説明

回路基板およびその製造方法並びに回路モジュール

【課題】スルーホール導体と配線との接続の不具合が生じることなく安定生産可能な回路基板を提供。
【解決手段】複数の貫通孔15cを備えたポーラスアルミナ基板からなる板状の基材14と、貫通孔内にそれぞれ形成された柱状のスルーホール導体16と、基材の一方の主面及び他方の主面にそれぞれ設けられた絶縁層18a,18b及び少なくとも一部が互いに対向するように設けられた配線12a,12bとを有する。そして、前記配線は少なくとも複数のスルーホール導体により互いに導電接続されている。このため、配線を高密度化しても、スルーホール導体と配線との接続の不具合が生じることなく安定生産することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板とその製造方法に関し、さらに詳細には、回路基板の表裏の配線を接続するスルーホール導体を備えた回路基板および回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回路基板は、例えば、板厚0.2mm程度のガラスエポキシ樹脂からなる基板の表裏の導通を取りたい箇所にドリリング、パンチング、レーザー加工、エッチングなどの方法で最小0.5mmφ程度の孔を開け、孔の中を含む基板表面全面に無電解メッキなどの方法で例えば銅メッキからなる導電層を形成する。
その後、表裏にエッチングレジストを塗布し、露光現像し、エッチングを行なうことで、例えば厚さ18μm程度の配線やスルーホールランドを設けて表裏の接続部を構成する。
【0003】
上記従来の回路基板においては、切削ドリル加工等によってスルーホールを形成しているため、スルーホールの直径が最小で0.5mm程度となってしまう。このため、高密度の配線基板を得ることが難しかった。
【0004】
特許文献1には、上記従来の回路基板が有する課題の対策案の一例が開示されている。具体的には、図11に示すように、棒状の金属116が絶縁性樹脂114を介して規則的に配列された基板を用い、該基板の上下面に形成した配線112a,112b同士を前記棒状の金属116により導通させたことにより、母材基板の上下面に形成した配線112a,112b同士を微小な面積で導通させることができ、高密度化が可能な回路基板110が開示されている。
上記回路基板110の製造方法の概要は、まず、例えば図示省略した厚さ数百μmの直方体の金属ブロックの一方の主面に、ダイシングソーやワイヤーソー等でX方向およびこれと直交するY方向にそれぞれ溝加工を施すことにより、台座部上に例えば100μm□で長さが200μmの棒状の金属116が例えば100μm間隔で配列された構造体を得る。次に該構造体の棒状の金属116の隙間に例えば熱硬化型エポキシ樹脂を流し込み、熱処理により硬化させ、さらに前記台座部を切削加工等により除去して、母材基板を得る。
こうして得られた母材基板の上下面全面に感光性樹脂を塗布し、露光現像により開口部を備えた絶縁膜118a,118bを形成する。得られた母材基板の表面に触媒金属を吸着させた後、無電解メッキ液中に浸漬して金属膜を形成した後、該金属膜上にエッチングレジストを塗布し、露光現像したのち、金属膜をエッチングして配線層112a,112bを形成し、さらに前記エッチングレジストを除去する。
こうして得られた基板の上下面全面に感光性樹脂を塗布し、露光現像により開口部を設けた保護層118a’,118b’を形成する。さらに、前記保護層118a’,118b’の開口部から露出する前記金属膜の表面にニッケルメッキ、金メッキを順次施し、回路基板110を得る。
また、上記棒状の金属116の形成方法の他の例として、金属、ガラス、プラスチックなどからなる台座部の一方の主面上にワックスや接着剤等を用いて、複数の棒状の金属116を配列した状態に貼り付けることが提案されている。
【特許文献1】特開2002−289998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に提案されている回路基板110においては、金属ブロックの一方の主面にX−Y方向に溝加工を施したり、前記台座部上に複数の棒状の金属116を配列した状態に貼り付けることにより、母材基板を得るものである。このため、母材基板の厚み寸法に対して棒状の金属116の配列ピッチを小さくすればするほど、前記溝加工や前記貼り付けが困難となる。このため、棒状の金属116の長さと棒状の金属116の配列ピッチとはいずれも200μm程度にとどまり、さらなる高密度化が困難であった。また、基板の表裏の配線112a,112bの幅と前記棒状の金属116の配列ピッチとがほぼ等しいことから、基板の表裏の配線と棒状の金属との正確な位置合わせを行なわないと、位置ずれにより接続の不具合が生じて安定生産できないという課題があった。
【0006】
本発明は、以上の点に着目したもので、配線を高密度化しても、スルーホール導体と配線との接続の不具合が生じることなく安定生産可能な回路基板を提供することを目的とする。
また本発明は、配線を高密度化しても、スルーホール導体と配線との接続の不具合が生じることなく安定生産可能な回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、回路基板の一方の主面側の電子部品と、他方の主面側の配線との接続の不具合が生じることなく安定生産可能な回路モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の回路基板は、(1)板状の基材と、該基材を厚み方向に貫通するように設けられた複数のスルーホール導体と、前記基材の一方の主面及び他方の主面に、それぞれ設けられた絶縁層と配線と、を有する回路基板において、前記基材は複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板であり、前記絶縁層は、前記複数のスルーホール導体の端部のうちの選択された複数のスルーホール導体の端部を除いて被覆するとともに、前記配線は、前記基材の一方の主面および他方の主面に、少なくとも一部が互いに対向するように設けられ、前記選択されたスルーホール導体のうちの少なくとも複数のスルーホール導体により互いに導電接続されている。(以下、第1の課題解決手段と称する。)
