説明

基板処理装置、表面実装機、印刷機、検査機、及び塗布機

【課題】基板の搬送状態を検知し、かつ、搬送に要する時間を短縮する基板処理装置、表面実装機、印刷機、検査機、及び塗布機を提供する。
【解決手段】上流側から搬入される基板を受け取ってこの基板を下流側に搬送するコンベア20を備え、このコンベア20によって搬送される基板に電子部品を実装する表面実装機10であって、コンベア20によって搬送される基板の搬送経路を一定の位置から連続的に撮像するコンベアカメラ51と、コンベアカメラ51により撮像された基板の遠近画像に基づいて基板位置を認識する画像処理部と、画像処理部によって認識された基板位置に基づいて基板の搬送状態が異常と判定した場合に停止信号を出力するコントローラとを備えた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送手段によって搬送される基板に所定の処理を実行する基板処理装置、表面実装機、印刷機、検査機、及び塗布機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の基板処理装置では、基板の搬送経路に基板を認識する複数のセンサを設置しておき、基板を搬送させてセンサによって認識されたことを条件に、この基板の搬送を停止させ、この基板を停止させた状態で次の基板を搬送していた。これらの基板は共通のコンベアによって搬送され、現在搬送中の基板以外の基板については、搬送面下方から上方に突出させたストッパに基板の先端を突き当てることで、停止させるようにしている。例えば、下記特許文献1には、基板ストッパ近傍に設けられた光学センサを用いて、停止位置に到着した基板を検出する方法が開示されている。また、下記特許文献2には、複数の投光部と、投光部に対応した複数の受光部とを備え、基板を検知するセンサが開示されている。
【特許文献1】特開2005−93765公報
【特許文献2】特開2002−151897公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1及び2では、基板が所定の停止位置に到達しセンサによって検出されなければ、基板を検知することができないため、センサの手前で基板が滞留していた場合には、センサで基板を検知することができない。また、複数の基板をコンベアで同時に搬送するものではなく、現在搬送中の基板以外の基板については待ち時間が発生し、全体として搬送に要する時間が長くなる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、基板の搬送状態を検知し、かつ、搬送に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上流側から搬入される基板を受け取ってこの基板を下流側に搬送する搬送手段を備え、この搬送手段によって搬送される基板に所定の処理を実行する基板処理装置であって、搬送手段によって搬送される基板の搬送経路を一定の位置から連続的に撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像された基板の遠近画像に基づいて基板位置を認識する画像処理手段と、画像処理手段によって認識された基板位置に基づいて基板の搬送状態が異常と判定した場合に停止信号を出力する判定手段と、判定手段によって出力された停止信号を受けて搬送手段による搬送を停止させる搬送制御手段とを備えた構成としたところに特徴を有する。
【0005】
このような構成によると、上流側から搬入された基板を搬送手段によって下流側に搬送し撮像手段によって連続的に撮像することができる。基板の遠近画像に基づいて画像処理手段により基板位置が認識され、この基板位置に基づいて判定手段により基板の搬送状態が異常と判定されると、搬送制御手段により基板の搬送を停止させることができる。すなわち、センサ等のように点あるいは線で基板を検出するものではなく、基板全体を検出することができるから、例えば基板の一部にスリット等が設けられている特殊形状の基板であっても誤検出することなく正確に検出することができる。また、複数の基板を同時に搬送した場合であってもこれらの基板をまとめて検出することができる。よって、各基板を個別に搬送する場合よりも搬送に要する時間を短縮することも可能である。さらに、撮像手段により連続的に撮像することで基板の搬送状態を監視し、異常発生時に迅速かつ適切に対応することができる。
【0006】
画像処理手段は、基板位置に基づいて搬送手段によって搬送される各基板の間隔を算出し、判定手段は、この算出された各基板の間隔が所定の間隔より小さい場合に異常と判定してもよい。このようにすると、各基板の間隔が所定の間隔より小さい場合に各基板の搬送の停止させることができる。すなわち、複数の基板を同時に搬送した場合に、基板同士が接触することを未然に防ぐことができる。
【0007】
画像処理手段は、基板位置に基づいて搬送手段によって搬送される基板の搬送方向における基板サイズを算出し、判定手段は、この算出された基板サイズが所定のサイズと一致しない場合に異常と判定してもよい。このようにすると、基板サイズが所定のサイズと一致しない場合に基板の搬送を停止させることができる。すなわち、基板サイズが所定のサイズと異なる基板を上流側から間違って搬入した場合に、この基板に所定の処理が実行されることを未然に防ぐことができる。
【0008】
画像処理手段は、基板位置に基づいて搬送手段によって搬送される基板の移動量を算出し、判定手段は、この算出された基板の移動量が所定の移動量と一致しない場合に異常と判定してもよい。このようにすると、基板の移動量が所定の移動量と一致しない場合に基板の搬送を停止させることができる。すなわち、基板が滑ったりあるいは引っ掛かる等して基板が搬送途上で滞留することを検知することができる。
【0009】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
【0010】
撮像手段は搬送手段によって搬送される基板の搬送面よりも下方に位置して設けられている構成としてもよい。基板処理装置の一般的構成として、基板の搬送面よりも上方には、基板に処理を施すヘッドユニットが設けられていることが多く、撮像手段を設置するスペースを十分に確保することができない場合がある。その点上記の構成によると、撮像手段を基板の搬送面よりも下方に位置して設けたから、撮像手段がヘッドユニットと干渉することを防ぐことができる。
