説明

土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅

【課題】高気密・高断熱住宅および完全電化住宅において、暖房効率と冷房効率を向上させ、電力会社の日中商用電力や深夜電力、太陽光発電で得られた電力のみを利用して、電気の自給自足を行うことが可能な住宅の提供する。
【解決手段】高気密高断熱住宅Hは床下空間10から一階居住部20と二階居住部21と小屋裏空間30までを連通化した屋内通気空間を形成し、床下空間10には土間断熱部11と蓄熱コンクリート12を設け、蓄熱コンクリート12の内部には放熱パイプ13を埋設し、放熱パイプ13には蓄熱式電気ボイラーまたは電気式冷却水供給装置からの配管が接続されることで空気調節機能14を形成させ、太陽光発電装置Sと電力電制御装置Wからの電力W1と、電力会社からの日中商用電力W2と深夜電力W3のみで稼動する完全電化住宅。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムを設け、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、床下空間から小屋裏空間までを連通化する屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅および完全電化住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、かつ、床下空間から小屋裏空間までを連通化する屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅が多く建築されるようになってきた。一般的には、エアサイクル住宅とかパッシブエアサイクル住宅と呼ばれているシステムが知られているが、いわゆる夏涼しく冬温かい室内環境にしたり、外気の湿気や乾燥等に影響されることなく、室内を快適な湿度に保つことや、住宅内の壁体や断熱材への結露対策が充分でない施工例が多い。そのため、これらの問題を解決するために多くの開発者たちによって多くの開発例が見られるようになってきたが、暖房効率や換気効率に改善すべき問題点があることを業界関係者は指摘していた。
【0003】
そこで、本願発明者は2005年8月24日に、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、かつ、床下空間から小屋裏空間までを連通化する屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅において、床下空間の土間を土間暖房構造とし、床下空間には外壁・床下吸気口を設け、居住部の周囲に居住部周囲通気空間を形成し、また居住部には通気空間・室内吸気口を設け、小屋裏空間には開閉自在手段を備えた換気扇を設け、外壁と壁断熱部との間に外壁通気空間を設け、屋根と屋根断熱部との間に屋根通気空間を設け、また屋根頂部には棟換気部を設けた、住宅の暖房・換気構造に関する開発案件の特許出願を行なった。(特願2005−272720号を参照する)
ところが、特願2005−272720号の発明では、暖房効率が発明の目的を達成するレベルであったが、それが故に冬季においては家屋内が乾燥し過ぎるという問題が生じ、本願発明者は、2007年9月5日に、高気密高断熱住宅で床下暖房手段を設けた住宅において、多湿空気や乾燥空気、汚染された空気などを床下空間に取り入れた場合でも快適化させた空気を住宅内部に供給する手段の提供を目的とし、その構成が、高気密高断熱住宅は、床下空間と床下暖房構造、居住部と周囲に形成させた居住部周囲通気空間、居住部と周囲に形成させた居住部周囲通気空間、小屋裏空間と任意の位置に設けた開閉自在換気扇を設け、また、外壁と壁断熱部との間に外壁通気空間を設け、屋根と屋根断熱部との間に屋根通気空間を設け、また屋根頂部には棟換気部を設け、床下暖房構造は、蓄熱コンクリートと内部に埋設された放熱手段で形成され、基礎断熱部の上部に設けられ、また床下空間には外壁・床下吸気口を設け、居住部には室内吸気口と壁面・室内排気口を設け、居住部には室内吸気口と壁面・室内排気口を設け、除湿手段は蓄熱コンクリートの表面に設置する、という開発を実施した。(特願2007−261371号を参照する)
ところが、本願発明者が特願2005−272720号の技術や、特願2007−261371号の技術を基にした建築物を多数施工した結果、計画した通りに暖房効率や家屋内の快適化を向上させた住宅を多数、消費者に提供することができるようになったが、購入予定者や消費者からは、さらに電気代を低減できる住宅や地球環境問題に貢献できる住宅の開発を所望される場合が多くなってきた。
【0004】
また、近年になって、住宅のエネルギー関連費用を軽減させる手段の一つとして太陽光発電システムの需要が伸びてきており、その理由の幾つかが、電力会社による、一般家庭用の自家発電装置(太陽光発電、風力発電、燃料電池、ヒートポンプによる発電、マイクロガスタービンによる発電、など)からの余剰電力の買電制度の存在や、電力会社の深夜電力の余剰電力対策として、深夜電力の低料金制度の存在が関連していると指摘されている。
【0005】
そこで、一般住宅に太陽光発電システムを導入し、余剰電力の買電制度または深夜電力の低料金制度を導入した住宅の開発案件が増大してきた。
例えば、電力費の安い深夜電力と、太陽電池から得られる電力とが併用されて住宅内部の電力設備に利用されることにより、電力設備のコストダウン化が図られ、快適な居住空間を得ることが可能な高気密断熱住宅における電力供給システムの提供を目的とし、その構成が、気密性が高い住宅が構築され、かつ壁部等に形成される窓等の開口部も断熱性及び気密性が高めらて施工され、住宅内の空気が住宅内の一箇所から総括的に排気するようにした空調装置や、住宅内の給湯を賄う給湯装置等の家庭用電力設備が設置され、これら家庭用電力設備は、太陽電池若しくは深夜電力から得られた電力を充電する蓄電池と、この蓄電池への電力充電方式を制御するコントローラーとを主要構成部とした太陽電池システムにより電力が供給される、高気密断熱住宅における電力供給システムの開発案件が知られている。(特開平5−95639号公報を参照する)
【0006】
