説明

回路パターンの欠陥検出装置、回路パターンの欠陥検出方法およびプログラム

【課題】高いS/N比で回路パターンの欠陥を検出することができる技術を提供する。
【解決手段】フォトマスク116にX方向に偏光した直線偏光を照明光として照射し、その反射光をY方向の直線偏光を透過する偏光子を介して検出する。フォトマスク116の回路パターンに欠陥があると、反射時に偏光状態が変化し、直交する直線偏光成分が生成される。この生成された偏光成分に基づいて欠陥の検出を行う。偏光の変化が微細なパターンに敏感に反応するので、高いS/N比で回路パターンの欠陥を検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた検出精度を有する回路パターンの欠陥検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造に用いるフォトマスクにおける欠陥の検出方法としては、繰り返し現れるパターン像同士を比較するdie-to-dieと、検査像(die)とCADデータから得られる基準象(database)とを比較するdie-to-databaseとがある。どちらの場合も画像を比較することで、欠陥の検出が行われる。この分野における検査像を得る技術としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−72905
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
数十nm以下というような微小な欠陥の検出を行う場合、わずかなコントラストの違いを検出する精度が要求される。しかしながら、従来の技術では、照明光に含まれるムラ、干渉の影響によるムラ、撮像素子の精度といった要因により、検出情報のS/N比が制限される問題があった。そこで本発明は、高いS/N比で回路パターンの欠陥を検出することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、予め決められた偏光状態を有する照明光を回路パターンが形成された検査対象に照射する照明光学系と、前記照明光の前記検査対象を透過または反射した前後における前記偏光状態の変化を検出する検出手段と、前記検出手段の出力に基づいて前記回路パターンの欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えることを特徴とする回路パターンの欠陥検出装置である。
【0006】
請求項1に記載の発明は、フォトマスク等の微細な回路パターンが形成された部材に光を照射すると、その照射光がその当該部材を透過および/または反射する際に、偏光の変化が生じる現象を利用している。偏光の変化は、例えばある方向の直線偏光を照射すると、それに直交する直線偏光の反射や透過が生じる現象として観察される。この現象は、微細な回路パターンに起因した構造性複屈折に起因する。これは、回路パターン構造によって複屈折効果が生じ、照射された直線偏光と直交する直線偏光が生じる現象として理解することができる。
【0007】
この変化は、フォトマスクのような照射光が透過および反射する場合には、透過光および透過光の両方において生じる。また、対象物からの反射光しか得られない場合には、反射光において生じ、透過光しか得られない場合には、透過光において生じる。
【0008】
この偏光の変化は、回路パターンが波長と比較して小さい程、より大きく(顕著に)発生する。当然、微小な欠陥がある場合も、その欠陥に起因する偏光の変化が生じる。したがって、偏光の変化を検出することで、欠陥を検出することができる。これが本発明の原理である。
【0009】
偏光の変化を検出する方法としては、複数の方法を挙げることができる。例えば、ICメモリ製造用のフォトマスクのように同じパターンの回路が繰り返し現れる回路の場合は、隣接する回路パターンから得られる偏光変化の分布の状態を比較し、その差分(違い)から欠陥を検出する方法が挙げられる。また、基準となる偏光の変化の分布データ(欠陥がなくても回路パターン自体の存在によっても偏光の変化は生じる)を用意しておき、それを基準の情報として、計測によって取得した偏光の変化の分布と比較し、その差分から欠陥を検出する方法が挙げられる。また、回路パターンの対称性に基づき、生じるはずのないイレギュラーな偏光の変化を検出し、その情報に基づき欠陥を検出する方法が挙げられる。
【0010】
本発明における検査対象としては、IC製造用のフォトマスク、回路パターンが形成されたシリコンウエハー、IC製造用の転写型(レジスト面に回路パターンを転写するための押し型)、回路パターンが形成された各種基板(シリコン以外の基板)を挙げることができる。
【0011】
なお、回路パターンには、回路を構成するデバイス(トランジスタやキャパシタ部等)とそのデバイスからの引き出し配線、デバイス間を接続する接続配線、絶縁領域のパターン等が含まれる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記照明光学系は、第1の直線偏光を前記検査対象に照射し、前記検出手段は、前記第1の直線偏光と偏光の方向が90°異なる第2の直線偏光を検出することで前記検査対象を透過または反射した前後における前記偏光状態の変化を検出することを特徴とする。
【0013】
