回胴式遊技機
【課題】回胴式遊技機におけるフリーズ演出のフリーズ期間を遊技者自らの意思で適宜に伸縮しあるいはキャンセルすることを可能にする。
【解決手段】
フリーズ演出契機に当選した場合(S106)、フリーズ演出を発生させ(S201〜S202)、第1計時手段により始動スイッチまたは停止スイッチがON操作されている操作時間TAを第1フリーズ期間として計時し(S201〜S204)、その計時後、操作時間TAと同じ時間長さの第2フリーズ期間TBについての計時を第2計時手段により開始し(S205〜S208)、第1フリーズ期間と第2フリーズ期間の和からなるフリーズ期間(TA+TB)についてフリーズ演出を行う。始動スイッチまたは停止スイッチのON操作時間が猶予時間幅内に収まる短時間であった場合、第1フリーズ期間および第2フリーズ期間をゼロに設定してフリーズ演出をキャンセルする。
【解決手段】
フリーズ演出契機に当選した場合(S106)、フリーズ演出を発生させ(S201〜S202)、第1計時手段により始動スイッチまたは停止スイッチがON操作されている操作時間TAを第1フリーズ期間として計時し(S201〜S204)、その計時後、操作時間TAと同じ時間長さの第2フリーズ期間TBについての計時を第2計時手段により開始し(S205〜S208)、第1フリーズ期間と第2フリーズ期間の和からなるフリーズ期間(TA+TB)についてフリーズ演出を行う。始動スイッチまたは停止スイッチのON操作時間が猶予時間幅内に収まる短時間であった場合、第1フリーズ期間および第2フリーズ期間をゼロに設定してフリーズ演出をキャンセルする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴式遊技機に関し、詳しくは、回胴装置の各回胴を一定時間だけ連続して不回転状態に置くフリーズ演出を発生させることを可能にした回胴式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、回胴式遊技機は、その回胴装置の種々の図柄が施された複数の回胴を回転開始することで単位遊技を開始し、その各回胴の停止時の図柄の組み合せの表示態様を遊技結果として導出表示することで、単位遊技を終える。この単位遊技中においては、抽選により入賞役に当選しても、直ちに入賞が確定したものとはならない。遊技者は、目押し操作を慎重に行なうことによって、回胴装置の遊技結果である表示態様をあらかじめ定められた特別の表示態様とした場合に、始めて、“ビッグボーナスゲーム”や“レギュラーボーナスゲーム”と称されるボーナス遊技や、AT(アシストタイム)遊技など、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御される。
【0003】
このように遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する契機役となる特別入賞役に当選した場合、そのことを遊技者に報知する手段として、いわゆるフリーズ演出を発生させることが知られている。フリーズ演出は遊技の進行を停止させる形態の演出であり、具体的には、遊技を進行させるための処理を中断し、遊技の進行を妨げることにより遊技者に違和感を与える形態とする演出である。代表的なものとしては、たとえば、回胴装置の各回胴を一定時間だけ連続して不回転状態に置き、この期間、液晶表示装置に所定の演出を表示させるものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0004】
また、フリーズ期間のクレジット枚数およびボーナスの種類とフリーズ期間とを対応づけ、ビックボーナスの場合は、クレジット枚数が25枚未満では20秒、25枚以上では30秒のフリーズ期間を付与し、またレギュラーボーナスの場合は、クレジット枚数が25枚未満では10秒、25枚以上では5秒のフリーズ期間を付与し、その間、ストップボタンを無効化するフリーズ処理も知られている(たとえば下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3639728号公報
【特許文献2】特開2007−229122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のフリーズ演出は、あらかじめ一定長さのフリーズ期間が固定的に与えられるか、またはあらかじめ与えられた複数のフリーズ期間長さの中から一つのフリーズ期間が選択されるものであり、遊技者が積極的にフリーズ期間の長短の決定に参加することはできず、このため面白みに欠けるという問題があった。また、このフリーズ期間が長いと感ずる遊技者であっても、フリーズ期間を短縮しあるいはキャンセルすることはできなかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、フリーズ演出のフリーズ期間を遊技者自らの意思で適宜に伸縮しあるいはキャンセルすることができる回胴式遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段により達成される。
【0009】
(1)種々の図柄が外周に施された回胴が複数並設され、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を表示する回胴装置と、
各回胴の回転による単位遊技の実行ごとに、ハズレ役を含む複数種類の入賞役を対象として抽選を行う入賞役抽選手段と、
所定の遊技開始条件の下で前記回胴装置を回転始動させる操作スイッチであって前記単位遊技を開始させる回胴回転始動スイッチと、
前記各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させる操作スイッチであって、前記回胴の回転停止により前記遊技結果を導出させて前記単位遊技を終了させるため任意の順序で停止操作される複数の回胴回転停止スイッチと、を備え、
前記回胴装置における遊技結果が前記入賞役抽選手段による抽選結果に対応する表示態様となった場合に、その遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与するように構成された回胴式遊技機であって、
遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選手段と、
前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選された場合、前記遊技の進行を停止するフリーズ演出を発生させるフリーズ演出発生手段と、
前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選された場合、前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する第1計時手段と、
前記第1計時手段による前記操作時間の計時が終了した時点から、前記第1計時手段により計時された前記操作時間に対応する第2フリーズ期間についての計時を開始する第2計時手段と、を有し、
前記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出が、前記第1計時手段により計時された前記第1フリーズ期間と前記第2計時手段により計時された前記第2フリーズ期間の和からなるフリーズ期間について行われる、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
【0010】
(2)前記回胴回転始動スイッチまたは前記最終停止スイッチがON操作されている時間が、あらかじめ定めた猶予時間幅内に収まる短時間であった場合、前記第1フリーズ期間および前記第2フリーズ期間をゼロまたはほぼゼロに設定して、前記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出をキャンセルするキャンセル手段を、さらに有する、ことを特徴とする上記(1)に記載の回胴式遊技機。
【0011】
(3)前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチのON操作時間により前記第1フリーズ期間を伸縮しうる範囲の上限値であるフリーズ最大時間をあらかじめ設定するフリーズ最大時間設定手段を、さらに有し、
前記第1計時手段は、前記フリーズ最大時間の範囲を超えて前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチのON操作が継続された場合、前記フリーズ最大時間までのON操作時間を第1フリーズ期間として計時する、ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の回胴式遊技機。
【0012】
(4)前記フリーズ最大時間として時間長さの異なる複数のフリーズ最大時間があらかじめ用意されており、前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選される場合、前記複数のフリーズ最大時間のうちから一つのフリーズ最大時間を抽選により選択するフリーズ最大時間抽選手段を、さらに有する、ことを特徴とする上記(3)に記載の回胴式遊技機。
【0013】
(5)前記複数種類の入賞役は、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行契機となる特別入賞役を含み、前記フリーズ最大時間抽選手段は、前記入賞役抽選手段による抽選で前記特別入賞役に当選した場合、前記複数のフリーズ最大時間のうちから時間長が相対的に長いフリーズ最大時間を抽選により選択する、ことを特徴とする上記(4)に記載の回胴式遊技機。
【0014】
(6)前記フリーズ演出が発生している間、フリーズ期間中演出を現出するためのフリーズ期間中演出現出手段と、前記フリーズ期間中演出現出手段に現出させるフリーズ期間中演出の内容を制御するフリーズ期間中演出制御手段と、をさらに有する、ことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
【0015】
(7)前記フリーズ演出抽選手段は、前記回胴回転始動スイッチがON操作された場合に、遊技の開始時または停止時のフリーズ演出についてのフリーズ演出契機を抽選により選択し、
前記第1計時手段は、前記停止時のフリーズ演出についてフリーズ演出契機が抽選された場合、前記複数の回胴回転停止スイッチのうちで最後に停止操作される最終停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する、ことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技の進行を停止するフリーズ演出、たとえば回胴装置の各回胴を一定期間不回転状態とするフリーズ演出を発生させる場合、そのフリーズ期間の長さが、遊技者の操作した、たとえば回胴回転始動レバーや最終停止(第3停止)スイッチのON操作時間の長短により決定される。したがって、回胴回転始動レバーや最終停止スイッチのON操作時間を自己の好みで決定することにより、フリーズ演出におけるフリーズ期間の長短を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の回胴式遊技機の制御装置を示すブロック図である。
【図3】図2に示す制御装置の主制御基板および演出制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の回胴式遊技機の遊技動作処理の前半を示すフローチャートである。
【図5】本発明の回胴式遊技機の遊技動作処理の後半を示すフローチャートである。
【図6】図4中の開始時フリーズ演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図5中の停止時フリーズ演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】通常遊技で入賞役を抽選する際に用いられる抽選テーブルを示す図である。
【図9】回胴の回転開始時および停止時のフリーズ演出契機の抽選で用いられるフリーズ演出抽選テーブルを示す図である。
【図10】回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチのON−OFFと、フリーズ演出およびフリーズ期間中演出との関係を、ON操作時間TAの長短により分類して示した図である。
【図11】本発明のフリーズ演出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係るタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。
【0019】
<機械的構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
【0020】
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
【0021】
図1に示すように、前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓(回胴視認部)3を、またその上側に第2の表示窓(液晶画面視認部)4を設けてある。
【0022】
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。
【0023】
この回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図示せず)を有しており、各回胴5a、5b、5cの停止時の上記図柄の組み合せによって遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。図柄配列帯については、既に種々の図柄配列帯が公知であるのでその詳細な説明は省略するが、図柄配列帯には、各入賞役を構成するための図柄が表示されており、本実施形態では回転方向に21コマの図柄が配置されている。図柄には、たとえば「7」、「ベル」、「オレンジ」、「チェリー」、「JAC」、「BAR」、「人物」、「動物」、「魚」、「乗り物」など、特に制限はなく、種々の図柄を採用することができる。この回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図2参照)により回転駆動されるように構成され、各回胴5a、5b、5cが回転することにより、上記図柄が変動表示可能となっている。なお、回胴5a、5b、5cは、本実施形態のように、回胴駆動モータ211a、211b、211cのような電気的駆動源を用いて物理的に回転または停止が行われる機械式の回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であっても良い。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個、4個など、何個配設されていても良い。
【0024】
回胴視認部3には、ここを横および斜めに横断する形で、計5本の入賞ライン3aが施されている。これらの入賞ライン3aは、単位遊技(1ゲーム)に対する遊技メダルの投入枚数に応じて有効として扱われる入賞ライン数が変化する。この有効となった入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)3a上で、3つの回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の表示態様が当選役に対応する図柄表示態様と一致したことを条件に、その停止図柄の組み合わせに応じた遊技価値が遊技者に付与される。たとえば、遊技メダルの払い出しを伴う役に当選し、これに対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止した場合、つまり「入賞」となった場合、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図2参照)が作動して、配当として所定枚数の遊技メダルの払い出しが行われる。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
【0025】
また、第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、遊技機の中央より上側に設けてある。この液晶画面視認部4は、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面6a(液晶画面6aと略す)に対応して、たとえば回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。遊技者はこの液晶画面視認部4を介して液晶画面6aを前側から視認可能となっている。この液晶画面6aには、遊技に伴う演出が画像により表示される。液晶表示装置6は広義には演出を現出する演出手段として機能するが、フリーズ期間中の演出を現出するフリーズ期間中演出現出手段の一部としても機能する。なお、本実施形態では、液晶表示装置6を設けているが、これに限らず、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)、機械式回胴による表示装置、7セグによる表示装置で構成しても良い。
【0026】
回胴視認部3の左右両側には、LEDを内蔵して、その発光色の種類や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減)による光の装飾により、遊技に伴う演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。上記装飾ランプ部13は、広義には演出を現出する演出手段として機能するが、フリーズ期間中の演出を現出するフリーズ期間中演出現出手段の一部としても機能する。
【0027】
本発明において、フリーズ期間中演出現出手段は、フリーズ演出の発生している間、フリーズ期間中演出を現出させて遊技者に報知するものであり、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができる刺激伝達手段であれば採用することができる。ランプや画像形成装置などの光発生手段ないし演出表示装置、スピーカなどの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置などはその代表例である。上記演出表示装置は、画像表示装置や液晶表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(7セグによる表示装置など)も含む点で画像表示装置と異なる。上記液晶表示装置6は画像表示装置の代表例である。液晶表示装置と言った場合は主として画像で表示するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
【0028】
回胴視認部3の下方の段部には、遊技に供する遊技媒体としての遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能)に貯留された範囲、すなわちクレジットされた範囲内で、遊技メダルを最大枚数賭けで一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8、押した回数に応じて最大賭け枚数まで加算的に擬似投入し得る貯留メダル投入ボタン9、クレジットされた遊技メダルの精算を行う貯留メダル精算ボタン10が設けられている。
【0029】
さらにまた、回胴視認部3の上記段部の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を一斉に開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、必要に応じて、回胴回転停止ボタン12aを「左回胴回転停止ボタン12a」、回胴回転停止ボタン12bを「中回胴回転停止ボタン12b」、回胴回転停止ボタン12cを「右回胴回転停止ボタン12c」と称し、またこれら回胴回転停止ボタンを総称して、単に「回胴回転停止ボタン12」と称する場合がある)などが設けられている。
【0030】
また、上記ボタンやレバーには、その内部に発光手段(LED)が設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により操作が有効であるか否かが遊技者に報知されるようになっている。
【0031】
上記したMAXBETボタン8、貯留メダル投入ボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作された際に操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(8a、9a、10a、11a、12a’、12b’、12c’:図3参照)が設けられている。またメダル投入口7から投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ(7a’:図2参照)がメダル投入口13の内部に設けられている。
【0032】
操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられている。
【0033】
装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
【0034】
また前扉2の前扉上部両側および前扉下部両側には、遊技に関する効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。スピーカ16は、広義には演出を現出する演出手段として機能するが、フリーズ期間中の演出を現出するフリーズ期間中演出現出手段の一部としても機能する。
【0035】
<制御装置:図2、図3>
次に、本発明に係る回胴式遊技機の制御系について説明する。
【0036】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
【0037】
図2は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。
【0038】
図2に示すように、この制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板400(主制御部)と、主制御基板400から演出制御コマンドを受けて、光と音についての演出制御を行う演出制御基板420と、この演出制御基板420からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板460と、を中心に構成される。そして、液晶制御基板460には、画像表示装置としての液晶表示装置6が接続されている。
【0039】
また、符号440は電源基板であり、電源基板440は外部電源に接続され、変圧トランス(図示せず)から供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、電源供給ルートは省略して示している。
【0040】
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8aと、貯留メダル投入ボタンの操作を検出する貯留メダル投入スイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、停止スイッチ基板360と、が接続され、主制御基板400はこれらの各検出信号を受信可能となっている。上記停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを内側から照らすLEDが設けられている。
【0041】
また主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cおよび回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、図柄の基準位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御基板400は、各回胴駆動モータを駆動制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0042】
また主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500に設けられた払出制御基板450と、メダル検出センサ520と、ホッパータンク(図示せず)から溢れた余剰の遊技メダルを監視する満杯検知金具からなる満杯検知センサ600と、が接続されている。主制御基板400は、入賞による遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板450に送信可能となっている。この払出制御コマンドを受けた払出制御基板450は、ホッパーモータ510を駆動させて、目的枚数の遊技メダルの払い出しを行う。払い出された遊技メダルは、メダル検出センサ520により検出され、その検出信号が主制御基板400に入力される。
