説明

地図情報処理装置及び地図情報処理方法

【課題】更新情報にあるノードやリンクの追加・削除情報から、変更しなければならないデータの種類、変更箇所、変更内容を算出する必要があるため、地図データ処理装置5の負荷が過大になり、迅速な更新が困難である課題があった。
【解決手段】地図データの更新処理内容を示す更新操作情報を取得し、その更新操作情報にしたがって地図データを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カーナビゲーションシステム、携帯電話、携帯情報端末等の移動体で使用される地図データを更新する地図情報処理装置及び地図情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図42は例えば特開平11−95657号公報に示された従来の地図情報処理装置を示す構成図であり、図において、1は地図データの更新情報を生成する情報センター、2は情報センター1により生成された更新情報を送信する送信装置、3は更新情報を受信する受信装置、13は地図データを記憶する地図データ記憶装置、5は受信装置3により受信された更新情報にしたがって地図データの変更箇所や変更内容を特定して、当該地図データを変更する地図データ処理装置、6は入力装置、7は出力装置である。
【0003】
図43の(z1)はある領域の更新前の道路網がノードとリンクで表現された説明図、(z2)はある領域の更新後の道路網がノードとリンクで表現された説明図、(z3)は(z1)、(z2)のノードを参照するために各ノードに付与されたノード番号を示す説明図である。
【0004】
次に動作について説明する。
情報センター1は、各領域の地図データを最新の版に更新するための更新情報を送信装置2を介して送信する。例えば、道路網が(z1)から(z2)に更新されると、情報センター1は、その領域のノードN2とノードN5の間のリンクおよびノードN5とノードN7の間のリンクが削除され、ノードN3とノードN6の間にリンクが追加され、ノードN5、N7が削除されたという更新情報を送信する。
【0005】
地図データ処理装置5は、受信装置3を介して上記更新情報を取得すると、地図データ記憶装置13に格納されている道路網(z1)の地図データを取り出し、その地図データに対して上記更新情報に基づく更新処理を実施する。
これにより、道路網(z2)を表す地図データを構築して、道路網(z2)の地図データを地図データ記憶装置4に格納する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の地図情報処理装置は以上のように構成されているので、更新情報として道路網を構成しているノードやリンクの追加・削除を示す情報を使用するが、道路網を表す地図データは、ノードやリンクに一対一に対応するデータだけではなく、ノードとノードの隣接関係を示すデータや、リンク間の通行規制を示すデータなどから構成され、これら各種データは相互に密接な関係にある。このため、あるデータを変更すると他にも変更しなければならないデータが存在する。したがって、地図データ処理装置5は、更新情報にあるノードやリンクの追加・削除情報から、変更しなければならないデータの種類、変更箇所、変更内容を算出する必要があるため、地図データ処理装置5の負荷が過大になり、迅速な更新が困難である等の課題があった。
【0007】
また、送信装置2から受信装置3への更新情報の送信に障害が発生し、ある領域の更新情報を受信できない場合が発生すると、その領域の地図データの更新ができないため、地図データ記憶装置4には、最新版の地図データと古い版の地図データが混在して格納されることがある。道路網を表す地図データでは、ノードを所定の順序に配置し、その並び順であるノード番号を用いて所望のノードを参照するようになっているが、図43(z3)に示すように、ノードの追加・削除により、ノード番号が変化し、同一ノードでも版が異なれば異なるノード番号が付与される。
【0008】
各地図データには、隣り合う領域間での道路網の接続関係を示すために、隣の領域のノードを参照するためのノード番号、即ち、隣接領域ノード番号が格納されているが、この隣接領域ノード番号は当該領域の版数と同じ版数の隣の領域のノードを示しているため、上記隣の領域の版が当該領域の版と異なれば、上記隣接領域ノード番号は異なるノードを指し、隣り合う版数の異なる地図データ間に不整合が生じる。上記のように地図データ記憶装置4には、版数の異なる地図データが混在する場合があるため、隣り合う地図データ間で不整合が生じて地図情報処理を正しく行えない場合がある等の課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、迅速に地図データを更新することができる地図情報処理装置及び地図情報処理方法を得ることを目的とする。
また、この発明は、版数の異なる地図データ間の不整合を回避することができる地図情報処理装置及び地図情報処理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る地図情報処理装置は、記憶手段に記憶されている地図データの更新処理内容を示す更新操作情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された更新操作情報にしたがって記憶手段に記憶されている地図データを更新する更新手段とを設けたものである。
【0011】
この発明に係る地図情報処理装置は、情報取得手段が地図データ内の所定の基準位置からのオフセットで更新箇所が表された更新位置情報を含む更新操作情報を取得するようにしたものである。
【0012】
この発明に係る地図情報処理装置は、情報取得手段が、地図データに含まれるデータのうち、更新対象のデータを指定するデータ指定情報と、そのデータが格納されているレコードを示す更新位置情報とを含む更新操作情報を取得するようにしたものである。
【0013】
この発明に係る地図情報処理装置は、情報取得手段がレコード内において、少なくとも1以上の更新位置を示す更新位置情報を含む更新操作情報を取得するようにしたものである。
【0014】
この発明に係る地図情報処理装置は、情報取得手段がレコード内において、少なくとも1以上の更新箇所の更新種別を示す更新種別情報を含む更新操作情報を取得するようにしたものである。
【0015】
この発明に係る地図情報処理装置は、更新手段による更新処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、情報取得手段により取得された更新操作情報を格納し、その更新処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新手段による更新後の地図データを格納するデータ格納手段を設けたものである。
【0016】
この発明に係る地図情報処理装置は、更新手段による更新処理の推定処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、情報取得手段により取得された更新操作情報を格納し、その更新処理の推定処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新手段による更新後の地図データを格納するデータ格納手段を設けたものである。
【0017】
この発明に係る地図情報処理装置は、記憶手段が一部の領域の版数が他の領域の版数と異なる地図データを記憶している場合、各版における同一ノードの対応関係を示す対応ノード情報を取得するようにしたものである。
【0018】
この発明に係る地図情報処理装置は、情報取得手段が相互に隣接する領域の版数が異なる場合に限り対応ノード情報を取得するものとして、相互に隣接する領域に存在する同一ノードの対応ノード情報を取得するようにしたものである。
【0019】
この発明に係る地図情報処理装置は、情報取得手段が相互に隣接する領域のうち、双方の領域の重複領域に存在する同一ノードの対応ノード情報のみを取得するようにしたものである。
【0020】
この発明に係る地図情報処理方法は、地図データの更新処理内容を示す更新操作情報を取得し、その更新操作情報にしたがって地図データを更新するようにしたものである。
【0021】
この発明に係る地図情報処理方法は、地図データ内の所定の基準位置からのオフセットで更新箇所が表された更新位置情報を含む更新操作情報を取得するようにしたものである。
【0022】
この発明に係る地図情報処理方法は、地図データに含まれるデータのうち、更新対象のデータを指定するデータ指定情報と、そのデータが格納されているレコードを示す更新位置情報とを含む更新操作情報を取得するようにしたものである。
【0023】
この発明に係る地図情報処理方法は、レコード内において、少なくとも1以上の更新位置を示す更新位置情報を含む更新操作情報を取得するようにしたものである。
【0024】
この発明に係る地図情報処理方法は、レコード内において、少なくとも1以上の更新箇所の更新種別を示す更新種別情報を含む更新操作情報を取得するようにしたものである。
【0025】
この発明に係る地図情報処理方法は、地図データの更新処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、取得した更新操作情報を格納し、その更新処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新後の地図データを格納するようにしたものである。
【0026】
この発明に係る地図情報処理方法は、地図データの更新処理の推定処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、取得した更新操作情報を格納し、その更新処理の推定処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新後の地図データを格納するようにしたものである。
【0027】
この発明に係る地図情報処理方法は、一部の領域の版数が他の領域の版数と異なる地図データを記憶している場合、各版における同一ノードの対応関係を示す対応ノード情報を取得するようにしたものである。
【0028】
この発明に係る地図情報処理方法は、相互に隣接する領域の版数が異なる場合に限り対応ノード情報を取得するものとして、相互に隣接する領域に存在する同一ノードの対応ノード情報を取得するようにしたものである。
【0029】
この発明に係る地図情報処理方法は、相互に隣接する領域のうち、双方の領域の重複領域に存在する同一ノードの対応ノード情報のみを取得するようにしたものである。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、この発明によれば、記憶手段に記憶されている地図データの更新処理内容を示す更新操作情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された更新操作情報にしたがって記憶手段に記憶されている地図データを更新する更新手段とを設けるように構成したので、迅速に地図データを更新することができる効果がある。
