説明

塗布装置および環状シームレス成形体の製造方法

【課題】生産性・塗布効率に十分に優れた塗布装置を提供すること。
【解決手段】軸方向Dを回転軸として回転しながら表面に樹脂溶液が塗布される金型1;および該金型の塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を離間させて配設され、金型塗布面との間隙に供給された樹脂溶液を金型塗布面に供給・塗布する平面状弾性ブレード2を有する塗布装置であって、ブレードと金型塗布面との間隙に樹脂溶液3が供給されたとき、該ブレードは、金型塗布面に対向するブレード先端部11における樹脂溶液供給部分と金型塗布面との距離が、該ブレードの金型軸方向の両端部における金型塗布面との距離より狭くなる撓み形状を有するように変形する塗布装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗布装置、特に金型表面に樹脂溶液を塗布するための塗布装置に関する。詳しくは、本発明は環状シームレス成形体の製造時において有用な塗布装置に関する。本発明はまた環状シームレス成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において定着ベルト、中間転写ベルト、接触帯電ベルト等には、薄肉の樹脂ベルトがよく用いられる。そのような樹脂ベルトは変形が可能なため、装置の小径化に有用である。樹脂ベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目がないシームレスベルトが好ましい。
【0003】
シームレスベルトは、例えば、金型の表面に樹脂溶液を塗布し、樹脂塗膜を加熱し、得られた樹脂皮膜を脱型する方法によって製造される。特に、ポリイミド樹脂からなるシームレスベルトは、金型の表面にポリイミド前駆体溶液を塗布し、樹脂塗膜を加熱して乾燥および反応させ、得られた樹脂皮膜を脱型する方法によって製造される。
【0004】
そのような環状シームレス成形体の製造方法において、樹脂溶液を金型表面に塗布する装置として、例えば図12に示す装置が知られている。図12に示す装置は、軸方向を回転軸として回転する金型101および該金型の塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を離間させて配設されるブレード102を有するものである。
【0005】
しかしながら、そのような塗布装置においてブレード102の中央部における金型101との間隙に樹脂溶液を塊状で供給すると、樹脂溶液が金型軸方向に広がるのに長時間かかり、塗布装置の生産性・塗布効率に問題があった。一方、上記塗布装置において樹脂溶液供給装置を金型軸方向にわたって連続的に移動させながらブレード102上に樹脂溶液を供給することが考えられるが、樹脂溶液供給装置として連続移動式のものが必要になり、やはり塗布装置の生産性・塗布効率に問題があった。
【0006】
そこで、特許文献1では、ブレードに特殊な形状を付与する試みが為されている。すなわち、ベルト基材にシリコーンゴム層を形成する方法において、ゴムが塗布される基材とそのような第1のブレードとの隙間をブレード長手方向で不均一にすることでゴムを長手方向へすばやく広げることができる。
【特許文献1】特開2001−287280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ブレードを特殊な形状に切削加工する必要があるため、やはり塗布装置の生産性・塗布効率に問題があった。
【0008】
本発明は、生産性・塗布効率に十分に優れた塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
軸方向を回転軸として回転しながら表面に樹脂溶液が塗布される金型;および
該金型の塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を離間させて配設され、金型塗布面との間隙に供給された樹脂溶液を金型塗布面に供給・塗布する平面状弾性ブレード
を有する塗布装置であって、
ブレードと金型塗布面との間隙に樹脂溶液が供給されたとき、該ブレードは、金型塗布面に対向するブレード先端部における樹脂溶液供給部分と金型塗布面との距離が、該ブレードの金型軸方向の両端部における金型塗布面との距離より狭くなる撓み形状を有するように変形することを特徴とする塗布装置に関する。
【0010】
本発明の第1実施形態は、上記塗布装置のうち、
ブレードが、金型軸方向に対して垂直な断面において、金型軸とブレードにおける金型塗布面に対向する先端部とを結ぶ直線を基準に、金型回転方向の下流側に傾けて配設されるとき、
樹脂溶液供給時にブレードが有する撓み形状は下に凸の形状である塗布装置に関する。
【0011】
本発明の第2実施形態は、上記塗布装置のうち、