【0011】
撮像手段を基準として基板の手前側もしくは背面側には、基板に向けて光を照射する照明手段が基板の搬送方向に沿って設けられている構成としてもよい。このような構成によると、照明手段によって基板に光を照射することができるから、暗い場所でも確実に基板を撮像することができる。
【0012】
搬送手段は、固定側コンベアと、基板の搬送方向と直交する幅方向における基板サイズに応じて固定側コンベアとの間隔を自在に調整可能な可動側コンベアとを備え、照明手段は、固定側コンベアに一体に設けられている構成としてもよい。このような構成によると、撮像手段から照明手段までの距離が一定となるため、基板サイズを変更して可動側コンベアが移動した場合であっても遠近画像を平面画像に変換するアルゴリズムを変更しなくてもよい。
【0013】
照明手段は、基板の搬送方向に沿って連続して配置された複数の点光源を備えている構成としてもよい。このような構成によると、複数の点光源によって基板を照射することができる。また、点光源を用いているため、大きな設置スペースを必要とせず、設置場所に応じた柔軟な配置が可能である。
【0014】
照明手段は、基板の搬送方向に沿って所定の間隔を空けて複数配置され、基板の搬送方向に沿って延びる棒状発光体を備えている構成としてもよい。このような構成によると、棒状発光体によって基板を照射することができる。
【0015】
棒状発光体は、アクリル棒と、このアクリル棒の端部から光を照射することでアクリル棒全体を発光させる点光源とを備えている構成としてもよい。このような構成によると、一つの点光源でアクリル棒全体を発光させることができるから、少ない点光源で効率良く光を照射することができる。
【0016】
点光源は、発光ダイオードである構成としてもよい。このような構成によると、安価で長寿命の発光ダイオードを点光源として用いることができる。
【0017】
撮像手段は、搬送手段による基板の搬送方向に沿って複数設けられ、画像処理手段は、各撮像手段によって撮像された各遠近画像を平面画像にそれぞれ変換し、各平面画像を一つの画像に結合することで変換画像を取得してもよい。このようにすると、複数の撮像手段によって基板の搬送経路を撮像することができるから、基板の搬送経路が長い場合であっても搬送経路全体を一つの変換画像として得ることができる。
【0018】
画像処理手段は、基板の搬送方向における長さが既知である被写体と平面画像において被写体の搬送方向における画素数とに基づいて一画素当たりの長さを取得し、その一画素当たりの長さに基づいてスケール画像を形成し、このスケール画像を変換画像に合成することでスケール付き変換画像を取得してもよい。このようにすると、スケール付き変換画像に基づいて基板サイズ等を算出することができる。尚、基板の搬送方向における長さが既知である被写体としては、長さが既知である基板を用いてもよいし、配置間隔が既知である各点光源を用いてもよいし、長さが既知である棒状発光体を用いてもよい。
【0019】
画像処理手段は、基板の平面画像とスケール画像とに基づいて基板の搬送方向における基板サイズを算出してもよい。例えば、画像処理手段により基板の一端をスケールのゼロ点に一致させておき、基板の他端と一致するスケールの目盛を読むことにより基板のサイズを算出してもよい。
【0020】
画像処理手段は、基板の平面画像とスケール画像とに基づいて基板の前端位置及びこの基板より搬送方向前方に位置する基板の後端位置を取得し、前端位置と後端位置との差分に基づいて基板の間隔を算出してもよい。このようにすると、基板の前端位置と一致する目盛から、この基板より搬送方向前方に位置する基板の後端位置と一致する目盛までの距離を基板の間隔として算出することができる。
【0021】
搬送制御手段は、スケール付き変換画像に基づいて基板が所定の停止位置より手前に設定された所定の減速位置に達したときに基板の搬送速度を減速させ、基板が所定の停止位置に達したときに減速された基板の搬送を停止させてもよい。このような構成によると、基板が所定の減速位置に達すると基板の搬送速度を減速させ、基板が所定の停止位置に達すると減速された基板の搬送を停止させることができる。これにより、基板の搬送を急停止させた場合にその慣性力によって基板が所定の停止位置よりやや前方で停止する等のおそれがない。したがって、ストッパ等を使用しなくても基板を所定の停止位置で停止させることができる。
【0022】
画像処理手段は、所定時間を空けて撮像された2つの変換画像をそれぞれ二値化及びグレースケール化してグレースケール画像を形成し、これらのグレースケール画像を合成することで平均画像を形成し、算出手段は、平均画像に基づいて所定時間における基板の移動量を算出してもよい。このようにすると、平均画像において基板の移動量に相当する部分は、グレースケール画像における白と黒が合成されることで灰色となって表示されるから、灰色部分の長さあるいは面積に基づいて基板の移動量を算出することができる。
【0023】
本発明は、上記の基板処理装置と、前記搬送手段によって搬送される前記基板の表面に電子部品を実装する実装ユニットとを備えた表面実装機に適用してもよい。
【0024】
また、本発明は、上記の基板処理装置と、搬送手段によって搬送される基板の表面に半田ペーストを印刷する印刷ユニットとを備えた印刷機に適用してもよい。
【0025】
また、本発明は、上記の基板処理装置と、搬送手段によって搬送される基板の表面に印刷された半田の印刷状態、基板の表面に実装された電子部品の実装状態等を検査する検査ユニットとを備えた検査機に適用してもよい。
【0026】
また、本発明は、上記の基板処理装置と、表面に電子部品を固定するための塗布剤を塗布する塗布ユニットとを備えた塗布機に適用してもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、基板の搬送状態を検知し、かつ、搬送に要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
<実施形態1>
<全体構成>
