説明

基板検査装置および基板検査方法

【課題】簡易な構成により、検査対象に応じて平面画像と斜め画像の撮影の切換えが可能な基板検査装置および基板検査方法を提供する。
【解決手段】本基板検査装置は、基板上の被検査対象aに上方から照明光を照射する上側照明具110と、斜め側方から照明光を照射する下側照明具120と、上側照明具および下側照明具の軸中心上方に設けられた撮影部130と、撮影部と被検査対象との間に挿入可能に設けられた斜め画像を撮影しうるように撮影部の光路を被検査対象の斜め方向に誘導する光学手段140と、光学手段を移動、回転させることより平面画像と斜め画像の撮影の切換えおよび斜め画像の撮影方向の変更を行う光路変更手段150と、これらを制御すると共に、撮影した画像に基づいて被検査対象の状態の良否を判定する制御手段200と、を備える。この基板検査装置は、さらに、スリット光照射手段190を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板検査装置および基板検査方法に関し、さらに詳しくは、簡易な構成により、検査対象に応じて平面画像と斜め画像の撮影の切換えが可能な基板検査装置および基板検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被検査対象の上部に配置したカメラによって撮影した画像により、被検査対象である部品の実装状態(欠品、位置ズレや半田不良など)を検査することが行われていた。しかしながら、基板の上から基板面に対して平行に撮影した画像である平面画像を用いる検査では、基板上に実装された小さな部品の実装状態やリードの浮き、小型電子部品の小さく急峻な半田形状といった被検査対象の3次元形状を正確に認識することが困難であるといった問題があった。
そのため、上記検査装置で検査を行った後、不良と判定された箇所を再検査や修理するために、基板面に対して斜めに配置したカメラや、上部に配置したカメラとそのカメラの光路を基板面に対して斜め方向を向ける鏡筒とを用いて被検査対象の斜め画像を撮影する提案がある(例えば、特許文献1および特許文献2)。これらの提案にあっては、平面画像の撮影ができないため、斜めから目視する専用機として、上記の平面画像に基づいた検査を行う装置とは別に用いる必要があった。
一方、上部と斜めに複数のカメラを配置し平面画像と斜め画像とを撮影できる提案があるが(例えば、特許文献3および特許文献4)、装置の価格が高価になるのみならず、複数のカメラを同一条件で制御するための制御系が複雑になるといった問題を有していた。また、基板外周に対して斜めに配置される部品があるため、複数のカメラと照明とを回転する大きな駆動手段が必要になるといった問題を有していた。
【0003】
【特許文献1】特開平8−304299号公報
【特許文献2】特開2006−220425号公報
【特許文献3】特開平1−79874号公報
【特許文献4】特開平2−268260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の問題を解決せんとするもので、簡易な構成により平面(直視)画像と斜め(斜視)画像の撮影が可能な基板検査装置および基板検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の通りである。
1.プリント配線基板上に実装された部品の実装状態等を検査する基板検査装置であって、
基板上の被検査対象に上方から照明光を照射するリング状の上側照明具と、
上記上側照明具と同軸芯であり且つ該上側照明具の周方向外側の下方に設けられ且つ上記被検査対象に斜め側方から照明光を照射するリング状の下側照明具と、
上記上側照明具および上記下側照明具の軸中心上方に設けられた撮影部と、
上記撮影部と上記被検査対象との間に挿入可能に設けられ且つ上記基板面に対して傾斜した被検査対象の斜め画像を撮影しうるように上記撮影部の光路を該被検査対象の斜め方向に誘導する光学手段と、
上記光学手段を上記撮影部と上記被検査対象との間に移動させる移動手段、および該光学手段を該撮影部の視野中心を回転軸として回転させる回転手段を備え、これにより平面画像と斜め画像の撮影の切換えおよび斜め画像の撮影方向の変更を行う光路変更手段と、
上記上側照明具および上記下側照明具の点灯、上記撮影部による撮影、ならびに上記光路変更手段の動作を制御すると共に、上記撮影部により撮影した画像に基づいて被検査対象の状態の良否を判定する制御手段と、を備えることを特徴とする基板検査装置。
2.上記1.において、上記光学手段は、
上記撮影部の視野中心から周方向外側に延びるように設けられた鏡筒と、
上記撮影部の視野中心軸上であって上記鏡筒の上記撮影部側端部に設けられた第1反射鏡と、
上記鏡筒の上記周方向外側端部に設けられた第2反射鏡と、
上記第1反射鏡および上記第2反射鏡を介した上記撮影部から上記被検査対象までの該撮影部の光路上に設けられ且つ該光路の長さを補正するための光路長補正手段を備えることを特徴とする。
3.上記2.において、上記光路長補正手段は、上記撮影部の光路上であって上記第1反射鏡および上記第2反射鏡の間に設けられた1群または複数群のレンズ系であることを特徴とする。
4.上記2.において、上記光路長補正手段は、上記撮影部の光路上であって上記第2反射鏡を間に介して設けられた複数群のレンズ系であることを特徴とする。
5.上記2.において、上記光路長補正手段は、凹面の反射面をそれぞれ有する上記第1反射鏡および上記第2反射鏡であることを特徴とする。
6.上記1.乃至5.のいずれかにおいて、上記光学手段は、上記撮影部側とは別の端部側を軸として水平方向に回動可能に固定され、上記移動手段により上記撮影部下部に回動させられたときに上記撮影部の光路を上記被検査対象の斜め方向に誘導することを特徴とする。
7.上記1.乃至5.のいずれかにおいて光学手段は、水平方向に摺動可能に固定され、上記移動手段により上記撮影部下部に摺動させられたときに上記撮影部の光路を上記被検査対象の斜め方向に誘導することを特徴とする。
8.上記1.乃至7のいずれかにおいて、さらにスリット光照射手段を備え、
上記光学手段は、上記第1反射鏡の裏面に設けられた第3反射鏡をさらに備え、
上記スリット光照射手段は、上記第3反射鏡を介して被検査対象に向かって基板面に垂直なスリット光を照射可能であり且つ上記光学手段と水平に対向する周方向外側の位置に設けられ、
上記制御手段は、上記スリット光照射手段の点灯をさらに制御することを特徴とする。
9.プリント配線基板上に実装された部品の実装状態等を検査する基板検査方法であって、
基板上の被検査対象に上方および斜め側方から照明光を照射し、該被検査対象の上方に設けられた撮影部により該上方および斜め側方から照射された照明光による基板面に平行な平面画像をそれぞれ撮影する平面画像取得工程と、
上記被検査対象に斜め側方から照明光を照射し、上記撮影部および該被検査対象の間に移動可能に設けられ且つ該撮影部の光路を該被検査対象の斜め方向に誘導する光学手段を介して基板面に対して傾斜した上方および/または斜め画像を撮影する斜め画像取得工程と、
取得した上記平面画像および上記斜め画像より上記被検査対象の状態を得るための処理を行う画像処理工程と、
上記画像処理工程によって得られた処理結果と基準データとを比較して上記被検査対象の状態の良否を判定する良否判定工程と、を備えることを特徴とする基板検査方法。
10.上記9.において、上記被検査対象にスリット光照射手段により基板面に垂直なスリット光を照射し、上記光学手段を介して基板面に対して傾斜したスリット光照射斜め画像を撮影するスリット光照射斜め画像取得工程をさらに備え、