ブレードが、金型軸方向に対して垂直な断面において、金型軸とブレードにおける金型塗布面に対向する先端部とを結ぶ直線を基準に、金型回転方向の上流側に傾けて配設されるか、または当該直線上に配設されるとき、
樹脂溶液供給時にブレードが有する撓み形状は上に凸の形状である塗布装置に関する。
【0012】
本発明はまた、上記該塗布装置を使用することを特徴とする環状シームレス成形体の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の塗布装置においてブレードは、金型の塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を離間させて配設されるが、弾性を有する平面状のものが使用されるので、供給された樹脂溶液の重みによって撓み、所定の撓み形状を有するようになる。その結果、樹脂溶液を金型表面に対して軸方向に速やかに拡散・塗布できるようになるので、ブレードの切削加工なしに、塗布装置の生産性・塗布効率を十分に向上させることができる。
しかも、ブレードは、当該ブレード上の樹脂溶液が消費されると、金型の塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を確保するようになるので、塗膜の膜厚規制も同時に達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<塗布装置>
本発明に係る塗布装置は、回転する金型の表面に樹脂溶液を塗布するものであって、特に、環状シームレス成形体の製造に有用である。
【0015】
本発明の塗布装置は、少なくとも金型および該金型に樹脂溶液を供給するための弾性ブレードを有するものである。以下、図1を用いて説明する。図1は、金型1と弾性ブレード2とを、それらの対向領域における金型回転方向上流側から見たときの概略見取り図である。なお、図1は弾性ブレード2上および当該ブレードと金型塗布面との間隙に樹脂溶液3を供給したときの当該弾性ブレードの変化を詳しく表すために、樹脂溶液3を透視して示している。
【0016】
金型1は、軸方向Dを回転軸として回転しながら表面に樹脂溶液が塗布されるものであり、塗布面は外周面であっても、または内周面であってもよい。樹脂溶液が外周面に塗布される場合、金型は円筒形状を有してもよいし、または円柱形状を有してもよい。樹脂溶液が内周面に塗布される場合、金型は円筒形状を有する。塗布面の曲率半径は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、通常は10〜150mm、特に10〜35mmが本発明の効果を得る上で好ましい。
【0017】
金型の構成材料は特に制限されないが、特に当該塗布装置10を環状シームレス成形体の製造に使用する場合においては、焼成時の加熱によっても変形が起こらないものが使用される。そのような材料として、例えば、アルミニウム、銅、鋼等の金属が好ましく使用される。中でも市場流通性、耐溶剤性、熱伝導性、強度等の観点から、アルミニウムが特に好ましく用いられる。そのような金属を所定形状に加工するに際しては、管材もしくは棒材を切削により所定形状にすればよい。特にアルミニウムを用いる場合は、金属の中でも比較的硬度が低く、切削性に優れるため、加工し易い特徴があり、金型生産効率を上げられる。特に画像形成装置に使用される環状シームレス成形体を製造する場合においては、金型は塗布面に離型層を有することが好ましい。離型層としては、例えば、シリコーン樹脂やフッ素含有樹脂等を被覆することによって得られた樹脂層、シリコーン系、フッ素系離型剤をコーティングすることによって得られた塗布膜等が挙げられる。
【0018】
弾性ブレード2(以下、単に「ブレード」ということがある)は、該金型1の塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を離間させて配設され、金型塗布面との間隙に供給された樹脂溶液3を金型塗布面に供給・塗布するものである。図1において、樹脂溶液3の供給前のブレードを破線で示す。本明細書中、ブレード2は後述するブレード2a、2bを包含する概念で用いるものとする。
【0019】
ブレード2は弾性を有する平面状の薄板部材である。本明細書中、弾性とは、ブレードが外力を印加されると撓み、外力を取り除かれると元の状態に戻る特性を指すものとする。そのような弾性ブレードは従来より金型表面への塗布装置の分野で塗膜の厚みを規制するための規制ブレードとして使用されているもののうち弾性を有するものが使用可能である。ブレードを構成する材料としては、常温において弾性を有し得るものであれば特に制限されず、例えば、ステンレス、アルミ、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、等が挙げられる。ブレード厚みは樹脂溶液の塗布量により適時選択する。本発明においてブレードは単なる長方形形状を有する平面状薄板部材をそのまま使用できるので、特殊な切削加工を要しない。
【0020】
