説明

回転式の現像装置および画像形成装置

【課題】簡素な構成で回転する現像器に通電すること。
【解決手段】中空円筒部(82)に対して回転可能に支持された回転可能部(83)と、中空円筒部(82)の外周に支持された第1の通電部材(87)と、第1の通電部材(87)に接触する接点部(99)を有し、回転可能部(83)と一体的に回転可能に支持された第2の通電部材(98)と、第1の通電部材(87)に一端が接続され且つ中空円筒部(82)の内部の空間(82a)を通じて現像装置(G)の外部に他端が導出される第1の導電部材(89)と、第2の通電部材(98)と被通電部材(SNk)とを接続する第2の導電部材(101〜103)と、を備えた回転式の現像装置(G)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式の現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、回転軸を中心として複数の現像器を回転可能に支持して、像保持体に対して現像器を順に対向させて現像を行う回転式の現像装置、いわゆるロータリ式の現像装置が知られている。
ロータリ式の現像装置において、各現像器の内部に収容された現像剤の補給制御を行うための技術として、以下の特許文献1〜4記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2001−134045号公報には、ロータリ式の現像装置において、トナー補給口(11)の内部下方にトナーレベル制限部材(17)を配置して、トナー補給部(3)のトナーの最上面がトナーレベル制限部材(17)に到達するとトナー補給部(3)にそれ以上トナーが流入できなくさせることで、トナーの残量を検出するセンサを設けることなく、現像位置において、トナーを一定のレベルに自動補給する技術が記載されている。
すなわち、特許文献1には、トナーとキャリアとを含む現像剤におけるトナーの割合であるトナー濃度ではなく、現像剤の総量を自動制御する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2としての特開2000−231250号公報には、ロータリ式の現像装置において、感光体(PR)に対向する現像位置(P1)に移動した現像器(Gy〜Gk)に対して、回転軸(GA)軸方向の前側に配置され、現像器(Gy〜Gk)と一体的に回転可能な回転円筒部材(B)から延びる補給現像剤搬送部材(15)により、現像器(Gy〜Gk)に現像剤を補給する構成が記載されている。特許文献2には、検出方法については明記がないが、トナー濃度を検出して、所定のトナー濃度(N0)以下で、現像剤補給可能期間内である場合に、クラッチ(CLk〜CLc)がオンになって、現像剤が補給されることが記載されている。
【0005】
特許文献3としての特開平4−78872号公報には、ロータリ式の現像装置において、現像ユニット(21〜24)に対して、現像装置(6)の軸方向の一端側から、トナー搬送管(33)を軸方向に移動させて現像ユニット(21〜24)に対して選択的に着脱させて、トナーの補給を行う構成が記載されている。
【0006】
特許文献4としての特許第3303607号明細書には、ロータリ式の現像装置において、各現像器に補給されるトナー補給量の予測を正確に行うために、印刷された画像の画素数をカウントして、トナー供給オーガ(66)の回転駆動時間を補正すると共に、潜像担持体(21)の表面に現像されたトナー量を光学的に読み取る濃度センサ(131)により読み取った濃度に基づいてトナー供給オーガ(66)の回転駆動時間を補正する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−134045号公報(「0016」〜「0017」、図4〜図5)
【特許文献2】特開2000−231250号公報(「0042」〜「0043」、「0057」〜「0066」、「0087」、図2、図6、図9、図12〜図15、図22)
【特許文献3】特開平4−78872号公報(第5ページ右上欄第11行〜第6ページ右上欄最終行、図1〜図4)
【特許文献4】特許第3303607号明細書(「0047」〜「0056」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、簡素な構成で回転する現像器に通電することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の回転式の現像装置は、
像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像器を複数有し、回転軸を中心として回転して、前記像保持体に対向する現像位置に各現像器を順に移動可能に支持する回転式の現像装置であって、
前記現像器に支持された被通電部材と、
前記回転軸に沿って配置され且つ内部に空間を有する中空筒部と、
前記中空筒部に対して回転可能に支持された回転可能部と、
前記中空筒部の外周に支持された第1の通電部材と、
前記第1の通電部材に接触する接点部を有し、前記回転可能部と一体的に支持された第2の通電部材と、
前記第1の通電部材に一端が接続され、且つ、前記中空筒部の内部の空間を通じて前記現像装置の外部に他端が導出される第1の導電部材と、
前記第2の通電部材と前記被通電部材とを接続する第2の導電部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転式の現像装置において、
前記回転軸を中心として前記現像器と一体的に回転可能に支持され且つ各現像器に補給される現像剤を搬送する補給装置であって、現像器毎に設けられた各補給部が前記回転軸の軸方向に沿って並んで配置された複数の補給部を有する前記補給装置と、
前記各補給部の回転中心を貫通して配置された前記中空筒部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の回転式の現像装置において、
前記補給装置の現像器側に配置された前記接点部、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の回転式の現像装置において、
複数の前記接点部を有する前記第2の通電部材、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の回転式の現像装置において、
複数の第1の導電部材が束ねられた束状体が前記内部の空間を通じて配置された前記中空筒部、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の回転式の現像装置において、
前記現像器の内部に収容された現像剤の濃度を検知する検知部材により構成された前記被通電部材、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の回転式の現像装置において、
前記回転軸に沿って配置され且つ前記中空筒部の同軸延長上に配置され、前記現像器から排出された現像剤が搬送される搬送部、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する請求項1ないし7のいずれかに記載の回転式の現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体に転写された可視像を定着する定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1、8に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、簡素な構成で回転する現像器に通電することができる。
請求項2に記載の発明によれば、中空筒部が回転中心を貫通しない場合に比べて、回転時の補給部の揺れを低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、接点部が現像器側に配置されない場合に比べて、補給装置を着脱したり分解する場合に、接点部が作業の妨げとなることを低減できる。
請求項4に記載の発明によれば、接点部が1つのみの場合に比べて、導電不良の発生を低減できる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、複数の導電部材を、中空筒部を通じて配置することができる。