【0043】
また主制御基板400には、外部集中端子基板310を介してパチンコホールの遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCが接続され、主制御基板400は、所定の遊技情報をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
【0044】
また主制御基板400には回胴設定基板430が接続され、主制御基板400は、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。回胴設定基板430には、出玉率に変化をもたらす「設定」を変更する設定スイッチや、遊技動作エラーを解除するリセットスイッチが設けられ、回胴設定基板430は、上記各スイッチの操作を検出して、検出信号を主制御基板400に出力する。
【0045】
さらにまた主制御基板400には、演出I/F基板340を介して演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御基板400からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶制御基板460への液晶制御コマンドの送信やスピーカ46の音制御や装飾ランプ13・LEDの発光制御である。また演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御などである。これら制御基板(演出制御部)は、フリーズ期間中演出の内容を制御するフリーズ期間中演出制御手段として機能する。なお本明細書においては、場合により、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能を特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部」として説明する。また、本実施形態では、演出制御基板420と液晶制御基板460とを別個の基板で遊技機に設けているが、これらの基板が担う機能を一体的に構成した演出制御部を1つの基板に搭載してもよい。
【0046】
次に、図3を参照して、主制御基板400および演出制御基板420の回路構成とその機能について説明する。図4は図3に示す主制御基板400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。
【0047】
(主制御基板400)
先ず、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データを格納したメインROM401aと、ワークエリアが形成されるメインRAM401bとを搭載した1チップマイクロコンピュータ401を中心に構成され、その他、周辺基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408が設けられている。上記メインROM401aには、上記遊技動作制御プログラムの他、回胴の停止制御の際に用いられる停止制御用の停止データが記述された停止制御テーブル(図示せず)、入賞役を決定する際に用いられる抽選テーブル(図8参照)、有効入賞ライン3a上に停止した図柄の確認や払い出し枚数を決定するための入賞払出判定テーブル(図示せず)、フリーズ演出の出現割合を決定するためのフリーズ演出抽選テーブル(図9参照)も、このメインROM401aに記憶されている。
【0048】
1チップマイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)は、メインROM401a、メインRAM401b、メインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dやメインCPU401cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えている。
【0049】
主制御基板400からは、処理状態を特定可能な制御情報としての演出制御コマンドが、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力され、演出I/F基板340を通して、正確にはその内部に設けられた主制御基板400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。
【0050】
カウンタ回路403は、図示はしていないが、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを備えている。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。この内部抽選用乱数値は、主に入賞役の抽選に利用される。ここで上記役の抽選は、主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401がその機能を担う「役抽選手段」により行われる。上記入賞役抽選手段は、各回胴5a、5b、5cの回転による単位遊技の実行ごとに、1または複数種類の役もしくはハズレに対応付けられた当選領域を有する抽選領域を対象として抽選を実行し、具体的には、上記取得した内部抽選用乱数値が、いずれの当選領域に属するかを判定することで、いずれの入賞役に当選したのか、ハズレであるのかを決定する。抽選により当選した入賞役(当選役)が決定された場合には、その抽選結果情報として内部当選フラグを成立させる。この内部当選フラグは、所定の処理が終了するまでメインRAM401bの所定の領域に格納される。この入賞役抽選手段による抽選は、図8に示す抽選テーブルに基づき行われる。
【0051】
この抽選テーブルは、抽選される入賞役の種類と入賞役ごとの当選確率とを定めたものである。本実施形態における通常遊技抽選テーブルの抽選領域の大きさは65536となっており、この範囲で各入賞役の当選領域が定められている(図8の「当選確率」の欄は、「当選領域/抽選領域」により算出した概算値を示している)。また、図8には通常遊技中における抽選テーブルのみを示しているが、抽選テーブルには各遊技状態(通常遊技、BB遊技など)に対応する複数の抽選テーブルが用意されており、上記入賞役抽選手段は、各遊技状態に応じた抽選テーブルを選択し、入賞役に関する抽選を行っている。
【0052】
また主制御基板400は、遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選手段と、上記フリーズ演出抽選手段により上記フリーズ演出契機が抽選された場合、上記遊技の進行を停止するフリーズ演出を発生させるフリーズ演出発生手段と、上記フリーズ演出抽選手段により上記フリーズ演出契機が抽選された場合、上記回胴回転始動スイッチまたは上記回胴回転停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する第1計時手段と、上記第1計時手段による上記操作時間の計時が終了した時点から、上記第1計時手段により計時された上記操作時間に対応する第2フリーズ期間についての計時を開始する第2計時手段と、を有し、上記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出が、上記第1計時手段により計時された上記第1フリーズ期間と上記第2計時手段により計時された上記第2フリーズ期間の和からなるフリーズ期間について行われる。これら手段についての詳細は後述する。
【0053】
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
【0054】
モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を出力する。
【0055】
各回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御は、1チップマイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われており、これらは停止制御手段を構成している。
【0056】
1チップマイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、メダル検出センサ7aからの検出信号や、MAXスイッチ8a、または貯留メダル投入スイッチ9aからの操作検出信号により遊技開始条件となる規定枚数(たとえば1〜3枚)の遊技メダルが投入されたことを確認すると、遊技開始条件を成立させる。この遊技開始条件成立下で回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認すると、モータ駆動回路407から出力される駆動パルス信号を制御し、3つの回胴5a、5b、5cを一斉に回転始動させ、その後、各回胴を一定速度で回転させる。これにより、回胴を回転させる回転動作を実現している。
【0057】
また1チップマイクロコンピュータ401は、回胴の回転中において、各回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの位置検出信号の入力により、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視し、所定位置(本実施形態では、回胴視認部3の最下段水平方向の入賞ライン上(いわゆる、「枠内下段」位置))に存在する図柄を把握している。そして、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号を受けたタイミングで、上記所定位置に存在する図柄情報(停止操作位置図柄番号)を取得し、停止制御テーブル(図示せず)に基づいて、その取得した図柄情報に基づいて、どれだけのコマ数分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的とする位置に回胴を停止させる停止動作を実現している。
【0058】
上記停止制御テーブルには、回胴の停止制御を行う際の停止データとして、回胴回転停止ボタンが操作されたタイミング、つまり回胴回転停止スイッチが操作されたタイミングで当該回胴回転停止スイッチに対応する回胴における上記所定位置に存在している図柄と、その回胴が実際に停止したときに上記所定位置に表示する図柄との関係を、回胴の停止操作順や他の回胴の停止位置や抽選結果情報に関連付けて定めてあり、いわゆる「引き込み制御」を実現するための停止データが定められている。
【0059】
上記「引き込み制御」とは、従来から知られているように、入賞役抽選手段による抽選で当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在するその役の構成要素図柄(役に対応する図柄の組み合わせを構成するための図柄)を除き、所定の滑りコマ数(本実施形態では最大4コマ)の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能とされる当該役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様をいう。このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴における図柄の配置構成や滑りコマ数を定めれば、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、当選役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に必ず停止可能(100%引き込み可能)にしたり、停止操作タイミングによっては最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能としたり(「取りこぼし」を可能とする)することもできる。ただし、「ハズレ(ハズレ役)」の場合には、いずれの入賞役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止させない停止位置が決定される。したがって、いずれの入賞役にも当選していないゲームにおいて、遊技者が目押し操作により役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止させようと如何に試みようとも、その図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。このように、回胴の停止操作タイミングの位置と滑りコマ数とにより回胴の停止位置は一義的に定まることになる。
【0060】
各回胴が停止した際、遊技結果としての有効入賞ライン上の図柄の停止表示態様は、基準位置としての枠内下段にどの図柄番号が停止したかで自然と定まる。1チップマイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、各回胴の枠内下段の位置の図柄を把握することで、現在、どの図柄が有効入賞ライン上に停止しているかを各回胴ごとに把握し、入賞か否かの判断ができる構成となっている。また上記停止操作位置図柄番号が取得されれば、停止制御テーブルに基づいて滑りコマ数を割り出すことができるので、回胴の停止前であっても有効入賞ライン上に停止する図柄を予測することができる。これにより回胴の停止前に入賞か否かを判断する構成としても良い。
【0061】
(入賞役)
次に、入賞役について説明する。本実施形態における入賞役の種別としては、図8に示すように、リプレイ役、特殊リプレイ役、チェリー役、特殊チェリー役、ベル役、スイカ役、BB役などが設定されている。なお、各入賞役に対応する図柄の組み合わせについては図示していないが、特に制限はなく、図柄配列帯に施される図柄種によりその構成を適宜変更することができる。
【0062】
リプレイ役は、入賞が確定した場合に今回の遊技で投入した遊技メダルの枚数と同一の枚数を擬似的に付与して次回の遊技を開始可能とする再遊技を遊技者に付与する入賞役である。すなわち、遊技者が遊技メダルを投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)することなく、所定の遊技開始条件を付与し、次回の遊技を開始可能とする入賞役である。したがって、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回の遊技が可能になるという点で、上記再遊技は、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。
【0063】
チェリー役、ベル役、スイカ役は、入賞が確定した場合、所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う入賞役であり、いわゆる小役と称されるものである。本実施形態では、チェリー役は2枚、ベル役は9枚、スイカ役は15枚の遊技メダルの配当が得られる。
【0064】
BB役は、いわゆるボーナス役と称される特別入賞役であり、入賞が確定した場合、次回以降の遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させるものである。この各BB役への入賞が確定した場合、次回以降の遊技からBB遊技と称される特別遊技状態に移行する。本実施形態のBB遊技では、特別役物(いわゆる、レギュラーボーナス)を連続的に作動させる役物連続作動装置が作動し、遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができるようになっている。このBB遊技は、所定の終了条件、たとえば所定枚数の遊技メダルが払い出されたことを条件に、BB遊技が終了するようになっている。上記各BB役は、大量の遊技メダルを獲得することが可能であり、全入賞役のうちで最も高い遊技価値を有する入賞役として位置付けられている。
【0065】
特殊リプレイ役はリプレイ役とBB役とに、特殊チェリー役はチェリー役とBB役とに重複して当選する入賞役(いわゆる、重複入賞役)である。また本実施形態の「特殊リプレイ役」はリプレイ役、「特殊チェリー役」はチェリー役と同じ図柄の組合せで構成される。この重複入賞役に当選した場合、どの入賞役を優先的に有効入賞ライン3aに引き込むかは、所定の優先順位に基づいて行われる。本実施形態では、「リプレイ役>小役>BB役」の順位で引き込み制御が行われるように、優先順位に関し定められている。これにより、重複当選した遊技では、上記優先順位に基づき停止制御が行われることになる。
【0066】
なお、リプレイ役、チェリー役、ベル役、スイカ役のそれぞれは、抽選により当選したその遊技でこれに対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン3a上に停止しなかった場合、当該当選が無効となり、当選した権利を次回以降の遊技に持ち越すことができない持越不可能入賞役として設定されている。これに対し、BB役は、抽選により当選したその遊技で有効入賞ライン3a上にこれに対応する図柄の組み合わせが停止しなかった場合であっても、当該当選は無効とされることなく、当選した権利を次回以降の遊技に持ち越すことができる持越可能入賞役として設定されている。
【0067】
(演出制御基板420)
再び、図4に戻り、次いで演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、サブCPU421cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出用データ(演出シナリオ(演出パターン)データ)などを格納したサブROM421aと、ワークエリアが形成されるサブRAM421bとを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423が設けられている。またマイクロコンピュータ421は、メインROM401a、メインRAM401b、メインCPU401cの他、CTC421dやサブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421eを備えている。
【0068】
また演出制御基板420には、主制御基板400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部と、スピーカ16を含む音響発生装置に対する音響制御部が設けられている。
【0069】
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選に利用される。
【0070】
演出制御基板420は、主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、演出シナリオに対応する演出パターンを、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりまたは一意に決定し、これを実行指示する制御信号を上記音響発生装置や光表示装置に送信する。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ13やLEDの点灯点滅駆動とが実現される。また、演出制御基板420は、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで液晶制御基板460に送信する。
【0071】
この液晶制御基板460には、図示はしないが、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAMとが設けられている。また、液晶制御基板460には、上記液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMとが設けられている。液晶制御基板460側では、演出制御基板420から送られてくる上記液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6に対する画像表示制御が行われる。これにより、演出パターンに対応する画像表示演出が実現される。
【0072】
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401cは、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。サブCPU421cは、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によりコマンドを受信する。ストローブ信号はメインCPU401cにより、サブCPU421cが確実にコマンドを受信することが可能となるように所定期間アクティブ状態に制御される。
【0073】
液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
【0074】
(演出制御コマンド)
ここで、主制御基板400が各遊技動作の実行時に演出制御基板420に対して送信する各種演出制御コマンドについて説明する。主制御基板400が送信する演出制御コマンドとしては、以下のようなものがある。なお、これらのコマンド名は、発生時期または送信時期に着目して命名されており、その命名の内容の実行を促すものではない。
【0075】
まず、遊技メダル1枚を投入するごとに発生する「メダル投入コマンド」、回胴回転始動レバー11の操作時に発生する「回転開始(遊技スタート)コマンド(当選役に関する情報(抽選結果情報)や遊技状態に関する情報を含む)、回胴回転始動レバー11操作後の回胴回転開始時に発生する「回胴起動(回胴回転)コマンド」がある。ここで、回転開始コマンドが抽選結果情報や遊技状態の情報を含むとは、たとえば回転開始コマンドが16ビットの符号からなり、そのうちの6ビットが当選役を示す情報(当選情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられるような形態を意味する。上記回転開始コマンドに含まれる「遊技状態情報」には、「通常遊技中」、「BB遊技中」、「BB遊技終了」、「当選情報」などがある。また回胴回転始動レバー11のON操作時、後述するフリーズ演出抽選処理(図4、ステップS106参照)によりフリーズ演出に当選した場合、遊技者が伸縮し得るフリーズ演出時間長さの最大値(伸縮可能範囲の上限値)を指示する「フリーズ最大時間(Tmax)コマンド」や、その伸縮可能範囲で遊技者の伸縮意図を反映させた第1フリーズ期間TA後の第2フリーズ期間TBの開始に関する「第2フリーズ期間コマンド」がある。フリーズ最大時間コマンドはフリーズ演出における第1フリーズ期間の開始を知らせるコマンドC1として働き、また第2フリーズ期間コマンドはフリーズ演出における第2フリーズ期間の開始を知らせるコマンドC2として働く。
【0076】
さらにまた、主制御基板400から演出制御基板420に送られる演出制御コマンドには、回胴回転停止ボタン12aの操作時(左停止操作時)、回胴回転停止ボタン12bの操作時(中停止操作時)、回胴回転停止ボタン12cの操作時(右停止操作時)にそれぞれ発生する「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」のコマンド(停止操作順情報を含む)や、引き込み制御後の左回胴停止時、中回胴停止時、または右回胴停止時に発生する「左回胴停止」、「中回胴停止」、「右回胴停止」のコマンド(回胴の「停止位置情報」を含む)がある。これら「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」の各コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの3ビットが順押し、逆押し、ハサミ押しの停止操作順情報に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す遊技状態情報(フリーズ演出状態を含む)に割り当てられる。
【0077】
なお、3つの回胴回転停止ボタンのうちで1番目に操作された回胴回転停止ボタンであることは、上記の押し順情報から知ることができ、「第1停止コマンド」として演出制御基板420に送信され、演出制御基板420が1番目停止時に回胴停止時の演出を実行するために利用される。同様にして、2番目、3番目に操作された回胴回転停止ボタンであることも、上記の押し順情報から知ることができ、「第2停止コマンド」、「第3停止コマンド」として演出制御基板420に送信され、利用される。
【0078】
さらに、主制御基板400から演出制御基板420に送られる演出制御コマンドには、3番目に回胴回転停止ボタンを離した時に発生する「全回胴停止」コマンドがある。この全回胴停止コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの4ビットが有効入賞ライン3a上に揃った入賞役の種類を示す情報(入賞役情報)に割り当てられ、他の3ビットが入賞ライン3aを示す情報(入賞ライン情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられる。
