説明

向上した信頼性を備えた発光装置パッケージフレーム

【課題】フレーム体のはんだ結合能力を向上させて発光装置の動作の信頼性を向上させる、発光装置パッケージフレームを提供する。
【解決手段】発光装置用のパッケージフレームは、フレーム体10およびカップ20を有し、フレーム体10は、基部12および複数の接続脚14を備え、前方側面、後方側面および後方側面上に形成される溝付きセグメント16を有し、溝付きセグメント16は毛細管現象を有し、溶融はんだを溝162内に迅速に流れて広げ、フレーム体10上のはんだの広がりを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージフレームに、および、特に溝付きセグメントおよび向上した信頼性を有する発光装置パッケージフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
(特許文献1)が従来のLEDパッケージ構造体を開示する。図11を参照して、’223特許(
【特許文献1】)の従来のLEDパッケージが複数の接続脚および絶縁材料50を有するフレーム体40を備える。フレーム体40は、陽極前フレーム42、陰極前フレーム44およびチップキャリヤ46を備える。絶縁材料50は、フレーム体40上に、かつそのまわりに形成されてチップ取付スペース52を形成する。チップ60は、チップ取付スペース52内に取り付けられて、チップキャリヤ46に付着されて、ワイヤによって前フレーム42、44に電気的に接続される。
【0003】
’223特許の従来のフレーム体40は、はんだ付け工程によってプリント回路基板のような、基板と接続するための平坦で円滑な底面を有する。しかしながら、はんだは高温状態で劣化し、および、はんだによって与えられる結合効果は低下する。特に、高動作温度を有する高出力LEDに従来のフレーム体40が適用される場合、はんだは容易に劣化し、および、LEDの信頼性は低下する。したがって、’223特許の従来のフレーム体40は低電力のLEDパッケージにだけ適用されることができて、使用が限定される。
【0004】
この欠点を克服するために、本発明は上述した課題を軽減するかまたは取り除くパッケージフレームを提供するのに役立つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献2】台湾特許番号第1277223号、名称「低熱抵抗LEDパッケージ」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主要な目的は、フレーム体のはんだ結合能力を向上させて、溶融はんだを、迅速に流れて広がるようにさせ、発光装置の動作の信頼性を向上させるためにフレーム体の熱放散領域を増大するように、フレーム体内に形成される溝付きセグメントを有する発光装置パッケージフレームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このパッケージフレームは、フレーム体およびカップを備える。フレーム体は、基部および複数の接続脚を備えて、ならびに前方側面、後方側面および後方側面上に形成される溝付きセグメントを有する。カップは、フレーム体上に取り付けられ、カップ内に画定されるキャビティを有してフレーム体の前方側面を露出させ、かつカップ内に機能性セグメントを画定する。
【0008】
この種の配置によって、はんだとフレーム体間の接触面積が増大され、および、フレーム体のはんだ結合能力が向上する。はんだが発光装置の動作中に生じる高温のために劣化するときでも、フレーム体によってはんだに与えられる結合効果およびフレーム体の熱放散効果は低下しない。加えて、溝付きセグメントは毛細管効果を有し、および、溶融はんだが溝内に迅速に流れて広がることができ、および、フレーム体上のはんだの広がりは十分に制御されることができる。その上、溝付きセグメントの配置によって、フレーム体の熱放散領域は本発明に従うパッケージフレームを備えた発光装置の熱放散効果を強化するように増大される。したがって、このパッケージフレームは高出力または薄型発光装置に適用されることができて、使用において汎用的であり、および、発光装置の信頼性が向上される。
【0009】
本発明の他の目的、効果および新規な特徴は、添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明からより明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に従う発光装置用のパッケージフレームの第1の実施態様の斜視図である。
【図2】図1のパッケージフレームの別の斜視図である。
【図3】図1内のライン3−3に沿ったパッケージフレームの拡大された断面側面図である。
【図4】本発明に従う発光装置用のパッケージフレームの第2の実施態様の斜視図である。
【図5】本発明に従うパッケージフレームの溝の異なる実施態様の拡大された断面側面図を示す。
【図6】本発明に従うパッケージフレームの溝の異なる実施態様の拡大された断面側面図を示す。
【図7】本発明に従うパッケージフレームの溝の異なる実施態様の拡大された断面側面図を示す。
【図8】本発明に従うパッケージフレームの溝の異なる実施態様の拡大された断面側面図を示す。