請求項6に記載の発明によれば、回転式の現像装置において現像器に配置された検知部材に導通させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、回転軸上に中空円筒部と搬送部を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の説明図である。
【図2】図2は本発明のロータリ式現像装置の実施例1の要部の拡大断面図である。
【図3】図3は本発明のロータリ式現像装置の実施例1の前記図2と異なる部分の拡大断面図である。
【図4】図4は実施例1で使用する現像容器支持部材の斜視図である。
【図5】図5は実施例1の現像装置の要部断面図である。
【図6】図6は本発明の実施例1のロータリ式現像装置に備えられた回転軸の拡大断面図で、図6Aは前記図5のVIA−VIA線断面図、図6Bは前記図6AのVIB−VIB線断面図である。
【図7】図7は回転移動するロータリ式現像装置に回転力を伝達するための固定側回転力伝達部材の説明図である。
【図8】図8は実施例1の現像器の斜視図であり、図8Aは現像器から補給筒が取り外されている状態を示す図、図8Bは前記図8Aの現像器の後端部に設けたギアの配置を示す図、図8Cは前記現像器に補給筒が取り付けられている状態を示す図である。
【図9】図9は前記図3のIX−IX線断面図である。
【図10】図10は実施例1のK,Y,M,C用のリング状の連結部材とその内部に回転可能に支持された回転円筒部材の説明図であり、図10Aは前記図5のXA−XA線断面図、図10Bは前記図5のXB−XB線断面図である。
【図11】図11は前記図10AのXI−XI線断面図である。
【図12】図12は前記図10AのXII−XII線断面図である。
【図13】図13は実施例1の導通部材の斜視説明図である。
【図14】図14は実施例1の導通部材の断面説明図であり、図14Aは図13のXIVA−XIVA線断面図、図14Bは図13のXIVB−XIVB線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の説明図である。
図1において、本発明の画像形成装置の一例としての複写機Uは、複写機本体U1と、複写機本体U1の上端に支持された原稿搬送装置U2とを有する。
前記原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿収容部の一例としての原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に収容された複数の各原稿Giは、順次複写機本体U1上端の透明な原稿台の一例としてのプラテンガラスPG上の複写位置を通過して、原稿排出部の一例としての原稿排紙トレイTG2に排出される。前記原稿搬送装置U2は、後端部に設けた左右方向に延びる回転軸により前記複写機本体U1に対して回転可能であり、原稿Giを利用者が手でプラテンガラスPG上に置く際に上方に回転移動される。
【0022】
前記複写機Uは、利用者が複写開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIを有している。
前記操作部UIは、表示器や、入力部の一例としての複写開始ボタン、テンキー等を有している。
複写機本体U1上面の透明なプラテンガラスPGの下方には、画像読取部の一例としてのスキャナ部U1aが配置されており、スキャナ部U1aの下方に配置された画像記録部の一例としてのプリンタ部U1bが配置されている。前記スキャナ部U1aの内部には、露光光学系Aが左右方向に移動可能に支持されている。
前記露光光学系Aは、その移動および停止が、位置検出部材の一例としての露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、通常時は、図1に示す初期位置、いわゆるホームポジションに停止している。
【0023】
前記原稿搬送装置U2によりプラテンガラスPG上面の露光位置を通過する原稿Giまたは手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、撮像素子CCDで赤:R、緑:G、青:Bの電気信号に変換される。
画像処理部IPSは、撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号を黒:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを、予め設定された時期に潜像形成用の画像データとして、書込駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じて、書込信号の一例としてのレーザ駆動信号を潜像形成装置ROSに出力する。
【0024】
潜像形成装置ROSの下方には、像保持体の一例としての感光体PRが配置されている。感光体PRは矢印Ya方向に回転駆動され、その表面は、帯電器CRにより一様に帯電された後、潜像書込位置Q1において潜像形成装置ROSの、書込光の一例としてのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。多色画像いわゆるカラー画像を形成する場合は、黒:K,イエロー:Y,マゼンタ:M,シアン:Cの4色の画像に対応した静電潜像が順次形成され、単色画像、いわゆるモノクロ画像の場合は黒:K画像に対応した静電潜像のみが形成される。
【0025】
前記静電潜像が形成された感光体PR表面は回転移動して現像領域Q2、1次転写領域Q3を順次通過する。
感光体PRの右方には、回転式、いわゆるロータリ式の現像装置Gが配置されている。前記現像装置Gは、回転軸GAの回転に伴って現像領域Q2に順次回転移動する黒:K,イエロー:Y,マゼンタ:M,シアン:Cの4色の現像器GK,GY,GM,GCを有している。前記各色の現像器GK,GY,GM,GCは、前記現像領域Q2に現像剤を搬送する現像剤保持体の一例としての現像ロールR0を有しており、現像領域Q2を通過する感光体PR上の静電潜像を、可視像の一例としてのトナー像に現像する。
前記各現像器GK,GY,GM,GCには、現像剤の消費に応じて、現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジTCk,TCy,TCm,TCcから、新規の現像剤が補給されるように構成されている。
【0026】
前記感光体PRの下方には、像保持体の一例であって中間転写体の一例としての中間転写ベルトBTが配置されている。前記中間転写ベルトBTは、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張力付与部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2a、1次転写部材の一例としての1次転写ロールT1により回転移動可能に支持されている。
前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより、実施例1の中間転写支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd+Rt+Rw+Rf+T2aが構成されており、前記中間転写ベルトBT、ベルト支持ロールRd+Rt+Rw+Rf+T2a、1次転写ロールT1等により、実施例1の中間転写装置BT+Rd+Rt+Rw+Rf+T2a+T1が構成されている。
【0027】
フルカラー画像を形成する場合、潜像書込位置Q1において第1色目の静電潜像が形成され、現像領域Q2において1色目のトナー像Tnが形成される。このトナー像Tnは、1次転写領域Q3を通過する際に、1次転写ロールT1によって中間転写ベルトBT上に静電的に1次転写される。その後同様にして、第1色目のトナー像Tnを担持した中間転写ベルトBT上に、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像Tnが順次重ねて1次転写され、最終的にフルカラーの多重トナー像が中間転写ベルトBT上に形成される。
単色のモノカラー画像を形成する場合には1個の現像器のみを使用し、単色トナー像が中間転写ベルトBT上に1次転写される。
1次転写後、感光体PR表面は、残留トナーが除電器JRにより除電され、感光体清掃器の一例としての感光体クリーナCL1により、残留現像剤が除去される。
【0028】
前記バックアップロールT2aの下方には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが前記バックアップロールT2aに対して離隔した位置と接触した位置との間で移動可能に配置されている。前記バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bの接触領域により2次転写領域Q4が形成されている。