【0031】
この発明によれば、情報取得手段が地図データ内の所定の基準位置からのオフセットで更新箇所が表された更新位置情報を含む更新操作情報を取得するように構成したので、速やかに更新箇所を把握することができる効果がある。
【0032】
この発明によれば、情報取得手段が、地図データに含まれるデータのうち、更新対象のデータを指定するデータ指定情報と、そのデータが格納されているレコードを示す更新位置情報とを含む更新操作情報を取得するように構成したので、構成の複雑化を招くことなく、迅速に地図データを更新することができる効果がある。
【0033】
この発明によれば、情報取得手段がレコード内において、少なくとも1以上の更新位置を示す更新位置情報を含む更新操作情報を取得するように構成したので、レコード内の一部のデータを更新することができる効果がある。
【0034】
この発明によれば、情報取得手段がレコード内において、少なくとも1以上の更新箇所の更新種別を示す更新種別情報を含む更新操作情報を取得するように構成したので、同一レコード内において、種類の異なる更新を一度に複数行うことができる効果がある。
【0035】
この発明によれば、更新手段による更新処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、情報取得手段により取得された更新操作情報を格納し、その更新処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新手段による更新後の地図データを格納するデータ格納手段を設けるように構成したので、更新地図データの再取得処理を迅速に行うことができる効果がある。
【0036】
この発明によれば、更新手段による更新処理の推定処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、情報取得手段により取得された更新操作情報を格納し、その更新処理の推定処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新手段による更新後の地図データを格納するデータ格納手段を設けるように構成したので、更新地図データの再取得処理を迅速に行うことができる効果がある。
【0037】
この発明によれば、記憶手段が一部の領域の版数が他の領域の版数と異なる地図データを記憶している場合、各版における同一ノードの対応関係を示す対応ノード情報を取得するように構成したので、一部の領域の版数が他の領域の版数と異なる地図データを記憶している場合でも、整合のとれたナビゲーション処理を実施することができる効果がある。
【0038】
この発明によれば、情報取得手段が相互に隣接する領域の版数が異なる場合に限り対応ノード情報を取得するものとして、相互に隣接する領域に存在する同一ノードの対応ノード情報を取得するように構成したので、記憶装置を効率よく利用することができる効果がある。
【0039】
この発明によれば、情報取得手段が相互に隣接する領域のうち、双方の領域の重複領域に存在する同一ノードの対応ノード情報のみを取得するように構成したので、記憶装置を効率よく利用することができる効果がある。
【0040】
この発明によれば、地図データの更新処理内容を示す更新操作情報を取得し、その更新操作情報にしたがって地図データを更新するように構成したので、迅速に地図データを更新することができる効果がある。
【0041】
この発明によれば、地図データ内の所定の基準位置からのオフセットで更新箇所が表された更新位置情報を含む更新操作情報を取得するように構成したので、速やかに更新箇所を把握することができる効果がある。
【0042】
この発明によれば、地図データに含まれるデータのうち、更新対象のデータを指定するデータ指定情報と、そのデータが格納されているレコードを示す更新位置情報とを含む更新操作情報を取得するように構成したので、構成の複雑化を招くことなく、迅速に地図データを更新することができる効果がある。
【0043】
この発明によれば、レコード内において、少なくとも1以上の更新位置を示す更新位置情報を含む更新操作情報を取得するように構成したので、レコード内の一部のデータを更新することができる効果がある。
【0044】
この発明によれば、レコード内において、少なくとも1以上の更新箇所の更新種別を示す更新種別情報を含む更新操作情報を取得するように構成したので、同一レコード内において、種類の異なる更新を一度に複数行うことができる効果がある。
【0045】
この発明によれば、地図データの更新処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、取得した更新操作情報を格納し、その更新処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新後の地図データを格納するように構成したので、更新地図データの再取得処理を迅速に行うことができる効果がある。
【0046】
この発明によれば、地図データの更新処理の推定処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、取得した更新操作情報を格納し、その更新処理の推定処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新後の地図データを格納するように構成したので、更新地図データの再取得処理を迅速に行うことができる効果がある。
【0047】
この発明によれば、一部の領域の版数が他の領域の版数と異なる地図データを記憶している場合、各版における同一ノードの対応関係を示す対応ノード情報を取得するように構成したので、一部の領域の版数が他の領域の版数と異なる地図データを記憶している場合でも、整合のとれたナビゲーション処理を実施することができる効果がある。
【0048】
この発明によれば、相互に隣接する領域の版数が異なる場合に限り対応ノード情報を取得するものとして、相互に隣接する領域に存在する同一ノードの対応ノード情報を取得するように構成したので、記憶装置を効率よく利用することができる効果がある。
【0049】
この発明によれば、相互に隣接する領域のうち、双方の領域の重複領域に存在する同一ノードの対応ノード情報のみを取得するように構成したので、記憶装置を効率よく利用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明の実施の形態1〜4による地図情報処理装置を示す構成図である。
【図2】実施の形態1〜4における地図情報提供局を示す構成図である。
【図3】地図情報の一例を示す説明図である。
【図4】ある領域の道路網を示す説明図である。
【図5】経路計算データのデータ構成の一例を示す説明図である。
【図6】図4(a)の道路網に対する図5のデータ構成からなる経路計算データのノードテーブルの内容を示す説明図である。
【図7】図4(a)の道路網に対する図5のデータ構成からなる経路計算データの接続情報の内容を示す説明図である。
【図8】図4(a)の道路網に対する図5のデータ構成からなる経路計算データのコストテーブルの内容を示す説明図である。
【図9】図4(b)の道路網に対応するノードテーブル、接続情報、コストテーブルの内容を示す説明図である。
【図10】図4(b)の道路網に対応するノードテーブル、接続情報、コストテーブルの内容を示す説明図である。
【図11】図4(b)の道路網に対応するノードテーブル、接続情報、コストテーブルの内容を示す説明図である。
【図12】地図情報提供局の動作を示すフローチャートである。
【図13】更新操作情報のデータ構成の一例を示す説明図である。
【図14】更新操作情報で使用するデータの定義を示す説明図である。
【図15】図13のデータ構成の更新操作情報を示す説明図である。
【図16】地図情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】ステップST18の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図13の更新操作情報における更新種別情報の定義を示す説明図である。
【図19】更新種別情報が単一種別部分更新のときの更新レコードのデータ構成を示す説明図である。
【図20】更新種別情報が複合種別部分更新のときの更新レコードのデータ構成を示す説明図である。
【図21】図5の経路計算データの接続情報の接続レコードにおける部分データ種別情報の定義例を示す説明図である。
【図22】図19のデータ構成による更新レコードの一例を示す説明図である。
【図23】接続情報の接続レコードの複合種別部分更新を指示する更新レコードの一例を示す説明図である。
【図24】地図データ処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図25】図24のステップST31の単一種別部分更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【図26】図24のステップST32の複合種別部分更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【図27】更新操作情報格納部のデータ構成を示す説明図である。
【図28】地図バッファのデータ構成を示す説明図である。
【図29】この実施の形態3による地図情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図30】地図データ処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図31】この実施の形態4による地図情報提供局の動作を示すフローチャートである。
【図32】地図データの領域の関係を示す説明図である。
【図33】道路網の一例を示す説明図である。
【図34】道路網の一例を示す説明図である。
【図35】道路網の一例を示す説明図である。
【図36】ノードレコード番号の対応関係を示す説明図である。
【図37】対応ノード情報のデータ構成例を示す説明図である。
【図38】図37のデータ構成の対応ノードテーブルの一例を示す説明図である。
【図39】図31のステップST81の詳細なフローチャートである。
【図40】この実施の形態5による地図情情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図41】ノードテーブル格納部のデータ構成例を示す説明図である。
【図42】従来の地図情報処理装置を示す構成図である。
