説明

基板処理装置

【課題】スループットを低下させることなく、かつ装置構成上の問題を伴うことなくフットプリントを小さくすることができ、かつ処理の自由度が高い、複数の処理ユニットを備えた処理装置を提供すること。
【解決手段】 搬送機構と、レジスト塗布処理部を含む複数の処理部とを内部に備えた塗布処理部23と、塗布処理部23と平行に配置され、搬送機構と、レジスト現像処理部を含む複数の処理部を内部に備えた現像処理部24と、塗布処理部23から被処理基板を受け取る第1のパスユニットと、現像処理部24へ被処理基板を受け渡す第2のパスユニットとを備えた、被処理基板に対して熱処理を施す熱処理部27と、熱処理部27に配置された被処理基板を搬送する別の搬送機構36と、現像処理部24と塗布処理部23との間に設けられた直線状の空間部40と、空間部40内に配置され、被処理基板を搬送する処理部外搬送機構41とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶表示装置(LCD)ガラス基板等の被処理基板に対してレジスト塗布および露光後の現像処理、ならびにそれらの前後に行う熱的処理のような複数の処理を施す基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LCDの製造においては、被処理基板であるLCDガラス基板に、所定の膜を成膜した後、フォトレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、回路パターンに対応してレジスト膜を露光し、これを現像処理するという、いわゆるフォトリソグラフィー技術により回路パターンを形成する。
【0003】
このフォトリソグラフィー技術では、被処理基板であるLCD基板は、主な工程として、洗浄処理→脱水ベーク→アドヒージョン(疎水化)処理→レジスト塗布→プリベーク→露光→現像→ポストベークという一連の処理を経てレジスト層に所定の回路パターンを形成する。
【0004】
従来、このような処理は、各処理を行う処理ユニットを搬送路の両側にプロセスフローを意識した形態で配置し、搬送路を走行可能な中央搬送装置により各処理ユニットへの被処理基板の搬入出を行うプロセスブロックを一または複数配置してなる処理システムにより行われている。このような処理システムは、基本的にランダムアクセスであるから処理の自由度が極めて高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−274265号公報
【特許文献2】特開平11−260883号公報
【特許文献3】特開平11−238672号公報
【特許文献4】特開2000−294616号公報
【特許文献5】特開平10−189457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近時、LCD基板は大型化の要求が強く、一辺が1mにも及ぶような巨大なものまで出現するに至り、上述のような平面的な配置を有する処理システムではフットプリントが極めて大きなものとなってしまい、省スペースの観点からフットプリントの縮小が強く求められている。
【0007】
フットプリントを小さくするためには、処理ユニットを上下方向に重ねることが考えられるが、現行の処理システムにおいては、スループット向上の観点から搬送装置は大型の基板を水平方向に高速かつ高精度に移動させており、これに加えて高さ方向にも高速かつ高精度に移動させることには自ずから限界がある。また、基板の大型化にともない処理ユニットも大型化しており、レジスト塗布処理ユニットや現像処理ユニット等のスピナー系のユニットは重ねて設けることは極めて困難である。
【0008】
また、フットプリントを小さくする他の手段としては、中央搬送装置を用いずに処理の順に処理ユニットを配置することが考えられるが、この場合には予め定められた一連のプロセスにしか対応することができず、処理の自由度が小さいという問題がある。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、スループットを低下させることなく、かつ装置構成上の問題を伴うことなくフットプリントを小さくすることができ、かつ処理の自由度が高い、複数の処理ユニットを備えた基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の第1の態様に係る基板処理装置は、被処理基板を搬送する搬送機構を内部に備えるとともに、この処理部内搬送機構にて搬送される被処理基板に対して少なくともレジスト液を塗布するレジスト塗布処理部を含む複数の処理部を内部に備えた塗布処理部と、前記塗布処理部と平行に配置され、被処理基板を搬送する搬送機構を内部に備えるとともに、この処理部内搬送機構にて搬送される被処理基板に形成されたレジスト膜に対して現像処理を施すレジスト現像処理部を含む複数の処理部を内部に備えた現像処理部と、前記塗布処理部から被処理基板を受け取る第1のパスユニットと、前記現像処理部へ被処理基板を受け渡す第2のパスユニットとを備えた、被処理基板に対して熱処理を施す熱処理部と、前記熱処理部に配置された被処理基板を搬送する別の搬送機構と、前記現像処理部と前記塗布処理部との間に設けられた直線状の空間部と、この空間部内に配置され、被処理基板を搬送する処理部外搬送機構とを具備する。
【0011】
この発明の第2の態様に係る基板処理装置は、被処理基板を水平に搬送する処理部内搬送機構を内部に備えるとともに被処理基板を前記処理部内搬送機構にて所定の方向に沿って搬送しつつ液処理を施す複数の処理部を内部に備えた第1の処理部と、前記所定の方向と同一直線状に配置され、被処理基板を水平に搬送する処理部内搬送機構を内部に備えるとともに、前記処理部内搬送機構にて搬送される被処理基板に対して少なくともレジスト処理を施す処理部を含む複数の処理部を内部に備えた第2の処理部と、前記第1の処理部から被処理基板を受け取る第1のパスユニットと、前記第2の処理部へ被処理基板を受け渡す第2のパスユニットとを備えた、被処理基板に対して熱処理を施す熱処理部と、
前記熱処理部に配置された被処理基板を搬送する別の搬送機構と、を具備する。
【0012】