前記バックアップロールT2aには、現像装置Gで使用するトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が電源回路Eから供給され、前記電源回路Eは制御部の一例としてのコントローラCにより制御される。
前記バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより、実施例1の2次転写器T2が構成されている。前記中間転写装置および2次転写装置T2により、実施例1の転写装置T1+T2+BTが構成されている。
【0029】
複写機本体U1の下部には、媒体収容容器の一例としての給紙トレイTR1、TR2が着脱可能に支持されている。給紙トレイTR1,TR2に収容された媒体の一例としての記録シートSは、複写動作が開始されると、予め設定された時期に取出部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出される。ピックアップロールRpで取出された記録シートSは、捌き部材の一例としてのさばきロールRsで1枚づつ分離されて、媒体搬送路の一例としての給紙路SH1に配置された搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送される。搬送ロールRaで搬送された記録シートSは、転写供給時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、前記1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動する時期に合わせて、転写前案内部材の一例としての転写前シートガイドSG1を介して2次転写領域Q4に搬送される。
【0030】
前記2次転写領域Q4において前記2次転写器T2は、中間転写ベルトBT上のトナー像を記録シートSに静電的に2次転写する。2次転写後の中間転写ベルトBTは、中間転写清掃器の一例としてのベルトクリーナCL2により残留トナーが除去され、2次転写ロールT2aは2次転写清掃器の一例としての2次転写クリーナCL3により清掃される。
なお、前記2次転写ロールT2bおよびベルトクリーナCL2は、中間転写ベルトBTと接触、離間可能に支持されており、カラー画像が形成される場合には最終色の未定着トナー像が中間転写ベルトBTに1次転写されるまで、中間転写ベルトBTから離隔している。また、2次転写ロールクリーナCL3は、前記2次転写ロールT2bと一緒に中間転写ベルトBTに対して離接移動を行う。
【0031】
トナー像が2次転写された記録シートSは、転写後案内部材の一例としての転写後シートガイドSG2や、媒体搬送部材の一例としてのシート搬送ベルトBHにより、定着装置Fに搬送される。実施例1のシート搬送ベルトBHの内部には、吸引器の一例として、空気を吸引する吸引ファンBH1が配置されており、シート搬送ベルトBHに形成された図示しない複数の孔を介して空気を吸引することで、2次転写領域Q4通過後の記録シートSをシート搬送ベルトBHに吸着、保持して下流側に搬送する。
【0032】
定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、加熱ロールFhの内部には熱源としての図示しないヒータが配置されている。そして、前記加熱ロールFhと加圧ロールFpとの接触領域である定着領域Q5を記録シートSが通過する際に、ヒータの熱と加圧ロールFpによる加圧により、記録シートS表面の未定着トナー像が加熱定着される。前記加熱ロールFhの左上方には、定着領域Q5よりも回転方向上流側に、離型剤供給器の一例としてのオイル塗布装置Ftが配置されており、加熱ロールFhから記録シートSを剥離しやすくするためのオイルが加熱ロールFh表面に塗布される。前記加熱ロールFhの右上方には、定着領域Q5よりも回転方向下流側に、加熱ロールFh表面を清掃する定着清掃器の一例としてのクリーニングウェブFwが配置されている。
【0033】
トナー像が定着された記録シートSは、定着領域Q5下流側の媒体搬送路の一例としてのシート排出路SH2により、媒体排出部材の一例としてのシート排出ローラRhに搬送され、複写機本体U1の側壁に形成された排出口Kaから外部に排出される。
シート排出路SH2には、排出ローラRhの上流側に、媒体搬送路の一例としてのシート反転路SH3が接続されており、その接続部には切替部材の一例としての切替ゲートG1が設けられている。前記切替ゲートG1はシート排出路SH2を搬送されてきた記録シートを、前記排出ローラRh側またはシート反転路SH3側のいずれかに選択的に切り替える。
【0034】
前記シート反転路SH3には、媒体搬送路の一例としてのシート循環路SH4が接続されており、その接続部には切替部材の一例としての切替ゲートG2が設けられている。前記切替ゲートG2は前記切替ゲートG1からシート反転路SH3を搬送されてきたシートをそのまま通過させるとともに、一旦通過してから搬送方向が逆転して搬送、いわゆるスイッチバックしてきた記録シートSを、シート循環路SH4側に向かわせる。シート循環路SH4に搬送されたシートは、給紙路SH1を通って、表裏が反転した状態で2次転写領域Q4に再送される。
前記符号SH1〜SH4で示された要素によりシート搬送路SHが構成されている。また、前記符号Rp,Rs,Rr,Ra,SG1,SG2,BHで示された要素によりシート搬送装置SHが構成されている。
【0035】
(回転式の現像装置の説明)
図2は本発明のロータリ式現像装置の実施例1の要部の拡大断面図である。
図3は本発明のロータリ式現像装置の実施例1の前記図2と異なる部分の拡大断面図である。
図2、図3において、前記現像装置Gは、回転中心の一例として、前後方向に延びる回転軸GAと、回転軸GAに支持されたY,M,C,Kの4色の現像器GY,GM,GC,GKを有する。前記各現像器GK〜GYは、現像容器支持部材Hに支持されている。実施例1の現像容器支持部材Hは、各現像器GK〜GYが装着される前後一対の後述する回転プレートPL1,PL2(図5参照)と回転軸GAとを有する。
【0036】
図2、図3において、各現像器GY〜GKは、回転軸GAの回転に連れて回転移動し、順次、現像位置の一例としての第1停止位置P1、第1の回転位置の一例として、第1停止位置P1から90°回転した第2停止位置P2、第2停止位置P2から90°回転した第3停止位置P3、および第2の回転位置の一例として、第3停止位置P3から90°回転した第4停止位置P4に停止するように構成されている。
本実施例1では前記第1停止位置P1は、像保持体PRの表面の潜像を可視像に現像する現像位置であると同時に、現像剤の排出が行われる排出位置と、現像剤の補給が行われる剤補給位置を兼ねており、この第1停止位置で各現像器GY〜GKの現像動作が行われる。
前記第1停止位置P1に停止した現像器GK,GY,GM,GCの現像ロールR0には回転力が伝達され、現像動作の実行が可能となる。また、前記第1停止位置P1に停止した現像器GK,GY,GM,GCには新しい現像剤の補給が行われると共に、劣化した現像剤の排出が可能となる。
【0037】
図4は実施例1で使用する現像容器支持部材の斜視図である。
図5は実施例1の現像装置の要部断面図である。
図6は本発明の実施例1のロータリ式現像装置に備えられた回転軸の拡大断面図で、図6Aは前記図5のVIA−VIA線断面図、図6Bは前記図6AのVIB−VIB線断面図である。
図7は回転移動するロータリ式現像装置に回転力を伝達するための固定側回転力伝達部材の説明図である。
【0038】
図4〜図7において、画像形成装置本体U1は、枠体の一例としてのフロント固定フレームF1およびリア固定フレームF2を有しており、前記フロント固定フレームF1の前面には、前端支持部の一例としての固定円筒部材F1aが固定されている。
前記ロータリ式現像装置Gの回転軸GAは、軸部本体の一例として、軸方向中央部に配置され且つ断面外形が四角の角筒部GA1と、軸後部の一例として、軸方向後側部分の後側円筒部GA2と、を有する。後側円筒部GA2は、ベアリングBR1を介してリア固定フレームF2に回転可能に支持されている。
【0039】
前記角筒部GA1の前端および後端には、回転枠体の一例として、円板状の前回転プレートPL1および後回転プレートPL2が支持されている。