ある方向に偏光した直線偏光を照射した際に生じる回路パターンや欠陥に起因する偏光方向の変化は、照射した直線偏光に直交する成分に最も顕著に現れる。例えば、原理的に考えて、X方向の電界の振幅方向を有する直線偏光をフォトマスクに照射し、その反射光を検出した場合、偏光の変化が生じた部分からの反射光には、X方向に直交するY方向の電界の振幅方向を有する直線偏光が含まれ、偏光の変化が生じなかった部分からの反射光には、このY方向の直線偏光は含まれていない。したがってこの場合、Y方向の直線偏光を検出することで、偏光の変化を高感度に検出することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記照明光の前記検査対象を透過または反射した光に基づいて前記回路パターンの像を得る像取得手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、透過光または反射光に基づいて回路パターンの画像が得られる。この画像は、通常の光学的に撮像した画像となる。回路パターンの像を取得することで、欠陥部分の特定や表示に役立てることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記回路パターンは、フォトマスクに形成された回路パターンであり、前記照明光学系は、前記検査対象に前記照明光を透過させる透過方式照明光学系と、前記検査対象において前記照明光を反射させる反射方式照明光学系とを備え、前記透過方式照明光学系を用いて前記回路パターンの像を得、前記反射方式照明光学系を用いて前記偏光状態の変化の検出が行われることを特徴とする。
【0017】
フォトマスクの場合、形成された回路パターンを抜ける光と、その周囲からの反射光とが得られるので、回路パターンの情報は、透過光と反射光の両方から得られる。ここで、偏光状態の変化した光は、反射光の方が透過光よりも強く得られる。また、回路パターンの像は、透過光の方が高強度となり高コントラストとなる(つまり明瞭度が高い)。したがって、請求項4に記載の発明によれば、高いS/N比で偏光状態の変化と回路パターンの像を得ることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記回路パターンにおける前記欠陥の位置を特定する位置特定手段を更に備えることを特徴とする。請求項5に記載の発明によれば、回路パターンにおける欠陥の位置情報が特定されるので、回路のどの部分に欠陥が発生したかの情報を得ることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記偏光状態には、直交する偏光方向を有する第1の偏光成分と第2の偏光成分とが含まれ、前記検出手段は、前記照明光の前記検査対象を透過または反射した前後における前記第1の偏光成分の変化および/または前記第2の偏光成分の変化を検出することを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明では、偏光方向が直交する2つの直線偏光を含む光(例えば円偏光や楕円偏光)を照射し、その透過光または反射光に含まれる前記2つの直線偏光の偏光状態の変化を検出し、それに基づき欠陥の検出を行う。
【0021】
例えば円偏光であれば、偏光の方向が直交する2つの直線偏光の強度の比は1である。ここで、透過光または反射光において偏光変化があれば、この直交する2つの直線偏光の強度比は1でなくなる。この現象は、回路パターンや欠陥が存在すれば発生する。よって、回路パターンに起因する偏光の変化をキャンセルすることで、欠陥を検出することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、予め決められた偏光状態を有する照明光を回路パターンが形成された検査対象に照射する照明光照射ステップと、前記照明光の前記検査対象を透過または反射した前後における前記偏光状態の変化を検出する検出ステップと、前記検出ステップの結果に基づいて前記回路パターンの欠陥を検出する欠陥検出ステップとを有することを特徴とする回路パターンの欠陥検出方法である。
【0023】
請求項8に記載の発明は、コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、コンピュータに、予め決められた偏光状態を有する照明光を回路パターンが形成された検査対象に照射する照明光照射機能と、前記照明光の前記検査対象を透過または反射した前後における前記偏光状態の変化を検出する検出機能と、前記検出機能の出力に基づいて前記回路パターンの欠陥を検出する欠陥検出機能とを実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、高いS/N比で回路パターンの欠陥を検出することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態の回路パターンの欠陥検出装置の概要を示す概念図である。
【図2】欠陥検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】回路パターンの欠陥を検出する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】回路パターンを撮像した画像を示す写真である。
【図5】実施形態の回路パターンの欠陥検出装置の概要を示す概念図である。