本発明の塗布装置10は、ブレード2と金型塗布面との間隙に樹脂溶液3が供給されたとき、ブレード2は図1に示すように変形し、金型塗布面に対向するブレード先端部11における樹脂溶液供給部分と金型塗布面との距離d1が、当該ブレードの金型軸方向の両端部における金型塗布面との距離d2,d3より狭くなる撓み形状を有する。ブレードと金型塗布面との間隙に樹脂溶液が直接的に供給されなくても、当該間隙に樹脂溶液が到達したときが、当該間隙に樹脂溶液が供給されたときである。このとき、ブレード先端部における樹脂溶液到達部分が樹脂溶液供給部分である。樹脂溶液は間隙を通過するとき、より広い間隙を通るように移動・拡散する性質を有するため、ブレードが上記撓み形状をとると、そのような性質に基づいて樹脂溶液3は軸方向Dの端部方向に向かって移動・拡散する。その結果、樹脂溶液を金型塗布面に対して軸方向に速やかに拡散・塗布できるようになるので、ブレードの切削加工なしに、塗布装置の生産性・塗布効率を十分に向上させることができる。
【0021】
図1に示す撓み形状ついて、ブレード2における金型軸方向の略中央部において金型塗布面との距離が最も狭くなっているが、これに制限されるものではなく、金型軸方向の両端部間における任意の部分において当該距離が最も狭くなっていればよい。金型軸方向の両端部間における任意の部分とは、金型軸方向の両端部を除く、その間の任意の部分である。塗布効率の観点から、ブレードにおいて金型塗布面との距離が最も狭くなる部位は金型軸方向の略中央部であることが好ましい。
【0022】
図1中、ブレード2における樹脂溶液供給部分から金型軸方向の両端部にかけての撓み勾配は連続的であればよく、直線的であっても、曲線的であってもよい。
【0023】
樹脂溶液は公知の樹脂を有機溶剤に溶解してなるものであってよい。本発明において樹脂溶液の粘度は本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではないが、例えば5〜1000パスカル秒、特に10〜50パスカル秒の比較的高粘度の粘稠体が好ましく使用される。樹脂溶液を構成する公知の樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂等であってよい。特に画像形成装置に使用される環状シームレス成形体を製造する場合においては、熱硬化性樹脂、特にポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を使用することが好ましい。有機溶剤は樹脂を溶解可能なものであれば特に制限されない。
本明細書中、粘度はDV−II+Proビスコメーター(ブルックフィールド社製)によって測定された値を用いている。
【0024】
以下、第1実施形態および第2実施形態を具体例に挙げて、本発明の塗布装置10をさらに詳しく説明する。
【0025】
(第1実施形態)
第1実施形態の塗布装置の概略断面模式図を図2に示す。図2は、金型軸方向Dに対して垂直な断面(以下、単に「垂直断面」という)を示すもので、ブレード2aにおける樹脂溶液供給部分の変化を示す。詳しくは、図2中、樹脂溶液供給前のブレード2aを実線で、樹脂溶液供給後の当該供給部分のブレードを破線で示す。
【0026】
第1実施形態の塗布装置10Aは、垂直断面において、金型軸とブレード2aにおける金型塗布面に対向する先端部11とを結ぶ直線(以下、「直線A」という)を基準に、ブレード2aを金型回転方向の下流側に傾けて配設させたときの一例である。このとき、ブレード2aは、金型回転方向下流方向に撓ませたとき、当該ブレード2aの撓み部分と金型塗布面との距離x1が撓み前(x2)と比較して狭くなるように変形する。したがって、本実施形態で樹脂溶液供給時に達成されるブレードの撓み形状は、具体的には、ブレード2aにおける金型回転方向上流側の面を上にしたとき、下に凸の形状である。そのような下に凸の撓み形状は、ブレードにおける金型塗布面に対向する先端部11を金型塗布面側から見たとき、当該先端部が有していればよい。
【0027】
本実施形態においてブレード2aは、図3(A)に示すように、金型軸方向の両端部で支持部材12、13によって支持される。両端部の支持部材は、図3(A)に示すように、ブレード2aの長手方向に対して略垂直方向に配設される。このとき該ブレード2aにおける金型塗布面に対向する先端部11とは反対側の端部14も支持部材によって支持されてよい。端部14の支持部材はブレード2aの長手方向に対して略平行方向に配設される。本実施形態においてブレード2aは両端部で支持される代わりに、当該端部14のみで支持されてもよい。そのような支持によって、ブレード2aは樹脂溶液が供給されたときに下に凸の撓み形状を有するように変形する。特にブレードが端部14のみで支持されると、たわみが不十分であるときなどに、ブレード全体でたわみ量を確保することができる。
【0028】
