基板処理装置
基板処理装置(1)は、基板(W)の周縁部を研磨する第1、第2研磨ユニット(70A,70B)と、基板(W)を洗浄する1次洗浄ユニット(100)と、1次洗浄ユニット(100)で洗浄された基板(W)の乾燥を行う2次洗浄・乾燥ユニット(110)と、基板(W)の周縁部の測定を行う測定ユニット(30)を備えている。測定ユニット(30)は、直径計測機構、断面形状測定機構、表面状態測定機構など、第1、第2研磨ユニット(70A,70B)の研磨に必要な測定を行なう機構を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に係り、特に半導体ウエハ等の基板の周縁部を研磨する研磨ユニットを備えた基板処理装置に関する。本発明はまた、基板処理方法に係り、特に半導体ウエハ等の基板の周縁部を研磨する基板研磨方法に関する。本発明はまた、半導体ウエハ等の基板の周縁部を測定する基板測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの微細化及び高集積化が進むにつれて、パーティクルの管理が重要となる。このパーティクル管理上の問題として、半導体デバイスの製造工程中に半導体ウエハ等の基板の周縁部(ベベル部及びエッジ部)に生じる表面荒れに起因する発塵の問題がある。
【0003】
図1Aおよび図1Bは、ウエハWの周縁部の部分拡大断面図を示す。図1Aは、周縁部の断面が複数の直線部で構成されたいわゆるストレート型のウエハWの周縁部を示し、図1Bは、周縁部の断面が曲線部で構成されたいわゆるラウンド型のウエハWの周縁部を示す。図1Aにおいて、ウエハWのベベル部Bとは、ウエハW外周部の上面及び下面から傾斜した上側傾斜部P及び下側傾斜部Q、及びウエハW外周部の側面部RからなるB部分を指し、また図1Bにおいては、ウエハWのベベル部Bとは、ウエハW外周部の断面が曲率を有する部分を指す。図1Aおよび図1Bにおいて、ウエハのエッジ部とは、ウエハWのベベル部Bの内側の境界と半導体デバイスが形成されるウエハWの上面Dとの間の領域Eの部分を指す。以下ウエハの周縁部というときは上記のベベル部B及びエッジ部Eを含むものとする。
【0004】
従来、ウエハの周縁部の研磨を行う研磨装置(周縁部研磨装置)がある。この研磨装置は、半導体デバイス形成前のウエハの外周形状を整形する用途に使われていたが、近年はそれ以外にも半導体デバイス形成工程でウエハの周縁部に付着し汚染源となる膜の除去に用いられたり、ディープトレンチ形成後にウエハの周縁部に形成される針状突起の剥離などのウエハの周縁部に発生する表面荒れの除去に用いられたりしている。このようにウエハの周縁部の付着物を事前に除去することで、ウエハを保持して移送する移送装置などを介して他のウエハが汚染されることを防止でき、またウエハ周縁部の表面荒れを事前に除去することで、ウエハ周縁部における形成物の剥離による発塵を防止することができる。
【0005】
そして、このウエハの周縁部を研磨する研磨装置(研磨ユニット)と、ウエハの洗浄処理を行う洗浄ユニット、及び乾燥処理を行う乾燥ユニットなど一連の処理を行う各処理ユニットを設けた基板処理装置が実用化され、この基板処理装置でウエハの周縁部の研磨を含む一連の処理プロセスが行われている。その場合、研磨ユニットで周縁部の研磨処理を行ったウエハを次の処理ユニットに投入する前に、ウエハ周縁部の膜などの付着物が除去されているかを検査したり、表面の荒れた状態が平滑化されているかを検査したりする必要がある。このため、CCDカメラ等の画像取得装置でウエハ周縁部の研磨後の画像を取得し、該画像を処理することによりウエハ周縁部を検査する検査装置が開発されている。
【0006】
ところでこの検査装置は、上記のようにウエハ周縁部の欠陥部位の検出を主目的としたものであり、得られる検査結果はウエハ周縁部における欠陥部位の数やその面積等であった。従来の検査装置は、ウエハ周縁部の断面形状やウエハの半径等の形状測定を行なうことはできない。すなわち、研磨ユニットでウエハの形状を測定し、その測定結果に基づいてウエハ周縁部の研磨状態を判断することができない。よって、研磨ユニットの運転管理を行うことはされていなかった。
【0007】
また、従来の検査装置は、CCDカメラ等の画像取得装置と画像処理装置とを用いて高度な画像処理を行うものであるため、装置が高価であり、また画像処理を伴うため検査に要する時間が長くなるという問題があった。
【0008】
従来の検査装置は、上記研磨ユニットを備えた基板処理装置とは独立した別の装置として設けられている。そのため、研磨後のウエハを検査するには、研磨ユニットで研磨されたウエハを基板処理装置から検査装置まで搬送する工程が必要であり、研磨処理の工程が複雑化し処理効率が悪くなるという問題があった。また、検査により研磨ユニットにおけるウエハ周縁部の欠陥除去や汚染除去が不十分であるという結果を得た場合は、ウエハを研磨ユニットへ戻して再度周縁部の研磨をやり直す必要があり、迅速な処理が出来なかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、基板の周縁部を研磨すると共に基板の周縁部を測定することができる基板処理装置を提供することを本発明の第1の目的とする。
基板の周縁部を研磨すると共に基板の周縁部を測定することができる基板処理方法を提供することを本発明の第2の目的とする。
基板の周縁部を最適に研磨することができる基板研磨方法を提供することを本発明の第3の目的とする。
基板の周縁部の形状を簡易かつ正確に測定する基板測定方法を提供することを本発明の第4の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、基板の周縁部を研磨すると共に基板の周縁部を測定することができる基板処理装置を提供する。基板処理装置は、基板の周縁部を研磨する研磨ユニットと、基板を洗浄する洗浄ユニットと、基板を乾燥する乾燥ユニットと、基板の周縁部の測定を行う測定ユニットとを備える。
上記構成により、研磨される基板の周縁部の状態を測定ユニットで測定することができ、基板処理装置で研磨対象の基板の周縁部の状態を把握することが可能となる。
【0011】
上記基板処理装置は更に測定ユニットにおける基板の周縁部の測定結果に基づいて、研磨ユニットの研磨条件を決定する研磨条件決定手段を備えてもよい。この構成により、測定ユニットにおける測定結果を研磨ユニットの研磨条件に直接反映でき、測定結果に基づいて研磨条件を定量的に修正することが可能となる。したがって、研磨ユニットで基板の周縁部の所望の研磨を行なうことができる。
【0012】
上記研磨ユニットは、所定の研磨角度で基板の周縁部を研磨する研磨機構を備え、研磨条件決定ユニットは、測定ユニットにおける基板の周縁部の測定結果に基づいて、研磨ユニットにおいて基板の周縁部が研磨される研磨角度を決定するよう構成されてもよい。この場合、研磨対象の基板に応じた最適な角度で研磨処理を行うことができ、基板の周縁部を短時間で効率良く所望の形状に研磨することができる。
【0013】
上記測定ユニットは、基板の直径を計測する直径計測機構を備えてもよい。この場合、基板処理装置で研磨対象基板の直径を測定し把握することが可能となる。したがって、研磨ユニットで基板を所望の直径に研磨することが容易となり、研磨後の基板の品質を向上させることができる。
【0014】
上記測定ユニットは、基板の周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構を備えてもよい。この場合、基板処理装置で研磨対象基板の周縁部の断面形状を測定し把握することが可能となる。したがって、研磨ユニットで基板の周縁部を所望の形状に研磨することが容易となり、研磨後の基板の品質を向上させることができる。
【0015】
上記測定ユニットは、基板の周縁部の表面状態の測定及び基板の周縁部の欠陥部位の検出を行なう表面状態測定機構を備えてもよい。この場合、基板処理装置で研磨対象基板の周縁部の表面状態の測定及び基板の周縁部の欠陥部位の検出を行なうことが可能となる。したがって、研磨ユニットで目的とする研磨が適切に行なわれているかを検査することができると共に、研磨ユニットの運転管理が容易となり、研磨後の基板の品質を向上させることができる。
【0016】
上記測定ユニットは、基板の周縁部の3次元形状を算出する3次元形状測定機構を備えてもよい。
上記測定ユニットは、基板処理装置の内部に配置されてもよい。この場合、研磨対象の基板を基板処理装置の外部に搬送せずに測定ユニットによる検査や測定をすることができ、基板処理装置における基板研磨の効率が向上する。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、基板の周縁部を研磨すると共に基板の周縁部を測定することができる基板処理装置を提供する。研磨ユニットで、基板の周縁部を研磨して該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、洗浄ユニットで研磨した基板を洗浄し、乾燥ユニットで、洗浄した基板を乾燥し、測定ユニットで、研磨前及び/又は乾燥後の基板の周縁部の測定を行なう。
上記方法により、基板処理装置で、研磨対象の基板の周縁部の測定をしてその状態を把握することが可能となる。また、測定ユニットによる測定結果を研磨ユニットによる研磨条件に反映することも可能となり、基板の周縁部の所望の研磨を行なうことが可能となる。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、基板の周縁部を最適に研磨することができる基板処理方法を提供する。研磨ユニットで、基板の周縁部の研磨を行い、測定ユニットで、研磨前及び/又は研磨後の基板の周縁部の測定を行なう。
上記方法により、研磨前及び/又は研磨後の研磨対象の基板の周縁部の状態を把握することができる。また、測定ユニットによる測定結果を研磨ユニットによる研磨条件に反映することも可能となり、基板の周縁部に所望の研磨処理をすることができる。
【0019】
測定結果に基づいて、研磨条件を決定してもよい。この場合、研磨前の基板の周縁部の形状に基づく最適な研磨条件で研磨を行なうことができ、研磨後の基板の周縁部を所望の形状・状態に仕上げることが可能となる。さらに研磨前の基板の形状にバラツキがある場合でも、基板ごとに最適な研磨条件を決定して研磨を行なうことで、研磨後の基板の形状を統一することが可能となり、研磨後の基板の品質を向上させることができる。
【0020】
本発明の第4の態様によれば、簡易且つ正確に基板の周縁部の形状を測定することができる基板処理方法を提供する。第1の測定位置で基板の周縁部の第1の厚さ寸法を計測し、第2の測定位置で基板の周縁部の第2の厚さ寸法を計測し、第1の測定位置と第2の測定位置との間の距離を計測する。第1の厚さ寸法、第2の厚さ寸法および第1の測定位置と第2の測定位置との間の距離から基板の周縁部の断面形状を算出する。
上記方法により、画像処理などの複雑な工程を伴わずに、簡単な手順で効率良く且つ正確に基板の周縁部の断面形状を測定することが可能となる。
【0021】
本発明の第5の態様によれば、簡易且つ正確に基板の周縁部の形状を測定することができる基板処理方法を提供する。基板の周縁部に線状の光を照射して該周縁部の表面に線状の光の軌跡を形成し、線状の光の軌跡に対して直交及び平行しない所定位置に設置した画像取得装置で、線状の光の軌跡の画像を取得し、画像取得装置を設置した位置の座標を基に線状の光の軌跡の位置の座標を演算処理することで、基板の周縁部の断面形状を座標化したデータを算出する。
上記方法により、画像処理などの複雑な工程を伴わずに、簡単な手順で効率良く且つ正確に基板の周縁部の断面形状を測定することが可能となる。
【0022】
本発明の第6の態様によれば、簡易且つ正確に基板の周縁部の形状を測定することができる基板処理方法を提供する。第1の研磨ユニットで第1の基板の周縁部を、および第2の研磨ユニットで第2の基板の周縁部をそれぞれ平行して研磨して、第1と第2の基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行う。第1と第2の基板は研磨後洗浄ユニットで洗浄され、第1と第2の基板は洗浄後乾燥ユニットで乾燥される。測定ユニットで、前記研磨前及び/又は前記乾燥後基板の周縁部の測定を行なう。
【0023】
上記方法により、各研磨ユニットで並行してそれぞれ別の基板を研磨して第1および第2の基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行うので、複数の基板を同時に研磨して基板処理装置における単位時間当たりの基板の処理数を多くでき、基板処理装置のスループットを向上させることができる。また、測定ユニットで、研磨前及び/又は乾燥後の各基板の周縁部の測定を行なうので、基板の周縁部の状態を把握することができ、この測定結果を研磨ユニットによる研磨条件に反映することも可能となり、基板の周縁部の所望の研磨を行なうことが可能となる。
【0024】
本発明の第7の態様によれば、簡易且つ正確に基板の周縁部の形状を測定することができる基板処理方法を提供する。第1の研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、第2の研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して第1の研磨ユニットにおける研磨後の該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行う。研磨後に洗浄ユニットで基板を洗浄し、洗浄後に乾燥ユニットで基板を乾燥し、測定ユニットで、研磨前及び/又は乾燥後の基板の周縁部の測定を行なう。
【0025】
上記方法により、各研磨ユニットで同一の基板を順に研磨して、該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行うので、例えば、各研磨ユニットでそれぞれ粗研磨処理と仕上げ研磨処理を分担して行うなど、各研磨ユニットを研磨目的に応じて使い分けて研磨することができるので、研磨対象の基板を目的とする形状等に効率良く仕上げることができる。また、測定ユニットで、研磨前及び/又は乾燥後の各基板の周縁部の測定を行なうので、研磨対象の基板の周縁部の状態を把握することができ、この測定結果を研磨ユニットによる研磨条件に反映することも可能となり、基板の周縁部の所望の研磨を行なうことが可能となる。
本発明の上述した、およびその他の目的、特徴、効果は、添付した図面を参照して以下に説明する好ましい実施形態の例によって明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態にかかる基板処理装置を図2乃至27に基づいて詳細に説明する。図面を通して同一または相当する構成要素には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図2は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の全体構成を示す概略平面図である。図2に示す基板処理装置1は、ウエハ供給回収装置11A,11Bを設置したロードアンロードポート10と、ウエハ周縁部の形状等の測定を行う測定ユニット30と、主にロードアンロードポート10と測定ユニット30及び下記の2次洗浄・乾燥ユニット110の間でウエハを搬送する第1搬送ロボット20Aと、ウエハ周縁部の研磨を行う第1研磨ユニット70A及び第2研磨ユニット70Bと、研磨後のウエハの洗浄を行う1次洗浄ユニット100と、1次洗浄されたウエハの2次洗浄及び乾燥を行う2次洗浄・乾燥ユニット110と、主に第1、第2研磨ユニット70A,70Bと1次洗浄ユニット100と2次洗浄・乾燥ユニット110の各ユニット間でウエハを搬送する第2搬送ロボット20Bを備えて構成されている。また、測定ユニット30によるウエハの測定結果に基づいて、第1、第2研磨ユニット70A,70Bにおける研磨条件を決定する研磨条件決定手段(図示せず)を備えている。研磨条件決定手段は、具体的にはコントローラの一部であり、ウエハ周縁部の測定結果に基づいてその研磨条件を算出する計算手段である。なおここでは、基板処理装置1内に設置された処理装置の組立体(モジュール)をユニットと称す。以下、基板処理装置1が備える各ユニットの構成、及び各ユニットにおける処理工程を詳細に説明する。
【0027】
基板処理装置1の各ユニットは、クリーンルーム2に設置されたハウジング3内に収納配置されており、クリーンルーム2の内部空間と基板処理装置1の内部空間がハウジング3の壁面によって区画されている。そして、ハウジング3の上部に設けたフィルター(図示せず)からハウジング3内部に清浄な空気が導入されると共に、ハウジング3の下部に設けた排気部(図示せず)から空気が基板処理装置1の外部へ排出されるようになっており、ハウジング3内に清浄空気のダウンフローが形成されるようになっている。これにより基板処理装置1内の気流が基板処理に最適な状態に調節されている。さらにハウジング3内に設置された各ユニットもそれぞれ筐体内に収納配置されており、各ユニットの筐体内の気流も基板処理に最適な状態に調節されている。
【0028】
ロードアンロードポート10は、第1搬送ロボット20Aに隣接する側壁3aの外側に設置されている。このロードアンロードポート10には、ウエハ供給回収装置11A,11Bが2台並列に設置されている。例えば、ウエハ供給回収装置11A,11Bはそれぞれ、ウエハを基板処理装置へ供給し、ウエハを基板処理装置から回収するFOUP(Front Opening Unified Pod)を備えている。そして複数のウエハを収容したウエハカセット(ウエハキャリア)12A又は12Bが、ウエハ供給回収装置11A,11Bのいずれかに搭載されると、ウエハカセット12A又は12Bの蓋が自動的に開くと共に側壁3aに設けた開閉窓(図示せず)が開くことで、ウエハカセット12A又は12Bに収容されているウエハを第1搬送ロボット20Aで取り出して基板処理装置1内へ搬入することができる状態になる。
【0029】
ロードアンロードポート10にはウエハ供給回収装置11A,11Bが2台並列に設置されているので、これら2台のウエハ供給回収装置11A,11Bから並行してウエハを搬入搬出することができ、基板処理装置1の稼働率を向上させることができる。即ち、一方のウエハ供給回収装置11A又は11Bに搭載した第1のウエハカセット12A又は12Bの未処理のウエハを搬入した後、続けて他方のウエハ供給回収装置11A又は11Bに搭載した第2のウエハカセット12A又は12Bの未処理のウエハを搬入し、その間に、基板処理装置1によって所望の処理が終了した処理済のウエハを回収した先のウエハカセット12A又は12Bを交換することで、基板処理装置1に連続して未処理のウエハを搬入し続けることが可能となる。
【0030】
第1、第2搬送ロボット20A,20Bの構成を説明する。ここでは第1、第2搬送ロボット20A,20Bに共通の構成として、図3に示す搬送ロボット20を説明する。搬送ロボット20は、回転自在に設置された基台21の上面に同一構成の2つのハンドリング機構24a,24bを設置したいわゆるダブルハンドの構成である。ハンドリング機構24a,24bは、伸縮可能なアーム機構22a,22bの先端部にウエハWを保持するハンド23a,23bを取り付けてなり、各々のハンド23a,23bは所定間隔で上下に配置されている。基台21の回転動作及びアーム機構22a,22bの伸縮動作により、各々のハンド23a,23bが目標位置へ向けて自由に移動することで、ウエハWを所定位置に搬送するようになっている。また上側のハンド23aは、処理前及び処理後のドライな状態のウエハWを搬送するドライハンドとして使用し、下側のハンド23aは、第1、第2研磨ユニット70A,70Bや1次洗浄ユニット100から搬出される処理中のウエットな状態のウエハWを搬送するウエットハンドとして使用するようにし、ハンド23a,23bを使い分けることで処理前後の清浄なウエハWの汚染を防止することができる。なお、搬送ロボット20は、ハンドリング機構24を1つだけ設けたいわゆるシングルハンドの構成とすることも可能である。
【0031】
測定ユニット30の構成を説明する。測定ユニット30は図4で示す基板保持回転機構61を備える。図4Aは基板保持回転機構61の概略斜視図、図4Bはその概略平面図である。基板保持回転機構61は、測定ユニット30における測定時にウエハWを保持し回転させる機構で、図4Aおよび図4Bに示すようにウエハW外周部を把持する複数の爪部62aを備えた上段チャック(上段スピンチャック)62と,同じく複数の爪部63aを備えた下段チャック(下段スピンチャック)63を2段に設けている。上段チャック62と下段チャック63は同軸状に設置され、いずれも回転軸64周りに回転するようになっている。上段、下段チャック62,63の爪部62a,63aはいずれも所定間隔で4本ずつ設けられており、図4Bに示すように上段、下段チャック62,63は上方から見て各々の爪部62a,63aが互いに所定角度ずれた状態で上下に重ならないように設置されている。また、下段チャック63は、上段チャック62に対して上下方向に移動可能に取付けられている。上段チャック62及び下段チャック63を回転させる回転駆動機構(図示せず)、及びその一定速度での回転や角度を割り出しするインデックス機構が設けられている。
【0032】
図5Aおよび図5Bを用いて基板保持回転機構61の動作を説明する。通常は、図5Aに示すように上段チャック62が測定対象ウエハWを保持し回転することでウエハWの測定を行うが、上段チャック62の回転により爪部62aがウエハW周縁部の測定位置に重なる場合、その手前で、図5Bに示すように下段チャック63が上昇してウエハWを保持し、上段チャック62の爪部62aのウエハWに対する係合が外れるようになっている。その状態で上段チャック62及び下段チャック63が所定の角度回転することで、上段チャック62の爪部62aがウエハWの測定位置に重なることを回避することができる。そして上段チャック62の爪部62aがウエハWの測定位置を通過した後、下段チャック63を下降させることで再度上段チャック62によってウエハWを保持することができる。このように動作することで、上段チャック62の爪部62aがウエハWの測定位置に重なることを防ぎ、ウエハW周縁部の全周の測定を行うことを可能としている。なお、以下で説明する各測定ユニットは、いずれもこの基板保持回転機構61を備えている。
【0033】
測定装置の第1の実施形態を説明する。図6は測定ユニットの第1の実施形態である測定ユニット30−1を示す概略斜視図である。また図7Aは、測定ユニット30−1の概略平面図であり、図7Bは、同図AのVII方向矢視図である。なお、図6、図7Aおよび図7Bでは簡潔性のため基板保持回転機構61の図示を省略している。以下の他の測定ユニットの図においても同様に基板保持回転機構61の図示を省略する。この測定ユニット30−1は、ウエハWの外径寸法(直径)を計測する直径計測機構を備えたもので、ウエハ側面(ベベル部側面)の研磨量を計測するものである。この測定ユニット30−1は、基板保持回転機構61と、該基板保持回転機構61で保持されたウエハWの周縁部の所定位置の上下に設置した一対の投光装置32及び受光装置33からなる投光装置32はレーザー光を投光する装置である。
【0034】
本実施形態では測定ユニット30−1に2組のセンサ機構31,31が設置されており、各組のセンサ機構31,31は基板保持回転機構61に保持されたウエハWの中心線上の対角位置にそれぞれ設置されている。各センサ機構31,31には、受光装置33,33で受光したレーザー光の光量を数値化して処理するデータ処理装置(図示せず)が接続されている。なお、受光装置33,33をウエハWの上側に設置し、投光装置32,32をウエハWの下側に設置してもよい。
【0035】
