説明

基板処理装置および送液システム

【課題】処理液を送液する際の応答性を確保しつつ、処理液の脈動を抑制する。
【解決手段】基板処理装置のレジスト用ポンプからスリットノズルに向かう送液配管63に、脈動防止機構64を設ける。脈動防止機構64は、送液配管63の一部として機能する本体部640と、外力によって変形する膜部材641と、気体圧力を調整するレギュレータ642とを備える。本体部640内に膜部材641を取り付け、その内部に空気を封入する。また、諸条件(例えば、塗布条件や周辺環境条件)に応じて、レギュレータ642によって内部に封入された空気の圧力を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶用ガラス角形基板、半導体ウエハ、フィルム液晶用フレキシブル基板、フォトマスク用基板、カラーフィルター用基板(以下、単に「基板」と称する)等の表面に処理液を塗布する技術に関する。より詳しくは、処理液を塗布する際に、高精度に処理液を送液する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の製造工程では、フォトレジストなどの処理液を基板の表面に塗布する基板処理装置が用いられる。このような基板処理装置では、スリット状の吐出部を有するスリットノズルに処理液を送液して、これにより基板の表面に向けて処理液を吐出して塗布処理(スリットコート)を行うものや、前述のスリットコートを行ってから基板を回転させる塗布処理(スリット&スピンコート)を行うものが知られている。
【0003】
スリットノズルに処理液を送液する機構としては、一般にポンプ(シリンジポンプ、ベローズポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、あるいはチューブポンプなど)を用いる場合と、一定圧力にて処理液を送液する場合(圧送型)が考えられる。スリットコート(またはスリット&スピンコート)を行う基板処理装置では、スリットノズルの移動速度と、処理液の送液速度とによって、基板の表面に塗布される薄膜の膜厚が決定される。また、基板の製造工程においては膜厚の均一性が特に要求される。したがって、このような基板処理装置では送液時の定流量性が重要となるため、定流量性が最も得られやすいシリンジポンプを用いた基板処理装置が提案されている。
【0004】
図8は、シリンジポンプ100を用いて、処理液を送液する機構を示す概略側面図である。なお、図8において、基板Wは、基板処理装置に保持された状態を示すものではなく、図示の都合上、平面図として示している。また、D3方向は基板Wの表面に対する方向として示すものである。
【0005】
従来の基板処理装置は、図8において図示しない処理液ボトルと、シリンジポンプ100とを供給配管を介して連通接続し、バルブ108を開閉制御することにより供給配管を開閉する。また、シリンジポンプ100とスリットノズル110とを、吐出配管を介して連通接続し、バルブ109を開閉制御することにより吐出配管を開閉する。
【0006】
シリンジポンプ100は、主に処理液を貯留するための構成として、本体部101および摺動部102を備える。また、処理液を動かす機構として、ピストン103、回転モータ(サーボモータやステッピングモータなど)104、送りネジ105、スライド部106、およびガイド107を備える。
【0007】
シリンジポンプ100では、回転モータ104により送りネジ105が回転することにより、図示しないハーフナットを介してスライド部106がガイド107に沿って移動する。スライド部106の移動方向は、回転モータ104の回転方向によって、図8に示すD1方向またはD2方向のいずれかとなる。
【0008】
スライド部106がD1方向に移動すれば、ピストン103は本体部101から退出する。これによって、本体部101の内容積が増加して、本体部101内の処理液が減圧される。このときバルブ108を開放しておけば、処理液ボトル内の処理液がシリンジポンプ100に向けて吸引される。また、このときバルブ109を閉鎖しておけば、スリットノズル110内の処理液が吐出配管側からシリンジポンプ100側に逆流することはない。シリンジポンプ100が処理液を吸引している間(あるいはピストン103が静止状態にある間)は、スリットノズル110から処理液が吐出されることはない。
【0009】
一方、スライド部106がD2方向に移動すれば、スライド部106がピストン103を本体部101内に進出させる。これによって、本体部101の内容積が減少して、本体部101内の処理液が加圧される。このときバルブ108を閉鎖しておけば、シリンジポンプ100内の処理液が処理液ボトルに向けて逆流することはない。また、このときバルブ109を開放しておけば、本体部101内の処理液が吐出配管側からスリットノズル110に向けて送液される。シリンジポンプ100内の処理液がスリットノズル110に送液されている間は、スリットノズル110から処理液が吐出される。
【0010】
従来の基板処理装置は、スリットノズル110から処理液を吐出させている間に、スリットノズル110と基板Wとを相対的に移動させて、スリットノズル110によって基板Wの表面をD3方向に走査する。これによって、基板Wの表面に処理液を薄膜状に塗布する。
【0011】
