説明

基板、基板の製造方法及び電子デバイス

【課題】加工工数が削減されることにより、生産性が向上し、製造コストを低減することができる基板、この基板の製造方法及びこの基板を用いた電子デバイスの提供。
【解決手段】パッケージ10の構成要素の1つである基板11は、ガラスセラミックスを含んで絶縁性を有するベース部14と、ベース部14を厚み方向(一方の主面15と他方の主面16とを結ぶ方向)に貫通し、ベース部14に支持されるリード端子17と、を備え、リード端子17は、少なくともベース部14との接触面19が、CuまたはAgであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板、この基板の製造方法及びこの基板を用いた電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、少なくとも2本のリード端子が植設された絶縁性基板に、この基板の外周形状と略等しい内周の穴を有する金属枠をはめ込み、ろう接(ろう付け)により一枚板化した一体基板と、この一体基板の金属枠部分とを金属融接されるフランジ部を有し、かつ全体として凸形である蓋体とからなる表面実装用パッケージ(以下、パッケージという)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−140007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記パッケージの一体基板の構成要素である絶縁性基板へのリード端子の植設に関しては、実施形態において、ろう付けや金属ペーストによる接合で行われていることから、ろう材のセットや金属ペーストの充填などの作業に相当程度の加工工数が必要となり、生産性が悪化し、製造コストの低減に対して大きな阻害要因となり得る。
これにより、上記パッケージを用いた、例えば、水晶振動子などの電子デバイスは、製造コストの更なる低減が、極めて困難な状況にあるといえる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる基板(リード端子が植設された上記絶縁性基板に相当)は、ガラスセラミックスを含んで絶縁性を有するベース部と、前記ベース部を厚み方向に貫通し、前記ベース部に支持されるリード端子と、を備え、前記リード端子は、少なくとも前記ベース部との接触面がCuまたはAgであることを特徴とする。
【0007】
これによれば、基板は、ガラスセラミックスを含んで絶縁性を有するベース部と、ベース部を厚み方向に貫通し、ベース部に支持されるリード端子と、を備え、リード端子の少なくともベース部との接触面がCuまたはAgである。
このことから、基板は、リード端子がベース部に支持される際に、例えば、焼成によりベース部のガラスセラミックスの酸化物と、リード端子のCuまたはAgの酸化物とが、拡散結合することによって気密性が保持される。
これにより、基板は、リード端子のベース部への固定(植設)に際して、ろう付けや金属ペーストによる接合が不要なことから、従来と比較して、加工工数が削減され、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例にかかる基板において、前記リード端子が、前記ベース部の前記ガラスセラミックスの内壁面を有する貫通孔に挿入された金属製の固体であることが好ましい。
【0009】
これによれば、基板は、リード端子が、ベース部のガラスセラミックスの内壁面を有する貫通孔に挿入された金属製の固体であることから、ベース部のガラスセラミックスの酸化物と、リード端子のCuまたはAgの酸化物との拡散結合がより強固なものとなる。
この結果、基板は、ベース部とリード端子との気密性を更に向上させることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例にかかる基板において、前記リード端子は、前記ベース部の一方の主面側の平面サイズが、他方の主面側の平面サイズより大きい段付き形状であることが好ましい。
【0011】
これによれば、基板は、リード端子におけるベース部の一方の主面側の平面サイズが、他方の主面側の平面サイズより大きい段付き形状であることから、ベース部の一方の主面側を、例えば、外部部材に確実に実装することが可能となる。
加えて、基板は、リード端子が段付き形状であることから、段部をベース部の一方の主面に当接させることで、リード端子のベース部に対する厚み方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0012】
[適用例4]本適用例にかかる電子デバイスは、適用例1ないし適用例3のいずれか一例に記載の基板と、前記基板上に載置される電子部品と、を備え、前記電子部品の端子電極が、前記リード端子と導通するように、前記電子部品の端子電極と、前記リード端子とが固定されていることを特徴とする。
