面を継続して行うことができるように構成されていてもよい。
【0054】
また本発明は、副鏡装置61cは横長に形成されており、基準面に対して静止された台座70の、基板移動部20の移動範囲と離間した側方位置であって、ヘッド保持部30の横方向の位置に、長手方向がy軸方向に沿って設けられ、第一、第二の副干渉装置62c、62dは基板移動部20に設けられていてもよい。
【0055】
副鏡装置61cの鏡面は、基板移動部20の移動範囲に向けて配置されており、基板移動部20の片側面が副鏡装置61cの鏡面と向き合う位置を通過する際には、第一の副干渉装置62c又は第二の副干渉装置62dが副鏡装置61cの鏡面と対面しながら通過するようになっている。
【0056】
副鏡装置61cの始点側の端部は、最も始点に近い吐出口35よりも始点側に近い位置まで延ばされており、同様に、副鏡装置61cの終点側の端部は、最も終点に近い吐出口35よりも終点に近い位置まで延ばされている。
【0057】
第一の副干渉装置62cは基板50の最も終点に近い着弾位置よりも終点に近い位置に配置され、第二の副干渉装置62dは基板50の最も始点に近い着弾位置よりも始点に近い位置に配置されている。
従って、基板移動部20が始点から移動を開始し、基板50の最も終点に近い着弾位置が最も始点に近い吐出口35よりも始点に近い位置に到達する前に、第一の副干渉装置62cと副鏡装置61cの鏡面との対面が開始され、基板50の最も始点に近い部分が最も終点に近い吐出口35よりも終点に近い位置に到達するまでは、第一の副干渉装置62c又は第二の副干渉装置62dと副鏡装置61cの鏡面との対面が継続して行われ、基板移動部20とヘッド32との間のx軸方向の相対位置関係を、x軸方向の位置合わせしたときの状態で維持することができる。
【0058】
すなわち、第一、第二の主干渉装置62a、62bで基板移動部20のxy平面上での回転方向の傾き(xy平面上でのx軸方向又はy軸方向に対する傾き)と、y軸方向の移動量を正確に検出することができる。また第一、第二の副干渉装置62c、62dで基板移動部20のy軸方向の移動に伴うx軸方向のずれ量を正確に検出することができる。
【0059】
<インクの吐出方法>
基板50上へのインク(吐出液)の吐出工程を説明する。
以下では、吐出前に基板移動部20上に基板50を載置する位置を始点とし、吐出後に基板移動部20上から基板50を取り外す位置を終点と呼ぶ。始点と終点はy軸上でヘッド保持部30を間に挟んで互いに逆側に位置している。
後述する第一の位置合わせ工程での位置合わせ作業により、各ヘッド32は基準位置に対して位置合わせされているものとする。
【0060】
先ず、基板移動部20を始点に移動させて静止させる。第一、第二の載置台24a、24b上に両載置台に係るように基板50を載せ、真空吸着して、基板50を第一、第二の載置台24a、24b上に吸着保持する。
次いで、基板移動部20と共に基板50を終点に向かって移動させ、ヘッド保持部30の手前の基板50上の各着弾位置と所定の吐出口35との位置合わせを行う位置で一旦静止させる。
【0061】
後述する第二の位置合わせ工程での位置合わせ作業のように、基板50上の各着弾位置と所定の吐出口35とを、移動カメラ21と第一、第二の固定カメラ31a、31bとによって位置合わせする。
【0062】
位置合わせ後、第一、第二の主干渉装置62a、62bはそれぞれ第一、第二の主鏡装置61a、61bと既に対面しており、第一、第二の主干渉装置62a、62bと第一、第二の主鏡装置61a、61bの間の第一、第二の主距離、又は第一、第二の主距離から求めた基板移動部20のxy平面上でのx軸方向(又はy軸方向)に対する傾きが測定されている。
【0063】
また、基板移動部20のx軸方向の位置は、例えば基板移動部20を静止したまま、移動カメラ21を移動して基準面に設定された原点を撮影することにより、求められている。
【0064】
次いで、終点に向けて基板移動部20の移動を開始する。
第一、第二の主距離の測定結果から、第一、第二の移動機構48a、48bが制御され、第一、第二の主距離の差、又は第一、第二の主距離の差から求めた基板移動部20のxy平面上でのx軸方向(又はy軸方向)に対する傾きが、移動開始前の値と同じになるように第一、第二のレール71a、71b上の移動量がそれぞれ変えられて、基板移動部20の進行方向に対する向きが移動開始前に位置合わせした向きと同じにされる。
