基板収納設備及び基板処理設備
【課題】基板の清浄度を維持することができ、且つ、設備費用を抑えることができる基板収納設備を提供する。
【解決手段】収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納するように、収納容器2を入出庫部及び収納棚5における収納部4に搬送する収納容器搬送装置8の作動を制御する。
【解決手段】収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納するように、収納容器2を入出庫部及び収納棚5における収納部4に搬送する収納容器搬送装置8の作動を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器を収納する複数の収納部を備えた収納棚と、前記収納容器の入出庫部と、前記収納棚の前方の移動空間を棚横幅方向に走行自在で、且つ、前記収納容器を前記入出庫部及び前記収納棚における前記収納部に搬送する収納容器搬送装置と、前記収納容器搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられている基板収納設備、及び、その基板収納設備が装備された基板処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる基板収納設備は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに使用されるガラス基板等の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持した収納容器を収納棚に保管し、収納容器搬送装置にて収納容器を入出庫部と収納部との間で搬送することにより、収納容器の搬出や搬入を行うものである。
そして、このような基板収納設備において、従来では、収納容器を、外気を通風可能な格子状に形成して、収納棚、入出庫部及び収納容器搬送装置を装備した空間の天井部より床部に通風する浄化空気通風手段と、収納棚の後部側に装備されてその後部側から収納容器搬送装置が存在する前部側に通風する収納棚用ファンフィルタユニットとを備えて、浄化空気通風手段にて移動空間を天井側から床部側に通風させて収納容器搬送装置にて発生した塵埃を床面側に鎮める形態で収納棚、入出庫部及び収納容器搬送装置を装備した空間をクリーン空間として、基板の清浄度を維持しており、特に、収納棚に保管するときにおいては、収納棚用ファンフィルタユニットにて収納棚の後部側から前部側に通風させることによって、収納容器内にも通風させて塵埃の付着を防止し、且つ、移動空間において収納容器搬送装置から発生した塵埃が収納部に進入することを防止して、基板の清浄度を維持していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−081406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の基板収納設備では、収納棚、入出庫部、及び、収納容器搬送装置を装備した空間を基板の清浄度が維持できる程度のクリーン空間とすべく、清浄効果の高い高性能な浄化空気通風手段を設ける必要があるため、設備費用が高くなってしまうものであり、また、物品の搬送効率の向上のために物品搬送装置の高速走行化が求められているものであるが、物品搬送装置を高速走行させるとその走行によって気流が大きく乱されて、これによって床側から巻き上げられた塵埃が収納部に進入してしまう可能性があり、収納部に収納されている収納容器内まで塵埃が進入して基板が汚染されてしまう虞があった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、設備費用を抑えることができ、且つ、基板が汚染され難い基板収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明にかかる基板収納設備の第1特徴構成は、矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器を収納する複数の収納部を備えた収納棚と、前記収納容器の入出庫部と、前記収納棚の前方の移動空間を棚横幅方向に走行自在で、且つ、前記収納容器を前記入出庫部及び前記収納棚における前記収納部に搬送する収納容器搬送装置と、前記収納容器搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられている基板収納設備において、
前記収納容器が、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されて、その一端側の開口が、前記基板を出し入れするための出入り口として構成され、前記収納容器の他端側の開口から前記出入り口に向けて通風するファンフィルタユニットが、前記収納容器における他端側の開口部に装備され、前記制御手段が、前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納するように前記収納容器搬送装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、収納容器が、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されて、その一端側の開口が、基板を出し入れするための出入り口として構成され、収納容器の他端側の開口から出入り口に向けて通風するファンフィルタユニットが、収納容器における他端側の開口部に装備されており、ファンフィルタユニットにて、浄化空気を収納容器の他端側の開口から出入り口に向けて通風させて出入り口から排出させることによって、収納容器内に存在する塵埃が基板に付着することを抑制するとともに収納容器内に外気が進入することを防止することができるため、収納棚、入出庫部、及び、収納容器搬送装置を装備した空間の清浄度はあまり高くなくても基板の清浄度を維持することができるので、収納棚、入出庫部及び収納容器搬送装置を装備した空間の天井部より床部に通風する浄化空気通風手段を設けなくてもよく、また、この浄化空気通風手段を設ける場合でも、清浄効果のそれほど高くない比較的安価な浄化空気通風手段でもよくなるため、設備費用を抑えることができる。
そして、収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器を収納部に収納するため、収納容器搬送装置の作動にて気流が乱されて床側から巻き上げられた塵埃が収納部に進入したとしても、その塵埃は移動空間側に位置するファンフィルタユニットにて取り除かれるので、収納部に収納されている収納容器内まで塵埃が進入することが防止され、基板が汚染され難いものとなる。
【0008】
従って、収納容器に、その他端側の開口から出入り口に向けて通風するファンフィルタユニットを備えさせることによって、収納棚、入出庫部、及び、収納容器搬送装置を装備した空間の清浄度はあまり高くなくてもよくなるので、設備費用を抑えることができ、また、収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器を収納部に収納することによって、収納容器搬送装置の作動にて気流が乱されたとしても、基板が汚染され難いものとなり、もって、設備費用を抑えることができ、且つ、基板が汚染され難い基板収納設備を提供することができるに至った。
【0009】
本発明にかかる基板収納設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記収納容器の前記出入り口を開閉する蓋が、閉じ状態において一部を開口する状態で、前記収納容器の出入り口部に装備されている点にある。
【0010】
すなわち、収納容器の出入り口を開閉する蓋が、閉じ状態において一部を開口する状態で、収納容器の出入り口部に装備されており、収納容器の蓋を閉じ状態としたとしても出入り口の一部が開口しているので、蓋を閉じ状態とした状態においても、ファンフィルタユニットにて、浄化空気を収納容器の他端側の開口から出入り口に向けて通風させて出入り口から排出させることにより、収納容器内に存在する塵埃が基板に付着することを防止するとともに収納容器内に外気が進入することを防止して、収納容器内の基板の清浄度を維持することができる。
【0011】
そして、収納容器内の風速は収納容器内に存在する塵埃が基板に付着するのを防止することができる程度に比較的遅くてもよいものの、収納容器から排出されるときの風速は出入り口からの外気の逆流を防止するために比較的速くする必要があるが、ファンフィルタユニットにて、浄化空気を収納容器の他端側の開口から出入り口に向けて通風させて出入り口における一部の開口から排出させるため、出入り口においては蓋により風路が狭められるために排出される浄化空気の風速が速くなるものであり、ファンフィルタユニットの通風量を比較的少なくしたとしても、排出される浄化空気の風速が速く、収納容器の出入り口から収納容器内への外気の進入を防ぐことができる。
【0012】
従って、収納棚に保管するとき及び収納容器搬送装置にて搬送するときにおいては、蓋を閉じ状態とすることによって、ファンフィルタユニットの通風量を比較的少なくしたとしても基板の清浄度を維持することができて、ファンフィルタユニットのランニングコストを抑えることができ、もって、収納容器のファンフィルタユニットのランニングコストを抑えることができる基板収納設備を提供することができるに至った。
【0013】
本発明にかかる基板収納設備の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記収納棚が、互いに対向する状態で一対設けられ、前記収納容器搬送装置が、支持した収納容器を旋回させる旋回手段を備えて構成され、前記制御手段が、一対の前記収納棚のいずれにおいても、前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納するように前記収納容器搬送装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0014】
すなわち、収納棚が、互いに対向する状態で一対設けられているが、収納容器搬送装置にて搬送して収納棚の収納部に収納容器を収納させる際に、一対の収納棚における一方の収納棚に収納容器に収納するときと他方の収納棚に収納容器を収納するときとで、旋回手段にて収納容器を旋回させて収納容器が収納部に収納される向きを反転させることによって、一対の前記収納棚のいずれにおいても、前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納されるものとなって、基板が汚染され難くすることができ、もって、対向する一対の収納棚のいずれにおいても基板が汚染され難い基板収納設備を提供することができるに至った。
【0015】
本発明にかかる基板処理設備は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つに記載の基板収納設備が装備された基板処理設備において、浄化空気を天井部より床部に通風するダウンフローのクリーン空間内に、前記基板収納設備が周囲を開放する状態で装備されている点にある。
【0016】
すなわち、基板収納設備を覆う区画壁等を備える必要がなく、基板収納設備を安価に構成することができる基板処理設備を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2及び図6に示すように、基板処理設備は、矩形状の基板1を処理する複数の基板処理装置3と、前記基板1を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器2を収納する複数の収納部4を備えた収納棚5と、複数の前記基板処理装置3の夫々に対する基板入出部6に位置する前記収納容器2から基板1を一枚ずつ取り出して前記基板処理装置3に供給し且つ前記基板処理装置3から搬出される基板1を前記基板入出部6に位置する前記収納容器2に収納する基板搬送装置7と、前記収納容器2を前記複数の基板処理装置3の夫々における前記基板入出部6及び前記収納棚5における前記収納部4に搬送する収納容器搬送装置8とが備えられている。
ちなみに、図1に示すように、基板処理設備には、複数の基板収納設備Aと、処理工程設備Bとが装備されており、図2に示すように、基板収納設備Aの夫々に、収納棚5及び前記収納容器搬送装置8としてのスタッカークレーン10が備えられ、図6に示すように、処理工程設備Bの夫々に、基板処理装置3及び基板搬送装置7が備えられている。
【0018】
そして、この基板処理設備においては、前記収納容器2を前記収納棚5に保管しながら、保管した前記収納容器2を前記複数の基板処理装置3の夫々における前記基板入出部6に順次搬送することにより、前記基板1を複数の前記基板処理装置3にて順次処理して処理済み基板を製造する基板処理方法が用いられている。
つまり、基板搬送装置7及び収納容器搬送装置8は、図外の制御装置にて作動が制御されており、収納容器搬送装置8にて、収納容器2を複数の基板処理装置3の夫々における基板入出部6に順次搬送し、基板入出部6に搬送される毎に、基板搬送装置7にて、収納容器2から基板1を一枚ずつ取り出して基板処置装置3に供給し、基板処理装置3から搬送される基板1を収納するように、制御装置にて基板搬送装置7及び収納容器搬送装置8の作動を制御される。