【図6】回路パターンを撮像した画像を示す写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(1) 第1の実施形態
(光学系の構成)
図1は、実施形態の回路パターンの欠陥検出装置の概要を示す概念図である。図1には、回路パターンの欠陥検出装置100が示されている。回路パターンの欠陥検出装置100は、照明光を発生するCWレーザ発生装置101を備えている。CWレーザ発生装置101は、照明光となるレーザ光を出力する。レーザ光の波長は、限定されないが、検出精度を高める上では、短波長光の方が有利となるため、波長199nmや波長257mnのものが利用される。
【0027】
CWレーザ発生装置101から出力されたレーザ光は、ビームエキスパンダ102、フライアイレンズ103および回転位相板104を通過する。ビームエキスパンダ102は、照明光のビーム形状を整え、フライアイレンズ103と回転位相板104は、照明光の強度分布を均一化させる。
【0028】
回転位相板104を通過した照明光は、リレーレンズ105を介してハーフミラー106で分岐され、透過観察系の光路107と、反射観察系の光路108とに分けられる。透過観察系の光路107に進んだ照明光は、偏光調整装置109を通過し、コレクターレンズ111から視野絞り112に至る。
【0029】
偏光調整装置109は、任意に偏光を調整できる装置であって、例えば偏光子109aと(1/4)波長板109bを備えている。偏光子109aはある方向に電界の振幅方向を有する直線偏光を選択的に透過する直線偏光板(直線偏光フィルタ)である。(1/4)波長板109bは、偏光子を通過した直線偏光を円偏光に変換する。この偏光子109aと波長板109bは、それぞれ光路に挿入/退避が自在にできる構成とされている。また、偏光子109aは、回転が可能とされている。入射側から偏光子109a→波長板109bと光路上に配置することで、偏光調整装置109からは、円偏光が出射される。この際、偏光子109aを回転させることで、円偏光の旋回方向を逆転させることができる。また偏光子109aのみを光路上に配置し、さらに偏光子109aを回転させることで、任意の方向の直線偏光が選択可能である。また、偏光子109aと(1/4)波長板109bとを光路から退避させることもできる。また、(1/4)波長板109bを(1/2)波長板に変更し、偏光子109aと(1/2)波長板との組み合わせによって任意の方向の直線偏光を選択可能である。また、各種光学系を組み合わせて半径方向、動径方向偏光を選択可能としても良い。
【0030】
コレクターレンズ111は、平行光を作り出す機能を有し、コレクターレンズ111を通過した照明光は、視野絞り112に照射される。視野絞り112は、照明光を所定のビーム断面形状とする光学的な絞りである。
【0031】
視野絞り112を通過した照明光は、ミラー113で反射されて集光レンズであるコンデンサレンズ114を介してステージ115上に置かれたフォトマスク116に照射される。ステージ115は、照明光を透過する材質で構成され、回転機能を有するx−yステージである。ステージ115は、図示省略したモータおよび駆動機構により、x−y方向に移動し、また回転する。
【0032】
フォトマスク116は、集積回路の製造時のフォトリソグラフィー工程で用いられる回路パターン焼付けのためのフォトマスクである。フォトマスクは、所定の回路パターンを形成するためのパターンが形成されている。図1において、フォトマスク116上に2つの領域が示されているのは、視野絞り112と視野絞り135に対応する領域であって、位置がわずかにずれている透過画像を得る領域と反射画像を得る領域の2つの領域があることを示している。
【0033】
フォトマスク116を透過した光は、対物レンズ117からビームスプリッタ118を介して、結像面119で結像する。ビームスプリッタ118については後述する。結像面119に結像した像は、変倍レンズ120を介して透過画像センサー121により撮像される。変倍レンズ120は、像の縮尺を調整するレンズである。透過画像センサー121は、受光素子を2次元アレイ構造に配置した撮像センサーである。
【0034】
ハーフミラー106で分岐され、反射観察系の光路108を進んだ照明光は、リレーレンズ131を通過後にミラー132で反射され、偏光子133を通過する。偏光子133は、ある方向に電界の振幅方向を有する直線偏光を選択的に透過する直線偏光板(直線偏光フィルタ)である。偏光子133は、回転可能な構造とされている。偏光子133を回転させることで、ステージ115に図1の下の方向から照射する直線偏光の光(照明光)の偏光の方向を調整することができる。
【0035】
偏光子133において、ある決められた方向に偏光した直線偏光とされた照明光は、コレクターレンズ134で平行光とされる。コレクターレンズ134を通過した照明光は、視野絞り135で絞られ、ビームスプリッタ118で対物レンズ117の方向に反射され、対物レンズ117からフォトマスク116に図1の下方から照射される。
【0036】
図1の下方から照射された反射観察系の光路108からの照明光は、フォトマスク116で反射し、対物レンズ117を図の上から下に向かって透過し、ビームスプリッタ118を通過して、結像面119に至り、そこで結像する。
【0037】