センサ機構31,31は、図7Bに示すように、投光装置32,32からウエハW周縁部に向けて下向きに所定の幅寸法を持つ線状(面状)のレーザー光34,34を投光する。そしてこのレーザー光34が、ウエハW周縁部をウエハWの半径方向に横断しその一部がウエハW周縁部の上面で遮断される。従って、レーザー光34,34のうちウエハWによって遮断されずに外側を通過するものだけが受光装置33,33で受光される。この受光量をデータ処理装置で数値化することで、ウエハWの外周部を通過したレーザー光34,34の幅寸法、即ち図7Bに示すD1,D2の寸法が計測される。測定対象ウエハの直径を求めるには、予め直径が分かっている基準ウエハ(図示せず)を用意しこれを測定ユニット30−1によって計測することで、その場合のD1,D2の寸法を計測しておき、この基準ウエハにおけるD1,D2の寸法と測定対象ウエハにおけるD1,D2の寸法の差と、基準ウエハの直径とから測定対象ウエハの直径DWを算出する。
【0036】
さらに、基板保持回転機構61の上チャック62及び下チャック63の回転角度を割り出ししてウエハW周縁部の複数箇所の直径を測定することで、ウエハW全周での研磨量のばらつきなど、1点のみの計測では得られない情報を得ることができる。また、基板保持回転機構61を回転させた状態で連続的にウエハの直径を計測することもできる。この方法によれば、直径の計測データを連続データとして得ることができるので、ウエハの真円度を算出することができる。
【0037】
測定ユニットの第2の実施形態を説明する。図8は、第2の実施形態による測定ユニット30−2を示す概略斜視図である。図8に示す測定ユニット30−2は、ウエハ周縁部の断面形状(ウエハの径方向に沿った断面形状)を測定する断面形状測定機構を備えたもので、測定した周縁部の断面形状から、研磨ユニット70A,70Bにおけるベベル部の上側傾斜部P、下側傾斜部Q、側面部R(図1A参照)それぞれの研磨量や、ウエハW周縁部の研磨前後の形状・寸法の変化等を判断することができる。
【0038】
測定ユニット30−2は、基板保持回転機構61と、第1センサ機構(第1レーザーセンサ)35と、第2センサ機構(第2レーザーセンサ)38を備えている。第1センサ機構は一対の投光装置36及び受光装置37からなり、受光装置36は該基板保持回転機構61で保持されたウエハWの周縁部の上方に設置されている。受光装置37はウエハWの周縁部の下方に設置されている。第2センサ機構はウエハWの周縁部を挟むようにウエハWの側面の接線方向に設置した一対の投光装置39及び受光装置40からなる。第1センサ機構35は、図6に示すセンサ機構31と同一の構成及び機能を備えたもので、投光装置36から投光されたレーザー光41のうちウエハWの外周部を通過した部分の幅寸法を測定するものである。一方、第2センサ機構38は、投光装置39から投光されたレーザー光42がウエハ面(ここでは、ウエハの上面及び下面と平行な面を指す。以下同じ)と平行な方向に走査しウエハWの周縁部に側方から照射され、その一部がウエハW周縁部によって遮断されるように配置されている。この第2センサ機構38は、ウエハW周縁部の断面の厚さ寸法を測定するものである。
【0039】
第1、第2センサ機構35,38は移動機構43に取付けられており、該移動機構43によって基板保持回転機構61に保持されたウエハWの中心部に向かう方向にスライド移動する。図9は、移動機構43に取付けられた第1、第2センサ機構35,38を示す概略側面図であり、一部断面図である。移動機構43は、図8及び図9に示すように移動定盤44の上面に第1、第2センサ機構35,38が取付けられ、移動定盤44は、固定定盤45の上面にリニアガイド46を介してスライド移動可能に設置されている。第1センサ機構35は、支柱47aの側面に取付けられ該支柱47aを介して移動定盤44に固定され、第2センサ機構38は支持台47bを介して移動定盤44に固定されている。第1、第2センサ機構35,38はそれぞれの投光装置36,39と受光装置37,40の位置が正確に調節されて設置されており、ウエハW周縁部の測定位置に正確にレーザー光41,42を照射できるようになっている。
【0040】
リニアガイド46は、移動定盤44がウエハWに対して近接及び離間する方向に直線移動するように設置されている。また図9に示すように、固定定盤45の下面にサーボモータ48が固着され、該サーボモータ48の回転軸48aがカップリング49を介してボールネジ50に接続されている。一方、移動定盤44の下面に固定された連結板51が固定定盤45の貫通孔45aを貫通してその下面側に突出し、該連結板51とボールネジ50が接続固定されている。従って、サーボモータ48を所定角度回転させることにより、該回転がボールネジ50を介して連結板51の直線移動に変換され、移動定盤44がリニアガイド46に沿った方向に所定量直線移動するようになっている。
【0041】
この測定ユニット30−2でウエハW周縁部の形状測定を行う手順を説明する。図10Aおよび図10Bは、第2センサ機構38の受光装置40を投光装置39側から見た図で、投光装置39から投光されたレーザー光42の一部がウエハW周縁部で遮断されて受光される状態を示す図である。まず、第1、第2センサ機構35,38が所定位置に設置された状態で、第2センサ機構38により、図10Aに示すようにレーザー光42がウエハW周縁部の側面(断面)によって遮断される幅寸法A1(周縁部の厚さ寸法)を計測する。またその位置で、第1センサ機構35の投光装置36から投光されたレーザー光41のうち受光装置37によって受光されるレーザー光41の幅寸法D1を測定する。この幅寸法D1を用いて、第1、第2センサ機構35,38から所定距離LだけウエハWの内側に入った基準点X0からウエハWの外周面までの距離寸法X1を算出し、第1、第2センサ機構35,38のウエハWに対する相対位置を求める。
【0042】
次に、移動機構43によって第1、第2センサ機構35,38を微小量だけウエハWの中心方向に移動させる。その位置において、図10Bに示すように、上記と同様の手順でウエハW周縁部の厚さ寸法A2、及び基準点X0からウエハWの外周面までの距離寸法X2を計測する。その後、第1、第2センサ機構35,38をさらに微小量ずつウエハWの中心方向に移動させて、周縁部の複数箇所における厚さ寸法Anと、基準点からウエハWの外周面までの距離寸法Xnとを計測する。こうしてウエハW周縁部の径方向における厚さ寸法の分布を得ることができる。
【0043】
図11Aおよび図11Bは、ウエハWの周縁部の断面図と測定データのグラフを示す図で、図11Aはストレート型のウエハWの場合を示し、図11Bはラウンド型のウエハWの場合を示す。図11Aおよび図11Bに併記したグラフは、ウエハWの各測定点の位置(ウエハWと第1、第2センサ機構35,38の相対位置)Xnを横軸とし、測定点におけるウエハWの厚さ寸法An(1/2An)を縦軸として、測定値をプロットしたものである。図11Aおよび図11Bに示すように測定値のプロットを推定線で結ぶことで、該推定線によって描かれる線図が実際のウエハWの周縁部の断面形状を模した図となる。なお、ウエハW周縁部の厚さ寸法を計測することでその断面形状を測定するため、測定するウエハWの周縁部の形状がウエハWの厚さ方向に対称であることが必要だが、一般にウエハの周縁部の形状は中心面に対して厚さ方向で略対称な形状に形成されており、周縁部の厚さ寸法を測定してこの測定値をプロットすれば、周縁部の断面形状を表現することができる。また、低速で第1、第2センサ機構35,38をウエハWの中心方向に移動させながら計測することにより、ウエハWの周縁部の複数箇所における厚さ寸法Anと、基準点からウエハWの外周面までの距離寸法Xnを連続データとして測定して、ウエハWの周縁部の断面形状を抽出することも可能である。
【0044】
また、測定ユニット30−2において、移動機構43に高分解能のサーボモータ48とバックラッシュの極めて少ない精密ボールネジ50を設置すれば、サーボモータ48の回転角度を位置換算することで、第1、第2センサ機構35,38とウエハWの相対位置を算出することができる。これによれば、上記手順の第1センサ機構35による計測を行なわずにウエハW周縁部の断面形状を測定することができる。従って、その場合は第1センサ機構35を省略することが可能である。
【0045】
なお、本実施形態においては、第1、第2センサ機構35,38をウエハWの中心部に向かって移動させるように構成したが、第1、第2センサ機構35,38を固定して、基板保持回転機構61を第1、第2センサ機構35,38の方向に移動させる移動機構(図示せず)を設置することによって、ウエハを第1、第2センサ機構35,38の方向に移動させて測定を行なうようにすることも可能である。
【0046】
測定ユニットの第3の実施形態を説明する。図12は第3の実施形態による測定ユニット30−3を示す概略斜視図である。図12に示す測定ユニット30−3は、ウエハW周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構を備えたもので、基板保持回転機構61と、基板保持回転機構61に保持されたウエハWの周縁部の所定位置に向かってウエハW側面の接線方向に光を投光する投光装置52と、ウエハの周縁部を挟んで投光装置52と反対側に設置された画像取得装置であるCCDカメラ53を具備している。投光装置52は、CCDカメラ53で撮像可能な光54を投光する装置で、この光54としては、例えばLED光や赤外線等がある。また、CCDカメラ53には、画像処理装置(図示せず)が接続されている。この測定ユニット30−3は、投光装置52から投光された光54の一部がウエハW周縁部の側面で遮光されることを用いて、この一部が遮光された光54を画像情報として取得し、ウエハW周縁部の断面形状を測定するものである。
【0047】
図13は、投光装置52から投光された光54をCCDカメラ53で撮影した画像の一例を示す図である。図13に示すように、投光された光54にはウエハW周縁部の断面形状Sが投影される。この光54を撮影した撮影画像を用いて画像処理装置でエッジ抽出を行なうことにより、光54の背景とウエハW周縁部の断面の投影Sとの境界線Uの座標データを取得してこれを数値化する。数値化されたデータを演算処理することで、ウエハW周縁部の断面Sにおける側面部Rの長さ寸法L1、上側傾斜部Pのウエハ面に対する傾斜角度φ、上側傾斜部P及び下側傾斜部Qの水平距離寸法L2、上側傾斜部P及び下側傾斜部Qと側面部Rとの境界部の曲率ρ1,ρ2等を計測することができる。
【0048】
CCDカメラ53の撮影画像は2次元画像であるが、撮影画像のエッジ抽出を行うことで、その際に数値化したデータだけを演算処理すればよく、複雑な画像処理を伴わずに数値データのみを用いて処理することが可能となる。従って、演算処理が簡単になり、使用する機器の構成も簡易なもので足りる。また、撮影画像自体をデータとして保存する必要がなく、画像データ保存のための大容量記憶手段等を設ける必要もない。通常、画像撮影はウエハW周縁部の1箇所で行うが、必要に応じて基板保持回転機構61でウエハWを回転させて周縁部の複数箇所を撮影して測定を行なうことも可能である。このように複数箇所の測定をすれば、ウエハW全周に亘って周縁部が均一に研磨されているかを判断することができる。
【0049】
測定ユニットの第4の実施形態を説明する。図14は第4の実施形態による測定ユニット30−4を示す概略斜視図である。図14に示す測定ユニット30−4は、ウエハW周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構を備えたもので、基板保持回転機構61と、該基板保持回転機構61に保持されたウエハWの周縁部の所定位置の上方に設置された投光装置(レーザー投光装置)55と、ウエハW周縁部の上方に設置された画像取得装置であるCCDカメラ56を備えて構成されている。またCCDカメラ56には画像処理装置(図示せず)及び演算処理装置(図示せず)が接続されている。投光装置55は、水平に保持されたウエハWの周縁部に向かってウエハWの径方向にレーザー光57を照射する。レーザー光57は、線状または面状であり、照射された箇所でウエハW周縁部の断面形状に沿う線状の軌跡58を作り出す。一方、CCDカメラ56は、レーザー光57の面に対して図示する位置から所定角度傾いたδ軸を軸心とする位置に設置され、そこから軌跡58を撮影するようになっている。
【0050】
図15A及び15Bは、投光装置55とCCDカメラ56の設置位置を説明するための図で、図15Aは投光装置55とCCDカメラ56の設置状態を示す概略平面図で、図15Bはその概略側面図である。図15Aに示すように、線状のレーザー光57はウエハWの径方向のα軸に沿って照射されており、このα軸とは直交及び平行しないδ軸を軸心とする向きにCCDカメラ56が設置されている。このδ軸は、α軸に対してθだけ傾いたβ軸に直交する向きになっている。また図15Bに示すように、δ軸の向きは鉛直下向きのZs軸と直交及び平行せず、Zs軸に対して所定の傾きを持つ向きになっている。
【0051】
CCDカメラ56で軌跡58を撮影し、撮影画像を画像処理装置によって処理することで、撮影画像上の軌跡の座標を数値化する。さらにこの撮影画像上の軌跡の座標と、CCDカメラ56の設置軸δに直交する面(Z−β平面)に対するレーザー光の面(Z−α平面)の傾斜角度θとを用いて、処理ユニットによって演算処理(例えば、回転演算処理)を行うことで、元の軌跡58の座標を算出する。即ち、図15Cに示すように、撮影画像内のレーザー光の軌跡であるZ−α平面上の軌跡58´の座標をθ回転させることで、Z−β平面上に回転投影させる。この演算処理によりZ−β平面上に得られた軌跡58の座標が、実際のウエハWの周縁部に形成された光の軌跡58の座標データ、即ち、ウエハWの周縁部の断面形状の座標データとなる。
【0052】
測定ユニットの第5の実施形態を説明する。図16Aは第5の実施形態による測定ユニット30−5の構成を示す概略平面図であり、図16Bはその概略側面図である。図16Aおよび図16Bに示す測定ユニット30−5は、ウエハWの周縁部の表面状態の測定及び欠陥部位の検知を行なう表面状態測定機構を備えたもので、基板保持回転機構61と、ウエハWの周縁部の表面状態の測定及び欠陥部位の検知を行なう周縁部測定装置59と、ウエハWのノッチ部の表面状態の測定及び欠陥部位の検知を行なうノッチ測定装置60と、周縁部測定装置59及びノッチ測定装置60で撮影された画像を処理する画像処理装置(図示せず)、及び該画像処理装置で得られたデータを処理する処理ユニット(図示せず)を備えている。周縁部測定装置59は該基板保持回転機構61に保持されたウエハWの周縁部の画像を撮影し、ノッチ測定装置60はウエハWのノッチ部の画像を撮影する。
【0053】
周縁部測定装置59は、ウエハWの周縁部に光を照射する照明装置59aと、ウエハW周縁部からの反射光を撮像する複数の撮像カメラ59bを備えている。撮像カメラ59bは、図16Bに示すようにウエハ周縁部の厚さ方向の異なる位置に配置され、複数角度からウエハW周縁部の反射光を撮影するようになっている。また、ノッチ測定装置60は、ウエハWのノッチNに光を照射する照明装置60aと、該ノッチNからの反射光を撮像する複数の撮像カメラ60bを備えている。複数の撮像カメラ60bは、照明装置60aからの光がノッチNで反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置されると共に、ノッチNの厚さ方向及び幅方向の異なる部位からの反射光を撮像するように、各々その位置をずらして設置されている。
【0054】
測定ユニット30−5でウエハW周縁部は次のように測定される。まず基板保持回転機構61を回転させて、ノッチ測定装置60の測定位置にウエハWのノッチNを移動させる。この状態で、撮像カメラ60bでノッチNからの反射光の画像を撮像する。この画像は、画像処理装置で処理され、さらに処理ユニットで該画像中の反射光の強度が解析される。これによりノッチNの表面状態の測定が行なわれ、ノッチNの表面に欠陥がある場合はこれを検知することができる。また、ウエハW周縁部の測定を行なうには、基板保持回転機構61でウエハを回転させた状態で、撮像カメラ59bでウエハW周縁部からの反射光の画像を連続して撮像する。この画像は、画像処理装置で処理され、さらに処理ユニットで撮影された画像中の反射光の強度を解析することで、ウエハW周縁部の表面状態を測定すると共に欠陥部位の検知を行なう。これにより、研磨後のウエハW周縁部に汚染や針状突起などが残存している場合にこれを検知することができる。
【0055】
以上説明したように、測定ユニットの実施形態として、ウエハの直径を測定する直径測定機構、ウエハ周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構、ウエハ周縁部の表面状態の測定及び欠陥部位の検知を行なう表面状態測定機構を備えた測定ユニットを説明した。これら各測定ユニットが備える機構は、適宜組み合わせて一台の測定ユニットに組み込むことも可能であり、また最も簡易な測定ユニットとしては、例えば直径測定機構のみを備えた測定ユニットとすることが可能である。
【0056】
測定ユニットの第6の実施形態を説明する。
図17は第6の実施形態による測定ユニット30−6を示す概略斜視図である。図17に示す測定ユニット30−6は、ウエハWのノッチNの三次元形状を測定する三次元形状測定機構を備えたもので、基板保持回転機構61と、該基板保持回転機構61に保持されたウエハWのノッチNの所定位置の上方に配置された投光装置(レーザー投光装置)155と、ウエハWのノッチNの上方に配置された画像取得装置であるCCDカメラ156を備えて構成されている。また、CCDカメラ156および投光装置155には画像処理装置(図示せず)および処理ユニット(図示せず)が接続されている。
【0057】
基板保持回転機構61はウエハWのノッチNを検出するノッチ検出機構(図示せず)を備え、ノッチ検出機構は基板保持回転機構61に保持されたウエハWのノッチNを検出する。そして、CCDカメラ156および投光装置155で計測する位置にウエハWのノッチNの位置が整合するように、ウエハWは基板保持回転機構61により回転される。ノッチ検出機構は周知の機構でよく、その詳細説明は省略する。
【0058】
CCDカメラ156および投光装置155はノッチNの位置に対して斜め上方位置に配置されている。投光装置155は水平に保持されたウエハWのノッチN部に線状のレーザー光157を照射する。レーザー光157はウエハ上に照射された箇所でウエハWのノッチNおよびその近傍に線状の軌跡を作り出す。投光装置155はレーザー光157を方向158に走査するようになっており、図17に示すように、レーザー光157はノッチNの近傍の開始ライン159aから開始ライン159aに対しノッチNの反対側にある終了ライン159bの範囲に照射される。投光装置155は光源、レンズ、スリット、ガルバノミラーなど光学構成要素からなり、線状の平行光157を照射し且つ平行光157と垂直な方向に該光157を走査することが可能になっている。
【0059】
図18Aおよび図18Bは投光装置155とCCDカメラ156の配置位置を説明するための図で、図18Aは投光装置155とCCDカメラ156の配置を示す概略平面図で、図18Bは図18Aの概略側面図である。図18Aに示すように、ウエハ中心からノッチNを通るウエハWの径方向に延びているα軸に対して、ノッチNを通り角度θだけ傾いたδ軸上にCCDカメラ156が配置されている。同様にα軸に対して、ノッチNを通り角度ζだけ傾いたγ軸上に投光装置155が配置されている。また、図18Bに示すように、δ軸およびγ軸はウエハWの水平面に対して垂直なZs軸に対して角度εだけ傾いて配置されている。
【0060】
前記測定ユニット30−6が投光装置155とCCDカメラ156をそれぞれ一台ずつ備える場合、ウエハ厚さ方向の中心からウエハWの上半分のデータを取得できるが、ウエハWの下半分はレーザー照射およびCCDカメラ156での撮影領域に入らない。よって、ウエハWの下半分のデータが必要であれば、ウエハ厚さ方向の中心に対して対称にさらに投光装置155とCCDカメラ156を配置してもよい。その場合、ウエハWの上半分のデータに加えて下面側のデータを取得することができる。そしてこれらのデータを演算処理によって結合させて1つの三次元データにすることが可能である。もしくは、前記測定ユニット30−6にウエハWを投光装置155とCCDカメラ156に対して傾かせる機構を追加してもよい。
【0061】
投光装置155から照射されたレーザー光157がノッチNの近傍に走査されている状態をCCDカメラ156で撮影しビデオ画像として取得する。CCDカメラに接続された画像処理装置によりレーザー光157の明るさの変化から照射光157の軌跡を認識し、処理ユニットにより該軌跡をノッチNの位置、投光装置155とCCDカメラ156の三次元配置、およびレーザー157の走査速度に基づいて、ノッチの形状の三次元データに置き換える。この処理によりノッチNの形状を非接触で三次元データとして計測することができる。三次元計測方法としてこのような画像処理、演算処理に各種の手法が実用されており、例えば三角測量式、光切断式などの方法を採用することができる。
【0062】
三次元計測データは研磨ユニットの研磨条件を決定するため手段として利用することができる。例えば、三次元計測データをノッチ部の所望の断面形状やウエハW上面から見た平面形状などの二次元データに変換し、研磨の角度を自動的に算出したり、研磨前後のノッチの三次元形状を計測することによりノッチNの研磨量を算出することもできる。
【0063】
本実施例において、ノッチNの三次元形状を計測する場合を示したが、同じ機構構成、手法によりノッチNではないウエハWの周縁部の三次元形状を計測することも可能であり、同様に三次元計測データを研磨ユニットの研磨条件を決定するための手段として利用することができる。
【0064】
図19は、上記の実施形態の測定ユニット30を基板処理装置1に設置する設置例を示す図である。図19では図示の都合上、測定ユニット30として基板保持回転機構61のみを示している。測定ユニット30は単独で設置することができるほか、図19に示すように測定ユニット30の上部にウエハWを載置するウエハステージ65を設けることができる。即ち、測定ユニット30は筐体66内に配置され、該筐体66の上面66aにウエハステージ65が設置されている。このウエハステージ65は、ウエハWの外周部を載置する複数の載置ピン65aを具備し、第1搬送ロボット20Aのハンドによって搬送されるウエハWを一時的に仮置きして第2搬送ロボット20Bのハンドに受け渡す仮のステージとして使用したり、測定ユニット30が先のウエハWで占有されている場合に、後のウエハWを待機させる待機台として使用することができる。一方、筐体66の側壁66bには扉状のシャッター67が設けられている。該シャッター67を開くことで、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bに保持されたウエハを筐体66内に搬入し、測定ユニット30の基板保持回転機構61に載置して測定を行うことができる。筐体66のシャッター67を設けた側壁66bと反対側の側壁にも図示しないシャッターが設けられており、一方のシャッターから第1搬送ロボット20Aがアクセスし、他方のシャッターから第2搬送ロボット20Bがアクセスできるようになっている。
【0065】
このように測定ユニット30の上部にウエハステージ65を設置することにより、第1、第2搬送ロボット20A,20Bがアプローチ範囲を共有するスペースに測定ユニット30とウエハステージ65を併設することができ、基板処理装置1内のスペースを節約することができる。また、下記の基板処理装置1の処理パターンの説明で述べるように、ウエハを効率良く最適な搬送ルートで搬送することが可能となり、基板処理装置1のスループットを向上させることができる。
【0066】
次に、第1研磨ユニット70A及び第2研磨ユニット70Bの構成を説明する。第1、第2研磨ユニット70A,70Bは互いに共通の構成であるため、以下ではこれらに共通の構成として図20に示す研磨ユニット70を説明する。図20は研磨ユニット70の概略側断面図である。図20に示すように研磨ユニット70は、各構成部が筐体71内に収納配置されており、ウエハWの裏面を真空吸着して保持する基板保持回転部72と、ウエハWのセンタリング及び受渡しを行う基板受渡機構80と、ウエハWのベベル部の研磨を行なうベベル研磨部83と、ウエハWのノッチ部の研磨を行うノッチ研磨部90とを備えている。
【0067】