また、複数の基板処理装置3においては塗布、露光及び現像等の所定の処理を個別に行うものであるために基板1を処理する処理量に差が生じるものであり、基板入出部6に順次搬送するときにおいて基板1の処理に待ちが生じた場合には、その処理待ちの基板1を収納した収納容器2は一時的に収納棚5に保管させるべく、制御装置にて収納容器搬送装置8の作動が制御される。
【0019】
前記収納容器搬送装置8として、前記収納棚5に対応して装備される収納棚用の収納容器搬送部であるスタッカークレーン10と、複数の前記収納棚5の夫々における複数の入出庫部9の間で前記収納容器2を搬送する棚間用の収納容器搬送部である往復走行搬送車11及び周回走行搬送車12とが設けられている。
図1に示すように、前記往復走行搬送車11及び周回走行搬送車12は、基板収納設備A外で収納容器2を搬送するものであり、往復走行搬送車11は、隣接する2つの基板収納設備Aの間で往復走行して2つの基板収納設備Aの間で収納容器2を搬送するように構成され、周回走行搬送車12は、多数の基板収納設備Aに亘って周回走行して、多数の基板収納設備Aの間で収納容器2を搬送するように構成されている。
また、図2に示すように、スタッカークレーン10は、基板収納設備A内で収納容器2を搬送するものであり、互いに対向する状態で設けられた一対の収納棚5の間に形成された移動空間に沿って往復走行して、対向する一対の収納棚5における複数の収納部4の間で収納容器2を搬送するように構成されている。
【0020】
つまり、収納容器搬送装置8にて、搬送元となる収納部4又は基板入出部6から搬送先となる収納部4又は基板入出部6に収納容器2を搬送する場合に、搬送元と搬送先とが異なる基板収納設備Aである場合は、搬送元の基板収納設備Aのスタッカークレーン10、往復走行搬送車11や周回走行搬送車12、搬送先の基板収納設備のスタッカークレーン10の順で順次受け渡すようにして収納容器2は搬送され、搬送元と搬送先とが同じ基板収納設備Aである場合は、その基板収納設備Aのスタッカークレーン10にて収納容器2は搬送される。
【0021】
図4に示すように、物品処理設備には、クリーン空間13において浄化空気を天井部より床部に通風させるダウンフロー式の浄化空気通風手段23が設けられており、そのダウンフローのクリーン空間13内に、前記複数の基板処理装置3、前記収納棚5、前記基板搬送装置7、及び、前記収納容器搬送装置8が装備されており、前記基板収納設備Aが周囲を開放する状態で装備されて、基板収納設備Aの内外に浄化空気が空気流動可能に構成されている。
【0022】
浄化空気通風手段23について説明を加えると、図4に示すように、浄化空気通風手段23は、クリーン空間13の床部が多孔状のグレーティング床14にて形成され、クリーン空間13の天井部がHEPAフィルタなどからなるエアーフィルタ15にて形成されるとともに、グレーティング床14の下方側に形成された吸気室16とエアーフィルタ15の上方側に形成されたチャンバー室17とが通風ファン18及びプレフィルタ21を備えた循環路19にて連通されており、通風ファン18にて、クリーン空間13の空気をグレーティング床14及び吸気室16を通して循環路19に吸気されるとともに、その吸気された空気をプレフィルタ21、チャンバー室17及びエアーフィルタ15を通して浄化空気としてクリーン空間13内に下向きに噴き出すようにして、クリーン空間13内の空気を、プレフィルタ21とエアーフィルタ15とで清浄化させながら循環させて、浄化空気を天井部より床部に通風させるように構成されている。そして、循環路19には、通風ファン18より上流側に外気取入流路20が接続され、通風ファン18より下流側に排気流路22が接続されており、浄化空気通風手段23にて循環されるクリーン空間13内の空気の一部を外気と交換されている。
【0023】
図6に示すように、物品処理設備には、前記基板搬送装置7によって前記基板入出部6と前記基板処理装置3との間で前記基板1を搬送する基板搬送エリア24の清浄度を維持するために浄化空気を通風する搬送エリア用の浄化空気通風手段25が備えられている。
つまり、処理工程設備Bにおける基板搬送エリア24には、基板搬送装置7による基板搬送作用空間を収納棚5側の端部が開放され且つ基板処理装置3側の端部が基板処理装置3と連通するように覆う区画壁26が設けられ、この区画壁26の天井部に搬送エリア用の浄化空気通風手段25としての複数のエリア用ファンフィルタユニット27が設けられており、複数のエリア用ファンフィルタユニット27にて、クリーン空間13の浄化空気をさらに清浄化させた浄化空気を、基板搬送エリア24の天井部より床部に通風させて、区画壁26にて覆われる空間をダウンフローの空間としている。
【0024】
図2〜図4に示すように、前記収納棚5は、グレーティング床14上に設けられており、棚横幅方向に間隔を隔てて立設された前後一対の支柱31と、前後一対の支柱31に亘って架設されて棚上下方向に間隔を隔てて設けられた載置支持部32とから構成されている。
そして、収納棚5には、前後一対の支柱31と左右一対の載置支持部32とにより形成された前記収納部4が縦横並べられて複数設けられている。各収納部4は、棚横幅方向に隣接するもの同士及び棚上下方向に隣接するもの同士が空気流動可能に連通されている。
また、最下段の収納部4は、グレーティング床14から上方側に間隔を隔てるように設置されており、その最下段の収納部4の下方には、浄化空気を流動させるための流動用空間が形成されている。
【0025】
前記収納棚5が備える複数の収納部4のうちの一部が、前記基板入出部6とされ、また、収納棚5が備える収納部4のうちの一部が、前記入出庫部9とされている。
説明を加えると、図5に示すように、収納棚5が備える最下段の複数の収納部4のうちの基板処理装置3に対応する収納部4が基板入出部6とされており、基板搬送装置7にて基板入出部6に位置する収納容器2に対して収納棚5の背面側を通して基板1を一枚ずつ取り出すことや一枚ずつ収納することができるように構成されている。そして、最下段の収納部は上記したようにグレーティング床14から上方側に間隔を隔てるように設置されているため、基板入出部6は、床部よりも高い位置に設置されている。
また、図7に示すように、収納棚5が備える中段の複数の収納部4のうちの往復走行搬送車11及び周回走行搬送車12に対応する収納部4が入出庫部9とされており、往復走行搬送車11に対応する入出庫部9は、往復走行搬送車11にて収納棚5の背面側と通して収納容器2を搬出入できるように構成され、且つ、周回走行搬送車12に対応する入出庫部9は、周回走行搬送車12にて収納棚5の側面側を通して収納容器2を搬出入できるように構成されている。
【0026】
図2、図3及び図8に示すように、スタッカークレーン10は、収納棚5の前方の走行経路に長手方向に沿って設けられた2本の走行レール34に沿って走行する走行台車35と、走行台車35に立設された一対の昇降マスト36に昇降自在に案内支持される昇降台37と、昇降台37に支持されて収納部4と自己との間で収納容器2を移載可能なフォーク式の物品移載装置38とが備えられており、走行台車35の水平移動、昇降台37の昇降移動、および、物品移載装置38の作動により、収納棚5の前方の移動空間を棚横幅方向に走行自在で、且つ、前記収納容器2を前記基板入出部6、前記入出庫部9、及び、これら以外の前記収納棚5における前記収納部4に搬送するように構成されている。
【0027】
前記走行台車35には、2本の走行レール34の夫々に対して前後2輪、計4輪の走行車輪39が設けられており、走行車輪39の夫々を走行用モータ40にて回転駆動させることにより、走行台車35が走行経路に沿って走行するように構成されている。
そして、一対の昇降マスト36は、その上端部同士が上部フレーム41にて連結されている。
【0028】
図8に示すように、前記昇降台37における前後方向の両端部の夫々には、一対の昇降用チェーン45の一端部が連結されており、その一対の昇降用チェーン45の一方は、昇降マスト36の上端部に設けられた案内スプロケット46に巻き掛けられて他端部がバランスウェイト47に連結され、一対の昇降用チェーン45の他方は、昇降マスト36の下端部に設けられた駆動スプロケット48に巻き掛けられて他端部がバランスウェイト47に連結されており、昇降用モータ49にて駆動スプロケット48を回転駆動させることにより、昇降台37を昇降移動させるように構成されている。
【0029】
図9に示すように、前記物品移載装置38は、上下軸芯P1周りに旋回自在な旋回台50、及び、その旋回台50上に設けられた載置部51を出退移動自在に支持するリンク機構52から構成されている。そして、物品移載装置38は、旋回台50の旋回により載置部51を旋回移動可能で、且つ、リンク機構52の伸縮により、物品移載装置38を昇降台37上に引退させた状態(図5参照)や物品移載装置38を収納部4側に突出させた状態に切り換え可能に構成されている。尚、物品移載装置38が、支持した収納容器2を旋回させる旋回手段に相当する。
【0030】
図3に示すように、基板収納設備Aには、スタッカークレーン10の作動を制御する制御手段Hが備えられている。
この制御手段Hは、収納容器搬送装置8の運転を管理する上位の制御装置からの指令に基づいて、走行用モータ40、昇降用モータ49及び物品移載装置38の作動を制御することにより、複数の収納部4の間で収納容器2を搬送すべく、スタッカークレーン10の作動を制御するように構成されている。
【0031】
そして、前記制御手段Hは、一対の前記収納棚5のいずれにおいても、前記収納容器2の前記ファンフィルタユニット64を装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器2の前記出入り口72側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器2を前記収納部4に収納するように前記収納容器搬送装置8の作動を制御するように構成されている。
つまり、制御手段Hは、対向する一対の収納棚5の間で収納容器2を搬送する際に、搬送元の収納部4と搬送先の収納部4とが同じ収納棚5である場合では、搬送元の収納部4から収納容器2を取り出し、その収納容器2を物品移載装置38にて旋回させることなく搬送先の収納部4に収納することによって、搬送元の収納部4と同様に搬送先の収納部4においても、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の前記出入り口側である蓋65を装備した側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納させ、また、搬送元の収納部4と搬送先の収納部4とが異なる収納棚5である場合では、搬送元の収納部4から収納容器2を取り出し、その収納容器2を物品移載装置38にて180度旋回させた後に搬送先の収納部4に収納することによって、搬送元の収納部4と同様に搬送先の収納部4においても、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の蓋65を装備した側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納させるべく、スタッカークレーン10の作動を制御するように構成されている。
【0032】
図5及び図6に示すように、基板搬送装置7は、基板処理装置3と収納棚5近くとの間で基板1を載置搬送する基板搬送コンベヤ54と、基板入出部6に位置する収納容器2と基板搬送コンベヤ54の収納棚側端部との間で基板1を載置搬送する基板搬送ロボット55とを備えて構成されている。
【0033】
基板搬送ロボット55は、収納棚5の背面側を棚横幅方向に沿って移動する移動台車56と、その移動台車56に昇降並びに回転自在に支持された昇降部57と、その昇降部57にリンク機構58を介して連結されたフォーク状の支持部59とを備え、昇降部57の昇降及び回転とリンク機構58の伸縮とによって、基板入出部6に位置する収納容器2から基板搬送コンベヤ54の収納棚側端部に基板1を一枚ずつ搬送し、且つ、基板搬送コンベヤ54の収納棚側端部の基板1を基板入出部6に位置する収納容器2に一枚ずつ搬送するように構成されている。
【0034】
図6に示すように、基板搬送コンベヤ54は、基板1の横幅方向の両端部を回転ローラ61にて支持して、その回転ローラ61を回転駆動させることによって基板1を搬送するように構成されており、図5に示すように、基板搬送コンベヤ54として、基板搬送ロボット55から受け取った基板1を基板処理装置3に向けて搬送する未処理用の基板搬送コンベヤ54と、基板処理装置3から搬出された基板1を収納棚5側に向けて搬送する処理済用の基板搬送コンベヤ54とが備えられている。
【0035】
