説明

基板の組付け構造およびそれを備えるピックアップ装置ならびにディスク装置

【課題】半田材の表面張力により半田材が太くなるということを回避させる。
【解決手段】第一基板10と、第一基板10に接続される第二基板20と、を備える基板の組付け構造に関する。第一基板10に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部15と、第二基板20に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部25と、が細くされた。第一半田付け部15の先端部15aは略鋭角に形成され、第二半田付け部25の先端部25aは略鋭角に形成された。第一半田付け部15は略雫状に形成され、第二半田付け部25は略雫状に形成された。第一基板10の端部10aと、第二基板20の端部20aと、が着き合わせられて、第一半田付け部15における幅15bが細くされた先端部15aと、第二半田付け部25における幅25bが細くされた先端部25aと、が合わせられた。第一基板10に対し第二基板20が交差する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の組付け構造およびそれを備えるピックアップ装置ならびにディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4〜図6は、従来の基板の組付け構造の一形態を示すものである。
【0003】
基板に関する従来技術として、例えばソルダリング時のブリッジ及びクラックを抑制させたプリント配線基板というものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
光ディスク装置に装備される光ピックアップ装置は、プリント基板510,520いわゆるPCB(Printed Circuit Board)510,520を備えて構成される。
【0005】
メインPCB510は、例えば基板本体511と、基板本体511にパターン印刷された複数の回路導体512と、複数の回路導体512を保護するレジスト513と、を備えて構成されている。メインPCB510の端部510aに、レジスト513が回路導体512上に形成されずに回路導体512が一部露出されて形成されたラウンド515が設けられている。メインPCB510のラウンド515の形状は、長方形とされている。実際には、メインPCB510の基板本体511に多くの回路導体512が配設される。このため、複数の回路導体512の長方形状をしたラウンド515の間隔は、狭く設定される。
【0006】
また、アクチュエータPCB520は、例えば基板本体521と、基板本体521にパターン印刷された複数の回路導体522と、複数の回路導体522を保護するレジスト523と、を備えて構成されている。アクチュエータ(actuator)とは、例えばエネルギーを並進運動、回転運動等に変換させる駆動装置を意味する。アクチュエータPCB520の端部520aに、レジスト523が回路導体522上に形成されずに回路導体522が一部露出されて形成されたラウンド525が設けられている。アクチュエータPCB520のラウンド525の形状は、長方形とされている。実際には、アクチュエータPCB520の基板本体521に多くの回路導体522が配設される。このため、複数の回路導体522の長方形状をしたラウンド525の間隔は、狭く設定される。
【0007】
この明細書におけるラウンド515,525とは、例えばPCB510,520等において半田530が付着する部分とされ、一般にランド515,525等と呼ばれている。
【0008】
また、メインPCB510とアクチュエータPCB520とは、直角に配置されている。具体的に説明すると、メインPCB510とアクチュエータPCB520とは、90°(度)に配置されている。メインPCB510とアクチュエータPCB520とが直角に配置された状態で、メインPCB510の複数のランド515と、アクチュエータPCB520の複数のランド525と、が半田530によって半田付けされることにより、メインPCB510とアクチュエータPCB520とが通電可能に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−293955号公報(第1,4頁、第1−6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ランド間隔が狭められたメインPCB510の複数のランド515と、ランド間隔が狭められたアクチュエータPCB520の複数のランド525とを半田付けさせようとすると、例えば溶融されている半田530の表面張力により半田530の橋渡し部533の中間部535が脹らんで太くなる傾向にある。例えば半田530の橋渡し部533の中間部535が脹らんで太くなると、隣り合う半田530の橋渡し部533が接するという例えば半田タッチ発生問題が懸念される。
【0011】
例えば各ランド515間が狭められて回路導体512がパターン印刷されたメインPCB510に、各ランド525間が狭められて回路導体522がパターン印刷されたアクチュエータPCB520が半田付けされるときに、隣り合う半田530同士が不用意に接し、そのような状態で回路導体512,522に電気が流されたときにショートが発生することが懸念される。
