説明

基板処理装置および半導体装置の製造方法

【課題】基板の加熱ムラを防止する。
【解決手段】基板1の加熱ムラを防止する基板処理装置10は、処理室内12に設けられ基板を保持する基板保持部21と、前記処理室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部26と、前記基板保持部と前記マイクロ波供給部との間に設けられ、複数の貫通孔20が、前記基板保持部に保持された前記基板の中心に対向した部位の孔密度が前記基板の端部に対向した部位の孔密度よりも高くなるように設けられている拡散板19と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上にIC(Integrated Circuit)等の半導体装置を製造する基板処理技術に係り、特に、マイクロ波を用いて、半導体ウエハ(以下、ウエハという)等の基板を処理し、半導体装置を製造する半導体製造装置、基板を処理する基板処理装置、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ICの製造工程においては、ウエハ上にIC回路を作製する前工程が終了した後、ウエハを研磨して薄くするバック・グラインド、ウエハをチップに切断するダイシング、チップをパッドに装着するマウント、接着、モールド、仕上げプロセス、テストという後工程に進む。
WLP(Wafer Level Packing )は、ICが作製されたウエハ上に、半導体パッケージとして必要な再配線、封止樹脂、はんだバンプを形成し個片化するものである。WLPの一種であるSiP(System in Package )の製造では、前工程と後工程の間に中間工程が必要となり、前工程のウエハを受取った後、バック・グラインドの前に、チップの配線上部に加工を施す再配線などの工程が入り、ポリイミド系材料等で層間絶縁膜を形成して銅再配線を形成し、その先端にはんだボールを搭載する。
ウエハの研磨等が実施されるので、ウエハの厚さや反り等にも注意が必要になる。その点で、前工程と中間工程とを含む後工程が協調される必要がある。
従来、ポリイミド系材料の加熱・硬化には、抵抗加熱型ヒータが使用されてきたが、近年、低温での硬化、ウエハの反りの減少を目的として、マイクロ波を用いる試みがなされている。
例えば、4〜8GHzの範囲で、マイクロ波の周波数を変化させ、特定箇所のみが集中電界により加熱されることを防止しつつ、処理室内にマイクロ波を導入し、ウエハ上のポリイミド系材料を加熱処理して硬化するものである。例えば、特許文献1参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5321222号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、マイクロ波を処理室内に導入する加熱・硬化方法においては、マイクロ波の導入位置による放射パターンの影響や、処理室壁面とウエハエッジ部との距離による影響によって基板面内の加熱ムラが発生する場合がある。
【0005】
本発明の目的は、基板面内の加熱ムラを防止することができる基板処理装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための手段の代表的なものは、次の通りである。
(1)基板を処理する処理室と、
前記処理室内に設けられ基板を保持する基板保持部と、
前記処理室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、
前記基板保持部と前記マイクロ波供給部との間に設けられ、複数の貫通孔が、前記基板保持部に保持された前記基板の中心に対向した部位の孔密度が前記基板の端部に対向した部位の孔密度よりも高くなるように設けられている拡散板と、
を備える基板処理装置。
(2)処理室内に設けられた基板保持部に基板が保持された状態で、ガス供給部からガスを供給するステップと、
マイクロ波供給部からマイクロ波を前記処理室内に供給し、前記基板保持部と前記マイクロ波供給部との間に設けられ、複数の貫通孔が、前記基板保持部に保持された前記基板の中心に対向した部位の孔密度が前記基板の端部に対向した部位の孔密度よりも高くなるように設けられている拡散板を経由して前記基板にマイクロ波を照射するステップと、
を備える半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
前記手段によれば、基板の加熱ムラを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置を示す正面断面図である。
【図2】その拡散板を示す平面図である。