【0065】
従って、各着弾位置と、その着弾位置に吐出液を吐出する吐出口35との間のy軸方向の距離は、移動開始前の値から、基板移動部20の移動量だけ減じた値になり、各着弾位置がその着弾位置に吐出液を吐出する吐出口35の下方位置を通過する時刻を算出することができる。
【0066】
最初に吐出する吐出口35より吐出が開始される前から、最後に吐出する吐出口35より吐出液が吐出されるまでは、第一、第二の副干渉装置62c、62dのいずれか一方又は両方と副鏡装置61cの鏡面との対面が継続して行われて、第一、第二の副干渉装置62c、62dと副鏡装置61cの間の第一、第二の副距離のいずれか一方又は両方が測定されている。
【0067】
第一、第二の副距離の測定結果のいずれか一方又は両方から、基板移動部20のx軸方向の位置が求められ、ヘッド移動機構49が制御され、基板移動部20のx軸方向の位置とヘッド32のx軸方向の位置の差が移動開始前に位置合わせした値と同じになるようにヘッド32が移動されて、基板移動部20とヘッド32との間のx軸方向の相対位置関係が移動開始前に位置合わせした関係と同じにされる。
【0068】
従って、各着弾位置は、その着弾位置に吐出液を吐出する吐出口35の真下を通過する。着弾位置が真下を通過する時刻は既に算出されているので、算出された時刻で各吐出口35から吐出された吐出液は、所定の着弾位置に着弾する。
基板移動部20が終点に到着すると、基板50上の各着弾位置には吐出液が着弾しており、取り外し位置で乾燥させた後、真空吸着を解除して第一、第二の載置台24a、24b上から基板50を取り外す。
【0069】
図8に示すように、第一、第二の基板50a、50bをそれぞれ第一、第二の載置台24a、24b上に載せ、第一、第二の基板50a、50b上に吐出液を吐出させてもよい。この場合は、上記の吐出液の吐出方法の中で、第二の位置合わせ工程の位置合わせ作業によって第一の基板50aとヘッド32との位置合わせをした直後に、後述する第三の位置合わせ工程の位置合わせ作業によって第二の基板50bとヘッド32との位置合わせを行い、次いで終点に向かって基板移動部20の移動を開始させる。すると、第一、第二の基板50a、50bはヘッド32との位置合わせの状態を維持してy軸方向に移動され、吐出口35から吐出された吐出液は第一、第二の基板50a、50b上の所定の着弾位置に着弾する。
【0070】
<第一の位置合わせ工程>
以下では原点位置合わせ作業と、ヘッドアレイ位置合わせ作業と、固定カメラのカメラ基準点の位置測定作業とから成る第一の位置合わせ工程を説明する。
基板移動部20は、移動カメラ21を有している。移動カメラ21は、基板移動部20のy軸方向の端に配置されている。移動カメラ21は上端にレンズを有し、移動カメラ21で撮影された画像は外部の制御装置92で画像処理される。制御装置92には例えばコンピュータが使用される。
【0071】
基板移動部20に対して基板移動部20の移動方向と垂直で基準面に平行な方向をX方向と呼ぶと、基板移動部20は移動カメラ21をX方向に移動可能なカメラ移動機構44を有している。カメラ移動機構44にはモーターが設けられており、制御装置92から伝送される信号を受けると、移動カメラ21をX方向に移動させる。
【0072】
<原点位置合わせ作業>
先ず、移動カメラ21によって撮影した画像上の一点の基準面に対するxy座標が分かるように、移動カメラ21と原点との位置合わせを行う。
外部の測定装置93には、移動カメラ21のx座標上の移動量を±符号付きで測定するx軸方向距離測定装置と、y座標上の移動量を±符号付きで測定するy軸方向距離測定装置が設けられており、移動カメラ21が二点間を移動したときに、移動の始点と終点を結ぶベクトルのx成分とy成分が分かるようになっている。測定する距離は符号付きであるから、往復移動して始点に戻った場合の測定値はゼロである。
【0073】
移動カメラ21が撮影できる範囲である視野内には、視野内で不動の移動基準点が定められている。
この吐出装置10では、基準面に対して静止したxy座標の原点が定められている。
【0074】