【図43】道路網がノードとリンクで表現された説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による地図情報処理装置を示す構成図であり、図において、11は当該地図情報処理装置の操作に関する情報等を入力する入力装置、12はGPS受信機等を用いて当該地図情報処理装置が搭載された車両の位置を検出する車両位置検出装置、13は地図データを記憶する地図データ記憶装置(記憶手段)である。
【0052】
14は地図情報提供局と通信網を介して、地図データの更新処理内容を示す更新操作情報の受信や、各種情報の送受信を行う携帯電話機等を利用した送受信装置(情報取得手段)、15は車両位置検出装置12により検出された車両位置と地図データ記憶装置13に記憶されている地図データから車両が走行している道路および道路上の位置を同定するマップマッチング処理と、その地図データを用いて出発値から目的地までの経路を算出する経路計算と、出発値から目的地までの案内を行う経路案内と、車両位置周辺の地図の表示処理などを行う各種ナビゲーション処理とを行うとともに、送受信装置14により受信された更新処理内容を示す更新操作情報にしたがって地図データ記憶装置13に記憶されている地図データの更新処理を行う地図データ処理装置(更新手段)である。ここで、更新処理内容を示す更新操作情報は、更新箇所を示す更新位置情報と、置き換え、削除、追加等の更新の種別を示す更新種別情報と、置き換え、追加等する更新部データとを備えている。
【0053】
16は地図データ処理装置15により更新された地図データを格納する更新データ記憶装置、17は地図データ処理装置15の指示の下、地図、車両位置、経路、案内情報等の表示や音声出力を行う出力装置である。
【0054】
図2は地図情報提供局を示す構成図であり、図において、21は送受信装置14と通信網を介してデータの送受信を行うモデム等からなる送受信装置、22は版毎に管理された道路網データを格納する道路網データベース、23は各版間で、どのように道路網が更新されたかを示す道路網更新データを格納する道路網更新データベース、24は道路網データベース22と道路網更新データベース23を参照してから、地図データ処理装置15における版間の道路網データの更新操作情報を生成する更新操作情報生成装置である。
【0055】
図3は地図データ記憶装置13、更新データ記憶装置16及び道路網データベース22に格納された地図情報の一例を示す説明図である。
地図情報として、管理情報、幾つかの地図データ、案内検索データ等の各種データを有している。
【0056】
各地図データは、全国を幾つかの領域に分割したときの各領域に対応して設けられ、地図データには対応する領域の地図を表す情報が格納されている。
管理情報は、これらの地図データを管理するデータであり、地図データの当該地図情報における所在や、格納されている情報の新旧を管理するための版数情報等を有している。
地図データは、マップマッチングや道路の表示に使用する道路データ、河川や海等の地図背景を表示するための背景データ、地名や名称を表示するための名称データ、経路誘導のための経路誘導データ、経路計算のための経路計算データ、周辺施設を検索するための周辺施設データ等を有し、また、当該領域を表す情報等の地図データに関する各種属性や、各種データの所在を管理する情報等を有するヘッダを有する。
【0057】
図4はある領域の道路網を示す説明図であり、図において、N0〜N15は交差点を表すノード、L0〜L16は交差点間を結ぶ道路を表すリンクである。
(a)はある時期における前記領域の道路網であり、(b)は(a)の道路網のリンクL12の道路が廃止され、リンクL16の道路が新設されてできた最新の道路網である。
【0058】
図5は経路計算データのデータ構成の一例を示す説明図である。(c)は経路計算データの構成を示し、経路計算ヘッダ、ノードテーブル、接続情報、コストテーブルからなる。
(c0)は経路計算ヘッダの構成を示し、ノードテーブル、接続情報及びコストテーブルの所在を示すオフセットとデータサイズを示し、それぞれ4バイト長のデータである。なお、前記オフセットは経路計算データの先頭から各データの先頭に至るまでに格納されているデータのデータサイズを表すものである。また、図中の数字は経路計算ヘッダ先頭からの各データまでのオフセットを示している。
【0059】
(c1)はノードテーブルの構成を示し、ノードテーブルは固定長のノードレコードの並びであり、ノードレコードは当該領域の道路網を構成するノードに一対一に対応して設けられる。また、ノードレコードを識別するために、各ノードレコードにはノードレコードの並びの順番であるノードレコード番号が付与される。
【0060】
(c4)はノードレコードの構成を示し、ノードレコードは対応するノードの地理上の位置を示すノード座標と、信号機の有無や当該領域の境界上にあるか否か等のノードが保有する各種属性を示すノード属性と、当該ノードに接続するリンクの数を示す接続リンク数と、対応する接続レコードが保有する規制レコードの数を示す規制レコード数と、対応する接続レコードの所在を示す接続レコードのオフセットとから構成される。なお、前記オフセットは経路計算データの先頭から対応する接続レコードの先頭に至るまでに格納されているデータのデータサイズを表すものである。
上記のようにノードテーブルは、当該領域における道路網を構成する各ノードの位置、属性、対応する接続レコードの所在等を示している。
【0061】
(c2)は接続情報の構成を示し、接続情報は可変長の接続レコードの並びであり、接続レコードは当該領域の道路網を構成するノードに一対一に対応して設けられる。したがって、各接続レコードは各ノードレコードに一対一に対応している。また、接続レコードを識別するために、各接続レコードには接続レコードの並びの順番である接続レコード番号が付与される。
【0062】
(c5)は接続レコードの構成を示し、接続レコードはリンクレコードの並びと規制レコードの並びからなり、対応するノードに接続するリンクに一対一に対応してリンクレコードが設けられ、これらのリンク間に存在する交通規制の数だけ規制リンクレコードが設けられる。また、リンクレコードを識別するために、各リンクレコードにはリンクレコードの並びの順番であるリンクレコード番号が付与され、規制レコードを識別するために、各規制レコードには規制レコードの並びの順番である規制レコード番号が付与される。
【0063】
(c6)はリンクレコードの構成を示し、リンクレコードは隣接ノード情報とリンクコスト情報から構成される。
隣接ノード情報は、当該リンクレコードに対応するリンクにより、当該接続レコードに対応するノードに結ばれるノードを、そのノードレコード番号を用いて表している。なお、隣接ノード情報が示すノードを当該接続レコードに対応するノードの隣接ノードと呼び、隣接ノードはリンクレコードの数だけ存在する。
リンクコスト情報は、当該接続レコードに対応するノードから隣接ノードへの走行に要するコストを示す情報の所在を示すものであり、当該リンクレコードに対応するリンクに対応するコストレコードを、そのコストレコード番号を用いて表している。
【0064】
(c7)は規制レコードの構成を示し、規制レコードは進入側のリンクをリンクレコード番号により表す進入リンク情報と、退出側のリンクをリンクレコード番号により表す退出リンク情報と、当該接続レコードに対応するノードに接続するリンクにおいて、進入リンク情報が示すリンクから、退出リンク情報が示すリンクへの走行に対して、定められている交通規制を示すリンク間規制コードとから構成される。
上記のように、接続情報は、当該領域における道路網を構成するノードと、リンクの関係と、ノード間の走行に要するコストを示すコストレコードの所在と、ノードにおけるリンク間の交通規制とを示している。
【0065】
(c3)はコストテーブルの構成を示し、コストテーブルは固定長のコストレコードの並びであり、コストレコードは当該領域の道路網を構成するリンクに一対一に対応して設けられる。また、コストレコードを識別するために、各コストレコードにはコストレコードの並びの順番であるコストレコード番号が付与される。
【0066】
(c8)はコストレコードの構成を示し、コストレコードは対応するリンクの道路種別などのリンクの各種属性を示すリンク属性と、リンクの長さを示すリンク長と、リンクを走行するのに要する所用時間を示す平均旅行時間と、リンクの道路幅員を示す幅員情報とから構成される。
上記のようにコストテーブルは、当該領域における道路網を構成するリンクの走行に要するコストの算出に必要な各種情報を示している。
【0067】
図6は図4(a)の道路網に対する図5のデータ構成からなる経路計算データのノードテーブルの内容を示す説明図であり、ノードN0〜N15のそれぞれに対し、ノードレコード番号0〜15のノードレコードを設けている。
例えば、図6のノードレコード番号1のノードレコードは、図4(a)のノードN1に対応し、ノードN1はノード座標(X1,Y1)に位置し、ノード属性NA1を有し、接続リンク数が4、即ち、リンクL0,L11,L1,L8が接続し、規制レコード数が4、即ち、リンクL0,L11,L1,L8間の交通規制が4個存在し、オフセットがJOFS1である接続レコードに対応していることを示している。
【0068】
図7は図4(a)の道路網に対する図5のデータ構成からなる経路計算データの接続情報の内容を示す説明図であり、ノードN0〜N15のそれぞれに対し、接続レコード番号0〜15の接続レコードを設けている。
例えば、図7の接続レコード番号1の接続レコードは、図4(a)のノードN1に対応し、その先頭のオフセットはJOFS1であり、リンクL0,L11,L1,L8に対応し、それぞれリンクレコード番号が0,1,2,3のリンクレコードを有し、規制レコード番号が0,1,2,3の規制レコードを有する。
【0069】
リンクレコード番号0のリンクレコードの隣接ノード情報が0、リンクコスト情報が0となっており、ノードN1の隣接ノードがノードN0で、ノードN1からノードN0へのコストがコストレコード番号0、即ち、リンクL0のコストレコードに示されていることを表している。
リンクレコード番号1のリンクレコードの隣接ノード情報が12、リンクコスト情報が11となっており、ノードN1の隣接ノードがノードN12で、ノードN1からノードN12へのコストがコストレコード番号11、即ち、リンクL11のコストレコードに示されていることを表している。
【0070】
リンクレコード番号2のリンクレコードの隣接ノード情報が2、リンクコスト情報が1となっており、ノードN1の隣接ノードがノードN2で、ノードN1からノードN2へのコストがコストレコード番号1、即ち、リンクL1のコストレコードに示されていることを表している。
リンクレコード番号3のリンクレコードの隣接ノード情報が5、リンクコスト情報が8となっており、ノードN1の隣接ノードがノードN5で、ノードN1からノードN5へのコストがコストレコード番号8、即ち、リンクL8のコストレコードに示されていることを表している。
