説明

周辺監視システム

【課題】より速やかに他車の追尾を開始することのできる「周辺監視システム」を提供する。
【解決手段】レーダ装置1の計測データに基づいて、未追尾の他車の検出と、検出した他車の存在の複数回の確認の処理とを経て、存在を確認した他車の追尾を開始する物標追尾部4を設ける。そして、物標追尾部4において、レーダ装置1の計測データから未追尾の他車の発生が検出されなかった場合でも、他車認識部3がカメラ2で撮影した画像に対する画像認識によって、物標追尾部4において未追尾の他車が識別された場合には、レーダ装置1の計測データに基づいて、当該他車の存在を複数回確認する処理を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車周辺に存在する物体を検出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車周辺に存在する物体を検出する技術としては、自動車に搭載したレーダ装置を用いて、当該自動車周辺に存在する物体を検出し、検出した物体を追尾する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
また、自動車周辺に存在する物体を検出する技術としては、自動車に搭載したカメラによって自動車周辺を撮影した撮影画像に写り込んだ他の車両等の物体を、撮影画像に対する画像認識処理によって検出する技術も知られている(たとえば、特許文献2)。
【特許文献1】特開平8-248125号公報
【特許文献2】特開平8-16978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、レーダ装置を用いて自動車周辺に存在する物体を検出する場合、レーダの物体による反射波と路面等による反射波の干渉等のために、物体の検出漏れが発生する場合がある。
また、カメラによって撮影した撮影画像に対する画像認識処理によって自動車周辺に存在する物体を検出する場合には、周囲の背景や状態によって、物体の検出漏れが発生する場合がある。すなわち、たとえば、陸橋の下を走行している場合や、複数の物体が重なって画像に写り込んでいる場合には、画像認識処理によって、自動車周辺の物体を認識しきれなくなる場合がある。
【0004】
そして、検出した物体の追尾を行う場合において、このような物体の検出漏れによって追尾の開始が遅れてしまうことがある。
そこで、本発明は、より速やかに周辺の物体の追尾を開始することができる周辺監視システムを提供することを課題する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載され、当該自動車である自車周辺の他車を検出する周辺監視システムを、自車周辺の他車の位置を検出する第1のセンサと、自車周辺の他車の位置を検出する第2のセンサと、前記第1のセンサが検出した位置に基づいて、自車周辺の他車を追尾する第1他車検出部とより構成し、前記第1他車検出部において、前記第1のセンサと第2のセンサとの少なくとも一方が、当該第1他車検出部が追尾していない他車の位置を検出した場合に、以降、当該位置が検出された他車を前記第1のセンサが検出する位置に基づいて追尾するようにしたものである。
ここで、以上のような周辺監視システムには、前記第2のセンサが検出した位置に基づいて、自車周辺の他車を追尾する第2他車検出部を設け、第2他車検出部を、前記第1他車検出部と同様に動作させるようにしてもよい。
【0006】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載され、当該自動車である自車周辺の他車を検出する周辺監視システムを、自車周辺の他車の位置を検出する第1のセンサと、自車周辺の他車の位置を検出する第2のセンサと、第1他車検出部とより構成したものである。ここで、第1他車検出部は、第1未確認他車追尾手段と、第1確認済他車設定手段と、第1確認済他車追尾手段と、第1他車位置識別手段と、第1未確認他車設定手段とを備えており、前記第1未確認他車追尾手段は、当該第1未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、前記第1確認済他車設定手段は、前記第1未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第1確認済他車追尾手段に設定し、第1確認済他車追尾手段は、当該第1確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、前記第1他車位置識別手段は、前記第1確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、前記第1未確認他車設定手段は、前記第1のセンサと第2のセンサとの少なくとも一方が前記第1未確認他車追尾手段と前記第1確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置を検出した他車を前記未確認他車として、前記第1未確認他車追尾手段に設定し、以降の、当該未確認他車として設定した他車の前記第1のセンサが検出した位置に基づいた追尾を、前記第1未確認他車追尾手段に行わせるものである。
【0007】