例えば図3(A)に示す塗布装置において樹脂溶液3が供給されると、図3(B)に示すようにブレード2aの樹脂溶液供給部分が金型回転方向下流方向に撓み、ブレード2aは全体として下に凸の撓み形状を有するようになり、結果として図1に示すような撓み形状を達成する。その結果、樹脂溶液の拡散・塗布が促進される。このときの樹脂溶液供給部分における概略断面模式図を図4に示す。図4中、破線はブレードにおける樹脂溶液供給部分における樹脂溶液供給前のブレード位置を示す。ブレード2a上の樹脂溶液3が金型塗布面に拡散・供給され消費された後は、該ブレード2aは、図3(C)に示すように、金型塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を有するようになり、金型塗布面上の塗膜5を膜厚規制する。このときブレード2aは必ずしも元の位置に戻っている必要はないが、元の位置に戻っていることが好ましい。本実施形態においては撓み前におけるブレード2aと金型塗布面との距離x2によって塗膜厚を制御できる。x2が小さいほど、塗膜厚は小さくなり、x2が大きいほど、塗膜厚は大きくなる。x2は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではないが、例えば0.2〜2mm、特に0.5〜1mmとすることが、本発明の効果を得る上で好ましい。
【0029】
図3(B)において、樹脂溶液3はブレード2aにおける金型軸方向の略中央部に供給されているが、これに制限されるものではなく、金型軸方向の両端部間における任意の部分に供給されればよい。塗布効率の観点からは樹脂溶液は略中央部に供給されることが好ましい。
【0030】
本実施形態において、塗布装置10Aは樹脂溶液が金型外周面に塗布される場合について説明されているが、これに制限されるものではなく、樹脂溶液は金型内周面に塗布されてもよい。樹脂溶液が金型内周面に塗布される場合における、第1実施形態の塗布装置10A'の概略断面模式図を図5に示す。図5は、樹脂溶液が金型内周面に塗布されること以外、図2と同様であるため、図5の説明を省略する。
【0031】
(第2実施形態)
第2実施形態の塗布装置の概略断面模式図を図6に示す。図6は、金型軸方向Dに対して垂直な断面(以下、単に「垂直断面」という)を示すもので、ブレード2bにおける金型軸方向Dの端部の変化を示す。詳しくは、図6中、樹脂溶液供給前のブレード2bを実線で、樹脂溶液供給後の端部のブレードを破線で示す。
【0032】
第2実施形態の塗布装置10Bは、垂直断面において、金型軸とブレード2bにおける金型塗布面に対向する先端部11とを結ぶ直線Aを基準に、ブレード2bを金型回転方向の上流側に傾けて配設させたときの一例である。このとき、ブレード2bは、金型回転方向下流方向に撓ませたとき、当該ブレード2bの撓み部分と金型塗布面との距離y1が撓み前(y2)と比較して広くなるように変形する。したがって、本実施形態で樹脂溶液供給時に達成されるブレードの撓み形状は、具体的には、ブレード2bにおける金型回転方向上流側の面を上にしたとき、上に凸の形状である。そのような上に凸の撓み形状は、ブレードにおける金型塗布面に対向する先端部11を金型塗布面側から見たとき、当該先端部が有していればよい。本実施形態において、ブレードは、直線Aに対して傾けて配設される代わりに、当該直線A上に配設されてもよい。
【0033】
本実施形態においてブレード2bは、図7(A)に示すように、金型軸方向の両端部間の任意の部分で支持部材12によって支持される。当該支持部材はブレード2bの長手方向に対して略垂直方向に配設される。樹脂溶液はブレード2bにおける当該支持部分に供給される。本実施形態においてブレード2bは、該ブレード2bにおける金型塗布面に対向する先端部11とは反対側の端部14でさらに支持されてもよい。端部14の支持部材はブレード2bの長手方向に対して略平行方向に配設される。図7(A)において、ブレード2bは金型軸方向の略中央部で支持されているが、樹脂溶液がブレード2bにおける当該支持部分に供給される限り、これに制限されるものではなく、金型軸方向の両端部間における任意の部分で支持されればよい。塗布効率の観点からブレード2bは金型軸方向の略中央部で支持され、樹脂溶液はブレード2bにおける当該中央部に供給される。そのような支持によって、ブレード2bは樹脂溶液が供給されたときに上に凸の撓み形状を有するように変形する。
【0034】
