説明

呼接続制御装置、電話端末及び電話網

【課題】電話を使った詐欺や悪徳商法などの犯罪を最小限にし又は未然に防止し、電話加入者の電話利用の安全性を向上させる。
【解決手段】電話網に、詐欺の手口の変化に柔軟に対応可能な音片データを持つデータベースと、電話呼制御が可能な詐欺対策装置を配備し、詐欺対策のサービスを享受したい電話加入者に対して着信する呼について、発信者及び着信者に、この通話は詐欺対策機能が動作するもとで呼接続される旨のガイダンスを送出し、呼接続成立後に、発信者及び着信者からの音声を音声認識し、詐欺で多用される用語を検出した際には、通話中又は呼切断後直ちに着信者又は予め設定された着信者の関係者に対して、詐欺対策装置から、先に行われた通話は詐欺である可能性が高い旨注意を喚起する。また、詐欺の可能性の高い通話を記録し、有識者に通話内容を提示し、新しい手口の詐欺に対応できる新しい用語を抽出させて新たに登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高機能電話サービスを提供する呼接続制御装置、電話端末及び電話網に係り、特に、電話を使った詐欺や悪徳商法などの犯罪を最小限に防止し、あるいは未然に防止し、電話加入者の電話利用の安全性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
振り込め詐欺・オレオレ詐欺など、電話を使って他人に詐称し、被害者を誘導して指定口座に金を振り込ませる、あるいは現金を手渡しさせるなどの犯罪があとを絶たない。これらは、警察署からの注意喚起、あるいはテレビ、ラジオ等のメディア報道による手口の紹介が幾重にも行われているにも関わらず、新たな手口が考えられ、あるいは忘れ去られた古い手口を再利用して行われている。
また、高額な商品を半強制的に売りつけるような悪意のあるセールス電話も、高齢の消費者などの脅威となっており、消費者庁などが中心となって悪徳セールスの対策を推し進めている。
一方、これまでの技術として、電話機に液晶ディスプレイを取りつけたタイプの電話機にて、電話事業者と契約することにより発信電話機の電話番号を表示するサービスが広く利用されており、電話が鳴ったときに発信者番号を確認した上で受話器を取る、という手段で悪意のある通話を撃退することも考えられる。しかし、被害者となっている人々の多くに高齢の方々がおり、そのような方々は概して液晶ディスプレイが付いておらず電話番号を表示できない電話機を使用していることが多い。そのため、発信者が誰なのかは受話器を取って話をしてみないと分からない、ということになる。この場合、犯罪者側の様々なテクニックにより話に乗ってしまい、被害を受けることに繋がることもある。
このような電話を使っての犯罪を防止するため、特許文献1では振込め詐欺防止システムを提案している。該システムにおいては、既に被害者となっている人からの届け出を契機に、音声認識技術を用いて、詐欺師の音声データによる生体情報と、詐欺師が言葉に出して指定した口座番号や犯罪に用いられやすい用語を聴取することにより、これらのデータの一致度に応じて電話受信者ならびに警察に結果を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−210085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の背景技術の欄でも述べた通り、詐欺の手口は巧妙に変化し続けており、同じ口座番号を2度と使わない場合や、通話の中に口座番号に該当する情報を言わない形態で支払わせる手口も報告されており、特許文献1の装置では新たな脅威に対する事前対策が取れず、必ず新手口の始まりには被害者が出てしまい、あるいは被害に遭っていても気づかぬままで犯罪が世に知られない可能性もある。そこで、本発明が解決しようとする第1の課題は、電話を使った犯罪から自身あるいは親族や身内などを守りたいと考える電話加入者に対して、電話を使った新たな手口の詐欺が発生した場合であっても最初の1人目の被害者を極力出さないこと、あるいは、電話を使った詐欺に気づかぬままでいることをなくすことにある。
また、詐欺師が声色を変えて通話する場合においては、既に登録されている生体情報(音声データ)との一致度合が低下する可能性が大きく、この場合においても詐欺犯罪が抽出できないことが考えられる。従って、本発明が解決しようとする第2の課題は、人間の声質に頼らずに、電話を使った詐欺で多く使われる用語を主眼に置いた音声認識技術を電話制御技術に適用することである。
更には、詐欺師らは、多人数のチームを作って犯行に及ぶ場合もあり、1回の通話の中では犯罪に用いられる用語をほとんど使わず、いくつかの別の電話番号からの電話で1つのストーリーを作り上げることがあり、システムとしては1つ1つの電話通話を詐欺犯罪としては判定できずに、結果的に電話着信者が被害を受ける可能性が考えられる。従って、本発明が解決しようとする第3の課題は、いくつかの別の電話の組み合わせによって行われる詐欺に対しても、そのそれぞれの電話を対応付けして、1つの犯罪を抽出することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、電話網に、詐欺の手口の変化に柔軟に対応できるような音片データを持つデータベースを持ち、かつ電話呼制御が可能な詐欺対策装置を配備し、詐欺対策機能によるサービスを享受したい電話加入者に対して着信する呼について、まずはじめに発信者および着信者双方に、この通話は詐欺対策機能が動作するもとで呼接続されることを明示するガイダンスを送出し、呼接続が成立した場合に、発信者及び着信者からの音声について、音声認識技術を用いて通話を認識し、詐欺で多用される用語を検出した際には、通話中あるいは呼が切断してただちに着信者あるいはあらかじめ設定された着信者の関係者に対して、詐欺対策装置から、先に行われた通話は詐欺である可能性が高い場合、詐欺対策サービス享受者やその関係者へ注意を喚起する手段を要する。また、詐欺の可能性の高い通話を記録する手段を持ち、有識者にその通話の内容を提示し、有識者から新しい手口の詐欺に対応できる新しい用語を抽出させ、該用語を詐欺対策装置に新たに登録する手段を持ち、新しい手口の詐欺への対策に備える。
【0006】
本発明の第1の解決手段によると、
発信電話機からの発呼を検出し、入力される着信電話機の電話番号に従って電話機同士を呼接続する呼接続部と、
通話音声を認識する音声認識部と、
予め記憶された複数の音声データに基づき合成音声を出力する合成音声出力部と、
を備え、
呼接続された電話機間の通話音声を認識しながら、電話を使った詐欺において多用される予め登録された詐欺用語を所定数検出すると、前記合成音声出力部と着信電話機との通信路を確保し、該着信電話機に対して注意喚起を促す合成音声を送信する呼接続制御装置が提供される。
【0007】
本発明の第2の解決手段によると、
発信電話機からの発呼を検出して呼接続する呼接続部と、
発信電話機との通話音声を認識する音声認識部と、
予め記憶された複数の音声データに基づき合成音声を出力する合成音声出力部と、
を備え、
通話音声を認識しながら、電話を使った詐欺において多用される予め登録された詐欺用語を所定数検出すると、注意喚起を促す合成音声を出力する又は注意喚起を促す画面を表示する電話端末が提供される。
【0008】
本発明の第3の解決手段によると、
上記電話端末と、
前記電話端末で検出した詐欺電話に関する情報を蓄積する情報蓄積装置と
を備え、
前記電話端末は、詐欺用語を所定数検出すると、前記情報蓄積装置に該通話に関する通話情報を送信する詐欺対策電話網が提供される。
【発明の効果】
【0009】
従来の技術においては、同じ口座番号を2度と使わない場合や、通話の中に口座番号に該当する情報を言わない形態で支払わせるような新たな手口に対して事前対策が取れず、必ず新手口の始まりには被害者が出てしまい、あるいは被害に遭っていても気づかぬままで犯罪が世に知られない可能性があった。また、詐欺師が声色を変えて通話する場合においては、既に登録されている生体情報(音声データ)との一致度合が低下する可能性が大きく、この場合において詐欺犯罪が抽出できないことが考えられた。更には、詐欺師らが大人数のチームを作って犯行に及ぶ場合に1回の通話の中では犯罪に用いられる用語をほとんど使わず、いくつかの別の電話番号からの電話で1つのストーリーを作り上げることがあり、システムとしては1つ1つの電話通話を詐欺犯罪としては判定できずに、結果的に電話着信者が被害を受ける可能性が考えられた。
これらに対して本発明では、少しでも詐欺犯罪が疑われる電話が確立した場合に、被害者側への注意喚起によって詳細確認を促し、一方、詐欺犯罪の有識者へ、情報を簡易に提供することによって、新しい手口の当初や、声質の変化、複数電話での手口、などに対しても耐性が高い詐欺対策機能が提供できる。これにより、電話を使った詐欺や、半強制的に高額な商品を売り付ける悪徳セールスから、電話加入者の電話利用の安全性を向上することができる。また、該装置及び方法を導入した電話事業者の信頼性を高め、収益の増加に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】詐欺対策装置の内部構成およびネットワーク接続構成例である。
【図2】詐欺対策サービス加入者データベースの例である。
【図3】確定した詐欺電話番号のデータベースの例である。
【図4】電話加入者データベースの例である。
【図5】詐欺対策サービス加入者に対する呼接続シーケンスの例である。
【図6】詐欺対策サービス加入者に対する呼接続シーケンスのうちの呼接続制御部が着信電話機がサービス対象であるか否かを判定する処理の例である。
【図7】詐欺対策サービス加入者に対する呼接続シーケンスのうちの呼接続制御部が発信電話番号から呼接続方法を決定する処理の例である。
【図8】詐欺対策サービス加入者に対する呼接続シーケンスのうちの呼接続制御部が発信電話番号から呼接続方法を決定する処理の例(図7の続き)である。
【図9】詐欺対策サービス加入者に対する呼接続シーケンスのうちの装置制御部が送出する合成音声を決定する処理の例である。
【図10】呼接続制御部と装置制御部との通信データの例である。
【図11】呼識別子の管理表の例である。
【図12】装置制御部と音声合成部との通信データの例である。
【図13】音声合成部の動作指示表の例である。
【図14】装置制御部と音声認識部との通信データの例である。
【図15】音声認識部の動作管理表の例である。
【図16】音声認識処理の例である。
【図17】詐欺発生を検出して着信者に呼切断後に注意喚起の音声ガイダンスを送出するシーケンスの例である。
【図18】詐欺電話発生時の処理の例である。
【図19】サービス享受者の同報者への注意喚起を行う処理の例である。
【図20】詐欺発生を検出して着信者に通話中に注意喚起の音声ガイダンスを送出するシーケンスの例である
【図21】通話中に詐欺電話発生の注意喚起を行う処理の例である。
【図22】詐欺対策サービス非加入者に対する呼接続のシーケンス例である。
【図23】詐欺対策サービス加入者に対する該加入者に向けて呼接続が発生した場合で既に発信電話番号が詐欺の可能性が高い場合で該加入者が呼接続を望む場合の呼接続シーケンス例である。
【図24】詐欺対策サービス加入者に対する該加入者に向けて呼接続が発生した場合で既に発信電話番号が詐欺の可能性が高い場合で該加入者が呼接続を望まない場合の呼接続シーケンス例である。
【図25】詐欺が確定した電話番号からの発信の場合の呼接続シーケンスの例である。
【図26】詐欺対策サービス加入者に対する該加入者が身内などであるためサービ不要と認めている相手との呼接続のシーケンス例である。
【図27】サービス加入者が詐欺があったか否かを申告するシーケンスの例である。
【図28】先の電話が詐欺であったか否かの申告の処理の例である。
【図29】先の電話が詐欺であったか否かの申告の処理の例(図28の続き)である。
【図30】先の電話が詐欺であったか否かの申告の処理の例(図29の続き)である。
【図31】先の電話が詐欺であったか否かの申告の処理の例(図30の続き)である。
【図32】音声合成部の動作指示表の例(図13の続き)である。
【図33】詐欺対策装置間の通信データの例である。
【図34】通話データベースの例である。
【図35】詐欺電話発生時の装置操作部の動作の例である。
【図36】装置操作部での情報抽出方法の例1である。
【図37】装置操作部での情報抽出方法の例2である。
【図38】詐欺対策装置内での新用語のデータベース作成方法の例である。
【図39】他欺対策装置への新用語の通信の例である。
【図40】確定した詐欺電話番号のデータベースの操作の例である。
【図41】電話を使ったサービス契約方法のシーケンスの例である。
【図42】電話を使ったサービス契約方法の例1である。
【図43】電話を使ったサービス契約方法の例2である。
【図44】電話を使ったサービス契約方法の例3である。
【図45】電話を使ったサービス契約方法の例4である。
【図46】電話を使ったサービス契約方法の例5である。
【図47】電話を使ったサービス契約方法の例6である。
【図48】電話を使ったサービス契約方法の例7である。
【図49】電話を使ったサービス契約方法の例8である。
【図50】電話を使ったサービス契約方法の例9である。
【図51】電話を使ったサービス契約方法の例10である。
【図52】電話を使ったサービス契約方法の例11である。
【図53】装置制御部と音声合成部との通信データの例(図12の続き)である。
【図54】音声合成部の動作指示表の例(図32の続き)である。
【図55】音声合成部の動作指示表の例(図54の続き)である。
【図56】注意喚起情報を電子メールで送る際のネットワーク構成例である。
【図57】注意喚起情報を電子メールで送る際のサービス加入者データベースの構成例である。
【図58】注意喚起情報を電子メールで送る際の呼接続制御部と装置制御部との通信データの例である。
【図59】注意喚起情報を電子メールで送る際の装置制御部と音声合成部との通信データの例である。
【図60】注意喚起情報を電子メールで送る際の音声合成部の動作指示表の例である。
【図61】詐欺対策装置間の通信データの例(図33の続き)である。
【図62】詐欺対策機能付き電話機の構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、電話を使った詐欺の対策装置1が適用される電話網の接続形態と、該詐欺対策装置1の内部機能の構成図である。
詐欺対策装置1は、電話網30を介して他の詐欺対策装置2と接続され、電話網32を介して加入者電話機40や携帯電話機42を収容する携帯電話基地局41と接続する。尚、詐欺対策装置1は、電話網30及び電話網32について、呼の接続要求などの制御信号を通信する呼制御線35ならびに呼制御線37と接続し、また音声信号を通信する通話路線36ならびに通話路線38と接続する。電話網30には、各電話加入者のサービス契約形態やサービス提供料金等を管理するオペレーションセンター50が接続している。また、電話網30には、詐欺対策機能を持たない呼接続制御装置60が接続することもある。詐欺対策装置2については、端末側に電話網34を介して加入者電話機43や携帯電話機45あるいは携帯電話46を収容する携帯電話基地局44と接続する。ここまで述べた電話網30と電話網32と電話網34は、同一事業者の網であってもよいし、別々の事業者の網であっても良い。
詐欺対策装置1の内部構成は、呼接続要求が発せられたときに呼の接続状態を制御しデータベースに登録されている提供サービス内容によって呼の接続状態を制御する呼接続制御部11と、呼接続制御部11からの設定により通話路の接続を行う、いわゆる時分割スイッチ等で実現できる多数の呼を同時接続できる呼接続処理部12と、通話の最中において人の声を実時間でテキスト化し、あるいは録音し、特に詐欺犯罪で多用される言葉を認識した場合には該用語に対してマーキングを施す機能を有するとともに、PBR(Push Button Receiver)機能やDPR(Dial Pulse Receiver)機能を有する音声認識部13と、詐欺防止サービスにおいて本サービス適用通話であることを明示したり、既に呼切断した通話が詐欺である可能性が高いことを警告したり、本サービスへの契約内容登録状態を案内したりする音声ガイダンスを送出する音声合成部14と、音声認識部13にて得る認識結果を基に通話内容の表示処理や呼接続処理の仕方の判断の基となる判定情報を通知したり、通話者に対して送出する音声ガイダンスの内容を決定する機能を持つ装置制御部15と、該詐欺対策装置1の配下に接続している加入者電話において詐欺対策サービスに加入している加入者電話番号を登録し、該加入者電話番号登録に対する通話時の発信元の電話番号や、該サービス加入者が詐欺の被害に遭う可能性が高い場合に通知すべき連絡先の電話番号や、明らかに詐欺犯罪の起こり得ない例えば親族の電話番号と、を格納したサービス加入者データベース部10と、該サービス適用下における通話の内容をテキストや録音、ならびに該当の通話が行われた発着電話番号や日時を保存しておく通話ログデータベース16と、音声認識部13が音声認識処理を実行する上において参照する音声データを格納する認識用音声データ部17と、音声合成部14において該サービスに係るガイダンスを作成する元データとなる音声データを格納する合成用音声データベース部18と、を備える。
【0012】
また、詐欺対策装置1は、ある通話において詐欺犯罪が発生した可能性が高い場合に装置制御部(判定部)15から発せられる警告を表示したり、その通話に関する通話内容を格納する通話ログデータベース16の内容を表示したり、新しい詐欺手口に対してその対策となる音声認識用の音声データを編集し認識用音声データベース17に登録したり、新しい詐欺手口に対してその警告やその対処方法を通知する音声データを編集し合成用音声データベース18に登録したり、サービス加入者データベース10の内容を編集・登録・変更などの操作を行う詐欺装置操作部20に接続している。尚、詐欺装置操作部20は、例えば1台のパソコンやワークステーションでも良いし、またはLANなどのIP網を介した別々のパソコンやワークステーションで実現しても良い。なお、詐欺対策装置2の構成も詐欺対策装置1と同様である。

図2は、サービス加入者データベース部10の内部にあるサービス加入者データベース100の構成図である。サービス加入者データベース100は、詐欺対策サービスに加入する第一番目の加入者に関するデータを格納する加入者一データ格納領域111と、該サービスに加入する第二番目の加入者に関するデータを格納する加入者二データ格納領域112と、同様にK番目まで続き該サービスに加入する第K番目の加入者に関するデータを格納する加入者Kデータ格納領域11Kとを有する。また、サービス加入者データベース100は、該サービス加入者の電話番号を格納する加入者電話番号データ格納領域130と、該サービス加入者へ着信した電話が詐欺の可能性が高いと判定された場合に注意を喚起するガイダンスを流す先として登録される第1〜L番目の電話番号を格納する同報番号一格納領域151〜同報番号L格納領域15Lと、該サービスを享受している電話加入者と制約無く通常接続して良く、該サービス装置の動作を行わない対象とする第1〜M番目の電話番号を格納する接続許可番号一格納領域171〜接続許可番号M格納領域17Mと、該サービス加入者に着信する電話の中で該サービス装置が詐欺犯罪の可能性が高いと判定される第1〜N番目の発信電話番号を格納する被疑番号一格納領域191〜被疑番号N格納領域19Nと、を含む。なお、上述のK、L、M、Nは適宜の自然数である。