【図3】電界分布と温度分布との関係を示す各分布図であり、(a)は単一周波数の場合を示し、(b)は可変周波数の場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に即して説明する。
【0010】
図1に示されているように、本発明の実施形態に係る基板処理装置10は電磁波加熱装置11を備えており、電磁波加熱装置11は処理容器12を備えている。処理容器12は基板としてのウエハ1を処理する処理室13を形成している。処理容器12は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)のような金属材料により構築されており、処理室13を電磁波的に遮蔽し、反射する構造となっている。
【0011】
処理室13内には隔壁15が処理室13内を上下に仕切るように水平に架設されており、隔壁15には円形の取付口16が、その中心が処理室13の中心と垂直方向で略一致するように開設されている。処理容器12上の取付口16の中心線上には駆動装置としてのモータ17が設置されており、モータ17の回転軸18は取付口16の中心に挿入されている。回転軸18の下端(言い換えれば、基板保持部とマイクロ波供給部との間)には、拡散板19が水平に配されて中心を固定されている。
図2に示されているように、拡散板19には円形の貫通孔20が複数開設されている。貫通孔20群の孔密度(単位面積に対する貫通孔の割合)は、中央部(ウエハの中心に対向した部位)の孔密度が、周辺部(ウエハ端部に対向した部位)の孔密度よりも高くなるように設定されている。例えば、中央部の貫通孔20の個数は周辺部の貫通孔20の個数よりも多い。すなわち、複数の貫通孔が開口率が拡散板の中心からの距離によって異なるように設けられている。
貫通孔20の直径Dは、λ/2(1/2波長)以上となるように設定されており、例えば、25mmに設定されている。
ここで、λは、処理室13内に導入されるマイクロ波(後述する)の波長である。貫通孔20の直径Dをλ/2以上に設定する理由は、マイクロ波が貫通孔20を支障なく通過するようにさせるためである。
【0012】
処理室13の底部には、ウエハ1を保持する基板保持部としての載置台21が設けられている。載置台21は保持したウエハ1の中心と処理室13の中心と拡散板19の中心とが垂直方向で一致するように設けられている。載置台21は石英またはテフロン(登録商標)等からなる複数(本実施形態においては3本)の柱21aと、金属からなる台21bとを備えており、柱21aによってウエハ1を下から3点支持する。柱21aの先端は台21b表面(ウエハ裏面と対向する面)からλ/4の奇数倍の位置となるように構成される。このような位置にすることで、台21bから反射するマイクロ波のピーク(波形の腹の位置)で照射することが可能となるため、効率よく加熱することができる。
【0013】
処理室13内には、ウエハ1の温度を検出する温度検出器22が設けられている。温度検出器22は、後述する制御部50に電気的に接続されている。
【0014】
処理容器12の上部には、電磁波を処理室13内に供給する導波口24が設けられている。導波口24には導波路25の一端が接続されており、導波路25の他端には電磁波発生部26が接続されている。電磁波発生部26は周波数が変化する高周波の電磁波としてのマイクロ波を発生する。電磁波発生部26としてはマイクロトロン等が用いられる。電磁波波発生部26においては、高周波増幅器としてTWT(進行波管)が用いられ、例えば、5.85〜6.65GHzの高周波の電磁波(マイクロ波)が連続的に変化されながら発生される。
電磁波発生部26で発生した周波数が変化するマイクロ波は、導波路25を介して導波口24から処理室16内に導入される。すなわち、電磁波発生部26と導波路25と導波口24から、マイクロ波供給部が構成される。
【0015】
処理容器12の天井壁には、窒素(N)ガスを導入するガス導入管30が設けられている。ガス導入管30には、上流から順に、ガス供給源31、ガス流量を調整するMFC32、ガス流路を開閉するバルブ33が設けられており、このバルブ33を開閉することで、処理室13内にガス導入管30からガスが導入、または導入停止される。ガス導入管30から導入される導入ガスは、ウエハ1や処理容器12を冷却したり、パージガスとして処理室13内のガスを押し出したりするのに用いられる。
ガス導入管30とガス供給源31とMFC32とバルブ33とから、ガス導入部が構成される。MFC32とバルブ33は制御部50と電気的に接続されており、制御部50により制御される。
【0016】
処理容器12の天井壁には排気管34が設けられており、排気管34には上流から順に、圧力調整バルブ35と排気装置としての真空ポンプ36が設けられている。圧力調整バルブ35の開度を調整することで、処理室13内の圧力が所定の値に調整される。排気管34と圧力調整バルブ35と真空ポンプ36とから排気部が構成される。