【0071】
規制レコード番号0の規制レコードは、進入リンク情報が0、退出リンク情報が3、リンク間規制コードがr10となっており、リンクレコード番号0に対応するリンクであるリンクL0からリンクレコード番号3に対応するリンクであるリンクL8への走行時の通行規制がr10であることを表している。
規制レコード番号1の規制レコードは、進入リンク情報が1、退出リンク情報が0、リンク間規制コードがr11となっており、リンクレコード番号0に対応するリンクであるリンクL11からリンクレコード番号0に対応するリンクであるリンクL0への走行時の通行規制がr11であることを表している。
【0072】
規制レコード番号2の規制レコードは、進入リンク情報が2、退出リンク情報が1、リンク間規制コードがr12となっており、リンクレコード番号2に対応するリンクであるリンクL1からリンクレコード番号1に対応するリンクであるリンクL11への走行時の通行規制がr12であることを表している。
規制レコード番号3の規制レコードは、進入リンク情報が3、退出リンク情報が2、リンク間規制コードがr13となっており、リンクレコード番号3に対応するリンクであるリンクL8からリンクレコード番号2に対応するリンクであるリンクL1への走行時の通行規制がr13であることを表している。
【0073】
図8は図4(a)の道路網に対する図5のデータ構成からなる経路計算データのコストテーブルの内容を示す説明図であり、リンクL0〜L15のそれぞれに対し、コストレコード番号0〜15のコストレコードを設けている。
図9〜図11はそれぞれ図4(b)の道路網に対応するノードテーブル、接続情報、コストテーブルの内容を示す説明図である。
【0074】
リンクL12の削除により、ノードN2及びノードN13に接続するリンク数が3となり、これらのリンク間の規制の数が2となる。これにしたがって、図9のノードテーブルに示すように、ノードレコード番号2,13のノードレコードの接続リンク数が3、規制レコード数が2に更新される。
また、リンクL16の追加によりノードN3及びノードN14に接続するリンク数が4となる。なお、これらのリンク間の規制は、ノードN3ではリンクL16からリンクL2への進入規制r32、リンクL3からリンクL16への進入規制r33を追加し、ノードN14では従来のままとしておく。これにしたがって、図9のノードテーブルに示すように、ノードレコード番号3のノードレコードの接続リンク数が4、規制レコード数が4に更新され、ノードレコード番号14のノードレコードの接続リンク数が4に更新される。
【0075】
また、以下に説明するように接続レコードのデータサイズが変化するため、接続レコード番号3,14,15の接続レコードの所在が変化し、ノードレコード番号が3,14,15であるノードレコードの接続レコードのオフセットもそれぞれJOFS3’,JOFS14’,JOFS15’に更新される。
【0076】
図10の接続情報において、リンクL12の削除により、接続レコード番号2の接続レコードでは、図7の接続レコード番号2の接続レコードにおけるリンクL12に対応するリンクレコード番号1のリンクレコードを削除し、リンクレコード番号0,2,3のリンクレコードを配置したものとなり、図7の接続レコード番号2の接続レコードにおけるリンクL12に関する規制を示す規制レコード番号1,2の規制レコードが削除され、規制レコード番号0,3の規制レコードが配置されるとともに、それらの進入リンク情報、退出リンク情報がリンクレコードの削除に伴うリンクレコード番号の変化に合わせて更新される。
【0077】
接続レコード番号13の接続レコードでは、図7の接続レコード番号13の接続レコードにおけるリンクL12に対応するリンクレコード番号3のリンクレコードを削除し、図7の接続レコード番号13の接続レコードにおけるリンクL12に関する規制を示す規制レコード番号0,3の規制レコードが削除され、規制レコード番号1,2の規制レコードが配置される。後で示すように、リンクL12の削除により、リンクコストレコード番号が変化するためリンクレコード番号1のリンクコスト情報は12に更新される。
【0078】
接続レコード番号13の接続レコードと同様に、リンクコストレコード番号の変化により、接続レコード番号8〜10のリンクレコード番号0のリンクレコードのリンクコスト情報が、それぞれ12,13,14に、接続レコード番号12,14のリンクレコード番号1のリンクレコードのリンクコスト情報が、それぞれ12,14に更新される。
【0079】
また、リンクL16の追加により、接続レコード番号3の接続レコードでは、リンクL16に対応するリンクレコード番号3のリンクレコードが追加され、リンクL16に関する規制を表す規制レコード番号1,2が図7の接続レコード番号3の接続レコードの規制レコード番号1の規制レコードの前に挿入され、接続レコード番号14の接続レコードでは、リンクL16に対応するリンクレコード番号3のリンクレコードが追加される。
【0080】
また、リンクL12の削除、リンクL16の追加により、上記のようにリンクレコード、規制レコードの追加、削除が発生し、接続レコード番号2,3,13,14の接続レコードのデータサイズが変化するため、接続レコード番号3,14,15の接続レコードのオフセットが、それぞれJOFS3’,JOFS14’,JOFS15’に変化し、接続情報のデータサイズも変化する。接続情報のデータサイズの変化に伴い接続情報の後に配置されるコストテーブルのオフセットも変化することになる。
なお、ノードN12において、リンクL11からL5への進入に関する通行規制の内容がr63からr63’に更新されるものとする。
【0081】
図11のコストテーブルにおいて、リンクL12の削除により、リンクL12に対応する図8のコストレコード番号12のコストレコードが削除され、それ以降のコストレコードのコストレコード番号が変化する。また、リンクL16の追加により、コストレコード番号12のコストレコードが追加される。
上記のようにリンクL12の削除、リンクL16の追加という更新に対し、ノードテーブルのノードレコード番号2,3,13,14,15のレコードの更新、接続情報の接続レコード番号2,3,8,9,10,12,13,14の接続レコードの更新、コストテーブルのコストレコード番号12のコストレコードの削除、末尾へのコストレコードの追加が行われる。
【0082】
このように、地図データの更新は各種データのレコードに関する更新操作情報の集まりとして表すことができ、処理能力の高い処理装置を有する地図情報提供局で地図データの更新を各種データのレコードの更新操作情報に変換し、地図情報処理装置では、そのレコードの更新操作情報にしたがって地図データを更新することにより、地図情報処理装置の更新処理に要する負荷を著しく低減し、更新処理を迅速に行うことができる。
【0083】
次に動作について説明する。
図12は地図情報提供局の動作を示すフローチャートである。地図情報提供局が起動すると、ステップST1では、地図情報処理装置の送受信装置14から送受信装置21へ送信される更新操作情報要求が着信するのを待ち、着信すればステップST2に進む。
【0084】
ステップST2では、送受信装置21より更新操作情報要求を取得する。この更新操作情報要求は地図情報処理装置のナビゲーション処理で必要となる領域の地図データを表す地図データ識別情報とその版数情報を有している。
【0085】
ステップST3では、更新操作情報生成装置24がステップST2で取得した地図データ識別がMであることを表す地図データ識別情報と版数Vを表す版数情報に従い、道路網データベース22に格納されている地図データ識別がMである地図データと、道路網更新データベース23に格納されている地図データ識別Mの地図データに関する版数Vから最新の版数VXへの道路網更新データを参照して、更新操作情報を生成する。
【0086】
ステップST4では、ステップST3で生成された更新操作情報を送受信装置21により地図情報処理装置の送受信装置3へ送信する。
次にステップST1に進み、上記と同様の処理を繰り返す。
【0087】
図5の経路計算データを例として、上記ステップST3で生成される更新操作情報を以下に示す。例えば、地図データ識別Mが図4に示す領域の地図データを示す場合で、版数Vが図4の(a)の道路網に対応するものとし、また、最新の版数VXの道路網が図4の(b)の道路であるとする。
このとき、道路網更新データベース23の地図データ識別Mの地図データに関する版数Vから最新版への道路網更新データには、図4におけるリンクL12の削除、リンクL16の追加を示す情報およびリンクL16に関わる諸情報が格納されている。
【0088】
更新操作情報生成装置24は、上記道路網更新データに従い、図4におけるリンクL12の削除、リンクL16の追加を行うことにより、図6〜8の経路計算データから図9〜11の経路計算データへ更新するため必要な各種データを構成するレコードをどのように更新すべきかを示す情報を生成する。また、経路計算データを構成する各種データのデータサイズも変化するため、図5の経路計算ヘッダをどのように更新すべきかを示す情報も生成する。
【0089】
図13は更新操作情報生成装置24が上記のようにして生成する更新操作情報のデータ構成の一例を示す説明図である。(d)に示すように更新操作情報は更新操作情報ヘッダと1つ又は複数の更新セグメントから成る。更新操作情報ヘッダは当該更新操作情報のデータサイズを示す更新操作情報データサイズ、当該地図データの地図データ識別を示す地図データ識別情報、当該更新操作情報がどの版からどの版への更新に関する情報であるかを示す更新版数情報、当該更新操作情報が有する更新セグメントの数を示す更新セグメント数を有する。
【0090】
なお、更新操作情報要求を出した地図情報処理装置が既に最新の地図データを保有している場合、即ち、更新操作情報要求中の版数情報が最新の版数に一致する場合は、更新版数情報を最新の版数から最新の版数への更新に関する情報とし、更新セグメント数を0として、更新操作情報は更新操作情報ヘッダのみから構成するようにする。
【0091】
更新セグメントは(d1)に示すように、更新セグメントヘッダと1つ又は複数の更新レコードから成る。更新セグメントヘッダは、データ種別情報、更新種別情報、更新位置区分、更新レコード数からなり、データ種別情報は、図14の(e1)のように定義され、当該更新セグメントが更新対象としているデータの種類、即ち、経路計算ヘッダ、ノードテーブル、接続情報、コストテーブル等の何れであるかを示し、更新種別情報は、図14の(e2)のように定義され、更新を削除、追加、上書きの何れの更新操作を行うかを示し、更新位置区分は、図14の(e3)のように定義され、更新位置の指定がデータ種別情報で指定されたデータの先頭から更新位置に至るまでに格納されているデータのデータサイズを用いるオフセット型であるか、データ種別情報で指定されたデータのレコード番号を用いるレコード型であるかを示し、更新レコード数は、当該更新セグメントが有する更新レコードの数を示している。