本発明の実施形態1について図1〜図11の図面を参照しながら説明する。本実施形態における表面実装機10は基台11を備え、この基台11上に一対のコンベア(本発明の「搬送手段」の一例)20が設けられている。コンベア20による搬送経路の上流側には、上流装置(図示せず)が設けられており、コンベア20は、上流装置から搬入された基板Bを受け取って下流側に搬送可能である。コンベア20による搬送経路には、図1に示すように、上流側(図示右側)から順に待機位置W、実装位置M、出口位置Eが設定されている。
【0029】
両コンベア20の両側には部品供給部(図示せず)が配置されており、基台11の上方には図示しない電子部品実装用のヘッドユニット(本発明の「実装ユニット」の一例)が設けられている。ヘッドユニットは、部品供給装置から電子部品Pを吸着保持してコンベア20によって実装位置Mに搬送されたプリント基板(以下「基板」という)Bに向けて搬送し、基板Bの所定の位置に電子部品Pを実装可能である。
【0030】
両コンベア20のうち一方(図示下側)は固定側コンベアであり、他方(図示上側)は基板Bの基板幅に応じて固定側コンベアとの間隔を自在に調整可能な可動側コンベアである。図1において固定側コンベアに最も接近した可動側コンベアの位置を20Aとし、固定側コンベアから最も離れた可動側コンベアの位置を20Bとする。コンベア20による搬送面の下方であって基台11上には、基板Bを支持する基板バックアップ装置90が設けられている。この基板バックアップ装置90には、複数のバックアップピン(図示せず)が立設されたバックアッププレート(図示せず)が載置可能であり、このバックアップピンの先端に基板Bの下面が支持されるようになっている。
【0031】
コンベア20は、図2に示すように、コンベア支持部材21によって支持されている。コンベア支持部材21は、基板バックアップ装置90の両側に一対設けられている。両コンベア支持部材21には、一対のコンベアカメラ(本発明の「撮像手段」の一例)51が設置されている。両コンベアカメラ51は、コンベア20の搬送面よりも下方に位置して設けられ、互いに向き合うようにしてやや上方を見上げる姿勢とされている。このため、両コンベアカメラ51がヘッドユニットと干渉することを防ぐことができる。尚、以下の説明においては両コンベアカメラ51のうち図示右側のカメラをカメラ1といい、図示左側のカメラをカメラ2という場合がある。
【0032】
両コンベアカメラ51は、図1に示すように、コンベア20による基板Bの搬送方向に沿って設けられている。両コンベアカメラ51による撮像視野は、コンベア20による基板Bの搬送経路を全て撮像可能に設定されている。また、各コンベアカメラ51は、可動側コンベアが最も固定側コンベアに接近した位置20Aにあるときに、可動側コンベアと固定側コンベアとの間に位置してこれらに干渉しない位置に設定されている。尚、コンベアカメラ51は光電変換素子を含んで構成され、得られた画像信号を後述する画像処理部50に出力する。
【0033】
<表面実装機の電気的構成>
次に、表面実装機10のコントローラ40を中心とした電気的構成について図3を参照しながら説明する。コントローラ40は、演算処理部41、実装プログラム記憶手段42、装置情報記憶手段43、モータ制御部44、外部入出力部45、画像処理部(本発明の「画像処理手段」の一例)50を備えている。尚、コントローラ40は、本発明の「判定手段」、「搬送制御手段」に相当する。
【0034】
演算処理部41には、同演算処理部41によって基板の搬送状態が異常である判定された場合にその異常内容等を表示させる表示ユニット46が接続されている。モータ制御部44には、実装ユニットをX方向に移動させるX軸モータや、実装ユニットをY方向に駆動させるY軸モータ等が接続されている。外部入出力部45には、コンベア照明47、コンベアモータ48、センサ類49等が接続されている。
【0035】
画像処理部50には、コンベアカメラ51、部品認識カメラ52、マーク認識カメラ53が接続されている。コンベアカメラ51で得られた基板Bの画像は、被写体である基板Bまでの距離が遠くなるにつれて画像が小さくなる遠近画像であり、画像処理部50により基板Bまでの距離が一定となる平面画像に変換しこの画像を変換画像として演算処理部41に出力する。ここで、平面画像とは、被写体までの距離が一定で、かつ、被写体に対する撮像方向が同一平面内で全て同じとなるように撮像した場合における画像、すなわち平面図に相当する。
【0036】
<表面実装機における基板検出フローの動作説明>
続いて、表面実装機10における基板検出フローの動作について図4〜図11を参照しながら説明する。
まず、これから生産する基板Bに対応した生産プログラムに切り換える(S10)。実装プログラム記憶手段41から所定の生産プログラムが読み出されると、所定のメモリ(図示せず)上に書き込まれる。この生産プログラム中のコンベア幅データに基づいて両コンベア20のコンベア幅が所定のコンベア幅に変更される(S20)。
【0037】
次に、スケール画像の取得を行う(S30)。スケール画像の取得については、図5を参照しながら説明する。まず、待機位置W、実装位置M、出口位置Eにそれぞれ基板Bを配置し、コンベア照明47を点灯し(S31)、各コンベアカメラ51(カメラ1及びカメラ2)で各基板Bを撮像する(S32)。尚、待機位置Wに配置された基板Bを基板1とし、実装位置Mに配置された基板Bを基板2とし、出口位置に配置された基板Bを基板3とする。
【0038】
図6において左上の画像は、カメラ1によって撮像された画像(以下「カメラ1の画像」という)である。カメラ1の画像には、基板2と基板3が表示されている。基板2は、カメラ1からの距離が基板3よりも近いため、基板3よりも大きく表示されている。一方、図6において右上の画像は、カメラ2によって撮像された画像(以下「カメラ2の画像」という)である。カメラ2の画像には、基板2と基板1が表示されている。基板2は、カメラ2からの距離が基板1よりも近いため、基板1よりも大きく表示されている。すなわち、各カメラ1,2の画像は共に遠近画像であって、被写体までの距離が遠くなるにつれて画像が小さくなっている。
【0039】