【0008】
また、本発明の回路基板の主要な形態の一つは、(2)前記(1)に加えて、さらに、前記配線の互いに対向する部分の幅寸法が前記スルーホール導体の配列ピッチの2倍以上である。(以下、第2の課題解決手段と称する。)
【0009】
また、本発明の回路基板の他の主要な形態の一つは、(3)前記(1)に加えて、さらに、前記基材の端面は絶縁性樹脂で被覆されている。(以下、第3の課題解決手段と称する。)
【0010】
また、本発明の回路基板の製造方法は、(4)板状のAl地金を準備し、該Al地金に陽極酸化処理を施して該Al地金の一方の主面から他方の主面に向かって前記Al地金の厚さ方向に複数の凹部を形成する工程と、前記凹部の底部を除去して他方の主面側に開口する複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板からなる基材を形成する工程と、前記基材の一方の主面または他方の主面にシード層を形成する工程と、前記シード層を給電電極として電解メッキにより前記複数の貫通孔内にそれぞれ柱状のスルーホール導体を形成する工程と、前記基材からシード層を除去してスルーホール導体の両端を前記基材の一方の主面及び他方の主面にそれぞれ露出させる工程と、得られた基材の一方の主面及び他方の主面に、前記複数のスルーホール導体のうちの選択された複数のスルーホール導体の端部を露出する開口を備えた絶縁層を形成する工程と、得られた基材の一方の主面及び他方の主面に、前記絶縁層の開口に露出する少なくとも複数のスルーホール導体に接続するように配線を形成する工程と、を有する。(以下、本発明の第4の課題解決手段と称する。)
【0011】
また、本発明の回路モジュールは、(5)前記(1)の回路基板上に電子部品が実装されている。(以下、本発明の第5の課題解決手段と称する。)
【0012】
また、本発明の回路モジュールは、(6)前記(5)に加えてさらに、前記回路基板が複数積層され、互いに隣接する前記回路基板の相対向する配線同士が導電性接合材により接続されている。(以下、本発明の第6の課題解決手段と称する。)
【0013】
また、本発明の回路モジュールは、(7)枠型板状の基材と、該基材を厚み方向に貫通するように設けられた複数のスルーホール導体と、前記基材の一方の主面および他方の主面にそれぞれ設けられた接続電極と、を有する接続基板上に、前記(1)の回路基板が積層されている。(以下、本発明の第7の課題解決手段と称する。)
【0014】
また、本発明の回路モジュールは、(8)前記(7)に加えてさらに、前記枠型の基材は複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板であり、前記接続電極は、前記基材の一方の主面および他方の主面に少なくとも一部が互いに対向するように設けられ、前記複数のスルーホール導体のうちの少なくとも複数のスルーホール導体により互いに導電接続されている。(以下、本発明の第8の課題解決手段と称する。)
【0015】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記基材は複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板であり、前記絶縁層は、前記複数のスルーホール導体の端部のうちの選択された複数のスルーホール導体の端部を除いて被覆するとともに、前記配線は、前記基材の一方の主面および他方の主面に、少なくとも一部が互いに対向するように設けられ、前記選択されたスルーホール導体のうちの少なくとも複数のスルーホール導体により互いに導電接続されている。これにより、基材の厚み寸法に対して柱状のスルーホール導体の配列ピッチが極めて小さいものであり、前記スルーホール導体の位置に係わらずスルーホール接続部として機能する。このため、前記基材の一方の主面及び他方の主面に少なくとも一部が互いに対向するように設けられた配線同士が、正確な位置合わせを行わなくても、それぞれ複数のスルーホール導体により互いに導電接続される。これにより、配線を高密度化しても、スルーホール導体と配線との接続の不具合が生じることなく安定生産することができる。
【0016】
また、上記第2の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第1の課題解決手段に加えて、さらに、前記配線の互いに対向する部分の幅寸法が前記スルーホール導体の配列ピッチの2倍以上である。このため、基材の表裏に設けられた配線は、それぞれ複数のスルーホール導体により互いに確実に導電接続される。
【0017】
また、上記第3の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記基材の端面は絶縁性樹脂で被覆されている。このため、基材の端面にスルーホール導体が形成されるのが防止される。これにより、スルーホール導体の剥がれ落ちによる意図しない箇所での接続の発生を防止することができる。
【0018】