また、例えば、エネルギー利用効率が良く、無駄な資源の消費を抑えることができ、また冷暖房時の熱回収効率の良いシステム住宅の実現を課題とし、解決手段として、太陽光により電力を発電して各電気器具に供給する太陽光発電システムと、建物外から取り入れた外気を建物内の空気と熱交換して排気する熱交換型の集中換気システムと、生活排水を浄化手段により浄化して再利用する水処理システムとを備える、システム住宅の開発案件が知られている。(特開平10−317687号公報を参照する)
【0007】
また、例えば、電気の自給自足を行うことが可能な住宅を提供することを課題とし、解決手段として、太陽光を電気に変換して利用するための太陽光発電装置を備えた住宅において、気密性および断熱性が高く設定された外殻部と、電気を動力源とし、同じ能力で消費電力が少ない省エネルギー対策が施された省電力機器とを備え、住宅で消費される電気が少なくなり、太陽光発電装置で発電した電気で住宅で消費する全ての電気を賄えることが年間を通してでき、住宅における電気の自給自足ができ、省電力機器の使用により余った電力(余剰電力)を電力会社に逆潮させることで、夜間に消費する電力を蓄える蓄電池等が不要となる住宅の開発案件が知られている。(特開2001−81981号公報を参照する)
【0008】
また、例えば、高断熱・高気密住宅の暖房及び給湯を深夜電力を利用した蓄熱式電気ボイラー装置で行い、低温暖房によって健康的で快適、安全かつ省エネで経済的な高断熱・高気密住宅用暖房、給湯もしくは消雪システムの提供を課題とし、解決手段として、深夜電力を利用して加温され蓄熱槽に貯水された温水を配管を通して三方弁が設けられた回路を循環させて暖房用パネルヒーターにおいて低温輻射熱により住宅内の暖房を行う暖房システムとし、温水循環経路の所定位置に熱交換器を付設し、水道水を該熱交換器を経由して供給することで蓄熱槽内の温水の熱によって瞬時に水道水が温められ、各供給源へ温水を供給する給湯システムを構成して暖房と給湯システムが一体化された完全密閉式のシステムとすることで、一つの熱源で暖房・給湯・消雪が同時に行うことが可能で、高断熱・高気密住宅における熱エネルギーの効率的な利用が可能となる開発案件が知られている。(特開2004−108759号公報を参照する)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、特開平5−95639号公報の高気密断熱住宅における電力供給システムの開発案件では、使用電力コストの低減化を狙って電力会社から送電される外部系統の深夜電力を住宅用蓄電池に蓄積して、コストの安い深夜電力を利用できるようにすることと併せて、イニシャルコスト以外には費用の掛からない太陽光発電装置によって得られた電力を利用できるようにすることを目標とするが、この案件では住宅用蓄電池や電気自動車の蓄電池が満充電であったり、日中の住宅用電気設備の電力消費が少ない場合等には、折角、太陽光発電装置で発電してもその発電電力が無駄になってしまうばかりでなく、夕刻から深夜に亘る時間帯での使用電力が多くて日中に住宅用電池に蓄えた電力が不足するような場合には、不足分を深夜電力で補なわなければならず、結局、深夜電力使用料金が嵩んでしまうことになる。
【0011】
また、特開平10−317687号公報のシステム住宅の開発案件では、エネルギー利用効率が良く、無駄な資源の消費を抑えることができ、また冷暖房時の熱回収効率の良いシステム住宅の実現を課題とし、解決手段として、太陽光により電力を発電して各電気器具に供給する太陽光発電システムと、建物外から取り入れた外気を建物内の空気と熱交換して排気する熱交換型の集中換気システムとを備えることを特徴とするが、熱交換器の存在が必要不可欠な案件であり、かつその分余計な配管工事が必要であり、この発明に基づいた住宅のエネルギー利用効率が計画通りに発揮されないのではないかという懸案をする業界関係者もいる。
【0012】
また、特開2001−81981号公報の夜間に消費する電力を蓄える蓄電池等が不要となる住宅の開発案件では、太陽光を電気に変換して利用するための太陽光発電装置を備えた住宅において、気密性および断熱性が高く設定された外殻部と、電気を動力源とし、同じ能力で消費電力が少ない省エネルギー対策が施された省電力機器とを備え、住宅で消費される電気が少なくなり、太陽光発電装置で発電した電気で住宅で消費する全ての電気を賄えることが年間を通してでき、住宅における電気の自給自足ができ、省電力機器の使用により余った電力(余剰電力)を電力会社に逆潮させることで、自給自足を行うことが可能な住宅の提供を試みたが、一般住宅のエネルギー利用効率では暖房効率と冷房効率が大部分を占めている現状ではこの発明に基づいた住宅では暖房効率と冷房効率を向上させるための手段が包含されてないので、エネルギー利用効率が計画通りに発揮されないのではないかという懸案をする業界関係者もいる。
【0013】
また、特開2004−108759号公報の高断熱・高気密住宅における熱エネルギーの効率的な利用が可能となる開発案件では、深夜電力を利用して加温され蓄熱槽に貯水された温水を配管を通して三方弁が設けられた回路を循環させて暖房用パネルヒーターにおいて低温輻射熱により住宅内の暖房を行う暖房システムとし、温水循環経路の所定位置に熱交換器を付設し、水道水を該熱交換器を経由して供給することで蓄熱槽内の温水の熱によって瞬時に水道水が温められ、各供給源へ温水を供給する給湯システムを構成して暖房と給湯システムが一体化された完全密閉式のシステムとすることで、一つの熱源で暖房・給湯・消雪が同時に行うことが可能になることによって、高断熱・高気密住宅の暖房及び給湯を深夜電力を利用した蓄熱式電気ボイラー装置で行い、低温暖房によって健康的で快適、安全かつ省エネで経済的な高断熱・高気密住宅用暖房、給湯もしくは消雪システムの提供を試みたが、本案は少なくとも熱交換器の存在が必要不可欠な案件であり、かつその分余計な配管工事が必要であり、この発明に基づいた住宅のエネルギー利用効率が計画通りに発揮されないのではないかという懸案をする業界関係者もいる。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、高気密・高断熱住宅および完全電化住宅において、暖房効率と冷房効率を向上させ、電力会社の日中商用電力や深夜電力、太陽光発電で得られた電力のみを利用して、電気の自給自足を行うことが可能な住宅の提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