【0012】
そのため、このような構造のものが光ピックアップ装置に備えられないように注意が払われている。また、このような構造のものが光ディスク装置に備えられないように注意が払われている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る基板の組付け構造は、第一基板と、前記第一基板に接続される第二基板と、を備え、前記第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部と、前記第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部と、が細くされたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部と、が繋げられるように第一半田付け部と第二半田付け部との間に半田材が付けられても、例えば半田材の表面張力により半田材が太くなるということは回避され易くなる。従って、隣り合う複数の太くされた半田材同士が不用意に接するという不具合の発生は回避され易くなる。
【0015】
請求項2に係る基板の組付け構造は、請求項1に記載の基板の組付け構造において、前記第一半田付け部の先端部は略鋭角に形成され、前記第二半田付け部の先端部は略鋭角に形成されたことを特徴とする。
【0016】
上記構成により、半田材が太くなるということは回避され易くなる。第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部と、が繋げられるように第一半田付け部と第二半田付け部との間に半田材が付けられても、例えば半田材の表面張力により半田材が太くなるということは回避され易くなる。従って、隣り合う複数の太くされた半田材同士が不用意に接するという不具合の発生は回避され易くなる。
【0017】
請求項3に係る基板の組付け構造は、請求項1又は2に記載の基板の組付け構造において、前記第一半田付け部は略雫状に形成され、前記第二半田付け部は略雫状に形成されたことを特徴とする。
【0018】
上記構成により、半田材が太くなるということは回避され易くなる。第一基板に設けられた隣り合う複数の略雫状に形成された第一半田付け部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の略雫状に形成された第二半田付け部と、が繋げられるように第一半田付け部と第
二半田付け部との間に半田材が付けられても、例えば半田材の表面張力により半田材が太くなるということは回避され易くなる。
【0019】
請求項4に係る基板の組付け構造は、請求項1〜3の何れか1項に記載の基板の組付け構造において、前記第一基板の端部と、前記第二基板の端部と、が着き合わせられて、前記第一半田付け部における幅が細くされた先端部と、前記第二半田付け部における幅が細くされた先端部と、が合わせられたことを特徴とする。
【0020】
上記構成により、半田材が太くなるということは回避される。第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部の幅が細くされた先端部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部の幅が細くされた先端部と、が繋げられるように第一半田付け部と第二半田付け部との間に半田材が付けられても、例えば半田材の表面張力により半田材が太くなるということは回避される。第一基板の端部と、第二基板の端部と、が着き合わせられて、第一半田付け部における幅が細くされた先端部と、第二半田付け部における幅が細くされた先端部と、が合わせられた状態で、第一半田付け部と第二半田付け部との間に半田材が付けられても、第一半田付け部の先端部の幅が細くされ、第二半田付け部の先端部の幅が細くされているので、第一半田付け部と第二半田付け部とを繋ぐ半田材は、細い状態に維持される。従って、隣り合う複数の半田材同士が接するという不具合の発生は回避される。
【0021】
請求項5に係る基板の組付け構造は、請求項1〜4の何れか1項に記載の基板の組付け構造において、前記第一基板に対し前記第二基板が交差することを特徴とする。
【0022】
上記構成により、第一基板に対し第二基板が交差するように第一基板と第二基板とが配設されても、第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部と、の半田付けは不具合なく実行される。
【0023】
請求項6に係るピックアップ装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載の基板の組付け構造を有することを特徴とする。
【0024】
上記構成により、半田付けが不具合なく実行されたピックアップ装置を構成させることが可能となる。これにより、ピックアップ装置の歩留りを改善させることが可能となる。
【0025】
請求項7に係るディスク装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載の基板の組付け構造を有することを特徴とする。