ところが、シリンジポンプ100では、回転モータ104の回転により送りネジ105を介してスライド部106を移動させるので、移動中のスライド部106は微小に振動しており、この振動がピストン103に伝播する。また、ピストン103が移動する際にも、摺動部102とピストン103との間で振動が発生する。このようにピストン103が移動中に振動すると、シリンジポンプ100から送液される処理液が脈動するため、図8に示すように、基板Wに塗布された薄膜には、塗布方向(D3方向)に垂直な方向に沿ったスジ状の塗布ムラが生じるという問題がある。
【0012】
先述のように、スリットノズルを用いて塗布処理を行う基板処理装置では、基板Wの表面に形成される薄膜の均一性が要求される。したがって、従来より、この問題を解決するための技術が提案されており、例えば、特許文献1,2に記載されている。
【0013】
特許文献1に記載されている技術は、ピストンとスライダ部との間にコイルバネを装着して、脈動をコイルバネで吸収する構成となっている。一方、特許文献2に記載されている技術は、シリンジポンプとスリットノズルとの間に脈動防止器を設ける構成となっている。
【0014】
【特許文献1】特開平8−173534号公報
【特許文献2】特開平5−031434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところが、特許文献1に記載されている技術では、回転モータなどの駆動系で発生する脈動を抑制することはできるが、ピストンと摺動部との間で発生する振動は吸収することができず、脈動による塗布ムラが依然として発生するという問題があった。
【0016】
また、応答性の低下が著しく、応答性を確保するためにコイルバネを堅くすると、脈動抑制効果が低下しすぎるという問題があった。なお、応答性が低下すると、塗布開始部分における薄膜の膜厚を適切に制御することができず、薄膜端部に塗布ムラを生じる。
【0017】
特許文献2に記載されている技術においても、脈動防止装置における圧力損失が比較的大きく、応答性が低下するという問題があった。特許文献2に記載されている技術は、磁気テープなどのように連続した被塗布物に対してはある程度有効であるが、枚葉の被塗布物(基板W)に対しては、特許文献1と同様に塗布開始部分における膜厚のバラツキを制御できない。
【0018】
また、これらの構成では、応答性の調整が容易でなく、処理液の種類や基板の製造条件に応じて、適切な応答性を確保しずらいという問題もあった。
【0019】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、送液時における処理液の脈動を抑制して、塗布ムラを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に処理液を塗布する基板処理装置であって、基板を保持する保持手段と、処理液が流れる流路と、前記流路の一部を構成し、処理液を吐出するポンプと、前記流路のうち、前記ポンプから下流側に設けられる脈動防止機構と、前記ポンプから吐出された処理液を、前記保持手段に保持された基板に向けて吐出するスリットノズルと、前記スリットノズルと前記基板とを相対的に移動させる移動手段とを備え、前記脈動防止機構が、前記流路内の処理液と所定の気体とを隔てる可撓性の隔壁部材と、前記所定の気体の圧力を調整する圧力制御手段とを有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項2の発明は、処理液を送液する送液システムであって、処理液が流れる流路と、前記流路の一部を構成し、処理液を所定の方向に吐出するポンプと、前記流路のうち、前記ポンプから下流側に設けられる脈動防止機構とを備え、前記脈動防止機構が、前記流路内の処理液と所定の気体とを隔てる可撓性の隔壁部材と、前記所定の気体の圧力を調整する圧力制御手段とを有することを特徴とする。
【0022】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る送液システムであって、前記流路の一部を構成するとともに、前記ポンプから吐出される処理液を導く送液配管を備え、前記脈動防止機構は、前記送液配管に設けられていることを特徴とする。
【0023】
また、請求項4の発明は、請求項2の発明に係る送液システムであって、前記脈動防止機構は、前記ポンプに設けられていることを特徴とする。
【0024】
また、請求項5の発明は、請求項2の発明に係る送液システムであって、前記ポンプから吐出された処理液を外部に吐出させるノズルを備え、前記脈動防止機構は、前記ノズルに設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1ないし5に記載の発明は、脈動防止機構が、流路内の処理液と所定の気体とを隔てる可撓性の隔壁部材と、所定の気体の圧力を調整する圧力制御手段とを有することにより、処理液の脈動の抑制と、吐出の応答性とのバランスを調整することができる。
【0026】
請求項4に記載の発明では、脈動防止機構は、ポンプに設けられていることにより、部品点数を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0028】
<1. 第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置1の概略を示す斜視図である。なお、図1において、図示および説明の都合上、Z軸方向が鉛直方向を表し、XY平面が水平面を表すものとして定義するが、それらは位置関係を把握するために便宜上定義するものであって、以下に説明する各方向を限定するものではない。以下の図についても同様である。
【0029】