【0013】
これによれば、電子デバイスは、適用例1ないし適用例3のいずれか一例に記載の基板を備えることから、製造コストを低減するなどの適用例1ないし適用例3のいずれか一例に記載の効果を奏することができる。
【0014】
[適用例5]本適用例にかかる基板の製造方法は、ガラスセラミックスを含んで絶縁性を有し、かつ表裏主面間を貫通した貫通孔を備えたベース部を準備する工程と、表面がCuまたはAgである金属製の固体からなるリード端子を準備する工程と、前記貫通孔に前記リード端子を挿入して前記貫通孔内のガラスセラミックス面と前記リード端子の表面とを接触させて前記貫通孔を塞ぐ工程と、前記貫通孔に前記リード端子を挿入後、前記ベース部を焼成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
これによれば、基板の製造方法は、貫通孔にリード端子を挿入して貫通孔内のガラスセラミックス面とリード端子の表面とを接触させて貫通孔を塞ぎ、その後ベース部を焼成することから、ベース部のガラスセラミックスの酸化物と、リード端子のCuまたはAgの酸化物とが拡散結合することによって、気密性が保持された状態でベース部とリード端子とを接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の電子デバイスの概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図。
【図2】基板の主要な製造工程を示すフローチャート。
【図3】(a)〜(c)は、各製造工程を説明する模式断面図。
【図4】変形例1の電子デバイスの概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図。
【図5】変形例2の電子デバイスの概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図。
【図6】変形例3の電子デバイスの概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(実施形態)
図1は、本実施形態の電子デバイスの概略構成を示す模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。なお、図1(a)では、便宜的に蓋体を省略してある。
【0019】
図1に示すように、電子デバイスとしての水晶振動子1は、パッケージ10と、パッケージ10内に収容される電子部品としての水晶振動片20と、を備えている。
パッケージ10は、基板11と、蓋体12と、基板11と蓋体12とを接合する接合材13と、を備えている。
【0020】
基板11は、ガラスセラミックスを含んで絶縁性を有する矩形平板状のベース部14と、ベース部14を厚み方向(一方の主面15と他方の主面16とを結ぶ方向)に貫通し、ベース部14に支持される2本のリード端子17と、を備えている。
リード端子17は、金属製の固体であり、少なくともベース部14のガラスセラミックスの内壁面を有する貫通孔18との接触面19がCuまたはAgである。本実施形態では、リード端子17にCuまたはAgのムク材を用いている。
なお、リード端子17は、芯材に他の金属(Ni、Crなど)を用いて、表面にCuまたはAgの被膜を設ける構成としてもよい。
【0021】
リード端子17は、ベース部14の一方の主面15側の平面サイズが、他方の主面16側の平面サイズより大きい段付きの円柱形状に形成されている。
リード端子17は、ベース部14の一方の主面15側から貫通孔18に挿入され、段部がベース部14の一方の主面15に当接することで、ベース部14に対する厚み方向の位置決めが行われている。
リード端子17の、ベース部14の他方の主面16側の先端部17aは、ベース部14の他方の主面16より突出するように形成されている。これにより、基板11は、ベース部14と後述する水晶振動片20との間に隙間が設けられ、両者の干渉が回避されている。
【0022】
基板11は、ベース部14の貫通孔18にリード端子17が挿入された状態で、ベース部14が焼成されることにより、ベース部14のガラスセラミックスの酸化物と、リード端子17のCuまたはAgの酸化物とが拡散結合することによって、気密性が保持された状態でベース部14とリード端子17とが接合されている。
【0023】
蓋体12は、平面形状が矩形に形成され、パッケージ10の内部空間を形成するための凹部12aを有している。なお、蓋体12には、ベース部14と同じガラスセラミックスなどのセラミックス系材料や、コバール(42アロイ)、NS(洋白)などの金属材料、ガラスなどが用いられている。
【0024】