この発明の第3の態様に係る基板処理装置は、被処理基板を水平に搬送する処理部内搬送機構を内部に備えるとともに被処理基板を前記処理部内搬送機構にて所定の方向に沿って搬送しつつ液処理を施す複数の処理部を内部に備えた第1の処理部と、前記所定の方向と平行な方向に沿って配置され、被処理基板を水平に搬送する処理部内搬送機構を内部に備えるとともに、前記処理部内搬送機構にて搬送される被処理基板に対して少なくともレジスト処理を施す処理部を含む複数の処理部を内部に備えた第2の処理部と、前記第2の処理部から被処理基板を受け取る第1のパスユニットと、前記第1の処理部へ被処理基板を受け渡す第2のパスユニットとを備えた、被処理基板に対して熱処理を施す熱処理部と、前記熱処理部に配置された被処理基板を搬送する別の搬送機構と、を具備する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、洗浄処理、レジスト処理、現像処理のような液処理を行う複数の液処理ユニットをその中で被処理基板が略水平に搬送されつつ所定の液処理が行われるように構成し、これらを処理の順に、被処理基板の搬送ラインが平行な2列となるように配置し、被処理基板を搬送ラインに沿って流しながら一連の処理を行うようにしたので高スループットを維持することができるとともに、従来のような複数の処理ユニットの間を走行する大がかりな中央搬送装置およびそれが走行する中央搬送路が基本的に不要となり、その分省スペース化を図ることができフットプリントを小さくすることができる。また、2列の搬送ラインの間の空間部を移動可能に設けられ、前記搬送ラインとの間で基板が受け渡され保持される基板保持・移動部材を設けたので、通常の処理の他に種々のパターンの処理を行うことができ、処理の自由度が高い。このとき、基板保持部材は、従来の中央搬送装置とは異なり、被処理基板を保持して移動するだけであるから大がかりな機構は不要であり、従来の中央搬送装置が走行する中央搬送路のような大きな空間は必要がなく、省スペース効果は維持される。
【0014】
また、上述のように、前記複数の熱的処理ユニットが、前記各熱的処理に対応するもの毎に集約された複数の熱的処理ユニットセクションを構成するようにすることにより、よりフットプリントを小さくすることができ、しかも熱的処理も被処理基板の処理の流れに沿って行うことができるようになるので、よりスループットを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るLCDガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るLCD基板のレジスト塗布現像処理装置のレジスト処理ユニットの内部を示す平面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るLCD基板のレジスト塗布現像処理装置の第1の熱的処理ユニットセクションを示す側面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るLCD基板のレジスト塗布現像処理装置の第2の熱的処理ユニットセクションを示す側面図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るLCD基板のレジスト塗布現像処理装置の第3の熱的処理ユニットセクションを示す側面図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るLCD基板のレジスト塗布現像処理装置に用いたシャトルの構造を示す斜視図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るLCDガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るLCDガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るLCD基板のレジスト塗布現像処理装置に用いたシャトルの構造を示す斜視図。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るLCD基板のレジスト塗布現像処理装置に用いた受渡機構の構造を示す斜視図。
【図11】図10の受渡機構を用いて図9のシャトルに基板を載置する動作を説明するための側面図。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るLCD基板のレジスト塗布現像処理装置に用いたシャトルの構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るLCDガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図である。
【0017】
このレジスト塗布現像処理装置100は、複数のLCDガラス基板Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション(搬入出部)1と、基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理ステーション(処理部)2と、露光装置4との間で基板Gの受け渡しを行うためのインターフェイスステーション(インターフェイス部)3とを備えており、処理ステーション2の両端にそれぞれカセットステーション1およびインターフェイスステーション3が配置されている。なお、図1において、レジスト塗布現像処理装置100の長手方向をX方向、平面上においてX方向と直交する方向をY方向とする。
【0018】
カセットステーション1は、カセットCと処理ステーション2との間でLCD基板Gの搬入出を行うための搬送装置11を備えており、このカセットステーション1において外部に対するカセットCの搬入出が行われる。また、搬送装置11は搬送アーム11aを有し、カセットCの配列方向であるY方向に沿って設けられた搬送路10上を移動可能であり、搬送アーム11aによりカセットCと処理ステーション2との間で基板Gの搬入出が行われる。
【0019】
処理ステーション2は、基本的にX方向に伸びる基板G搬送用の平行な2列の搬送ラインA、Bを有しており、搬送ラインAに沿ってカセットステーション1側からインターフェイスステーション3に向けてスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21、第1の熱的処理ユニットセクション26、レジスト処理ユニット23および第2の熱的処理ユニットセクション27が配列されている。また、搬送ラインBに沿ってインターフェイスステーション3側からカセットステーション1に向けて第2の熱的処理ユニットセクション27、現像処理ユニット(DEV)24、i線UV照射ユニット(i−UV)25および第3の熱的処理ユニット28が配列されている。スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21の上の一部にはエキシマUV照射ユニット(e−UV)22が設けられている。なお、エキシマUV照射ユニット(e−UV)22はスクラバ洗浄に先立って基板Gの有機物を除去するために設けられ、i線UV照射ユニット(i−UV)25は現像の脱色処理を行うために設けられる。