【0026】
上記構成により、半田付けが不具合なく実行されたディスク装置を構成させることが可能となる。これにより、ディスク装置の歩留りを改善させることが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
以上の如く、請求項1に記載の発明によれば、第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部と、が繋げられるように第一半田付け部と第二半田付け部との間に半田材が付けられても、例えば半田材の表面張力により半田材が太くなるということは回避され易くなる。従って、隣り合う複数の太くされた半田材同士が不用意に接するという不具合の発生を回避させ易くすることができる。
【0028】
請求項2に記載の発明によれば、半田材が太くなるということを回避させ易くすることができる。第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部と、が繋げられるように第一半田付け部と第二半田付け
部との間に半田材が付けられても、例えば半田材の表面張力により半田材が太くなるということは回避され易くなる。従って、隣り合う複数の太くされた半田材同士が不用意に接するという不具合の発生を回避させ易くすることができる。
【0029】
請求項3に記載の発明によれば、半田材が太くなるということを回避させ易くすることができる。第一基板に設けられた隣り合う複数の略雫状に形成された第一半田付け部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の略雫状に形成された第二半田付け部と、が繋げられるように第一半田付け部と第二半田付け部との間に半田材が付けられても、例えば半田材の表面張力により半田材が太くなるということは回避され易くなる。
【0030】
請求項4に記載の発明によれば、半田材が太くなるということを回避させ易くすることができる。第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部の幅が細くされた先端部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部の幅が細くされた先端部と、が繋げられるように第一半田付け部と第二半田付け部との間に半田材が付けられても、例えば半田材の表面張力により半田材が太くなるということは回避される。第一基板の端部と、第二基板の端部と、が着き合わせられて、第一半田付け部における幅が細くされた先端部と、第二半田付け部における幅が細くされた先端部と、が合わせられた状態で、第一半田付け部と第二半田付け部との間に半田材が付けられても、第一半田付け部の先端部の幅が細くされ、第二半田付け部の先端部の幅が細くされているので、第一半田付け部と第二半田付け部とを繋ぐ半田材は、細い状態に維持される。従って、隣り合う複数の半田材同士が接するという不具合の発生を回避させ易くすることができる。
【0031】
請求項5に記載の発明によれば、第一基板に対し第二基板が交差するように第一基板と第二基板とが配設されても、第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部と、第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部と、の半田付けを不具合なく実行させることができる。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、半田付けが不具合なく実行されたピックアップ装置を構成させることができる。これにより、ピックアップ装置の歩留りを改善させることができる。
【0033】
請求項7に記載の発明によれば、半田付けが不具合なく実行されたディスク装置を構成させることができる。これにより、ディスク装置の歩留りを改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る基板の組付け構造およびそれを備えるピックアップ装置ならびにディスク装置の一実施の形態を示す説明図である。
【図2】本発明に係る基板の組付け構造およびそれを備えるピックアップ装置ならびにディスク装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る基板の組付け構造およびそれを備えるピックアップ装置ならびにディスク装置の一実施の形態を示す説明図である。
【図4】従来の基板の組付け構造の一形態を示す説明図である。
【図5】従来の基板の組付け構造の一形態を示す斜視図である。
【図6】従来の基板の組付け構造の一形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に本発明に係る基板の組付け構造およびそれを備えるピックアップ装置ならびにディスク装置の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0036】
図1〜図3は、本発明に係る基板の組付け構造およびそれを備えるピックアップ装置な