例えば図7(A)に示す塗布装置において樹脂溶液3が支持部分に供給されると、図7(B)に示すようにブレード2bの端部が金型回転方向下流方向に撓み、ブレード2bは全体として上に凸の撓み形状を有するようになり、結果として図1に示すような撓み形状を達成する。その結果、樹脂溶液の拡散・塗布が促進される。このときの樹脂溶液供給部分(ブレード支持部分)における概略断面模式図を図8に示す。図8中、破線は樹脂溶液供給後の端部の変位を示す。ブレード2b上の樹脂溶液3が金型塗布面に拡散・供給され、消費された後は、該ブレード2bは、図7(C)に示すように、金型塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を有するようになり、金型塗布面上の塗膜5を膜厚規制する。このときブレード2bは必ずしも元の位置に戻っている必要はないが、元の位置に戻っていることが好ましい。本実施形態においては撓み前におけるブレード2bと金型塗布面との距離y2によって塗膜厚を制御できる。y2が小さいほど、塗膜厚は小さくなり、y2が大きいほど、塗膜厚は大きくなる。y2は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではないが、例えば0.2〜2mm、特に0.5〜1mmとすることが、本発明の効果を得る上で好ましい。
【0035】
本実施形態において、塗布装置10Bは樹脂溶液が金型外周面に塗布される場合について説明されているが、これに制限されるものではなく、樹脂溶液は金型内周面に塗布されてもよい。樹脂溶液が金型内周面に塗布される場合における、第2実施形態の塗布装置10B'の概略断面模式図を図9に示す。図9は、樹脂溶液が金型内周面に塗布されること以外、図6と同様であるため、図9の説明を省略する。
【0036】
いずれの実施形態においてもブレード2a、2bにおける支持部分はそれ以外の部分と比較して厚いことが好ましい。例えば、ブレードにおける支持部材との接触部分を厚くし、図10(A)に示すようにブレード先端部11を細くすることで、負荷の集中する支持部材との接触部分は十分な強度を担保し、かつ先端部は十分なたわみ性を持たせることができる。
【0037】
ブレード2a、2bの少なくとも先端部11はフッ素樹脂処理、または耐腐食処理を施されていることが好ましい。フッ素樹脂処理によって、清掃メンテナンス性を向上させることができる。耐腐食処理によって、樹脂溶液によるブレード腐食を防止できる。耐腐食処理として、例えば、金メッキ処理が挙げられる。
【0038】
塗布装置10A、10Bは、ブレード2a、2bが撓んだときの撓み変形が過剰となって金型1と接触して金型またはブレードのいずれかが破損することを避けるため、例えば図10(B)に示すように、ブレードの当て込み部材15を有してもよい。図10(B)の塗布装置は当て込み材15を有すること以外、図4の塗布装置と同様である。さらには、たとえブレード2a、2bと金型1とが接触しても、破損を避けることができるように、例えば図10(C)に示すように、ブレード2a、2bに緩衝材16を設けても良い。緩衝材16はブレードの金型塗布面に対向する先端部11における、金型回転方向下流側の面に設けられる。
【0039】
塗布装置10A、10Bは、ブレードの金型軸方向端部から垂下する樹脂溶液を収容するための受け部材をさらに有することが好ましい。例えば図11には、受け部材17は手前側のみに設けられているが、奥側に設けられても良い。図11の塗布装置は受け部材17を有すること以外、図3(B)の塗布装置と同様である。
【0040】
いずれの実施形態においても樹脂溶液3は、例えば図3(B)および図7(B)に示すように、塊状でブレード上に供給されるので、供給口移動式の供給装置は要しない。樹脂溶液3は、金型表面を所定の塗膜厚で被覆するのに必要な量を1回で供給されてもよいし、2回以上に分割されて供給されてもよいし、または固定式の供給ノズル等で連続的に供給されてもよい。樹脂溶液が2回以上に分割されて供給される場合、ブレードの撓みが収まってから、次の樹脂溶液が追加供給される。
【0041】
塗布装置10A、10Bにおいて、金型回転数を変化させることにより、ブレードのたわみ量を変化させることができる。そのため、金型回転数により膜厚を制御することが可能となる。金型の回転数は本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は10〜60rpm、特に20〜40ppmである。
【0042】
<環状シームレス成形体の製造方法>
本発明の環状シームレス成形体の製造方法は、上記した塗布装置を使用することを特徴とし、通常は以下の工程を含むものである;
上記塗布装置を用いて、金型表面に樹脂溶液を塗布し、樹脂塗膜を形成する樹脂塗膜形成工程;
樹脂塗膜を加熱し、樹脂皮膜を形成する樹脂皮膜形成工程;および
樹脂皮膜を金型から剥離する脱型工程。
【0043】
本方法においてポリイミド樹脂製の環状シームレス成形体を製造する場合、樹脂溶液としてポリイミド前駆体溶液が使用される。ポリイミド前駆体として、いわゆるポリアミック酸、例えば、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)からなる前駆体、ピロメリット酸二無水物(PMDA)と4,4'−ジアミノフェニルエーテル(ODA)からなる前駆体等が使用される。
【0044】
