固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法
【課題】本発明は、固体電解コンデンサを高精度に容易に製造できる電解コンデンサ内蔵基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】弁作用を有する金属箔上に形成された固体電解質層、集電体層からなる小型大容量の固体電解コンデンサを電気絶縁性基板内に内蔵し、インナービアとスルーホール電極で接続したので、短配線で実装面積の小型化が図れ、低インピーダンス特性を有する電解コンデンサ内蔵基板の製造方法を実現できる。
【解決手段】弁作用を有する金属箔上に形成された固体電解質層、集電体層からなる小型大容量の固体電解コンデンサを電気絶縁性基板内に内蔵し、インナービアとスルーホール電極で接続したので、短配線で実装面積の小型化が図れ、低インピーダンス特性を有する電解コンデンサ内蔵基板の製造方法を実現できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解コンデンサを内蔵する基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の固体電解コンデンサの製造方法の代表的なものの一つとしては、表面に誘電体酸化被膜が形成されたアルミニウム箔上に、順次、導電性プレコート層及び電解重合導電性高分子膜からなる固体電解質層、導電層が形成され、アルミニウム箔が陽極リードを介し、また導電体層が陰極リードを介して、リードフレームに各々接続され、外装が施されてなるアルミニウム固体電解コンデンサにおいて、銅合金表面に、順次ニッケル層、パラジウム層及び金層が形成された陽極リード及びリードフレームを用いて作製している。
【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2004−134462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リードフレーム接続では、IC近傍に短配線で接続することができず、配線のインピーダンスが問題となり、電流供給が瞬時に行えなくなり、ICの動作が不安定になる。さらに、この重合方法では、製造管理が難しく、重合面積にばらつきがでることから、静電容量にばらつきが出る。また、この形態のコンデンサだと、表層にコンデンサを実装する必要があり、表層のパターンに制約がつくこととなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために本発明は、少なくとも表面に酸化被膜を形成した弁作用を有する金属箔上の表裏面の固体電解質層を形成しない部位に、第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を形成する第1工程と、この第1工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱または紫外線照射することによって、前記第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を硬化させる第2工程と、この第2工程で得た弁作用を有する金属箔に第1の貫通孔を設ける第3工程と、この第1の貫通孔を第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を充填する第4工程と、この第4工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱することによって、前記第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を硬化させる第5工程と、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物からなるシートの表面を保護シートで覆うことで板状体を形成する第6工程と、前記板状体の固体電解質層を形成する位置に少なくとも1つの空隙をあける第7工程と、前記第5工程で得た弁作用を有する金属箔の表面と、前記第7工程で得た板状体の保護シートで保護されていない側を位置合わせして重ねる第8工程と、前記第8工程で得られた第3の板状体を加圧・加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて第1の電気絶縁性基板を形成する第9工程と、前記電気絶縁性基板の空隙形成部の隣接した保護シートで保護された部分に金属ペーストを塗布・硬化する第10工程と、前記第10工程で得られた電気絶縁性基板の表面の固体電解質層を形成する部位を残して、第3の未硬化状態の熱硬化性樹脂を塗布・硬化する第11工程と、前記固体電解質層を形成する部位に固体電解質層を形成する第12工程と、前記固体電解質層上に導電性ペーストを塗布、加熱硬化させて電極を形成する第13工程と、前記保護シートを除去する第14工程と、別の70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物からなるシートを、位置合わせして、前記固体電解質層と接する位置に貫通孔を加工する第15工程と、未硬化状態の熱硬化性の導電性物質を前記貫通孔に充填する第16工程と、第1の金属層、前記板状体、前記電気絶縁性基板、前記無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む混合物からなるシート、第2の金属層の順に位置合わせして、重ねる第17工程と、この第17工程で得られた電気絶縁性基板を加熱・硬化する第18工程と、この第18工程で得た電気絶縁性基板に、第1の貫通孔より小さい孔径で構成され、かつ前記第1の貫通孔の領域内を貫通する第2の貫通孔を形成する第19工程と、この第19工程で得た電気絶縁性基板の第1の貫通孔の領域外を貫通する第3の貫通孔を形成する第20工程と、前記第2および第3の貫通孔に導体を形成する第21工程と、前記第1および第2の金属層をパターニングして第1および第2の電極を形成する第22工程を有する固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法である。これにより、固体電解基板側の表面パターンに制約を加えることなく、短配線化が可能であり、かつ、コンデンサの実装面積を低減することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の固体電解コンデンサ内蔵基板によれば、固体電解コンデンサを高精度に容量を規定して作製することができ、かつ、基板内部に固体電解コンデンサを樹脂による封止配置することで、固体電解コンデンサの信頼性を確保でき、かつ、固体電解基板側の表面パターンに制約を加えることなく、短配線化が可能であり、かつ、コンデンサの実装面積を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態における固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0008】