図11及び図12に示すように、前記収納容器2は、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されて、その収納容器2の一端側の開口が前記基板1を出し入れするための出入り口72とされ、前記収納容器2の他端側の開口から前記出入り口72に向けて通風するファンフィルタユニット64が、前記収納容器2における他端側の開口部に装備され、前記収納容器2の前記出入り口72を開閉する蓋65が、閉じ状態において一部を開口し、且つ、開き状態において前記基板搬送装置7よる前記基板1の搬送を許容する状態で、前記収納容器2の出入り口部に装備されている。
換言すると、横倒れ姿勢の四角筒状に形成された容器本体66の一端側の開口が、前記基板1を一枚ずつ出し入れするための出入り口72として構成され、前記容器本体66の他端側の開口から前記出入り口72に向けて通風するファンフィルタユニット64が、前記容器本体66における他端側の開口部に装備され、前記容器本体66における前記出入り口72を開閉する蓋65が、閉じ状態において一部を通気口75として開口し、且つ、開き状態において前記基板搬送装置7による前記基板1の搬送を許容する状態で、前記容器本体66の出入り口部に装備されている。
【0036】
図10に示すように、容器本体66は、矩形状に形成されて容器本体66の一端側の開口を形成する一端側矩形枠93と、同じく矩形状に形成されて容器本体66の他端側の開口を形成する他端側矩形枠94と、一端側枠体と他端側枠体と角部において互いに連結する角枠材95と、容器本体66の一端側部を除く他端側部、左右横側部、上側部及び下側部において適宜架設された連結枠材96とで格子状に枠組み形成され、両横側部においては、その両横側部に形成された開口を塞ぐ形態で、矩形枠や枠材と外面側で面一となる状態で備えられた外面部材97と矩形枠や枠材と内面側で面一となる状態に備えられた内面部材98とを備え、上側部並びに下側部においては、その上側部並びに下側部に形成された開口を塞ぐ形態で、前記内面部材98を備えて、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されている。
そして、一端側矩形枠93、他端側矩形枠94及び下側に位置する各枠材95には、収納棚5の収納部4に収納する際に載置支持される収納用支持部82が設けられており、一端側矩形枠93及び他端側矩形枠94には、スタッカークレーン10等の収納容器搬送装置8にて搬送する際に載置支持される搬送用支持部83が設けられている。
【0037】
図13及び図17に示すように、容器本体66には、左右の両側壁部に亘って支持体67が架設されている。この支持体67は、1枚の基板1を支持するために前後方向に複数設けられ、且つ、収納容器2に収納する基板1の枚数に対応して上下方向に設定間隔で複数段に設けられている。
【0038】
そして、図13に示すように、支持体67の夫々は、容器本体66の左右の両側壁部における連結枠材96に亘って架設される本体フレーム69と、これに立設された複数本のピン部材68とで構成されている。ピン部材68は、基板搬送ロボット55にて基板1を収納容器2から出し入れする際に基板搬送ロボット55の支持部59と干渉しないように本体フレーム69における設定位置に立設されており、この複数本のピン部材68にて基板1を支持することによって、本体フレーム69とこれにて支持される基板1との間に基板搬送ロボット55の支持部59を挿通させるための隙間が形成されている。
【0039】
図11に示すように、容器本体66には、ファンフィルタユニット64が3つ装備されており、その3つのファンフィルタユニット64は、容器本体66における他端側の開口部に連結支持されるFFU用枠体90に横幅方向に3つ並べた状態で取り付けられている。
そして、FFU用枠体90には、非接触給電装置70の受電部70aが備えられており、収納部4の夫々において載置支持部32にて支持される状態で備えられた非接触給電装置70の給電部70b(図2参照)から供給された電力により3つのファンフィルタユニット64が作動するように構成されている。
また、FFU用枠体90には、受電部70aに供給された電力を蓄えるバッテリ71も備えられており、収納容器2をスタッカークレーン10にて搬送するとき等、受電部70aが給電部70bから離れて収納容器2に電力が供給されなくなる状態には、バッテリ71に蓄えられた電力にて3つのファンフィルタユニット64が作動するように構成されている。
【0040】
次に、蓋65について説明する。
図16に示すように、前記蓋65における前記通気口75は、前記出入り口72の横幅と略同じ横幅に亘るスリット状に形成され且つ前記容器本体66に保持される複数枚の前記基板1の夫々に対応させた状態で上下方向に複数形成されている。
そして、図16(ロ)に示すように、前記蓋65が、前記基板1の出し入れを許容する開き状態において、前記出入り口72の横幅と略同じ横幅に亘るスリット状の基板出し入れ用口76を前記容器本体66に保持される複数枚の前記基板1に対応する箇所に形成する形態で、且つ、隣接する基板出し入れ用口76の間を閉じる形態で、前記出入り口72を開くように構成されている。
前記蓋65について説明を加えると、図16に示すように、前記出入り口72の横幅と略同じ横幅の蓋形成部材77の複数を、前記閉じ状態において隣接するものの間に前記通気口75を形成し且つ前記出入り口72の横幅方向に沿う軸芯周りで回転させた前記開き状態において隣接するものの間に前記基板出し入れ用口76を開口する形態で、前記出入り口72を開くように上下方向に並べて構成されている。
【0041】
複数の蓋形成部材77の夫々は、横側面視において中空薄板状に形成された板状体にて構成されており、その中心部において横軸芯周りに回転自在に蓋用枠体78に支持されている。そして、蓋65は、図16(イ)に示すように、複数の蓋形成部材77の夫々を横軸芯周りに回転させて上下方向に沿う姿勢とすることにより、蓋形成部材77同士の間に形成された比較的小さな開口を通気口75とする閉じ状態となり、図16(ロ)に示すように、複数の蓋形成部材77の夫々を横軸芯周りに回転させて前後方向に沿う姿勢とすることにより、蓋形成部材77同士の間に形成された比較的大きな開口を基板出し入れ用口76とする開き状態となるように構成されている。
つまり、図16(イ)及び図17(イ)に示すように、蓋65閉じ状態とした状態では、複数の蓋形成部材77同士の間に通気口75が開口しているため、ファンフィルタユニット64にて、浄化空気を収納容器2の他端側の開口から出入り口72に向けて通風させて出入り口72における通気口75から排出させることができ、その通気口75は上下方向(通風方向と交差する方向)に沿う姿勢の複数の蓋形成部材77によって小さく形成されているため、その通気口75から排出される浄化空気は風速が速くなり、これによって収納容器2の出入り口72から収納容器2内への外気の侵入を防ぐことができる。
そして、図16(ロ)及び図17(ロ)に示すように、蓋65を開き状態とした状態では、複数の蓋形成部材77同士の間に通気口75より大きな基板出し入れ用口76が開口しているため、浄化空気を基板出し入れ用口76から基板1を出し入れすることができ、その基板出し入れ用口76から排出される浄化空気は、閉じ状態程ではないものの前後方向(通風方向)に沿う姿勢の複数の蓋形成部材77の存在によって風路が狭められて風速が速くなるため、これによって収納容器2の出入り口72から収納容器2内への外気の侵入を防ぐことができる。
また、複数の蓋形成部材77における隣接するもの同士の間には、上記の如く、閉じ状態においては通気口75が形成され、開き状態においては基盤出し入れ用口76が形成されているものであり、蓋65の開き状態や閉じ状態、並びに、蓋65をこれらの状態に切り換える際に互いに複数の蓋形成部材77が互いに接触することがないため、蓋形成部材77が互いに接触することによる発塵がなく、蓋65からの塵埃の発生を抑制することができる。
【0042】
前記蓋65が前記閉じ状態側に復帰付勢されるように構成され、上方への移動により前記蓋65を開き状態に操作する操作部としての連結棒80が、前記容器本体66の底面部から下方に突出する状態で設けられている。
説明を加えると、図16(イ)に示すように、リンク部材79の基端部が、上下方向に沿う姿勢の蓋形成部材77の夫々に後ろ下方に延設される形態で一体回転するように連結され、このリンク部材79の夫々の遊端部が上下方向に沿う姿勢の前記連結棒80に回転自在に連結されており、蓋形成部材77の夫々が上下方向沿う姿勢となる閉じ状態において、連結棒80を上昇移動させることによって、蓋形成部材77の夫々が前後方向に沿う姿勢となる開き状態となり、また、蓋形成部材77の夫々が前後方向沿う姿勢となる開き状態において、連結棒80を下降移動させることによって、蓋形成部材77の夫々が上下方向に沿う姿勢となる閉じ状態となる。
【0043】
そして、連結棒80は自重にて下降側に付勢されており、連結棒80が容器本体66の底面部から下方に突出している状態では蓋65は閉じ状態となり、この状態で収納容器2を基板入出部6に載置させるに伴って、基板入出部6の載置支持部32に備えられた蓋用突起部81にて連結棒80が押し上げられることによって、リンク部材79を介して蓋形成部材77が回転操作され、蓋形成部材77の夫々が前後方向に沿う姿勢となって蓋65が開き状態となる。ちなみに、基板入出部6から収納容器2を持ち上げることによって、連結棒80が自重によって押し下げられることによって、リンク部材79を介して蓋形成部材77が回転操作され、蓋形成部材77が上下方向に沿う姿勢となって蓋65が閉じ状態となる。尚、連結棒80の下降移動は、図外の規制部材にて連結棒80の下端部が容器本体66の底面部から下方に突出する状態で規制されている。
【0044】
基板入出部6の蓋用突起部81のような連結棒80を押し上げ操作するような部分は、基板入出部6以外の収納部4、並びに、スタッカークレーン10等の収納容器搬送装置8には備えられておらず、基板入出部6に位置させた場合以外では、連結棒80は押し上げ操作されることがないようにして、基板入出部6以外の収納部4にて収納させている際やスタッカークレーン10等にて搬送する際は収納容器2の蓋65が閉じ状態を維持するように構成されている。
つまり、基板処理設備においては、前記収納棚5に保管するとき及び前記収納容器搬送装置8にて搬送するときには、前記収納容器2の前記蓋65を閉じ状態として前記ファンフィルタユニット64にて通風することにより、前記基板1の清浄度が維持され、且つ、前記基板入出部6において前記基板搬送装置7にて前記基板1を搬送するときには、前記収納容器2の前記蓋65を開き状態として前記ファンフィルタユニット64にて通風すること並びに前記搬送エリア用の浄化空気通風手段25によって前記基板搬送エリア24の清浄度が維持されることにより、前記基板1の清浄度が維持する基板処理方法が用いられている。
【0045】
そして、収納容器2は、蓋65を開き状態としたときに3つのファンフィルタユニット64の通風量を増大させるべく3つのファンフィルタユニット64の作動を制御する制御部109を備えて構成されている。
つまり、図11及び図18に示すように、FFU用枠体90には、収納容器2を基板入出部6に載置するに伴って基板入出部6の載置支持部32に備えられたFFU用突起部106にて押し上げられて上昇移動し、且つ、収納容器2が基板入出部6から持ち上げられることによって自重により下降移動する昇降移動可能な検出片107と、検出片107の昇降移動を検出してその検出情報を前記制御部109に向けて送信するリミットスイッチにて構成された検出スイッチ108と、検出スイッチ108からの検出情報に基づいてファンフィルタユニット64の作動を制御する前記制御部109とが備えられており、制御部109は、検出片107が上昇移動した状態では、ファンフィルタユニット64の通風量を増大させ、検出片107が下降移動した状態では、ファンフィルタユニット64の通風量を減少させるべく、検出スイッチ108の検出情報に基づいてファンフィルタユニット64の作動を制御するように構成されている。
そして、FFU用突起部106は、蓋用突起部81と同様に、基板入出部6以外の収納部4、並びに、スタッカークレーン10等の収納容器搬装置8には備えられていない。
従って、収納容器2を基板入出部6に位置させて蓋65が開き状態となった状態では、ファンフィルタユニット64の通風量は増大し、収納容器2を基板入出部6以外に位置させて蓋65が閉じ状態となった状態では、ファンフィルタユニット64の通風量が減少する。
ちなみに、蓋65が開き状態に切り換えられる前の時点で、ファンフィルタユニット64の通風量が増大し、蓋が閉じ状態に切り換えられた後の時点で、ファンフィルタユニットの通風量が減少するようにして、蓋65を開き状態に切り換えられる際や閉じ状態に切り換えられる際の蓋65から発生する塵埃によって収納容器2内の基板1が汚染されることを防止することが好ましく、このような蓋65の開き状態や閉じ状態への切り換えとファンフィルタユニット64の通風量の増減の関係は、蓋用突起部81及びFFU用突起部106の高さを調節することにより可能である。
【0046】
図11に示すように、前記ファンフィルタユニット64並びに前記蓋65が、前記容器本体66に対して着脱自在に装着されており、収納容器2からファンフィルタユニット64と蓋65とを取り外して収納容器2を容易に洗浄できるように構成されている。