課題を解決するための第一の手段(請求項1)は、太陽光発電システムを設け、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、床下空間から小屋裏空間までを連通化する屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅および完全電化住宅において、前記床下空間に空気調節機能を備えさせ、前記空気調節機能は土間を基礎断熱部と土間断熱部と蓄熱コンクリートで形成し、前記蓄熱コンクリートの内部には放熱パイプを設け、前記蓄熱コンクリートの表面には空気調節手段を設けたことを特徴とする、土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅を提供する。
【0016】
課題を解決するための第一の手段で示した太陽光発電システムに関しては、太陽光を電気に変換して利用するための太陽光発電装置と、前記太陽光発電装置で発電される直流電力を交流電力に変換したり、この交流電力を前記住宅内に設けられた電気装置に供給したり、前記太陽光発電装置で発電される電力量が前記住宅の消費電力を超えた場合の余剰となった交流電力を電力会社に売電する手段を備えた電力電制御装置、で構成される。前記太陽光発電装置に関しては、一般的には住宅の屋根部に固定されるが、屋根部以外でも設置は可能である。また、住宅の屋根部と一体化された太陽光発電装置の使用も可能である。また、一般家庭で使用される消費電力は、約4〜5kwである場合が多いので、前記太陽光発電装置の発電量もこれに対応できる発電量が好ましい。
前記電気装置に関しては、蓄熱装置、電気ボイラー、蓄熱式電気ボイラー、電気式暖房装置、電気式冷房装置、電気式冷却水供給装置、電気式空調装置、電気式給湯設備、調理加熱装置、照明装置、ヒートポンプ式電気給湯装置、などを想定している。
前記電力電制御装置に関しては、昼間太陽光発電可能時には太陽光発電電力を、曇天時や雨天時や日没時には商用電力を、深夜時間帯に必要とするときに深夜電力を、前記電気装置に供給できるようになっていて、例えば昼間太陽光発電時間帯に太陽光発電電力が設定値以上のとき余剰電力として電力会社に売却するようになっている。
【0017】
また、前記蓄熱装置に関しては、貯水タンクを少なくとも2つ備えた構造になっていることが好ましく、第一貯水タンクには温水(略30℃〜略50℃)または熱水(略50℃〜略100℃)が貯水できるようになっており、第二貯水タンクには室温水(略10℃〜略30℃)または冷水(略0℃〜略10℃)が貯水できるようになっているのが好ましく、さらに前記貯水タンクには夫々温度制御式の三方弁を備えたタイプの使用が好ましい。
また、前記蓄熱式電気ボイラーまたは電気式給湯設備に関しては、一般的には一つの貯湯タンクを備えているタイプが多いが、本発明では貯水タンクを少なくとも2つ備えた構造になっていることが好ましく、第一貯水タンクには温水(略30℃〜略50℃)または熱水(略50℃〜略100℃)が貯水できるようになっており、第二貯水タンクには室温水(略10℃〜略30℃)または冷水(略0℃〜略10℃)が貯水できるようになっているのが好ましく、さらに前記貯水タンクには夫々温度制御式の三方弁を備えたタイプの使用が好ましい。
また、前記電気式冷却水供給装置に関しては、一般的には一つの貯水タンクを備えているタイプが多いが、本発明では貯水タンクを少なくとも2つ備えた構造になっていることが好ましく、第一貯水タンクには室温水(略10℃〜略30℃)または冷水(略0℃〜略10℃)が貯水できるようになっており、第二貯水タンクには冷水(略0℃〜略10℃)または室温水(略10℃〜略30℃)が貯水できるようになっているのが好ましく、さらに前記貯水タンクには夫々温度制御式の三方弁を備えたタイプの使用が好ましい。
また、前記ヒートポンプ式電気給湯装置に関しては、一般的には一つの貯湯タンクを備えているタイプが多いが、本発明では貯水タンクを少なくとも2つ備えた構造になっていることが好ましく、第一貯水タンクには温水(略30℃〜略50℃)または熱水(略50℃〜略100℃)が貯水できるようになっており、第二貯水タンクには室温水(略10℃〜略30℃)または冷水(略0℃〜略10℃)が貯水できるようになっているのが好ましく、さらに前記貯水タンクには夫々温度制御式の三方弁を備えたタイプの使用が好ましい。
【0018】
課題を解決するための第一の手段で示した床下空間から小屋裏空間までを連通化する屋内通気空間に関しては、床下空間には外壁面と床下空間を連通する外壁・床下吸気口を設け、居住部の周囲に前記屋内通気空間を設けるようにした居住部周囲通気空間を形成し、また居住部には外壁面と室内を連通する壁面・室内排気口と前記屋内通気空間と室内を連通する通気空間・室内吸気口を設け、小屋裏空間の任意の位置には開閉自在手段を備えた換気扇を設け、外壁と壁断熱部との間に外壁通気空間を設け、屋根と屋根断熱部との間に屋根通気空間を設け、また屋根頂部には棟換気部を設け、外気と前記外壁通気空間と前記屋根通気空間と前記棟換気部を連通かしてあることが好ましい。
【0019】
課題を解決するための第一の手段で示した空気調節機能に関しては、例えば外気温度が肌寒いと感じられる場合(例えば18℃以下)に暖房として機能するようになっていることを示し、例えば外気温度が暑いと感じられる場合(例えば28℃以上)に冷房として機能するようになっていることを示している。
課題を解決するための第一の手段で示した蓄熱コンクリートに関しては、その内部には放熱パイプが埋設されるが、埋設する手段や位置に関しては、設計者の判断に委ねられる。なお、前記放熱パイプに温水(略30℃〜略50℃)または熱水(略50℃〜略100℃)が通るようになると前記空気調節機能は暖房として機能し、前記放熱パイプに冷水(略0℃〜略10℃)が通るようになると前記空気調節機能は冷房として機能することになる。また、前記蓄熱コンクリートを構成する成分に関しては、蓄熱性を備えた材料を所定量混合したコンクリートであり、その比率に関しては本発明を利用する設計者に委ねられる。
また、前記放熱パイプ内に通水される温水は、前記蓄熱装置を用いるとすれば前記三方弁を介して第一貯水タンクから送水され、前記蓄熱式電気ボイラーを用いるとすれば前記三方弁を介して第一貯水タンクから送水され、電気式給湯設備を用いるとすれば前記三方弁を介して第一貯水タンクから送水され、前記ヒートポンプ式電気給湯装置を用いるとすれば前記三方弁を介して第一貯水タンクから送水されるものとする。