【0020】
上記スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21は、その中で基板Gが従来のように回転されることなく、略水平に搬送されつつ洗浄処理および乾燥処理を行うようになっている。上記現像処理ユニット(DEV)24も、その中で基板Gが回転されることなく、略水平に搬送されつつ現像液塗布、現像後の現像液洗浄、および乾燥処理を行うようになっている。なお、これらスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21および現像処理ユニット(DEV)24では、基板Gの搬送は例えばコロ搬送またはベルト搬送により行われ、基板Gの搬入口および搬出口は相対向する短辺に設けられている。また、i線UV照射ユニット(i−UV)25への基板Gの搬送は、現像処理ユニット(DEV)24の搬送機構と同様の機構により連続して行われる。
【0021】
レジスト処理ユニット23は、図2のその内部の平面図に示すように、カップ50内で基板Gをスピンチャック51により回転させつつ図示しないノズルからレジスト液を滴下させて塗布するレジスト塗布処理装置(CT)23a、基板G上に形成されたレジスト膜を減圧容器52内で減圧乾燥する減圧乾燥装置(VD)23b、およびステージ54に載置された基板Gの四辺をスキャン可能な溶剤吐出ヘッド53により基板Gの周縁に付着した余分なレジストを除去する周縁レジスト除去装置(ER)23cがその順に配置されており、ガイドレール55にガイドされて移動する一対のサブアーム56により基板Gがこれらの間を略水平に搬送される。このレジスト処理ユニット23は、相対向する短辺に基板Gの搬入口57および搬出口58が設けられており、ガイドレール55はこれら搬入口57および搬出口58から外側に延びてサブアーム56により基板Gの受け渡しが可能となっている。
【0022】
第1の熱的処理ユニットセクション26は、基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)31,32を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)31はスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)32はレジスト処理ユニット23側に設けられている。そして、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)31,32の間に第1の搬送装置33が設けられている。図3の側面図に示すように、熱的処理ユニットブロック(TB)31は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)61、基板Gに対して脱水ベーク処理を行う2つの脱水ベークユニット(DHP)62,63、基板Gに対して疎水化処理を施すアドーヒージョン処理ユニット(AD)64の4段積層されて構成されており、熱的処理ユニットブロック(TB)32は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)65、基板Gを冷却する2つのクーリングユニット(COL)66,67、基板Gに対して疎水化処理を施すアドーヒージョン処理ユニット(AD)68の4段積層されて構成されている。第1の搬送装置33は、パスユニット(PASS)61を介してのスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21からの基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間の基板Gの搬入出、およびパスユニット(PASS)65を介してのレジスト処理ユニット23への基板Gの受け渡しを行う。
【0023】
第1の搬送装置33は、上下に延びるガイドレール91と、ガイドレールに沿って昇降する昇降部材92と、昇降部材92上を旋回可能に設けられたベース部材93と、ベース部材93上を前進後退可能に設けられ、基板Gを保持する基板保持アーム94とを有している。そして、昇降部材92の昇降はモーター95によって行われ、ベース部材93の旋回はモーター96によって行われ、基板保持アーム94の前後動はモーター97によって行われる。第1の搬送装置33はこのように上下動、前後動、旋回動可能に設けられているので、熱的処理ユニットブロック(TB)31,32のいずれのユニットにもアクセス可能である。
【0024】
第2の熱的処理ユニットセクション27は、基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)34,35を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)34はレジスト処理ユニット23側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)35は現像処理ユニット(DEV)24側に設けられている。そして、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)34,35の間に第2の搬送装置36が設けられている。図4の側面図に示すように、熱的処理ユニットブロック(TB)34は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)69、基板Gに対してプリベーク処理を行う3つのプリベークユニット(PREBAKE)70,71,72の4段積層されて構成されており、熱的処理ユニットブロック(TB)35は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)73、基板Gを冷却するクーリングユニット(COL)74、基板Gに対してプリベーク処理を行う2つのプリベークユニット(PREBAKE)75,76の4段積層されて構成されている。第2の搬送装置36は、パスユニット(PASS)69を介してのレジスト処理ユニット23からの基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間の基板Gの搬入出、パスユニット(PASS)73を介しての現像処理ユニット(DEV)24への基板Gの受け渡し、および後述するインターフェイスステーション3の基板受け渡し部であるエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44に対する基板Gの受け渡しおよび受け取りを行う。なお、第2の搬送装置36は、第1の搬送装置33と同じ構造を有しており、熱的処理ユニットブロック34,35のいずれのユニットにもアクセス可能である。