図1において、本発明における固体電解コンデンサ内蔵基板の断面図を示す。以下、固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法を順に示す。
【0009】
図2において、弁作用を有する金属箔1は、少なくとも表面に多孔質部および誘電体層部(図示せず)が形成されている。なお、表裏面に多孔質部および誘電体層部が別に形成されていてもよい。
【0010】
次に図3において、重合法によって固体電解質層を形成する部位以外に、液状の電気絶縁性樹脂をスクリーン印刷法など用いて塗布し、その後硬化することで電気絶縁性樹脂層2を形成する。
【0011】
次に図4において、パンチング、レーザー、打ち抜き法などによって、貫通孔3を形成する。
【0012】
次に図5において、スルーホール印刷法などを用いて、貫通孔3に未硬化状態の電気絶縁性樹脂を充填し、その後熱処理をすることで硬化し、電気絶縁性樹脂4を形成する。
【0013】
次に図6において、70〜95重量%の無機フィラー未硬化状態の熱硬化性樹脂の混合物からなるシート5と保護シート6とを、ラミネート法などで貼り付ける。
【0014】
次に図7において、パンチング、レーザー、打ち抜き法などによって、図6のものに空隙7を形成する。
【0015】
次に図8において、図7の状態のシート5と、図5の状態の弁作用を有する金属箔1を位置決めして重ね合わせる。
【0016】
次に図9において、シート5を加圧しながら硬化し、弁作用を有する金属箔1と圧着し、電気絶縁性基板8を形成する。このときの条件は、たとえば、温度が170〜260℃、加圧圧力が0.1〜1.0MPaの条件で行うことができる。
【0017】
次に図10において、空隙を形成している保護シート6上の隣接部に金属ペースト9をスクリーン印刷等で印刷し、硬化させる。そうすることで、固体電解質層を形成する際に用いる電極である給電部を形成する。
【0018】
次に図11において、スクリーン印刷法などにより液状の電気絶縁性樹脂を塗布した後硬化することで、電気絶縁性樹脂層10を形成する。そうすることで、表層に給電部を露出させなくする。ただし、側面は給電部を露出しておくようにしておく。
【0019】
次に図12において、重合法により、固体電解質層11が、弁作用を有する金属箔の表出部の表面および側面に形成される。重合法の一つとしては、たとえばチオフェンを含有する薬液を塗布して硬化する化学重合後、チオフェンを含有する溶液中で電解を加える電解重合によって固体電解質層を成長させるような方法による。
【0020】
次に図13において、保護シート6を取り除く。
【0021】
次に図14において、転写法やスクリーン印刷法により、カーボン、銀ペースト等を塗布して硬化し、集電体層12を形成する。
【0022】
次に図15において、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂の混合物からなる別のシート13を用意する。
【0023】
次に図16において、シート13に貫通孔14を形成する。
【0024】
次に図17において、貫通孔14に未硬化状態の熱硬化性の導電性物質15を充填する。
【0025】
次に図18において、第1の金属層16、図17に示すシート13、図14に示す電気絶縁性基板8、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂の混合物からなる別のシート17、第2の金属層18の順に位置合わせして重ねる。このとき、集電体層12と未硬化状態の熱硬化性の導電性物質15とは接触させておく。
【0026】
次に図19において、加圧しながら、硬化することで、固体電解コンデンサを内蔵化できる。このときの条件は、たとえば、温度が170〜260℃、加圧圧力が1.0〜10.0MPaの条件で行うことができる。そうすることで、未硬化状態の熱硬化性導電性物質15はインナービア19になり、シート17は電気絶縁性基板20になる。
【0027】
次に図20において、電気絶縁性基板20に、第1の貫通孔3より小さい孔径で、かつ貫通孔3の領域内を貫通する第2の貫通孔21を形成する。
【0028】
次に図21において、電気絶縁性基板20の貫通孔3の領域外に第3の貫通孔22を形成する。
【0029】
次に図22において、第3の貫通孔21の内壁に、弁作用を有する金属箔の露出部と第1の金属層16、第2の金属層18と電気的に接続する内部電極層23をめっき法により形成する。また、貫通孔22の内壁に、第1の金属層16、第2の金属層18と電気的に接続する内部電極層24をめっき法により形成する。めっき法の一例として、たとえば、内部電極層22は、アルミニウム箔の酸化層を酸処理にて酸化層を除去した後、亜鉛をアルミニウムと置換めっきを施した後、ニッケル、銅めっきを順次形成するなどの方法で行う。
【0030】
次に図23において、第1、第2の金属箔層16,18をパターニングして表層パターン25を形成し、固体電解コンデンサ内蔵基板を完成させる。
【0031】
なお、ICとSPC内蔵基板間に再配線目的のインターポーザ基板が中間層として挿入される場合も、有効である。
【0032】
本実施の形態の固体電解コンデンサ内蔵基板は、少なくとも表面に酸化被膜を形成した弁作用を有する金属箔上の表裏面の固体電解質層を形成しない部位に、第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を形成する第1工程と、この第1工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱または紫外線照射することによって、前記第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を硬化させる第2工程と、この第2工程で得た弁作用を有する金属箔に第1の貫通孔を設ける第3工程と、この第1の貫通孔を第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を充填する第4工程と、この第4工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱することによって、前記第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を硬化させる第5工程と、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とからなる混合物シートの表面を保護シートで覆うことで板状体を形成する第6工程と、前記板状体の固体電解質層を形成する位置に少なくとも1つの空隙をあける第7工程と、前記第5工程で得た弁作用を有する金属箔の表面と、前記第7工程で得た板状体の保護シートで保護されていない側を位置合わせして重ねる第8工程と、第8工程で得られた板状体を加圧・加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させ、電気絶縁性基板を形成する第9工程と、前記電気絶縁性基板の空隙形成部の隣接した保護シートで保護された部分に金属ペーストを塗布・硬化する第10工程と、第10工程で得られた電気絶縁性基板の表面の固体電解質層を形成する部位を残して、第3の未硬化状態の熱硬化性樹脂を塗布・硬化する第11工程と、前記固体電解質層を形成する部位に固体電解質層を形成する第12工程と、前記固体電解質層上に導電性ペーストを塗布、加熱硬化させて電極を形成する第13工程と、前記保護シートを除去する第14工程と、別の70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とからなる混合物シートを、位置合わせして、前記固体電解質層と接する位置に貫通孔を加工する第15工程と、未硬化状態の熱硬化性の導電性物質を前記貫通孔に充填する第16工程と、第1の金属層、前記板状体、前記電気絶縁性基板、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む混合物からなるシート、第2の金属層の順に位置合わせして、重ねる第17工程と、この第17工程で得られた電気絶縁性基板を加熱・硬化する第18工程と、この第18工程で得た電気絶縁性基板に少なくとも第1の貫通孔より小さい孔径で構成され、少なくとも前記第1の貫通孔の領域内を貫通する第2の貫通孔を形成する第19工程と、この第19工程で得た電気絶縁性基板の第1の貫通孔の領域外を貫通する第3の貫通孔を形成する第20工程と、前記第2および第3の貫通孔に導体を形成する第21工程と、前記第1および第2の金属層をパターニングして第1および第2の電極を形成する第22工程とを有する固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法であり、これにより固体電解コンデンサを内蔵する基板を容易に形成できる。
【0033】
また本実施の形態の固体電解コンデンサ内蔵基板において、保護シートの材料にポリフェニレンサルファイド樹脂を用いることにより、空隙加工性に富み、高温下においても寸法安定性に富むために、重合面積が一定となるので、容量のばらつきが小さくなる。また、耐溶剤性も優れているので、重合時に寸法変化、剥がれ等が回避される。
【0034】
また金属ペーストの材料に、ニッケルを用いることにより、印刷による形成方法で給電場所に制約がなく、異形状、一度に多数個の形成も可能であり、また、重合後は金属ペーストを取り除くことから、基板側にパターンの制約もなく、基板の高密度化・高機能化に寄与する。
【0035】
また、弁作用を有する金属箔に、アルミ、タンタル、ニオブのいずれかを用いることにより、表面に誘電体層となる酸化層を容易に形成できる。
【0036】
また、未硬化状態の液状の絶縁樹脂に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂およびポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一つの熱硬化性樹脂、または、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも一つの紫外線硬化性樹脂を含むことにより、弁作用を有する金属箔の表面の凹凸部を容易に被覆でき、高い絶縁性ができるとともに、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物と弁作用を有する金属箔との密着性を向上することができる。
【0037】
また、第1および第2の金属層の材料が銅を主成分とすることにより、エッチングによって容易に配線が形成できる。
【0038】
また、熱硬化性の導電性物質の材料が、金・銀・銅およびニッケルのいずれか一つの金属を含み、エポキシ樹脂を樹脂成分として含むことにより、電気伝導性が優れ、低抵抗を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように本発明の電解コンデンサ内蔵基板は、固体電解コンデンサを精度よく容易に製造できるとともに、高速ICと短配線で接続でき、低インピーダンス特性を有し、機器の高性能化、小型化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態による固体電解コンデンサ内蔵基板の断面図
【図2】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図3】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図4】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図5】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図6】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図7】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図8】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図9】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図10】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図11】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図12】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図13】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