上記画像処理工程は、取得した上記スリット光照射斜め画像より上記被検査対象の状態を得るための処理をさらに行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の基板検査装置によると、基板上の被検査対象に上方から照明光を照射するリング状の上側照明具と、上側照明具と同軸芯であり且つ上側照明具の周方向外側の下方に設けられ且つ被検査対象に斜め側方から照明光を照射するリング状の下側照明具と、上側照明具および下側照明具の軸中心上方に設けられた撮影部と、撮影部と被検査対象との間に挿入可能に設けられ且つ基板面に対して傾斜した被検査対象の斜め画像を撮影しうるように撮影部の光路を被検査対象の斜め方向に誘導する光学手段と、光学手段を撮影部と被検査対象との間に移動させる移動手段および光学手段を撮影部の視野中心を回転軸として回転させる回転手段を備える光路変更手段と、上側照明具および下側照明具の点灯、撮影部による撮影、ならびに光路変更手段の動作を制御すると共に、撮影部により撮影した画像に基づいて被検査対象の状態の良否を判定する制御手段と、を備えることを特徴とする。これにより、簡易な構成により迅速に光学手段を使用および不使用位置に移動させることができるため、被検査対象の上方に設けられた1つのカメラのみで、検査目的に応じて光学手段を適宜な位置へ切換えて、基板面に対して平行な被検査対象の平面画像と、基板面に対して傾斜した被検査対象の斜め画像とを撮影することができる。
【0007】
また、光学手段が、撮影部の視野中心から周方向外側に延びるように設けられた鏡筒と、撮影部の視野中心軸上であって鏡筒の撮影部側端部に設けられた第1反射鏡と、鏡筒の周方向外側端部に設けられた第2反射鏡と、第1反射鏡及び第2反射鏡を介した撮影部から被検査対象までの撮影部の光路上に設けられ且つ光路の長さを補正するための光路長補正手段を備える場合は、光学手段を簡易に構成することができると共に、平面画像撮影時と斜め画像撮影時の光路長の違いによる拡大率の補正を、画像を切換えるつどに行う必要が無いといった効果がある。
【0008】
さらに、光路長補正手段が、カメラの光路上であって第1反射鏡と第2反射鏡との間に設けられた1群もしくは複数群のレンズ系である場合、または第2反射鏡を間に介して設けられた複数群のレンズ系である場合は、光路長補正手段をより簡易な構成にすることができる。
また、光路長補正手段が、凹面の反射面をそれぞれ有する第1反射鏡および第2反射鏡である場合は、光路長補正手段をより一層簡易な構成にすることができる。
【0009】
さらに、光学手段が、撮影部側とは別の端部側を軸として水平方向に回動可能に固定され、移動手段により撮影部下部に回動させられたときに撮影部の光路を被検査対象の斜め方向に誘導する場合、または水平方向に摺動可能に固定され、移動手段により撮影部下部に摺動させられたときに撮影部の光路を被検査対象の斜め方向に誘導する場合は、より簡易な構成で、より迅速に光学手段を移動させて撮影する画像を切換えることができる。
【0010】
また、上記基板検査装置が、スリット光照射手段をさらに備え、光学手段が、第1反射鏡の裏面に設けられた第3反射鏡をさらに備え、スリット光照射手段が、第3反射鏡を介して被検査対象に向かって基板面に垂直なスリット光を照射可能であり且つ光学手段と水平に対向する周方向外側の位置に設けられ、制御手段が、スリット光照射手段の点灯をさらに制御する場合は、被検査対象に対して照射したスリット光により、被検査対象の3次元形状の判定が容易になるといった効果がある。
【0011】
本発明の基板検査方法によると、基板上の被検査対象に上方および斜め側方から照明光を照射し、被検査対象の上方に設けられた撮影部により上方および斜め側方から照射された照明光による基板面に平行な平面画像をそれぞれ撮影する平面画像取得工程と、被検査対象に上方および/または斜め側方から照明光を照射し、撮影部および被検査対象の間に移動可能に設けられ且つ撮影部の光路を被検査対象の斜め方向に誘導する光学手段を介して基板面に対して傾斜した斜め画像を撮影する斜め画像取得工程と、取得した平面画像および斜め画像より被検査対象の状態を得るための処理を行う画像処理工程と、画像処理工程によって得られた処理結果と基準データとを比較して被検査対象の状態の良否を判定する良否判定工程と、を備えることを特徴とする。これにより、検査目的に応じて、基板面に対して平行な被検査対象の平面画像と、基板面に対して傾斜した被検査対象の斜め画像と、を撮影し、それらに基づいた適切な検査を実現できる。
【0012】
また、上記基板検査方法が、被検査対象にスリット光照射手段により基板面に垂直なスリット光を照射し、カメラにより基板面に対して傾斜した被検査対象のスリット光照射斜め画像を光学手段を介して撮像するスリット光照射斜め画像取得工程をさらに備え、画像処理工程が、取得したスリット光照射斜め画像より被検査対象の状態を得るための処理をさらに行う場合は、スリット光照射斜め画像に基づいて、被検査対象の3次元形状を容易に判定できることにより、高精度な検査を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の構成:
(2)基板検査処理(基板検査方法):
(3)他の実施形態:
なお、本発明に係る基板検査装置および基板検査方法により、基板上に実装された部品の正誤、ずれ量(位置ズレ、浮き、回転等)、半田付け状態等の検査を実現できる。
【0014】
(1)本発明の構成:
図1は、本実施形態の基板検査装置の概略ブロック図であり、この基板検査装置は、撮影手段100と制御手段200と表示手段300とを備えている。
撮影手段100は、図2(A)および(B)に示すように、赤色の光を照射する上側照明具110と、白色の光を照射する下側照明具120と、両照明具の中心位置の上部に両照明具と一体に固定されたカメラ(本発明に係る撮影部として例示する)130と、被検査対象の斜め画像を撮影するための光学手段140と、この光学手段140を使用、不使用位置に移動させる旋回手段(本発明に係る移動手段として例示する)151および光学手段140の使用時に斜め画像の撮影方向を変更する回転手段152を備える光路変更手段150と、これらを収容するケース160と、このケース160をX方向(図1の左右方向)に移動させるためのX軸駆動機構170と、被検査基板Pを載置してY方向へ移動させるためのステージ180と、を備えている。また、この撮影手段100は、スリット光照射手段190をさらに備えている。そして、この撮影手段100は、制御手段200により制御される。
【0015】
カメラ130は、基板面に対して垂直上方に設けられている。また、カメラ130は、有効画素数の十分に大きいCCDカラーカメラを使用している。ただし、このカメラ130に白黒カメラを採用し、下側照明具120に赤色、緑色、青色の3色の各LEDを用い、RGBの各LEDを順次点灯させて撮影した画像を合成することにより、カラー画像を生成することも可能である。
【0016】
上側照明具110は、リング状でカメラ130の外周に支持固定されており、この上側照明具110には、赤色のLED111と上側拡散板112が配置されている。また、下側照明具120は、ケース160に固定され、この下側照明具120には、白色のLED121と下側拡散板122が配置されている。
ここで、上段に赤色を用いるのは、基板面のレジストの色が緑である場合に赤に対する補色である緑の輝度が下がり、検査対象となる部品等の抽出が容易となるためである。したがって、この上段の照明光の色は、レジスト色の補色となるように、適宜、青色、緑色、白色、橙色、紫色等の種々の色を選択すればよい。