圧力調整バルブ35および真空ポンプ36は制御部50と電気的に接続されており、制御部50により圧力調整制御される。
【0017】
処理容器12の一側壁にはメンテナンス口37が大きく開設されており、メンテナンス口37にはメンテナンス扉38がシールリング39を介して気密かつ開閉可能に取り付けられている。
【0018】
処理容器12の各壁体内およびメンテナンス扉38内には、処理容器12を冷却する冷却路40が設けられている。冷却路40には冷却水が供給されており、例えば、加熱処理過程において、ウエハ1からの放射熱や加熱されたガス等により処理容器12が温度上昇するのを抑制することができる。これにより、温度上昇に伴う処理容器12の電磁波の反射効率の低下を抑制することができる。処理容器12の温度を一定とすることで、処理容器12の電磁波の反射効率を一定とし、延いては、実質的な電磁波電力を安定させることが可能となる。
【0019】
図1に示されているように、処理容器12のメンテナンス口37と反対側の側壁には、搬送室42を形成した密閉容器41が連結されているとともに、処理室13の内外にウエハ1を搬送するためのウエハ搬送口43が開設されている。ウエハ搬送口43には、ゲートバルブ44が設けられており、このゲートバルブ44を開けることにより、処理室13内と搬送室42内とが連通するように構成されている。
ゲートバルブ44とウエハ搬送口43との接触部分には、シール材としての非金属製のガスケット(導電性シールリング)45が取り付けられている。このため、ゲートバルブ44とウエハ搬送口43との接触部分は密閉され、処理室13から電磁波が漏洩しないようになっている。
【0020】
搬送室42内には、ウエハ1を搬送する搬送ロボット46が設けられている。搬送ロボット46には、ウエハ1を搬送する際にウエハ1を支持する搬送アーム46aが備えられている。ゲートバルブ44を開くことによって、搬送ロボット46により処理室13内と搬送室42内との間で、ウエハ1を搬送することが可能なように構成されている。処理室13内に搬送されたウエハ1は載置台21に載置される。
【0021】
基板処理装置10は、この基板処理装置10の各構成部分の動作を制御する制御部50を備える。制御部50は、電磁波発生部26、ゲートバルブ44、搬送ロボット46、MFC32、バルブ33、圧力調整バルブ35等の各構成部の動作を制御する。
【0022】
以上の構成に係る基板処理装置10の作用を説明することにより、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を、半導体装置を製造する複数の工程の中の一工程である加熱・硬化工程を主に説明する。
本実施形態においては、WLP(ウエハレベルパッケージ)技術が使用され、ポリイミド系材料を絶縁膜として使用している。ポリイミド系材料のキュア(硬化)処理では、例えば、層間絶縁膜を形成し、Cu配線にはんだボールを付着させた状態で、マイクロ波によってウエハ温度を250℃程度まで加熱する。このときの処理室内雰囲気は、処理室およびウエハの酸化を防止するために、例えば窒素雰囲気とする。キュア処理によって層間絶縁膜が硬化され、層間をより高絶縁状態とすることが可能となる。
【0023】
以下の各ステップにおいて、基板処理装置の作動は制御部50によって制御される。
(搬入ステップ)
ウエハ1を処理室13に搬入する搬入ステップにおいて、まず、ゲートバルブ44を開き、処理室13と搬送室42とを連通させる。
次に、処理対象のウエハ1を搬送アーム46aで保持し、搬送ロボット46により、搬送室42内から処理室13内へ搬入する。処理室13内に搬入されたウエハ1は、搬送ロボット46により載置台21の柱21a上に載置される。
搬送ロボット46の搬送アーム46aが処理室13内から搬送室42内へ戻ると、ゲートバルブ44が閉じられる。
【0024】
(窒素ガス置換ステップ)
窒素ガス置換ステップにおいて、処理室13内を窒素雰囲気に置換する。
処理室13内のガス(雰囲気)が真空ポンプ36により排気管35から排出されるとともに、窒素ガスがガス導入管30から処理室13内に導入される。このとき、処理室13内の圧力が圧力調整バルブ35によって所定の値(大気圧)に調整される。
【0025】
(加熱ステップ)
窒素ガスが処理室13内にガス導入管30から導入されるとともに、処理室13内の圧力が圧力調整バルブ35により予め設定された所定値(大気圧)に調整されつつ、処理室13内の窒素ガスが排気管34から排出される。
また、拡散板19がモータ17によって回転される。
さらに、冷却水が冷却路40に流通されて、処理容器12の壁体およびメンテナンス扉38の温度上昇が抑制される。
【0026】