【0092】
なお、更新位置区分がレコード型の場合、データ種別情報で指定されたデータレコードが固定長であるか、可変長であるかにより、固定長レコード型、可変長レコード型を示すようにする。
【0093】
(d2)は、更新位置区分がオフセット型のときの更新レコードのデータ構成を示し、先頭オフセットは、更新種別情報で指定された更新操作を行う先頭の位置を更新前のデータ種別情報が示すデータの先頭からのオフセットで示し、更新データサイズは先頭オフセットからの更新種別情報で指定された更新操作を行う範囲を示し、更新部データは更新データサイズが示す分だけ存在し、置き換え、追加を行うデータを示し、更新種別情報が削除のとき、更新部データは存在しない。
【0094】
オフセット型の更新レコードは、更新種別情報が削除のときは、データ種別情報が示すデータの先頭オフセットが示す位置から更新データサイズが示すだけのデータを削除し、更新種別情報が置き換えのときは、データ種別情報が示すデータの先頭オフセットが示す位置から更新データサイズが示すだけのデータを更新部データに置き換え、更新種別情報が追加のときは、データ種別情報が示すデータの先頭オフセットが示す位置に更新部データを挿入することを示している。
【0095】
(d3)は、更新位置区分が固定長又は可変長レコード型であるときの更新レコードのデータ構成を示し、先頭レコード番号は、更新種別情報で指定された更新操作を行う先頭の位置を更新前のデータ種別情報が示すデータのレコード番号で示し、更新部レコード数は先頭レコード番号からの更新種別で指定された更新操作を行う範囲を示し、更新部レコードは更新部レコード数だけ存在し、置き換え、追加を行うデータを示し、更新種別情報が削除のとき、更新部データは存在しない。
【0096】
レコード型の更新レコードは、更新種別情報が削除のときは、データ種別情報が示すデータの先頭レコード番号が示す位置から更新レコード数が示す数のレコードを削除し、更新種別情報が置き換えのときは、データ種別情報が示すデータの先頭レコード番号が示す位置から更新レコード数が示す数のレコードを更新部レコードに置き換え、更新種別情報が追加のときは、データ種別情報が示すデータの先頭レコード番号が示すレコードの前に更新部レコードを挿入することを示し、データ種別情報で指定されたデータの末尾に追加する場合は、そのデータの末尾のレコードのレコード番号に1加算した値を先頭レコード番号とする。
【0097】
図13(d1)の更新セグメントの並びは、データ種別情報が同一のものは連続して配置され、データ種別情報が同一ならば、更新位置区分がオフセット型のものがより前に配置され、レコード型のものはより後に配置され、データ種別情報および更新位置区分が同一ならば、更新種別情報が、置き換え、削除、追加であるものの順に配置する。
【0098】
図15は上記により更新操作情報生成装置24が生成した図13のデータ構成の更新操作情報であり、図6〜8の経路計算データから図9〜11の経路計算データへの更新操作を指示し、更新セグメント#0は、経路計算ヘッダの先頭からのオフセットが12から8バイトのデータ、即ち、接続情報のデータサイズ、コストテーブルのオフセットを更新データであるSSSS,OOOOに置き換えることを指示する。
【0099】
また、更新セグメント#1は、ノードテーブルのノードレコードの更新レコード#0、#1に従った置き換えを指示し、例えば、更新レコード#0は、ノードレコード番号2から2個のノードレコード、即ち、ノードレコード番号2、3のノードレコードを図9のノードレコード番号2、3のノードレコードに置き換えることを指示している。
【0100】
また、更新セグメント#2は、接続情報の接続レコードの更新レコード#0、#1に従った置き換えを指示し、例えば、更新レコード#0は、接続レコード番号2から2個の接続レコード、即ち、接続レコード番号2、3の接続レコードを図10の接続レコード番号2、3の接続レコードに置き換えることを指示している。
【0101】
また、更新セグメント#4は接続情報への接続レコードの更新レコード#0、#1に従った追加を指示し、例えば、更新レコード#0は、接続レコード番号4の前に、図10の接続レコード番号2、3の2つの接続レコードを追加することを指示している。
【0102】
また、更新セグメント#3は、接続情報の接続レコードの更新レコード#0、#1に従った削除を指示し、例えば、更新レコード#0は、接続レコード番号2から2個の接続レコード、即ち、接続レコード番号2、3の接続を削除することを指示している。
【0103】
また、更新セグメント#5はコストテーブルのコストレコードの削除を指示し、更新レコード#0は、コストレコード番号12から1個のコストレコード、即ち、コストレコード番号12のコストレコードを削除することを指示している。
【0104】
また、更新セグメント#6はコストテーブルへのコストレコードの追加を指示し、更新レコード#0は、コストレコード番号16の前、即ち、コストレコード番号15の後に、図11のコストレコード番号15のノードレコードを1つ追加することを指示している。
【0105】
図16は地図情報処理装置の動作を示すフローチャートである。本装置が起動されると、まず、ステップST11において、入力装置11より地図の表示縮尺、表示地図のスクロール指示、目的地の選択、経路計算の指示など、地図情報処理装置を操作するための操作情報を入力する。
【0106】
ステップST12では、車両位置検出装置12により車両の現在位置を取得する。
ステップST13では、ステップST11で得られた操作情報、ステップST12で得られた車両の現在位置等からナビゲーション処理で必要となる領域の地図データを決定し、それらの地図データを表す地図データ識別情報と版数情報を含む更新操作情報要求を送受信装置14により地図情報提供局へ送信し、これらの地図データを最新の地図データに更新するための更新操作情報の送信を要求する。
【0107】
ステップST14では、ステップST13の更新操作情報要求に応じ、地図情報提供局から送信された更新操作情報を送受信装置14により受信する。
ステップST15では、ステップST14で受信した更新操作情報を本ステップにくる毎に、1つずつ送受信装置14より取り出してステップST16へ進む。但し、既にすべての更新操作情報を取り出して、新たに取り出す更新操作情報がなければ、ステップST20に進む。
【0108】
ステップST16では、ステップST15で得た更新操作情報の更新操作情報ヘッダを参照し、更新セグメント数が0のときは、当該地図データの更新の必要がないものと判定し、ステップST15へ進み、そうでないときは、ステップST17へ進む。
ステップST17では、ステップST15で得た更新操作情報の更新操作情報ヘッダを参照し、地図データ識別情報が示す地図データを地図データ記憶装置13より取り出す。
【0109】
ステップST18では、ステップST17で得た地図データにステップST15で得た更新操作情報に従い更新処理を施す。
ステップST19では、ステップST18で更新された地図データを更新データ記憶装置16に格納するとともに、更新データ記憶装置16に格納されている管理情報も更新する。なお、当該地図データの格納により更新データ記憶装置16の記憶容量を超える場合は、更新データ記憶装置16に格納されている地図データを最も格納時期が古いものから所用の空き領域が確保できるまで削除し、当該地図データを格納する。
【0110】
ステップST20では、更新データ記憶装置16の管理情報を参照し、更新データ記憶装置16より必要な地図データを取得し、更新データ記憶装置16に必要な地図データがなければ、地図データ記憶装置13の管理情報を参照し、地図データ記憶装置13より必要な地図データを取得し、所定のナビゲーション処理を行う。
次にステップST11へ戻り、以下、上記の処理を繰り返す。
【0111】
図17はステップST18の詳細を示すフローチャートである。ステップST21では、処理すべき更新セグメントを指定するセグメント指定の値を0、即ち、先頭の更新セグメントとする。セグメント指定は、上記ステップST15で得た更新操作情報中の更新セグメントをその並びの順番により指定する。
【0112】
ステップST22では、上記ステップST15で得た更新操作情報の更新操作情報ヘッダ中の更新セグメント中の更新セグメント数とセグメント指定の値を比較し、一致するならば、当該更新操作情報のすべての更新セグメントの処理が終了したものとしてステップST18の処理を終了し、一致しなければ、セグメント指定が示す更新セグメントの処理を行うためステップST23に進む。
【0113】
ステップST23では、処理すべき更新レコードを指定する更新レコード指定の値を0、即ち、先頭の更新レコードとする。更新レコード指定は、セグメント指定が示す更新セグメントにおける更新レコードの並びの順番により指定する。
ステップST24では、セグメント指定が示す更新セグメントの更新セグメントヘッダ中の更新レコード数と更新レコード指定の値を比較し、一致するならば、セグメント指定が示す更新セグメントのすべての更新レコードの処理が終了したものとしてステップST30に進み、一致しなければ、更新レコード指定が示す更新レコードの処理を行うためステップST25に進む。
【0114】
ステップST25では、セグメント指定が示す更新セグメントの更新セグメントヘッダの更新種別情報をチェックし、削除ならばステップST26に進み、追加ならばステップST27に進み、置き換えならばステップST28に進む。
ステップST26,ST27,ST28では、セグメント指定が示す更新セグメントの更新セグメントヘッダを参照し、ステップST17で得た地図データ中の更新セグメントヘッダのデータ種別情報が示すデータに、更新セグメントヘッダの更新位置区分、更新レコード指定が示す更新レコードに従い、それぞれ削除、追加、置き換えの更新操作を施し、ステップST29へ進む。
【0115】
ステップST29では、更新レコード指定の値を1だけ増加し、次に配置された更新レコードを指定するようにし、ステップST24へ進む。
以下、ステップST24〜ST29を繰り返し、セグメント指定が示す更新セグメントのすべての更新レコードの処理が終了すると、上記したようにステップST24からステップST30へ進む。
【0116】
ステップST30では、セグメント指定の値を1だけ増加し、次に配置された更新セグメントを指定するようにし、ステップST21へ進む。
以下、上記を繰り返し、上記ステップST15で得た更新操作情報中のすべての更新セグメントの処理を行い、ステップST18の処理を終了する。
上記のように更新操作情報の指示に従い、データの置き換え、削除、追加という単純な処理により地図データを更新し、迅速に更新処理を行う。
【0117】
実施の形態2.