らびにディスク装置の一実施の形態を示すものである。
【0037】
光ディスク装置に装備される光ピックアップ装置は、複数の基板10,20を備えて構成される。光ディスク装置に装備される光ピックアップ装置内の回路基板の組付け構造は、複数の回路基板10,20を備えて構成されている。
【0038】
第一回路基板10は、例えば略板状の合成重合体を含む基部11と、略板状の合成重合体を含む基部11にパターン印刷された略箔状の複数の金属製導体部12と、略箔状の複数の金属製導体部12を、塵、埃などの他のものから保護する略薄層状の合成重合体製保護部13と、を備えて構成され、例えばメイン基板10として用いられる。略板状の第一回路基板10の端部10aに、略薄層状の合成重合体製保護部13が略箔状の金属製回路導体部12上に形成されずに金属製回路導体部12が一部露出されて形成された半田付け部15が設けられている。実際には、第一回路基板10の基板本体部11に多くの回路導体部12が配設される。このため、複数の回路導体部12の半田付け部15の間隔は、狭く設定される。
【0039】
また、第二回路基板20は、例えば略板状の合成重合体を含む基部21と、略板状の合成重合体を含む基部21にパターン印刷された略箔状の複数の金属製導体部22と、略箔状の複数の金属製導体部22を、塵、埃などの他のものから保護する略薄層状の合成重合体製保護部23と、を備えて構成され、例えばアクチュエータ基板20として用いられる。略板状の第二回路基板20の端部20aに、略薄層状の合成重合体製保護部23が略箔状の金属製回路導体部22上に形成されずに金属製回路導体部22が一部露出されて形成された半田付け部25が設けられている。実際には、第二回路基板20の基板本体部21に多くの回路導体部22が配設される。このため、複数の回路導体部22の半田付け部25の間隔は、狭く設定される。
【0040】
この明細書における半田付け部15,25とは、例えば回路基板10,20等においてレジスト部13,23が設けられずに半田材30が付着可能な通電接合部とされ、例えばランド部15,25とされる。
【0041】
また、メイン基板10とアクチュエータ基板20とは、略直角に配置されている。具体的に説明すると、メイン基板10とアクチュエータ基板20とは、略90°(度)に配置されている。メイン基板10とアクチュエータ基板20とが略直角に配置された状態で、メイン基板10の複数のランド部15と、アクチュエータ基板20の複数のランド部25と、が半田材30によって半田付けされることにより、メイン基板10とアクチュエータ基板20とが通電可能に接続される。
【0042】
図2および図3の如く、回路基板の組付け構造は、メイン基板10と、メイン基板10に半田付けされて通電可能に接続されるアクチュエータ基板20と、メイン基板10とアクチュエータ基板20とを通電可能に接続する半田材30と、を備えて構成される。メイン基板10を構成する基板本体部11に設けられた隣り合う複数の回路導体部12の終端部12aにおける第一ランド部15の先端部15aの幅15bと、アクチュエータ基板20を構成する基板本体部21に設けられた隣り合う複数の回路導体部22の終端部22aにおける第二ランド部25の先端部25aの幅25bと、が共に細くされて狭められた構造とされている。
【0043】
このように回路基板の組付け構造が構成されていれば、メイン基板10を構成する基板本体部11に設けられた隣り合う複数の回路導体部12の終端部12aにおける第一ランド部15と、アクチュエータ基板20を構成する基板本体部21に設けられた隣り合う複数の回路導体部22の終端部22aにおける第二ランド部25と、が、例えば半田材30
によって橋架けされつつ繋げられるように、第一ランド部15と第二ランド部25との間に多量の溶融状態の半田材30が盛り付けられても、例えば溶融されている半田材30の表面張力により半田材30の略中間部35が太くなるということは回避され易くなる。従って、隣り合う複数の太くされた半田材30同士が不用意に接するという不具合の発生は回避され易くなる。
【0044】
第二ランド部25の先端部25aに対向する第一ランド部15の先端部15aは、略鋭角状に形成されている。また、第一ランド部15の先端部15aに対向する第二ランド部25の先端部25aは、略鋭角状に形成されている。
【0045】
このように回路基板の組付け構造が構成されることにより、半田材30の略中間部35が太くなるということは回避され易くなる。メイン基板10を構成する基板本体部11に設けられた隣り合う複数の回路導体部12の終端部12aにおける第一ランド部15と、アクチュエータ基板20を構成する基板本体部21に設けられた隣り合う複数の回路導体部22の終端部22aにおける第二ランド部25と、が、例えば半田材30によって橋架けされつつ繋げられるように、第一ランド部15と第二ランド部25との間に多量の溶融状態の半田材30が盛り付けられても、例えば溶融されている半田材30の表面張力により半田材30の略中間部35が太くなるということは回避され易くなる。従って、隣り合う複数の太くされた半田材30同士が不用意に接するという不具合の発生は回避され易くなる。
【0046】
