説明

均一なプロセス速度を生成するためのプラズマ処理装置及び結合窓構成

【課題】アンテナおよびプラズマ間の容量結合を大幅に低減する結合窓構成及びプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】絶縁材料から形成される第1の層504と、第1の層504に接続された第2の層506であって、プロセス中においてプロセスチャンバ内に存在するプラズマに対して実質的に抵抗となる材料から形成され、前記プロセスチャンバの内周面の一部を形成する前記第2の層506と、を備え、第1の層504および第2の層506は、アンテナから前記プロセスチャンバ内部へのRFエネルギの通過を許容するように構成されていることとを備え、第2の層506は、導電材料から形成され、電気的に浮動するように構成されている結合窓構成500である。結合窓構成500のイオン衝突は低減され微粒子汚染が低減される、また高密度のプラズマとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路(IC)の製造に使用される半導体基板、あるいは平面ディスプレイに使用されるガラスパネルのような基板を処理するための装置および方法に関する。より詳しくは、本発明は、基板表面にわたる高いプロセスの均一性を伴って基板を処理することが可能な改善されたプラズマプロセスシステムに関する。
【0002】
[関連事件の相互参照]
本出願は、以下の同時に出願された米国特許出願に関連している。
「向上したプラズマプロセスシステムおよびそのための方法」と題する出願番号09/439,661(代理人事件番号:LAM1P122/P0527)。
「動的なガス散布制御を用いたプラズマプロセスシステム」と題する出願番号09/470,236(代理人事件番号:LAM1P0123/P0557)。
「プラズマ処理装置用の温度制御システム」と題する出願番号09/439,675(代理人事件番号:LAM1P0124/P0558)。
「プラズマプロセスシステム用の材料およびガス組成」と題する出願番号09/440,794(代理人事件番号:LAM1P0128/P0561)。
「プラズマ量を制御するための方法および装置」と題する出願番号09/439,759(代理人事件番号:LAM1P0129/P0563)。
上記に特定した各出願は、引用によってここに組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
プラズマプロセスシステムは、近年あちこちで見られるようになった。過去数年、ICP(誘導結合型プラズマ)源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)源、容量源などを利用するプラズマプロセスシステムが、半導体基板およびガラスパネルを処理するために種々の程度に導入および採用されてきた。
【0004】
処理の間、複数の蒸着および/またはエッチング工程が一般に採用される。蒸着の間、材料が基板表面(例えば、ガラスまたはウエハ表面)に蒸着する。例えば、ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、金属などの種々の形態を例とする蒸着層は、基板表面に形成され得る。これに対して、基板表面上の予め定義された領域から材料を選択的に取り除くために、エッチングが採用される。例えば、ビア、接点、トレンチのようなエッチングされたフィーチャは、基板の層内に形成され得る。
【0005】
プラズマ処理の1つの具体的な方法は、プラズマを生成するために誘導源を使用する。図1は、プラズマ処理に使用される従来の誘導プラズマ処理反応器100を示す。一般の誘導プラズマ処理反応器100は、絶縁窓106の上に配置されたアンテナ、即ち誘導性コイル104を備えたチャンバ102を含む。一般に、アンテナ104は、第1のRF電力源108に動作可能に接続されている。さらに、ガスポート110は、チャンバ102内に設けられ、絶縁窓106および基板112の間において、ガス状の原材料、例えば、エッチャント源のガスをRF誘導プラズマ領域へ放出するために配置されている。基板112は、チャンバ102内へ導入され、チャック114上へ配置される。チャック114は、一般に電極として動作し、第2のRF電力源116に動作可能に接続されている。
【0006】
プラズマを生成するために、プロセスガスがガスポート110を通じてチャンバ102内へ注入される。そして、第1のRF電源108を用いて電力が誘導コイル104供給される。供給されたRFエネルギは、絶縁窓106を介して結合し、大きな電場がチャンバ102内に誘起される。より詳しくは、電場によって渦電流がチャンバ102内に誘起される。電場はチャンバ内の存在する少数の電子をプロセスガスの分子に衝突させながら加速させる。これらの衝突により、イオン化および放電の開始、即ちプラズマが引き起される。当業者には周知のように、プロセスガスの中性気体分子はこれらの強力な電場に晒されたとき電子を放出し、プラスに帯電したイオンとなる。その結果、プラスに帯電したイオン、マイナスに帯電した電子および中性気体分子(および/または原子)がプラズマ118内に含まれる。自由電子の生成率がそれらの損失率を超えたとたんにプラズマが発生する。
【0007】
一旦プラズマが生成されると、プラズマ内の中性気体分子は基板表面に向かって移動する傾向がある。例えば、基板における中性気体分子の存在に起因する機構の1つは、拡散(即ち、チャンバ内における分子の不規則運動)である。従って、中性種(例えば、中性気体分子)の層は、一般に基板112の表面に沿って見られる。同様に、下部電極114が電力供給されると、イオンは基板に向かって加速する傾向にあり、そこにおいて中性種と共同してエッチング反応を活性化させる。
【0008】
上述したような誘導プラズマシステムで遭遇する1つの問題は、基板にわたるエッチング性能の変化、例えば、不均一なエッチング速度であった。即ち、基板のある領域が別の領域よりも異なってエッチングされる。その結果、集積回路に付随するパラメータ、即ち加工寸法、アスペクト比などを制御することが非常に困難である。加えて、不均一なエッチング速度は、半導体回路内のデバイス欠陥を招くことがあり、それは一般により高い製造コストに転換される。さらに、全体のエッチング速度、エッチング断面、マイクロローディング、選択比などに関する他の問題も存在する。
【0009】
近年、これらの不均一なエッチング速度は、基板表面にかけて存在するプラズマ密度の変化、即ち、反応種(例えば、プラスに帯電にしたイオン)が多いかまたは少ない領域を有するプラズマが原因であり得ることが分かってきた。理論に拘束されることを望まないが、プラズマ密度の変化が不均衡によって生じている。その不均衡は、電力結合(例えば、アンテナ、絶縁窓、および/またはプラズマ)の電力伝送特性において見られる。電力結合が不均衡である場合、誘導電場の渦電流が不均衡となるのは当然であり、従って、イオン化およびプラズマの開始も不均衡となる。その結果、プラズマ密度の変化に遭遇することになる。例えば、あるアンテナの配置では、コイルの中央で強くコイルの外径で弱い電流を誘起する。これに対応して、プラズマはプロセスチャンバの中央へ向かって集まる傾向となる(プラズマ118として図1に示される)。
【0010】
不均衡な電力結合に対処するための標準的な技術は、不均衡を補償したりバランスをとることであった。例えば、弱い電流領域における電流密度を増大させるべく、一対の平面アンテナを使用すること、異なる径においてより円形のループを形成するべく、渦状のアンテナに対して放射状の部材を取り付けること、強い電流領域における電流密度を低減するべく、絶縁窓の厚みを変化させること、である。しかしながら、これらのバランス技術は、方位的に均衡な電力結合を提供する傾向にはない。即ち、それらはプラズマ内に変化をもたらす方位変化をなおも有する傾向にある。方位変化は、エッチングの均一性を得ることを困難とする。