基板保持回転部72は、図20に示すように基板保持テーブル73と、基板保持テーブル73を支持する支持軸74で構成される。基板保持テーブル73はウエハWを真空吸着する真空吸着用の溝部73aを上面に備えている。支持軸74には回転駆動装置75が取付けられており、該回転駆動装置75により基板保持テーブル73及び支持軸74が一体に回転するようになっている。基板保持テーブル73の溝部73aは、基板保持テーブル73に形成された連通路73bに連通し、この連通路73bは支持軸74に形成された連通路74aに連通している。そして連通路74aには真空ライン76及び圧縮空気供給ライン77が接続されている。また基板保持テーブル73および支持軸74には、昇降機構(図示せず)が取付けられている。昇降機構によって基板保持テーブル73を上下方向に移動することができる。
【0068】
また、基板保持テーブル73の溝部73aを覆うように基板保持テーブル73の上面にウレタン系の弾性部材からなる吸着パッド78が貼付されている。この吸着パッド78には、基板保持テーブル73の溝部73aに連通する多数の小径の貫通孔(図示せず)が形成されている。したがって、真空ライン76から真空を供給することにより、吸着パッド78の貫通孔に真空が形成され、基板保持テーブル73上に載置されたウエハWが吸着パッド78の上面に真空吸着される。なお、この吸着パッド78はウエハWと基板保持テーブル73の間に真空を形成する作用と、ウエハWを基板保持テーブル73上に載置する際の衝撃緩和作用とを有している。
【0069】
一方、基板保持回転部72の上方には基板受渡機構80が配置されている。基板受渡機構80は一対のアーム81,81を備え、各アーム81,81にはウエハWのベベル部に対応した凹状の面を有した複数のコマ82が固定されている。アーム81,81は開閉可能で閉鎖位置と開放位置とを取ることができ、閉鎖位置でコマ82によってウエハWを狭持し、開放位置でウエハWを放す。アーム81,81がウエハWを狭持することでセンタリングが行われる。昇降機構により基板保持テーブル73を上昇させ、基板受渡機構80が受け取りセンタリングしたウエハWを基板保持テーブル73が真空吸着して研磨位置まで下降し、研磨処理を行う。
【0070】
次にベベル研磨部83は、研磨テープ84をウエハWのベベル部に押圧接触させるベベル研磨ヘッド85と、研磨テープ送り機構88とを備えて構成されている。研磨テープ送り機構88は、ベベル研磨ヘッド85に研磨テープ84を送る供給リール88aと、ベベル研磨ヘッド85から研磨テープ84を回収する回収リール88bを具備している。ベベル研磨ヘッド85は、基板保持テーブル73に面した位置に研磨テープ84を掛ける一対の送りローラ86,86を備え、該一対の送りローラ86,86の間に研磨テープ84を張り渡して該研磨テープ84の研磨面84aをウエハWのベベル部に接触させるようになっている。また、送りローラ86,86間に掛け渡された研磨テープ84の背面側には基部87が設置されている。該基部87の研磨テープ84に当接する面には、弾性部材(図示せず)を取付けることもできる。またベベル研磨ヘッド85は、移動機構(図示せず)によりウエハWの径方向に移動可能となっており、基部87が研磨テープ84を背面から押す作用と、研磨テープ84自体の張力とによって、研磨テープ84の研磨面84aがウエハWのベベル部に押圧接触される。
【0071】
研磨テープ84は、一定幅の帯状部材で長さが数十メートル程であり、円筒状の芯材89に巻き付けられている。芯材89が供給リール88aに取付けられて、研磨テープ84が研磨面84aを外側に向けた状態でベベル研磨ヘッド85の一対の送りローラ86,86間に掛け渡されて、その先で回収リール88bに取り付けられている。回収リール88bにはモータ等の回転駆動機構(図示せず)が取付けられており、研磨テープ84に所定の引張力を付与しながら巻き取り回収することができる。ベベル部の研磨時には、供給リール88aから研磨テープ84が順次送られることで、ベベル研磨ヘッド85には常に新しい研磨面84aが供給されるようになっている。
【0072】
研磨テープ84は、砥粒を分散させた樹脂材料をテープ基材のいずれかの面に塗布して固化させることで研磨面84aを形成したものであり、砥粒には、例えばダイヤモンドやSiC等が用いられる。砥粒の種類及び粒度は、研磨するウエハの種類や要求される研磨の程度に応じて選択されるが、例えば、粒度♯4000〜♯20000のダイヤモンドや、粒度♯4000〜♯10000のSiCを用いることができる。また、研磨テープ84に代えて表面に粒状物を付着させていない帯状の研磨布等を用いてもよい。
【0073】
なお、粒度の粗い研磨テープ84を装着してベベル部の側面を研磨すれば、ウエハの直径寸法を所望の寸法に形成することができる。また、異なる研磨ユニット70でそれぞれ粗研磨と仕上げ研磨を行なう場合は、粗研磨を行なう研磨ユニット70のベベル研磨部83に、低番手の研磨材(砥粒径が大きい粗い研磨剤)を塗布した研磨テープ84を装着し、仕上げ研磨を行なう研磨ユニット70のベベル研磨部83に、高番手の研磨材(砥粒径が小さい細かい研磨材)を塗布した研磨テープ84を装着するようにして複数の研磨ユニット70を使い分ける。
【0074】
ここで、低番手の研磨材としては、例えば砥粒径が平均5μの粒度♯3000程度の研磨材があり、高番手の研磨材としては、例えば砥粒径が平均0.2μの粒度♯20000程度の研磨材がある。一般に粒度♯6000程度を境として、これより粗い砥粒径の研磨材は形状整形用に用い、これより細かい砥粒径の研磨材は表面状態を整える仕上げ用として用いられる。
【0075】
図21A乃至21Cはベベル研磨ヘッド85の動きを説明するための図である。ベベル研磨部83は、ベベル研磨ヘッド85をウエハWのベベル部の研磨位置を中心に上下方向に揺動させる揺動機構を備えており、ウエハ面に対して上下方向に所定角度傾斜した位置からベベル部の研磨部位に研磨テープ84の研磨面84aを接触させることができる。したがって、図21Aに示すように、ベベル研磨ヘッド85をウエハ面に対して下方に所定角度傾けた状態で研磨することで、ベベル部の上側傾斜面を研磨でき、図21Bに示すように、ベベル研磨ヘッド85を水平方向に向けることでベベル部の側面を研磨でき、図21Cに示すように、ベベル研磨ヘッド85をウエハ面に対して上方に所定角度傾けた状態で研磨することで、ベベル部の下側傾斜面を研磨することができる。また、ベベル研磨ヘッド85の傾斜角度を微調整することにより、ベベル部の上下傾斜面や側面、及びそれらの境界部を所望の角度及び形状に研磨することができる。
【0076】
図20に示すように、ノッチ研磨部90は、研磨テープ91をウエハWのノッチ部に押圧接触させるノッチ研磨ヘッド92と、研磨テープ送り機構94とを備えて構成されている。ノッチ研磨部90は、ノッチ研磨ヘッド92をウエハWの径方向に移動させる移動機構(図示せず)を備えている。研磨テープ送り機構94は、ノッチ研磨ヘッド92に研磨テープ91を送る供給リール94a及びノッチ研磨ヘッド92から研磨テープ91を回収する回収リール94bを具備している。ノッチ研磨ヘッド92は、研磨テープ91を掛ける一対の送りローラ93,93を備え、該一対の送りローラ93,93の間に研磨テープ91を張り渡してその研磨面91aをウエハWのノッチ部に接触させるようになっている。ノッチ研磨部90に用いる研磨テープ91は、ベベル研磨部83に用いる研磨テープ84と同材質の研磨テープで、ウエハWのノッチ部の形状に合わせた幅寸法に形成されたものである。このノッチ研磨用の研磨テープ91は、ベベル研磨用の研磨テープ84より幅寸法が小さく形成されている。なお図示及び詳細な構成の説明は省略するが、ベベル研磨部83と同様にノッチ研磨部90も、ノッチ研磨ヘッド92をウエハWのノッチ部の研磨位置を中心に上下方向に揺動させる揺動機構を備えており、研磨時にウエハ面に対して所定角度傾斜した位置から研磨テープ91の研磨面91aを接触させることができる。従って、ウエハWのノッチ部の表面形状に沿った研磨をすることができると共に、ノッチ部を所望の角度及び形状に研磨することができる。更にノッチ研磨部90には、ウエハWのノッチ部を検知するノッチ検知機構(図示せず)が設けられている。
【0077】
一方、研磨ユニット70は、図20に示すようにウエハW上面及び下面それぞれの研磨位置付近に超純水等の水(研磨水)を供給する研磨水供給ノズル95,96を備えている。また、基板保持テーブル73の上方に、ウエハW上面の中央部付近に研磨水を供給する研磨水供給ノズル97を備えている。ベベル部及びノッチ部の研磨中に研磨水供給ノズル95,96から研磨水を供給することで、研磨によって発生する粒子状の研摩屑がウエハW上面や下面へ付着することを防止できる。また研磨水供給ノズル97から供給される研磨水は、ウエハW中心部に向かって供給されるが、研磨中のウエハWは回転しているので、供給される研磨水はウエハWの中心部から外周部に向かって流れてゆく。このため研磨屑をウエハWの外周部の方へ押し流す作用がある。一方、下面側の研磨水供給ノズル96はウエハW裏面の基板保持テーブル73より外周側に露出した部分に研磨水を供給するようになっている。ウエハWの露出した部分の内側部分に研磨水を供給することにより、この場合も供給された研磨水がウエハWの回転により外周部に向かって流れてゆき、研磨屑を外周部の方へ押し流すことができる。
【0078】
研磨水供給ノズル95,96から供給される研磨水は、研磨屑によるウエハW上下面の汚染を防止するほか、研磨時の摩擦によって発生する熱を奪う冷却作用も有している。したがって供給する研磨水の温度を調節することにより、ウエハWの研磨部位の熱を除去することができ、安定した状態で研磨を行なうことができる。
【0079】
研磨ユニット70には、研磨終点検知部を設けて研磨終点を管理してもよい。例えば、研磨終点は次のように検知される。ウエハW周縁部のベベル研磨ヘッド85及びノッチ研磨ヘッド92が接触しない場所に、光学的手段(図示せず)によって、ウエハWのデバイス形成面の法線方向から所定形状及び所定強度の光(レーザーやLEDなど)を照射し、その散乱光を測定することでベベル部の凹凸を測定しこれに基づいて研磨終点を検知してもよい。またウエハW周縁部の温度変化をモニタリングし、この温度変化に基づいて研磨終点を検出するようにしてもよい。そのほか、ベベル部やノッチ部の研磨終点は研磨時間によって管理することもできる。
【0080】
研磨ユニット70における研磨工程を以下に説明する。研磨対象のウエハWが筐体71内に搬入されて、基板受渡機構80に受け渡されると、アーム81,81が閉じてその閉鎖位置でウエハWを狭持しセンタリングを行う。その後、基板保持テーブル73が基板受渡機構80の位置まで上昇して、アームの81、81に保持されたウエハWを真空吸着する。この真空吸着と同時にアーム81,81が開いて開放位置でウエハWを放すことにより、ウエハWは基板保持テーブル73の上面に保持される。その後、ウエハWを保持した基板保持テーブル73は、図20に示す位置まで下降する。そして回転駆動装置75が駆動して基板保持テーブル73と共にウエハWを回転させる。
【0081】
その状態で、ウエハWのベベル研磨を行なうには、ベベル研磨部83の供給リール88aから研磨テープ84を供給して未使用の研磨面84aをベベル研磨ヘッド85の送りローラ86,86間に配置する。そして、移動機構によりベベル研磨ヘッド85をウエハWに向けて送り、研磨テープ84の研磨面84aをウエハWのベベル部に接触させて、ベベル部を研磨する。このとき、ベベル研磨部83に設けた揺動機構を駆動し、ベベル研磨ヘッド85を上下方向に揺動させながら研磨する。これによりウエハWのベベル部のみならずエッジ部も同時に研磨することができる。
【0082】
またウエハWのノッチ研磨を行なうには、まず、ノッチ研磨部90に設けたノッチ検出機構によりウエハWのノッチ部を検出し、ウエハWを回転させることで該ノッチ部をノッチ研磨部90の研磨位置に位置合わせする。位置合わせが終わったら、ノッチ研磨部90の供給リール94aから研磨テープ91を供給して未使用の研磨面91aをノッチ研磨ヘッド92の送りローラ93,93間に配置する。そして、移動機構によりノッチ研磨ヘッド92をウエハWに向けて送り、研磨テープ91の研磨面91aをウエハWのノッチ部に接触させて、ノッチ部を研磨する。このとき、ノッチ研磨部90に設けた揺動機構を駆動し、ノッチ研磨ヘッド92を上下方向に揺動させて研磨する。さらに、研磨テープ送り機構94により研磨テープ91を小刻みに前後させてウエハWのノッチ部に摺接させて研磨してもよい。これらによりウエハWのノッチ部の形状に合わせた研磨を行なうことができる。
【0083】
次に、1次洗浄ユニット100の構成を以下に説明する。図22は1次洗浄ユニット100を示す概略斜視図である。図22に示すように、1次洗浄ユニット100はロール/ロール(R/R)型の低速回転型洗浄ユニットである。具体的には、1次洗浄ユニット100は、ウエハWの周縁部を保持する複数のスピンドル101と、スピンドル101に保持されたウエハWの上下位置に設置した一対のロール型の洗浄部材(ロールスポンジ)102a,102bを備えている。スピンドル101は、それぞれ回転機構を有する保持部材として使用される。図22に示すように、スピンドル101は、保持するウエハWを取り囲む位置に複数本(図では6本)設置されており、各々のスピンドル101は駆動機構(図示せず)によりウエハWに対して外方及び内方に移動自在に設置されている。また各スピンドル101の側面の上端部近傍には保持溝101aが形成されており、ウエハWの外周部をこの保持溝101aに係合させてウエハWを保持する。またスピンドル101は回転機構(図示せず)により回転自在に構成されており、各スピンドル101が一定方向に回転することによって保持されたウエハWが回転するようになっている。
【0084】
一対の洗浄部材102a,102bは各々駆動機構103a,103bに取付けられており、駆動機構103a,103bによって洗浄部材102a,102bが各々軸心周りに自転すると共に上下左右方向に移動可能になっている。洗浄部材102a,102bは上下移動することによって洗浄時にウエハWの上下面に接触する一方、ウエハWの搬入出時には上方及び下方に退避可能となっている。一方、ウエハWの上面(表面)にエッチング液(薬液)を供給する薬液供給ノズル104及び洗浄液(純水)を供給する洗浄液供給ノズル105と、ウエハWの下面(裏面)にエッチング液(薬液)を供給する薬液供給ノズル106及び洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル107が設置されている。
【0085】
1次洗浄ユニット100による洗浄工程について説明する。ウエハWが1次洗浄ユニット100に搬送されると、スピンドル101がウエハWを保持して回転させると共に、上下の洗浄部材102a,102bがそれぞれ下方及び上方に移動してウエハWの上下面に接触する。この状態で、洗浄部材102a,102bが自転しながらウエハWの上下面に摺接すると共に、洗浄液供給ノズル105,107からウエハW上面及び下面に洗浄水を供給することによって、ウエハWの上下面を全面に亘ってスクラブ洗浄する。
【0086】
スクラブ洗浄後、洗浄部材102a,102bを上方及び下方に待避させ、薬液供給ノズル104、106からそれぞれウエハWの上面、下面にエッチング液を供給し、ウエハWの上下面のエッチング(化学的洗浄)を行い、残留する金属イオンを除去する。なおこのとき、必要に応じてスピンドル101によるウエハWの回転速度を変化させる。その後、洗浄液供給ノズル105,107からウエハWの上面、下面に洗浄液(純水)を供給し、所定時間の純水置換を行ってエッチング液を除去する。このときも必要に応じてウエハWの回転速度を変化させる。
【0087】
次に、2次洗浄・乾燥ユニット110の構成を以下に説明する。図23は、2次洗浄・乾燥ユニット110である洗浄機能付きスピン乾燥ユニットの構成例を示す図である。図23に示すスピン乾燥ユニット110は、基板保持回転機構111と、ペンシル型洗浄機構114と、洗浄液供給ノズル119を備えて構成されている。基板保持回転機構111は、ウエハWの外周部を数箇所で挟持する爪部112aを備えた保持部112と、該保持部112の下部に連接された回転軸113と、回転軸113に連結された回転駆動機構(図示せず)からなり、保持したウエハWを所定の回転数で回転させることができる。なおこの基板保持回転機構111は、ウエハWを授受する際に爪部112aを開閉する開閉機構(図示せず)を備えている。
【0088】
ペンシル型洗浄機構114は、シャフト115に一端が支持された揺動アーム116を具備し、該揺動アーム116の他端にウエハWの上面に向かって鉛直下方に突出する回転軸117を設け、該回転軸117の下端に洗浄部材118を取り付けて構成される。例えば、洗浄部材118多孔質のPVF製スポンジ等で構成されてもよい。この洗浄部材118を構成する材料は、発泡ポリウレタンとすることも可能である。シャフト115は、駆動機構(図示せず)により上下に昇降すると共に回動でき、シャフト115の回動により揺動アーム116は揺動し、洗浄部材118がウエハW上面に当接する洗浄位置と、ウエハW上方から離間した退避位置との間で移動することができる。更に、回転軸117の回転により、洗浄部材118がウエハWの洗浄時に回転する。一方、洗浄液供給ノズル119は、ウエハW上面に向けて洗浄液を供給するように構成されている。ウエハWの下側にもウエハWの下面に向けて洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル(図示せず)を設置することができる。
【0089】
洗浄・乾燥工程は2次洗浄・乾燥ユニット110で次のように行われる。2次洗浄・乾燥ユニット110にウエハWが搬入されると、基板保持回転機構111でウエハWを保持し、100〜500rpm程度の低速で回転させる。そして、洗浄液供給ノズル119からウエハW上面に洗浄液を供給しながら、揺動アーム116をウエハW上面の全面に亘って揺動させて、回転する洗浄部材118をウエハW上面に接触・走査させてスクラブ洗浄を行う。スクラブ洗浄が終了すると、揺動アーム116を待機位置に移動させて格納する。その後、基板保持回転機構111の回転速度を上げて、ウエハWを1500〜5000rpm程度で高速回転させてウエハWのスピン乾燥を行なう。なおこのとき、ガス供給ノズル(図示せず)から必要に応じて清浄な不活性ガスを供給しながらスピン乾燥を行っても良い。上記では洗浄部材118でスクラブ洗浄を行う例を説明したが、スクラブ洗浄の代わりに洗浄液供給ノズル119から超音波加振された純水を供給することで、ウエハW表面に付着したパーティクルの除去を行なういわゆる非接触洗浄を施すこともできる。
【0090】
次に、基板処理装置1におけるウエハの処理パターンを以下に説明する。
まず、図24を用いて、第1の処理パターンを説明する。図24において点線で示す矢印は、第1搬送ロボット20Aによる搬送ラインであり、実線で示す矢印は、第2搬送ロボット20Bによる搬送ラインである。CMP工程やCu成膜工程を終えたウエハが収容されたウエハカセット12A又は12Bがロードアンロードポート10のウエハ供給回収装置11A又は11Bに載置されると、第1搬送ロボット20Aによって、該ウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30へ搬送される(搬送ライン1)。測定ユニット30で研磨前のウエハの直径、周縁部の断面形状、表面状態のうち必要なデータが測定される。測定を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30から第1研磨ユニット70Aへ搬送される(搬送ライン2)。第1研磨ユニット70Aでウエハの周縁部(ベベル部及びノッチ部)の研磨が行なわれる。第1研磨ユニット70Aでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bによって1次洗浄ユニット100へ搬送され(搬送ライン3)、1次洗浄が行われる。1次洗浄ユニット100で洗浄されたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され(搬送ライン4)、2次洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1搬送ロボット20Aにより元のウエハカセット12A又は12Bに戻される(搬送ライン5)。あるいは、乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bのいずれかにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻される。
【0091】
この際、先に搬送されたウエハが上記の第1の処理パターンで搬送されて第1研磨ユニット70Aで研磨されている間に、次に処理すべきウエハを下記の第2の処理パターンで搬送して処理できる。即ち、第2の処理パターンでは、まず第1搬送ロボット20Aによってウエハカセット12A又は12Bから測定ユニット30へ搬送される(搬送ライン1)。測定ユニット30で測定を終えたこのウエハは、第2搬送ロボット20Bによって第2研磨ユニット70Bへ搬送され(搬送ライン2´)、第2研磨ユニット70Bでウエハの周縁部(ベベル部及びノッチ部)の研磨が行なわれる。第2研磨ユニット70Bでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bで1次洗浄ユニット100へ搬送され(搬送ライン3´)、1次洗浄が行われる。1次洗浄ユニット100で洗浄されたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され(搬送ライン4)、2次洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1搬送ロボット20Aにより元のウエハカセット12A,12Bに戻される(搬送ライン5)。あるいは、乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bのいずれかにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻される。
【0092】
上記のような処理、即ち、第1、第2の処理パターンを同時に行なうことで第1研磨ユニット70Aと第2研磨ユニット70Bにより並行してそれぞれ別のウエハを研磨するいわゆるパラレル処理によれば、単位時間当たりのウエハの処理数を多くすることができ、基板処理装置1のスループットが向上し、その稼働率を向上させることができる。
【0093】
なお、パラレル処理を行う場合は、第1、第2研磨ユニット70A,70Bに装着する研磨テープは、第1、第2研磨ユニット70A,70Bで互いに同一の粒度の研磨テープとする。この研磨テープとしては、例えば粒度♯6000〜♯8000程度の研磨テープがある。なお本処理パターンにおいて、研磨前のウエハを測定する必要がない場合は、搬送ライン1で、測定ユニット30へ搬送する代わりにウエハステージ65へ搬送して載置(仮置き)することで、該ウエハを第1搬送ロボット20Aから第2搬送ロボット20Bへ受け渡すようにすればよい。
【0094】
次に、図25を用いて、第3のウエハの処理パターンを以下に説明する。図25において、点線で示す矢印は、第1搬送ロボット20Aによる搬送ラインであり、実線で示す矢印は、第2搬送ロボット20Bによる搬送ラインである。まず第1搬送ロボット20Aによって、ロードアンロードポート10に載置されたいずれかのウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30へ搬送される(搬送ライン11)。測定ユニット30で、研磨前のウエハの直径、周縁部の断面形状、表面状態などのうち必要なデータが測定される。測定を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30から第1研磨ユニット70Aへ搬送される(搬送ライン12)。第1研磨ユニット70Aでウエハ周縁部(ベベル部及びノッチ部)の研磨が行なわれる。第1研磨ユニット70Aでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bで、第2研磨ユニット70Bへ搬送され(搬送ライン13)、さらに研磨が行なわれる。第2研磨ユニット70Bでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bによって1次洗浄ユニット100へ搬送され(搬送ライン14)、1次洗浄が行われる。1次洗浄ユニット100で洗浄されたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され(搬送ライン15)、2次洗浄・乾燥処理がされる。乾燥処理を終えたウエハは、第1搬送ロボット20Aにより元のウエハカセット12A又は12Bに戻される(搬送ライン16)。