また、前記放熱パイプ内に通水される熱水は、前記蓄熱装置であれば前記三方弁を介して第一貯水タンクから送水され、前記蓄熱式電気ボイラーであれば前記三方弁を介して第一貯水タンクから送水され、電気式給湯設備であれば前記三方弁を介して第一貯水タンクから送水され、前記ヒートポンプ式電気給湯装置であれば前記三方弁を介して第一貯水タンクから送水されるものとする。
また、前記放熱パイプ内に通水される室温水は、前記蓄熱装置であれば前記三方弁を介して第二貯水タンクから送水され、前記蓄熱式電気ボイラーであれば前記三方弁を介して第二貯水タンクから送水され、電気式給湯設備であれば前記三方弁を介して第二貯水タンクから送水され、前記電気式冷却水供給装置であれば前記三方弁を介して第一貯水タンクまたは第二貯水タンクから送水され、前記ヒートポンプ式電気給湯装置であれば前記三方弁を介して第二貯水タンクから送水されるものとする。
また、前記放熱パイプ内に通水される冷水は、前記蓄熱装置であれば前記三方弁を介して第二貯水タンクから送水され、前記蓄熱式電気ボイラーであれば前記三方弁を介して第二貯水タンクから送水され、電気式給湯設備であれば前記三方弁を介して第二貯水タンクから送水され、前記電気式冷却水供給装置であれば前記三方弁を介して第一貯水タンクまたは第二貯水タンクから送水され、前記ヒートポンプ式電気給湯装置であれば前記三方弁を介して第二貯水タンクから送水されるものとする。
【0020】
課題を解決するための第一の手段で示した空気調節手段に関しては、除湿手段や加湿手段や空気浄化手段や空気活性化手段などから選択して利用できる。
なお、前記除湿手段に関しては、湿度を減少させる作用を示し、前記加湿手段に関しては、湿度を増加させる作用を示すが、一般的に湿度というと「絶対湿度」と「相対湿度」が知られており、絶対湿度は大気中の水蒸気の量であり空気1m中の水蒸気のグラム数で表し、相対湿度は空気中に含む事ができる水蒸気量に対して、実際の水蒸気量の割合を%で示す。つまり、相対湿度の式は次のようになる。相対湿度(%)=絶対湿度(g)÷飽和水蒸気量(g)。絶対湿度(g)は空気中に存在する水蒸気の量であり、飽和水蒸気量とは空気が含む事のできる水蒸気量のことで、相対湿度が100%の時に存在する水蒸気量である。相対湿度は温度が高くなると低下し、飽和水蒸気量は温度が高くなると増加し温度が低くなると減少する関係になる。すなわち、空気中に含む事ができる水蒸気量(飽和水蒸気量)は、暖かくなると増え、冷たくなると減るのである。よって、相対湿度は、気温の高い日中は低くなり、気温の低い夜間は高くなる傾向にある。つまり、気温が高めの日は除湿手段が有効になるようにすれば、前記住宅内の除湿に対するエネルギー消費が軽減され、気温が低めの日は加湿手段が有効になるようにすれば前記住宅内の加湿に対するエネルギー消費が軽減されることになる。
また、前記除湿手段に関しては、例えば、前記床下空間の温度が約20℃のときの相対湿度が約70%以上の空気の場合に関しては、相対湿度を約70%以下にするための手段、例えば、前記床下空間の温度を約20℃以上にする手段、前記床下空間の空気中の水蒸気を減少させる手段(水分吸着性材料の使用、凝縮装置の使用、除湿装置の使用、などを単独または組合わせて用いる)などを単独または組合わせて用いることが可能である。また、例えば、木炭や竹炭、多孔質無機粉体(ゼオライト、タルク、カオリン、珪藻土、活性白土、イライト、モンモリロナイト、クレイ、コージェライト、セピオライトなどが知られており、単独で用いても効果は十分であるが、組合わせて用いることで効果は向上する、例えばモンモリロナイトとカオリナイト、例えば珪藻土とカオリナイト、例えばモンモリロナイトと珪藻土等であるが、とにかく数多くの組合わせが可能なのでここでは一例を記した。)、セルロース系組成物、多糖類、などを単独または組合わせて用いることが好ましい。
また、前記珪藻土に関しては、細粉化して1μm〜1mmの粒子径となるようにしたもので、例えば、平均粒径5μmの場合で1g当たり20平方メートルもの表面積を有し、この粒子の多孔構造によって空気中の水分を吸着・放出する性質を有する。このため、このような性質を有する珪藻土を本発明に使用することで、この多孔の性質によってコーティング面に付着した水分を吸収することができ、また、空気中に含まれる水分を吸着・放出して室内空間の湿度を均一に保つことができるようになる。
また、前記ゼオライトに関しては、ケイ酸(SiO)や酸化アルミニウム(AlO)を主成分とするもので、イオン交換性能を有し、脱水しても結晶構造が変化せず、脱水した後に分子サイズの多孔が得られるという性質を有するものである。このため、このような性質を有するゼオライトを成分として含むと、空気中に存在する化学物質やアンモニア系の臭い、臭い原因物質、臭い分子等を吸着分解することができるようになる。このゼオライトには、天然に存在する天然ゼオライトと、人工的に合成した合成ゼオライトが存在するが、どちらも使用可能である。
また、前記加湿手段に関しては、例えば、前記床下空間の温度が約20℃のときの相対湿度が約40%以下の空気の場合に関しては、前記床下空間の相対湿度を約40%以上にするための手段、例えば、空気中の水蒸気を増加させる手段として前記蓄熱コンクリートの表面に散水する手段、前記床下空間に加湿器を設ける、などを単独または組合わせて用いることが可能である。
前記加湿器に関しては、一般的には、市販されているタイプが使用でき、例えば、一般的加湿器の空気吸込口から吸込まれた前記床下空間の空気は、加湿器の内部でヒーター式、超音波式、気化式など種々の方式により、加湿空気として、吐出口から吹き出され前記床下空間に供給されることになる。
また、前記加湿手段の一例が、加湿用の水を蓄えたタンクと、このタンクより揚水して水を微細化する水微細化手段と、微細化された水と吸い込んだ空気を混合して加湿空気を送り出す送風手段と、この送風手段の下流側に設けた気水分離手段とから構成される加湿器と、前記タンクに給水するための給水ユニットと、前記加湿器外へ排水するための排水ユニットとを前記床下空間に備えることも可能であり、前記加湿手段の一例が、水微細化すると同時に水をマイナスイオン化して放出する加湿器を前記床下空間に備えることも可能である。