詐欺対策サービスを享受したい電話加入者は、電話事業者と契約することで、サービス加入者データベース100の加入者電話番号データ格納領域130の列の最後尾第(K+1)番目に登録される。同時に、詐欺犯罪の可能性がある電話がかかってきた場合に、例えば自分の子供達などの親族や身内にも、該加入者宛てに詐欺電話がかかってきたという警告を配信するために、該加入者の親族や身内の電話番号を、同報番号一格納領域151から同報番号L格納領域15LまでのL個登録することができる。また同様に、例えば自分の子供達や身内などの明確に信頼がおける人からの電話着信に関しては、該サービスの冗長な動作を飛ばして通話ができるように、該加入者の子供達や身内の電話番号を、接続許可番号一格納領域171から接続許可番号M格納領域17MまでのM個登録することができる。
該詐欺対策サービスの享受者宛てにN回の詐欺犯罪の可能性が高い通話が行われたと判定された場合には、該通話の発信電話番号を、該サービス享受者と対応付けた被疑番号一格納領域191から被疑番号N格納領域19NまでのN個を記憶しておき、通話終了以降の処理を行う情報とする。尚、該データベース100は、そのデータの取得方法や登録内容についてはこれまでに無い独自のものであるが、データベースの構成実現手段としては、各サービス加入者毎に情報量が異なる場合が多いので、既存のリレーショナルデータベース方式等を用いて記憶容量の節約を行えば良い。該サービス加入者データベース100の自動生成方法については後述する。
【0013】
図3は、詐欺対策サービスにおいて、詐欺で使用された電話番号として確定された、詐欺確定電話番号データベース300である。本データベース300は、サービス加入者データベース部10の中にあり、詐欺に利用された電話番号である確定詐欺電話番号一(301)から確定詐欺電話番号P(30P)の格納領域を持ち、後述の通り詐欺対策装置間で通信することによって、全ての詐欺対策装置が同一のデータベース300を持つこととなる。また、詐欺対策サービス享受者に着信する場合に、呼接続制御部11が呼の接続が許容されるか否かを判定するために、最初の動作として発信電話番号を照会するのが本データベース300である。尚、本データベースに登録されている電話番号は、詐欺対策サービス享受者向けには決して着信できないため、たとえ該当の電話加入契約が解除されても、再利用できない電話番号が多数発生する可能性が高い。従って、本データベース300に登録された電話番号は、契約解除がなされた場合に、詐欺対策装置操作部20を使って消去することができる。該消去処理については、後述する。
【0014】
図4は、電話の加入者データのデータベースを示す図である。該データベース400は一般的に電話事業における交換機や呼接続サーバーなどに用いられる加入者データベースに情報を追加したものであるが、本発明においては特に電話を使った詐欺の発生した可能性が高い場合の同報通信や、本サービスへの自動登録の際に用いる。加入者データベース400について説明すれば、加入者がQ人(Qは自然数)登録されておりそれぞれ411から41Qの範囲で個人情報を記憶してある。それぞれの記憶内容は、加入者電話番号420と、加入者氏名430と、音声データ送出の際に用いるシメイデータ440と、メールアドレス450とを含む。また、一般的に各個人が自由に選択できる電話サービスとして、例えば電話番号表示サービスなどがあるが、このような契約サービスを示す領域である契約サービス一(461)から契約サービスR(46R)も存在するが、本発明においてはこれらのデータは使用しないので特に明記しない。
【0015】
図5は、詐欺対策サービス加入者に対する呼接続シーケンスの例である。本例では、詐欺対策サービスに加入している電話機40に対して、電話機46から呼接続が行われることとして説明する。まず、電話機46から電話機40の電話番号、例えば図2の領域112の領域130に該当する電話番号「8612410」にダイヤルして発呼し、詐欺対策装置2に接続要求501を行う。この際の接続要求501にあたる呼接続制御信号については、SIP(Session Initiation Protocol)や、共通線信号方式などを用いればよい。詐欺対策装置2は、電話機46の接続要求501を受けて、詐欺対策装置1内部の呼接続制御部11に接続要求502を通知する。呼接続制御部11は、詐欺対策装置2から通知された着信電話番号「8612410」について、サービス加入者データベース10にアクセス503をして、サービス加入者データベース部10の中のサービス加入者データベース100のうち、加入者電話番号130の第1番目から第K番目を読み出す(504)。読みだしたデータ群(例えば加入者電話番号130)と着信電話番号の照合を行って、該着信電話番号が詐欺対策サービスに加入しているか否かを判定する。この判定処理A1(600)については図6において説明する。この例では該着信電話番号「8612410」は加入者データベース100の加入者番号112である第2番目に存在するという結果を得る。この結果から呼接続制御部11は、発信側に在る詐欺対策装置2に対して、発信電話番号の通知を要求505する。詐欺対策装置2は、発信電話番号の通知の要求505を受けて、呼接続制御部11に発信電話番号を通知506する。呼接続制御部11は、受信した発信者電話番号を記憶し、加入者データベース部10の中にある詐欺確定電話番号データベース300を読み出し、そのP個のデータ群と発信電話番号を照会して、同じ番号が存在するか否かを判定する。この判定処理A2(620)については図7において説明する。この説明においては、A2の判定処理の結果、該当の発信電話番号については、確定詐欺番号、被疑番号、接続許可番号のいずれでもなかったとする。呼接続制御部11は、後述図10に示す通知1を装置制御部15へ送信510し、続いて呼接続制御部11は呼接続処理部12へ発信電話機46と、音声合成部14と、音声認識部13と、着信電話機40と、の通話路を確保する指示を出す(511)。この指示により呼接続処理部12は、発信電話機46との通話路を確保(512)し、音声合成部14との通話路を確保(513)し、音声認識部13との通話路を確保(514)する。一方で、装置制御部15は、音声合成部14を起動(515)し、音声認識部13を起動(516)する。呼接続処理部12は、着信電話機40への通話路を確保するとともに呼び出しを行う(517)。着信電話機40がオフフックされるとオフフック情報が呼接続制御部11に通知されて(518)、オフフックを検出した呼接続制御部11は装置制御部15へ着信電話機から応答があったことを通知する(519)。この通知を受けて装置制御部15は、音声合成部14に音声ガイダンス送出指示を出し(520)、音声合成部14は着信電話機40と発信電話機46の発着双方へ向けて、例えば「この通話は、電話を使った詐欺の対策サービスのもとでお繋ぎします。」のような合成音声を送出(521および522)する。このような音声ガイダンスを流すことにより、この時点で、真に悪意のある場合は発信電話機側が呼切断する可能性が大きい。このガイダンスが送出完了した時点で、発着双方が呼切断していなければ通話(523および524)が始まる。この通話は音声認識部13が音声認識および録音を行っていて(525)、実時間で通話ログデータベース部16に格納されていく(526)。この通話ログのうち、音声認識部13によって音声がテキストに変換されたデータを装置制御部15が読み出し、詐欺用語の有無を監視する(527)。処理526および527は併せて処理C(800)として後述する。また、詐欺発生時には着信者に注意喚起する音声ガイダンスを送出する処理D1(820)を行うが、本処理についても後述する。
【0016】
図6は、前述した図5で用いられている処理A1(600)の処理の流れ図の例である。
処理A1(600)が動作すると、まず初めに、既に呼接続制御部11が受信している着信電話番号について、これをαに格納(601)する。次に変数βを規定して、初期値として0を設定(602)する。変数βはサービス加入者データベース100の加入者番号130の1番目からK番目までの範囲で変動するものである。βへ(β+1)を格納(603)、つまり1番初めの段階ではβ=0+1=1となるので、β=1を格納する。このβの値についてサービス加入者データベース100の第β番目に対応する加入者電話番号をγとして(604)、着信電話番号であるαの値とを突き合わせ(605)して、αとγの値が同じで有るか否かを判定(606)する。ここで、αとγの値が異なる場合は、さらにβが第K番目であるか否か、つまりサービス加入者データベース100の加入者電話番号130の最後尾にまで到達したか否かを判定(607)する。もし、βがK番目に到達していなければ、処理603に戻り、βに更に1を加えて前述同様の処理を進める。もし、βとKの値が同じになったら、着信電話機40は詐欺対策サービス享受者ではないと結論付けられ、呼接続制御部11は呼接続処理12へ発信電話機46と着信電話機40の呼接続指示へ移行(608)することになり、通常呼接続を行うこととなる。この通常呼接続となるシーケンスは図22にて示す。もし、判定処理606において、αとγが一致した場合は、着信電話機40は詐欺対策サービス享受者であると結論付けられ、呼接続制御部11は発信側の詐欺対策装置2へ発信電話番号の通知要求へ移行(609)し、前述の図5に示すシーケンスを実行する。尚、処理609に関しては、既に発信側詐欺対策装置から呼接続要求があった際に、呼接続要求データの中に発信電話機の電話番号情報が含まれて通知される場合もあるので、割愛することも可能である。一方、発信電話機から電話番号非通知の上での呼接続要求が発生した場合で、着信電話機を収容する詐欺対策装置が発信電話番号を取得できないとき、本詐欺対策サービスの提供下においては、詐欺対策装置間で強制的に発信電話番号を通信しあうと規定しても良いし、電話番号非通知では呼接続は行わないと規定してもよい。
【0017】
図7は、前述した図5で用いられている処理A2(620)の処理の流れ図の例である。
処理A2(620)が動作すると、まず初めに、既に呼接続制御部11が受信している発信電話番号について、これをδに格納(621)する。次に変数εを規定して、初期値として0を設定(622)する。変数εは、その値によって参照するデータベース領域が変わり、εが1のときは確定詐欺電話番号データベース300を、εが2のときはサービス加入者データベース100の中の接続許可番号領域(171から17M)を、εが3のときはサービス加入者データベース100の中の被疑番号領域(191から19N)を参照する。初期値0であるεに(ε+1)、すなわち0+1=1の値を格納(623)して、そのεの値を判定624して、εが1ならばζに確定詐欺電話番号の最後尾値であるPを格納625し、εが2ならばζに接続許可番号の最後尾値であるMを格納626し、εが3ならばζに被疑番号の最後尾値であるNを格納627する。次に、変数ηを規定して、初期値として0を設定(628)する。変数ηは各データベース参照領域の電話番号の1番目から最後尾までの範囲で変動するものである。ηへ(η+1)を格納(629)、つまり1番初めの段階ではη=0+1=1となるので、η=1を格納する。このηの値についてεで定まる参照先領域の第η番目に対応する電話番号をθに格納(630)して、発信電話番号であるδとθを比較631する。δとθの番号が同一となる場合には処理633へ移行するが、δとθの番号が異なる場合には変数ηと各データベース領域の最後尾の値であるζとの比較634を行う。ηとζが不一致であるならば、参照データベースの最後尾まで照合ができていないので処理629に戻り、繰り返し処理を行う。ηとζが一致するのであれば、参照データベースの最後尾まで照合が完了したことになり、εの値を確認635する。もし、εの値が1または2の場合には、まだ他のデータベースを参照する余地があるので、処理623に戻って繰り返し処理を行う。εの値が3になったならば、処理A2(620)で参照する3つのデータベース領域に該発信電話番号は存在しないので、A6(660)に移行する。
処理632において、発信電話番号がデータベースの中から見つかったとき、εの値に従って(633)処理は3つに分岐する。すなわち、発信電話番号が、確定詐欺電話番号か、接続許可番号か、被疑番号かにより処理が分岐する。εが1の場合はA4(640)へ移行し、εが2の場合は呼接続処理部12へ発信電話機46と着信電話番号40との呼接続指示を通知し、εが3の場合はA5(650)へ移行する。
【0018】
図8は、前記図7に示したA4(640)およびA5(650)およびA6(660)以降の処理の流れの例を示す図である。
A4(640)は、発信電話番号が確定詐欺電話番号であると判定されたときに動作する。まずA4(640)では、呼接続制御部11が装置制御部15へ後述する通知1をパラメータ3を含めて送信641する。続いて、呼接続制御部11が呼接続処理部12へ発信電話機46と音声合成部14との呼接続を指示642して処理を完了する。
A5(650)は、発信電話番号が被疑電話番号であると判定されたときに動作する。まずA5(650)では、呼接続制御部11が装置制御部15へ後述する通知1をパラメータ2を含めて送信651する。続いて、呼接続制御部11が呼接続処理部12へ発信電話機46と音声合成部14との呼接続を指示652する。次に、呼接続制御部11が呼接続処理部12へ着信電話機40と音声合成部14との呼接続を指示653する。次に、呼接続制御部11が呼接続処理部12へ着信電話機40と音声認識部13との呼接続を指示654して処理を完了する。
A6(660)は、発信電話番号が確定詐欺電話番号、接続許可番号、被疑番号のいずれでもないときに動作する。まず処理A6(660)では、呼接続制御部11が装置制御部15へ後述する通知1をパラメータ1を含めて送信661する。続いて、呼接続制御部11が呼接続処理部12へ発信電話機46と音声合成部14との呼接続を指示662する。次に、呼接続制御部11が呼接続処理部12へ着信電話機40と音声合成部14との呼接続を指示663する。次に、呼接続制御部が呼接続処理部12へ発信電話機46と音声認識部13との呼接続を指示664する。更に、呼接続制御部11が呼接続処理部12へ着信電話機40と音声認識部13との呼接続を指示665する。最後に呼接続制御部11が呼接続処理部12へ発信電話機46と着信電話機40との呼接続を指示666して処理を完了する。
【0019】
図9は、前述図5で用いられている処理B(700)の処理の流れの例を示す図である。処理B(700)ではまず、装置制御部15が呼接続制御部11からの通知を検出701する。通知の内容の詳細については後述するが、通知データの中のパラメータが3であれば(702)、装置制御部15は音声合成部14に後述する動作指示4を通知706する。もしパラメータが3でなく(702)、2であった場合703には、装置制御部15は音声合成部14に後述する動作指示2を通知705する。もしパラメータが2でもなく(703)、1であった場合には、装置制御部15は音声合成部14に後述する動作指示1を通知704する。
【0020】
図10は、呼接続制御部11と装置制御部15の間で通信される指示データの構成例を示す図である。指示データ750は、例えば通知番号領域751と、呼識別子領域752と、通知内容領域753と、付加情報領域754と、の4つのデータ領域から構成されている。通知番号751は、呼接続制御部11と装置制御部15との互いにどのような動作へ移行させるかを決定させるための指示データであり、図10で示したような構成にて、任意の整数値で表現する。呼識別子752は、接続した呼について、どの電話機とどの電話機がつながったかを一意に特定するために用いるものであり、任意の整数値で表現する。通知内容753は、通知番号751の動作指示をより詳細に規定したものであり、図10で示したような構成にて、任意の整数値で表現する。付加情報754は、動作指示を実行する上で必要な付加情報を包含するもので、整数値のほか、文字コードなどで表現する。
【0021】
図11は、前述図10で述べた呼識別子に関する情報で、呼接続制御部11にて作成、管理される呼識別子の管理表の例である。呼識別管理表760は、任意の整数値で表される呼識別子と、発信電話番号と、着信電話番号と、が関連付けられて格納される。例えば、呼接続処理の適宜のタイミングで各情報が格納され、呼切断により削除される。
【0022】
図12は、前述図9で述べた装置制御部15から音声合成部14への動作指示通知の概略を示す図である。動作指示通知データ770は、動作指示領域771と、付加情報領域772と、から構成される。動作指示771は、音声合成部14が、音声ガイダンスの送出準備、音声ガイダンス送出、音声ガイダンス停止、といった動作を指示するものであり、図12に示すような構成にて、任意の整数値で表現する。付加情報772は、動作を実施するにあたって必要な情報、例えば電話番号や人名など、を包含する領域であり、整数値や文字コードなどで表現する。
【0023】
図13は、前述図12で示した通知データを受けて音声合成部が送出するガイダンスをまとめた表の例である。図13における動作指示の番号は、図12における動作指示番号と対応しており、発着信双方に同じガイダンスを流す場合や、発着信別々のガイダンスを流す場合などを規定している。また、図12の通知データの付加情報に包含された電話番号や人名を音声化して流すことを規定している。
なお、図13における動作指示5のガイダンス内容では、“家族”や“警察”へ連絡をとるように設定した例を示したが、後述の図36、図37、図38、図39で示すが、音声認識の結果に従って連絡する先を例えば“税務署”のような言葉に変更して音声ガイダンスを送出すれば、電話加入者へ適切な機関への連絡を促すようにすることができる。このとき、図15の動作指示2に示す詐欺監視用の認識データでは、通報先を示すことができるような用語、例えば“ケイサツ”“ギンコウ”“ベンゴシ”などについては、特殊な付加情報として、認識した場合に図16の処理814において特別の特殊記号で囲って強調すれば良い。
【0024】
図14は、装置制御部15が音声認識部13へ動作指示する際に用いる通知データの構成の例を示す図である。通知データ790は、動作指示領域791と、付加情報792と、から構成される。動作指示791は、1:接続確認、2:詐欺監視、3:申告認識、4:契約認識、と分類することにより動作様式を変更して、参照する音声認識用データを変更ができるようにし、また、99:認識停止にて音声認識処理の停止を指示する。付加情報792は、拡張用として用いる。
【0025】
図15は、前記図14で示した動作指示に基づく音声認識部13の動作について規定した表の例である。図15の動作指示は、前記図14の通知データ内の動作指示と対応している。例えば、動作指示が1:接続確認である場合、音声認識部13は着信側を対象として音声認識する。また、接続確認の場合は、認識すべき単語数が大きく絞り込め、「ハイ」「イイエ」「ツナグ」「ツナガナイ」等といった単語を認識対象単語とする。2:詐欺監視、3:申告認識、4:契約認識、についても同様である。
【0026】
図16は、前記図5において述べた処理C(800)についての流れの例を示す図である。まず、本処理Cでは、音声認識部13と装置制御部15と通話ログデータベース部16とが連携して動作する。装置制御部15の動作から説明すると、装置制御部15は通話の音声認識開始直前に、変数sを規定して、初期値として0を設定(801)する。続いて、後述するような通話ログデータベース16に音声認識部13から書き込まれる音声認識結果のテキストデータを読み取り(802)、詐欺用語の存在有無を判定803する。ここで“詐欺用語”とは、「オレオレ」「わたしわたし」「銀行」「口座」「振込んで」など、振込め詐欺で頻繁で用いられる、予め詐欺対策装置1に登録された語句のことである。もしここで、“詐欺用語”が1件抽出されたらば、装置制御部15は“詐欺用語”の個数1を変数sに加える(805)。