なお、このような周辺監視システムには、さらに、第2他車検出部を設けるようにしてもよい。ただし、第2他車検出部は、第2未確認他車追尾手段と、第2確認済他車設定手段と、第2確認済他車追尾手段と、第2他車位置識別手段と、第2未確認他車設定手段とを備えており、前記第2未確認他車追尾手段は、当該第2未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、前記第2確認済他車設定手段は、前記第2未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第2確認済他車追尾手段に設定し、第2確認済他車追尾手段は、当該第2確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、前記第2他車位置識別手段は、前記第2確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、前記第2未確認他車設定手段は、前記第1のセンサと第2のセンサとの少なくとも一方が前記第2未確認他車追尾手段と前記第2確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置が検出された他車を、前記未確認他車として前記第2未確認他車追尾手段に設定し、以降の、当該未確認他車として設定した他車の、前記第2のセンサが検出した位置に基づいた追尾を前記第2未確認他車追尾手段に行わせるものである。
【0008】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載され、当該自動車である自車周辺の他車を検出する周辺監視システムを、自車周辺の他車の位置を検出する第1のセンサと、自車周辺の他車の位置を検出する第2のセンサと、第1他車検出部と、第2他車検出部とより構成したものである。ここで、第1他車検出部は、第1未確認他車追尾手段と、第1確認済他車設定手段と、第1確認済他車追尾手段と、第1他車位置識別手段と、第1未確認他車設定手段とを備えており、前記第1未確認他車追尾手段は、当該第1未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、前記第1確認済他車設定手段は、前記第1未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第1確認済他車追尾手段に設定し、第1確認済他車追尾手段は、当該第1確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、前記第1他車位置識別手段は、前記第1確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、前記第1未確認他車設定手段は、前記第1のセンサが前記第1未確認他車追尾手段と前記第1確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置を検出した他車を前記未確認他車として、前記第1未確認他車追尾手段に設定するものである。また、第2他車検出部は、第2未確認他車追尾手段と、第2確認済他車設定手段と、第2確認済他車追尾手段と、第2他車位置識別手段と、第2未確認他車設定手段とを備えており、前記第2未確認他車追尾手段は、当該第2未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、前記第2確認済他車設定手段は、前記第2未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第2確認済他車追尾手段に設定し、第2確認済他車追尾手段は、当該第2確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、前記第2他車位置識別手段は、前記第2確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、前記第2未確認他車設定手段は、前記第2のセンサが前記第2未確認他車追尾手段と前記第2確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置を検出した他車を前記未確認他車として、前記第2未確認他車追尾手段に設定するものである。
【0009】
また、前記第1他車検出部は、前記第1未確認他車追尾手段と前記第1確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車を、前記第2他車検出部の前記第2確認済他車設定手段が前記第2確認済他車追尾手段に対して前記確認済他車として設定した場合に、当該第2確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を、前記未確認他車として前記第1未確認他車追尾手段に設定し、以降の、当該未確認他車として設定した他車の、前記第1のセンサが検出した位置に基づいた追尾を前記第1未確認他車追尾手段に行わせるものである。または、前記第1他車検出部は、前記第1未確認他車追尾手段と前記第1確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車を、前記第2他車検出部の前記第2確認済他車設定手段が前記第2確認済他車追尾手段に対して前記確認済他車として設定した場合に、当該第2確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を、前記確認済他車として前記第1確認済他車追尾手段に設定し、以降の、当該確認済他車として設定した他車の、前記第1のセンサが検出した位置に基づいた追尾を、前記第1確認済他車追尾手段に行わせるものである。
【0010】
ここで、このような各周辺監視システムは、第2他車検出部を、前記第1他車検出部と同様に動作させるようにしてもよい。
これらの周辺監視システムによれば、第1他車検出部が前記第1のセンサが検出した位置に基づいて行う他車の検出のために他車を追尾する処理を、第1のセンサの検出漏れが発生した場合でも、第2のセンサの検出内容に基づいて開始することができるようになる。よって、第1のセンサのみを用いる場合よりも速やかに他車を追尾する処理を開始できるようになる。