【0011】
さらに、今日使用されるほとんどのアンテナ配置は、アンテナおよびプラズマ間の容量結合の何らかのタイプを形成する。容量結合は、アンテナおよびプラズマ間の電圧降下によって生成される。一般に、電圧降下は結合窓において或いは周辺においてシース電圧を形成する。たいてい、シース電圧は、(電力供給された)下部電極のように動作する傾向にある。即ち、プラズマ内のイオンはシースにわたって加速される傾向にあり、従って、マイナスに帯電した結合窓に向かって加速する。その結果、加速イオンは結合窓の表面に衝突する傾向にある。
【0012】
これらの衝突イオンは、結合窓上に基板上と実質的に同様の影響を与えるであろう。即ち、それらは結合窓の表面をエッチングしたり、材料を蒸着したりするであろう。これにより、望ましくないおよび/または予測不可能な結果を招き得る。例えば、蒸着した材料が結合窓に堆積し、有害な微粒子の源となり得る。特に、材料が基板表面上に剥がれ落ちるときにそうである。結合窓から材料を除去することは、同様の影響を生じるであろう。結局は、厚みの増減が、例えば、電力結合(例えば、アンテナ、絶縁窓、プラズマ)の電力伝送特性におけるプロセス変動を招くことになる。上述したように、プロセス変動は、不均一なプロセスを招く。それにより、半導体回路内のデバイス欠陥を招く。
【0013】
上記の観点にから、基板表面における均一なプロセスを生成するための改善された方法および装置が望まれている。また、アンテナおよびプラズマ間の容量結合を低減するための改善された方法および装置も望まれている。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、一実施の形態において、プラズマを用いて基板を処理するためのプラズマ処理装置に関する。装置は、第1の周波数を有する第1のRF電源を含む。装置は、さらにプロセスチャンバを含む。加えて、装置は、第1のRF電源に動作可能に結合された実質的に円形のアンテナを含む。アンテナは、基板が処理のためにプロセスチャンバ内に配置されるとき、基板によって定義される面の上方に配置される。実質的に円形のアンテナは、第1のRF電源によって生成された第1のRFエネルギを用いて、プロセスチャンバ内に電場を誘起するように構成されている。実質的に円形のアンテナは、第1の面に位置する第1の対の同心状の輪と、第2の面に位置する第2の同心状の輪とを少なくとも含む。第1の対の同心状の輪および第2の対の同心状の輪は、互いに実質的に同一でありかつ対称に配置されている。実質的に円形のアンテナは、プロセスチャンバ内に方位的に対称なプラズマを形成する。
【0015】
また、装置は、アンテナおよびプロセスチャンバ間に配置された結合窓を含む。結合窓は、アンテナからプロセスチャンバ内部への第1のRFエネルギの通過を許容するように構成されている。結合窓は、第1の層および第2の層を有する。第2の層は、実質的に円形のアンテナおよびプラズマ間に形成される容量結合を実質的に抑制するように構成されている。実質的に円形のアンテナおよび結合窓は、協働して基板表面にわたって均一なプロセス速度を生成する。
【0016】
本発明は、別の実施の形態において、プロセスチャンバ内の基板を処理するための実質的に円形のアンテナの配置に関する。アンテナの配置は、第1のRF電源に動作可能に接続されている。基板が処理のためにプロセスチャンバ内に配置されたとき、アンテナの配置は、基板によって定義される面の上方に位置する。アンテナの配置は、第1の面に位置する第1の対の同心状の輪および第2の面に位置する第2の対の同心状の輪を含む。第2の対の同心状の輪は、第1の対の同心状の輪に対して動作可能に結合されている。第2の対の同心状の輪は、第1の対の同心状の輪と実質的に同一でありかつ対称に配置されている。第2の対の同心状の輪は、第1の対の同心状の輪と近接しており、第1の対の同心状の輪は、第2の対の同心状の輪の上の配置されている。実質的に円形のアンテナの配置は、第1のRF電源によって生成される第1のRFエネルギを用いて、プロセスチャンバ内に方位的に対称な電場を形成する。方位的に対称な電場は、実質的に方位的に対称なプラズマを形成する。そのプラズマは、基板表面にわたって実質的に均一なプロセス速度を生成する。
【0017】
本発明は、別の実施の形態において、プロセスチャンバ内のプラズマを用いて基板を処理するための結合窓の配置に関する。結合窓は、アンテナからプロセスチャンバ内部への第1のRFエネルギの通過を許容するように構成されている。プロセスは、アンテナおよびプラズマ間に容量結合を形成する。配置は、絶縁材料から形成される第1の層と、導電材料から形成される第2の層とを含む。導電体はプロセス中においてプロセスチャンバ内に存在するプラズマに対して実質的に抵抗となるものである。第2の層は第1の層に接続され、第2の層はプロセスチャンバの内周面の一部を形成する。また、第2の層は、プロセス中にアンテナおよびプラズマ間に形成される容量結合を実質的に抑制するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、添付の図面において、限定的ではなく例示的に図示されている。図面において同様の参照番号は同様の部材を示す。
【図1】プラズマプロセスで使用される誘導プラズマプロセス反応器を示す。
【図2】本発明の一実施例に従う、アンテナの配置および結合窓の配置を含むプラズマプロセスシステムを示す。
【図3】本発明の一実施例に従う複数巻きアンテナの配置を示す。
【図4】本発明の一実施例に従う複数巻きアンテナの配置を示す側断面図である。
【図5】本発明の一実施例に従う多層結合窓を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、添付図面に例示されたいくつかの好適な実施の形態を参照して本発明を説明する。後述の説明において、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が明らかにされる。しかしながら、これらの具体的な詳細のいくらかまたは全てが無くとも、本発明が実施され得ることは当業者にとって明らかである。
【0020】
プロセス基板において、プロセスエンジニアが改善に励む最も重要なパラメータの1つはプロセスの均一性である。ここでその項目が採用されたとして、エッチングの均一性とは、基板表面にわたる全体のエッチングプロセスの均一性をさす。その均一性は、エッチング速度、マイクロローディング、マスク選択性、下地層の選択性、加工寸法制御、および断面特性(側壁角度および粗さなど)を含む。エッチングが非常に均一である場合、例えば、基板上の異なる点におけるエッチング速度が実質的に同一となる傾向があると期待される。この場合、基板のある領域がはなはだしくオーバーエッチングとなるのに対して、他の領域が不十分なエッチングのままとなることは生じ難い。
【0021】
本発明は、均一なエッチングを生成することが可能なプロセス基板用のプラズマプロセスシステムを提供する。プラズマプロセスシステムは、RF電源およびプロセスチャンバを含む。プラズマプロセスシステムはさらに第1のRF電源に動作可能に接続された実質的に円形のアンテナを含む。アンテナは、基板が処理のためにプロセスチャンバ内に配置されるとき、基板によって定義される面の上方に配置される。実質的に円形のアンテナは、第1のRF電源によって生成された第1のRFエネルギを用いて、プロセスチャンバ内に電場を誘起するように構成されている。実質的に円形のアンテナは、第1の面に位置する第1の対の同心状の輪と、第2の面に位置する第2の同心状の輪とを少なくとも有する。第1の対の同心状の輪および第2の対の同心状の輪は、実質的に同一でありかつ共通の軸に沿って互いに対称に配置されている。