水晶振動片20は、水晶の原石などから所定の角度で切り出されたウエハー状の水晶基板を基材とし、外形形状がフォトリソグラフィ技術を用いたウエットエッチングなどによって矩形平板状に形成されている。
本実施形態では、水晶振動片20は、厚みすべり振動をするATカット水晶振動片である。
水晶振動片20は、中央の振動部21の両主面28,29に略矩形の励振電極22,23が形成され、振動部21を挟んだ両端部24,25に励振電極22,23から引き出された端子電極26,27が、励振電極22,23に沿って帯状に形成されている。
端子電極26,27は、水晶振動片20の側面に回り込むことによって水晶振動片20の一方の主面28側と他方の主面29側とが繋がって形成されている。
【0025】
励振電極22,23及び端子電極26,27は、Crを下地膜とし、その上にAu膜が積層されて構成されている。なお、励振電極22,23及び端子電極26,27は、Au膜に代えてAl膜、Cu膜などを用いてもよい。
【0026】
水晶振動子1は、水晶振動片20が、平面視において、端子電極26,27とリード端子17とが重なるように基板11上の所定の位置に載置されている。
そして、水晶振動子1は、水晶振動片20の端子電極26,27が、リード端子17と導通するように、水晶振動片20の端子電極26,27とリード端子17とが、金属フィラーなどの導電性物質が混合された、エポキシ系、シリコーン系、ポリイミド系などの導電性接着剤30を介して固定されている。
なお、端子電極26,27とリード端子17との固定には、導電性接着剤30に代えて、はんだ、バンプなどの接合材を用いてもよい。
【0027】
水晶振動子1は、水晶振動片20の基板11上への載置後、蓋体12が低融点ガラスや樹脂などからなる接合材13を用いて基板11に気密に接合される。
この際、パッケージ10の内部は、真空状態(真空度の高い状態)または、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填された状態となっている。
水晶振動子1は、外部からの駆動信号が、リード端子17から端子電極26,27を経由して励振電極22,23に印加されることにより、所定の周波数で発振(共振)する。
【0028】
ここで、基板11の製造方法について説明する。
図2は、基板の主要な製造工程を示すフローチャートであり、図3(a)〜図3(c)は、各製造工程を説明する模式断面図である。
【0029】
図2に示すように、基板11の製造方法は、ベース部準備工程S1と、リード端子準備工程S2と、リード端子挿入工程S3と、ベース部焼成工程S4とを、含んでいる。
【0030】
[ベース部準備工程S1]
まず、図3(a)に示すように、ガラスセラミックスを含んで絶縁性を有し、かつ表裏主面(一方の主面15及び他方の主面16)間を貫通した貫通孔18を備えた、矩形平板状のベース部14を準備する。
【0031】
[リード端子準備工程S2]
ついで、表面(貫通孔18との接触面19(図1参照))が、CuまたはAgである金属製の固体からなるリード端子17(ここでは、CuまたはAgのムク材を用いた段付きの円柱形状に形成されている(図1参照))を準備する。
【0032】
[リード端子挿入工程S3]
ついで、図3(b)に示すように、ベース部14の貫通孔18にリード端子17を一方の主面15側から挿入し、段部を一方の主面15に当接させ、貫通孔18内の内壁面であるガラスセラミックス面とリード端子17の表面(接触面19)とを接触させて、貫通孔18を塞ぐ。
【0033】
[ベース部焼成工程S4]
ついで、図3(c)に示すように、ベース部14の貫通孔18にリード端子17を挿入後、ベース部14を加熱炉などの焼成装置40を用いて焼成する。
この焼成により、基板11は、ベース部14のガラスセラミックスの酸化物と、リード端子17のCuまたはAgの酸化物とが拡散結合することによって、気密性が保持された状態でベース部14とリード端子17とが接合される。
【0034】
以上の工程などを経ることにより、図1に示すような、パッケージ10の構成要素となる基板11が得られる。
【0035】
上述したように、本実施形態の水晶振動子1は、基板11がガラスセラミックスを含んで絶縁性を有するベース部14と、ベース部14を厚み方向に貫通し、ベース部14に支持されるリード端子17と、を備え、リード端子17は、少なくともベース部14との接触面19がCuまたはAgである。
このことから、基板11は、リード端子17がベース部14に支持される際に、例えば、焼成によりベース部14のガラスセラミックスの酸化物と、リード端子17のCuまたはAgの酸化物とが、拡散結合することによって気密性が保持される。
【0036】