つまり、図14に示すように、蓋用枠体78の上端部には、容器本体66における一端側矩形枠93の上部に上方から係合する蓋用係合部材99が設けられ、また、一端側矩形枠93の下端部には、蓋用枠体78を載置支持する状態で蓋用枠体78の下端部に形成された被係合溝78aに係合する蓋用係合支持板100が設けられており、蓋用係合部材99を一端側矩形枠93の上部に対して係脱し、且つ、蓋用係合支持板100を蓋用枠体78の被係合溝78aに対して係脱することにより、蓋65を容器本体66に対して着脱することができるように構成されている。
また、図15に示すように、FFU用枠体90の上端部には、容器本体66における他端側矩形枠94の上部に上方から係合するFFU用係合部材88が設けられ、また、他端側矩形枠94の下端部には、FFU用枠体90を載置支持する状態でFFU用枠体90の下端部に形成された被係合溝90aに係合するFFU用係合支持板89が設けられており、FFU用係合部材88を他端側矩形枠94の上部に対して係脱し、且つ、FFU用係合支持板89をFFU用枠体90の被係合溝90aに対して係脱することにより、ファンフィルタユニット10を給電部70bやバッテリ71とともに容器本体66に対して着脱することができるように構成されている。
【0047】
そして、図2に示すように、収納棚5が備える最下段の複数の収納部4のうちの一部が、収納棚5の背面側と通して手押し台車85にて収納容器2を出し入れすることができる手押し台車用の入出庫部9とされており、手押し台車85にて手押し台車用の入出庫部9から収納容器2を取り出した後、収納容器2からファンフィルタユニット64と蓋65とを取り外して、容器洗浄装置86にて容器本体2を洗浄することができるように構成されている。ちなみに、手押し台車用の入出庫部9の背面側には、その入出庫部9の背面側を閉じるシャッター84が設けられており、前記制御手段Hは、シャッター84が開き操作されている状態では、手押し台車用の入出庫部9に対するスタッカークレーン10による収納容器2の搬送が行われないようにスタッカークレーン10の作動を制御するように構成されている。
【0048】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、収納容器2の出入り口部に収納容器2の出入り口72を開閉する蓋65を装備したが、収納容器2の出入り口部に収納容器2の出入り口72を開閉する蓋65を装備しなくてもよい。
【0049】
(2) 上記実施の形態では、一対の収納棚5のいずれにおいても、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納したが、一対の収納棚5の一方では、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納し、一対の収納棚5の他方では、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間から離れる側に位置させ且つ収納容器2の出入り口側を移動空間側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、収納棚5を対向する状態で一対設けたが、収納棚5を1つだけ設けてもよい。
【0050】
(3) 上記実施の形態では、浄化空気通風手段23を備えて、基板収納設備Aを装備した空間を、浄化空気を天井部より床部に通風するダウンフローのクリーン空間としたが、浄化空気通風手段23を備えずに、基板収納設備Aを装備した空間をクリーン空間としなくてもよい。
【0051】
(4) 上記実施の形態では、クリーン空間内に、基板収納設備Aが周囲を開放する状態で装備したが、基板収納設備Aをブースにて覆い、ブース内に収納棚5や収納容器搬送装置8を装備するようにしてもよい。
【0052】
(5) 上記実施の形態では、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板1を搬送するときは、収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を増大させるようにしたが、基板入出部6において、基板搬送装置7にて基板1を搬送するときにおいてもファンフィルタユニット64の通風量を増大させないようにしてもよい。
つまり、収納棚5に保管するとき、収納容器搬送装置8にて搬送するとき、及び、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板1を搬送するときにおいて、収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を一定に維持するようにしてもよい。
また、収納容器搬送装置8にて搬送するときは、収納棚5に保管するときより収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を増大させ、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板搬送するときは、収納容器搬送装置8にて搬送するときよりファンフィルタユニット64の通風量を増大させるというように、収納棚5に保管するときと、収納容器搬送装置8にて搬送するときと、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板搬送するときとで、収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を変更するようにしてもよい。つまり、収納容器搬送装置8にて搬送するときにおいても、収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を増大させるようにしてもよい。ちなみに、収納容器搬送装置8にて搬送するときの通風量は、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板搬送するときと同じでもよく、また、多くてもよい。
【0053】
(6) 上記実施の形態では、収納棚5をクリーン空間13の床部(グレーティング床14)上に設けたが、床部より低い吸気室16の底部上に設けてもよい。
【0054】
(7) 上記実施の形態では、クリーン空間13の天井部をエアーフィルタにて形成したが、クリーン空間13の天井部を天井部用のファンフィルタユニットにて形成してもよい。
【0055】
(8) 上記実施の形態では、容器本体66の両横側部を、外面部材98と内面部材99とを備えて2重構造としたが、内面部材のみを備えて、上側部や下側部と同様に1重構造としてもよい。
【0056】
(9) 上記実施の形態では、リンク部材79の基端部を、上下方向に沿う姿勢の蓋形成部材77の夫々に後ろ下方に延設される形態で一体回転するように連結して、リンク部材79の夫々の遊端部が回転自在に連結される連結棒80が、蓋形成部材77の回転軸芯より後方側(容器本体側)に位置するようにしたが、リンク部材79の基端部を、上下方向に沿う姿勢の蓋形成部材77の夫々に前下方に延設される形態で一体回転するように連結して、リンク部材79の夫々の遊端部が回転自在に連結される連結棒80が、蓋形成部材77の回転軸芯より前方側(容器本体が存在する側とは反対側)に位置するようにしてもよい。
【0057】
(10) 上記実施の形態では、基板入出部6において収納容器2を収納容器搬送装置8にて上下に移動させることによって、操作部80が操作されて蓋65が開き状態と閉じ状態とに切り換えられるように構成したが、蓋65に操作部80を操作する電動モータ等の駆動手段を備え、駆動手段にて操作部80を操作することによって、蓋65を開き状態と閉じ状態とに切り換えるように構成してもよい。
【0058】
(11) 上記実施の形態では、複数の蓋形成部材77の全てを一体的に回転操作するように構成したが、蓋65を開き状態とした状態において、一部の蓋形成部材77を前後方向に沿う姿勢とし、残りの蓋形成部材77を上下方向に沿う姿勢として、開き状態においても、上下方向に沿う姿勢の蓋形成部材77を存在させておいて、排出される浄化空気の風速をより速くすることができるように、複数の蓋形成部材77を個別に又は複数枚のグループ単位で回転操作するように構成してもよい。
つまり、例えば、複数の蓋形成部材77を複数枚のグループ単位で回転操作するように構成した場合では、複数の蓋形成部材77における上半分の蓋形成部材77には、横幅方向一方側端部にリンク部材79を介して一方側の連結棒80を連結し、複数の蓋形成部材77における下半分の蓋形成部材77には、横幅方向他方側端部にリンク部材79を介して他方側の連結棒80を連結して、一方側の連結棒80の操作により上半分の蓋形成部材77を前後方向に沿う姿勢として収納容器2の上半分で基板1の出し入れを行い、他方側の連結棒80の操作により下半分の蓋形成部材77を前後方向に沿う姿勢として収納容器2の下半分で基板1の出し入れを行うように構成してもよい。
【0059】
(12) 上記実施の形態では、FFU用突起部106による検出片107の昇降移動に基づいてファンフィルタユニット64の通風量を変更するように構成したが、蓋用突起部81による連結棒80の昇降移動に基づいてファンフィルタユニット64の通風量を変更するように構成してもよい。
つまり、蓋用枠体78に、連結棒80の昇降移動を検出してその検出信号を制御部109に向けて送信する検出手段を備え、制御部109を、蓋65が開き状態となる連結棒80が上昇移動した状態では、ファンフィルタユニット64の通風量を増大させ、蓋65が閉じ状態となる連結棒80が下降移動した状態では、ファンフィルタユニット64の通風量を減少させるべく、検出手段の検出情報に基づいてファンフィルタユニット64の作動を制御するように構成してもよい。
ちなみに、検出手段から制御部109への検出情報の送信は、蓋用枠体78側及びFFU用枠体90側と分離可能に接続したケーブルを容器本体66に設けて有線で行ってもよく、また、蓋用枠体78に送信機を設け、FFU用枠体90に受信機を設けて無線で行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】物品処理設備の斜視図
【図2】基板収納設備の正面図
【図3】基板収納設備の側面図
【図4】浄化空気通風手段を示す図
【図5】物品収納棚における一段目の収納部を示す図
【図6】基板搬送エリアを示す側面図
【図7】物品収納棚における三段目の収納部を示す図
【図8】スタッカークレーンの側面図
【図9】物品移載装置の平面図
【図10】容器本体の分解斜視図
【図11】収納容器の分解斜視図
【図12】収納容器の斜視図
【図13】収納容器の縦断正面図
【図14】蓋の着脱を示す側面図
【図15】ファンフィルタユニットの着脱を示す側面図
【図16】蓋の閉じ状態と開き状態とを示す側面図
【図17】蓋の閉じ状態と開き状態とを示す側面図
【図18】ファンフィルタユニットの制御部を示す側面図
【符号の説明】
【0061】
1 基板
2 収納容器
4 収納部
5 収納棚
8 収納容器搬送装置
9 入出庫部
38 旋回手段
64 ファンフィルタユニット
65 蓋
72 出入り口
A 基板収納設備
H 制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器を収納する複数の収納部を備えた収納棚と、前記収納容器の入出庫部と、前記収納棚の前方の移動空間を棚横幅方向に走行自在で、且つ、前記収納容器を前記入出庫部及び前記収納棚における前記収納部に搬送する収納容器搬送装置と、前記収納容器搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられている基板収納設備、及び、その基板収納設備が装備された基板処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる基板収納設備は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに使用されるガラス基板等の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持した収納容器を収納棚に保管し、収納容器搬送装置にて収納容器を入出庫部と収納部との間で搬送することにより、収納容器の搬出や搬入を行うものである。
