説明

回路装置及びその製造方法

【課題】インダクタを渦巻状の配線で形成する場合において、インダクタの中心側の端部をインダクタの外側に引き出すためのコストを低くする。
【解決手段】回路装置10は、第1絶縁層100、第1インダクタ200、第1端子214、第2端子212、第1配線210、及びワイヤ500を備える。第1インダクタ200は、第1絶縁層100の一面に位置しており、渦巻状の導電パターンからなる。第1端子214及び第2端子212は、第1絶縁層100の一面から露出している。第1配線210は、第1絶縁層100の一面に形成され、第1端子214と第1インダクタ200の外側の端部204とを接続する。ワイヤ500は、第1絶縁層100の一面側に位置し、第2端子212と第1インダクタ200の中心側の端部202とを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 本発明は、渦巻状の導電パターンからなるインダクタを有する回路装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
入力される電気信号の電位が互いに異なる2つの回路の間で電気信号を伝達する場合、フォトカプラを用いることが多い。フォトカプラは、発光ダイオードなどの発光素子とフォトトランジスタなどの受光素子を有しており、入力された電気信号を発光素子で光に変換し、この光を受光素子で電気信号に戻すことにより、電気信号を伝達している。
【0003】
しかし、フォトカプラは発光素子と受光素子を有しているため、小型化が難しい。また、電気信号の周波数が高い場合には電気信号に追従できなくなる。これらの問題を解決する技術として、例えば特許文献1に記載されているように、2つのインダクタを誘導結合させることにより、電気信号を伝達する技術が開発されている。この技術において、インダクタは渦巻状の配線であり、その中心側の端部は他の配線層によってインダクタの外に引き出されている。
【0004】
【特許文献1】特表2002−164704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した技術では、インダクタを渦巻状の配線で形成した場合、インダクタの中心側の端部をインダクタの外側に引き出すための配線層を形成する必要があった。このため、回路装置の配線層数が増え、回路装置の製造コストが増大していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の一面に位置しており、渦巻状の導電パターンからなる第1インダクタと、
前記第1絶縁層の前記一面から露出している第1端子及び第2端子と、
前記第1絶縁層の前記一面に形成され、前記第1端子と前記第1インダクタの外側の端部とを接続する第1配線と、
前記第1絶縁層の前記一面側に位置し、前記第2端子と前記第1インダクタの中心側の端部とを接続する第1ワイヤと、
を備える回路装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、前記第2端子と前記第1インダクタの中心側の端部は前記第1ワイヤによって接続されている。このため、前記中心側の端部を前記第1インダクタの外に引き出すための配線層を形成する必要がない。ワイヤによる接続のコストは配線層による接続のコストより低い。従って、回路装置の配線層数が増えることを抑制でき、その結果、回路装置の製造コストが増大することを抑制できる。
【0008】
本発明によれば、第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層から露出している第1端子及び第2端子、前記第1絶縁層上に位置する第1インダクタ、並びに前記第1インダクタの外側の端部と前記第1端子を接続する配線を形成する工程と、
前記第2端子と前記第1インダクタの中心側の端部とをワイヤを用いて接続する工程と、
を備える回路装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回路装置の製造コストが増大することを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
図1は、第1の実施形態にかかる回路装置10の断面図であり、図2は図1に示した回路装置10の平面図を模式的に示す図である。図1は、図2のA−A´断面図に相当している。回路装置10は、第1絶縁層100、第1インダクタ200、第1端子214、第2端子212、第1配線210、及びワイヤ500を備える。第1インダクタ200は、第1絶縁層100の一面に位置しており、渦巻状の導電パターンからなる。第1端子214及び第2端子212は、第1絶縁層100の一面から露出している。第1配線210は、第1絶縁層100の一面に形成され、第1端子214と第1インダクタ200の外側の端部204とを接続する。ワイヤ500は、第1絶縁層100の一面側に位置し、第2端子212と第1インダクタ200の中心側の端部202とを接続する。
【0012】
第1絶縁層100は、例えばポリイミド樹脂である。また第1インダクタ200は、金、銅、ニッケル、チタン、チタンタングステン、及びクロムからなる群から選ばれた一つ、又はこの群から選ばれた2つ以上の積層膜もしくは合金からなる。第1絶縁層100の厚さは、第1インダクタ200の配線間隔(導電パターンの間隔)Sより大きい。
【0013】
回路装置10は、封止樹脂層600を備える。封止樹脂層600は、第1絶縁層100の一面、第1インダクタ200、第1端子214、第2端子212、第1配線210、及びワイヤ500を封止している。封止樹脂層600は、例えばエポキシ樹脂層である。第1インダクタ200上における封止樹脂層600の厚さTは、第1インダクタ200の配線間隔Sより小さい。
【0014】
回路装置10は、さらに第2インダクタ300、第3端子314、第4端子312、第2絶縁層120、及び開口部122,124,126,128を備える。第2インダクタ300は、第1絶縁層100の他面に位置しており、第1絶縁層100の一面に対して垂直な方向から見たときに第1インダクタ200と重なる領域に位置する。第3端子314及び第4端子312は、第1絶縁層100の他面に設けられ、それぞれ第1端子214及び第2端子212に接続する。第2絶縁層120は、一面が第1絶縁層100の他面及び第2インダクタ300に接している。第2絶縁層120は、例えばポリイミド樹脂である。
【0015】