移動カメラ21を移動させ、原点、又は原点を通る垂線が移動カメラ21で撮影されると仮定したときは原点を通る垂線、を撮影し、原点の画像、又は原点を通る垂線の画像が移動基準点と一致したときに、x軸方向距離測定装置とy方向距離測定装置の値をゼロにする。
その状態から移動カメラ21が移動すると、移動カメラ21で撮影した画像上の、移動基準点と重なる位置の基準面に対するxy座標が分かることになる。
【0075】
<ヘッドアレイ位置合わせ作業>
次に、基板移動部20のy軸方向の移動と、移動カメラ21のX方向の移動により、移動カメラ21を1つの吐出口35の下に位置させる。
移動カメラ21の画像を見て、移動基準点と、その吐出口35の画像の中心が一致したとき、測定装置93の値から、その吐出口35の基準面に対するxy座標が求まる。
このような吐出口35の基準面に対するxy座標の測定作業を、全ての吐出口35で繰り返す。
【0076】
各吐出口35の基準面に対するxy座標は、予め設定値がそれぞれ定められている。基準面に対するxy座標の測定値が設定値と誤差がある場合、それぞれのヘッド32が有する個別ヘッド位置修正手段(微動ネジ)は、人の手又は制御装置92から伝送される信号により制御され、吐出口35の基準面に対するxy座標が設定値と一致するように修正される。修正後の各吐出口35の基準面に対するxy座標は制御装置92に記憶しておく。
【0077】
<固定カメラのカメラ基準点の位置測定作業>
ヘッド保持部30は、第一、第二、第三、第四の固定カメラ31a、31b、31c、31dを有している。第一、第二、第三、第四の固定カメラ31a、31b、31c、31dは、ヘッド保持部30のy軸方向の一端に固定されている。第一、第二、第三、第四の固定カメラ31a、31b、31c、31dは、下端にレンズを有しているので、下を移動する基板50と第一、第二の基板50a、50bを撮影することができる。
【0078】
第一、第二の固定カメラ31a、31bの配置は、第一、第二の固定カメラにそれぞれ設定された第一、第二のカメラ基準点の間の距離が基板50と第一の基板50aの両基板がそれぞれ有する第一、第二の基板基準点51a、51bの間の距離と同じであり、第一、第二のカメラ基準点を結ぶ線分はx軸方向と平行になるように、設計されている。
【0079】
第三、第四の固定カメラ31c、31dの配置は、第三、第四の固定カメラにそれぞれ設定された第三、第四のカメラ基準点の間の距離が第二の基板50bの有する第三、第四の基板基準点51c、51dの間の距離と同じであり、第三、第四のカメラ基準点を結ぶ線分はx軸方向と平行になるように、設計されている。
ただし実際は、第一、第二、第三、第四の固定カメラ31a、31b、31c、31dは、ヘッド保持部30に固定される際の取付誤差のために、設計値からズレた位置に取付られている。
【0080】
第一、第二、第三、第四の固定カメラ31a、31b、31c、31dは、それぞれのレンズ上のカメラ基準点の位置に、外から移動カメラ21で撮影できるような固定マークを有している。移動カメラ21を移動させ、第一の固定カメラ31aの下に位置させる。移動カメラ21で撮影した画像上で、第一の固定カメラ31aの固定マークの画像が移動基準点と一致したとき、測定装置93の値から、第一の固定カメラ31aのカメラ基準点の基準面に対するxy座標が測定される。第二、第三、第四の固定カメラ31b、31c、31dのカメラ基準点の基準面に対するxy座標も同様に測定して、それぞれ記憶しておく。
【0081】
本発明は基板50の第一、第二の基板基準点51a、51bの間の距離が、第一、第二のカメラ基準点の間の距離と同じであり、第一、第二の固定カメラ31a、31bで撮影する場合に限定されず、4個の固定カメラ31a、31b、31c、31dのカメラ基準点のうち異なる2個のカメラ基準点の間の距離と同じであり、対応する2個の固定カメラで撮影できればよい。
【0082】
<第二の位置合わせ工程>
以下では、基板50又は第一の基板50aのいずれか一方(以下の説明では第一の基板50aで代表する)がヘッド保持部30の下方を通過する間に、基板上の各着弾位置が少なくとも一個の吐出口35の真下を通過するように位置合わせ作業を行う第二の位置合わせ工程を説明する。
【0083】
第一、第二の固定カメラ31a、31bで撮影された画像は制御装置92で画像処理され、画像内の所望位置の基準面に対するxy座標が分かるようになっている。