【0011】
また、前述のように第2他車検出部を備え、当該第2他車検出部を前記第1他車検出部と同様に動作させた場合には、前記第2のセンサが検出した位置に基づいて行う他車の検出のために他車を追尾する処理についても、前記第1他車検出部が行う処理と同様に、速やかに開始することができるようになる。
なお、以上の各周辺監視システムにおいて、前記第1のセンサは、自車周辺の他車の位置を検出するレーダ装置であってよく、前記第2のセンサは、自車周辺を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像に対して画像認識処理を施して、当該画像に写り込んでいる他車の位置を検出する他車認識手段とより構成されるものであってよい。または、逆に、前記第1のセンサを、自車周辺を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像に対して画像認識処理を施して、当該画像に写り込んでいる他車の位置を検出する他車認識手段とより構成されるものとし、第2のセンサを、自車周辺の他車の位置を検出するレーダ装置とするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、より速やかに周辺の物体の追尾を開始することができる周辺監視システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1aに、本第1実施形態に係る周辺監視システムの構成を示す。
本周辺監視システムは、自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、周辺監視システムは、レーダ装置1、カメラ2、他車認識部3、物標追尾部4、他車追尾部5、周辺状況提示部6、表示装置7、音声出力装置8とを有している。
ここで、本周辺監視システムが搭載された自動車を自車100として、図1bに示すようにレーダ装置1とカメラ2は、自車100の後部に配置される。そして、レーダ装置1は、自車100後方をスキャン範囲としてスキャン範囲内にある他車の自車100に対する相対位置を測定し計測データとして出力するスキャン処理を繰り返す。また、カメラ2は自車100後方の撮影範囲の映像を撮影する処理を繰り返す。
【0014】
また、他車認識部3は、カメラ2が撮影した画像に対して所定の画像認識処理を実行し、画像中に写り込んだ他車を認識すると共に、他車が写り込んでいる画像中の位置より、当該他車の自車100に対する相対位置を算定し計測データとして出力する他車認識処理を繰り返す。
【0015】
次に、物標追尾部4は、レーダ装置1から出力された計測データに基づいて、自車100後方に存在する各他車の追尾を行う。また、他車追尾部5は、他車認識部3から出力された計測データに基づいて、自車100後方に存在する各他車の追尾を行う。
ここで、物標追尾部4が他車の追尾のために行う動作と、他車追尾部5が他車の追尾のために行う動作は、物標追尾部4がレーダ装置1から出力された計測データに基づいて他車の追尾を行うのに対して、他車追尾部5が他車認識部3から出力された計測データに基づいて他車の追尾を行う点を除き同様の動作となる。
【0016】
そこで、物標追尾部4が他車の追尾のために行う動作を代表例にとり、物標追尾部4が他車の追尾のために行う動作と、他車追尾部5が他車の追尾のために行う動作について説明する。
さて、物標追尾部4は、他車の追尾のために他車確認起動処理と、他車確認処理と、他車追尾処理とを行う。
他車追尾処理は、レーダ装置1が出力する計測データに基づいて、他車確認処理によって設定された追尾中他車の位置を追尾し、各時点の追尾中他車の相対位置を表す追尾情報を生成管理する処理である。また、他車確認処理は、他車確認起動処理によって、設定された他車候補の存在を複数回確認し、複数回確認に成功したならば、当該他車候補を追尾中他車に設定し、当該追尾中他車の追尾を行う他車追尾処理を起動する処理である。また、他車確認起動処理は、レーダ装置1が出力する計測データまたは他車追尾部5から通知される新規他車データに基づいて、他車候補としても追尾中他車としても設定されていない他車を検出し、検出した他車を他車候補に設定し、当該他車候補の確認を行う他車確認処理を起動する処理である。また、この他車確認起動処理では、レーダ装置1が出力する計測データに基づいて、他車候補としても追尾中他車としても設定されていない他車を検出したときに、検出した他車の相対位置を表す計測データを、新規他車データとして、他車追尾部5に通知する処理も行う。
【0017】
ここで、この他車確認起動処理の手順を図2aに、他車確認処理の手順を図2bに示す。
図2aに示すように、他車確認起動処理では、レーダ装置1からの新たな計測データの出力の発生(ステップ202)と、他車追尾部5からの新規他車データの通知の発生(ステップ204)とを監視する。
そして、新たな計測データが出力されたならば(ステップ202)、出力された計測データが、他車候補としても追尾中他車としても設定していない他車の相対位置を表すものであるかどうかを判定し(ステップ206)、他車候補または追尾中他車として設定している他車についての相対位置を表す計測データであれば、ステップ202、204の監視に戻る。
【0018】
一方、出力された計測データが、他車候補としても追尾中他車としても設定していない他車の相対位置を表す計測データであれば、当該計測データを新規他車データとして、他車認識部3に出力し(ステップ208)、当該計測データが表す相対位置を現時点の相対位置とする他車候補を設定し、当該他車候補についての他車確認処理を起動する(ステップ210)。そして、ステップ202、204の監視に戻る。