この実施の形態2では、図13の更新操作情報における更新種別情報の定義を図18のようにし、図13の更新操作情報における更新レコードのデータ構成を、更新種別情報が単一種別部分更新のときは図19とし、更新種別情報が複合種別部分更新のときは図20のようにし、図17のステップST25を図24のように、更新種別情報が単一種別部分更新の場合のチェックと、複合種別部分更新の場合のチェックを追加し、単一種別部分更新のときはステップST31の処理を行い、複合種別部分更新のときはステップST32の処理を行うようにし、レコード内の部分的な更新を可能としたものである。
【0118】
図19において、(f)は更新レコードのデータ構成であり、更新レコードは更新レコードヘッダと1つ又は複数の部分更新レコードからなる。更新レコードヘッダは、データ種別情報が示すデータの更新対象となるレコードを示すレコード番号、部分更新種別情報、更新位置区分、部分更新レコードの数を示す部分更新レコード数からなる。部分更新種別情報、更新位置区分はそれぞれ図14の(e2)、(e3)のように定義される。
【0119】
(f1)は、更新位置区分がオフセット型のときの部分更新レコードのデータ構成であり、先頭オフセットは、更新レコードヘッダの部分更新種別情報が示す更新操作を施す先頭の位置を、更新レコードヘッダのレコード番号が示すレコードの先頭からのオフセットで示し、更新データサイズは、先頭オフセットからの部分更新種別情報で指定された更新操作を行う範囲を示し、更新部データは更新データサイズが示す分だけ存在し、置き換え、追加を行うデータを示し、部分更新種別情報が削除のとき、更新部データは存在しない。
【0120】
(f2)は、更新位置区分がレコード型のときの部分更新レコードのデータ構成であり、部分データ種別情報は、当該更新レコードの更新対象となっているレコード内における更新対象となるデータの種類を示し、先頭レコード番号は、部分更新種別情報で指定された更新操作を行う先頭の位置を、更新前の部分データ種別情報が示すデータのレコード番号で示し、更新部レコード数は先頭レコード番号からの部分更新種別情報で指定された更新操作を行う範囲を示し、更新部レコードは更新部レコード数だけ存在し、置き換え、追加を行うデータを示し、部分更新種別情報が削除の場合は更新部データは存在しない。
上記の更新レコードにより、レコード内の1つ又は複数の個所に対して同一種類の更新操作を指示することが可能である。
【0121】
図20は図19の更新レコードヘッダ中の部分更新種別情報および更新位置区分を各部分更新レコード毎に保有するようにし、1つのレコード内で異なる種類の更新操作を指示できるようにしたものである。
上記のように、更新レコードを図19,20のようにすることにより、1つの部分更新レコードで、1つのレコードに関する複数の更新操作を指定することができるため、更新操作情報のデータサイズを削減できる。
【0122】
図21は図5の経路計算データの接続情報の接続レコードにおける部分データ種別情報の定義例であり、接続レコードを構成するリンクレコードの並び、規制レコードの並びにそれぞれ0、1を当てている。
図22はノードテーブルのノードレコード番号15のノードレコードを図6から図9に更新する場合および接続情報の接続レコード番号12の接続レコードを図7から図10に更新する場合における、図19のデータ構成による更新レコードの例を示している。なお、部分データ種別の定義は図19によるものとする。
【0123】
図22において、(h)は、ノードテーブルのノードレコードの単一種別部分更新を指示する更新レコードの例であり、図6のノードレコード番号が15のノードレコードの先頭からのオフセットが10である位置から2バイトを更新部分データJOFS15’に置き換えることを指示している。
なお、ノードレコードの接続レコードのオフセットを10、そのデータ長を2バイトであるものとする。
【0124】
また、(i)は、接続情報の接続レコードの単一種別部分更新を指示する更新レコードの例であり、図7の接続レコード番号が12である接続レコードに対して、部分更新レコード#0は、リンクレコード番号が1であるレコードを更新部レコード#0、即ち、図10の接続レコード番号が12である接続レコードのリンクレコード番号が1であるリンクレコードの内容に置き換えることを指示し、部分更新レコード#1は、規制レコード番号が3であるレコードを更新部レコード#0、即ち、図10の接続レコード番号が12である接続レコードの規制レコード番号が3である規制レコードに置き換えることを指示している。
【0125】
図23は接続情報の接続レコードの複合種別部分更新を指示する更新レコードの例であり、図7の接続レコード番号が14である接続レコードに対して、部分更新レコード#0は、リンクレコード番号が1であるレコードを更新部レコード#0、即ち、図10の接続レコード番号が14である接続レコードのリンクレコード番号が1であるリンクレコードの内容に置き換えることを指示し、部分更新レコード#1は、図7の接続レコード番号が14である接続レコードのリンクレコード並びの末尾に更新部レコード#0、即ち、図10の接続レコード番号が14である接続レコードのリンクレコード番号が3であるリンクレコードを追加することを指示している。
【0126】
図25は図24のステップST31の単一種別部分更新処理の詳細を示すフローチャートである。
図25において、ステップST41では、更新の対象となるレコードを示す対象レコード指定を図19の更新レコードヘッダのレコード番号の値に設定する。
ステップST42では、更新操作、更新位置区分を指定するための更新操作指定、更新位置区分指定を、図19の更新レコードヘッダの部分更新種別情報、更新位置区分で指定されている値に設定する。
【0127】
ステップST43では、処理すべき部分更新レコードを、更新レコードにおける並びの順番により指定する部分更新レコード指定の値を0、即ち、先頭の部分更新レコードとする。
【0128】
ステップST44では、更新レコードヘッダの部分更新レコード数と部分更新レコード指定の値を比較し、一致するならば、当該更新レコードのすべての部分更新レコードの処理が終了したものとしてステップST31の処理を終了し、一致しなければ、部分更新レコード指定が示す部分更新レコードの処理を行うためステップST45へ進む。
【0129】
ステップST45では、部分更新レコード指定が示す部分更新レコードに従い、ステップST42で設定された更新操作指定、更新位置区分指定に基づき、対象レコード指定が示すレコードを更新する。
ステップST46では、更新レコード指定の値を1だけ増加し、次に配置された更新レコードを指定するようにし、ステップST44へ進む。
以下、ステップST44〜ST46を繰り返し、すべての部分更新レコードの処理が終了すると、ステップST31の処理を終了する。
【0130】
図26は図24のステップST32の複合種別部分更新処理の詳細を示すフローチャートである。
図26において、ステップST51では、更新の対象となるレコードを示す対象レコード指定を図20の更新レコードヘッダのレコード番号の値に設定する。
ステップST52では、処理すべき部分更新レコードを、更新レコードにおける並びの順番により指定する部分更新レコード指定の値を0、即ち、先頭の部分更新レコードとする。
【0131】
ステップST53では、更新レコードヘッダの部分更新レコード数と部分更新レコード指定の値を比較し、一致するならば、当該更新レコードのすべての部分更新レコードの処理が終了したものとしてステップST32の処理を終了し、一致しなければ、部分更新レコード指定が示す部分更新レコードの処理を行うためステップST54へ進む。
【0132】
ステップST54では、更新操作、更新位置区分を指定するための更新操作指定、更新位置区分指定を、部分更新レコード指定が示す部分更新レコードの図20の更新レコードヘッダの部分更新種別情報、更新位置区分で指定されている値に設定する。
ステップST55では、部分更新レコード指定が示す部分更新レコードに従い、対象レコード指定が示すレコードを更新する。
【0133】
ステップST56では、更新レコード指定の値を1だけ増加し、次に配置された更新レコードを指定するようにし、ステップST422へ行く。
以下、ステップST53〜ST56を繰り返し、すべの部分更新レコードの処理が終了すると、ステップST32の処理を終了する。
【0134】
以上のように、レコード内の複数の同一更新種別の更新を1つの部分更新レコードとして取得し、また、レコード内の複数の異なる更新種別の更新を1つの部分更新レコードとして取得するので、地図情報提供局からの更新操作情報の取得に要する時間が短縮され、地図データの更新が迅速に行われ、通信コストも低減される。
【0135】
実施の形態3.
図27は、この実施の形態3において、更新データ記憶装置16に設けた更新操作情報格納部のデータ構成であり、更新操作情報管理情報に従い更新操作情報が格納されており、更新操作情報管理情報は、更新データ記憶装置16に格納されている更新操作情報の更新データ記憶装置16おける所在を示している。
【0136】
図28は、この実施の形態3において、地図データ処理装置15内に設けた地図バッファのデータ構成であり、地図バッファには地図管理情報に従い地図データが格納されており、地図管理情報は、ナビゲーション処理に必要な地図データの数を示す地図データ数と、ナビゲーション処理に必要な地図データに対応して設けた地図管理レコードからなり、地図管理レコードは、対応する地図データの地図データ識別を示す地図データ識別情報、対応する地図データが地図バッファに有るか否かを示す地図データ有無情報、対応する各地図データの地図バッファにおける所在を示す地図データ位置情報を有している。
【0137】
図29はこの実施の形態3による地図情報処理装置の動作を示すフローチャートであり、図16にステップST61〜ST65を追加したものである。なお、ステップST18では更新処理に要した時間を計測するようにしておく。
ステップST61では、地図データ処理装置15の地図バッファの地図管理情報の初期化を行うものであり、地図データ数にステップST20のナビゲーション処理で必要とする地図データの数を設定し、ステップST20のナビゲーション処理で必要とする各地図データの地図データ識別を各地図データ識別情報に設定し、各地図データ有無情報を無しに設定する。
【0138】
ステップST62では、ステップST18で更新された地図データを地図データ処理装置15内の地図バッファに格納するとともに、格納した地図データに対応する地図管理レコードの地図データ有無情報を有りに設定し、地図データ位置情報に地図データの所在を設定する。
ステップST63では、ステップST15で取得した更新操作情報の格納の要否を判定するものであり、ステップST18の更新処理に要した時間が所定値以上であれば格納が必要と判定しステップST64へ進み、そうでなければ格納は不要としてステップST19へ進む。
【0139】
ステップST64では、更新データ記憶装置16の更新操作情報管理情報に従い、ステップST15で取得した更新操作情報を更新データ記憶装置16に格納するとともに更新操作情報管理情報を更新する。このとき更新データ記憶装置16に格納された更新操作情報を既得更新操作情報と呼ぶ。なお、該更新操作情報の格納により更新データ記憶装置16の記憶容量を超える場合は、更新データ記憶装置16に格納されている該更新操作情報を最も格納時期が古いものから所用の空き領域が確保できるまで削除し、該更新操作情報を格納する。
また、ステップST19で更新データ記憶装置16に格納された地図データを既更新地図データと呼ぶ。
【0140】
ステップST65では、図30のフローチャートに示す処理を行なうものある。ステップST20のナビゲーション処理に必要な地図データの中で地図情報データ処理装置15の地図バッファに格納されていない地図データについては、以前に行った更新操作情報要求により、その既得更新操作情報または既更新地図データが更新データ記憶装置16に格納されており、本ステップは、この既得更新操作情報により更新した地図データ、または、既更新地図データを地図データ処理装置15の地図バッファに格納する。この処理を更新地図データ再取得処理と呼ぶ。
【0141】
ステップST20では、地図データ処理装置15の地図バッファに格納された地図データを参照して、所定のナビゲーション処理を行う。
図30において、ステップST71では、地図データ処理装置15の地図バッファの地図管理情報の地図管理レコードを取り出すもので、当該ステップに来る毎に地図管理情報の並びの順に順次1つずつ取り出してステップST72へ進み、取り出す地図管理レコードが無くなればステップST20の処理を終了する。
【0142】
ステップST72では、ステップST71で取り出した地図管理レコードの地図データ有無情報が無しを示しているならば、当該地図データは、以前に行った更新操作情報要求により、すでに既得更新操作情報また既更新地図データが更新データ記憶装置16に格納されているとしてステップST73に進み、有りを示しているならば、最新の版数の地図データが、地図データ処理装置15の地図バッファに格納されているとしてステップST71に進む。
【0143】
ステップST73では、ステップST71で取り出した地図管理レコードの地図データ識別情報が示す地図データの既得更新操作情報が更新データ記憶装置16に格納されているか否かを、更新データ記憶装置16の更新操作情報管理情報により調べ、該当する既得更新操作情報が無ければステップST74へ進み、有ればステップST75へ進む。
【0144】
ステップST74では、ステップST71で取り出した地図管理レコードの地図データ識別情報が示す既更新地図データを更新データ記憶装置16より取得する。
ステップST75では、ステップST71で取り出した地図管理レコードの地図データ識別情報が示す地図データの既得更新操作情報を更新データ記憶装置16より取得し、ステップST71で取り出した地図管理レコードの地図データ識別情報が示す地図データを地図データ記憶装置13より取り出し、上記既得更新操作情報により上記地図データにステップST18と同様にして更新処理を施し、ステップST76へ進む。
【0145】
ステップST76では、ステップST74で取得した既更新地図データまたはステップST75で更新された地図データを地図データ処理装置15の地図バッファに格納し、その地図管理情報をステップST62と同様に更新し、ステップST71へ進む。
以下、地図管理情報のすべての地図管理レコードに対してステップST71以降の処理を行ないステップST20の処理を終了する。
【0146】
上記のように、更新処理に要する処理時間が所定時間より長くなる更新操作情報に対しては、既更新地図データとして更新データ記憶装置16に格納され、必要時にその既更新地図データが取り出されるため、更新地図データ再取得処理に要する時間は所定時間以下となる。
【0147】
実施の形態4.