【0022】
プラズマ処理装置は、さらに、アンテナおよびプロセスチャンバ間に配置された結合窓を含む。結合窓は、アンテナからプロセスチャンバ内部への第1のRFエネルギの通過を許容するように構成されている。さらに、結合窓は、第1の層および第2の層を有する。第2の層は、結合窓を通過する電圧の少なくとも一部を吸収することにより、窓およびプラズマ間で生じる電圧降下を低減するように構成されている。実質的に円形のアンテナおよび前記結合窓は、プロセスチャンバ内において方位的に対称なプラズマを協働して形成するように配置されている。そのプラズマは、基板表面にわたって実質的に均一なプロセス速度を生成する。
【0023】
本発明の一態様に従って、均一なプラズマを生成するように構成された、改善されたアンテナ配置を提供することにより、基板表面にわたるプロセスの均一性が達成される。前述したように、電力がアンテナに供給されて、プロセスチャンバ内に電場を誘起し、続いて渦電流を誘起する。同様に、電場はプロセスチャンバ内の電子を加速させ、それら電子をプロセスガスの気体分子に衝突させる。その結果、イオン化およびプラズマの開始となる。
【0024】
プラズマの生成に続いて、電力が下部電極に供給され、イオンが基板に向かって加速される。加速されたイオンおよび中性反応物は、基板表面に到達し、基板表面上に配置された材料と反応するため、基板を処理する。一般に、プラズマの密度がある領域において他より高い場合、不均一なプロセス速度が生成されるであろう。従って、改善されたアンテナの配置は、方位的に対称な電場を誘起することにより、これらプラズマの変動を低減するように構成されているため、より均一なプロセス速度を生成する。
【0025】
一実施の形態において、改善されたアンテナは、方位的に対称な渦電流を生成するように構成されている。理論に拘束されることを望まないが、電力結合の伝送線路特性は、誘起された電場に応答して渦電流に方位的な変動を生成する。これらの伝送線路特性は、アンテナの長さに沿って高低の電圧変動領域を形成する定在波を生成する傾向にある。その結果、誘起された電場に、高低の電流密度変動領域を生成する結果となる。即ち、電圧が高いとき電流は小さく、電圧が低いとき電流が大きい。当業者には周知であるように、プラズマ内への電力貯蔵は、電流密度に依存する。例えば、電流密度が高いところではプラズマ密度は高くなる傾向にあり、電流密度が低いところではプラズマ密度は低くなる傾向にある。従って、電流密度が高低の電流変動領域を有する場合、方位的に非対称なプラズマが一般に生成される。
【0026】
より具体的には、RFエネルギの波長がアンテナの長さよりも小さい場合、より多くのノードが定在波パターンに現れることになる。一般に、定在波は方程式によって決定される。アンテナ電気長=1/2(波長)*n。ここで、nはノードの数である。ほとんどのアンテナの配置は、長さが約1(1/2)波長〜約2(1/2)波長であり、その結果、約3〜5のノードを生成する。これらのノードは、上述の低い電圧に対応する。
【0027】
改善されたアンテナは、伝送線路ではなく電力伝送システムにおける集中回路素子として動作するように構成することにより、この不都合を解消する。即ち、改善されたアンテナは、動作周波数におけるRFエネルギの波長よりも短い明白な長さを有するように構成される。その結果、ノードの数が低減されるため、誘起された電流の方位変動は実質的に除去され、伝送線路の比例関係は保たれなくなる。
【0028】
一実施の形態において、改善されたアンテナの配置は、単一巻きアンテナのように動作する複数巻きアンテナである。複数巻きアンテナは、複数の輪を含む実質的に単一の導電体である。それらの輪は近接して巻かれるとともに、まとめて積み重ねられている。輪を近接して巻きかつまとめて積み重ねることにより、誘起された渦電流の強度に強い影響を与えることなく、アンテナ全体のサイズ(例えば、外径)をより小さくすることができる。さらに、アンテナのサイズを低減することにより、アンテナ全体の長さをより小さくすることができる。その結果、アンテナの伝送経路特性を低減することになる。さらにまた、輪が互いに近接して配置されているため、一般に巻き線の間で見られる径の変動も低減される。同様に、改善されたアンテナの配置は、方位的に対称な渦電流を効果的に誘起する。従って、方位的に対称な渦電流は、方位的に対称なプラズマを生成する傾向にある。その結果、基板表面において均一なプラズマプロセスを生成する傾向となる。
【0029】
複数巻き積層アンテナ配置の別の態様は、自己シールド特性である。即ち、プラズマは、窓に近接する巻き線によって、アンテナ端子電圧からシールドされる。これにより、容量結合および引き続く窓の侵食を大幅に低減することになる。容量結合および侵食の双方については、後に詳述する。
【0030】
本発明の別の態様に従って、改善された結合窓は、アンテナおよびプラズマ間で生じる容量結合を低減するように構成されている。ほとんどの電力結合の配置(例えば、結合窓およびプラズマ)は、アンテナおよびプラズマ間にいくらかの容量結合を生じる。容量結合は、アンテナおよびプラズマ間で生じる電圧降下によって生成される。一般に、この電圧降下は、結合窓の付近にシース電圧を形成する。当業者には周知であるように、そのシース電圧は、プラズマ内に付加的な変動をもたらすことがあり、例えば、シース電圧は、誘導結合係数の低下をもたらしながら、プラズマを押して窓から遠ざけることがある。加えて、シース電圧は、イオンが結合窓に衝突することに起因して、甚大な粒子汚染を生じることさえある。さらに、窓のイオン衝突によって消費される全ての電力は、一般にプラズマの生成には使用不能である。プラズマの生成は、相応するように、所定の電力に対してより低いプラズマ密度を生じることになる。
【0031】
アンテナおよびプラズマ間における容量結合を低減するために、改善された結合窓は、いっしょに積層された絶縁層およびシールド層を含むように構成されている。プロセスチャンバ内に配置された層であるシールド層は、好ましくは、電圧を結合窓の面から遠ざけるように方向付ける静電シールドとして動作するように構成されている。シールド層は、プラズマに対する容量結合を実質的に抑制する。さらに、シールド層は、容量(静電気、電位勾配)の電場を除去するのに対して、誘導(回転curl B、勾配grad F=0型)の電場を実質的に不変とするように構成されている。即ち、結合窓は、その結合窓を通じた直接的な容量結合をシールドするのに対して、(シールド層に対する実質的な損失を伴うことなく)アンテナが誘導的にプラズマを生成することを許容するように構成されている。
【0032】
より詳しくは、シールド層は、電気的に絶縁されており、導体または半導体材料から形成されている。従って、通常アンテナおよびプラズマ間で生じる電圧降下は、ここではアンテナおよびシールド層の間で生じる。従って、結合窓の表面付近のシース電圧は、実質的に低減される。その結果、誘導結合係数は増大し、結合窓の非生産的なイオン衝突に起因する電力損失を低減する。
【0033】
さらに、非接地の静電シールドは、均一な静電場を生成するとともに、シールド領域上における静電場の変動のみをシールドする。この最後の特徴は、プラズマの発生を容易とするのに使用され得る。加えて、シールド層は、プロセスチャンバの内部に露出しているため、プラズマプロセスの熱的、化学的、および物理的影響に耐え得る材料から形成されることが好ましい。
【0034】
本発明の特徴および利点は、図面および後述の説明を参照することによって、より理解され得る。
【0035】