開口部122,124,126,128は、第2絶縁層120に設けられており、それぞれ第4端子312、第3端子314、及び第2インダクタ300の2つの端部302,304それぞれを第2絶縁層120の他面から露出させる。本実施形態において、第4端子312、第3端子314、及び第2インダクタ300の2つの端部302,304それぞれは、開口部122,124,126,128の中に埋め込まれている。第2絶縁層120の他面は平坦である。第2インダクタ300は、金、銅、ニッケル、チタン、チタンタングステン、及びクロムからなる群から選ばれた一つ、又はこの群から選ばれた2つ以上の合金からなる。
【0016】
第1絶縁層100は、複数の絶縁膜を積層した構造であってもよい。本実施形態において第1絶縁層100は、絶縁膜102,104を積層した構造である。絶縁膜102,104は、いずれもポリイミド樹脂である。絶縁膜102は絶縁膜104の中央部上に形成されており、第1端子214及び第2端子212が位置している部分には形成されていない。第1インダクタ200は、絶縁膜102上に形成されており、第1端子214及び第2端子212は、絶縁膜104上に形成されている。第1配線210は、一部が絶縁膜102の側面を延伸している。また絶縁膜104には、第3端子314及び第4端子312それぞれ上に位置する開口部が形成されており、これら開口部内及びその周囲に第1端子214及び第2端子212が形成されている。
【0017】
図3、図4、及び図5は、図1及び図2に示した回路装置10の製造方法を示す断面図である。まず図3に示すように、支持部材700の一面上に第2絶縁層120をスピンコーティング法により形成する。支持部材700は、例えばシリコンウェハなどの半導体基板であり、その一面は平坦である。次いで第2絶縁層120を選択的に除去することにより、開口部122,124,126,128を形成する。
【0018】
次いで、第2絶縁層120上及び開口部122,124,126,128内にシード膜(図示せず)をスパッタリング法により形成する。次いで、シード膜上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして、シード膜をシードとしためっきを行う。これにより、第2インダクタ300及びその2つの端部302,304、第3端子314、及び第4端子312が形成される。その後、レジストパターン及びシード層のうち露出している部分を除去する。
【0019】
次いで図4に示すように、第2絶縁層120上、第2インダクタ300、第3端子314上、及び第4端子312上に絶縁膜104をスピンコーティング法により形成する。次いで絶縁膜104を選択的に除去して開口部を形成することにより、絶縁膜104から第3端子314及び第4端子312を露出させる。
【0020】
次いで絶縁膜104上、第3端子314、及び第4端子312上に絶縁膜102をスピンコーティング法により形成する。次いで絶縁膜102を選択的に除去することにより、第3端子314及び第4端子312を絶縁膜102から露出させる。このようにして、絶縁膜102,104からなる第1絶縁層100が形成される。
【0021】
次いで図5に示すように、絶縁膜102上(側面上を含む)、絶縁膜104上、第3端子314上、及び第4端子312上にシード膜(図示せず)を形成する。次いで、シード膜上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして、シード膜をシードとしためっきを行う。これにより、第1インダクタ200、第1配線210、第1端子214、及び第2端子212が形成される。その後、レジストパターン及びシード層のうち露出している部分を除去する。なお第1インダクタ200、第1配線210、第1端子214、及び第2端子212の表層は、Auめっき層であるのが好ましい。
【0022】
次いで第1インダクタ200の中心側の端部202と第2端子212とをワイヤ500で接続する。次いで、封止樹脂層600を形成し、第1絶縁層100の上面、第1インダクタ200、第1端子214、第2端子212、及びワイヤ500を樹脂封止する。
【0023】
その後、第2絶縁層120から支持部材700を除去する。このようにして図1及び図2に示した回路装置10が形成される。
【0024】
図6は、回路装置10を用いた半導体装置の一例を示す断面図である。この半導体装置は、半導体チップ800のうちパッドを有する面の上に回路装置10を取り付けたものである。
【0025】
回路装置10は、封止樹脂層600の一面側が半導体チップ800に対向している。封止樹脂層600は、接着層650を用いて半導体チップ800の最上層である被覆層806の表面に固定されている。
【0026】
第3端子314、第4端子312、及び第2インダクタ300の2つの端部302,304は、半導体チップ800とは反対側の面から露出している。これらの端部は、ワイヤによって半導体チップ800又は他の半導体チップに接続される。本図において、第3端子314及び第4端子312は、ワイヤ812,814を介して半導体チップ800の端子802,804に接続している。このため、半導体チップ800が第1インダクタ200に電気的に接続することになる。そして第2インダクタ300の2つの端部302,304は他の半導体チップ(図示せず)にワイヤ(図示せず)を介して接続する。
【0027】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。第1インダクタ200の中心側の端部202は、ワイヤ500によって第1インダクタ200から引き出され、第2端子212に接続されている。このため、端部202を第1インダクタ200から引き出すための配線層を形成する必要がなくなる。ワイヤ500を設けるために必要なコストは、配線層を増やすために必要なコストより低い。従って、回路装置10の製造コストが増大することを抑制できる。
【0028】
また封止樹脂層600によって第1インダクタ200、第1端子214、第2端子212、第1配線210、及びワイヤ500を封止している。このため回路装置10の信頼性が向上する。第1インダクタ200上における封止樹脂層600の厚さTが第1インダクタ200の配線間隔Sより大きい場合、この効果は大きくなる。また第1絶縁層100の厚さが第1インダクタ200の配線間隔より大きい場合、この効果は大きくなる。また封止樹脂層600としてエポキシ樹脂を用いることができるため、封止樹脂層600として特殊な樹脂を用いる必要がなく、回路装置10の製造コストを抑制できる。
【0029】
また第1インダクタ200は、第1絶縁層100を介して第2インダクタ300と対向している。このため、第1インダクタ200と第2インダクタ300の間で電気信号を伝達することができる。