この状態で、例えば、5.85〜6.65GHzで連続的に変化するマイクロ波が、電磁波発生部26から導波路25および導波口24を経由して、処理室13内における隔壁15の上方空間内に導入される。連続的に変化するマイクロ波においては、例えば、変化する幅の中心に位置する波長を基準として貫通孔20の径や柱21aの高さを設定する。
隔壁15の上方空間内に導入されたマイクロ波は、拡散板19の複数の貫通孔20を通過する。このとき、貫通孔20は直径Dが25mm(D≒λ/2、1/2波長)に設定されているので、マイクロ波は貫通孔20を支障なく通過する。
拡散板19の貫通孔20群を通過(経由)したマイクロ波は、隔壁15の下方空間内に至り、柱21a上のウエハ1に照射される。このとき、拡散板19が回転しているので、拡散板19の貫通孔20群を通過するマイクロ波は、図3(b)に示されているように攪乱される。
【0027】
マイクロ波をウエハ1に照射すると、ウエハ1が加熱されるため、ウエハ1上のポリイミド系絶縁層が硬化(キュア)される。すなわち、ポリイミド系材料の分子がマイクロ波により振動されることで加熱されるので、ポリイミド系材料層における不要な成分(この場合はN−メチルピロリドン)が排出される。このような現象によって分子間の結合度が高まり、ポリイミド系材料層が硬化する。
本実施形態においては、周波数5.85〜6.65GHzのマイクロ波を出力500W、ウエハ1の温度250℃、処理室13内の圧力を大気圧として10分間、加熱・硬化処理を行った。
【0028】
ところで、単一周波数のマイクロ波が処理室に導入されると、図3(a)に示されているように、定在波が発生して、電界分布が単調になるので、処理室内の温度分布も単調になる。その結果、加熱されるウエハの温度分布が不均一になる。
しかし、本実施形態のように、周波数が変化するマイクロ波が処理室に導入されると、図3(b)に示されているように、定在波が処理室内で発生する現象が抑制されて、電界分布が複雑になるので、処理室内の温度分布も複雑になる。その結果、加熱されるウエハの温度分布が相対的に均一になる。
しかも、本実施形態においては、周波数が変化するマイクロ波は拡散板19によって攪乱されることにより、電界分布がより一層複雑になるので、処理室内の温度分布もより一層複雑になる。その結果、加熱されるウエハの温度分布がより一層均一になる。
【0029】
ところで、拡散板19の貫通孔20群の孔密度が全体にわたって均一であると、ウエハ1の温度分布はウエハ1の中央部が低くなりウエハ1の周辺部が高くなる傾向がある。ウエハ周辺部(ウエハ端部)は表面に照射されるマイクロ波と側面に照射されるマイクロ波とで二重に加熱されることが原因と考えられる。
しかし、本実施形態においては、拡散板19の貫通孔20群は中央部の孔密度が周辺部の孔密度よりも高くなるように設定されていることにより、当該中央部が低くなり周辺部が高くなる傾向を矯正することができるので、真下に載置されたウエハ1の温度分布は全体にわたって均一になる。換言すれば、マイクロ波によるウエハ1の加熱に際して、加熱ムラを防止することができる。
【0030】
(基板搬出ステップ)
加熱処理ステップが終了すると、前述した搬入ステップに示した手順とは逆の手順により、加熱・硬化処理したウエハ1を処理室13から搬送室42内へ搬出する。
【0031】
本実施形態によれば、次の効果が得られる。
【0032】
(1)マイクロ波を処理室内に導入してウエハを加熱する際において、加熱ムラが発生するのを防止することができるので、ウエハを温度分布が均一になるように加熱することができる。
【0033】
(2)拡散板の貫通孔群を中央部孔密度が周辺部孔密度よりも高くなるように設定することにより、ウエハ温度分布を全体にわたって均一化することができるので、簡単な構成によってウエハ温度分布の均一化を実現することができる。
【0034】
(3)拡散板の貫通孔群の孔密度を変更することにより、ウエハ温度分布を最適化することができるので、コスト対効果を向上させることができる。
【0035】
(4)貫通孔の直径Dをマイクロ波の波長λの半分以上(D≧λ/2)に設定することにより、マイクロ波が貫通孔を支障なく通過することができるので、マイクロ波の効率低下を防止することができる。
【0036】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0037】
例えば、拡散板の複数の貫通孔は、開口率(単位面積に対する開口部の面積の割合を百分率で表した値)が拡散板の中心からの距離によって異なるように設けてもよい。好ましくは、拡散板の複数の貫通孔は、開口率が拡散板の中心から周辺に行くに従って大きくなるように設ける。この場合、開口率は複数の貫通孔の個数を増減して調整するに限らず、各貫通孔の直径を増減して調整してもよい。
【0038】
拡散板の貫通孔は円形に形成するに限らず、多角形等に形成してもよい。
【0039】