【0095】
この第3の処理パターンのように、第1研磨ユニット70Aと第2研磨ユニット70Bで同一のウエハを続けて研磨するいわゆるシリアル処理を行う場合は、第1研磨ユニット70Aで、ウエハの周縁部の付着物の除去や表面荒れの除去を目的とする粗研磨処理を行った後、第2研磨ユニット70Bでその仕上げ研磨処理を行なう、というように第1、第2研磨ユニット70A,70Bを研磨目的に応じて使い分けることができる。なお、第1の処理パターンにおいても、研磨前のウエハの測定を行なう必要がない場合は、搬送ライン1で、測定ユニット30へ搬送する代わりにウエハステージ65へ搬送すればよい。
【0096】
図26は、さらに他の処理パターンを説明するための図である。図26において、CL1〜CL4はそれぞれ第1研磨ユニット70A、第2研磨ユニット70B、1次洗浄ユニット100、2次洗浄・乾燥ユニット110を示すものとする。第4の処理パターン(a)では、第1搬送ロボット20Aによって、ウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送される。次にウエハは、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30又はウエハステージ65から第1研磨ユニット70Aへ搬送される。第1研磨ユニット70Aでウエハの周縁部(ベベル部及びノッチ部)の研磨が行なわれる。第1研磨ユニット70Aでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され、洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻されるか、あるいは第1搬送ロボット20Aで2次洗浄・乾燥ユニット110から直接元のウエハカセット12A又は12Bに戻される。
【0097】
第5の処理パターン(b)は、第4の処理パターン(a)において、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30又はウエハステージ65から第1研磨ユニット70Aへ搬送する代わりに、第2研磨ユニット70Bに搬送して研磨するものである。この際、パラレル処理を行うことができる。すなわち、先に搬送されたウエハを第4の処理パターン(a)によって第1研磨ユニット70Aで研磨している間に、次に処理すべきウエハをこの第5の処理パターン(b)によって第2研磨ユニット70Bに搬送して研磨することができる。
【0098】
また、第6の処理パターン(c)では、第1搬送ロボット20Aによって、ウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送される。次にウエハは、第2搬送ロボット20Bによって1次洗浄ユニット100へ搬送され、1次洗浄が行われる。1次洗浄ユニット100で洗浄されたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され、2次洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻されるか、あるいは第1搬送ロボット20Aで2次洗浄・乾燥ユニット110から直接元のウエハカセット12A又は12Bに戻される。
【0099】
第7の処理パターン(d)では、第1搬送ロボット20Aによって、ウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送される。次にウエハは、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30又はウエハステージ65から2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され、洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻されるか、あるいは第1搬送ロボット20Aで2次洗浄・乾燥ユニット110から直接元のウエハカセット12A又は12Bに戻される。
【0100】
基板処理装置1では、上記のパラレル処理とシリアル処理のいずれも行うことができ、ウエハの研磨目的に応じて第1、第2研磨ユニット70A,70Bに装着する研磨テープの番手とその運転条件を適宜選択することで、第1、第2研磨ユニット70A,70Bを使い分け、処理対象のウエハに最適な研磨処理を施すことが可能である。なお上記の各処理パターンでは、先に搬送されたウエハによって測定ユニット30が占有されている場合、次に搬送されるウエハを、ウエハ載置部26に一時的に載置することで順番待ちをすることが可能であるため、効率良くウエハを搬送して処理することができる。
【0101】
また、上記の各処理パターンにおいて、研磨後のウエハの測定を行なう場合は、2次洗浄・乾燥ユニット110で乾燥処理を終えたウエハを測定ユニット30へ搬送し、研磨前のウエハの直径、周縁部の断面形状、表面状態のうち必要なデータを測定する。このように研磨前・研磨後の2回ともウエハの測定を行う場合に、測定ユニット30が研磨前のウエハの測定で占有されていても、基板処理装置1はウエハステージ65を設けているので、2次洗浄・乾燥ユニット110で乾燥処理を終えた研磨後の測定待ちのウエハをウエハステージ65に一時退避させておくことができる。これにより2次洗浄・乾燥ユニット110を空けることができるので、続けて次のウエハの2次洗浄・乾燥処理をすることができ、基板処理装置1のスループットを向上させることができる。
【0102】
また、上記の各処理パターンのウエハ搬送においては、測定ユニット30、第1、第2研磨ユニット70A,70B、1次洗浄ユニット100、2次洗浄・乾燥ユニット110のユニットごとの処理の所要時間に応じてウエハを搬送するタイミングを適宜調整することで、ウエハを基板処理装置1内でスムーズに搬送して処理を行なうようにすれば、基板処理装置1のスループットをより向上させることができる。
【0103】
次の例では、第2、第3、又は第4実施形態における測定ユニット30−2,30−3又は30−4などの断面形状測定機構を備えた測定ユニット30における測定結果に基づいて決定された研磨条件でウエハの研磨を行なう。図27は、研磨対象ウエハWの周縁部の断面形状を示す図である。断面形状測定機構を備えた測定ユニット30による研磨前のウエハWの測定データから、ウエハWのベベル部の上側傾斜部P及び下側傾斜部Qの研磨角度M1,M2、及び側面部Rの研磨角度M3等の研磨条件を決定する。さらに、ウエハWの断面形状データと、研磨ユニット70A又は70Bにおける研磨面の加圧力及び研磨時のウエハ回転速度などの研磨条件から、予定研磨量を算出して研磨後のウエハW周縁部の形状を予測する。その予測形状から、上側傾斜部P及び下側傾斜部Qと側面部Rの境界部V1,V2に未研磨部分が生じると判断される場合は、当該境界部V1,V2を研磨するための研磨条件(研磨角度M4,M5及び研磨時間)を決定する。そして研磨ユニット70A又は70Bでこれら決定した研磨条件に基づいて研磨を行なうことで、ウエハWの周縁部を所望の形状・寸法に研磨することができる。
【0104】
本発明によれば、研磨ユニット70A又は70Bに、ベベル研磨ヘッド85の角度を任意に変更することでウエハWの周縁部を任意の研磨角度で研磨できる機構を備え、測定ユニット30にウエハWの周縁部の断面形状を測定する機能を備え、研磨条件決定手段によって、測定ユニット30によるウエハWの周縁部の断面形状の測定結果に基づいて最適な研磨角度を算出して決定し、これを研磨ユニット70A又は70Bの研磨条件として研磨することで、ウエハWに応じた最適な角度で研磨処理を行うことができ、ひいては研磨時間の短縮に寄与することとなる。
【0105】
上記手順は、断面形状測定機構を備えた測定ユニット30の測定結果に基づいて研磨条件を決定する一例である。この例ではウエハWのベベル部の全体、即ち、上側傾斜部P、下側傾斜部Q、及び側面部Rを研磨する場合を示しているが、デバイス製造工程において、例えばウエハWのベベル部の上側傾斜部Pのみの研磨を必要とする場合には、研磨角度M1だけを決定するか、あるいは上側傾斜部Pと境界部V1の研磨角度M1,M4だけを決定するなど、研磨の目的に応じて必要な研磨条件を決定することができる。また、研磨前のウエハWの直径を測定し、その測定結果に基づいて側面部Rの研磨量を決定してウエハWを目的とする直径に仕上げることもできる。なお、測定ユニット30の測定結果に基づいて研磨する場合は、研磨前のウエハWの形状に倣って表面のみを研磨するか、あるいは研磨前の形状を変更するような研磨角度及び圧力で研磨して所望の形状に成型する等、目的により研磨方法を選択することができる。
【0106】
また、表面状態測定機構を備えた測定ユニット30(第5の実施形態にかかる測定ユニット30−5)では、研磨後のウエハ周縁部の表面状態の測定を行い、研磨ユニット70A又は70Bの研磨によるウエハ周縁部の付着物の除去や表面荒れの除去の達成状況を検査することができる。このように、研磨後のウエハの測定を行えば、研磨ユニット70A又は70Bで所望の研磨が行なわれたか否かを判断することができ、研磨ユニット70A又は70Bを最適な状態で運転するように運転管理をすることが可能となる。
【0107】
測定ユニット30で、研磨後のウエハを測定した場合は、該測定後のウエハを測定ユニット30から一旦ウエハカセット12A又は12Bに戻す。こうしてウエハカセット12A又は12Bのすべてのウエハが基板処理装置1における一連の処理を終了して戻された後、これらウエハの検査結果によりその研磨が不十分であると判断される場合は、当該測定結果に基づいて第1,第2研磨ユニット70A,70Bの研磨条件を変更した後、再度ウエハカセット12A又は12Bのウエハを第1,第2研磨ユニット70A,70Bへ搬送して研磨処理を行うことができる。一方、ウエハカセット12A又は12B内のウエハのうちの数枚のみを最初に研磨し、該研磨したウエハの検査結果に基づいて、残りのウエハの研磨条件を変更・修正することも可能である。
【0108】
通常、一台のウエハカセットは、同一種類のウエハを25枚程収容しており、また、処理に際しては同一種類のウエハを収容するウエハカセットを複数台連続して基板処理装置1に投入する。ここで、上記の測定ユニット30を備えた基板処理装置1によれば、複数のウエハカセットのうち最初のウエハカセットに収容された数枚のウエハの検査結果に基づいて研磨ユニット70A又は70Bの研磨条件を決定することで、2台目以降のウエハカセットに収容されたウエハもそのまま研磨条件を変更・修正せずに連続して処理することができるので、多数のウエハを効率良く処理することができる。また、計測ユニット30により、複数のウエハについて研磨前後の形状等を測定してその比較をすることで、現在処理中のウエハが、すでに処理を終えた先のウエハと同程度に研磨されているかを統計的に判断して、研磨ユニット70A又は70Bの性能管理をすることもできる。
【0109】
以上説明したように、本発明の実施形態にかかる基板処理装置1によれば、第1,第2研磨ユニット70A,70Bによる研磨前及び/又は研磨後のウエハ周縁部の状態を、基板処理装置1の内部に設けた測定ユニット30で測定できるので、従来のように検査や測定のためにウエハを基板処理装置1の外部に搬送する手間が省ける。また、第1,第2研磨ユニット70A,70Bによる研磨処理と並行して研磨対象のウエハの測定を行なうことができる。したがって、基板処理装置1による基板の研磨処理の効率が向上する。
【0110】
また、測定ユニット30は、従来の検査装置と比較して、簡単な構成及び簡易な手順でウエハ周縁部の形状や表面状態を測定することができるので、短時間で正確にウエハ周縁部の測定を行なうことができる。さらに、研磨目的に応じて研磨前及び/又は研磨後のウエハ周縁部の測定を行なうことができるので、研磨対象のウエハの周縁部の状態を把握でき、ウエハ周縁部を所望の形状に仕上げることが容易となる。また、測定ユニット30における測定結果を、第1,第2研磨ユニット70A,70Bの研磨条件に直接反映できるため、第1,第2研磨ユニット70A,70Bの研磨方法に合致した測定ユニット30及び測定方法とすることで、測定結果に基づいて研磨条件を定量的に修正でき、所望の研磨を行なうことができる。
【0111】
上記実施形態では、測定ユニット30が、基板処理装置1(ハウジング3)の内部に設置されている場合を説明したが、本発明にかかる基板処理装置としては、研磨ユニットによって研磨されるウエハの周縁部の形状や表面状態などを測定する測定ユニットを備え、該測定ユニットで測定された研磨対象のウエハの周縁部に関する測定データを研磨条件決定手段に伝えることができ、研磨ユニットでこの測定データに基づいて決定した研磨条件による研磨ができるように構成されていれば、測定ユニットは基板処理装置の内部、外部のいずれに配置されていてもよい。したがって、例えば、測定ユニットが基板処理装置の外部の離れた位置に設置されており、この測定ユニットと基板処理装置の間でウエハをクリーンな状態を保って搬送する搬送手段を備えると共に、測定ユニットによる測定データを基板処理装置のコントローラに伝送する伝送手段を備えたものでもよい。
【0112】
なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【0113】
以上本発明の好ましい実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、半導体ウエハ等の基板の周縁部を研磨する研磨ユニットを備えた基板処理装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1A】図1Aは、ストレート型のウエハの周縁部を示す断面図である。
【図1B】図1Bは、ラウンド型のウエハの周縁部を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成を示す概略平面図である。
【図3】図3は、図2に示す基板処理装置の搬送ロボットの構成を示す概略斜視図である。
【図4A】図4Aは、図2に示す基板処理装置の測定ユニットが備える基板保持回転機構の構成を示す概略斜視図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示す基板保持回転機構の構成を示す概略平面図である。
【図5A】図5Aは、上チャックでウエハを保持する基板保持回転機構の構成を示す概略図である。
【図5B】図5Aは、下チャックでウエハを保持する基板保持回転機構の構成を示す概略図である。
【図6】図6は、図2に示す基板処理装置の測定ユニットの第1の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図7A】図7Aは、図6に示す測定ユニットの平面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの側面図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す測定ユニットが備える移動機構を示す概略側面図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは、図9に示す移動機構が備える第2センサ機構の受光装置を示す図である。
【図11A】図11Aは、測定されたストレート型のウエハの周縁部の断面形状と測定データのグラフを示す断面図である。
【図11B】図11Bは、測定されたラウンド型のウエハの周縁部の断面形状と測定データのグラフを示す断面図である。
【図12】図12は、本発明の第3の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図13】図13は、図12に示す測定ユニットの投光装置から投光された光をCCDカメラで撮影した画像の一例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の第4の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図15A】図15Aは、図14に示す測定ユニットのCCDカメラの設置位置を説明するための概略平面図である。
【図15B】図15Bは、図15Aの概略側面図である。
【図15C】図15Cは、撮影画像上の軌跡を計算の軌跡に変換する手順を説明するための概略図である。
【図16A】図16Aは、本発明の第5の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図16B】図16Bは、図16Aの概略側面図である。
【図17】図17は、本発明の第6の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図18A】図18Aは、図17に示す測定ユニットの投光装置とCCDカメラの設置位置を説明するための概略平面図である。
【図18B】図18Bは、図18Aの概略側面図である。
【図19】図19は、測定ユニットが基板処理装置に設置される例を示す斜視図である。
【図20】図20は、図2に示す基板処理装置の研磨ユニットの構成を示す概略断面図である。
【図21】図21A乃至図21Cは、図20に示す研磨ユニットのベベル研磨ヘッドの動作を説明するための図である。
【図22】図22は、図2に示す基板処理装置の1次洗浄ユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図23】図23は、図2に示す基板処理装置の洗浄機能付きスピン乾燥ユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図24】図24は、第1、第2の処理パターンにおけるウエハの搬送順序を説明するための平面図である。
【図25】図25は、第3の処理パターンにおけるウエハの搬送順序を説明するための平面図である。
【図26】図26は、第4乃至第7の処理パターンにおけるウエハの搬送順序を説明するための図である。
【図27】図27は、研磨対象ウエハの周縁部の研磨条件を決定する処理手順を説明するための断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に係り、特に半導体ウエハ等の基板の周縁部を研磨する研磨ユニットを備えた基板処理装置に関する。本発明はまた、基板処理方法に係り、特に半導体ウエハ等の基板の周縁部を研磨する基板研磨方法に関する。本発明はまた、半導体ウエハ等の基板の周縁部を測定する基板測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの微細化及び高集積化が進むにつれて、パーティクルの管理が重要となる。このパーティクル管理上の問題として、半導体デバイスの製造工程中に半導体ウエハ等の基板の周縁部(ベベル部及びエッジ部)に生じる表面荒れに起因する発塵の問題がある。
【0003】
図1Aおよび図1Bは、ウエハWの周縁部の部分拡大断面図を示す。図1Aは、周縁部の断面が複数の直線部で構成されたいわゆるストレート型のウエハWの周縁部を示し、図1Bは、周縁部の断面が曲線部で構成されたいわゆるラウンド型のウエハWの周縁部を示す。図1Aにおいて、ウエハWのベベル部Bとは、ウエハW外周部の上面及び下面から傾斜した上側傾斜部P及び下側傾斜部Q、及びウエハW外周部の側面部RからなるB部分を指し、また図1Bにおいては、ウエハWのベベル部Bとは、ウエハW外周部の断面が曲率を有する部分を指す。図1Aおよび図1Bにおいて、ウエハのエッジ部とは、ウエハWのベベル部Bの内側の境界と半導体デバイスが形成されるウエハWの上面Dとの間の領域Eの部分を指す。以下ウエハの周縁部というときは上記のベベル部B及びエッジ部Eを含むものとする。
【0004】
従来、ウエハの周縁部の研磨を行う研磨装置(周縁部研磨装置)がある。この研磨装置は、半導体デバイス形成前のウエハの外周形状を整形する用途に使われていたが、近年はそれ以外にも半導体デバイス形成工程でウエハの周縁部に付着し汚染源となる膜の除去に用いられたり、ディープトレンチ形成後にウエハの周縁部に形成される針状突起の剥離などのウエハの周縁部に発生する表面荒れの除去に用いられたりしている。このようにウエハの周縁部の付着物を事前に除去することで、ウエハを保持して移送する移送装置などを介して他のウエハが汚染されることを防止でき、またウエハ周縁部の表面荒れを事前に除去することで、ウエハ周縁部における形成物の剥離による発塵を防止することができる。
【0005】
そして、このウエハの周縁部を研磨する研磨装置(研磨ユニット)と、ウエハの洗浄処理を行う洗浄ユニット、及び乾燥処理を行う乾燥ユニットなど一連の処理を行う各処理ユニットを設けた基板処理装置が実用化され、この基板処理装置でウエハの周縁部の研磨を含む一連の処理プロセスが行われている。その場合、研磨ユニットで周縁部の研磨処理を行ったウエハを次の処理ユニットに投入する前に、ウエハ周縁部の膜などの付着物が除去されているかを検査したり、表面の荒れた状態が平滑化されているかを検査したりする必要がある。このため、CCDカメラ等の画像取得装置でウエハ周縁部の研磨後の画像を取得し、該画像を処理することによりウエハ周縁部を検査する検査装置が開発されている。
【0006】
ところでこの検査装置は、上記のようにウエハ周縁部の欠陥部位の検出を主目的としたものであり、得られる検査結果はウエハ周縁部における欠陥部位の数やその面積等であった。従来の検査装置は、ウエハ周縁部の断面形状やウエハの半径等の形状測定を行なうことはできない。すなわち、研磨ユニットでウエハの形状を測定し、その測定結果に基づいてウエハ周縁部の研磨状態を判断することができない。よって、研磨ユニットの運転管理を行うことはされていなかった。
【0007】
また、従来の検査装置は、CCDカメラ等の画像取得装置と画像処理装置とを用いて高度な画像処理を行うものであるため、装置が高価であり、また画像処理を伴うため検査に要する時間が長くなるという問題があった。
【0008】
従来の検査装置は、上記研磨ユニットを備えた基板処理装置とは独立した別の装置として設けられている。そのため、研磨後のウエハを検査するには、研磨ユニットで研磨されたウエハを基板処理装置から検査装置まで搬送する工程が必要であり、研磨処理の工程が複雑化し処理効率が悪くなるという問題があった。また、検査により研磨ユニットにおけるウエハ周縁部の欠陥除去や汚染除去が不十分であるという結果を得た場合は、ウエハを研磨ユニットへ戻して再度周縁部の研磨をやり直す必要があり、迅速な処理が出来なかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、基板の周縁部を研磨すると共に基板の周縁部を測定することができる基板処理装置を提供することを本発明の第1の目的とする。
基板の周縁部を研磨すると共に基板の周縁部を測定することができる基板処理方法を提供することを本発明の第2の目的とする。
基板の周縁部を最適に研磨することができる基板研磨方法を提供することを本発明の第3の目的とする。
基板の周縁部の形状を簡易かつ正確に測定する基板測定方法を提供することを本発明の第4の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、基板の周縁部を研磨すると共に基板の周縁部を測定することができる基板処理装置を提供する。基板処理装置は、基板の周縁部を研磨する研磨ユニットと、基板を洗浄する洗浄ユニットと、基板を乾燥する乾燥ユニットと、基板の周縁部の測定を行う測定ユニットとを備える。
上記構成により、研磨される基板の周縁部の状態を測定ユニットで測定することができ、基板処理装置で研磨対象の基板の周縁部の状態を把握することが可能となる。
【0011】