そして、このような基板収納設備において、従来では、収納容器を、外気を通風可能な格子状に形成して、収納棚、入出庫部及び収納容器搬送装置を装備した空間の天井部より床部に通風する浄化空気通風手段と、収納棚の後部側に装備されてその後部側から収納容器搬送装置が存在する前部側に通風する収納棚用ファンフィルタユニットとを備えて、浄化空気通風手段にて移動空間を天井側から床部側に通風させて収納容器搬送装置にて発生した塵埃を床面側に鎮める形態で収納棚、入出庫部及び収納容器搬送装置を装備した空間をクリーン空間として、基板の清浄度を維持しており、特に、収納棚に保管するときにおいては、収納棚用ファンフィルタユニットにて収納棚の後部側から前部側に通風させることによって、収納容器内にも通風させて塵埃の付着を防止し、且つ、移動空間において収納容器搬送装置から発生した塵埃が収納部に進入することを防止して、基板の清浄度を維持していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−081406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の基板収納設備では、収納棚、入出庫部、及び、収納容器搬送装置を装備した空間を基板の清浄度が維持できる程度のクリーン空間とすべく、清浄効果の高い高性能な浄化空気通風手段を設ける必要があるため、設備費用が高くなってしまうものであり、また、物品の搬送効率の向上のために物品搬送装置の高速走行化が求められているものであるが、物品搬送装置を高速走行させるとその走行によって気流が大きく乱されて、これによって床側から巻き上げられた塵埃が収納部に進入してしまう可能性があり、収納部に収納されている収納容器内まで塵埃が進入して基板が汚染されてしまう虞があった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、設備費用を抑えることができ、且つ、基板が汚染され難い基板収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明にかかる基板収納設備の第1特徴構成は、矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器を収納する複数の収納部を備えた収納棚と、前記収納容器の入出庫部と、前記収納棚の前方の移動空間を棚横幅方向に走行自在で、且つ、前記収納容器を前記入出庫部及び前記収納棚における前記収納部に搬送する収納容器搬送装置と、前記収納容器搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられている基板収納設備において、
前記収納容器が、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されて、その一端側の開口が、前記基板を出し入れするための出入り口として構成され、前記収納容器の他端側の開口から前記出入り口に向けて通風するファンフィルタユニットが、前記収納容器における他端側の開口部に装備され、前記制御手段が、前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納するように前記収納容器搬送装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、収納容器が、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されて、その一端側の開口が、基板を出し入れするための出入り口として構成され、収納容器の他端側の開口から出入り口に向けて通風するファンフィルタユニットが、収納容器における他端側の開口部に装備されており、ファンフィルタユニットにて、浄化空気を収納容器の他端側の開口から出入り口に向けて通風させて出入り口から排出させることによって、収納容器内に存在する塵埃が基板に付着することを抑制するとともに収納容器内に外気が進入することを防止することができるため、収納棚、入出庫部、及び、収納容器搬送装置を装備した空間の清浄度はあまり高くなくても基板の清浄度を維持することができるので、収納棚、入出庫部及び収納容器搬送装置を装備した空間の天井部より床部に通風する浄化空気通風手段を設けなくてもよく、また、この浄化空気通風手段を設ける場合でも、清浄効果のそれほど高くない比較的安価な浄化空気通風手段でもよくなるため、設備費用を抑えることができる。
そして、収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器を収納部に収納するため、収納容器搬送装置の作動にて気流が乱されて床側から巻き上げられた塵埃が収納部に進入したとしても、その塵埃は移動空間側に位置するファンフィルタユニットにて取り除かれるので、収納部に収納されている収納容器内まで塵埃が進入することが防止され、基板が汚染され難いものとなる。
【0008】
従って、収納容器に、その他端側の開口から出入り口に向けて通風するファンフィルタユニットを備えさせることによって、収納棚、入出庫部、及び、収納容器搬送装置を装備した空間の清浄度はあまり高くなくてもよくなるので、設備費用を抑えることができ、また、収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器を収納部に収納することによって、収納容器搬送装置の作動にて気流が乱されたとしても、基板が汚染され難いものとなり、もって、設備費用を抑えることができ、且つ、基板が汚染され難い基板収納設備を提供することができるに至った。
【0009】
本発明にかかる基板収納設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記収納容器の前記出入り口を開閉する蓋が、閉じ状態において一部を開口する状態で、前記収納容器の出入り口部に装備されている点にある。
【0010】
すなわち、収納容器の出入り口を開閉する蓋が、閉じ状態において一部を開口する状態で、収納容器の出入り口部に装備されており、収納容器の蓋を閉じ状態としたとしても出入り口の一部が開口しているので、蓋を閉じ状態とした状態においても、ファンフィルタユニットにて、浄化空気を収納容器の他端側の開口から出入り口に向けて通風させて出入り口から排出させることにより、収納容器内に存在する塵埃が基板に付着することを防止するとともに収納容器内に外気が進入することを防止して、収納容器内の基板の清浄度を維持することができる。
【0011】
そして、収納容器内の風速は収納容器内に存在する塵埃が基板に付着するのを防止することができる程度に比較的遅くてもよいものの、収納容器から排出されるときの風速は出入り口からの外気の逆流を防止するために比較的速くする必要があるが、ファンフィルタユニットにて、浄化空気を収納容器の他端側の開口から出入り口に向けて通風させて出入り口における一部の開口から排出させるため、出入り口においては蓋により風路が狭められるために排出される浄化空気の風速が速くなるものであり、ファンフィルタユニットの通風量を比較的少なくしたとしても、排出される浄化空気の風速が速く、収納容器の出入り口から収納容器内への外気の進入を防ぐことができる。
【0012】
従って、収納棚に保管するとき及び収納容器搬送装置にて搬送するときにおいては、蓋を閉じ状態とすることによって、ファンフィルタユニットの通風量を比較的少なくしたとしても基板の清浄度を維持することができて、ファンフィルタユニットのランニングコストを抑えることができ、もって、収納容器のファンフィルタユニットのランニングコストを抑えることができる基板収納設備を提供することができるに至った。
【0013】
本発明にかかる基板収納設備の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記収納棚が、互いに対向する状態で一対設けられ、前記収納容器搬送装置が、支持した収納容器を旋回させる旋回手段を備えて構成され、前記制御手段が、一対の前記収納棚のいずれにおいても、前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納するように前記収納容器搬送装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0014】
すなわち、収納棚が、互いに対向する状態で一対設けられているが、収納容器搬送装置にて搬送して収納棚の収納部に収納容器を収納させる際に、一対の収納棚における一方の収納棚に収納容器に収納するときと他方の収納棚に収納容器を収納するときとで、旋回手段にて収納容器を旋回させて収納容器が収納部に収納される向きを反転させることによって、一対の前記収納棚のいずれにおいても、前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納されるものとなって、基板が汚染され難くすることができ、もって、対向する一対の収納棚のいずれにおいても基板が汚染され難い基板収納設備を提供することができるに至った。
【0015】
本発明にかかる基板処理設備は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つに記載の基板収納設備が装備された基板処理設備において、浄化空気を天井部より床部に通風するダウンフローのクリーン空間内に、前記基板収納設備が周囲を開放する状態で装備されている点にある。
【0016】
すなわち、基板収納設備を覆う区画壁等を備える必要がなく、基板収納設備を安価に構成することができる基板処理設備を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2及び図6に示すように、基板処理設備は、矩形状の基板1を処理する複数の基板処理装置3と、前記基板1を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器2を収納する複数の収納部4を備えた収納棚5と、複数の前記基板処理装置3の夫々に対する基板入出部6に位置する前記収納容器2から基板1を一枚ずつ取り出して前記基板処理装置3に供給し且つ前記基板処理装置3から搬出される基板1を前記基板入出部6に位置する前記収納容器2に収納する基板搬送装置7と、前記収納容器2を前記複数の基板処理装置3の夫々における前記基板入出部6及び前記収納棚5における前記収納部4に搬送する収納容器搬送装置8とが備えられている。
ちなみに、図1に示すように、基板処理設備には、複数の基板収納設備Aと、処理工程設備Bとが装備されており、図2に示すように、基板収納設備Aの夫々に、収納棚5及び前記収納容器搬送装置8としてのスタッカークレーン10が備えられ、図6に示すように、処理工程設備Bの夫々に、基板処理装置3及び基板搬送装置7が備えられている。
【0018】
そして、この基板処理設備においては、前記収納容器2を前記収納棚5に保管しながら、保管した前記収納容器2を前記複数の基板処理装置3の夫々における前記基板入出部6に順次搬送することにより、前記基板1を複数の前記基板処理装置3にて順次処理して処理済み基板を製造する基板処理方法が用いられている。
つまり、基板搬送装置7及び収納容器搬送装置8は、図外の制御装置にて作動が制御されており、収納容器搬送装置8にて、収納容器2を複数の基板処理装置3の夫々における基板入出部6に順次搬送し、基板入出部6に搬送される毎に、基板搬送装置7にて、収納容器2から基板1を一枚ずつ取り出して基板処置装置3に供給し、基板処理装置3から搬送される基板1を収納するように、制御装置にて基板搬送装置7及び収納容器搬送装置8の作動を制御される。
また、複数の基板処理装置3においては塗布、露光及び現像等の所定の処理を個別に行うものであるために基板1を処理する処理量に差が生じるものであり、基板入出部6に順次搬送するときにおいて基板1の処理に待ちが生じた場合には、その処理待ちの基板1を収納した収納容器2は一時的に収納棚5に保管させるべく、制御装置にて収納容器搬送装置8の作動が制御される。
【0019】
前記収納容器搬送装置8として、前記収納棚5に対応して装備される収納棚用の収納容器搬送部であるスタッカークレーン10と、複数の前記収納棚5の夫々における複数の入出庫部9の間で前記収納容器2を搬送する棚間用の収納容器搬送部である往復走行搬送車11及び周回走行搬送車12とが設けられている。
図1に示すように、前記往復走行搬送車11及び周回走行搬送車12は、基板収納設備A外で収納容器2を搬送するものであり、往復走行搬送車11は、隣接する2つの基板収納設備Aの間で往復走行して2つの基板収納設備Aの間で収納容器2を搬送するように構成され、周回走行搬送車12は、多数の基板収納設備Aに亘って周回走行して、多数の基板収納設備Aの間で収納容器2を搬送するように構成されている。
また、図2に示すように、スタッカークレーン10は、基板収納設備A内で収納容器2を搬送するものであり、互いに対向する状態で設けられた一対の収納棚5の間に形成された移動空間に沿って往復走行して、対向する一対の収納棚5における複数の収納部4の間で収納容器2を搬送するように構成されている。
【0020】
つまり、収納容器搬送装置8にて、搬送元となる収納部4又は基板入出部6から搬送先となる収納部4又は基板入出部6に収納容器2を搬送する場合に、搬送元と搬送先とが異なる基板収納設備Aである場合は、搬送元の基板収納設備Aのスタッカークレーン10、往復走行搬送車11や周回走行搬送車12、搬送先の基板収納設備のスタッカークレーン10の順で順次受け渡すようにして収納容器2は搬送され、搬送元と搬送先とが同じ基板収納設備Aである場合は、その基板収納設備Aのスタッカークレーン10にて収納容器2は搬送される。
【0021】
図4に示すように、物品処理設備には、クリーン空間13において浄化空気を天井部より床部に通風させるダウンフロー式の浄化空気通風手段23が設けられており、そのダウンフローのクリーン空間13内に、前記複数の基板処理装置3、前記収納棚5、前記基板搬送装置7、及び、前記収納容器搬送装置8が装備されており、前記基板収納設備Aが周囲を開放する状態で装備されて、基板収納設備Aの内外に浄化空気が空気流動可能に構成されている。
