説明

変圧器、電気回路、電流検出方法および出力制御方法

【課題】昇圧トランスの二次巻線に流れる管電流の検出を簡便にする。複数放電管の照度を均一にする。放電管電源回路の共振のQ値をある程度高く維持して、力率を改善する。
【解決手段】主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、第1巻線に鎖交し第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、第2巻線に鎖交し第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線と、を備えた変圧器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器、電気回路、電流検出方法および出力制御方法に関する。本発明は、特に、変圧器の二次巻線の出力電流制御に適した第3の巻線を備えた変圧器、電気回路、電流検出方法および出力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放電管用のインバータ回路は、液晶テレビあるいは液晶モニタなどの用途において多灯化が進み、簡便な回路でより多くの灯数の放電管を点灯できる回路が求められている。その一つの例として、漏洩磁束型の昇圧変圧器の二次巻線のそれぞれの端子を冷陰極管に接続した、いわゆるフローティング方式と呼ばれる点灯回路がある。また、たとえば特許文献1あるいは特許文献2では、変圧器に第三の巻線を設けて二次側の状態を監視しようとする試みが為されている。
【特許文献1】特開2007−280796号公報
【特許文献2】特開2003−173884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、フローティング方式の点灯回路では、昇圧変圧器の二次巻線に流れる管電流の検出を簡便にする方法がなく、電流検出トランス(current transformer)あるいはフォトカプラ等を用いて管電流を検出せざるをえない。この結果コストが高くなる。一方特許文献1あるいは特許文献2での二次側状態の監視は、いずれも二次側電圧の監視にとどまり、二次側の電流を監視することできない。
【0004】
液晶表示装置のバックライトのように、放電管の多灯化を進めようとすれば、点灯回路を並列に並べることとなるが、その場合には並列に並べた各一対の放電管ごとに電流の差が生じ、全灯の明るさが均一にならないという問題が生じる。その対策として、昇圧トランスの漏れインダクタンスを大きく設定して、昇圧変圧器の二次側に生じる各共振回路のQ値を低くすることによって、各管電流のバラツキを小さくしている。しかしながら、共振回路のQ値を低く設定することは、昇圧変圧器一次側から見た電圧位相と電流位相との差が大きくなり、力率が悪くなって昇圧変圧器一次巻線に流れる無効電流が多くなり、昇圧変圧器とスイッチング素子との発熱が多くなる。
【0005】
またフローティング方式は、二本の放電管を直列に駆動するので、点灯回路の出力電圧が高くなり、二次巻線の巻数が多くなって自己共振周波数が低くなる。自己共振周波数が低くなると変圧器の昇圧比が取れなくなり、一次巻線側から見た力率が悪くなり発熱する。発熱を抑えようとして二次巻線の巻数を減らせば、二次巻線側の漏れインダクタンスが小さくなり、多灯の各電流が均一でなくなり、発光が不均一になる。すなわち、均一な照明と発熱とはトレードオフの関係にあり、当該トレードオフの関係を解消する方策が求められている。なお、変圧器の二次側回路に流れる電流を検出する要請は放電管の場合に限られるわけではなく、スイッチング電源、DC−DCコンバータ回路あるいはインバータ回路等においても要求される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、第1巻線に鎖交し第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、第2巻線に鎖交し第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線と、を備え、第3巻線は、第1漏洩磁束または第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器を提供する。第1の形態において、主磁束、第1漏洩磁束および第2漏洩磁束を透過させて磁気回路を作る磁心、をさらに備えてよく、磁心は、第1漏洩磁束および第2漏洩磁束を生じやすくする磁束漏れ部を有することができる。
【0007】
第1の形態における第1の変形例として、第3巻線は、第1漏洩磁束および第2漏洩磁束と鎖交し、主磁束とは鎖交しないものであってよい。第2の変形例として、第3巻線は、主磁束および第1漏洩磁束と鎖交し第2漏洩磁束とは鎖交しない第1部分巻線部と、主磁束および第2漏洩磁束と鎖交し第1漏洩磁束とは鎖交しない第2部分巻線部と、を有し、第1部分巻線部と第2部分巻線部とは互いに逆向きに巻かれていてよい。第3の変形例として、第3巻線は、主磁束および第1漏洩磁束と鎖交し第2漏洩磁束とは鎖交しない第1部分巻線部と、主磁束と鎖交し第1漏洩磁束および第2漏洩磁束とは鎖交しない第2部分巻線部と、を有し、第1部分巻線部と第2部分巻線部とは互いに逆向きに巻かれていてよい。