【0079】
この全回胴停止コマンドは、引き込み制御中に停止ボタンから指を離した場合、3番目の回胴の引き込み制御後の回胴停止時に発生する。ここで全回胴停止コマンドに含まれる「入賞ライン情報」とは、回胴において入賞役が揃った入賞ライン3aに関する情報であり、また「入賞役情報」とは実際に揃った図柄に関する情報である。回転開始コマンドに含まれる「入賞役」の情報では、実際に揃う図柄が未確定であるのに対し、この全回胴停止コマンドに含まれる「入賞役」の情報は、取りこぼしをすることなく実際に揃った図柄を示す情報である点で、両者は異なる。演出制御基板420ではこの入賞ライン情報と入賞役情報に基づいて、全回胴が停止して入賞の当否が確定した後に現出すべき演出内容を決定している。
【0080】
<遊技動作処理>
次に、本発明に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理内容について説明する。
【0081】
図4および図5は、遊技動作制御プログラムに従い主制御基板400(メインCPU401c)が実行する主制御側の遊技動作処理を示すフローチャートである。なお、図4および図5で説明する処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御基板400として説明する。
【0082】
まず、メダル投入待ち処理を行う(ステップS101)。このメダル投入待ち処理は、メダル投入口7(クレジットからの擬似的な投入も含む)から遊技機本体に投入された遊技メダルを検出したり、検出した遊技メダルの投入枚数を計数したりする遊技メダル投入に係る処理や、クレジットされた遊技メダルの精算に係る処理である。
【0083】
そして、単位遊技を開始するのに必要な規定枚数の遊技メダルが投入(クレジットからの擬似的な投入も含む)され、所定の遊技開始条件を満たしているか否かについて判断をする(ステップS102)。規定枚数の遊技メダルが投入されて所定の遊技開始条件が満たされている場合は(ステップS102:YES)、回胴回転始動レバー11が押下(ON)操作されたか否か、つまり回胴回転始動スイッチ11aがON状態になったか否かを判断する(ステップS102)。規定枚数の遊技メダルが投入されていない場合(ステップS102:NO)および回胴回転始動レバー11が押下(ON)操作されていない場合(ステップS103:NO)は、ステップS101に戻って上記ステップS101〜S103を繰り返す。
【0084】
そして所定の遊技開始条件が満たされている状態下で、回胴回転始動レバー11がON操作された場合(ステップS103、YES)には、ステップS104の乱数抽出処理に移行する。メインCPU401cは、回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号(ON信号)を受信したか否かをも監視しており、回胴回転開始信号を受信しない限り、ステップS104の処理には移行されないようにしている。したがって、本実施形態の回胴式遊技機における遊技は、遊技者による遊技メダル投入により遊技開始の条件が整い、回胴回転始動レバー11をON操作して回胴を回転開始させてから、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを操作して回胴を停止させることで、各回胴の停止位置により定まる図柄の組み合せによって遊技結果が得られるまで(ここでいう遊技結果とは、有効入賞ライン3a上に入賞役が揃い、これに応じた遊技価値が付与されることを意味し、回胴装置210に遊技結果が表示された段階とは異なる)の一連の工程を1回の遊技(単位遊技:1ゲーム)として、繰り返される遊技である。
【0085】
次に、内部抽選用乱数値をカウンタ回路のカウンタ値に基づいて抽出する(ステップS104)。上記内部抽選用乱数値を抽出するタイミングは、回胴回転始動レバー11が操作された際、回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号(ON信号)を主制御基板400が受信したタイミングで行われる。上記抽選用乱数は、主制御基板400のカウンタ回路によって生成され、本実施形態に係る回胴式遊技機では、8ビットのバイナリカウンタを2個用いて16ビットのハードウェア乱数(0000H〜FFFFH(16進数)の繰り返し)を生成している。なお、上記乱数の生成は、ハードウェア乱数に限られることはなく、CPUに所定のプログラムを実行させることによって生成するソフトウェア乱数を用いても良い。
【0086】
次に、ステップS104の処理で抽出した内部抽選用乱数値に基づき、入賞役に関する抽選を行う(ステップS105)。この処理(図柄抽選処理)は、上記抽出した内部抽選用乱数値と抽選テーブル(図8参照)とに基づき、当選役を決定し、抽選結果に基づく抽選結果情報(たとえば内部当選フラグが該当する)を生成する処理である。
【0087】
この図柄抽選処理は、各回胴の回転による単位遊技の実行ごとに、ハズレ役を含む複数種類の入賞役を対象として抽選を行う入賞役抽選手段に対応する。抽選結果情報は、メインRAM401bの所定の領域に格納される。この抽選結果情報は毎遊技ごとにクリアされるが、BB役の当選情報に限り、BB役の入賞が確定するまで、その情報は次回以降の遊技に持ち越されるようになっている。
【0088】
次に、主制御基板400は、ハズレ役を含む入賞役と関連して、遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選処理を行う(ステップS106)。ここで「フリーズ演出」とは、遊技の進行を停止させる形態の演出である。具体的には、遊技を進行させるための所定の処理を中断し、遊技の進行を妨げることにより遊技者に違和感を与えるような形態の演出を意味する。本実施形態では、回胴装置210の各回胴5a、5b、5cを所定のフリーズ期間だけ連続して不回転状態とすることにより、遊技が進行することを停止するフリーズ演出としている。このフリーズ演出は、主として遊技者にとって有利な特別遊技状態をもたらす契機役としての特別入賞役に当選している期待度が大きいことを報知するために使われる。
【0089】
上記フリーズ演出抽選処理によりフリーズ演出契機の当選が確定する際、ステップS106では、同時に、あらかじめ用意された複数のフリーズ最大時間(Tmax)のうちから一つのフリーズ最大時間を抽選により選択するフリーズ最大時間抽選が行われる。このステップS106はフリーズ最大時間設定手段に対応する。フリーズ最大時間(Tmax)は、各回胴5a、5b、5cを不回転状態(停止状態)に置くフリーズ演出の時間長さ(フリーズ期間)に関して、遊技者の意思により長短を決定しうる伸縮可能範囲の上限値を定めるものである。本実施形態では、フリーズ最大時間(Tmax)として、3秒、5秒、7秒の3種類が用意されており、その中から一つのフリーズ最大時間が抽選により選択される。
【0090】
上記フリーズ演出契機の抽選は、図9に示す開始時および停止時のフリーズ演出抽選テーブルを参照して当否が決定される。フリーズ演出契機の抽選に当選する場合には、上記フリーズ最大時間抽選が行われると共に、演出制御基板420側にてフリーズ期間中演出パターン抽選テーブル(図示せず)が参照されて、フリーズ期間中の演出も決定される。
【0091】
なお、次の単位遊技がBB役の持ち越し遊技であるときは、このフリーズ演出抽選処理は行わない。一度フリーズ演出が発生した後に再びフリーズ演出が発生することは、BB役への当選に関してくどい報知演出となるからである。
【0092】
再び図4に戻り、上記フリーズ演出抽選処理(ステップS106)における抽選の結果、開始時のフリーズ演出契機に当選したか否かを判断する(ステップS107)。このステップS106〜S107の処理は、遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選手段に対応する。開始時のフリーズ演出契機に当選した場合(ステップS107:YES)、その旨の予告音を演出制御部において発生させるとともに、開始時フリーズ演出設定処理(図6参照、詳細は後述する)を行い(ステップS108)、当選しなかった場合は、何もしないでステップS109に進む。この開始時フリーズ演出設定処理(ステップS108)は、フリーズ演出にかかるフリーズ期間を設定するので、フリーズ演出発生手段を構成する。
【0093】
ステップS109では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動時の設定を行う回胴回転開始設定処理を行う(ステップS109)。また、ここでは回胴回転始動レバー11の操作時、入賞役の当選情報や、遊技状態情報や、回転開始コマンドの送信を行う。この回転開始コマンドは、演出制御基板420に送られて、後述する演出制御処理(図11)にて処理される。
【0094】
その後、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作された場合、各回胴回転停止ボタンに対応する回胴を停止させる回胴停止処理を行う(ステップS110)。これは上記入賞役抽選手段による抽選結果と上記回胴回転停止スイッチの操作タイミングとに基づいて、上記回胴を停止制御する停止制御手段に対応する。
【0095】
そして、すべての回胴が停止したか否かを判断する(ステップS111)。まだすべての回胴が停止してない場合には(ステップS111:NO)、ステップS110の処理に戻り、すべての回胴が停止されるまで待つ(ステップS111)。すべての回胴が停止した場合(ステップS111:YES)、図5のステップS112の処理に進む。
【0096】
図5のステップS112の処理では、上記フリーズ演出抽選処理(ステップS106)における抽選で停止時フリーズ演出に当選していたか否かを判断する(ステップS112)。なお開始時フリーズ演出と停止時フリーズ演出は二者択一的に発生される。停止時フリーズ演出に当選していなかった場合は、何もしないでステップS115に進む。
【0097】
「停止時フリーズ演出」に当選していた場合(ステップS112:YES)、複数の回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’のうちで最後に停止操作される最終停止スイッチである第3停止スイッチがONしたか否かを判断する(ステップS113)。これは第3停止スイッチがON操作されている時間長さ、つまり第3停止スイッチがONされてからOFFされるまでのON時間長さ(操作時間TA)を計測可能とすべく、その計測開始点を監視するものである。
【0098】
第3停止スイッチがONされる前(ステップS113:NO)は直接にステップS115に進む。しかし第3停止スイッチがONした場合(ステップS113:YES)は、ステップS114の停止時フリーズ演出設定処理(図7参照)に進む。この停止時フリーズ演出設定処理(ステップS114)の詳細については後述する。
【0099】
次に、入賞判定処理を行う(ステップS115)。この入賞判定処理では、当選役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン3a上で成立したか否かを判断する停止図柄判定処理や、入賞確定時における遊技メダルの払い出しの枚数を設定する払出設定処理が含まれる。
【0100】
次に、上記入賞判定処理(ステップS115)で設定された払い出し枚数に基づき、遊技メダルの払い出し(またはクレジットへの加算)を行うための遊技メダル払出処理を行う(ステップS116)。
【0101】
次に、有効入賞ライン3a上における図柄の組み合わせが、リプレイ役なのか、BB役なのかを順に確認して行き、BB遊技中であるかを確認する(ステップS117〜S119)。
【0102】
まず、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン3a上に成立したか否かを判断する(ステップS117)。リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが成立している場合(ステップS117:YES)、再遊技を行う処理(再遊技作動開始処理)を実行し(ステップS123)、メダル投入待ち処理(ステップS101、図4)に戻る。一方、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが成立していない場合(ステップS117:NO)、BB役の図柄の組み合わせが有効ライン5上に成立したか否かを判断する(ステップS118)。
【0103】
BB役に対応する図柄の組み合わせが成立している場合(ステップS118:YES)、BB遊技を開始するために必要な設定処理(BB作動開始処理:ステップS124)を行った後、メダル投入待ち処理(ステップS101、図4)に戻る。一方、BB役に対応する図柄の組み合わせが成立していない場合(ステップS118:NO)、BB遊技中であるか否かを判断する(ステップS119)。
【0104】
BB遊技中でない場合(ステップS119:NO)、そのままメダル投入待ち処理(ステップS101、図4)に進む。BB遊技中である場合(ステップS119:YES)、BB遊技を進行する上で必要な処理(BB遊技管理処理:ステップS120)を行い、BB遊技の終了条件を満たしたか否かを判断する(ステップS121)。
【0105】
BB遊技の終了条件を満たしていない場合には(ステップS121:NO)、そのままメダル投入待ち処理(ステップS101、図4)に戻り、BB遊技の終了条件を満たした場合には(ステップS121:YES)、BB遊技中に使用したメインRAM401bのワーク領域をクリアするなどのBB遊技終了処理を行って(ステップS122)、図4のメダル投入待ち処理(ステップS101)へ戻る。これにより、BB遊技終了後には、通常遊技に移行するようになっている。
【0106】
図9は、回胴の回転開始時と回転停止時のフリーズ演出抽選テーブルを例示したものである。図9(a)は開始時(回転開始時)のフリーズ演出抽選テーブル、図9(b)は停止時(回転停止時)のフリーズ演出抽選テーブルであり、それぞれリプレイ役、特殊リプレイ役、チェリー役、特殊チェリー役、ベル役、スイカ役、BB役、ハズレ役などについて、その当選領域と、当選確率を定めてある。本実施形態におけるフリーズ演出抽選テーブルの抽選領域の大きさは256となっており、この範囲でフリーズ演出契機への当選領域が定められている(図9の「当選確率」の欄は、「当選領域/抽選領域」により算出した概算値を示している)。
【0107】
図9(b)に示す主回胴停止時のフリーズ演出抽選テーブルにおいて、ベル役でのフリーズ演出契機への当選確率が「0」となっているのは、本実施形態では、ベル役は100%引き込み制御されて図柄が揃った状態が停止表示されるので、主回胴停止時には既にベル役が揃っているのにフリーズ演出を発生させることは意味がない、と判断したことによる。
【0108】
「BB役」はいわゆるボーナス役、また「特殊リプレイ役」と「特殊チェリー役」はリプレイ役やチェリー役と同じ図柄の組合せからなり、BB役に重複して当選する重複入賞役(以下、「BB同時当選役」と称する)である。ここでは、フリーズ演出が発生する入賞役の1つとして、BB同時当選役である「特殊リプレイ役」と「特殊チェリー役」が含まれている。
【0109】
また、特殊リプレイ役や特殊チェリー役に当選した場合、図9に示すように、フリーズ演出契機への当選確率を他の当選役と比べ相対的に高く設定している。このため、開始時フリーズ演出と停止時フリーズ演出が二者択一的に発生すれば、たとえ、回胴の方でリプレイ役やチェリー役が成立していても、遊技者は、特殊リプレイ役や特殊チェリー役への当選期待度が大幅に高まることになる。
【0110】
なお上記では、図9に示すフリーズ演出契機の抽選に当選した場合、続いてフリーズ最大時間を抽選することになるがこれに限らず、フリーズ演出契機の抽選がフリーズ最大時間の抽選そのものであっても良い。たとえば、図9のBB役に対応するフリーズ演出契機の当選確率は「98/256」と定めてあるが、この当選確率のうち「18/256」をフリーズ演出の最大時間3秒、「30/256」をフリーズ演出の最大時間5秒、「50/256」をフリーズ演出の最大時間7秒として当選領域を区画し、フリーズ演出の最大時間の抽選とフリーズ演出契機の抽選とが同時に行われる構成してもよい。
【0111】
(開始時フリーズ演出設定処理:図6)
図6に、上記した開始時フリーズ演出設定処理を示す。
【0112】
上記フリーズ演出抽選処理(図4、ステップS106)において開始時フリーズ演出契機に当選し、その旨の予告音の発生があった場合、上記ステップS107の判断がYESとなり、この図6の開始時フリーズ演出設定処理(図4のステップS108)に進む。
【0113】
開始時フリーズ演出設定処理においては、まず、遊技者の意思によりフリーズ期間を決定しうる伸縮可能範囲の上限値として設定された3秒、5秒、7秒のフリーズ最大時間(Tmax)のうちから、抽選により選択されたTmax(この例では7秒)についてのフリーズ最大時間コマンドをセットし、これを演出制御コマンドの一つ(上記第1フリーズ期間の開始を知らせるコマンドC1)として演出制御部側に送信する(ステップS201)。
【0114】
次に、回胴回転始動レバー11がON操作(回胴回転始動スイッチON、ステップS103)されてから、つまりフリーズ最大時間コマンド(コマンドC1)が発生してから、回胴回転始動レバー11がOFF(ステップS203)するまでのON操作時間TA(第1フリーズ期間となる)を計測すべく、カウンタからなる操作タイマAによる計時(ダウンカウント)を開始する(ステップS202)。この操作タイマAは、フリーズ演出抽選手段によりフリーズ演出契機が抽選された場合、回胴回転始動スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する第1計時手段を構成する。
【0115】
回胴回転始動レバー11がON操作され続けた場合、その操作時間(第1フリーズ期間)TAが上記のフリーズ最大時間(Tmax)に達したか否かを判断し(ステップS204)、上記のフリーズ最大時間(Tmax=7秒)に達するまではステップS203〜S204を繰り返す。
【0116】
図10(イ)は、回胴回転始動レバー11のON操作がフリーズ最大時間(Tmax=7秒)に至る前、ここでは5秒が経過した時点で終了し、回胴回転始動スイッチがOFF(ステップS203:YES)した場合を示す。この場合には、ステップS210を経てステップS205に進み、そこまでの回胴回転始動レバー11のON操作時間TA=5秒に対応する時間長さが、第2フリーズ期間TBとして、カウンタからなるフリーズ時間タイマBにセットされる(ステップS205)。このフリーズ時間タイマBは、第1計時手段による操作時間TAの計時が終了した時点から、第1計時手段により計時された操作時間TAに対応する第2フリーズ期間TBについての計時を開始する第2計時手段を構成する。
【0117】
次いで、操作タイマAの値がクリアされ(ステップS206)、この第2フリーズ期間TB=5秒についてのコマンド(第2フリーズ期間コマンド)C2が、演出制御部側に送信される(ステップS207)。続いて、フリーズ時間タイマBによる第2フリーズ期間TBの計時(ダウンカウント)を開始し(ステップS208)、第2フリーズ期間TBが経過してフリーズ時間タイマBのカウンタ値がゼロになった時点で(ステップS209:YES)、開始時フリーズ演出設定処理は終了する。
【0118】
この結果、回胴回転始動レバー11がON操作された時点からフリーズ演出(回胴不動状態)が始まり、タイマAにより計時される操作時間(第1フリーズ期間)TA(5秒)とタイマBにより計時される第2フリーズ期間TB(5秒)とを加え合わせた時間長さ(TA+TB=10秒)が全フリーズ期間として継続し、この全フリーズ期間の10秒が経過した時点で回胴不動状態が解除されて、フリーズ演出が終了する。
【0119】
ここでのフリーズ最大時間(Tmax)は7秒であるため、この7秒以内であれば、回胴回転始動レバー11をON操作した時間長さに応じて操作時間TAが増減し、第2フリーズ期間TBはこれに対応する同じ時間長さに決定される。このため遊技者は自己の意思により全フリーズ期間(TA+TB)の時間長さを定めることができる。
【0120】
図10(ロ)は、回胴回転始動レバー11のON操作がフリーズ演出の開始される前、すなわちキャンセル可能時間である0.5秒以内(この例では0.3秒後)に終了されてしまった場合である。
【0121】
図6のステップS210は回胴回転始動レバー11のON操作時間が0.5秒以内であったか否かを監視している。回胴回転始動レバー11が瞬時にOFFされて操作時間TAが0.5秒以内であったと判断された場合(ステップS210:YES)、操作タイマAにもフリーズ時間タイマBにも直ちにゼロ秒がセットされ(ステップS211)、ステップS207に進む。この場合、コマンドC1(フリーズ最大時間コマンド)の発生があり、またその発生から0.3秒後つまりステップS210の判断がYESとなるまでの時間が経過した後に、上記コマンドC2(第2フリーズ期間コマンド)も発生する(ステップS207)。しかし、第1フリーズ期間TAおよび第2フリーズ期間TBはともにゼロ秒に設定されるため、コマンドC2以降においてフリーズ期間は存在しないことになり、フリーズ演出(回胴不動状態)のキャンセルがなされた状態となる。よって、遊技者は、図10(イ)のようなフリーズ期間(TA+TB)の終わりが到来するのを待つことなく、遊技の進行を進めることができる。
【0122】
なお、上記において操作タイマAとフリーズ時間タイマBに0.3秒がセットされるように構成することも可能である。すなわち、図6において、上記ステップS210およびS211を省略した構成としてもよい。この場合は、操作タイマAにもフリーズ時間タイマBにも0.3秒がセットされるだけとなり、そのタイマ期間の経過後、同様にフリーズ演出(回胴不動状態)のキャンセルがなされた状態となる。
【0123】
図10(ハ)は、回胴回転始動レバー11のON操作がフリーズ最大時間(Tmax=7秒)を越えて10秒間続けられ、回胴回転始動スイッチがOFFした場合を示す。この場合は、回胴回転始動レバー11のON操作がフリーズ最大時間まで続けられた時点、すなわち7秒経過した時点で、操作時間TA=Tmaxとなり(ステップS204:YES)、フリーズ最大時間(Tmax=7秒)に対応する時間長さだけの第2フリーズ期間TBが、カウンタからなるフリーズ時間タイマBにセットされる(ステップS205)。次いで、操作タイマAの値がクリアされ(ステップS206)、この第2フリーズ期間TB=7秒についての第2フリーズ期間コマンドが、演出制御側に送信される(ステップS207)。続いて、フリーズ時間タイマBによる第2フリーズ期間TBの計時(ダウンカウント)を開始し(ステップS208)、第2フリーズ期間TBがゼロになった時点で(ステップS209:YES)、開始時フリーズ演出設定処理は終了する。
【0124】
この結果、回胴回転始動レバー11がON操作された時点からフリーズ演出(回胴不動状態)が始まり、タイマAにより計時されるフリーズ最大時間(Tmax=7秒)分の第1フリーズ期間TA(7秒)と、これに対応するタイマBにより計時される第2フリーズ期間TB(7秒)とを加え合わせた時間長さ(TA+TB=14秒)が全フリーズ期間として継続し、この全フリーズ期間の14秒が経過した時点で回胴不動状態が解除され、フリーズ演出が終了となる。このようにタイマAが計時する操作時間TAの長さに上限を設けることにより、無意味に長く全フリーズ期間が設定されることが回避される。
【0125】
また、フリーズ最大時間(Tmax)は3秒、5秒、7秒など時間長さの異なるものが複数用意され、これらのうちから抽選により一つが選択されて使用されるので、たとえばBB役に当選した場合には、ハズレ役に当選した場合よりも時間長さの長いフリーズ最大時間の選択確率が高くなるように、当選役に応じてフリーズ最大時間の選択確率が異なるように構成することもできる。具体的には、上記フリーズ最大時間として時間長さの異なる複数のフリーズ最大時間があらかじめ用意されており、上記フリーズ演出抽選手段によりフリーズ演出契機が抽選される場合、その複数のフリーズ最大時間のうちから一つのフリーズ最大時間を抽選により選択するフリーズ最大時間抽選手段を有する構成とする。このようにすれば、フリーズ演出の最大時間の長短により特定の役(たとえば、BB役)への当選期待度が高まることになり、遊技者がフリーズ演出を楽しむ際、さらなる面白みを与えることができる。
【0126】
(停止時フリーズ演出設定処理:図7)
図7に、上記した停止時のフリーズ演出設定処理(図5のステップS114)を示す。この停止時フリーズ演出設定処理のステップ301〜311はステップS303を除き、上記した開始時フリーズ演出設定処理(図6)のステップ201〜211に対応している。
【0127】
回胴回転始動レバー11の操作により停止時フリーズ演出に当選したことが確定している状態下において、左、中、右の停止ボタンが任意の順番で押されることにより、各回胴の回転が停止される。このとき遊技者が第3停止ボタンを押した時に、演出制御部において停止時フリーズ演出に当選した旨の予告音が発生され、第3停止ボタンを押してから、その手を第3停止ボタンから離した瞬間に、つまり第3停止スイッチがONからOFFに変化した際に、後述するステップS115で当該遊技に対する入賞判定がなされる。そこで、第3停止スイッチがONされてからOFFされるまでのON操作時間(第1フリーズ期間)TAを計測するため、計時終了時点として、第3停止スイッチがOFFされる時点を、ステップS303で監視する。
【0128】
停止時フリーズ演出設定処理においては、まず、3秒、5秒、7秒の3種類のフリーズ最大時間(Tmax)のうちから、抽選によりたとえば7秒のフリーズ最大時間コマンドをセットし、これを演出制御コマンドの一つ(上記第1フリーズ期間の開始を知らせるコマンドC1)として演出制御側に送信する(ステップS301)。
【0129】
次に、第3停止ボタン(第3停止スイッチ)がON(ステップS113)されてからOFF(ステップS303)されるまでのON操作時間TAを計測すべく、第3停止ボタンがONされた時点つまりフリーズ最大時間コマンド(コマンドC1)が発生した時点から、カウンタからなる操作タイマAによる計時(ダウンカウント)を開始する(ステップS302)。
【0130】
第3停止ボタンがON操作され続けた場合、その操作時間TAが上記のフリーズ最大時間(Tmax=7秒)に達したか否かを判断し(ステップS304)、上記のフリーズ最大時間(Tmax=7秒)に達するまではステップS303〜S304を繰り返す。
【0131】
第3停止ボタンのON操作がTmax=7秒に至る前、ここでは5秒が経過した時点で終了して、第3停止ボタンがOFF(ステップS303:YES)した場合には、そこまでの第3停止ボタンのON操作時間TA=5秒が第2フリーズ期間TBとしてフリーズ時間タイマBにセットされる(ステップS305)。次いで、この第2フリーズ期間TB=5秒についての第2フリーズ期間コマンドが、第2フリーズ期間の開始を定めるコマンドC2として演出制御部側に送信される(ステップS307)。続いて、フリーズ時間タイマBによる第2フリーズ期間TBの計時(ダウンカウント)を開始し(ステップS308)、第2フリーズ期間TBが経過してフリーズ時間タイマBのカウンタ値がゼロになった時点で(ステップS309:YES)、停止時フリーズ演出設定処理は終了する。これによりTA=5秒とTB=5秒を合わせた計10秒のフリーズ演出が終了する。ここで回胴は既に停止状態にあるので、遊技者は主としてフリーズ期間中演出の内容を楽しむことになる。この関係を図10(イ)に示す。
【0132】
ここでも遊技者は、フリーズ最大時間(Tmax)の7秒以内であれば、第3停止ボタンのON操作時間の長短を加減することにより、自己の意思により全フリーズ期間(TA+TB)の時間長さを決定することができる。
【0133】
第3停止ボタンのON操作がキャンセル可能な猶予時間幅の0.5秒以内、たとえば0.3秒後に終了となり、第3停止スイッチがOFFされてしまった場合は、第2フリーズ期間の開始を定めるコマンドC2が発生するものの、タイマA、Bにそれぞれゼロ秒がセットされるだけとなり(ステップS310、S311)、コマンドC2以降におけるフリーズ期間が存在しなくなるので、フリーズ演出のキャンセルがなされた状態となる。この関係を図10(ロ)に示す。
【0134】
第3停止ボタンのON操作がTmax=7秒を越えて10秒間続けられた場合でも、その途中でTmax=7秒が到来(ステップS304:YES)するので、その時点でTmax(7秒)が第2フリーズ期間TBとしてフリーズ時間タイマBにセットされる(ステップS305)。次いで、この第2フリーズ期間TB=7秒についての第2フリーズ期間コマンドが、演出制御側に送信される(ステップS307)。続いて、フリーズ時間タイマBによる第2フリーズ期間TBの計時(ダウンカウント)を開始し(ステップS308)、第2フリーズ期間TBがゼロになった時点で(ステップS309:YES)、停止時フリーズ演出設定処理は終了する。これによりTA=Tmax=7秒とTB=7秒を合わせた計14秒のフリーズ演出およびそれに伴う画像によるフリーズ期間中演出が終了する。この関係を図10(ハ)に示す。
【0135】
<フリーズ演出処理:図11>
次に、図11を参照して、演出制御基板420が実行するフリーズ演出の内容を説明する。
【0136】
主制御基板400から送信された演出制御コマンドを受信した場合、その演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドの種類に応じて「フリーズ演出処理」「回転開始コマンド演出処理」、「回胴停止コマンド演出処理」、「全回胴停止コマンド演出処理」、および「その他のコマンド演出処理」を順次行うものである。
【0137】
まず、演出制御基板420は、フリーズ最大時間コマンド、回胴開始コマンド、停止コマンド、全回胴停止コマンド、その他のコマンドについて、それぞれ受信の有無を順次見て行く(ステップS403〜ステップS407)。これらの演出制御コマンドを受信していない場合、演出制御処理を終了する。
【0138】
一方、演出制御コマンドを受信していた場合(ステップS401〜ステップS407)、受信したコマンドに対応する具体的なコマンド対応処理(ステップS408〜ステップS412)を実行する。このコマンド対応処理では、各種演出制御コマンドに基づく演出パターンを決定し、決定した演出パターンに沿った演出を現出させるための演出パターンデータを作成し設定する。具体的には、フリーズ演出処理、回胴開始コマンド演出処理、回胴停止コマンド演出処理、全回胴停止コマンド演出処理、その他のコマンド演出処理を行う(ステップS408〜ステップS412)。
【0139】
フリーズ演出処理では、図11に示すように、まずフリーズ最大時間コマンド(コマンドC1)が受信されたか否かを判断する(ステップS401)。フリーズ最大時間コマンドが送信されるのは、回胴回転始動レバー11がON操作されて、開始時フリーズ演出または停止時フリーズ演出が抽選された場合であり、その送信タイミングは、一つは、回胴回転始動レバー11がON操作されたときであり、他の一つは、第3停止ボタンがON操作されたときである。それぞれのタイミングで、フリーズ最大時間コマンドが送信されて来る。このフリーズ最大時間コマンドを受信した場合(ステップS401:YES)、フリーズ演出が開始される旨の予告音を発生させるための予告音演出処理を実行する(ステップS402)。
【0140】
次いで、フリーズ最大時間コマンド(コマンドC1)が受信された時点から500msが経過したか否かを判断する(ステップS403)。この500msは、第10(イ)に示すように、回胴回転始動レバー11または第3停止ボタンがON操作された時点から第1フリーズ期間中演出(この例ではフリーズ開始演出)が開始される迄の猶予時間幅である。このように第1フリーズ期間中演出が始まる前に500msの猶予時間幅を設けておくことにより、フリーズ期間中演出の発動を阻止することが可能になる。すなわち、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがONした際に発生するコマンドC1に続けて、それらスイッチがOFFした際に発生するコマンドC2(第2フリーズ期間コマンド)を、上記猶予時間幅500ms以内に受信したときは(ステップS404:YES)、何もしないでステップS403に戻る。図10(ロ)の例では、コマンドC1の発生から300msが経過した時点でコマンドC2を受信しているため、この時点でステップS404からステップS403に戻る。したがって第1フリーズ期間中演出が発生しない。また主制御側では、操作時間TA=0、フリーズ演出時間TB=0がセットされるため、フリーズ演出(回胴不動状態)がキャンセルされ、遊技の進行が続行できる状態になる。このTA=0、TB=0とする機能部はフリーズ演出をキャンセルするキャンセル手段として働く。
【0141】
よって、遊技者は、回胴回転始動レバー11または第3停止ボタンを素早く操作することにより、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチのON/OFF期間を短くして、コマンドC1とC2を上記猶予時間幅500ms以内に発生させることが可能であり、これにより遊技者は自己の意思でフリーズ演出(回胴不動状態)およびフリーズ期間中演出の発動をキャンセルさせることが可能になる。
【0142】
一方、上記猶予時間幅の500msを越えた場合(ステップS901:YES)、第1フリーズ期間中演出を開始する(第1フリーズ期間中演出処理、ステップS405)。第1フリーズ期間中演出は、たとえば演出制御部側で制御される演出手段(たとえば、液晶表示画面)、もしくは主制御基板側で制御される7セグメント表示器(たとえば、クレジット表示部)に、第1フリーズ期間が進行して行く様子を時間のカウントアップ表示にて遊技者に報知する演出である。次いで第2フリーズ期間コマンド(コマンドC2)が受信されるのを待つ(ステップS904:NO)。
【0143】
上記の第1フリーズ期間中演出処理により第1フリーズ期間中演出が行われている間に、操作タイマAによる操作時間(第1フリーズ期間)TAのアップカウントが進行し、遊技者が回胴回転始動レバー11または第3停止スイッチのON操作を止めた時点で、そのON操作期間中に計測した操作時間TA分の時間長さが第2フリーズ期間TBとしてフリーズ時間タイマBにセットされ、第2フリーズ期間コマンドが演出制御基板420側に送信されて来る(図6のステップS207、図7のステップ307)。この第2フリーズ期間コマンドが受信された場合(ステップS406:YES)、サブCPU421cは第2フリーズ期間TBに応じた第2フリーズ期間中演出処理を実行する(ステップS407)。この第2フリーズ期間中演出は、たとえば液晶表示画面に「○秒以内に・・せよ」のミッション演出を表示し、あるいは時限爆弾のカウントダウン(カウントゼロで当りとなる)を表示するなど、フリーズに対応する演出である。
【0144】
図10(イ)の例において、フリーズ期間中演出は、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがONしてから500msが経過した時点から、液晶表示装置6の画面に第1フリーズ期間中演出の画像が4.5秒間表示される。そして第2フリーズ期間コマンドを受信した時点から、液晶表示装置6の画面に第2フリーズ期間中演出の画像が5秒間表示される。このためフリーズ演出下でも、液晶画面6aに表示されるフリーズ期間中演出を楽しみつつ、フリーズ時間の経過を待つことができる。
【0145】
本実施形態では、第1フリーズ期間中演出と第2フリーズ期間中演出のうち、前者の第1フリーズ期間中演出については遊技者が回胴回転始動レバー11または第3停止ボタンをON操作している期間長さによりその後のフリーズ期間の長短が決まり、全体のフリーズ期間が長い場合の方が短い場合よりも遊技者に有利となることを報知する演出となっている。この第1フリーズ期間中演出と第2フリーズ期間中演出は特に区別する必要はなく、連続したフリーズ期間中演出として現出させることもできる。また、映像だけでなく、音やランプによりフリーズ期間中演出を現出させることもできる。
【0146】
結局、フリーズ演出(回胴不動状態)が、上記第1フリーズ期間中演出時間の4.5秒を含む5秒間およびこれに続く第2フリーズ期間中演出処理の5秒間を合わせた10秒間だけ続き、また、その間に液晶表示装置6の画面に第1フリーズ期間中演出と第2フリーズ期間中演出の画像が表示される。
【0147】
図10(ハ)では、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがフリーズ最大時間の7秒よりも長い10秒間にわたってON状態に置かれ、その途中の上記7秒が経過した時点で第2フリーズ期間コマンドが送信されて来る。したがって、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチのONより500msが経過した時点から、液晶表示装置6の画面に第1フリーズ期間中演出の画像が6.5秒間表示される、続いて第2フリーズ期間コマンドを受信した時点から、液晶表示装置6の画面に第2フリーズ期間中演出の画像が7秒間表示される。よってフリーズ期間中演出の現出は13.5秒間続いて終了となり、同時にフリーズ演出の回胴不動状態も解除される。
【0148】
上記のフリーズ演出処理が終わった後は、通常の主回胴による遊技に係る演出をなすための「回転開始コマンド演出処理」、「回胴停止コマンド演出処理」、「全回胴停止コマンド演出処理」、「メダル投入コマンド演出処理」、および「その他のコマンド演出処理」が順次行なわれる。
【0149】
すなわち、演出制御基板420は、回転開始コマンドを受信していた場合、回転開始コマンドに基づく演出を決定するための回転コマンド演出処理を実行する。また各停止コマンド(「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」、「左回胴停止」、「中回胴停止」、または「右回胴停止」コマンドなどの回胴の停止に関するコマンド)を受信していた場合、各停止コマンドに基づく演出を決定するための回胴停止コマンド演出処理を行う。また、全回胴停止コマンドを受信していた場合、全回胴停止コマンドに基づく演出を決定するための全回胴停止コマンド演出処理を行う。その他のコマンド(メダル投入コマンドなど)を受信していた場合、その他のメダル投入コマンドに基づく演出を決定するための処理などを行う。
【0150】
<第2の実施形態>
次に第2の実施形態として、上述した操作タイマAとフリーズ期間タイマTBの機能を一つの共通の操作時間計時カウンタにより実現する構成例について説明する。
【0151】
図12は、上記主制御側の処理において1.5ms程度ごとに実行されるタイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【0152】
まず、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがONしている間は、クロック入力により操作時間計時カウンタを1加算し、上記第1フリーズ期間TAを計時して行く(ステップS221〜S222)。そして回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがOFFした場合には(ステップS221:NO)、第2フリーズ期間TBに入ったことを確認し、クロック入力により操作時間計時カウンタの値をカウント値がゼロになるまで1減算して行く。
【0153】
操作時間計時カウンタは第1フリーズ期間TAに対応する値までカウントアップされているので、この値から同じクロック入力に基づいてカウントダウンして行くと、第1フリーズ期間TAに対応する長さの第2フリーズ期間TBの時間長さを計測することができる。このため、一つの操作時間計時カウンタを兼用し、簡易に第1フリーズ期間TAと第2フリーズ期間TBの時間長さを計測することができる。
【0154】
<変形例>
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい一実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。本発明の思想を逸脱しない範囲において、回胴式遊技機を構成する要素や各種パラメータを適宜変更することができる。
【0155】
たとえば、上記実施形態では、入賞役の種類に応じてフリーズ演出の当選確率を変えたが、入賞役の種類とは無関係に、つまり毎回同じ当選確率でフリーズ演出を抽選しても良い。
【0156】
また上記の実施形態では、フリーズ演出発生時期を、回胴回転開始前と全回胴停止時とする形態としたが、各回胴のうちの一部の停止時とする形態としても良く、これらを組み合わせた形態としても良い。
【0157】
各回胴の数、およびその数に対応して設けられる停止操作用の回胴回転停止スイッチの数は3個に限られるものではなく、2個または3個より多くてもよい。すなわち、これら2個または3個以上の回胴回転停止スイッチのうちで、最後に停止される最終停止スイッチに対して、本発明を適用し、最終停止スイッチがON操作されている期間を操作時間タイマAで計時する構成とすることができる。
【0158】
また上記の実施形態では、抽選によりフリーズ演出契機を選択する場合、開始時と停止時のフリーズ演出契機を合わせた全体の中から1つのフリーズ演出契機を抽選する形態としたが、二者択一的であって開始時と停止時のフリーズ演出契機が同時に当選することはない抽選形態、あるいは、開始時と停止時のフリーズ演出契機が同時に当選する抽選形態とすることもできる。
【0159】
また上記の実施形態では、フリーズ演出の発生している間のフリーズ期間中演出を現出するフリーズ期間中演出現出手段として画像表示装置(液晶表示装置6)を用いたが、他のフリーズ期間中演出表示手段(たとえば第2の液晶表示装置やランプ群装置など)によりフリーズ期間中演出を現出させてもよい。
【0160】
また上記の実施形態では、遊技媒体が遊技メダルである回胴式遊技機を例にして説明したが、本発明に係る回胴式遊技機はこれに限定されるものではなく、遊技媒体が遊技球である回胴式遊技機に対しても適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明は、単位遊技中に抽選で遊技の進行を一時的に停止するフリーズ演出を発生させるようにした回胴式遊技機に特に有用である。
【符号の説明】
【0162】
1 遊技機筐体、
2 前扉、
3 表示窓(回胴視認部)、
3a 入賞ライン、
3a 有効入賞ライン、
4 表示窓(液晶画面視認部)、
5a、5b、5c 回胴、
6 液晶表示装置、
6a 表示画面(液晶画面)、
7 メダル投入口、
8 MAXBETボタン、
9 貯留メダル投入ボタン、
10 貯留メダル精算ボタン、
11 回胴回転始動レバー、
11a 回胴回転始動スイッチ、
12a、12b、12c 回胴回転停止ボタン、
13 装飾ランプ部、
14 操作パネル部、
15 返却ボタン、
16 スピーカ、
17 装飾パネル部、
18 メダル受け皿、
19 遊技メダル払出口、
210 回胴装置、
310 外部集中端子基板、
330 回胴中継基板、
340 演出I/F基板、
340a 入力バッファ回路、
350 払出中継基板、
360 停止スイッチ基板、
370 遊技中継基板、
380 LED基板、
400 主制御基板、
401 1チップマイクロコンピュータ、
401a メインROM、
401b メインRAM、
401c メインCPU、
401d CTC、
401e 割り込みコントローラ回路、
402 I/Oポート回路、
403 カウンタ回路、
404 I/F回路、
404a 出力バッファ回路、
405 I/F回路、
406 I/F回路、
407 モータ駆動回路、
408 スイッチ入力回路、
420 演出制御基板、
421 1チップマイクロコンピュータ、
421a サブROM、
421b サブRAM、
421c サブCPU、
421d CTC、
421e 割り込みコントローラ回路、
422 I/Oポート回路、
423 カウンタ回路、
430 回胴設定基板、
440 電源基板、
450 払出制御基板、
460 液晶制御基板、
500 ホッパーユニット、
510 ホッパーモータ、
520 メダル払出センサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴式遊技機に関し、詳しくは、回胴装置の各回胴を一定時間だけ連続して不回転状態に置くフリーズ演出を発生させることを可能にした回胴式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、回胴式遊技機は、その回胴装置の種々の図柄が施された複数の回胴を回転開始することで単位遊技を開始し、その各回胴の停止時の図柄の組み合せの表示態様を遊技結果として導出表示することで、単位遊技を終える。この単位遊技中においては、抽選により入賞役に当選しても、直ちに入賞が確定したものとはならない。遊技者は、目押し操作を慎重に行なうことによって、回胴装置の遊技結果である表示態様をあらかじめ定められた特別の表示態様とした場合に、始めて、“ビッグボーナスゲーム”や“レギュラーボーナスゲーム”と称されるボーナス遊技や、AT(アシストタイム)遊技など、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御される。
【0003】
このように遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する契機役となる特別入賞役に当選した場合、そのことを遊技者に報知する手段として、いわゆるフリーズ演出を発生させることが知られている。フリーズ演出は遊技の進行を停止させる形態の演出であり、具体的には、遊技を進行させるための処理を中断し、遊技の進行を妨げることにより遊技者に違和感を与える形態とする演出である。代表的なものとしては、たとえば、回胴装置の各回胴を一定時間だけ連続して不回転状態に置き、この期間、液晶表示装置に所定の演出を表示させるものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0004】
また、フリーズ期間のクレジット枚数およびボーナスの種類とフリーズ期間とを対応づけ、ビックボーナスの場合は、クレジット枚数が25枚未満では20秒、25枚以上では30秒のフリーズ期間を付与し、またレギュラーボーナスの場合は、クレジット枚数が25枚未満では10秒、25枚以上では5秒のフリーズ期間を付与し、その間、ストップボタンを無効化するフリーズ処理も知られている(たとえば下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3639728号公報
【特許文献2】特開2007−229122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のフリーズ演出は、あらかじめ一定長さのフリーズ期間が固定的に与えられるか、またはあらかじめ与えられた複数のフリーズ期間長さの中から一つのフリーズ期間が選択されるものであり、遊技者が積極的にフリーズ期間の長短の決定に参加することはできず、このため面白みに欠けるという問題があった。また、このフリーズ期間が長いと感ずる遊技者であっても、フリーズ期間を短縮しあるいはキャンセルすることはできなかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、フリーズ演出のフリーズ期間を遊技者自らの意思で適宜に伸縮しあるいはキャンセルすることができる回胴式遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段により達成される。
【0009】
(1)種々の図柄が外周に施された回胴が複数並設され、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を表示する回胴装置と、
各回胴の回転による単位遊技の実行ごとに、ハズレ役を含む複数種類の入賞役を対象として抽選を行う入賞役抽選手段と、
所定の遊技開始条件の下で前記回胴装置を回転始動させる操作スイッチであって前記単位遊技を開始させる回胴回転始動スイッチと、
前記各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させる操作スイッチであって、前記回胴の回転停止により前記遊技結果を導出させて前記単位遊技を終了させるため任意の順序で停止操作される複数の回胴回転停止スイッチと、を備え、
前記回胴装置における遊技結果が前記入賞役抽選手段による抽選結果に対応する表示態様となった場合に、その遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与するように構成された回胴式遊技機であって、
遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選手段と、
前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選された場合、前記遊技の進行を停止するフリーズ演出を発生させるフリーズ演出発生手段と、
前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選された場合、前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する第1計時手段と、