この変数sが、あらかじめ設定してあるしきい値thを越えないうちは(806)、処理802から処理806を繰り返し実行する。もし、変数sがしきい値thを越えたならば、装置制御部15は装置操作部20に警告通知を送信(807)して、通話中の電話が詐欺の電話である可能性が高いことを当局に知らせる。また、装置制御部15は音声合成部14に動作指示5を送信することとする(808)。
前記処理803において“詐欺用語”が抽出されていない状況においては、処理805から処理808までは実施せずに、呼が切断するか否かの通知を検出(809)するまでは処理802から処理809までを繰り返し実行する。もし、呼切断通知を検出したときは、装置制御部15は音声認識部13に動作指示99、すなわち動作終了指示を出して、もしs≧thが成立するならば(819)、処理D1(820)へ移行する。
一方、音声認識部13は、通話中の音声を認識811しており、“詐欺用語”を検出812した場合には、その詐欺用語を特殊記号、例えば“*”のような特殊文字で詐欺用語を囲った形態でテキスト化814して、例示すれば「*オレオレ*」のようなテキストを作成して、通話ログデータベース16に音声認識結果のテキスト書き込み815を実施する。詐欺用語が検出されていない状況化においては、認識した言葉をそのままテキスト化813してテキスト書き込み815する。また、音声認識部13は、通話音声を認識すると同時に音声を録音816して通話ログデータベース部16へ録音データを格納(817)する。
これら一連の処理を、音声認識部13は装置制御部15から動作停止指示を受信818するまで、繰り返し処理する。
なお、処理814において、図15の動作指示2の詐欺監視用データのうち、“ケイサツ”“ギンコウ”“ベンゴシ”などの問い合わせ先を電話加入者に知らせることができる用語については、例えば“$”のような前述“*”とは異なる特殊文字で囲えば、以降の処理になる注意喚起の音声ガイダンスに、適切な問い合せ先を入れ込んで送出することができる。
【0027】
図17は、音声認識処理の結果、詐欺が発生したと検出された場合の動作シーケンスの例を示す図である。523から527までは既に述べた通りであり、ここまでの処理で詐欺が発生したことを検出したとする。呼接続制御部11は、着信者からの呼切断信号を検出して、装置制御部15へ呼切断信号を受信したことを通知する。この後、装置制御部15と呼接続制御部11と装置操作部20が、後述する処理D1(820)へ移行して、着信者へ注意喚起する音声ガイダンスを送出する。その後、装置制御部15は処理E1(870)へ、呼接続制御部11は処理E2(880)へ移行して同報者へ注意喚起の音声ガイダンスを送出する。以下、処理D1(820)、処理E1(870)、処理E2(880)について説明する。
【0028】
図18は、前述図17の中にある処理D1(820)についての処理の流れの例を示す図である。まず、本処理D1では、装置操作部20と装置制御部15と呼接続制御部11とが連携して動作する。装置制御部15の動作から説明すると、装置制御部15は音声認識の結果、“詐欺用語”の検出数があらかじめ設定したしきい値を超えたこと、すなわち詐欺の可能性が高い電話であることを、呼接続制御部11へ呼識別子を通知821することで知らせる。つづいて、装置制御部15は本装置のモニタリングを行う機能を有する装置操作部20へ詐欺電話が発生した可能性が高いことを通知822する。これらの通知の後、装置制御部15は音声合成部14を起動823させて、呼接続制御部11から呼接続したことの通知を受けて(824)、音声合成部14へ音声ガイダンス送出を指示する(825)。ここで送出する音声ガイダンスは例えば図13を参照して「只今の電話は詐欺の電話である可能性があります、ご家族にご確認するか、最寄りの警察にご相談下さい。」といった内容となる。また、このときのガイダンスには、後述するサービス加入者からの判定の認識処理行うために、サービス加入者から情報の提供を受ける必要があり、「なお、只今の電話が詐欺であったか、詐欺でなかったかが判明した際には、電話番号XYZにお知らせ下さい。」といった内容のガイダンスを併せて送出する。音声ガイダンス送出の後、呼が切断されたことを示す通知を受けて(826)、装置制御部15は音声合成部14に音声ガイダンス送出停止、ならびに動作停止を指示(827)して、処理E1(870)へ移行する。
次に、呼接続制御部11について説明すれば、呼接続制御部11は装置制御部15からの通知を受信して(830)、呼接続処理部12に音声合成部14と着信電話機40との接続831と、着信電話40の呼び出しを指示832する。この呼び出しに対して着信電話機が応答、すなわちオフフックしたとき、呼接続制御部11はオフフックを検出833して、装置制御部15へ呼が接続されたことを通知834する。音声合成部14から着信電話機への音声ガイダンス送出ののちに着信電話機がオンフックされたとき、呼接続制御部11はオンフックを検出835して、装置制御部15に呼が切断されたことを通知836し、呼接続処理部12へ通話路の開放を指示837する。最後に、呼接続制御部11は既に装置制御部15から通知されている呼識別子に対応する発信電話番号を抽出して、この発信電話番号を、サービス加入者データベースの中の被疑番号の最後尾に登録838して処理E2(880)へ移行する。
装置操作部20においては、装置制御部15からの警告通知を受けて警告を表示し(840)、操作者の操作待ち状態となる(841)。操作者の操作に関する処理は後述の処理Hにおいて説明する。
【0029】
図19は、前述図17で述べた処理E1(870)と処理E2(880)についての処理の流れの例を示す図である。処理E1(870)は装置制御部15が行う処理であり、処理E2(880)は呼接続制御部11が行う処理である。本処理では装置制御部15と呼接続制御部11とが連携して動作し、詐欺電話サービス契約者宛てに詐欺の疑いが高い電話が発生したときに、図2に示す同報番号1から同報番号Lへ、注意喚起を行うガイダンスを送信する処理となる。
まず、呼接続制御部11の動作から説明すると、呼接続制御部11は、あるサービス加入者の同報者の数を表す変数iに初期値0を設定881する。変数iはサービス加入者電話番号に対応する図2の同報番号領域151から15Lの範囲で変動するものである。iへ(i+1)を格納(882)、つまり1番初めの段階ではi=0+1=1となるので、i=1を格納する。このiの値について第i番目に対応する同報番号を読み取りする(883)。ここで、同報番号のデータが有れば(884)、第i番目の同報番号へ発呼(885)して、同時に発呼通知を装置制御部15に対して行う(886)。この通知の中はサービス加入者の氏名を含む内容となっており、この氏名データに関しては、呼接続制御部11が、図2で示すサービス加入者データベース100の第β番目の加入者電話番号と、図4に示す加入者データベース400の加入者電話番号420と、の照合を行った上で、整合のとれた電話番号に対応するシメイ(音声用)データ440を用いることとなる。この処理に続き、呼接続制御部11は呼接続処理部12へ音声合成部と同報番号電話機との通話路接続を指示(887)を出し、さらに呼接続処理部12へ同報番号i電話機への接続および呼び出しを指示する。同報番号iのオフフックが検出888されると、呼接続制御部11は装置制御部15へ呼接続確立を通知して音声ガイダンスの送出を促す。そののち、同報番号iのオンフックが検出890されると、呼接続制御部11は装置制御部15へ呼切断を通知して音声ガイダンスの停止を促す。また、呼接続処理部12へ該当の呼の開放を指示892する。ここまでの流れを終えると、処理は882に戻り、さらにiに1を加えた同報番号について処理を実施する。
判定処理884において、同報番号がこれ以上無いとされる場合は、処理を完了するが、ここまでの処理の中で電話に出られなかった同報者がいる場合に対処するため、電話に出られなかった同報番号iとシメイデータを記憶893しておき、あらかじめ設定した時間後にリダイヤル(894)する。
一方、装置制御部15における処理E1(870)においては、呼接続制御部11からの発呼通知を受けて、音声合成部14を起動し、通知された情報から、サービス加入者の氏名データを音声合成部14へ伝達(871)する。続いて、音声合成部14へ音声ガイダンス送出指示872を出すが、ここで用いられる音声ガイダンスは図2、図4、図13を参照すると例えば「只今、<タカハシヒロシ>様宛に詐欺の疑いがある電話がありました、早急に<タカハシヒロシ>様とご連絡をお取り下さい。」というような注意を喚起する内容のものとなる。装置制御部15は、呼接続制御部11からの呼切断通知を受けて、音声合成部14の動作を停止873させて同報者への音声ガイダンス送出処理を終了する。
【0030】
図20は、前述図17の処理と別方式を実現するためのシーケンスの例を示す図である。本シーケンスでは、通話中に詐欺が発生した場合に、通話中に着信者に注意喚起する音声ガイダンスを送出する場合のシーケンスであり、処理C(800)の音声認識中に、詐欺である可能性が高いと判定されたときに、処理D2(850)が動作する。処理D2(850)を図21にて説明する。
【0031】
図21は、前述図18における方式を実現するための処理の流れを示す図である。本処理D2は、図16における処理808と置き換えることによって、通話の最中に着信者に注意喚起を行えるものである。まず装置制御部15の動作について説明すると、処理851は上述の処理821と、処理852は上述の処理822と、同様である。処理853では、音声合成部14から音声ガイダンスを送出させるが、ここでは通話中であるので、発信電話機から着信電話機方向への音声データにガイダンスの音声データを重畳させることにより、着信者へ注意喚起を伝える。以下、処理854から処理866については図18と同様の処理となる。
【0032】
図22は、前述の図6の処理において、着信電話が詐欺対策サービス提供外であると判定した場合の処理シーケンスである。処理A1(600)において次の処理は呼を通常接続することと設定された後、呼接続制御部11は呼接続処理部12へ発信電話機46との通話路確保と、着信電話機40の呼び出しを指示する(530)。呼接続処理部12は、発信電話機46の通話路を確保し(531)、続いて着信電話機40との通話路を確保して呼び出しを行う(532)。着信電話機40でオフフックが行われると、オフフック情報が呼接続制御部11に通知され(533)、これを検出した呼接続制御部11は呼接続処理部12に発信電話機46と着信電話機40の呼接続を指示し(534)、発信電話機46と着信電話機40の通話が確立される(535)。
【0033】
図23は、処理A2(620)において発信電話番号が被疑番号である場合の呼接続シーケンスの例を示す図である。処理A2(620)が完了した後、呼接続制御部11は、発信電話番号が被疑番号であると検知した場合に、装置制御部15へ該発信電話番号は被疑番号であることを通知する(540)。続いて呼接続制御部11は、呼接続処理部12へ発信電話機46と、音声合成部14と、の通話路を確保する指示を出す(541)。この指示により呼接続処理部12は、発信電話機46との通話路を確保(542)し、音声合成部14との通話路を確保(543)する。一方で、装置制御部15は、音声合成部14を起動して音声ガイダンス送出指示を出し(544)、音声合成部14は発信電話機46へ向けて、図13の動作指示2に示すように例えば「あなたが使われている電話は詐欺に使われている可能性が大きいと認定されています。」というようなガイダンスを呼切断が起こるまで繰り返し送出(545および546)し続ける。このガイダンスが送出されている間に、呼接続処理部12は、音声認識部13の通話路の確保(547)と、着信電話機40との通話路を確保するとともに着信電話機40の呼び出しを行う(548)。着信電話機40がオフフックされるとオフフック情報が呼接続制御部11に通知されて(549)、オフフックを検出した呼接続制御部11は装置制御部15へ着信電話機から応答があったことを通知する(550)。この通知を受けて装置制御部15は、音声合成部14に音声ガイダンス送出指示を出し(552)、音声合成部14は着信電話機40へ向けて、図13の動作指示2のように例えば「只今、詐欺の可能性の高い電話番号からの電話がかかってきております、電話番号は<0567668233>です、お繋ぎしますか」のようなガイダンスを送出553して、着信者の判断を仰ぐ。この図23では1例として、着信者が接続を許可する場合について示す。前述ガイダンス送出553に対して、着信者は「はい」「つなぐ」などの呼接続をすることについて肯定的な回答をした場合(554)、音声認識部13がその回答を認識して通話ログデータベース16にその情報を格納する(555)。装置制御部15は、通話ログデータベース16にアクセス(556)して書き込まれた回答を読み出し(557)、その回答が肯定的であることを検知して呼接続制御部11に、発信電話機46と着信電話機40との呼接続を行うことを指示(558)する。これを受けて呼接続制御部11は呼接続処理部12へ、発信電話機46と着信電話機40との呼接続を指示(559)して、発信電話機46と着信電話機40との呼が接続されて通話が確立する(560および561)。この通話は、図5でも説明した通り、音声認識部13が音声認識および録音を行っていて(562)、処理C(800)を実施する。
【0034】
図24は、図23と同様、処理A2(620)において発信電話番号が被疑番号であると判定された場合の呼接続シーケンスの例を示す図である。但し、着信者向けガイダンス553に対して着信者が、呼接続を拒否した場合を示す。音声ガイダンス送出553までは図23と同じであるが、音声ガイダンスに対して着信者が「いいえ」「つながない」などの呼接続することに対して否定的な回答をした場合(575)、音声認識部13がその回答を認識して通話ログデータベース16にその情報を格納する(576)。装置制御部15は、通話ログデータベース16にアクセス(577)して書き込まれた回答を読み出し(578)、その回答が否定的であることを検知して呼接続制御部11に、発信電話機46と着信電話機40との呼接続を行わないことを指示(579)する。これを受けて呼接続制御部11は呼接続状態を保持する。装置制御部15は、音声合成部14に音声ガイダンス送出指示(580)を出し、音声合成部14は図13の動作指示3のように例えば「この電話はお繋ぎできません。」といった内容の音声ガイダンスを発信者に向けて、呼が切断されるか、もしくは予め設定された時間まで、送出し続ける(581および582)。一方、着信者に対しては、図13の動作指示3のように例えば「承知いたしました、そのまま電話をお切り下さい」といった内容の音声ガイダンスを送出(583)する。
【0035】
図25は、確定詐欺電話番号からの呼接続要求が発生した場合の呼接続シーケンスの例を示す図である。処理A2(620)において、発信電話番号が確定詐欺電話番号であると判定されると、呼接続制御部11は装置制御部に確定詐欺電話番号であることを通知585する。続いて、呼接続制御部11は呼接続処理部12へ音声合成部14と発信電話機46との通話路の接続を指示586し、呼接続処理部14は音声合成部14との通話路を確保587し、発信電話機46との通話路を確保588する。一方、装置制御部15は呼接続制御部11からの通知を受けて音声合成部14を起動して、音声ガイダンスの送出を指示589する。動作指示を受けて音声合成部14は音声ガイダンスを送出590するが、このときの音声ガイダンスは、図13の動作指示4のように例えば「あなたが使われている電話は詐欺に使われている電話であると認定されています」のような内容となる。音声ガイダンスの送出は1回だけでも良いし、あらかじめ設定した回数でも良いし、あらかじめ設定した時間でも良いし、発信者がオンフックするまで繰り返し行うのでも良い。音声ガイダンス送出を終えると、呼接続制御部11は、呼接続処理部12へ呼切断を指示591し、また、装置制御部15へ呼切断の通知592を送信する。これを受けて、装置制御部15は音声合成部14へ動作停止指示593を出して処理を完了する。

図26は、処理A2(620)の判定の結果、接続許可番号である場合のシーケンス図の例である。処理A2(620)において次の処理は呼を通常接続することと設定された後、呼接続制御部11は呼接続処理部12へ発信電話機46との通話路確保と着信電話機40の呼び出しを指示する(594)。呼接続処理部12は、発信電話機46の通話路を確保し(595)、続いて着信電話機40との通話路を確保して呼び出しを行う(596)。オフフックが行われると、オフフック情報が呼接続制御部11に通知され(597)、これを検出した呼接続制御部11は呼接続処理部12に発信電話機46と着信電話機40の呼接続を指示し(598)、発信電話機46と着信電話機40の通話が確立される(599)。
【0036】
図27は、図18の説明の中で用いた音声ガイダンスのうち、処理823で送出した音声ガイダンスである「なお、只今の電話が詐欺であったか、詐欺でなかったかが判明した際には、電話番号XYZにお知らせ下さい」に対してサービス加入者からの申告を受けるための、特殊電話番号XYZの検知による動作を示したシーケンスの例を示す図である。特殊電話番号XYZは、詐欺が本当に発生したのか、あるいは詐欺対策装置の誤認識により実際は発生していなかったのかを、詐欺対策サービス加入者に申告してもらうために用いる共通的な電話番号である。この例では簡易化のためXYZの3桁の数字を仮定しているが、実運用では運用形態に応じて任意の桁数を用いて良い。尚、特殊電話番号XYZによる操作は、詐欺対策サービスを受けている加入者電話機自体か、詐欺対策サービスを受けている加入者があらかじめ登録している親族や身内の電話番号である同報番号に対応する電話機からしかできないこととすることができる。これは、あらゆる電話番号からでも操作ができるようにした場合、犯罪者側から操作されて、犯罪を遂行させてしまうおそれがあるからである。
本処理では電話加入者の発呼信号(899)を呼接続制御部11が検出することを契機に動作し、呼接続制御部11と装置制御部15、あるいは呼接続制御部11と装置制御部15と他の詐欺対策装置の呼接続制御部が、連動して申告者からの申告内容を認識する。本処理においては、呼接続制御部11の処理が処理F1(900)、処理F2(920)、処理F3(930)、処理F4(990)により構成され、装置制御部15の処理が処理G1(970)、処理G2(980)、処理G3(940)により構成されるとともに、他の詐欺対策装置2の呼接続制御部の処理が処理F0(960)、処理F4(990)から構成されており、以下に各処理の詳細を説明する。なお、図27には、分岐や通知の処理を図示しているが、これらについても上記処理と併せて以下説明する。
【0037】