【0008】
第2および第3の変形例において、第1部分巻線部は第1巻線と同軸に巻かれ、第2部分巻線部は第2巻線と同軸に巻かれたものであってよい。第4の変形例として、第3巻線は、主磁束および第2漏洩磁束と鎖交し、第1漏洩磁束とは鎖交しないものであってよい。
【0009】
本発明の第2の形態においては、前記第1の形態の変圧器あるいは前記第1〜第4の変形例の変圧器と、第3巻線に生ずる電圧または電流を検出することにより、第2巻線に流れる電流を検出する電流検出回路と、を備えた電気回路を提供する。また、本発明の第3の形態においては、前記第1の形態の変圧器あるいは前記第1〜第4の変形例の変圧器と、第3巻線に生ずる電圧と第1巻線に生ずる電圧との差分を検出することにより、第2巻線に流れる電流を検出する電流検出回路と、を備えた電気回路を提供する。
【0010】
本発明の第4の形態においては、前記第1の形態の変圧器あるいは前記第1〜第4の変形例の変圧器と、第3巻線に生ずる電流または電圧により、第1巻線の入力を制御して、第2巻線の出力を制御する制御回路と、を備えた電気回路を提供する。この場合、制御回路は、一対の入出力端子および制御端子を各々含む第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を有し、第1巻線の中点は電源に接続され、第1スイッチング素子の入出力端子の一方および第2スイッチング素子の入出力端子の一方は各々接地され、第1スイッチング素子の入出力端子の他方は第1巻線の一方の端子に接続され、第2スイッチング素子の入出力端子の他方は第1巻線の他方の端子に接続され、第1スイッチング素子の制御端子は第3巻線の一方の端子に接続され、第2スイッチング素子の制御端子は第3巻線の他方の端子に接続されてよい。また、制御回路は、第1スイッチング素子の制御端子と第3巻線の一方の端子との間、または、第2スイッチング素子の制御端子と第3巻線の他方の端子との間に挿入されたインピーダンス回路をさらに有してよい。
【0011】
本発明の第5の形態においては、前記第1の形態の変圧器あるいは前記第1〜第4の変形例の変圧器を複数備え、複数の変圧器の第3巻線の各々を直列に接続して閉回路を形成することにより、複数の変圧器の第2巻線から出力される各出力電流を均一化する電気回路を提供する。この場合、閉回路に挿入されるインピーダンス回路をさらに備えてよい。
【0012】
本発明の第6の形態においては、前記第1の形態の変圧器あるいは前記第1〜第4の変形例の変圧器を備える電界回路における電流検出方法であって、第3巻線に生ずる電圧または電流を検出することにより、第2巻線に流れる電流を検出する電流検出方法を提供する。本発明の第7の形態においては、前記第4の変形例の変圧器を備える電気回路における電流検出方法であって、第3巻線に生ずる電圧と第1巻線に生ずる電圧との差分を検出することにより、第2巻線に流れる電流を検出する電流検出方法を提供する。
【0013】
本発明の第8の形態においては、前記第1の形態の変圧器あるいは前記第1〜第4の変形例を備える電気回路における出力制御方法であって、第3巻線に生ずる電流または電圧により、第1巻線の入力を制御して、第2巻線の出力を制御する出力制御方法を提供する。本発明の第8の形態においては、前記第1、第2、第3または第4の変圧器を複数備える電気回路における出力制御方法であって、複数の変圧器の第3巻線の各々を直列に接続して閉回路を形成することにより、複数の変圧器の第2巻線から出力される各出力電流を均一化する出力制御方法を提供する。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、本実施形態の変圧器100の一例を示す。本実施形態の変圧器100は、磁心110を備え、磁心110には一次巻線Pwと二次巻線Swと第3巻線Lwとが巻かれている。一次巻線Pwは、第1巻線の一例であってよく、一般に電源側の巻線であってよい。二次巻線Swは、第2巻線の一例であってよく、一般に負荷側の巻線であってよい。一次巻線Pwおよび二次巻線Swは主磁束Φ12と鎖交する。
【0017】
第3巻線Lwは、一次巻線Pwに鎖交し二次巻線Swに鎖交しない第1漏洩磁束Φ11、または、二次巻線Swに鎖交し一次巻線Pwに鎖交しない第2漏洩磁束Φ22、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置されてよい。図1において、第3巻線Lwは、主磁束Φ12および第1漏洩磁束Φ11と鎖交し第2漏洩磁束Φ22とは鎖交しない第1部分巻線部Lwaと、主磁束Φ12および第2漏洩磁束Φ22と鎖交し第1漏洩磁束Φ11とは鎖交しない第2部分巻線部Lwbと、を有し、第1部分巻線部Lwaと第2部分巻線部Lwbとは互いに逆向きに巻かれている。なお、第1部分巻線部Lwaは一次巻線Pwと同軸に巻かれ、第2部分巻線部Lwbは二次巻線Swと同軸に巻かれている。
【0018】
磁心110は、主磁束Φ12、第1漏洩磁束Φ11および第2漏洩磁束Φ22を透過させて磁気回路を作る。磁心110は、第1漏洩磁束Φ11および第2漏洩磁束Φ22を生じやすくする磁束漏れ部Mを有してよい。