上記基板処理装置は更に測定ユニットにおける基板の周縁部の測定結果に基づいて、研磨ユニットの研磨条件を決定する研磨条件決定手段を備えてもよい。この構成により、測定ユニットにおける測定結果を研磨ユニットの研磨条件に直接反映でき、測定結果に基づいて研磨条件を定量的に修正することが可能となる。したがって、研磨ユニットで基板の周縁部の所望の研磨を行なうことができる。
【0012】
上記研磨ユニットは、所定の研磨角度で基板の周縁部を研磨する研磨機構を備え、研磨条件決定ユニットは、測定ユニットにおける基板の周縁部の測定結果に基づいて、研磨ユニットにおいて基板の周縁部が研磨される研磨角度を決定するよう構成されてもよい。この場合、研磨対象の基板に応じた最適な角度で研磨処理を行うことができ、基板の周縁部を短時間で効率良く所望の形状に研磨することができる。
【0013】
上記測定ユニットは、基板の直径を計測する直径計測機構を備えてもよい。この場合、基板処理装置で研磨対象基板の直径を測定し把握することが可能となる。したがって、研磨ユニットで基板を所望の直径に研磨することが容易となり、研磨後の基板の品質を向上させることができる。
【0014】
上記測定ユニットは、基板の周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構を備えてもよい。この場合、基板処理装置で研磨対象基板の周縁部の断面形状を測定し把握することが可能となる。したがって、研磨ユニットで基板の周縁部を所望の形状に研磨することが容易となり、研磨後の基板の品質を向上させることができる。
【0015】
上記測定ユニットは、基板の周縁部の表面状態の測定及び基板の周縁部の欠陥部位の検出を行なう表面状態測定機構を備えてもよい。この場合、基板処理装置で研磨対象基板の周縁部の表面状態の測定及び基板の周縁部の欠陥部位の検出を行なうことが可能となる。したがって、研磨ユニットで目的とする研磨が適切に行なわれているかを検査することができると共に、研磨ユニットの運転管理が容易となり、研磨後の基板の品質を向上させることができる。
【0016】
上記測定ユニットは、基板の周縁部の3次元形状を算出する3次元形状測定機構を備えてもよい。
上記測定ユニットは、基板処理装置の内部に配置されてもよい。この場合、研磨対象の基板を基板処理装置の外部に搬送せずに測定ユニットによる検査や測定をすることができ、基板処理装置における基板研磨の効率が向上する。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、基板の周縁部を研磨すると共に基板の周縁部を測定することができる基板処理装置を提供する。研磨ユニットで、基板の周縁部を研磨して該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、洗浄ユニットで研磨した基板を洗浄し、乾燥ユニットで、洗浄した基板を乾燥し、測定ユニットで、研磨前及び/又は乾燥後の基板の周縁部の測定を行なう。
上記方法により、基板処理装置で、研磨対象の基板の周縁部の測定をしてその状態を把握することが可能となる。また、測定ユニットによる測定結果を研磨ユニットによる研磨条件に反映することも可能となり、基板の周縁部の所望の研磨を行なうことが可能となる。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、基板の周縁部を最適に研磨することができる基板処理方法を提供する。研磨ユニットで、基板の周縁部の研磨を行い、測定ユニットで、研磨前及び/又は研磨後の基板の周縁部の測定を行なう。
上記方法により、研磨前及び/又は研磨後の研磨対象の基板の周縁部の状態を把握することができる。また、測定ユニットによる測定結果を研磨ユニットによる研磨条件に反映することも可能となり、基板の周縁部に所望の研磨処理をすることができる。
【0019】
測定結果に基づいて、研磨条件を決定してもよい。この場合、研磨前の基板の周縁部の形状に基づく最適な研磨条件で研磨を行なうことができ、研磨後の基板の周縁部を所望の形状・状態に仕上げることが可能となる。さらに研磨前の基板の形状にバラツキがある場合でも、基板ごとに最適な研磨条件を決定して研磨を行なうことで、研磨後の基板の形状を統一することが可能となり、研磨後の基板の品質を向上させることができる。
【0020】
本発明の第4の態様によれば、簡易且つ正確に基板の周縁部の形状を測定することができる基板処理方法を提供する。第1の測定位置で基板の周縁部の第1の厚さ寸法を計測し、第2の測定位置で基板の周縁部の第2の厚さ寸法を計測し、第1の測定位置と第2の測定位置との間の距離を計測する。第1の厚さ寸法、第2の厚さ寸法および第1の測定位置と第2の測定位置との間の距離から基板の周縁部の断面形状を算出する。
上記方法により、画像処理などの複雑な工程を伴わずに、簡単な手順で効率良く且つ正確に基板の周縁部の断面形状を測定することが可能となる。
【0021】
本発明の第5の態様によれば、簡易且つ正確に基板の周縁部の形状を測定することができる基板処理方法を提供する。基板の周縁部に線状の光を照射して該周縁部の表面に線状の光の軌跡を形成し、線状の光の軌跡に対して直交及び平行しない所定位置に設置した画像取得装置で、線状の光の軌跡の画像を取得し、画像取得装置を設置した位置の座標を基に線状の光の軌跡の位置の座標を演算処理することで、基板の周縁部の断面形状を座標化したデータを算出する。
上記方法により、画像処理などの複雑な工程を伴わずに、簡単な手順で効率良く且つ正確に基板の周縁部の断面形状を測定することが可能となる。
【0022】
本発明の第6の態様によれば、簡易且つ正確に基板の周縁部の形状を測定することができる基板処理方法を提供する。第1の研磨ユニットで第1の基板の周縁部を、および第2の研磨ユニットで第2の基板の周縁部をそれぞれ平行して研磨して、第1と第2の基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行う。第1と第2の基板は研磨後洗浄ユニットで洗浄され、第1と第2の基板は洗浄後乾燥ユニットで乾燥される。測定ユニットで、前記研磨前及び/又は前記乾燥後基板の周縁部の測定を行なう。
【0023】
上記方法により、各研磨ユニットで並行してそれぞれ別の基板を研磨して第1および第2の基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行うので、複数の基板を同時に研磨して基板処理装置における単位時間当たりの基板の処理数を多くでき、基板処理装置のスループットを向上させることができる。また、測定ユニットで、研磨前及び/又は乾燥後の各基板の周縁部の測定を行なうので、基板の周縁部の状態を把握することができ、この測定結果を研磨ユニットによる研磨条件に反映することも可能となり、基板の周縁部の所望の研磨を行なうことが可能となる。
【0024】
本発明の第7の態様によれば、簡易且つ正確に基板の周縁部の形状を測定することができる基板処理方法を提供する。第1の研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、第2の研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して第1の研磨ユニットにおける研磨後の該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行う。研磨後に洗浄ユニットで基板を洗浄し、洗浄後に乾燥ユニットで基板を乾燥し、測定ユニットで、研磨前及び/又は乾燥後の基板の周縁部の測定を行なう。
【0025】
上記方法により、各研磨ユニットで同一の基板を順に研磨して、該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行うので、例えば、各研磨ユニットでそれぞれ粗研磨処理と仕上げ研磨処理を分担して行うなど、各研磨ユニットを研磨目的に応じて使い分けて研磨することができるので、研磨対象の基板を目的とする形状等に効率良く仕上げることができる。また、測定ユニットで、研磨前及び/又は乾燥後の各基板の周縁部の測定を行なうので、研磨対象の基板の周縁部の状態を把握することができ、この測定結果を研磨ユニットによる研磨条件に反映することも可能となり、基板の周縁部の所望の研磨を行なうことが可能となる。
本発明の上述した、およびその他の目的、特徴、効果は、添付した図面を参照して以下に説明する好ましい実施形態の例によって明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態にかかる基板処理装置を図2乃至27に基づいて詳細に説明する。図面を通して同一または相当する構成要素には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図2は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の全体構成を示す概略平面図である。図2に示す基板処理装置1は、ウエハ供給回収装置11A,11Bを設置したロードアンロードポート10と、ウエハ周縁部の形状等の測定を行う測定ユニット30と、主にロードアンロードポート10と測定ユニット30及び下記の2次洗浄・乾燥ユニット110の間でウエハを搬送する第1搬送ロボット20Aと、ウエハ周縁部の研磨を行う第1研磨ユニット70A及び第2研磨ユニット70Bと、研磨後のウエハの洗浄を行う1次洗浄ユニット100と、1次洗浄されたウエハの2次洗浄及び乾燥を行う2次洗浄・乾燥ユニット110と、主に第1、第2研磨ユニット70A,70Bと1次洗浄ユニット100と2次洗浄・乾燥ユニット110の各ユニット間でウエハを搬送する第2搬送ロボット20Bを備えて構成されている。また、測定ユニット30によるウエハの測定結果に基づいて、第1、第2研磨ユニット70A,70Bにおける研磨条件を決定する研磨条件決定手段(図示せず)を備えている。研磨条件決定手段は、具体的にはコントローラの一部であり、ウエハ周縁部の測定結果に基づいてその研磨条件を算出する計算手段である。なおここでは、基板処理装置1内に設置された処理装置の組立体(モジュール)をユニットと称す。以下、基板処理装置1が備える各ユニットの構成、及び各ユニットにおける処理工程を詳細に説明する。
【0027】
基板処理装置1の各ユニットは、クリーンルーム2に設置されたハウジング3内に収納配置されており、クリーンルーム2の内部空間と基板処理装置1の内部空間がハウジング3の壁面によって区画されている。そして、ハウジング3の上部に設けたフィルター(図示せず)からハウジング3内部に清浄な空気が導入されると共に、ハウジング3の下部に設けた排気部(図示せず)から空気が基板処理装置1の外部へ排出されるようになっており、ハウジング3内に清浄空気のダウンフローが形成されるようになっている。これにより基板処理装置1内の気流が基板処理に最適な状態に調節されている。さらにハウジング3内に設置された各ユニットもそれぞれ筐体内に収納配置されており、各ユニットの筐体内の気流も基板処理に最適な状態に調節されている。
【0028】
ロードアンロードポート10は、第1搬送ロボット20Aに隣接する側壁3aの外側に設置されている。このロードアンロードポート10には、ウエハ供給回収装置11A,11Bが2台並列に設置されている。例えば、ウエハ供給回収装置11A,11Bはそれぞれ、ウエハを基板処理装置へ供給し、ウエハを基板処理装置から回収するFOUP(Front Opening Unified Pod)を備えている。そして複数のウエハを収容したウエハカセット(ウエハキャリア)12A又は12Bが、ウエハ供給回収装置11A,11Bのいずれかに搭載されると、ウエハカセット12A又は12Bの蓋が自動的に開くと共に側壁3aに設けた開閉窓(図示せず)が開くことで、ウエハカセット12A又は12Bに収容されているウエハを第1搬送ロボット20Aで取り出して基板処理装置1内へ搬入することができる状態になる。
【0029】
ロードアンロードポート10にはウエハ供給回収装置11A,11Bが2台並列に設置されているので、これら2台のウエハ供給回収装置11A,11Bから並行してウエハを搬入搬出することができ、基板処理装置1の稼働率を向上させることができる。即ち、一方のウエハ供給回収装置11A又は11Bに搭載した第1のウエハカセット12A又は12Bの未処理のウエハを搬入した後、続けて他方のウエハ供給回収装置11A又は11Bに搭載した第2のウエハカセット12A又は12Bの未処理のウエハを搬入し、その間に、基板処理装置1によって所望の処理が終了した処理済のウエハを回収した先のウエハカセット12A又は12Bを交換することで、基板処理装置1に連続して未処理のウエハを搬入し続けることが可能となる。
【0030】
第1、第2搬送ロボット20A,20Bの構成を説明する。ここでは第1、第2搬送ロボット20A,20Bに共通の構成として、図3に示す搬送ロボット20を説明する。搬送ロボット20は、回転自在に設置された基台21の上面に同一構成の2つのハンドリング機構24a,24bを設置したいわゆるダブルハンドの構成である。ハンドリング機構24a,24bは、伸縮可能なアーム機構22a,22bの先端部にウエハWを保持するハンド23a,23bを取り付けてなり、各々のハンド23a,23bは所定間隔で上下に配置されている。基台21の回転動作及びアーム機構22a,22bの伸縮動作により、各々のハンド23a,23bが目標位置へ向けて自由に移動することで、ウエハWを所定位置に搬送するようになっている。また上側のハンド23aは、処理前及び処理後のドライな状態のウエハWを搬送するドライハンドとして使用し、下側のハンド23aは、第1、第2研磨ユニット70A,70Bや1次洗浄ユニット100から搬出される処理中のウエットな状態のウエハWを搬送するウエットハンドとして使用するようにし、ハンド23a,23bを使い分けることで処理前後の清浄なウエハWの汚染を防止することができる。なお、搬送ロボット20は、ハンドリング機構24を1つだけ設けたいわゆるシングルハンドの構成とすることも可能である。
【0031】
測定ユニット30の構成を説明する。測定ユニット30は図4で示す基板保持回転機構61を備える。図4Aは基板保持回転機構61の概略斜視図、図4Bはその概略平面図である。基板保持回転機構61は、測定ユニット30における測定時にウエハWを保持し回転させる機構で、図4Aおよび図4Bに示すようにウエハW外周部を把持する複数の爪部62aを備えた上段チャック(上段スピンチャック)62と,同じく複数の爪部63aを備えた下段チャック(下段スピンチャック)63を2段に設けている。上段チャック62と下段チャック63は同軸状に設置され、いずれも回転軸64周りに回転するようになっている。上段、下段チャック62,63の爪部62a,63aはいずれも所定間隔で4本ずつ設けられており、図4Bに示すように上段、下段チャック62,63は上方から見て各々の爪部62a,63aが互いに所定角度ずれた状態で上下に重ならないように設置されている。また、下段チャック63は、上段チャック62に対して上下方向に移動可能に取付けられている。上段チャック62及び下段チャック63を回転させる回転駆動機構(図示せず)、及びその一定速度での回転や角度を割り出しするインデックス機構が設けられている。
【0032】
図5Aおよび図5Bを用いて基板保持回転機構61の動作を説明する。通常は、図5Aに示すように上段チャック62が測定対象ウエハWを保持し回転することでウエハWの測定を行うが、上段チャック62の回転により爪部62aがウエハW周縁部の測定位置に重なる場合、その手前で、図5Bに示すように下段チャック63が上昇してウエハWを保持し、上段チャック62の爪部62aのウエハWに対する係合が外れるようになっている。その状態で上段チャック62及び下段チャック63が所定の角度回転することで、上段チャック62の爪部62aがウエハWの測定位置に重なることを回避することができる。そして上段チャック62の爪部62aがウエハWの測定位置を通過した後、下段チャック63を下降させることで再度上段チャック62によってウエハWを保持することができる。このように動作することで、上段チャック62の爪部62aがウエハWの測定位置に重なることを防ぎ、ウエハW周縁部の全周の測定を行うことを可能としている。なお、以下で説明する各測定ユニットは、いずれもこの基板保持回転機構61を備えている。
【0033】
測定装置の第1の実施形態を説明する。図6は測定ユニットの第1の実施形態である測定ユニット30−1を示す概略斜視図である。また図7Aは、測定ユニット30−1の概略平面図であり、図7Bは、同図AのVII方向矢視図である。なお、図6、図7Aおよび図7Bでは簡潔性のため基板保持回転機構61の図示を省略している。以下の他の測定ユニットの図においても同様に基板保持回転機構61の図示を省略する。この測定ユニット30−1は、ウエハWの外径寸法(直径)を計測する直径計測機構を備えたもので、ウエハ側面(ベベル部側面)の研磨量を計測するものである。この測定ユニット30−1は、基板保持回転機構61と、該基板保持回転機構61で保持されたウエハWの周縁部の所定位置の上下に設置した一対の投光装置32及び受光装置33からなる投光装置32はレーザー光を投光する装置である。
【0034】
本実施形態では測定ユニット30−1に2組のセンサ機構31,31が設置されており、各組のセンサ機構31,31は基板保持回転機構61に保持されたウエハWの中心線上の対角位置にそれぞれ設置されている。各センサ機構31,31には、受光装置33,33で受光したレーザー光の光量を数値化して処理するデータ処理装置(図示せず)が接続されている。なお、受光装置33,33をウエハWの上側に設置し、投光装置32,32をウエハWの下側に設置してもよい。
【0035】
センサ機構31,31は、図7Bに示すように、投光装置32,32からウエハW周縁部に向けて下向きに所定の幅寸法を持つ線状(面状)のレーザー光34,34を投光する。そしてこのレーザー光34が、ウエハW周縁部をウエハWの半径方向に横断しその一部がウエハW周縁部の上面で遮断される。従って、レーザー光34,34のうちウエハWによって遮断されずに外側を通過するものだけが受光装置33,33で受光される。この受光量をデータ処理装置で数値化することで、ウエハWの外周部を通過したレーザー光34,34の幅寸法、即ち図7Bに示すD1,D2の寸法が計測される。測定対象ウエハの直径を求めるには、予め直径が分かっている基準ウエハ(図示せず)を用意しこれを測定ユニット30−1によって計測することで、その場合のD1,D2の寸法を計測しておき、この基準ウエハにおけるD1,D2の寸法と測定対象ウエハにおけるD1,D2の寸法の差と、基準ウエハの直径とから測定対象ウエハの直径DWを算出する。
【0036】
さらに、基板保持回転機構61の上チャック62及び下チャック63の回転角度を割り出ししてウエハW周縁部の複数箇所の直径を測定することで、ウエハW全周での研磨量のばらつきなど、1点のみの計測では得られない情報を得ることができる。また、基板保持回転機構61を回転させた状態で連続的にウエハの直径を計測することもできる。この方法によれば、直径の計測データを連続データとして得ることができるので、ウエハの真円度を算出することができる。
【0037】
測定ユニットの第2の実施形態を説明する。図8は、第2の実施形態による測定ユニット30−2を示す概略斜視図である。図8に示す測定ユニット30−2は、ウエハ周縁部の断面形状(ウエハの径方向に沿った断面形状)を測定する断面形状測定機構を備えたもので、測定した周縁部の断面形状から、研磨ユニット70A,70Bにおけるベベル部の上側傾斜部P、下側傾斜部Q、側面部R(図1A参照)それぞれの研磨量や、ウエハW周縁部の研磨前後の形状・寸法の変化等を判断することができる。
【0038】
測定ユニット30−2は、基板保持回転機構61と、第1センサ機構(第1レーザーセンサ)35と、第2センサ機構(第2レーザーセンサ)38を備えている。第1センサ機構は一対の投光装置36及び受光装置37からなり、受光装置36は該基板保持回転機構61で保持されたウエハWの周縁部の上方に設置されている。受光装置37はウエハWの周縁部の下方に設置されている。第2センサ機構はウエハWの周縁部を挟むようにウエハWの側面の接線方向に設置した一対の投光装置39及び受光装置40からなる。第1センサ機構35は、図6に示すセンサ機構31と同一の構成及び機能を備えたもので、投光装置36から投光されたレーザー光41のうちウエハWの外周部を通過した部分の幅寸法を測定するものである。一方、第2センサ機構38は、投光装置39から投光されたレーザー光42がウエハ面(ここでは、ウエハの上面及び下面と平行な面を指す。以下同じ)と平行な方向に走査しウエハWの周縁部に側方から照射され、その一部がウエハW周縁部によって遮断されるように配置されている。この第2センサ機構38は、ウエハW周縁部の断面の厚さ寸法を測定するものである。
【0039】
第1、第2センサ機構35,38は移動機構43に取付けられており、該移動機構43によって基板保持回転機構61に保持されたウエハWの中心部に向かう方向にスライド移動する。図9は、移動機構43に取付けられた第1、第2センサ機構35,38を示す概略側面図であり、一部断面図である。移動機構43は、図8及び図9に示すように移動定盤44の上面に第1、第2センサ機構35,38が取付けられ、移動定盤44は、固定定盤45の上面にリニアガイド46を介してスライド移動可能に設置されている。第1センサ機構35は、支柱47aの側面に取付けられ該支柱47aを介して移動定盤44に固定され、第2センサ機構38は支持台47bを介して移動定盤44に固定されている。第1、第2センサ機構35,38はそれぞれの投光装置36,39と受光装置37,40の位置が正確に調節されて設置されており、ウエハW周縁部の測定位置に正確にレーザー光41,42を照射できるようになっている。
【0040】
リニアガイド46は、移動定盤44がウエハWに対して近接及び離間する方向に直線移動するように設置されている。また図9に示すように、固定定盤45の下面にサーボモータ48が固着され、該サーボモータ48の回転軸48aがカップリング49を介してボールネジ50に接続されている。一方、移動定盤44の下面に固定された連結板51が固定定盤45の貫通孔45aを貫通してその下面側に突出し、該連結板51とボールネジ50が接続固定されている。従って、サーボモータ48を所定角度回転させることにより、該回転がボールネジ50を介して連結板51の直線移動に変換され、移動定盤44がリニアガイド46に沿った方向に所定量直線移動するようになっている。
【0041】
この測定ユニット30−2でウエハW周縁部の形状測定を行う手順を説明する。図10Aおよび図10Bは、第2センサ機構38の受光装置40を投光装置39側から見た図で、投光装置39から投光されたレーザー光42の一部がウエハW周縁部で遮断されて受光される状態を示す図である。まず、第1、第2センサ機構35,38が所定位置に設置された状態で、第2センサ機構38により、図10Aに示すようにレーザー光42がウエハW周縁部の側面(断面)によって遮断される幅寸法A1(周縁部の厚さ寸法)を計測する。またその位置で、第1センサ機構35の投光装置36から投光されたレーザー光41のうち受光装置37によって受光されるレーザー光41の幅寸法D1を測定する。この幅寸法D1を用いて、第1、第2センサ機構35,38から所定距離LだけウエハWの内側に入った基準点X0からウエハWの外周面までの距離寸法X1を算出し、第1、第2センサ機構35,38のウエハWに対する相対位置を求める。
【0042】
次に、移動機構43によって第1、第2センサ機構35,38を微小量だけウエハWの中心方向に移動させる。その位置において、図10Bに示すように、上記と同様の手順でウエハW周縁部の厚さ寸法A2、及び基準点X0からウエハWの外周面までの距離寸法X2を計測する。その後、第1、第2センサ機構35,38をさらに微小量ずつウエハWの中心方向に移動させて、周縁部の複数箇所における厚さ寸法Anと、基準点からウエハWの外周面までの距離寸法Xnとを計測する。こうしてウエハW周縁部の径方向における厚さ寸法の分布を得ることができる。
【0043】