先ず、基板移動部20をy軸方向に移動させて、第一の基板50aが有する第一、第二の基板基準点51a、51bを、第一、第二の固定カメラ31a、31bの下にそれぞれ位置させる。
【0084】
図3(a)は第一、第二の固定カメラの画像85a、85bを一つの平面座標に載せたときの固定カメラ画像の模式図を示している。
図3(a)の符号81a、81bは第一、第二の固定カメラ31a、31bのカメラ基準点を示し、符号82a、82bはそれぞれの設計値(第一、第二の設計値)を示している。符号83a、83bは第一、第二の固定カメラ31a、31bがそれぞれ撮影した第一、第二の基板基準点51a、51bの画像を示している。
【0085】
制御装置92は、第一、第二の設計値82a、82bの2点を通る直線と、第一、第二の基板基準点の画像83a、83bの2点を通る直線の成す角度θ1の値を、各点の座標から計算により求める。
制御装置92は画像内のx軸方向又はy軸方向が分かるので、第一、第二の基板基準点の画像83a、83bの2点を通る直線とx軸方向又はy軸方向との成す角度を計算により求めてもよい。
【0086】
基板移動部20は、第一の載置台24aを基板移動部20に対して基準面に平行に回転可能な第一の基板回転機構42を有している。第一の基板回転機構42には例えば圧搾空気で回転駆動を行うエアスピンドルが用いられる。
【0087】
制御装置92は、第一の基板50a上の第一、第二の基板基準点51a、51bを結ぶ線分がx軸方向と平行になるように、第一の載置台24aを基板移動部20に対して基準面に平行に所定角度だけ回転させる信号を、第一の基板回転機構42に伝送する。
第一の基板回転機構42は、制御装置92から伝送される信号を受けると、第一の載置台24aと、第一の載置台24a上に保持された第一、第二の基板50a、50bを、基板移動部20に対して基準面に平行に所定角度だけ回転させる。
回転移動後の第一、第二の基板基準点51a、51bは、制御装置92で画像処理されて、それぞれの基準面に対するxy座標が制御装置92に記憶される。
【0088】
第一の基板50a上で第一、第二の基板基準点51a、51bと各着弾位置との相対位置は予め設定されているので、第一、第二の基板基準点51a、51bのxy座標から、各着弾位置の基準面に対するxy座標が求まる。
各吐出口35は、前述の第一の位置合わせ工程により位置合わせされていて、基準面に対するxy座標は制御装置92に記憶されている。
【0089】
ヘッド保持部30は、取付板33をヘッド保持部30に対してx軸方向に移動可能なヘッド移動機構49を有している。ヘッド移動機構49にはヘッド移動モーターが設けられている。
【0090】
制御装置92は、所定の吐出口35のx座標と、第一の基板50a上の第一、第二の基板基準点51a、51bのx座標とから誤差を求め、誤差がゼロになるように取付板33をx軸方向に所定距離だけ移動させる信号を、ヘッド移動機構49に伝送する。
ヘッド移動機構49は、制御装置92から伝送される信号を受けると、取付板33と、取付板33に取り付けられたヘッド32を、ヘッド保持部30に対してx軸方向に所定距離だけ移動させる。
【0091】
以上の手順で第二の位置合わせ工程が完了する。この状態では、第一の基板50aがヘッド保持部30の下方を通過する間に、第一の基板50a上の各着弾位置が少なくとも一個の吐出口35の真下を通過するようになっている。
【0092】
<第三の位置合わせ工程>
以下では、第二の基板50bがヘッド保持部30の下方を通過する間に、第二の基板50b上の各着弾位置が少なくとも一個の吐出口35の真下を通過するように位置合わせ作業を行う第三の位置合わせ工程を説明する。
第三、第四の固定カメラ31c、31dで撮影された画像は制御装置92で画像処理され、画像内の所望位置の座標が分かるようになっている。
【0093】
先ず、基板移動部20をy軸方向に移動させて、第二の基板50bが有する第三、第四の基板基準点51c、51dを、第三、第四の固定カメラ31c、31dの下にそれぞれ位置させる。
【0094】
図3(b)は第三、第四の固定カメラの画像85c、85dを一つの平面座標に載せたときの固定カメラ画像の模式図を示している。