【0019】
主磁束Φ12は、相互インダクタンスに流れる電流によるものであって、回路電圧に関係する。したがって、主磁束Φ12の性状をもとに施した検出巻線では回路電圧しか反映できない。一方、第1漏洩磁束Φ11および第2漏洩磁束Φ22は、漏れインダクタンスに流れる電流によるものであって、回路電流に関係する。したがって、漏洩磁束は回路電流を反映するから、漏洩磁束を検出することによって回路電流を検出することが可能となる。
【0020】
本実施形態の変圧器100を含む一般的な変圧器の場合、一次巻線、二次巻線ともソレノイドであるから、漏洩磁束は一次巻線と二次巻線との間に集中する。すなわち、理想的なソレノイドではソレノイドの途中からは磁束漏れはないので、その原理から漏洩磁束は主に一次巻線と二次巻線との間に集中する。しかしながら、放電管用の昇圧変圧器の場合、二次巻線の巻数が多いので自己共振周波数が低くなる場合がある。このような場合は二次巻線に分布定数状の性質が発現して二次巻線の途中から漏れる磁束が観測される。
【0021】
本実施形態の変圧器100においては図1に示すように、一次巻線Pwと二次巻線Swとの間に第3巻線Lwを設けることによって漏洩磁束の量に比例した電圧を検出することができる。漏洩磁束の量とは即ち回路電流を反映するから、第3巻線Lwに発生する電圧は回路電流に比例する。
【0022】
前記した通り、第3巻線Lwは、第1部分巻線部Lwaと第2部分巻線部Lwbとの二つの部位に分かれ、第1部分巻線部Lwaは一次巻線Pwの近傍に巻かれ、第2部分巻線部Lwbは二次巻線Swの近傍に、第1部分巻線部Lwaとは逆方向に巻かれている。第1部分巻線部Lwaに発生する電圧ELwaは、LwaのインダクタンスをLLwaとして、数1のようになる。
【数1】

【0023】
一方、第2部分巻線部Lwbに発生する電圧ELwbは、LwbのインダクタンスをLLwbとして、数2のようになる。
【数2】

【0024】
LwaとLwbは同じ巻数であり、インダクタンスは同じであるとすると、主磁束Φ12によって発生する電圧は次のように打ち消しあい、数3のようになる。
【数3】

【0025】
すなわち第3巻線Lwには、漏洩磁束成分に比例する電圧ELwが発生する。第3巻線Lwに発生する電圧ELwは、漏洩磁束の時間的変化を微分したものだから磁束位相よりも90度進んだ位相となる。そして第3巻線Lwに発生する電圧ELwは、漏洩磁束の量、即ち二次巻線Sw側の出力電流をそのまま反映するから、第3巻線Lwに発生する電圧ELwは二次巻線Sw側の出力電流に等しくなる。よって、第3巻線Lwに発生する電圧ELwを計測して負荷電流を精密に制御でき、放電管に適用する場合には複数放電管の照度を均一にできる。
【0026】
なお、図2に示す変圧器200のように、磁心110には磁束漏れ部Mを備えなくても良い。また、図3に示す変圧器300のように、第3巻線Lwの第2部分巻線部Lwbを漏洩磁束も漏れ発生部分に移動して、一次巻線Pw近傍の漏洩磁束またはその一部のみを検出してもよい。すなわち、第3巻線Lwは、主磁束Φ12および第1漏洩磁束Φ11と鎖交し第2漏洩磁束Φ22とは鎖交しない第1部分巻線部Lwaと、主磁束Φ12と鎖交し第1漏洩磁束Φ11および第2漏洩磁束Φ22とは鎖交しない第2部分巻線部Lwbと、を有し、第1部分巻線部Lwaと第2部分巻線部Lwbとは互いに逆向きに巻かれていてよい。
【0027】
変圧器300の場合、主磁束Φ12のみが相殺され、数4のようになる。
【数4】

【0028】
図4は、本実施形態の他例の変圧器400を示す。変圧器400に備える第3巻線Lwは、前記した変圧器100、200および300とその配置が異なる。すなわち、変圧器400の第3巻線Lwは、一次巻線Pw、二次巻線Swとは同軸に巻かれず、第1漏洩磁束Φ11および第2漏洩磁束Φ22と鎖交し、主磁束Φ12とは鎖交しない位置に配置される。
【0029】
前記した通り、主として磁束の漏れる部位は一次巻線Pwと二次巻線Swとの境目であるから、二次巻線Swが仮に全く分布定数状の性質を持たない場合には、二次巻線Sw側の漏洩磁束は概ね一次巻線Pwと二次巻線Swとの境目に集中する。したがって、この漏洩磁束の多い部位に第3巻線Lwを設けることによって、漏洩磁束のみを検出することができる。
【0030】
第3巻線Lwに発生する電圧は、第1漏洩磁束Φ11、第2漏洩磁束Φ22の一部が第3巻線Lwと鎖交して発生するものであって、第1漏洩磁束Φ11、第2漏洩磁束Φ22に比例し、第3巻線LwのインダクタンスLLwに比例する。この場合、漏洩磁束の量は二次巻線Swに流れる電流に比例するから、第3巻線Lwに発生する電圧は、負荷に流れる電流に比例する。また、二次巻線Sw側に容量成分が接続され、その容量成分と二次巻線Swの漏れインダクタンスとが共振する場合は、その共振電流に比例する。
【0031】
放電管用インバータ回路においては多くの場合、二次巻線Swが分布定数状の遅延回路を形成していることがある。このような分布定数状の現象は、二次巻線Swの自己共振周波数がインバータ回路の駆動周波数に近付くと顕著になる。この場合の漏洩磁束は、図5に示すように、二次巻線Sw全体から漏れるようになるので、第1漏洩磁束Φ11のみまたはその一部を捉えた方がインバータ回路の動作にとって合理的な場合もある。
