説明

周縁部塗布装置、周縁部塗布方法及び記憶媒体

【課題】円形の基板の周縁部に塗布液を塗布してリング状の塗布膜を形成するにあたり、その幅を均一性高く形成することができる技術を提供すること。
【解決手段】基板の回転及びノズルからの塗布液の供給を行いながら、塗布液の供給位置を基板の外側から基板の周縁部に向けて移動させ、当該基板を平面で見たときにその角度が10°以下である楔型に塗布液を塗布し、次いで、基板の回転及び塗布液の供給を続けたままノズルの移動を停止し、基板の周縁部に沿って帯状に塗布液を塗布し、この帯状に塗布された塗布液の端部を前記楔型に塗布された塗布液に接触させ、基板の全周に亘って塗布液を塗布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円形の基板の周縁部に塗布液を供給して塗布膜を形成する周縁部塗布装置、周縁部塗布方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトリソグラフィー工程においては、塗布モジュールを用いて半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面にレジスト液などの各種の塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程が含まれる。ところで、半導体装置の製造プロセスにおいて、ウエハの周縁部のみレジスト膜を形成する場合がある。例えば特許文献1、2にはウエハの中央部にシリサイド層を形成する処理方法が記載されており、この処理においてウエハの周縁部に前記シリサイド層が形成されることを防ぐために前記周縁部をレジスト膜で被覆する工程を行っている。
【0003】
このようにウエハの周縁部のみにレジスト膜を形成するために、ネガレジスト液をウエハの表面全体に塗布してレジスト膜を形成し、ウエハの周縁部を露光した後、現像液を供給する処理が行われている。前記現像液によりウエハの中央部のレジスト膜が溶解し、ウエハの周縁部のみにレジスト膜を形成することができる。しかし、このように複数の処理工程を踏んでレジスト膜を形成することはスループットを高くし難いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−295637(段落0027)
【特許文献2】特開2009−295636
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の事情から、ポジレジスト液をウエハの周縁部に塗布し、処理工程数を削減することが検討されている。この処理について図33〜35を用いて説明すると、ノズルからポジレジスト液(以下、単にレジスト液と記載する)101を吐出しながらその吐出位置をウエハWの外側から内側へと移動させ、塗布処理を開始する。そして、図33に矢印で示す方向にウエハWを回転させることにより、レジスト液101の塗布開始位置103からウエハWの周縁部に沿って当該レジスト液101の吐出位置102を移動させ、ウエハWに帯状にレジスト液101を塗布する。そして、レジスト液101の吐出を開始してからウエハWを1回転させ、レジスト液101の吐出位置102を前記塗布開始位置103に移動させる。つまり、図34に示すように塗布開始位置103でレジスト液101同士が合流することになる。このようにしてウエハWの全周にレジスト液101を塗布した後、ウエハWの回転を続けてレジスト液101を乾燥させてレジスト膜が形成される。
【0006】
ところが、前記塗布開始位置103において塗布されたレジスト液101が乱れ、それによってレジスト膜の幅の均一性が低下することが分かった。これは、次のような理由によるものと発明者は考えている。図35はウエハWの周縁部の側面図であり、この図に示すようにノズル104からウエハWに吐出されたレジスト液101は、ウエハWから受ける遠心力により吐出位置102から外側へ向かうが、濡れの作用やノズル104からの吐出圧により吐出位置102から径方向内側へも広がる。図35ではレジスト液101の径方向内側に広がる幅をL1として示している。そのように径方向内側へ広がるレジスト液101はウエハWから受ける遠心力に抗して前記内側へ向かうため、ウエハW表面を不安定に広がる。
【0007】
そして、ウエハWが1回転して、レジスト液101同士が合流するとき、新規に当該塗布開始位置103に塗布されてウエハWの径方向内側へと広がろうとするレジスト液101は、すでにウエハWに塗布されたレジスト液101の表面張力の影響を受けることになる。図34中矢印で引き出した点線の円内には、そのレジスト液101の様子を示している。塗布開始時にウエハWの内側へノズル104を移動させながらレジスト液101を塗布しているため、塗布開始位置103にはウエハWの外周側からレジスト液101が塗られている。そのため、塗布開始位置103に新たに塗布されるレジスト液101は、ウエハWの外周側から先に塗布されたレジスト液101に接触していき、図中に鎖線の矢印で示すように表面張力により既に塗布されたレジスト液101が存在する方向、つまりウエハWの外周側へと引っ張られる。そして既述のウエハWの内側へ不安定に広がろうとするレジスト液101は、その表面張力の作用を大きく受けることになり、ウエハWの内側への広がりが抑えられる。