図31はこの実施の形態4による地図情報提供局の動作を示すフローチャートであり、図12にステップST81,ST82を追加したものである。ステップST81では、更新操作情報生成装置24は、ステップST2で得た更新操作情報要求を参照し、必要な対応ノード情報を生成し、ステップST82では、ステップST81で生成した対応ノード情報を送受信装置21により、送受信装置14へ送信する。
なお、ステップST2で取得する更新操作情報要求には、隣接情報の数、その数だけの隣接情報も有するようにし、隣接情報は、上記更新操作情報要求中の地図データ識別情報が示す地図データに隣り合う各地図データを示す隣接番号およびその版数からなるようにしている。
【0148】
以下に示すように、ある領域の地図データだけ更新すると、その領域とその領域に隣り合う領域の間で、版数の違いによるノードの対応関係の不整合性が生ずる。
図32は地図データの領域の関係を示すものであり、矩形領域0は、ステップST2で取得する更新操作情報要求中の地図データ識別情報が示す地図データ識別Mの地図データの領域で、矩形領域1〜8は、矩形領域0に隣り合う地図データの領域である。隣り合う領域の地図データは、隣り合う地図データと呼ぶ。また、隣り合う領域、隣り合う地図データを特定するために図31に示す番号を使用し、この番号を隣接番号と呼ぶ。
【0149】
図33において、(j1)は、地図データ識別Maの版数Vの地図データの道路網の例であり、(j2)は、上記地図データに隣り合う隣接番号が3の地図データ識別Mb、版数Vの地図データの道路網の例である。
(j3)は、(j1)の道路網に関する図5の経路計算データのノードとノードレコード番号の関係を示し、(j4)は、(j2)の道路網に関する図5の経路計算データのノードのノードレコード番号を示している。
【0150】
ノードN04、N05、N06およびノードN31、N32、N33はそれぞれの地図データの領域の境界上にあり、ノードN04とN31は同一のノードであり、ノードN05とN32は同一のノードであり、ノードN06とN33は同一のノードである。
このような隣り合う地図データ間のノードの関係を表すために、例えば、隣接番号3の地図データのノードN31をノードN04の隣接ノードとして表す。このために図5の(c6)のリンクレコードに隣接番号を設け、隣接番号が0なら、隣接ノード情報が示すノードは当該地図データのノードを示し、隣接番号が0以外なら、隣接ノード情報が示すノードは隣接番号により示される地図データのノードを示すようにする。その例として(j5)にノードN04のリンクレコードを示す。
【0151】
図34において、(k1)は(j1)の道路網のノードN03を削除した版数VXの道路網であり、(k2)は(j2)の道路網のノードN30を削除した版数VXの道路網であり、(k3)、(k4)は(k1),(k2)の道路網のノードのノードレコード番号を示し、ノードN03の削除により、ノードN04、N05、N06のノードレコード番号が3、4、5に変化したことを示し、ノードN30の削除により、ノードN31〜N36のノードレコード番号が0〜5に変化したことを示している。
【0152】
図35は、図33の(j1)のみを図31のステップST3で生成した更新操作情報により版数VXに更新した状態を示し、(m1)は、図33の(k1)と同一道路網、(m2)は、図32の(j2)と同一道路網、(m3)、(m4)は(k1)、(k2)の道路網のノードのノードレコード番号を示す。(m5)、(m6)は(k1)、(k2)の道路網のノードのリンクレコードを示す。(m5)のリンクレコード番号1のリンクレコードの隣接ノード情報には、版数がVXである図33の(k4)のノードレコード番号が使用され、(m6)のリンクレコード番号1のリンクレコードの隣接ノード情報には、版数がVである図32の(j3)のノードレコード番号が使用され、それぞれ異なる版数におけるノードレコード番号を使用するため、(m5)、(m6)は(m1)と(m2)の道路網の関係を正しく表現しない。例えば(m5)によれば、ノードN04の隣接ノードはノードレコード番号0、即ち、ノードN30となり、(m6)によれば、ノードN31の隣接ノードはノードレコード番号4、即ち、ノードN05となる。このように版数の異なる隣り合った地図データ間で不整合を生ずる。
【0153】
図36において、(n1)は、(m1)の領域におけるノードの版数VXとVのノードレコード番号の対応関係を示し、(n2)は、(m2)の領域におけるノードの版数VXとVのノードレコード番号の対応関係を示す。図36のような対応関係から所望の版数におけるノードレコード番号を知ることができ、上記のような版数の異なる隣り合った地図データ間の不整合を解消できる。
【0154】
図37は図31のステップST81で生成される対応ノード情報のデータ構成例であり、(o)に示すように、対応ノード情報は、対応ノード情報ヘッダと1つ又は複数の対応ノードテーブルからなり、対応ノード情報ヘッダは、対応ノード情報のデータサイズを示す対応ノード情報データサイズ、当該対応ノード情報が有する対応ノードテーブルの数を示す対応ノードテーブル数からなる。
【0155】
(o1)は、対応ノードテーブルのデータ構成を示し、対応ノードテーブルヘッダと1つ又は複数の対応レコードからなり、対応ノードテーブルヘッダは地図データ識別を示す地図データ識別情報と、版数0、版数1からなり版数0と版数1との間の対応関係であることを示す対応版数情報と、地図データ識別情報が示す地図データに隣り合う地図データを示すための隣接番号を表す隣接地図データ情報と、当該対応ノードテーブルが有する対応レコードの数を示す対応レコード数からなる。なお、地図データ識別情報が地図データMを示しているとき、該対応ノードテーブルを地図データMの対応テーブルと呼ぶ。
【0156】
(o2)は対応レコードのデータ構成を示し、対応レコードは、地図データ識別情報が示す地図データ中のノードで隣接地図データ情報が示す地図データに含まれるノードに対し、版数0が示す版数におけるノードレコード番号をノードレコード番号0に格納し、版数1が示す版数におけるノードレコード番号をノードレコード番号1に格納したものである。
【0157】
図38は図37のデータ構成の対応ノードテーブルの例であり、(p1)は図35の(m1)の地図データの隣接地図データ情報が(m2)の地図データを指す対応テーブルであり、(p2)は図35の(m2)の地図データの隣接地図データ情報が(m1)の地図データを指す対応テーブルである。
【0158】
図39は図31のステップST81の詳細なフローチャートである。
ステップST91では、図31のステップST2で得た更新操作情報要求中の隣接情報である隣接番号Aiと版数Viを取り出してステップST92へ進む。但し、すべての隣接情報を取り出していればステップST94へ進む。
ステップST92では、最新の版数VXとステップST91で得た版数Viとを比較し、一致すればステップST91へ進み、一致しなければステップST93へ進む。
【0159】
ステップST93では、道路網データベース22、道路網更新データベース23を参照し、上記更新操作情報要求の中の地図データ識別情報が示す地図データの版数VXと版数Viノードのノードレコード番号の対応関係を求め、図37の対応ノードテーブルを生成し、また、隣接番号Aiである上記更新操作情報要求の中の地図データ識別情報が示す地図データに隣り合う地図データの版数VXと版数Viノードのノードレコード番号の対応関係を求め、図37の対応ノードテーブルを生成し、ステップST91へ進む。
【0160】
以下、上記更新操作情報要求中のすべての隣接情報についてステップST91,ST92,ST93の処理を行う。
ステップST94では、上記で生成した対応ノードテーブルを用いて図37の対応ノード情報を生成し、ステップST81の処理を終了する。
【0161】
図40はこの実施の形態5による地図情情報処理装置の動作を示すフローチャートであり、図16にステップST101,ST102を追加したものである。なお、ステップST13では、ナビゲーション処理で必要となる領域に隣り合った領域の地図データに関する隣接情報の数、隣接情報を更新操作情報要求に付加して、送受信装置14により地図情報提供局へ送信するようにする。
【0162】
ステップST101では、ステップST13の更新操作情報要求に応じて地図情報提供局が送信した対応ノード情報を送受信装置14により受信し、図41に示す更新データ記憶装置16に設けた対応ノードテーブル格納部の対応ノードテーブル管理情報に従い、受信した対応ノード情報中の対応ノードテーブルを更新データ記憶装置16の対応ノードテーブル格納部に格納する。対応ノードテーブル管理情報は、各対応ノードテーブルの所在を管理する情報である。なお、上記対応ノードテーブルの格納により更新データ記憶装置16の記憶容量を超える場合は、更新データ記憶装置16に格納されている対応ノードテーブルを最も格納時期が古いものから所用の空き領域が確保できるまで削除し、上記対応ノードテーブルを格納する。
【0163】
ステップST102では、ステップST15〜ST19により更新された地図データMaの対応ノードテーブルの隣接地図データ情報が示す地図データ記憶装置13に格納されている地図データの版数が地図データMaの版数と一致するすべての地図データMaの対応ノードテーブルを更新データ記憶装置16から削除する。また、隣接地図データ情報が地図データMaを示す対応ノードテーブルのうち、その地図データ識別情報が示す地図データの版数が地図データMaの版数と一致するものを更新データ記憶装置16から削除する。
この処理により、相隣り合う地図データがともに最新の版数に更新されることにより不要になった対応ノードテーブルが削除され、更新データ記憶装置16の記憶領域を効率よく使用する。
【0164】
ステップST20では、ある版数Vxの地図データMxを参照中に隣り合う版数Vyの地図データMyを参照する際に、版数Mxと版数Myが異なれば、地図データ記憶装置13に格納されている地図データMyの対応版数情報が版数Mx、My間の対応である対応ノードテーブルにより、版数Mxのノードレコード番号を版数Myのノードレコード番号に変換したノードレコード番号を使用して地図データMyを参照する。
【0165】