図3(b)の符号81c、81dは第三、第四の固定カメラ85c、85dのカメラ基準点を示し、符号82c、82dはそれぞれの設計値(第三、第四の設計値)を示している。符号83c、83dは第三、第四の固定カメラ85c、85dがそれぞれ撮影した第三、第四の基板基準点51c、51dの画像を示している。
【0095】
制御装置92は、第三、第四の設計値82c、82dの2点を通る直線と、第三、第四の基板基準点の画像83c、83dの2点を通る直線の成す角度θ2の値を、各点の座標から計算により求める。
制御装置92は画像内のx軸方向又はy軸方向が分かるので、第三、第四の基板基準点の画像83c、83dの2点を通る直線とx軸方向又はy軸方向との成す角度を計算により求めてもよい。
【0096】
基板移動部20は、第二の載置台24bを第一の載置台24aに対して、基準面に平行に回転可能で、x軸方向に移動可能な第二の基板位置合わせ機構80を有している。第二の基板位置合わせ機構80には、例えばxyθステージ又はUVWステージのいずれか一方が用いられる。本発明では、UVWステージを用いると、高さを抑えて機構を構成できるので、第二の載置台24bの安定性を確保できて都合がよい。
【0097】
制御装置92は、第二の基板50b上の第三、第四の基板基準点51c、51dを結ぶ線分がx軸方向と平行になるように、第二の載置台24bを第一の載置台24aに対して基準面に平行に所定角度だけ回転させる信号を、第二の基板位置合わせ機構80に伝送する。
【0098】
第二の基板位置合わせ機構80は、制御装置92から伝送される信号を受けると、第二の載置台24bと、第二の載置台24b上に保持された第二の基板50bを、基板移動部20に対して基準面に平行に所定角度だけ回転させる。
回転移動後の第三、第四の基板基準点51c、51dは、制御装置92で画像処理されて、それぞれの基準面に対するxy座標が制御装置92に記憶される。
【0099】
第二の基板50b上で第三、第四の基板基準点51c、51dと各着弾位置との相対位置は予め設定されているので、第三、第四の基板基準点51c、51dのxy座標から、各着弾位置の基準面に対するxy座標が求まる。
【0100】
各吐出口35は、前述の第一、第二の位置合わせ工程により位置合わせされていて、基準面に対するxy座標は制御装置92に記憶されている。
制御装置92は、第二の基板50b上の第三、第四の基板基準点51c、51dのx座標と、所定の吐出口35のx座標とから誤差を求め、誤差がゼロになるように第二の載置台24bをx軸方向に所定距離だけ移動させる信号を、第二の基板位置合わせ機構80に伝送する。
【0101】
第二の基板位置合わせ機構80は、制御装置92から伝送される信号を受けると、第二の載置台24b上に保持された第二の基板50bを、第一の載置台24aに対してx軸方向に所定距離だけ移動させる。
【0102】
以上の手順で第三の位置合わせ工程が完了する。この状態では、第二の基板50bがヘッド保持部30の下方を通過する間に、第二の基板50b上の各着弾位置が少なくとも一個の吐出口35の真下を通過するようになっている。
【符号の説明】
【0103】
10……吐出装置
20……基板移動部
30……ヘッド保持部
32……ヘッド
35……吐出口
41……レール上移動機構
48a、48b……第一、第二の移動機構
49……ヘッド移動機構
50……基板
61a、61b……第一、第二の主鏡装置
61c……副鏡装置
62a、62b……第一、第二の主干渉装置
62c、62d……第一、第二の副干渉装置
70……台座
71a、71b……第一、第二のレール
92……制御装置
93a、93b……第一、第二の測定装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準面に対して静止された台座と、
前記台座上に第一の方向に沿って配置された二本のレールと、
前記台座に固定され、それぞれ複数の吐出口が設けられたヘッドを保持するヘッド保持部と、
前記二本のレールに載せられ、基板が配置可能な基板移動部と、
前記基板移動部を前記二本のレールに沿って前記第一の方向に移動させ、前記ヘッド保持部の下を通過可能にしたレール上移動機構と、
を有し、前記吐出口から前記基板移動部上に配置された基板に向かって吐出液を吐出し、前記吐出液の液滴を前記基板に着弾させる吐出装置であって、