図28は、図27における処理F1(900)の動作の例を示す図である。処理F1(900)は呼接続制御部11が実行する動作であり、まず初めに呼制御線35または37にて通知される特殊番号XYZを受信901すると、発信電話番号(発信元電話機の電話番号)が自装置配下に存在する電話であるかどうかを判定902する。これは、それぞれの詐欺対策装置が持つ図4のような自装置配下の電話を管理する加入者データベースを参照することで実施する。自装置配下に無い電話からの発信の場合は、他の対策装置から接続要求を受けたことになる。まず、自装置配下の電話機からの発信であるという例について説明すれば、呼接続制御部11は発信電話番号を記憶903し、続いてサービス加入者データベース100の加入者番号領域130を照会904する。ここで、発信電話番号が加入者番号領域130にあれば、詐欺対策サービスの加入者であることが分かる(905)。もし、発信電話番号が詐欺対策サービスの加入者であるのならば、変数υを規定し初期値として1を設定し、文字配列“加入者[υ]”に図4から参照した加入者電話番号420に対応するシメイ440を設定し、変数ρを規定し初期値として0を設定し、後述の処理F2へ移行する。もし、発信電話番号が詐欺対策サービスの加入者でない(905)ならば、その発信電話番号が詐欺対策サービス加入者の同報者である可能性があるので、呼接続制御部11がサービス加入者データベース100の同報番号一(151)から同報番号L(15L)の領域を発信者電話番号で照会(906)する処理を実施する。続いて、4つの変数λ、μ、υ、ρを規定して、λ、μ、υの3つの変数については初期値を0に、ρについては初期値を1に設定907する。ここで、λは図2のサービス加入者データベース100の同報番号領域の横方向の照会に、μは図2のサービス加入者データベース100の同報番号領域の縦方向の照会に、それぞれ利用する。次にλに(λ+1)を格納908して、更にμに(μ+1)を格納909して、第λ番目のサービス加入者における第μ番目の同報者の同報番号をdata[λ][μ]を設定910する。このdata[λ][μ]を発信電話番号と比較して同一のものであるのならば、変数υに(υ+1)を格納し、文字配列データ“加入者[υ]”を規定してこれに図4より参照できる対応する加入者のシメイデータ440を設定し、数値配列データ“加入者番号[υ]”に第λ番目加入者の電話番号を格納(914)して、処理908に戻って繰り返し処理を実施する。繰り返し処理をするのは、該同報通信者が複数のサービス加入者の同報通信者となっている可能性があるため、すべての可能性を引き出すために実施する。処理911においては、もしdata[λ][μ]と発信電話番号が異なる場合、μとLを比較912してμがLに到達するまでは処理909に処理を戻す。μがLに到達した場合はλとKを比較913してλがKに到達するまでは処理908に処理を戻す。μがLに到達してかつλがKに到達した場合、υの値を見て、υが0でないならばすなわち同報者からの申告であると判定できた場合には処理F2(920)へ移行し、υが0ならばすなわち自装置内のサービス加入者データベースの同報番号に発信電話番号が無い場合には処理をF3(940)に移行する。
【0038】
図29は、前記図28において、特殊番号XYZの発信電話番号が同報番号である場合についての処理の流れの例を示す図である。本処理においては、呼接続制御部11と装置制御部15が連携して動作し、処理F2(920)と処理G1(970)とから構成される。まず、処理F2(920)について説明すれば、図25の処理F1(900)で判定されたように発信電話番号が自装置内のサービス加入者データベース100の同報番号の中に存在することを検知して、呼接続制御部11は呼接続処理部12へ、発信電話機と音声認識部13との接続と、発信電話機と音声合成部14との接続と、を指示921して、装置制御部15に向けて図10に示すような通知5を付加情報を含めて送信922する。この後、装置制御部15から通知6が返ってくれば(923)、処理F3(930)へ移行し、通知6が返ってこなければ処理4(990)へ移行する。
次に処理G1(970)について説明すれば、装置制御部15は呼接続制御部11からの通知を受けて、音声認識部13へ図14で示した動作指示3を送信971する。この後、装置制御部15は変数ξを規定して初期値を0に設定972する。前述の処理F2(920)においては発信者電話番号が同報番号として1個以上のυ個存在しており、変数ξは1からυの間の整数値をとる変数である。装置制御部15は、図32に示すような動作指示8を通知973する。このとき、音声合成部14は図32の表に従って「こちらは電話を使った詐欺に関する申告の受け付けです」のような音声ガイダンスを送出することになる。続いて装置制御部15はξに(ξ+1)を格納して、対象となるサービス加入者の氏名情報となる文字配列“加入者[ξ]”を、図32に示す動作指示9の付加情報として音声合成部14へ通知して、例えば図4と図32を参照して「申告されるのは<タカハシヒロシ>様に関することですか」といった内容の音声ガイダンスを送出する。この音声ガイダンスに対しての発信者からの音声入力を待って、その回答が質問に対して肯定的回答であるならば(976)、現在の“加入者[ξ]”に関する申告であることを検知して、処理G3(940)に移行する。もし、発信者からの回答が肯定的回答でないならば、ξがυに到達しているか否かを判定(977)して、ξがυに到達していなければ処理974へ戻り、繰り返し処理を行う。ξがυに到達したときにρの値を読んで、もしρの値が0であるならば(978)、発信者がサービス加入者であるが本人に関する申告ではなく別のサービス加入者に関する申告であると判定でき、図28の処理906(図中丸数字の2)へ処理を戻す。もしρの値が0でない場合は、自装置配下のサービス加入者に関する申告ではなく他の詐欺対策装置の配下に収容されるサービス加入者に関する申告である可能性があるので、呼接続制御部11へ通知6を付加情報に“1:他装置照会”を包含して送信979して、処理G2(980)へ移行する。
【0039】
図30は、前記図29で述べた処理F3(930)と処理G2(980)、および他の詐欺対策装置2で行われる処理F0(960)についての処理の流れの例を示す。図30では、呼接続制御部11と装置制御部15、ならびに他の詐欺対策装置内の呼接続制御部とが連携して動作する。
まず、処理F3(930)について説明すれば、前記図29において装置制御部15から、付加情報“1:他装置照会”の通知6を受信した呼接続制御部11の処理であり、まず呼接続処理部12へ、発信電話機と音声認識部13、発信電話機と音声合成部14、の接続指示(931)を出す。これに続いて呼接続制御部11は、装置制御部15へ、付加情報“2:音声認識入力”を包含した通知6を送出932する。この処理は、ここまでの処理で誰に関する申告であるのかを特定できなかったことから、発信している申告者に直接、誰に関する申告であるかを聴くためのものである。呼接続制御部11は、音声認識による対象者判定を行う他方で、発信電話番号が他の詐欺対策装置の配下に収容されるサービス加入者に対する同報番号と一致するか否かを調べるために、自装置以外の全ての他の詐欺対策装置との装置間通信を行う(933)。この装置間通信については後述するが、図33に示すようにここでの装置間通信ではコマンドとして“3:XYZ特殊番号照会”を他の全ての装置に送信する。他の装置の中で、発信電話番号が同報番号と一致することを検出した装置からは応答が返ってきて、処理F3(930)においては、その応答を返してきた他の装置の識別情報を記憶しておく。一方で、装置制御部15に指示した音声認識による申告対象電話番号に関する情報を受信して、その申告対象電話番号を記憶しておく。他の装置および装置制御部15からの情報に基づいて、呼接続制御部11は、申告対象となるサービス加入者を収容する詐欺対策装置へ図33のコマンド6を通信934して接続要求を出す。この接続要求に対しての応答を待って接続の可否を判定935して、接続可能である場合は処理を他の装置に委ねる。接続拒否された場合は、図10に示すような通知8を装置制御部15に送信936して、呼切断を検出937した上で、再び装置制御部15へ通知2を送信938して処理を完了する。
次に処理G2について説明すれば、まず呼接続制御部11からの通知6を受けて、装置制御部15が音声認識部13へ図14のような動作指示3を伝える(981)。つづいて、装置制御部15が音声合成部14へ図12のような動作指示11を伝える。このとき、音声合成部14は、後述図32に示すような動作指示11に対応する音声ガイダンスを送出する。音声ガイダンスに呼応して、申告者が対象者の電話番号を音声入力すると、音声認識部13がその音声を認識し、装置制御部15に伝達することによって装置制御部が対象電話番号を検知983する。装置制御部15は、図10に例示したような、検知した対象電話番号を付加情報として通知7を呼接続制御部11に送信984する。こののち、装置制御部15は音声認識部13を動作停止985させるが、もし呼接続制御部11から通知8があったならば、音声合成部14へ図32に示すような動作指示10を伝える(986)。このとき音声合成部は、図32の動作指示10のような音声ガイダンスを送出する。最後に音声合成部の動作を停止987させて、処理を完了する。なお、処理982および983においては、これまで慣れ親しんできたプッシュボタンやダイヤルによる電話番号入力をすることもでき、その場合は音声認識部13に搭載されたPB受信機能やDP受信機能を利用して、また図32の動作指示11のガイダンス内容を「電話番号を音声またはプッシュボタンまたはダイヤルで入力して下さい。」のように変更することで実現できる。
次に処理F0(960)について説明すれば、本処理F0はここまで説明してきた詐欺対策装置とは別個体の詐欺対策装置が行う処理である。ある詐欺対策装置から図33のようなXYZ特殊番号照会を受信すると、装置は該データに包含される発信者電話番号をサービス加入者データベース100の同報番号領域で検索する。ここで、もし発信者電話番号に合致する同報番号が見つかった場合は、図33に示すようなデータをコマンド4によって、発信者電話番号が同報番号として見つかったことを示す情報を返信961する。もし発信者電話番号に合致するものが見つからなければ、図33に示すようなデータで見つからないことを通信しても良いし、無応答としても良い。ここで一旦処理は完了するが、このあと発信電話番号の照会を依頼してきた詐欺対策装置から接続要求がかかってくることがある。この場合は、前述した図28の処理F1(900)に則って接続の可否を判定962して、接続可能と判定されれば接続要求元の詐欺対策装置へ図33に示すような接続の許可を返信して、処理F4(940)へ移行する。
【0040】
図31は、前述図29で述べた処理F4(990)と処理G3(940)の処理の流れの例を示す図である。処理F4(990)と処理G3(940)は、それぞれ呼接続制御部11と装置制御部15が実行する処理であり、互いが連携して動作する。
まず、処理G3(940)について説明すれば、本処理は装置制御部15が行う処理であり、装置制御部15は音声認識部13へ図14に示すような動作指示3を伝えて(941)申告内容を認識し、音声合成部14へ図12に示すような動作指示12を伝える(942)。このとき、音声合成部14は図32に示すような音声ガイダンスを送出して、詐欺が発生したか否かの情報を得るようにする。申告者からの音声入力について、その音声認識結果が質問に対して、すなわち詐欺があったか、という質問に対して肯定的な回答であった場合(943)、装置制御部15は詐欺発生を検知944して、呼接続制御部11に対して図10にあるような通知10を用いて詐欺が発生したことを伝える(945)。つづいて音声合成部14へ図32に示すような動作指示13を伝えて(946)、さらに装置操作部20へ後述する警告通知2を送信947する。こののち、呼接続制御部11からの通知9を受けて、音声認識部13を停止948させて、音声合成部14を停止949させる。もし、判定処理943において、申告者の回答が肯定的でない場合は、装置制御部15は詐欺が発生していないということを検知950して、呼接続制御部11へ通知10を用いて詐欺が発生していないことを伝える(951)。更に、音声合成部14へ動作指示14を伝える(952)。こののち、呼接続制御部11からの通知9を受けて、音声認識部13を停止953させて、音声合成部14を停止954させる。最後に該対象電話番号にはこれまで詐欺の電話はかかっていないと判定されるので、後述する通話ログデータベースから対象電話番号に関する通話ログを消去955する処理を行っても良いし、のちの分析に使用するなどを考慮して、ログを他の記憶装置に移動するなどして残しておいても良い。
次に、処理F4(990)について説明する。本処理は呼接続制御部11が行う処理である。呼接続制御部11は、サービス加入者データベース100から加入者番号[ξ]に対する被疑番号領域191〜19Nのデータを取得する(991)。呼接続制御部11は、装置制御部15に図10にあるような通知9を送信する(992)。詐欺の発生でないことが確認されると(993、No)、呼接続制御部11は、サービス加入者データベースから加入者番号[ξ]に対する被疑番号領域191〜19Nのデータを消去する(994)。その後、呼切断が検出され(995)、処理を終了する。
【0041】
図32は、音声合成部が送出するガイダンスをまとめた表の例であり、図13の続きとなる。図32に示す音声ガイダンス群は、詐欺の有無の申告に関わるものであり、使い方は図29から図31に示した通りである。なお、ガイダンス内容の中で、<加入者データ[ξ]>、とあるのは、呼接続制御部11がサービス加入者データベース100から抽出した人名(シメイデータ)になる。
【0042】
図33は、詐欺対策装置と別の詐欺対策装置との間で通信が行われる場合に用いられる通信データの例を示す図である。本装置間通信データ3000は、該データの発信元である自装置固有のID番号を格納する装置ID領域3001と、他の装置に対して実行させたい命令を格納するコマンド領域3002と、前記コマンドについてさらに詳細な命令を示すパラメータ種別領域3003、3006、3009と、命令を実行するにあたって必要であるデータを格納するデータ内容領域3005、3008、3011と、前記データ内容の長さを可変にもできるようにその長さを規定するデータ長領域3004、3007、3010から構成する。
前記本データの利用方法の一部をすでに図30で簡単に例示したが、ここで詳細に例を示す。図30の処理933において装置間通信が行われるが、これは申告者、すなわち発信者の電話番号が他の詐欺対策装置の加入者データベース100の同報番号領域に存在するか否かを問い合わせる通信であり、図33を用いて説明すると、詐欺対策装置は装置ID領域3001に自装置のID番号を任意の整数値で格納し、コマンド領域3002に“3”、すなわちXYZ特殊番号照会を指示するデータを格納し、パラメータ種別領域3003に“5”、すなわち以降に示す同報番号の検索を指示するデータを格納し、データ長領域3004に例えば10桁の電話番号であれば“10”を格納し、データ内容領域3005に発信電話番号を格納し、この場合では例えば別装置での図2の第2番目のサービス加入者の第一番目の同報番号である“0332579613”を格納し、領域3006から3011までは情報なしと設定して、自装置以外の他の装置へ一斉配信する。配信先の装置は、命令に従って照合処理を実施して、発信電話番号に合致する同報番号を見つけた場合に、前述の配信元の装置ID番号に向けて、自装置のID番号と、コマンド“4:XYZ特殊番号照会完了”、パラメータ種別“5:同報番号・被疑番号”、データ長“10”、データ内容に同報者番号“0332579613”を送信する(処理961)。
また、図30の処理934について説明すると、該装置は自装置のID番号につづけてコマンド領域3002に“6”、すなわち呼接続の要求を格納し、パラメータ種別領域3003に“9”、すなわち接続要求を格納し、データ長領域3004に “0”を格納し、データ内容領域3005にはデータなしを設定し、領域3006に“8”、すなわち発信者電話番号を移行に示すことを表すデータを格納し、領域3007に電話番号の桁数“10”を格納し、領域3008に発信者電話番号“0332579613”を格納し、領域3009から3011までは情報なしと設定して、前述したXYZ特殊番号照会命令に対して応答した装置のID番号に向けてデータを通信する。データを受信した詐欺対策装置では、受信した命令を実行して発信電話番号の接続可否を判定して、接続を許可する場合には自装置のID番号につづけてコマンド領域3002に“6”、パラメータ種別領域3003に“10”、すなわち接続許可を示すデータ格納し、領域3004に電話番号の桁数“10”を格納し、領域3005に発信者電話番号“0332579613”を格納し、領域3006から3011にはデータなしを設定して、前記命令データをの送信元の装置IDに向けてデータを送信することとなる(処理962)。
【0043】
図34は、通話中の音声を使って作成される通話ログデータの構成例を示す図である。本通話ログデータは、通話ログデータベース16に作成されるものであり、図34では説明の簡略化のため表の形態で示すことにするが、記録形態は適宜の形態でもよい。
通話ログ表160は、図2で示したサービス加入者データベースのごとく、縦方向に第1番目から第K番目のサービス加入者が順次並べられている。該通話ログ表160の横方向には、加入者の電話番号を格納する領域181と、該加入者電話番号に向けて発信してきた電話の電話番号を格納する領域182と、前記領域182に格納される電話番号の発信日時を格納する領域183と、該発信電話と着信電話の間で行われる通話を認識して音声を変換して得られるテキストデータを格納する領域184と、該通話の録音情報を格納する領域185とを有する。
加入者電話番号格納領域181は図2と対応したサービス加入者電話番号が順次格納されるが、それぞれの加入者電話番号には複数の電話番号からの着信がなされるので、発信者電話番号領域には日時の順に並べて発信者電話番号が格納される。例えば、第一番目の加入者の第一列目と第二列目は同一電話番号から電話がかかってきているが、日時領域のデータのごとく時系列で並べられ、後述する詐欺の真偽の判定の簡易化に効力を発揮する。
テキスト情報格納領域は、音声認識部13にて認識した結果がテキストに変換されたデータが記録されており、認識結果の中で詐欺で使われる頻度が高い用語に関しては、図16の処理814で示したように特殊記号で、例えば“*”のような記号で囲って強調することとする。図34では、例として、第1番目の加入者の第一行目のテキスト情報には「俺だよ俺」が詐欺で頻繁に使用される用語として前後に“*”が付与されており、また、第2番目の加入者の第一行目のテキスト情報には「あたしだけど」の前後に“*”が付与されている。これにより、後述する詐欺の真偽の判定や新しい詐欺手口の検出の簡易化に効力を発揮する。
録音情報は、一般的に用いられているWAVE形式ファイルなどで格納し、一般的な音楽プレーヤーなどで用いられる音楽再生アプリケーションなどで聴くようにすればよい。該音声データは標本化したディジタルデータであるのが一般的であるが、図34ではそれをカタカナで表現した。
【0044】
図35は、詐欺対策装置操作部20の動作の例を示す図である。本処理は、図18や図21および図31で既に説明した装置制御部15からの警告通知を受けての装置操作部20の処理となる。尚、図18と図21で発生する警告通知は、音声認識処理の結果で通話中に詐欺の可能性が高いことが判定された場合に生じる警告であってこれを警告通知1と呼び、図31で発生する警告通知は通話終了後に申告者からの詐欺が発生したとの申告を受けて生じる警告であってこれを警告2と呼ぶ。本処理H(3200)では、まず前述の通り装置制御部15からの警告通知(3201)を受けて、その通知に包含される着信番号を検知3202するとともに、通知日時を検知3203する。次に、前述した警告種別が警告通知1であるか、警告通知2であるかを判定3204し、警告通知1であると判定された場合には、警告通知に包含される対象の通話の発信電話番号を検知3205して、ディスプレイに警告1が発生したことを告げるメッセージを表示3206して、操作者からの応答3209を待つ。警告種別が警告通知2であると判定された場合には、警告通知に包含される被疑電話番号群を検知して、これとともに警告2が発生したことを告げるメッセージを表示3208して、操作者からの応答3209を待つ。ここで、処理3205で述べた発信電話番号とは、いままさに通話中の電話の発信側電話番号であって、その1通話で詐欺の疑いが極めて高いものである。また、処理3207で述べた被疑電話番号群とは、図28から図31で特定したサービス加入者電話に対してかかってきたことがある電話で少なからず詐欺の疑いがあるものであり、図34のあるひとりの加入者に対応する発信者番号の列の全てのことを指す。