【0025】
第3の熱的処理ユニットセクション28は、基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)37,38を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)37は現像処理ユニット(DEV)24側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)38はカセットステーション1側に設けられている。そして、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)37,38の間に第3の搬送装置39が設けられている。図5の側面図に示すように、熱的処理ユニットブロック(TB)37は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニット(PASS)77、基板Gに対してポストベーク処理を行う3つのポストベークユニット(POBAKE)78,79,80の4段積層されて構成されており、熱的処理ユニットブロック(TB)38は、下から順にポストベークユニット(POBAKE)81、基板Gの受け渡しおよび冷却を行うパス・クーリングユニット(PASS・COL)82、基板Gに対してポストベーク処理を行う2つのポストベークユニット(POBAKE)83,84の4段積層されて構成されている。第3の搬送装置39は、パスユニット(PASS)77を介してのi線UV照射ユニット(i−UV)25からの基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間の基板Gの搬入出、パス・クーリングユニット(PASS・COL)82を介してのカセットステーション1への基板Gの受け渡しを行う。なお、第3の搬送装置39も第1の搬送装置33と同じ構造を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)37,38のいずれのユニットにもアクセス可能である。
【0026】
なお、上記スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21およびエキシマUV照射ユニット(e−UV)22への基板Gの搬入は、カセットステーション1の搬送装置11によって行われる。また、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21の基板Gは上述したように例えばコロ搬送により熱的処理ユニットブロック(TB)31のパスユニット(PASS)61に搬出され、そこで図示しないピンが突出されることにより持ち上げられた基板Gが第1の搬送装置33により搬送される。また、レジスト処理ユニット23への基板Gの搬入は、第1の搬送装置33により基板Gがパスユニット(PASS)65に受け渡された後、一対のサブアーム56により搬入口57から行われる。レジスト処理ユニット23では、サブアーム56により基板Gが搬出口58を通って熱的処理ユニットブロック(TB)34のパスユニット(PASS)69まで搬送され、そこで突出されたピン(図示せず)上に基板Gが搬出される。現像処理ユニット(DEV)24への基板Gの搬入は、熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニット(PASS)73において図示しないピンを突出させて基板を上昇させた状態から下降させることにより、パスユニット(PASS)73まで延長されている例えばコロ搬送機構を作用させることにより行われる。i線UV照射ユニット(i−UV)25の基板Gは例えばコロ搬送により熱的処理ユニットブロック(TB)37のパスユニット(PASS)77に搬出され、そこで図示しないピンが突出されることにより持ち上げられた基板Gが第3の搬送装置39により搬送される。さらに全ての処理が終了した後の基板Gは、熱的処理ユニットブロック(TB)38のパス・クーリングユニット(PASS・COL)82に搬送されてカセットステーションの搬送装置11により搬出される。
【0027】
処理ユニットステーション2では、以上のように2列の搬送ラインA,Bを構成するように、かつ基本的に処理の順になるように各処理ユニットおよび搬送装置が配置されており、これら搬送ラインA,Bの間には、空間部40が設けられている。そして、この空間部40を往復動可能にシャトル(基板載置部材)41が設けられている。このシャトル41は基板Gを保持可能に構成されており、搬送ラインA,Bとの間で基板Gが受け渡し可能となっている。
【0028】
具体的には、図6に示すように、シャトル41は、ベース部材101と、ベース部材101の表面から突没可能に設けられ、基板Gを昇降する複数の昇降ピン102と、基板Gを位置決めするガイド部材103と、昇降ピン102を駆動するピン駆動部104と、連結部105を有しており、連結部105が空間部40内をX方向に延びるガイドレール106にスライド可能に連結されている。そして、マグネットを用いた駆動、ベルト駆動等の適宜の方式の図示しない駆動機構によりシャトル41がガイドレール106に沿って空間部40内をX方向に沿って移動される。発塵を防止する観点からはマグネット駆動のほうが有利である。シャトル41への基板Gの受け渡しは、上記第1から第3の搬送装置33,36,39によって行われる。また、シャトル41への基板Gの受け渡しはカセットステーション1の搬送装置11によっても行うことができるようになっている。
【0029】
インターフェイスステーション3は、処理ステーション2と露光装置4との間での間で基板Gの搬入出を行う搬送装置42と、バッファーカセットを配置するバッファーステージ(BUF)43と、冷却機能を備えた基板受け渡し部であるエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44とを有しており、タイトラー(TITLER)と周辺露光装置(EE)とが上下に積層された外部装置ブロック45が搬送装置42に隣接して設けられている。搬送装置42は搬送アーム42aを備え、この搬送アーム42aにより処理ステーション2と露光装置4との間で基板Gの搬入出が行われる。