また、上記第4の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、板状のAl地金を準備し、該Al地金に陽極酸化処理を施して該Al地金の一方の主面から他方の主面に向かって前記Al地金の厚さ方向に複数の凹部を形成する工程と、前記凹部の底部を除去して他方の主面側に開口する複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板からなる基材を形成する工程と、前記基材の一方の主面または他方の主面にシード層を形成する工程と、前記シード層を給電電極として電解メッキにより前記複数の貫通孔内にそれぞれ柱状のスルーホール導体を形成する工程と、前記基材からシード層を除去してスルーホール導体の両端を前記基材の一方の主面及び他方の主面にそれぞれ露出させる工程と、得られた基材の一方の主面及び他方の主面に、前記複数のスルーホール導体のうちの選択された複数のスルーホール導体の端部を露出する開口を備えた絶縁層を形成する工程と、得られた基材の一方の主面及び他方の主面に、前記絶縁層の開口に露出する少なくとも複数のスルーホール導体に接続するように配線を形成する工程と、を有する。このため、基材の一方の主面及び他方の主面の配線とスルーホール導体との正確な位置合わせが不要となる。これにより、高価な位置決め装置が不要となる。
【0019】
また、上記第5の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第1の課題解決手段の回路基板上に電子部品が実装されている。このため、回路基板の一方の主面に搭載された電子部品と前記回路基板の他方の主面の配線とがそれぞれ複数のスルーホール導体を介して接続される。
【0020】
また、上記第6の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記第5の課題解決手段に加えてさらに、前記回路基板が複数積層され、互いに隣接する前記回路基板の相対向する配線同士が導電性接合材により接続されている。このため、複数の回路基板のうちの互いに隣接する一方の回路基板のスルーホール導体の位置と他方の回路基板のスルーホール導体の位置とを正確に位置合わせしなくとも、相対向する配線同士が接続される。
【0021】
また、上記第7の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、枠型板状の基材と、該基材を厚み方向に貫通するように設けられた複数のスルーホール導体と、前記基材の一方の主面および他方の主面にそれぞれ設けられた接続電極と、を有する接続基板上に、前記第1の課題解決手段の回路基板が積層されている。このため、前記回路基板の一方の主面の配線と前記接続基板の他方の主面の接続電極とがそれぞれ複数のスルーホール導体により接続される。これにより、枠型の接続基板と回路基板とが接続の不具合を生じることなく積層されたスタック構造の回路モジュールを提供することができる。
【0022】
また、上記第8の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、上記第7の課題解決手段に加えてさらに、前記枠型の基材は複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板であり、前記接続電極は、前記基材の一方の主面および他方の主面に少なくとも一部が互いに対向するように設けられ、前記複数のスルーホール導体のうちの少なくとも複数のスルーホール導体により互いに導電接続されている。このため、前記回路基板のスルーホール導体の位置と前記接続基板のスルーホール導体の位置とを正確に位置合わせしなくとも、接続の不具合を生じることなく安定生産可能な回路モジュールを提供することができる。
【0023】
その他の本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0024】
本発明の上記第1の課題解決手段によれば、さらなる高密度化が可能な回路基板を提供することができる。
【0025】
また、本発明の上記第4の課題解決手段によれば、基材の一方の主面及び他方の主面の配線とスルーホール導体とを位置合わせすることなく前記一方の主面および他方の主面の配線が互いに接続された回路基板を安定して生産することができる。
【0026】
また、本発明の第5の課題解決手段によれば、接続の不具合が生じることなく安定生産可能な回路モジュールを提供することができる。
【0027】
また、本発明の第7の課題解決手段によれば、接続の不具合を生じることなく安定生産が可能な回路モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明の回路基板の第1の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。図1は第1の実施形態の回路基板10の内部構造を透視した部分拡大平面図である。また、図2は、上記第1の実施形態の回路基板10の上記図1のB−B線における縦断面図である。
【0029】
図1及び図2に示すように、第1の実施形態の回路基板10は、板状の基材14と、該基材14を厚み方向に貫通するように設けられた複数のスルーホール導体16と、前記基材14の一方の主面14a及び他方の主面14bに、それぞれ設けられた絶縁層18a,18bと配線12a,12bと、を有する。そして、前記基材14は複数の貫通孔15cを備えたポーラスアルミナ基板である。また、前記絶縁層18a,18bは、前記複数のスルーホール導体16の端部t、bのうちの選択された複数のスルーホール導体16の端部を除いて被覆する。また、前記配線12a,12bは、前記基材14の一方の主面14aおよび他方の主面14bに、少なくとも一部が互いに対向するように設けられている。そして、前記配線12a,12bは、前記選択されたスルーホール導体16のうちの少なくとも複数のスルーホール導体16により互いに導電接続されている。
【0030】
また、上記第1の実施形態の回路基板10は、前記配線12a,12bの互いに対向する部分の幅寸法Wa,Wbがそれぞれ前記スルーホール導体16の配列ピッチPの2倍以上である。