ポリアミドイミド樹脂製の環状シームレス成形体を製造する場合、樹脂溶液としてポリアミドイミド前駆体溶液が使用される。ポリアミドイミド前駆体として、例えば、アミド基含有芳香族ジアミンとPMDAからなる前駆体や、芳香族ジアミンまたはその誘導体と無水トリメリット酸(TMA)からなる前駆体等が使用される。
以下、特に好ましい態様として、ポリイミド樹脂製の環状シームレス成形体の製造方法について詳細に説明する。
【0045】
(樹脂塗膜形成工程)
本工程では、まず、ポリイミド前駆体を有機溶剤に溶解させて樹脂溶液を調製する。
ポリイミド前駆体は上記したものが使用可能であり、2種以上を混合して用いてもよい。
【0046】
有機溶剤は、ポリイミド前駆体を溶解可能なものであれば、特に制限されず、例えば、非プロトン系極性溶剤等が使用される。非プロトン系極性溶剤の具体例としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。樹脂溶液におけるポリイミド前駆体の濃度、粘度等は、成形体の所望厚み、樹脂溶液の流動性等に応じて適宜選択される。
【0047】
次いで、前記した塗布装置を用いて、樹脂溶液を金型の表面に塗布して、例えば、図3(C)および図7(C)に示すように、樹脂塗膜5を形成する。
【0048】
(樹脂皮膜形成工程)
本工程では、樹脂塗膜を加熱し、樹脂皮膜を形成する。詳しくは、樹脂塗膜を加熱乾燥させてから、加熱反応(焼成)させてポリイミド樹脂皮膜を形成する。
【0049】
まず、樹脂塗膜中に過度に残留する溶剤を除去する目的で、静置しても塗膜が変形しない程度まで加熱乾燥を行う。乾燥条件は、80〜200℃の温度で30〜60分間であることが好ましい。その際、温度が高いほど、加熱時間は短くてよい。また、加熱することに加え、風を当てることも有効である。また、遠赤外線加熱を用いれば、溶剤除去をさらに効率よく行うことができる。加熱は、時間内において、段階的に上昇させたり、一定速度で上昇させてもよい。なお、樹脂塗膜から溶剤を除去させすぎると、塗膜はまだ成形体としての強度を保持していないので、割れを生じる虞がある。そのため溶剤を適度に残留させておくことが好ましい。具体的には樹脂塗膜中に15〜50質量%、特に35〜50質量%の割合で溶剤を残留させることが好ましい。
【0050】
次いで、300〜450℃、好ましくは350℃前後で、20〜60分間、樹脂塗膜を加熱反応させることで、ポリイミド樹脂皮膜を形成できる。加熱反応の際、塗膜中に有機溶剤が残留していると、ポリイミド樹脂皮膜に膨れが生じることがあるため、加熱の最終温度に達する前に、完全に残留溶剤を除去することが好ましく、具体的には、加熱前に、200〜250℃の温度で、10〜30分間加熱乾燥して残留溶剤を除去し、続けて、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱し、ポリイミド樹脂皮膜を形成することが好ましい。この際、遠赤外線加熱を併用すれば、残留溶剤の除去とイミド化反応を効率的に行える。
【0051】
(脱型工程)
本工程では、ポリイミド樹脂皮膜を金型から剥離し、脱型する。
金型からの樹脂皮膜の剥離方法は特に制限されるものではなく、例えば、金型と皮膜との隙間に、加圧空気を注入することで、皮膜を膨張させて剥離する。加圧空気の圧力は、一般的な空気圧縮機で得られる数気圧程度でよい。注入された加圧空気は、ある程度は皮膜端部から漏れるが、全部が漏れるわけではないので、皮膜は空気圧により、多少、膨れることになる。そのため、形成された樹脂皮膜を金型から容易に抜き取ることができる。
【0052】
抜き取られた樹脂皮膜が所定の幅を有している場合はそのままポリイミド樹脂環状シームレス成形体として使用できる。樹脂皮膜が所定幅より大きい場合は、不要部分を切断して、ポリイミド樹脂環状シームレス成形体を得ることができる。樹脂皮膜が所定幅の整数倍の長さを有している場合は、所定幅に切断するだけで、そのまま使用可能なポリイミド樹脂環状シームレス成形体を複数個得ることができる。
【0053】
成形体の厚みは樹脂塗膜の厚みを調整することによって制御可能で、例えば、20〜1000μm、特に30〜100μmとすることができる。
【0054】
特に樹脂塗膜形成工程で金型内周面に樹脂溶液が塗布される場合は、以下の順序で工程処理を行うことが好ましい。樹脂塗膜形成工程後、樹脂皮膜形成工程の加熱乾燥処理、および脱型工程を行う。次いで、脱型して得られた未反応の樹脂皮膜を別の金型外周面に嵌める型嵌工程、および樹脂皮膜形成工程の加熱反応処理を行い、再度、脱型工程を行う。
【0055】
成形体表面には、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂層が形成されてもよい。その場合には、樹脂皮膜形成工程の加熱反応処理後であって、脱型工程前に、樹脂皮膜を外周面に有した金型に対して、所定のポリマーからなるチューブを被せ、加熱溶着処理を行った後、脱型工程を行うことが好ましい。
【実施例】
【0056】
<実施例1>