【0030】
このように構成されたレジスト塗布現像処理装置100においては、まず、カセットステーション1に配置されたカセットC内の基板Gが、搬送装置11により処理ステーション2のエキシマUV照射ユニット(e−UV)22に直接搬入され、スクラブ前処理が行われる。次いで、搬送機構11により、基板GがエキシマUV照射ユニット(e−UV)22の下に配置されたスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21に搬入され、スクラブ洗浄される。このスクラブ洗浄では、基板Gが従来のように回転されることなく略水平に搬送されつつ、洗浄処理および乾燥処理を行うようになっており、これにより、従来、回転タイプのスクラバ洗浄処理ユニットを2台使用していたのと同じ処理能力をより少ないスペースで実現することができる。スクラブ洗浄処理後、基板Gは例えばコロ搬送により第1の熱的処理ユニットセクション26に属する熱的処理ユニットブロック(TB)31のパスユニット(PASS)61に搬出される。
【0031】
パスユニット(PASS)61に配置された基板Gは、図示しないピンが突出されることにより持ち上げられ、第1の熱的処理ユニットセクション26に搬送されて以下の一連の処理が行われる。すなわち、まず最初に、熱的処理ユニットブロック(TB)31の脱水ベークユニット(DHP)62,63のいずれかに搬送されて加熱処理され、次いで熱的処理ユニットブロック(TB)32のクーリングユニット(COL)66,67のいずれかに搬送されて冷却された後、レジストの定着性を高めるために熱的処理ユニットブロック(TB)31のアドヒージョン処理ユニット(AD)64、および熱的処理ユニットブロック(TB)32のアドヒージョン処理ユニット(AD)68のいずれかに搬送され、そこでHMDSによりアドヒージョン処理(疎水化処理)され、その後、上記クーリングユニット(COL)66,67のいずれかに搬送されて冷却され、さらに熱的処理ユニットブロック(TB)32のパスユニット(PASS)65に搬送される。この際に搬送処理は全て第1の搬送装置33によって行われる。なお、アドヒージョン処理を行わない場合もあり、その場合には、基板Gは、脱水ベークおよび冷却の後、直ちにパスユニット(PASS)65に搬送される。
【0032】
その後、パスユニット(PASS)65に配置された基板Gがレジスト処理ユニット23のサブアーム56によりレジスト処理ユニット23内へ搬入される。そして、基板Gはまずその中のレジスト塗布処理装置(CT)23aに搬送され、そこで基板Gに対するレジスト液のスピン塗布が実施され、次いでサブアーム56により減圧乾燥装置(VD)23bに搬送されて減圧乾燥され、さらにサブアーム56により周縁レジスト除去装置(ER)23cに搬送されて基板G周縁の余分なレジストが除去される。そして、周縁レジスト除去終了後、基板Gはサブアーム56によりレジスト処理ユニット23から搬出される。このように、レジスト塗布処理装置(CT)23aの後に減圧乾燥装置(VD)23bを設けるのは、これを設けない場合には、レジストを塗布した基板Gをプリベーク処理した後や現像処理後のポストベーク処理した後に、リフトピン、固定ピン等の形状が基板Gに転写されることがあるが、このように減圧乾燥装置(VD)により加熱せずに減圧乾燥を行うことにより、レジスト中の溶剤が徐々に放出され、加熱して乾燥する場合のような急激な乾燥が生じず、レジストに悪影響を与えることなくレジストの乾燥を促進させることができ、基板上に転写が生じることを有効に防止することができるからである。
【0033】
このようにして塗布処理が終了し、サブアーム56によりレジスト処理ユニット23から搬出された基板Gは、第2の熱的処理ユニットセクション27に属する熱的処理ユニットブロック(TB)34のパスユニット(PASS)69に受け渡される。パスユニット(PASS)69に配置された基板Gは、第2の搬送装置36により、熱的処理ユニットブロック(TB)34のプリベークユニット(PREBAKE)70,71,72および熱的処理ユニットブロック(TB)35のプリベークユニット(PREBAKE)75,76のいずれかに搬送されてプリベーク処理され、その後熱的処理ユニットブロック(TB)35のクーリングユニット(COL)74に搬送されて所定温度に冷却される。そして、第2の搬送装置36により、さらに熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニット(PASS)73に搬送される。
【0034】
その後、基板Gは第2の搬送装置36によりインターフェイスステーション3のエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44へ搬送され、インターフェイスステーション3の搬送装置42により外部装置ブロック45の周辺露光装置(EE)に搬送されて周辺レジスト除去のための露光が行われ、次いで搬送装置42により露光装置4に搬送されてそこで基板G上のレジスト膜が露光されて所定のパターンが形成される。場合によってはバッファーステージ(BUF)43上のバッファカセットに基板Gを収容してから露光装置4に搬送される。
【0035】
露光終了後、基板Gはインターフェイスステーション3の搬送装置42により外部装置ブロック45の上段のタイトラー(TITLER)に搬入されて基板Gに所定の情報が記された後、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44に載置され、そこから再び処理ステーション2に搬入される。すなわち、基板Gは第2の搬送装置36により、第2の熱的処理ユニットセクション27に属する熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニット(PASS)73に搬送される。そして、パスユニット(PASS)73においてピンを突出させて基板Gを上昇させた状態から下降させることにより、現像処理ユニット(DEV)24からパスユニット(PASS)73まで延長されている例えばコロ搬送機構を作用させることにより基板Gが現像処理ユニット(DEV)24へ搬入され、現像処理が施される。この現像処理では、基板Gが従来のように回転されることなく、例えばコロ搬送により略水平に搬送されつつ現像液塗布、現像後の現像液除去、および乾燥処理を行うようになっており、これにより、従来、回転タイプの現像処理ユニットを3台使用していたのと同じ処理能力をより少ないスペースで実現することができる。