操作者が装置操作部20の操作を始めると、装置操作部20は通話ログデータベースの内容を後述するような画面表示を行うアプリケーションを起動3210して、通話ログデータベースから該当情報を読み出し3211して、詐欺の有識者へ簡易な必要情報提供を行う。
【0045】
図36は、前述図35で述べた装置操作部20のディスプレイ表示の例を示す図である。本表示画面33は、図34の通話ログ表の中から必要最低限の情報を効果的に表示するものであり、サービス加入者の電話番号の表示領域331と、該サービス加入者の電話番号あてにかかってきた発信電話番号の表示領域332と、その発信がなされた日時の表示領域333と、その通話の音声認識結果をテキストで表示する領域334と、前記331から333までで特定される通話の録音データを再生する命令を実行するボタン335と、操作者が表示領域334の中を見て新しい手口が発生したことを認知したとき、その手口に使われている新たな詐欺用語をマーキングした上で押すことで新詐欺用語の抽出が行えるボタン336と、新手口に対して適切な対処を促すガイダンスを送出することを可能にするための用語をマーキングした上で押すことで新付加情報の抽出が行えるボタン337と、前記ボタン336と337で抽出した用語を登録するボタン338と、該当の通話における発信電話番号が詐欺であると判断できたときにその発信電話番号を図3で示した確定詐欺電話番号として登録するボタン339とを含む。本画面は、一般的にパソコンなどで用いられるポインタ330などを使って、まずサービス加入者をクリックして、次にサービス加入者に対応する発信者をクリックして、さらに発信者の発信日時をクリックすることで、対応する通話内容が表示領域334に表示される。表示領域334の文章には、詐欺用語として検出されたもの、すなわち図34で説明した“*”で前後を囲われた単語について、波下線がひかれて強調されている。ここでは、“おれ”“風邪をひいて”“喉の調子が悪い”などの単語が詐欺用語として強調されている。有識者には、表示領域334に書かれた内容から、詐欺であるか否かを判断してもらうことになる。
【0046】
図37は、図36で示した画面表示の別の通話の例を示す図である。図37では、図36と同じサービス加入者にかかってきている別の通話について指示し、その通話内容を表示している。本例では、詐欺の手口が全く新しいものであり、波下線がひかれた詐欺用語が「ATM」だけと少ない。この内容に対して有識者に判断を仰ぎ、ポインタ330を使って新たな手口の詐欺用語を抽出してもらう。例えば、「税務署」という単語にマーキングして新詐欺用語抽出ボタン336を押し、同様に「税金」「返還」「指示通り」「操作して」についても抽出する。抽出された新詐欺用語には下線がひかれる。また、サービス加入者に新たな手口に対して、より適切な処置を促せるような音声ガイダンスを作るための用語の抽出する場合、「税務署」という単語にマーキングを行って新付加情報抽出ボタン337を押す。これにより「税務署」には二重下線が引かれる。最後に用語登録ボタン338を押すとここまでに抽出した単語が各データベースに登録される。
【0047】
図38は、前記図37で抽出した用語の登録処理の例を示す図である。用語登録ボタン348が押されると、抽出されている用語群35は新詐欺用語351と新付加情報352に分類されて、まず新詐欺用語についてはテキストデータである抽出用語353から音声認識用の音声データが作成されて用語変換領域354に格納される。また、新付加情報に関しては、抽出された用語を使って文章を作って、それを音声ガイダンスに変換した音声データを用語変換領域354に格納する。新詐欺用語として抽出された、この例では5つの用語355は、認識用音声データベース部17へ矢印のごとく送られて、データベース1500の中の最後尾1501に順次に追加登録されて以降の音声認識処理及び詐欺用語の抽出に用いられる。一方、新付加情報から作成した音声ガイダンス356は、合成用音声データベース部18へ矢印のごとく送られて、データベース1300の最後尾1301に追加登録されて以降の音声ガイダンスとして必要に応じて用いられる。
【0048】
図39は、前述図38で説明した内容について、他の詐欺対策装置に配信する場合の例を示す図である。図38では、詐欺が発生したときに処理をしていた詐欺対策装置の中でのデータベース更新を行う処理であったが、同様の詐欺犯罪は全国各地で発生する可能性があり、全国に広がる該装置全てが同様犯罪に対抗できる状態である必要がある。
図39に示すデータ3000は、前述図33で説明した装置間通信で用いられるデータ形式によるものである。図37および図38で示した例を引き続き用いて説明すれば、領域3001には自装置ID、ここでは仮に“0001”として格納されており、領域3002には“1”、すなわちデータベース変更要求を表すデータが格納されており、領域3003は“1”、すなわち確定詐欺番号追加を指示するデータが格納されており、領域3004は“11”、すなわちデータ長が11であることを示すデータが格納されており、領域3005は11桁の確定詐欺番号“09067953421”が格納されており、領域3006は“3”、すなわち新詐欺用語が以下に格納してあることを示すデータが入っており、領域3007は“5”、すなわち次の領域に5個のデータがあることを示すデータが格納されており、領域30081から30085には5個の音声認識用データ「ゼイムショ」「ゼイキン」「ヘンカン」「ワタシノシジドオリ」「ソウサシテ」が格納されており、領域3009には“4”、すなわち新付加情報が以下に格納されていることを示すデータが格納されており、領域3010は“1”、すなわち次の領域に1個のデータが格納されていることを示すデータが格納されており、領域3011は1個の音声ガイダンスデータ“最寄りの税務署までお問い合わせ下さい”が格納されている。該データ3000を受信した各詐欺対策装置では、領域3002のコマンドと、領域3003、3006、3009のパラメータ種別に従って、自装置内のデータベースへの格納処理を実施することになる。まず、領域3005に格納されている確定詐欺番号は、図3に示すような詐欺対策装置が持つ確定詐欺電話番号データベース300の最後尾に追加登録され、領域30081から30085に格納される音声データは図15に対応する認識用音声データベース1500の最後尾1502に追加登録され、領域3011に格納される音声ガイダンスデータは図13に対応する合成用音声データベース1300の最後尾1302に追加登録される。以上の処理を経て、各詐欺対策装置は、新たな手口の詐欺犯罪に対応することとなる。
【0049】
図40は、前述図3で説明した確定詐欺番号データベース300に関して、ある確定詐欺電話が契約解除された場合についての例を示す図である。図3に関する説明で述べた通り、該データベース300に登録されている電話番号は、詐欺対策サービス加入電話に対しては着呼できない。これは、該電話番号の契約が解除されてもその電話番号が再利用できないことを示す。従って、このままでは電話番号の枯渇を招く要因となってしまうので、該電話番号の契約解除が成されたときに該電話番号が詐欺確定電話番号ではなくする手段を用意しておく必要がある。
この手段は、契約状況を統括管理しているオペレーションセンター50から詐欺対策装置への通信によって行うことを想定する。ここでは、既に説明した図33に示す装置間通信データを、オペレーションセンターから各詐欺対策装置へ送信することによって行う例を説明する。図33を参照すればオペレーションセンター50は、装置間通信データ3000の領域3001に自装置IDを格納し、領域3002に“1”、すなわちデータベース変更要求を示すデータを格納し、領域3003に“2”、すなわち確定詐欺番号削除を指示するデータを格納し、領域3004に“11”すなわち本例で用いる電話番号の桁数11を格納し、契約が解除された電話番号(ここでは例として領域3005に図3の領域352に示す電話番号“09022796084”)を格納し、領域3006から3011にはデータ無しを設定して、各詐欺対策装置へ送信する。各詐欺対策装置は該データを受信して、コマンドおよびパラメータ種別に従って、領域3005の電話番号“09022796084”を確定詐欺電話番号データベース300の中で検索する。図3では、確定詐欺電話番号三に該電話番号352が存在し、詐欺対策装置はこのデータを削除するとともに、データベースの各データをシフトして、図3であれば左シフトして確定詐欺電話番号四にある電話番号が確定詐欺電話番号三にシフトし、図40に示すようなデータ353が確定詐欺電話番号三に格納されるデータベースとなる。これによって、電話番号“09022796084”は、詐欺に使用されている電話番号ではなくなり、再利用が可能となる。
【0050】
図41は、電話を使った詐欺対策サービスへの、電話を使った契約方法、および契約内容の変更を行う処理のシーケンスの例を示す図である。電話を使った詐欺対策サービスへの登録申請は紙の書類の提出で行ってもよいが、以下、図42から図55に示す処理により電話を使って自動的に実施することができる。尚、安全性の確保のため、この自動登録処理はサービスを享受する電話機からのみでできることとする。本処理は、電話加入者からの、特殊電話番号、例えばUVWのような番号の発呼信号(3799)を検出することを契機に動作する。本処理では、呼接続制御部11と装置制御部15が連動し、呼接続制御部11では処理S1から処理S9の処理が動作し、装置制御部15では処理J1から処理J9の処理が動作する。以下、各処理について説明する。なお、図41には、分岐や通知の処理を図示しているが、これらについても上記処理と併せて以下説明する。なお、以下の電話加入者からの回答は音声認識により回答内容を判断できる。
【0051】
図42は、呼接続制御部11にて実行する処理S1(3810)および装置制御部15にて実行する処理J1(3800)について、その処理の流れの例を示す図である。図42に示す通り、本処理は呼接続制御部11と装置制御部15が連携して動作し、まず処理S1(3810)について説明すれば、ある電話機から、詐欺対策サービスの契約締結・契約解除・登録内容変更を行うための電話番号、例えば特殊番号UVWが発信されたことを呼接続制御部11が検出(3811)することで処理を開始する。呼接続制御部11は、特殊番号UVWを発信した電話機の電話番号を検出3812し、呼接続処理部12に対して発信電話機と音声認識部13と、発信電話機と音声合成部14と、の接続を指示3813する。次に呼接続制御部11は発信電話番号について加入者データベース100の加入者電話番号130の領域で照会する。その結果、もし該発信電話番号が存在するのであれば、後述する処理S2(3920)に移行する。もし、該発信電話番号が加入者電話番号130の領域に無ければ、新規に契約する可能性がある人からの電話と判断して、呼接続制御部11は装置制御部15へ、図10に示す通知12の通知内容“1”、すなわち契約確認を示すデータを送信する。呼接続制御部11は、装置制御部15が処理J1(3800)を実行し応答を返してくるまでの間、呼の切断が発生するか否かを監視しており、呼切断の発生を検出3818すると呼切断処理3819を行って処理を完了する。
次に処理J1(3800)について説明すれば、装置制御部15は、通知12を受けて、図14示すように音声認識部13へ動作指示4を伝えて(3801)、図53に示すように音声合成部14へ動作指示15を伝えて(3802)、音声ガイダンスを送出する。このときの音声ガイダンスは図54の動作指示15のようなものとなり、契約申し込み者からの応答を待つ。契約申し込み者からの入力音声を認識して、認識結果が肯定的回答であるか否かを判定3803して、もし回答が肯定的であるならば処理J2(3900)へ移行する。もし、回答が肯定的でないと判定される場合3804には、図53に示すように音声合成部14へ動作指示16を伝え(3805)、音声ガイダンスを送出する。このときに送出される音声ガイダンスは、図54の動作指示16にあるような内容となり、装置制御部15は図10に示すような通知11を呼接続制御部11へ送信する(3806)ことで呼切断を要求して、音声認識部13を停止3807させて、音声合成部14を停止3808させて、処理を完了する。
【0052】
図43は、呼接続制御部11にて実行する処理S2(3920)および装置制御部15にて実行する処理J2(3900)について、その処理の流れの例を示す図である。図43に示す通り、本処理は呼接続制御部11と装置制御部15が連携して動作し、まず処理J2(3900)について説明すれば、図42の処理3803の判定で契約申し込み者からの回答が肯定的であると判定されて、装置制御部15がその結果を検知3901して、図10の通知12の通知内容“2”、すなわち新規契約を呼接続制御部11へ通信3902する。装置制御部15は、呼接続制御部11からの応答を待って、通知12を受信したら、音声合成部14へ図53に示す動作指示17を伝えて音声ガイダンスを送出する。このとき、音声ガイダンスは図54の動作指示17に示すように引き続き登録を行うか否かのものとなり、契約申し込み者の判断を仰ぐ。契約申し込み者からの反応が、処理を終わらせたいというような内容であれば(3904)、処理3906へ移行する。もし、質問に対して肯定的であるならば、図44の処理4003へ移行する(図中丸数字の3で接続を表す)。もし、契約申し込み者からの反応が、質問に対して肯定的でないならば、音声合成部14へ図53に示すような動作指示18を伝えて、音声ガイダンスを送出する。このとき送出する音声ガイダンスは、図54の動作指示18に示すような内容となる。この後、装置制御部15は、呼接続制御部11へ図10に示すような通知11の呼切断要求を送信3907して、音声合成部14を停止3908させて、音声認識部13を停止3909させて、処理を終了する。
次に、処理S2について説明すれば、呼接続制御部11が装置制御部15からの通知12を受けて、サービス加入者データベース100の縦方向の最後尾であるKの後の第(K+1)番目に発信電話番号を登録3921する。登録後、該発信電話番号が新規に契約したことをオペレーションセンター50に送信して管理対象とする。以上の処理を終えたあと、呼接続制御部11は装置制御部15へ図10に示すような通知12の通知内容“3”、すなわち契約締結を送信3923する。その後、呼切断を検出して、呼切断処理3924を実施して処理を完了する。
【0053】
図44は、呼接続制御部11にて実行する処理S3(4020)および装置制御部15にて実行する処理J3(4000)について、その処理の流れの例を示す図である。本処理は、前述図42で述べた判定処理3815において、特殊電話番号UVWを発信した電話番号が既に詐欺対策サービスに加入していることが判明することで移行してくる呼接続制御部11の処理S3(4020)と、これに付随する装置制御部15の処理J3に関するものである。まず処理S3(4020)について説明すれば、図42の判定処理3815を受けて呼接続制御部11は、図10の通知番号13に示すような登録変更を示す情報を装置制御部15へ通知4021する。そのあとは、呼切断の検出4022を待って呼切断処理4023を施して処理S4(4110)へ移行する。
次に処理J3について説明すれば、装置制御部15が呼接続制御部11からの通知13を受けて、音声認識部13へ図14に示すような動作指示4を伝え、音声合成部14へ図53に示すような動作指示21を伝える。このとき送出する音声ガイダンスは図54の動作指示21に示すような内容である。これに続けて装置制御部15は、音声合成部14へ図53に示すような動作指示22を伝える。このとき送出される音声ガイダンスは図54の動作指示22に示すような登録内容の選択を促す内容になる。この音声ガイダンスによる質問に対する契約変更申し込み者の回答が終りを示す結果であった場合(4004)、処理J5(4200)へ移行する。終わりではなく、同報者を登録することを要求する、結果であれば(4005)、装置制御部15は変数σを規定して、初期値に1を設定し処理J6(4300)へ移行する。同報者登録要求でなく、接続許可者を登録することを要求する結果であれば(4006)、装置制御部15は変数σを規定して、初期値に2を設定し処理J6(4300)へ移行する。なお、変数σは後の処理で、σが1のときは同報者番号に関することを意味することになり、σが1でない(σが2である)場合は接続許可者に関することを意味することになる。前記判定処理4004から4006でいずれでもない場合、装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示19を伝える。このとき送出する音声ガイダンスは、図54に示す動作指示19のようなサービス契約の解除が行いたいか否かの確認を行う内容となり(4007)、この質問に対する契約変更申し込み者からの回答が、終わりを示す結果である場合(4008)、処理J5(4200)へ移行し、終わりではなくかつ回答に対して肯定的でない場合についても処理J5(4200)へ移行する。回答が肯定的である場合(契約を解除する回答である場合)、装置制御部15は、呼接続制御部11へ図10の通知12に示す4:契約解除を通知4010して、音声合成部14へ図53に示す動作指示20を伝える。このとき送出する音声ガイダンスは図54に示す動作指示20のような内容となり、この後、呼接続制御11へ呼切断要求の通知11を通知4012して、音声認識部13の動作を停止4013させて、音声合成部14の動作を停止4014させて、処理J4(4100)へ移行する。
【0054】
図45は、呼接続制御部11にて実行する処理S4(4110)および装置制御部15にて実行する処理J4(4100)について、その処理の流れの例を示す図である。本処理は、前述図44に引き続く処理であり、まず処理S4(4110)について説明すれば、既に装置制御部15からの契約解除通知を受信しており、オペレーションセンター50に向けて発信電話番号の詐欺防止サービスの契約が解除されたことを通信する(4111)。この場合、図33に示すような装置間通信データ3000を用いて、コマンドを“7”、パラメータ種別を“17”として発信電話番号を付加して通信すればよい。次に呼接続制御装置11は、自装置内のサービス加入者データベース100の中から、発信電話番号に関する項目を消去4112し、装置制御部15へ図10に示す通知7を使って契約解除する電話番号を通知4113して処理を完了する。
処理J4(4100)では、呼接続制御部11からの通知7を受けて、該当の電話番号に関する通話ログデータを消去4101して、処理を完了する。
【0055】
図46は、呼接続制御部11にて実行する処理S5(4210)および装置制御部15にて実行する処理J5(4200)について、その処理の流れの例を示す図である。本処理は、前述図40の判定処理4004、4008および4009から移行してくる。まず処理J5(4200)について説明すれば、直前の動作が音声合成部14の動作指示22または23である場合(4201)、装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示31を伝える(4202)。このとき送出される音声ガイダンスは図55に示す動作指示31のような内容になる。もし、直前の動作が音声合成部14の動作指示22または23でない場合(4201)、装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示32を伝える(4203)。つづいて装置制御部15は呼接続制御部11に通知11で呼切断を要求4204して、音声認識部13の動作を停止4205させて、音声合成部14の動作を停止4206させて、処理を完了する。