(金型Aの製造)
内径26mm、外径30mmおよび長さ320mmのアルミニウム製円筒状金型を切削法により製造した。
金型の外周面にシリコーン系離型剤(商品名;KS700、(株)信越化学社製)を塗布することによって離型層としてシリコーン樹脂膜(膜厚約1μm)を形成し、金型Aとして用いた。
【0057】
(樹脂塗膜形成工程)
3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と、p−フェニレンジアミン(PDA)とを、N,N−ジメチルアセトアミド中で反応させて、22質量%濃度ポリイミド前駆体溶液Aを調製した。この前駆体溶液Aに、カーボンブラック(商品名:スペシャルブラック4、デグザヒュルス社製)を固形分質量比で23%混合し、次いでジェットミルにより分散し、樹脂溶液Aを得た。粘度は50パスカル秒であった。
【0058】
図3(A)に示す塗布装置において、金型Aを30rpmで回転させながら、樹脂溶液Aを25gにて塊状で、図3(B)に示すようにブレードにおける金型軸方向の略中央部に供給したところ、5分後に金型外周面への塗布が完了した。塗膜の厚みは約500μmであった。図3(A)の塗布装置の金型軸方向に対する垂直断面において、ブレードの金型に対する配置は図2と同様であった。樹脂溶液供給前におけるブレード先端部と金型との距離x2は0.5mmであり、ブレードはステンレスからなる薄板(寸法;300mm×20mm×800μm(厚み))を用いた。
【0059】
(樹脂皮膜形成工程)
次に、金型Aを水平にして、20rpmにて回転させながら、室温で5分間の乾燥後、80℃で20分間、100℃で1時間、加熱乾燥させた。これにより、厚さ約150μmの樹脂塗膜を得た。次に、金型Aを一旦、室温まで冷却した。その後、金型Aを垂直に立てて、200℃で30分、300℃で30分加熱反応させ、樹脂皮膜を形成した。
【0060】
(脱型工程)
室温に冷えた後、金型と皮膜との隙間に圧力0.5MPaの加圧空気を注入したところ、ポリイミド樹脂皮膜が膨張し、容易に抜き取ることができた。得られたポリイミド樹脂シームレス成形体を所定長の幅230mmでカットすることによって、電子写真用定着ベルトとして使用できる寸法を有していた。
【0061】
(評価)
得られた成形体について任意の10点の厚みを測定したところ、最大値と最小値との差は10μm以下であり、膜厚均一性に優れていた。
【0062】
<実施例2>
樹脂塗膜形成工程における塗布を以下に示す方法で行ったこと以外、実施例1と同様の方法により、成形体を得た。
【0063】
図7(A)に示す塗布装置において、金型Aを30rpmで回転させながら、樹脂溶液Aを25gにて塊状で、図7(B)に示すようにブレードにおける支持部分に供給したところ、14分後に金型外周面への塗布が完了した。塗膜の厚みは約500μmであった。図7(A)の塗布装置の金型軸方向に対する垂直断面において、ブレードの金型に対する配置は図6と同様であった。樹脂溶液供給前におけるブレード先端部と金型との距離y2は0.5mmであり、ブレードはステンレスからなる薄板(寸法;300mm×20mm×1600μm(厚み))を用いた。
【0064】
(評価)
得られた成形体について任意の10点の厚みを測定したところ、最大値と最小値との差は10μm以下であり、膜厚均一性に優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の塗布装置は、画像形成装置の定着ベルト、中間転写ベルト、接触帯電ベルト等として使用可能な環状シームレス成形体の製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の塗布装置においてブレードが樹脂溶液供給時に有し得る撓み形状を説明するための概略模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る塗布装置の一例を示す概略模式図である。
【図3】(A)〜(C)は本発明の第1実施形態に係る塗布装置の一例を用いて塗布するときの概略説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る塗布装置の一例を用いて塗布するときの概略説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る塗布装置の別の一例を示す概略模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る塗布装置の一例を示す概略模式図である。
【図7】(A)〜(C)は本発明の第2実施形態に係る塗布装置の一例を用いて塗布するときの概略説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る塗布装置の一例を用いて塗布するときの概略説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る塗布装置の別の一例を示す概略模式図である。