図11Aおよび図11Bは、ウエハWの周縁部の断面図と測定データのグラフを示す図で、図11Aはストレート型のウエハWの場合を示し、図11Bはラウンド型のウエハWの場合を示す。図11Aおよび図11Bに併記したグラフは、ウエハWの各測定点の位置(ウエハWと第1、第2センサ機構35,38の相対位置)Xnを横軸とし、測定点におけるウエハWの厚さ寸法An(1/2An)を縦軸として、測定値をプロットしたものである。図11Aおよび図11Bに示すように測定値のプロットを推定線で結ぶことで、該推定線によって描かれる線図が実際のウエハWの周縁部の断面形状を模した図となる。なお、ウエハW周縁部の厚さ寸法を計測することでその断面形状を測定するため、測定するウエハWの周縁部の形状がウエハWの厚さ方向に対称であることが必要だが、一般にウエハの周縁部の形状は中心面に対して厚さ方向で略対称な形状に形成されており、周縁部の厚さ寸法を測定してこの測定値をプロットすれば、周縁部の断面形状を表現することができる。また、低速で第1、第2センサ機構35,38をウエハWの中心方向に移動させながら計測することにより、ウエハWの周縁部の複数箇所における厚さ寸法Anと、基準点からウエハWの外周面までの距離寸法Xnを連続データとして測定して、ウエハWの周縁部の断面形状を抽出することも可能である。
【0044】
また、測定ユニット30−2において、移動機構43に高分解能のサーボモータ48とバックラッシュの極めて少ない精密ボールネジ50を設置すれば、サーボモータ48の回転角度を位置換算することで、第1、第2センサ機構35,38とウエハWの相対位置を算出することができる。これによれば、上記手順の第1センサ機構35による計測を行なわずにウエハW周縁部の断面形状を測定することができる。従って、その場合は第1センサ機構35を省略することが可能である。
【0045】
なお、本実施形態においては、第1、第2センサ機構35,38をウエハWの中心部に向かって移動させるように構成したが、第1、第2センサ機構35,38を固定して、基板保持回転機構61を第1、第2センサ機構35,38の方向に移動させる移動機構(図示せず)を設置することによって、ウエハを第1、第2センサ機構35,38の方向に移動させて測定を行なうようにすることも可能である。
【0046】
測定ユニットの第3の実施形態を説明する。図12は第3の実施形態による測定ユニット30−3を示す概略斜視図である。図12に示す測定ユニット30−3は、ウエハW周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構を備えたもので、基板保持回転機構61と、基板保持回転機構61に保持されたウエハWの周縁部の所定位置に向かってウエハW側面の接線方向に光を投光する投光装置52と、ウエハの周縁部を挟んで投光装置52と反対側に設置された画像取得装置であるCCDカメラ53を具備している。投光装置52は、CCDカメラ53で撮像可能な光54を投光する装置で、この光54としては、例えばLED光や赤外線等がある。また、CCDカメラ53には、画像処理装置(図示せず)が接続されている。この測定ユニット30−3は、投光装置52から投光された光54の一部がウエハW周縁部の側面で遮光されることを用いて、この一部が遮光された光54を画像情報として取得し、ウエハW周縁部の断面形状を測定するものである。
【0047】
図13は、投光装置52から投光された光54をCCDカメラ53で撮影した画像の一例を示す図である。図13に示すように、投光された光54にはウエハW周縁部の断面形状Sが投影される。この光54を撮影した撮影画像を用いて画像処理装置でエッジ抽出を行なうことにより、光54の背景とウエハW周縁部の断面の投影Sとの境界線Uの座標データを取得してこれを数値化する。数値化されたデータを演算処理することで、ウエハW周縁部の断面Sにおける側面部Rの長さ寸法L1、上側傾斜部Pのウエハ面に対する傾斜角度φ、上側傾斜部P及び下側傾斜部Qの水平距離寸法L2、上側傾斜部P及び下側傾斜部Qと側面部Rとの境界部の曲率ρ1,ρ2等を計測することができる。
【0048】
CCDカメラ53の撮影画像は2次元画像であるが、撮影画像のエッジ抽出を行うことで、その際に数値化したデータだけを演算処理すればよく、複雑な画像処理を伴わずに数値データのみを用いて処理することが可能となる。従って、演算処理が簡単になり、使用する機器の構成も簡易なもので足りる。また、撮影画像自体をデータとして保存する必要がなく、画像データ保存のための大容量記憶手段等を設ける必要もない。通常、画像撮影はウエハW周縁部の1箇所で行うが、必要に応じて基板保持回転機構61でウエハWを回転させて周縁部の複数箇所を撮影して測定を行なうことも可能である。このように複数箇所の測定をすれば、ウエハW全周に亘って周縁部が均一に研磨されているかを判断することができる。
【0049】
測定ユニットの第4の実施形態を説明する。図14は第4の実施形態による測定ユニット30−4を示す概略斜視図である。図14に示す測定ユニット30−4は、ウエハW周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構を備えたもので、基板保持回転機構61と、該基板保持回転機構61に保持されたウエハWの周縁部の所定位置の上方に設置された投光装置(レーザー投光装置)55と、ウエハW周縁部の上方に設置された画像取得装置であるCCDカメラ56を備えて構成されている。またCCDカメラ56には画像処理装置(図示せず)及び演算処理装置(図示せず)が接続されている。投光装置55は、水平に保持されたウエハWの周縁部に向かってウエハWの径方向にレーザー光57を照射する。レーザー光57は、線状または面状であり、照射された箇所でウエハW周縁部の断面形状に沿う線状の軌跡58を作り出す。一方、CCDカメラ56は、レーザー光57の面に対して図示する位置から所定角度傾いたδ軸を軸心とする位置に設置され、そこから軌跡58を撮影するようになっている。
【0050】
図15A及び15Bは、投光装置55とCCDカメラ56の設置位置を説明するための図で、図15Aは投光装置55とCCDカメラ56の設置状態を示す概略平面図で、図15Bはその概略側面図である。図15Aに示すように、線状のレーザー光57はウエハWの径方向のα軸に沿って照射されており、このα軸とは直交及び平行しないδ軸を軸心とする向きにCCDカメラ56が設置されている。このδ軸は、α軸に対してθだけ傾いたβ軸に直交する向きになっている。また図15Bに示すように、δ軸の向きは鉛直下向きのZs軸と直交及び平行せず、Zs軸に対して所定の傾きを持つ向きになっている。
【0051】
CCDカメラ56で軌跡58を撮影し、撮影画像を画像処理装置によって処理することで、撮影画像上の軌跡の座標を数値化する。さらにこの撮影画像上の軌跡の座標と、CCDカメラ56の設置軸δに直交する面(Z−β平面)に対するレーザー光の面(Z−α平面)の傾斜角度θとを用いて、処理ユニットによって演算処理(例えば、回転演算処理)を行うことで、元の軌跡58の座標を算出する。即ち、図15Cに示すように、撮影画像内のレーザー光の軌跡であるZ−α平面上の軌跡58´の座標をθ回転させることで、Z−β平面上に回転投影させる。この演算処理によりZ−β平面上に得られた軌跡58の座標が、実際のウエハWの周縁部に形成された光の軌跡58の座標データ、即ち、ウエハWの周縁部の断面形状の座標データとなる。
【0052】
測定ユニットの第5の実施形態を説明する。図16Aは第5の実施形態による測定ユニット30−5の構成を示す概略平面図であり、図16Bはその概略側面図である。図16Aおよび図16Bに示す測定ユニット30−5は、ウエハWの周縁部の表面状態の測定及び欠陥部位の検知を行なう表面状態測定機構を備えたもので、基板保持回転機構61と、ウエハWの周縁部の表面状態の測定及び欠陥部位の検知を行なう周縁部測定装置59と、ウエハWのノッチ部の表面状態の測定及び欠陥部位の検知を行なうノッチ測定装置60と、周縁部測定装置59及びノッチ測定装置60で撮影された画像を処理する画像処理装置(図示せず)、及び該画像処理装置で得られたデータを処理する処理ユニット(図示せず)を備えている。周縁部測定装置59は該基板保持回転機構61に保持されたウエハWの周縁部の画像を撮影し、ノッチ測定装置60はウエハWのノッチ部の画像を撮影する。
【0053】
周縁部測定装置59は、ウエハWの周縁部に光を照射する照明装置59aと、ウエハW周縁部からの反射光を撮像する複数の撮像カメラ59bを備えている。撮像カメラ59bは、図16Bに示すようにウエハ周縁部の厚さ方向の異なる位置に配置され、複数角度からウエハW周縁部の反射光を撮影するようになっている。また、ノッチ測定装置60は、ウエハWのノッチNに光を照射する照明装置60aと、該ノッチNからの反射光を撮像する複数の撮像カメラ60bを備えている。複数の撮像カメラ60bは、照明装置60aからの光がノッチNで反射した反射光の明視野範囲に位置するように配置されると共に、ノッチNの厚さ方向及び幅方向の異なる部位からの反射光を撮像するように、各々その位置をずらして設置されている。
【0054】
測定ユニット30−5でウエハW周縁部は次のように測定される。まず基板保持回転機構61を回転させて、ノッチ測定装置60の測定位置にウエハWのノッチNを移動させる。この状態で、撮像カメラ60bでノッチNからの反射光の画像を撮像する。この画像は、画像処理装置で処理され、さらに処理ユニットで該画像中の反射光の強度が解析される。これによりノッチNの表面状態の測定が行なわれ、ノッチNの表面に欠陥がある場合はこれを検知することができる。また、ウエハW周縁部の測定を行なうには、基板保持回転機構61でウエハを回転させた状態で、撮像カメラ59bでウエハW周縁部からの反射光の画像を連続して撮像する。この画像は、画像処理装置で処理され、さらに処理ユニットで撮影された画像中の反射光の強度を解析することで、ウエハW周縁部の表面状態を測定すると共に欠陥部位の検知を行なう。これにより、研磨後のウエハW周縁部に汚染や針状突起などが残存している場合にこれを検知することができる。
【0055】
以上説明したように、測定ユニットの実施形態として、ウエハの直径を測定する直径測定機構、ウエハ周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構、ウエハ周縁部の表面状態の測定及び欠陥部位の検知を行なう表面状態測定機構を備えた測定ユニットを説明した。これら各測定ユニットが備える機構は、適宜組み合わせて一台の測定ユニットに組み込むことも可能であり、また最も簡易な測定ユニットとしては、例えば直径測定機構のみを備えた測定ユニットとすることが可能である。
【0056】
測定ユニットの第6の実施形態を説明する。
図17は第6の実施形態による測定ユニット30−6を示す概略斜視図である。図17に示す測定ユニット30−6は、ウエハWのノッチNの三次元形状を測定する三次元形状測定機構を備えたもので、基板保持回転機構61と、該基板保持回転機構61に保持されたウエハWのノッチNの所定位置の上方に配置された投光装置(レーザー投光装置)155と、ウエハWのノッチNの上方に配置された画像取得装置であるCCDカメラ156を備えて構成されている。また、CCDカメラ156および投光装置155には画像処理装置(図示せず)および処理ユニット(図示せず)が接続されている。
【0057】
基板保持回転機構61はウエハWのノッチNを検出するノッチ検出機構(図示せず)を備え、ノッチ検出機構は基板保持回転機構61に保持されたウエハWのノッチNを検出する。そして、CCDカメラ156および投光装置155で計測する位置にウエハWのノッチNの位置が整合するように、ウエハWは基板保持回転機構61により回転される。ノッチ検出機構は周知の機構でよく、その詳細説明は省略する。
【0058】
CCDカメラ156および投光装置155はノッチNの位置に対して斜め上方位置に配置されている。投光装置155は水平に保持されたウエハWのノッチN部に線状のレーザー光157を照射する。レーザー光157はウエハ上に照射された箇所でウエハWのノッチNおよびその近傍に線状の軌跡を作り出す。投光装置155はレーザー光157を方向158に走査するようになっており、図17に示すように、レーザー光157はノッチNの近傍の開始ライン159aから開始ライン159aに対しノッチNの反対側にある終了ライン159bの範囲に照射される。投光装置155は光源、レンズ、スリット、ガルバノミラーなど光学構成要素からなり、線状の平行光157を照射し且つ平行光157と垂直な方向に該光157を走査することが可能になっている。
【0059】
図18Aおよび図18Bは投光装置155とCCDカメラ156の配置位置を説明するための図で、図18Aは投光装置155とCCDカメラ156の配置を示す概略平面図で、図18Bは図18Aの概略側面図である。図18Aに示すように、ウエハ中心からノッチNを通るウエハWの径方向に延びているα軸に対して、ノッチNを通り角度θだけ傾いたδ軸上にCCDカメラ156が配置されている。同様にα軸に対して、ノッチNを通り角度ζだけ傾いたγ軸上に投光装置155が配置されている。また、図18Bに示すように、δ軸およびγ軸はウエハWの水平面に対して垂直なZs軸に対して角度εだけ傾いて配置されている。
【0060】
前記測定ユニット30−6が投光装置155とCCDカメラ156をそれぞれ一台ずつ備える場合、ウエハ厚さ方向の中心からウエハWの上半分のデータを取得できるが、ウエハWの下半分はレーザー照射およびCCDカメラ156での撮影領域に入らない。よって、ウエハWの下半分のデータが必要であれば、ウエハ厚さ方向の中心に対して対称にさらに投光装置155とCCDカメラ156を配置してもよい。その場合、ウエハWの上半分のデータに加えて下面側のデータを取得することができる。そしてこれらのデータを演算処理によって結合させて1つの三次元データにすることが可能である。もしくは、前記測定ユニット30−6にウエハWを投光装置155とCCDカメラ156に対して傾かせる機構を追加してもよい。
【0061】
投光装置155から照射されたレーザー光157がノッチNの近傍に走査されている状態をCCDカメラ156で撮影しビデオ画像として取得する。CCDカメラに接続された画像処理装置によりレーザー光157の明るさの変化から照射光157の軌跡を認識し、処理ユニットにより該軌跡をノッチNの位置、投光装置155とCCDカメラ156の三次元配置、およびレーザー157の走査速度に基づいて、ノッチの形状の三次元データに置き換える。この処理によりノッチNの形状を非接触で三次元データとして計測することができる。三次元計測方法としてこのような画像処理、演算処理に各種の手法が実用されており、例えば三角測量式、光切断式などの方法を採用することができる。
【0062】
三次元計測データは研磨ユニットの研磨条件を決定するため手段として利用することができる。例えば、三次元計測データをノッチ部の所望の断面形状やウエハW上面から見た平面形状などの二次元データに変換し、研磨の角度を自動的に算出したり、研磨前後のノッチの三次元形状を計測することによりノッチNの研磨量を算出することもできる。
【0063】
本実施例において、ノッチNの三次元形状を計測する場合を示したが、同じ機構構成、手法によりノッチNではないウエハWの周縁部の三次元形状を計測することも可能であり、同様に三次元計測データを研磨ユニットの研磨条件を決定するための手段として利用することができる。
【0064】
図19は、上記の実施形態の測定ユニット30を基板処理装置1に設置する設置例を示す図である。図19では図示の都合上、測定ユニット30として基板保持回転機構61のみを示している。測定ユニット30は単独で設置することができるほか、図19に示すように測定ユニット30の上部にウエハWを載置するウエハステージ65を設けることができる。即ち、測定ユニット30は筐体66内に配置され、該筐体66の上面66aにウエハステージ65が設置されている。このウエハステージ65は、ウエハWの外周部を載置する複数の載置ピン65aを具備し、第1搬送ロボット20Aのハンドによって搬送されるウエハWを一時的に仮置きして第2搬送ロボット20Bのハンドに受け渡す仮のステージとして使用したり、測定ユニット30が先のウエハWで占有されている場合に、後のウエハWを待機させる待機台として使用することができる。一方、筐体66の側壁66bには扉状のシャッター67が設けられている。該シャッター67を開くことで、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bに保持されたウエハを筐体66内に搬入し、測定ユニット30の基板保持回転機構61に載置して測定を行うことができる。筐体66のシャッター67を設けた側壁66bと反対側の側壁にも図示しないシャッターが設けられており、一方のシャッターから第1搬送ロボット20Aがアクセスし、他方のシャッターから第2搬送ロボット20Bがアクセスできるようになっている。
【0065】
このように測定ユニット30の上部にウエハステージ65を設置することにより、第1、第2搬送ロボット20A,20Bがアプローチ範囲を共有するスペースに測定ユニット30とウエハステージ65を併設することができ、基板処理装置1内のスペースを節約することができる。また、下記の基板処理装置1の処理パターンの説明で述べるように、ウエハを効率良く最適な搬送ルートで搬送することが可能となり、基板処理装置1のスループットを向上させることができる。
【0066】
次に、第1研磨ユニット70A及び第2研磨ユニット70Bの構成を説明する。第1、第2研磨ユニット70A,70Bは互いに共通の構成であるため、以下ではこれらに共通の構成として図20に示す研磨ユニット70を説明する。図20は研磨ユニット70の概略側断面図である。図20に示すように研磨ユニット70は、各構成部が筐体71内に収納配置されており、ウエハWの裏面を真空吸着して保持する基板保持回転部72と、ウエハWのセンタリング及び受渡しを行う基板受渡機構80と、ウエハWのベベル部の研磨を行なうベベル研磨部83と、ウエハWのノッチ部の研磨を行うノッチ研磨部90とを備えている。
【0067】
基板保持回転部72は、図20に示すように基板保持テーブル73と、基板保持テーブル73を支持する支持軸74で構成される。基板保持テーブル73はウエハWを真空吸着する真空吸着用の溝部73aを上面に備えている。支持軸74には回転駆動装置75が取付けられており、該回転駆動装置75により基板保持テーブル73及び支持軸74が一体に回転するようになっている。基板保持テーブル73の溝部73aは、基板保持テーブル73に形成された連通路73bに連通し、この連通路73bは支持軸74に形成された連通路74aに連通している。そして連通路74aには真空ライン76及び圧縮空気供給ライン77が接続されている。また基板保持テーブル73および支持軸74には、昇降機構(図示せず)が取付けられている。昇降機構によって基板保持テーブル73を上下方向に移動することができる。
【0068】
また、基板保持テーブル73の溝部73aを覆うように基板保持テーブル73の上面にウレタン系の弾性部材からなる吸着パッド78が貼付されている。この吸着パッド78には、基板保持テーブル73の溝部73aに連通する多数の小径の貫通孔(図示せず)が形成されている。したがって、真空ライン76から真空を供給することにより、吸着パッド78の貫通孔に真空が形成され、基板保持テーブル73上に載置されたウエハWが吸着パッド78の上面に真空吸着される。なお、この吸着パッド78はウエハWと基板保持テーブル73の間に真空を形成する作用と、ウエハWを基板保持テーブル73上に載置する際の衝撃緩和作用とを有している。
【0069】
一方、基板保持回転部72の上方には基板受渡機構80が配置されている。基板受渡機構80は一対のアーム81,81を備え、各アーム81,81にはウエハWのベベル部に対応した凹状の面を有した複数のコマ82が固定されている。アーム81,81は開閉可能で閉鎖位置と開放位置とを取ることができ、閉鎖位置でコマ82によってウエハWを狭持し、開放位置でウエハWを放す。アーム81,81がウエハWを狭持することでセンタリングが行われる。昇降機構により基板保持テーブル73を上昇させ、基板受渡機構80が受け取りセンタリングしたウエハWを基板保持テーブル73が真空吸着して研磨位置まで下降し、研磨処理を行う。
【0070】
次にベベル研磨部83は、研磨テープ84をウエハWのベベル部に押圧接触させるベベル研磨ヘッド85と、研磨テープ送り機構88とを備えて構成されている。研磨テープ送り機構88は、ベベル研磨ヘッド85に研磨テープ84を送る供給リール88aと、ベベル研磨ヘッド85から研磨テープ84を回収する回収リール88bを具備している。ベベル研磨ヘッド85は、基板保持テーブル73に面した位置に研磨テープ84を掛ける一対の送りローラ86,86を備え、該一対の送りローラ86,86の間に研磨テープ84を張り渡して該研磨テープ84の研磨面84aをウエハWのベベル部に接触させるようになっている。また、送りローラ86,86間に掛け渡された研磨テープ84の背面側には基部87が設置されている。該基部87の研磨テープ84に当接する面には、弾性部材(図示せず)を取付けることもできる。またベベル研磨ヘッド85は、移動機構(図示せず)によりウエハWの径方向に移動可能となっており、基部87が研磨テープ84を背面から押す作用と、研磨テープ84自体の張力とによって、研磨テープ84の研磨面84aがウエハWのベベル部に押圧接触される。
【0071】
研磨テープ84は、一定幅の帯状部材で長さが数十メートル程であり、円筒状の芯材89に巻き付けられている。芯材89が供給リール88aに取付けられて、研磨テープ84が研磨面84aを外側に向けた状態でベベル研磨ヘッド85の一対の送りローラ86,86間に掛け渡されて、その先で回収リール88bに取り付けられている。回収リール88bにはモータ等の回転駆動機構(図示せず)が取付けられており、研磨テープ84に所定の引張力を付与しながら巻き取り回収することができる。ベベル部の研磨時には、供給リール88aから研磨テープ84が順次送られることで、ベベル研磨ヘッド85には常に新しい研磨面84aが供給されるようになっている。
【0072】
研磨テープ84は、砥粒を分散させた樹脂材料をテープ基材のいずれかの面に塗布して固化させることで研磨面84aを形成したものであり、砥粒には、例えばダイヤモンドやSiC等が用いられる。砥粒の種類及び粒度は、研磨するウエハの種類や要求される研磨の程度に応じて選択されるが、例えば、粒度♯4000〜♯20000のダイヤモンドや、粒度♯4000〜♯10000のSiCを用いることができる。また、研磨テープ84に代えて表面に粒状物を付着させていない帯状の研磨布等を用いてもよい。
【0073】
なお、粒度の粗い研磨テープ84を装着してベベル部の側面を研磨すれば、ウエハの直径寸法を所望の寸法に形成することができる。また、異なる研磨ユニット70でそれぞれ粗研磨と仕上げ研磨を行なう場合は、粗研磨を行なう研磨ユニット70のベベル研磨部83に、低番手の研磨材(砥粒径が大きい粗い研磨剤)を塗布した研磨テープ84を装着し、仕上げ研磨を行なう研磨ユニット70のベベル研磨部83に、高番手の研磨材(砥粒径が小さい細かい研磨材)を塗布した研磨テープ84を装着するようにして複数の研磨ユニット70を使い分ける。
【0074】
ここで、低番手の研磨材としては、例えば砥粒径が平均5μの粒度♯3000程度の研磨材があり、高番手の研磨材としては、例えば砥粒径が平均0.2μの粒度♯20000程度の研磨材がある。一般に粒度♯6000程度を境として、これより粗い砥粒径の研磨材は形状整形用に用い、これより細かい砥粒径の研磨材は表面状態を整える仕上げ用として用いられる。
【0075】
図21A乃至21Cはベベル研磨ヘッド85の動きを説明するための図である。ベベル研磨部83は、ベベル研磨ヘッド85をウエハWのベベル部の研磨位置を中心に上下方向に揺動させる揺動機構を備えており、ウエハ面に対して上下方向に所定角度傾斜した位置からベベル部の研磨部位に研磨テープ84の研磨面84aを接触させることができる。したがって、図21Aに示すように、ベベル研磨ヘッド85をウエハ面に対して下方に所定角度傾けた状態で研磨することで、ベベル部の上側傾斜面を研磨でき、図21Bに示すように、ベベル研磨ヘッド85を水平方向に向けることでベベル部の側面を研磨でき、図21Cに示すように、ベベル研磨ヘッド85をウエハ面に対して上方に所定角度傾けた状態で研磨することで、ベベル部の下側傾斜面を研磨することができる。また、ベベル研磨ヘッド85の傾斜角度を微調整することにより、ベベル部の上下傾斜面や側面、及びそれらの境界部を所望の角度及び形状に研磨することができる。