【0008】
その結果として、図34に示したようにレジスト液101は塗布開始位置103においてその内側に切り込みが形成されたリング状に塗布されてしまい、この切り込み領域105によってレジスト液の塗布幅の均一性が低下する。なお、このような切り込み領域105が形成されると、その後ウエハWの回転及びウエハWへのレジスト液101の供給を続けても、レジスト液101はこの切り込み領域105を埋めるように流れず、レジスト液乾燥後に切り込み領域105が残ってしまうことを発明者は確認している。
【0009】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、円形の基板の周縁部に塗布液を塗布してリング状の塗布膜を形成するにあたり、その幅を均一性高く形成することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の周縁部塗布装置は、円形の基板を水平に保持して回転させる回転保持部と、
前記基板の表面の周縁部に塗布膜を形成するために塗布液を供給するノズルと、
前記塗布液の供給位置を基板の周縁部と基板の外側位置との間で移動させるために、前記ノズルを移動させる移動機構と、
前記回転保持部による基板の回転と、前記ノズルからの塗布液の吐出と、移動機構によるノズルの移動とを制御するために制御信号を出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
基板の回転及びノズルからの塗布液の供給を行いながら、塗布液の供給位置を基板の外側から基板の周縁部に向けて移動させ、当該基板を平面で見たときにその角度が10°以下である楔型に塗布液を塗布し、
次いで、基板の回転及び塗布液の供給を続けたままノズルの移動を停止し、基板の周縁部に沿って帯状に塗布液を塗布し、この帯状に塗布された塗布液の端部が前記楔型に塗布された塗布液に接触して、基板の全周に亘って塗布液が塗布されるように制御信号を出力することを特徴とする。
【0011】
前記周縁部塗布装置の具体的な態様は例えば下記の通りである。
(1)基板の回転及びノズルからの塗布液の供給を行うときに、塗布液の吐出速度が、前記基板の周縁部の速度の−10%〜+10%の範囲内である。
(2)塗布液の基板への供給が行われるときに基板の回転速度が100rpm以上である。
(3)前記基板の外側位置から基板の周縁部へ移動する塗布液の供給位置の移動速度は30mm/秒以下である
(4)前記ノズルの口径は0.6mm以下である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、円形の基板を平面で見たときにその角度が10°以下である楔型となるように塗布液を基板の周縁部に塗布し、基板の周縁部に沿って帯状に塗布した塗布液の端部をこの楔型に塗布した塗布液に接触させている。それによって、塗布液同士が接触することによる当該塗布液の乱れが抑えられ、基板の周縁部に均一性高い幅で塗布膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る周縁部塗布装置を示す縦断断面図である。
【図2】前記周縁部塗布装置の平面図である。
【図3】前記周縁部塗布装置に設けられるノズルの縦断側面図である。
【図4】前記周縁部塗布装置の動作を示す工程図である。
【図5】前記周縁部塗布装置の動作を示す工程図である。
【図6】前記周縁部塗布装置の動作を示す工程図である。
【図7】前記周縁部塗布装置の動作を示す工程図である。
【図8】前記周縁部塗布装置の動作を示す工程図である。
【図9】前記周縁部塗布装置の動作を示す工程図である。
【図10】前記周縁部塗布装置によりレジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図11】前記周縁部塗布装置によりレジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図12】前記周縁部塗布装置によりレジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図13】前記レジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図14】前記レジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図15】前記レジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図16】前記レジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図17】評価試験においてレジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図18】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図19】評価試験においてレジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図20】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図21】評価試験においてレジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図22】評価試験においてレジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図23】評価試験においてレジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図24】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図25】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図26】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図27】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図28】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図29】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図30】評価試験において形成されたレジスト膜の説明図である。
【図31】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図32】評価試験の結果を示すグラフ図である。
【図33】レジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図34】レジスト液が塗布されたウエハの平面図である。
【図35】レジスト液が塗布されたウエハの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る周縁部塗布装置1について図1及び図2を参照しながら説明する。図1、図2は夫々周縁部塗布装置1の縦断側面図、平面図である。周縁部塗布装置1はウエハWの周縁部にレジスト液を塗布して塗布膜を形成する装置であり、スピンチャック11を備えている。スピンチャック11は、真空吸着により例えばその直径が300mmの円形基板であるウエハWを水平に保持するように構成されている。スピンチャック11は、回転モータなどを含む回転駆動部12に接続されている。回転駆動部12は、後述の制御部3から出力される制御信号に応じた回転速度で、スピンチャック11を鉛直回りに回転させる。
【0015】
図中13は、ウエハWの裏面を支持する3本の支持ピン(図示の便宜上2本のみ示している)であり、昇降機構14により昇降自在に構成されている。支持ピン13により不図示のウエハWの搬送機構とスピンチャック11との間でウエハWが受け渡される。
【0016】
スピンチャック11の下方側には断面形状が山形のガイドリング15が設けられており、このガイドリング15の外周縁は下方側に屈曲して延びている。前記スピンチャック11及びガイドリング15を囲むように塗布液であるレジスト液の飛散を抑えるためのカップ16が設けられている。
【0017】
このカップ16は上側が開口し、スピンチャック11にウエハWを受け渡すことができるようになっており、カップ16の側周面とガイドリング15の外周縁との間に排出路をなす隙間17が形成されている。前記カップ16の下方側には起立した排気管18が設けられ、排気管18内は排気口18aとして構成されている。またカップ16の底部には排液口19が開口している。
【0018】
周縁部塗布装置1はノズル21を備えており、ノズル21は円形の吐出口22(図3)を備え、吐出口22から鉛直下方にレジスト液(ポジレジスト液)が吐出される。図3はノズル21の縦断側面を示しており、図中にL2で示す吐出口22の口径はこの例では0.3mmに設定されている。このように口径を設定するのは、後述のレジスト液供給源24からノズル21に供給するレジスト液の単位時間あたりの流量(mL/秒)を制御することで、レジスト液の吐出速度(mm/秒)とウエハWの回転時の周縁部の速度(mm/秒)とを概ね等しくできるようにするためである。概ね等しくするとは、ウエハWを回転させながらレジスト液を塗布するときに、ウエハWの回転時の周縁部の速度の−10%〜+10%の範囲内の速度でレジスト液を吐出することをいう。このようにウエハWの回転速度及びレジスト液の吐出速度を制御することで、後述の作用及び実験で示すようにレジスト液がウエハWから弾かれることを防ぎ、均一性高い幅でリング状のレジスト膜を形成することができる。