この反射観察系からの照明光に起因する像は、ミラー136、変倍レンズ137、偏光子138を介して、反射画像センサー139によって撮像される。ここで、変倍レンズ137は、撮像する画像の縮尺を調整する。反射画像センサー139は、透過画像センサー120と同じ撮像センサーである。偏光子138は、偏光子133と同じ光学部品であり、偏光子133と直交する方向に偏光方向がくるように偏光子133に同期して回転する。
【0038】
(制御系の構成)
図2は、図1に示す回路パターンの欠陥検出装置100の制御系の構成を示すブロック図である。回路パターンの欠陥検出装置100の制御系は、メインコントローラ201画像処理部202を備えている。メインコントローラ201と画像処理部202とは、コンピュータとしての機能を有し、CPU、メモリ、インタフェース回路を備えている。この例では、機能別にメインコントローラ201と画像処理部202とがハードウェア的に分かれている表記となっているが、各機能がソフトウェア的に実現される構成でもよい。
【0039】
メインコントローラ201は、図1のステージ115の動きを制御するステージコントローラ203に制御信号を出力する。この制御信号により、ステージ115の動きが制御される。またメインコントローラ201は、透過系偏光制御部204と反射系偏光制御部205に制御信号を出力する。
【0040】
透過系偏光制御部204は、図1の偏光調整装置109の動作を制御する。すなわち、メインコントローラ201からの制御信号に基づいて、透過系偏光制御部204が、偏光状態装置109内の光学系を調整する制御を行い、透過観察系における照明光の偏光の状態が調整される。
【0041】
反射系偏光制御部205は、メインコントローラ201からの制御信号に基づいて、図1の偏光子133と138の回転を制御する。
【0042】
画像処理部202には、図1の反射画像センサー139および透過画像センサー121からの画像データ信号が入力される。また、画像メモリ210には、欠陥検出の基準となる画像データおよびフォトマスク116のパターンのデータが格納されている。画像メモリ210は、処理画像のデータ等の格納にも利用される。
【0043】
画像処理部202は、差分データ生成部206、欠陥検出部207、欠陥位置特定部208および検出画像生成部209を備えている。差分データ生成部206は、反射画像センサー139および透過画像センサー121が検出した画像データと、画像メモリ210に格納されている比較対象となる画像データとを比較し、その差分を検出する。
【0044】
欠陥検出部207は、差分データ生成部206の出力に基づいて回路パターンの欠陥を検出する。欠陥位置特定部208は、欠陥検出部207が検出した欠陥のフォトマスク116の回路パターンにおける位置を特定する。検出画像生成部209は、検出した欠陥をフォトマスク116の回路パターン中に見やすいように表示した画像を生成する。この画像は、画像出力部211に出力され、図1では図示省略されているディスプレイ上に表示される。また、検出画像生成部209において生成された画像は、画像メモリ210に格納される。
【0045】
(動作)
図2の制御系において実行される動作の一例を説明する。図3は、処理の手順の一例を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートを実行するためのプログラムは、メインコントローラ201および/または画像処理部202のメモリ(図示せず)に格納されており、メインコントローラ201および画像処理部202において実行される。
【0046】
まず、フォトマスク116がステージ115の上に設置される。そして、フォトマスク116の回路パターンの欠陥を検出する処理が開始されると(ステップS301)、透過観察系の光路107を用いた検出の対象となる領域の選択が行われる(ステップS302)。この例では、複数の領域に分割しての欠陥の検出が行われる。ステップS302では、その中の検出処理が行われていない領域が選択される。
【0047】
次に透過観察系の光路107において利用する偏光を設定する(ステップS303)。ステップS303において設定可能な偏光は、偏光の方向が45°毎に設定された直線偏光(4種類)、右回り円偏光、左回り円偏光等の任意偏光である。この偏光の選択は、メインコントローラ201において行われる。この選択結果に基づき、メインコントローラ201は、透過系偏光制御部204に制御信号を出力し、この制御信号を受け、透過系偏光制御部204は、偏光調整装置109内の光学系を動かす制御を行う。
【0048】
偏光を設定したら、CWレーザ発生装置101から照明光であるレーザ光を発生させ、透過観察系の光路107を用いたフォトマスク116の観察を行う。この際、フォトマスク116を透過した照明光が透過画像センサー121によって検出され、フォトマスク116のステップS302において選択された領域の透過像の画像データが取得される(ステップS304)。またこの際、ステージ115の動きがステージコントローラ203を介して制御され、画像の取得位置の調整が行われる。なお、取得した画像データは、画像メモリ210に格納される。
【0049】
次にこの段階で対象としている検出領域において、未選択の偏光があるか否かを判定し(ステップS305)、未選択の偏光があれば、ステップS303の前段階に戻り、未選択の偏光が選択される。この場合、ステップS304以下の処理が再度実行される。
【0050】