例えば、図35及び図37において、Mx=Ma、My=Mb、Vx=VX、Vy=Vとすると、版数VXの地図データMaのノードレコード番号が5のノードN06の隣接ノードを参照する時、該隣接ノードのノードレコード番号は、(m5)より版数VXの地図データMbにおいては2であるから、地図データMbの対応テーブル(p2)よりノードレコード番号0が2である対応レコード、即ち、対応レコード#2を見つけ、その対応レコード#2のノードレコード番号1が示すノードレコード番号が3である版数Vの地図データMbにおけるノード、即ち、ノードN33を隣接ノードとする。
【0166】
このようにして、対応ノードテーブルを利用して、版数の異なる地図データに渡り整合のとれたナビゲーション処理を行う。
なお、上記実施の形態1〜4において、更新操作情報、対応ノード情報を送受信装置14から取得するようにしたが、メモリカード等のリムーバブルな記憶媒体から取得するようにしてもよい。
【0167】
また、上記実施の形態1〜4において、地図データ記憶装置13と更新データ記憶装置16を別の記憶装置としているが、同一記憶装置としてもよく、同一記憶装置としたときに更新された地図データの格納時に当該地図データの領域の古い版数の地図データを削除してもよい。
【0168】
また、上記実施の形態1〜4において、地図データ、更新操作情報、対応ノードテーブルを更新データ記憶装置16に格納する際、更新データ記憶装置16の記憶容量を超えるとき、更新データ記憶装置16に格納されている地図データ、更新操作情報、対応ノードテーブルの格納時期の古い順に削除するようにしているが、それぞれを過去に参照した頻度がより低いものから順に削除するようにしてもよく、次に行うナビゲーション処理に必要とされると推定される領域以外または該領域からより離れたものから順に削除するようにしてもよく、これらの条件を組み合わせて削除するようにしてもよい。
【0169】
また、上記実施の形態1〜3において、経路計算データの例を示したが地図情報を構成するいずれのデータに適用してもよい。
また、上記実施の形態1〜3において、地図データ単位で版数を管理しているが、地図データを構成するデータ毎に独立に版数を管理し、地図データを構成するデータ毎に更新を行ってもよい。
また、上記実施の形態1〜3において、各種データのレコード中に含まれるオフセット、レコード番号に関する更新については、更新操作情報として取得せず、更新前の地図データと更新操作情報から算出して更新するようにしてもよい。
【0170】
また、上記実施の形態3において、ステップST63で、格納の要否の判定を更新処理に要する処理時間で行ったが、更新後の地図データのデータサイズが所定値以上のとき格納要とするようにしてもよく、更新データ記憶装置16の空き領域のデータサイズが所定値以下のとき格納要としてもよい。
また、上記実施の形態4において、経路計算データの例を示したが地図データを構成するデータで道路網に関するデータであれば、そのデータに適用してもよい。
また、上記実施の形態4において、隣合う領域の共通領域が線の場合を例としたが、隣合う領域の共通領域が面であってもよい。
【符号の説明】
【0171】
11 入力装置、12 車両位置検出装置、13 地図データ記憶装置(記憶手段)、14 送受信装置(情報取得手段)、15 地図データ処理装置(更新手段)、16 更新データ記憶装置、17 出力装置、21 送受信装置、22 道路網データベース、23 道路網更新データベース、24 更新操作情報生成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶されている地図データの更新処理内容を示す更新操作情報を取得する情報取得手段と、上記情報取得手段により取得された更新操作情報にしたがって上記記憶手段に記憶されている地図データを更新する更新手段とを備えた地図情報処理装置。
【請求項2】
情報取得手段は、地図データ内の所定の基準位置からのオフセットで更新箇所が表された更新位置情報を含む更新操作情報を取得することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
情報取得手段は、地図データに含まれるデータのうち、更新対象のデータを指定するデータ指定情報と、そのデータが格納されているレコードを示す更新位置情報とを含む更新操作情報を取得することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
情報取得手段は、レコード内において、少なくとも1以上の更新位置を示す更新位置情報を含む更新操作情報を取得することを特徴とする請求項3記載の地図情報処理装置。
【請求項5】
情報取得手段は、レコード内において、少なくとも1以上の更新箇所の更新種別を示す更新種別情報を含む更新操作情報を取得することを特徴とする請求項4記載の地図情報処理装置。
【請求項6】
更新手段による更新処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、情報取得手段により取得された更新操作情報を格納し、その更新処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、上記更新手段による更新後の地図データを格納するデータ格納手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の地図情報処理装置。
【請求項7】
更新手段による更新処理の推定処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、情報取得手段により取得された更新操作情報を格納し、その更新処理の推定処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、上記更新手段による更新後の地図データを格納するデータ格納手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の地図情報処理装置。
【請求項8】
地図データを記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶されている地図データの更新情報を取得する情報取得手段と、上記情報取得手段により取得された更新情報にしたがって上記記憶手段に記憶されている地図データを更新する更新手段とを備えた地図情報処理装置において、上記情報取得手段は、上記記憶手段が一部の領域の版数が他の領域の版数と異なる地図データを記憶している場合、各版における同一ノードの対応関係を示す対応ノード情報を取得することを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項9】
情報取得手段は、相互に隣接する領域の版数が異なる場合に限り対応ノード情報を取得するものとして、相互に隣接する領域に存在する同一ノードの対応ノード情報を取得することを特徴とする請求項8記載の地図情報処理装置。
【請求項10】
情報取得手段は、相互に隣接する領域のうち、双方の領域の重複領域に存在する同一ノードの対応ノード情報のみを取得することを特徴とする請求項9記載の地図情報処理装置。
【請求項11】
記憶している地図データの更新処理内容を示す更新操作情報を取得し、その更新操作情報にしたがって上記地図データを更新する地図情報処理方法。
【請求項12】
地図データ内の所定の基準位置からのオフセットで更新箇所が表された更新位置情報を含む更新操作情報を取得することを特徴とする請求項11記載の地図情報処理方法。
【請求項13】
地図データに含まれるデータのうち、更新対象のデータを指定するデータ指定情報と、そのデータが格納されているレコードを示す更新位置情報とを含む更新操作情報を取得することを特徴とする請求項11記載の地図情報処理方法。
【請求項14】
レコード内において、少なくとも1以上の更新位置を示す更新位置情報を含む更新操作情報を取得することを特徴とする請求項13記載の地図情報処理方法。
【請求項15】
レコード内において、少なくとも1以上の更新箇所の更新種別を示す更新種別情報を含む更新操作情報を取得することを特徴とする請求項14記載の地図情報処理方法。
【請求項16】
地図データの更新処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、取得した更新操作情報を格納し、その更新処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新後の地図データを格納することを特徴とする請求項11から請求項15のうちのいずれか1項記載の地図情報処理方法。
【請求項17】
地図データの更新処理の推定処理時間が所定の基準時間を超えた場合には、取得した更新操作情報を格納し、その更新処理の推定処理時間が所定の基準時間に満たない場合には、更新後の地図データを格納することを特徴とする請求項11から請求項15のうちのいずれか1項記載の地図情報処理方法。
【請求項18】
記憶している地図データの更新情報を取得し、その更新情報にしたがって上記地図データを更新する地図情報処理方法において、一部の領域の版数が他の領域の版数と異なる地図データを記憶している場合、各版における同一ノードの対応関係を示す対応ノード情報を取得することを特徴とする地図情報処理方法。
【請求項19】
相互に隣接する領域の版数が異なる場合に限り対応ノード情報を取得するものとして、相互に隣接する領域に存在する同一ノードの対応ノード情報を取得することを特徴とする請求項18記載の地図情報処理方法。
【請求項20】
相互に隣接する領域のうち、双方の領域の重複領域に存在する同一ノードの対応ノード情報のみを取得することを特徴とする請求項19記載の地図情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2010−33077(P2010−33077A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256213(P2009−256213)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【分割の表示】特願2001−2959(P2001−2959)の分割
【原出願日】平成13年1月10日(2001.1.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】