基板処理装置1は、本体2と制御部8とに大別され、液晶表示装置の画面パネルを製造するための角形ガラス基板を被処理基板(以下、単に「基板」と称する)90としており、基板90の表面に形成された電極層などを選択的にエッチングするプロセスにおいて、基板90の表面に処理液としてのレジスト液を塗布する塗布処理装置として構成されている。したがって、この実施の形態では、スリットノズル41はレジスト液を吐出するようになっている。なお、基板処理装置1は、液晶表示装置用のガラス基板だけでなく、一般に、フラットパネルディスプレイ用の種々の基板に処理液を塗布する装置として変形利用することもできる。
【0030】
本体2は、基板90を載置して保持するための保持台として機能するとともに、付属する各機構の基台としても機能するステージ3を備える。ステージ3は直方体形状を有する例えば一体の石製であり、その上面(保持面30)および側面は平坦面に加工されている。
【0031】
ステージ3の上面は水平面とされており、基板90の保持面30となっている。保持面30には図示しない多数の真空吸着口が分布して形成されており、基板処理装置1において基板90を処理する間、基板90を吸着することにより、基板90を所定の水平位置に保持する。また、保持面30には、図示しない駆動手段によって上下に昇降自在な複数のリフトピンLPが、適宜の間隔をおいて設けられている。リフトピンLPは、基板90を取り除く際に基板90を押し上げるために用いられる。
【0032】
保持面30のうち基板90の保持エリア(基板90が保持される領域)を挟んだ両端部には、略水平方向に平行に伸びる一対の走行レール31が固設される。走行レール31は、架橋構造4の両端部の最下方に固設される図示しない支持ブロックとともに、架橋構造4の移動を案内(移動方向を所定の方向に規定)し、架橋構造4を保持面30の上方に支持するリニアガイドを構成する。
【0033】
本体2の保持面30において、保持エリアの(−X)方向側には、開口32が設けられている。開口32はスリットノズル41と同じくY軸方向に長手方向を有し、かつ該長手方向長さはスリットノズル41の長手方向長さとほぼ同じである。
【0034】
図1においては図示を省略しているが、開口32の下方の本体2の内部には、スリットノズル41の状態を正常化するための予備塗布機構や、待機中のスリットノズル41の乾燥を抑制するための待機ポッドなどが設けられている。待機ポットは、レジスト用ポンプ61(図2)からレジスト液が排出される際にも使用される。
【0035】
ステージ3の上方には、このステージ3の両側部分から略水平に掛け渡された架橋構造4が設けられている。架橋構造4は、例えばカーボンファイバ補強樹脂を骨材とするノズル支持部40と、その両端を支持する昇降機構43,44とから主に構成される。
【0036】
ノズル支持部40には、スリットノズル41が取り付けられている。図1においてY軸方向に長手方向を有するスリットノズル41には、スリットノズル41へレジスト液を供給するレジスト供給機構6(図2)が接続されている。
【0037】
スリットノズル41は、基板90の表面を走査しつつ、供給されたレジスト液を基板90の表面の所定の領域(以下、「レジスト塗布領域」と称する。)に吐出することにより、基板90にレジスト液を塗布する。なお、レジスト塗布領域とは、基板90の表面のうちでレジスト液を塗布しようとする領域であって、通常、基板90の全面積から、端縁に沿った所定幅の領域を除いた領域である。
【0038】
昇降機構43,44は、スリットノズル41の両側に分かれて、ノズル支持部40によりスリットノズル41と連結されている。昇降機構43,44は主にACサーボモータ43a,44aおよび図示しないボールネジからなり、制御部8からの制御信号に基づいて、架橋構造4の昇降駆動力を生成する。これにより、昇降機構43,44は、スリットノズル41を並進的に昇降させる。また、昇降機構43,44は、スリットノズル41のYZ平面内での姿勢を調整するためにも用いられる。
【0039】
架橋構造4の両端部には、ステージ3の両側の縁側に沿って、それぞれ固定子(ステータ)50aと移動子50bおよび固定子51aと移動子51bを備える一対のACコアレスリニアモータ(以下、単に、「リニアモータ」と略する。)50,51が、それぞれ固設される。また、架橋構造4の両端部には、それぞれスケール部と検出子とを備えたリニアエンコーダ52,53が、それぞれ固設される。リニアエンコーダ52,53は、リニアモータ50,51の位置を検出する。これらリニアモータ50,51とリニアエンコーダ52,53とが主として、架橋構造4が走行レール31に案内されつつステージ3上を移動するための移動機構を構成する。制御部8は、リニアエンコーダ52,53からの検出結果に基づいてリニアモータ50,51の動作を制御し、ステージ3上における架橋構造4の移動、つまりはスリットノズル41による基板90の走査を制御する。
【0040】
図2は、主にレジスト供給機構6およびスリットノズル41を示す図である。レジスト供給機構6は、レジスト液を貯留し供給するレジストボトル60、レジスト液をスリットノズル41に向けて送液するレジスト用ポンプ61、レジストボトル60から供給されるレジスト液をレジスト用ポンプ61に導く流路となる供給配管62、レジスト用ポンプから吐出されたレジスト液をスリットノズル41に導く流路となる送液配管63、および脈動防止機構64を備える。
【0041】
また、供給配管62にはバルブ65、送液配管63にはバルブ66がそれぞれ設けられており、制御部8からの制御信号により供給配管62および送液配管63をそれぞれ任意のタイミングで開閉することが可能とされている。