前記第1計時手段による前記操作時間の計時が終了した時点から、前記第1計時手段により計時された前記操作時間に対応する第2フリーズ期間についての計時を開始する第2計時手段と、を有し、
前記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出が、前記第1計時手段により計時された前記第1フリーズ期間と前記第2計時手段により計時された前記第2フリーズ期間の和からなるフリーズ期間について行われる、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
【0010】
(2)前記回胴回転始動スイッチまたは前記最終停止スイッチがON操作されている時間が、あらかじめ定めた猶予時間幅内に収まる短時間であった場合、前記第1フリーズ期間および前記第2フリーズ期間をゼロまたはほぼゼロに設定して、前記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出をキャンセルするキャンセル手段を、さらに有する、ことを特徴とする上記(1)に記載の回胴式遊技機。
【0011】
(3)前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチのON操作時間により前記第1フリーズ期間を伸縮しうる範囲の上限値であるフリーズ最大時間をあらかじめ設定するフリーズ最大時間設定手段を、さらに有し、
前記第1計時手段は、前記フリーズ最大時間の範囲を超えて前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチのON操作が継続された場合、前記フリーズ最大時間までのON操作時間を第1フリーズ期間として計時する、ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の回胴式遊技機。
【0012】
(4)前記フリーズ最大時間として時間長さの異なる複数のフリーズ最大時間があらかじめ用意されており、前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選される場合、前記複数のフリーズ最大時間のうちから一つのフリーズ最大時間を抽選により選択するフリーズ最大時間抽選手段を、さらに有する、ことを特徴とする上記(3)に記載の回胴式遊技機。
【0013】
(5)前記複数種類の入賞役は、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行契機となる特別入賞役を含み、前記フリーズ最大時間抽選手段は、前記入賞役抽選手段による抽選で前記特別入賞役に当選した場合、前記複数のフリーズ最大時間のうちから時間長が相対的に長いフリーズ最大時間を抽選により選択する、ことを特徴とする上記(4)に記載の回胴式遊技機。
【0014】
(6)前記フリーズ演出が発生している間、フリーズ期間中演出を現出するためのフリーズ期間中演出現出手段と、前記フリーズ期間中演出現出手段に現出させるフリーズ期間中演出の内容を制御するフリーズ期間中演出制御手段と、をさらに有する、ことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
【0015】
(7)前記フリーズ演出抽選手段は、前記回胴回転始動スイッチがON操作された場合に、遊技の開始時または停止時のフリーズ演出についてのフリーズ演出契機を抽選により選択し、
前記第1計時手段は、前記停止時のフリーズ演出についてフリーズ演出契機が抽選された場合、前記複数の回胴回転停止スイッチのうちで最後に停止操作される最終停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する、ことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の回胴式遊技機。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技の進行を停止するフリーズ演出、たとえば回胴装置の各回胴を一定期間不回転状態とするフリーズ演出を発生させる場合、そのフリーズ期間の長さが、遊技者の操作した、たとえば回胴回転始動レバーや最終停止(第3停止)スイッチのON操作時間の長短により決定される。したがって、回胴回転始動レバーや最終停止スイッチのON操作時間を自己の好みで決定することにより、フリーズ演出におけるフリーズ期間の長短を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の回胴式遊技機の制御装置を示すブロック図である。
【図3】図2に示す制御装置の主制御基板および演出制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の回胴式遊技機の遊技動作処理の前半を示すフローチャートである。
【図5】本発明の回胴式遊技機の遊技動作処理の後半を示すフローチャートである。
【図6】図4中の開始時フリーズ演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図5中の停止時フリーズ演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】通常遊技で入賞役を抽選する際に用いられる抽選テーブルを示す図である。
【図9】回胴の回転開始時および停止時のフリーズ演出契機の抽選で用いられるフリーズ演出抽選テーブルを示す図である。
【図10】回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチのON−OFFと、フリーズ演出およびフリーズ期間中演出との関係を、ON操作時間TAの長短により分類して示した図である。
【図11】本発明のフリーズ演出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係るタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。
【0019】
<機械的構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
【0020】
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
【0021】
図1に示すように、前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓(回胴視認部)3を、またその上側に第2の表示窓(液晶画面視認部)4を設けてある。
【0022】
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。
【0023】
この回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図示せず)を有しており、各回胴5a、5b、5cの停止時の上記図柄の組み合せによって遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。図柄配列帯については、既に種々の図柄配列帯が公知であるのでその詳細な説明は省略するが、図柄配列帯には、各入賞役を構成するための図柄が表示されており、本実施形態では回転方向に21コマの図柄が配置されている。図柄には、たとえば「7」、「ベル」、「オレンジ」、「チェリー」、「JAC」、「BAR」、「人物」、「動物」、「魚」、「乗り物」など、特に制限はなく、種々の図柄を採用することができる。この回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図2参照)により回転駆動されるように構成され、各回胴5a、5b、5cが回転することにより、上記図柄が変動表示可能となっている。なお、回胴5a、5b、5cは、本実施形態のように、回胴駆動モータ211a、211b、211cのような電気的駆動源を用いて物理的に回転または停止が行われる機械式の回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であっても良い。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個、4個など、何個配設されていても良い。
【0024】
回胴視認部3には、ここを横および斜めに横断する形で、計5本の入賞ライン3aが施されている。これらの入賞ライン3aは、単位遊技(1ゲーム)に対する遊技メダルの投入枚数に応じて有効として扱われる入賞ライン数が変化する。この有効となった入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)3a上で、3つの回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の表示態様が当選役に対応する図柄表示態様と一致したことを条件に、その停止図柄の組み合わせに応じた遊技価値が遊技者に付与される。たとえば、遊技メダルの払い出しを伴う役に当選し、これに対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止した場合、つまり「入賞」となった場合、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図2参照)が作動して、配当として所定枚数の遊技メダルの払い出しが行われる。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
【0025】
また、第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、遊技機の中央より上側に設けてある。この液晶画面視認部4は、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面6a(液晶画面6aと略す)に対応して、たとえば回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。遊技者はこの液晶画面視認部4を介して液晶画面6aを前側から視認可能となっている。この液晶画面6aには、遊技に伴う演出が画像により表示される。液晶表示装置6は広義には演出を現出する演出手段として機能するが、フリーズ期間中の演出を現出するフリーズ期間中演出現出手段の一部としても機能する。なお、本実施形態では、液晶表示装置6を設けているが、これに限らず、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)、機械式回胴による表示装置、7セグによる表示装置で構成しても良い。
【0026】
回胴視認部3の左右両側には、LEDを内蔵して、その発光色の種類や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減)による光の装飾により、遊技に伴う演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。上記装飾ランプ部13は、広義には演出を現出する演出手段として機能するが、フリーズ期間中の演出を現出するフリーズ期間中演出現出手段の一部としても機能する。
【0027】
本発明において、フリーズ期間中演出現出手段は、フリーズ演出の発生している間、フリーズ期間中演出を現出させて遊技者に報知するものであり、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができる刺激伝達手段であれば採用することができる。ランプや画像形成装置などの光発生手段ないし演出表示装置、スピーカなどの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置などはその代表例である。上記演出表示装置は、画像表示装置や液晶表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(7セグによる表示装置など)も含む点で画像表示装置と異なる。上記液晶表示装置6は画像表示装置の代表例である。液晶表示装置と言った場合は主として画像で表示するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
【0028】
回胴視認部3の下方の段部には、遊技に供する遊技媒体としての遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能)に貯留された範囲、すなわちクレジットされた範囲内で、遊技メダルを最大枚数賭けで一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8、押した回数に応じて最大賭け枚数まで加算的に擬似投入し得る貯留メダル投入ボタン9、クレジットされた遊技メダルの精算を行う貯留メダル精算ボタン10が設けられている。
【0029】
さらにまた、回胴視認部3の上記段部の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を一斉に開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、必要に応じて、回胴回転停止ボタン12aを「左回胴回転停止ボタン12a」、回胴回転停止ボタン12bを「中回胴回転停止ボタン12b」、回胴回転停止ボタン12cを「右回胴回転停止ボタン12c」と称し、またこれら回胴回転停止ボタンを総称して、単に「回胴回転停止ボタン12」と称する場合がある)などが設けられている。
【0030】
また、上記ボタンやレバーには、その内部に発光手段(LED)が設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により操作が有効であるか否かが遊技者に報知されるようになっている。
【0031】
上記したMAXBETボタン8、貯留メダル投入ボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作された際に操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(8a、9a、10a、11a、12a’、12b’、12c’:図3参照)が設けられている。またメダル投入口7から投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ(7a’:図2参照)がメダル投入口13の内部に設けられている。
【0032】
操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられている。
【0033】
装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
【0034】
また前扉2の前扉上部両側および前扉下部両側には、遊技に関する効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。スピーカ16は、広義には演出を現出する演出手段として機能するが、フリーズ期間中の演出を現出するフリーズ期間中演出現出手段の一部としても機能する。
【0035】
<制御装置:図2、図3>
次に、本発明に係る回胴式遊技機の制御系について説明する。
【0036】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
【0037】
図2は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。
【0038】
図2に示すように、この制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板400(主制御部)と、主制御基板400から演出制御コマンドを受けて、光と音についての演出制御を行う演出制御基板420と、この演出制御基板420からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板460と、を中心に構成される。そして、液晶制御基板460には、画像表示装置としての液晶表示装置6が接続されている。
【0039】
また、符号440は電源基板であり、電源基板440は外部電源に接続され、変圧トランス(図示せず)から供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、電源供給ルートは省略して示している。
【0040】
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8aと、貯留メダル投入ボタンの操作を検出する貯留メダル投入スイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、停止スイッチ基板360と、が接続され、主制御基板400はこれらの各検出信号を受信可能となっている。上記停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを内側から照らすLEDが設けられている。
【0041】
また主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cおよび回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、図柄の基準位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御基板400は、各回胴駆動モータを駆動制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0042】
また主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500に設けられた払出制御基板450と、メダル検出センサ520と、ホッパータンク(図示せず)から溢れた余剰の遊技メダルを監視する満杯検知金具からなる満杯検知センサ600と、が接続されている。主制御基板400は、入賞による遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板450に送信可能となっている。この払出制御コマンドを受けた払出制御基板450は、ホッパーモータ510を駆動させて、目的枚数の遊技メダルの払い出しを行う。払い出された遊技メダルは、メダル検出センサ520により検出され、その検出信号が主制御基板400に入力される。
【0043】
また主制御基板400には、外部集中端子基板310を介してパチンコホールの遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCが接続され、主制御基板400は、所定の遊技情報をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
【0044】
また主制御基板400には回胴設定基板430が接続され、主制御基板400は、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。回胴設定基板430には、出玉率に変化をもたらす「設定」を変更する設定スイッチや、遊技動作エラーを解除するリセットスイッチが設けられ、回胴設定基板430は、上記各スイッチの操作を検出して、検出信号を主制御基板400に出力する。
【0045】
さらにまた主制御基板400には、演出I/F基板340を介して演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御基板400からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶制御基板460への液晶制御コマンドの送信やスピーカ46の音制御や装飾ランプ13・LEDの発光制御である。また演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御などである。これら制御基板(演出制御部)は、フリーズ期間中演出の内容を制御するフリーズ期間中演出制御手段として機能する。なお本明細書においては、場合により、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能を特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部」として説明する。また、本実施形態では、演出制御基板420と液晶制御基板460とを別個の基板で遊技機に設けているが、これらの基板が担う機能を一体的に構成した演出制御部を1つの基板に搭載してもよい。
【0046】
次に、図3を参照して、主制御基板400および演出制御基板420の回路構成とその機能について説明する。図4は図3に示す主制御基板400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。
【0047】
(主制御基板400)
先ず、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データを格納したメインROM401aと、ワークエリアが形成されるメインRAM401bとを搭載した1チップマイクロコンピュータ401を中心に構成され、その他、周辺基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408が設けられている。上記メインROM401aには、上記遊技動作制御プログラムの他、回胴の停止制御の際に用いられる停止制御用の停止データが記述された停止制御テーブル(図示せず)、入賞役を決定する際に用いられる抽選テーブル(図8参照)、有効入賞ライン3a上に停止した図柄の確認や払い出し枚数を決定するための入賞払出判定テーブル(図示せず)、フリーズ演出の出現割合を決定するためのフリーズ演出抽選テーブル(図9参照)も、このメインROM401aに記憶されている。
【0048】
1チップマイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)は、メインROM401a、メインRAM401b、メインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dやメインCPU401cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えている。
【0049】
主制御基板400からは、処理状態を特定可能な制御情報としての演出制御コマンドが、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力され、演出I/F基板340を通して、正確にはその内部に設けられた主制御基板400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。
【0050】
カウンタ回路403は、図示はしていないが、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを備えている。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。この内部抽選用乱数値は、主に入賞役の抽選に利用される。ここで上記役の抽選は、主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401がその機能を担う「役抽選手段」により行われる。上記入賞役抽選手段は、各回胴5a、5b、5cの回転による単位遊技の実行ごとに、1または複数種類の役もしくはハズレに対応付けられた当選領域を有する抽選領域を対象として抽選を実行し、具体的には、上記取得した内部抽選用乱数値が、いずれの当選領域に属するかを判定することで、いずれの入賞役に当選したのか、ハズレであるのかを決定する。抽選により当選した入賞役(当選役)が決定された場合には、その抽選結果情報として内部当選フラグを成立させる。この内部当選フラグは、所定の処理が終了するまでメインRAM401bの所定の領域に格納される。この入賞役抽選手段による抽選は、図8に示す抽選テーブルに基づき行われる。
【0051】
この抽選テーブルは、抽選される入賞役の種類と入賞役ごとの当選確率とを定めたものである。本実施形態における通常遊技抽選テーブルの抽選領域の大きさは65536となっており、この範囲で各入賞役の当選領域が定められている(図8の「当選確率」の欄は、「当選領域/抽選領域」により算出した概算値を示している)。また、図8には通常遊技中における抽選テーブルのみを示しているが、抽選テーブルには各遊技状態(通常遊技、BB遊技など)に対応する複数の抽選テーブルが用意されており、上記入賞役抽選手段は、各遊技状態に応じた抽選テーブルを選択し、入賞役に関する抽選を行っている。
【0052】