次に、各カメラ1,2の画像を、画像処理部50において基板2の大きさが同じになるように拡大及び縮尺を行うことで、平面画像に変換する。そして、各カメラ1,2の平面画像を二値化し(S33)、これらの二値化された各平面画像を結合してパノラマ画像(本発明の「変換画像」の一例)を形成する(S34)。図7及び図8は、上流側から順次搬入された基板1〜3を同時に搬送したときにおけるパノラマ画像を経時的に示したものである。図7の上図に、上流側から搬入された基板1及び基板2が描かれている。この後、図7の下図、図8の上図、図8の下図の順に、基板1〜3が下流側に同時に搬送されていく様子が描かれている。
【0040】
この後、複数の目盛が付されたスケール画像を上記パノラマ画像に合成してスケール付きパノラマ画像(本発明の「スケール付き変換画像」の一例)を形成する(図6下図参照)。ここで、基板1〜3のサイズは既知であるため、基板1〜3の搬送方向における長さと基板1〜3の搬送方向における画素数とに基づいて一画素当たりの長さ(スケール)を取得し、スケール画像を形成する(S35)。さらに、基板1は待機位置Wに配置してあるので、基板1の前端位置を待機位置(本発明の「所定の停止位置」の一例)とし、この待機位置より搬送方向やや後方を減速位置として指定する。同様に、基板2の前端位置を実装位置(本発明の「所定の停止位置」の一例)とし、この実装位置より搬送方向やや後方を減速位置として指定する。同様に、基板3の前端位置を出口位置(本発明の「所定の停止位置」の一例)と指定する。
【0041】
スケール画像の取得が完了すると、前記基板1〜3を搬送経路から取り出して生産を開始する。「生産開始」の入力があり(S40)、上流装置から基板Bが搬入されたら(S50でYes)、コンベアモータ48を高速回転させる(S60)。これと共に、コンベアカメラ51によって基板Bの搬送経路を連続的に撮像する(S70)。尚、「連続的」に撮像するとは、「所定のサンプリングタイム」で撮像することを意味する。例えば、所定のサンプリングタイムを1秒に設定したときは、コンベアカメラ51によって1秒おきに基板Bの搬送経路を撮像する。
【0042】
次に、基板Bの基板サイズの照合を行う(S80)。基板サイズの照合は、図9に示した要領で行う。両コンベアカメラ51で基板Bを撮像し(S81)、これらの撮像画像を画像処理部50で平面画像とした後、二値化し(S82)、さらに結合してパノラマ画像を形成する(S83)。このパノラマ画像をスケール画像と対比させることで基板サイズを測定する(S84)。こうして得られた基板サイズのうち搬送方向(すなわちプログラムのX方向)における基板サイズを確認する(S85)。そして、搬送方向における基板サイズが所定の基板サイズと一致するか否かを判定する(S86)。ここで、基板サイズが一致しなければ(S86のNo)、異常と判定され(S87)、停止信号を出力し、この停止信号に基づいてコンベアモータ48を停止させコンベア20による搬送を停止させる。一方、基板サイズが一致すれば(S86でYes)、そのままコンベア20による搬送及びコンベアカメラ51による撮像を継続する。
【0043】
仮に、基板サイズの間違った基板が搬入された場合には、図10に示すように、正規の基板Aと間違った基板Bとが撮像されてこれらのパノラマ画像が形成される。図10の例では、正規の基板Aの基板サイズは240mmであって、間違った基板Bの基板サイズは300mmとしてある。間違った基板Bが搬入された場合には、スケール画像に基づいて基板サイズが300mmと算出され、基板サイズが異常であると検知される。尚、所定の基板サイズとは、基準値に対して所定の許容値を含んだものであって、例えば基準値が240mmの場合には、所定の基板サイズを240±0.5mmと設定してもよい。
【0044】
次に、基板Bの滞留検知を行う(S90)。基板Bの滞留検知は、基板Bの単位時間当たりの移動量を求め、この移動量が所定の移動量に達していないときに異常であると判定し、異常と判定された場合には、コンベア20による搬送を停止させることにより行う。具体的には、基板Bについてスケール画像に基づいて基板Bの前端位置を検出し、これより所定時間経過後に同じ基板Bの前端位置を検出し、これらの前端位置の差分を求めて移動量を算出し、この移動量を前記所定時間で除することにより単位時間当たりの移動量を算出する。一方、単位時間当たりの移動量が所定の移動量と一致している場合には、そのままコンベア20による搬送を継続する。尚、所定の移動量とは、所定の基板サイズと同様に、基準値に対して所定の許容値を含んだものである。
【0045】
次に、基板Bの停止判定処理を行う(S100)。基板Bの停止判定処理は、図11に示した要領で行う。まず、スケール画像に基づいて基板Bの前端位置Fiを取得し(S101)、この基板Bより搬送方向前方に位置する基板Bの後端位置Ri-1を取得する(S102)。これにより、各基板Bの間隔は、|(Fi)−(Ri-1)|で算出され、各基板Bの間隔が所定の間隔以上であれば正常と判定され(S103でYes)、そのままコンベア20による搬送を継続する。一方、各基板Bの間隔が所定の間隔より小さければ異常と判定され(S103のNo)、コンベアモータ48を停止させてコンベア20による搬送を停止させると共に(S107)、警報音を鳴らしたり表示ユニット46に異常発生と表示させたりすることにより異常が発生したことを報知する(S108)。
【0046】
ステップS103で正常と判定された場合には、基板Bの前端位置Fiが減速位置に達したか否かを判定する(S104)。基板Bの前端位置Fiが減速位置に達すると(S104でYes)、コンベアモータ48を低速回転に切り替えて(S105)、さらに基板Bの前端位置Fiが停止位置に達すると(S106でYes)、コンベアモータ48を停止させてコンベア20による搬送を停止させる。そして、基板検出フローの後に、例えば部品の実装が開始される(S110)。
【0047】