【0019】
また、物標確認起動処理において、他車追尾部5からの新規他車データが通知された場合には(ステップ204)、受信した新規他車データが、他車候補として追尾中他車としても設定していない他車の相対位置を表すものであるかどうかを判定し(ステップ212)、他車候補または追尾中他車として設定している他車についての相対位置を表すものであれば、ステップ202、204の監視に戻る。
【0020】
一方、受信した新規他車データが、他車候補として追尾中他車としても設定していない他車についての相対位置を表すものであれば、新規他車データが表す相対位置を現時点の相対位置とする他車候補を設定し、当該他車候補についての他車確認処理を起動する(ステップ214)。そして、ステップ202、204の監視に戻る。
【0021】
次に、以上のように他車確認起動処理のステップ214で各他車候補について各々起動される他車確認処理では、図2bに示すように、他車候補の追尾窓を設定し(ステップ254)、レーダ装置1のスキャン処理の終了を待って(ステップ256)、終了したスキャン処理によって出力される計測データの内に追尾窓内の相対位置を表す計測データが存在するかどうかを判定し(ステップ258)、存在する場合には、存在した計測データを他車候補の現時点の相対位置とする(ステップ260)処理を、追尾窓内の相対位置を表す計測データが存在することが(ステップ258)、n回確認されるか(ステップ252、262、264)、追尾窓内の相対位置を表す計測データが存在しないことが検出されるまで(ステップ258)繰り返す。
【0022】
そして、n回確認できた場合には、他車候補を追尾中他車とする他車追尾処理を起動し(ステップ266)、処理を終了する。また、n回確認できる前に、スキャン処理で出力された計測データの内に追尾窓内の相対位置を表す計測データが存在しないことが検出された場合には(ステップ258)、そのまま処理を終了する。
【0023】
なお、ステップ254では、他車候補のそれまでの現在位置より推定される、次回のスキャン処理終了時に、およそ他車候補が存在し得る相対位置の範囲を追尾窓として設定する。
さて、次に、以上のように他車確認処理のステップ266で起動される他車追尾処理では、追尾中他車の追尾窓を設定し、レーダ装置1のスキャン処理の終了を待って、終了したスキャン処理によって出力される計測データの内に追尾窓内の相対位置を表す計測データが存在するかどうかを判定し、存在する場合には、存在した計測データを追尾中他車の現時点の相対位置として当該追尾中他車の追尾情報に加える処理を繰り返す。ただし、追尾窓内の相対位置を表す計測データが存在しないことが検出される頻度が所定頻度を超えると、追尾中他車の追尾を完了し、他車追尾処理を終了することになる。なお、他車追尾処理で設定する追尾窓としては、追尾中他車または当該追尾中他車となった他車候補のそれまでの現在位置より推定される、次回のスキャン処理終了時に、およそ追尾中他車が存在し得る相対位置の範囲を追尾窓として設定する。
【0024】
ここで、前述した他車確認起動処理のステップ206では、たとえば、出力された計測データが表す相対位置が、以上のような他車確認処理や他車追尾処理で設定されている追尾窓のいずれにも含まれない場合に、当該計測データが、他車候補として追尾中他車としても設定していない他車についての計測データであると判定する。また、同様に、他車確認起動処理のステップ212では、たとえば、受信した新規他車データが表す相対位置が、以上のような他車確認処理や他車追尾処理で設定されている追尾窓のいずれにも含まれない場合に、当該新規他車データが、他車候補として追尾中他車としても設定していない他車についての新規他車データであると判定する。
【0025】
なお、前述の通り、他車追尾部5は、以上のように物標追尾部4が行う他車確認起動処理と他車確認処理と他車追尾処理とを、レーダ装置1が出力する計測データに代えて他車認識部3が出力する計測データを用いて行う。なお、他車追尾部5の他車確認起動処理のステップ204では物標追尾部4からの新規他車データの受信を監視し、ステップ208では新規他車データを物標追尾部4に通知することになる。また、他車追尾部5が行う他車確認処理のステップ256では、スキャン処理の完了に代えて他車認識処理の完了を待つことになる。また、他車追尾部5が行う他車追尾処理においても追尾中他車の追尾窓設定後には、スキャン処理の完了に代えて他車認識処理の完了を待つことになる。
【0026】
ここで、以上のような物標追尾部4の動作によって、物標追尾部4の1台の他車についての他車追尾処理は図3aのような状態遷移を経て開始され、以上のような他車追尾部5の動作によって、他車追尾部5の1台の他車についての他車追尾処理は図3bのような状態遷移を経て開始されることになる。
【0027】
すなわち、図3aに示すように、物標追尾部4は、検出待ち状態301において、物標追尾部4において他車候補としても追尾中他車としても設定していない未認識の他車の相対位置を表す計測データをレーダ装置1が出力されたならば311、当該他車を他車候補として1回確認状態302に遷移する。また、この際に、レーダ装置1から出力された計測データを新規他車データ350として他車追尾部5に出力する。
【0028】
一方、物標追尾部4は、検出待ち状態301において、物標追尾部4において他車候補としても追尾中他車としても設定していない未認識の他車の相対位置を表す新規他車データ450を他車追尾部5から受信した場合にも312、当該他車を他車候補として1回確認状態302に遷移する。
【0029】