【0031】
また、上記基材14の端面は絶縁性樹脂17で被覆されている。
【0032】
上記スルーホール導体16は、前記基材14を厚み方向に貫通する複数の貫通孔15cの内部にそれぞれ柱状に形成されている。また、前記貫通孔15cの配置は、図1に示すように、特定の貫通孔15cを中心にしたとき、周囲を6等分したそれぞれに等しいピッチで貫通孔15cが取り囲む構造となっている。そして、図1に示すB−B線における縦断面では、図2に示すように、各貫通孔15cが横方向に等しいピッチPで配列されている。
【0033】
次に、本発明の回路基板の製造方法の第1の実施形態について、図3〜図7を参照して説明する。図3は、本実施形態の回路基板10の製造方法の製造プロセスの一例を示すフローチャートである。また、図4及び図5は、該製造プロセスの各工程について説明するための上記図2に対応する縦断面図である。また、図6はポーラスアルミナ基板の一例を示す走査型電子顕微鏡による平面の拡大写真であり、図7は、前記ポーラスアルミナ基板の一例を示す走査型電子顕微鏡による縦断面の拡大写真である。また、各工程は、図4(a)〜(d)の後、図5(e)〜(i)の順である。
【0034】
まず、本実施形態の回路基板10の製造方法の一例は、図3のフローチャートに示すように、板状のAl地金を準備する。次に、陽極酸化処理により前記Al地金の一方の主面から他方の主面に向かって前記Al地金の厚さ方向に複数の凹部を形成する。次に前記凹部の底部を除去して他方の主面側に開口する複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板からなる基材を形成する。次に、基材の一方の主面または他方の主面にシード層を形成する。次に、シード層を給電電極として前記複数の貫通孔内にそれぞれ柱状のスルーホール導体を電解メッキにより形成する。次に、前記基材からシード層を除去してスルーホール導体の両端を前記基材の一方の主面及び他方の主面にそれぞれ露出させる。次に、選択された複数のスルーホール導体の端部を露出する開口を備えた絶縁層を前記基材の一方の主面及び他方の主面に形成する。次に、選択された複数のスルーホール導体に接続する配線を前記基材の一方の主面及び他方の主面に形成する。
【0035】
次に、図4及び図5を参照しながら、より具体的に説明する。
まず、図4(a)に示すように、例えば長さ50mm×幅50mm×厚さ0.3mmの板状のAl地金13を準備する。次に、前記Al地金13を例えば所定濃度のシュウ酸溶液等の陽極酸化浴中で所定電圧(例えば50V)を印加する陽極酸化処理を施し、図4(b)に示すように、例えば、直径約40nm、深さ約300μmの複数の凹部15bを形成する。このとき、前記凹部15bの表面から前記Al地金13の内部に向かって、前記Alの酸化物であるAlからなる所定の厚さの絶縁体層dが形成される。
次に、図4(c)に示すように、前記複数の凹部15bのそれぞれ底部をエッチングにより除去して他方の主面14b側に開口する複数の貫通孔15cを備えたポーラスアルミナ基板からなる基材14を形成する。次に、図4(d)に示すように、前記基材14の端面を絶縁性樹脂17で被覆する。次に、図5(e)に示すように、前記基材14の例えば他方の主面14bに例えばスパッタにより例えばNiからなるシード層Sを形成する。次に、図5(f)に示すように、前記シード層Sを給電電極として例えばCuの電解メッキにより前記複数の貫通孔15c内に前記給電電極S側を基端b、前記一方の主面14a側を先端tとするそれぞれ柱状のスルーホール導体16を形成する。次に、図5(g)に示すように、前記基材14から前記シード層S及び前記基材14の一方の主面14a側を例えば化学エッチングにより除去して、前記スルーホール導体16の両端を前記基材14の一方の主面14a及び他方の主面14bにそれぞれ露出させる。
次に、図5(h)に示すように、前記基材14の一方の主面14a及び他方の主面14bに、前記複数のスルーホール導体16のうちの選択された複数のスルーホール導体16の端部を露出する開口OPを備えた絶縁層18a,18bを形成する。上記絶縁層18a,18bの形成は、前記基材14の一方の主面および他方の主面に、例えばスピンコート法により一様な厚さで感光性絶縁樹脂を塗布した後、露光現像して、所定の箇所に前記選択された複数のスルーホール導体の端部を露出する開口を形成する。ここで、前記基材14の一方および他方の主面14a、1 4bにおいて前記複数のスルーホール導体の端部を露出する開口OPの一辺の寸法は、それぞれ前記スルーホール導体の配列ピッチPの2倍以上(例えば縦Wa×横Wb)であることが好ましい。
次に、図5(i)に示すように、前記基材14の一方の主面14aに、前記絶縁層18aの開口OPに露出する少なくとも複数のスルーホール導体16の端部に接続するように幅Waの配線12aを形成する。同様に前記基材14の他方の主面14bに、前記絶縁層18bの開口OPに露出する少なくとも複数のスルーホール導体16の端部に接続するように幅Wbの配線12bを形成する。上記配線12a,12bの形成は、上記絶縁層18a、18bが形成された前記基材14の一方の主面14aおよび他方の主面14bに、例えばスパッタによりNi等のシード層を形成した後、前記シード層上に例えば電解メッキによりCu層を形成する。次に、前記Cu層上にエッチングレジストを塗布し、露光現像した後、不要なCu層をエッチングするとともに、前記エッチングレジストを除去することによりが形成される。
こうして、本実施形態の回路基板10を得る。
【0036】