第二ランド部25に対向する第一ランド部15は、例えば水滴が落下するときの一般的な概念形状とされる先細り状先端部15aを有する略雫状いわゆるティアドロップ状に形成されている。また、第一ランド部15に対向する第二ランド部25は、例えば水滴が落下するときの一般的な概念形状とされる先細り状先端部25aを有する略雫状いわゆるティアドロップ状に形成されている。
【0047】
このように回路基板の組付け構造が構成されていれば、半田材30の略中間部35が太くなるということは回避され易くなる。メイン基板10を構成する基板本体部11に設けられた隣り合う複数の略雫状に形成された第一ランド部15の先細り状先端部15aと、アクチュエータ基板20を構成する基板本体部21に設けられた隣り合う複数の略雫状に形成された第二ランド部25の先細り状先端部25aと、が、例えば半田材30によって橋架けされつつ繋げられるように、第一ランド部15と第二ランド部25との間に多量の溶融状態の半田材30が盛り付けられても、例えば溶融されている半田材30の表面張力により半田材30の略中間部35が太くなるということは回避され易くなる。これにより例えば作業者が半田材30の増量できる範囲を容易に把握することが可能となる。
【0048】
メイン基板10の縁端部10aと、アクチュエータ基板20の縁端部20aと、が着き合わせられて、メイン基板10の第一ランド部15における幅15bが細くされて狭められた先端部15aと、アクチュエータ基板20の第二ランド部25における幅25bが細くされて狭められた先端部25aと、が着き合わせられている。
【0049】
このように回路基板の組付け構造が構成されることにより、半田材30の略中間部35が太くなるということは回避される。メイン基板10を構成する基板本体部11に設けられた隣り合う複数の回路導体部12の終端部12aにおける第一ランド部15の幅15bが細くされて狭められた先端部15aと、アクチュエータ基板20を構成する基板本体部21に設けられた隣り合う複数の回路導体部22の終端部22aにおける第二ランド部25の幅25bが細くされて狭められた先端部25aと、が、例えば半田材30によって橋架けされつつ繋げられるように、第一ランド部15と第二ランド部25との間に多量の溶融状態の半田材30が盛り付けられても、例えば溶融されている半田材30の表面張力に
より半田材30の略中間部35が太くなるということは回避される。メイン基板10の縁端部10aと、アクチュエータ基板20の縁端部20aと、が着き合わせられて、メイン基板10の第一ランド部15における幅15bが細くされて狭められた先端部15aと、アクチュエータ基板20の第二ランド部25における幅25bが細くされて狭められた先端部25aと、が着き合わせられた状態で、第一ランド部15と第二ランド部25との間に多量の溶融状態の半田材30が盛り付けられても、メイン基板10を構成する第一ランド部15の先端部15aの幅15bが細くされて狭められ、アクチュエータ基板20を構成する第二ランド部25の先端部25aの幅25bが細くされて狭められているので、第一ランド部15と第二ランド部25とを繋ぐ例えば溶融状態の半田材30の略中間部35は、細い状態に維持される。従って、隣り合う複数の半田材30同士が接するという不具合の発生は回避される。これにより例えば作業者が半田材30の増量できる範囲を容易に把握することが可能となる。
【0050】
メイン基板10に対しアクチュエータ基板20が交差して設置されている。具体的に説明すると、メイン基板10に対しアクチュエータ基板20が略直交して設置されている。
【0051】
上記回路基板の組付け構造が構成されていれば、メイン基板10に対しアクチュエータ基板20が交差具体的には略直交するようにメイン基板10とアクチュエータ基板20とが配設されても、メイン基板10を構成する基板本体部11に設けられた隣り合う複数の回路導体部12の終端部12aにおける第一ランド部15と、アクチュエータ基板20を構成する基板本体部21に設けられた隣り合う複数の回路導体部22の終端部22aにおける第二ランド部25と、の半田付けによる接続作業は、不具合なく実行される。
【0052】
上記回路基板の組付け構造が構成されて半田パターンたとえばレジスト形状などが改良されることにより、ランド間隔が狭められたメイン基板10の複数のランド部15と、ランド間隔が狭められたアクチュエータ用基板20の複数のランド部25と、が半田付けされるときに、例えば溶融されている半田材30に表面張力が生じても、半田材30の橋渡し部33の略中間部35は細い状態に維持される。例えば上記回路基板の組付け構造が構成されていないと、半田材30の橋渡し部33の略中間部35が表面張力により脹らんで太くなり、その結果、隣り合う半田材30の橋渡し部33が接するという例えば半田タッチ発生問題が懸念される。
【0053】
しかしながら、上記回路基板の組付け構造が構成されていれば、半田材30が用いられて、各ランド部15間が狭められて回路導体部12がパターン印刷されたメイン基板10に、各ランド部25間が狭められて回路導体部22がパターン印刷された相手側のアクチュエータ基板20が半田付けされるときに、隣り合う半田材30同士が不用意に接するということは回避される。従って、例えば回路導体部12,22に電気が流されたときにショートが発生するという不具合の発生は回避される。