マイクロ波は、周波数5.85〜6.65GHzで連続的に変化させるに限らず、周波数4〜8GHzで連続的に変化させてもよいし、単一波長で供給してもよい。
【0040】
処理室内に供給するガスは、窒素ガスを使用するに限らず、アルゴン等の不活性ガスを使用することができる。
【0041】
層間絶縁膜だけでなく、封止材や緩衝材等のキュア処理にも適用することができる。
【0042】
ウエハに処理を施す場合に限らず、ホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等々に処理を施すのに適用することができる。
【0043】
本発明の好ましい態様を付記する。
(1)基板を処理する処理室と、
前記処理室内に設けられ基板を保持する基板保持部と、
前記処理室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、
前記基板保持部と前記マイクロ波供給部との間に設けられ、複数の貫通孔が、前記基板保持部に保持された前記基板の中心に対向した部位の孔密度が前記基板の端部に対向した部位の孔密度よりも高くなるように設けられている拡散板と、
を備える基板処理装置。
(2)前記拡散板が回転される(1)に記載の基板処理装置。
(3)前記貫通孔の直径がマイクロ波の波長λの半分以上(D≧λ/2)に設定される(1)または(2)に記載の基板処理装置。
(4)基板を処理する処理室と、
前記処理室内に設けられ基板を保持する基板保持部と、
前記処理室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、
前記基板保持部と前記マイクロ波供給部との間に設けられ、複数の貫通孔が、開口率が前記拡散板の中心からの距離によって異なるように設けられている拡散板と、
を備える基板処理装置。
(5)処理室内に設けられた基板保持部に基板が保持された状態で、ガス供給部からガスを供給するステップと、
マイクロ波供給部からマイクロ波を前記処理室内に供給し、前記基板保持部と前記マイクロ波供給部との間に設けられ、複数の貫通孔が、前記基板保持部に保持された前記基板の中心に対向した部位の孔密度が前記基板の端部に対向した部位の孔密度よりも高くなるように設けられている拡散板を経由して前記基板にマイクロ波を照射するステップと、
を備える半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0044】
1…ウエハ、10…基板処理装置、11…電磁波加熱装置、12…処理容器、13…処理室、15…隔壁、16…取付口、17…モータ(駆動装置)、18…回転軸、19…拡散板、20…貫通孔、
21…載置台、21a…柱、21b…台、22…温度検出器、
24…導波口、25…導波路、26…電磁波発生部、
30…ガス導入管、31…ガス供給源、32…MFC、33…バルブ、
34…排気管、35…圧力調整バルブ、36…真空ポンプ、
37…メンテナンス口、38…メンテナンス扉、39…シールリング、
40…冷却路、
41…密閉容器、42…搬送室、43…ウエハ搬送口、44…ゲートバルブ、45…ガスケット、46…搬送ロボット、
50…制御部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に設けられ基板を保持する基板保持部と、
前記処理室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、
前記基板保持部と前記マイクロ波供給部との間に設けられ、複数の貫通孔が、前記基板保持部に保持された前記基板の中心に対向した部位の孔密度が前記基板の端部に対向した部位の孔密度よりも高くなるように設けられている拡散板と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記拡散板が回転される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
処理室内に設けられた基板保持部に基板が保持された状態で、ガス供給部からガスを供給するステップと、
マイクロ波供給部からマイクロ波を前記処理室内に供給し、前記基板保持部と前記マイクロ波供給部との間に設けられ、複数の貫通孔が、前記基板保持部に保持された前記基板の中心に対向した部位の孔密度が前記基板の端部に対向した部位の孔密度よりも高くなるように設けられている拡散板を経由して前記基板にマイクロ波を照射するステップと、
を備える半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−216715(P2012−216715A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81900(P2011−81900)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】