また、前記蓄熱コンクリートの表面に散水する手段の一例が、前記床下空間に設けられた水道管に制御バルブを介して接続された給水パイプに設けられた少なくとも一個の散布ノズルまたは散水ノズルまたは噴霧バルブからの水分によって前記蓄熱コンクリートの表面または内部に水分が含まれるようにする。また、これらの装置を用いて、前記床下空間に前記給水パイプからの水分が散布されたり噴霧されるようにしてもよい。また、前記給水パイプの制御手段は手動でも電子制御でも電気制御でも電磁気制御でも構わない。また、電子制御や電気制御や電磁気制御の場合はアナログ制御でもデジタル制御でもこれらの組合せでも構わない。また、電子制御や電気制御や電磁気制御の場合は、無線制御でも有線制御でも構わない。
【0021】
また、前記空気浄化手段に関しては、空気中に微粒子や人体にとって有害な気体が含まれる汚染空気から空気と微粒子や有害気体を分離することが可能な手段であれば何を用いても構わないが、一般的には、微粒子吸着フィルターや有害気体フィルターを用いた有害気体吸着手段などが利用されていて、一般的に入手可能な微粒子フィルターや有害気体フィルターを用いればよく、本発明では前記床下空間の内部に設けることも可能である。
また、前記空気活性化手段に関しては、遠赤外線効果やマイナスイオン効果などが一般的に知られるようになってきており、例えば遠赤外線の特性に関しては、赤外線は波長0.75〜4.0μの近赤外線と、波長4.0〜1,000μの遠赤外線とに、波長により区分される。遠赤外線は、近赤外線に比べ光子エネルギーは小さいが浸透力が強く、生体内部にまで到達し加温する。物体は外部から種々の形でエネルギーを受け、これをまた種々の形で外部に放射しているが、このうち遠赤外線を多く放射するものが遠赤外線放射体であり、本発明では遠赤外線放射体に関しては何を用いてもよく特に制限はない。例えばマイナスイオンの特性に関しては、「健康に良い」、「人体に好影響を及ぼす」ことが公知になってきているが、マイナスイオンは、自然界では「滝の周囲」で一番多く観測されており、例えば、空気1ccあたりで約12,000〜15,000個存在することが公知になっており、本発明ではマイナスイオン生成手段に関しては何を用いてもよく特に制限はない。
また、物質の中には遠赤外線放射体でありマイナスイオン生成手段でもある物質が知られており、例えば、炭、酸化金属の中の一部、鉱物質の一部の中に存在することが知られていて、本発明ではこれらの物質の利用が好ましい。
【0022】
課題を解決するための第二の手段(請求項2)は、前記土間空気調節機能を強化させる手段として、前記蓄熱コンクリートの表面および前記屋内通気空間の一部または全体に炭系素材粉体または鉱物質粉体または金属酸化物粉体またはセラミック質粉体を用いたコーティング組成物を所定の厚さにコーティングすることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅を提供する。
【0023】
課題を解決するための第二の手段で示した土間空気調節機能を強化させる手段に関しては、暖房として機能する場合は暖房効率が向上する手段を示し、冷房として機能する場合は冷房効率が向上する手段を示している。
例えば、冬季において、前記土間空気調節機能が土間暖房として機能した場合は、前記外壁・床下吸気口からの冷たい外気は、前記蓄熱コンクリートの表面からの輻射熱によって温風に変化し、この温風が前記屋内通気空間を介して床下空間や居住部や小屋裏空間を暖め、床下空間で温められ充満した外気は上昇気流となって床下空間から前記居住部周囲通気空間の方へ流れ、さらに前記居住部周囲通気空間から小屋裏空間の方へ流れ、前記小屋裏空間に設けられた開閉自在換気扇より排気される。前記開閉自在換気扇に関しては、夏季は開放され、冬季は閉じられるように形成した制御ユニットにより、全自動、半自動、手動の中から選択され用いられる。前記開閉自在換気扇の能力、寸法、数は、設計者の判断に委ねられる。したがって、投入エネルギーが同じで前記蓄熱コンクリートの表面からの輻射熱が向上することは暖房効率が向上することになる。
また、例えば、夏季において、前記土間空気調節機能が土間冷房として機能した場合は、前記外壁・床下吸気口からの温かい外気は、前記蓄熱コンクリートの表面で冷やされ冷風に変化し、この冷風が前記屋内通気空間を介して床下空間や居住部や小屋裏空間を冷やし、前記小屋裏空間に設けられた開閉自在換気扇より排気される。前記開閉自在換気扇に関しては、夏季は開放され、冬季は閉じられるように形成した制御ユニットにより、全自動、半自動、手動の中から選択され用いられる。前記開閉自在換気扇の能力、寸法、数は、設計者の判断に委ねられる。したがって、投入エネルギーが同じで前記蓄熱コンクリートの表面での冷風化が向上することは冷房効率が向上することになる。
【0024】
課題を解決するための第二の手段で示した炭系素材粉体に関しては、竹炭粉体、木炭粉体、活性炭の粉体、活性化木炭の粉体、白炭粉体、黒炭粉体、備長炭粉体、椰子ガラ活性炭の粉体、籾殻炭の粉体、カーボンブラック粉体、石炭粉体、その他炭素化合物、などの中から少なくとも1種以上組合せて用いることが、本発明では好ましい。
また、前記活性炭粉体に関しては、鋸屑、ヤシ殻炭などの植物、石炭コークス、石油ピッチなどの鉱物、家畜の骨等の動物、アクリル樹脂、フェノール樹脂などのプラスチック廃棄物などの合成樹脂等を原料としてもよい。
また、前記炭系素材粉体の作用に関しては、一般的に知られている木炭の場合では数ミクロンから数百ミクロンの微細孔を備えており、塗装面表面において木炭粉末の粒子が空気と接触することでこの微細孔が湿度の高いときは水分を吸着し、乾燥しているときには水分を放出する調湿効果や、人体に悪影響を及ぼすとされるプラスイオンの吸着若しくは中和をする効果が知られている。
また、前記炭系素材粉体の平均粒径に関しては、平均粒径が約1μmから約1mmの粉末の使用が好ましい。1μm以下ではコスト的条件が厳しくなり本発明の普及という使命から好ましくなく、1mm以上では分散性の問題と本発明における性能要求の観点から好ましくない。
【0025】