【0032】
前記した変圧器によれば、第3巻線Lwに発生する電圧は変圧器の出力電流に比例するので、この電圧または電流を検出すれば変圧器の出力電流を測定することができる。図6は、電流検出回路の一例を示した回路図である。第3巻線Lwの端子電圧を電流制御として駆動回路にフィードバックして、変圧器の一次電圧または一次電流を制御できる。なお、第3巻線Lwに発生する電圧には、高次数の振動波形が生じている場合がある。このような場合には、図7に示すように、CRによるフィルタを適宜設けてもよい。
【0033】
第3巻線Lwに発生する電圧は変圧器の出力電流に比例するから、この電圧または電流を検出すれば変圧器の出力電流あるいは位相を測定することができる。測定した出力電流あるいは位相により、放電管の管電流を精密に制御して、放電管の照度を精密に制御できる。
【0034】
駆動回路が巻線の片側を交流的に接地する方法、たとえばハーフブリッジ回路、スイッチスナバ回路等である場合、二次巻線Swの近傍に巻いたLwbのみを用いても前記同様の効果が実現できる。図8は、変形例である変圧器500の一例を示す。第3巻線Lwとして二次巻線Swの近傍に巻いた第2部分巻線部Lwbのみを用いる。すなわち、第3巻線Lwは、主磁束Φ12および第2漏洩磁束Φ22と鎖交し、第1漏洩磁束Φ11とは鎖交しない。
【0035】
この場合、一次巻線Pwは、第1部分巻線部Lwaを兼ねる。一次巻線Pwと同数のLwbを一次巻線Pwとは逆巻きになるように巻いて図9のように直列に接続すれば、その巻線に生じる電圧は出力電流を反映するようになる。さらに、図10のようにLwbを二次巻線Swの一部としてタップを設け、これと接続すれば同様の効果を得ることができる。
【0036】
また、アナログ的な加算器あるいは分圧抵抗などのより複雑な手段を用いても、同様の効果が得られる。図11はLwaを兼ねる一次巻線Pwの電圧とLwbの電圧とを抵抗で分圧して合成したものを示す。同様に図12のように、一次巻線Pwにタップを設け、Lwaを兼ねることもできる。さらに言うまでもないが、オペアンプなどを用いて、同様の検出回路が実現できる。図13に示す検出回路の例は、一次巻線Pwに発生する電圧を差動アンプで捉え、Lwbの電圧とさらに差分を取って出力電流を検出できる。
【0037】
図14は、本実施形態の変圧器を複数放電管の駆動に適用する回路例を示す。図14には第3巻線Lwを有する漏れインダクタンス型変圧器の第3巻線Lw同士を直列に接続して閉ループを形成した回路図を示す。第3巻線Lwを直列接続して閉ループにすることにより変圧器の出力電流が均一になり、複数本の放電管の照度を均一にできる。第3巻線Lwに発生する電圧と電流は変圧器の出力電流に比例するので、逆にこの電流を等しくすれば変圧器の出力電流が等しくなる。
【0038】
この閉ループの一部に、図15に示すように、インピーダンス回路Iを含んでもよい。インピーダンス回路により、第3巻線Lwの相互作用の強さを調節することができる。インピーダンス回路は抵抗、コンデンサ、チョークコイルまたはこれらの組み合わせなど任意の電気回路要素が適用できる。また互いに逆に巻かれている第1部分巻線部と第2部分巻線部の巻数をアンバランスにすることによっても第3巻線Lwの相互作用の強さを調節することができる。
【0039】
図16は、本実施形態の変圧器においてスイッチング素子を制御する回路の一例を示す。第3巻線Lwに流れる電流の位相は変圧器の入力電流あるいは出力電流の位相にもほぼ等しいので、この電流により電流制御型のスイッチング素子を駆動できる。すなわち、当該回路は、第3巻線Lwに生ずる電流または電圧により、駆動回路を介して一次巻線Pwの入力をして二次巻線Swの出力を得る回路を有する。
【0040】
駆動回路は、一対の入出力端子および制御端子を各々含む第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を有し、一次巻線Pwの中点は電源に接続され、第1スイッチング素子の入出力端子の一方および第2スイッチング素子の入出力端子の一方は各々接地される。第1スイッチング素子の入出力端子の他方は一次巻線Pwの一方の端子に接続され、第2スイッチング素子の入出力端子の他方は一次巻線Pwの他方の端子に接続される。第1スイッチング素子の制御端子は第3巻線Lwの一方の端子に接続され、第2スイッチング素子の制御端子は第3巻線Lwの他方の端子に接続される。
【0041】
図17および図18は、図16に示す回路の動作を示す。第3巻線Lwに流れる電流は、漏洩磁束の時間的変化をそのまま反映した位相であるから、これを利用して電流共振型回路を形成できる。すなわち、漏洩磁束は一次巻線Pw側の電流、または二次巻線Sw側の電流を反映するから、第3巻線Lwの電流はこれらの電流を反映した電流になる。そしてそれは、一次側から発生する漏洩磁束を多く捉えた場合は一次巻線Pw側の電流を反映し、二次側から発生する磁束漏れを多く捉えた場合は二次巻線Sw側の電流を反映するものになる。
【0042】