処理S5(4210)について説明すると、呼接続制御部11が装置制御部15の呼切断要求を検出4211して、呼切断処理4212を施して処理を完了する。
【0056】
図47は、装置制御部15にて実行する処理J6(4300)について、その処理の流れの例を示す図である。前述図44で述べた通り、処理J6(4300)は判定処理4005、4006にて契約変更申し込み者が同報者または接続許可者を登録したい場合に移行するものである。処理J6ではまず装置制御部15が、変数σの値を判定してσが1であるならば、同報者番号の登録の変更であると判定し、σが1でない(σが2である)ならば、接続許可者番号の登録の変更であると判定4301する。まずσが1である場合、装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示23を付加情報“1”、すなわち送出する音声ガイダンスに「ドウホウシャバンゴウ」という言葉を含めて送出するように伝える(4302)。σが1でない(σが2である)場合、装置制御部15は音声合成部14へ図49に示す動作指示23を付加情報“2”、すなわち送出する音声ガイダンスに「セツゾクキョカシャバンゴウ」という言葉を含めて送出するように伝える(4302)。処理4302、4303のときの音声ガイダンスは、図54の動作指示23に示すような内容となり、前記動作指示23の付加情報の値に応じて、「同報者番号の登録追加 と 登録削除 のどちらを行いますか」または「接続許可番号の登録追加 と 登録削除 のどちらを行いますか」のいずれかとなる。この音声ガイダンスにて行った質問に対する契約変更申し込み者からの応答が、処理の終わりを示す内容である場合(4304)、前述図46の処理J5(4200)へ移行する。契約変更申し込み者からの応答が、処理の終わりを示す内容でなく、登録追加を要求する内容であれば(4305)、装置制御部15は変数τを規定しその初期値を1として(4306)、処理J7(4400)へ移行する。契約変更申し込み者からの応答が、登録追加を要求する内容でなく、登録削除を要求する内容であれば(4307)、装置制御部15は変数τを規定しその初期値を2として(4308)、処理J7(4400)へ移行する。いずれでもない場合、処理J9(4600)へ移行する。
【0057】
図48は、装置制御部15にて実行する処理J7(4400)について、その処理の流れの例を示す図である。前述図47で述べた通り、処理J7(4400)は判定処理4305、4306にて契約変更申し込み者が同報者または接続許可者を登録したいと要望する場合に移行するものである。処理J7(4400)ではまず、装置制御部15が音声認識部13へ図14に示すような動作指示4を伝えて(4401)、音声合成部14へ図53に示すような動作指示25を伝える(4402)。ここで動作指示25については、付加情報としてふたつの値が付与され、まず1つめの値としては“1”か“2”でこれらはそれぞれ音声として「ドウホウバンゴウ」か「セツゾクキョカシャバンゴウ」のいずれを送出するかを表し、2つめの値としては“3”か“4”でこれらはそれぞれ音声として「シメイ」か「デンワバンゴウ」のいずれを送出するかを表す。処理4402においては、既に図44の処理J3(4000)にて設定されているσと“3”、すなわち「シメイ」を含む音声ガイダンスを送出する。この音声ガイダンスにて契約変更申し込み者から人名が入力されることが期待されるが、入力として処理の終わりを示す認識結果が得られた場合(4403)は処理J5(4200)へ移行する。認識結果が終りを示すものではなく、音声入力が途絶えたとき、契約変更申し込み者からの入力が終わったものと判定4404して、文字配列nameを規定して、nameに認識した人名を表す文字列を格納4405する。次に、装置制御部15は音声合成部14へ動作指示25を、付加情報としてσの値と“4”を含めて伝える(4406)。ここで送出する音声ガイダンスに対して、契約変更申し込み者から電話番号が入力されることが期待されるが、入力として処理の終わりを示す認識結果が得られた場合(4407)は処理J5(4200)へ移行する。認識結果が終りを示すものではなく、音声入力が途絶えたとき、契約変更申し込み者からの入力が終わったものと判定4404して、数値配列telnoを規定して、telnoに認識した電話番号を表す数値列を格納4409する。ここまでの処理で認識した氏名と電話番号について、もしτが1ならば前述図47の判定処理4305で得た結果から追加処理を実施することになり、処理J8(4500)へ移行する。τが1ではない、すなわちτが2である場合は前述図47の判定処理4307で得た結果から削除処理を実施することになり、処理J9(4600)へ移行する。なお、処理4406および4407においては、これまで慣れ親しんできたプッシュボタンやダイヤルによる電話番号入力をすることもでき、その場合は音声認識部13に搭載されたPB受信機能やDP受信機能を利用して、また図55の動作指示25のガイダンス内容を「<電話番号>を音声またはプッシュボタンまたはダイヤルで入力して下さい。」のように変更することで実現できる。
【0058】
図49は、呼接続制御部11にて実行する処理S6(4520)および装置制御部15にて実行する処理J8(4500)について、その処理の流れの例を示す図である。本処理は、図48の処理4410にてτが1である、すなわち図47の処理4305で登録変更申し込み者の希望が登録追加処理である場合に実行される。まず処理J8(4500)について説明すれば、装置制御部15は呼接続制御部11へ図10に示す通知14を、通知内容”1”すなわち加入者登録確認、付加情報に認識した電話番号と氏名およびσの値を含めて、通知4501する。続いて音声合成部14へ図53の動作指示26に示す通知を、認識した氏名を格納したnameと、認識した電話番号を格納したtelnoと、を含めて伝える(4502)。このとき送出する音声ガイダンスは、図55の動作指示26のような例えば「承知しました 氏名ヒタチタロウ様 電話番号ハチロクイチイチニイニイサンですね」のような内容となる。この音声ガイダンスの質問に対する登録変更申し込み者の応答が、終わりを示す内容である場合(4503)処理J5(4200)へ処理を移行する。応答が終りを示す内容でなく、肯定的回答でない場合(4504)、図48の処理4402へ移行する(図中丸数字の4で接続を表す)。応答が肯定的であると判定された場合、装置制御部15は音声合成部14へ図53の動作指示27に示す通知を、認識した氏名を格納したnameと、認識した電話番号を格納したtelnoと、を含めて伝える(4505)。ここで送出する音声ガイダンスは図55の動作指示27で示すような待機依頼である。このあと呼接続制御部11からの通知14を待ち、呼接続制御11からの通知14がパラメータとして”3”を含んできた場合(4506)、装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示28のような、認識した氏名の情報nameと、認識した電話番号の情報telnoと、ここまでの処理で得られたσの値と、ここまでの処理で得られたτ=1の値と、を付加情報として伝える(4507)。このときに送出する音声ガイダンスは、図55の動作指示28に示すようなものであり、例えば「氏名 ヒタチタロウ様 電話番号ハチロクイチイチニイニイサン を ドウホウシャバンゴウ ニトウロクツイカ 致しました」のような内容となる。つづいて装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示24を伝える(4508)。このときに送出する音声ガイダンスは図54の動作指示24に示すような処理の継続を確認する内容のものである。この音声ガイダンスの質問に対する契約変更申し込み者の回答が、終わりを示すものであれば(4509)、処理J5(4200)へ移行する。回答が終りを示すものでないが、肯定的でもない場合(4510)についても処理J5(4200)へ移行する。もし回答が肯定的であるならば、図44の処理4003へ移行する(図中丸数字の3で接続を表す)。処理4506において、通知14のパラメータが3でない場合、装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示29を伝える(4511)。このとき送出する音声ガイダンスは図55の動作指示29に示すようなものとなり、続けて図48の処理4402に移行(接続を図中丸数字の4で表す)して契約変更申し込み者の入力を促す。
次に処理S6(4520)について説明すれば、呼接続制御部11は装置制御部15からの通知14を受けて、通知14に含まれる電話番号データtelnoに応じて、自装置または他詐欺対策装置の加入者データベースを参照して、該電話番号が電話網内に存在するものであるか否かを調べる(4521)。このとき、他装置の加入者データベースを参照する場合は図33に示す装置間通信データを、コマンドに“5”、パラメータ種別に“6”と“7”、データ内容に認識した電話番号と氏名を含めて用いればよい。この処理は、未存在の電話番号を誤登録追加したり、契約変更申し込み者の言い間違いによって誤登録追加したり、あるいは該詐欺対策装置の音声認識機能の誤認識によって誤登録追加したり、することなどを回避するために実施する。この処理により該加入者が存在することが確認できた場合(4522)、呼接続制御部11は装置制御部15へ図10に示すように通知14にパラメータ:3を付与して通知4523して、処理S8(4700)へ移行する。判定処理4522で該加入者が存在しないと判定された場合、呼接続制御部11は装置制御部15へ図10に示すように通知14にパラメータ:4を付与して通知4524して、処理を完了する。
【0059】
図50は、呼接続制御部11にて実行する処理S7(4620)および装置制御部15にて実行する処理J9(4600)について、その処理の流れの例を示す図である。本処理は、図48の処理4410にてτが1でない、すなわち図47の処理4307で登録変更申し込み者の希望が登録削除処理である場合に実行される。まず処理J9(4600)について説明すれば、装置制御部15は呼接続制御部11へ図10に示す通知14を、通知内容”2”すなわちDB登録確認、付加情報に認識した電話番号と氏名およびσの値を含めて、通知4601する。続いて音声合成部14へ図53の動作指示26に示す通知を、認識した氏名を格納したnameと、認識した電話番号を格納したtelnoと、を含めて伝える(4602)。このとき送出する音声ガイダンスは、図55の動作指示26のような例えば「承知しました 氏名ヒタチタロウ様 電話番号ハチロクイチイチニイニイサンですね」のような内容となる。この音声ガイダンスの質問に対する登録変更申し込み者の応答が、終わりを示す内容である場合(4603)処理J5(4200)へ処理を移行する。応答が終りを示す内容でなく、肯定的回答でない場合(4604)、図48の処理4402へ移行する(図中丸数字の4で接続を表す)。応答が肯定的であると判定された場合、装置制御部15は音声合成部14へ図53の動作指示27に示す通知を、認識した氏名を格納したnameと、認識した電話番号を格納したtelnoと、を含めて伝える(4605)。ここで送出する音声ガイダンスは図55の動作指示27で示すような待機依頼である。このあと呼接続制御部11からの通知14を待ち、呼接続制御11からの通知14がパラメータとして”3”を含んできた場合(4606)、装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示28のような、認識した氏名の情報nameと、認識した電話番号の情報telnoと、ここまでの処理で得られたσの値と、ここまでの処理で得られたτ=2の値と、を付加情報として伝える(4607)。このときに送出する音声ガイダンスは、図55の動作指示28に示すようなものであり、例えば「氏名 ヒタチタロウ様 電話番号ハチロクイチイチニイニイサン を セツゾクキョカバンゴウ カラサクジョ 致しました」のような内容となる。つづいて装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示24を伝える(4608)。このときに送出する音声ガイダンスは図54の動作指示24に示すような処理の継続を確認する内容のものである。この音声ガイダンスの質問に対する契約変更申し込み者の回答が、終わりを示すものであれば(4609)、処理J5(4200)へ移行する。回答が終りを示すものでないが、肯定的でもない場合(4610)についても処理J5(4200)へ移行する。もし回答が肯定的であるならば、図44の処理4003へ移行する(図中丸数字の3で接続を表す)。処理4606において、通知14のパラメータが3でない場合、装置制御部15は音声合成部14へ図53に示す動作指示29を伝える(4611)。このとき送出する音声ガイダンスは図55の動作指示29に示すようなものとなり、続けて図48の処理4402に移行(接続を図中丸数字の4で表す)して契約変更申し込み者の入力を促す。
次に処理S7(4620)について説明すれば、呼接続制御部11は装置制御部15からの通知14を受けて、自装置のサービス加入者データベース100のうち、契約変更申し込み者が使用している発信電話番号に対応する領域において、通知14に含まれる電話番号データtelnoを検索して、その存在の有無を調べる(4621)。この処理により該電話番号が存在することが確認できた場合(4622)、呼接続制御部11は装置制御部15へ図10に示すように通知14にパラメータ:3を付与して通知4623して、処理S9(4800)へ移行する。判定処理4622で該電話番号が存在しないと判定された場合、呼接続制御部11は装置制御部15へ図10に示すように通知14にパラメータ:4を付与して通知4524して、処理を完了する。
【0060】
図51は、呼接続制御部11にて実行する処理S8(4700)についての処理の流れの例を示す図である。処理S8(4700)では、呼接続制御部11が、ここまでの処理で取得したσの値を見て、σが1である場合(4701)は、同報番号の登録追加処理であるので、サービス加入者データベース100の発信電話番号に対応する同報番号領域の第(L+1)番目に音声認識した電話番号を格納する。σが1でない、すなわちσが2である場合は、接続許可番号の登録追加処理であるので、サービス加入者データベース100の発信電話番号に対応する接続許可番号領域の第(M+1)番目に音声認識した電話番号を格納する。
【0061】
図52は、呼接続制御部11にて実行する処理S9(4800)についての処理の流れの例を示す図である。処理S9(4800)では、呼接続制御部11が、ここまでの処理で取得したσの値を見て、σが1である場合(4801)は、同報番号の登録削除処理であるので、サービス加入者データベース100の発信電話番号に対応する同報番号領域を検索して、認識した電話番号と同一の電話番号を抽出4802する。抽出した電話番号の格納領域から該電話番号を削除4803して、削除した格納領域以降のデータを前詰め4804してサービス加入者データベース100を整理して処理を完了する。σが1でない、すなわちσが2である場合(4805)は、接続許可番号の登録削除処理であるので、サービス加入者データベース100の発信電話番号に対応する接続許可番号領域を検索して、認識した電話番号と同一の電話番号を抽出4802する。抽出した電話番号の格納領域から該電話番号を削除4806して、削除した格納領域以降のデータを前詰め4807してサービス加入者データベース100を整理して処理を完了する。
【0062】
図53は、装置制御部15が音声合成部14へ与える動作指示を規定した表の例で、前述図12で記載しきれなかった項目であり、特に図42以降で説明した詐欺対策サービスへの自動登録処理に関わる動作指示を表すものである。動作指示データ770は図12で説明したものと同一である。本図における付加情報領域772では、図42から図50にて説明した通り、音声ガイダンスの中に音声認識した氏名や電話番号を含めて送出することにより、発信者に対してより分かりやすい案内を提供することを可能とする。
【0063】
図54および図55は、音声合成部14が前述図53に示す動作指示を受けての動作と送出する音声ガイダンスを規定する表の例で、図13と図32と一連のものである。特に図54と図55は、図42以降で説明した詐欺対策サービスへの自動登録処理に関わる動作指示を表すものである。図54と図55におけるガイダンス内容欄で、“<”と“>”でくくられた部分は、装置制御部15から与えられる文字列や数字列を音声データに変換したものを設定することを意味しており、具体的には図47、図48、図49および図50の説明で述べたような音声ガイダンスとなる。
【0064】
図56から図61は、詐欺の疑いがある電話が行われた後に注意を喚起する情報をサービス加入者および同報者へ通知する手段において、電子メールを用いる場合の実現方法を示す図である。
【0065】
図56は、注意喚起情報を電子メールにて通知するときのネットワーク構成の例を示す図である。詐欺装置対策装置1は、インターネットをはじめとするIP(Internet Protocol)網や携帯電話網5200と接続する。網5200には、メールサーバー5201が配備されており、装置制御部15とメール送受信プロトコルのやりとりを行って電子メール配信を行う。
【0066】
図57は、注意喚起情報を電子メールにて通知するときのサービス加入者データベース100の別の形態である。図57に示すデータベースでは、サービス加入者に関する情報130に、サービス加入者のメールアドレスを格納する領域5300をさらに有し、この領域へ格納する電子メールアドレスは、図4で示す電話加入者データべースのメールアドレス450を呼接続制御部11が参照して格納する。例えば、図4の第2番目の加入者についてみると、メールアドレス領域450に“1223hiro_yama_51@mail.ne.jp”が登録されており、呼接続制御部11はこのデータを読み取って、図57に示す格納領域5301へ格納することになる。
また、同報者に関しては、同報番号領域(151〜15L)に電話番号とメールアドレスとの両方を混在させる。同報者のメールアドレス登録追加方法については、前述図49の処理4521で音声認識した電話加入者が存在するか否かを確認する際に行えばよく、音声認識した電話加入者が自装置内に収容される場合はデータベース部10の中の電話加入者データベース400のメールアドレス領域450から、サービス加入者データベース100の同報番号格納領域の最後尾(L+1)番目に格納する。音声認識した電話加入者が他装置に収容される場合は、図33の装置間通信データ3000を用いてメールアドレスを取得すればよく、具体的には図33に記載しきれないために別記載する図61において、コマンドを“5”、パラメータ種別を“18”として他装置へ装置間通信データ3000を送信し、その戻りデータにコマンド“5”、パラメータ種別“19”、データ内容に電子メールアドレスを含ませて取得する。取得したメールアドレス・データはサービス加入者データベース100における、例えば格納領域5302のように格納する。同報通信動作が発生した場合は、前述図19の処理883において、読み出したデータが数値列であるか文字列であるかを判別することで電話で通知するか電子メールで通知するかをきめればよい。数値列であるか文字列であるかは、例えばアスキーコードのような文字コード規定に従えばよく、特に電子メールアドレスでは必ず含まれる“@”を検出したらメールアドレスであると判定するような簡略処理を行ってもよい。
【0067】
図58は、注意喚起情報を電子メールにて通知するときの電子メール通知処理を起動するときの例を示す図である。図58は図10の続きであり図10で記載しきれないため別記載した。呼接続制御部11がサービス加入者データベース100の同報番号格納領域でメールアドレスを検出したとき、呼接続制御部11は図58に示す通知15を、詐欺電話が着信した電話の加入者氏名と、その加入者のメールアドレス、あるいはその同報者のメールアドレスを付加情報に付与して装置制御部15へ通知する。