物標追尾部4は、1回確認状態302に遷移したならば、その後の最初のスキャン処理で出力される計測データを用いた他車候補の追尾に成功した場合には313、2回確認状態303に遷移し、追尾に失敗した場合321には、検出待ち状態301に遷移する。
以降、同様に、物標追尾部4は、i(2< i <n-2)回確認状態に遷移したならば、その後の最初のスキャン処理で出力される計測データを用いて、他車候補の追尾に成功した場合には、i+1回確認状態に遷移し、追尾に失敗した場合には、検出待ち状態301に遷移する。
そして、物標追尾部4は、n-1回確認状態304にまで遷移したならば、その後の最初のスキャン処理で出力される計測データを用いて、他車候補の追尾に成功した場合には314、他車の存在をn回確認できたことになるので、他車候補を追尾中他車として他車追尾状態305に遷移し、追尾中他車を追尾しその追尾情報を生成管理する他車追尾処理を開始する。なお、他車候補の追尾に失敗した場合322には、検出待ち状態301に遷移する。
【0030】
一方、図3bに示すように、他車追尾部5は、検出待ち状態401において、他車追尾部5において他車候補としても追尾中他車としても設定していない未認識の他車の相対位置を表す計測データを他車認識部3が出力されたならば411、当該他車を他車候補として1回確認状態402に遷移する。また、この際に、他車認識部3から出力された計測データを新規他車データ450として物標追尾部4に出力する。
【0031】
一方、他車追尾部5は、検出待ち状態401において、他車追尾部5において他車候補としても追尾中他車としても設定していない未認識の他車の相対位置を表す新規他車データ350を物標追尾部4から受信した場合にも412、当該他車を他車候補として1回確認状態402に遷移する。
【0032】
他車追尾部5は、1回確認状態402に遷移したならば、その後の最初の他車認識処理で出力される計測データを用いて、他車候補の追尾に成功した場合には413、2回確認状態403に遷移し、追尾に失敗した場合421には、検出待ち状態401に遷移する。
以降、同様に、他車追尾部5は、i(2< i <n-2)回確認状態に遷移したならば、その後の最初の他車認識処理で出力される計測データを用いて、他車候補の追尾に成功した場合には、i+1回確認状態に遷移し、追尾に失敗場合には、検出待ち状態401に遷移する。
そして、他車追尾部5は、n-1回確認状態404にまで遷移したならば、その後の最初の他車認識処理で出力される計測データを用いて、他車候補の追尾に成功した場合には414、他車の存在をn回確認できたことになるので、他車候補を追尾中他車として他車追尾状態405に遷移し、追尾中他車を追尾しその追尾情報を生成管理する他車追尾処理を開始する。なお、他車候補の追尾に失敗した場合422には、検出待ち状態401に遷移する。
【0033】
さて、以上、図3a、bに示したように、本実施形態では、レーダ装置1の計測データに基づいて、未認識の他車の検出、検出した未認識他車を他車候補として行う他車の存在の確認の処理を経て、存在を確認した他車を追尾する他車追尾処理を開始する物標追尾部4において、レーダ装置1の計測データから未認識の他車の発生が検出されなかった場合でも、カメラ2で撮影した画像に対する画像認識によって他車を検出する他車認識部3の計測データから、未認識の他車の発生が検知された場合には、当該他車の存在の確認の処理を開始する。よって、レーダ装置1の計測データのみに基づいて処理を行う場合に比べ、より速やかに他車の追尾を開始することができるようになる。
【0034】
また、同様に、本実施形態では、カメラ2で撮影した画像に対する画像認識によって他車を検出する他車認識部3の計測データに基づいて、未認識の他車の検出、検出した未認識他車を他車候補として行う他車の存在の確認の処理を経て、存在を確認した他車を追尾する他車追尾処理を開始する他車追尾部5において、他車認識部3の計測データから未認識の他車の発生が検出されなかった場合でも、レーダ装置1の計測データから、未認識の他車の発生が検知された場合には、当該他車の存在の確認の処理を開始する。よって、画像認識によって他車を検出する他車認識部3の計測データのみに基づいて処理を行う場合に比べ、より速やかに他車の追尾を開始することができるようになる。
【0035】
ここで、図1に戻り周辺状況提示は、物標追尾部4の他車追尾処理によって生成管理される追尾情報によって示される追尾中物標の現在位置や位置の履歴や、他車追尾部5の他車追尾処理によって生成管理される追尾情報によって示される追尾中物標の現在位置や位置の履歴に基づいて、自車100後方の他車の配置や挙動の状況などを表示装置7に表示したり、自車100後方の物体や他車の配置や挙動より危険の発生を予知して警告を表す音声を音声出力装置8から出力する処理などを行う。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態では、物標追尾部4において、他車追尾部5で未認識他車が検出された場合に、他車確認処理によって当該他車を確認する処理を行って、確認が成功した場合に、当該他車を追尾する他車追尾処理を行ったが、これは、他車追尾部5で新たな他車についての他車追尾処理が開始されたときに、物標追尾部4においても、当該他車を追尾する他車追尾処理を開始するようにしてもよい。また、同様に、物標追尾部4で新たな他車についての他車追尾処理が開始されたときに、他車追尾部5においても、当該他車を追尾する他車追尾処理を開始するようにしてもよい。
【0037】