【0042】
レジスト用ポンプ61は、本体部610、ピストン611、および駆動機構612を備え、先述のようにレジストボトル60からスリットノズル41に向けてレジスト液を送液する機能を有している。
【0043】
レジスト用ポンプ61の本体部610は、シリンジ613、蓋部材614および摺動部615を備え、内部にレジスト液を貯留する。レジスト用ポンプ61は、いわゆるシリンジポンプに分類されるポンプであるが、基板処理装置1に用いるポンプはシリンジポンプに限られるものではない。
【0044】
シリンジ613は、両端が開放した略円筒状の中空構造を有しており、中心軸がZ軸方向にほぼ沿うように配置される。シリンジ613のZ軸方向の両端部には、シリンジ613の開放端を塞ぐように、それぞれ蓋部材614および摺動部615が固設される。このように、蓋部材614および摺動部615が配置されることによって、レジスト液を貯留する空間がシリンジ613の内部に形成される。また、シリンジ613の側面には吸引口613aが設けられ、供給配管62が連通接続される。なお、シリンジ613の材質としてはSUS(ステンレス)やガラスが用いられる。
【0045】
蓋部材614には、蓋部材614を貫通するように吐出口614aが設けられている。吐出口614aは、蓋部材614の中央部に設けられており、蓋部材614の(−Z)側の面は中央部の吐出口614aに向けて傾斜した形状となっている。吐出口614aには送液配管63が連通接続される。また、摺動部615は、中央部に貫通孔が形成された部材であって、当該貫通孔を貫くようにピストン611が挿入される。
【0046】
ピストン611は長軸がZ軸方向に沿って配置される略円柱状の部材である。ピストン611の(+Z)側は、蓋部材614に迎合するように、中央部が突出した形状となっている。また、(−Z)側は駆動機構612に連結されている。これによりピストン611は、駆動機構612によってZ軸方向に進退する。さらに、ピストン611と摺動部615との間は、レジスト液が漏れ出さないように、例えばOリングなどによってシールされている。
【0047】
駆動機構612は、スライダ部616、ボールネジ617、一対のガイド618および回転モータ619を備え、主にピストン611をZ軸方向に進退移動させるための直動駆動力を生成する。
【0048】
スライダ部616は、ピストン611と連結されており、図示しないナット部にボールネジ617が螺入される。また、スライダ部616のY軸方向の両端部には、ガイド618が挿入されており、スライダ部616はガイド618によって移動方向がZ軸方向となるように規定されている。
【0049】
回転モータ619は、Z軸に略平行な軸を中心とした回転駆動力を生成するモータであって、回転モータ619の回転方向および回転速度は制御部8によって制御される。回転モータ619は生成した回転駆動力をボールネジ617に伝達する。これにより、ボールネジ617は軸心周りに回転する。
【0050】
先述のように、スライダ部616は一対のガイド618によって移動方向がZ軸方向に規定されており、回転しないように支持されている。したがって、スライダ部616のナット部に螺入されたボールネジ617が回転モータ619によって回転すると、その回転方向に応じて、スライダ部616はガイド618に沿う方向(Z軸方向)に移動する。
【0051】
図2に示すように、脈動防止機構64は、レジスト用ポンプ61の二次側(より詳しくはバルブ66とスリットノズル41との間)に設けられている。図3は、主に脈動防止機構64を示す図である。
【0052】
脈動防止機構64は、本体部640、膜部材641およびレギュレータ642を備える。本体部640は、円筒管状の部材であって、その両端は送液配管63に連通接続されている。すなわち、本体部640は送液配管63の一部を構成するように配置されており、レジスト用ポンプ61からスリットノズル41に送液されるレジスト液の流路を構成する。
【0053】
本体部640によって形成されるレジスト液の流路内には、膜部材641が固定されている。本体部640と膜部材641との間の空間には、図3に示すように空気(気体)が封入されている。すなわち、膜部材641は、封入された空気が流路内のレジスト液に混入しないように本体部640に密着固定されており、流路内のレジスト液と空気とを隔てる隔膜(隔壁)として機能する。
【0054】
また、膜部材641は可撓性の部材であって、内外の圧力変化に応じて変形する材料で構成されている。膜部材641の材料としては、本実施の形態においてはPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylen)を用いるが、薬剤に対する耐性が高く、可撓性のあるものであればどのような材料であってもよい。
【0055】
このように、本体部640および膜部材641によって、流路内に、流路内のレジスト液と隔離された空間が形成され、当該空間に空気が閉じこめられた構造が形成されている。そして、閉じこめられた空気の圧力によって、通常時は膜部材641に微小の張力が加わっている。以下、このような構造を「脈動吸収構造」と称する。なお、脈動吸収構造は、主に内外を隔てる部材(殻部材)と、内部に充填される物質(充填物質)とで構成される。そして、殻部材は外力によって変形自在な可撓性のある隔壁部材(本実施の形態においては膜部材641)を有しており、その隔壁部材が流路内のレジスト液と接触していればよい。また、充填物質(本実施の形態においては空気)は、圧力によって体積変化する物質であればよい。例えば、殻部材の全てが隔壁部材で構成されてもよいし、充填物質として固体が使用される場合には、隔壁部材が充填物質で構成されていてもよい。