また、上記において、下段のLEDの色を白色と説明したが、赤、青、緑のLEDを用いて3色点灯により白色光を発光するようにしてもよく、また、複数色のLEDを収容し、検査する基板に応じた色のLED色を選択するようにしてもよい。したがって、下側照明具120に用いるLEDの色としては、部品と基板とのコントラストが損なわれないような光色のLEDを適宜選択すればよい。
【0017】
なお、図4(A)および(B)にそれぞれ示すように、LED111とLED121は、それぞれ円周上に配置されている。ただし、LEDの個数と配列については必要とする明るさに応じて最適な個数と配列を決定すればよい。
また、上側拡散板112および下側拡散板122は、いずれも、乳白色の樹脂製拡散板からなり、図2に示すように、上側拡散板112は基板面に対して平行な薄板の形状、下側拡散板122は基板面に対して傾斜した面を有する形状をそれぞれなし、上方と斜め側方から均一な拡散光を基板面に照射できる構造となっている。ただし、本発明においては、上方および斜め側方からそれぞれ均一な拡散光を基板面に照射できればよく、拡散板の形状、材質、色等については特に限定されない。
【0018】
光学手段140は、カメラ130の視野中心から周方向外側に延びるように設けられた鏡筒141と、カメラ130の視野中心軸上であって鏡筒141のカメラ130側端部に設けられた第1反射鏡142と、他端部側に設けられた第2反射鏡143と、鏡筒141内であって第1反射鏡142と第2反射鏡143との間に設けられた光路長補正レンズ系(本発明に係る光路長補正手段として例示する)144と、を備えている。また、光学手段140は、鏡筒141のカメラ130側とは別の端部側を軸として水平方向に回動可能に固定されており、これにより、平面画像と斜め画像の撮影の切換えのために、カメラ130の視野の内外に移動可能となる。
【0019】
第1反射鏡142および第2反射鏡143は、各反射面が基板面に対してそれぞれ135°と67.5°傾けられた状態で鏡筒141に取着されており、これにより、カメラ130の光路を、被検査対象aの斜め45°側方へと誘導することができる。ただし、斜め画像の撮影方向の角度は45°に限定されるものではなく、第2反射鏡の傾斜角を、例えば、55°〜80°等に設定して、70°〜20°等の斜め画像の撮影方向の角度としてもよい。また、斜め画像の撮影方向の角度は、好ましくは、20°〜70°、さらに好ましくは、30°〜60°である。
【0020】
光路長補正レンズ系144は、凹レンズと凸レンズを2枚組み合わせて1群のレンズ系をなしており、斜め画像を撮影する際に、平面画像を撮影する際との光路長の差を補正する。ただし、本発明においては、斜め画像と平面画像を撮影する際の光路長の差を補正できればよく、その形態等は特に限定されない。
また、光学手段140は、第1反射鏡142の裏面に、基板面に対して45°傾けられた状態で鏡筒141に取着された第3反射鏡145をさらに備えており、後述するスリット光照射手段190から照射されたスリット光を被検査対象aに向けて反射する。
【0021】
光路変更手段150は、光学手段140を使用、不使用位置に移動させる旋回手段151と光学手段140使用時に斜め画像の撮影方向を変更する回転手段152とを備えている。旋回手段151は、電磁ソレノイドによって構成され、アーマチュアの先端が鏡筒141の側面に、コイル側が回転手段152にそれぞれ取着され、これにより、光学手段140を旋回移動させることができる。回転手段152は、円盤状の回転テーブル152aとステッピングモータ152bとからなる。回転テーブル152aは、図示しない回転機構により、カメラ130の視野中心を回転軸として回転可能に取着されている。また、回転テーブル152aは、外周に歯車を備えており、その歯車と係合する歯車を介してステッピングモータ152bに接続されることにより、時計方向または反時計方向に各々180°回転可能となっている。これにより、光学手段140を介して斜め画像を撮影する際の撮影方向の変更が可能となる。
【0022】
ここで、旋回手段151としては、光学手段140を旋回させることができればよく、上記電磁ソレノイドに限定されない。この場合、旋回手段151として、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ、回転モータ等、種々のアクチュエータを選択することができる。
また、回転手段152としては、斜め画像の撮影方向を変更しうるように光学手段140を水平方向に回転させることができればよく、上記回転テーブルとステッピングモータを用いる形態に限定されない。
【0023】
ケース160は、X軸移動手段170に取着されており、その内側に上側照明具110、下側照明具120、カメラ130、光学手段140、光路変更手段150およびスリット光照射手段180を収容している。
X軸移動手段170は、図示しない駆動機構により、ケース160をX方向(図2の左右方向)に移動させる。その構成は特に限定されず、ガイドウェイに沿って摺動可能に設けられたスライダをボールねじによって駆動する構成等、適宜選択することができる。
ステージ180は、適宜な支持手段によって基板Pを支持し、ケース160の移動方向と水平方向に直交するY方向に移動する。
【0024】
撮影手段100は、被検査対象aに対して光切断法による検査を行うためのスリット光を照射するスリット光照射手段190をさらに備えている。このスリット光照射手段190は、光学手段140に対向する位置に設けられており、光学手段140の第3反射鏡145を介して、被検査対象aに向かって基板面に垂直なスリット光を照射することができる。
ここで、光切断法について説明する。被検査対象aに対して基板面に垂直にスリット光を照射した場合、図3(A)に示すように、被検査対象aの上面および基板面にはスリット光による切断線Sが出現する。これを斜め方向から見ると、図3(B)、(C)および(D)に示すように、被検査対象aの正常な実装(図3(B))、位置ズレ(図3(C))、浮き(図3(D))に対して、それぞれの線S’、S’およびS’の形状に差が生じることに基づいて、直視画像からは判別が困難な検査を実現できるものである。具体的には、図3(C)に示すように、被検査対象aに位置ズレが生じた状態における切断線Sを斜め方向から見た場合の線S’では、被検査対象aの上面に形成される切断線と基板Pの表面に形成されるいずれか片側の切断線とが高低差のある連続した線として出現し、また、図3(D)に示すように、被検査対象aに浮きが生じた状態における切断線Sを斜め方向から見た場合の線S’では、被検査対象aの上面に形成される切断線と基板Pの表面に形成される切断線とが高低差の大きな平行な直線として出現する。これらと、図3(B)に示すように、正常な実装状態における切断線Sを斜め方向から見た場合の線S’、すなわち、基準となるパターンとを比較することにより、実装状態の良否を判別することができる。
【0025】
なお、判別の手法としては、上記のほかに種々の方法が採用可能であり、例えば、判別の困難な微小な部品に対しては、複数のスリット光を照射し、極値を積分することにより差を大きくしてから基準値と比較する手法が有効である。
また、図3(C)に示すように、被検査対象aに位置ズレが生じた状態では、被検査対象aの上面に形成される切断線の長さwの値が、正常に実装された状態である図3(B)のwの値と比較して大きくなり、また、図3(D)に示すように、被検査対象aに浮きが生じた状態では、その高さの差hの値が、正常に実装された状態である図3(B)のhの値と比較して大きくなる。これらの値を算出して、基準となる正常な実装状態における値と比較することにより、良否を判定するようにしてもよい。
【0026】