図2は、本発明の一実施例に従うプラズマプロセスシステム200を示す。システム200は、基板206を処理するためにプラズマ204が点火および維持されるプロセスチャンバを202を含む。基板206は、処理されるワークピースを表し、例えば、エッチング、蒸着、または他のプロセスが行われる半導体基板、或いは平板ディスプレイへ処理されるガラスパネルであってもよい。加えて、プロセスチャンバ202は、実質的に円筒形状であり、実質的に垂直なチャンバ壁208を有するように構成されることが好ましい。しかしながら、本発明は、上記に限定されるものではなく、プロセスチャンバの種々の構成が使用されてもよいことに留意されたい。
【0036】
さらに、プラズマプロセスシステム200は、プラズマ204に電力結合するように構成されたアンテナ配置210および結合窓配置212を含む。アンテナ配置210は、第1のRF電源214に接続されている。第1のRF電源214は、約0.4MHzから50MHzの範囲の周波数を有するRFエネルギをアンテナ配置210へ供給するように構成されている。結合窓212は、アンテナ配置210からプロセスチャンバ内部への第1のRFエネルギの通過を許容するように構成されている。好ましくは、結合窓212は、基板206およびアンテナ配置210の間に配置されている。
【0037】
さらに、アンテナ配置210は、プラズマ204の形成を容易とするために、結合窓に十分に近接しているべきである。即ち、アンテナ配置210が結合窓に近いほど、より大きな電流密度がチャンバ内に生成される。さらにまた、アンテナ配置210は、プロセスチャンバ202および基板206の双方と同軸となるように配置されることが好ましい。アンテナ配置の対称的な配置は、基板表面にわたるプラズマの均一性を向上させ得ることを理解されたい。しかしながら、それは全てのプロセスに対して要求されなくともよい。アンテナ配置210および結合窓212を以下にさらに詳述する。
【0038】
一般に、ガスインジェクタ215はチャンバ202内に設けられている。ガスインジェクタ215は、チャンバ202の内周面の周りに配置されるとともに、ガス状の原材料、例えば、エッチャント源のガスを、結合窓212および基板206間のRF誘導プラズマ領域へ放出するために配置されていることが好ましい。あるいは、ガス状の原材料が、チャンバ自身の壁に形成されたポートから放出されたり、絶縁窓内に配置されたシャワーヘッドを通じて放出されてもよい。ガスを対称的に散布することにより、基板表面にわたるプラズマの均一性を向上させ得ることを理解されたい。しかしながら、それは全てのプロセスに対して要求されなくともよい。一般的なプラズマプロセスシステムで使用され得るガス散布システムの一例は、同日に出願され、かつ、引用によってここに組み込まれる「動的なガス散布制御を用いたプラズマプロセスシステム」(代理人事件番号:LAM1P0123/P0557)と題する同時係属中の特許出願にさらに詳細が記載されている。
【0039】
たいてい、基板206は、チャンバ202内へ導入され、プロセスの間、基板を保持するチャック216上に配置される。チャック216は、例えば、ESC(静電)チャックで表されてもよい。ESCチャックは、静電力によって基板206をチャックの表面に固定する。一般に、チャック216は、下部電極として動作し、第2のRF電源218によってバイアスされていることが好ましい。加えて、チャック216は、実質的に円筒形状であり、かつ、プロセスチャンバおよびチャックは円筒状に対称となるように、プロセスチャンバ202と同軸に並んで配置されていることが好ましい。また、チャック216は、基板をロードまたはアンロードするための第1の位置(図示しない)と、基板を処理するための第2の位置(図示しない)と、の間で移動するように構成されている。
【0040】
さらに図2を参照して、排気ポート220は、チャンバ壁202およびチャック216間に設けられている。しかしながら、排気ポート220の実際の配置は、各プラズマプロセスシステムの設計に応じて変更してもよい。しかしながら、高い均一性が重要である場合、円筒状に対称な排気ポートが非常に有効である。好ましくは、排気ポート220は、プロセス間に生成された副産物のガスを排気するために構成されている。さらに、排気ポート220は、一般にチャンバ202の外側に配置されたターボモレキュラーポンプ(図示しない)に接続されている。当業者には周知であるように、ターボモレキュラーポンプは、チャンバ202内の適切な圧力を維持する。
【0041】
さらに、エッチング処理のような半導体プロセスの場合、プロセスチャンバ内の多数のパラメータは、高い耐性結果を維持するために厳密に制御される必要がある。プロセスチャンバの温度は、そのようなパラメータの1つである。エッチング耐性(および製造された半導体ベースのデバイス性能)は、システム内の部品の温度変動に対して非常に敏感であり得るため、正確な制御が必要となる。例えば、温度制御を達成するために、一般的なプラズマプロセスシステムにおいて使用され得る温度管理システムが、同日に出願され、かつ、引用によってここに組み込まれる「プラズマ処理装置用の温度制御システム」(代理人事件番号:LAM1P0124/P0558)と題する同時係属中の特許出願にさらに詳細が記載されている。
【0042】
従って、プラズマプロセスに関する厳密な制御を達成するのに別の重要な考慮点は、プラズマプロセスチャンバ、例えば、チャンバの壁のような内面として使用される材料である。さらに別の重要な考慮点は、基板を処理するのに使用されるガス組成である。例として、一般のプラズマプロセスシステムで使用され得る材料およびガス組成の双方が、同日に出願され、かつ、引用によってここに組み込まれる「プラズマプロセスシステム用の材料およびガス組成」(代理人事件番号:LAM1P0128/P0561-1)と題する同時係属中の特許出願にさらに詳細が記載されている。
【0043】
プラズマを生成するために、プロセスガスがガスインジェクタ215を通じてチャンバ202内へ注入される。その後、第1のRF電源214を使用してアンテナ配置210へ電力が供給され、大きな電場が結合窓212を通じてチャンバ202内で誘起される。電場は、チャンバ内の少数の電子を加速させ、それら電子をプロセスガスの気体分子と衝突させる。これらの衝突により、結果として、イオン化、および放電、即ちプラズマ204の開始がなされる。当業者には周知であるように、プロセスガスの中性気体分子はこれらの強力な電場に晒されたとき電子を放出し、プラスに帯電したイオンとなる。その結果、プラスに帯電したイオン、マイナスに帯電した電子および中性気体分子がプラズマ224内に含まれる。
【0044】
一旦プラズマが生成されると、プラズマ内の中性気体分子は基板表面に向かって移動する傾向がある。例えば、基板における中性気体分子の存在に起因する機構の1つは、拡散(即ち、チャンバ内における分子の不規則運動)である。従って、中性種(例えば、中性気体分子)の層は、一般に基板206の表面に沿って見られる。同様に、下部電極216が電力供給されると、イオンは基板に向かって加速する傾向にあり、そこにおいて中性種と共同して基板の処理(即ちエッチング、蒸着など)を活性化させる。
【0045】
たいてい、プラズマ204は主としてチャンバの上部領域(例えば、活性領域)に滞留する。しかしながら、プラズマの一部は、チャンバ全体を満たす傾向にある。一般に、プラズマは持続可能なところへ移動する。これはチャンバ内のほとんど全ての場所である。例として、プラズマは、ポンプ構成のベロー(例えば、不活性領域)のような基板の下の領域を満たし得る。プラズマがこれらの領域に到達する場合、その領域のエッチング、蒸着、および/または侵食が生じる。それにより、その領域をエッチングしたり、蒸着材料がはげたりすることによって、プロセスチャンバ内で微粒子の汚染を生じ得る。
【0046】