【0030】
また第1絶縁層100は、複数の絶縁膜102,104を積層した構造である。このため、第1絶縁層100の膜厚を厚くすることができ、第1インダクタ200と第2インダクタ300の間の絶縁耐圧を高くすることができる。特に本実施形態では絶縁膜102,104はポリイミド樹脂であり、絶縁膜102,104を製造コストが安いスピンコーティング法により形成しているが、この場合においても第1絶縁層100の膜厚を厚くすることができる。
【0031】
また第3端子314、第4端子312、及び第2インダクタ300の2つの端部302,304は、回路装置10の他面すなわち第2絶縁層120の他面から露出している。このため、封止樹脂層600を下(例えば半導体チップ800側)に向けて、第2絶縁層120を上側に向けることにより、第3端子314、第4端子312、及び第2インダクタ300の2つの端部302,304を、ワイヤを用いて容易に半導体チップに接続することができる。第2絶縁層120の他面が平坦な場合、これら端子にワイヤを接続しやすくなる。
【0032】
また第1インダクタ200及び第2インダクタ300は、金、銅、ニッケル、チタン、チタンタングステン、及びクロムからなる群から選ばれた一つ、又はこの群から選ばれた2つ以上の合金からなる。このため、第1インダクタ200及び第2インダクタ300をめっき法により形成することができる。
【0033】
図7は、第2の実施形態にかかる半導体装置の平面図である。この半導体装置は、第1の実施形態において図6に示した半導体装置に相当している。本図の半導体装置は、以下の点を除いて、図6に示した半導体装置と同様である。
【0034】
まず、回路装置10は、第1インダクタ200及び第2インダクタ300の対を複数対(例えば2対)有している。複数の第1インダクタ200は、それぞれ第3端子314及び第4端子312、ならびにワイヤ812,814を介して半導体チップ800の端子802,804に接続している。
【0035】
また回路装置10が有する複数の第2インダクタ300それぞれの端部302,304は、ワイヤ912,914を介して半導体チップ900の端子902,904に接続している。
【0036】
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、回路装置10は第1インダクタ200及び第2インダクタ300の対を複数対有しているため、半導体装置を小型化することができる。
【0037】
図8は、第3の実施形態にかかる回路装置10の断面図であり、第1の実施形態における図1に相当している。本実施形態にかかる回路装置10は、第3端子314、第4端子312、及び第2インダクタ300の2つの端部302,304が第2絶縁層120の開口部122,124,126,128に埋め込まれていない点を除いて第1の実施形態と同様である。
【0038】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また第1の実施形態の図6に示した半導体装置、及び第2の実施形態に示した半導体装置を製造することができる。
【0039】
図9は、第4の実施形態にかかる回路装置10の断面図であり、第1の実施形態における図1に相当している。本実施形態にかかる回路装置10は、以下の点を除いて第1の実施形態に示した回路装置10と同様である。まず第3端子314、第4端子312、及び第2インダクタ300の2つの端部302,304が第2絶縁層120の開口部122,124,126,128に埋め込まれていない。そして、開口部122,124,126,128に電極402,404,412,414が埋め込まれている。電極402,404,412,414は第4端子312、第3端子314、並びに端部302,304に接続している。
【0040】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また第1の実施形態の図6に示した半導体装置、及び第2の実施形態に示した半導体装置を製造することができる。
【0041】
図10は、第5の実施形態にかかる回路装置10の断面図であり、図11は図10に示した回路装置10の平面図を模式的に示す図である。図10は図11のB−B´断面図に相当している。本実施形態にかかる回路装置10は、第2絶縁層120の一面に第1インダクタ200及び第2インダクタ300の双方が形成されている。第2インダクタ300を構成する導電パターンは、第1インダクタ200を構成する導電パターンと平行に渦巻状に延伸している。
【0042】
第1インダクタ200の中心側の端部202は、ワイヤ420によって第4端子312に接続されており、第1配線210は、第1インダクタ200の外側の端部204と第3端子314を接続している。第1インダクタ200及び第1配線210は、第2インダクタ300と同一工程で形成されている。
【0043】
第2インダクタ300の2つの端部302,304は、開口部126,128とは別の場所に形成されており、開口部126,128内には第6端子322及び第5端子324が埋め込まれている。第5端子324及び第6端子322の構成は、第3端子314及び第4端子312の構成と同様である。第3端子314、第4端子312、第5端子324、第6端子322、及び第2インダクタ300の2つの端部302,304は、いずれも第2絶縁層120の一面及び他面から露出している。
【0044】
第2インダクタ300の中心側の端部302は、ワイヤ422によって第6端子322に接続されており、第2インダクタ300の外側の端部304は、第2配線310によって第5端子324に接続している。第2配線310は、第2絶縁層120の一面すなわち第1インダクタ200及び第2インダクタ300が形成されている面に形成されている。
【0045】
第2絶縁層120の他面は平坦である。そして第2絶縁層120の一面、第1インダクタ200、第2インダクタ300、第3端子314、第4端子312、第5端子324、第6端子322、及びワイヤ420,422は封止樹脂層600で封止されている。
【0046】
本実施形態にかかる回路装置の製造方法は、以下の通りである。まず支持部材700の一面上に第2絶縁層120及び開口部122,124,126,128を形成する。これらの形成方法は第1の実施形態と同様である。次いで、第1インダクタ200、第2インダクタ300、第3端子314、第4端子312、第5端子324、及び第6端子322を形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態において第2インダクタ300、第3端子314、及び第4端子312を形成する方法と同様である。次いで、封止樹脂層600を形成し、その後第2絶縁層120から支持部材700を除去する。