これにより、基板11は、リード端子17のベース部14への固定に際して、ろう付けや金属ペーストによる接合が不要なことから、従来の、リード端子が植設された絶縁性基板と比較して、加工工数が削減され、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
この結果、水晶振動子1は、パッケージ10に従来の、リード端子が植設された絶縁性基板を用いた構成と比較して、加工工数が削減され、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0037】
また、水晶振動子1は、基板11のリード端子17が、ベース部14のガラスセラミックスの内壁面を有する貫通孔18に挿入された金属製の固体としてのCuまたはAgのムク材を用いた段付きの円柱形状であることから、ベース部14のガラスセラミックスの酸化物と、リード端子17のCuまたはAgの酸化物との拡散結合がより強固なものとなる。
これにより、水晶振動子1は、基板11の、ベース部14とリード端子17との気密性を更に向上させることができる。
【0038】
また、水晶振動子1は、基板11のリード端子17におけるベース部14の一方の主面15側の平面サイズが、他方の主面16側の平面サイズより大きい段付き形状であることから、ベース部14の一方の主面15側を、例えば、外部部材に確実に実装することが可能となる。
加えて、水晶振動子1は、基板11のリード端子17が段付き形状であることから、段部をベース部14の一方の主面15に当接させることで、リード端子17のベース部14に対する厚み方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0039】
また、基板11の製造方法は、ベース部14の貫通孔18にリード端子17を挿入して貫通孔18内の内壁面であるガラスセラミックス面とリード端子17の表面(接触面19)とを接触させて貫通孔18を塞ぎ、その後ベース部14を焼成することから、ベース部14のガラスセラミックスの酸化物と、リード端子17のCuまたはAgの酸化物とが拡散結合することによって、気密性が保持された状態でベース部14とリード端子17とを接合することができる。
【0040】
ここで、上記実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
図4は、変形例1の電子デバイスの概略構成を示す模式図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は、図4(a)のB−B線での断面図である。なお、図4(a)では、便宜的に蓋体を省略してある。
なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0041】
図4に示すように、変形例1の電子デバイスとしての水晶振動子2は、パッケージ10の基板11のリード端子117が、段部(段差)のないストレートな円柱形状に形成されている。
また、リード端子117は、ベース部14の貫通孔18への挿入に関して両主面15,16のどちら側からでも挿入できる形状(紙面において上下の判別が不要な形状)となっている。
【0042】
これにより、水晶振動子2は、上記実施形態と比較して、リード端子117の加工が容易となることから、製造コストをより低減することができる。
また、水晶振動子2は、上記実施形態と比較して、ベース部14の貫通孔18へのリード端子117の挿入方向、挿入姿勢(上下判別)に制約がないことから、組み込み工数(加工工数)を削減し、生産性を向上させることができる。
【0043】
なお、図4において、リード端子117は、ベース部14の一方の主面15から突出した状態となっているが、一方の主面15と面一(段差がない状態)となっていてもよい。
なお、上記構成は、以下の各変形例にも適用できる。
【0044】
(変形例2)
図5は、変形例2の電子デバイスの概略構成を示す模式図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は、図5(a)のC−C線での断面図である。なお、図5(a)では、便宜的に蓋体を省略してある。
なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0045】
図5に示すように、変形例2の電子デバイスとしての水晶振動子3は、基板211のベース部214が、パッケージ10の内部空間を形成するための凹部214aを有している。
一方、水晶振動子3は、蓋体212が平板状に形成されている。
これにより、水晶振動子3は、周囲の枠状部分によって基板211の強度が向上すると共に、水晶振動片20載置後の基板211搬送時などに、上記実施形態と比較して、水晶振動片20と外部部材との干渉を回避しやすい。
なお、上記構成は、他の各変形例にも適用できる。