すなわち、この場合には、図4a、bに示すように、物標追尾部4と他車追尾部5において、他車候補を追尾中他車として他車追尾状態305/405に遷移314/414する際に、追尾中他車とした他車のそれまでの計測データの全てを含めた新規他車データ350/450を通知すると共に、物標追尾部4と他車追尾部5において、検出待ち状態301/401にあるときに、他車候補としても追尾中他車としても設定していない未認識の他車の現在の相対位置を表す新規他車データ350/450を受信したならば312/412、当該他車を追尾中他車として他車追尾状態305/405に遷移するようにする。なお、この場合、新規他車データ350/450が示す相対位置の履歴は、当該追尾中他車である他車の相対位置の履歴として継承するようにする。
【0038】
このようにしても、物標追尾部4において、レーダ装置1の計測データのみに基づいて処理を行う場合に比べ、より速やかに他車の追尾を開始することができるようになる。また、他車追尾部5において、画像認識によって他車を検出する他車認識部3の計測データのみに基づいて処理を行う場合に比べ、より速やかに他車の追尾を開始することができるようになる。
【0039】
なお、本実施形態における、どの状態遷移の際に併せて新規他車データを通知するかや、未認識の他車の相対位置を表す新規他車データを受信したときに状態をどのように遷移するかの形態は、新規他車データの通知を行う際の状態遷移と、新規他車データを受信したときに行う遷移とが、共に、他車追尾状態305/405方向に状態を進める遷移であれば、以上で示した形態以外の任意の形態とするようにしてよい。
【0040】
すなわち、たとえば、図4a、bに示すように、物標追尾部4において、他車候補を追尾中他車として他車追尾状態305に遷移する際に、追尾中他車とした他車のそれまでの計測データの全てを含めた新規他車データ350を他車追尾部5に通知すると共に、他車追尾部5において、検出待ち状態401にあるときに、他車候補としても追尾中他車としても設定していない未認識の他車の相対位置を表す新規他車データ350を受信したならば415当該他車を他車候補として2回確認状態403へ遷移するなどしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る周辺監視システムの構成と配置を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る他車確認起動処理と他車確認処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る周辺監視システムの動作を示す遷移図である。
【図4】本発明の実施形態に係る周辺監視システムの他の動作例を示す遷移図である。
【符号の説明】
【0042】
1…レーダ装置、2…カメラ、3…他車認識部、4…物標追尾部、5…他車追尾部、6…周辺状況提示部、7…表示装置、8…音声出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載され、当該自動車である自車周辺の他車を検出する周辺監視システムであって、
自車周辺の他車の位置を検出する第1のセンサと、
自車周辺の他車の位置を検出する第2のセンサと、
前記第1のセンサが検出した位置に基づいて、自車周辺の他車を追尾する第1他車検出部とを有し、
前記第1他車検出部は、前記第1のセンサと第2のセンサとの少なくとも一方が、当該第1他車検出部が追尾していない他車の位置を検出した場合に、以降、当該位置が検出された他車を前記第1のセンサが検出する位置に基づいて追尾することを特徴とする周辺監視システム。
【請求項2】
請求項1記載の周辺監視システムであって、
前記第2のセンサが検出した位置に基づいて、自車周辺の他車を追尾する第2他車検出部を有し、
前記第2他車検出部は、前記第1のセンサと第2のセンサとの少なくとも一方が、当該第2他車検出部が追尾していない他車の位置を検出した場合に、以降、当該位置が検出された他車を前記第2のセンサが検出する位置に基づいて追尾することを特徴とする周辺監視システム。
【請求項3】
自動車に搭載され、当該自動車である自車周辺の他車を検出する周辺監視システムであって、
自車周辺の他車の位置を検出する第1のセンサと、
自車周辺の他車の位置を検出する第2のセンサと、
第1未確認他車追尾手段と、第1確認済他車設定手段と、第1確認済他車追尾手段と、第1他車位置識別手段と、第1未確認他車設定手段とを備えた第1他車検出部とを有し、
前記第1未確認他車追尾手段は、当該第1未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第1確認済他車設定手段は、前記第1未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第1確認済他車追尾手段に設定し、
第1確認済他車追尾手段は、当該第1確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第1他車位置識別手段は、前記第1確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、
前記第1未確認他車設定手段は、前記第1のセンサと第2のセンサとの少なくとも一方が前記第1未確認他車追尾手段と前記第1確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置を検出した他車を前記未確認他車として、前記第1未確認他車追尾手段に設定し、以降の、当該未確認他車として設定した他車の前記第1のセンサが検出した位置に基づいた追尾を、前記第1未確認他車追尾手段に行わせることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項4】
請求項3記載の周辺監視システムであって、