【0019】
前記ノズル21は、レジスト液供給管23を介して、レジスト液が貯留されたレジスト液供給源24に接続されている。レジスト液供給源24はポンプを備え、レジスト液を下流側へ圧送する。前記レジスト液供給管23にはバルブや流量調整部等を含む供給機器群25が介設され、制御部3から出力される制御信号に基づいてレジスト液の給断及びノズル21への供給量を制御する。
【0020】
前記ノズル21は、図2に示すように水平方向に伸びたアーム26を介して移動機構27に接続されている。移動機構27は、横方向に伸びたガイドレール2に沿って移動し、アーム26を昇降させることができる。制御部3からの制御信号に従って移動機構27が移動し、この移動機構27の移動によって、ノズル21はカップ16の外部に設けられた待機領域28とウエハWの周縁部上との間で移動することができる。
【0021】
続いて制御部3について説明する。制御部3はコンピュータにより構成され、プログラム格納部を備えている。このプログラム格納部には、後述の作用で説明する周縁部塗布処理が行われるように命令が組まれたプログラムが格納される。前記プログラム格納部に格納されたプログラムが制御部3に読み出され、制御部3は周縁部塗布装置1の各部へ制御信号を送信する。それによって、ノズル21の移動、ノズル21からのレジスト液の吐出流量及びウエハWの回転速度などが制御され、後述の作用が実施される。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスクまたはメモリーカードなどの記憶媒体に収納された状態でプログラム格納部に格納される。
【0022】
続いて、周縁部塗布装置1の作用についてノズル21の動作を示す図4〜図9を参照しながら説明する。また、ウエハWの平面図であり、ウエハWに塗布されたレジスト液の様子について示す図10〜図16も適宜参照しながら説明する。不図示の搬送機構により、ウエハWが周縁部塗布装置1に搬送され、支持ピン13によりスピンチャック11に受け渡され、ウエハWの裏面中央部が吸着保持される。待機領域28からノズル21がウエハWの外側上方へと移動する(図4)。
【0023】
ウエハWが回転を開始して、その回転速度(回転数)が例えば300rpm(1秒間に5回転)になり、ノズル21から下方にレジスト液31が吐出される(図5)。このウエハWの径の大きさは300mmであるため、このときウエハWの周縁部(外周端)の速度は300・π・5≒4711.5mm/秒になっている。上記のようにノズル21の口径が0.3mmに設定されているので、ウエハWの周縁部の速度と、ノズル21から吐出されるレジスト液31の速度を等しくするために、ノズル21に471.15(cm/秒)×(0.015cm×0.015cm×π)≒0.33mL/秒でレジスト液31が供給される。
【0024】
そのようにレジスト液31を吐出したまま、ノズル21が例えば10mm/秒でウエハWの周縁部上に移動する(図6)。吐出されるレジスト液31の線速度とウエハWの周縁部の速度とが等しいため、ウエハWに接触したレジスト液31はウエハWから受ける衝撃が抑えられるため、ウエハWから弾かれずにウエハW表面に塗布される。このレジスト液31の塗布時にウエハWの回転が行われているため、図10、図11に示すようにレジスト液31はウエハWの周端から内側へ向かって広がるように塗布され、図11の矢印で引き出した点線の円内に示すように、ウエハWの周縁部に平面視楔型に塗布される。ノズル21の移動速度及びウエハWの回転速度が上記のように制御されることにより、図に示す楔のなす角θは10°以下になる。このθは、より詳しくは前記楔の先端の角度である。この楔型に塗布されたレジスト液を楔型領域として符号41を付している。また、各図の33はウエハWにおいてレジスト液31の吐出が開始された開始領域を示している。
【0025】
ウエハWにおいてレジスト液31が吐出される吐出領域の中心とウエハWの端部とのなす距離L3が例えば3mmになると、ノズル21の移動が停止する(図7、図12)。吐出されたレジスト液31は前記吐出領域の周囲に濡れ広がると共にウエハWの遠心力の作用を受けて外周側に向かうことにより、ウエハWの周縁部に沿って帯状に塗布される(図13)。各図ではこの帯状に塗布されたレジスト液を帯状領域として符号42を付して示している。
【0026】
そして、ウエハWにレジスト液31の塗布を開始してからウエハWが1回転し、帯状領域42の端部が楔型領域41に接触する。つまり、レジスト液31をウエハWに供給してから当該ウエハWを1回転させた後に供給されたレジスト液が、前記平面視楔型に塗布されたレジスト液31の前記楔の先端に接触することになる。このとき、前記楔型領域41は既述のようにθが小さく形成されているため、ウエハWの周縁部に沿って伸びる帯状領域42はウエハWの外周側から次第に楔型領域41に接触していくことになる(図14、図15)。つまり、塗布開始位置33にレジスト液31が塗布されるとき、レジスト液31による帯状領域42の端部は、図34、図35に示した楔の角度θが比較的大きい場合に比べて、楔型領域41に対して少ない接触面積をもって徐々にウエハWに塗布されていくため、この帯状領域42の端部が楔型領域41から受ける表面張力が弱く、即ち外周方向へ受ける力が弱い。