また主制御基板400は、遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選手段と、上記フリーズ演出抽選手段により上記フリーズ演出契機が抽選された場合、上記遊技の進行を停止するフリーズ演出を発生させるフリーズ演出発生手段と、上記フリーズ演出抽選手段により上記フリーズ演出契機が抽選された場合、上記回胴回転始動スイッチまたは上記回胴回転停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する第1計時手段と、上記第1計時手段による上記操作時間の計時が終了した時点から、上記第1計時手段により計時された上記操作時間に対応する第2フリーズ期間についての計時を開始する第2計時手段と、を有し、上記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出が、上記第1計時手段により計時された上記第1フリーズ期間と上記第2計時手段により計時された上記第2フリーズ期間の和からなるフリーズ期間について行われる。これら手段についての詳細は後述する。
【0053】
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
【0054】
モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を出力する。
【0055】
各回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御は、1チップマイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われており、これらは停止制御手段を構成している。
【0056】
1チップマイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、メダル検出センサ7aからの検出信号や、MAXスイッチ8a、または貯留メダル投入スイッチ9aからの操作検出信号により遊技開始条件となる規定枚数(たとえば1〜3枚)の遊技メダルが投入されたことを確認すると、遊技開始条件を成立させる。この遊技開始条件成立下で回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認すると、モータ駆動回路407から出力される駆動パルス信号を制御し、3つの回胴5a、5b、5cを一斉に回転始動させ、その後、各回胴を一定速度で回転させる。これにより、回胴を回転させる回転動作を実現している。
【0057】
また1チップマイクロコンピュータ401は、回胴の回転中において、各回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの位置検出信号の入力により、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視し、所定位置(本実施形態では、回胴視認部3の最下段水平方向の入賞ライン上(いわゆる、「枠内下段」位置))に存在する図柄を把握している。そして、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号を受けたタイミングで、上記所定位置に存在する図柄情報(停止操作位置図柄番号)を取得し、停止制御テーブル(図示せず)に基づいて、その取得した図柄情報に基づいて、どれだけのコマ数分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的とする位置に回胴を停止させる停止動作を実現している。
【0058】
上記停止制御テーブルには、回胴の停止制御を行う際の停止データとして、回胴回転停止ボタンが操作されたタイミング、つまり回胴回転停止スイッチが操作されたタイミングで当該回胴回転停止スイッチに対応する回胴における上記所定位置に存在している図柄と、その回胴が実際に停止したときに上記所定位置に表示する図柄との関係を、回胴の停止操作順や他の回胴の停止位置や抽選結果情報に関連付けて定めてあり、いわゆる「引き込み制御」を実現するための停止データが定められている。
【0059】
上記「引き込み制御」とは、従来から知られているように、入賞役抽選手段による抽選で当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在するその役の構成要素図柄(役に対応する図柄の組み合わせを構成するための図柄)を除き、所定の滑りコマ数(本実施形態では最大4コマ)の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能とされる当該役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様をいう。このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴における図柄の配置構成や滑りコマ数を定めれば、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、当選役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に必ず停止可能(100%引き込み可能)にしたり、停止操作タイミングによっては最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能としたり(「取りこぼし」を可能とする)することもできる。ただし、「ハズレ(ハズレ役)」の場合には、いずれの入賞役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止させない停止位置が決定される。したがって、いずれの入賞役にも当選していないゲームにおいて、遊技者が目押し操作により役に対応する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止させようと如何に試みようとも、その図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。このように、回胴の停止操作タイミングの位置と滑りコマ数とにより回胴の停止位置は一義的に定まることになる。
【0060】
各回胴が停止した際、遊技結果としての有効入賞ライン上の図柄の停止表示態様は、基準位置としての枠内下段にどの図柄番号が停止したかで自然と定まる。1チップマイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、各回胴の枠内下段の位置の図柄を把握することで、現在、どの図柄が有効入賞ライン上に停止しているかを各回胴ごとに把握し、入賞か否かの判断ができる構成となっている。また上記停止操作位置図柄番号が取得されれば、停止制御テーブルに基づいて滑りコマ数を割り出すことができるので、回胴の停止前であっても有効入賞ライン上に停止する図柄を予測することができる。これにより回胴の停止前に入賞か否かを判断する構成としても良い。
【0061】
(入賞役)
次に、入賞役について説明する。本実施形態における入賞役の種別としては、図8に示すように、リプレイ役、特殊リプレイ役、チェリー役、特殊チェリー役、ベル役、スイカ役、BB役などが設定されている。なお、各入賞役に対応する図柄の組み合わせについては図示していないが、特に制限はなく、図柄配列帯に施される図柄種によりその構成を適宜変更することができる。
【0062】
リプレイ役は、入賞が確定した場合に今回の遊技で投入した遊技メダルの枚数と同一の枚数を擬似的に付与して次回の遊技を開始可能とする再遊技を遊技者に付与する入賞役である。すなわち、遊技者が遊技メダルを投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)することなく、所定の遊技開始条件を付与し、次回の遊技を開始可能とする入賞役である。したがって、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回の遊技が可能になるという点で、上記再遊技は、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。
【0063】
チェリー役、ベル役、スイカ役は、入賞が確定した場合、所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う入賞役であり、いわゆる小役と称されるものである。本実施形態では、チェリー役は2枚、ベル役は9枚、スイカ役は15枚の遊技メダルの配当が得られる。
【0064】
BB役は、いわゆるボーナス役と称される特別入賞役であり、入賞が確定した場合、次回以降の遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させるものである。この各BB役への入賞が確定した場合、次回以降の遊技からBB遊技と称される特別遊技状態に移行する。本実施形態のBB遊技では、特別役物(いわゆる、レギュラーボーナス)を連続的に作動させる役物連続作動装置が作動し、遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができるようになっている。このBB遊技は、所定の終了条件、たとえば所定枚数の遊技メダルが払い出されたことを条件に、BB遊技が終了するようになっている。上記各BB役は、大量の遊技メダルを獲得することが可能であり、全入賞役のうちで最も高い遊技価値を有する入賞役として位置付けられている。
【0065】
特殊リプレイ役はリプレイ役とBB役とに、特殊チェリー役はチェリー役とBB役とに重複して当選する入賞役(いわゆる、重複入賞役)である。また本実施形態の「特殊リプレイ役」はリプレイ役、「特殊チェリー役」はチェリー役と同じ図柄の組合せで構成される。この重複入賞役に当選した場合、どの入賞役を優先的に有効入賞ライン3aに引き込むかは、所定の優先順位に基づいて行われる。本実施形態では、「リプレイ役>小役>BB役」の順位で引き込み制御が行われるように、優先順位に関し定められている。これにより、重複当選した遊技では、上記優先順位に基づき停止制御が行われることになる。
【0066】
なお、リプレイ役、チェリー役、ベル役、スイカ役のそれぞれは、抽選により当選したその遊技でこれに対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン3a上に停止しなかった場合、当該当選が無効となり、当選した権利を次回以降の遊技に持ち越すことができない持越不可能入賞役として設定されている。これに対し、BB役は、抽選により当選したその遊技で有効入賞ライン3a上にこれに対応する図柄の組み合わせが停止しなかった場合であっても、当該当選は無効とされることなく、当選した権利を次回以降の遊技に持ち越すことができる持越可能入賞役として設定されている。
【0067】
(演出制御基板420)
再び、図4に戻り、次いで演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、サブCPU421cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出用データ(演出シナリオ(演出パターン)データ)などを格納したサブROM421aと、ワークエリアが形成されるサブRAM421bとを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423が設けられている。またマイクロコンピュータ421は、メインROM401a、メインRAM401b、メインCPU401cの他、CTC421dやサブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421eを備えている。
【0068】
また演出制御基板420には、主制御基板400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部と、スピーカ16を含む音響発生装置に対する音響制御部が設けられている。
【0069】
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選に利用される。
【0070】
演出制御基板420は、主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、演出シナリオに対応する演出パターンを、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりまたは一意に決定し、これを実行指示する制御信号を上記音響発生装置や光表示装置に送信する。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ13やLEDの点灯点滅駆動とが実現される。また、演出制御基板420は、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで液晶制御基板460に送信する。
【0071】
この液晶制御基板460には、図示はしないが、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAMとが設けられている。また、液晶制御基板460には、上記液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMとが設けられている。液晶制御基板460側では、演出制御基板420から送られてくる上記液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6に対する画像表示制御が行われる。これにより、演出パターンに対応する画像表示演出が実現される。
【0072】
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401cは、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。サブCPU421cは、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によりコマンドを受信する。ストローブ信号はメインCPU401cにより、サブCPU421cが確実にコマンドを受信することが可能となるように所定期間アクティブ状態に制御される。
【0073】
液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
【0074】
(演出制御コマンド)
ここで、主制御基板400が各遊技動作の実行時に演出制御基板420に対して送信する各種演出制御コマンドについて説明する。主制御基板400が送信する演出制御コマンドとしては、以下のようなものがある。なお、これらのコマンド名は、発生時期または送信時期に着目して命名されており、その命名の内容の実行を促すものではない。
【0075】
まず、遊技メダル1枚を投入するごとに発生する「メダル投入コマンド」、回胴回転始動レバー11の操作時に発生する「回転開始(遊技スタート)コマンド(当選役に関する情報(抽選結果情報)や遊技状態に関する情報を含む)、回胴回転始動レバー11操作後の回胴回転開始時に発生する「回胴起動(回胴回転)コマンド」がある。ここで、回転開始コマンドが抽選結果情報や遊技状態の情報を含むとは、たとえば回転開始コマンドが16ビットの符号からなり、そのうちの6ビットが当選役を示す情報(当選情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられるような形態を意味する。上記回転開始コマンドに含まれる「遊技状態情報」には、「通常遊技中」、「BB遊技中」、「BB遊技終了」、「当選情報」などがある。また回胴回転始動レバー11のON操作時、後述するフリーズ演出抽選処理(図4、ステップS106参照)によりフリーズ演出に当選した場合、遊技者が伸縮し得るフリーズ演出時間長さの最大値(伸縮可能範囲の上限値)を指示する「フリーズ最大時間(Tmax)コマンド」や、その伸縮可能範囲で遊技者の伸縮意図を反映させた第1フリーズ期間TA後の第2フリーズ期間TBの開始に関する「第2フリーズ期間コマンド」がある。フリーズ最大時間コマンドはフリーズ演出における第1フリーズ期間の開始を知らせるコマンドC1として働き、また第2フリーズ期間コマンドはフリーズ演出における第2フリーズ期間の開始を知らせるコマンドC2として働く。
【0076】
さらにまた、主制御基板400から演出制御基板420に送られる演出制御コマンドには、回胴回転停止ボタン12aの操作時(左停止操作時)、回胴回転停止ボタン12bの操作時(中停止操作時)、回胴回転停止ボタン12cの操作時(右停止操作時)にそれぞれ発生する「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」のコマンド(停止操作順情報を含む)や、引き込み制御後の左回胴停止時、中回胴停止時、または右回胴停止時に発生する「左回胴停止」、「中回胴停止」、「右回胴停止」のコマンド(回胴の「停止位置情報」を含む)がある。これら「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」の各コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの3ビットが順押し、逆押し、ハサミ押しの停止操作順情報に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す遊技状態情報(フリーズ演出状態を含む)に割り当てられる。
【0077】
なお、3つの回胴回転停止ボタンのうちで1番目に操作された回胴回転停止ボタンであることは、上記の押し順情報から知ることができ、「第1停止コマンド」として演出制御基板420に送信され、演出制御基板420が1番目停止時に回胴停止時の演出を実行するために利用される。同様にして、2番目、3番目に操作された回胴回転停止ボタンであることも、上記の押し順情報から知ることができ、「第2停止コマンド」、「第3停止コマンド」として演出制御基板420に送信され、利用される。
【0078】
さらに、主制御基板400から演出制御基板420に送られる演出制御コマンドには、3番目に回胴回転停止ボタンを離した時に発生する「全回胴停止」コマンドがある。この全回胴停止コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの4ビットが有効入賞ライン3a上に揃った入賞役の種類を示す情報(入賞役情報)に割り当てられ、他の3ビットが入賞ライン3aを示す情報(入賞ライン情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられる。
【0079】
この全回胴停止コマンドは、引き込み制御中に停止ボタンから指を離した場合、3番目の回胴の引き込み制御後の回胴停止時に発生する。ここで全回胴停止コマンドに含まれる「入賞ライン情報」とは、回胴において入賞役が揃った入賞ライン3aに関する情報であり、また「入賞役情報」とは実際に揃った図柄に関する情報である。回転開始コマンドに含まれる「入賞役」の情報では、実際に揃う図柄が未確定であるのに対し、この全回胴停止コマンドに含まれる「入賞役」の情報は、取りこぼしをすることなく実際に揃った図柄を示す情報である点で、両者は異なる。演出制御基板420ではこの入賞ライン情報と入賞役情報に基づいて、全回胴が停止して入賞の当否が確定した後に現出すべき演出内容を決定している。
【0080】
<遊技動作処理>
次に、本発明に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理内容について説明する。
【0081】
図4および図5は、遊技動作制御プログラムに従い主制御基板400(メインCPU401c)が実行する主制御側の遊技動作処理を示すフローチャートである。なお、図4および図5で説明する処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御基板400として説明する。
【0082】
まず、メダル投入待ち処理を行う(ステップS101)。このメダル投入待ち処理は、メダル投入口7(クレジットからの擬似的な投入も含む)から遊技機本体に投入された遊技メダルを検出したり、検出した遊技メダルの投入枚数を計数したりする遊技メダル投入に係る処理や、クレジットされた遊技メダルの精算に係る処理である。
【0083】
そして、単位遊技を開始するのに必要な規定枚数の遊技メダルが投入(クレジットからの擬似的な投入も含む)され、所定の遊技開始条件を満たしているか否かについて判断をする(ステップS102)。規定枚数の遊技メダルが投入されて所定の遊技開始条件が満たされている場合は(ステップS102:YES)、回胴回転始動レバー11が押下(ON)操作されたか否か、つまり回胴回転始動スイッチ11aがON状態になったか否かを判断する(ステップS102)。規定枚数の遊技メダルが投入されていない場合(ステップS102:NO)および回胴回転始動レバー11が押下(ON)操作されていない場合(ステップS103:NO)は、ステップS101に戻って上記ステップS101〜S103を繰り返す。
【0084】
そして所定の遊技開始条件が満たされている状態下で、回胴回転始動レバー11がON操作された場合(ステップS103、YES)には、ステップS104の乱数抽出処理に移行する。メインCPU401cは、回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号(ON信号)を受信したか否かをも監視しており、回胴回転開始信号を受信しない限り、ステップS104の処理には移行されないようにしている。したがって、本実施形態の回胴式遊技機における遊技は、遊技者による遊技メダル投入により遊技開始の条件が整い、回胴回転始動レバー11をON操作して回胴を回転開始させてから、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを操作して回胴を停止させることで、各回胴の停止位置により定まる図柄の組み合せによって遊技結果が得られるまで(ここでいう遊技結果とは、有効入賞ライン3a上に入賞役が揃い、これに応じた遊技価値が付与されることを意味し、回胴装置210に遊技結果が表示された段階とは異なる)の一連の工程を1回の遊技(単位遊技:1ゲーム)として、繰り返される遊技である。
【0085】
次に、内部抽選用乱数値をカウンタ回路のカウンタ値に基づいて抽出する(ステップS104)。上記内部抽選用乱数値を抽出するタイミングは、回胴回転始動レバー11が操作された際、回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号(ON信号)を主制御基板400が受信したタイミングで行われる。上記抽選用乱数は、主制御基板400のカウンタ回路によって生成され、本実施形態に係る回胴式遊技機では、8ビットのバイナリカウンタを2個用いて16ビットのハードウェア乱数(0000H〜FFFFH(16進数)の繰り返し)を生成している。なお、上記乱数の生成は、ハードウェア乱数に限られることはなく、CPUに所定のプログラムを実行させることによって生成するソフトウェア乱数を用いても良い。
【0086】
次に、ステップS104の処理で抽出した内部抽選用乱数値に基づき、入賞役に関する抽選を行う(ステップS105)。この処理(図柄抽選処理)は、上記抽出した内部抽選用乱数値と抽選テーブル(図8参照)とに基づき、当選役を決定し、抽選結果に基づく抽選結果情報(たとえば内部当選フラグが該当する)を生成する処理である。
【0087】
この図柄抽選処理は、各回胴の回転による単位遊技の実行ごとに、ハズレ役を含む複数種類の入賞役を対象として抽選を行う入賞役抽選手段に対応する。抽選結果情報は、メインRAM401bの所定の領域に格納される。この抽選結果情報は毎遊技ごとにクリアされるが、BB役の当選情報に限り、BB役の入賞が確定するまで、その情報は次回以降の遊技に持ち越されるようになっている。
【0088】
次に、主制御基板400は、ハズレ役を含む入賞役と関連して、遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選処理を行う(ステップS106)。ここで「フリーズ演出」とは、遊技の進行を停止させる形態の演出である。具体的には、遊技を進行させるための所定の処理を中断し、遊技の進行を妨げることにより遊技者に違和感を与えるような形態の演出を意味する。本実施形態では、回胴装置210の各回胴5a、5b、5cを所定のフリーズ期間だけ連続して不回転状態とすることにより、遊技が進行することを停止するフリーズ演出としている。このフリーズ演出は、主として遊技者にとって有利な特別遊技状態をもたらす契機役としての特別入賞役に当選している期待度が大きいことを報知するために使われる。
【0089】
上記フリーズ演出抽選処理によりフリーズ演出契機の当選が確定する際、ステップS106では、同時に、あらかじめ用意された複数のフリーズ最大時間(Tmax)のうちから一つのフリーズ最大時間を抽選により選択するフリーズ最大時間抽選が行われる。このステップS106はフリーズ最大時間設定手段に対応する。フリーズ最大時間(Tmax)は、各回胴5a、5b、5cを不回転状態(停止状態)に置くフリーズ演出の時間長さ(フリーズ期間)に関して、遊技者の意思により長短を決定しうる伸縮可能範囲の上限値を定めるものである。本実施形態では、フリーズ最大時間(Tmax)として、3秒、5秒、7秒の3種類が用意されており、その中から一つのフリーズ最大時間が抽選により選択される。