【図9】本発明に従う発光装置用のパッケージフレームの第3の実施態様の断面側面図である。
【図10】本発明に従う発光装置用のパッケージフレームの第4の実施態様の部分的な断面での斜視図である。および
【図11】従来技術に従う従来のLEDパッケージの部分的な断面での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1ないし3を参照して、本発明に従う発光装置用のパッケージフレームは、フレーム体10およびカップ20を備える。フレーム体10は、基部12および基部12から延出する複数の接続脚14を備える。好ましくは、接続脚14は、このパッケージフレームを薄型ディスプレイまたはテレビ用の薄型発光装置に適用されるようにするために示すように基部12から、かつそれに対して水平に延出する。代わりとして、接続脚14はパッケージフレーム10を異なる設計で発光装置に適用させるために基部12に対して曲げられることができる。フレーム体10は、前方側面、後方側面、突起122および溝付きセグメント16を有する。突起122は、基部12の上面および接続脚14を異なる水平面にするように基部12に対応する位置でフレーム体10の前方側面上に形成されて、それから突き出る。突起122の配置によって、基部12は接続脚14のそれと異なる厚さを有することができる。溝付きセグメント16は、ナイフカット、プレス工程などのような、任意の可能な粗面処理工程によってフレーム体10の後方側面上に形成される。溝付きセグメント16は、図2で示す後方側面の一部に形成されることができて、複数の正方形または菱形格子を形成するように互いに交差する複数の溝162を備える。好ましくは、各溝162は三角形状の断面を有する。
【0012】
カップ20は、フレーム体10の前方側面上に、かつそのまわりに取り付けられて、反射型で、カップ20内に画定されるキャビティを有してフレーム体10の基部12の前方側面を露出させ、かつカップ20内に機能性セグメント22を画定する。LEDチップのような発光チップが機能性セグメント22内に取り付けられることができ、および、機能性セグメント22は発光装置用のパッケージとして形成するために接着剤または封入剤によって充填されることができる。その上、接続脚14はカップ20から露出するかまたは突き出ることができる。パッケージフレームがSMD(表面実装デバイス)に適用される場合、各接続脚14はカップ20の外側表面とぴったり重なる端面を有する。
【0013】
溝付きセグメント16の配置によって、フレーム体10のはんだ結合能力が向上されることができるように、フレーム体10とはんだとの間の接触面積が増大される。したがって、このパッケージフレームは、はんだによってプリント回路基板のような回路基板上にしっかりと取り付けられることができる。はんだが発光装置の動作中に生じる高温のために劣化するときでも、フレーム体10によってはんだに与えられる結合効果およびフレーム体10の熱放散効果は低下しない。したがって、本発明に従うパッケージフレームを備えた発光装置の動作寿命は長くされることができ、および、この発光装置を使用する信頼性もまた、向上されることができる。その上、溝付きセグメント16内の溝162は毛細管効果を有するので、溶融はんだが、はんだ付け工程中に溝162内に迅速に流れて広がることができる。したがって、フレーム体10上のはんだの広がりは、十分に制御されることができる。さらに、フレーム体10の後方側面上の溝付きセグメント16の配置によって、フレーム体10の熱放散領域は本発明に従うパッケージフレームを備えた発光装置の熱放散効果を強化するように増大される。したがって、このパッケージフレームは高出力発光装置に適用されることができて、使用において汎用的である。
【0014】
図4を参照して、溝付きセグメント16Aは、パッケージフレームを異なる半田付けおよび基板要件に適合するようにするためにフレーム体10Aの後方側面の全ての上に形成されることができる。
【0015】
図5ないし8を参照して、溝付きセグメント16,16Aの溝162,162A,162B,162Cは、三角形の、波状の、四辺形の、台形または他の可能な幾何学的形状の断面を有することができる。好ましくは、各溝162B,162Cは図7および8に示すように複数のプレス工程によって少なくとも一つのリブ164B,164Cを備えている内側を有する。溝162B,162C内のリブ164B,164Cの配置によって、フレーム体10とはんだとの間の接触面が増大され、および、はんだによる結合効果がしたがって、向上されることができる。
【0016】
図9を参照して、フレーム体10Bは更に後方側面内に画定されかつ底面を有する凹部18を有することができ、および、溝付きセグメント16Bが凹部18の底面内に形成される。
【0017】
図10を参照して、フレーム体10Cは更にカップ20Cに対応する位置でフレーム体10C内に画定される複数の結合孔19を有することができる。カップ20Cは、フレーム体20C内の結合孔19内にそれぞれ保持される複数の結合ポスト26を有する。したがって、フレーム体10Cとカップ20Cとの間の結合が、強化されることができる。
【0018】