【0027】
さらに、このようにレジスト液31を塗布するにあたり、ウエハWを300rpmと比較的高い速度で回転させているため、レジスト液31に作用する遠心力が大きいので、レジスト液31がウエハWの吐出領域からウエハWの径方向内側へ向かうことが抑えられ、図36で示した幅L1が小さくなる。つまり、帯状領域42において表面張力の影響を受けやすい領域が小さい。
【0028】
従って、リング状に塗布されるレジスト液31においてその内側に、塗布が行われない切り込み領域の形成を防いだり、その大きさを抑えることができる。その結果、図16に示すようにレジスト液31は、ウエハWにその幅の均一性が高くなるように塗布される。楔型領域41上に帯状領域42が重なるように塗布された後もウエハWの回転及びレジスト液31の吐出が続けられ、ウエハWの周縁部に繰り返しレジスト液31が塗布される。そして、ノズル21の移動が停止してから所定の時間経過後に、ノズル21はウエハWの外側の上方へ移動し(図8)、レジスト液31の供給を停止して待機領域28に戻る。続いてウエハWの回転速度が上昇し、レジスト液31中の溶剤が蒸発して、レジスト液31からレジスト膜43が形成される。
【0029】
この周縁部塗布装置1によれば、ウエハWへのレジスト液31の塗布開始時に形成する楔型領域41の角度が鋭くなるようにウエハWの回転速度及びノズル21の移動速度を制御し、ウエハWを回転させて帯状に塗布するレジスト液31が前記楔型領域41から受ける表面張力の影響を小さくすると共に、ウエハWの回転速度を大きくしてレジスト液31の吐出位置32からウエハWの中央部側へ向かうレジスト液の塗布範囲を抑えている。従って、レジスト液の塗布開始位置33にてレジスト液31同士が接触するときに、レジスト液31のウエハWの中心部方向への広がりが乱れることが抑えられ、ウエハWに均一性高い幅でリング状のレジスト膜を形成することができる。
【0030】
ノズル21は水平に移動させることに限られず、傾けるように移動させてレジスト液31の吐出位置をずらしてもよい。また、レジスト膜を形成する場合の他にSOG膜、SOD膜、ポリイミド膜などの膜を形成する場合にも本発明は有効である。
【0031】
ところで、上記の実施形態ではレジスト液31塗布時のウエハWの回転速度を300rpmに設定しているが、後述の評価試験で示すように100rpm以上であれば良好な塗布処理を行うことができる。そして、上記の例ではノズル21の口径L2を0.3mmに設定しているが、このL2は0.6mm以下であればよく、L2をそのように設定して既述した周縁部への塗布処理が行えることは実験を行い確認されている。また、前記回転速度が100rpmであれば前記ウエハWの周縁部の速度は300mm×π×100rpm/60秒≒1570.5mm/秒である。このとき前記口径L2が0.6mmである場合、ウエハWの周縁部の速度と、ノズル21から吐出されるレジスト液31の速度とを等しくするためのレジスト液31の供給量は、157.05(cm/秒)×0.03cm×0.03cm×π≒0.44mL/秒であり、実用上適切な供給量である。また、ノズル21は吐出口22がウエハWの中心部側から外側へ向くように設けて塗布液を吐出してもよい。つまり、ノズル21は平面視傾けて設けてもよい。
【0032】
続いて、本発明に関連して行われた実験について説明する。
(評価試験1)
上記の周縁部塗布装置1において、レジスト液の吐出を開始するタイミングについて検証するために試験を行った。評価試験1−1ではレジスト液31の吐出位置32を予めウエハWの周縁部に移動させた後、ウエハWを回転させながら当該周縁部にレジスト液31を吐出し、以降は上記の実施形態と同様にウエハWの周縁部全周にレジスト液31を塗布した。評価試験1−2では、上記の実施形態と同様にレジスト液31を吐出しながら吐出位置32をウエハWの外側から周縁部へ移動させて処理を行った。ただし、楔型領域41の角度θは10°より大きくなるようにレジスト液31塗布時のウエハWの回転速度及びノズル31の移動速度を制御した。評価試験1−1、1−2共に5枚のウエハWに同様の処理を行い、各ウエハWにおいて塗布開始位置33及びその付近のレジスト膜43の形状を観察した。また、各ウエハWにおいてレジスト膜43の幅の最大値と最小値との差を測定した。前記幅の差が小さいほど、幅の均一性が高いと言える。
【0033】
図17は評価試験1−1の塗布開始位置33付近のレジスト膜43の平面視形状を示しており、図の上側がウエハWの中心部側、下側がウエハWの外周側である。図に示すように塗布開始位置33において、レジスト膜43の幅が大きくなっている。そして、図18はウエハごとに前記差の大きさ(単位:mm)を示したグラフである。このグラフに示されるように各ウエハとも膜の幅の差が大きかった。