次に、上記基材14の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記基材14としては、前記Al地金13に陽極酸化処理を施した後にエッチング処理等により、厚み方向に複数の貫通孔15cを備えた多孔板状に形成されることが好ましい。上記基材14としては、前記Al(弁金属)の酸化物であるAlが好ましく、多孔板状のポーラスアルミナ基板であることがより好ましい。また、上記基材14は、単層が好ましいがこれに限定するものではなく、例えば複数層積層してもよい。尚、上記基材14を複数層積層する場合には、前記互いに隣接する基材と基材との間に、複数の接続電極を所定の配列ピッチで配設することが好ましい。このとき、前記接続電極の配列ピッチは前記貫通孔15cの配列ピッチよりも小さいことが好ましい。
【0037】
次に、上記スルーホール導体16の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記スルーホール導体16としては、Cuが好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、Ag,Au,Alの単体もしくはそれらの合金であってもよい。また、上記スルーホール導体16は、厚み方向に貫通する複数の貫通孔15cを備えたポーラスアルミナ基板からなる基材14の前記貫通孔15cの内部に例えば電解メッキにより柱状に形成されることが好ましい。上記スルーホール導体16の直径は数nm〜数十nm(例えば40nmφ)であることが好ましい。また、上記スルーホール導体16の長さ(高さ)は特に制限はないが数μm〜数百μm(例えば300μm)であればよく、より好ましくは数十μm〜数百μmが好ましい。また、上記スルーホール導体16の配列ピッチは、数nm〜数十nm(例えば80nm)であることが好ましい。また、前記スルーホール導体16の直径の2倍以上であることがより好ましい。
【0038】
次に、上記絶縁層18a,18bの好ましい実施形態は次の通りである。即ち、上記絶縁層18a,18bとしては、感光性絶縁樹脂が好ましく、より具体的には、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB),ポリイミド(PI)等が好ましい。また、その厚さは、1〜100μm(例えば10μm)が好ましい。前記絶縁層18a,18bの形成方法は、前記基材14の一方の主面及び他方の主面に、前記感光性絶縁樹脂を例えばスピンコート法により一様な厚さで塗布した後、露光現像して所定の箇所に開口を設けることが好ましい。
【0039】
次に、上記配線12a、12bの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記配線12a,12bとしては、Cuが好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、Ag,Au,Alの単体もしくはそれらの合金であってもよい。上記配線12a,12bは、上記絶縁層が形成された基材14の一方の主面14aおよび他方の主面14bに、例えばスパッタによりNi,Cu,Au,Ag等のシード層を形成した後、前記シード層上に無電解メッキや電解メッキによりCu層を形成する。次に、前記Cu層上にエッチングレジストを塗布し、露光現像した後、不要なCu層をエッチングするとともに、前記エッチングレジストを除去する。また、上記配線12a,12bの厚さは1μm〜100μm(例えば18μm)が好ましい。また、上記配線12a,12bの表面に、Ni/Auメッキ、Ni/Snメッキ、プリフラックス、処理、防錆処理等の表面処理を施すことが好ましい。上記配線12a,12bの互いに対応する部分の幅寸法は、前記スルーホール導体16の配列ピッチの2倍以上であることが好ましい。これにより、前記配線12a,12bに対して、スルーホール導体16の位置が多少位置ずれしたとしても、少なくとも複数のスルーホール導体16により前記配線12a,12b同士が互いに導電接続される。
【0040】
次に、上記Al地金の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記Al地金としては、1枚のAl地金から1個の回路基板を作成してもよいし、1枚のAl地金から複数の回路基板を作成してもよい。1枚のAl地金から1個の回路基板を作成する場合には、例えば、長さ5mm×幅5mm〜長さ20mm×幅20mm、厚さ50μm〜500μmが好ましい。また、1枚のAl地金から複数の回路基板を作成する場合には、例えば長さ200mm×幅200mm〜長さ50mm×幅50mm、厚さ50μm〜500μmが好ましい。
【0041】
次に、上記貫通孔15cの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記貫通孔15cとしては、直径は数nm〜数十nm(例えば40nm)であることが好ましく、前記貫通孔15cの長さ(深さ)は特に限定はないが、数μm〜数百μm(例えば300μm)であることが好ましい。また、上記貫通孔15cの配列ピッチは、数十nm(例えば80nm)であることが好ましい。また、上記貫通孔15cは、上記Al地金13の一方の主面13aに陽極酸化処理を施すことにより前記一方の主面13aから他方の主面13bに向かって該Al地金13の厚さ方向に複数の凹部15bを形成した後、前記凹部15bの底部をエッチング等により除去して他方の主面14b側に開口するように形成されることが好ましい。
【0042】
次に、上記絶縁性樹脂17の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記絶縁性樹脂17としては、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、が好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、熱可塑性樹脂であってもよい。上記絶縁性樹脂層17は、上記多孔板状の基材14の端面を覆うように、スパッタ、エッチング、印刷、インクジェット、ローラー転写などの方法により形成されることが好ましく、その厚さは5μm〜50μmが好ましい。尚、上記基材14を分割して複数の基材を得る場合には、分割後のそれぞれの基材14の端面が絶縁性樹脂17で被覆されていることが好ましい。