前記第一の方向に第一、第二の主測定光をそれぞれ送光する第一、第二の主送光装置と、
前記第一の方向に垂直で前記基準面に平行な第二の方向に離間して設置され、前記第一、第二の主測定光が照射されると、反射して第一、第二の主反射光を返光する第一、第二の主鏡装置と、
前記第一の主測定光と前記第一の主反射光を受光し、前記第一の主測定光と前記第一の主反射光の第一の主干渉結果を検出する第一の主干渉装置と、
前記第二の主測定光と前記第二の主反射光を受光し、前記第二の主測定光と前記第二の主反射光の第二の主干渉結果を検出する第二の主干渉装置と、
前記第一、第二の主干渉結果から、前記第一の主干渉装置と前記第一の主鏡装置との間の第一の主距離と、前記第二の主干渉装置と前記第二の主鏡装置との間の第二の主距離とをそれぞれ求める測定装置と、
前記測定装置の測定結果が伝送される制御装置と、
を有し、
前記第一、第二の主干渉装置と、前記第一、第二の主鏡装置のうちいずれか一方の装置は前記基板移動部に配置され、他方の装置は前記台座に対して静止され、
前記第一、第二の主干渉装置は、前記第一、第二の主鏡装置と前記第一、第二の主送光装置との間に配置され、
前記レール上移動機構は、前記基板移動部に前記第一のレールに対する第一の移動力を印加する第一の移動機構と、前記基板移動部に前記第二のレールに対する第二の移動力を印加する第二の移動機構を有し、
前記制御装置は、前記第一、第二の主距離から前記第一、第二の移動力の大きさを決定するように構成された吐出装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第一、第二の主距離の差の設定された値に基づいて、前記第一、第二の移動機構を制御して、前記基板移動部を前記二本のレールに沿って移動させるように構成された請求項1記載の吐出装置。
【請求項3】
前記ヘッドを前記第二の方向に移動可能にしたヘッド移動機構と、
前記第二の方向に第一の副測定光を送光する第一の副送光装置と、
前記第一の副測定光が照射されると、反射して第一の副反射光を返光する副鏡装置と、
前記第一の副測定光と前記第一の副反射光を受光し、前記第一の副測定光と前記第一の副反射光の干渉結果を検出する第一の副干渉装置と、
前記第一の副干渉結果から、前記副鏡装置と前記第一の副干渉装置との間の距離を求める測定装置と、
を有し、
前記第一の副干渉装置と、前記副鏡装置のうちいずれか一方の装置は前記基板移動部の移動方向(前記第一の方向)に平行な側面に配置され、他方の装置は前記台座に対して静止され、
前記制御装置は、前記副鏡装置と前記第一の副干渉装置との間の距離から前記基板移動部の前記第二の方向の位置を求め、前記基板移動部の前記第二の方向の位置と前記ヘッドの前記第二の方向の位置との差から、前記ヘッド移動機構が前記ヘッドを移動する移動量を決定するように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の吐出装置。
【請求項4】
前記ヘッドを前記第二の方向に移動可能にしたヘッド移動機構と、
第一、第二の副測定光を送光する第一、第二の副送光装置と、
前記第一、第二の副測定光が照射されると、反射して第一、第二の副反射光を返光する副鏡装置と、
前記第一、第二の副測定光と前記第一、第二の副反射光を受光し、前記第一、第二の副測定光と前記第一、第二の副反射光の干渉結果を検出する第一、第二の副干渉装置と、
前記第一、第二の副干渉結果から、前記副鏡装置と前記第一、第二の副干渉装置との間の距離を求める測定装置と、
を有し、
前記第一、第二の副干渉装置と、前記副鏡装置のうちいずれか一方の装置は前記基板移動部に配置され、他方の装置は前記台座に対して静止され、
前記制御装置は、前記副鏡装置と前記第一の副干渉装置との間の距離と、前記副鏡装置と前記第二の副干渉装置との間の距離のいずれか一方又は両方から前記基板移動部の前記第二の方向の位置を求め、前記基板移動部の前記第二の方向の位置と前記ヘッドの前記第二の方向の位置との差から、前記ヘッド移動機構が前記ヘッドを移動する移動量を決定するように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の吐出装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記基板移動部の前記第二の方向の位置と前記ヘッドの前記第二の方向の位置の差の設定された値に基づいて、前記ヘッド移動機構を制御して、前記基板移動部を前記二本のレールに沿って移動させるように構成された請求項3又は請求項4のいずれか1項記載の吐出装置。