【0056】
詳細な構造は省略するが、レギュレータ642は一般的な気圧調整装置であって、制御部8による制御が可能とされている。膜部材641の内部に封入されている空気の圧力は、レギュレータ642によって精密に調整することが可能とされている。なお、膜部材641の内部の空気圧力を、以下、単に「内圧」と略する。
【0057】
本実施の形態における基板処理装置1では、脈動吸収構造の有する弾力性によってレジスト液の脈動を防止する。この脈動吸収構造の弾力性は内圧によって変化する。したがって、レギュレータ642によって内圧を調整することによって、脈動吸収構造の弾力性を調整することができる。
【0058】
図1に戻って、制御部8は、プログラムに従って各種データを処理する演算部80、プログラムや各種データを保存する記憶部81を内部に備える。また、前面には、オペレータが基板処理装置1に対して必要な指示を入力するための操作部82、および各種データを表示する表示部83を備える。
【0059】
制御部8は、図1においては図示しないケーブルにより本体2に付属する各機構と電気的に接続されている。制御部8は、操作部82からの入力信号や、図示しない各種センサなどからの信号に基づいて、昇降機構43,44による昇降動作、リニアモータ50,51によるスリットノズル41の走査動作などを制御する。
【0060】
特に、制御部8は、駆動機構612、バルブ65およびバルブ66を制御する。すなわち、制御部8は、レジスト供給機構6によるスリットノズル41へのレジスト液の供給動作(送液動作)を制御する。
【0061】
また、制御部8は、レギュレータ642を制御して、レギュレータ642に膜部材641の内部の気圧を適切な値に調整させる。すなわち、制御部8は、塗布処理を行う際の諸条件に応じて、内圧を制御する。
【0062】
なお、制御部8の構成のうち、記憶部81の具体的例としては、データを一時的に記憶するRAM、読み取り専用のROM、および磁気ディスク装置などが該当する。ただし、記憶部81は、可搬性の光磁気ディスクやメモリーカードなどの記憶媒体、およびそれらの読み取り装置により代用されてもよい。また、操作部82には、ボタンおよびスイッチ類(キーボードやマウスなどを含む。)などが該当するが、タッチパネルディスプレイのように表示部83の機能を兼ね備えたものであってもよい。表示部83には、液晶ディスプレイや各種ランプなどが該当する。
【0063】
以上が、基板処理装置1の構成および機能についての説明である。次に、スリットノズル41によるレジスト液の塗布動作について概説する。なお、特に断らない限り、以下の動作は、制御部8からの制御信号によって制御される。
【0064】
基板処理装置1は、塗布処理を開始する前に、まず初期設定を行う。初期設定には、オペレータの作業を要する工程と、基板処理装置1が自動的に行う工程とが含まれる。前者の例としては、レジスト液の交換作業やスリットノズル41の取り付け作業などが該当し、後者の例としては、レシピの読み出し(各種設定値の取得)などが該当する。
【0065】
本実施の形態における基板処理装置1では、この初期設定において、内圧調整が行われる。具体的な処理としては、制御部8が記憶部81に記憶されている設定値(適切な内圧値)を取得して、当該設定値となるようにレギュレータ642を制御することにより行われる。
【0066】
基板処理装置1における塗布処理では、脈動を抑制すると同時に、必要な応答性を確保することが、塗布ムラを抑制するために特に重要となる。脈動を抑制する度合いを「脈動抑制指数」、応答性の度合いを「応答指数」と便宜上定義すると、脈動抑制指数は内圧を低下させると向上し、応答指数は内圧を低下させると低下する。このように、基板処理装置1の脈動防止機構64によってレジスト液の脈動を抑制しようとすれば、従来の装置と同様に応答性が犠牲となる。
【0067】
一般に、必要とされる応答指数および脈動抑制指数は、処理する基板90に要求される製品条件(例えば、パターンの許容誤差、レジスト液の種類、形成する膜の厚み、端部精度等)によって異なる。したがって、塗布処理においては、基板90ごとに適切な応答指数および脈動抑制指数に調整されることが好ましい。
【0068】
本実施の形態における基板処理装置1は、レギュレータ642が内圧を調整することによって、基板90ごとに適切な応答指数および脈動抑制指数となるように調整することができる。
【0069】
このように、基板処理装置1では初期設定において、レギュレータ642によって、処理する基板90に応じた適切な応答指数および脈動抑制指数になるように内圧の調整が行われる。
【0070】
なお、応答指数および脈動抑制指数は、送液速度(レジスト液の流量)、レジスト液の温度、外気圧等、塗布処理が行われるときの周辺条件によっても変化する。記憶部81には、これらの諸条件に応じた適正な設定値が、予め実験等により求められ記憶されている。制御部8は、温度計、圧力計、流量計等の各種センサー出力値や、レシピ内容あるいはオペレータからの指示(マニュアル操作)等によって、これら諸条件を取得する。そして、制御部8は取得した諸条件に応じて、適正な設定値を読み出してレギュレータ642を制御する。
【0071】