第2未確認他車追尾手段と、第2確認済他車設定手段と、第2確認済他車追尾手段と、第2他車位置識別手段と、第2未確認他車設定手段とを備えた第2他車検出部を有し、
前記第2未確認他車追尾手段は、当該第2未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第2確認済他車設定手段は、前記第2未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第2確認済他車追尾手段に設定し、
第2確認済他車追尾手段は、当該第2確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第2他車位置識別手段は、前記第2確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、
前記第2未確認他車設定手段は、前記第1のセンサと第2のセンサとの少なくとも一方が前記第2未確認他車追尾手段と前記第2確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置が検出された他車を、前記未確認他車として前記第2未確認他車追尾手段に設定し、以降の、当該未確認他車として設定した他車の前記第2のセンサが検出した位置に基づいた追尾を、前記第2未確認他車追尾手段に行わせることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項5】
自動車に搭載され、当該自動車である自車周辺の他車を検出する周辺監視システムであって、
自車周辺の他車の位置を検出する第1のセンサと、
自車周辺の他車の位置を検出する第2のセンサと、
第1未確認他車追尾手段と、第1確認済他車設定手段と、第1確認済他車追尾手段と、第1他車位置識別手段と、第1未確認他車設定手段とを備えた第1他車検出部と、
第2未確認他車追尾手段と、第2確認済他車設定手段と、第2確認済他車追尾手段と、第2他車位置識別手段と、第2未確認他車設定手段とを備えた第2他車検出部とを有し、
前記第1未確認他車追尾手段は、当該第1未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第1確認済他車設定手段は、前記第1未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第1確認済他車追尾手段に設定し、
第1確認済他車追尾手段は、当該第1確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第1他車位置識別手段は、前記第1確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、
前記第1未確認他車設定手段は、前記第1のセンサが前記第1未確認他車追尾手段と前記第1確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置を検出した他車を前記未確認他車として、前記第1未確認他車追尾手段に設定し、
前記第2未確認他車追尾手段は、当該第2未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第2確認済他車設定手段は、前記第2未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第2確認済他車追尾手段に設定し、
第2確認済他車追尾手段は、当該第2確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第2他車位置識別手段は、前記第2確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、
前記第2未確認他車設定手段は、前記第2のセンサが前記第2未確認他車追尾手段と前記第2確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置を検出した他車を前記未確認他車として、前記第2未確認他車追尾手段に設定し、
前記第1他車検出部は、前記第1未確認他車追尾手段と前記第1確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車を、前記第2他車検出部の前記第2確認済他車設定手段が前記第2確認済他車追尾手段に対して前記確認済他車として設定した場合に、当該第2確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を、前記未確認他車として前記第1未確認他車追尾手段に設定し、以降の、当該未確認他車として設定した他車の、前記第1のセンサが検出した位置に基づいた追尾を前記第1未確認他車追尾手段に行わせることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項6】
請求項5記載の周辺監視システムであって、
前記第2他車検出部は、前記第2未確認他車追尾手段と前記第2確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車を、前記第1他車検出部の前記第1確認済他車設定手段が前記第1確認済他車追尾手段に対して前記確認済他車として設定した場合に、当該第1確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を、前記未確認他車として前記第2未確認他車追尾手段に設定し、以降の、当該未確認他車として設定した他車の、前記第2のセンサが検出した位置に基づいた追尾を前記第2未確認他車追尾手段に行わせることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項7】