【0036】
現像処理終了後、基板Gは現像処理ユニット(DEV)24から連続する搬送機構、例えばコロ搬送によりi線UV照射ユニット(i−UV)25に搬送され、基板Gに対して脱色処理が施される。その後、基板Gはi線UV照射ユニット(i−UV)25内の搬送機構、例えばコロ搬送により第3の熱的処理ユニットセクション28に属する熱的処理ユニットブロック(TB)37のパスユニット(PASS)77に搬出される。
【0037】
パスユニット(PASS)77に配置された基板Gは、第3の搬送装置39により熱的処理ユニットブロック(TB)37のポストベークユニット(POBAKE)78,79,80および熱的処理ユニットブロック(TB)38のポストベークユニット(POBAKE)81,83,84のいずれかに搬送されてポストベーク処理され、その後熱的処理ユニットブロック(TB)38のパス・クーリングユニット(PASS・COL)82に搬送されて所定温度に冷却された後、カセットステーション1の搬送装置11によって、カセットステーション1に配置されている所定のカセットCに収容される。
【0038】
以上のように、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21、レジスト処理ユニット23、および現像処理ユニット(DEV)24をその中で基板Gが略水平に搬送されつつ所定の液処理が行われるように構成し、これらを処理の順に、基板Gの搬送ラインが2列となるように配置し、基板Gをこの平行な2列の搬送ラインA,Bに沿って流しながら一連の処理を行うようにしたので高スループットを維持することができるとともに、従来のような複数の処理ユニットの間を走行する大がかりな中央搬送装置およびそれが走行する中央搬送路が基本的に不要となり、その分省スペース化を図ることができ、フットプリントを小さくすることができる。また、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21および現像処理ユニット(DEV)24では、基板Gを回転させずに水平方向に搬送しながら処理を行ういわゆる平流し方式であるので、従来基板Gを回転させる際に多く発生していたミストを減少させることが可能となる。
【0039】
また、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21、レジスト処理ユニット23、および現像処理ユニット(DEV)24各液処理ユニット毎に、その後の熱的処理を行う複数の熱的処理ユニットを集約して第1から第3の熱処理ユニットセクション26,27,28を設け、しかもこれらを熱的処理ユニットを複数段積層した熱的処理ユニットブロック(TB)で構成したので、その分さらにフットプリントを小さくすることができるとともに、熱的処理を基板Gの搬送を極力少なくして基板Gの処理の流れに沿って行うことができるようになるので、よりスループットを高めることができる。また、各熱的処理ユニットセクションにそれぞれ対応して各熱的処理ユニットセクション専用の第1から第3の搬送装置33,36,39を設けたので、このことによってもスループットを高くすることができる。
【0040】
以上が基本的な処理パターンであるが、本実施形態では、処理ステーション2において2列の搬送ラインA,Bの間に空間部40が設けられており、この空間部40を往復動可能にシャトル41が設けられているので、上記基本的な処理パターンの他に種々のパターンの処理を行うことができ、処理の自由度が高い。
【0041】
例えば、レジスト処理だけ行いたいという場合には、以下のような手順により可能である。まず、シャトル41をカセットステーション1に隣接した位置まで移動させておき、次いで、搬送装置11によりカセットCの基板Gを一枚取り出してシャトル41上に載置し、シャトル41を第1の搬送装置33に対応する位置まで移動させ、第1の搬送装置33によりシャトル41上の基板Gをアドヒージョン処理ユニット(AD)64,68のいずれかに搬送し、基板Gに対してアドヒージョン処理を行った後、基板Gをクーリングユニット(COL)66または67で冷却し、熱的処理ユニットブロック(TB)32のパスユニット(PASS)65を経てレジスト処理ユニット23へ搬入する。そして、レジスト処理ユニット23において周縁レジスト除去装置(ER)23cによるレジスト除去処理が終了し、熱的処理ユニットブロック(TB)34のパスユニット(PASS)69に基板Gを搬出し、第2の搬送装置36によって基板Gをシャトル41に載置し、カセットステーション1へ戻す。なお、アドヒージョン処理を行わない場合には、シャトル41から基板Gを受け取った第1の搬送装置33が直接パスユニット(PASS)65へ基板を搬送する。
【0042】
また、現像処理のみを行いたい場合には、以下のような手順により可能である。まずカセットステーション1から基板Gを受け取ったシャトル41を、第2の搬送装置36に対応する位置まで移動させ、第2の搬送装置36によりシャトル41上の基板Gを熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニット(PASS)73を経て現像処理ユニット(DEV)24へ搬入する。そして、現像処理およびi線UV照射ユニット(i−UV)25による脱色処理が終了して基板Gを熱的処理ユニットブロック(TB)37のパスユニット(PASS)77に搬出し、第3の搬送装置39によって基板Gをシャトル41に載置し、カセットステーション1へ戻す。
【0043】
なお、シャトル41を使用しないときは、シャトル41を空間部40の端部に退避させておくことにより、空間部40をメンテナンススペースとして用いることができる。
【0044】
このようなシャトル41は、従来の中央搬送装置とは異なり、被処理基板を保持して移動するだけであるから大がかりな機構は不要であり、従来の中央搬送装置が走行する中央搬送路のような大きな空間は必要がなく、シャトル41を設けても省スペース効果は維持される。