未選択の偏光がなければ、各偏光に対応して取得した当該被検出領域の透過画像データを画像メモリ210から読み出し、その中で最もコントラストが明確に現れている画像データを選択する(ステップS306)。
【0051】
次に、ステップS307を実行する。ここで、画像メモリ210には、CADデータから作成した当該被観察領域の基準画像データが格納されている。ステップS307では、この基準画像データとステップS306において選択した画像データとが比較され、その差分が算出される。具体的には、各画素におけるコントラストの比が算出される。この処理は、差分データ生成部206において行われる。
【0052】
欠陥があれば、CADデータに基づいて作成した基準画像と差が生じるので、この差に基づいて欠陥の検出が行われる(ステップS308)。得られた欠陥に関するデータ(位置や基準データとのコントラストの差等のデータ)は、適当なメモリ領域に格納される。
【0053】
次いで透過系における未選択の検出領域があるか否かの判定が行われる(ステップS309)。ここで、未選択の検出領域があれば、ステップS302の前段階に戻り、新たな検出領域が選択され、その領域を対象としたステップS303以下の処理が実行される。未選択の検出領域がなければ、反射観察系の光路108を利用した欠陥検出処理に移行し、ステップS310以下の処理が実行される。
【0054】
ステップS310では、反射観察系の光路108を用いた検出対象となる領域の選択が行われる(ステップS310)。ここでは、同じ回路パターンとなる3つの領域が選択される。この選択は、画像メモリ210に格納されている回路パターンのCADデータに基づいて行われる。
【0055】
次に反射観察系の光路108において利用する偏光の組み合わせを設定する(ステップS311)。ここでいう偏光の組み合わせというのは、偏光子133と偏光子138の偏光方向の組み合わせのことである。この例では、偏光子133の偏光方向として、ある方向を基準として、45°単位で回転させた4種類の偏光方向が設定可能とされている。この際、偏光子138は、偏光子133に対して、偏光の方向が90°直交する向きとされる。ここで、メインコントローラ201は、4種類の組み合わせの中から未選択のものを一つ選択する。この選択結果に基づき、メインコントローラ201は、反射系偏光制御部205に制御信号を出力し、この制御信号を受け、反射系偏光制御部205は、偏光子133と138を回転させる制御を行う。
【0056】
偏光子133と138の偏光方向の組み合わせを設定したら、CWレーザ発生装置101から照明光であるレーザ光を発生させ、反射観察系の光路108を用いたフォトマスク116の観察を行う。この際、図1のフォトマスク116の下面側で反射した照明光が反射画像センサー139によって検出され、ステップS310において選択されたフォトマスク116の領域の反射像の画像データが取得される(ステップS312)。またこの際、ステージ115の動きがステージコントローラ203を介して制御され、画像の取得位置の調整が行われる。
【0057】
この反射観察系の光路108を用いたフォトマスク116の観察では、入射光の直線偏光に直交する偏光状態にある直線偏光が検出される。これにより、照明光がフォトマスク116において反射した際に生じた偏光の変化の検出が行われる。
【0058】
次に、この段階で対象としている検出領域において、未選択の偏光の組み合わせがあるか否かを判定し(ステップS313)、未選択の偏光の組み合わせがあれば、ステップS311の前段階に戻り、未選択の偏光の組み合わせが選択される。この場合、ステップS311以下の処理が再度実行される。
【0059】
未選択の偏光がなければ、各偏光の組み合わせに対応して取得した当該被検出領域の反射画像データ(3箇所のデータの組)を画像メモリから読み出し、その中で最もコントラストが明確に現れている画像データ群を選択する(ステップS314)。
【0060】
次に、選択した3箇所の画像データを比較し、互いの差分データを生成する(ステップS315)。この処理は、差分データ生成部206において行われる。差分データを得たら、この差分データに基づいて、欠陥を検出する処理が行われる(ステップS316)。欠陥があれば、3つの回路パターンにおける反射光の画像データが同じとならず(同一箇所に同一の欠陥がないと仮定)、画像に対応する差分データに強弱が生じる。この場合、差分データを画像化すると、コントラストに濃淡がある画像が得られる。逆に、欠陥がなければ、3つの画像データは一致するので、差分は生じず、コントラストの濃淡は生じない。この原理に基づいて欠陥の検出が欠陥検出部207において行われる。
【0061】
また、同じ領域を3つ選び、その相互を比較することで、いずれの領域に欠陥が存在するか確定することができる。この処理は、欠陥位置特定部208において行われる。得られた欠陥に関するデータは、適当なメモリ領域に格納される。
【0062】
次いで反射系における未選択の検出領域があるか否かの判定が行われる(ステップS317)。ここで、未選択の検出領域があれば、ステップS310の前段階に戻り、新たな検出領域の組み合わせが選択され、その領域を対象としたステップS311以下の処理が実行される。未選択の検出領域がなければ、ステップS318に進む。
【0063】