以上のように本実施形態では、基板Bの搬送経路全体を一対のコンベアカメラ51によって連続的に撮像することで、基板Bの搬送状態を監視することができる。両コンベアカメラ51によって得られた画像は、パノラマ画像に結合され、一の画像として把握することで、複数の基板Bを同時に搬送しても、各基板Bの搬送状態をまとめて監視することができる。このため、各基板Bを個別に搬送する場合よりも搬送に要する時間を大幅に短縮することができる。また、スケール付きパノラマ画像を形成することで、基板Bの基板サイズ、基板Bの滞留検知、基板Bの間隔等を検知することができる。さらに、スケール付きパノラマ画像に減速位置を設定しておき、基板Bの前端位置Fiを監視することで、ストッパ等を使用しなくても目標停止位置で正確にかつ緩やかに停止させることができる。
【0048】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について図12ないし図20の図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の説明は、実施形態1と異なる構成、作用及び効果についてのみ説明を行い、重複する部分については説明を省略する。
【0049】
本実施形態の表面実装機100では、図12に示すように、コンベアカメラ110が待機位置W、実装位置M、出口位置Eの3箇所に設置されている。各コンベアカメラ110は実施形態1のコンベアカメラ51よりも小型のカメラ(例えば携帯電話用カメラ等)であって、固定側コンベア側に設置されており、各コンベアカメラ110の撮像方向は、コンベア20による搬送方向と直交する方向である。また、各コンベアカメラ110は、図13に示すように、コンベア20によって搬送される基板Bの搬送面の下方に位置しており、ここから搬送面に向けて斜め上方に撮像可能である。尚、以下の説明において各コンベアカメラ110は、上流側から順にカメラ3、カメラ2、カメラ1という場合もある。
【0050】
一方、可動側コンベアには、基板Bの搬送経路に光を照射する照明装置(本発明の「照明手段」の一例)60が設けられている。照明装置60は、基板Bの搬送方向に沿って延びるアクリル棒(本発明の「棒状発光体」の一例)61と、このアクリル棒61の端部から光を照射してアクリル棒61全体を発光させる発光ダイオード(本発明の「点光源」の一例)62とを備えている。アクリル棒61は、基板Bの搬送面と平行で、かつ、各コンベアカメラ110と対向する位置に3箇所配置され、基板Bの搬送方向に並んで所定間隔を空けて設置されている。
【0051】
照明装置60は、可動側コンベアと一体に設けられているため、可動側コンベアの移動と共に移動する。尚、各コンベアカメラ110による撮像視野は、全てのアクリル棒61を撮像可能に設定されている。図12においては、可動側コンベアが固定側コンベアから最も離れた位置20Bにあるときの撮像視野を例示しているものの、最も接近した位置20Aにあるときには、視野角度をさらに広角度に設定することで全てのアクリル棒61を撮像可能である。
【0052】
各コンベアカメラ110は、図14上図に示すように、カメラ1の画像とカメラ2の画像とカメラ3の画像とを取得してこれらを画像処理部50に出力する。画像処理部50は、3つの画像を結合してパノラマ画像を形成する。ここで、アクリル棒61のサイズは既知であるから、アクリル棒61の搬送方向における長さとアクリル棒61の搬送方向における画素数とに基づいて、一画素当たりの長さ(スケール)を取得することができる。そして、一画素当たりの長さからスケール画像を形成し、図14下図に示すように、パノラマ画像とスケール画像とを合成することでスケール付きパノラマ画像が形成される。
【0053】
照明装置60は、コンベアカメラ110を基準として基板Bの背面側に設けられているため、上流側から順に基板1〜基板3が搬入されると、図15及び図16に示すように、基板1〜3によって光が遮られる。すなわち、基板1〜3の存在する部分は、パノラマ画像においては黒色として表示される。図15の上図、同下図、図16の上図、同下図の順に基板1〜3が上流側から下流側に搬送される様子が描かれている。
【0054】
次に、基板Bの基板サイズの照合について、実施形態1と同様の方法で行う。仮に、基板サイズの間違った基板が搬入された場合には、図17に示すように、正規の基板Aと間違った基板Bとが撮像されてこれらのパノラマ画像が形成される。図17の例では、正規の基板Aの基板サイズは240mmであって、間違った基板Bの基板サイズは300mmとしてある。間違った基板Bが搬入された場合には、スケール画像に基づいて基板サイズが300mmと算出され、基板サイズが異常であると検知される。尚、所定の基板サイズとは、基準値に対して所定の許容値を含んだものであって、例えば基準値が240mmの場合には、所定の基板サイズを240±0.5mmと設定してもよい。
【0055】
次に、基板Bの滞留検知について図18及び図19を参照しながら説明する。まず、画像処理部50で基板Bのパノラマ画像を二値化し、さらに、グレースケール化を行う(S210)。図19の上段は、ある時刻kにおけるグレースケール画像G[k]及びこの画像G[k]から得られる濃度分布F[k]を示したものであり、同中段は、時刻kから数サンプリング時間d前の時刻k-dにおけるグレースケール画像G[k-d]及びこの画像G[k-d]から得られる濃度分布F[k-d]を示したものである。尚、濃度分布図において縦軸は濃度を示し、横軸は基板Bの搬送位置を示している。したがって、基板Bの存在しない部分は白色で表示されるため、基板有り部分F1として濃度分布が高く表示されるものの、基板Bが存在する部分は黒色で表示されるため、基板無し部分F2として濃度分布が低く表示される。
【0056】
画像処理部50は、両画像G[k],G[k-d]のグレースケール化が完了した後に、両画像G[k],G[k-d]を合成して平均画像G*[k]を形成する(S220)。図19の下段は、平均画像G*[k]及びこの画像G*[k]から得られる平均濃度分布F*[k]を示している。平均画像G*[k]において基板Bの移動量xは、基板Bが存在しなかった部分である白色と基板Bが存在する部分である黒色とを平均化することにより灰色として表示される。このため、平均濃度分布F*[k]において基板Bの移動量xに相当する部分は、基板有り部分F1と基板無し部分F2との中間位置F3として表示される。このように、グレースケール画像を数値化して濃度分布として把握しておけば、濃度分布図の縦軸方向で基板Bの移動量xに相当する部分を特定することが可能となり、この部分の横軸の長さを求めることで基板Bの移動量xを算出することができる(S230)。