このように、基板処理装置1では、諸条件に応じて内圧を調整することができるため、応答指数を許容範囲に維持しつつ、脈動抑制指数を向上させることができる。したがって、このような調整を行うことのできない従来の装置に比べて、精度のよい塗布処理を行うことができる。特に、従来の装置では、脈動を抑制するために応答性が低下しすぎるという問題があったが、基板処理装置1はこれを適切に防止することができる。
【0072】
また、脈動防止機構64がレジスト用ポンプ61の二次側に設けられているので、駆動機構612で発生する脈動のみならず、ピストン611とシリンジ613との間で発生する脈動も抑制することができる。
【0073】
初期設定が終了すると、基板処理装置1は基板90が搬送されてくるまで待機する。
【0074】
基板処理装置1への基板90の搬送は、オペレータまたは図示しない搬送機構が基板90をリフトピンLPに受け渡すことにより行われる。リフトピンLPは、基板90を受け取ると、下降を開始してステージ3内に埋没することにより、受け取った基板90を保持面30に載置する。これにより、基板90がステージ3の保持面30の所定位置に載置され、さらに吸着保持される。
【0075】
基板90が保持されると、リニアモータ50,51が、スリットノズル41を塗布開始位置に移動させるとともに、昇降機構43,44が所定の高さにスリットノズル41の高さを調節する。塗布開始位置とは、基板90のレジスト塗布領域の(−X)側端辺にスリットノズル41がほぼ沿う位置である。
【0076】
これらの位置調整が完了次第、レジスト供給機構6がスリットノズル41にレジスト液を供給する。具体的には、レジスト供給機構6は、制御部8からの制御信号に応じて、バルブ65を閉鎖し、バルブ66を開放した状態で、駆動機構612によってピストン611を(+Z)方向に移動させる。これにより、シリンジ613内のレジスト液が加圧されて、レジスト液は吐出口614aからスリットノズル41に向けて送液され供給される。
【0077】
このとき、レジスト用ポンプ61から吐出されるレジスト液には脈動が生じている。レジスト液の脈動とは、レジスト液の圧力変化が伝播することと言い換えることができ、このような圧力変化が伝播しないようにすれば、レジスト液の脈動は抑制され、スリットノズル41からレジスト液が均一に吐出される。
【0078】
脈動防止機構64は、レジスト液の圧力が上昇した場合には、この圧力上昇によって膜部材641内の空気が圧縮され体積が減少する。すなわち、上流側で生じた圧力上昇は、膜部材641内の空気の収縮によって吸収される。これにより、脈動防止機構64は、上流側の圧力上昇を下流側に伝播させないように抑制する。
【0079】
一方、レジスト液の圧力が低下した場合は、この圧力低下によって膜部材641内の空気が膨張して体積が増加する。すなわち、上流側で生じた圧力低下は、膜部材641内の空気の膨張によって吸収される。これにより、脈動防止機構64は、上流側の圧力低下を下流側に伝播させないように抑制する。
【0080】
このようにして、レジスト用ポンプ61から吐出され脈動した状態のレジスト液は、スリットノズル41に供給される前に脈動防止機構64を通過するため、脈動が抑制された状態でスリットノズル41に供給される。したがって、スリットノズル41は均一にレジスト液を吐出することができる。
【0081】
レジスト供給機構6によるレジスト液の供給動作と並行して、リニアモータ50,51が架橋構造4を所定の速さで(+X)方向に移動させることにより、基板90へのレジスト液の塗布、つまりは塗布処理が行われる。先述のように、スリットノズル41からは均一にレジスト液を吐出させることができるので、基板処理装置1は、図8に示すようなスジ状の塗布ムラを抑制することができる。
【0082】
スリットノズル41が(+X)方向に移動して、レジスト塗布領域の(+X)側端辺に到達すると塗布処理が終了する。また、塗布処理が終了すると、リニアモータ50,51が架橋構造4を移動させることにより、スリットノズル41は待機位置に復帰する。なお、待機位置とは、スリットノズル41が処理を行わずに待機する位置であって、基板90が搬出入される際に、基板90とスリットノズル41とが干渉しない位置である。
【0083】
スリットノズル41が待機位置に移動すると、ステージ3の保持面30が基板90の吸着を停止して、基板90が装置外に搬出される。さらに、基板処理装置1は、続けて処理する他の基板90が存在するか否かを判定し、他の基板90が存在する場合は処理を繰り返す。一方、処理すべき他の基板90が存在しない場合には処理を終了する。
【0084】
以上のように、本実施の形態における基板処理装置1は、脈動防止機構64が、流路内のレジスト液と空気とを隔てる可撓性の膜部材641と、空気の圧力を調整するレギュレータ642とを有することにより、レジスト液の脈動の抑制と、吐出の応答性とを容易に調整することができる。したがって、基板90の製品条件や塗布処理時の周辺条件等に応じて、適切な応答性を確保しつつ、レジスト液の脈動を抑制することができる。
【0085】
<2. 第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、脈動吸収構造は送液配管63に設けられていた。しかし、脈動吸収構造を設ける位置は上記実施の形態に示す位置に限られるものではない。脈動を発生させる原因となっているポンプ(レジスト用ポンプ)から下流側であればどこに設けられていてもよい。
【0086】