【0090】
上記フリーズ演出契機の抽選は、図9に示す開始時および停止時のフリーズ演出抽選テーブルを参照して当否が決定される。フリーズ演出契機の抽選に当選する場合には、上記フリーズ最大時間抽選が行われると共に、演出制御基板420側にてフリーズ期間中演出パターン抽選テーブル(図示せず)が参照されて、フリーズ期間中の演出も決定される。
【0091】
なお、次の単位遊技がBB役の持ち越し遊技であるときは、このフリーズ演出抽選処理は行わない。一度フリーズ演出が発生した後に再びフリーズ演出が発生することは、BB役への当選に関してくどい報知演出となるからである。
【0092】
再び図4に戻り、上記フリーズ演出抽選処理(ステップS106)における抽選の結果、開始時のフリーズ演出契機に当選したか否かを判断する(ステップS107)。このステップS106〜S107の処理は、遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選手段に対応する。開始時のフリーズ演出契機に当選した場合(ステップS107:YES)、その旨の予告音を演出制御部において発生させるとともに、開始時フリーズ演出設定処理(図6参照、詳細は後述する)を行い(ステップS108)、当選しなかった場合は、何もしないでステップS109に進む。この開始時フリーズ演出設定処理(ステップS108)は、フリーズ演出にかかるフリーズ期間を設定するので、フリーズ演出発生手段を構成する。
【0093】
ステップS109では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動時の設定を行う回胴回転開始設定処理を行う(ステップS109)。また、ここでは回胴回転始動レバー11の操作時、入賞役の当選情報や、遊技状態情報や、回転開始コマンドの送信を行う。この回転開始コマンドは、演出制御基板420に送られて、後述する演出制御処理(図11)にて処理される。
【0094】
その後、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作された場合、各回胴回転停止ボタンに対応する回胴を停止させる回胴停止処理を行う(ステップS110)。これは上記入賞役抽選手段による抽選結果と上記回胴回転停止スイッチの操作タイミングとに基づいて、上記回胴を停止制御する停止制御手段に対応する。
【0095】
そして、すべての回胴が停止したか否かを判断する(ステップS111)。まだすべての回胴が停止してない場合には(ステップS111:NO)、ステップS110の処理に戻り、すべての回胴が停止されるまで待つ(ステップS111)。すべての回胴が停止した場合(ステップS111:YES)、図5のステップS112の処理に進む。
【0096】
図5のステップS112の処理では、上記フリーズ演出抽選処理(ステップS106)における抽選で停止時フリーズ演出に当選していたか否かを判断する(ステップS112)。なお開始時フリーズ演出と停止時フリーズ演出は二者択一的に発生される。停止時フリーズ演出に当選していなかった場合は、何もしないでステップS115に進む。
【0097】
「停止時フリーズ演出」に当選していた場合(ステップS112:YES)、複数の回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’のうちで最後に停止操作される最終停止スイッチである第3停止スイッチがONしたか否かを判断する(ステップS113)。これは第3停止スイッチがON操作されている時間長さ、つまり第3停止スイッチがONされてからOFFされるまでのON時間長さ(操作時間TA)を計測可能とすべく、その計測開始点を監視するものである。
【0098】
第3停止スイッチがONされる前(ステップS113:NO)は直接にステップS115に進む。しかし第3停止スイッチがONした場合(ステップS113:YES)は、ステップS114の停止時フリーズ演出設定処理(図7参照)に進む。この停止時フリーズ演出設定処理(ステップS114)の詳細については後述する。
【0099】
次に、入賞判定処理を行う(ステップS115)。この入賞判定処理では、当選役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン3a上で成立したか否かを判断する停止図柄判定処理や、入賞確定時における遊技メダルの払い出しの枚数を設定する払出設定処理が含まれる。
【0100】
次に、上記入賞判定処理(ステップS115)で設定された払い出し枚数に基づき、遊技メダルの払い出し(またはクレジットへの加算)を行うための遊技メダル払出処理を行う(ステップS116)。
【0101】
次に、有効入賞ライン3a上における図柄の組み合わせが、リプレイ役なのか、BB役なのかを順に確認して行き、BB遊技中であるかを確認する(ステップS117〜S119)。
【0102】
まず、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン3a上に成立したか否かを判断する(ステップS117)。リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが成立している場合(ステップS117:YES)、再遊技を行う処理(再遊技作動開始処理)を実行し(ステップS123)、メダル投入待ち処理(ステップS101、図4)に戻る。一方、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが成立していない場合(ステップS117:NO)、BB役の図柄の組み合わせが有効ライン5上に成立したか否かを判断する(ステップS118)。
【0103】
BB役に対応する図柄の組み合わせが成立している場合(ステップS118:YES)、BB遊技を開始するために必要な設定処理(BB作動開始処理:ステップS124)を行った後、メダル投入待ち処理(ステップS101、図4)に戻る。一方、BB役に対応する図柄の組み合わせが成立していない場合(ステップS118:NO)、BB遊技中であるか否かを判断する(ステップS119)。
【0104】
BB遊技中でない場合(ステップS119:NO)、そのままメダル投入待ち処理(ステップS101、図4)に進む。BB遊技中である場合(ステップS119:YES)、BB遊技を進行する上で必要な処理(BB遊技管理処理:ステップS120)を行い、BB遊技の終了条件を満たしたか否かを判断する(ステップS121)。
【0105】
BB遊技の終了条件を満たしていない場合には(ステップS121:NO)、そのままメダル投入待ち処理(ステップS101、図4)に戻り、BB遊技の終了条件を満たした場合には(ステップS121:YES)、BB遊技中に使用したメインRAM401bのワーク領域をクリアするなどのBB遊技終了処理を行って(ステップS122)、図4のメダル投入待ち処理(ステップS101)へ戻る。これにより、BB遊技終了後には、通常遊技に移行するようになっている。
【0106】
図9は、回胴の回転開始時と回転停止時のフリーズ演出抽選テーブルを例示したものである。図9(a)は開始時(回転開始時)のフリーズ演出抽選テーブル、図9(b)は停止時(回転停止時)のフリーズ演出抽選テーブルであり、それぞれリプレイ役、特殊リプレイ役、チェリー役、特殊チェリー役、ベル役、スイカ役、BB役、ハズレ役などについて、その当選領域と、当選確率を定めてある。本実施形態におけるフリーズ演出抽選テーブルの抽選領域の大きさは256となっており、この範囲でフリーズ演出契機への当選領域が定められている(図9の「当選確率」の欄は、「当選領域/抽選領域」により算出した概算値を示している)。
【0107】
図9(b)に示す主回胴停止時のフリーズ演出抽選テーブルにおいて、ベル役でのフリーズ演出契機への当選確率が「0」となっているのは、本実施形態では、ベル役は100%引き込み制御されて図柄が揃った状態が停止表示されるので、主回胴停止時には既にベル役が揃っているのにフリーズ演出を発生させることは意味がない、と判断したことによる。
【0108】
「BB役」はいわゆるボーナス役、また「特殊リプレイ役」と「特殊チェリー役」はリプレイ役やチェリー役と同じ図柄の組合せからなり、BB役に重複して当選する重複入賞役(以下、「BB同時当選役」と称する)である。ここでは、フリーズ演出が発生する入賞役の1つとして、BB同時当選役である「特殊リプレイ役」と「特殊チェリー役」が含まれている。
【0109】
また、特殊リプレイ役や特殊チェリー役に当選した場合、図9に示すように、フリーズ演出契機への当選確率を他の当選役と比べ相対的に高く設定している。このため、開始時フリーズ演出と停止時フリーズ演出が二者択一的に発生すれば、たとえ、回胴の方でリプレイ役やチェリー役が成立していても、遊技者は、特殊リプレイ役や特殊チェリー役への当選期待度が大幅に高まることになる。
【0110】
なお上記では、図9に示すフリーズ演出契機の抽選に当選した場合、続いてフリーズ最大時間を抽選することになるがこれに限らず、フリーズ演出契機の抽選がフリーズ最大時間の抽選そのものであっても良い。たとえば、図9のBB役に対応するフリーズ演出契機の当選確率は「98/256」と定めてあるが、この当選確率のうち「18/256」をフリーズ演出の最大時間3秒、「30/256」をフリーズ演出の最大時間5秒、「50/256」をフリーズ演出の最大時間7秒として当選領域を区画し、フリーズ演出の最大時間の抽選とフリーズ演出契機の抽選とが同時に行われる構成してもよい。
【0111】
(開始時フリーズ演出設定処理:図6)
図6に、上記した開始時フリーズ演出設定処理を示す。
【0112】
上記フリーズ演出抽選処理(図4、ステップS106)において開始時フリーズ演出契機に当選し、その旨の予告音の発生があった場合、上記ステップS107の判断がYESとなり、この図6の開始時フリーズ演出設定処理(図4のステップS108)に進む。
【0113】
開始時フリーズ演出設定処理においては、まず、遊技者の意思によりフリーズ期間を決定しうる伸縮可能範囲の上限値として設定された3秒、5秒、7秒のフリーズ最大時間(Tmax)のうちから、抽選により選択されたTmax(この例では7秒)についてのフリーズ最大時間コマンドをセットし、これを演出制御コマンドの一つ(上記第1フリーズ期間の開始を知らせるコマンドC1)として演出制御部側に送信する(ステップS201)。
【0114】
次に、回胴回転始動レバー11がON操作(回胴回転始動スイッチON、ステップS103)されてから、つまりフリーズ最大時間コマンド(コマンドC1)が発生してから、回胴回転始動レバー11がOFF(ステップS203)するまでのON操作時間TA(第1フリーズ期間となる)を計測すべく、カウンタからなる操作タイマAによる計時(ダウンカウント)を開始する(ステップS202)。この操作タイマAは、フリーズ演出抽選手段によりフリーズ演出契機が抽選された場合、回胴回転始動スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する第1計時手段を構成する。
【0115】
回胴回転始動レバー11がON操作され続けた場合、その操作時間(第1フリーズ期間)TAが上記のフリーズ最大時間(Tmax)に達したか否かを判断し(ステップS204)、上記のフリーズ最大時間(Tmax=7秒)に達するまではステップS203〜S204を繰り返す。
【0116】
図10(イ)は、回胴回転始動レバー11のON操作がフリーズ最大時間(Tmax=7秒)に至る前、ここでは5秒が経過した時点で終了し、回胴回転始動スイッチがOFF(ステップS203:YES)した場合を示す。この場合には、ステップS210を経てステップS205に進み、そこまでの回胴回転始動レバー11のON操作時間TA=5秒に対応する時間長さが、第2フリーズ期間TBとして、カウンタからなるフリーズ時間タイマBにセットされる(ステップS205)。このフリーズ時間タイマBは、第1計時手段による操作時間TAの計時が終了した時点から、第1計時手段により計時された操作時間TAに対応する第2フリーズ期間TBについての計時を開始する第2計時手段を構成する。
【0117】
次いで、操作タイマAの値がクリアされ(ステップS206)、この第2フリーズ期間TB=5秒についてのコマンド(第2フリーズ期間コマンド)C2が、演出制御部側に送信される(ステップS207)。続いて、フリーズ時間タイマBによる第2フリーズ期間TBの計時(ダウンカウント)を開始し(ステップS208)、第2フリーズ期間TBが経過してフリーズ時間タイマBのカウンタ値がゼロになった時点で(ステップS209:YES)、開始時フリーズ演出設定処理は終了する。
【0118】
この結果、回胴回転始動レバー11がON操作された時点からフリーズ演出(回胴不動状態)が始まり、タイマAにより計時される操作時間(第1フリーズ期間)TA(5秒)とタイマBにより計時される第2フリーズ期間TB(5秒)とを加え合わせた時間長さ(TA+TB=10秒)が全フリーズ期間として継続し、この全フリーズ期間の10秒が経過した時点で回胴不動状態が解除されて、フリーズ演出が終了する。
【0119】
ここでのフリーズ最大時間(Tmax)は7秒であるため、この7秒以内であれば、回胴回転始動レバー11をON操作した時間長さに応じて操作時間TAが増減し、第2フリーズ期間TBはこれに対応する同じ時間長さに決定される。このため遊技者は自己の意思により全フリーズ期間(TA+TB)の時間長さを定めることができる。
【0120】
図10(ロ)は、回胴回転始動レバー11のON操作がフリーズ演出の開始される前、すなわちキャンセル可能時間である0.5秒以内(この例では0.3秒後)に終了されてしまった場合である。
【0121】
図6のステップS210は回胴回転始動レバー11のON操作時間が0.5秒以内であったか否かを監視している。回胴回転始動レバー11が瞬時にOFFされて操作時間TAが0.5秒以内であったと判断された場合(ステップS210:YES)、操作タイマAにもフリーズ時間タイマBにも直ちにゼロ秒がセットされ(ステップS211)、ステップS207に進む。この場合、コマンドC1(フリーズ最大時間コマンド)の発生があり、またその発生から0.3秒後つまりステップS210の判断がYESとなるまでの時間が経過した後に、上記コマンドC2(第2フリーズ期間コマンド)も発生する(ステップS207)。しかし、第1フリーズ期間TAおよび第2フリーズ期間TBはともにゼロ秒に設定されるため、コマンドC2以降においてフリーズ期間は存在しないことになり、フリーズ演出(回胴不動状態)のキャンセルがなされた状態となる。よって、遊技者は、図10(イ)のようなフリーズ期間(TA+TB)の終わりが到来するのを待つことなく、遊技の進行を進めることができる。
【0122】
なお、上記において操作タイマAとフリーズ時間タイマBに0.3秒がセットされるように構成することも可能である。すなわち、図6において、上記ステップS210およびS211を省略した構成としてもよい。この場合は、操作タイマAにもフリーズ時間タイマBにも0.3秒がセットされるだけとなり、そのタイマ期間の経過後、同様にフリーズ演出(回胴不動状態)のキャンセルがなされた状態となる。
【0123】
図10(ハ)は、回胴回転始動レバー11のON操作がフリーズ最大時間(Tmax=7秒)を越えて10秒間続けられ、回胴回転始動スイッチがOFFした場合を示す。この場合は、回胴回転始動レバー11のON操作がフリーズ最大時間まで続けられた時点、すなわち7秒経過した時点で、操作時間TA=Tmaxとなり(ステップS204:YES)、フリーズ最大時間(Tmax=7秒)に対応する時間長さだけの第2フリーズ期間TBが、カウンタからなるフリーズ時間タイマBにセットされる(ステップS205)。次いで、操作タイマAの値がクリアされ(ステップS206)、この第2フリーズ期間TB=7秒についての第2フリーズ期間コマンドが、演出制御側に送信される(ステップS207)。続いて、フリーズ時間タイマBによる第2フリーズ期間TBの計時(ダウンカウント)を開始し(ステップS208)、第2フリーズ期間TBがゼロになった時点で(ステップS209:YES)、開始時フリーズ演出設定処理は終了する。
【0124】
この結果、回胴回転始動レバー11がON操作された時点からフリーズ演出(回胴不動状態)が始まり、タイマAにより計時されるフリーズ最大時間(Tmax=7秒)分の第1フリーズ期間TA(7秒)と、これに対応するタイマBにより計時される第2フリーズ期間TB(7秒)とを加え合わせた時間長さ(TA+TB=14秒)が全フリーズ期間として継続し、この全フリーズ期間の14秒が経過した時点で回胴不動状態が解除され、フリーズ演出が終了となる。このようにタイマAが計時する操作時間TAの長さに上限を設けることにより、無意味に長く全フリーズ期間が設定されることが回避される。
【0125】
また、フリーズ最大時間(Tmax)は3秒、5秒、7秒など時間長さの異なるものが複数用意され、これらのうちから抽選により一つが選択されて使用されるので、たとえばBB役に当選した場合には、ハズレ役に当選した場合よりも時間長さの長いフリーズ最大時間の選択確率が高くなるように、当選役に応じてフリーズ最大時間の選択確率が異なるように構成することもできる。具体的には、上記フリーズ最大時間として時間長さの異なる複数のフリーズ最大時間があらかじめ用意されており、上記フリーズ演出抽選手段によりフリーズ演出契機が抽選される場合、その複数のフリーズ最大時間のうちから一つのフリーズ最大時間を抽選により選択するフリーズ最大時間抽選手段を有する構成とする。このようにすれば、フリーズ演出の最大時間の長短により特定の役(たとえば、BB役)への当選期待度が高まることになり、遊技者がフリーズ演出を楽しむ際、さらなる面白みを与えることができる。
【0126】
(停止時フリーズ演出設定処理:図7)
図7に、上記した停止時のフリーズ演出設定処理(図5のステップS114)を示す。この停止時フリーズ演出設定処理のステップ301〜311はステップS303を除き、上記した開始時フリーズ演出設定処理(図6)のステップ201〜211に対応している。
【0127】
回胴回転始動レバー11の操作により停止時フリーズ演出に当選したことが確定している状態下において、左、中、右の停止ボタンが任意の順番で押されることにより、各回胴の回転が停止される。このとき遊技者が第3停止ボタンを押した時に、演出制御部において停止時フリーズ演出に当選した旨の予告音が発生され、第3停止ボタンを押してから、その手を第3停止ボタンから離した瞬間に、つまり第3停止スイッチがONからOFFに変化した際に、後述するステップS115で当該遊技に対する入賞判定がなされる。そこで、第3停止スイッチがONされてからOFFされるまでのON操作時間(第1フリーズ期間)TAを計測するため、計時終了時点として、第3停止スイッチがOFFされる時点を、ステップS303で監視する。
【0128】
停止時フリーズ演出設定処理においては、まず、3秒、5秒、7秒の3種類のフリーズ最大時間(Tmax)のうちから、抽選によりたとえば7秒のフリーズ最大時間コマンドをセットし、これを演出制御コマンドの一つ(上記第1フリーズ期間の開始を知らせるコマンドC1)として演出制御側に送信する(ステップS301)。
【0129】
次に、第3停止ボタン(第3停止スイッチ)がON(ステップS113)されてからOFF(ステップS303)されるまでのON操作時間TAを計測すべく、第3停止ボタンがONされた時点つまりフリーズ最大時間コマンド(コマンドC1)が発生した時点から、カウンタからなる操作タイマAによる計時(ダウンカウント)を開始する(ステップS302)。
【0130】
第3停止ボタンがON操作され続けた場合、その操作時間TAが上記のフリーズ最大時間(Tmax=7秒)に達したか否かを判断し(ステップS304)、上記のフリーズ最大時間(Tmax=7秒)に達するまではステップS303〜S304を繰り返す。
【0131】
第3停止ボタンのON操作がTmax=7秒に至る前、ここでは5秒が経過した時点で終了して、第3停止ボタンがOFF(ステップS303:YES)した場合には、そこまでの第3停止ボタンのON操作時間TA=5秒が第2フリーズ期間TBとしてフリーズ時間タイマBにセットされる(ステップS305)。次いで、この第2フリーズ期間TB=5秒についての第2フリーズ期間コマンドが、第2フリーズ期間の開始を定めるコマンドC2として演出制御部側に送信される(ステップS307)。続いて、フリーズ時間タイマBによる第2フリーズ期間TBの計時(ダウンカウント)を開始し(ステップS308)、第2フリーズ期間TBが経過してフリーズ時間タイマBのカウンタ値がゼロになった時点で(ステップS309:YES)、停止時フリーズ演出設定処理は終了する。これによりTA=5秒とTB=5秒を合わせた計10秒のフリーズ演出が終了する。ここで回胴は既に停止状態にあるので、遊技者は主としてフリーズ期間中演出の内容を楽しむことになる。この関係を図10(イ)に示す。
【0132】
ここでも遊技者は、フリーズ最大時間(Tmax)の7秒以内であれば、第3停止ボタンのON操作時間の長短を加減することにより、自己の意思により全フリーズ期間(TA+TB)の時間長さを決定することができる。
【0133】
第3停止ボタンのON操作がキャンセル可能な猶予時間幅の0.5秒以内、たとえば0.3秒後に終了となり、第3停止スイッチがOFFされてしまった場合は、第2フリーズ期間の開始を定めるコマンドC2が発生するものの、タイマA、Bにそれぞれゼロ秒がセットされるだけとなり(ステップS310、S311)、コマンドC2以降におけるフリーズ期間が存在しなくなるので、フリーズ演出のキャンセルがなされた状態となる。この関係を図10(ロ)に示す。
【0134】
第3停止ボタンのON操作がTmax=7秒を越えて10秒間続けられた場合でも、その途中でTmax=7秒が到来(ステップS304:YES)するので、その時点でTmax(7秒)が第2フリーズ期間TBとしてフリーズ時間タイマBにセットされる(ステップS305)。次いで、この第2フリーズ期間TB=7秒についての第2フリーズ期間コマンドが、演出制御側に送信される(ステップS307)。続いて、フリーズ時間タイマBによる第2フリーズ期間TBの計時(ダウンカウント)を開始し(ステップS308)、第2フリーズ期間TBがゼロになった時点で(ステップS309:YES)、停止時フリーズ演出設定処理は終了する。これによりTA=Tmax=7秒とTB=7秒を合わせた計14秒のフリーズ演出およびそれに伴う画像によるフリーズ期間中演出が終了する。この関係を図10(ハ)に示す。
【0135】
<フリーズ演出処理:図11>
次に、図11を参照して、演出制御基板420が実行するフリーズ演出の内容を説明する。
【0136】
主制御基板400から送信された演出制御コマンドを受信した場合、その演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドの種類に応じて「フリーズ演出処理」「回転開始コマンド演出処理」、「回胴停止コマンド演出処理」、「全回胴停止コマンド演出処理」、および「その他のコマンド演出処理」を順次行うものである。
【0137】
まず、演出制御基板420は、フリーズ最大時間コマンド、回胴開始コマンド、停止コマンド、全回胴停止コマンド、その他のコマンドについて、それぞれ受信の有無を順次見て行く(ステップS403〜ステップS407)。これらの演出制御コマンドを受信していない場合、演出制御処理を終了する。
【0138】
一方、演出制御コマンドを受信していた場合(ステップS401〜ステップS407)、受信したコマンドに対応する具体的なコマンド対応処理(ステップS408〜ステップS412)を実行する。このコマンド対応処理では、各種演出制御コマンドに基づく演出パターンを決定し、決定した演出パターンに沿った演出を現出させるための演出パターンデータを作成し設定する。具体的には、フリーズ演出処理、回胴開始コマンド演出処理、回胴停止コマンド演出処理、全回胴停止コマンド演出処理、その他のコマンド演出処理を行う(ステップS408〜ステップS412)。
【0139】
フリーズ演出処理では、図11に示すように、まずフリーズ最大時間コマンド(コマンドC1)が受信されたか否かを判断する(ステップS401)。フリーズ最大時間コマンドが送信されるのは、回胴回転始動レバー11がON操作されて、開始時フリーズ演出または停止時フリーズ演出が抽選された場合であり、その送信タイミングは、一つは、回胴回転始動レバー11がON操作されたときであり、他の一つは、第3停止ボタンがON操作されたときである。それぞれのタイミングで、フリーズ最大時間コマンドが送信されて来る。このフリーズ最大時間コマンドを受信した場合(ステップS401:YES)、フリーズ演出が開始される旨の予告音を発生させるための予告音演出処理を実行する(ステップS402)。