図16の回路においては第3巻線Lwに流れる電流を利用する。したがって第3巻線Lwに流れる電流は、図17のように、トランジスタQ1がONになるタイミングではダイオードD2を通り流れ、これは、漏れインダクタンスLsと二次側の容量で形成される共振回路に流れる電流の位相が反映される。二次側の共振電流が反転するとスイッチングの動作も反転する。図18のように、トランジスタQ2がONになるタイミングでは第3巻線Lwに流れる電流はダイオードD1を通り流れる。
【0043】
第3巻線Lwに流れる電流とスイッチング電圧との関係は以下のとおりとなる。図19、図20および図21は、駆動電圧と第3巻線電流との関係を比較して示した波形図である。横軸が時間、縦軸が電圧または電流を示す。矩形波が駆動電圧を示し、正弦波に近い波形が第3巻線電流を示す。
【0044】
図19は共振周波数よりも駆動周波数が低い場合であり、第3巻線電流の位相が駆動電圧の位相よりも進んでいるので、第3巻線の電流位相は駆動回路の位相を進めるように働き駆動周波数が上昇する。図20は共振周波数と駆動周波数が同じ場合であり、第3巻線電流の位相が駆動電圧の位相に等しいので、駆動周波数はこの周波数で落ち着く。図21は共振周波数よりも駆動周波数が高い場合であり、第3巻線電流の位相が駆動電圧の位相よりも遅れているので、第3巻線の電流位相は駆動回路の位相を遅らせるように働き駆動周波数が下降する。このようにして図16の電流共振型回路は共振周波数付近の定められた周波数に落ち着く。
【0045】
上記例において重要なことは、第3巻線Lwに流れる電流の位相を利用することである。一方のベースに接続される第3巻線Lwは、インピーダンス回路Liを介して接続されてもよい。インピーダンス回路Liは前期したインピーダンス回路Iの場合と同様任意であってよい。ただし、第3巻線Lwに流れる電流の位相関係を変えないようチョークコイルを用いることが好ましい。なお、図16、図17、図18の例ではダイオードD1、D2を使用して逆位相の電流を流しているが他の方法が適用できる場合はそれでもよい。より複雑な回路、たとえば積分回路、微分回路等を用いて電流検出巻線に発生する電圧から90度位相が異なる波形を得て、それをスイッチング手段に用いても良い。
【0046】
上記例ではスイッチング素子にバイポーラ・トランジスタを用いているが、他の電流制御型のスイッチング素子でもよい。FET(電界効果トランジスタ)のような電圧制御型のスイッチング素子でもよい。FETは入力インピーダンスが高いので、第3巻線Lwの巻数を多くしてゲート側ダイオードと抵抗を並列接続してもよい。あるいは第3巻線Lwの電圧を、積分回路を介して位相を90度シフトさせてゲートを駆動してもよい。スイッチング素子に電流駆動型の素子を用いた場合は第3巻線Lwに流れる電流を利用するが、第3巻線Lwに発生する電圧を利用する場合は積分回路を介して電圧駆動型の素子のゲートに接続してこれを利用できる。
【0047】
図22は、電圧制御型のスイッチング素子を適用した例を示す。抵抗R1とコンデンサC1とで第一の積分回路を形成して、抵抗R2とコンデンサC2とで第二の積分回路を形成して、第3巻線Lwに生じる電圧を積分している。この電圧によって、電圧制御型のスイッチング素子を駆動している。
【0048】
なお、上記した実施形態の回路は基本的に電流共振型であり、電流共振型回路の一般的な特長として、何らかの起動手段が存在しなければ起動しない性質がある。よって起動回路を設ける。この起動回路は電源電圧が低い場合に適するが、電源電圧が高い場合は一般的な回路であるダイアックを用いた起動回路の方がより単純であって好ましい。しかしながら、多くの場合は特に起動回路を設けなくても、実用上は図23に示す回路でも差し支えない場合が多い。この場合の抵抗RbはトランジスタQ1、あるいはトランジスタQ2にわずかなバイアス電流を流すことを目的とする。
【0049】
図24は、調光回路を組み合わせた回路を示す。調光回路はコレクタ共振型の調光回路として従来から用いられてきた一般的なものであってよく、専用のパルス幅制御回路とフライホイール・ダイオードとを組み合わせたものであってよい。理想的に調整された場合には従来必要であったチョークコイルも平滑コンデンサも不要になる。このことにより、極めて単純な回路にできる。また、昇圧変圧器のサイズは従来のコレクタ共振型回路に比べて圧倒的に小さくなる。ただし、本実施例においてはチョークコイルの使用を排除しない。たとえば調光回路を駆動する周波数を低くしたい場合などにはチョークコイルの使用が適切な場合がある。
【0050】
上記した実施形態によれば、第3巻線Lwを漏洩磁束と鎖交させまたは主磁束を相殺して漏洩磁束のみを検出することによって、図25のように変圧器の出力電流に比例した電圧を得ることができた。そして、変圧器二次側回路の共振電流を第3巻線Lwによって検出することによって力率の高いスイッチング動作をさせることができた。また、複数の変圧器の第3巻線Lwを相互に直列に接続して閉ループを形成することにより、第3巻線Lwには漏洩磁束と対向する磁束が生じ、漏洩磁束と対向して漏洩磁束の一部を相殺できた。この対向して相殺する作用により、各変圧器の漏洩磁束の量が等しくなるので各変圧器の出力電流が等しくできた。