【0054】
回路基板10,20の基部11,21等を構成する材料等について説明すると、例えば、フェノール、紙フェノール、エポキシ、紙エポキシ、ガラス入りエポキシいわゆるガラエポ、ポリイミド等からなる群から選択される材料のうち少なくとも一種を含む材料が用いられて、回路基板10,20の基部11,21が形成される。詳しく説明すると、フェノール、紙フェノール、エポキシ、紙エポキシ、ガラス入りエポキシ、ポリイミド等からなる群から選択される材料のうち何れか一種の材料が主成分として用いられて、回路基板10,20の基部11,21が形成される。
【0055】
各種電子部品、各種電気部品などが通電可能に接続される回路基板は、例えば、PCB(printed circuit board)等と呼ばれたり、PWB(printed wired board / printed wiring board)等と
呼ばれたりされている。
【0056】
各種電子部品、各種電気部品などが通電可能に接続される回路基板10,20を構成するものとして、例えば、ハロゲンフリー紙フェノール銅張積層板などが挙げられる。ハロゲンフリー紙フェノール銅張積層板として、例えばパナソニック電工社製:R−8500等が挙げられる。
【0057】
また、各種電子部品、各種電気部品などが通電可能に接続される回路基板10,20の基部11,21を構成する材料として、例えば、エポキシ等を含み環境に対応したハロゲンフリー基板用材料などが挙げられる。エポキシ等を含むハロゲンフリー基板用材料として、例えばパナソニック電工社製:「MEGTRON(登録商標) GX R−1515B」等が挙げられる。
【0058】
また、各種電子部品、各種電気部品などが通電可能に接続される回路基板10,20の基部11,21を構成する材料として、例えば、エポキシ、ガラス等を含み環境に対応したハロゲンフリーガラスエポキシマルチ多層プリント配線板などが挙げられる。例えばそのようなガラス布基材エポキシ樹脂多層プリント配線板として、パナソニック電工社製:GXシリーズR−1561等が挙げられる。
【0059】
回路基板10,20の基部11,21を構成するものとして、例えば環境に配慮されたハロゲンフリー材が用いられた。回路基板10,20の基部11,21を構成するものとして、環境に配慮されたハロゲンフリー材が用いられていれば、例えば、光ピックアップ装置、光ディスク装置などに装備された回路基板10,20が廃棄されるときに、自然環境に影響が及ぶということが回避される。
【0060】
また、例えば、各種電子部品、各種電気部品などは、回路基板(10,20)とされるフレキシブルプリント回路体(FPC:flexible printed circuit)などのフレキシブル回路基板(10,20)の各導体部(12,22)などに通電可能に接続される。なお、この明細書における符号に付けられた括弧( )は、図示等されたものと若干異なるものを説明するために、便宜上、用いられている。
【0061】
FPC(10,20)に各種電子部品、各種電気部品などが半田付けされて通電可能に接続されるために、FPC(10,20)の基部(11,21)は、耐熱性に優れるポリイミド系樹脂などの耐熱性合成重合体が用いられて形成されている。FPC(10,20)は、例えば複数の回路導体部(12,22)が全芳香族系ポリイミド樹脂などの芳香族系耐熱性樹脂製の絶縁シート(11,21)に印刷等されて、例えば銅箔などの金属箔(12,22)が絶縁シート(11,21)に並設され、その上に例えば全芳香族系ポリイミド樹脂などの芳香族系耐熱性樹脂製の透明もしくは半透明の保護層(13,23)が設けられて構成される。FPC(10,20)は、例えば可撓性の薄い略帯状をしたシート物として形成される。
【0062】
全芳香族系ポリイミド樹脂などの芳香族系耐熱性樹脂製の絶縁シート(11,21)および/または保護層(13,23)を備えるFPC(10,20)が用いられることにより、FPC(10,20)同士の半田付けが良好に行われる。また、FPC(10,20)に対し、各種電子部品、各種電気部品などの半田付けが良好に行われる。FPC(10,20)は、例えば他の光ピックアップ装置に共通して使用可能な例えば規格化されたFPC(10,20)として構成される。
【0063】
ポリイミド樹脂が用いられて基部(11,21)が形成されたFPCとして、例えば、日東電工社製:ニトフレックス(登録商標)や、東レ・デュポン社製カプトン(登録商標
)などが挙げられる。日東電工社製ニトフレックス(登録商標)の商品として、例えば、高精細FPC(両面)、高精細FPC、微細接続FPC、高絶縁信頼性FPC、高耐熱性FPC、高屈曲FPCなどが挙げられる。また、東レ・デュポン社製カプトン(登録商標)の商品として、例えば、Hタイプ、Vタイプ、SuperVタイプ、ENタイプ、KJタイプなどが挙げられる。東レ・デュポン社製カプトン(登録商標)は、約−269℃の極低温から約+400℃の高温までの広い温度範囲に使用可能なものとされている。
【0064】