課題を解決するための第二の手段で示した鉱物質粉体に関しては、例えば粘土鉱物と称されているタイプもあり、例えば、岩石・鉱物が風化分解、あるいは変成作用によってできた、きわめて微細な粒子の集合体であり、一般的には平均粒径5μm未満のものをいうが、成分が、SiO、SiO、AL、Fe、MgO、CaO、TiO、KO、MnO、ZnO、AgO、GeO、GeO、SnO、SnO、Fe、FeO、CuO、などから一種以上含まれたタイプであれば何を用いても構わない。なお、前記鉱物質成分を含んだ鉱物質粉体に関しては、ゼオライト、タルク、カオリン、珪藻土、活性白土、イライト、モンモリロナイト、クレイ、コージェライト、セピオライトなどが知られており、単独で用いても効果は十分であるが、組合わせて用いることで効果は向上する、例えばモンモリロナイトとカオリナイト、例えば珪藻土とカオリナイト、例えばモンモリロナイトと珪藻土等であるが、とにかく数多くの組合わせが可能なのでここでは一例を記した。また、前記珪藻土に関しては、細粉化して1μm〜1mmの粒子径となるようにしたもので、例えば、平均粒径5μmの場合で1g当たり20平方メートルもの表面積を有し、この粒子の多孔構造によって空気中の水分を吸着・放出する性質を有する。このため、このような性質を有する珪藻土を本発明に使用することで、この多孔の性質によってコーティング面に付着した水分を吸収することができ、また、空気中に含まれる水分を吸着・放出して室内空間の湿度を均一に保つことができるようになる。また、前記ゼオライトに関しては、ケイ酸(SiO)や酸化アルミニウム(AlO)を主成分とするもので、イオン交換性能を有し、脱水しても結晶構造が変化せず、脱水した後に分子サイズの多孔が得られるという性質を有するものである。このため、このような性質を有するゼオライトを成分として含むと、空気中に存在する化学物質やアンモニア系の臭い、臭い原因物質、臭い分子等を吸着分解することができるようになる。このゼオライトには、天然に存在する天然ゼオライトと、人工的に合成した合成ゼオライトが存在するが、どちらも使用可能である。
【0026】
課題を解決するための第二の手段で示した金属酸化物粉体に関しては、SiO、SiO、AL、Fe、MgO、CaO、TiO、KO、MnO、ZnO、AgO、GeO、GeO、SnO、SnO、Fe、FeO、CuO、などから少なくとも一種を選択して用いることができ、平均粒径0.1μmから1mmの粉末を用いるのが好ましい。
【0027】
課題を解決するための第二の手段で示したセラミック質粉体に関しては、前記セラミックス体の構成材料として、前記酸化金属の粉体、前記鉱物質粉体、の中から少なくとも1種以上の所定量の粉体から組み合され成形された後に焼成された物体が一般的には陶磁器と称されている物体であり、前記セラミック質粉体は前記陶磁器を粉体にしたものであり、前記陶磁器粉体の粒度に関しては、平均粒径0.1μmから1mmの粉末を用いるのが好ましい。
前記コーティング手段に関しては、刷毛、ローラー、噴霧装置、吹き付け手段などを用いて、前記蓄熱コンクリートの表面および前記屋内通気空間の一部または全体に、前記または後述するコーティング組成物を付着させるようにしたものであれば、どんなタイプのものでも使用可能である。
【0028】
課題を解決するための第二の手段で示したコーティング組成物に関しては、前記粉体の単独または組合わせた所定量を水または無機バインダーに溶解させ混練して、前記蓄熱コンクリートの表面および前記屋内通気空間の一部または全体に前記コーティング手段を用いてコーティングできるように形成させた組成物であれば何を用いても構わないが、例えば、水または無機バインダー100重量部に対して約1重量%〜30重量%の範囲内で前記粉体組成物を含有させたり、好適には、5重量%〜20重量%の範囲内で前記粉体組成物を含有させたりして、塗料組成物にすることで、前記蓄熱コンクリートの硬化後の表面に少なくとも50%以上の面積に塗布して用いても良い。
なお、前記無機バインダーに関しては、アルキルシリケート、ハロゲン化ケイ素およびこれらの部分加水分解物などの加水分解性ケイ素化合物を加水分解して得られた生成物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、シリカ、コロイダルシリカ、水ガラス、オルガノポリシロキサン、などのケイ素化合物の中から少なくとも1種類選択して用いることができる。例えば、前記水ガラスに関しては、一般的には珪酸カリウムや珪酸ナトリウム等の濃厚水溶液のことを示し、一般的に市販されている水ガラスは水を100重量部であるとすると、前記珪酸カリウムや珪酸ナトリウムは10〜30重量部位の濃厚水溶液が利用されており、本発明では珪酸ナトリウムの約20重量部程度の濃厚水溶液を適量用いるものとする。また、水ガラスは融点が1,000℃以上であり、耐火塗料として公知である。また、主成分のケイ素化合物が遠赤放射体でありマイナスイオン発生体であることは公知である。また前記水ガラスに関しては、強アルカリ性という性質から防虫剤または防黴剤または抗菌剤としての性質も知られている。
【0029】
課題を解決するための第二の手段で示したコーティング組成物を所定の厚さにコーティングすることに関しては、前記蓄熱コンクリートの表面および前記屋内通気空間の一部または全体に、前記コーティング組成物を前記コーティング手段を用いて、0.1mm〜略2mmの範囲で付着させることが好ましい。前記コーティング組成物が、0.1mm以下では本発明の目的を達成するのは難しく、略2mm以上ではコストと性能のバランスが悪くなるからである。
【0030】
課題を解決するための第三の手段(請求項3)は、前記土間空気調節機能を強化させる手段として、前記蓄熱コンクリートには炭系素材粉体または鉱物質粉体または金属酸化物粉体またはセラミック質粉体を単独または組合わせて所定量混合することを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅を提供する。
【0031】
課題を解決するための第三の手段で示した前記蓄熱コンクリートに前記炭系素材粉体を所定量混合することに関しては、例えば一例として、前記蓄熱コンクリートがコンクリートミキサーによって混合中の中にまたは前記蓄熱コンクリートの原料中に前記炭系素材粉体の中の少なくとも一種類を1重量%〜20重量%の範囲で添加して使用するものとする。
課題を解決するための第三の手段で示した前記蓄熱コンクリートに前記鉱物質粉体を所定量混合することに関しては、例えば一例として、前記蓄熱コンクリートがコンクリートミキサーによって混合中の中にまたは前記蓄熱コンクリートの原料中に前記鉱物質粉体の中の少なくとも一種類を1重量%〜20重量%の範囲で添加して使用するものとする。
課題を解決するための第三の手段で示した前記蓄熱コンクリートに前記金属酸化物粉体を所定量混合することに関しては、例えば一例として、前記蓄熱コンクリートがコンクリートミキサーによって混合中の中にまたは前記蓄熱コンクリートの原料中に前記金属酸化物粉体の中の少なくとも一種類を1重量%〜20重量%の範囲で添加して使用するものとする。