さらに、滞留しないプラズマは、プロセス性能(即ち、エッチングの均一性、全体のエッチング速度、エッチング断面、選択性など)に変動を招き得る不均一なプラズマを形成する傾向にある。前述の影響を低減するために、プラズマを滞留させるためにプラズマの滞留配置が使用されてもよい。例として、プラズマを滞留させるために、一般のプラズマプロセスシステムで使用され得るプラズマ滞留配置が、同日に出願され、かつ、引用によってここに組み込まれる「プラズマ量を制御するための方法および装置」(代理人事件番号:LAM1P0129/P0561-2)と題する同時係属中の特許出願にさらに詳細が記載されている。
【0047】
本発明の第1の態様に従って、プラズマ処理装置は、方位的に対称な電場がプラズマ処理装置のプロセスチャンバ内に誘起されるように、複数巻きアンテナ配置を含む。図3および4は、本発明の一実施例に従う複数巻きアンテナ配置400を示す。複数巻きアンテナ配置400は、RF電源404に動作可能に接続された複数巻きアンテナ402を含む。それらは、例えば、図2に示されるアンテナ210およびRF電源214にそれぞれ対応する。
【0048】
上述したように、アンテナ長が波長に対して短い場合、電力結合の伝送線路の説明はもはや適切ではなく、電力結合は集中回路素子として動作し始める。従って、複数巻きアンテナ402は、伝送エネルギの波長よりも短い長さを有するように構成されている。アンテナの長さを短くすることにより、定在波パターン内にはより少ないノードが形成され、その結果、アンテナの方位方向における高電圧および低電圧領域が実質的に減らされる。
【0049】
複数巻きアンテナは、まとめて近接して配置された複数の巻き線を有するように構成されることが好ましい。それにより、生成される電磁場が単一アンテナからのものであるように現れる。より詳しくは、巻き線をまとめて近接して配置することにより、アンテナの電流生成能力が増大される。例えば、アンテナが互いに近接した4回巻きで形成される場合、プラズマを通過する電流は、アンテナ内より、約4倍の強さとなる傾向にある。同様に、この集中した電流は、より均一な集中したプラズマにまで影響する。その結果、プロセスチャンバに対するアンテナの直径は、より小さくすることができ、これによりアンテナの長さが低減される。アンテナの実際の長さは、以下により詳しく述べられる。
【0050】
複数巻きアンテナ402は、実質的に円形であり、第1の面に位置する第1の対の同心状の輪406と、第2の面に位置する第2の同心状の輪410とを少なくとも含む。第1の対の同心状の輪406および第2の対の同心状の輪410は、実質的に同一であり、かつアンテナの軸414に沿って互いに対称に配置されていることが好ましい。実質的に円形のアンテナは、実質的に円形の電場を生成することに留意されたい。その電場は、結果として実質的に円形のプラズマを生成することになる。従って、プロセスチャンバおよび基板が円形であるため、実質的に円形のプラズマが、基板表面においてより均一なプロセスを生成する傾向にあるのは当然である。
【0051】
本発明は実質的に円形であるとして示され、かつ、説明されたが、異なる形状を要求する適用に対して別の形状が使用されてもよいことを理解されたい。例えば、その基板はディスプレイ用、あるいはチャンバ設計のいくらかの非対称性の補償用である。例として、上記に明らかにしたのと同じ原理に従う楕円形、即ち角が丸まった長方形も首尾よく機能する。
【0052】
さらに、第1の対の同心状の輪406は、第2の対の同心状の輪408の上に積層されていることが好ましい。一般に、端子電圧および全ての電圧ノードが窓と直接的に近接しているため、単一面のアンテナは増大した容量結合を生成する。しかしながら、積層アンテナと、第1の対の同心状の輪406および第2の対の同心状の輪410間の対称的な直線配置とに起因して、高い端子電圧が第2の対の同心状の輪410によって効果的にシールドされる。より詳しくは、第2の対の同心状の輪410が電圧降下のための誘導路を提供するため、一般に第1の対の同心状の輪406およびプラズマ間で生じる電圧降下(例えば、容量結合)は実質的に低減される。従って、電圧降下はプラズマと相互に影響することはない。
【0053】
加えて、第1の対の同心状の輪406は第1の巻き線416および第4の巻き線418を好ましくは含み、第2の対の同心状の輪410は第2の巻き線420および第3の巻き線422を好ましくは含む。さらに、第1の巻き線416は第2の巻き線420と実質的に同一であり、かつ第2の巻き線420の上に配置されている。そして、第4の巻き線418は第3の巻き線422と実質的に同一であり、かつ第3の巻き線422の上に配置されている。
【0054】
第1の巻き線416は第2の巻き線420に動作可能に接続され、第2の巻き線420は第3の巻き線422は動作可能に接続され、第3の巻き線422は第4の巻き線418に動作可能に接続されている。各巻き線がこのように配置されているため、電流の流れはアンテナ軸414の周りに同一方向となる。一実施の形態では、複数巻きアンテナは、単一の誘導性要素から形成される。しかしながら、これは限定ではなく、複巻きアンテナは、構造的および電気的に共に接続された個別の部品から形成されてもよいことに留意されたい。加えて、複数巻きアンテナ402は、入力リード424および出力リード426を含む。入力リード424は第1の巻き線416に動作可能に接続され、出力リード426は第4の巻き線418に動作可能に接続されている。従って、RF電流は、入力リード424および出力リード426間にRF電圧を印加することにより、複数巻きアンテナ402を通じて流される。
【0055】
さらに図3および4を参照して、第4の巻き線418は第1の巻き線416よりも大きな直径を有し、第3の巻き線422は第2の巻き線420よりも大きな直径を有する。外側の巻き線(例えば、第3および第4の巻き線)はより大きな直径を有するが、それらは内側の巻き線(例えば、第1および第2の巻き線)に近接して配置されていることが好ましい。即ち、第4の巻き線418は第1の巻き線416に近接して配置されていることが好ましく、第3の巻き線422は第2の巻き線420に近接して配置されていることが好ましい。それらが近接した結果、複数巻きアンテナは、単一巻きアンテナのように見え、かつ単一巻きアンテナのように動作する(例えば、実質的に巻き線の間に空間が無い)。従って、放射方向における高いまたは低い電流領域が実質的に低減される。
【0056】
当業者には周知のように、2つの導体の間における小さな空間は、一般に2つの導体の間にアークを生成する。従って、外側と内側の巻き線の間の空間は、アークを抑制する距離によって制限される。しかしながら、本発明の一実施の形態では、空間が絶縁体で満たされることで、内側および外側の巻き線が互いに可能な限り近くに配置されることを許容する。一方では、内側および外側の巻き線の間のアークを実質的に抑制する。例として、約0.2から1cmの間の空間を有するテフロン(登録商標)またはセラミック材料が首尾よく機能する。
【0057】
さらに、複数巻きアンテナは、一般に銅で形成されている。一実施の形態において、複数巻きアンテナは、銀でコーティングされた銅で形成されている。しかしながら、複数巻きアンテナは、銅、または銀でコーティングされた銅に限定されず、任意の適切な材料が使用され得ることに留意されたい。一実施の形態において、窓および他の輪に対して各輪の繰り返し可能な配置を容易とするために、アンテナの輪の断面は四角形である。しかしながら、これは限定ではなく、他の断面形状およびサイズが使用され得ることに留意されたい。これに代えて、アンテナの輪は、温度制御を容易とするために中空の導体が使用されてもよい(即ち、流体がその中を流れる)。
【0058】