【図10】(A)および(C)は本発明の第1実施形態および第2実施形態に係る塗布装置で使用可能なブレードの一例の概略断面図であり、(B)は本発明の第1実施形態および第2実施形態に係る塗布装置の変形例を示す。
【図11】本発明の第1実施形態および第2実施形態に係る塗布装置の変形例を示す。
【図12】従来の塗布装置を示す概略模式図である。
【符号の説明】
【0067】
1:金型、2:2a:2b:ブレード、3:樹脂溶液、4:間隙、5:塗膜、10:10A:10A':10B:10B':塗布装置、11:先端部、12:13:支持部材、15:当て込み部材、16:緩衝材、17:受け部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向を回転軸として回転しながら表面に樹脂溶液が塗布される金型;および
該金型の塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を離間させて配設され、金型塗布面との間隙に供給された樹脂溶液を金型塗布面に供給・塗布する平面状弾性ブレード
を有する塗布装置であって、
ブレードと金型塗布面との間隙に樹脂溶液が供給されたとき、該ブレードは、金型塗布面に対向するブレード先端部における樹脂溶液供給部分と金型塗布面との距離が、該ブレードの金型軸方向の両端部における金型塗布面との距離より狭くなる撓み形状を有するように変形することを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
ブレードが、金型軸方向に対して垂直な断面において、金型軸とブレードにおける金型塗布面に対向する先端部とを結ぶ直線を基準に、金型回転方向の下流側に傾けて配設されるとき、
樹脂溶液供給時にブレードが有する撓み形状は下に凸の形状である請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
ブレードが、金型軸方向の両端部においてブレードの長手方向に対して略垂直方向で支持されるか、または該ブレードにおける金型塗布面に対向する先端部とは反対側の端部においてブレードの長手方向に対して略平行方向で支持される請求項2に記載の塗布装置。
【請求項4】
ブレードが、金型軸方向に対して垂直な断面において、金型軸とブレードにおける金型塗布面に対向する先端部とを結ぶ直線を基準に、金型回転方向の上流側に傾けて配設されるか、または当該直線上に配設されるとき、
樹脂溶液供給時にブレードが有する撓み形状は上に凸の形状である請求項1に記載の塗布装置。
【請求項5】
ブレードが、金型軸方向の両端部間の任意の部分においてブレードの長手方向に対して略垂直方向で支持される請求項4に記載の塗布装置。
【請求項6】
ブレード上の樹脂溶液が金型塗布面に拡散・供給され、消費された後、該ブレードが金型塗布面に対してその軸方向にわたって略一定の距離を有するようになり、金型塗布面上の塗膜を膜厚規制する請求項1〜5のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項7】
ブレードにおける支持部分はそれ以外の部分と比較して厚い請求項3または5に記載の塗布装置。
【請求項8】
樹脂溶液が所定量を2回以上に分割されて供給される請求項1〜7のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項9】
当て込み材をさらに有し、ブレードの過剰変形を防止する請求項1〜8のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項10】
ブレードの金型塗布面に対向する先端部における、金型回転方向下流側の面に緩衝材を設けた請求項1〜9のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項11】
ブレードにおける金型塗布面に対向する少なくとも先端部がフッ素樹脂処理、耐磨耗処理または耐腐食処理を施されている請求項1〜10のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項12】
ブレードの金型軸方向端部から垂下する樹脂溶液を収容するための受け部材をさらに有する請求項1〜11のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の塗布装置を使用することを特徴とする環状シームレス成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−142755(P2009−142755A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322982(P2007−322982)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】