前記回転軸GA、前回転プレートPL1および後回転プレートPL2により、前記K,Y,M,Cの4色の各現像器GK,GY,GM,GCを支持して回転する実施例1の現像容器の支持部材Hが構成されている。
図5、図7において、前記後回転プレートPL2の後面には、連結部材の一例としての4本のスタッドSTDを介して、回転伝達部材の一例としてのリングギアG1が固定されている。リングギアG1は、リア固定フレームF2に支持された現像装置の駆動源の一例としてのロータリモータM1の出力軸に連結された回転伝達部材の一例としてのギアG2と噛み合っている。
したがって、リングギアG1は、ロータリモータM1の回転時に回転し、前記リングギアG1の回転に伴って前記現像容器の支持部材Hが回転する。すなわち、現像装置Gが回転して、各現像器GY〜GKが回転移動する。
【0040】
図6において、前記回転軸GAには、後部から後端に向けて、軸方向に貫通する断面円形の貫通路1が形成されている。
前記回転軸GAの角筒部GA1の後部には、排出現像剤の流入部の一例として、軸方向に延びる4つの側面から貫通路1に接続される排出現像剤の流入孔3が形成されている。図5において、前記角筒部GA1の各側面には、それぞれ、現像器の連結部の一例としてのピン挿入孔4が形成されている。
【0041】
図6において、前記回転軸GAの貫通路1内には、排出現像剤の搬送部の一例として、軸方向に延びる円筒状の排出筒7が配置されている。前記排出筒7の後端部は、排出路の支持体の一例としての排出筒固定部材F2aに固定支持されており、前記排出筒固定部材F2aは、前記リア固定フレームF2に固定されている。前記現像剤排出筒7の前端部は、軸受け部材の一例としてのベアリング8を介して回転軸GAの貫通路1に支持されている。実施例1の現像剤排出筒7の前端は、流入口3の前方まで延びている。
図6Bにおいて、前記排出筒7の前端側で上部には、流入孔の接続部の一例として、流入接続口7aが形成されており、流入接続口7aは、回転軸GAの角筒部GA1の各流入孔3と軸方向の位置が対応して配置されている。前記排出筒7の後端には流出口7bが形成されている。前記流出口7bには、回収容器の一例としての回収ボックスVTの入口が接続されている。
【0042】
図6において、排出筒7の外周面において、流入接続口7aに隣接した部分には、漏出防止部材の一例としてのマグネットシール9が接着されて固定されている。前記マグネットシール9には、開口の一例として、シート連通口9aが形成されており、常時、排出筒7の流入接続口7aと接続されている。
実施例1では、前記マグネットシール9の外周面と前記回転軸GAの内周面との間には、回転軸GAの回転時に接触摩擦抵抗が発生しないようにわずかな隙間が設けてある。前記マグネットシール9は、現像剤が排出筒7の外周面と回転軸GAの内周面との間の隙間を通って、回転軸GAの他の流入孔3へ移動するのを防止するための部材である。
【0043】
図6において、排出筒7の内部には、排出現像剤の搬送部材の一例としての排出搬送スクリュー11が配置されている。前記排出搬送スクリュー11は、回転軸11aと、回転軸11aの外周に支持された搬送羽根11bとを有する。図5、図6Aにおいて、排出搬送スクリュー11の回転軸11aの前後両端は、搬送部材の支持部材12に回転可能に支持されており、搬送部材の支持部材12は排出筒7の前後両端に固定支持されている。
図5、図6において、前記排出搬送スクリュー11の回転軸11aは、搬送部材の支持部材12を貫通して後方に延びており、その後端には回転伝達部材の一例としてのギアG3が固定支持されており、前記ギアG3には回転伝達部材の一例としてのギアG4が噛み合っている。前記ギアG4には、図示しない駆動源の一例としての現像剤排出モータの回転が伝達されており、現像剤排出モータの駆動時には前記ギアG3、ギアG4および回転軸11aが一体的に回転駆動される。
なお、この実施例1において前記排出搬送スクリュー11は、前記現像器GY〜GKが第1停止位置P1以外の位置に停止しているときは回転を停止している。
【0044】
図4、図5、図7において後回転プレートPL2には、前記各現像器GY〜GKに応じて、回転伝達部材の一例としての4個の入力ギアG5および前記各入力ギアG5と同軸に支持された4個の一体回転ギアG6が設けられている。入力ギアG5は、後回転プレートPL2の後面側に配置されており、前記4個の各一体回転ギアG6は後回転プレートPL2の前面側に設けられている。前記入力ギアG5は対応する現像器GY〜GKが第1停止位置P1に移動した時には、回転伝達部材の一例としてのギアG7と接続し、第1停止位置P1から離れると前記ギアG7から離脱する。
前記ギアG7の回転軸の後端部は、前記リングギアG1の内側を通って、前記リングギアG1の後側の後回転プレートPL2に回転可能に支持されており、後回転プレートPL2の後面側のギアG7と同軸に支持された回転伝達部材の一例としてのギアG8は、回転入力部材の一例としてのギアG9と噛合っている。前記ギアG9には、図示しない現像器駆動用の駆動源の一例としてのモータの回転が伝達されている。
【0045】
図8は実施例1の現像器の斜視図であり、図8Aは現像器から補給筒が取り外されている状態を示す図、図8Bは前記図8Aの現像器の後端部に設けたギアの配置を示す図、図8Cは前記現像器に補給筒が取り付けられている状態を示す図である。
図9は前記図3のIX−IX線断面図である。
【0046】
図5、図8において、前記第1停止位置P1に移動した前記各現像器GY〜GKの現像容器V内への新規現像剤の補給を行う現像剤補給部材Thは、前後方向に延びる補給筒14および補給筒14内の補給現像剤を搬送する補給搬送部材15を有している。補給筒14は、その前端に開口する搬入口14aと、図2に示すように現像容器Vに接続する補給流入口14bとを有する。図8Cにおいて、補給搬送部材15は、回転軸15aおよび回転軸15aの周囲に固定支持された搬送羽根15bを有する。
【0047】
前記補給搬送部材15の回転軸15aの前端は、補給筒14の前端の搬入口14aよりも前方に延びており、図8Cに示すように軸受け部材の一例としてのベアリング16が装着されている。回転軸15aの後端は、後回転プレートPL2に回転可能に支持されている。また、前記回転軸15aの後端部には、回転伝達部材の一例としてのギアG10が装着されており、回転軸15aの後端が後回転プレートPL2に支持された状態では、ギアG10は図4に示すギアG6と噛み合う。
【0048】
次に、現像器GY〜GKの説明をするが、各現像器GY,GM,GC,GKはそれぞれ同様の構成を有しているので、以下、現像器GKについて説明し、その他の現像器GY〜GKについては詳細な説明を省略する。
図2、図3、図5、図8において、現像器GKの現像容器Vは、容器下部の一例としての容器本体V1および容器上部の一例としての容器カバーV2を有し、容器内部に負極性に帯電されるトナーおよび正極性に帯電される磁性キャリアから成る2成分現像剤を収容している。
図8Aにおいて、前記容器本体V1の外側面には、被連結部の一例として、右方に突出する前後一対の突出ピンV1a,V1aが支持されている。図2,図5において、一対の突出ピンV1a,V1aは、前記回転軸GAのピン挿入孔4,4に挿入され、現像器GKが位置決めされた状態で固定される。
【0049】
図2、図3、図9において、前記現像容器Vの内部には、現像部材の収容部の一例として、現像ロールR0を収容する現像ロール室17と、第1の現像剤の収容部の一例として、現像ロール室17に隣接する供給室18と、第2の現像剤の収容部の一例として、供給室18に隣接する撹拌室19と、を有している。前記現像ロール室17の内部には、現像ロールR0の表面の現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材20が配置されている。また、前記供給室18には、第1の攪拌部材の一例としてのサプライオーガR1が配置され、撹拌室19には、第2の攪拌部材の一例としてのアドミクスオーガR2が配置されている。
前記各オーガR1,R2により、供給室18および撹拌室19の内部の現像剤を撹拌しながら搬送する攪拌搬送部材R1+R2が構成されている。また、供給室18および循環室19により撹拌搬送領域18+19が構成される。
【0050】
図9に示すように、供給室18および撹拌室19の間には、仕切部材の一例として、前後両端部以外の部分に仕切壁21が設けられており、供給室18および撹拌室19はその前後方向の両端部の接続部Eにおいて接続されている。