図14】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図15】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図16】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図17】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図18】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図19】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図20】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図21】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図22】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図23】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【符号の説明】
【0041】
1 弁作用を有する金属箔
2、10 電気絶縁性樹脂層
3、14、21、22 貫通孔
4 電気絶縁性樹脂
5、13、17 シート
6 保護シート
7 空隙
8、20 電気絶縁性基板
9 金属ペースト
11 固体電解質層
12 集電体層
15 未硬化状態の熱硬化性導電性物質
16、18 金属層
19 インナービア
23、24 内部電極層
25 表層パターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解コンデンサを内蔵する基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の固体電解コンデンサの製造方法の代表的なものの一つとしては、表面に誘電体酸化被膜が形成されたアルミニウム箔上に、順次、導電性プレコート層及び電解重合導電性高分子膜からなる固体電解質層、導電層が形成され、アルミニウム箔が陽極リードを介し、また導電体層が陰極リードを介して、リードフレームに各々接続され、外装が施されてなるアルミニウム固体電解コンデンサにおいて、銅合金表面に、順次ニッケル層、パラジウム層及び金層が形成された陽極リード及びリードフレームを用いて作製している。
【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2004−134462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リードフレーム接続では、IC近傍に短配線で接続することができず、配線のインピーダンスが問題となり、電流供給が瞬時に行えなくなり、ICの動作が不安定になる。さらに、この重合方法では、製造管理が難しく、重合面積にばらつきがでることから、静電容量にばらつきが出る。また、この形態のコンデンサだと、表層にコンデンサを実装する必要があり、表層のパターンに制約がつくこととなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために本発明は、少なくとも表面に酸化被膜を形成した弁作用を有する金属箔上の表裏面の固体電解質層を形成しない部位に、第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を形成する第1工程と、この第1工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱または紫外線照射することによって、前記第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を硬化させる第2工程と、この第2工程で得た弁作用を有する金属箔に第1の貫通孔を設ける第3工程と、この第1の貫通孔を第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を充填する第4工程と、この第4工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱することによって、前記第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を硬化させる第5工程と、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物からなるシートの表面を保護シートで覆うことで板状体を形成する第6工程と、前記板状体の固体電解質層を形成する位置に少なくとも1つの空隙をあける第7工程と、前記第5工程で得た弁作用を有する金属箔の表面と、前記第7工程で得た板状体の保護シートで保護されていない側を位置合わせして重ねる第8工程と、前記第8工程で得られた第3の板状体を加圧・加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて第1の電気絶縁性基板を形成する第9工程と、前記電気絶縁性基板の空隙形成部の隣接した保護シートで保護された部分に金属ペーストを塗布・硬化する第10工程と、前記第10工程で得られた電気絶縁性基板の表面の固体電解質層を形成する部位を残して、第3の未硬化状態の熱硬化性樹脂を塗布・硬化する第11工程と、前記固体電解質層を形成する部位に固体電解質層を形成する第12工程と、前記固体電解質層上に導電性ペーストを塗布、加熱硬化させて電極を形成する第13工程と、前記保護シートを除去する第14工程と、別の70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物からなるシートを、位置合わせして、前記固体電解質層と接する位置に貫通孔を加工する第15工程と、未硬化状態の熱硬化性の導電性物質を前記貫通孔に充填する第16工程と、第1の金属層、前記板状体、前記電気絶縁性基板、前記無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む混合物からなるシート、第2の金属層の順に位置合わせして、重ねる第17工程と、この第17工程で得られた電気絶縁性基板を加熱・硬化する第18工程と、この第18工程で得た電気絶縁性基板に、第1の貫通孔より小さい孔径で構成され、かつ前記第1の貫通孔の領域内を貫通する第2の貫通孔を形成する第19工程と、この第19工程で得た電気絶縁性基板の第1の貫通孔の領域外を貫通する第3の貫通孔を形成する第20工程と、前記第2および第3の貫通孔に導体を形成する第21工程と、前記第1および第2の金属層をパターニングして第1および第2の電極を形成する第22工程を有する固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法である。