制御手段200は、画像入力部210と、カメラコントロール部215と、照明コントロール部220と、X軸・Y軸駆動部225と、回転移動制御機能と旋回移動制御機能を含む光路変更制御部230と、メモリ235と、サブCPU240と、入力部245と、出力部250と、CPU260と、を備えている。そして、この構成において、CPU260は、入力部245による制御スタートの制御指令の下でメモリ235に記録された検査プログラム235aを実行して各部を制御したり、所定の演算処理を実施したり、また撮影画像や、サブCPU240による良否判定の判定結果を表示手段300に表示することができる。
【0027】
画像入力部210とカメラコントロール部215は、それぞれカメラ130に接続され、CPU260が実行する検査プログラム235aにおいて、メモリ235に記録された検査用データ235bに基づいて、所定のタイミングで基板面の撮影を行うと共に撮影したデジタルフレーム画像を入力する。
照明コントロール部220は、上側照明具110、下側照明具120およびスリット光照射手段190にそれぞれ接続され、メモリ235に記録された検査用データ235bに基づいた撮影タイミングに応じて各照明を順次点灯させる。
【0028】
X軸・Y軸駆動部225は、図示しないX軸駆動機構およびY軸駆動機構を介してX軸移動手段170およびステージ180に接続され、メモリ235に記録された検査用データ235bに基づいて、検査位置座標まで駆動し被検査対象aをカメラ130の視野範囲に移動させる。
なお、上記において、カメラ130側をX方向へ、基板P側をY方向へそれぞれ移動させて撮影位置を変更する方法を説明したが、カメラ130側をX−Y方向へ移動させたり、基板P側をX−Y方向へ移動させたりするようにしてもよい。
【0029】
光路変更制御部230は、光路変更手段150の旋回手段151と回転手段152に接続されており、メモリ235に記録された検査用データ235bに基づいて、旋回手段151を介して光学手段140を使用、不使用の各位置に移動させ、また、光学手段140使用時、すなわち斜め画像撮影時には、所定の撮影方向となるように回転手段152を介して光学手段140を回転させる。
【0030】
メモリ235は、データを蓄積可能な記録媒体であり、各種検査を実行するための検査プログラム235aと、基板P上の検査位置座標(部位)を含む部品データや照明と撮影の制御に関するデータを記憶した検査用データ(部品ライブラリ)235bと、良否判定の基準値に関する判定基準データ235cが記録されている。また、メモリ235は検査処理過程で生成される各種データを記憶することが可能で、カメラ130で撮影された撮像データ235dと、撮像データ235dを画像処理して生成される画像処理データ235eと、画像処理データ235eと判定基準データ235cとを比較して得られる被検査対象aの良否判定結果である判定結果データ235fと、を記憶することができる。なお、メモリ235は、データを蓄積可能であれば、HDDやDVD−RWなどリード/ライトが可能な如何様な形態の記録媒体であってもよい。
【0031】
サブCPU240は、CPU260が実行する撮影記憶処理と並行して画像処理および良否判定処理を実行する3台の画像処理判定部240a、240b、240cからなる。ただし、並列処理するサブCPU240の台数は3台に限定されるものではなく、必要とするタクト時間に見合った処理能力となるように台数を選択すればよい。さらに、CPU260が必要とするタクト時間に見合った処理能力を備えているのであれば、CPU260により画像処理および良否判定処理を実行する形態としてもよい。
入力部245は、操作者によるプログラムのスタートや基準値などの各種設定入力を受付けるキーボードやマウスなどの入力機器から構成される。
出力部250は、映像信号を外部へ出力するインターフェースであり、表示手段300に接続されている。
【0032】
表示手段300は、液晶ディスプレイ等の表示装置からなり、制御手段200の出力部250に接続されている。なお、表示手段300は、画像を表示する機能を備えた機器であればよく、表示素子として液晶に限定されないことは勿論である。また、説明の便宜上、表示手段を制御手段とは別体で表現したが、ノートパソコンのように制御手段と表示手段とが一体の構成を持つ装置を用いてもよい。
【0033】
(2)基板検査処理(基板検査方法):
次に、上記基板検査装置の構成による基板検査処理について説明する。ここでは、例として、2通りの基板検査処理を説明する。なお、本基板検査処理(基板検査方法)は、上記基板検査装置の構成を如何様にも適用して実施することができる。
【0034】
(2−1)基板検査処理1
本基板検査処理1について、図5および6のフローチャートに従い説明する。なお、図5はそれぞれ検査プログラム235aとしてメモリ235に記録されているプログラムで、それぞれ撮影記憶処理ならびに平面(直視)画像および斜め(斜視)画像の画像処理・良否判定処理を実行する。また、図5は、被検査基板Pの全ての検査対象部(被検査対象)の直視撮影を最初に実施し、その撮影した直視画像に基づいた良否判定において不良と判定された箇所をさらに斜視撮影する撮影記憶処理プログラムであり、図6は、撮影した直視画像および斜視画像をそれぞれ画像処理し、それらと判定の基準となるデータとを比較し、判定結果として、判定結果のデータファイルを作成する画像処理・良否判定処理プログラムである。
【0035】
本基板検査処理1の撮影記憶処理プログラムは、図5に示すように、被検査基板Pがステージ180に支持され、検査プログラム235aがスタートすると、CPU260は、直視撮影位置数Nを記憶した直視撮影位置カウンタnを1にセットする(ステップS100)。そして、メモリ235の検査用データ235bを取得してn番目の撮影位置(n番目の被検査対象aの位置)の撮影位置座標を読み取り(ステップS105)、X軸・Y軸駆動部225から駆動信号を図示しない駆動機構に出力してX軸移動手段170およびステージ180を駆動し、被検査対象aをカメラ130の視野範囲に配置させる(ステップS110)。次に、上側照明具110を点灯して画像を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS115)。同様に、下側照明具120を点灯して画像を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS120)。
【0036】
ここで、各撮影位置について上下各照明による直視画像の撮影が完了するごとに、各撮像データ235dは、各被検査基板ごとに作成される直視画像の撮像データの一覧表(直視画像データファイル)にリストアップされる。このとき、記載された撮像データ235dが、サブCPU240による画像処理・良否判定処理が未処理であるという情報(未処理フラグ)も同時に記載する。そして、この直視画像データファイル記載された撮像データ235dは、図6に示す、サブCPU240による画像処理・良否判定処理プログラムにより順次処理される。
【0037】
次いで、直視撮影位置カウンタnが予め設定された直視撮影位置数の最大値Nに達しているか否かを判別し(ステップS125)、最大値Nに達していると判別されなければ直視撮影位置カウンタnをインクリメントして(ステップS130)、ステップS105以降の処理を繰り返す。ステップS125にて直視撮影位置カウンタnが最大値Nに達していると判別された場合には、直視画像(平面画像)の撮影が全て完了したこと知らせる直視画像撮影終了信号を出力し(ステップS135)、不良判定箇所の斜視画像を取得するステップへと移行する。
【0038】