【0047】
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また回路装置10の層数が少なくなるため、回路装置10を薄くすることができる。また回路装置10の製造コストが低くなる。
【0048】
図12は第6の実施形態にかかる回路装置10の断面図であり、第5の実施形態における図10に相当する。本実施形態にかかる回路装置10は、第3端子314、第4端子312、第5端子324、及び第6端子322が第2絶縁層120の開口部122,124,126,128に埋め込まれていない点を除いて第5の実施形態と同様である。
本実施形態によっても第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
図13は、第7の実施形態にかかる回路装置10の断面図であり、第5の実施形態における図10に相当している。本実施形態にかかる回路装置10は、以下の点を除いて第5の実施形態に示した回路装置10と同様である。まず第3端子314、第4端子312、第5端子324、及び第6端子322が第2絶縁層120の開口部122,124,126,128に埋め込まれていない。そして開口部122,124,126,128に電極402,404,412,414が埋め込まれている。電極402,404,412,414は第4端子312、第3端子314、第6端子322、及び第5端子324に接続している。
本実施形態によっても第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
図14は、第8の実施形態にかかる回路装置10の断面図であり、第5の実施形態における図10に相当している。図15は図14に示した回路装置10の平面図を模式的に示す図であり、第5の実施形態おける図11に相当している。図14は、図15のC−C´断面に相当している。
【0051】
本実施形態にかかる回路装置10は、以下の点を除いて第5の実施形態に示した回路装置10と同様である。まず開口部122,124は第1インダクタ200の2つの端部202,204と重なっており、開口部122,124内に端部202,204が埋め込まれている。また開口部126,128は第2インダクタ300の2つの端部302,304と重なっており、開口部126,128内に端部302,304が埋め込まれている。また図10に示した第1配線210及び第2配線310は形成されておらず、またワイヤ420,422も用いられていない。
【0052】
本実施形態によっても第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。またワイヤを用いる必要がないため、回路装置10の製造コストがさらに低くなる。
【0053】
なお本実施形態において、第6の実施形態と同様に、端部202、204,302,304が第2絶縁層120の開口部122,124,126,128に埋め込まれていないようにしてもよい。またこの場合、第7の実施形態と同様に、開口部122,124,126,128に電極を埋め込んでも良い。これら電極は、端部202、204,302,304に接続する。
【0054】
図16は、第9の実施形態にかかる回路装置10の構成を示す断面図である。本実施形態において回路装置10は、ワイヤ500の代わりに絶縁層130及び配線216を備える点、ならびに第2端子212が配線216と同一工程で形成されている点を除いて、第1の実施形態にかかる回路装置10と同様の構成である。
【0055】
絶縁層130は、第1絶縁層100上、第1インダクタ200上、第1配線210上、及び第3端子214上に形成されているが、第4端子312を被覆しておらず、かつ第1インダクタ200の中心側の端部202上に開口部を有している。配線216は、少なくとも絶縁層130上及び絶縁層130の開口部内に形成されており、第2端子212と第1インダクタ200の端部202を接続している。
【0056】
本実施形態にかかる回路装置10の製造方法は、第1インダクタ200、第1配線210、及び第1端子214を形成した後に、絶縁層130を形成し、さらに第2端子212及び配線216を形成する点を除いて、第1の実施形態と同様である。絶縁層130を形成する工程は、絶縁膜104を形成する工程と略同様であり、第2端子212及び配線216を形成する工程は、第1インダクタ200、第1配線210、及び第1端子214を形成する工程と略同様である。
【0057】
本実施形態によれば、第1インダクタ200と第2インダクタ300の間で電気信号を伝達することができる。また、第1の実施形態と同様に、第1絶縁層100の膜厚を厚くすることができる。また第1の実施形態と同様に、第3端子314、第4端子312、及び第2インダクタ300の2つの端部302,304を、ワイヤを用いて容易に半導体チップに接続することができる。
【0058】
図17は、第10の実施形態に係る回路装置の構成を示す断面図である。この回路装置は、半導体装置1200,1600を実装基板1000(例えばマザーボード)に搭載したものである。半導体装置1200はハンダボール1700を用いて実装基板1000に搭載されている。半導体装置1600は半導体チップ1620をリードフレーム1640に実装したものであり、リードフレーム1640を用いて実装基板1000に搭載されている。半導体チップ1620及びリードフレーム1640のインナーリードは封止樹脂1602によって封止されている。
【0059】
図18は、半導体装置1200の構成を示す断面図である。半導体装置1200は、半導体チップ1300及びインターポーザ基板1400を有している。半導体チップ1300はインターポーザ基板1400の一面にフリップチップ実装されている。半導体チップ1300とインターポーザ基板1400の間の空間は封止樹脂1500によって封止されており、半導体チップ1300の全体とインターポーザ基板1400の一面上は封止樹脂1520によって封止されている。封止樹脂1500,1520はいずれも絶縁性を有している。インターポーザ基板1400の反対面にはハンダボール1700が取り付けられている。
【0060】
半導体チップ1300は、多層配線を有しており、いずれかの配線層に第1インダクタ1312を有している。本図に示す例において、第1インダクタ1312はパッド1314と同層に形成されている。このため、第1インダクタ1312を構成する導電パターンは、他の配線層に第1インダクタ1312を形成する場合と比較して厚くなり、第1インダクタ1312の抵抗が小さくなる。