ステップS318では、ステップS308において算出した欠陥の情報と、ステップS316において算出した欠陥の情報とに基づいて、フォトマスク116における欠陥の特定を行う(ステップS318)。この際、結果位置特定部209の働きにより、欠陥の位置が特定される。
【0064】
次にステップS318の処理の結果に基づいて、画像処理によりフォトマスク116の回路パターン中における欠陥の位置を明示した画像(検出画像)を生成する(ステップS319)。この処理は、検出画像生成部209において行われる。生成した検出画像は、画像メモリ210に格納されると共に、必要であれば画像出力部211に送られ、ディスプレイに表示される。以上の処理を行った後、欠陥検出処理を終了する(ステップS320)。
【0065】
(優位性)
ステップS308において算出した欠陥の情報は、通常の光学観察画像に基づく欠陥の検出方法と同じ原理に基づいている。これは、リファレンス像と比較した光学的な見た目の違いから欠陥を検出する方法である。この方法は、比較的大きな欠陥の検出に適しているが、課題の欄で指摘したように、小さな欠陥の検出には適していない。
【0066】
一方、ステップS316において算出した欠陥の情報は、直線偏光における偏光の変化、すなわち、ある方向に偏光した直線偏光をフォトマスク116の回路パターンに照射した際に、回路パターンや欠陥に起因して、照射光に直交する直線偏光に変換される現象を利用している。この現象は、回路パターンや欠陥の構造に基づく複屈折効果に起因するもので、複屈折効果の要因となる構造の寸法が照明光の波長と比較して小さい程、より大きく(顕著に)発生する。したがって、小さな欠陥の検出に適している。
【0067】
しかしながら、大きな構造に対しては、複屈性効果が相対的に目立たなくなるので、上記偏光の変化も相対的に目立たなくなる。よって、大きな欠陥の検出には適していない。
【0068】
本実施形態では、透過系で通常の光学検出の原理を利用し、反射系で偏光の変化を検出する原理を利用している。これにより、上述した両者の優位性が補い合い、欠陥の大きさによらず、効果的に欠陥の検出が行われる。
【0069】
以上述べたように、本実施形態では、フォトマスク116に例えばX方向に偏光した直線偏光を照明光として照射し、その反射光をY方向の直線偏光を透過する偏光子を介して検出する。フォトマスク116の回路パターンに欠陥があると、反射時に偏光状態が変化し、直交する直線偏光成分が生成される。この生成された偏光成分に基づいて欠陥の検出を行う。偏光の変化が微細なパターンに敏感に反応するので、高いS/N比で回路パターンの欠陥を検出することができる
【0070】
(実測データ)
図4は、得られた画像データの一例を示す写真画像である。なお、この写真画像には、ソフトウェア的に画像処理を施したものが示されている。図4には、テスト回路パターンを形成したフォトマスクを被検査対象とした場合の画像が示されている。ここで、図4に示される一つの画像は、1.8μm角の大きさに対応している。また、XとYは互いに直交する方向である。
【0071】
図4における「透過画像XPol.」というのは、X方向に偏光した直線偏光を照射(入射)させた場合における透過画像のことである。これは、図1における透過観察系の光路107を用いた検出画像に対応している。「透過画像XPol.」では、偏光の変化は検出されていない。
【0072】
「透過偏光変化X→YPol.」というのは、X方向に偏光した直線偏光を照射(入射)させた場合において、Y方向に偏光した直線偏光の透過光を見た場合の画像のことである。「透過偏光変化X→YPol.」は、透過光を用いて、X→Yと偏光が変化した成分を検出した画像である。
【0073】
図4における「反射画像XPol.」というのは、X方向に偏光した直線偏光を照射(入射)させた場合における反射画像のことである。「透過画像XPol.」では、偏光の変化は検出されていない。
【0074】
図4における「反射偏光変化X→YPol.」というのは、X方向に偏光した直線偏光を照射(入射)させた場合において、Y方向に偏光した直線偏光の反射光を見た場合の画像のことである。これは、図1における反射観察系の光路108を用いた検出画像に対応している。「反射偏光変化X→YPol.」は、反射光を用いて、X→Yと偏光が変化した成分を検出した画像である。
【0075】
図4の最上段には、欠陥がない場合の画像が示され、中段には、30nm径の欠陥をフォトマスク上に人為的に形成した場合の画像が示され、最下段には、上段の画像と中段の画像との差分画像が示されている。ここで差分画像は、対応する画素のコントラストの比が濃淡で示されるように画像処理を行うことで得ている。また、差分画像中の数値は、コントラスト比を示しており、その数値が大きい程、明瞭に像が得られていることを示している。
【0076】
(実測データから得られる知見)
偏光の変化を見た場合、欠陥がなくても画像が得られる。これは、正常な回路パターンの存在によっても偏光の変化が生じることを示している。
【0077】
そして、差分画像を得ることで、正常な回路パターンのデータが消去され、イレギュラーなパターンとなる欠陥が際立って検出されることが示されている。更に、この欠陥のコントラストは、偏光の変化に着目しない「透過画像XPol.」の場合よりも、偏光の変化を検出する「透過偏光変化X→YPol.」の場合の方が、より際立って明確なものとなる。この点は、反射光の場合も同じであり、欠陥表示のコントラストは、偏光の変化に着目しない「反射画像XPol.」の場合よりも、偏光の変化を検出する「反射偏光変化X→YPol.」の場合の方が、より際立って明確なものとなる。