これにより、固体電解基板側の表面パターンに制約を加えることなく、短配線化が可能であり、かつ、コンデンサの実装面積を低減することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の固体電解コンデンサ内蔵基板によれば、固体電解コンデンサを高精度に容量を規定して作製することができ、かつ、基板内部に固体電解コンデンサを樹脂による封止配置することで、固体電解コンデンサの信頼性を確保でき、かつ、固体電解基板側の表面パターンに制約を加えることなく、短配線化が可能であり、かつ、コンデンサの実装面積を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態における固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0008】
図1において、本発明における固体電解コンデンサ内蔵基板の断面図を示す。以下、固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法を順に示す。
【0009】
図2において、弁作用を有する金属箔1は、少なくとも表面に多孔質部および誘電体層部(図示せず)が形成されている。なお、表裏面に多孔質部および誘電体層部が別に形成されていてもよい。
【0010】
次に図3において、重合法によって固体電解質層を形成する部位以外に、液状の電気絶縁性樹脂をスクリーン印刷法など用いて塗布し、その後硬化することで電気絶縁性樹脂層2を形成する。
【0011】
次に図4において、パンチング、レーザー、打ち抜き法などによって、貫通孔3を形成する。
【0012】
次に図5において、スルーホール印刷法などを用いて、貫通孔3に未硬化状態の電気絶縁性樹脂を充填し、その後熱処理をすることで硬化し、電気絶縁性樹脂4を形成する。
【0013】
次に図6において、70〜95重量%の無機フィラー未硬化状態の熱硬化性樹脂の混合物からなるシート5と保護シート6とを、ラミネート法などで貼り付ける。
【0014】
次に図7において、パンチング、レーザー、打ち抜き法などによって、図6のものに空隙7を形成する。
【0015】
次に図8において、図7の状態のシート5と、図5の状態の弁作用を有する金属箔1を位置決めして重ね合わせる。
【0016】
次に図9において、シート5を加圧しながら硬化し、弁作用を有する金属箔1と圧着し、電気絶縁性基板8を形成する。このときの条件は、たとえば、温度が170〜260℃、加圧圧力が0.1〜1.0MPaの条件で行うことができる。
【0017】
次に図10において、空隙を形成している保護シート6上の隣接部に金属ペースト9をスクリーン印刷等で印刷し、硬化させる。そうすることで、固体電解質層を形成する際に用いる電極である給電部を形成する。
【0018】
次に図11において、スクリーン印刷法などにより液状の電気絶縁性樹脂を塗布した後硬化することで、電気絶縁性樹脂層10を形成する。そうすることで、表層に給電部を露出させなくする。ただし、側面は給電部を露出しておくようにしておく。
【0019】
次に図12において、重合法により、固体電解質層11が、弁作用を有する金属箔の表出部の表面および側面に形成される。重合法の一つとしては、たとえばチオフェンを含有する薬液を塗布して硬化する化学重合後、チオフェンを含有する溶液中で電解を加える電解重合によって固体電解質層を成長させるような方法による。
【0020】
次に図13において、保護シート6を取り除く。
【0021】
次に図14において、転写法やスクリーン印刷法により、カーボン、銀ペースト等を塗布して硬化し、集電体層12を形成する。
【0022】
次に図15において、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂の混合物からなる別のシート13を用意する。
【0023】
次に図16において、シート13に貫通孔14を形成する。
【0024】
次に図17において、貫通孔14に未硬化状態の熱硬化性の導電性物質15を充填する。
【0025】
次に図18において、第1の金属層16、図17に示すシート13、図14に示す電気絶縁性基板8、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂の混合物からなる別のシート17、第2の金属層18の順に位置合わせして重ねる。このとき、集電体層12と未硬化状態の熱硬化性の導電性物質15とは接触させておく。
【0026】
次に図19において、加圧しながら、硬化することで、固体電解コンデンサを内蔵化できる。このときの条件は、たとえば、温度が170〜260℃、加圧圧力が1.0〜10.0MPaの条件で行うことができる。そうすることで、未硬化状態の熱硬化性導電性物質15はインナービア19になり、シート17は電気絶縁性基板20になる。
【0027】
次に図20において、電気絶縁性基板20に、第1の貫通孔3より小さい孔径で、かつ貫通孔3の領域内を貫通する第2の貫通孔21を形成する。
【0028】
次に図21において、電気絶縁性基板20の貫通孔3の領域外に第3の貫通孔22を形成する。
【0029】
次に図22において、第3の貫通孔21の内壁に、弁作用を有する金属箔の露出部と第1の金属層16、第2の金属層18と電気的に接続する内部電極層23をめっき法により形成する。また、貫通孔22の内壁に、第1の金属層16、第2の金属層18と電気的に接続する内部電極層24をめっき法により形成する。めっき法の一例として、たとえば、内部電極層22は、アルミニウム箔の酸化層を酸処理にて酸化層を除去した後、亜鉛をアルミニウムと置換めっきを施した後、ニッケル、銅めっきを順次形成するなどの方法で行う。
【0030】
次に図23において、第1、第2の金属箔層16,18をパターニングして表層パターン25を形成し、固体電解コンデンサ内蔵基板を完成させる。
【0031】
なお、ICとSPC内蔵基板間に再配線目的のインターポーザ基板が中間層として挿入される場合も、有効である。
【0032】