【0045】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は本発明の第2の実施形態に係るLCDガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図である。上記第1の実施形態では、基板Gをカセットステーション1におけるY方向の一方の端部から処理ステーション2に搬入し、他方の端部から搬出しているが、本実施形態のレジスト塗布現像処理装置100′ではカセットステーション1の中央から基板Gの搬出入を行えるような処理ステーション2′を備えている。具体的には、処理ステーション2′は、上記第3の熱的処理ユニットセクション28に代えて、カセットステーション1のY方向中央に対応する部分に熱的処理ユニットブロック(TB)38と同様のユニットが積層された熱的処理ユニットブロック(TB)38′を配置し、搬送ラインBの終点に熱的処理ユニットブロック(TB)37と同様のユニットが積層された熱的処理ユニットブロック(TB)37′を配した第3の熱的処理ユニットセクション28′を設け、第3の搬送装置39′を空間部40のカセットステーション1側端部に設け、基板Gの処理ステーション2′に対する搬入出をいずれも熱的処理ユニットブロック(TB)38′のパス・クーリングユニット(PASS・COL)を介して第3の搬送装置39′により行うようにしたものである。なお、基板Gの搬入出の形態が第1の実施形態とは異なっている関係上、本実施形態では、搬入口が第3の搬送装置39′に対応して空間部40側に設けられたスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21′およびキシマUV照射ユニット(e−UV)22′が第1の実施形態と同様に積層して設けられている。また、i線UV照射ユニット(i−UV)25から熱的処理ユニットブロック(TB)37′までの基板Gの搬送は、例えばコロ搬送によって行われる。
【0046】
本実施形態においても基本的に第1の実施形態と同様のフローで処理が行われる。このとき、第3の搬送装置39′は基板Gの受け渡し時に必ず90度回転するため、第3の搬送装置39′から例えばスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21に搬入した時点では基板Gの向きが90度ずれてしまう。これを防止するために、熱的処理ユニットブロック(TB)38′のパス・クーリングユニット(PASS・COL)に回転機構を設けておく。
【0047】
本実施形態においては、カセットステーション1の中央から基板の搬入出が行えるので、カセットステーションとして、図示したような構造ではなく、例えば搬送装置がY方向に移動できないタイプのものが指定されたとしても対応可能であり、汎用性の高いものとなる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図8は本発明の第3の実施形態に係るLCDガラス基板のレジスト塗布現像処理装置を示す平面図である。本実施形態のレジスト塗布現像処理装置100″では、第1および第2の実施形態のシャトル41とは異なる形態のシャトル41′を有し、かつ空間部40のカセットステーション1側端部に、カセットステーション1の搬送装置11とシャトル41′との間の基板Gの受け渡しを行う受渡機構110を有している。他は第1の実施形態と同様に構成されている。
【0049】
シャトル41′は、図9に示すように、ベース部材121と、ベース部材121の表面の四隅近傍に設けられ、基板Gを支持する4本の支持ピン122と、連結部123を有しており、連結部123が空間部40内をX方向に延びるガイドレール124にスライド可能に連結されている。ベース部材121の中央は円形にくり抜かれたくり抜き部125が形成されている。
一方、受渡機構110は、図10に示すように、基板Gを支持するための支持部131と、支持部131を昇降可能なシリンダ132と、シリンダ132を回転させることにより支持部131に支持された基板Gを回転させる回転機構133とを有している。そして、支持部131は、シリンダ132のピストン134の上端に取り付けられた十字状部材135と、十字状部材135の4つの端部から上方に突出した基板Gを支持する4つの支持ピン136とを有する。
【0050】
搬送装置11からシャトル41′へ基板Gを渡す際には、図10に示すように、シャトル41′を、そのくり抜き部125が受渡機構110の支持ピン136に対応するようにする。具体的には図11の(a)〜(c)に示すようにして受け渡しを行う。まず、(a)に示すように、シャトル41′を受渡機構110に対応する位置まで移動させ、その状態で、(b)に示すように、シリンダ132により支持ピン136がくり抜き部125を通って上方へ突出するように支持部131を上昇させる。そして、搬送装置11から支持部131上に基板Gを受け渡し、この状態で回転機構133によりシリンダ132を回転させて基板Gを90°回転させる。次いでシリンダ132により支持部131を下降させ、これにより基板Gは、(c)に示すように、ベース部材121に設けられた支持ピン122上に載置される。
【0051】
シャトル41′から第1〜第3の搬送装置33,36,39へ基板Gを受け渡す場合には、各搬送装置のアームを基板Gとベース部材121との間のスペースに挿入してからアームを持ち上げることにより実現され、これら搬送装置からシャトル41′へ基板Gを受け渡す場合には、ベース部材121上へ基板Gが位置した際に、アームを下降させることにより基板Gを支持ピン122上に載置させる。
【0052】
このように受渡機構110を介在させることにより、搬送装置11からシャトル41′へ基板Gを受け渡した際の基板Gの向きを調整することができる。つまり、搬送装置11は基板Gの長手方向をX方向にして基板Gを保持するから、単に搬送装置11からシャトル41′に基板Gを受け渡した場合にはシャトル41′上では基板Gの長手方向がX方向になっている。この状態でシャトル41′から第1〜第3の搬送装置33,36,39のいずれかへ基板Gを受け渡すと、これら搬送装置から各処理ユニットへ基板Gが搬送された際に、基板Gの向きが90°ずれてしまう。これに対し、受渡機構110で基板Gを90°回転させることにより、このような不都合が解消される。このように受渡機構110を設けることにより、各搬送装置毎に基板Gを回転させる機構を設けることなく基板Gを所定の向きにして搬送することができる。
【0053】
また、本実施形態では、シャトル41′にピン駆動部が存在しないので、その軽量化を図ることができ、駆動機構への負担を軽くすることができる。また、シャトル41′にシリンダが存在しないので、移動するシャトル41′に対するエア配管が不要となる。
【0054】