【0022】
浄化空気通風手段23について説明を加えると、図4に示すように、浄化空気通風手段23は、クリーン空間13の床部が多孔状のグレーティング床14にて形成され、クリーン空間13の天井部がHEPAフィルタなどからなるエアーフィルタ15にて形成されるとともに、グレーティング床14の下方側に形成された吸気室16とエアーフィルタ15の上方側に形成されたチャンバー室17とが通風ファン18及びプレフィルタ21を備えた循環路19にて連通されており、通風ファン18にて、クリーン空間13の空気をグレーティング床14及び吸気室16を通して循環路19に吸気されるとともに、その吸気された空気をプレフィルタ21、チャンバー室17及びエアーフィルタ15を通して浄化空気としてクリーン空間13内に下向きに噴き出すようにして、クリーン空間13内の空気を、プレフィルタ21とエアーフィルタ15とで清浄化させながら循環させて、浄化空気を天井部より床部に通風させるように構成されている。そして、循環路19には、通風ファン18より上流側に外気取入流路20が接続され、通風ファン18より下流側に排気流路22が接続されており、浄化空気通風手段23にて循環されるクリーン空間13内の空気の一部を外気と交換されている。
【0023】
図6に示すように、物品処理設備には、前記基板搬送装置7によって前記基板入出部6と前記基板処理装置3との間で前記基板1を搬送する基板搬送エリア24の清浄度を維持するために浄化空気を通風する搬送エリア用の浄化空気通風手段25が備えられている。
つまり、処理工程設備Bにおける基板搬送エリア24には、基板搬送装置7による基板搬送作用空間を収納棚5側の端部が開放され且つ基板処理装置3側の端部が基板処理装置3と連通するように覆う区画壁26が設けられ、この区画壁26の天井部に搬送エリア用の浄化空気通風手段25としての複数のエリア用ファンフィルタユニット27が設けられており、複数のエリア用ファンフィルタユニット27にて、クリーン空間13の浄化空気をさらに清浄化させた浄化空気を、基板搬送エリア24の天井部より床部に通風させて、区画壁26にて覆われる空間をダウンフローの空間としている。
【0024】
図2〜図4に示すように、前記収納棚5は、グレーティング床14上に設けられており、棚横幅方向に間隔を隔てて立設された前後一対の支柱31と、前後一対の支柱31に亘って架設されて棚上下方向に間隔を隔てて設けられた載置支持部32とから構成されている。
そして、収納棚5には、前後一対の支柱31と左右一対の載置支持部32とにより形成された前記収納部4が縦横並べられて複数設けられている。各収納部4は、棚横幅方向に隣接するもの同士及び棚上下方向に隣接するもの同士が空気流動可能に連通されている。
また、最下段の収納部4は、グレーティング床14から上方側に間隔を隔てるように設置されており、その最下段の収納部4の下方には、浄化空気を流動させるための流動用空間が形成されている。
【0025】
前記収納棚5が備える複数の収納部4のうちの一部が、前記基板入出部6とされ、また、収納棚5が備える収納部4のうちの一部が、前記入出庫部9とされている。
説明を加えると、図5に示すように、収納棚5が備える最下段の複数の収納部4のうちの基板処理装置3に対応する収納部4が基板入出部6とされており、基板搬送装置7にて基板入出部6に位置する収納容器2に対して収納棚5の背面側を通して基板1を一枚ずつ取り出すことや一枚ずつ収納することができるように構成されている。そして、最下段の収納部は上記したようにグレーティング床14から上方側に間隔を隔てるように設置されているため、基板入出部6は、床部よりも高い位置に設置されている。
また、図7に示すように、収納棚5が備える中段の複数の収納部4のうちの往復走行搬送車11及び周回走行搬送車12に対応する収納部4が入出庫部9とされており、往復走行搬送車11に対応する入出庫部9は、往復走行搬送車11にて収納棚5の背面側と通して収納容器2を搬出入できるように構成され、且つ、周回走行搬送車12に対応する入出庫部9は、周回走行搬送車12にて収納棚5の側面側を通して収納容器2を搬出入できるように構成されている。
【0026】
図2、図3及び図8に示すように、スタッカークレーン10は、収納棚5の前方の走行経路に長手方向に沿って設けられた2本の走行レール34に沿って走行する走行台車35と、走行台車35に立設された一対の昇降マスト36に昇降自在に案内支持される昇降台37と、昇降台37に支持されて収納部4と自己との間で収納容器2を移載可能なフォーク式の物品移載装置38とが備えられており、走行台車35の水平移動、昇降台37の昇降移動、および、物品移載装置38の作動により、収納棚5の前方の移動空間を棚横幅方向に走行自在で、且つ、前記収納容器2を前記基板入出部6、前記入出庫部9、及び、これら以外の前記収納棚5における前記収納部4に搬送するように構成されている。
【0027】
前記走行台車35には、2本の走行レール34の夫々に対して前後2輪、計4輪の走行車輪39が設けられており、走行車輪39の夫々を走行用モータ40にて回転駆動させることにより、走行台車35が走行経路に沿って走行するように構成されている。
そして、一対の昇降マスト36は、その上端部同士が上部フレーム41にて連結されている。
【0028】
図8に示すように、前記昇降台37における前後方向の両端部の夫々には、一対の昇降用チェーン45の一端部が連結されており、その一対の昇降用チェーン45の一方は、昇降マスト36の上端部に設けられた案内スプロケット46に巻き掛けられて他端部がバランスウェイト47に連結され、一対の昇降用チェーン45の他方は、昇降マスト36の下端部に設けられた駆動スプロケット48に巻き掛けられて他端部がバランスウェイト47に連結されており、昇降用モータ49にて駆動スプロケット48を回転駆動させることにより、昇降台37を昇降移動させるように構成されている。
【0029】
図9に示すように、前記物品移載装置38は、上下軸芯P1周りに旋回自在な旋回台50、及び、その旋回台50上に設けられた載置部51を出退移動自在に支持するリンク機構52から構成されている。そして、物品移載装置38は、旋回台50の旋回により載置部51を旋回移動可能で、且つ、リンク機構52の伸縮により、物品移載装置38を昇降台37上に引退させた状態(図5参照)や物品移載装置38を収納部4側に突出させた状態に切り換え可能に構成されている。尚、物品移載装置38が、支持した収納容器2を旋回させる旋回手段に相当する。
【0030】
図3に示すように、基板収納設備Aには、スタッカークレーン10の作動を制御する制御手段Hが備えられている。
この制御手段Hは、収納容器搬送装置8の運転を管理する上位の制御装置からの指令に基づいて、走行用モータ40、昇降用モータ49及び物品移載装置38の作動を制御することにより、複数の収納部4の間で収納容器2を搬送すべく、スタッカークレーン10の作動を制御するように構成されている。
【0031】
そして、前記制御手段Hは、一対の前記収納棚5のいずれにおいても、前記収納容器2の前記ファンフィルタユニット64を装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器2の前記出入り口72側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器2を前記収納部4に収納するように前記収納容器搬送装置8の作動を制御するように構成されている。
つまり、制御手段Hは、対向する一対の収納棚5の間で収納容器2を搬送する際に、搬送元の収納部4と搬送先の収納部4とが同じ収納棚5である場合では、搬送元の収納部4から収納容器2を取り出し、その収納容器2を物品移載装置38にて旋回させることなく搬送先の収納部4に収納することによって、搬送元の収納部4と同様に搬送先の収納部4においても、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の前記出入り口側である蓋65を装備した側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納させ、また、搬送元の収納部4と搬送先の収納部4とが異なる収納棚5である場合では、搬送元の収納部4から収納容器2を取り出し、その収納容器2を物品移載装置38にて180度旋回させた後に搬送先の収納部4に収納することによって、搬送元の収納部4と同様に搬送先の収納部4においても、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の蓋65を装備した側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納させるべく、スタッカークレーン10の作動を制御するように構成されている。
【0032】
図5及び図6に示すように、基板搬送装置7は、基板処理装置3と収納棚5近くとの間で基板1を載置搬送する基板搬送コンベヤ54と、基板入出部6に位置する収納容器2と基板搬送コンベヤ54の収納棚側端部との間で基板1を載置搬送する基板搬送ロボット55とを備えて構成されている。
【0033】
基板搬送ロボット55は、収納棚5の背面側を棚横幅方向に沿って移動する移動台車56と、その移動台車56に昇降並びに回転自在に支持された昇降部57と、その昇降部57にリンク機構58を介して連結されたフォーク状の支持部59とを備え、昇降部57の昇降及び回転とリンク機構58の伸縮とによって、基板入出部6に位置する収納容器2から基板搬送コンベヤ54の収納棚側端部に基板1を一枚ずつ搬送し、且つ、基板搬送コンベヤ54の収納棚側端部の基板1を基板入出部6に位置する収納容器2に一枚ずつ搬送するように構成されている。
【0034】
図6に示すように、基板搬送コンベヤ54は、基板1の横幅方向の両端部を回転ローラ61にて支持して、その回転ローラ61を回転駆動させることによって基板1を搬送するように構成されており、図5に示すように、基板搬送コンベヤ54として、基板搬送ロボット55から受け取った基板1を基板処理装置3に向けて搬送する未処理用の基板搬送コンベヤ54と、基板処理装置3から搬出された基板1を収納棚5側に向けて搬送する処理済用の基板搬送コンベヤ54とが備えられている。
【0035】
図11及び図12に示すように、前記収納容器2は、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されて、その収納容器2の一端側の開口が前記基板1を出し入れするための出入り口72とされ、前記収納容器2の他端側の開口から前記出入り口72に向けて通風するファンフィルタユニット64が、前記収納容器2における他端側の開口部に装備され、前記収納容器2の前記出入り口72を開閉する蓋65が、閉じ状態において一部を開口し、且つ、開き状態において前記基板搬送装置7よる前記基板1の搬送を許容する状態で、前記収納容器2の出入り口部に装備されている。
換言すると、横倒れ姿勢の四角筒状に形成された容器本体66の一端側の開口が、前記基板1を一枚ずつ出し入れするための出入り口72として構成され、前記容器本体66の他端側の開口から前記出入り口72に向けて通風するファンフィルタユニット64が、前記容器本体66における他端側の開口部に装備され、前記容器本体66における前記出入り口72を開閉する蓋65が、閉じ状態において一部を通気口75として開口し、且つ、開き状態において前記基板搬送装置7による前記基板1の搬送を許容する状態で、前記容器本体66の出入り口部に装備されている。
【0036】
図10に示すように、容器本体66は、矩形状に形成されて容器本体66の一端側の開口を形成する一端側矩形枠93と、同じく矩形状に形成されて容器本体66の他端側の開口を形成する他端側矩形枠94と、一端側枠体と他端側枠体と角部において互いに連結する角枠材95と、容器本体66の一端側部を除く他端側部、左右横側部、上側部及び下側部において適宜架設された連結枠材96とで格子状に枠組み形成され、両横側部においては、その両横側部に形成された開口を塞ぐ形態で、矩形枠や枠材と外面側で面一となる状態で備えられた外面部材97と矩形枠や枠材と内面側で面一となる状態に備えられた内面部材98とを備え、上側部並びに下側部においては、その上側部並びに下側部に形成された開口を塞ぐ形態で、前記内面部材98を備えて、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されている。
そして、一端側矩形枠93、他端側矩形枠94及び下側に位置する各枠材95には、収納棚5の収納部4に収納する際に載置支持される収納用支持部82が設けられており、一端側矩形枠93及び他端側矩形枠94には、スタッカークレーン10等の収納容器搬送装置8にて搬送する際に載置支持される搬送用支持部83が設けられている。
【0037】
図13及び図17に示すように、容器本体66には、左右の両側壁部に亘って支持体67が架設されている。この支持体67は、1枚の基板1を支持するために前後方向に複数設けられ、且つ、収納容器2に収納する基板1の枚数に対応して上下方向に設定間隔で複数段に設けられている。
【0038】