【0034】
図19は評価試験1−2の塗布開始位置33付近のレジスト膜43の形状を図17と同様に示している。この図19に示すようにレジスト液31の塗布が行われなかった切り込み領域105が形成されているが、図20に示すように各ウエハWのレジスト膜43の幅の差は評価試験1−1よりも小さかった。この評価試験1の結果から、ノズル31を移動させながらレジスト液31を塗布した上で、上記の切り込み領域105が形成されることを防ぐことが検討され、実施形態で示した手法が考案された。
【0035】
(評価試験2)
上記の実施形態において、塗布開始時に楔型領域41を塗布するにあたり、有効な楔の角度θの範囲を求める試験を行った。複数枚のウエハWからなるグループ毎に角度θを変えて、上記の実施形態と同様にレジスト膜43を形成し、評価試験1と同様にレジスト膜43の幅の最大値と最小値との差を測定した。図21、22、23は各ウエハWに形成した楔型領域41の形状を示しており、各図の角度θは夫々30°、60°、10°である。
【0036】
図24はθ毎に各ウエハWにおいて得られた前記幅の差をプロットしたグラフである。θ=10°に設定したウエハWの前記幅の差は実用できる範囲に収まっている。また、自由度を0.05としてstudentのt検定を行ったところθ=10°に設定したウエハWから得られた測定結果は、θ=30°、60°に設定したウエハWから得られた測定結果に対して有意差があった。この結果からθ=10°以下に設定することが有効であることが示された。
【0037】
(評価試験3)
上記の実施形態において、ウエハW毎にレジスト液31塗布時の回転速度を変化させて処理を行い、楔型領域41の角度θ、図35に示したウエハWの中心側へ向かうレジスト液31の幅L1の大きさ及びレジスト膜43の幅の最大値と最小値との差を測定し、それによって前記回転速度とこれら角度θ、幅L1、膜の幅の差との関係を調べた。図25、26、27はこの評価試験3の結果を示すグラフであり、これら各グラフの横軸はウエハWの回転速度(rpm)を示している。図25、26、27の縦軸は夫々前記角度θ(°)、前記幅L1(mm)、前記膜の幅の差(mm)を示している。
【0038】
図25、26に示されるようにウエハWの回転速度rpmが大きいほど角度θ及び幅L1が小さくなる。そして、図27に示されるように回転速度が200rpmに上昇するまで膜の幅の差が減少し、回転速度300rpm及び回転速度200rpmにおける前記幅の差は略同じであった。この評価試験3の結果からθ及び幅L1は回転速度が大きくなるほど小さくなり、これら角度θ及び幅L1を小さくすることでレジスト膜43の幅の均一性を高くすることができると考えられる。また、実用上、レジスト膜43の幅の差は0.4mm以下であることが好ましい。図27のグラフより、回転速度が100rpmであるときに幅の差が0.4mmとなっており、図25より回転速度が100rpmのときにθ=6.0°であるため、θ=6.0°以下の範囲は有効であることがこの評価試験3からも担保された。また、この評価試験3から100rpm以上の回転速度が有効であると言える。
【0039】
(評価試験4)
ウエハWにレジスト液31の塗布を開始するにあたり、ノズル21の適切な移動速度を調べるための試験を行った。上記の実施形態においてノズル21の移動速度を10mm/秒、30mm/秒、50mm/秒に夫々設定して処理を行い、他の実施形態と同様にウエハWに形成されたレジスト膜の幅の最大値と最小値との差を測定した。図28はこの評価試験5の結果を示すグラフであり、グラフの横軸はノズル21の移動速度(mm/秒)、グラフの縦軸は前記膜の幅の差である。グラフに示されるようにノズル21の移動速度が大きいほど、膜の幅の差が大きくなることが示された。移動速度が大きいと前記θが大きくなるので、この結果から前記θを小さくすることが膜の幅の均一性を高めることに有効であることが分かる。また、膜の幅の差は0.65mm以下が許容範囲であり、ノズルの速度が50mm/秒であるときにはこの0.65mmに略等しくなってしまっていることから、ノズルの移動速度としては30mm/秒以下に設定することが好ましい。
【0040】
(評価試験5)
単位時間あたりのレジスト液の吐出量をウエハWごとに変更して実施の形態と同様に処理を行い、他の実施形態と同様に膜の幅の差について測定した。この評価試験では処理条件を変えて処理を行った。具体的には2種類のレジスト液31を用いて処理を行った。図29はこの評価試験5の結果を示すグラフであり、グラフの横軸は単位時間あたりのレジスト液の吐出量(mL/秒)、グラフの縦軸は前記膜の幅の差である。グラフ中、第1のレジスト液を用いて行った結果を丸印でプロットし、第2のレジスト液を用いて行った結果を四角印でプロットしている。
【0041】