【0061】
第1インダクタ1312の渦巻状の導電パターンである。第1インダクタ1312の外側の端部は、第1インダクタ1312と同層の配線(図示せず)を介してパッド1314に接続している。第1インダクタ1312の中心側の端部は、第1インダクタ1312とは異なる層の配線(図示せず)を介して第1インダクタ1312の外側に引き出され、パッド1314に電気的に接続している。
【0062】
半導体チップ1300のパッド1314は、バンプ1320を介してインターポーザ基板1400の接続端子1432に接続している。インターポーザ基板1400は、少なくとも2層の配線層を有しており、これらの配線層を介して接続端子1432とハンダボール1700を電気的に接続している。
【0063】
インターポーザ基板1400は、いずれかの配線層に第2インダクタ1412を有している。第2インダクタ1412は、渦巻状の導電パターンである。第2インダクタ1412は第1インダクタ1312と対向しており、第1インダクタ1312と誘導結合することにより、第1インダクタ1312との間で電気信号を相互に伝達する。第2インダクタ1412の外側の端部は、第2インダクタ1412と同層の配線(図示せず)を介してハンダボール1700に接続している。第2インダクタ1412の中心側の端部は、第2インダクタ1412とは異なる層の配線1422を介して第2インダクタ1412の外側に引き出され、ハンダボール1700に電気的に接続している。このため、第1インダクタ1312及び第2インダクタ1412は、2つの端部がハンダボール1700を介して、図17に示した実装基板1000に電気的に接続することができる。例えば第2インダクタ1412は、実装基板1000を介して図17に示した半導体装置1600に電気的に接続する。この場合、半導体装置1200と半導体装置1600は、第1インダクタ1312及び第2インダクタ1412を介して相互に電気信号を伝達することができる。
【0064】
図19及び図20の各図は、図18に示した半導体装置1200の製造方法を示す断面図である。まず図19(a)に示すように、支持部材700の一面上に、絶縁層をスピンコーティング法により形成し、この絶縁層を選択的に除去することにより開口部を形成する。次いで、絶縁層及び開口部内にシード層(図示せず)をスパッタリング法により形成する。次いで、シード層上にレジストパターン(図示せず)を形成し、レジストパターンをマスクとして、シード膜をシードとしためっきを行う。これにより、一つの配線層が形成される。その後、レジストパターンを除去する。これらの工程を必要回数繰り返すことにより、支持部材700の一面上にインターポーザ基板1400が形成される。この状態においてインターポーザ基板1400は、半導体チップ1300が実装される一面が露出している。
【0065】
次いで図19(b)に示すように、インターポーザ基板1400の一面上に半導体チップ1300を実装し、半導体チップ1300とインターポーザ基板1400の一面の間の空間に封止樹脂1500を設ける。この状態において、第1インダクタ1312と第2インダクタ1412は、封止樹脂1500を介して互いに対向する。
【0066】
次いで図20(a)に示すように、封止樹脂1520を用いて半導体チップ1300及びインターポーザ基板1400の一面上を封止する。
【0067】
次いで図20(b)に示すように支持部材700を除去する。その後、インターポーザ基板1400の反対面にハンダボール1700を取り付け、図18に示した半導体装置1200が形成される。
【0068】
本実施形態によれば、半導体チップ1300が有している第1インダクタ1312と、インターポーザ基板1400が有している第2インダクタ1412を介して、半導体チップ1300と半導体チップ1620の間で電気信号を伝達することができる。
【0069】
また第1インダクタ1312は半導体チップ1300の配線層に形成されており、第2インダクタ1412はインターポーザ基板1400の配線層に形成されているため、第1インダクタ1312及び第2インダクタ1412を形成するための工程を独立して設ける必要がない。
【0070】
また、インターポーザ基板1400が有する配線の配線抵抗は、半導体チップが有する配線の配線抵抗より小さい。このため、第2インダクタ1412の抵抗は第1インダクタ1312の抵抗より小さい。従って、第2インダクタ1412を、信号を送信する送信回路(図示せず)に接続し、第1インダクタ1312を、半導体チップ1300が有する受信回路(図示せず)に接続することにより、電気信号の伝達効率を向上させることができる。
【0071】
また、第1インダクタ1312と第2インダクタ1412の間には、少なくとも封止樹脂1500が位置している。このため、第1インダクタ1312と第2インダクタ1412の間の電位差が高くても、これらの間で絶縁破壊が生じることを抑制できる。また第1インダクタ1312と第2インダクタ1412の距離を、バンプ1320の高さを変えることにより容易に調節することができる。
【0072】
図21は、第11の実施形態にかかる半導体装置1200の構成を示す断面図である。本図は第10の実施形態における図18に相当する図である。本実施形態において半導体装置1200は、一つのインターポーザ基板1400に複数の半導体チップ1300が実装されている点、及びインターポーザ基板1400に、複数の半導体チップ1300それぞれに対応する複数の第2インダクタ1412が形成されている点を除いて、第10の実施形態にかかる半導体装置1200と同様である。
【0073】
本実施形態にかかる半導体装置1200の製造方法は、第10の実施形態にかかる半導体装置の製造方法と略同様である。また図示していないが、第10の実施形態の図17と同様に、半導体装置1200を実装基板1000に搭載することができる。
【0074】
本実施形態によっても第10の実施形態と同様の効果を得ることができる。また半導体装置1200が複数の半導体チップ1300を有しているため、実装基板1000に実装する部品数が少なくなり、回路装置の製造工程数を少なくすることができる。
【0075】
図22は、第12の実施形態にかかる半導体装置1200の構成を示す断面図である。この半導体装置1200は、以下の点を除いて、第10の実施形態における半導体装置1200と同様の構成である。まず、インターポーザ基板1400には、第10の実施形態に示した第2インダクタ1412が形成されていない。また、インターポーザ基板1400のうち半導体チップ1300が実装されている面の反対面に、半導体チップ1800がフリップチップ実装されている。インターポーザ基板1400の反対面と半導体チップ1800の間の空間は、封止樹脂1502によって封止されている。