【0043】
また、上記陽極酸化処理の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記Al地金を陽極酸化浴中に浸漬して所定の電圧を印加することにより、自己組織的にそれぞれほぼ一様な深さを有する複数の凹部15bを形成することができる。上記陽極酸化処理としては、例えば、陽極酸化浴(濃度0.5mol/lのシュウ酸、温度20℃)中で印加電圧を50V一定の条件で、前記第1のグループに属する凹部15bがそれぞれ例えば深さ約300μmとなるように行なうことが好ましい。この際、前記凹部15bの配列ピッチは、印加する電圧値を増減することにより、所望の値に調整することができる。例えば、印加電圧を増加させると上記凹部15bの配列ピッチは大きくなり、反対に、印加電圧を減少させると上記凹部15bの配列ピッチは小さくなる。
【0044】
尚、本実施形態においては、上記のように陽極酸化時の印加電圧により所定の配列ピッチで凹部15bを形成したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、必要により、例えば上記Al地金13の一方の主面に、2次元三角格子状の三角格子をなす突起の格子定数80nmで、例えば複数の微小突起を備えたSiC製の押型で押圧する所謂インデンテーションを行なった後に、上記と同様の陽極酸化処理を行なってもよい。また、例えば、単一の微小突起を有する例えば円錐状の押型を用いて、所定の配置になるように複数回押圧を繰り返してもよい。
【0045】
尚、上記陽極酸化処理の後、必要により、上記基材14の他方の主面14b側の残部のAl地金を除去する工程を付加してもよい。上記除去としては、機械研削や化学エッチングが好ましい。機械検索としては、ラップ研磨等が好ましい。また、化学エッチングとしては、上記基材14の他方の主面14b側を例えばHgCl溶液中に浸漬して、化学エッチングすることが好ましい。
【0046】
次に、上記絶縁体層dの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記絶縁体層dとしては、前記Al地金13に陽極酸化処理を施すことにより、前記Al地金13の前記一方の主面から前記Al地金の内部に向かって層状に形成されることが好ましい。上記基材14と同様に、Al酸化物のAlであることが好ましい。この場合、該絶縁体層dの誘電率は約10である。
【0047】
次に、上記シード層Sの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記シード層Sとしては、Niが好ましいが、これに限定するものではなく、例えば、Ag,Au,Cuの単体もしくはそれらの合金であってもよい。上記シード層Sは、上記多孔板状のポーラスアルミナ基板からなる基材14の一方の主面14a上に、例えばスパッタ、蒸着、CVD,無電解メッキ等により層状に形成されることが好ましい。また、その厚さは0.1μm〜10μm(例えば1μm)であることが好ましい。
【0048】
(実施例)
まず、長さ50mm、幅50mm、厚さ500μmのAl製の地金13を準備した。次に、該Al地金13の前記一方の主面13aを陽極酸化浴(濃度0.5mol/lのシュウ酸溶液、温度20℃)中に浸漬して酸化電圧50V一定の条件で陽極酸化処理を施し、それぞれ内径40nm、配列ピッチが80nmの複数の凹部15bを形成した。次に、前記凹部15bの底部をそれぞれ化学エッチングにより除去して他方の主面側14bに開口した複数の貫通孔15cを備えたポーラスアルミナ基板からなる基材14を形成した。次に、前記基材14の他方の主面にスパッタによりNiからなる厚さ1μmのシード層Sを形成した。次に、前記シード層Sを給電電極として、Cu電解メッキにより、前記複数の貫通孔15c内にそれぞれ前記シード層Sを基端bとする柱状のスルーホール導体16を形成した。次に、前記シード層Sおよび前記基材14の一方の主面14a側をそれぞれ化学エッチングにより除去して、前記複数のスルーホール導体16の両端を前記基材14の一方の主面および他方の主面にそれぞれ露出させた。次に、前記基材14の一方の主面14a及び他方の主面14bにそれぞれスピンコート法によりエポキシ樹脂系の感光性絶縁性レジストを塗布し、露光現像して、選択された複数のスルーホール導体16の端部を露出する開口OP備えた厚さ10μmの絶縁層18a,18bを形成した。次に、前記絶縁層18a、18bが形成された前記基材14の一方の主面14a及び他方の主面14b上にスパッタによりNiからなる厚さ1μmのシード層Sを形成した後、電解メッキにより厚さ18μmのCu層を形成した。さらにこのCu層上にレジストを形成し、露光現像したのち、エッチングして前記Cu層の不要部分及び前記レジストを除去して配線12a,12bを形成し、本発明の実施例の回路基板10を得た。
【0049】
上記で得られた回路基板10の試料20個について、テスターを用いて前記一方の主面14aの配線12aと前記他方の主面14bの配線12bとの接続状態を確認した結果、それぞれ良好な接続状態を有するものであって、接続不良等の不具合は発見されなかった。
【0050】
尚、本発明の回路基板の製造方法の第1の実施形態は、先に示した一例に限定するものではなく、例えば、以下のように変形してもよい。
前記陽極酸化処理により複数の凹部15bを形成する工程と前記凹部15bの底部をエッチング等により除去する工程との間に、前記基材14の他方の主面側の残部のAl地金を除去する工程を付加してもよい。