そして、図13に示すように、支持体67の夫々は、容器本体66の左右の両側壁部における連結枠材96に亘って架設される本体フレーム69と、これに立設された複数本のピン部材68とで構成されている。ピン部材68は、基板搬送ロボット55にて基板1を収納容器2から出し入れする際に基板搬送ロボット55の支持部59と干渉しないように本体フレーム69における設定位置に立設されており、この複数本のピン部材68にて基板1を支持することによって、本体フレーム69とこれにて支持される基板1との間に基板搬送ロボット55の支持部59を挿通させるための隙間が形成されている。
【0039】
図11に示すように、容器本体66には、ファンフィルタユニット64が3つ装備されており、その3つのファンフィルタユニット64は、容器本体66における他端側の開口部に連結支持されるFFU用枠体90に横幅方向に3つ並べた状態で取り付けられている。
そして、FFU用枠体90には、非接触給電装置70の受電部70aが備えられており、収納部4の夫々において載置支持部32にて支持される状態で備えられた非接触給電装置70の給電部70b(図2参照)から供給された電力により3つのファンフィルタユニット64が作動するように構成されている。
また、FFU用枠体90には、受電部70aに供給された電力を蓄えるバッテリ71も備えられており、収納容器2をスタッカークレーン10にて搬送するとき等、受電部70aが給電部70bから離れて収納容器2に電力が供給されなくなる状態には、バッテリ71に蓄えられた電力にて3つのファンフィルタユニット64が作動するように構成されている。
【0040】
次に、蓋65について説明する。
図16に示すように、前記蓋65における前記通気口75は、前記出入り口72の横幅と略同じ横幅に亘るスリット状に形成され且つ前記容器本体66に保持される複数枚の前記基板1の夫々に対応させた状態で上下方向に複数形成されている。
そして、図16(ロ)に示すように、前記蓋65が、前記基板1の出し入れを許容する開き状態において、前記出入り口72の横幅と略同じ横幅に亘るスリット状の基板出し入れ用口76を前記容器本体66に保持される複数枚の前記基板1に対応する箇所に形成する形態で、且つ、隣接する基板出し入れ用口76の間を閉じる形態で、前記出入り口72を開くように構成されている。
前記蓋65について説明を加えると、図16に示すように、前記出入り口72の横幅と略同じ横幅の蓋形成部材77の複数を、前記閉じ状態において隣接するものの間に前記通気口75を形成し且つ前記出入り口72の横幅方向に沿う軸芯周りで回転させた前記開き状態において隣接するものの間に前記基板出し入れ用口76を開口する形態で、前記出入り口72を開くように上下方向に並べて構成されている。
【0041】
複数の蓋形成部材77の夫々は、横側面視において中空薄板状に形成された板状体にて構成されており、その中心部において横軸芯周りに回転自在に蓋用枠体78に支持されている。そして、蓋65は、図16(イ)に示すように、複数の蓋形成部材77の夫々を横軸芯周りに回転させて上下方向に沿う姿勢とすることにより、蓋形成部材77同士の間に形成された比較的小さな開口を通気口75とする閉じ状態となり、図16(ロ)に示すように、複数の蓋形成部材77の夫々を横軸芯周りに回転させて前後方向に沿う姿勢とすることにより、蓋形成部材77同士の間に形成された比較的大きな開口を基板出し入れ用口76とする開き状態となるように構成されている。
つまり、図16(イ)及び図17(イ)に示すように、蓋65閉じ状態とした状態では、複数の蓋形成部材77同士の間に通気口75が開口しているため、ファンフィルタユニット64にて、浄化空気を収納容器2の他端側の開口から出入り口72に向けて通風させて出入り口72における通気口75から排出させることができ、その通気口75は上下方向(通風方向と交差する方向)に沿う姿勢の複数の蓋形成部材77によって小さく形成されているため、その通気口75から排出される浄化空気は風速が速くなり、これによって収納容器2の出入り口72から収納容器2内への外気の侵入を防ぐことができる。
そして、図16(ロ)及び図17(ロ)に示すように、蓋65を開き状態とした状態では、複数の蓋形成部材77同士の間に通気口75より大きな基板出し入れ用口76が開口しているため、浄化空気を基板出し入れ用口76から基板1を出し入れすることができ、その基板出し入れ用口76から排出される浄化空気は、閉じ状態程ではないものの前後方向(通風方向)に沿う姿勢の複数の蓋形成部材77の存在によって風路が狭められて風速が速くなるため、これによって収納容器2の出入り口72から収納容器2内への外気の侵入を防ぐことができる。
また、複数の蓋形成部材77における隣接するもの同士の間には、上記の如く、閉じ状態においては通気口75が形成され、開き状態においては基盤出し入れ用口76が形成されているものであり、蓋65の開き状態や閉じ状態、並びに、蓋65をこれらの状態に切り換える際に互いに複数の蓋形成部材77が互いに接触することがないため、蓋形成部材77が互いに接触することによる発塵がなく、蓋65からの塵埃の発生を抑制することができる。
【0042】
前記蓋65が前記閉じ状態側に復帰付勢されるように構成され、上方への移動により前記蓋65を開き状態に操作する操作部としての連結棒80が、前記容器本体66の底面部から下方に突出する状態で設けられている。
説明を加えると、図16(イ)に示すように、リンク部材79の基端部が、上下方向に沿う姿勢の蓋形成部材77の夫々に後ろ下方に延設される形態で一体回転するように連結され、このリンク部材79の夫々の遊端部が上下方向に沿う姿勢の前記連結棒80に回転自在に連結されており、蓋形成部材77の夫々が上下方向沿う姿勢となる閉じ状態において、連結棒80を上昇移動させることによって、蓋形成部材77の夫々が前後方向に沿う姿勢となる開き状態となり、また、蓋形成部材77の夫々が前後方向沿う姿勢となる開き状態において、連結棒80を下降移動させることによって、蓋形成部材77の夫々が上下方向に沿う姿勢となる閉じ状態となる。
【0043】
そして、連結棒80は自重にて下降側に付勢されており、連結棒80が容器本体66の底面部から下方に突出している状態では蓋65は閉じ状態となり、この状態で収納容器2を基板入出部6に載置させるに伴って、基板入出部6の載置支持部32に備えられた蓋用突起部81にて連結棒80が押し上げられることによって、リンク部材79を介して蓋形成部材77が回転操作され、蓋形成部材77の夫々が前後方向に沿う姿勢となって蓋65が開き状態となる。ちなみに、基板入出部6から収納容器2を持ち上げることによって、連結棒80が自重によって押し下げられることによって、リンク部材79を介して蓋形成部材77が回転操作され、蓋形成部材77が上下方向に沿う姿勢となって蓋65が閉じ状態となる。尚、連結棒80の下降移動は、図外の規制部材にて連結棒80の下端部が容器本体66の底面部から下方に突出する状態で規制されている。
【0044】
基板入出部6の蓋用突起部81のような連結棒80を押し上げ操作するような部分は、基板入出部6以外の収納部4、並びに、スタッカークレーン10等の収納容器搬送装置8には備えられておらず、基板入出部6に位置させた場合以外では、連結棒80は押し上げ操作されることがないようにして、基板入出部6以外の収納部4にて収納させている際やスタッカークレーン10等にて搬送する際は収納容器2の蓋65が閉じ状態を維持するように構成されている。
つまり、基板処理設備においては、前記収納棚5に保管するとき及び前記収納容器搬送装置8にて搬送するときには、前記収納容器2の前記蓋65を閉じ状態として前記ファンフィルタユニット64にて通風することにより、前記基板1の清浄度が維持され、且つ、前記基板入出部6において前記基板搬送装置7にて前記基板1を搬送するときには、前記収納容器2の前記蓋65を開き状態として前記ファンフィルタユニット64にて通風すること並びに前記搬送エリア用の浄化空気通風手段25によって前記基板搬送エリア24の清浄度が維持されることにより、前記基板1の清浄度が維持する基板処理方法が用いられている。
【0045】
そして、収納容器2は、蓋65を開き状態としたときに3つのファンフィルタユニット64の通風量を増大させるべく3つのファンフィルタユニット64の作動を制御する制御部109を備えて構成されている。
つまり、図11及び図18に示すように、FFU用枠体90には、収納容器2を基板入出部6に載置するに伴って基板入出部6の載置支持部32に備えられたFFU用突起部106にて押し上げられて上昇移動し、且つ、収納容器2が基板入出部6から持ち上げられることによって自重により下降移動する昇降移動可能な検出片107と、検出片107の昇降移動を検出してその検出情報を前記制御部109に向けて送信するリミットスイッチにて構成された検出スイッチ108と、検出スイッチ108からの検出情報に基づいてファンフィルタユニット64の作動を制御する前記制御部109とが備えられており、制御部109は、検出片107が上昇移動した状態では、ファンフィルタユニット64の通風量を増大させ、検出片107が下降移動した状態では、ファンフィルタユニット64の通風量を減少させるべく、検出スイッチ108の検出情報に基づいてファンフィルタユニット64の作動を制御するように構成されている。
そして、FFU用突起部106は、蓋用突起部81と同様に、基板入出部6以外の収納部4、並びに、スタッカークレーン10等の収納容器搬装置8には備えられていない。
従って、収納容器2を基板入出部6に位置させて蓋65が開き状態となった状態では、ファンフィルタユニット64の通風量は増大し、収納容器2を基板入出部6以外に位置させて蓋65が閉じ状態となった状態では、ファンフィルタユニット64の通風量が減少する。
ちなみに、蓋65が開き状態に切り換えられる前の時点で、ファンフィルタユニット64の通風量が増大し、蓋が閉じ状態に切り換えられた後の時点で、ファンフィルタユニットの通風量が減少するようにして、蓋65を開き状態に切り換えられる際や閉じ状態に切り換えられる際の蓋65から発生する塵埃によって収納容器2内の基板1が汚染されることを防止することが好ましく、このような蓋65の開き状態や閉じ状態への切り換えとファンフィルタユニット64の通風量の増減の関係は、蓋用突起部81及びFFU用突起部106の高さを調節することにより可能である。
【0046】
図11に示すように、前記ファンフィルタユニット64並びに前記蓋65が、前記容器本体66に対して着脱自在に装着されており、収納容器2からファンフィルタユニット64と蓋65とを取り外して収納容器2を容易に洗浄できるように構成されている。
つまり、図14に示すように、蓋用枠体78の上端部には、容器本体66における一端側矩形枠93の上部に上方から係合する蓋用係合部材99が設けられ、また、一端側矩形枠93の下端部には、蓋用枠体78を載置支持する状態で蓋用枠体78の下端部に形成された被係合溝78aに係合する蓋用係合支持板100が設けられており、蓋用係合部材99を一端側矩形枠93の上部に対して係脱し、且つ、蓋用係合支持板100を蓋用枠体78の被係合溝78aに対して係脱することにより、蓋65を容器本体66に対して着脱することができるように構成されている。
また、図15に示すように、FFU用枠体90の上端部には、容器本体66における他端側矩形枠94の上部に上方から係合するFFU用係合部材88が設けられ、また、他端側矩形枠94の下端部には、FFU用枠体90を載置支持する状態でFFU用枠体90の下端部に形成された被係合溝90aに係合するFFU用係合支持板89が設けられており、FFU用係合部材88を他端側矩形枠94の上部に対して係脱し、且つ、FFU用係合支持板89をFFU用枠体90の被係合溝90aに対して係脱することにより、ファンフィルタユニット10を給電部70bやバッテリ71とともに容器本体66に対して着脱することができるように構成されている。
【0047】
そして、図2に示すように、収納棚5が備える最下段の複数の収納部4のうちの一部が、収納棚5の背面側と通して手押し台車85にて収納容器2を出し入れすることができる手押し台車用の入出庫部9とされており、手押し台車85にて手押し台車用の入出庫部9から収納容器2を取り出した後、収納容器2からファンフィルタユニット64と蓋65とを取り外して、容器洗浄装置86にて容器本体2を洗浄することができるように構成されている。ちなみに、手押し台車用の入出庫部9の背面側には、その入出庫部9の背面側を閉じるシャッター84が設けられており、前記制御手段Hは、シャッター84が開き操作されている状態では、手押し台車用の入出庫部9に対するスタッカークレーン10による収納容器2の搬送が行われないようにスタッカークレーン10の作動を制御するように構成されている。
【0048】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、収納容器2の出入り口部に収納容器2の出入り口72を開閉する蓋65を装備したが、収納容器2の出入り口部に収納容器2の出入り口72を開閉する蓋65を装備しなくてもよい。
【0049】