複数巻きアンテナの全体のサイズ、即ち外径に関して、一般に、プロセスチャンバの断面よりもアンテナを小さく作ることが好ましい(しかし、絶対的には必要ではない)。これは、基板の上方の領域内にプラズマを集中して維持するために、チャンバ壁への過度のプラズマ拡散を防止するためである。プラズマ拡散は、プラズマプロセスシステムを稼動させるのにより多くの電力を不適切に必要とし、かつ侵食を増大させる。さらに、一般に、生成されるプラズマのサイズは、使用されるアンテナのサイズに対応する。従って、均一なエッチング速度を生成するために、複数巻きアンテナは、基板の直径と実質的に同様の外径を有するべきである。例として、一般に、基板のサイズは、約6〜約12インチであり、それにより、一実施の形態において、複数巻きアンテナは約6〜約12インチの外径を有する。
【0059】
さらに詳述すると、増大した電流容量、即ち単一巻きとして動作する複数巻きアンテナに起因して、複数巻きアンテナは、基板よりも小さく構成され得る。即ち、より高い電流密度は、基板を処理するのに十分に大きなプラズマを生成する傾向にある。しかしながら、より小さいアンテナの使用は全てのプロセスに関して必要ではないことを理解されたい。即ち、アンテナは、基板よりも大きく構成されてもよい。しかしながら、高度な均一性が重要である場合、より小さいアンテナの使用は非常に有益となり得る。例として、12インチ基板を処理するために、アンテナの直径は、約6〜約15インチに構成され、好ましくは約7〜約11インチに構成され得る。しかしながら、これは限定ではなく、アンテナの実際のサイズは基板の具体的なサイズおよび各プラズマプロセスシステムの具体的な設計に応じて変化し得ることを留意されたい(例えば、アンテナのサイズはより大きいか小さい基板が使用されるとき、必要に応じて調整され得る)。
【0060】
採用されたRF周波数に関して、一般的な指標として、より低いRF周波数(例えば、13MHz未満)は、定在波効果を低減することにより、電力結合の伝送路特性の影響を低減する傾向にある。即ち、より低い周波数は、アンテナの任意の固有の方位的に対称な特性をより弱める傾向にある。さらに、より低いRF周波数において、アンテナおよびプラズマ間の容量結合もまた弱められるため、結合窓のイオン衝突が低減される。従って、RF電源の周波数は、一般に、約13MHz以下、好ましくは約0.4MHzから約13MHz、より好ましくは約4MHzに設定される。より低い周波数の使用は、全てのプロセスに関して要求されないことを理解されたい。しかしながら、高度な均一性が重要である場合、低い周波数の使用は非常に有益である。
【0061】
以上の説明から分かるように、本発明の第1の態様の利点は、数多くある。異なる実施例または実施の形態が、以下の1つ以上の利点を有し得る。本発明の1つの利点は、方位的に対称なプラズマがプロセスチャンバ内に生成されることである。その結果、プロセスの均一性の向上が達成される。これにより、基板のスループットが増大するとともに、デバイス欠陥が低減し、処理される基板の全体的な生産性が向上する。本発明の別の利点は、先進的なアンテナ配置が自己シールドであるため、アンテナおよびプラズマ間の容量結合が低減されることである。これにより、結合窓のイオン衝突が低減されるため、結合窓の寿命が延びるとともに、イオン衝突に関連する微粒子汚染が低減される。
【0062】
本発明の第2の態様に従えば、プラズマ処理装置は、アンテナおよびプラズマ間の容量結合を実質的に低減するために、多層結合窓配置を備える。本発明のこの態様についての説明を容易とするために、図5は、本発明の一実施例に従う多層結合窓配置500を示す。多層結合窓配置500は、図2に示される結合窓212にそれぞれ対応し得る。多層結合窓配置500は、少なくとも第1の層504および第2の層506を含む。好ましくは、第1の層504は第2の層506に接合されている。一実施の形態において、2つの層は熱で一体的に接合される。しかしながら、前述した利点を得ながらも、層の間にギャップ(即ち、真空ギャップ、または層の間にガスを流れを許容するためのギャップ)が設けられ得ることに留意されたい。さらに、第2の層506は、好ましくはプロセスチャンバの内周面の一部を形成する。
【0063】
第1から第2の層を参照すると、第2の層は、その面の電位差を低減する静電シールドとして機能するように構成されている。さらに、第2の層は、電気的に絶縁されるように配置されるとともに、アンテナからプラズマまでの誘導RFエネルギの通過を容易とする導体または半導体から形成されることが好ましい。従って、第2の層がプロセスチャンバ内のプラズマに晒されるため、第2の層はプラズマに対して実質的に抵抗となる材料から形成されることが好ましい。好適な実施例において、第2の層は、炭化ケイ素(SiC)から形成されている。大たいてい、SiCは、プラズマプロセスの熱的、化学的、および物理的影響に耐えることができる。加えて、一般に、SiCは絶縁体として分類され、電流の流れに対していくらかの抵抗を与える。抵抗の性質は何がシールド効果を生成するかであり、絶縁の性質は何が導電結合を許容するかである。
【0064】
誘導電場に影響を与えることなく、層が電磁場として機能するのを確実にするために、第2の層の抵抗率は重要である。たいてい、本発明で使用されるべき具体的な抵抗率の範囲は、結合窓が使用されているアンテナの正確な寸法、電力結合の動作周波数、および第2の層の厚みに依存する。例として、約100Ω・cmから約10kΩ・cmまでの抵抗率がうまく機能する。しかしながら、もし所望される場合、第2の層(例えば、SiC)をより絶縁層のように機能させるために、抵抗率は、106Ω・cm以上に構成され得ることを理解されたい。
【0065】
理論に縛られたくないが、第2の層の電気抵抗は、プラズマを生成するために使用されるプロセスガスに対して等電位面を提供することが確信される。例えば、プラズマが発生した後、第2の層へプラズマが近接することから、第2の層の電位は大幅に低くなる。さらに、容量電圧分圧器が一般に形成され、この容量電圧分圧器は、例えば、一定の容量を有する絶縁性の第1の層によって形成される上方部分と、導電性の第2の層によって形成される下方部分とで構成され、この下方部分は、点火前には導電性の第2の層およびチャンバの壁で形成され、点火後には導電性の第2の層およびプラズマで形成される。点火前には、下方部分は小さな容量を有するため、より大きな電圧の補助点火がある(例えば、放電を開始するために、一般に容量電場が必要である)。点火後には、下方部分は大きな容量を有する。これにより、電圧が大幅に低下するため、大きな容量電圧結合を招くことはない。
【0066】
ここで第1の層を参照すると、第1の層は、アンテナからプラズマまでの誘導RFエネルギの通過を容易とする絶縁材料から形成されることが好ましい。さらに、第1の層は、構造的に真空を維持するのに十分な強度を有するとともに、チャンバの定期清掃中に容易に扱うのに十分強固に構成されている。加えて、一般に、第1の層は、窓の温度制御を可能とするために、優れた熱特性を有する絶縁材料から形成されている。例として、窒化ケイ素(SiN)または窒化アルミニウム(AlN)から形成される絶縁材料が、首尾よく機能する。しかしながら、これは限定ではなく、他の材料が使用されてもよいことを理解されたい。例えば、アルミナおよび石英もまたうまく機能する。
【0067】