図4は、このような原理に基づいて構成した第2の実施の形態におけるレジスト供給機構6aを示す概略図である。なお、本実施の形態におけるレジスト供給機構6aの構成のうち、第1の実施の形態におけるレジスト供給機構6と同様の構成には同符号を付す。また、図4において、レジスト供給機構6と同様の構成については、適宜図示を省略する。符号および図示については、以下の実施の形態においても同様に扱うものとする。
【0087】
レジスト供給機構6aは、レジスト用ポンプ61aと脈動防止機構64aとが一体的に構成されている。より詳しく言えば、脈動防止機構64aの脈動吸収構造がレジスト用ポンプ61aに設けられており、レギュレータ642がレジスト用ポンプ61aに接続されている。
【0088】
レジスト用ポンプ61aは、レジスト液を貯留するシリンジ部分(第1の実施の形態におけるシリンジ613に相当する部分)が、(+Z)側に配置されるシリンジ613bと、(−Z)側に配置されるシリンジ613cに分割されている。シリンジ613bとシリンジ613cとは、脈動防止機構64aの本体部640aによって固定されている。これによって、レジスト用ポンプ61aのシリンジ613b,613cおよび脈動防止機構64aの本体部640aは一体の部材として形成されており、これらの部材が兼用されている。これによって、本実施の形態ではレジスト供給機構6aにおける部品点数を減らすことができる。
【0089】
また、シリンジ613bとシリンジ613cとの間には、脈動防止機構64aの膜部材641が設けられている。そして、本体部640aと膜部材641との間の空間には空気が封入されており、第1の実施の形態と同様にレギュレータ642によって気圧の調整が可能とされている。
【0090】
図4に示すように、本実施の形態における脈動吸収構造も、シリンジ613b,613cによって形成されるレジスト液の流路内に設けられ、膜部材641は流路内のレジスト液に接触している。
【0091】
なお、本実施の形態における基板処理装置1の動作は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、説明を省略する。以下の実施の形態においても同様である。
【0092】
以上のように、脈動防止機構64a(脈動吸収構造)が、レジスト用ポンプ61aに設けられた構成によっても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】
<3. 第3の実施の形態>
第2の実施の形態では、脈動吸収構造をポンプのシリンジに設ける例について説明したが、これに限られるものではない。
【0094】
図5は、このような原理に基づいて構成した第3の実施の形態におけるレジスト供給機構6bを示す概略図である。
【0095】
レジスト供給機構6bは、レジスト用ポンプ61bと脈動防止機構64bとが一体的に構成されている。すなわち、第2の実施の形態と同様、脈動吸収構造がレジスト用ポンプ61bに設けられている。
【0096】
レジスト用ポンプ61bは、円盤状の蓋部材614bに脈動防止機構64bの膜部材641が固定されている。すなわち、上記実施の形態における本体部640,640aに相当する部材として蓋部材614bが利用される。そして、蓋部材614bと膜部材641との間の空間には空気が封入されており、脈動吸収構造が形成されている。
【0097】
また、第1・第2の実施の形態と同様にレギュレータ642によって、膜部材641によってレジスト液と隔てられた空気(内封された空気)の圧力の調整が可能とされている。
【0098】
以上のように、脈動防止機構64b(脈動吸収構造)が、蓋部材614bに設けられていても、膜部材641によって封入された構造がレジスト液の流路内(シリンジ613d内)に存在するため、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0099】
<4. 第4の実施の形態>
脈動吸収構造をポンプに取り付ける位置は、第2・第3の実施の形態に示すものに限られるものではない。例えば、脈動吸収構造は、移動する部材に取り付けられていてもよい。
【0100】
図6は、このような原理に基づいて構成した第4の実施の形態におけるレジスト供給機構6cを示す概略図である。
【0101】
本実施の形態におけるレジスト用ポンプ61cのピストン611aは、(+Z)方向の先端部に脈動防止機構64cの膜部材641が取り付けられている。そして、ピストン611aと膜部材641との間に空気を封入する空間が設けられ、脈動吸収構造が形成されている。すなわち、本実施の形態における脈動防止機構64cでは、レジスト用ポンプ61cが駆動されると、脈動吸収構造がそれに伴って移動する構造となっている。
【0102】
また、図6に示すように、ピストン611a内に配管が設けられており、これがレギュレータ642と接続されている。これによって、本実施の形態におけるレジスト供給機構6cにおいても、脈動防止機構64cの内圧を調整できるようにされている。
【0103】
以上のように、脈動防止機構64c(脈動吸収構造)が、ピストン611aに設けられていても、膜部材641によって封入された構造がレジスト液の流路内(シリンジ613内)に存在するため、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0104】
<5. 第5の実施の形態>
上記実施の形態では、脈動吸収構造を配管あるいはポンプに設ける例について説明したが、脈動吸収構造を配置する位置はこれに限られるものではない。
【0105】
図7は、このような原理に基づいて構成した第5の実施の形態におけるレジスト供給機構6dおよびスリットノズル41を示す概略図である。なお、図7では、スリットノズル41のXZ平面における断面を示している。