課題を解決するための第三の手段で示した前記蓄熱コンクリートに前記セラミック質粉体を所定量混合することに関しては、例えば一例として、前記蓄熱コンクリートがコンクリートミキサーによって混合中の中にまたは前記蓄熱コンクリートの原料中に前記セラミック質粉体の中の少なくとも一種類を1重量%〜20重量%の範囲で添加して使用するものとする。
【0032】
課題を解決するための第四の手段(請求項4)は、前記空気調節手段が、前記蓄熱コンクリートの表面に、炭系素材粉体または鉱物質粉体または金属酸化物粉体またはセラミック質粉体を用いて所望寸法で任意形状の板体に形成した多孔質板体を、所定量載置することを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅を提供する。
【0033】
課題を解決するための第四の手段で示した空気調節手段に関しては、除湿手段、加湿手段、空気浄化手段、空気活性化手段、などが知られており、前記手段の中から選択して単独で用いてもよいし、前記手段の中から選択しかつ組合わせて用いても構わない。
課題を解決するための第四の手段で示した多孔質板体に関しては、例えば、成形手段は、一般的に知られた成型手段であれば何を使用してもよい。また、多孔質板体の寸法に関しては、任意寸法で構わない。
また、前記多孔質板体に耐水性が必要な場合には、例えば一例として、前記固体組成物の製造工程の中で、耐水材として、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、などのカルシウム化合物を約1重量%〜5重量%添加することで、前記バインダーの硬化剤として作用することで耐水性が生じることを利用する。本発明で使用する場合は、前記耐水材が粉体であれば、平均粒径0.1μmから100μmの粉末を用いるのが好ましく、前記耐水材が液体であれば、前記カルシウム化合物を水に溶解または分散させた物質を用いればよい。また、上述した前記耐水材に関しては、夫々単独で用いてもよいし組合わせて用いてもよいが夫々の配合比率に関しては現場の状況に合わせて調節する。
さらに、前記多孔質板体により強力な耐水性が必要な場合には、例えば一例として、前記多孔質板体を乾燥後に、加熱手段を用いて約200℃以上で少なくとも数秒以上加熱させることで強力な耐水性が付与される作用を用いてもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の請求項1から請求項4の発明を単独または組合せて実施することで、蓄熱性が高く熱効率の良い暖房システムを用いた住宅内全体の暖房システム(冬場においては熱を有効に利用することができる暖房手段)、蓄熱性と放熱性を併せ持つ冷房システムを用いた住宅内全体の冷房システム(夏季には省電力が可能な冷房手段)、住宅内全体を除湿する手段や住宅内全体を加湿する手段や、太陽光発電システムと深夜電力利用暖房システムと太陽光発電電力の余剰電力を売電するシステムを利用することで、年間を通して毎月の電気代の支払いをゼロにすることができる、すなわち電気の自給自足を行うことが可能な、土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅を提供することができる。
【0036】
本発明の請求項1から請求項4の発明を単独または組合せて実施することで、太陽光発電システムを用いた高気密高断熱住宅および完全電化住宅において、住宅内全体に清浄化または活性化または快適化(冬場においては乾燥しすぎを防止、夏季においてはジメジメ感を防止すること)できるよう構成したことで、住宅内部の空気のよどみを無くし、すべての部位を空気の流れに曝すことが可能になり、そのため部分的に湿気がたまり木材が腐るといったことも防止できる、土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅を提供することができる。
【0037】
太陽光発電システムを用いた高気密高断熱住宅および完全電化住宅において、本発明の請求項1から請求項4の発明を単独または組合せて実施した、本発明の土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅が普及することは、温室効果ガスを低減できることになり、地球温暖化の問題に貢献でき、さらに人体環境に好適な居住空間を提供できることで、健康、安全、安心、快適性、環境問題を考慮した理想的な居住空間を創造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅の実施の形態について、図1に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、Hは高気密高断熱住宅であり完全電化住宅であり太陽光発電システムを導入した二階建て住宅であり、高気密高断熱住宅Hは床下空間10から一階居住部20と二階居住部21と小屋裏空間30までを連通化した屋内通気空間を形成し、高気密高断熱住宅Hは太陽光発電システムからの電力W1と、電力会社からの日中商用電力W2と深夜電力W3のみで稼動する完全電化住宅である。太陽光発電システムは太陽光発電装置Sと電力電制御装置Wとで構成され、電力電制御装置Wには電柱Tから引かれた電力線T1と太陽光発電装置Sから引かれた電力線S1が接続され、電力電制御装置Wは高気密高断熱住宅Hに設けられた全ての電気装置(図示せず)に住宅内にネットワークされた電力線(図示せず)を介して接続される。また、高気密高断熱住宅Hで使用される消費電力は、約4kwになるよう設計され、太陽光発電装置Sで好天時での発電量は約5kwになるよう設計されているので、日中で好天時に余剰になる電力約1kwは余剰電力W4として電力電制御装置Wと電力線T1を介して電力会社に売電されるようになっている。なお、太陽光発電装置Sは屋根40に固定され、電力電制御装置Wは高気密高断熱住宅Hの外部か内部の任意の場所に設置される。
【実施例1】
【0041】