【0078】
また、図4の最上段の写真中に記載された数値は、照明光に対する光量の比率である。例えば、図4の最上段の一番左側の像は、照射した照明光の83.7%の光量の光が反射光として得られたことを示している。
【0079】
この図4最上段の写真中の数値から以下のことが結論される。まず、回路パターンの像を得るのであれば、透過画像を利用した方が、検出する像の光強度が強い。これは、より鮮明な画像が得られる点で有利となる。また、偏光の変化を検出するのであれば、反射光を検出する方が強い検出光が得られる。これは、偏光の変化を利用した欠陥の検出において有利となる。なお、差分画像上の数値は、上記の結論と整合しないが、差分画像上の数値は、規格化の基準が、透過と反射の場合で異なるので、直接比較することは適当ではない。重要なのは、検出する光の強度がより高い(より大きな光量)方が、検出精度(検出感度)が高くなる点にある。
【0080】
(2) 第2の実施形態
第1の実施形態において、透過光を用いて偏光変化を検出し、反射光を用いて偏光変化に着目しない光学画像を得ても良い。この場合、偏光調整装置109が偏光子133の代わりに配置され、偏光子133が偏光調整装置109の代わりに配置される。また、偏光子138が、透過画像センサー121の前に配置される。また、透過画像センサー121と反射画像センサー139の役割が反転する。
【0081】
(3)第3の実施形態
円偏光を利用して回路パターンの欠陥を検出する方法として、円偏光を照射し、その透過光に含まれる直交する直線偏光成分の画像をそれぞれ取得し、その2つの画像の差分をとる方法がある。この方法によってフォトマスクの欠陥の検査を行う装置が図5に示されている。
【0082】
図5には、回路パターンの欠陥検出装置500が示されている。回路パターンの欠陥検出装置500において図1と同じ符号の部分は、図1に関連して説明したのと同じであるので説明は省略する。この装置では、照明光の光路に偏光子501と(1/4)波長板502が配置されている。照明光は、偏光子501と(1/4)波長板502を通過することで円偏光に変換される。
【0083】
円偏光とされた照明光は、フォトマスク116に照射され、その透過光が結像面119で結像する。結像面119で結像した像が、偏光ビームスプリッタ503によって、偏光方向が直交するx直線偏光とy直線偏光とに分離される。x直線偏光は、変倍レンズ502とx方向の直線偏光を透過するx偏光子503を介してx偏光画像センサー504で検出される。y直線偏光は、変倍レンズ505とy方向の直線偏光を透過するy偏光子506を介してy偏光画像センサー507で検出される。ここで、x偏光子503とy偏光子506とは、消光比を大きくするために配置されている。
【0084】
この例では、x偏光画像センサー504で撮像した画像とy偏光画像センサー507で撮像した画像とを差分が取られ、この差分画像を得る。この差分画像には、偏光変化による影響が差分する前の画像より顕著に現れる。この差分画像を同じ回路パターンを有する複数の領域間において取得し、それらを比較する。欠陥がなければ、同じ差分画像が得られ、欠陥があれば、異なる差分画像が得られる。よって、異なる場所の同じ回路パターンのx−y差分画像をまず得、ついでその差分画像同士の差分画像を得ることで、欠陥を検出することができる。
【0085】
(実測データ)
図6には、円偏光をテスト用のフォトマスク照射し、その透過光を観察した場合における画像写真の一例が示されている。図6において、「Trans.C Pol」というのは、円偏光の画像を検出した場合である。「X Pol.component」というのは、X方向に偏光した直線偏光の画像を検出した場合である。「Y Pol.component」というのは、Y方向に偏光した直線偏光の画像を検出した場合である。「X-Y Pol.」というのは、X方向に偏光した直線偏光の画像とY方向に偏光した直線偏光の画像との差分をとった場合である。なお、「X-Y Pol.」の最下段の画像は、「X-Y Pol.」の最上段の画像と中段の画像との差分を更にとった場合に得られる画像である。
【0086】
図6において、「DOT 30nm」というのは、30nm径の欠陥を人為的にフォトマスク上に形成した場合である。最下段には、上段と中段の画像の差分をとった差分画像が示されている。なお、各画像の一辺は1.8μmに相当する。
【0087】
(実測データから得られる知見)
図6の「Trans.C Pol」の差分画像と「X-Y Pol.」の差分画像とを比較すると、後者の方がより明確に欠陥が検出できていることが分かる。このことから、偏光の変化に着目することで、より高精度に回路パターンの欠陥を検出できることが分かる。
【0088】
(その他)
図3に示す処理の手順では、各光路における偏光の設定を、高コントラストが得られる条件に基づいてその都度選択している。しかしながら、予め最適な偏光条件が分かっているのであれば、設定条件を決めておき、それに基づいて偏光条件の設定を行うようにしてもよい。
【0089】
回路パターンが形成されたシリコンウエハーの表面、IC製造用の転写型(レジスト面に回路パターンを転写するための押し型)のように照明光に対して光透過性を示さない材質を対象とする場合は、反射光によって偏光変化と観察像を得るようにする。この場合、偏光変化に着目しない光学的な観察像も反射光を利用して取得することになる。