図9において、供給室18に配置されているサプライオーガR1は、現像剤の搬送方向に延びる回転軸R1aと、前記回転軸R1aの外周に支持された搬送羽根R1bとを有している。撹拌室19に配置されているアドミクスオーガR2も同様に回転軸R2aおよび搬送羽根R2bを有している。実施例1の搬送羽根R2bは、搬送羽根R1bと同一の搬送力の通常搬送部R2cと、通常搬送部R2cの後方に配置された搬送力の低い低搬送部R2dを有する。前記低搬送部R2dは、容器カバーV2に形成された後述する現像剤排出口に対して、現像剤の搬送方向の下流側に設けてある。
【0051】
図2、図3、図9に示す前記現像ロールR0は、磁石ロールの外側にスリーブを設けた従来公知のものである。そして、供給室18の現像剤は、前記磁石ロールの磁力によって前記現像ロールR0の表面に吸着され、層厚規制部材20で層厚が規制された後、現像領域Q2に搬送されるようになっている。
【0052】
図2〜図4、図5、図8B、図9において、前記現像ロールR0の回転軸の一例としてのロール軸R0Aの両端部は現像容器Vの端壁から外方に突出しており、前記ロール軸R0Aの外端には、軸受け部材の一例としてのベアリングR0B,R0Bが装着されており、ロール軸R0Aの後端部には、回転伝達部材の一例としてのギアG11が装着されている。図9において、各オーガR1,R2の回転軸R1a,R2aの両端部は現像容器Vの端壁により回転可能に支持されており、それらの軸R1a,R2aの後端部は外方に突出している。前記各オーガR1、R2の各軸R1a,R2aの後端部には、回転伝達部材の一例としてのギアG12およびG13が固定支持されている。
【0053】
図8Bにおいて、前記ギアG12およびG13は噛み合っており、前記ギアG11およびG12は中間ギアG14を介して接続されている。
また、図5において、各現像器GK〜GCが現像容器の支持部材Hに装着された状態では、ロール軸R0Aの後端部のギアG11は、一体回転ギアG6と噛み合う。したがって、入力ギアG5に回転力が入力されると、前記入力ギアG5と一体的に回転するギアG6からロール軸R0Aの後端部のギアG11に回転力が伝達され、ギアG11から順次ギアG14,G12,G13に回転が伝達される。ギアG11,G12,G13が回転すると、前記現像ロールR0および攪拌搬送部材R1+R2が回転する。前記攪拌搬送部材R1+R2の回転により、供給室18と撹拌室19の内部の現像剤は互いに逆方向に搬送されながら、循環する。
また、前記補給用回転軸15a後端のギアG10も前記一体回転ギアG6と噛み合っているので補給用回転軸15aにも回転が伝達される。
【0054】
図2、図3、図8において、前記容器カバーV2は、現像ロール室17を形成する収容壁V2aと、前記容器本体V1の撹拌室19上に配置される容器上壁V2bと、前記容器上壁V2bの右側から下方に伸びて前記容器本体V1の側壁に当接する容器側壁V2cを有している。
図3において、前記現像位置P1で停止している撹拌室19の容器上壁V2bの後部は、上方へ膨出して形成されており、この膨出部分には、現像剤の排出口27aが形成されている。前記排出口27の下側には、開閉部材の一例として、前後方向に延びる回転軸29を中心として、シャッタ31の左端が回転可能に支持されている。
【0055】
前記シャッタ31は、図示しない停止部材に接触して、図3の現像位置P1に示す開口位置と、3停止位置P3に示すように排出口27を閉塞する閉塞位置との間で移動する。前記開口位置に移動したシャッタ31上面31aには、増加して上面高さが高くなった余剰現像剤が、堆積して貯溜可能である。
したがって、余剰現像剤貯溜部31aに載った現像剤は前記シャッタ31が閉塞位置に回転移動するとき、排出口27aから排出される。
【0056】
排出口27の上側には、排出接続部材34が支持されている。図3、図8において、排出接続部材34の右端側には接続口34aが形成されており、接続口34aは現像容器Vが現像容器の支持部材Hに装着された際、前記回転軸GAの角筒部GA1に形成された流入孔3に接続されて前記回転軸GA内の排出筒7と接続される。
したがって、排出口27から排出された現像剤は、現像器GKが第2停止位置P2に移動した場合に、排出接続部材34から排出筒7に落下して搬送される。そして、排出筒7の現像剤は、排出搬送スクリュー11で後方に搬送され、流出口7bから回収ボックスVTに回収される。
【0057】
図3、図8、図9において、撹拌室19の上面の前側には、補給口36が形成されている。
図8において、前記現像容器Vの表面の補給口36の前後には、一対の筒受け用の円弧面を有する補給筒の支持部材37が設けられている。補給筒の支持部材37の一対の筒受け用の円弧面は、補給筒14の円筒状外側面を支持する。
【0058】
図10は実施例1のK,Y,M,C用のリング状の連結部材とその内部に回転可能に支持された回転円筒部材の説明図であり、図10Aは前記図5のXA−XA線断面図、図10Bは前記図5のXB−XB線断面図である。
図11は前記図10AのXI−XI線断面図である。
図12は前記図10AのXII−XII線断面図である。
図4、図11、図12において、前記補給筒14の前方であるフロント固定フレームF1の前面側には、補給部の固定部の一例として、固定円筒部材F1aが固定されている。前記固定円筒部材F1aは、現像容器Vへ補給する各色のトナーが混色しないようにシールされた複数のリング状の部材を前後方向に連結して構成されている。すなわち、前記固定円筒部材F1aは、連結部材の一例として、フロント固定フレームF1の前面に固定されるリング状の後連結部材Lb、その前面側に順次接続されて現像容器Vへ各色の現像剤を補給するためのリング状のK色用の連結部材Lk、Y色用の連結部材Ly、M色用の連結部材Lm、C色用の連結部材Lc、および、前壁用の前連結部材Lfにより構成されている。
【0059】
図5、図11、図12において、前記K,Y,M、C用の各リング状連結部材Lk,Ly,Lm,Lcは、リング状の連結部材本体56を有し、フレーム固定用の後連結部材Lbは厚みの薄いリング状連結部材本体56′を有しており、前壁用の前連結部材Lfは円筒部Lf1を有している。
図10〜図12において、前記各リング状の連結部材本体56,56′は、その外周に3つの連結固定部56a,56a′が形成されており、前記円筒部Lf1にも3つの連結固定部56a″が形成されている。前記各リング状連結部材本体56,56′および円筒部Lf1は3本のネジN1を使用して連結されると共に、フロント固定フレームF1に固定されている。
また、前記K,Y,M、C用のリング状の連結部材本体56外周面には、現像剤供給部56bが一体成形されており、現像剤供給部56bの内側には補給現像剤の供給口56cが形成されている。
前記補給現像剤の供給口56cの上端面には、漏出防止部材の一例として、スポンジ製の筒状の搬送パイプ受け部材57が接着されている。前記搬送パイプ受け部材57は、図示しない補給現像剤の搬送装置を介して、トナーカートリッジTCy〜TCkに接続されており、トナーカートリッジTCy〜TCkから搬送された現像剤が供給される。
【0060】
図11、図12において、前記リング状の連結部材本体56内面の軸方向の両端部には、漏出防止部材の一例として、弾性を有するリング状のシール部材58,58が装着されている。
前記各リング状連結部材Lk,Ly,Lm,Lcの隣接するリング状連結部材本体56,56の接続部の内面には、前記シール部材58,58に挟まれるように、間隔調整部材の一例として、リング状のスペーサ59が配置される。
【0061】
図5、図11、図12において、前壁用の前連結部材Lfは、前記リング状連結部材本体56と同径の円筒部Lf1を有し、前記円筒部Lf1の前端面には平板部Lf2を有している。前記円筒部Lf1および平板部Lf2は一体成形されている。
前記各ネジN1の頭部は、円筒部Lf1の連結固定部56a”から前方に突出している。また、前記前壁用リング状連結部材Lfの平板部Lf2の中心部には、前後方向に延びる支持孔Lf3が形成されている。
【0062】
図5、図10〜図12において、前記固定円筒部材F1aの内側には、補給部の回転部の一例としての回転円筒部材Bが配置されている。前記回転円筒部材Bは、後端部に後円筒部B1を有し、後円筒部B1の後端は、前回転プレートPL1に支持されている。また、後円筒部B1は、ベアリングBR2を介してフロント固定プレートF1に回転可能に支持されており、回転円筒部材Bは回転軸GAを中心として一体的に回転するように構成されている。