多層結合窓500の全体の厚みは、アンテナRFエネルギをプラズマへ効果的に伝送するのに十分に薄くなっているのに対して、プロセス中に生成される圧力および熱に十分に耐える厚みであるように構成されている。好ましくは、多層結合窓の厚みは、約0.5から約1インチの間である。より好ましくは、多層結合窓の厚みは、約0.8インチである。さらに、第1の層504は、第2の層506よりも大きな厚みを有するべきである。好ましくは、第1の層の厚みは、約0.5から約1インチの間である。より好ましくは、第1の層の厚みは、約0.6インチである。さらに、好ましくは、第2の層の厚みは、約0.1から約0.5インチの間である。より好ましくは、第2の層の厚みは、約0.2インチである。層の実際の厚みは、エッチング層として選択された具体的な材料に従って変更し得ることを理解されたい。
【0068】
一実施例において、第2の層は、第1の層の全体を覆うように構成されている。第2の層は、第1の層がプラズマに露出することを防止するとともに、純粋な材料(例えば、SiC)が、基板と接触するプラズマ領域に面することを確保する。しかしながら、これは限定ではなく、他の構成が使用されてもよいことに留意されたい。例えば、第2の層は、第1の層のそのような部分(アンテナ付近のプラズマに面する部分)のみを覆うように構成されてもよい。
【0069】
結合窓のサイズがプラズマプロセスチャンバのサイズと同一であるという要求はないことに留意されたい。しかしながら、一般に、SiCのような高価な材料が採用される場合、小さな結合窓は、特にコストを低減させることができる。一実施例において、窓結合の形状がアンテナ配置の形状と一致するように構成されているため、結合窓は実質的に円形に構成されている。別の実施例では、結合窓の外側の寸法は、アンテナを囲む電気的導電性部材との任意の結合を低減するために、アンテナの外側の寸法よりも若干大きく延びるように構成されてもよい。一例として、結合窓の外側の寸法は、アンテナの外側の寸法を約1インチ超えて延びるように構成されてもよい。さらに別の実施例では、結合窓はアンテナと実質的に同一の形状、即ち、輪の形状を有する。
【0070】
採用される絶縁特性(例えば、誘電率)に関して、一般的な指標として、例えば約10の低い誘電率は、定在波効果を低減することにより、電力結合の伝送線路特性の影響を減少させる傾向にある。より詳しくは、低い誘電率は、伝送されたエネルギの波長を長くする傾向にあり、これはアンテナを短く見せる。従って、より少ないノードが定在波パターンに生成される。従って、低い誘電率は、アンテナの任意の固有の方位的に対称な特性をより弱める傾向にある。
【0071】
一実施例において、結合窓の全体の誘電率は、約10以下に構成されることが好ましい。低い誘電率の使用は、全てのプロセスに関して要求されないことを理解されたい。実際には、高度な方位的対称に対する要望と、構造的および熱的な設計の単純さとの間の妥協が一般に必要となる。しかしながら、高い均一性が重要となる場合、低い誘電率の使用は非常に有益となる。
【0072】
以上の説明から分かるように、本発明の第2の態様の利点は数多くある。異なる実施例または実施の形態が、以下の1つ以上の利点を有し得る。例えば、本発明は、アンテナおよびプラズマ間の容量結合を大幅に低減する結合窓を提供する。その結果、プラズマの変動は大幅に低減される。例えば、誘導結合係数は一般に維持されるが、結合窓のイオン衝突は一般に低減され、より多くの電力がプラズマの生成に利用可能となる。即ち、所定の電力に対して、より高密度のプラズマとなる。さらに、イオン衝突が低減されることから、イオン衝突に関連する微粒子汚染が概して低減される。その結果、窓の厚み変動に関連するプロセス変動(即ち、材料の蒸着または除去)は、減少される。加えて、本発明は、プロセス変動を低減する傾向にある純粋な材料、即ちSiCを使用する。
【0073】
さらに、プラズマプロセスシステム内の基板の均一なプロセスを向上させるために、前述した複数巻きアンテナおよび多層結合窓に加えて、付加的な部材が採用され得ることを考慮されたい。例として、磁気的な配置が複数巻きアンテナとともに設けられ、結合窓および複数巻きアンテナに近接する領域のプロセスチャンバ内における静的な磁場の径方向の変動を制御してもよい。そのような磁気的な配置の一例は、同日に出願され、かつ、引用によってここに組み込まれる「向上したプラズマプロセスシステムおよびそのための方法」(代理人事件番号:LAM1P0122/P0527)と題する同時係属中の特許出願にさらに詳細が記載されている。
【0074】
本発明は、いくつかの好適な実施例に関して説明してきたが、本発明の範囲内において、改変、置き換え、および均等物が存在する。また、本発明の方法および装置を実施する多くの代替方法があることを留意されたい。従って、以下に添付された請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内における、そのような全ての改変、置き換え、および均等物を含むものとして解釈されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを用いて基板を処理するためのプラズマ処理装置であって、
第1のRF周波数を有する第1のRF電源と、
プロセスチャンバと、
前記第1のRF電源に動作可能に結合され、基板が前記処理のために前記プロセスチャンバ内に配置されるときに、前記基板によって定義される面の上方に配置される実質的に円形のアンテナであって、前記第1のRF電源によって生成された第1のRFエネルギを用いて、前記プロセスチャンバ内に電場を誘起するように構成され、第1の面における第1の対の同心状の輪および第2の面における第2の同心状の輪を少なくとも含み、前記第1の対の同心状の輪および前記第2の対の同心状の輪が、互いに実質的に同一でありかつ対称に配置されていると共に、前記プロセスチャンバ内に方位的に対称なプラズマを形成する前記アンテナと、
該アンテナおよび前記プロセスチャンバ間に配置された結合窓であって、前記アンテナから前記プロセスチャンバ内部への前記第1のRFエネルギの通過を許容するように構成され、第1の層および第2の層を有し、前記第2の層が、前記実質的に円形のアンテナおよび前記プラズマ間に形成される容量結合を実質的に抑制するように構成されている結合窓と、
を備え、
前記実質的に円形のアンテナおよび前記結合窓は、前記基板表面にわたって実質的に均一なプロセス速度を生成するように協働するプラズマ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記第1の対の同心状の輪は、前記第2の対の同心状の輪と近接しているプラズマ処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記第1の対の同心状の輪は、前記第2の対の同心状の輪の上に積層されているプラズマ処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載のプラズマ処理装置において、
前記第2の対の同心状の輪は、前記第1の対の同心状の輪によって生成された端子電圧をシールドするプラズマ処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記第1の対の同心状の輪は、第1の巻き線および第4の巻き線を有し、前記第2の対の同心状の輪は、第2の巻き線および第3の巻き線を有し、前記第4の巻き線は、前記第1の巻き線よりも大きな直径を有し、そして、前記前記第3の巻き線は、前記第2の巻き線よりも大きな直径を有し、前記第1の巻き線は、前記第2の巻き線と実質的に同一であり、前記第3の巻き線は、前記第4の巻き線と実質的に同一であり、前記第1の巻き線は、前記第2の巻き線の上に配置され、前記第4の巻き線は、前記第3の巻き線の上に配置され、前記第1の巻き線は、前記第2の巻き線に動作可能に接続され、前記第2の巻き線は、前記第3の巻き線に動作可能に接続され、前記第3の巻き線は、前記第4の巻き線に動作可能に接続され、各巻き線は配列されているため、前記各巻き線内の電流の流れは同一の方向であるプラズマ処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載のプラズマ処理装置において、