不良判定箇所の斜視画像の撮影記憶処理では、まず、直視画像の撮影記憶処理と並行して実行されるサブCPU240による直視画像の良否判定処理の結果から、不良と判定され、斜視画像の撮影記憶処理を要する箇所の有無を確認、すなわち、斜視撮影位置数Mが0であるか否かを判別する(ステップS140)。
ここで、斜視撮影位置数Mは、直視画像の撮影記憶処理と並行して実行されるサブCPU240による直視画像の良否判定処理において、不良と判定された箇所が発生するごとにインクリメントされる数値である。すなわち、直視画像の撮影記憶処理と良否判定処理は並行して実行されているので、斜視撮影位置数Mの数値は、直視画像の良否判定処理が終了するまで未定である。
【0039】
ステップS140において、斜視撮影位置数Mが0である場合は、直視画像良否判定処理終了信号の有無を確認、すなわち、直視画像の良否判定処理が終了しているか否かを確認する(ステップS145)。そして、直視画像良否判定処理終了信号がある場合は、ステップS185へ移行し、直視画像良否判定処理終了信号がない場合は、ステップS140以降の処理を繰り返す。
【0040】
また、ステップS140において、斜視撮影位置数Mが0でないと判別された場合は、斜視画像の撮影記憶処理を要する箇所の数(斜視撮影位置数)Mを記憶した斜視撮影位置カウンタmを1にセットする(ステップS150)。そして、検査用データ235bとして記録されている、m番目の撮影位置(m番目の被検査対象aの位置)の撮影位置座標および斜視画像撮影方向のデータを読み取り(ステップS155)、X軸・Y軸駆動部225から駆動信号を図示しない駆動機構に出力してX軸移動手段170およびステージ180を駆動し、被検査対象aをカメラ130の視野範囲に配置させ、さらに光学手段140をカメラ130の下部に旋回移動させると共に斜視画像の撮影方向に回転移動させる(ステップS160)。次に、上側照明具110を点灯して画像を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS165)。同様に、下側照明具120を点灯して画像を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS170)。さらに、スリット光照射手段190を点灯してスリット光を照射し、被検査対象aのスリット光照射画像(光切断画像)を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS175)。
【0041】
ここで、上記直視画像の撮影と同様に、不良判定された各箇所の斜視画像の撮影が完了するごとに、各撮像データ235dは、各被検査基板ごとに作成される斜視画像の撮像データの一覧表(斜視画像データファイル)にリストアップされる。このとき、記載された撮像データ235dが、サブCPU240による画像処理・良否判定処理が未処理であるという情報(未処理フラグ)も同時に記載する。そして、この斜視画像データファイルに記載された撮像データ235dは、図6に示す、サブCPU240による画像処理・良否判定処理プログラムにより順次処理される。
【0042】
次いで、斜視撮影位置カウンタmが、設定された斜視撮影位置数の最大値Mに達しているか否かを判別し(ステップS180)、最大値Mに達していると判別されなければ斜視撮影位置カウンタmをインクリメントして(ステップS185)、ステップS155以降の処理を繰り返す。ステップS180にて斜視撮影位置カウンタmが最大値Mに達していると判別された場合には、直視画像良否判定処理終了信号の有無を確認する(ステップS190)。そして、直視画像良否判定処理終了信号がない場合は、ステップS180以降の処理を繰り返し、直視画像良否判定処理終了信号がある場合は、斜視画像の撮影が全て完了したこと知らせる斜視画像撮影終了信号を出力する(ステップS195)。
【0043】
次に、良否判定結果データファイル(図7参照)の形式でメモリ235に記録された、撮影記憶処理と並行して実行される、サブCPU240による良否判定処理の判定結果である判定結果データ235fを読取り(ステップS200)、斜視画像良否判定処理終了信号の有無の確認、すなわち、斜視画像の良否判定処理が終了しているか否かを確認する(ステップS205)。そして、斜視画像良否判定処理終了信号がない場合は、ステップS200以降の処理を繰り返し、斜視画像良否判定処理終了信号がある場合は、ステップS200にて読み取った良否判定結果データファイル(図7参照)を出力部250から表示手段300に出力し(ステップS210)、撮影記憶処理プログラムを終了する。
なお、上記撮影記憶処理プログラムにおいては、上側照明具110、下側照明具120およびスリット光照射手段190によるそれぞれの斜視画像を連続して撮影する方法を例示したが、被検査対象aに応じて適宜選択または組み合わせるようにしてもよい。
【0044】
次に、図6に示す、画像処理・良否判定処理プログラムについて説明する。このプログラムは、上記撮影記憶処理プログラムと並行して実行され、上記撮影記憶処理プログラムにより撮影された直視画像に基づいて画像処理および良否判定を行ったのち、その良否判定に基づいてさらに撮影された斜視画像に基づいて画像処理および良否判定を行うプログラムである。
最初に、画像処理・良否判定処理プログラムが起動すると、サブCPU240の各画像処理判定部240a、240b、240cは、上記撮影記憶処理によって作成された直視画像データファイルをそれぞれ順次読み取り(ステップS300)、この中に画像処理・良否判定処理が未処理であるものがあるか否か、すなわち未処理フラグが立っているものがあるか否かを判別する(ステップS310)。未処理フラグが立っている撮像データ235dがある場合は、その撮像データ235dの画像データを読取る(ステップS320)。このとき、この撮像データ235dの未処理フラグの消去を同時に行う。
【0045】
次に、読取った画像に検査ウィンドウを設定して画像処理を実行してウィンドウ内のパターン抽出を行い、この抽出したパターン(画像処理結果)を画像処理データ235eとして取得する(ステップS330)。次いで、判定基準データ235cとして記録されている、この検査対象部位(被検査対象)の良否判定を行うための基準パターンとなるデータをメモリ235から取得し、これと上記の画像処理データ235eのパターンとを比較して良否を判定する(ステップS340)。このとき、この判定結果を、判定結果データ235fとして、良否判定結果データファイル(図7参照)の形式でメモリ235に記録する。また、その判定結果が不良である場合、斜視撮影位置数Mをインクリメントする。そして、ステップS300以降の処理を繰り返す。
【0046】
ここで、良否判定結果データファイルについて説明する。良否判定結果データファイルは、図7に示すように、基板P上の全ての被検査対象に関して、番号(部品No.)、名称(部品名)等と、それらの直視、斜視のそれぞれの良否判定と、その良否判定において不良である場合の内容等が基板単位で一覧として記載されている。また、直視画像に基づいた良否判定において、不良と判定され斜視画像の撮影記憶処理を要する箇所の数M、すなわち、斜視撮影位置数Mの数値も記載されている。
この良否判定結果データファイルが表示手段300に表示されることにより、作業者は基板の良否を速やかに確認することができ、またこの良否判定結果データファイルに示された不良箇所について、目視による再検査を行うこともできる。
【0047】
上記ステップS310において未処理フラグが立っている撮像データ235dがないと判別された場合、ステップS350の直視画像撮影終了信号の有無の確認へ移行する。そして、直視画像撮影終了信号がない場合、すなわち、直視画像撮影記憶処理がまだ終了していない場合は、ステップS300以降の処理を繰り返し、直視画像撮影終了信号がある場合は、全ての直視画像の撮像データ235dについての画像処理・良否判定処理が終了しているので、直視画像良否判定処理終了信号を出力し(ステップS360)、斜視画像の画像処理・良否判定処理へ移行する。