本実施の形態の固体電解コンデンサ内蔵基板は、少なくとも表面に酸化被膜を形成した弁作用を有する金属箔上の表裏面の固体電解質層を形成しない部位に、第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を形成する第1工程と、この第1工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱または紫外線照射することによって、前記第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を硬化させる第2工程と、この第2工程で得た弁作用を有する金属箔に第1の貫通孔を設ける第3工程と、この第1の貫通孔を第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を充填する第4工程と、この第4工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱することによって、前記第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を硬化させる第5工程と、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とからなる混合物シートの表面を保護シートで覆うことで板状体を形成する第6工程と、前記板状体の固体電解質層を形成する位置に少なくとも1つの空隙をあける第7工程と、前記第5工程で得た弁作用を有する金属箔の表面と、前記第7工程で得た板状体の保護シートで保護されていない側を位置合わせして重ねる第8工程と、第8工程で得られた板状体を加圧・加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させ、電気絶縁性基板を形成する第9工程と、前記電気絶縁性基板の空隙形成部の隣接した保護シートで保護された部分に金属ペーストを塗布・硬化する第10工程と、第10工程で得られた電気絶縁性基板の表面の固体電解質層を形成する部位を残して、第3の未硬化状態の熱硬化性樹脂を塗布・硬化する第11工程と、前記固体電解質層を形成する部位に固体電解質層を形成する第12工程と、前記固体電解質層上に導電性ペーストを塗布、加熱硬化させて電極を形成する第13工程と、前記保護シートを除去する第14工程と、別の70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とからなる混合物シートを、位置合わせして、前記固体電解質層と接する位置に貫通孔を加工する第15工程と、未硬化状態の熱硬化性の導電性物質を前記貫通孔に充填する第16工程と、第1の金属層、前記板状体、前記電気絶縁性基板、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む混合物からなるシート、第2の金属層の順に位置合わせして、重ねる第17工程と、この第17工程で得られた電気絶縁性基板を加熱・硬化する第18工程と、この第18工程で得た電気絶縁性基板に少なくとも第1の貫通孔より小さい孔径で構成され、少なくとも前記第1の貫通孔の領域内を貫通する第2の貫通孔を形成する第19工程と、この第19工程で得た電気絶縁性基板の第1の貫通孔の領域外を貫通する第3の貫通孔を形成する第20工程と、前記第2および第3の貫通孔に導体を形成する第21工程と、前記第1および第2の金属層をパターニングして第1および第2の電極を形成する第22工程とを有する固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法であり、これにより固体電解コンデンサを内蔵する基板を容易に形成できる。
【0033】
また本実施の形態の固体電解コンデンサ内蔵基板において、保護シートの材料にポリフェニレンサルファイド樹脂を用いることにより、空隙加工性に富み、高温下においても寸法安定性に富むために、重合面積が一定となるので、容量のばらつきが小さくなる。また、耐溶剤性も優れているので、重合時に寸法変化、剥がれ等が回避される。
【0034】
また金属ペーストの材料に、ニッケルを用いることにより、印刷による形成方法で給電場所に制約がなく、異形状、一度に多数個の形成も可能であり、また、重合後は金属ペーストを取り除くことから、基板側にパターンの制約もなく、基板の高密度化・高機能化に寄与する。
【0035】
また、弁作用を有する金属箔に、アルミ、タンタル、ニオブのいずれかを用いることにより、表面に誘電体層となる酸化層を容易に形成できる。
【0036】
また、未硬化状態の液状の絶縁樹脂に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂およびポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一つの熱硬化性樹脂、または、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも一つの紫外線硬化性樹脂を含むことにより、弁作用を有する金属箔の表面の凹凸部を容易に被覆でき、高い絶縁性ができるとともに、70〜95重量%の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物と弁作用を有する金属箔との密着性を向上することができる。
【0037】
また、第1および第2の金属層の材料が銅を主成分とすることにより、エッチングによって容易に配線が形成できる。
【0038】
また、熱硬化性の導電性物質の材料が、金・銀・銅およびニッケルのいずれか一つの金属を含み、エポキシ樹脂を樹脂成分として含むことにより、電気伝導性が優れ、低抵抗を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように本発明の電解コンデンサ内蔵基板は、固体電解コンデンサを精度よく容易に製造できるとともに、高速ICと短配線で接続でき、低インピーダンス特性を有し、機器の高性能化、小型化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態による固体電解コンデンサ内蔵基板の断面図