【0106】
図7に示すように、スリットノズル41にはY軸方向にレジスト液を送液するためのチャンバが設けられている。このチャンバには図示しない供給口が設けられており、この供給口に送液配管63が連通接続される。さらに、チャンバから(−Z)方向にリップ空間が形成されており、リップ空間の(−Z)側の開口部がスリットノズル41の吐出口となっている。すなわち、チャンバおよびリップ空間はレジスト液の流路である。
【0107】
本実施の形態におけるレジスト供給機構6dでは、先述のチャンバの内面に、脈動防止機構64dの膜部材641が取り付けられている。これにより、膜部材641は流路内のレジスト液と接する。
【0108】
そして、チャンバ内面と膜部材641との間に空気を封入する空間が形成されており、レギュレータ642と接続されている。したがって、本実施の形態における脈動防止機構64dにおいても、レギュレータ642によって脈動防止機構64dの内圧が調整できるようにされている。
【0109】
以上のように、脈動防止機構64dが、スリットノズル41に設けられていても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0110】
<6. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0111】
例えば、脈動吸収構造は所定の位置に固定されていなくてもよい。
【0112】
また、脈動防止機構64(64a,64b,64c,64d)の内圧の調整は、初期設定以外のタイミングで行ってもよい。例えば、所定枚数の基板90を処理する毎に行ってもよいし、処理した基板90を検査して、その処理結果をフィードバックして調整してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明に係る基板処理装置を示す斜視図である。
【図2】主に第1の実施の形態におけるレジスト供給機構およびスリットノズルを示す図である。
【図3】第1の実施の形態における脈動防止機構を示す図である。
【図4】第2の実施の形態におけるレジスト供給機構を示す概略図である。
【図5】第3の実施の形態におけるレジスト供給機構を示す概略図である。
【図6】第4の実施の形態におけるレジスト供給機構を示す概略図である。
【図7】第5の実施の形態におけるレジスト供給機構およびスリットノズルを示す図である。
【図8】従来の装置におけるレジスト液を供給する機構を説明する図である。
【符号の説明】
【0114】
1 基板処理装置
3 ステージ
30 保持面
31 走行レール(移動手段)
41 スリットノズル
43,44 昇降機構(移動手段)
50,51 リニアモータ(移動手段)
6,6a,6b,6c,6d レジスト供給機構
61,61a,61b,61c レジスト用ポンプ
611,611a ピストン
613,613b,613c,613d シリンジ
614,614b 蓋部材
63 送液配管
64,64a,64b,64c,64d 脈動防止機構
641 膜部材(隔壁部材)
642 レギュレータ(圧力制御手段)
8 制御部
90 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理液を塗布する基板処理装置であって、
基板を保持する保持手段と、
処理液が流れる流路と、
前記流路の一部を構成し、処理液を吐出するポンプと、
前記流路のうち、前記ポンプから下流側に設けられる脈動防止機構と、
前記ポンプから吐出された処理液を、前記保持手段に保持された基板に向けて吐出するスリットノズルと、
前記スリットノズルと前記基板とを相対的に移動させる移動手段と、
を備え、
前記脈動防止機構が、
前記流路内の処理液と所定の気体とを隔てる可撓性の隔壁部材と、
前記所定の気体の圧力を調整する圧力制御手段と、
を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
処理液を送液する送液システムであって、
処理液が流れる流路と、
前記流路の一部を構成し、処理液を所定の方向に吐出するポンプと、
前記流路のうち、前記ポンプから下流側に設けられる脈動防止機構と、
を備え、
前記脈動防止機構が、
前記流路内の処理液と所定の気体とを隔てる可撓性の隔壁部材と、
前記所定の気体の圧力を調整する圧力制御手段と、
を有することを特徴とする送液システム。
【請求項3】
請求項2に記載の送液システムであって、
前記流路の一部を構成するとともに、前記ポンプから吐出される処理液を導く送液配管を備え、
前記脈動防止機構は、前記送液配管に設けられていることを特徴とする送液システム。
【請求項4】
請求項2に記載の送液システムであって、
前記脈動防止機構は、前記ポンプに設けられていることを特徴とする送液システム。
【請求項5】
請求項2に記載の送液システムであって、
前記ポンプから吐出された処理液を外部に吐出させるノズルを備え、
前記脈動防止機構は、前記ノズルに設けられていることを特徴とする送液システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−156655(P2006−156655A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−344262(P2004−344262)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】