【0051】
以上により、一次巻線Pw側に流れる電流、または、二次巻線Sw側に流れる電流の検出または電流・電圧の位相の検出が容易になり、簡単な回路で電流検出型の回路を形成できた。また、第3巻線Lw同士を接続して閉ループを構成する場合には各放電管の管電流を等しくできた。
【0052】
図26は第3巻線Lwを閉ループにしない場合の二つの変圧器の出力電流を示す。効果の違いを明確にすることを目的に、一方の放電管の長さを340mmとし、もう一方の放電管の長さを190mmとして負荷条件が大きく異なる状態で計測した。二つの出力電流は大きく異なる。一方図27は同様な条件において第3巻線Lwを閉ループにした場合の二つの変圧器の出力電流を示す。両者の出力電流がほぼ等しくなったことを確認した。
【0053】
よって、変圧器の漏れインダクタンスを小さく維持ながら複数の変圧器の出力電流を等しくすることも可能になりトレードオフのブレークスルーが可能になった。また、二次巻線Swの自己共振周波数も高くできるようになった。さらに、昇圧変圧器の一次側から見た力率を有効に改善でき、回路の温度が下がり変換効率を改善できた。また、電流共振型の回路が簡単に構成できた。この場合、昇圧変圧器のよりいっそうの小型化が実現できるようになり、または、同サイズでより大きな電力に対応できるようになった。また回路全体の変換効率が改善された。電流共振型の回路においては、幅広く負荷が変化する状況において、常に最適な力率改善効果を維持することが可能になった。
【0054】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。たとえば、第3巻線Lwを有する変圧器は昇圧変圧器に限定されるものではなく、その適用範囲も放電管用の点灯回路に限定されるものでもない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態の変圧器100の一例を示す。
【図2】本実施形態の変形例の変圧器200を示す。
【図3】本実施形態の変形例の変圧器300を示す。
【図4】本実施形態の他例の変圧器400を示す。
【図5】本実施形態の変圧器の一例を示す。
【図6】電流検出回路の一例を示した回路図である。
【図7】電流検出回路の他の例を示した回路図である。
【図8】変形例である変圧器500の一例を示す。
【図9】電流検出回路の他の例を示した回路図である。
【図10】電流検出回路の他の例を示した回路図である。
【図11】電流検出回路の他の例を示した回路図である。
【図12】電流検出回路の他の例を示した回路図である。
【図13】電流検出回路の他の例を示した回路図である。
【図14】本実施形態の変圧器の第三巻線を閉ループに接続した回路例を示す。
【図15】図14に示す回路の閉ループの一部にインピーダンス回路を含む一例を示す。
【図16】本実施形態の変圧器において出力を制御する制御回路を備えた回路の一例を示す。
【図17】図16に示す回路の動作を示す。
【図18】図16に示す回路の動作を示す。
【図19】駆動電圧と第3巻線電流との関係を比較して示した波形図である。
【図20】駆動電圧と第3巻線電流との関係を比較して示した波形図である。
【図21】駆動電圧と第3巻線電流との関係を比較して示した波形図である。
【図22】電圧制御型のスイッチング素子を適用した例を示す。
【図23】図22に示す回路の他の例を示す。
【図24】調光回路を組み合わせた回路を示す。
【図25】変圧器の出力電流と第3巻線Lwに生じる電圧との関係を示す。
【図26】第3巻線Lwを閉ループにしない場合の二つの変圧器の出力電流を示す。
【図27】第3巻線Lwを閉ループにした場合の二つの変圧器の出力電流を示す。
【符号の説明】
【0056】
100 変圧器
110 磁心
200 変圧器
300 変圧器
400 変圧器
500 変圧器
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
D1 ダイオード
D2 ダイオード
Lw 電圧
Lwa 電圧
Lwb 電圧
I インピーダンス回路
Lw インダクタンス
Li インピーダンス回路
Ls 漏れインダクタンス
Lw 第3巻線
Lwa 第1部分巻線部
Lwb 第2部分巻線部
M 磁束漏れ部
Pw 一次巻線
Q1 トランジスタ
Q2 トランジスタ
R1 抵抗
R2 抵抗
Rb 抵抗
Sw 二次巻線
Φ11 第1漏洩磁束
Φ12 主磁束
Φ22 第2漏洩磁束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、
前記第1巻線に鎖交し前記第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、前記第2巻線に鎖交し前記第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線とを備え、
前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束または前記第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器。