【0076】
半導体チップ1800は、渦巻状の配線パターンである第2インダクタ1812を有している。第2インダクタ1812は、封止樹脂1502、インターポーザ基板1400、及び封止樹脂1500を介して第1インダクタ1312と対向している。半導体チップ1800の配線構造は、半導体装置1200と同様であり、第2インダクタ1812は、パッド1814と同層に形成されている。パッド1814は、バンプ1820を介してインターポーザ基板1400の接続端子1442に接続している。
【0077】
本実施形態にかかる半導体装置の製造方法は、封止樹脂1520を形成した後、インターポーザ基板1400にハンダボール1700を取り付ける前に、インターポーザ基板1400に半導体チップ1800を実装し、封止樹脂1502を形成する点を除いて、第10の実施形態に示した半導体装置の製造方法と同様の構成である。
【0078】
本実施形態によれば、半導体チップ1300が有している第1インダクタ1312と、半導体チップ1800が有している第2インダクタ1812を介して、半導体チップ1300と半導体チップ1800の間で電気信号を伝達することができる。
【0079】
また、第1インダクタ1312は半導体チップ1300の配線層に形成されており、第2インダクタ1812は半導体チップ1800の配線層に形成されているため、第1インダクタ1312及び第2インダクタ1812を形成するための工程を独立して設ける必要がない。
【0080】
また、第1インダクタ1312と第2インダクタ1812の距離を、バンプ1320、1820の高さを変えることにより容易に調節することができる。
【0081】
図23は、第13の実施形態にかかる回路装置の断面図であり、図24は図23に示した回路装置の平面図である。図23は図24のD―D´断面図に相当している。これらの図において、第1の実施形態と同様の構成に付いては同一の符号を付している。
【0082】
この回路装置は、第1絶縁層101、第1インダクタ202、第1端子214、第2端子212、第1配線210、及びワイヤ504を備える。第1インダクタ200は、第1絶縁層101の一面に位置しており、渦巻状の導電パターンからなる。第1端子214及び第2端子212は、第1絶縁層101の一面から露出している。第1配線210は、第1絶縁層101の一面に形成され、第1端子214と第1インダクタ200の外側の端部204とを接続する。ワイヤ504は、第1絶縁層101の一面側に位置し、第2端子212と第1インダクタ200の中心側の端部202とを接続する。
【0083】
本実施形態にかかる回路装置の製造方法は以下のとおりである。まず第1絶縁層101を形成する。第1絶縁層101は、例えばポリイミド樹脂である。次いで、第1絶縁層101の一面上に導電膜を形成する。次いで、導電膜を選択的に除去することにより、第1インダクタ202、第1配線210、第1端子214、及び第2端子212を形成する。次いで、ワイヤ504を用いて第2端子212と端部202を接続する。
【0084】
本実施形態によれば、第1インダクタ200の中心側の端部202は、ワイヤ504によって第1インダクタ200から引き出され、第2端子212に接続されている。このため、端部202を第1インダクタ200から引き出すための配線層を形成する必要がなくなる。ワイヤ504を設けるために必要なコストは、配線層を増やすために必要なコストより低い。従って、回路装置の製造コストが増大することを抑制できる。
【0085】
なお、上記した第8の実施形態において、以下の発明が開示されている。
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の一面に位置しており、渦巻状の導電パターンからなる第1インダクタと、
前記第1絶縁層の前記一面に位置しており、前記第1インダクタと平行に渦巻状に延伸した導電パターンからなる第2インダクタと、
前記第1絶縁層に形成され、前記第1インダクタの2つの端部、及び前記第2インダクタの2つの端部を前記第1絶縁層の他面側に露出させる4つの開口部と、
を備える回路装置。
【0086】
また上記した第9の実施形態において、以下の発明が開示されている。
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の一面に位置しており、渦巻状の導電パターンからなる第1インダクタと、
前記第1絶縁層の前記一面から露出している第1端子及び第2端子と、
前記第1絶縁層の前記一面に形成され、前記第1端子と前記第1インダクタの外側の端部とを接続する第1配線と、
前記第1絶縁層の前記一面上及び前記第1インダクタ上に形成された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に形成され、前記第1インダクタの中心側の端部上に位置する開口部と、
前記第1絶縁層の前記一面上及び前記第2絶縁層上に形成され、前記第2端子と前記第1インダクタの中心側の端部とを接続する第2配線と、
を備える回路装置。
【0087】
また、上記した第10〜第12の実施形態において、以下の発明が開示されている。
(1)半導体チップと、前記半導体チップがフリップチップ実装された配線基板とを備え、
前記半導体チップは、
チップ側配線層と、
前記チップ側配線層に形成され、渦巻状の導電パターンからなる第1インダクタと、
を有し、
前記配線基板は、
基板側配線層と、
前記基板側配線層に形成され、前記第1インダクタに対向しており、渦巻状の導電パターンからなる第2インダクタと、
を備える回路装置。
【0088】
(2)上記(1)に記載の回路装置において、
前記半導体チップと前記配線基板の間の空間を封止する封止樹脂層を備える回路装置。
【0089】
(3)上記(1)又は(2)に記載の回路装置において、
前記配線基板はインターポーザ基板である回路装置。
【0090】
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の回路装置において、
前記第2インダクタは送信回路に接続され、
前記半導体チップは受信回路を有しており、
前記第1インダクタは、前記受信回路に接続されている回路装置。
【0091】
(5)配線基板と、
前記配線基板の一面にフリップチップ実装された第1の半導体チップと、
前記配線基板の前記一面とは反対面にフリップチップ実装された第2の半導体チップと、