【0076】
図20に示すように、ノッチ研磨部90は、研磨テープ91をウエハWのノッチ部に押圧接触させるノッチ研磨ヘッド92と、研磨テープ送り機構94とを備えて構成されている。ノッチ研磨部90は、ノッチ研磨ヘッド92をウエハWの径方向に移動させる移動機構(図示せず)を備えている。研磨テープ送り機構94は、ノッチ研磨ヘッド92に研磨テープ91を送る供給リール94a及びノッチ研磨ヘッド92から研磨テープ91を回収する回収リール94bを具備している。ノッチ研磨ヘッド92は、研磨テープ91を掛ける一対の送りローラ93,93を備え、該一対の送りローラ93,93の間に研磨テープ91を張り渡してその研磨面91aをウエハWのノッチ部に接触させるようになっている。ノッチ研磨部90に用いる研磨テープ91は、ベベル研磨部83に用いる研磨テープ84と同材質の研磨テープで、ウエハWのノッチ部の形状に合わせた幅寸法に形成されたものである。このノッチ研磨用の研磨テープ91は、ベベル研磨用の研磨テープ84より幅寸法が小さく形成されている。なお図示及び詳細な構成の説明は省略するが、ベベル研磨部83と同様にノッチ研磨部90も、ノッチ研磨ヘッド92をウエハWのノッチ部の研磨位置を中心に上下方向に揺動させる揺動機構を備えており、研磨時にウエハ面に対して所定角度傾斜した位置から研磨テープ91の研磨面91aを接触させることができる。従って、ウエハWのノッチ部の表面形状に沿った研磨をすることができると共に、ノッチ部を所望の角度及び形状に研磨することができる。更にノッチ研磨部90には、ウエハWのノッチ部を検知するノッチ検知機構(図示せず)が設けられている。
【0077】
一方、研磨ユニット70は、図20に示すようにウエハW上面及び下面それぞれの研磨位置付近に超純水等の水(研磨水)を供給する研磨水供給ノズル95,96を備えている。また、基板保持テーブル73の上方に、ウエハW上面の中央部付近に研磨水を供給する研磨水供給ノズル97を備えている。ベベル部及びノッチ部の研磨中に研磨水供給ノズル95,96から研磨水を供給することで、研磨によって発生する粒子状の研摩屑がウエハW上面や下面へ付着することを防止できる。また研磨水供給ノズル97から供給される研磨水は、ウエハW中心部に向かって供給されるが、研磨中のウエハWは回転しているので、供給される研磨水はウエハWの中心部から外周部に向かって流れてゆく。このため研磨屑をウエハWの外周部の方へ押し流す作用がある。一方、下面側の研磨水供給ノズル96はウエハW裏面の基板保持テーブル73より外周側に露出した部分に研磨水を供給するようになっている。ウエハWの露出した部分の内側部分に研磨水を供給することにより、この場合も供給された研磨水がウエハWの回転により外周部に向かって流れてゆき、研磨屑を外周部の方へ押し流すことができる。
【0078】
研磨水供給ノズル95,96から供給される研磨水は、研磨屑によるウエハW上下面の汚染を防止するほか、研磨時の摩擦によって発生する熱を奪う冷却作用も有している。したがって供給する研磨水の温度を調節することにより、ウエハWの研磨部位の熱を除去することができ、安定した状態で研磨を行なうことができる。
【0079】
研磨ユニット70には、研磨終点検知部を設けて研磨終点を管理してもよい。例えば、研磨終点は次のように検知される。ウエハW周縁部のベベル研磨ヘッド85及びノッチ研磨ヘッド92が接触しない場所に、光学的手段(図示せず)によって、ウエハWのデバイス形成面の法線方向から所定形状及び所定強度の光(レーザーやLEDなど)を照射し、その散乱光を測定することでベベル部の凹凸を測定しこれに基づいて研磨終点を検知してもよい。またウエハW周縁部の温度変化をモニタリングし、この温度変化に基づいて研磨終点を検出するようにしてもよい。そのほか、ベベル部やノッチ部の研磨終点は研磨時間によって管理することもできる。
【0080】
研磨ユニット70における研磨工程を以下に説明する。研磨対象のウエハWが筐体71内に搬入されて、基板受渡機構80に受け渡されると、アーム81,81が閉じてその閉鎖位置でウエハWを狭持しセンタリングを行う。その後、基板保持テーブル73が基板受渡機構80の位置まで上昇して、アームの81、81に保持されたウエハWを真空吸着する。この真空吸着と同時にアーム81,81が開いて開放位置でウエハWを放すことにより、ウエハWは基板保持テーブル73の上面に保持される。その後、ウエハWを保持した基板保持テーブル73は、図20に示す位置まで下降する。そして回転駆動装置75が駆動して基板保持テーブル73と共にウエハWを回転させる。
【0081】
その状態で、ウエハWのベベル研磨を行なうには、ベベル研磨部83の供給リール88aから研磨テープ84を供給して未使用の研磨面84aをベベル研磨ヘッド85の送りローラ86,86間に配置する。そして、移動機構によりベベル研磨ヘッド85をウエハWに向けて送り、研磨テープ84の研磨面84aをウエハWのベベル部に接触させて、ベベル部を研磨する。このとき、ベベル研磨部83に設けた揺動機構を駆動し、ベベル研磨ヘッド85を上下方向に揺動させながら研磨する。これによりウエハWのベベル部のみならずエッジ部も同時に研磨することができる。
【0082】
またウエハWのノッチ研磨を行なうには、まず、ノッチ研磨部90に設けたノッチ検出機構によりウエハWのノッチ部を検出し、ウエハWを回転させることで該ノッチ部をノッチ研磨部90の研磨位置に位置合わせする。位置合わせが終わったら、ノッチ研磨部90の供給リール94aから研磨テープ91を供給して未使用の研磨面91aをノッチ研磨ヘッド92の送りローラ93,93間に配置する。そして、移動機構によりノッチ研磨ヘッド92をウエハWに向けて送り、研磨テープ91の研磨面91aをウエハWのノッチ部に接触させて、ノッチ部を研磨する。このとき、ノッチ研磨部90に設けた揺動機構を駆動し、ノッチ研磨ヘッド92を上下方向に揺動させて研磨する。さらに、研磨テープ送り機構94により研磨テープ91を小刻みに前後させてウエハWのノッチ部に摺接させて研磨してもよい。これらによりウエハWのノッチ部の形状に合わせた研磨を行なうことができる。
【0083】
次に、1次洗浄ユニット100の構成を以下に説明する。図22は1次洗浄ユニット100を示す概略斜視図である。図22に示すように、1次洗浄ユニット100はロール/ロール(R/R)型の低速回転型洗浄ユニットである。具体的には、1次洗浄ユニット100は、ウエハWの周縁部を保持する複数のスピンドル101と、スピンドル101に保持されたウエハWの上下位置に設置した一対のロール型の洗浄部材(ロールスポンジ)102a,102bを備えている。スピンドル101は、それぞれ回転機構を有する保持部材として使用される。図22に示すように、スピンドル101は、保持するウエハWを取り囲む位置に複数本(図では6本)設置されており、各々のスピンドル101は駆動機構(図示せず)によりウエハWに対して外方及び内方に移動自在に設置されている。また各スピンドル101の側面の上端部近傍には保持溝101aが形成されており、ウエハWの外周部をこの保持溝101aに係合させてウエハWを保持する。またスピンドル101は回転機構(図示せず)により回転自在に構成されており、各スピンドル101が一定方向に回転することによって保持されたウエハWが回転するようになっている。
【0084】
一対の洗浄部材102a,102bは各々駆動機構103a,103bに取付けられており、駆動機構103a,103bによって洗浄部材102a,102bが各々軸心周りに自転すると共に上下左右方向に移動可能になっている。洗浄部材102a,102bは上下移動することによって洗浄時にウエハWの上下面に接触する一方、ウエハWの搬入出時には上方及び下方に退避可能となっている。一方、ウエハWの上面(表面)にエッチング液(薬液)を供給する薬液供給ノズル104及び洗浄液(純水)を供給する洗浄液供給ノズル105と、ウエハWの下面(裏面)にエッチング液(薬液)を供給する薬液供給ノズル106及び洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル107が設置されている。
【0085】
1次洗浄ユニット100による洗浄工程について説明する。ウエハWが1次洗浄ユニット100に搬送されると、スピンドル101がウエハWを保持して回転させると共に、上下の洗浄部材102a,102bがそれぞれ下方及び上方に移動してウエハWの上下面に接触する。この状態で、洗浄部材102a,102bが自転しながらウエハWの上下面に摺接すると共に、洗浄液供給ノズル105,107からウエハW上面及び下面に洗浄水を供給することによって、ウエハWの上下面を全面に亘ってスクラブ洗浄する。
【0086】
スクラブ洗浄後、洗浄部材102a,102bを上方及び下方に待避させ、薬液供給ノズル104、106からそれぞれウエハWの上面、下面にエッチング液を供給し、ウエハWの上下面のエッチング(化学的洗浄)を行い、残留する金属イオンを除去する。なおこのとき、必要に応じてスピンドル101によるウエハWの回転速度を変化させる。その後、洗浄液供給ノズル105,107からウエハWの上面、下面に洗浄液(純水)を供給し、所定時間の純水置換を行ってエッチング液を除去する。このときも必要に応じてウエハWの回転速度を変化させる。
【0087】
次に、2次洗浄・乾燥ユニット110の構成を以下に説明する。図23は、2次洗浄・乾燥ユニット110である洗浄機能付きスピン乾燥ユニットの構成例を示す図である。図23に示すスピン乾燥ユニット110は、基板保持回転機構111と、ペンシル型洗浄機構114と、洗浄液供給ノズル119を備えて構成されている。基板保持回転機構111は、ウエハWの外周部を数箇所で挟持する爪部112aを備えた保持部112と、該保持部112の下部に連接された回転軸113と、回転軸113に連結された回転駆動機構(図示せず)からなり、保持したウエハWを所定の回転数で回転させることができる。なおこの基板保持回転機構111は、ウエハWを授受する際に爪部112aを開閉する開閉機構(図示せず)を備えている。
【0088】
ペンシル型洗浄機構114は、シャフト115に一端が支持された揺動アーム116を具備し、該揺動アーム116の他端にウエハWの上面に向かって鉛直下方に突出する回転軸117を設け、該回転軸117の下端に洗浄部材118を取り付けて構成される。例えば、洗浄部材118多孔質のPVF製スポンジ等で構成されてもよい。この洗浄部材118を構成する材料は、発泡ポリウレタンとすることも可能である。シャフト115は、駆動機構(図示せず)により上下に昇降すると共に回動でき、シャフト115の回動により揺動アーム116は揺動し、洗浄部材118がウエハW上面に当接する洗浄位置と、ウエハW上方から離間した退避位置との間で移動することができる。更に、回転軸117の回転により、洗浄部材118がウエハWの洗浄時に回転する。一方、洗浄液供給ノズル119は、ウエハW上面に向けて洗浄液を供給するように構成されている。ウエハWの下側にもウエハWの下面に向けて洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル(図示せず)を設置することができる。
【0089】
洗浄・乾燥工程は2次洗浄・乾燥ユニット110で次のように行われる。2次洗浄・乾燥ユニット110にウエハWが搬入されると、基板保持回転機構111でウエハWを保持し、100〜500rpm程度の低速で回転させる。そして、洗浄液供給ノズル119からウエハW上面に洗浄液を供給しながら、揺動アーム116をウエハW上面の全面に亘って揺動させて、回転する洗浄部材118をウエハW上面に接触・走査させてスクラブ洗浄を行う。スクラブ洗浄が終了すると、揺動アーム116を待機位置に移動させて格納する。その後、基板保持回転機構111の回転速度を上げて、ウエハWを1500〜5000rpm程度で高速回転させてウエハWのスピン乾燥を行なう。なおこのとき、ガス供給ノズル(図示せず)から必要に応じて清浄な不活性ガスを供給しながらスピン乾燥を行っても良い。上記では洗浄部材118でスクラブ洗浄を行う例を説明したが、スクラブ洗浄の代わりに洗浄液供給ノズル119から超音波加振された純水を供給することで、ウエハW表面に付着したパーティクルの除去を行なういわゆる非接触洗浄を施すこともできる。
【0090】
次に、基板処理装置1におけるウエハの処理パターンを以下に説明する。
まず、図24を用いて、第1の処理パターンを説明する。図24において点線で示す矢印は、第1搬送ロボット20Aによる搬送ラインであり、実線で示す矢印は、第2搬送ロボット20Bによる搬送ラインである。CMP工程やCu成膜工程を終えたウエハが収容されたウエハカセット12A又は12Bがロードアンロードポート10のウエハ供給回収装置11A又は11Bに載置されると、第1搬送ロボット20Aによって、該ウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30へ搬送される(搬送ライン1)。測定ユニット30で研磨前のウエハの直径、周縁部の断面形状、表面状態のうち必要なデータが測定される。測定を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30から第1研磨ユニット70Aへ搬送される(搬送ライン2)。第1研磨ユニット70Aでウエハの周縁部(ベベル部及びノッチ部)の研磨が行なわれる。第1研磨ユニット70Aでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bによって1次洗浄ユニット100へ搬送され(搬送ライン3)、1次洗浄が行われる。1次洗浄ユニット100で洗浄されたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され(搬送ライン4)、2次洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1搬送ロボット20Aにより元のウエハカセット12A又は12Bに戻される(搬送ライン5)。あるいは、乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bのいずれかにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻される。
【0091】
この際、先に搬送されたウエハが上記の第1の処理パターンで搬送されて第1研磨ユニット70Aで研磨されている間に、次に処理すべきウエハを下記の第2の処理パターンで搬送して処理できる。即ち、第2の処理パターンでは、まず第1搬送ロボット20Aによってウエハカセット12A又は12Bから測定ユニット30へ搬送される(搬送ライン1)。測定ユニット30で測定を終えたこのウエハは、第2搬送ロボット20Bによって第2研磨ユニット70Bへ搬送され(搬送ライン2´)、第2研磨ユニット70Bでウエハの周縁部(ベベル部及びノッチ部)の研磨が行なわれる。第2研磨ユニット70Bでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bで1次洗浄ユニット100へ搬送され(搬送ライン3´)、1次洗浄が行われる。1次洗浄ユニット100で洗浄されたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され(搬送ライン4)、2次洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1搬送ロボット20Aにより元のウエハカセット12A,12Bに戻される(搬送ライン5)。あるいは、乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bのいずれかにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻される。
【0092】
上記のような処理、即ち、第1、第2の処理パターンを同時に行なうことで第1研磨ユニット70Aと第2研磨ユニット70Bにより並行してそれぞれ別のウエハを研磨するいわゆるパラレル処理によれば、単位時間当たりのウエハの処理数を多くすることができ、基板処理装置1のスループットが向上し、その稼働率を向上させることができる。
【0093】
なお、パラレル処理を行う場合は、第1、第2研磨ユニット70A,70Bに装着する研磨テープは、第1、第2研磨ユニット70A,70Bで互いに同一の粒度の研磨テープとする。この研磨テープとしては、例えば粒度♯6000〜♯8000程度の研磨テープがある。なお本処理パターンにおいて、研磨前のウエハを測定する必要がない場合は、搬送ライン1で、測定ユニット30へ搬送する代わりにウエハステージ65へ搬送して載置(仮置き)することで、該ウエハを第1搬送ロボット20Aから第2搬送ロボット20Bへ受け渡すようにすればよい。
【0094】
次に、図25を用いて、第3のウエハの処理パターンを以下に説明する。図25において、点線で示す矢印は、第1搬送ロボット20Aによる搬送ラインであり、実線で示す矢印は、第2搬送ロボット20Bによる搬送ラインである。まず第1搬送ロボット20Aによって、ロードアンロードポート10に載置されたいずれかのウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30へ搬送される(搬送ライン11)。測定ユニット30で、研磨前のウエハの直径、周縁部の断面形状、表面状態などのうち必要なデータが測定される。測定を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30から第1研磨ユニット70Aへ搬送される(搬送ライン12)。第1研磨ユニット70Aでウエハ周縁部(ベベル部及びノッチ部)の研磨が行なわれる。第1研磨ユニット70Aでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bで、第2研磨ユニット70Bへ搬送され(搬送ライン13)、さらに研磨が行なわれる。第2研磨ユニット70Bでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bによって1次洗浄ユニット100へ搬送され(搬送ライン14)、1次洗浄が行われる。1次洗浄ユニット100で洗浄されたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され(搬送ライン15)、2次洗浄・乾燥処理がされる。乾燥処理を終えたウエハは、第1搬送ロボット20Aにより元のウエハカセット12A又は12Bに戻される(搬送ライン16)。
【0095】
この第3の処理パターンのように、第1研磨ユニット70Aと第2研磨ユニット70Bで同一のウエハを続けて研磨するいわゆるシリアル処理を行う場合は、第1研磨ユニット70Aで、ウエハの周縁部の付着物の除去や表面荒れの除去を目的とする粗研磨処理を行った後、第2研磨ユニット70Bでその仕上げ研磨処理を行なう、というように第1、第2研磨ユニット70A,70Bを研磨目的に応じて使い分けることができる。なお、第1の処理パターンにおいても、研磨前のウエハの測定を行なう必要がない場合は、搬送ライン1で、測定ユニット30へ搬送する代わりにウエハステージ65へ搬送すればよい。
【0096】
図26は、さらに他の処理パターンを説明するための図である。図26において、CL1〜CL4はそれぞれ第1研磨ユニット70A、第2研磨ユニット70B、1次洗浄ユニット100、2次洗浄・乾燥ユニット110を示すものとする。第4の処理パターン(a)では、第1搬送ロボット20Aによって、ウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送される。次にウエハは、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30又はウエハステージ65から第1研磨ユニット70Aへ搬送される。第1研磨ユニット70Aでウエハの周縁部(ベベル部及びノッチ部)の研磨が行なわれる。第1研磨ユニット70Aでの研磨を終えたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され、洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻されるか、あるいは第1搬送ロボット20Aで2次洗浄・乾燥ユニット110から直接元のウエハカセット12A又は12Bに戻される。
【0097】
第5の処理パターン(b)は、第4の処理パターン(a)において、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30又はウエハステージ65から第1研磨ユニット70Aへ搬送する代わりに、第2研磨ユニット70Bに搬送して研磨するものである。この際、パラレル処理を行うことができる。すなわち、先に搬送されたウエハを第4の処理パターン(a)によって第1研磨ユニット70Aで研磨している間に、次に処理すべきウエハをこの第5の処理パターン(b)によって第2研磨ユニット70Bに搬送して研磨することができる。
【0098】
また、第6の処理パターン(c)では、第1搬送ロボット20Aによって、ウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送される。次にウエハは、第2搬送ロボット20Bによって1次洗浄ユニット100へ搬送され、1次洗浄が行われる。1次洗浄ユニット100で洗浄されたウエハは、第2搬送ロボット20Bで2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され、2次洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻されるか、あるいは第1搬送ロボット20Aで2次洗浄・乾燥ユニット110から直接元のウエハカセット12A又は12Bに戻される。
【0099】
第7の処理パターン(d)では、第1搬送ロボット20Aによって、ウエハカセット12A又は12Bからウエハが取り出されて測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送される。次にウエハは、第2搬送ロボット20Bによって測定ユニット30又はウエハステージ65から2次洗浄・乾燥ユニット110へ搬送され、洗浄・乾燥処理が行われる。乾燥処理を終えたウエハは、第1又は第2搬送ロボット20A又は20Bにより測定ユニット30又はウエハステージ65へ搬送された後、第1搬送ロボット20Aでウエハカセット12A又は12Bへ戻されるか、あるいは第1搬送ロボット20Aで2次洗浄・乾燥ユニット110から直接元のウエハカセット12A又は12Bに戻される。
【0100】
基板処理装置1では、上記のパラレル処理とシリアル処理のいずれも行うことができ、ウエハの研磨目的に応じて第1、第2研磨ユニット70A,70Bに装着する研磨テープの番手とその運転条件を適宜選択することで、第1、第2研磨ユニット70A,70Bを使い分け、処理対象のウエハに最適な研磨処理を施すことが可能である。なお上記の各処理パターンでは、先に搬送されたウエハによって測定ユニット30が占有されている場合、次に搬送されるウエハを、ウエハ載置部26に一時的に載置することで順番待ちをすることが可能であるため、効率良くウエハを搬送して処理することができる。
【0101】
また、上記の各処理パターンにおいて、研磨後のウエハの測定を行なう場合は、2次洗浄・乾燥ユニット110で乾燥処理を終えたウエハを測定ユニット30へ搬送し、研磨前のウエハの直径、周縁部の断面形状、表面状態のうち必要なデータを測定する。このように研磨前・研磨後の2回ともウエハの測定を行う場合に、測定ユニット30が研磨前のウエハの測定で占有されていても、基板処理装置1はウエハステージ65を設けているので、2次洗浄・乾燥ユニット110で乾燥処理を終えた研磨後の測定待ちのウエハをウエハステージ65に一時退避させておくことができる。これにより2次洗浄・乾燥ユニット110を空けることができるので、続けて次のウエハの2次洗浄・乾燥処理をすることができ、基板処理装置1のスループットを向上させることができる。
【0102】