前記第1の巻き線は、前記第4の巻き線に近接し、前記第2の巻き線は、前記第3の巻き線に近接し、前記第1の巻き線の前記第4の巻き線に対する前記近接と、前記第2の巻き線の前記第3の巻き線に対する前記近接とは、前記実質的に円形のアンテナにおける放射方向の変動を実質的に低減するプラズマ処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記実質的に円形のアンテナは、前記基板が前記プロセスチャンバ内に配置されたときに、前記プロセスチャンバおよび前記基板の中心に対して対称に配置され、
前記実質的に円形のアンテナは、前記基板が前記プロセスチャンバ内に配置されたときに、前記基板の上方に配置されているプラズマ処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記実質的に円形のアンテナは、前記結合窓に近接して配置されているプラズマ処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記結合窓の前記第1および第2の層は一体的に固定されているプラズマ処理装置。
【請求項10】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記第2の層は、前記プロセスチャンバの内周面の一部を形成するプラズマ処理装置。
【請求項11】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記第1の層は、絶縁材料から形成されているプラズマ処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載のプラズマ処理装置において、
前記第1の層は、窒化ケイ素または窒化アルミニウムから本質的になるグループから選択された材料で形成されているプラズマ処理装置。
【請求項13】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記第2の層は、導電材料から形成されているプラズマ処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載のプラズマ処理装置において、
前記第2の層は、約100Ω・cmから約10000Ω・cmまでの抵抗率を有するSiCから形成されているプラズマ処理装置。
【請求項15】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記第2の層は、プロセス中に前記プロセスチャンバ内に存在する前記プラズマに対して実質的に抵抗となる材料から形成されているプラズマ処理装置。
【請求項16】
請求項15に記載のプラズマ処理装置において
前記第2の層は、SiCから形成されているプラズマ処理装置。
【請求項17】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記第2の層は、電気的に浮動するように構成されるプラズマ処理装置。
【請求項18】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記第1のRF周波数は、約4MHzに設定されているプラズマ処理装置。
【請求項19】
請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
前記プロセスチャンバは、実質的に円筒のプラズマプロセスチャンバであるプラズマ処理装置。
【請求項20】
プロセスチャンバ内の基板を処理するための実質的に円形のアンテナの配置であって、第1のRF電源に動作可能に結合されると共に、前記基板が前記処理のために前記プロセスチャンバ内に配置されるときに、前記基板によって定義される面の上方に配置される前記アンテナの配置において、
第1の面における第1の対の同心状の輪と、
第2の面における第2の対の同心状の輪と、
を備え、
前記第2の対の同心状の輪は、前記第1の対の同心状の輪に対して動作可能に結合され、前記第2の対の同心状の輪は、前記第2の対の同心状の輪と実質的に同一でありかつ対称に配置され、前記第2の対の同心状の輪は、前記第1の対の同心状の輪と近接しており、前記第1の対の同心状の輪は、前記第2の対の同心状の輪の上に配置されていると共に、
前記実質的に円形のアンテナの配置は、前記第1のRF電源によって生成される第1のRFエネルギを用いて、前記プロセスチャンバ内に方位的に対称な電場を形成し、前記方位的に対称な電場は、実質的に方位的に対称なプラズマを形成し、該プラズマは、前記基板の表面にわたって実質的に均一なプロセス速度を生成するアンテナの配置。
【請求項21】
請求項20に記載のアンテナの配置において、
前記第1のRF周波数は、約4MHzに設定されているアンテナの配置。
【請求項22】
プロセスチャンバ内のプラズマを用いて基板を処理するための結合窓の配置であって、前記結合窓はアンテナおよび前記プロセスチャンバ間に配置され、前記アンテナはRFエネルギを生成するように構成され、前記生成は前記アンテナおよび前記プラズマ間に容量結合を形成する前記結合窓の配置において、
絶縁材料から形成される第1の層と、
前記第1の層に接続された第2の層であって、プロセス中において前記プロセスチャンバ内に存在する前記プラズマに対して実質的に抵抗となる導電材料から形成され、前記プロセスチャンバの内周面の一部を形成する前記第2の層と、
を備え、
前記第1の層および第2の層は、前記アンテナから前記プロセスチャンバ内部への前記第1のRFエネルギの通過を許容するように構成されていることとを備える結合窓の配置。
【請求項23】
請求項22に記載の結合窓の配置において、
前記第2の層は、前記生成中に前記アンテナおよび前記プラズマ間に形成される前記容量結合を実質的に抑制するように構成されている結合窓の配置。
【請求項24】
請求項23に記載の結合窓の配置において、
前記第2の層は、導電材料から形成されている結合窓の配置。
【請求項25】
請求項24に記載のプラズマ処理装置において、
前記第2の層は、約100Ω・cmから約10,000Ω・cmまでの抵抗率を有するSiCから形成されている結合窓の配置。
【請求項26】
請求項24に記載の結合窓の配置において、
前記第2の層は、絶縁材料から形成されている結合窓の配置。
【請求項27】
請求項26に記載の結合窓の配置において、
前記第2の層は、106Ω・cmよりも大きい抵抗率を有するSiCから形成されている結合窓の配置。
【請求項28】
請求項22に記載の結合窓の配置において、
前記第1の層は、窒化ケイ素または窒化アルミニウムから本質的になるグループから選択された材料で形成されている結合窓の配置。
【請求項29】
請求項22に記載の結合窓の配置において、
前記第2の層はSiCから形成されている結合窓の配置。
【請求項30】
請求項22に記載の結合窓の配置において、
前記第2の層は、電気的に浮動するように構成される結合窓の配置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−175977(P2011−175977A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−95143(P2011−95143)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【分割の表示】特願2001−545337(P2001−545337)の分割
【原出願日】平成12年11月14日(2000.11.14)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】