を備え、
前記第1の半導体チップは、
第1配線層と、
前記第1配線層に形成され、渦巻状の導電パターンからなる第1インダクタと、
を有し、
前記第2の半導体チップは、
第2配線層と、
前記第2配線層に形成され、前記配線基板を介して前記第1インダクタと対向しており、渦巻状の導電パターンからなる第2インダクタと、
を有する回路装置。
【0092】
(6)チップ側配線層、及び前記チップ側配線層に形成されていて渦巻状の導電パターンからなる第1インダクタを備える半導体チップを準備する工程と、
基板側配線層、及び前記基板側配線層に形成されていて渦巻状の導電パターンからなる第2インダクタを備える配線基板を準備する工程と、
前記配線基板上に、前記半導体チップをフリップチップ実装し、かつ前記第1インダクタを前記第2インダクタに対向させる工程と、
を備える回路装置の製造方法。
【0093】
(7)上記(6)に記載の回路装置の製造方法において、
前記配線基板上に前記半導体チップをフリップチップ実装する工程の後に、
前記配線基板と前記半導体チップの間の空間を封止樹脂で封止する工程を有する回路装置の製造方法。
【0094】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】第1の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図2】図1に示した回路装置の平面図を模式的に示す図である。
【図3】図1に示した回路装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】図1に示した回路装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】図1に示した回路装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】図1に示した回路装置を用いた半導体装置の一例を示す断面図である。
【図7】第2の実施形態にかかる半導体装置の平面図である。
【図8】第3の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図9】第4の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図10】第5の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図11】図10に示した回路装置の平面図を模式的に示す図である。
【図12】第6の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図13】第7の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図14】第8の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図15】図14に示した回路装置の平面図を模式的に示す図である。
【図16】第9の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図17】第10の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図18】図17に示した半導体装置の断面図である。
【図19】各図は図18に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図20】各図は図18に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図21】第11の実施形態にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図22】第12の実施形態にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図23】第13の実施形態にかかる回路装置の断面図である。
【図24】図23に示した回路装置の平面図を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
10 回路装置
100,101 第1絶縁層
102,104 絶縁膜
120 第2絶縁層
122〜128 開口部
130 絶縁層
200 第1インダクタ
202 端部
204 端部
210 第1配線
212 第2端子
214 第1端子
216 配線
300 第2インダクタ
302 端部
304 端部
310 第2配線
312 第4端子
314 第3端子
322 第6端子
324 第5端子
402,404,412,414 電極
420,422 ワイヤ
500,504 ワイヤ
600 封止樹脂層
650 接着層
700 支持部材
800 半導体チップ
804 端子
806 被覆層
814 ワイヤ
900 半導体チップ
904 端子
914 ワイヤ
1000 実装基板
1200 半導体装置
1300 半導体チップ
1312 第1インダクタ
1314 パッド
1320 バンプ
1400 インターポーザ基板
1412 第2インダクタ
1422 配線
1432,1442 接続端子
1500,1502,1520 封止樹脂
1600 半導体装置
1602 封止樹脂
1620 半導体チップ
1640 リードフレーム
1700 ハンダボール
1800 半導体チップ
1812 第2インダクタ
1814 パッド
1820 バンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の一面に位置しており、渦巻状の導電パターンからなる第1インダクタと、
前記第1絶縁層の前記一面から露出している第1端子及び第2端子と、
前記第1絶縁層の前記一面に形成され、前記第1端子と前記第1インダクタの外側の端部とを接続する第1配線と、
前記第1絶縁層の前記一面側に位置し、前記第2端子と前記第1インダクタの中心側の端部とを接続する第1ワイヤと、
を備える回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回路装置において、
前記第1絶縁層の前記一面、前記第1インダクタ、前記第1端子、前記第2端子、前記第1配線、及び前記第1ワイヤを封止する封止樹脂層を備える回路装置。
【請求項3】
請求項2に記載の回路装置において、
前記封止樹脂層はエポキシ樹脂層である回路装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の回路装置において、