また、上記の各処理パターンのウエハ搬送においては、測定ユニット30、第1、第2研磨ユニット70A,70B、1次洗浄ユニット100、2次洗浄・乾燥ユニット110のユニットごとの処理の所要時間に応じてウエハを搬送するタイミングを適宜調整することで、ウエハを基板処理装置1内でスムーズに搬送して処理を行なうようにすれば、基板処理装置1のスループットをより向上させることができる。
【0103】
次の例では、第2、第3、又は第4実施形態における測定ユニット30−2,30−3又は30−4などの断面形状測定機構を備えた測定ユニット30における測定結果に基づいて決定された研磨条件でウエハの研磨を行なう。図27は、研磨対象ウエハWの周縁部の断面形状を示す図である。断面形状測定機構を備えた測定ユニット30による研磨前のウエハWの測定データから、ウエハWのベベル部の上側傾斜部P及び下側傾斜部Qの研磨角度M1,M2、及び側面部Rの研磨角度M3等の研磨条件を決定する。さらに、ウエハWの断面形状データと、研磨ユニット70A又は70Bにおける研磨面の加圧力及び研磨時のウエハ回転速度などの研磨条件から、予定研磨量を算出して研磨後のウエハW周縁部の形状を予測する。その予測形状から、上側傾斜部P及び下側傾斜部Qと側面部Rの境界部V1,V2に未研磨部分が生じると判断される場合は、当該境界部V1,V2を研磨するための研磨条件(研磨角度M4,M5及び研磨時間)を決定する。そして研磨ユニット70A又は70Bでこれら決定した研磨条件に基づいて研磨を行なうことで、ウエハWの周縁部を所望の形状・寸法に研磨することができる。
【0104】
本発明によれば、研磨ユニット70A又は70Bに、ベベル研磨ヘッド85の角度を任意に変更することでウエハWの周縁部を任意の研磨角度で研磨できる機構を備え、測定ユニット30にウエハWの周縁部の断面形状を測定する機能を備え、研磨条件決定手段によって、測定ユニット30によるウエハWの周縁部の断面形状の測定結果に基づいて最適な研磨角度を算出して決定し、これを研磨ユニット70A又は70Bの研磨条件として研磨することで、ウエハWに応じた最適な角度で研磨処理を行うことができ、ひいては研磨時間の短縮に寄与することとなる。
【0105】
上記手順は、断面形状測定機構を備えた測定ユニット30の測定結果に基づいて研磨条件を決定する一例である。この例ではウエハWのベベル部の全体、即ち、上側傾斜部P、下側傾斜部Q、及び側面部Rを研磨する場合を示しているが、デバイス製造工程において、例えばウエハWのベベル部の上側傾斜部Pのみの研磨を必要とする場合には、研磨角度M1だけを決定するか、あるいは上側傾斜部Pと境界部V1の研磨角度M1,M4だけを決定するなど、研磨の目的に応じて必要な研磨条件を決定することができる。また、研磨前のウエハWの直径を測定し、その測定結果に基づいて側面部Rの研磨量を決定してウエハWを目的とする直径に仕上げることもできる。なお、測定ユニット30の測定結果に基づいて研磨する場合は、研磨前のウエハWの形状に倣って表面のみを研磨するか、あるいは研磨前の形状を変更するような研磨角度及び圧力で研磨して所望の形状に成型する等、目的により研磨方法を選択することができる。
【0106】
また、表面状態測定機構を備えた測定ユニット30(第5の実施形態にかかる測定ユニット30−5)では、研磨後のウエハ周縁部の表面状態の測定を行い、研磨ユニット70A又は70Bの研磨によるウエハ周縁部の付着物の除去や表面荒れの除去の達成状況を検査することができる。このように、研磨後のウエハの測定を行えば、研磨ユニット70A又は70Bで所望の研磨が行なわれたか否かを判断することができ、研磨ユニット70A又は70Bを最適な状態で運転するように運転管理をすることが可能となる。
【0107】
測定ユニット30で、研磨後のウエハを測定した場合は、該測定後のウエハを測定ユニット30から一旦ウエハカセット12A又は12Bに戻す。こうしてウエハカセット12A又は12Bのすべてのウエハが基板処理装置1における一連の処理を終了して戻された後、これらウエハの検査結果によりその研磨が不十分であると判断される場合は、当該測定結果に基づいて第1,第2研磨ユニット70A,70Bの研磨条件を変更した後、再度ウエハカセット12A又は12Bのウエハを第1,第2研磨ユニット70A,70Bへ搬送して研磨処理を行うことができる。一方、ウエハカセット12A又は12B内のウエハのうちの数枚のみを最初に研磨し、該研磨したウエハの検査結果に基づいて、残りのウエハの研磨条件を変更・修正することも可能である。
【0108】
通常、一台のウエハカセットは、同一種類のウエハを25枚程収容しており、また、処理に際しては同一種類のウエハを収容するウエハカセットを複数台連続して基板処理装置1に投入する。ここで、上記の測定ユニット30を備えた基板処理装置1によれば、複数のウエハカセットのうち最初のウエハカセットに収容された数枚のウエハの検査結果に基づいて研磨ユニット70A又は70Bの研磨条件を決定することで、2台目以降のウエハカセットに収容されたウエハもそのまま研磨条件を変更・修正せずに連続して処理することができるので、多数のウエハを効率良く処理することができる。また、計測ユニット30により、複数のウエハについて研磨前後の形状等を測定してその比較をすることで、現在処理中のウエハが、すでに処理を終えた先のウエハと同程度に研磨されているかを統計的に判断して、研磨ユニット70A又は70Bの性能管理をすることもできる。
【0109】
以上説明したように、本発明の実施形態にかかる基板処理装置1によれば、第1,第2研磨ユニット70A,70Bによる研磨前及び/又は研磨後のウエハ周縁部の状態を、基板処理装置1の内部に設けた測定ユニット30で測定できるので、従来のように検査や測定のためにウエハを基板処理装置1の外部に搬送する手間が省ける。また、第1,第2研磨ユニット70A,70Bによる研磨処理と並行して研磨対象のウエハの測定を行なうことができる。したがって、基板処理装置1による基板の研磨処理の効率が向上する。
【0110】
また、測定ユニット30は、従来の検査装置と比較して、簡単な構成及び簡易な手順でウエハ周縁部の形状や表面状態を測定することができるので、短時間で正確にウエハ周縁部の測定を行なうことができる。さらに、研磨目的に応じて研磨前及び/又は研磨後のウエハ周縁部の測定を行なうことができるので、研磨対象のウエハの周縁部の状態を把握でき、ウエハ周縁部を所望の形状に仕上げることが容易となる。また、測定ユニット30における測定結果を、第1,第2研磨ユニット70A,70Bの研磨条件に直接反映できるため、第1,第2研磨ユニット70A,70Bの研磨方法に合致した測定ユニット30及び測定方法とすることで、測定結果に基づいて研磨条件を定量的に修正でき、所望の研磨を行なうことができる。
【0111】
上記実施形態では、測定ユニット30が、基板処理装置1(ハウジング3)の内部に設置されている場合を説明したが、本発明にかかる基板処理装置としては、研磨ユニットによって研磨されるウエハの周縁部の形状や表面状態などを測定する測定ユニットを備え、該測定ユニットで測定された研磨対象のウエハの周縁部に関する測定データを研磨条件決定手段に伝えることができ、研磨ユニットでこの測定データに基づいて決定した研磨条件による研磨ができるように構成されていれば、測定ユニットは基板処理装置の内部、外部のいずれに配置されていてもよい。したがって、例えば、測定ユニットが基板処理装置の外部の離れた位置に設置されており、この測定ユニットと基板処理装置の間でウエハをクリーンな状態を保って搬送する搬送手段を備えると共に、測定ユニットによる測定データを基板処理装置のコントローラに伝送する伝送手段を備えたものでもよい。
【0112】
なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【0113】
以上本発明の好ましい実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、半導体ウエハ等の基板の周縁部を研磨する研磨ユニットを備えた基板処理装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1A】図1Aは、ストレート型のウエハの周縁部を示す断面図である。
【図1B】図1Bは、ラウンド型のウエハの周縁部を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成を示す概略平面図である。
【図3】図3は、図2に示す基板処理装置の搬送ロボットの構成を示す概略斜視図である。
【図4A】図4Aは、図2に示す基板処理装置の測定ユニットが備える基板保持回転機構の構成を示す概略斜視図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示す基板保持回転機構の構成を示す概略平面図である。
【図5A】図5Aは、上チャックでウエハを保持する基板保持回転機構の構成を示す概略図である。
【図5B】図5Aは、下チャックでウエハを保持する基板保持回転機構の構成を示す概略図である。
【図6】図6は、図2に示す基板処理装置の測定ユニットの第1の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図7A】図7Aは、図6に示す測定ユニットの平面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの側面図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す測定ユニットが備える移動機構を示す概略側面図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは、図9に示す移動機構が備える第2センサ機構の受光装置を示す図である。
【図11A】図11Aは、測定されたストレート型のウエハの周縁部の断面形状と測定データのグラフを示す断面図である。
【図11B】図11Bは、測定されたラウンド型のウエハの周縁部の断面形状と測定データのグラフを示す断面図である。
【図12】図12は、本発明の第3の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図13】図13は、図12に示す測定ユニットの投光装置から投光された光をCCDカメラで撮影した画像の一例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の第4の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図15A】図15Aは、図14に示す測定ユニットのCCDカメラの設置位置を説明するための概略平面図である。
【図15B】図15Bは、図15Aの概略側面図である。
【図15C】図15Cは、撮影画像上の軌跡を計算の軌跡に変換する手順を説明するための概略図である。
【図16A】図16Aは、本発明の第5の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図16B】図16Bは、図16Aの概略側面図である。
【図17】図17は、本発明の第6の実施形態における測定ユニットを示す概略斜視図である。
【図18A】図18Aは、図17に示す測定ユニットの投光装置とCCDカメラの設置位置を説明するための概略平面図である。
【図18B】図18Bは、図18Aの概略側面図である。
【図19】図19は、測定ユニットが基板処理装置に設置される例を示す斜視図である。
【図20】図20は、図2に示す基板処理装置の研磨ユニットの構成を示す概略断面図である。
【図21】図21A乃至図21Cは、図20に示す研磨ユニットのベベル研磨ヘッドの動作を説明するための図である。
【図22】図22は、図2に示す基板処理装置の1次洗浄ユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図23】図23は、図2に示す基板処理装置の洗浄機能付きスピン乾燥ユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図24】図24は、第1、第2の処理パターンにおけるウエハの搬送順序を説明するための平面図である。
【図25】図25は、第3の処理パターンにおけるウエハの搬送順序を説明するための平面図である。
【図26】図26は、第4乃至第7の処理パターンにおけるウエハの搬送順序を説明するための図である。
【図27】図27は、研磨対象ウエハの周縁部の研磨条件を決定する処理手順を説明するための断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の周縁部を研磨する研磨ユニットと、前記基板を洗浄する洗浄ユニットと、前記基板を乾燥する乾燥ユニットと、前記基板の周縁部の測定を行う測定ユニットとを備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットにおける前記基板の周縁部の測定結果に基づいて、前記研磨ユニットの研磨条件を決定する研磨条件決定ユニットを備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記研磨ユニットは、所定の研磨角度で前記基板の周縁部を研磨する研磨機構を備え、
前記研磨条件決定ユニットは、前記測定ユニットにおける前記基板の周縁部の測定結果に基づいて、前記研磨ユニットにおいて前記基板の周縁部が研磨される研磨角度を決定するよう構成されたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板の直径を計測する直径計測機構を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板の周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板の周縁部の表面状態の測定及び前記基板の周縁部の欠陥部位の検出を行なう表面状態測定機構を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板の周縁部の3次元形状を算出する3次元形状測定機構を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板処理装置の内部に配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、
前記研磨後洗浄ユニットで基板を洗浄し、
前記洗浄後乾燥ユニットで基板を乾燥し、
測定ユニットで、前記研磨前及び/又は前記乾燥後基板の周縁部の測定を行なうことを特徴とする基板処理方法。
【請求項10】
研磨ユニットで、基板の周縁部の研磨を行い、
測定ユニットで、前記研磨前及び/又は研磨後前記基板の周縁部の測定を行なうことを特徴とする基板研磨方法。
【請求項11】
請求項10に記載の基板研磨方法において、
前記測定結果に基づいて、前記研磨の研磨条件を決定することを更に特徴とする基板研磨方法。
【請求項12】
基板の周縁部の第1の測定位置の第1の厚さ寸法を計測し、
基板の周縁部の第2の測定位置の第2の厚さ寸法を計測し、
前記第1の測定位置と前記第2の測定位置との間の距離を計測し、
前記第1の厚さ寸法、前記第2の厚さ寸法、および前記第1の測定位置と前記第2の測定位置との間の距離から前記基板の周縁部の断面形状を算出することを特徴とする基板測定方法。
【請求項13】
前記基板の周縁部に線状の光を照射して該周縁部の表面に線状の光の軌跡を形成し、
前記線状の光の軌跡に対して直交及び平行しない位置に設置した画像取得装置で、前記光の軌跡の画像を取得し、
前記画像取得装置を設置した位置の座標を基に前記光の軌跡の位置の座標を演算処理することで、前記基板の周縁部の断面形状を座標化したデータを算出することを特徴とする基板測定方法。
【請求項14】
第1の研磨ユニットで第1の基板の周縁部を、および第2の研磨ユニットで第2の基板の周縁部を平行して研磨して、第1と第2の基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、
前記研磨後洗浄ユニットで第1と第2の基板を洗浄し、
前記洗浄後乾燥ユニットで第1と第2の基板を乾燥し、
測定ユニットで、前記研磨前及び/又は前記乾燥後基板の周縁部の測定を行なうことを特徴とする基板処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の基板処理方法において、
第1の研磨ユニットは、前記第1の基板のベベル部を研磨するベベル研磨装置と、前記第1の基板のノッチを研磨するノッチ研磨装置を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項16】
請求項14または15に記載の基板処理方法において、
第2の研磨ユニットは、前記第2の基板のベベル部を研磨するベベル研磨装置と、前記第2の基板のノッチを研磨するノッチ研磨装置を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項17】
第1の研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、
第2の研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して第1の研磨ユニットにおける前記研磨後の該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、
前記研磨後に洗浄ユニットで基板を洗浄し、
前記洗浄後に乾燥ユニットで基板を乾燥し、
測定ユニットで、前記研磨前及び/又は前記乾燥後の基板の周縁部の測定を行なうことを特徴とする基板処理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の基板処理方法において、
前記第1の研磨ユニットおよび前記第2の研磨ユニットは、それぞれ、前記基板のベベル部を研磨するベベル研磨装置と、前記基板のノッチを研磨するノッチ研磨装置を備えたことを特徴とする基板処理方法。
【請求項1】
基板の周縁部を研磨する研磨ユニットと、前記基板を洗浄する洗浄ユニットと、前記基板を乾燥する乾燥ユニットと、前記基板の周縁部の測定を行う測定ユニットとを備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットにおける前記基板の周縁部の測定結果に基づいて、前記研磨ユニットの研磨条件を決定する研磨条件決定ユニットを備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記研磨ユニットは、所定の研磨角度で前記基板の周縁部を研磨する研磨機構を備え、
前記研磨条件決定ユニットは、前記測定ユニットにおける前記基板の周縁部の測定結果に基づいて、前記研磨ユニットにおいて前記基板の周縁部が研磨される研磨角度を決定するよう構成されたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板の直径を計測する直径計測機構を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板の周縁部の断面形状を測定する断面形状測定機構を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板の周縁部の表面状態の測定及び前記基板の周縁部の欠陥部位の検出を行なう表面状態測定機構を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板の周縁部の3次元形状を算出する3次元形状測定機構を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記測定ユニットは、前記基板処理装置の内部に配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、
前記研磨後洗浄ユニットで基板を洗浄し、
前記洗浄後乾燥ユニットで基板を乾燥し、
測定ユニットで、前記研磨前及び/又は前記乾燥後基板の周縁部の測定を行なうことを特徴とする基板処理方法。
【請求項10】
研磨ユニットで、基板の周縁部の研磨を行い、
測定ユニットで、前記研磨前及び/又は研磨後前記基板の周縁部の測定を行なうことを特徴とする基板研磨方法。
【請求項11】
請求項10に記載の基板研磨方法において、
前記測定結果に基づいて、前記研磨の研磨条件を決定することを更に特徴とする基板研磨方法。
【請求項12】
基板の周縁部の第1の測定位置の第1の厚さ寸法を計測し、
基板の周縁部の第2の測定位置の第2の厚さ寸法を計測し、
前記第1の測定位置と前記第2の測定位置との間の距離を計測し、
前記第1の厚さ寸法、前記第2の厚さ寸法、および前記第1の測定位置と前記第2の測定位置との間の距離から前記基板の周縁部の断面形状を算出することを特徴とする基板測定方法。
【請求項13】
前記基板の周縁部に線状の光を照射して該周縁部の表面に線状の光の軌跡を形成し、
前記線状の光の軌跡に対して直交及び平行しない位置に設置した画像取得装置で、前記光の軌跡の画像を取得し、
前記画像取得装置を設置した位置の座標を基に前記光の軌跡の位置の座標を演算処理することで、前記基板の周縁部の断面形状を座標化したデータを算出することを特徴とする基板測定方法。
【請求項14】
第1の研磨ユニットで第1の基板の周縁部を、および第2の研磨ユニットで第2の基板の周縁部を平行して研磨して、第1と第2の基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、
前記研磨後洗浄ユニットで第1と第2の基板を洗浄し、
前記洗浄後乾燥ユニットで第1と第2の基板を乾燥し、
測定ユニットで、前記研磨前及び/又は前記乾燥後基板の周縁部の測定を行なうことを特徴とする基板処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の基板処理方法において、
第1の研磨ユニットは、前記第1の基板のベベル部を研磨するベベル研磨装置と、前記第1の基板のノッチを研磨するノッチ研磨装置を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項16】
請求項14または15に記載の基板処理方法において、
第2の研磨ユニットは、前記第2の基板のベベル部を研磨するベベル研磨装置と、前記第2の基板のノッチを研磨するノッチ研磨装置を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項17】
第1の研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、
第2の研磨ユニットで基板の周縁部を研磨して第1の研磨ユニットにおける前記研磨後の該基板の周縁部の汚染除去及び/又は表面荒れの除去を行い、
前記研磨後に洗浄ユニットで基板を洗浄し、
前記洗浄後に乾燥ユニットで基板を乾燥し、
測定ユニットで、前記研磨前及び/又は前記乾燥後の基板の周縁部の測定を行なうことを特徴とする基板処理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の基板処理方法において、
前記第1の研磨ユニットおよび前記第2の研磨ユニットは、それぞれ、前記基板のベベル部を研磨するベベル研磨装置と、前記基板のノッチを研磨するノッチ研磨装置を備えたことを特徴とする基板処理方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2008−537316(P2008−537316A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554391(P2006−554391)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【国際出願番号】PCT/JP2006/308490
【国際公開番号】WO2006/112530
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【国際出願番号】PCT/JP2006/308490
【国際公開番号】WO2006/112530
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】
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