自動車に搭載され、当該自動車である自車周辺の他車を検出する周辺監視システムであって、
自車周辺の他車の位置を検出する第1のセンサと、
自車周辺の他車の位置を検出する第2のセンサと、
第1未確認他車追尾手段と、第1確認済他車設定手段と、第1確認済他車追尾手段と、第1他車位置識別手段と、第1未確認他車設定手段とを備えた第1他車検出部と、
第2未確認他車追尾手段と、第2確認済他車設定手段と、第2確認済他車追尾手段と、第2他車位置識別手段と、第2未確認他車設定手段とを備えた第2他車検出部とを有し、
前記第1未確認他車追尾手段は、当該第1未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第1確認済他車設定手段は、前記第1未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第1確認済他車追尾手段に設定し、
第1確認済他車追尾手段は、当該第1確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第1のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第1他車位置識別手段は、前記第1確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、
前記第1未確認他車設定手段は、前記第1のセンサが前記第1未確認他車追尾手段と前記第1確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置を検出した他車を前記未確認他車として、前記第1未確認他車追尾手段に設定し、
前記第2未確認他車追尾手段は、当該第2未確認他車追尾手段に対して未確認他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第2確認済他車設定手段は、前記第2未確認他車追尾手段が追尾に所定回数成功した他車を確認済他車として第2確認済他車追尾手段に設定し、
第2確認済他車追尾手段は、当該第2確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を前記第2のセンサが検出した位置に基づいて追尾し、
前記第2他車位置識別手段は、前記第2確認済他車追尾手段が追尾している他車の位置を自車周辺の他車の位置として識別し、
前記第2未確認他車設定手段は、前記第2のセンサが前記第2未確認他車追尾手段と前記第2確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車の位置を検出した場合に、当該位置を検出した他車を前記未確認他車として、前記第2未確認他車追尾手段に設定し、
前記第1他車検出部は、前記第1未確認他車追尾手段と前記第1確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車を、前記第2他車検出部の前記第2確認済他車設定手段が前記第2確認済他車追尾手段に対して前記確認済他車として設定した場合に、当該第2確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を、前記確認済他車として前記第1確認済他車追尾手段に設定し、以降の、当該確認済他車として設定した他車の、前記第1のセンサが検出した位置に基づいた追尾を、前記第1確認済他車追尾手段に行わせることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項8】
請求項7記載の周辺監視システムであって、
前記第2他車検出部は、前記第2未確認他車追尾手段と前記第2確認済他車追尾手段とのいずれでも追尾していない他車を、前記第1他車検出部の前記第1確認済他車設定手段が前記第1確認済他車追尾手段に対して前記確認済他車として設定した場合に、当該第1確認済他車追尾手段に対して確認済他車として設定された他車を、前記確認済他車として前記第2確認済他車追尾手段に設定し、以降の、当該確認済他車として設定した他車の、前記第2のセンサが検出した位置に基づいた追尾を、前記第2確認済他車追尾手段に行わせることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の周辺監視システムであって、
前記第1のセンサは、自車周辺の他車の位置を検出するレーダ装置であり、
前記第2のセンサは、自車周辺を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像に対して画像認識処理を施して、当該画像に写り込んでいる他車の位置を検出する他車認識手段とより構成されることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項10】
請求項1、3、5または7記載の周辺監視システムであって、
前記第1のセンサは、自車周辺を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像に対して画像認識処理を施して、当該画像に写り込んでいる他車の位置を検出する他車認識手段とより構成され、
前記第2のセンサは、自車周辺の他車の位置を検出するレーダ装置であることを特徴とする周辺監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−94222(P2008−94222A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277307(P2006−277307)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】