前記封止樹脂層の厚さは前記第1インダクタの配線間隔より大きい回路装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の回路装置において、
前記第1絶縁層の前記他面に位置しており、前記一面に対して垂直な方向から見たときに前記第1インダクタと重なる領域に位置する第2インダクタと、
前記第1絶縁層の前記他面に設けられ、それぞれ前記第1端子及び前記第2端子に接続する第3端子及び第4端子と、
一面が前記第1絶縁層の前記他面及び前記第2インダクタに接している第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に設けられ、前記第3端子、前記第4端子、及び前記第2インダクタの2つの端部それぞれを前記第2絶縁層の他面から露出させる4つの開口部と、
を備える回路装置。
【請求項6】
請求項5に記載の回路装置において、
前記第1絶縁層は、複数の絶縁膜を積層した構造を有する回路装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の回路装置において、
前記第2絶縁層の前記他面は平坦である回路装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一つに記載の回路装置において、
前記第1絶縁層の厚さは、前記第1インダクタの配線間隔より大きい回路装置。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか一つに記載の回路装置において、
第1半導体装置と、
前記第1半導体装置と前記第3端子及び前記第4端子を接続する第3ワイヤと、
を備える回路装置。
【請求項10】
請求項9に記載の回路装置において、
第2半導体装置と、
前記第2半導体装置と前記第2インダクタの2つの端部を接続する第4ワイヤと、
を備える回路装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の回路装置において、
前記第1絶縁層は前記第1半導体装置上に位置しており、前記第1絶縁層の前記一面が前記第1半導体装置に対向している回路装置。
【請求項12】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の回路装置において、
前記第1端子及び前記第2端子は、前記第1絶縁層の他面からも露出しており、
前記第1絶縁層の前記一面に位置しており、前記第1インダクタと平行に渦巻状に延伸した導電パターンからなる第2インダクタと、
前記第1絶縁層の前記一面及び前記他面それぞれから露出している第5端子及び第6端子と、
前記第1絶縁層の前記一面に形成され、前記第5端子と前記第2インダクタの外側の端部とを接続する第2配線と、
前記第1絶縁層の前記一面側に位置し、前記第6端子と前記第2インダクタの中心側の端部とを接続する第2ワイヤと、
を備える回路装置。
【請求項13】
請求項12に記載の回路装置において、
前記第1絶縁層の前記他面は平坦である回路装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の回路装置において、
前記第1絶縁層はポリイミド樹脂である回路装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一つに記載の回路装置において、
前記第1インダクタは、金、銅、ニッケル、チタン、チタンタングステン、及びクロムからなる群から選ばれた一つ、又は前記群から選ばれた2つ以上の積層膜もしくは合金からなる回路装置。
【請求項16】
第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層から露出している第1端子及び第2端子、前記第1絶縁層上に位置する第1インダクタ、並びに前記第1インダクタの外側の端部と前記第1端子を接続する配線を形成する工程と、
前記第2端子と前記第1インダクタの中心側の端部とをワイヤを用いて接続する工程と、
を備える回路装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の回路装置の製造方法において、
前記第1絶縁層を形成する工程の前に、
第2絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層上に、前記第1インダクタと重なる領域に位置する第2インダクタを形成する工程を備え、
前記第1絶縁層を形成する工程は、前記第2絶縁層上及び前記第2インダクタ上に前記第1絶縁層を形成する工程である回路装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の回路装置の製造方法において、
前記第2絶縁層を形成する工程は、支持部材の一面上に前記第2絶縁層を形成する工程であり、
前記第2絶縁層を形成する工程の後、前記第2インダクタを形成する工程の前に、前記第2絶縁層を選択的に除去することにより、前記第2絶縁層に、前記第1端子、前記第2端子、及び前記第2インダクタの2つの端部それぞれの下方に位置する4つの第3開口パターンを形成する工程を備え、
前記第1端子、前記第2端子、前記第1インダクタ、及び前記配線を形成する工程は、
前記第1絶縁層に第1開口パターン及び第2開口パターンを形成する工程と、
前記第1絶縁層上、前記第1開口パターン内、及び前記第2開口パターン内に導電膜を選択的に形成することにより、前記第1開口パターン内に前記第1端子を形成し、前記第2開口パターン内に前記第2端子を形成し、前記第1絶縁層上に前記第1インダクタ及び前記配線を形成する工程であり、
前記第2端子と前記第1インダクタの中心側の端部とを前記ワイヤを用いて接続する工程の後に、前記第2絶縁層から前記支持部材を除去する工程を備える回路装置の製造方法。
【請求項19】
請求項16〜18のいずれか一つに記載の回路装置の製造方法において、
前記第2端子と前記第1インダクタの中心側の端部とを前記ワイヤで接続する工程の後に、前記第1絶縁層の上面、前記第1インダクタ、前記第1端子、前記第2端子、及び前記ワイヤを樹脂封止する工程を備える回路装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−302418(P2009−302418A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157463(P2008−157463)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】