このグラフに示されるようにいずれのレジスト液31を用いた場合も、レジスト液31の吐出量が変化することで膜の幅の差が大きく変化している。吐出量が変われば、ノズル21からのレジスト液31の吐出速度(mm/秒)が変化するので、この評価試験から吐出速度について適切な値を設定することで膜の幅の均一性を高めることができることが考えられる。
【0042】
(評価試験6)
上記の実施形態において、レジスト液31塗布時のウエハWの回転速度とレジスト液31の吐出量とを夫々変化させて各ウエハWに処理を行い、形成されたレジスト膜43の形状を観察した。吐出量は0.25mL/秒、0.33mL/秒、0.50mL/秒、0.63mL/秒に夫々設定し、回転速度は50rpm、100rpm、150rpm、200rpm、300rpmに夫々設定した。図30は各設定により形成された各レジスト膜43を模式的に示しており、図中下側がウエハWの中心部側である。
【0043】
この図30に示す結果より次のことが分かる。ウエハWの回転速度が大きくなると、レジスト膜43を形成することができなかったり、レジスト膜43の幅の均一性が低下する。そして、回転速度を大きくするにつれて、レジスト液31の吐出量、即ちレジスト液31の吐出速度(mm/秒)を増加させるとレジスト膜43の幅の均一性が高くなる。回転速度に対してレジスト液31の吐出量が大きすぎると、レジスト膜43の幅の大きさの均一性が低下する。このように吐出量が大きくなったときに均一性が低下するのは、ウエハWに所定の時間あたりに供給されるレジスト液31の量が増えることにより、図35に示したウエハWの中心部に向かうレジスト液31(101)の幅L1が大きくなり、当該レジスト液31が、表面張力の影響を受けやすくなるためであると考えられる。このような実験結果から、ウエハWの回転速度と、レジスト液の流量(吐出速度)とを適切に制御することで、レジスト膜43の均一性を高くすることができることが推測される。
【0044】
(評価試験7)
ノズル21の吐出口22の径L2が0.8mmである他は実施形態と同様の装置を用いてウエハWに実施形態と同様にレジスト膜43の形成を行い、レジスト膜43が正常に塗布できたか否かを調べた。ウエハWの回転速度(rpm)及びレジスト液31の吐出流量をウエハWごとに変更している。吐出量は0.25mL/秒、0.33mL/秒、0.50mL/秒に夫々設定し、回転速度は50rpm、100rpm、150rpm、200rpm、300rpmに夫々設定した。
【0045】
下記の表1はこの評価試験7の結果を示した表である。表中において、ウエハWの周方向において切れることなくリング状にレジスト膜43が形成されていればOKとしている。そして、レジスト液31がウエハWに弾かれることにより前記周方向に切れ目ができている場合にNGとしている。
【表1】

【0046】
回転速度が比較的低い50rpm、100rpmの場合には各流量設定においてレジスト膜43を形成することができた。しかし、回転速度が150rpmである場合には流量が0.25mL/秒、0.33mL/秒のときにレジスト膜43を形成できず、回転速度が200rpm、300rpmである場合にはいずれの流量設定においてもレジスト膜43を形成することができなかった。なお、レジスト液の流量が0.50mL/秒で吐出時回転数が150rpmの場合レジスト膜を形成することができたが、膜の幅の均一性は低かった。評価試験3で説明したように、楔型領域41の角度を10°以下にするためには比較的高い速度でウエハWを回転させることが有効であるため、この実験結果から発明者は塗布方法を改良することを検討した。
【0047】
図31は、その口径を0.8mmに設定したノズル31から吐出されるレジスト液の速度(mm/秒)と、ノズル31から吐出されるレジスト液の流量(mL/秒)との関係をプロットして示したグラフである。グラフの縦軸、横軸は前記速度、流量を夫々示している。また、この評価試験で用いたウエハWの直径が300mmであるため、ウエハWを100rpm、200rpm、300rpmで回転させたときのウエハWの周縁部の速度は夫々、1571mm/秒、3141mm/秒、4712mm/秒であり、グラフの縦軸の対応する箇所に鎖線でこれらの速度を示している。
【0048】
このグラフに示すように、この評価試験で設定したレジスト液31の流量において、ウエハWの回転速度が高くなるとレジスト液31の吐出速度と、ウエハWの周縁部の速度との相対速度差が大きくなってしまう。発明者は、この相対速度差が大きいことによりレジスト液31がウエハWから弾かれ、レジスト膜43が形成できなかったと考えた。
【0049】
(評価試験8)
ノズル21の吐出口22の径L2を0.3mmに設定し、評価試験7と同様の試験を行った。図32のグラフは、図31のグラフと同様にノズル31から吐出されるレジスト液の速度(mm/秒)と、ノズル31から吐出されるレジスト液の流量(mL/秒)との関係をプロットして示している。このグラフに示すように、この評価試験8で用いるノズル21の口径は、レジスト液31の吐出流量として設定した0.25〜0.50mL/秒の範囲において、各ウエハWの回転速度100rpm、200rpm、300rpmにレジスト液の速度を揃えることができるように設定されている。