【0048】
なお、上記の直視画像の画像処理・良否判定処理においては、基準データ(文字データを含む)とのパターンマッチングによって良否を判定する方法を説明したが、上段と下段の各照明の照射により撮影された各画像に対して、両者の輝度比を基準値と比較して良否を判定するようにしてもよい。すなわち、上側照明具110と下側照明具120を照射して撮影する画像において、例えば、チップ部品の凹形状の半田フィレットに検査部位(ウィンドウ)を設定した場合には、基板に対して傾斜部分と水平な部分とではそれぞれの照明具110、120から照射される照明光に対してカメラ130の受光素子が受光する輝度値が大きく異なるため、その輝度値の比を求め、予め設定した判定基準データ235cの基準値と比較することにより、半田形状の良否を判定することができる。
【0049】
次に、直視画像の画像処理・良否判定処理が終了すると、サブCPU240の各画像処理判定部240a、240b、240cは、作成された斜視画像データファイルをそれぞれ順次読み取り(ステップS400)、この中に画像処理・良否判定処理が未処理であるものがあるか否か、すなわち未処理フラグが立っているものがあるか否かを判別する(ステップS410)。未処理フラグが立っている撮像データ235dがある場合は、その撮像データ235dの画像データを読取る(ステップS420)。このとき、この撮像データ235dの未処理フラグの消去を同時に行う。
【0050】
次に、読取った画像に検査ウィンドウを設定して画像処理を実行してウィンドウ内のパターン抽出を行い、この抽出したパターン(画像処理結果)を画像処理データ235eとして取得する(ステップS430)。次いで、判定基準データ235cとして記録されている、この検査対象部位(被検査対象)の良否判定を行うための基準パターンとなるデータをメモリ235から取得し、これと上記の画像処理データ235eのパターンとを比較して良否を判定する(ステップS440)。このとき、この判定結果を、判定結果データ235fとして、良否判定結果データファイルの形式でメモリ235に記録する。そして、ステップS400以降の処理を繰り返す。
【0051】
上記ステップS410において未処理フラグが立っている撮像データ235dがないと判別された場合、ステップS450の斜視画像撮影終了信号の有無の確認へ移行する。そして、斜視画像撮影終了信号がない場合、すなわち、斜視画像撮影記憶処理がまだ終了していない場合は、ステップS400以降の処理を繰り返し、斜視画像撮影終了信号がある場合は、全ての斜視画像の撮像データ235dについての画像処理・良否判定処理が終了しているので、斜視画像良否判定処理終了信号を出力し(ステップS460)、このプログラムを終了する。
【0052】
なお、光切断法による斜視画像の良否判定に関して、上記パターンマッチングによる良否判定のほかに、ウィンドウ内における切断線の位置や長さ等を判定基準データ235cの基準値と比較するなど、適宜な検査手法を採用すればよい。
【0053】
上記の基板検査処理によれば、最初に直視画像を撮影してその画像に基づいた良否判定を行い、その直視画像に基づいた良否判定において不良と判定された部位に関してさらに斜視画像に基づいた良否判定を行うので、被検査基板Pに対して適切な良否判定を行うことができる。
【0054】
(2−2)基板検査処理2
本基板検査処理2について、図8および9のフローチャートに従い説明する。
図8および9はそれぞれ、検査プログラム235aとしてメモリ235に記録されているプログラムで、それぞれ撮影記憶処理および画像処理・良否判定処理を実行する。なお、上記基板検査処理1では、最初に直視画像を撮影してその画像に基づいた良否判定を行い、その直視画像に基づいた良否判定において不良と判定された部位に関してさらに斜視画像に基づいた良否判定を行うようにしたが、本基板検査処理2では、各被検査対象について、直視画像のみを撮影する、又は直視画像と斜視画像の両方を撮影する、といったように、予め設定された直視撮影と斜視撮影を行うようにしている。
【0055】
本基板検査処理2の撮影記憶処理プログラムは、図8に示すように、被検査基板Pがステージ180に支持され、検査プログラム235aがスタートすると、CPU260は、撮影位置数Nを記憶した撮影位置カウンタnを1にセットし(ステップS500)、メモリ235の検査用データ235bを読み取る(ステップS505)。この検査用データ235bには、n番目の被検査対象aに関する撮影位置座標、撮影回数、各撮影における撮影画像の種類、撮影方向等のデータ等が含まれている。
次に、読み取った検査用データ235bの撮影位置座標より、X軸・Y軸駆動部225から駆動信号を図示しない駆動機構に出力してX軸移動手段170およびステージ180を駆動し、被検査対象aをカメラ130の視野範囲に配置させる(ステップS510)。さらに、ステップS505にて読み取った検査用データ235bの撮影回数より、撮影回数Mを記憶した撮影回数カウンタmを1にセットする(ステップS515)。
【0056】
次いで、このm番目の撮影における撮影画像の種類を判別し(ステップS520)、撮影する画像が直視画像である場合は、上側照明具110を点灯して画像を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS525)。同様に、下側照明具120を点灯して画像を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS530)。ステップS520にて判別した撮影画像の種類が斜視画像である場合は、ステップS505にて読み取った検査用データ235bの、m番目の撮影における斜視画像の撮影方向のデータに基づいて、光路変更手段150を介して、光学手段140を斜視画像の撮影方向に回転移動させると共にカメラ130の下部に旋回移動させる(ステップS535)。次に、上側照明具110を点灯して画像を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS540)。同様に、下側照明具120を点灯して画像を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS545)。さらに、スリット光照射手段190を点灯してスリット光を照射し、被検査対象aのスリット光照射画像(光切断画像)を撮影し、撮像データ235dとしてメモリ235に記憶する(ステップS550)。
【0057】
ここで、各撮影が完了するごとに、各撮像データ235dは、各被検査基板ごとに作成される撮像データの一覧表(画像データファイル)にリストアップされる。このとき、記載された撮像データ235dが、サブCPU240による画像処理・良否判定処理が未処理であるという情報(未処理フラグ)も同時に記載する。そして、この画像データファイルに記載された撮像データ235dは、図9に示す、サブCPU240による画像処理・良否判定処理プログラムにより順次処理される。
【0058】
次いで、撮影回数カウンタmが予め設定された撮影回数の最大値Mに達しているか否かを判別し(ステップS555)、最大値Nに達していると判別されなければ撮影回数カウンタmをインクリメントして(ステップS560)、ステップS520以降の処理を繰り返す。ステップSにて撮影回数カウンタmが最大値Mに達していると判別された場合には、n番目の被検査対象aにおける画像の撮影が全て完了しているので、ステップS565へ移行する。