【図2】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図3】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図4】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図5】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図6】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図7】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図8】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図9】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図10】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図11】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図12】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図13】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図14】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図15】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図16】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図17】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図18】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図19】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図20】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図21】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図22】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【図23】同実施の形態における、固体電解コンデンサ内蔵基板の工程断面図
【符号の説明】
【0041】
1 弁作用を有する金属箔
2、10 電気絶縁性樹脂層
3、14、21、22 貫通孔
4 電気絶縁性樹脂
5、13、17 シート
6 保護シート
7 空隙
8、20 電気絶縁性基板
9 金属ペースト
11 固体電解質層
12 集電体層
15 未硬化状態の熱硬化性導電性物質
16、18 金属層
19 インナービア
23、24 内部電極層
25 表層パターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表面に酸化被膜を形成した弁作用を有する金属箔上の表裏面の固体電解質層を形成しない部位に、第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を形成する第1工程と、
この第1工程で得た弁作用を有する金属箔を(加熱または紫外線照射することによって、)前記第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を硬化させる第2工程と、
この第2工程で得た弁作用を有する金属箔に第1の貫通孔を設ける第3工程と、
この第1の貫通孔を第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を充填する第4工程と、
この第4工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱することによって、前記第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を硬化させる第5工程と、
無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物からなるシートの表面を保護シートで覆うことで板状体を形成する第6工程と、
前記板状体の固体電解質層を形成する位置に少なくとも1つの空隙をあける第7工程と、
前記第5工程で得た弁作用を有する金属箔の表面と、前記第7工程で得た板状体の保護シートで保護されていない側を位置合わせして重ねる第8工程と、
前記第8工程で得られた第3の板状体を加圧・加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて第1の電気絶縁性基板を形成する第9工程と、
前記電気絶縁性基板の空隙形成部の隣接した保護シートで保護された部分に金属ペーストを塗布・硬化する第10工程と、
前記第10工程で得られた電気絶縁性基板の表面の固体電解質層を形成する部位を残して、第3の未硬化状態の熱硬化性樹脂を塗布・硬化する第11工程と、
前記固体電解質層を形成する部位に固体電解質層を形成する第12工程と、
前記固体電解質層上に導電性ペーストを塗布、加熱硬化させて電極を形成する第13工程と、
前記保護シートを除去する第14工程と、
別の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物からなるシートを、位置合わせして、前記固体電解質層と接する位置に貫通孔を加工する第15工程と、
未硬化状態の熱硬化性の導電性物質を前記貫通孔に充填する第16工程と、
第1の金属層、前記板状体、前記電気絶縁性基板、前記無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む混合物からなるシート、第2の金属層の順に位置合わせして、重ねる第17工程と、
この第17工程で得られた電気絶縁性基板を加熱・硬化する第18工程と、
この第18工程で得た電気絶縁性基板に、第1の貫通孔より小さい孔径で構成され、かつ前記第1の貫通孔の領域内を貫通する第2の貫通孔を形成する第19工程と、
この第19工程で得た電気絶縁性基板の第1の貫通孔の領域外を貫通する第3の貫通孔を形成する第20工程と、
前記第2および第3の貫通孔に導体を形成する第21工程と、
前記第1および第2の金属層をパターニングして第1および第2の電極を形成する第22工程を有する固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項2】
前記保護シートの材料は、基材がポリフェニレンサルファイド樹脂である請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項3】
前記金属ペーストの材料は、ニッケルである請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項4】