【0057】
そして、モータ回転速度とサンプリング時間dとから仮想移動量vxを算出し(S240)、基板Bの移動量xと仮想移動量vxとが一致しなければ(S250のNo)、コンベアモータ48を停止させてコンベア20による搬送を停止させると共に、警報音を鳴らしたり表示ユニット46に異常発生と表示させたりすることにより異常が発生したことを報知する(S260)。一方、基板Bの移動量xと仮想移動量vxとが一致すれば(S250でYes)、そのままコンベア20による搬送を継続する。尚、基準値となる仮想移動量vxは、所定の許容値αを含んだ値vx-α〜vx+αに設定してもよい。
【0058】
次に、基板Bの停止処理について、図20を参照しながら説明する。まず、複数の目盛が付されたスケール画像をパノラマ画像に合成してスケール付きパノラマ画像を形成する。このスケール付きパノラマ画像に、待機位置、実装位置等の位置指定を行い、画像処理部50により基板Bの前端位置Fiがこれらの位置に達したか否かを判定する。例えば、上流側から高速で搬入された基板Bの前端位置Fiが減速位置に達すると、コンベアモータ48を低速回転に切り替えて、さらに基板Bの前端位置Fiが待機位置に達すると、コンベアモータ48を停止させてコンベア20による搬送を停止させる。
【0059】
以上のように本実施形態では、照明装置60によって基板Bの背面側から光を照射して透過光によって基板Bを検出しているから、反射光で検出する場合よりも基板Bの検出精度を高めることができる。また、アクリル棒61と発光ダイオード62を用いた安価な組み合わせで照明装置60を構成しているため、低コスト化が可能であると共に、少ない発光ダイオード62で効率良く光を照射することができる。さらに、アクリル棒61のサイズが既知であるため、生産開始前にダミー基板を流す等して一画素当たりの長さを算出しなくてもよい。
【0060】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3について図21及び図22を参照しながら説明する。尚、本実施形態は実施形態2とほぼ同じ構成であり、実施形態2と異なる構成、作用、及び効果についてのみ説明を行い、その他の重複する部分については説明を省略する。本実施形態の表面実装機120では、コンベアカメラ110が固定側コンベアの両端に配置され、可動側コンベアが固定側コンベアから最も離れた位置20Bにあるときに、全てのアクリル棒61を撮像可能に設定されている。具体的には、各コンベアカメラ110の撮像視野の一端側を表す線を111としたときに、これらの線111の交点112が最も離れた位置20Bにある可動側コンベアよりもさらに幅方向外側(図示上側)に位置するように設定されている。このため、可動側コンベアを固定側コンベアに最も接近した位置20Aに配置したときでも、コンベアカメラ110の配置(撮像方向や視野角度等)を変更しなくてよい。
【0061】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4について図23ないし図27を参照しながら説明する。尚、本実施形態は実施形態3とほぼ同じ構成であり、実施形態3と異なる構成、作用、及び効果についてのみ説明を行い、その他の重複する部分については説明を省略する。本実施形態の表面実装機130では、図23に示すように、実施形態3におけるアクリル棒61の代わりとして複数の発光ダイオード62が、基板Bの搬送面と平行に配置され、基板Bの搬送方向に沿って連続して配置されている。
【0062】
固定側コンベアの両端には、一対のコンベアカメラ110が向かい合うように設置されている。各コンベアカメラ110は、コンベア20によって搬送される基板Bの搬送面の下方に位置しており、ここから搬送面に向けて斜め上方に撮像可能である。尚、以下の説明において各コンベアカメラ110は、上流側から順にカメラ1、カメラ2という。カメラ1により撮像された画像(以下「カメラ1の画像」という)は、図25の左上に示すように、左上から右下にかけて発光ダイオード62が徐々に大きくなる遠近画像として取得される。一方、カメラ2により撮像された画像(以下「カメラ2の画像」という)は、図25の右上に示すように、右上から左下にかけて発光ダイオード62が徐々に大きくなる遠近画像として取得される。そして、画像処理部50でカメラ1の画像とカメラ2の画像をそれぞれ変換して平面画像を形成し、これらの平面画像を結合させることで、図25の下図に示すように、パノラマ画像が形成される。
【0063】
ここで、発光ダイオード62の位置は既知であるため、各発光ダイオード62はスケール画像における目盛の役割を果たすことができる。また、発光ダイオード62は、コンベアカメラ110を基準として基板Bの背面側に設けられているため、上流側から順に基板1〜基板3が搬入されると、図26及び図27に示すように、基板1〜3によって光が遮られる。すなわち、基板1〜3の存在する部分は、パノラマ画像においては黒色として表示される。図26の上図、同下図、図27の上図、同下図の順に基板1〜3が上流側から下流側に搬送される様子が描かれている。
【0064】
以上のように本実施形態では、安価で長寿命の発光ダイオード62を用いて基板Bに光を照射することができる。発光ダイオード62は基板Bの搬送方向に沿って複数配置されており、各発光ダイオード62の位置も既知であるから、発光ダイオード62をスケール画像における目盛としてそのまま利用することができる。よって、スケール画像を形成する手間を省くことが可能になる。
【0065】
<実施形態5>
次に、本発明の実施形態5について図28及び図29を参照しながら説明する。尚、本実施形態は実施形態2とほぼ同じ構成であり、実施形態2と異なる構成、作用、及び効果についてのみ説明を行い、その他の重複する部分については説明を省略する。すなわち、本実施形態の表面実装機140は、実施形態2におけるアクリル棒61の代わりに複数の発光ダイオード62を、基板Bの搬送面と平行に配置し、基板Bの搬送方向に沿って連続して配置したものである。
【0066】
<実施形態6>