図1より、高気密高断熱住宅Hは、外壁50と壁断熱部51との間に外壁通気空間52を設け、屋根40と屋根断熱部41との間に屋根通気空間42を設け、また屋根頂部43には棟換気部44を設け、外気と外壁通気空間52と屋根通気空間42と棟換気部44を連通化し、小屋裏空間30の任意の位置には開閉自在換気扇31を設け、床下空間10と一階居住部周囲通気空間20aと二階居住部周囲通気空間21aと小屋裏空間30と開閉自在換気扇31を連通化したことを特徴とする。また、床下空間10には土間断熱部11と蓄熱コンクリート12を設け、蓄熱コンクリート12の表面には自社開発した炭塗料を約1mmの厚さになるようコーティングし、蓄熱コンクリート12の内部には放熱パイプ13を埋設し、放熱パイプ13には蓄熱式電気ボイラー(図示せず)または電気式冷却水供給装置(図示せず)からの配管が接続されることで空気調節機能14を形成させ、また床下空間10には外気Eを床下空間10に送る働きをする床下吸気口16を設け、一階居住部20には居住部周囲通気空間20aの空気を取り入れる室内吸気口20bと一階居住部20の室内空気を排気する排気口20cを設け、二階居住部21には居住部周囲通気空間21aの空気を取り入れる吸気口21bと二階居住部21の室内空気を排気する排気口21cを設けることを特徴とするが、放熱パイプ13に温水(略30℃〜略50℃)または熱水(略50℃〜略100℃)を通水することで、空気調節機能14は暖房として機能し、床下吸気口16からの外気Eを温風E1に変化させ、放熱パイプ13に冷水(略0℃〜略10℃)を通水することで、空気調節機能14は冷房として機能し、床下吸気口16からの外気Eを冷風E2に変化させる。
【実施例2】
【0042】
図1の実施の形態例である高気密高断熱住宅Hは、新潟県新潟市内に本願出願人が2008年7月現在建設中であり、本発明を実証するために2008年10月中頃に完成予定のモデル住宅である。したがって、2008年7月現在の仕様で電気代の支払いがゼロになるかどうかのシミュレーションを試みた。延床面積は139m(42坪)で使用する太陽光発電装置Sは京セラ(京都市)製であり、メーカーが予測する年間予測発電量は、3,553kWh/年、であり、この数値を元にして予想節約電気料金を算出すると、予想節約電気料金〔kWh/(円/月)〕は、1月が約4,500円、2月が約6,000円、3月が約9,000円、4月が約11,000円、5月が約12,500円、6月が約11,000円、7月が約11,000円、8月が約12,000円、9月が約9,000円、10月が約8,000円、11月が約5,000円、12月が約3,800円、となり、合計は100,965円/年となり、高気密高断熱住宅HのランニングコストをYKKAP株式会社(東京都)の技術開発センターに依頼し、2008年5月2日付けの報告書では、98,376円/年となり、概略ではあるが、電気代の支払いがゼロ円になる予想がついたと判断できる。
【実施例3】
【0043】
【実施例4】
【0044】
【0045】
なお、本発明は、上述した実施形態及び方法に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変更、応用を実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅では実施例として二階建て住宅の場合を説明したが、平屋建て住宅の場合でも三階建て以上の住宅でも、平屋建ての集合住宅や二階建ての集合住宅でも同様の効果が期待できるので産業上の利用可能性は大きいと判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0048】
10:床下空間 11:土間断熱部 12:蓄熱コンクリート
13:放熱パイプ 14:空気調節機能 20:一階居住部
20a:一階居住部周囲通気空間 20b:室内吸気口 20c:排気口
21:二階居住部 21a:二階居住部周囲通気空間
21b:室内吸気口 21c:排気口 30:小屋裏空間
31:開閉自在換気扇 40:屋根 41:屋根断熱部
42:屋根通気空間 43:屋根頂部 44:棟換気部 50:外壁
51:壁断熱部 52:外壁通気空間 H:高気密高断熱住宅
S:太陽光発電装置 E:外気 E1:温風 E2:冷風

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電システムを設け、床下空間、居住部、小屋裏空間からなり、床下空間から小屋裏空間までを連通化する屋内通気空間を形成させた高気密高断熱住宅および完全電化住宅において、前記床下空間に空気調節機能を備えさせ、前記空気調節機能は土間を基礎断熱部と土間断熱部と蓄熱コンクリートで形成し、前記蓄熱コンクリートの内部には放熱パイプを設け、前記蓄熱コンクリートの表面には空気調節手段を設けたことを特徴とする、土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅。
【請求項2】
前記土間空気調節機能を強化させる手段として、前記土間空気調節機能を強化させる手段として、前記蓄熱コンクリートの表面および前記屋内通気空間の一部または全体に炭系素材粉体または鉱物質粉体または金属酸化物粉体またはセラミック質粉体を用いたコーティング組成物を所定の厚さにコーティングすることを特徴とする、請求項1に記載の土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅。
【請求項3】
前記土間空気調節機能を強化させる手段として、前記蓄熱コンクリートには炭系素材粉体または鉱物質粉体または金属酸化物粉体またはセラミック質粉体を単独または組合わせて所定量混合することを特徴とする、請求項1に記載の土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅。
【請求項4】
前記空気調節手段が、前記蓄熱コンクリートの表面に、炭系素材粉体または鉱物質粉体または金属酸化物粉体またはセラミック質粉体を用いて所望寸法で任意形状の板体に形成した多孔質板体を、所定量載置することを特徴とする、請求項1に記載の土間空気調節構造及び太陽光発電システムを備えた住宅。

【図1】
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【公開番号】特開2010−37922(P2010−37922A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220461(P2008−220461)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(505352703)
【出願人】(507129156)株式会社時代の家niigata (3)
【Fターム(参考)】