(2) 上記実施の形態では、一対の収納棚5のいずれにおいても、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納したが、一対の収納棚5の一方では、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間側に位置させ且つ収納容器2の出入り口側を移動空間から離れる側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納し、一対の収納棚5の他方では、収納容器2のファンフィルタユニット64を装備した側を移動空間から離れる側に位置させ且つ収納容器2の出入り口側を移動空間側に位置させる状態で収納容器2を収納部4に収納するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、収納棚5を対向する状態で一対設けたが、収納棚5を1つだけ設けてもよい。
【0050】
(3) 上記実施の形態では、浄化空気通風手段23を備えて、基板収納設備Aを装備した空間を、浄化空気を天井部より床部に通風するダウンフローのクリーン空間としたが、浄化空気通風手段23を備えずに、基板収納設備Aを装備した空間をクリーン空間としなくてもよい。
【0051】
(4) 上記実施の形態では、クリーン空間内に、基板収納設備Aが周囲を開放する状態で装備したが、基板収納設備Aをブースにて覆い、ブース内に収納棚5や収納容器搬送装置8を装備するようにしてもよい。
【0052】
(5) 上記実施の形態では、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板1を搬送するときは、収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を増大させるようにしたが、基板入出部6において、基板搬送装置7にて基板1を搬送するときにおいてもファンフィルタユニット64の通風量を増大させないようにしてもよい。
つまり、収納棚5に保管するとき、収納容器搬送装置8にて搬送するとき、及び、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板1を搬送するときにおいて、収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を一定に維持するようにしてもよい。
また、収納容器搬送装置8にて搬送するときは、収納棚5に保管するときより収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を増大させ、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板搬送するときは、収納容器搬送装置8にて搬送するときよりファンフィルタユニット64の通風量を増大させるというように、収納棚5に保管するときと、収納容器搬送装置8にて搬送するときと、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板搬送するときとで、収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を変更するようにしてもよい。つまり、収納容器搬送装置8にて搬送するときにおいても、収納容器2のファンフィルタユニット64の通風量を増大させるようにしてもよい。ちなみに、収納容器搬送装置8にて搬送するときの通風量は、基板入出部6において基板搬送装置7にて基板搬送するときと同じでもよく、また、多くてもよい。
【0053】
(6) 上記実施の形態では、収納棚5をクリーン空間13の床部(グレーティング床14)上に設けたが、床部より低い吸気室16の底部上に設けてもよい。
【0054】
(7) 上記実施の形態では、クリーン空間13の天井部をエアーフィルタにて形成したが、クリーン空間13の天井部を天井部用のファンフィルタユニットにて形成してもよい。
【0055】
(8) 上記実施の形態では、容器本体66の両横側部を、外面部材98と内面部材99とを備えて2重構造としたが、内面部材のみを備えて、上側部や下側部と同様に1重構造としてもよい。
【0056】
(9) 上記実施の形態では、リンク部材79の基端部を、上下方向に沿う姿勢の蓋形成部材77の夫々に後ろ下方に延設される形態で一体回転するように連結して、リンク部材79の夫々の遊端部が回転自在に連結される連結棒80が、蓋形成部材77の回転軸芯より後方側(容器本体側)に位置するようにしたが、リンク部材79の基端部を、上下方向に沿う姿勢の蓋形成部材77の夫々に前下方に延設される形態で一体回転するように連結して、リンク部材79の夫々の遊端部が回転自在に連結される連結棒80が、蓋形成部材77の回転軸芯より前方側(容器本体が存在する側とは反対側)に位置するようにしてもよい。
【0057】
(10) 上記実施の形態では、基板入出部6において収納容器2を収納容器搬送装置8にて上下に移動させることによって、操作部80が操作されて蓋65が開き状態と閉じ状態とに切り換えられるように構成したが、蓋65に操作部80を操作する電動モータ等の駆動手段を備え、駆動手段にて操作部80を操作することによって、蓋65を開き状態と閉じ状態とに切り換えるように構成してもよい。
【0058】
(11) 上記実施の形態では、複数の蓋形成部材77の全てを一体的に回転操作するように構成したが、蓋65を開き状態とした状態において、一部の蓋形成部材77を前後方向に沿う姿勢とし、残りの蓋形成部材77を上下方向に沿う姿勢として、開き状態においても、上下方向に沿う姿勢の蓋形成部材77を存在させておいて、排出される浄化空気の風速をより速くすることができるように、複数の蓋形成部材77を個別に又は複数枚のグループ単位で回転操作するように構成してもよい。
つまり、例えば、複数の蓋形成部材77を複数枚のグループ単位で回転操作するように構成した場合では、複数の蓋形成部材77における上半分の蓋形成部材77には、横幅方向一方側端部にリンク部材79を介して一方側の連結棒80を連結し、複数の蓋形成部材77における下半分の蓋形成部材77には、横幅方向他方側端部にリンク部材79を介して他方側の連結棒80を連結して、一方側の連結棒80の操作により上半分の蓋形成部材77を前後方向に沿う姿勢として収納容器2の上半分で基板1の出し入れを行い、他方側の連結棒80の操作により下半分の蓋形成部材77を前後方向に沿う姿勢として収納容器2の下半分で基板1の出し入れを行うように構成してもよい。
【0059】
(12) 上記実施の形態では、FFU用突起部106による検出片107の昇降移動に基づいてファンフィルタユニット64の通風量を変更するように構成したが、蓋用突起部81による連結棒80の昇降移動に基づいてファンフィルタユニット64の通風量を変更するように構成してもよい。
つまり、蓋用枠体78に、連結棒80の昇降移動を検出してその検出信号を制御部109に向けて送信する検出手段を備え、制御部109を、蓋65が開き状態となる連結棒80が上昇移動した状態では、ファンフィルタユニット64の通風量を増大させ、蓋65が閉じ状態となる連結棒80が下降移動した状態では、ファンフィルタユニット64の通風量を減少させるべく、検出手段の検出情報に基づいてファンフィルタユニット64の作動を制御するように構成してもよい。
ちなみに、検出手段から制御部109への検出情報の送信は、蓋用枠体78側及びFFU用枠体90側と分離可能に接続したケーブルを容器本体66に設けて有線で行ってもよく、また、蓋用枠体78に送信機を設け、FFU用枠体90に受信機を設けて無線で行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】物品処理設備の斜視図
【図2】基板収納設備の正面図
【図3】基板収納設備の側面図
【図4】浄化空気通風手段を示す図
【図5】物品収納棚における一段目の収納部を示す図
【図6】基板搬送エリアを示す側面図
【図7】物品収納棚における三段目の収納部を示す図
【図8】スタッカークレーンの側面図
【図9】物品移載装置の平面図
【図10】容器本体の分解斜視図
【図11】収納容器の分解斜視図
【図12】収納容器の斜視図
【図13】収納容器の縦断正面図
【図14】蓋の着脱を示す側面図
【図15】ファンフィルタユニットの着脱を示す側面図
【図16】蓋の閉じ状態と開き状態とを示す側面図
【図17】蓋の閉じ状態と開き状態とを示す側面図
【図18】ファンフィルタユニットの制御部を示す側面図
【符号の説明】
【0061】
1 基板
2 収納容器
4 収納部
5 収納棚
8 収納容器搬送装置
9 入出庫部
38 旋回手段
64 ファンフィルタユニット
65 蓋
72 出入り口
A 基板収納設備
H 制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器を収納する複数の収納部を備えた収納棚と、
前記収納容器の入出庫部と、
前記収納棚の前方の移動空間を棚横幅方向に走行自在で、且つ、前記収納容器を前記入出庫部及び前記収納棚における前記収納部に搬送する収納容器搬送装置と、
前記収納容器搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられている基板収納設備であって、
前記収納容器が、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されて、その一端側の開口が、前記基板を出し入れするための出入り口として構成され、
前記収納容器の他端側の開口から前記出入り口に向けて通風するファンフィルタユニットが、前記収納容器における他端側の開口部に装備され、
前記制御手段が、前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納するように前記収納容器搬送装置の作動を制御するように構成されている基板収納設備。
【請求項2】
前記収納容器の前記出入り口を開閉する蓋が、閉じ状態において一部を開口する状態で、前記収納容器の出入り口部に装備されている請求項1記載の基板収納設備。
【請求項3】
前記収納棚が、互いに対向する状態で一対設けられ、
前記収納容器搬送装置が、支持した収納容器を旋回させる旋回手段を備えて構成され、
前記制御手段が、一対の前記収納棚のいずれにおいても、
前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納するように前記収納容器搬送装置の作動を制御するように構成されている請求項1又は2記載の基板収納設備。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板収納設備が装備された基板処理設備であって、
浄化空気を天井部より床部に通風するダウンフローのクリーン空間内に、前記基板収納設備が周囲を開放する状態で装備されている基板処理設備。
【請求項1】
矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器を収納する複数の収納部を備えた収納棚と、
前記収納容器の入出庫部と、
前記収納棚の前方の移動空間を棚横幅方向に走行自在で、且つ、前記収納容器を前記入出庫部及び前記収納棚における前記収納部に搬送する収納容器搬送装置と、
前記収納容器搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられている基板収納設備であって、
前記収納容器が、横倒れ姿勢の四角筒状に形成されて、その一端側の開口が、前記基板を出し入れするための出入り口として構成され、
前記収納容器の他端側の開口から前記出入り口に向けて通風するファンフィルタユニットが、前記収納容器における他端側の開口部に装備され、
前記制御手段が、前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納するように前記収納容器搬送装置の作動を制御するように構成されている基板収納設備。
【請求項2】
前記収納容器の前記出入り口を開閉する蓋が、閉じ状態において一部を開口する状態で、前記収納容器の出入り口部に装備されている請求項1記載の基板収納設備。
【請求項3】
前記収納棚が、互いに対向する状態で一対設けられ、
前記収納容器搬送装置が、支持した収納容器を旋回させる旋回手段を備えて構成され、
前記制御手段が、一対の前記収納棚のいずれにおいても、
前記収納容器の前記ファンフィルタユニットを装備した側を前記移動空間側に位置させ且つ前記収納容器の前記出入り口側を前記移動空間から離れる側に位置させる状態で前記収納容器を前記収納部に収納するように前記収納容器搬送装置の作動を制御するように構成されている請求項1又は2記載の基板収納設備。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板収納設備が装備された基板処理設備であって、
浄化空気を天井部より床部に通風するダウンフローのクリーン空間内に、前記基板収納設備が周囲を開放する状態で装備されている基板処理設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−68964(P2008−68964A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248172(P2006−248172)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]