【0051】
次に、本発明の実施形態の回路基板を用いた回路モジュールの第1の実施形態について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施形態の回路基板10を備える第1の実施形態の回路モジュール20を示す縦断面図である。該回路モジュール20は、回路基板10と該回路基板10の一方の主面上に実装された電子部品21a,21b,21cとから構成されている。前記回路基板10は、前記第1の実施形態の回路基板10と同様に、板状の基材14と、該基材14を厚み方向に貫通するように設けられた複数のスルーホール導体16と、前記基材14の一方の主面及び他方の主面に、それぞれ設けられた絶縁層18a,18bと配線12a,12bとを有する。そして、前記基材14は複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板であり、前記絶縁層18a,18bは、前記複数のスルーホール導体16の端部のうちの選択された複数のスルーホール導体16の端部を除いて被覆するとともに、前記配線12a、12bは、前記基材14の一方の主面および他方の主面に、少なくとも一部が互いに対向するように設けられ、前記選択されたスルーホール導体16のうちの少なくとも複数のスルーホール導体16により互いに導電接続されている。
そして、前記回路基板10の一方の主面14aの配線12aに、それぞれ例えば半田や導電性接着剤等の導電性接合材23を介して前記電子部品21a,21b,21cが実装されている。これにより、前記回路基板10の一方の主面に搭載された電子部品21a,21b,21cと前記回路基板の他方の主面の配線12bとがそれぞれ複数のスルーホール導体16を介して接続されている。尚、回路基板10の他方の主面に設けられた配線12bは、実装用ランドとしての機能を有し、例えば、図示省略したマザーボード等の表面のランド上に導電性接合材を介して導電接続される。
【0052】
次に、本発明の回路基板を用いた回路モジュールの第2の実施形態について、図9を用いて説明する。図9は本発明の実施形態の回路基板10を備える第2の実施形態の回路モジュール30を示す縦断面図である。該回路モジュール30は、上記第1の実施形態と同様の互いに鏡像の関係の構造を有する複数の回路モジュールが回路基板10,10’のそれぞれ他方の主面側の配線12b1,12b2同士が互いに対向するように積層されたものである。そして、互いに隣接する前記回路基板10,10’の相対向する配線12b1,12b2同士が、それぞれ例えば半田や導電性接着剤等の導電性接合材33により接続されている。このとき、前記回路基板10の他方の主面側の配線12b1は一方の主面の配線12a1と複数のスルーホール導体16を介して接続されており、前記回路基板10’の他方の主面側の配線12b2も、一方の主面の配線12a2とそれぞれ複数のスルーホール導体16を介して接続されている。このため、複数の回路基板10,10’のうちの互いに隣接する一方の回路基板10のスルーホール導体16の位置と他方の回路基板10’のスルーホール導体16の位置とを正確に位置合わせしなくとも、接続の不具合を生じることなく安定生産することができる。その他の構成は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0053】
次に、本発明の実施形態の回路基板を用いた回路モジュールの第3の実施形態について、図10を用いて説明する。図10は本発明の実施形態の回路基板10を備える第3の実施形態の回路モジュール40を示す縦断面図である。該回路モジュール40は、本発明の実施形態の回路基板10と、該回路基板10の一方の主面に実装された電子部品41aと、該回路基板10の他方の主面に実装された電子部品41b、41cとを備える。さらに、前記回路基板10の前記他方の主面には、前記実装された電子部品41b,41cを取り囲むように、枠型の接続基板10”が積層されている。該接続基板10”は、枠型板状の基材14”と、該基材14”を厚み方向に貫通するように設けられた複数のスルーホール導体16と、前記基材14”の一方の主面および他方の主面にそれぞれ設けられた接続電極12c1,12c2と、を有する。
【0054】
また、上記第3の実施形態の回路モジュール40においては、前記枠型の基材14”は複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板であり、前記接続電極12c1,12c2は、前記基材14”の一方の主面及び他方の主面に、少なくとも一部が互いに対向するように設けられ、前記複数のスルーホール導体16のうちの少なくとも複数のスルーホール導体16により互いに導電接続されている。このため、前記回路基板10のスルーホール導体の位置と前記接続基板10”のスルーホール導体16の位置とを正確に位置合わせしなくとも、接続の不具合を生じることなく安定生産可能な回路モジュールを提供することができる。そして、本実施形態においては、前記基材14”がリードアレイと同様の機能を有し、図示省略したマザーホード等の主面上のランドに導電接続して用いられる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によれば、配線の高密度化が可能な回路基板及び該回路基板を用いた回路モジュールを利用した軽薄短小の各種電子機器の用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の回路基板の第1の実施形態の内部構造を透視した部分拡大平面図である。
【図2】上記第1の実施形態の回路基板の内部構造を示す上記図1のB−B線における縦断面図である。
【図3】本発明の回路基板の製造方法の第1の実施形態の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の回路基板の製造方法の第1の実施形態の一例の各工程を示す縦断面図である。