【請求項2】
前記主磁束、前記第1漏洩磁束および前記第2漏洩磁束を透過させて磁気回路を作る磁心、をさらに備え、
前記磁心は、前記第1漏洩磁束および前記第2漏洩磁束を生じやすくする磁束漏れ部を有する、
請求項1に記載の変圧器。
【請求項3】
前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束および前記第2漏洩磁束と鎖交し、前記主磁束とは鎖交しない、
請求項1または請求項2に記載の変圧器。
【請求項4】
前記第3巻線は、
前記主磁束および前記第1漏洩磁束と鎖交し前記第2漏洩磁束とは鎖交しない第1部分巻線部と、
前記主磁束および前記第2漏洩磁束と鎖交し前記第1漏洩磁束とは鎖交しない第2部分巻線部と、を有し、
前記第1部分巻線部と前記第2部分巻線部とは互いに逆向きに巻かれている、
請求項1または請求項2に記載の変圧器。
【請求項5】
前記第3巻線は、
前記主磁束および前記第1漏洩磁束と鎖交し前記第2漏洩磁束とは鎖交しない第1部分巻線部と、
前記主磁束と鎖交し前記第1漏洩磁束および前記第2漏洩磁束とは鎖交しない第2部分巻線部と、を有し、
前記第1部分巻線部と前記第2部分巻線部とは互いに逆向きに巻かれている、
請求項1または請求項2に記載の変圧器。
【請求項6】
前記第1部分巻線部は前記第1巻線と同軸に巻かれ、前記第2部分巻線部は前記第2巻線と同軸に巻かれた、
請求項4または請求項5に記載の変圧器。
【請求項7】
前記第3巻線は、前記主磁束および前記第2漏洩磁束と鎖交し、前記第1漏洩磁束とは鎖交しない、
請求項1または請求項2に記載の変圧器。
【請求項8】
主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、前記第1巻線に鎖交し前記第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、前記第2巻線に鎖交し前記第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線とを有し、前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束または前記第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器と、
前記第3巻線に生ずる電圧または電流を検出することにより、前記第2巻線に流れる電流を検出する電流検出回路と、
を備えた電気回路。
【請求項9】
主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、前記第1巻線に鎖交し前記第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、前記第2巻線に鎖交し前記第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線とを有し、前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束または前記第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器と、
前記第3巻線に生ずる電圧と前記第1巻線に生ずる電圧との差分を検出することにより、前記第2巻線に流れる電流を検出する電流検出回路と、
を備えた電気回路。
【請求項10】
主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、前記第1巻線に鎖交し前記第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、前記第2巻線に鎖交し前記第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線とを有し、前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束または前記第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器と、
前記第3巻線に生ずる電流または電圧により、前記第1巻線の入力を制御して、前記第2巻線の出力を制御する制御回路と、
を備えた電気回路。
【請求項11】
前記制御回路は、
一対の入出力端子および制御端子を各々含む第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を有し、
前記第1巻線の中点は電源に接続され、
前記第1スイッチング素子の前記入出力端子の一方および前記第2スイッチング素子の前記入出力端子の一方は各々接地され、
前記第1スイッチング素子の前記入出力端子の他方は前記第1巻線の一方の端子に接続され、
前記第2スイッチング素子の前記入出力端子の他方は前記第1巻線の他方の端子に接続され、
前記第1スイッチング素子の前記制御端子は前記第3巻線の一方の端子に接続され、
前記第2スイッチング素子の前記制御端子は前記第3巻線の他方の端子に接続された、
請求項10に記載の電気回路。
【請求項12】
前記制御回路は、