【0068】
図59と図60は、注意喚起情報を電子メールにて通知するときの電子メールの内容を作成するときの例を示す図である。図59は、図12と一連のものであり、図12に記載しきれないため別記載した。データ770は、呼接続制御部11から通知15をうけた装置制御部15が、音声合成部14に対して動作指示するときのデータ形式である。装置制御部15は、自身でメールを作成するために、まずサービス加入者本人へ電子メール通知する場合には、音声合成部14が持つ音声ガイダンスデータを送信するように動作指示50を出し、音声合成部14はそれに呼応して図60の動作指示50のように、図13の動作指示5に記載のガイダンスをテキストデータで装置制御部15へ送る。装置制御部15は既に呼接続制御部11から通知されているサービス加入者本人のメールアドレスを宛先として、音声合成部14から送られてきたテキストデータをメール内容として、電子メールを作成して、メールサーバー5201へ送信する。サービス加入者の同報者へ電子メール通知する場合には、音声合成部14が持つ音声ガイダンスデータを送信するように動作指示51を出し、音声合成部14はそれに呼応して図60の動作指示51のように、図13の動作指示7に記載のガイダンスをテキストデータで装置制御部15へ送る。装置制御部15は既に呼接続制御部11から通知されているサービス加入者の同報者へのメールアドレスを宛先として、音声合成部14から送られてきたテキストデータをメール内容として、電子メールを作成して、メールサーバー5201へ送信する。尚、同報者が複数いる場合は、呼接続制御部11から通知された複数のメールアドレス・データを宛先として設定して、一般的な電子メールシステムと同様、一斉配信をおこなうことができる。
【0069】
本方法においては、登録している同報者および接続許可者の人数に応じて、サービス提供料金を変更することができる。その例を図61に示すと、図61は図33に記載しきれなかった部分を別記載したものであって、詐欺防止対策装置間通信や、詐欺防止対策装置とオペレーションセンター50との間の通信のデータ形式の例を示すものである。図61に示すように、コマンドを“8”としてデータベースの登録状態のやりとりをする通信であることを明示して、パラメータ種別を“20:DB登録追加”、“21:DB登録削除”のいずれかで登録数の増減を示し、データ内容に同報者と接続許可者の電話番号データを含めて通信するようにすれば、オペレーションセンター50側にて登録状態が把握でき、サービス加入者に対するきめ細かい料金設定をすることが可能になる。尚、この装置間通信は、データベースの変更が発生した場合に実施してもよいし、ある一定の時間間隔をあけて行ってもよい。
【0070】
本方法においては、同報者あるいは接続許可者が電話契約を解除してしまって、電話網からその電話番号の存在がなくなってしまう場合の対処が可能である。同報者や接続許可者といった身内の電話契約解除時に、ここまで本明細書で述べている通りの方法で該当の電話番号を登録削除する操作をサービス加入者が行うということは可能ではある。しかし、その操作を行わなかった場合、該契約解除された電話番号の登録が残ってしまうことになるが、該契約解除された電話番号がサービス加入者とは全くの他人と契約することになった場合に、全く関係ない人物に同報通知したり、あるいはその人物からの呼接続が発生した場合に接続許可番号であるため無防備に呼接続できてしまたり、といった問題が考えられる。
そこで、本方法においては、同報者や接続許可者が電話契約を解除した場合に、自動的にデータベースからの該当電話番の登録削除を行うこととする。電話の契約解除が成される場合には、オペレーションセンター50で該当電話番に関わる情報が削除される。その際に、図61に示すように、装置間通信データ3000で各詐欺対策装置と通信してサービス加入者データベース100を自動操作する。具体的には、コマンド“1:データベース変更要求”と、パラメータ種別“22:検索消去”、データ内容に契約解除された電話番号を含めて装置間通信データ3000を全ての詐欺対策装置へ通信する。パラメータ種別“22:検索消去”については、もしサービス加入者データベース内に契約解除した電話番号と同一のものがあれば消去してそれ以降のデータを前詰し、サービス加入者データベース内に契約解除した電話番号と同一のものがなければ何もしない、というような指示になる。
【0071】
本方法では、詐欺対策サービス加入者が自発的に対策処理を行うことができる。電話を使った詐欺犯罪では、初めの数回は詐欺とは全く関係の無い話で相手を信用させ、最終的に金を支払わせるような事例が考えられる。このような場合、詐欺を検出するシステムにおいては、当初の段階で犯罪を検出することはできない。しかし、サービス加入者が、自分の身内を名乗っているが、あまりに声質がちがう、言い回しやイントネーションが違う、などの個人固有の特徴のちがいから疑わしいと気づく場合があり、こういった場合に自己防衛する機能が望まれる。また、半強制的に高額な商品を売り付けるような場合も同様である。このような場合に対処する方法として、サービス加入者が通話中に、例えば“#”ボタンを押下して詐欺対策装置に警報を通知する方法がある。
具体的には、音声認識部13にて“#”音を検出し、図16に示すように装置制御部15へ通知し、装置制御部15は呼識別子を含めて呼接続制御部11へ通知10を通知すれば、図11から発信電話番号が特定できる。該発信電話番号が携帯電話の番号、すなわち電話番号の上位3桁が090あるいは080であるような場合、携帯電話ネットワークと連動してGPS(Global Positioning System)で発信電話の位置を特定する。このとき、詐欺対策装置と携帯電話ネットワーク装置の間においても図61のように装置間通信データを規定する。図61では、例えばコマンドを“9”の位置情報として、パラメータ種別を“23”として、データ内容に発信電話番号を含めてデータ通信して携帯電話ネットワーク装置で位置情報を得て、その返信としてパラメータ種別を“24”として、データ内容に発信電話機の位置情報(緯度、経度)を含めて通信する。詐欺対策装置は、装置操作部20に警報とともに位置情報を表示する、もしくはあらかじめ設定してある警察などの関連機関へ電子メールで通知する、などで犯罪の拡大をくいとめる支援を行う。
【0072】
図62は、電話を使った詐欺対策機能を持った電話機の構成例を示す図である。電話機5800は、詐欺対策アプリケーションを制御する制御部5801と、電話網とのインタフェースとなる電話網インタフェース部5802と、通話の最中において人の声を実時間でテキスト化し、あるいは録音し、特に詐欺犯罪で多用される言葉を認識した場合には該用語に対してマーキングを施す機能を有する音声認識部5803と、詐欺防止サービスにおいて本サービス適用通話であることを明示したり、既に呼切断した通話が詐欺である可能性が高いことを警告したり、本サービスへの契約内容登録状態を案内したりする音声ガイダンスを送出する音声合成部5804と、音声認識部5803が認識した結果や録音データ、ならびに該当の通話が行われた発着電話番号や日時を格納する通話ログデータベース5806と、音声認識部5803が音声認識処理を実行する上において参照する音声データを格納する認識用音声データ部5807と、音声合成部5804において該アプリケーションに係るガイダンスを作成する元データとなる音声データを格納する合成用音声データベース部5808と、図2で示したような同報者番号、接続許可番号、被疑電話番号や、図4で示した確定詐欺番号を格納する電話番号データベース5809と、電話番号や警告などを表示する表示部5810と、電話番号を入力するプッシュボタン5811と、音声データを入力と出力に分離、多重する音声セレクタと、電話使用者に音声信号を伝えるスピーカ5813と、電話使用者の声を入力するマイク5814とを有する。
該電話機5800は、着信があると電話網インタフェース5802から制御部5801に信号が通知されてアプリケーションの動作を開始する。詐欺対策アプリケーションは、図1等で示した詐欺制御装置1について述べたのと同様の処理手順にて、音声認識と音声合成を活用して詐欺が発生する場合には電話使用者や同報者へ注意を喚起したり、詐欺犯罪の有識者への通知を行ったりすることが可能である。但し、電話機内部に配備する各データベースについては、新しい詐欺に備えたり、詐欺電話番号からの接続を拒否したり、などを行うために書き換えが必要となる。従って、図62に示すように、電話機5800が接続する電話網5830に、詐欺対策用データベースを持つサーバ5831を配備する。このサーバ5831は、図3、図13、図15、図32に示したようなデータ群を持っており、各詐欺対策機能付き電話機から収集される新しい電話番号や新しい用語を随時蓄積しており、電話機5800はサーバ5831から最新情報をダウンロードする。
また、電話機5800においては、一般的な携帯電話で文字入力が可能であるように、同報者のメールアドレス登録をプッシュボタン5811で入力できる。また、注意喚起情報は音声ガイダンスでなく、音声ガイダンス用データベース5808のテキストデータを用いることで、表示部5811における文字表示が可能である。
【0073】
(構成例)
適用例1: 本実施の形態の呼接続制御装置および制御方法は、例えば、電話機の発呼を検出し入力される電話番号に従って電話同士を呼接続する呼接続制御装置であって、発信者があらかじめ登録している情報をデータベース化して、呼を接続する際に該データベースに登録されている情報に従って音声認識機能や音声合成機能へ呼の接続先を自在に変更可能であることを特徴のひとつとする。
適用例2: 本実施の形態の呼接続制御装置および制御方法は、例えば、音声認識機能と合成音声出力機能を有する電話網の呼接続制御装置であって、電話における通話音声を認識しながら、電話を使った詐欺において多用される用語を検出したときに、着信電話加入者に対して注意喚起を促す合成音声を音声情報や文字情報で通信することを特徴のひとつとする。
適用例3: 本実施の形態の呼接続制御装置および制御方法は、例えば、音声認識機能と合成音声出力機能を有する電話網の呼接続制御装置であって、電話における通話音声を認識しながら、電話を使った詐欺において多用される用語を検出したときに、該用語を特別な情報を付与して、他の通常用語とは異なる形態で画面表示し、該通話が詐欺である可能性を計ることを容易にする詐欺電話検出支援機能を有することを特徴のひとつとする。
適用例4: 本実施の形態の呼接続制御装置および制御方法は、例えば、音声認識機能と合成音声出力機能を有する電話網の呼接続制御装置であって、電話の呼接続要求が発生して、着信電話機がオフフックしたときに、発信電話機および着信電話機の双方に、これから実施する通話に対して音声認識機能を適用することを通知する機能を有することを特徴のひとつとする。
適用例5: 本実施の形態の呼接続制御装置および制御方法は、例えば、音声認識機能と合成音声出力機能を有する電話網の呼接続制御装置であって、電話における通話音声を認識しながら、電話を使った詐欺において多用される用語を検出したときに、発信電話番号を着信電話番号に対応付けて記憶して、以降に該発信電話番号から該着信電話番号に呼接続要求が発生した場合に、接続の可否を着信電話加入者に確認する音声情報を通信して、着信電話加入者が呼接続を許可する場合に呼の接続を行う機能を有することを特徴のひとつとする。
適用例6: 上記呼接続制御装置であって、着信電話加入者が呼接続を拒否する場合に発信電話に向けて呼の接続ができないことを音声情報で通信する機能を有することを特徴のひとつとする。
適用例7: 本実施の形態の呼接続制御装置および制御方法は、例えば、音声認識機能と合成音声出力機能を有する電話網の呼接続制御装置であって、電話加入者から既に終了した通話に関して、該通話が詐欺であったか否かの音声入力を音声認識して、該通話が詐欺であると申告された場合には、該申告者の電話番号に対応する音声認識結果を画面表示する機能を有することを特徴のひとつとする。
適用例8: 上述の装置において、電話加入者からの申告が詐欺でないと音声認識された場合には、対象データベースを削除または別場所に移動する。
適用例9: また、電話加入者があらかじめ登録している情報から音声認識機能や音声ガイダンス送出機能を動作させない。
適用例10: あらかじめ設定されている電話番号に発信された場合に、該電話番号の種別によって登録されているデータベースの参照優先順位を変更して音声認識する。
適用例11: また、通話中に発信者の発言に詐欺用語が多用されて該通話が詐欺の可能性が高いと判定された時点で通話中でも着信者に注意喚起する。
適用例12: 適用例2において、着信者宛てに詐欺の可能性が高い電話がかかってきたことを、あらかじめデータベースに登録されている着信者以外の電話番号に向けて、音声情報または文字情報で通知する。
適用例13: 適用例12において、着信者以外の複数の電話番号に向けて、音声情報または文字情報で通知する。
適用例14: 詐欺電話として確定した電話番号を、着信先の電話機に着信させず、音声合成に接続して警告音声を通知する。
適用例15: 詐欺の有無の申告において実着信者でなく、該着信者に関連する者の電話による申告であっても、データベースを参照することにより該着信者に関する情報入力を許容し、かつ着信者を自動特定して誤りの無い申告を受け付ける。
適用例16: 加入者電話番号を指示することにより、該加入者電話にかけた発信電話番号や発信日時やその際の通話の認識結果を表示する呼接続制御装置および呼接続制御方法、およびその表示を行うためのデータベース構成を提供する。
適用例17: 詐欺の発生の検出タイミングに応じて、詐欺の発生を警告する情報の表示方法を変える。
適用例18: 詐欺手口が新たになった時に新しい詐欺用語や新しく加入者に伝えるべき用語を抽出することを簡易にするための詐欺用語を強調する機能を有する。
適用例19: 抽出した新しい詐欺用語や新しく加入者に伝えるべき用語を通信して、全ての詐欺対策装置に登録する。
【0074】
適用例20: 詐欺として使用されていることが確定した電話番号が契約解除されたときに、該電話番号が再利用することを可能とするようにデータベースを更新する。
適用例21: 詐欺対策サービスへの加入契約を音声認識機能と音声合成機能を使って自動登録できる。
適用例22: 申告者の電話を使っての入力音声を認識して、送出する合成音声を柔軟に変更することが可能である。
適用例23: 本実施の形態の呼接続制御装置および制御方法は、例えば、詐欺対策サービス加入者の情報を記憶するデータベースにおいて、加入者以外に注意喚起情報を送出すべき者に対する通知を行う際に、データベース上では同じ形式の格納形態として、数値情報であるか、文字情報とくに文字“@”を含む情報であるか、を識別して、数値情報である場合は電話で合成音声を使って注意喚起して、文字情報である場合は電子メールを使って注意喚起をすることを特徴のひとつとする。
適用例24: 注意喚起に電子メールを使う場合において、電子メール宛先情報を電話加入者データベースから抽出して設定し、電子メールの内容を該電話番号加入者データベースからの着信者情報と、合成用音声データからの注意喚起文を設定することにより電子メールを作成する。
適用例25: 電話の着信者が通話中の状態において、着信者の電話機からの音声入力やプッシュボタン入力やダイヤル入力によって、該入力情報を検出して、携帯電話網と連携して発信電話機の位置情報を取得する。
適用例26: 本実施の形態の電話端末は、例えば、電話加入者が所有する電話機に、電話加入者があらかじめ登録している電話番号情報をデータベース化して、該電話機に着信が発生した場合に、発信電話番号に応じて電話所有者の呼び出しを行うか、音声ガイダンス送出するかを判定するとともに、通話を行う際には音声認識を行ってその通話の詐欺の可能性を判定し、詐欺の可能性が高い場合には電話所有者に対して合成音声または画面表示で注意喚起するとともに、電話網に配備される詐欺情報蓄積装置に通話情報を送信し、あるいは他の電話機で発生した情報を詐欺情報蓄積装置から受信する。
適用例27: 適用例26の電話端末で検出した詐欺電話に関する情報を蓄積し、必要に応じて各電話端末に詐欺電話に関する情報を通信する情報蓄積装置を有する。
適用例28: 詐欺対策サービス用データベースの更新が許可されている電話加入者からの音声入力やプッシュボタン入力やダイヤル入力によって電話番号情報の追加や削除を行って呼接続手段を変更する。
適用例29: サービス加入者が自発的に登録したデータ数に応じて、サービス提供料金を変更できる。
適用例30:
データ登録されている電話加入者が電話加入契約を解除して該電話番号が電話網内に存在しなくなった場合に、データベースを更新する。
適用例31:
通話中に音声認識によって詐欺の可能性が高いと判定された場合に、呼制御装置間で発信電話機の位置情報を通信する。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、例えば電話網に利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 詐欺対策装置
2 詐欺対策装置
10 サービス加入者データベース部
11 呼接続制御部
12 呼接続処理部
13 音声認識部
14 音声合成部
15 装置制御部
16 通話ログデータベース部
17 音声認識用データベース部
18 音声合成用データベース部
20 装置操作部
30 電話網
32 電話網
34 電話網
35 制御信号線
36 通話信号線
37 制御信号線
38 通話信号線
40 加入者電話(固定)
41 携帯電話基地局
42 携帯電話
43 加入者電話(固定)
44 携帯電話基地局
45 携帯電話
46 携帯電話
50 オペレーションセンター
60 呼接続制御装置
100 サービス加入者データベース
111 第1番目サービス加入者データ格納領域
112 第2番目サービス加入者データ格納領域
11K 第K番目サービス加入者データ格納領域
130 加入者電話番号格納領域
151 第1番目同報加入者格納領域
15L 第L番目同報加入者格納領域
171 第1番目接続許可番号格納領域
17M 第M番目接続許可番号格納領域
191 第1番目被疑番号格納領域
19N 第N番目被疑番号格納領域
【0077】
300 確定詐欺番号データベース
301 第1番目確定詐欺番号格納領域
302 第2番目確定詐欺番号格納領域
303 第3番目確定詐欺番号格納領域
30P 第P番目確定詐欺番号格納領域
351 第2番目確定詐欺番号データ
352 第3番目確定詐欺番号データ
400 電話加入者データベース
411 第1番目加入者データ格納領域
412 第2番目加入者データ格納領域
41Q 第Q番目加入者データ格納領域
420 加入者電話番号格納領域
430 加入者氏名データ格納領域
440 加入者氏名音声データ格納領域
450 加入者メールアドレスデータ格納領域
461 第1番目契約サービス格納領域
46R 第R番目契約サービス格納領域
501 発呼信号
502 呼接続要求信号
503 データ検索
504 データ読み出し
505 発信番号要求
506 発信番号返信
510 通知信号
511 呼接続処理指示信号
512 通話路接続
513 通話路接続
514 通話路接続
515 音声合成部動作指示
516 音声認識部動作指示
517 通話路接続
518 応答信号
519 通知信号
520 音声合成部動作指示
521 音声ガイダンス信号
522 音声ガイダンス信号
523 通話信号
524 通話信号
525 通話信号
526 音声認識結果、録音データ書き込み