【0140】
次いで、フリーズ最大時間コマンド(コマンドC1)が受信された時点から500msが経過したか否かを判断する(ステップS403)。この500msは、第10(イ)に示すように、回胴回転始動レバー11または第3停止ボタンがON操作された時点から第1フリーズ期間中演出(この例ではフリーズ開始演出)が開始される迄の猶予時間幅である。このように第1フリーズ期間中演出が始まる前に500msの猶予時間幅を設けておくことにより、フリーズ期間中演出の発動を阻止することが可能になる。すなわち、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがONした際に発生するコマンドC1に続けて、それらスイッチがOFFした際に発生するコマンドC2(第2フリーズ期間コマンド)を、上記猶予時間幅500ms以内に受信したときは(ステップS404:YES)、何もしないでステップS403に戻る。図10(ロ)の例では、コマンドC1の発生から300msが経過した時点でコマンドC2を受信しているため、この時点でステップS404からステップS403に戻る。したがって第1フリーズ期間中演出が発生しない。また主制御側では、操作時間TA=0、フリーズ演出時間TB=0がセットされるため、フリーズ演出(回胴不動状態)がキャンセルされ、遊技の進行が続行できる状態になる。このTA=0、TB=0とする機能部はフリーズ演出をキャンセルするキャンセル手段として働く。
【0141】
よって、遊技者は、回胴回転始動レバー11または第3停止ボタンを素早く操作することにより、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチのON/OFF期間を短くして、コマンドC1とC2を上記猶予時間幅500ms以内に発生させることが可能であり、これにより遊技者は自己の意思でフリーズ演出(回胴不動状態)およびフリーズ期間中演出の発動をキャンセルさせることが可能になる。
【0142】
一方、上記猶予時間幅の500msを越えた場合(ステップS901:YES)、第1フリーズ期間中演出を開始する(第1フリーズ期間中演出処理、ステップS405)。第1フリーズ期間中演出は、たとえば演出制御部側で制御される演出手段(たとえば、液晶表示画面)、もしくは主制御基板側で制御される7セグメント表示器(たとえば、クレジット表示部)に、第1フリーズ期間が進行して行く様子を時間のカウントアップ表示にて遊技者に報知する演出である。次いで第2フリーズ期間コマンド(コマンドC2)が受信されるのを待つ(ステップS904:NO)。
【0143】
上記の第1フリーズ期間中演出処理により第1フリーズ期間中演出が行われている間に、操作タイマAによる操作時間(第1フリーズ期間)TAのアップカウントが進行し、遊技者が回胴回転始動レバー11または第3停止スイッチのON操作を止めた時点で、そのON操作期間中に計測した操作時間TA分の時間長さが第2フリーズ期間TBとしてフリーズ時間タイマBにセットされ、第2フリーズ期間コマンドが演出制御基板420側に送信されて来る(図6のステップS207、図7のステップ307)。この第2フリーズ期間コマンドが受信された場合(ステップS406:YES)、サブCPU421cは第2フリーズ期間TBに応じた第2フリーズ期間中演出処理を実行する(ステップS407)。この第2フリーズ期間中演出は、たとえば液晶表示画面に「○秒以内に・・せよ」のミッション演出を表示し、あるいは時限爆弾のカウントダウン(カウントゼロで当りとなる)を表示するなど、フリーズに対応する演出である。
【0144】
図10(イ)の例において、フリーズ期間中演出は、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがONしてから500msが経過した時点から、液晶表示装置6の画面に第1フリーズ期間中演出の画像が4.5秒間表示される。そして第2フリーズ期間コマンドを受信した時点から、液晶表示装置6の画面に第2フリーズ期間中演出の画像が5秒間表示される。このためフリーズ演出下でも、液晶画面6aに表示されるフリーズ期間中演出を楽しみつつ、フリーズ時間の経過を待つことができる。
【0145】
本実施形態では、第1フリーズ期間中演出と第2フリーズ期間中演出のうち、前者の第1フリーズ期間中演出については遊技者が回胴回転始動レバー11または第3停止ボタンをON操作している期間長さによりその後のフリーズ期間の長短が決まり、全体のフリーズ期間が長い場合の方が短い場合よりも遊技者に有利となることを報知する演出となっている。この第1フリーズ期間中演出と第2フリーズ期間中演出は特に区別する必要はなく、連続したフリーズ期間中演出として現出させることもできる。また、映像だけでなく、音やランプによりフリーズ期間中演出を現出させることもできる。
【0146】
結局、フリーズ演出(回胴不動状態)が、上記第1フリーズ期間中演出時間の4.5秒を含む5秒間およびこれに続く第2フリーズ期間中演出処理の5秒間を合わせた10秒間だけ続き、また、その間に液晶表示装置6の画面に第1フリーズ期間中演出と第2フリーズ期間中演出の画像が表示される。
【0147】
図10(ハ)では、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがフリーズ最大時間の7秒よりも長い10秒間にわたってON状態に置かれ、その途中の上記7秒が経過した時点で第2フリーズ期間コマンドが送信されて来る。したがって、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチのONより500msが経過した時点から、液晶表示装置6の画面に第1フリーズ期間中演出の画像が6.5秒間表示される、続いて第2フリーズ期間コマンドを受信した時点から、液晶表示装置6の画面に第2フリーズ期間中演出の画像が7秒間表示される。よってフリーズ期間中演出の現出は13.5秒間続いて終了となり、同時にフリーズ演出の回胴不動状態も解除される。
【0148】
上記のフリーズ演出処理が終わった後は、通常の主回胴による遊技に係る演出をなすための「回転開始コマンド演出処理」、「回胴停止コマンド演出処理」、「全回胴停止コマンド演出処理」、「メダル投入コマンド演出処理」、および「その他のコマンド演出処理」が順次行なわれる。
【0149】
すなわち、演出制御基板420は、回転開始コマンドを受信していた場合、回転開始コマンドに基づく演出を決定するための回転コマンド演出処理を実行する。また各停止コマンド(「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」、「左回胴停止」、「中回胴停止」、または「右回胴停止」コマンドなどの回胴の停止に関するコマンド)を受信していた場合、各停止コマンドに基づく演出を決定するための回胴停止コマンド演出処理を行う。また、全回胴停止コマンドを受信していた場合、全回胴停止コマンドに基づく演出を決定するための全回胴停止コマンド演出処理を行う。その他のコマンド(メダル投入コマンドなど)を受信していた場合、その他のメダル投入コマンドに基づく演出を決定するための処理などを行う。
【0150】
<第2の実施形態>
次に第2の実施形態として、上述した操作タイマAとフリーズ期間タイマTBの機能を一つの共通の操作時間計時カウンタにより実現する構成例について説明する。
【0151】
図12は、上記主制御側の処理において1.5ms程度ごとに実行されるタイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【0152】
まず、回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがONしている間は、クロック入力により操作時間計時カウンタを1加算し、上記第1フリーズ期間TAを計時して行く(ステップS221〜S222)。そして回胴回転始動スイッチまたは第3停止スイッチがOFFした場合には(ステップS221:NO)、第2フリーズ期間TBに入ったことを確認し、クロック入力により操作時間計時カウンタの値をカウント値がゼロになるまで1減算して行く。
【0153】
操作時間計時カウンタは第1フリーズ期間TAに対応する値までカウントアップされているので、この値から同じクロック入力に基づいてカウントダウンして行くと、第1フリーズ期間TAに対応する長さの第2フリーズ期間TBの時間長さを計測することができる。このため、一つの操作時間計時カウンタを兼用し、簡易に第1フリーズ期間TAと第2フリーズ期間TBの時間長さを計測することができる。
【0154】
<変形例>
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい一実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。本発明の思想を逸脱しない範囲において、回胴式遊技機を構成する要素や各種パラメータを適宜変更することができる。
【0155】
たとえば、上記実施形態では、入賞役の種類に応じてフリーズ演出の当選確率を変えたが、入賞役の種類とは無関係に、つまり毎回同じ当選確率でフリーズ演出を抽選しても良い。
【0156】
また上記の実施形態では、フリーズ演出発生時期を、回胴回転開始前と全回胴停止時とする形態としたが、各回胴のうちの一部の停止時とする形態としても良く、これらを組み合わせた形態としても良い。
【0157】
各回胴の数、およびその数に対応して設けられる停止操作用の回胴回転停止スイッチの数は3個に限られるものではなく、2個または3個より多くてもよい。すなわち、これら2個または3個以上の回胴回転停止スイッチのうちで、最後に停止される最終停止スイッチに対して、本発明を適用し、最終停止スイッチがON操作されている期間を操作時間タイマAで計時する構成とすることができる。
【0158】
また上記の実施形態では、抽選によりフリーズ演出契機を選択する場合、開始時と停止時のフリーズ演出契機を合わせた全体の中から1つのフリーズ演出契機を抽選する形態としたが、二者択一的であって開始時と停止時のフリーズ演出契機が同時に当選することはない抽選形態、あるいは、開始時と停止時のフリーズ演出契機が同時に当選する抽選形態とすることもできる。
【0159】
また上記の実施形態では、フリーズ演出の発生している間のフリーズ期間中演出を現出するフリーズ期間中演出現出手段として画像表示装置(液晶表示装置6)を用いたが、他のフリーズ期間中演出表示手段(たとえば第2の液晶表示装置やランプ群装置など)によりフリーズ期間中演出を現出させてもよい。
【0160】
また上記の実施形態では、遊技媒体が遊技メダルである回胴式遊技機を例にして説明したが、本発明に係る回胴式遊技機はこれに限定されるものではなく、遊技媒体が遊技球である回胴式遊技機に対しても適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明は、単位遊技中に抽選で遊技の進行を一時的に停止するフリーズ演出を発生させるようにした回胴式遊技機に特に有用である。
【符号の説明】
【0162】
1 遊技機筐体、
2 前扉、
3 表示窓(回胴視認部)、
3a 入賞ライン、
3a 有効入賞ライン、
4 表示窓(液晶画面視認部)、
5a、5b、5c 回胴、
6 液晶表示装置、
6a 表示画面(液晶画面)、
7 メダル投入口、
8 MAXBETボタン、
9 貯留メダル投入ボタン、
10 貯留メダル精算ボタン、
11 回胴回転始動レバー、
11a 回胴回転始動スイッチ、
12a、12b、12c 回胴回転停止ボタン、
13 装飾ランプ部、
14 操作パネル部、
15 返却ボタン、
16 スピーカ、
17 装飾パネル部、
18 メダル受け皿、
19 遊技メダル払出口、
210 回胴装置、
310 外部集中端子基板、
330 回胴中継基板、
340 演出I/F基板、
340a 入力バッファ回路、
350 払出中継基板、
360 停止スイッチ基板、
370 遊技中継基板、
380 LED基板、
400 主制御基板、
401 1チップマイクロコンピュータ、
401a メインROM、
401b メインRAM、
401c メインCPU、
401d CTC、
401e 割り込みコントローラ回路、
402 I/Oポート回路、
403 カウンタ回路、
404 I/F回路、
404a 出力バッファ回路、
405 I/F回路、
406 I/F回路、
407 モータ駆動回路、
408 スイッチ入力回路、
420 演出制御基板、
421 1チップマイクロコンピュータ、
421a サブROM、
421b サブRAM、
421c サブCPU、
421d CTC、
421e 割り込みコントローラ回路、
422 I/Oポート回路、
423 カウンタ回路、
430 回胴設定基板、
440 電源基板、
450 払出制御基板、
460 液晶制御基板、
500 ホッパーユニット、
510 ホッパーモータ、
520 メダル払出センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の図柄が外周に施された回胴が複数並設され、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を表示する回胴装置と、
各回胴の回転による単位遊技の実行ごとに、ハズレ役を含む複数種類の入賞役を対象として抽選を行う入賞役抽選手段と、
所定の遊技開始条件の下で前記回胴装置を回転始動させる操作スイッチであって前記単位遊技を開始させる回胴回転始動スイッチと、
前記各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させる操作スイッチであって、前記回胴の回転停止により前記遊技結果を導出させて前記単位遊技を終了させるため任意の順序で停止操作される複数の回胴回転停止スイッチと、を備え、
前記回胴装置における遊技結果が前記入賞役抽選手段による抽選結果に対応する表示態様となった場合に、その遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与するように構成された回胴式遊技機であって、
遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選手段と、
前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選された場合、前記遊技の進行を停止するフリーズ演出を発生させるフリーズ演出発生手段と、
前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選された場合、前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する第1計時手段と、
前記第1計時手段による前記操作時間の計時が終了した時点から、前記第1計時手段により計時された前記操作時間に対応する第2フリーズ期間についての計時を開始する第2計時手段と、を有し、
前記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出が、前記第1計時手段により計時された前記第1フリーズ期間と前記第2計時手段により計時された前記第2フリーズ期間の和からなるフリーズ期間について行われる、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
【請求項2】
前記回胴回転始動スイッチまたは前記最終停止スイッチがON操作されている時間が、あらかじめ定めた猶予時間幅内に収まる短時間であった場合、前記第1フリーズ期間および前記第2フリーズ期間をゼロまたはほぼゼロに設定して、前記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出をキャンセルするキャンセル手段を、さらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の回胴式遊技機。
【請求項3】
前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチのON操作時間により前記第1フリーズ期間を伸縮しうる範囲の上限値であるフリーズ最大時間をあらかじめ設定するフリーズ最大時間設定手段を、さらに有し、
前記第1計時手段は、前記フリーズ最大時間の範囲を超えて前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチのON操作が継続された場合、前記フリーズ最大時間までのON操作時間を第1フリーズ期間として計時する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の回胴式遊技機。
【請求項4】
前記フリーズ最大時間として時間長さの異なる複数のフリーズ最大時間があらかじめ用意されており、前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選される場合、前記複数のフリーズ最大時間のうちから一つのフリーズ最大時間を抽選により選択するフリーズ最大時間抽選手段を、さらに有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の回胴式遊技機。
【請求項5】
前記複数種類の入賞役は、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行契機となる特別入賞役を含み、
前記フリーズ最大時間抽選手段は、前記入賞役抽選手段による抽選で前記特別入賞役に当選した場合、前記複数のフリーズ最大時間のうちから時間長が相対的に長いフリーズ最大時間を抽選により選択する、ことを特徴とする請求項4に記載の回胴式遊技機。
【請求項6】
前記フリーズ演出が発生している間、フリーズ期間中演出を現出するためのフリーズ期間中演出現出手段と、
前記フリーズ期間中演出現出手段に現出させるフリーズ期間中演出の内容を制御するフリーズ期間中演出制御手段と、をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回胴式遊技機。
【請求項7】
前記フリーズ演出抽選手段は、前記回胴回転始動スイッチがON操作された場合に、遊技の開始時または停止時のフリーズ演出についてのフリーズ演出契機を抽選により選択し、
前記第1計時手段は、前記停止時のフリーズ演出についてフリーズ演出契機が抽選された場合、前記複数の回胴回転停止スイッチのうちで最後に停止操作される最終停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回胴式遊技機。
【請求項1】
種々の図柄が外周に施された回胴が複数並設され、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を表示する回胴装置と、
各回胴の回転による単位遊技の実行ごとに、ハズレ役を含む複数種類の入賞役を対象として抽選を行う入賞役抽選手段と、
所定の遊技開始条件の下で前記回胴装置を回転始動させる操作スイッチであって前記単位遊技を開始させる回胴回転始動スイッチと、
前記各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させる操作スイッチであって、前記回胴の回転停止により前記遊技結果を導出させて前記単位遊技を終了させるため任意の順序で停止操作される複数の回胴回転停止スイッチと、を備え、
前記回胴装置における遊技結果が前記入賞役抽選手段による抽選結果に対応する表示態様となった場合に、その遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与するように構成された回胴式遊技機であって、
遊技の進行を停止するフリーズ演出契機を抽選により選択するフリーズ演出抽選手段と、
前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選された場合、前記遊技の進行を停止するフリーズ演出を発生させるフリーズ演出発生手段と、
前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選された場合、前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する第1計時手段と、
前記第1計時手段による前記操作時間の計時が終了した時点から、前記第1計時手段により計時された前記操作時間に対応する第2フリーズ期間についての計時を開始する第2計時手段と、を有し、
前記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出が、前記第1計時手段により計時された前記第1フリーズ期間と前記第2計時手段により計時された前記第2フリーズ期間の和からなるフリーズ期間について行われる、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
【請求項2】
前記回胴回転始動スイッチまたは前記最終停止スイッチがON操作されている時間が、あらかじめ定めた猶予時間幅内に収まる短時間であった場合、前記第1フリーズ期間および前記第2フリーズ期間をゼロまたはほぼゼロに設定して、前記フリーズ演出発生手段によるフリーズ演出をキャンセルするキャンセル手段を、さらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の回胴式遊技機。
【請求項3】
前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチのON操作時間により前記第1フリーズ期間を伸縮しうる範囲の上限値であるフリーズ最大時間をあらかじめ設定するフリーズ最大時間設定手段を、さらに有し、
前記第1計時手段は、前記フリーズ最大時間の範囲を超えて前記回胴回転始動スイッチまたは前記回胴回転停止スイッチのON操作が継続された場合、前記フリーズ最大時間までのON操作時間を第1フリーズ期間として計時する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の回胴式遊技機。
【請求項4】
前記フリーズ最大時間として時間長さの異なる複数のフリーズ最大時間があらかじめ用意されており、前記フリーズ演出抽選手段により前記フリーズ演出契機が抽選される場合、前記複数のフリーズ最大時間のうちから一つのフリーズ最大時間を抽選により選択するフリーズ最大時間抽選手段を、さらに有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の回胴式遊技機。
【請求項5】
前記複数種類の入賞役は、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行契機となる特別入賞役を含み、
前記フリーズ最大時間抽選手段は、前記入賞役抽選手段による抽選で前記特別入賞役に当選した場合、前記複数のフリーズ最大時間のうちから時間長が相対的に長いフリーズ最大時間を抽選により選択する、ことを特徴とする請求項4に記載の回胴式遊技機。
【請求項6】
前記フリーズ演出が発生している間、フリーズ期間中演出を現出するためのフリーズ期間中演出現出手段と、
前記フリーズ期間中演出現出手段に現出させるフリーズ期間中演出の内容を制御するフリーズ期間中演出制御手段と、をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回胴式遊技機。
【請求項7】
前記フリーズ演出抽選手段は、前記回胴回転始動スイッチがON操作された場合に、遊技の開始時または停止時のフリーズ演出についてのフリーズ演出契機を抽選により選択し、
前記第1計時手段は、前記停止時のフリーズ演出についてフリーズ演出契機が抽選された場合、前記複数の回胴回転停止スイッチのうちで最後に停止操作される最終停止スイッチがON操作されている操作時間を第1フリーズ期間として計時する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回胴式遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−274015(P2010−274015A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131673(P2009−131673)
【出願日】平成21年5月31日(2009.5.31)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月31日(2009.5.31)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
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