前記回転円筒部材Bの中心部には、導通支持部の一例として、回転軸GAの延長線上に沿って、前後方向に延びる前貫通路Baが形成されている。
前記回転円筒部材Bは、前後方向に沿って、前記後円筒部B1、各色の現像容器Vの現像剤補給筒14の先端部を支持するK色用の円筒部Bk、Y色用の円筒部By、M色用の円筒部Bm、C色用の円筒部Bcおよび前円筒部Bfが順次連結されて構成されている。
【0063】
前記各円筒部Bk,By,Bm,Bcは、円筒部本体60を有している。円筒部本体60は、外筒部61を有し、前記外筒部61は後側の大径外筒部62と、前側の小径外筒部63とを有する。前記小径外筒部63の外径は、大径外筒部62の内径と同じ大きさに形成されており、図11、図12に示すように、前記Y色用の円筒部Byが、他の円筒部Bc,Bkと前後に連結される際には、小径外筒部63が大径外筒部62内に嵌まる。
前記小径外筒部63の側面には、補給現像剤の受入口63aが形成されており、補給現像剤の受入口63aの円周方向の両側の位置には、図10に示すように先端が中心方向に延びて屈曲している内側屈曲部63bおよび先端が外側に延びて屈曲している外側屈曲部63cが形成されている。
前記符号63a,63b,63cで示された要素を有する小径外筒部63、補給筒14、回転軸15、およびベアリング16等により回転側の現像剤補給部材14〜16+63が構成されている。
【0064】
図11,図12において、円筒部本体60は、その中心部に内筒部64を有し、内筒部64は円筒状の前側の大径内筒部66および後側の小径内筒部67を有している。前記小径内筒部67の外径は、大径内筒部66の内径と同じ大きさに形成されており、図11、図12に示すように、前記Y色用の円筒部Byが他の円筒部Bc,Bkと前後に連結される際には、小径内筒部67が大径内筒部66内に嵌って、内筒部64の大径内筒部66の端面どうしが接触して前後方向の位置決めが行われる。
図11において、前記内筒部64の後側部分には、前貫通路Baを構成する前後方向に貫通する貫通孔64aが形成されており、前側部分に小径内筒部67が挿入されて嵌る挿入孔64bが形成されている。
【0065】
図11、図12において、前記円筒部本体60は、前記外筒部61および内筒部64を連結するリング状の連結壁68および前記連結壁68の前側面に、90°毎に合計4個形成された強度補強部の一例としての4枚のリブ69を有している。
前記連結壁68には、前記4個の各リブ69により4個に分割される各壁部分に補給筒14の貫通孔68aが形成されており、1個の壁部分には、軸受け挿入部の一例として、1回り内径の小さなベアリング貫通孔68bが形成されている。
図12において、前記ベアリング貫通孔68bの前側には、補給現像剤の受入口63aが形成され、その前側には、軸受け収容部の一例として、前記ベアリング貫通孔68bの内径と同径のベアリング収容孔68cが形成されている。
【0066】
図12において、前記補給筒14およびベアリング16は、前記補給筒の貫通孔68aを後から前に貫通し、前記ベアリング16はベアリング貫通孔68bを貫通して前記ベアリング収容孔68cに収容される。このとき、現像剤補給筒14は、前記ベアリング貫通孔68bを貫通できないので、現像剤補給筒14前端は前記ベアリング貫通孔68bが形成されている連結壁68に接触して位置決めされる。この状態では、図12に示すように、ベアリング貫通孔68bとベアリング収容孔68cとの間の補給現像剤の受入口63aに対応して、現像剤搬入口14aが配置される。
図10、図12において、前記円筒部本体60の大径外筒部62の外側面には、被覆部剤の一例としてのリングカバー70が装着されている。
【0067】
前記K色用の連結部材Lk、円筒部Bk、補給筒14等により実施例1のK色用の補給部が構成されている。同様に、Y色用の連結部材Ly、円筒部By、補給筒14等により、Y色用の補給部が構成され、M色用の連結部材Lm、円筒部Bm、補給筒14等により、M色用の補給部が構成され、C色用の連結部材Lc、円筒部Bc、補給筒14等により、C色用の補給部が構成されている。
また、前記回転円筒部材B、固定円筒部材F1aおよび内部に配置された各部材等により、実施例1の補給装置B+F1aが構成されている。
【0068】
図11、図12から分かるように、前記各リング状の連結部材Lk,Ly,Lm,Lcは、前後方向に沿って後方から前方に向かって順番に配置されており、また、前記各リング状連結部材Lk,Ly,Lm,Lcの各補給現像剤の供給口56cは前後方向に沿って順番にずれた位置に配置されている。
そして、前記各リング状の連結部材Lk,Ly,Lm,Lcのそれぞれの内側に配置された前記各円筒部Bk,By,Bm,Bcの補給現像剤の受入口63aは、回転軸GAの軸回りに90°ずつずれた位置に配置されている。
【0069】
すなわち、例えば、図10Aに示すように、前記円筒部Bkの補給現像剤の受入口63aが、補給現像剤の供給口56cに接続する状態では、円筒部材Bcの補給現像剤の受入口63aは、補給現像剤の供給口56cに接続する図10Aに示す位置から反時計回りに、270°回転した図10Bに示す位置に配置されている。また、その他の各円筒部材ByおよびBmの補給現像剤の受入口63aは、補給現像剤の供給口56cに接続する位置から反時計回りに、90°および180°回転した位置に配置されている。
そして図10において、前記回転軸GA回りに90°づつ時計方向に回転するに伴い、前記各円筒部材By、Bm、Bcの補給現像剤の受入口63aが補給現像剤の供給口56cに接続する位置に順次移動するようになっている。
【0070】
図10において、補給現像剤の供給口56cから供給された現像剤は、小径外筒部63の側面に形成された補給現像剤の受入口63aから、現像剤の搬入口14aに補給され、補給搬送部材15により補給筒14を後方(−X方向)に搬送される。
図2、図5、図6において、前記補給筒14を後方に搬送された現像剤は、補給用の接続口14bおよび現像剤の補給口36から現像容器Vの内部に補給される。
【0071】
図5、図11、図12において、前記前側円筒部Bfは、C色用の円筒部Bcの前面に配置されており、連結部材の一例としての4本の固定ネジN2により前記Bc,Bm,By,Bkと一体的に連結されている。固定ネジN2の先端は、前回転プレートPL1に固定した図示しないナットにネジ止めされる。
前記回転する各円筒部Bk,By,Bm,Bcおよび前記固定支持された各リング状の連結部材Lk,Ly,Lm,Lcの間の空間は、シール部材58によって、各円筒部材Bk,By,Bm,Bc毎にシールされている。このため、前記補給現像剤の供給口56cから補給現像剤の受入口63aに補給される新しいキャリアおよびトナーを有する2成分現像剤が、前記各円筒部Bk,By,Bm,Bcおよび各リング状の連結部Lk,Ly,Lm,Lcの間の空間において他の円筒部の方へ移動することが規制されている。
【0072】
(濃度センサおよび導通部材の説明図)
図8、図9において、実施例1のK色の現像器GKは、容器本体V1の底面に、被通電部材の一例であって、検知部材の一例としてのトナー濃度センサSNkが支持されている。図9において、実施例1のトナー濃度センサSNkは、現像容器Vの内部のトナーとキャリアとの割合、いわゆるトナー濃度を検出する従来公知のセンサを使用可能であり、例えば、K色の現像剤でもトナー濃度を精度良く検知可能な透磁率を検知することでトナー濃度を検出する磁気式のトナー濃度センサを使用することが可能である。
また、図1〜図3において、実施例1の複写機Uでは、第2停止位置P2に移動した現像器GY〜GKの現像ロールR0に対向する位置に、検知部材の一例としてのトナー濃度センサSN1が支持されている。なお、トナー濃度センサSN1も、従来公知のセンサを使用可能であり、例えば、現像ロールR0表面に検査光を照射し、その反射光を検出することでトナー濃度を検出する光式のトナー濃度センサを使用可能である。なお、実施例1では、第2停止位置P2に配置されたトナー濃度センサSN1は、Y,M,Cの現像器GY、GC,GMのトナー濃度を測定し、Kの現像器GK内のトナー濃度は、トナー濃度センサSNkで測定する。
【0073】
図13は実施例1の導通部材の斜視説明図である。
図14は実施例1の導通部材の断面説明図であり、図14Aは図13のXIVA−XIVA線断面図、図14Bは図13のXIVB−XIVB線断面図である。