【0059】
ステップS565では、撮影位置カウンタnが、予め設定された撮影位置数の最大値Nに達しているか否かを判別し、最大値Nに達していると判別されなければ撮影位置カウンタnをインクリメントして(ステップS570)、ステップS505以降の処理を繰り返す。ステップSにて撮影位置カウンタnが最大値Nに達していると判別された場合には、被検査基板P上の全ての撮影位置における撮影が全て完了したこと知らせる撮影終了信号を出力する(ステップS575)。
【0060】
次に、良否判定結果データファイル(図7参照)の形式でメモリ235に記録された、撮影記憶処理と並行して実行される、サブCPU240による良否判定処理の判定結果である判定結果データ235fを読取り(ステップS580)、良否判定処理終了信号の有無の確認、すなわち、良否判定処理が終了しているか否かを確認する(ステップS585)。そして、良否判定処理終了信号がない場合は、ステップS580以降の処理を繰り返し、良否判定処理終了信号がある場合は、ステップS580にて読み取った良否判定結果データファイル(図7参照)を出力部250から表示手段300に出力し(ステップS590)、撮影記憶処理プログラムを終了する。
なお、上記撮影記憶処理プログラムにおいては、上記基板検査処理1の撮影記憶処理プログラムと同様に、上側照明具110、下側照明具120およびスリット光照射手段190によるそれぞれの斜視画像を連続して撮影する方法を例示したが、被検査対象aに応じて適宜選択または組み合わせるようにしてもよい。
【0061】
次に、図9に示す、画像処理・良否判定処理プログラムについて説明する。
最初に、画像処理・良否判定処理プログラムが起動すると、サブCPU240の各画像処理判定部240a、240b、240cは、作成された画像データファイルをそれぞれ順次読み取り(ステップS600)、この中に画像処理・良否判定処理が未処理であるものがあるか否か、すなわち未処理フラグが立っているものがあるか否かを判別する(ステップS610)。未処理フラグが立っている撮像データ235dがある場合は、その撮像データ235dの画像データを読取る(ステップS620)。このとき、この撮像データ235dの未処理フラグの消去を同時に行う。
【0062】
次に、読取った画像に検査ウィンドウを設定して画像処理を実行してウィンドウ内のパターン抽出を行い、この抽出したパターン(画像処理結果)を画像処理データ235eとして取得する(ステップS630)。次いで、判定基準データ235cとして記録されている、良否判定を行うための基準パターンとなるデータをメモリ235から取得し、これと上記の画像処理データ235eのパターンとを比較して良否を判定する(ステップS640)。このとき、この判定結果を、判定結果データ235fとして、良否判定結果データファイル(図7参照)の形式でメモリ235に記録する。そして、ステップS600以降の処理を繰り返す。
【0063】
上記ステップS610において未処理フラグが立っている撮像データ235dがないと判別された場合、ステップS650の撮影終了信号の有無の確認へ移行する。そして、撮影終了信号がない場合、すなわち、撮影記憶処理がまだ終了していない場合は、ステップS600以降の処理を繰り返し、撮影終了信号がある場合は、全ての撮像データ235dについての画像処理・良否判定処理が終了しているので、良否判定処理終了信号を出力し(ステップS660)、このプログラムを終了する。
【0064】
なお、上記画像処理・良否判定処理プログラムにおいては、上記基板検査処理1と同様に、上段と下段の各照明の照射により撮影された各画像に対して、両者の輝度比を基準値と比較して良否を判定するようにしてもよい。また、光切断法による斜視画像の良否判定に関しても、上記基板検査処理1と同様に、ウィンドウ内における切断線の位置や長さ等を判定基準データ235cの基準値と比較するなど、適宜な検査手法を採用すればよい。
【0065】
上記の基板検査処理によれば、直視画像と斜視画像の撮影およびそれらの画像に基づいた良否判定を、簡便な構成からなる1台の装置で行うことができる。
【0066】
(3)他の実施形態:
なお、本発明においては、上記実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。すなわち、上記実施形態では、カメラ130としてカラーカメラを用いたが、これに限定されず、白黒カメラを採用してもよい。また、下側照明具120として、白色LEDを用いた照明具としたが、これに限定されず、赤色、緑色、青色の各LEDの合成による白色光を照射する照明具としてもよい。さらに、白黒カメラと赤色、緑色、青色の各LEDを備える照明具との組み合わせにより、これら赤色、緑色、青色の各LEDを順次点灯して撮影した各画像を合成することにより、カラー画像を生成することもできる。
【0067】
また、上記実施形態では、光学手段140の光路長補正レンズ系144は、第1反射鏡と第2反射鏡の間に凸レンズと凹レンズを組み合わせた1群のレンズ系として設けたが、これに限定されず、図10(A)に示すように、第1反射鏡と第2反射鏡の間に複数群のレンズ系として設けるようにしてもよいし、また、図10(B)に示すように、第2反射鏡を間に介して複数群のレンズ系を設けるようにしてもよく、さらに、図10(C)に示すように、第1反射鏡および第2反射鏡がそれぞれ凹面の反射面を有するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、光学手段140は、カメラ130側とは別の端部側を軸として水平方向に回動可能に固定されて旋回移動するようにしたが、これに限定されず、図11に示すように、水平方向に摺動可能に固定して、平行移動するようにしてもよい。この場合の光学手段140を水平方向に摺動させる直動機構としては、ステッピングモータの中空ロータと共に回転する軸受ナットを設け、モータの回転運動を軸受ナットに組み付けたボールねじの直線運動に直接変換するコンパクトリニアアクチュエータなどを利用すればよい。
【0068】
さらに、上記実施形態では、直視画像に基づく良否判定において不良と判定された箇所について斜視画像をさらに撮影し、この画像に基づいた良否判定をさらに実行したが、これに限定されず、微小部品の位置ズレや半田不良などのように予め直視画像だけでは誤判定の恐れがある箇所について、入念な検査を行いたい場合等は、直視画像および複数方向から撮影した斜視画像に基づいた良否判定を実行するプログラムとしてもよい。
また、微小部品が多い場合には直視、斜視および光切断の検査を適宜組み合わせて、直視と斜視の判定が共に「OK」の場合に良とするプログラムを実行することも可能である。
さらに、上記実施形態では、斜視撮影において、上側照明具110、下側照明具120およびスリット光照射手段190によるそれぞれの斜視画像を撮影する方法を例示したが、これに限定されず、下側照明具120による斜視画像のみで被検査対象aの形状を十分識別できる場合には、下側照明具120の点灯による斜視撮影のみとしてもよい。また、スリット光照射手段190のみの斜視撮影、さらに、下側照明具120およびスリット光照射手段190による各斜視撮影等、検査条件に応じて、適宜選択または組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る基板検査装置の概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る撮影手段の説明図であり、(A)は側面図、(B)は(A)のI−I断面図である。