【請求項6】
水平な台座上のヘッドを間に挟んで互いに逆側に位置する始点と終点の間を、前記始点から前記終点へ二本のレールに沿って第一の方向に移動する基板移動部上に基板を載置し、
前記基板移動部を前記終点に向かって移動させ、
前記基板が前記ヘッドの下方を通過する間に、吐出口から前記基板へ吐出液を吐出し、
前記基板移動部が前記終点に到着した後、前記基板を乾燥させ、前記基板移動部上から前記基板を取り外す
吐出方法であって、
前記基板移動部の移動前に、前記基板移動部の基準面に平行な面上での前記第一の方向又は前記第二の方向に対する傾きを測定しておき、
前記基板移動部の移動中に、
前記基板移動部の前記傾きを測定し、前記基板移動部の前記傾きの移動中に生じた誤差をゼロにするように前記二本のレール上の各移動量をそれぞれ変え、前記基板移動部の前記傾きを移動前の前記傾きと同じにしながら
前記基板を前記ヘッドの下方を通過させる吐出方法。
【請求項7】
請求項6記載の吐出方法であって、
前記基板移動部の移動前に、前記基板移動部の前記第二の方向の位置を測定しておき、
前記基板移動部の移動中に、
前記基板移動部の前記傾きを移動開始前の前記傾きと同じにしてから、前記基板移動部の前記第二の方向の位置を測定し、前記基板移動部の前記第二の方向の位置と前記ヘッドの前記第二の方向の位置の差が移動開始前と同じになるように前記ヘッドを移動して、
前記基板移動部と前記ヘッドとの間の前記第二の方向の相対位置関係を移動前の相対位置関係と同じにしながら前記基板を前記ヘッドの下方を通過させる吐出方法。
【請求項8】
請求項6又は請求項7のいずれか1項記載の吐出方法であって、
前記基板移動部上に前記基板を載置してから前記基板移動部を移動させ、前記基板が前記ヘッドの下方に進入する前に、前記ヘッドの手前の位置で一端静止させ、前記基板上の各着弾位置が前記ヘッドに設けられた吐出口の真下を通過するように位置合わせする吐出方法。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか1項記載の吐出方法であって、
前記基板移動部と、前記台座のうちいずれか一方に、第一、第二の主測定光が照射されると反射して、第一、第二の主反射光を返光する第一、第二の主鏡装置が配置され、他方に前記第一の主測定光と前記第一の主反射光を受光し、前記第一の主測定光と前記第一の主反射光の第一の主干渉結果を検出する第一の主干渉装置と、前記第二の主測定光と前記第二の主反射光を受光し、前記第二の主測定光と前記第二の主反射光の第二の主干渉結果を検出する第二の主干渉装置が配置され、
前記第一、第二の主干渉結果から前記第一、第二の主干渉装置と前記第一、第二の主鏡装置の間の第一、第二の主距離が求められ、
前記第一、第二の主距離から前記基板移動部の前記傾きを測定し、
前記基板移動部と、前記台座のうちいずれか一方に、第一、第二の副測定光が照射されると反射して、第一、第二の副反射光を返光する副鏡装置が配置され、他方に前記第一の副測定光と前記第一の副反射光を受光し、前記第一の副測定光と前記第一の副反射光の第一の副干渉結果を検出する第一の副干渉装置と、前記第二の副測定光と前記第二の副反射光を受光し、前記第二の副測定光と前記第二の副反射光の第二の副干渉結果を検出する第二の副干渉装置が配置され、
前記第一、第二の副干渉結果から前記第一、第二の副干渉装置と前記副鏡装置の間の第一、第二の副距離が求められ、
前記第一、第二の副距離のいずれか一方又は両方から前記基板移動部の前記第二の方向の位置を測定する吐出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−570(P2011−570A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147714(P2009−147714)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】