図5、図9、図10〜図12において、回転円筒部材Bの前貫通路Baおよび貫通路1の内部には、導通部材の一例としてのセンサ導通部材81が支持されている。図11〜図14おいて、実施例1のセンサ導通部材81は、中空筒部の一例として、前側に配置されて前後方向に延びる固定パイプ82と、回転可能部の一例として、固定パイプ82の後方に支持された回転ユニット83とを有する。
前記固定パイプ82は、内部に前後方向に延びる空間82aを有する円筒状に形成されており、前貫通路Baの内周面に外周面が回転可能に支持されると共に、前端が支持孔Lf3に支持される。すなわち、固定パイプ82は、現像装置Gの回転中心である前貫通路Baを貫通した状態で支持されている。
【0074】
図14Aにおいて、固定パイプ82の後端には、径方向に貫通する複数の導出孔82bが軸方向に沿って予め設定された間隔で形成されている。実施例1では、導出孔82bは、軸方向に沿って12個形成されているが、図14Aにおいて12個全ての図示は省略している。なお、個数は、12個に限定されず、任意に変更可能である。
前記固定パイプ82の後端部の外周面には、絶縁部材の一例として、円筒状の絶縁筒86が支持されており、絶縁筒86には、導出孔82bに対応して、12個の開口86aが形成されている。絶縁筒86の外周には、第1の通電部材の一例として、円環状、すなわちリング状の導電リング87が支持されている。前記導電リング87は、導出孔82bおよび開口86aに対応して軸方向に12個配置されており、各導電リング87どうしの間には、絶縁部材の一例としての絶縁リング88が挟まれている。
【0075】
各導電リング87には、第1の導電部材の一例としての接続ケーブル89の一端が電気的に接続されており、接続ケーブル89は、開口86aおよび導出孔82bを通じて固定パイプ82の内部空間82aを通っている。接続ケーブル89は、内部空間82a内で、束ねられた束状体、いわゆるハーネス状となり、固定ケーブル82に沿って前端から外部に導出される。前記接続ケーブル89の他端は、図示しないコネクタを介して、コントローラCに接続される。
【0076】
図14において、回転ユニット83は、前端部材の一例として前側に配置された円板状の前プレート91と、収容部材の一例として前記前プレート91の後面に支持された円筒状の円筒ケース92と、回路支持部の一例として、円筒ケース92に前端が支持されて後方に延びる板状の回路支持プレート93と、を有する。
前記前プレート91は、中央部において、軸受け部材の一例としてのベアリング94により、固定パイプ82の外周面に回転可能に支持されている。前記円筒ケース92は、後端壁92aの中央部において、軸受け部材の一例としてのベアリング96により、固定パイプ82の後端の外周面に回転可能に支持されている。
円筒ケース92の後端壁92aの後側には、内部と回路支持プレート93側との間を貫通する第2の導出口92bが形成されている。
【0077】
前記円筒ケース92の後端壁92aの内面には、前後方向に延びる端子支持部97が支持されている。前記端子支持部97には、各導電リング87に対応して、第2の通電部材の一例としてのブラシ支持部98が支持されている。前記ブラシ支持部98には、接点部の一例として、導電リング87の外表面に接触する導電ブラシ99が支持されている。実施例1の導電ブラシ99は、導電リング87を挟み込むように配置された一対の板バネ状の導電部材により構成されており、導電リング87の外周面に対して導電ブラシ99の接触部分が摺動可能且つ摺動時に接触した状態が保持されるように構成されている。前記端子支持部97には、電気接続部材の一例として、ブラシ支持部98および導電ブラシ99に電気的に接続された電気接続ケーブル101の一端が接続されており、電気接続ケーブル101は、第2の導出口92bを通じて回路支持プレート93に向けて導出されている。
【0078】
前記回路支持プレート93には、回路素子の一例としての複数のICチップ102が支持されており、ICチップ102には電気接続ケーブル101の他端が接続されている。
前記ICチップには、予め設定された処理プログラムが記憶されており、実施例1では、K色の現像器GKのトナー濃度センサSNkへの給電や制御信号や検知信号等の増幅、変換等を行っている。
前記ICチップ102には、電気接続部材の一例としてのセンサ接続ケーブル103の一端が接続されている。図9において、センサ接続ケーブル103は、電気接続部材の通過口の一例として、角筒部GA1のK色の現像器GKに対向する面側に形成され且つ貫通路1と外部とを接続するケーブル通過口104を通じて、貫通路1の外部に導出され、現像器GKのトナー濃度センサSNkに他端が接続されている。
前記電気接続ケーブル101やICチップ102、センサ接続ケーブル103等により、導電ブラシ99とトナー濃度センサSNkとを電気的に接続する実施例1の第2の導電部材101〜103が構成されている。また、前記符号82〜103を付した部材等により、実施例1のセンサ導通部材81が構成されている。
【0079】
(実施例1の作用)
前記構成要件を備えた実施例1の複写機Uでは、感光体PRの表面に形成された潜像が現像位置P1に移動した現像器GY〜GKで現像され、現像器GY〜GK内の現像剤が消費される。現像器GY〜GKの内部の現像剤が消費されると、消費量に応じて、トナーカートリッジTCy〜TCkから現像剤の補給が行われる。
このとき、現像剤の消費量、すなわち、補給される現像剤の補給量の検出を、潜像形成装置ROSで書き込んだ画素数のみで行うと、誤差が発生して、濃度不足や濃度過剰等の現像不良が発生することがある。したがって、実施例1では、トナー濃度センサSN1,SNkで、現像器GY〜GK内のトナー濃度を測定し、補給量の補正を行っている。
【0080】
ここで、従来の回転式の現像装置Gでは、各現像器GY〜GKにトナー濃度センサを設けると、トナー濃度センサと複写機本体U1との間を接続するケーブルを引き回す必要がある。この場合、現像装置Gが一方向にしか回転せず、引き回されたケーブルが捻れてしまい、最終的にはケーブルが切断される恐れがある。無線方式や電磁誘導等を利用して通電することも考えられるが、構成が複雑化し、費用も高騰する問題がある。
したがって、回転式の現像装置Gでは、現像位置P1以外の位置で、現像ロールR0の表面のトナー濃度をトナー濃度センサSN1で測定して、現像器GY〜GKの内部のトナー濃度を検出することがあった。しかしながら、この場合、トナー濃度を検出するセンサは、光を使用した方式が多く、Y,M,Cではトナー濃度を検出可能であるが、光を吸収するK色ではトナー濃度の検知精度が著しく低下または検知不能になる問題があった。
【0081】
これに応じて、実施例1では、K色の現像器GKでは、トナー濃度センサSNkが支持されており、トナー濃度センサSNkと複写機本体U1のコントローラCとの間は、センサ導通部材81が導通している。すなわち、実施例1のセンサ導通部材81では、現像装置Gの回転中心に配置された回転しない固定パイプ82と、固定パイプ82にベアリング94,96を介して回転可能に支持されて現像装置Gが回転した場合に一体的に回転する回転ユニット83とを有している。そして、コントローラCと接続される接続ケーブル89は、固定パイプ82の内部を通過して導電リング87に接続されると共に、回転する現像器GKのトナー濃度センサSNkに電気的に接続される第2の導電部材101〜103は、導電ブラシ99に接続されており、現像装置Gが回転すると、固定の導電リング87に対して導電ブラシ99が接触して導通が維持されながら摺動、回転する。
【0082】
したがって、現像装置Gの回転に対して、接続ケーブル89の両端は、共に固定の部材であるコントローラCと導電リング87に接続されると共に、第2の導電部材101〜103の両端は共に一体的に回転する導電ブラシ99およびトナー濃度センサSNkに接続されている。よって、各ケーブル89,101,103が捻れることがなく、電気的に接続されている。
よって、実施例1の複写機Uでは、第2停止位置P2のトナー濃度センサSN1でトナー濃度を測定する場合に比べて、K色の現像器GKのトナー濃度を精度良く検出することが可能であり、現像不良の発生が低減される。また、無線方式や電磁誘導方式を利用する場合に比べて、簡素な構成で、回転する現像器GKのトナー濃度センサSNkに電気的に接続、すなわち、通電がされている。
【0083】