たとえ本発明の多数の特性および利点が上記の説明内に記載されたとしても、本発明の構造および機能の詳細と共に、開示は例証となるだけであり、および、変更が詳細において、特に添付の特許請求の範囲が表わされる用語の幅広い汎用的意味によって示唆される最大限に対して本発明の原則の範囲内の部分の形状、サイズおよび配置の内容において、なされることができる。
【符号の説明】
【0019】
10、10A、10B、10C フレーム体
12 基部
14 接続脚
16、16A、16B 溝付きセグメント
18 凹部
19 結合孔
20、20C カップ
22 機能性セグメント
26 結合ポスト
122 突起
162,162A,162B,162C 溝
164B,164C リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置用のパッケージフレームであって、
基部および複数の接続脚を備え、ならびに、前方側面、後方側面および前記後方側面上に形成される溝付きセグメントを有するフレーム体と、
前記フレーム体上に取り付けられるカップであって、かつ前記カップ内に画定されるキャビティを有して前記フレーム体の前記前方側面を露出させ、かつ前記カップ内の機能性セグメントを画定する、カップと、を備えるパッケージフレーム。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージフレームであって、前記フレーム体が、更に前記後方側面内に画定されかつ底面を有する凹部を有し、および前記溝付きセグメントが前記凹部の前記底面内に形成される、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のパッケージフレームであって、前記溝付きセグメントが、前記フレーム体の前記後方側面の一部に形成される、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項4】
請求項3に記載のパッケージフレームであって、前記溝付きセグメントが、複数の溝を備える、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項5】
請求項4に記載のパッケージフレームであって、前記溝付きセグメント内の前記溝が、互いに交差される、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項6】
請求項5に記載のパッケージフレームであって、各溝が、三角形の、波形の、四辺形のまたは台形形状の断面を有する、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項7】
請求項6に記載のパッケージフレームであって、各溝が、少なくとも一つのリブを備えている内側を有する、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項8】
請求項1または2に記載のパッケージフレームであって、前記溝付きセグメントが、前記フレーム体の前記後方側面の全ての上に形成される、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項9】
請求項8に記載のパッケージフレームであって、前記溝付きセグメントが、複数の溝を備える、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項10】
請求項9に記載のパッケージフレームであって、前記溝付きセグメント内の前記溝が、互いに交差される、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項11】
請求項10に記載のパッケージフレームであって、各溝が、三角形の、波形の、四辺形のまたは台形形状の断面を有する、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項12】
請求項11に記載のパッケージフレームであって、各溝が、少なくとも一つのリブを備えている内側を有する、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項13】
請求項1または2に記載のパッケージフレームであって、
前記フレーム体が、前記カップに対応する位置で前記フレーム体内に画定される複数の結合孔を有し、および、
前記カップが前記フレーム体内の前記結合孔内にそれぞれ保持される複数の結合ポストを有する、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項14】
請求項1または2に記載のパッケージフレームであって、前記溝付きセグメントが、複数の溝を備える、ことを特徴とするパッケージフレーム。
【請求項15】
請求項14に記載のパッケージフレームであって、前記溝付きセグメント内の前記溝が、互いに交差される、ことを特徴とするパッケージフレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−211151(P2011−211151A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194029(P2010−194029)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(597106611)順徳工業股▲ふん▼有限公司 (13)
【Fターム(参考)】