前記弁作用を有する金属箔は、アルミ、タンタル、ニオブのいずれかよりなる、請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項5】
前記未硬化状態の液状の絶縁樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂およびポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一つの熱硬化性樹脂、または、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも一つの紫外線硬化性樹脂を含む請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項6】
前記第1および第2の金属層の材料が銅を主成分とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項7】
前記熱硬化性の導電性物質の材料が金・銀・銅およびニッケルから選ばれる一つの金属を含み、エポキシ樹脂を樹脂成分として含む請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項1】
少なくとも表面に酸化被膜を形成した弁作用を有する金属箔上の表裏面の固体電解質層を形成しない部位に、第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を形成する第1工程と、
この第1工程で得た弁作用を有する金属箔を(加熱または紫外線照射することによって、)前記第1の未硬化状態の液状の絶縁樹脂を硬化させる第2工程と、
この第2工程で得た弁作用を有する金属箔に第1の貫通孔を設ける第3工程と、
この第1の貫通孔を第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を充填する第4工程と、
この第4工程で得た弁作用を有する金属箔を加熱することによって、前記第2の未硬化状態の熱硬化性絶縁樹脂を硬化させる第5工程と、
無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物からなるシートの表面を保護シートで覆うことで板状体を形成する第6工程と、
前記板状体の固体電解質層を形成する位置に少なくとも1つの空隙をあける第7工程と、
前記第5工程で得た弁作用を有する金属箔の表面と、前記第7工程で得た板状体の保護シートで保護されていない側を位置合わせして重ねる第8工程と、
前記第8工程で得られた第3の板状体を加圧・加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて第1の電気絶縁性基板を形成する第9工程と、
前記電気絶縁性基板の空隙形成部の隣接した保護シートで保護された部分に金属ペーストを塗布・硬化する第10工程と、
前記第10工程で得られた電気絶縁性基板の表面の固体電解質層を形成する部位を残して、第3の未硬化状態の熱硬化性樹脂を塗布・硬化する第11工程と、
前記固体電解質層を形成する部位に固体電解質層を形成する第12工程と、
前記固体電解質層上に導電性ペーストを塗布、加熱硬化させて電極を形成する第13工程と、
前記保護シートを除去する第14工程と、
別の無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物からなるシートを、位置合わせして、前記固体電解質層と接する位置に貫通孔を加工する第15工程と、
未硬化状態の熱硬化性の導電性物質を前記貫通孔に充填する第16工程と、
第1の金属層、前記板状体、前記電気絶縁性基板、前記無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む混合物からなるシート、第2の金属層の順に位置合わせして、重ねる第17工程と、
この第17工程で得られた電気絶縁性基板を加熱・硬化する第18工程と、
この第18工程で得た電気絶縁性基板に、第1の貫通孔より小さい孔径で構成され、かつ前記第1の貫通孔の領域内を貫通する第2の貫通孔を形成する第19工程と、
この第19工程で得た電気絶縁性基板の第1の貫通孔の領域外を貫通する第3の貫通孔を形成する第20工程と、
前記第2および第3の貫通孔に導体を形成する第21工程と、
前記第1および第2の金属層をパターニングして第1および第2の電極を形成する第22工程を有する固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項2】
前記保護シートの材料は、基材がポリフェニレンサルファイド樹脂である請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項3】
前記金属ペーストの材料は、ニッケルである請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項4】
前記弁作用を有する金属箔は、アルミ、タンタル、ニオブのいずれかよりなる、請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項5】
前記未硬化状態の液状の絶縁樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂およびポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一つの熱硬化性樹脂、または、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも一つの紫外線硬化性樹脂を含む請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項6】
前記第1および第2の金属層の材料が銅を主成分とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項7】
前記熱硬化性の導電性物質の材料が金・銀・銅およびニッケルから選ばれる一つの金属を含み、エポキシ樹脂を樹脂成分として含む請求項1に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2007−281109(P2007−281109A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−103774(P2006−103774)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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