また、実施例1の現像装置Gでは、固定パイプ82が前貫通路Baを前端まで貫通しており、回転円筒部材Bの回転軸として機能している。仮に、固定パイプ82が短い等で、回転円筒部材Bを貫通していない場合、回転円筒部材Bの回転時に各円筒部By〜Bkどうしの連結部のガタや累積公差等で、回転円筒部材Bが揺れて、内部で現像剤が漏れたり、現像剤が凝集する恐れがあったが、実施例1では、固定パイプ82が回転円筒部材Bの中心軸として位置出しに寄与しており、現像剤の漏出や凝集等の不具合の発生が低減される。
特に、実施例1では、回転ユニット83が現像器GY〜GK側に配置され、円筒部By〜Bkは、固定パイプ82のみが貫通している。したがって、回転ユニット83が補給装置B+F1a内に配置される場合に比べて、補給装置B+F1aの着脱交換や分解時に、固定パイプ82よりも大径の回転ユニット83が補給装置B+F1aに対する作業の妨げとなることが低減されている。
【0084】
さらに、実施例1の現像装置では、排出筒7と同軸延長線上にセンサ導通部材81が配置されると共に、回転ユニット83が貫通路1内に収容されており、同軸上でない場合や回転ユニット83を外部に配置する場合に比べて、前後方向の長さが小型化されている。
また、実施例1では、回転円筒部材Bは、後円筒部B1に対して円筒部By〜Bkを着脱可能になっており、円筒部By〜Bkを取り外すと、センサ導通部材81が現像装置Gから取外可能になっている。すなわち、現像装置Gの前側を回転可能に支持するベアリングBR1と後円筒部B1との連結を解除することなく、センサ導通部材81の着脱交換が可能になっており、導電ブラシ99の摩耗や故障時等の交換作業が容易になっている。
【0085】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H07)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例として複写機Uを例示したが、これに限定されず、プリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、4つの現像器GY〜GKを有する現像装置Gを例示したが、これに限定されず、3つ以下や5つ以上の複数の現像器を有する現像装置に適用可能である。すなわち、停止位置P1〜P4の数も、4つに限定されず、3つ以下または5つ以上とすることも可能である。
(H02)前記実施例において、固定パイプ82が回転円筒部材Bを貫通する構成が望ましいが、固定パイプ82の長さを短くして、接続ケーブル89のみが前貫通路Baを通過する構成とすることも可能である。
【0086】
(H03)前記実施例において、現像器GY〜GKの具体的な構成やロータリ回転のための機構、駆動の伝達機構やシャッタの構成、補給装置の具体的な構成等については、実施例に例示した構成に限定されず、従来公知の任意のロータリ式の現像装置、例えば、特許文献1〜3や特開2000−122414号公報、特開2000−131942号公報、特開2000−321858号公報等の任意の構成を採用可能である。
(H04)前記実施例において、K色のみトナー濃度センサSNkを設ける構成を例示したが、これに限定されず、Y,M,Cの全てまたはいずれかあるいは複数の現像器GY〜GCもK色の現像器GKと同様の構成とすることも可能である。この場合、ICチップ102からセンサ接続ケーブル103を延ばすことで可能である。なお、実施例1では、12個の導電リング87を有する構成、すなわち、12チャンネルの構成であり、例えば、1つのトナー濃度センサにつき、給電、信号、アースの3チャンネルのみで可能であれば、4つの現像器GY〜GKの全てにトナー濃度センサを配置し且つ、1つのセンサ導通部材81で対応が可能である。
【0087】
(H05)前記実施例において、センサ導通部材81の内部の形状や個数、あるいは具体的な形状等については、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。例えば、導電ブラシ99は、板バネ状に限定されず、剛体状の板とバネとの組み合わせとしたり、絶縁部材を省略する等、任意の変更が可能である。
(H06)前記実施例において、被導電部材の一例として、トナー濃度センサSNkを例示したが、これに限定されず、例えば、現像器Gに関する情報、例えば、現像ロールR0の累積回転回数等の情報を記憶する記憶媒体、いわゆるCRUMが設けられている場合には、CRUMに対して導通を行うために適用することも可能である。
(H07)前記実施例において、固定パイプは円筒状の構成が望ましいが、角筒状等、多角筒形状とすることも可能である。
【符号の説明】
【0088】
7…搬送部、
82…中空筒部、
82a…空間、
83…回転可能部、
87…第1の通電部材、
89…第1の導電部材、
98…第2の通電部材、
99…接点部、
101〜103…第2の導電部材、
B+F1a…補給装置、
Ba…回転中心、
F…定着装置、
G…現像装置、
GA…回転軸、
GY,GM,GC,GK…現像器、
P1…現像位置、
PR…像保持体、
S…媒体、
SNk…被通電部材,検知部材、
T1+T2+BT…転写装置、
U…画像形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像器を複数有し、回転軸を中心として回転して、前記像保持体に対向する現像位置に各現像器を順に移動可能に支持する回転式の現像装置であって、
前記現像器に支持された被通電部材と、
前記回転軸に沿って配置され且つ内部に空間を有する中空筒部と、
前記中空筒部に対して回転可能に支持された回転可能部と、
前記中空筒部の外周に支持された第1の通電部材と、
前記第1の通電部材に接触する接点部を有し、前記回転可能部と一体的に支持された第2の通電部材と、
前記第1の通電部材に一端が接続され、且つ、前記中空筒部の内部の空間を通じて前記現像装置の外部に他端が導出される第1の導電部材と、
前記第2の通電部材と前記被通電部材とを接続する第2の導電部材と、
を備えたことを特徴とする回転式の現像装置。
【請求項2】
前記回転軸を中心として前記現像器と一体的に回転可能に支持され且つ各現像器に補給される現像剤を搬送する補給装置であって、現像器毎に設けられた各補給部が前記回転軸の軸方向に沿って並んで配置された複数の補給部を有する前記補給装置と、
前記各補給部の回転中心を貫通して配置された前記中空筒部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転式の現像装置。
【請求項3】
前記補給装置の現像器側に配置された前記接点部、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の回転式の現像装置。
【請求項4】
複数の前記接点部を有する前記第2の通電部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の回転式の現像装置。
【請求項5】
複数の第1の導電部材が束ねられた束状体が前記内部の空間を通じて配置された前記中空筒部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転式の現像装置。
【請求項6】
前記現像器の内部に収容された現像剤の濃度を検知する検知部材により構成された前記被通電部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の回転式の現像装置。
【請求項7】
前記回転軸に沿って配置され且つ前記中空筒部の同軸延長上に配置され、前記現像器から排出された現像剤が搬送される搬送部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の回転式の現像装置。
【請求項8】
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する請求項1ないし7のいずれかに記載の回転式の現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体に転写された可視像を定着する定着装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−103510(P2012−103510A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252368(P2010−252368)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】