最後に、本発明のベストモードである実施形態6について図30及び図31を参照しながら説明する。本実施形態の表面実装機150は実施形態4及び5とは異なり、発光ダイオード62を固定側コンベアに配置したものであり、その他の重複する構成、作用、及び効果については説明を省略する。固定側コンベアには、一対のコンベアカメラ110が向かい合うように設置されている。各コンベアカメラ110は、コンベア20によって搬送される基板Bの搬送面の下方に位置しており、ここから搬送面に向けて斜め上方に撮像可能である。また、各コンベアカメラ110は、基板Bの搬送方向においてコンベア支持部材21が設けられている位置に設置されている。
【0067】
本実施形態の表面実装機150では、各コンベアカメラ110により全ての発光ダイオード62を撮像可能な位置に配置されている。具体的には、各コンベアカメラ110の撮像視野の一端側を表す線を111としたときに、これらの線111の交点112が固定側コンベアよりもさらに幅方向外側(図示下側)に位置するように設定されている。このため、コンベアカメラ110の配置(撮像方向や視野角度等)を変更しなくても全ての発光ダイオード62を撮像可能である。さらに、本実施形態では発光ダイオード62が固定側コンベアに配置されているため、コンベアカメラ110から発光ダイオード62までの距離及び撮像方向を一定に保つことができ、コンベアカメラ110によって撮像された遠近画像を平面画像に変換する際のアルゴリズムを変更しなくてもよい等のメリットがある。
【0068】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0069】
(1)本実施形態ではコンベアカメラを基板Bの搬送面よりも下方に設置しているものの、本発明によると、コンベアカメラを基板Bの搬送面よりも上方から下を向く姿勢で設置してもよい。
【0070】
(2)本実施形態ではコンベア幅を調整可能なコンベア20を例示しているものの、本発明によると、コンベア幅が固定されたコンベアとしてもよい。
【0071】
(3)本実施形態では複数のコンベアカメラを設置しているものの、本発明によると、基板Bの搬送経路全体を撮像可能な一つのコンベアカメラを設置してもよい。
【0072】
(4)本実施形態ではコンベアカメラを基準として照明手段(照明装置60,発光ダイオード62)を基板Bの背面側に設けているものの、本発明によると、照明手段を基板Bの手前側に設けて、基板Bの表面で反射された反射光をコンベアカメラによって受光してもよい。
【0073】
(5)本実施形態では被写体(基板B,アクリル棒61等)の長さを用いて一画素当たりの長さを算出しているものの、本発明によると、各アクリル棒61の配置間隔や各発光ダイオード62の配置間隔等を利用して一画素当たりの長さを算出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施形態1における表面実装機の平面図
【図2】その正面図
【図3】そのブロック図
【図4】その基板検出フローの動作説明を示したフローチャート
【図5】そのスケール画像を取得する手順を示したフローチャート
【図6】そのスケール付きパノラマ画像を形成する様子を示した図
【図7】その複数の基板が搬送される様子を示したパノラマ画像1
【図8】その複数の基板が搬送される様子を示したパノラマ画像2
【図9】その基板サイズの照合を行う手順を示したフローチャート
【図10】その基板サイズの照合を行う様子を示したスケール付きパノラマ画像
【図11】その基板の停止処理を行う手順を示したフローチャート
【図12】実施形態2における表面実装機の平面図
【図13】その正面図
【図14】そのスケール付きパノラマ画像を形成する様子を示した図
【図15】その複数の基板が搬送される様子を示したパノラマ画像1
【図16】その複数の基板が搬送される様子を示したパノラマ画像2
【図17】その基板サイズの照合を行う様子を示したスケール付きパノラマ画像
【図18】その基板の滞留検知を行う手順を示したフローチャート
【図19】その基板の移動量を算出する様子を示した図
【図20】その基板の停止処理を行う様子を示した図
【図21】実施形態3における表面実装機の平面図
【図22】その正面図
【図23】実施形態4における表面実装機の平面図
【図24】その正面図
【図25】そのスケール付きパノラマ画像を形成する様子を示した図
【図26】その複数の基板が搬送される様子を示したパノラマ画像1
【図27】その複数の基板が搬送される様子を示したパノラマ画像2
【図28】実施形態5における表面実装機の平面図
【図29】その正面図
【図30】実施形態6における表面実装機の平面図
【図31】その正面図
【符号の説明】
【0075】
10…表面実装機
20…コンベア(搬送手段)
40…コントローラ(判定手段、搬送制御手段)
50…画像処理部(画像処理手段)
51…コンベアカメラ(撮像手段)
60…照明装置(照明手段)
61…アクリル棒(棒状発光体)
62…発光ダイオード(点光源)
100…表面実装機
110…コンベアカメラ
120…表面実装機
130…表面実装機
140…表面実装機
150…表面実装機
B…プリント基板
P…電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側から搬入される基板を受け取ってこの基板を下流側に搬送する搬送手段を備え、この搬送手段によって搬送される前記基板に所定の処理を実行する基板処理装置であって、
前記搬送手段によって搬送される前記基板の搬送経路を一定の位置から連続的に撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された前記基板の遠近画像に基づいて基板位置を認識する画像処理手段と、
前記画像処理手段によって認識された前記基板位置に基づいて前記基板の搬送状態が異常と判定した場合に停止信号を出力する判定手段と、