次に、シャトルの他の例について説明する。
この例のシャトル41″は、図12に示すように、基板Gを支持するベース部材141と、ベース部材141に対して着脱自在に設けられ、ベース部材141の上方の空間を覆うカバー部材142とを有している。基板Gの搬送時には、図12の(a)に示すように、このカバー部材142により基板Gが密閉空間に存在することとなる。カバー部材142の側壁はベース部材141の周囲を囲むようになっており、ベース部材141とカバー部材142とは図示しないロック機構により(a)の状態でロックされるようになっている。各搬送装置とシャトル41″との間の基板Gの受け渡しに際しては、ロック機構を外した状態で、図12の(b)に示すように、シャトル41″の受け渡しポジションに設けられた複数、例えば4本のシリンダ143(2本のみ図示)により、カバー部材142を上昇させる。このように、カバー部材142によりベース部材141上の基板G存在領域を密閉空間とするので、シャトル41″による基板Gの搬送時に基板Gにパーティクル等が付着することを防止することができる。また、シャトル41″にはカバー部材142開閉用のシリンダが設けられていないので、エア配管の煩雑さを回避することができる。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず本発明の思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、装置レイアウトはあくまでも例示であり、これに限るものではない。また、シャトルの構造も上記構造に限るものではなく、例えば上記実施形態におけるレジスト処理ユニット23に用いたサブアーム56と同様の構造のものであってもよい。また、シャトルに複数枚の基板を保持するようにしてもよい。処理に関しても上記のようにレジスト塗布現像処理装置による処理に限られるものではなく、液処理と熱的処理を行う他の装置に適用することも可能である。さらに被処理基板としてLCD基板を用いた場合について示したが、これに限らずカラーフィルター等の他の被処理基板の処理の場合にも適用可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0056】
1……カセットステーション
2……処理ステーション
3……インターフェイスステーション
21……スクラブ洗浄処理ユニット(液処理ユニット)
23……レジスト処理ユニット(液処理ユニット)
24……現像処理ユニット(液処理ユニット)
26……第1の熱的処理ユニットセクション
27……第2の熱的処理ユニットセクション
28……第3の熱的処理ユニットセクション
31,32,34,35,37,38……熱的処理ユニットブロック
33……第1の搬送装置
36……第2の搬送装置
39……第3の搬送装置
40……空間
41,41′,41″……シャトル
100,100′,100″……レジスト塗布現像処理装置(処理装置)
G……LCDガラス基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板を搬送する搬送機構を内部に備えるとともに、この処理部内搬送機構にて搬送される被処理基板に対して少なくともレジスト液を塗布するレジスト塗布処理部を含む複数の処理部を内部に備えた塗布処理部と、
前記塗布処理部と平行に配置され、被処理基板を搬送する搬送機構を内部に備えるとともに、この処理部内搬送機構にて搬送される被処理基板に形成されたレジスト膜に対して現像処理を施すレジスト現像処理部を含む複数の処理部を内部に備えた現像処理部と、
前記塗布処理部から被処理基板を受け取る第1のパスユニットと、前記現像処理部へ被処理基板を受け渡す第2のパスユニットとを備えた、被処理基板に対して熱処理を施す熱処理部と、
前記熱処理部に配置された被処理基板を搬送する別の搬送機構と、
前記現像処理部と前記塗布処理部との間に設けられた直線状の空間部と、
この空間部内に配置され、被処理基板を搬送する処理部外搬送機構と
を具備したことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
被処理基板を水平に搬送する処理部内搬送機構を内部に備えるとともに被処理基板を前記処理部内搬送機構にて所定の方向に沿って搬送しつつ液処理を施す複数の処理部を内部に備えた第1の処理部と、
前記所定の方向と同一直線状に配置され、被処理基板を水平に搬送する処理部内搬送機構を内部に備えるとともに、前記処理部内搬送機構にて搬送される被処理基板に対して少なくともレジスト処理を施す処理部を含む複数の処理部を内部に備えた第2の処理部と、
前記第1の処理部から被処理基板を受け取る第1のパスユニットと、前記第2の処理部へ被処理基板を受け渡す第2のパスユニットとを備えた、被処理基板に対して熱処理を施す熱処理部と、
前記熱処理部に配置された被処理基板を搬送する別の搬送機構と、
を具備したことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
被処理基板を水平に搬送する処理部内搬送機構を内部に備えるとともに被処理基板を前記処理部内搬送機構にて所定の方向に沿って搬送しつつ液処理を施す複数の処理部を内部に備えた第1の処理部と、
前記所定の方向と平行な方向に沿って配置され、被処理基板を水平に搬送する処理部内搬送機構を内部に備えるとともに、前記処理部内搬送機構にて搬送される被処理基板に対して少なくともレジスト処理を施す処理部を含む複数の処理部を内部に備えた第2の処理部と、
前記第2の処理部から被処理基板を受け取る第1のパスユニットと、前記第1の処理部へ被処理基板を受け渡す第2のパスユニットとを備えた、被処理基板に対して熱処理を施す熱処理部と、
前記熱処理部に配置された被処理基板を搬送する別の搬送機構と、
を具備したことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−187987(P2011−187987A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120646(P2011−120646)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【分割の表示】特願2007−305684(P2007−305684)の分割
【原出願日】平成14年3月4日(2002.3.4)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】