【0090】
第3の実施形態において、一方向の直線偏光のみに着目し、偏光の変化を検出してもよい。また、図5では、透過光を利用しているが、被検出対象物からの反射光を利用して第3の実施形態の原理を利用した欠陥の検出を行うこともできる。
【0091】
図4に明瞭に現れているように、欠陥があると、基準画像との差分画像を得なくても、得られた画像自体に欠陥に起因する非対称性が現れる。この現象を利用して画像処理により欠陥を検出することもできる。この場合、基準画像や他の同一回路パターン部分との比較処理を行わなくても欠陥の検出が行える。また、本明細書の中で開示した複数の手法を複合して用いることで、欠陥を検出するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、フォトマスク等における回路パターンの欠陥を検出する技術に利用することができる。
【符号の説明】
【0093】
100…回路パターンの欠陥検出装置、101…CWレーザ発生装置、102…ビームエキスパンダ、103…フライアイレンズ、104…回転位相差板、105…リレーレンズ、106…ハーフミラー、107…透過観察系の光路、108…反射観察系の光路、109…偏光調整装置、111…コレクターレンズ、112…視野絞り、113…ミラー、114…コンデンサレンズ、115…ステージ、116…フォトマスク、117…対物レンズ、118…ビームスプリッタ、119…結像面、120…変倍レンズ、121…透過画像センサー、131…リレーレンズ、132…ミラー、133…偏光子、134…コレクターレンズ、135…視野絞り、136…ミラー、137…変倍レンズ、138…偏光子、139…反射画像センサー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め決められた偏光状態を有する照明光を回路パターンが形成された検査対象に照射する照明光学系と、
前記照明光の前記検査対象を透過または反射した前後における前記偏光状態の変化を検出する検出手段と、
前記検出手段の出力に基づいて前記回路パターンの欠陥を検出する欠陥検出手段と
を備えることを特徴とする回路パターンの欠陥検出装置。
【請求項2】
前記照明光学系は、第1の直線偏光を前記検査対象に照射し、
前記検出手段は、前記第1の直線偏光と偏光の方向が90°異なる第2の直線偏光を検出することで前記検査対象を透過または反射した前後における前記偏光状態の変化を検出することを特徴とする請求項1に記載の回路パターンの欠陥検出装置。
【請求項3】
前記照明光の前記検査対象を透過または反射した光に基づいて前記回路パターンの像を得る像取得手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の回路パターンの欠陥検出装置。
【請求項4】
前記回路パターンは、フォトマスクに形成された回路パターンであり、
前記照明光学系は、前記検査対象に前記照明光を透過させる透過方式照明光学系と、前記検査対象において前記照明光を反射させる反射方式照明光学系とを備え、
前記透過方式照明光学系を用いて前記回路パターンの像を得、
前記反射方式照明光学系を用いて前記偏光状態の変化の検出が行われることを特徴とする請求項3に記載の回路パターンの欠陥検出装置。
【請求項5】
前記回路パターンにおける前記欠陥の位置を特定する位置特定手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路パターンの欠陥検出装置。
【請求項6】
前記偏光状態には、直交する偏光方向を有する第1の偏光成分と第2の偏光成分とが含まれ、
前記検出手段は、前記照明光の前記検査対象を透過または反射した前後における前記第1の偏光成分の変化および/または前記第2の偏光成分の変化を検出することを特徴とする請求項1に記載の回路パターンの欠陥検出装置。
【請求項7】
予め決められた偏光状態を有する照明光を回路パターンが形成された検査対象に照射する照明光照射ステップと、
前記照明光の前記検査対象を透過または反射した前後における前記偏光状態の変化を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの結果に基づいて前記回路パターンの欠陥を検出する欠陥検出ステップと
を有することを特徴とする回路パターンの欠陥検出方法。
【請求項8】
コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、
コンピュータに、
予め決められた偏光状態を有する照明光を回路パターンが形成された検査対象に照射する照明光照射機能と、
前記照明光の前記検査対象を透過または反射した前後における前記偏光状態の変化を検出する検出機能と、
前記検出機能の出力に基づいて前記回路パターンの欠陥を検出する欠陥検出機能と
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−2305(P2011−2305A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144713(P2009−144713)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)
【Fターム(参考)】