527 音声認識結果読み出し
528 呼切断信号
529 呼切断通知
【0078】
600 処理A1
620 処理A2
700 処理B
800 処理C
601 パラメータα設定
602 変数β設定
603 変数β加算処理
604 パラメータγ設定
605 パラメータαとγの突き合わせ処理
606 αとβの比較判定処理
607 βとKの比較判定処理
608 動作指示決定処理
609 動作指示決定処理
621 パラメータδ設定
622 変数ε設定
623 変数ε加算処理
624 ε値判定処理
625 変数ζ設定
626 変数ζ設定
627 変数ζ設定
628 変数η設定
629 変数η加算処理
630 変数θ設定
631 δとθの突き合わせ処理
632 δとθの比較判定処理
633 ε値判定処理
634 ηとζの比較処理
635 ε値判定処理
636 動作指示設定処理
640 A4
650 A5
660 A6
670 A3
641 通知設定処理
642 動作指示設定処理
651 通知設定処理
652 動作指示設定処理
653 動作指示設定処理
654 動作指示設定処理
661 通知設定処理
662 動作指示設定処理
663 動作指示設定処理
664 動作指示設定処理
665 動作指示設定処理
666 動作指示設定処理
【0079】
701 通知検出処理
702 パラメータ判定処理
703 パラメータ判定処理
704 動作指示決定処理
705 動作指示決定処理
706 動作指示決定処理
750 呼接続制御部・装置制御部間通信データ
751 通知番号格納領域
752 呼識別子格納領域
753 通知内容格納領域
754 付加情報格納領域
760 呼識別子管理表
770 音声合成部動作指示データ
771 動作指示格納領域
772 付加情報格納領域
790 音声認識部動作指示データ
791 動作指示格納領域
792 付加情報格納領域
801 変数s設定
802 読み取り処理
803 詐欺用語存在判定処理
805 変数s加算処理
806 変数sの値判定処理
807 通知確定処理
808 動作指示確定処理
809 信号受信判定処理
810 動作指示確定処理
811 音声認識処理
812 詐欺用語判定処理
813 テキスト変換処理
814 詐欺用語マーキング処理
815 テキスト書き込み処理
816 通話音声録音処理
817 録音格納処理
818 信号受信判定処理
819 変数sの値判定処理
820 処理D1
821 通知処理
822 警告通知処理
823 動作指示処理
824 通知受信処理
825 動作指示処理
826 通知受信処理
827 動作指示処理
830 通知受信処理
831 接続指示処理
832 電話呼び出し処理
833 オフフック検出処理
834 通知処理
835 オンフック検出処理
836 通知処理
837 呼開放指示
838 データベース登録処理
【0080】
840 警告表示処理
841 操作待ち状態
870 処理E1
880 処理E2
850 処理D2
851 通知処理
852 警告通知処理
853 動作指示処理
854 通知受信処理
855 動作指示処理
856 通知受信処理
857 オンフック検出処理
858 通知処理
859 呼開放指示処理
860 データベース登録処理
865 警告表示処理
866 操作待ち状態
871 動作指示処理
872 動作指示処理
873 動作指示処理
880 処理E2
881 変数i設定
882 変数i加算処理
883 データベース読み取り処理
884 データ有無判定処理
885 発呼処理
886 通知処理
887 呼接続指示処理
888 オフフック検出判定処理
889 通知処理
890 オンフック検出処理
891 通知処理
892 呼開放指示処理
893 記憶処理
894 繰り返し処理
530 呼接続指示信号
531 通話路接続
532 通話路接続
533 応答信号
534 呼接続指示信号
535 通話信号
540 通知信号
541 呼接続指示信号
542 通話路接続
543 通話路接続
544 動作指示信号
545 音声ガイダンス信号
546 音声ガイダンス信号
547 通話路接続
548 通話路接続
549 応答信号
550 通知信号
551 動作指示信号
552 動作指示信号
553 音声ガイダンス信号
554 着信者音声信号
555 認識結果・録音書き込み
556 認識結果アクセス
557 認識結果読み出し
558 通知信号
559 呼接続指示信号
560 通話信号
561 通話信号
562 通話信号
575 音声ガイダンス信号
576 認識結果書き込み
577 認識結果アクセス
578 認識結果読み出し
579 通知信号
580 動作指示信号
581 音声ガイダンス信号
582 音声ガイダンス信号
583 音声ガイダンス信号
585 通知信号
586 呼接続指示信号
587 通話路接続
588 通話路接続
589 動作指示信号
590 音声ガイダンス信号
591 呼切断指示信号
592 通知信号
593 動作指示信号
594 呼接続指示信号
595 通話路接続
596 通話路接続
597 応答信号
598 呼接続指示信号
599 通話信号
899 発呼信号
【0081】
900 処理F1
901 特殊番号受信処理
902 収容判定処理
903 記憶処理
904 データベース照会処理
905 サービス加入者判定処理
906 データベース照会処理
907 変数λ,μ,ν,ρ設定
908 変数λ加算処理
909 変数μ加算処理
910 data[λ][μ]設定
911 電話番号比較判定処理
912 変数μとLの比較判定処理
913 変数λとKの比較判定処理
914 変数ν、文字配列加入者[ν]、数値配列[ν]設定
916 変数νの値判定処理
917 記憶処理
918 変数ν、文字配列加入者[ν]、変数ρ設定
920 処理F2
930 処理F3
921 接続指示処理
922 通知処理
923 通知受信判定処理
930 処理F3
940 処理G3
990 処理F4
970 処理G1
971 動作指示処理
972 変数ξ設定
973 動作指示処理
974 変数ξ加算処理
975 動作指示処理
976 認識結果判定処理
977 変数ξとνの比較判定処理
978 変数ρの値判定処理
979 通知処理
980 処理G2
931 接続指示処理
932 通知処理
933 通信処理
934 通信処理
935 通信受信判定処理
936 通知処理
937 呼切断検出処理
938 通知処理
960 処理F0
961 通信処理
962 通信処理
981 動作指示処理
982 動作指示処理
983 電話番号検出処理
984 通知処理
985 動作指示処理
986 動作指示処理
987 動作指示処理
941 動作指示処理
942 動作指示処理
943 認識結果判定処理
944 検出処理
945 通知処理
946 動作指示処理
947 警告通知処理
948 動作指示処理
949 動作指示処理
【0082】
950 検出処理
951 通知処理
952 動作指示処理
953 動作指示処理
954 動作指示処理
955 ログ消去処理
991 データ取得処理
992 通知処理
993 詐欺発生判定処理
994 データ消去処理
995 呼切断検出処理
3000 装置間通信データ
3001 装置ID格納領域
3002 コマンド格納領域
3003 パラメータ種別格納領域
3004 データ長格納領域
3005 データ内容格納領域
3006 パラメータ種別格納領域
3007 データ長格納領域
3008 データ内容格納領域
3009 パラメータ種別格納領域
3010 データ長格納領域
3011 データ内容格納領域
3020 装置間通信データ規定表
160 通話ログデータベース
161 第1番目サービス加入者通話ログ格納領域
162 第2番目サービス加入者通話ログ格納領域
16K 第K番目サービス加入者通話ログ格納領域
181 加入者番号格納領域
182 発信電話番号格納領域
183 発信日時格納領域
184 テキスト情報格納領域
185 録音情報格納領域
3200 処理H
3201 警告通知
3202 電話番号検知処理
3203 通話日時検知処理
3204 警告種別判定処理
3205 電話番号検知処理
3206 警告表示処理
3207 電話番号群検知処理
3208 警告表示処理
3209 操作者応答
3210 アプリケーション起動処理
3211 データベース読み出し処理
3212 操作待ち状態
33 用語抽出画面
330 指示ポインタ
331 サービス加入者電話番号表示領域
332 発信者電話番号表示領域
333 発信日時表示領域
334 認識結果表示領域
335 録音再生ボタン
336 新詐欺用語抽出ボタン
337 新付加情報抽出ボタン
338 用語登録ボタン
339 詐欺確定ボタン
3310 サービス加入者電話番号
3320 発信者電話番号
3330 発信日時
3321 発信者電話番号
3331 発信日時
35 抽出結果表
351 新詐欺用語格納領域
352 新付加情報格納領域
353 抽出用語格納領域
354 用語変換格納領域
355 登録するデータ群
356 登録するデータ
【0083】
1500 認識用音声データベース
1501 登録されたデータ群
1300 合成用音声データベース
1301 登録されたデータ
30081 データ内容1
30082 データ内容2
30083 データ内容3
30084 データ内容4
30085 データ内容5
30(P−1) 第(P−1)番目確定詐欺電話番号
1302 登録されたデータ
1502 登録されたデータ
353 前詰した第3番目確定詐欺番号データ
3799 発呼信号
3800 処理J1
3801 動作指示処理
3802 動作指示処理
3803 認識結果判定処理
3804 結果検知処理
3805 動作指示処理
3806 通知処理
3807 動作指示処理
3808 動作指示処理
3810 処理S1
3811 特殊番号検出
3812 電話番号検出
3813 接続指示処理
3814 データベース照会処理
3815 存在判定処理
3816 通知処理
3818 呼切断検出処理
3819 呼切断処理
3900 処理J2
4020 処理S3
3901 認識結果検知処理
3902 通知処理
3903 動作指示処理
3904 認識結果判定処理
3905 認識結果判定処理
3906 動作指示処理
3907 通知処理
3908 動作指示処理
3909 動作指示処理
3920 処理S2
3921 データベース登録処理
3922 通知処理
3923 通知処理
3924 呼切断処理
4000 処理J3
4001 動作指示処理
4002 動作指示処理
4003 動作指示処理
4004 認識結果判定処理
4005 認識結果判定処理
4006 認識結果判定処理
4007 動作指示処理
4008 認識結果判定処理
4009 認識結果判定処理
4010 通知処理
4011 動作指示処理
4012 通知処理
4013 動作指示処理
4014 動作指示処理
4015 変数σ設定
4016 変数σ設定
4020 処理S3
4021 通知処理
4022 呼切断検出処理
4023 呼切断処理
【0084】
4100 処理J4
4110 処理S4
4200 処理J5
4300 処理J6
4101 ログデータ消去処理
4111 通知処理
4112 データベース消去処理
4113 通知処理
4201 直前動作判定処理
4202 動作指示処理
4203 動作指示処理
4204 通知処理
4205 動作指示処理
4206 動作指示処理
4210 処理S5
4211 呼切断検出処理
4212 呼切断処理
4301 変数σの値判定処理
4302 動作指示処理
4303 動作指示処理
4304 認識結果判定処理
4305 認識結果判定処理
4306 変数τ設定
4307 認識結果判定処理
4308 変数τ設定
4400 処理J7
4600 処理J9
4401 動作指示処理
4402 動作指示処理
4403 認識結果判定処理
4404 認識結果判定処理
4405 文字配列name設定
4406 動作指示処理
4407 認識結果判定処理
4408 認識結果判定処理
4409 数値配列telno設定
4410 変数τの値判定処理
【0085】
4500 処理J8
4600 処理J9
4501 通知処理
4502 動作指示処理
4503 認識結果判定処理
4504 認識結果判定処理
4505 動作指示処理
4506 パラメータ値判定処理
4507 動作指示処理
4508 動作指示処理
4509 認識結果判定処理
4510 認識結果判定処理
4511 動作指示処理
4520 処理S6
4521 データベース照会処理
4522 存在判定処理
4523 通知処理
4524 通知処理
4700 処理S8
4601 通知処理
4602 動作指示処理
4603 認識結果判定処理
4604 認識結果判定処理
4605 動作指示処理
4606 パラメータ値判定処理
4607 動作指示処理
4608 動作指示処理
4609 認識結果判定処理
4610 認識結果判定処理
4611 動作指示処理
4620 処理S7
4621 検索処理
4622 存在判定処理
4623 通知処理
4624 通知処理
4800 処理S9
4701 変数σの値判定処理
4702 電話番号格納処理
4703 電話番号格納処理
4801 変数σの値判定処理
4802 データベース検索処理
4803 データ削除処理
4804 データ前詰処理
4805 データベース検索処理
4806 データ削除処理
4807 データ前詰処理
5200 IP網
5201 メールサーバー
5300 加入者メールアドレス格納領域
5301 メールアドレスデータ
5302 メールアドレスデータ
5800 詐欺対策機能付き電話
5801 制御部
5802 電話網インタフェース部
5803 音声認識部
5804 音声合成部
5806 通話ログデータベース部
5807 認識用音声データベース部
5808 合成用音声データベース部
5809 電話番号データベース部
5810 表示部
5811 入力ボタン部
5812 分離多重部
5813 スピーカ部
5814 マイク部
5830 電話網
5831 詐欺情報サーバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信電話機からの発呼を検出し、入力される着信電話機の電話番号に従って電話機同士を呼接続する呼接続部と、
通話音声を認識する音声認識部と、
予め記憶された複数の音声データに基づき合成音声を出力する合成音声出力部と、
を備え、
呼接続された電話機間の通話音声を認識しながら、電話を使った詐欺において多用される予め登録された詐欺用語を所定数検出すると、前記合成音声出力部と着信電話機との通信路を確保し、該着信電話機に対して注意喚起を促す合成音声を送信する呼接続制御装置。
【請求項2】
認識される通話音声中に前記詐欺用語を検出したときに、該用語を他の通常用語とは異なる形態で表示部に表示する請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項3】
呼接続要求が発生して、着信電話機がオフフックしたときに、発信電話機および着信電話機の双方に、これから実施する通話に対して音声認識機能を適用することを通知することを特徴とする請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項4】
認識される通話音声中に前記詐欺用語を検出したときに、発信電話番号を着信電話番号に対応付けて記憶する記憶部
をさらに備え、
以降に該発信電話番号からの呼接続要求が発生した場合に、接続の可否を着信電話機に確認する音声情報を送信し、着信電話機から呼接続を許可する音声又は信号を受信した場合に呼接続を行い、着信電話加入者が呼接続を拒否する場合に発信電話機に向けて呼の接続ができないことを音声情報で送信し、呼接続を行わないことを特徴とする請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項5】
通話の音声認識結果を記憶する通話ログデータベースをさらに備え、
既に終了した通話に関して、該通話が詐欺であったか否かを申告するための発呼を検出すると、該申告内容の音声入力を音声認識して、該通話が詐欺であると申告された場合には、少なくとも該通話を含む音声認識結果を前記通話ログデータベースから読み出して表示部に表示する請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項6】
通話中に、認識された通話音声から詐欺用語が予め定められた回数以上抽出されることで該通話は詐欺の可能性が高いと判定し、通話中でも通話音声に注意喚起を促す合成音声を重畳して着信電話機に送信する請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項7】
着信電話機宛てに詐欺の可能性が高い電話がかかってきたことを、着信電話機毎に予めデータベースに登録された着信電話機以外のひとつ又は複数の電話番号又は電子メールアドレスに向けて、音声情報または文字情報で通知する請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項8】
通話が詐欺であったか否かの前記申告において、該通話の着信者でなくても、予めデータベースに登録された該着信者に関連する者又は電話番号からの電話による申告を受け付ける請求項5に記載の呼接続制御装置。
【請求項9】
加入者電話番号が指示されることにより、該加入者電話にかけた通話の認識結果を表示し、認識結果から新たに追加する詐欺用語が選択され、選択された詐欺用語を登録する請求項5に記載の呼接続制御装置。
【請求項10】
抽出した新たな詐欺用語を含む登録指示を他の詐欺対策装置に送信する請求項9に記載の呼接続制御装置。
【請求項11】
詐欺対策サービスへの加入契約を前記音声認識部と前記音声合成部を使って自動登録する請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項12】
着信電話機と、携帯電話である発信電話機との通話中の状態において、着信電話機からの、詐欺の疑いがあることを示す警告通知を音声入力又はプッシュボタン入力又はダイヤル入力により検出すると、携帯電話網と連携して発信電話機の位置情報を該携帯電話網から取得して表示又は出力する請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項13】
発信電話機からの発呼を検出して呼接続する呼接続部と、
発信電話機との通話音声を認識する音声認識部と、
予め記憶された複数の音声データに基づき合成音声を出力する合成音声出力部と、
を備え、
通話音声を認識しながら、電話を使った詐欺において多用される予め登録された詐欺用語を所定数検出すると、注意喚起を促す合成音声を出力する又は注意喚起を促す画面を表示する電話端末。
【請求項14】
請求項13に記載の電話端末と、
前記電話端末で検出した詐欺電話に関する情報を蓄積する情報蓄積装置と
を備え、
前記電話端末は、詐欺用語を所定数検出すると、前記情報蓄積装置に該通話に関する通話情報を送信する詐欺対策電話網。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate

【図56】
image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate

【図60】
image rotate

【図61】
image rotate

【図62】
image rotate


【公開番号】特開2012−134647(P2012−134647A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283430(P2010−283430)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】