【0050】
下記の表2は、評価試験7と同様にウエハWに形成されたレジスト膜の形状について判定した結果を示している。表2に示されるように評価試験7ではNGとなっていた回転速度200rpm、300rpmの場合にもレジスト膜43を形成することができた。この結果から、ウエハWにレジスト膜43を形成するためにはレジスト液31の吐出速度と、ウエハWの周縁部の速度との相対速度差を小さくすることが有効であることが分かる。そして、この評価試験では、レジスト膜が形成されればOKとして判定をしているが、膜の幅の均一性を実用レベルに高めるためには、実施形態で説明したようにウエハWの回転時の周縁部の速度と、レジスト液の流速とを概ね等しく、例えば上記のようにウエハWの回転時の周縁部の速度の−10%〜+10%の範囲内にレジスト液の吐出速度を設定することが有効である。
【表2】

【符号の説明】
【0051】
1 周縁部塗布装置
11 スピンチャック
21 ノズル
3 制御部
31 レジスト液
32 吐出位置
33 塗布開始位置
41 楔型領域
42 帯状領域
43 レジスト膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形の基板を水平に保持して回転させる回転保持部と、
前記基板の表面の周縁部に塗布膜を形成するために塗布液を供給するノズルと、
前記塗布液の供給位置を基板の周縁部と基板の外側位置との間で移動させるために、前記ノズルを移動させる移動機構と、
前記回転保持部による基板の回転と、前記ノズルからの塗布液の吐出と、移動機構によるノズルの移動とを制御するために制御信号を出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
基板の回転及びノズルからの塗布液の供給を行いながら、塗布液の供給位置を基板の外側から基板の周縁部に向けて移動させ、当該基板を平面で見たときにその角度が10°以下である楔型に塗布液を塗布し、
次いで、基板の回転及び塗布液の供給を続けたままノズルの移動を停止し、基板の周縁部に沿って帯状に塗布液を塗布し、この帯状に塗布された塗布液の端部が前記楔型に塗布された塗布液に接触して、基板の全周に亘って塗布液が塗布されるように制御信号を出力することを特徴とする周縁部塗布装置。
【請求項2】
基板の回転及びノズルからの塗布液の供給を行うときに、塗布液の吐出速度が、前記基板の周縁部の速度の−10%〜+10%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の塗布処理装置。
【請求項3】
塗布液の基板への供給が行われるときに基板の回転速度が100rpm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の周縁部塗布装置。
【請求項4】
前記基板の外側位置から基板の周縁部へ移動する塗布液の供給位置の移動速度は30mm/秒以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の周縁部塗布装置。
【請求項5】
前記ノズルの口径は0.6mm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の周縁部塗布装置。
【請求項6】
円形の基板を回転保持部に水平に保持する工程と、
前記回転保持部により基板を回転させる工程と、
基板の回転と、ノズルから基板の周縁部に塗布膜を形成するための塗布液の供給とを行いながら、前記塗布液の供給位置を基板の外側から基板の周縁部に向けて移動させ、当該基板を平面で見たときにその角度が10°以下である楔型に塗布液を塗布する工程と、
次いで、基板の回転及び塗布液の供給を続けたままノズルの移動を停止し、基板の周縁部に沿って帯状に塗布液を塗布し、帯状に塗布された塗布液の端部が前記楔型に塗布された塗布液に接触させて、基板の全周に亘って塗布液を塗布する工程と、
を含むこと特徴とする周縁部塗布方法。
【請求項7】
基板に塗布液を塗布する各工程は、基板の回転及びノズルからの塗布液の供給を行うときに、塗布液の吐出速度が、前記基板の周縁部の速度の−10%〜+10%の範囲内であるように行われることを特徴とする請求項6記載の周縁部塗布方法。
【請求項8】
基板の周縁部に対する塗布処理を行う周縁部塗布装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項6または7に記載の周縁部塗布方法を実施するためのものであることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−62436(P2013−62436A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200968(P2011−200968)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】