【0046】
(変形例3)
図6は、変形例3の電子デバイスの概略構成を示す模式図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は、図6(a)のD−D線での断面図である。なお、図6(a)では、便宜的に蓋体を省略してある。
なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0047】
図6に示すように、変形例3の電子デバイスとしての水晶振動子4は、基板311のベース部314の貫通孔18が4つ設けられ、各貫通孔18にリード端子17が挿入されている。
これにより、水晶振動子4は、外部端子が4端子タイプの従来製品との互換性を有することができる。
なお、上記構成は、他の各変形例にも適用できる。
【0048】
また、上記実施形態及び各変形例では、水晶振動片20をATカット水晶振動片としたが、これに限定するものではなく、音叉型水晶振動片、SAW(弾性表面波)振動片などとしてもよい。
【0049】
なお、上記実施形態及び各変形例では、電子部品を水晶振動片としたが、これに限定するものではなく、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体を用いた振動片、または酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体を被膜として備えたシリコン振動片などであってもよい。
【0050】
また、上記実施形態及び各変形例では、電子デバイスを水晶振動子としたが、これに限定するものではなく、水晶振動片または他の上記各種振動片と、これらの振動片を発振させる発振回路素子(IC)とを備えた発振器としてもよい。
また、電子部品は、振動ジャイロなどの角速度感知素子、加速度感知素子、圧力感知素子、重量感知素子などの各種センサー素子類や、IC、抵抗、コンデンサーなどの各種回路素子類であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1,2,3,4…電子デバイスとしての水晶振動子、10…パッケージ、11…基板、12…蓋体、12a…凹部、13…接合材、14…ベース部、15…一方の主面、16…他方の主面、17…リード端子、17a…先端部、18…貫通孔、19…接触面、20…水晶振動片、21…振動部、22,23…励振電極、24,25…端部、26,27…端子電極、28…一方の主面、29…他方の主面、30…導電性接着剤、40…焼成装置、117…リード端子、211…基板、212…蓋体、214…ベース部、214a…凹部、311…基板、314…ベース部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスセラミックスを含んで絶縁性を有するベース部と、
前記ベース部を厚み方向に貫通し、前記ベース部に支持されるリード端子と、を備え、
前記リード端子は、少なくとも前記ベース部との接触面がCuまたはAgであることを特徴とする基板。
【請求項2】
請求項1に記載の基板において、前記リード端子が、前記ベース部の前記ガラスセラミックスの内壁面を有する貫通孔に挿入された金属製の固体であることを特徴とする基板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板において、前記リード端子は、前記ベース部の一方の主面側の平面サイズが、他方の主面側の平面サイズより大きい段付き形状であることを特徴とする基板。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の基板と、
前記基板上に載置される電子部品と、を備え、
前記電子部品の端子電極が、前記リード端子と導通するように、
前記電子部品の端子電極と、前記リード端子とが固定されていることを特徴とする電子デバイス。
【請求項5】
ガラスセラミックスを含んで絶縁性を有し、かつ表裏主面間を貫通した貫通孔を備えたベース部を準備する工程と、
表面がCuまたはAgである金属性の固体からなるリード端子を準備する工程と、
前記貫通孔に前記リード端子を挿入して前記貫通孔内のガラスセラミックス面と前記リード端子の表面とを接触させて前記貫通孔を塞ぐ工程と、
前記貫通孔に前記リード端子を挿入後、前記ベース部を焼成する工程と、を含むことを特徴とする基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−4150(P2012−4150A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134783(P2010−134783)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】