前記判定手段によって出力された前記停止信号を受けて前記搬送手段による搬送を停止させる搬送制御手段とを備えた基板処理装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記基板位置に基づいて前記搬送手段によって搬送される前記各基板の間隔を算出し、前記判定手段は、この算出された前記各基板の間隔が所定の間隔より小さい場合に異常と判定する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、前記基板位置に基づいて前記搬送手段によって搬送される前記基板の搬送方向における基板サイズを算出し、前記判定手段は、この算出された前記基板サイズが所定のサイズと一致しない場合に異常と判定する請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記画像処理手段は、前記基板位置に基づいて前記搬送手段によって搬送される前記基板の移動量を算出し、前記判定手段は、この算出された前記基板の移動量が所定の移動量と一致しない場合に異常と判定する請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記撮像手段は前記搬送手段によって搬送される前記基板の搬送面よりも下方に位置して設けられている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記撮像手段を基準として前記基板の手前側もしくは背面側には、前記基板に向けて光を照射する照明手段が前記基板の搬送方向に沿って設けられている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記搬送手段は、固定側コンベアと、前記基板の搬送方向と直交する幅方向における基板サイズに応じて前記固定側コンベアとの間隔を自在に調整可能な可動側コンベアとを備え、前記照明手段は、前記固定側コンベアに一体に設けられている請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記照明手段は、前記基板の搬送方向に沿って連続して配置された複数の点光源を備えている請求項6又は請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記照明手段は、前記基板の搬送方向に沿って所定の間隔を空けて複数配置され、前記基板の搬送方向に沿って延びる棒状発光体を備えている請求項6又は請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記棒状発光体は、アクリル棒と、このアクリル棒の端部から光を照射することで前記アクリル棒全体を発光させる点光源とを備えている請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記点光源は、発光ダイオードである請求項8又は請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記撮像手段は、前記搬送手段による前記基板の搬送方向に沿って複数設けられ、前記画像処理手段は、前記各撮像手段によって撮像された各遠近画像を平面画像にそれぞれ変換し、各平面画像を一つの画像に結合することで変換画像を取得する請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記画像処理手段は、前記基板の搬送方向における長さが既知である被写体と前記平面画像において前記被写体の搬送方向における画素数とに基づいて一画素当たりの長さを取得し、その一画素当たりの長さに基づいてスケール画像を形成し、このスケール画像を前記変換画像に合成することでスケール付き変換画像を取得する請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記画像処理手段は、前記基板の平面画像と前記スケール画像とに基づいて前記基板の搬送方向における前記基板サイズを算出する請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記画像処理手段は、前記基板の平面画像と前記スケール画像とに基づいて前記基板の前端位置及びこの基板より搬送方向前方に位置する前記基板の後端位置を取得し、前記前端位置と前記後端位置との差分に基づいて前記基板の間隔を算出する請求項13又は請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記搬送制御手段は、前記スケール付き変換画像に基づいて前記基板が所定の停止位置より手前に設定された所定の減速位置に達したときに前記基板の搬送速度を減速させ、前記基板が前記所定の停止位置に達したときに減速された前記基板の搬送を停止させる請求項13ないし請求項15のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記画像処理手段は、所定時間を空けて撮像された2つの前記変換画像をそれぞれ二値化及びグレースケール化してグレースケール画像を形成し、これらのグレースケール画像を合成することで平均画像を形成し、前記算出手段は、前記平均画像に基づいて前記所定時間における前記基板の移動量を算出する請求項12ないし請求項16のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項18】
請求項1ないし請求項17のいずれか一項に記載の前記基板処理装置と、前記搬送手段によって搬送される前記基板の表面に電子部品を実装する実装ユニットとを備えた表面実装機。
【請求項19】
請求項1ないし請求項17のいずれか一項に記載の前記基板処理装置と、前記搬送手段によって搬送される前記基板の表面に半田ペーストを印刷する印刷ユニットとを備えた印刷機。
【請求項20】
請求項1ないし請求項17のいずれか一項に記載の前記基板処理装置と、前記搬送手段によって搬送される前記基板の表面に印刷された半田の印刷状態、前記基板の表面に実装された電子部品の実装状態等を検査する検査ユニットとを備えた検査機。
【請求項21】
請求項1ないし請求項17のいずれか一項に記載の前記基板処理装置と、表面に電子部品を固定するための塗布剤を塗布する塗布ユニットとを備えた塗布機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2009−76633(P2009−76633A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243732(P2007−243732)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】