【図3】光切断法による検査方法の例を示す説明図で、(A)は被検査対象にスリット光を照射した状態の斜視、(B)は正常に実装された被検査対象にスリット光を照射した状態、(C)は位置ズレが生じた状態で実装された被検査対象にスリット光を照射した状態、(D)は浮きが生じた状態で実装された被検査対象にスリット光を照射した状態をそれぞれ示す。
【図4】本発明に係る照明具のLED配置を示す説明図で、(A)は上側照明具、(B)は下側照明具をそれぞれ示す。
【図5】本実施形態1に係る撮影記憶処理のフローチャートである。
【図6】本実施形態1に係る画像処理・良否判定処理のフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る良否判定結果データファイルの例である。
【図8】本実施形態2に係る撮影記憶処理のフローチャートである。
【図9】本実施形態2に係る画像処理・良否判定処理のフローチャートである。
【図10】本発明に係る光学手段の光路長補正手段の他の実施形態の説明図であり、(A)は第1反射鏡と第2反射鏡の間に設けられた複数群のレンズ系、(B)は第2反射鏡を間に介して設けられた複数群のレンズ系、(C)は凹面の反射面を有する第1反射鏡および第2反射鏡である場合をそれぞれ示す。
【図11】本発明に係る撮影手段における光学手段の移動方法の他の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0070】
100;撮影手段、110;照明具、110;上側照明具、111;赤色LED、112;上側拡散板、120;下側照明具、121;白色LED、122;下側拡散板、130;カメラ、140;光学手段、141;鏡筒、142;第1反射鏡、143;第2反射鏡、144;光路長補正レンズ系、145;第3反射鏡、150;光路変更手段、151;旋回手段、152;回転手段、152a;回転テーブル、152b;ステッピングモータ、160;ケース、170;X軸移動手段、180;ステージ、190;スリット光照射手段、200;制御手段、210;画像入力部、215;カメラコントロール部、220;照明コントロール部、225;X軸・Y軸駆動部、230;光路変更制御部、235;メモリ、235a;検査プログラム、235b;検査用データ、235c;判定基準データ、235d;各撮像データ、235d;撮像データ、235e;画像処理データ、235f;判定結果データ、240;サブCPU、240a、240b、240c;画像処理判定部、245;入力部、250;出力部、300;表示手段、a;被検査対象、P;被検査基板、S;切断線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線基板上に実装された部品の実装状態等を検査する基板検査装置であって、
基板上の被検査対象に上方から照明光を照射するリング状の上側照明具と、
上記上側照明具と同軸芯であり且つ該上側照明具の周方向外側の下方に設けられ且つ上記被検査対象に斜め側方から照明光を照射するリング状の下側照明具と、
上記上側照明具および上記下側照明具の軸中心上方に設けられた撮影部と、
上記撮影部と上記被検査対象との間に挿入可能に設けられ且つ上記基板面に対して傾斜した被検査対象の斜め画像を撮影しうるように上記撮影部の光路を該被検査対象の斜め方向に誘導する光学手段と、
上記光学手段を上記撮影部と上記被検査対象との間に移動させる移動手段、および該光学手段を該撮影部の視野中心を回転軸として回転させる回転手段を備え、これにより平面画像と斜め画像の撮影の切換えおよび斜め画像の撮影方向の変更を行う光路変更手段と、
上記上側照明具および上記下側照明具の点灯、上記撮影部による撮影、ならびに上記光路変更手段の動作を制御すると共に、上記撮影部により撮影した画像に基づいて被検査対象の状態の良否を判定する制御手段と、を備えることを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
上記光学手段は、
上記撮影部の視野中心から周方向外側に延びるように設けられた鏡筒と、
上記撮影部の視野中心軸上であって上記鏡筒の上記撮影部側端部に設けられた第1反射鏡と、
上記鏡筒の上記周方向外側端部に設けられた第2反射鏡と、
上記第1反射鏡および上記第2反射鏡を介した上記撮影部から上記被検査対象までの該撮影部の光路上に設けられ且つ該光路の長さを補正するための光路長補正手段を備える請求項1記載の基板検査装置。
【請求項3】
上記光路長補正手段は、上記撮影部の光路上であって上記第1反射鏡および上記第2反射鏡の間に設けられた1群または複数群のレンズ系である請求項2記載の基板検査装置。
【請求項4】
上記光路長補正手段は、上記撮影部の光路上であって上記第2反射鏡を間に介して設けられた複数群のレンズ系である請求項2記載の基板検査装置。
【請求項5】
上記光路長補正手段は、凹面の反射面をそれぞれ有する上記第1反射鏡および上記第2反射鏡である請求項2記載の基板検査装置。
【請求項6】
上記光学手段は、上記撮影部側とは別の端部側を軸として水平方向に回動可能に固定され、上記移動手段により上記撮影部下部に回動させられたときに上記撮影部の光路を上記被検査対象の斜め方向に誘導する請求項1乃至5のいずれかに記載の基板検査装置。
【請求項7】
上記光学手段は、水平方向に摺動可能に固定され、上記移動手段により上記撮影部下部に摺動させられたときに上記撮影部の光路を上記被検査対象の斜め方向に誘導する請求項1乃至5のいずれかに記載の基板検査装置。
【請求項8】
さらにスリット光照射手段を備え、
上記光学手段は、上記第1反射鏡の裏面に設けられた第3反射鏡をさらに備え、
上記スリット光照射手段は、上記第3反射鏡を介して被検査対象に向かって基板面に垂直なスリット光を照射可能であり且つ上記光学手段と水平に対向する周方向外側の位置に設けられ、
上記制御手段は、上記スリット光照射手段の点灯をさらに制御する請求項1乃至7のいずれかに記載の基板検査装置。
【請求項9】
プリント配線基板上に実装された部品の実装状態等を検査する基板検査方法であって、
基板上の被検査対象に上方および斜め側方から照明光を照射し、該被検査対象の上方に設けられた撮影部により該上方および斜め側方から照射された照明光による基板面に平行な平面画像をそれぞれ撮影する平面画像取得工程と、
上記被検査対象に上方および/または斜め側方から照明光を照射し、上記撮影部および該被検査対象の間に移動可能に設けられ且つ該撮影部の光路を該被検査対象の斜め方向に誘導する光学手段を介して基板面に対して傾斜した斜め画像を撮影する斜め画像取得工程と、
取得した上記平面画像および上記斜め画像より上記被検査対象の状態を得るための処理を行う画像処理工程と、
上記画像処理工程によって得られた処理結果と基準データとを比較して上記被検査対象の状態の良否を判定する良否判定工程と、を備えることを特徴とする基板検査方法。
【請求項10】
上記被検査対象にスリット光照射手段により基板面に垂直なスリット光を照射し、上記光学手段を介して基板面に対して傾斜したスリット光照射斜め画像を撮影するスリット光照射斜め画像取得工程をさらに備え、
上記画像処理工程は、取得した上記スリット光照射斜め画像より上記被検査対象の状態を得るための処理をさらに行う請求項9記載の基板検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−198397(P2009−198397A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41987(P2008−41987)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000243881)名古屋電機工業株式会社 (107)
【Fターム(参考)】