前記第1スイッチング素子の前記制御端子と前記第3巻線の前記一方の端子との間、または、前記第2スイッチング素子の前記制御端子と前記第3巻線の前記他方の端子との間に挿入されたインピーダンス回路をさらに有する、
請求項11に記載の電気回路。
【請求項13】
主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、前記第1巻線に鎖交し前記第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、前記第2巻線に鎖交し前記第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線とを有し、前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束または前記第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器を複数備え、
前記複数の変圧器の前記第3巻線の各々を直列に接続して閉回路を形成することにより、前記複数の変圧器の前記第2巻線から出力される各出力電流を均一化する電気回路。
【請求項14】
前記閉回路に挿入されるインピーダンス回路をさらに備える、
請求項13に記載の電気回路。
【請求項15】
主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、前記第1巻線に鎖交し前記第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、前記第2巻線に鎖交し前記第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線とを有し、前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束または前記第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器を備える電気回路における電流を検出する方法であって、
前記第3巻線に生ずる電圧または電流を検出することにより、前記第2巻線に流れる電流を検出する方法。
【請求項16】
主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、前記第1巻線に鎖交し前記第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、前記第2巻線に鎖交し前記第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線とを有し、前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束または前記第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器を備える電気回路における電流を検出する方法であって、
前記第3巻線に生ずる電圧と前記第1巻線に生ずる電圧との差分を検出することにより、前記第2巻線に流れる電流を検出する方法。
【請求項17】
主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、前記第1巻線に鎖交し前記第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、前記第2巻線に鎖交し前記第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線とを有し、前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束または前記第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器を備える電気回路における出力を制御する方法であって、
前記第3巻線に生ずる電流または電圧により、前記第1巻線の入力を制御して、前記第2巻線の出力を制御する方法。
【請求項18】
主磁束と鎖交する第1巻線および第2巻線と、前記第1巻線に鎖交し前記第2巻線に鎖交しない第1漏洩磁束、または、前記第2巻線に鎖交し前記第1巻線に鎖交しない第2漏洩磁束、と少なくとも一部が鎖交する位置に配置された第3巻線とを有し、前記第3巻線は、前記第1漏洩磁束または前記第2漏洩磁束の少なくとも一方または双方の値を反映するように巻かれた変圧器を複数備える電気回路における出力を制御する方法であって、
前記複数の変圧器の前記第3巻線の各々を直列に接続して閉回路を形成することにより、前記複数の変圧器の前記第2巻線から出力される各出力電流を均一化する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2009−212157(P2009−212157A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51178(P2008−51178)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(593177594)
【出願人】(302061299)
【Fターム(参考)】