半田材30として、例えば、糸半田材、クリーム半田材、リフロー半田材などが挙げられる。半田材30として、例えば環境に配慮された鉛を含有しない半田いわゆる鉛フリー半田が用いられた。半田材30として、鉛フリー半田が用いられていれば、例えば、光ピックアップ装置、光ディスク装置などに装備された回路基板10,20が廃棄されるときに、鉛により自然環境に影響が及ぶということが回避される。鉛フリー半田として、例えば、千住金属工業社製:エコソルダ(登録商標)などが挙げられる。具体的に説明すると、鉛フリー半田として、例えば、千住金属工業社製:エコソルダM30などが挙げられる。また、リフロータイプの鉛フリー半田として、例えば、千住金属工業社製:エコソルダL21などが挙げられる。なお、前記鉛フリー半田に代えて、通常の半田材が用いられたものも使用可能とされる。通常の半田材として、例えば、千住金属工業社製:スパークルペーストOZ(登録商標)などが挙げられる。
【0065】
光ピックアップ装置は、上記回路基板の組付け構造を有している。上記回路基板の組付け構造が光ピックアップ装置に構成されていれば、半田付けが不具合なく実行された光ピックアップ装置を構成させることが可能となる。これにより、光ピックアップ装置の歩留りを改善させることが可能となる。
【0066】
光ディスク装置は、上記回路基板の組付け構造を有する光ピックアップ装置を備えている。上記回路基板の組付け構造を有する光ピックアップ装置が光ディスク装置に装備されていれば、半田付けが不具合なく実行された光ピックアップ装置を備える光ディスク装置を構成させることが可能となる。これにより、光ディスク装置の歩留りを改善させることが可能となる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
例えば、「CD」(Compact Disc)(商標)、「DVD」(登録商標)(Digital Versatile Disc)、「HD DVD」(High Definition DVD)(登録商標)、「CBHD(China Blue High−Definition)」、「Blu−ray Disc」(登録商標)等として挙げられる各種光ディスク等の各種メディアに記録されたデータ、情報、信号等を再生させたり、書込み可能もしくは書換え可能な各種光ディスク等の各種メディアにデータ、情報、信号等を記録させたり、書込み可能もしくは書換え可能な各種光ディスク等の各種メディアに記録されたデータ、情報、信号等を消去させたりすることが可能なピックアップ装置、ディスク装置、並びにこれらに備えられる基板の組付け構造に適用可能とされるものである。
【符号の説明】
【0069】
10 メイン基板(基板)
10a,20a 縁端部(端部)
11,21 基板本体部(基部)
12,22 回路導体部(導体部)
12a,22a 終端部
13,23 レジスト部(保護部)
15,25 ランド部(半田付け部)
15a,25a 先端部
15b,25b 幅
20 アクチュエータ基板(基板)
30 半田材
33 橋渡し部
35 中間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一基板と、
前記第一基板に接続される第二基板と、
を備え、
前記第一基板に設けられた隣り合う複数の第一半田付け部と、
前記第二基板に設けられた隣り合う複数の第二半田付け部と、
が細くされた
ことを特徴とする基板の組付け構造。
【請求項2】
前記第一半田付け部の先端部は略鋭角に形成され、
前記第二半田付け部の先端部は略鋭角に形成された
ことを特徴とする請求項1に記載の基板の組付け構造。
【請求項3】
前記第一半田付け部は略雫状に形成され、
前記第二半田付け部は略雫状に形成された
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板の組付け構造。
【請求項4】
前記第一基板の端部と、
前記第二基板の端部と、
が着き合わせられて、
前記第一半田付け部における幅が細くされた先端部と、
前記第二半田付け部における幅が細くされた先端部と、
が合わせられた
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の基板の組付け構造。
【請求項5】
前記第一基板に対し前記第二基板が交差する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の基板の組付け構造。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の基板の組付け構造を有する
ことを特徴とするピックアップ装置。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか1項に記載の基板の組付け構造を有する
ことを特徴とするディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−3621(P2011−3621A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143776(P2009−143776)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】