【図5】上記回路基板の製造方法の第1の実施形態の一例の各工程を示す縦断面図である。
【図6】上記回路基板の製造方法の第1の実施形態の一例のポーラスアルミナ基板を示す走査型電子顕微鏡による平面の拡大写真である。
【図7】上記回路基板の製造方法の第1の実施形態の一例のポーラスアルミナ基板を示す走査型電子顕微鏡による縦断面の拡大写真である。
【図8】本発明の回路モジュールの第1の実施形態の一例の内部構造を示す断面図である。
【図9】本発明の回路モジュールの第2の実施形態の一例の内部構造を示す断面図である。
【図10】本発明の回路モジュールの第3の実施形態の一例の内部構造を示す断面図である。
【図11】背景技術の回路基板の内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
10,10’,10”,:回路基板
11:支持体
11a,11b:押型
11a,11b:微小突起
12a,12a1,12a2,12b,12b1,12b2:配線
12c1,12c2:接続電極
13:Al地金
13a:一方の主面
13b:他方の主面
14:基材
14a:一方の主面
14b:他方の主面
15a:微小凹部
15b:凹部
15c:貫通孔
16:スルーホール導体
17:絶縁性樹脂層
18a,18a1,18a2,18b,18b1,18b2:絶縁性樹脂層
20:回路モジュール
21a、21b、21c:電子部品
23:導電性接合材
30:回路モジュール
31a1,31a2,31b1,31b2,31c1,31c2:電子部品
33:導電性接合材
40:回路モジュール
41a,41b,41c:電子部品
43:導電性接合材
b:基端
d:絶縁体層(Al
OP:開口
P:配列ピッチ
S:シード層
t:先端
Wa,Wb:幅寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基材と、該基材を厚み方向に貫通するように設けられた複数のスルーホール導体と、前記基材の一方の主面及び他方の主面に、それぞれ設けられた絶縁層と配線と、を有する回路基板において、前記基材は複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板であり、前記絶縁層は、前記複数のスルーホール導体の端部のうちの選択された複数のスルーホール導体の端部を除いて被覆するとともに、前記配線は、前記基材の一方の主面および他方の主面に、少なくとも一部が互いに対向するように設けられ、前記選択されたスルーホール導体のうちの少なくとも複数のスルーホール導体により互いに導電接続されていることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記配線の互いに対向する部分の幅寸法が前記スルーホール導体の配列ピッチの2倍以上であることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
【請求項3】
前記基材の端面は絶縁性樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
【請求項4】
板状のAl地金を準備し、該Al地金に陽極酸化処理を施して該Al地金の一方の主面から他方の主面に向かって前記Al地金の厚さ方向に複数の凹部を形成する工程と、前記凹部の底部を除去して他方の主面側に開口する複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板からなる基材を形成する工程と、前記基材の一方の主面または他方の主面にシード層を形成する工程と、前記シード層を給電電極として電解メッキにより前記複数の貫通孔内にそれぞれ柱状のスルーホール導体を形成する工程と、前記基材からシード層を除去してスルーホール導体の両端を前記基材の一方の主面及び他方の主面にそれぞれ露出させる工程と、得られた基材の一方の主面及び他方の主面に、前記複数のスルーホール導体のうちの選択された複数のスルーホール導体の端部を露出する開口を備えた絶縁層を形成する工程と、得られた基材の一方の主面及び他方の主面に、前記絶縁層の開口に露出する少なくとも複数のスルーホール導体に接続するように配線を形成する工程と、を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の回路基板上に電子部品が実装されたことを特徴とする回路モジュール。
【請求項6】
前記回路基板が複数積層され、互いに隣接する前記回路基板の相対向する配線同士が導電性接合材により接続されていることを特徴とする請求項5記載の回路モジュール。
【請求項7】
枠型板状の基材と、該基材を厚み方向に貫通するように設けられた複数のスルーホール導体と、前記基材の一方の主面および他方の主面にそれぞれ設けられた接続電極と、を有する接続基板上に、請求項1記載の回路基板が積層されていることを特徴とする回路モジュール。
【請求項8】
前記枠型の基材は複数の貫通孔を備えたポーラスアルミナ基板であり、前記接続電極は、前記基材の一方の主面および他方の主面に少なくとも一部が互いに対向するように設けられ、前記複数のスルーホール導体のうちの少なくとも複数のスルーホール導体により互いに導電接続されていることを特徴とする請求項7記載の回路モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−147241(P2009−147241A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325333(P2007−325333)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】